IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-533016内部ウエハ移送能力を用いて処理空間に対してチャンバ空間を隔離する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】内部ウエハ移送能力を用いて処理空間に対してチャンバ空間を隔離する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501713
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022043763
(87)【国際公開番号】W WO2023049038
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/486,616
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン, サラヴァナクマール
(72)【発明者】
【氏名】パクルスキー, ライアン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA12
5F131BA19
5F131BA24
5F131BA37
5F131BB02
5F131BB03
5F131BB04
5F131BB14
5F131CA32
5F131CA39
5F131CA48
5F131DA42
5F131DB05
5F131DB52
5F131DB57
5F131DB77
5F131DB83
5F131EA03
5F131EA04
(57)【要約】
例示的な基板処理システムは、移送領域を画定するチャンバ本体を含みうる。本システムは、チャンバ本体に着座したリッド板を含みうる。リッド板は、複数の開口を画定しうる。本システムは、複数のリッドスタックを含みうる。本システムは、複数の基板支持体を含みうる。本システムは複数の周辺バルブを含みうる。各周辺バルブは、処理領域のうちの1つの中に配置されうる。各周辺バルブは、チャンバ本体と結合された底板を含みうる。周辺バルブがベローズを含みうる。ベローズは、底板と結合されうる。周辺バルブは、中央開口を画定する本体を有するシールリングを含みうる。本体の底面が、ベローズと結合されうる。本体は、基板支持体の支持板の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定しうる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
移送領域を画定するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体に着座したリッド板であって、当該リッド板を貫通する複数の開口を画定するリッド板と、
前記リッド板を貫通する画定された前記複数の開口の数と等しい複数のリッドスタックであって、前記移送領域から垂直方向にずれた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定する複数のリッドスタックと、
前記リッド板を貫通する前記画定された複数の開口の数と等しい複数の基板支持アセンブリであって、前記複数の基板支持アセンブリの各基板支持アセンブリが、前記複数の処理領域のそれぞれ1つの中に配置され、前記複数の基板支持アセンブリの各基板支持アセンブリが、支持板と、前記支持板の底部と結合されたシャフトと、を含む、複数の基板支持アセンブリと、
前記リッド板を貫通する前記画定された複数の開口の数と等しい複数の周辺バルブであって、前記複数の周辺バルブの各周辺バルブが、前記複数の処理領域のそれぞれ1つの中の、前記複数の基板支持アセンブリのそれぞれ1つの下に配置される、複数の周辺バルブと、
を備え、前記複数の周辺バルブの各周辺バルブが、
前記チャンバ本体の下端と結合された底板であって、前記複数の開口のそれぞれ1つと位置合わせされた底板、
第1の表面、及び前記第1の表面とは反対側の第2の表面を特徴とするチャンバシールベローズであって、前記チャンバシールベローズの前記第1の表面が、前記底板の上面と結合されている、チャンバシールベローズ、及び、
前記複数の基板支持アセンブリのそれぞれ1つの前記シャフトを受け入れるよう寸法決定された中央開口を画定する本体を有するシールリングであって、
前記本体の底面が、前記シールベローズの上面と結合されており、
前記本体の上面が、前記複数の基板支持アセンブリの前記それぞれ1つの前記支持板の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定し、
前記シールリングが、前記複数の処理領域の前記それぞれ1つの中で垂直方向に移動可能である、シールリング
を含む、基板処理システム。
【請求項2】
前記複数の周辺バルブの各周辺バルブが、衝撃緩衝機構を含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記衝撃緩衝機構がバネを含む、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記シールリングが、当該シールリングの上面の上に配置された少なくとも1つのハードストップを含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記複数の周辺バルブの各周辺バルブが、前記底板の下に配置されたリフト機構を含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記複数のリッドスタックの各リッドスタックがチョーク板を含み、前記チョーク板が、当該チョーク板の第1の面に沿って前記リッド板に着座しており、前記チャンバ本体の内面の内方に延在する内側部分を含む、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記シールリングの上端が、前記チョーク板の前記内側部分の少なくとも一部分と垂直方向に位置合わせされている、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
各基板支持アセンブリが、前記複数の処理領域のそれぞれ1つの中で垂直方向に移動可能であり、
前記基板支持アセンブリの上昇位置が、前記複数の周辺バルブのそれぞれ1つの上昇位置よりも高い、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記チャンバシールベローズが、当該チャンバシールベローズの垂直軸に沿って伸縮可能である、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項10】
基板処理チャンバであって、
処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の下端と結合された底板であって、中央開口を画定する底板と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持体であって、
ヒータを含む支持板、
前記支持板の底部に結合されており、前記底板の中央開口を貫通するシャフト、
を含む基板支持体と、
前記処理領域内の前記基板支持体の下に配置された周辺バルブと、
を備え、前記周辺バルブが、
第1の表面、及び前記第1の表面とは反対側の第2の表面を特徴とするチャンバシールベローズであって、前記チャンバシールベローズの前記第1の表面が、前記底板の上面と結合されている、チャンバシールベローズ、及び、
前記基板支持体の前記シャフトを受け入れるよう寸法決定された中央開口を画定する本体を有するシールリングであって、
前記本体の底面が、前記シールベローズの上面と結合されており、
前記本体の上面が、前記基板支持体の前記支持板の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定し、
前記シールリングが、前記処理領域内で垂直方向に移動可能である、シールリング
を含む、基板処理チャンバ。
【請求項11】
前記周辺バルブが、前記底板の底面に結合された複数の大気シールベローズを含む、請求項10に記載の基板処理チャンバ。
【請求項12】
前記シールリングが、当該シールリングの上面の上に配置された少なくとも1つのハードストップを含む、請求項10に記載の基板処理チャンバ。
【請求項13】
前記少なくとも1つのハードストップが高分子材料を含む、請求項12に記載の基板処理チャンバ。
【請求項14】
前記チャンバ本体の上に配置されたチョーク板であって、前記チャンバ本体の内面の内方を当該チャンバ本体の前記内面に沿って下方に延在する内側部分を含むチョーク板をさらに含む、請求項10に記載の基板処理チャンバ。
【請求項15】
前記周辺バルブが上昇位置にあるときには、前記シールリングの少なくとも一部分が前記チョーク板の前記内側部分の底部に接触する、請求項14に記載の基板処理チャンバ。
【請求項16】
前記周辺バルブが衝撃緩衝機構を含む、請求項15に記載の基板処理チャンバ。
【請求項17】
前記衝撃緩衝機構がボールスタッドジョイントを含む、請求項16に記載の基板処理チャンバ。
【請求項18】
基板処理方法であって、
半導体処理チャンバ内で、移送位置から処理位置へと上方に基板支持体を移動させることと、
チャンバ空間の残りの部分から処理領域をシールするために、前記半導体処理チャンバ内で周辺バルブを上方に移動させることと、
前駆体を前記半導体処理チャンバ内に流すことと、
前記半導体処理チャンバの前記処理領域内で前記前駆体のプラズマを生成することと、
前記基板上の材料をエッチングすることと、
を含む、基板処理方法。
【請求項19】
前記周辺バルブは、当該周辺バルブの上面が前記半導体処理チャンバのチャンバ本体の上に着座したチョーク板の下面に接触するまで、上方に移動させられる、請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記周辺バルブの前記上面が前記チョーク板の前記下面に接触するときには、前記周辺バルブはセルフアライニングしている、請求項19に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年9月27日に出願された「METHOD OF ISOLATING THE CHAMBER VOLUME TO PROCESS VOLUME WITH INTERNAL WAFER TRANSFER CAPABILITY」と題する米国特許出願第17/486,616号の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本技術は、半導体処理装置に関する。さらに具体的には、本技術は半導体チャンバの構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理システムでは、クラスターツールを利用して幾つかの処理チャンバを一緒に統合することが多い。このような構成によって、制御された処理環境から基板を取り出すことなく、幾つかの連続した処理を容易にすることができ、又は、変化するチャンバ内で、複数の基板に対して一度に同様のプロセスを実行することが可能となりうる。上記のチャンバには、例えば、脱ガスチャンバ、前処理チャンバ、移送チャンバ、化学気相堆積チャンバ、物理気相堆積チャンバ、エッチングチャンバ、計測チャンバ、及び他のチャンバが含まれうる。クラスターツール内でのチャンバの組み合わせ、及び当該チャンバが稼働する作動条件及びパラメータが、特定の処理レシピ及び処理フローを使用して特定の構造を作製するために選択される。
【0004】
チャンバの処理空間を適切にシールすることは、処理を実行するために望ましい環境を維持するために重要となりうる。さらに、処理システムの特定の領域を真空状態に維持するために、シールすることが必要となりうる。
【0005】
従って、高品質の半導体デバイスを製造するために使用可能な改良されたシールシステム及び構成要素が必要とされている。本技術は、上記の必要性及び他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0006】
例示的な基板処理システムは、移送領域を画定するチャンバ本体を含みうる。本システムは、チャンバ本体に着座したリッド板を含みうる。リッド板は、当該リッド板を貫通する複数の開口を画定しうる。本システムは、リッド板を貫通する画定された複数の開口の数と等しい複数のリッドスタックを含みうる。複数のリッドスタックは、移送領域から垂直方向にずれた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定しうる。本システムは、リッド板を貫通する画定された複数の開口の数と等しい複数の基板支持アセンブリを含みうる。複数の基板支持アセンブリの各基板支持アセンブリが、複数の処理領域のそれぞれ1つの中に配置されうる。複数の基板支持アセンブリの各基板支持アセンブリは、支持板と、当該支持板の底部と結合されたシャフトと、を含みうる。本システムは、リッド板を貫通する画定された複数の開口の数と等しい複数の周辺バルブを含みうる。複数の周辺バルブの各周辺バルブは、複数の処理領域のそれぞれ1つの中の、複数の基板支持アセンブリのそれぞれ1つの下に配置されうる。複数の周辺バルブの各周辺バルブが、チャンバ本体の下端に結合された底板を含みうる。底板は、複数の開口のそれぞれ1つと位置合わせされうる。周辺バルブが、第1の表面と、当該第1の表面とは反対側の第2の表面と、を特徴とするチャンバシールベローズを含みうる。シールベローズの第1の表面は、底板の上面と結合されうる。周辺バルブは、複数の基板支持アセンブリのそれぞれ1つのシャフトを受け入れるよう寸法決定された中央開口を画定する本体を有するシールリングを含みうる。本体の底面が、シールベローズの上面と結合されうる。本体の上面が、複数の基板支持アセンブリのそれぞれ1つの支持板の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定しうる。シールリングが、複数の処理領域のそれぞれ1つの中で垂直方向に移動可能でありうる。
【0007】
幾つかの実施形態において、複数の周辺バルブの各周辺バルブが衝撃緩衝機構を含みうる。衝撃緩衝機構がバネを含みうる。シールリングが、当該シールリングの上面の上に配置された少なくとも1つのハードストップを含みうる。複数の周辺バルブの各周辺バルブが、底板の下に配置されたリフト機構を含みうる。複数のリッドスタックの各リッドスタックが、チョーク板であって、当該チョーク板の第1の表面に沿ってリッド板に着座したチョーク板を含みうる。チョーク板は、チャンバ本体の内面の内方を当該チャンバ本体の内面に沿って下方に延在する内側部分を含みうる。シールリングの上端が、チョーク板の内側部分の少なくとも一部分と垂直方向に位置合わせされうる。各基板支持アセンブリが、複数の処理領域のそれぞれ1つの中で垂直方向に移動可能でありうる。基板支持アセンブリの上昇位置が、複数の周辺バルブのそれぞれ1つの上昇位置よりも高くありうる。チャンバシールベローズが、当該チャンバシールベローズの垂直軸に沿って伸縮可能でありうる。
【0008】
本技術の幾つかの実施形態は、基板処理チャンバを包含しうる。本チャンバは、処理領域を画定するチャンバ本体を含みうる。本チャンバは、チャンバ本体の下端に結合された底板を含みうる。底板は、中央開口を画定しうる。本チャンバは、チャンバ本体内に配置された基板支持体を含みうる。基板支持体アセンブリは、ヒータを含む支持板を含みうる。基板支持体は、支持板の底部に結合されており底板の中央開口を貫通するシャフトを含みうる。本チャンバは、処理領域内の基板支持体の下に配置された周辺バルブを含みうる。周辺バルブが、第1の表面と、当該第1の表面とは反対側の第2の表面と、を特徴とするチャンバシールベローズを含みうる。シールベローズの第1の表面は、底板の上面と結合されうる。周辺バルブは、基板支持体のシャフトを受け入れるよう寸法決定された中央開口を画定する本体を有するシールリングを含みうる。本体の底面が、シールベローズの上面と結合されうる。本体の上面が、基板支持体の支持板の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定しうる。シールリングが、複数の処理領域内で垂直方向に移動可能でありうる。
【0009】
幾つかの実施形態において、周辺バルブが、底板の底面と結合された複数の大気シールベローズを含みうる。シールリングが、当該シールリングの上面の上に配置された少なくとも1つのハードストップを含みうる。少なくとも1つのハードストップが高分子材料を含みうる。本チャンバは、チャンバ本体の上に配置されたチョーク板を含みうる。チョーク板は、チャンバ本体の内面の内方に延在する内側部分を含みうる。周辺バルブが上昇位置にあるときには、シールリングの少なくとも一部分が、チョーク板の内側部分の底部に接触しうる。周辺バルブが衝撃緩衝機構を含みうる。衝撃緩衝機構がボールスタッドジョイントを含みうる。
【0010】
本技術の幾つかの実施形態は、基板処理方法を包含しうる。本方法は、半導体処理チャンバ内で、移送位置から処理位置へと基板支持体を上方に移動させることを含みうる。本方法は、チャンバ空間の残りの部分から処理領域をシールするために、半導体処理チャンバ内で周辺バルブを上方に移動させることを含みうる。本方法は、半導体処理チャンバ内に前駆体を流すことを含みうる。本方法は、半導体処理チャンバの処理領域内で前駆体のプラズマを生成することを含みうる。本方法は、基板上の材料をエッチングすることを含みうる。
【0011】
幾つかの実施形態において、周辺バルブは、当該周辺バルブの上面が半導体処理チャンバのチャンバ本体の上に着座したチョーク板の下面に接触するまで、上方に移動させられうる。周辺バルブの上面がチョーク板の下面に接触するときには、周辺バルブはセルフアライニングしていうる。
【0012】
このような技術は、従来のシステム及び技術に対して数多くの利点を提供することができる。例えば、実施形態によって、チャンバ空間から処理空間をシールすることが可能となり、これにより、共有された移送領域を利用できながら、隣合うチャンバの処理空間を互いにシールすることが可能となりうる。さらに、実施形態によって、処理の間、真空領域を互いにシールし及び/又は大気圧領域から真空領域をシールすることができる。上記の実施形態及び他の実施形態が、その利点や特徴の多くと共に、以下の明細書の記載及び添付の図に関連してより詳細に記載される。
【0013】
開示された技術の性質及び利点については、本明細書の残りの部分及び図面を参照することで更に理解が深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理ツールの概略的な上面図を示す。
図1B】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムの概略的な部分断面図を示す。
図2】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの移送セクションの概略的な等角図を示す。
図3】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムのリッド板の概略的な等角図を示す。
図4】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの例示的なシステム配置の概略的な部分断面図を示す。
図5】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの概略的な側断面図を示す。
図6A】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの周辺バルブの概略的な側断面図を示す。
図6B】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの周辺バルブの概略的な側断面図を示す。
図6C】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの周辺バルブの概略的な側断面図を示す。
図7A-C】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステムの概略的な部分断面図を示す。
図8】本技術の幾つかの実施形態に係る基板を処理するための例示的な方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図の幾つかは概略図として含まれている。図は例示を目的としており、縮尺どおりであると明記されていない限り、縮尺どおりであると見做されないと理解されたい。さらに、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、写実的な描写と比べて全ての態様又は情報を含まない場合があり、例示を目的として強調された素材を含むことがある。
【0016】
添付の図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照符号を有していることがある。さらに、同じ種類に属する様々な構成要素は、参照符号の後に、類似した構成要素同士を区別する文字を付けることで区別されうる。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合に、その説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照符号を有する同様の構成要素のいずれにも適用されうる。
【0017】
基板処理には、ウエハ上又は半導体基板上に材料を追加し、除去し、又は別様に変更するための時間のかかる工程が含まれる。基板を効率良く移動させることで、待ち行列の時間を短縮し、基板のスループットを改善することができる。クラスターツール内で処理される基板の数を増やすために、メインフレーム上に追加のチャンバを組み込むことができる。移送ロボット及び処理チャンバは、上記ツールの長さを長くすることで連続的に追加できるが、クラスターツールの設置面積が拡大するにつれて、スペース効率が悪くなりうる。これに対応して、本技術は、規定の接地面積内で処理チャンバの数が増やされたクラスターツールを含みうる。移送ロボットの周りの限られた設置面積に対応するため、本技術では、ロボットから横方向外側に処理チャンバの数を増やすことができる。例えば、幾つかの従来のクラスターツールは、ロボットの周りに径方向にチャンバの数を最大化するために、中央に位置する移送ロボットのセクションの周りに配置された1つ又は2つの処理チャンバを含みうる。本技術は、他のチャンバ列又は他のチャンバ群として横方向外側に追加のチャンバを組み込むことで、このコンセプトをさらに発展させることができる。例えば、本技術は、1つ以上のロボットアクセス位置のそれぞれでアクセス可能な3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれより多い処理チャンバを含むクラスターツールで適用されうる。
【0018】
追加の処理位置が追加されると、各位置に追加の移送能力がなければ、中央のロボットからこれらの処理位置にアクセスすることがもはや実現不可能となりうる。幾つかの従来技術は、移送中に基板が着座した状態にあるウエハキャリアを含みうる。しかしながら、ウエハキャリアは、基板上の熱不均一性及び粒子汚染の一因となりうる。本技術は、処理チャンバ領域と垂直方向に位置合わせされた移送セクションと、追加のウエハ位置にアクセスするために中央ロボットと協働して動作しうるカルーセル又は移送装置と、を組み込むことで、これらの問題を克服する。この場合、基板支持体は、処理のために基板を伝達するために、移送領域と処理領域の間を垂直方向に移動することができる。
【0019】
移送セクション周辺の処理チャンバ領域の配置に基づいて、各処理チャンバ領域は共通の空間を共有することができる。各チャンバ内の処理領域が互いに隔離されることを可能にするために、実施形態は、処理中に各チャンバの処理領域を互いにシールして隔離するために上昇させることができる周辺バルブ機構を含みうる。周辺バルブを下降させて、各チャンバの移送領域を共有空間に通じさせることができ、これにより、移送セクションは、共有空間内でチャンバ間でウエハを移送することが可能となる。実施形態はまた、周辺バルブが上昇したときにチャンバ空間を大気条件からシールするのを助けるベローズを含みうる。従って、実施形態は、処理条件を改善するためにチャンバ間での処理領域の分離をもたらしつつ、さらに、共通の処理空間内でのウエハの移送を促進することができる。
【0020】
残りの開示では、本構造及び本方法が利用されうる、4つの位置の移送領域といった特定の構造を通常通りに特定するが、論じられる面板又は構成要素が、複数の構成要素が接合又は結合されうる任意の数の他のシステム又はチャンバ、及び任意の数の他の装置において同様に利用されうることが容易に理解されよう。これに対応して、本技術は、任意の特定チャンバでの使用に限定されると見做すべきではない。さらに、本技術の基礎を提供するために例示的なツールシステムが記載されるが、本技術は、記載される工程及びシステムの一部又は全てから利益を享受しうる任意の数の半導体処理チャンバに組み込まれうると理解されたい。
【0021】
図1Aは、本技術の幾つかの実施形態に係る、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、及び硬化チャンバの処理ツール又は処理システム100の一実施形態の上面図を示している。図では、前面開口一体型ポッド102のセットが様々な大きさの基板を供給し、この基板は、ファクトリインタフェース103内でロボットアーム104a及び104bによって受け取られて、ロードロック内又は低圧保持領域106内に配置され、その後、チャンバシステム又はクワッドセクション109a~c(それぞれが、複数の処理領域108と流体的に結合された移送領域を有する基板処理システムでありうる)内に配置された基板処理領域108のうちの1つに伝達される。クワッドシステムが示されているが、スタンドアローンのチャンバ、ツインチャンバ、及び他の複数のチャンバシステムが組み込まれたプラットフォームも同じように本技術に包含されると理解されたい。移送チャンバ112内に収容された第2のロボットアーム110を、保持領域106からクワッドセクション109へと基板ウエハを移送するために使用することができ、第2のロボットアーム110は、クワッドセクション又は処理システムのそれぞれを接続しうる移送チャンバ内に収容されうる。各基板処理領域108は、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積、並びにエッチング、前洗浄、アニール、プラズマ処理、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスを含む任意の数の堆積プロセスを含む幾つかの基板処理工程を実行するよう装備されうる。
【0022】
各クワッドセクション109は、第2のロボットアーム110から基板を受け取ることができかつ第2のロボットアーム110に基板を伝達することができる移送領域を含みうる。チャンバシステムの移送領域は、第2のロボットアーム110を有する移送チャンバと位置合わせされうる。幾つかの実施形態において、移送領域が、ロボットに対して横方向にアクセス可能でありうる。後続の工程において、移送セクションの構成要素は、その上の処理領域108内へと基板を垂直方向に移動させることができる。同様に、移送領域はまた、各移送領域内の位置の間で基板を回転させるよう動作可能でありうる。基板処理領域108は、基板又はウエハ上に材料膜を堆積させ、アニールし、硬化させ及び/又はエッチングするための任意の数のシステム構成要素を含みうる。1の構成において、クワッドセクション109a及び109b内の処理領域といった2セットの処理領域を使用して、基板上に材料を堆積させることができ、クワッドセクション109c内の処理チャンバ又は処理領域といった第3のセットの処理チャンバを使用して、堆積した膜を硬化させ、アニールし、又は処理することができる。他の構成において、示される12個のチャンバといった、3セットのチャンバの全てが、基板上で膜を堆積させ及び/又は硬化させるよう構成されうる。
【0023】
示されるように、第2のロボットアーム110は、複数の基板を同時に伝達し及び/又は取り出すための2つのアームを含みうる。例えば、各クワッドセクション109は、移送領域のハウジングの表面に沿って2つのアクセス部107を含むことができ、このアクセス部107は、第2のロボットアームと横方向に位置合わせされうる。上記アクセス部は、移送チャンバ112に隣接する表面に沿って画定されうる。図示のような幾つかの実施形態において、第1のアクセス部が、クワッドセクションの複数の基板支持体の第1の基板支持体と位置合わせされうる。さらに、第2のアクセス部が、クワッドセクションの複数の基板支持体の第2の基板支持体と位置合わせされうる。第1の基板支持体は、第2の基板支持体と隣接していてよく、この2つの基板支持体は、幾つかの実施形態において、第1の列の基板支持体を画定しうる。図示された構成に示されるように、第2の列の基板支持体が、移送チャンバ112から横方向外側に、第1の列の基板支持体の後方に配置されうる。第2のロボットアーム110の2つのアームは、当該2つのアームがクワッドセクション又はチャンバシステムに同時に進入して、移送領域内の基板支持体に1つ又は2つの基板を伝達する又は取り出すことができるように、間隔が置かれている。
【0024】
記載された移送領域の1つ以上のいずれも、様々な実施形態で示される製造システムから分離した追加のチャンバと共に組み込むことができる。処理システム100では、材料膜のための堆積チャンバ、エッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び硬化チャンバのさらなる構成が想定されることが分かるであろう。さらに、基板の移動といった特定の工程のいずれかを実行するための移送システムを組み込める、任意の数の他の処理システムが本技術で利用されうる。幾つかの実施形態において、言及した保持領域及び移送領域といった様々なセクション内の真空環境を維持しつつ、複数の処理チャンバ領域へのアクセスを提供しうる処理システムによって、別個のプロセス間で特定の真空環境を維持しつつ、複数のチャンバ内で工程を実行することが可能となりうる。
【0025】
図1Bは、本技術の幾つかの実施形態に係る、例えばチャンバシステムを切った、例示的な処理ツールの一実施形態の概略的な断面立面図を示す。図1Bは、任意のクワッドセクション109内の任意の2つの隣接する処理領域108を切った断面図を示しうる。この立面図は、1つ以上の処理領域108と、移送領域120との構成又は流体結合を示しうる。例えば、連続的な移送領域120が、移送領域ハウジング125によって画定されうる。このハウジングは、幾つかの基板支持体130を配置しうる空いた内部空間を画定しうる。例えば、図1Aに示したように、例示的な処理システムは、移送領域の周囲のハウジング内に分散された複数の基板支持体130を含む4つ以上の基板支持体130を含みうる。基板支持体は、図示のようにペデスタルでありうるが、幾つかの他の構成も使用することができる。幾つかの実施形態において、ペデスタルは、移送領域120と、当該移送領域の上にある処理領域と、の間を垂直方向に移動可能でありうる。基板支持体は、チャンバシステム内の第1の部分と第2の部分との間の経路に沿って、基板支持体の中心軸に沿って垂直方向に移動可能でありうる。これに対応して、幾つかの実施形態において、各基板支持体130は、1つ以上のチャンバ構成要素によって画定された上にある処理領域108と軸方向に位置合わせされうる。
【0026】
空いた移送領域によって、カルーセルといった移送装置135が、基板に係合して、様々な基板支持体の間で、例えば回転しながら移動させる能力が与えられうる。移送装置135は、中心軸の周りを回転可能でありうる。これにより、処理システム内のどの処理領域108内にも処理のために基板を配置することが可能となる。移送装置135は、1つ以上のエンドエフェクタを含むことができ、当該エンドイフェクタは、上方、下方から基板に係合することができ、又は、基板支持体の周りで移動させるために、基板の外縁に係合することができる。移送装置は、先に記載のロボット110といった移送チャンバロボットから基板を受け取ることができる。その後、移送装置は、交互になった基板支持体へと基板を回転させて、さらなる基板の搬送を促進することができる。
【0027】
一旦位置決めされて処理のために待機すると、移送装置は、基板支持体の間にエンドエフェクタ又はアームを配置することができ、これにより、基板支持体は、移送装置135を越えて上昇して、移送領域と垂直方向にずれうる処理領域108内に基板を伝達することが可能となりうる。例えば、示されるように、基板支持体130aは、処理領域108a内に基板を伝達することができ、基板支持体130bは、処理領域108b内に基板を伝達することができる。このことは、他の2つの基板支持体及び処理領域でも行うことができ、さらに、追加の処理領域が含まれる実施形態において、追加の基板支持体及び処理領域でも行うことができる。本構成では、基板支持体は、例えば第2の位置で、基板を処理するために動作可能に係合されたときには、下から処理領域108を少なくとも部分的に画定することができ、この処理領域は、関連する基板支持体と軸方向に位置合わせされうる。処理領域は、面板140、及び他のリッドスタック構成要素によって、上方から画定されうる。幾つかの実施形態において、各処理領域は、個々のリッドスタック構成要素を有しうるが、幾つかの実施形態において、構成要素が、複数の処理領域108を収容することができる。本構成に基づいて、幾つかの実施形態において、各処理領域108は、チャンバシステム内又はクワッドセクション内の各他の処理領域から上方から流体的に隔離されつつ、移送領域と流体的に結合されうる。
【0028】
幾つかの実施形態において、面板140が、処理領域108内で局所的なプラズマを生成するためのシステムの電極として機能しうる。示されるように、各処理領域は、別個の面板を利用し又は組み込むことができる。例えば、面板140aが、上方から処理領域108aを画定するために含まれ得、面板140bが、上方から処理領域108bを画定するために含まれうる。幾つかの実施形態において、基板支持体が、面板と基板支持体との間に容量結合プラズマを生成するためのコンパニオン電極として機能しうる。面板は、幾つかの実施形態において、面板の周りに延在するヒータ142で加熱されうる。ポンピングライナ145が、空間の形状に従って、処理領域108を径方向又は横方向に少なくとも部分的に画定しうる。ここでも、処理領域ごとに別々のポンピングライナが使用されうる。例えば、ポンピングライナ145aは、処理領域108aを少なくとも部分的に径方向に画定することができ、ポンピングライナ145bは、処理領域108bを少なくとも部分的に径方向に画定することができる。ポンピングライナ145は、サーマルチョーク板147に着座することができ、このサーマルチョーク板147は、リッドスタックから、冷却されるチャンバ本体への熱分布を制御することができる。実施形態において、遮蔽板150を、リッド155と面板140との間に配置することができ、ここでも、別々の遮蔽板が、各処理領域内の流体の分配を促進するために含まれうる。例えば、遮蔽板150aが、処理領域108aに向かった分配のために含まれ得、遮蔽板150bが、処理領域108bに向かった分配のために含まれうる。
【0029】
リッド155は、処理領域ごとに別々の構成要素であってよく、又は1つ以上の共通の態様を含んでよい。リッド155は、幾つかの実施形態において、システムの2つの別個のリッド板のうちの一方でありうる。例えば、第1のリッド板158が、移送領域ハウジング125の上に着座しうる。移送領域ハウジングは、空いた空間を画定することができ、第1のリッド板158は、当該リッド板を貫通する幾つかの開口を含むことができ、上にある空間を特定の処理領域に分ける。図示のような幾つかの実施形態において、リッド155は、第2のリッド板とすることができ、個々の処理領域への流体供給のための複数の開口160を画定する単一の構成要素でありうる。例えば、リッド155は、処理領域108aへの流体供給のための第1の開口160aを画定することができ、さらに、リッド155は、処理領域108bへの流体供給のための第2の開口160bを画定することができる。含まれるときには、各セクション内の追加の処理領域のための追加の開口が画定されうる。幾つかの実施形態において、各クワッドセクション109、又は4より多く又は少ない数の基板を収容しうるマルチ処理領域セクションが、処理チャンバ内にプラズマ放出物を伝達するための1つ以上の遠隔プラズマユニット165を含みうる。幾つかの実施形態において、各チャンバ処理領域に個別プラズマユニットを組み込むことができるが、幾つかの実施形態において、より小数の遠隔プラズマユニットが使用されうる。例えば、図示のように、単一の遠隔プラズマユニット165が複数のチャンバのために、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれより多いチャンバ(最大で、特定のクワッドセクションのための全チャンバ)のために使用されうる。本技術の実施形態において、処理又は洗浄のためのプラズマ放出物を供給するために、配管が、遠隔プラズマユニット165から各開口160まで延びうる。
【0030】
幾つかの実施形態において、パージチャネル170が、各基板支持体130の近傍又は近くの移送領域ハウジングを貫通して延びうる。例えば、複数のパージチャネルが、移送領域ハウジングを貫通して延びて、流体的に結合されたパージガスを移送領域内に供給するための流体アクセスを提供することができる。パージチャンネルの数は、処理システム内の基板支持体の数と同じあっても異なってもよく、基板支持体の数より多くても少なくてもよい。例えば、パージチャネル170は、各基板支持体の下方の移送領域ハウジングを貫通して延びうる。図示される2つの基板支持体130では、第1のパージチャネル170aが、基板支持体130aの近傍のハウジングを貫通して延びることができ、第2のパージチャネル170bが、基板支持体130bの近傍のハウジングを貫通して延びることができる。いかなる追加の基板支持体も同様に、移送領域ハウジングを貫通して延びる、パージガスを移送領域内に供給するための配管されたパージチャネルを有しうると理解されたい。
【0031】
パージガスが、上記パージチャネルの1つ以上を介して伝達されるときには、同様に、処理システムからの全ての排気経路を提供しうるポンピングライナ145を介して排出されうる。従って、幾つかの実施形態において、処理前駆体とパージガスの双方が、ポンピングライナを介して排出されうる。パージガスは、関連するポンピングライナへと上向きに流れることができ、例えば、パージチャネル170bを流過したパージガスは、処理システムから、ポンピングライナ145bから排出されうる。
【0032】
前述したように、処理システム100、より具体的には処理システム100又は他の処理システムに組み込まれたクワッドセクション又はチャンバシステムは、示される処理チャンバ領域の下に配置された移送セクションを含みうる。図2は、本技術の幾つかの実施形態に係る、例示的な処理システム200の移送セクションの概略的な等角図を示す。図2は、上述した移送領域120の態様の追加的な態様又は変形例を示すことができ、上述した構成要素又は特性のいずれかを含みうる。図示されるシステムは、幾つかの構成要素が含まれうる移送領域を画定する移送領域ハウジング205を含みうる。さらに、移送領域は、当該移送領域と流体的に結合した処理チャンバ又は処理領域によって、例えば図1Aのクワッドセクション109内に示された処理チャンバ領域108によって、上方から少なくとも部分的に画定されうる。移送領域ハウジングの側壁は、例えば上述の第2のロボットアーム110によって基板を伝達し及び取り出すことができる1つ以上のアクセス位置207を画定しうる。アクセス位置207は、スリットバルブ又は他のシール可能なアクセス位置とすることができ、幾つかの実施形態において、移送領域ハウジング205内に密閉環境を提供するためのドア又は他のシール機構を含む。2つのこのようなアクセス位置207が示されているが、幾つかの実施形態において、単一のアクセス位置207のみ含まれてよく、移送領域ハウジングの複数の側面上のアクセス位置も含まれうると理解されたい。さらに、示される移送セクションは、任意の数の外形若しくは形状を特徴とする基板を含む、200mm、300mm、450mmを含む任意の基板サイズの基板、又はそれより大きく若しくは小さい基板を収容するよう寸法決定されうると理解されたい。
【0033】
移送領域ハウジング205内には、移送領域空間のあちこちに配置された複数の基板支持体210が存在しうる。4つの基板支持体が示されているが、任意の数の基板支持体が同様に本技術の実施形態に包含されると理解されたい。例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、又はそれより多い基板支持体210が、本技術の実施形態に係る移送領域内に収容されうる。第2のロボットアーム110が、アクセス部207を介して基板支持体210a又は210bの一方又は両方に基板を移送することができる。同様に、第2のロボットアーム110は、これらの位置から基板を取り出すことができる。リフトピン212が、基板支持体210から突出することができ、ロボットが基板の下にアクセスできるようにしうる。リフトピンは、基板支持体上に固定することができ、又は基板支持体が下方に凹みうる位置に固定することができ、又は、幾つかの実施形態において、リフトピンはさらに、基板支持体を貫通して昇降させることができる。基板支持体210は、垂直方向に移動可能であり得、幾つかの実施形態において、処理チャンバ領域108といった、移送領域ハウジング205の上方に配置された基板処理システムの処理チャンバ領域まで延びうる。
【0034】
移送領域ハウジング205は、アライナを含みうる位置合わせシステムのためのアクセス部215を提供することができ、アライナは、図示の移送領域ハウジングの開口を通って延びることができ、隣接する開口を通って突出し又は透過するレーザ、カメラ、又は他の監視装置と連動して動作することができ、移動する基板が適切に位置合わせされているかどうか判定することができる。移送領域ハウジング205は、移送装置220であって、基板を位置決めし、かつ基板を様々な基板支持体の間で移動させるために幾つかのやり方で動作しうる移送装置220も含みうる。一実施例において、移送装置220は、基板支持体210a及び210b上の基板を、基板支持体210c及び210dに移動させることができ、これにより、さらなる基板を移送チャンバ内に伝達することが可能となりうる。追加の移送工程が、上にある処理領域内での追加の処理のために、基板を基板支持体間で回転させることを含みうる。
【0035】
移送装置220は中央ハブ225を含むことができ、中央ハブ225は、移送チャンバ内を延びる1つ以上のシャフトを含みうる。シャフトには、エンドエフェクタ235が結合されうる。エンドエフェクタ235は、中央ハブから径方向又は横方向外方に延びる複数のアーム237を含みうる。アームがそこから延びる中央本体が図示されているが、エンドエフェクタは、様々な実施形態において、シャフト又は中央ハブとそれぞれ結合された別個のアームをさらに含みうる。本技術の実施形態では、任意の数のアームが含まれうる。幾つかの実施形態において、アーム237の数は、チャンバに含まれる基板支持体210の数と同程度又は当該数と等しいとすることができる。従って、図示のように、4つの基板支持体の場合は、移送装置220は、エンドエフェクタから延びる4つのアームを含みうる。上記アームは、直線状のプロファイル又は円弧状のプロファイルといった任意の数の形状及びプロファイルを特徴とすることができ、さらに、例えば位置合わせ又は係合のために、基板を支持するため及び/又は基板へのアクセスを提供するためのフック、リング、フォーク、又は他の設計を含む任意の数の遠位プロファイルを含みうる。
【0036】
エンドエフェクタ235、又はエンドエフェクタの構成要素若しくは部分は、移送中又は移動中に基板に接触するために使用されうる。上記の構成要素及びエンドエフェクタは、導電性材料及び/又は絶縁性材料を含む幾つかの材料から作製され得又は当該材料を含みうる。幾つかの実施形態において、上にある処理チャンバから移送チャンバ内に通りうる前駆体又は他の化学物質との接触に耐えるように、材料にコーティングが施され又は材料がメッキされうる。
【0037】
さらに、温度といった他の環境特性に耐えられるよう材料を提供又は選択することができる。幾つかの実施形態において、基板支持体が、当該支持体上に配置された基板を加熱するよう動作可能でありうる。基板支持体は、表面又は基板の温度を、約100℃又は100℃より高く、約200℃又は200℃より高く、約300℃又は300℃より高く、約400℃又は400℃より高く、約500℃又は500℃より高く、約600℃又は600℃より高く、約700℃又は700℃より高く、約800℃又は800℃より高く、又は、これらより高い温度まで上げるよう構成されうる。稼働中には、上記温度のいずれかを維持することができ、従って、移送装置220の構成要素が、上記の温度又は包含される温度のいずれかに晒されうる。従って、幾つかの実施形態において、材料のいずれかが、上記の温度域に対応するよう選択され得、比較的低い熱膨張係数又は他の有益な特性を特徴としうるセラミック及び金属といった材料を含みうる。
【0038】
構成要素の結合も、高温及び/又は腐食性環境で動作するために適合されうる。例えば、エンドエフェクタ及び端部がそれぞれセラミックである場合に、上記結合は、プレスばめ、スナップフィット(snap fitting)、又は、温度によって膨張及び収縮する可能性がありセラミックに亀裂を生じさせうるボルトのような追加の材料を含まないことがある他の嵌合を含みうる。幾つかの実施形態において、端部がエンドエフェクタと連続していてよく、エンドエフェクタと一体的に形成されてよい。工程、及び、稼働中の抵抗を促進しうるあらゆる他の材料が利用されてよく、同様に本技術に包含される。
【0039】
先に述べたように、移送領域ハウジング205の上には、基板支持体にアクセス可能な別個の処理領域を画定しうる第1のリッド板といった、リッド板が存在しうる。図3は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムのリッド板300の概略的な等角図を示す。リッド板300は、先に記載の第1のリッド板158又は任意の他の構成要素の任意の特徴を含みうる。図示されるように、リッド板300は、第1の複数の開口305を画定することができ、これらの開口は、先に記載の個々の処理領域を画定することができる。リッド板300はまた、第2の複数の開口310を画定することができる。各開口310は、関連する開口305の近傍に配置されうる。開口305は、処理領域を画定することができ、開口310は、排気アクセス、すなわち、各処理領域をそれによって排気しうるシステムフォアラインへのアクセス経路を画定することができる。以下にさらに記載するように、各個別リッドスタックのためのポンピングライナが、関連する開口310を介して排気するよう配向されうる。4つの開口305及び4つの開口310が図示されているが、本技術の実施形態に係るリッド板は、処理チャンバ又は排気システムの任意の構成のために任意の数の開口を含みうると理解されたい。
【0040】
本技術の幾つかの実施形態において、冷却システムがリッド板内に組み込まれうる。図示されるように、流体冷却ライン315が、各第1の開口305の周りに延在しうる。これにより、処理中のチャンバ本体の冷却が可能となる。システムセットアップのために、各チャンバ領域は、図示のリッド板300の遠位端のフォアライン接続まで排気することができるが、他の構成も同様に本技術に包含されうる。加熱された処理ガス又は廃水が、リッドスタックの構成要素を通って第2の開口から流れ出ることができ、これにより、これらの領域内のリッド板の温度が上昇する虞がある。従って、リッド板に亘って温度プロファイルが形成され得、ここで、リッド板の中央付近ではより低い温度が生じうる。このことは、以下にさらに述べるように、各個別リッドスタックからの熱分布に影響を与える可能性がある。さらに、リッドスタックの構成要素が不均一に結合されている可能性があるため、当該構成要素からの熱損失が均一でない可能性がある。
【0041】
図4は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの例示的な処理システム400の配置の概略的な部分断面図を示しており、先に記載のリッド板の第1の開口及び第2の開口を切った断面図を示しうる。図は、先に記載の処理システム及び構成要素の態様を例示することができ、さらに、システムの追加的な態様を例示することができる。図は、システムの追加の眺め又はバージョンを示しうる。処理システム400は、他の箇所で記載又は示された処理システムの任意の部分の任意の態様を含むことができ、他の箇所で記載されたシステムのいずれかで組み込まれたリッドスタックの態様を例示しうると理解されたい。例えば、処理システム400は、チャンバの移送領域の上にあるシステムの一部分を示すことができ、さらに、先に記載の移送領域を画定するチャンバ本体の上に配置された構成要素を示しうる。例えば、先に述べた任意の構成要素をさらに組み込むことができ、例えば、移送領域、及び、処理システム400の構成要素を含むシステムに関して先に記載した任意の構成要素を含むと理解されたい。
【0042】
先に述べたように、マルチチャンバシステムは、処理領域ごとに個別のリッドスタックを含みうる。処理システム400は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの、又はそれより多い処理チャンバセクションを含む、マルチチャンバシステムの一部でありうる1つのリッドスタックの図を例示しうる。しかしながら、記載されるリッドスタックの構成要素はまた、スタンドアローンのチャンバにも組み込まれうると理解されたい。上述したように、1つ以上のリッド板が、各処理領域のための個々のリッドスタックを含みうる。例えば、図示されるように、処理システム400は、第1のリッド板405を含むことができ、この第1のリッド板は、上述のリッド板158の任意の態様とすることができ又は当該態様を含みうる。例えば、第1のリッド板405は、先に記載の移送領域ハウジング402又はチャンバ本体に着座しうる単一のリッド板とすることができる。第1のリッド板405は、当該リッド板の第1の表面に沿ってハウジングに着座しうる。リッド板405は、当該リッド板を貫通する第1の複数の開口406を画定することができ、この第1の複数の開口406によって、先に記載の画定された処理領域内への基板の垂直方向の移動が可能となる。開口406は、基板処理が実行されうる処理領域を画定することができる。リッド板405はさらに、当該リッド板を貫通する第2の複数の開口407を画定することができ、この第2の複数の開口407によって、処理システムと関連付けられたフォアライン及びポンプシステムへの排気が可能となる。
【0043】
第1のリッド板405には、先に記載の複数のリッドスタックが着座しうる。幾つかの実施形態において、第1のリッド板405は、第1の表面とは反対側の第1のリッド板405の第2の表面から延在する、先に示した凹状レッジを画定することができる。凹状レッジは、第1の複数の開口の各開口406の周りに延在することができ、又は上記に示したように開口の一部分の周りに延在しうる。各リッドスタックは、別個の凹状レッジに着座することができ、又は非凹状の開口の上に着座することができる。複数のリッドスタックは、第1のリッド板を貫通する画定された複数の開口の数と等しい複数のリッドスタックを含みうる。リッドスタックは、先に記載の移送領域から垂直方向にずれた複数の処理領域を少なくとも部分的に画定しうる。1つの開口406及び1つのリッドスタックが示されており以下でさらに記載されるが、処理システム400は、本技術によって包含される実施形態において、システムに組み込まれた同様の又は上述の構成要素を有する任意の数のリッドスタックを含みうると理解されたい。以下の説明は、任意の数のリッドスタック又はシステム構成要素に適用することができる。
【0044】
リッドスタックは、実施形態において任意の数の構成要素を含むことができ、先に記載のいずれの構成要素も含みうる。例えば、リッドスタックは、リッド板405の第2の表面に着座したチョーク板410を含みうる。チョーク板410は、当該チョーク板410の第1の表面で、リッド板に着座することができる。チョーク板は、リッド板を貫通する第1の複数の開口のうちの関連する開口406と軸方向に位置合わせされた第1の開口を画定することができる。チョーク板はまた、リッド板を貫通する第2の複数の開口のうちの関連する開口407と軸方向に位置合わせされた第2の開口を画定することができる。図示されるように、チョーク板410は、チョーク板を貫通する第1の開口を画定するリム412を含みうる。リム412は、第1の複数の開口のうちの関連する第1の開口406を画定するリッド板の側壁に沿って延在しうる。以下に説明するように、幾つかの実施形態において、構成要素間の熱流を制御するために、リムとリッド板の間には隙間が保たれうる。リム412は、チョーク板の第1の表面からリッド板405に向かう方向に垂直に延び、かつ、チョーク板410からの突出部を形成しうる。
【0045】
ポンピングライナ415が、リッド板405に着座したチョーク板の第1表面とは反対側の、チョーク板410の第2の表面に着座しうる。上述したように、ポンピングライナ415は、処理空間に排気をもたらすよう配置することができ、この排気は、関連する第2の開口407に流れうる。これに対応して、リッド板を貫通する画定された第2の複数の開口のうちの開口407と、チョーク板410を貫通する画定された第2の開口とは、特定のリッドスタックによって画定された特定の処理領域のための、ポンピングライナから延びる流路を形成することができ、この流路は、処理領域と、ポンピングシステム又は排気システムとを流体的に結合することができる。リッドスタックは、ポンピングライナ415に着座した面板420を含みうる。幾つかの実施形態において、面板420は、ヒータ422を含みうる加熱部品であり得、ヒータ422は、幾つかの実施形態において、面板の周りに延在する環状のヒータでありうる。
【0046】
遮蔽板425が、面板420に着座することができ、先に記載したように前駆体の均一な分配をさらに促進することができる。幾つかの実施形態において、面板ヒータ422が、遮蔽板425の外縁の周りに、例えば遮蔽板の径方向外方に延在し得、かつ遮蔽板425の周りに径方向に延在しうる。遮蔽板の加熱を制限するために、遮蔽板とヒータ422との間には隙間が保たれうる。ガスボックス430が、遮蔽板425に着座しうる。ガスボックス430は、構成要素の温度を制御するために冷却流体を流せるチャネル432を画定しうる。第2のリッド板435が、ガスボックス430に着座しうる。
【0047】
これに対応して、ガスボックスを含む面板の上と、リッド板を含む面板の下の両方に冷却をもたらすことができる。ガスボックスからの冷却は、積層された構成と遮蔽板との結合に基づき、比較的均一に維持することができ、このことは、上方からの軸対称的な冷却をもたらしうるが、リッド板に対する冷却は、下にある構成要素の非対称的な結合に基づいて、維持することがより困難でありうる。例えば、ポンピングライナ415は、当該ライナに着座した面板からの直接的な加熱を有することができ、従って、ポンピングライナ415は、面板から比較的均一に加熱されうる。しかしながら、ポンピングライナからの熱分布は均一ではない可能性がある。図に示されるように、チョーク板410が、ポンピングライナとリッド板405との間の結合を提供しうるが、当該結合は冷却を含みうる。リッド板に亘って、第2の開口407の周囲で温度がより高い温度勾配が形成されうるが、チョーク板410及びポンピングライナ415は、この位置において、リッド板との強化された直接的な結合を有することができ、ポンピングライナからの熱伝達を促進しうる。
【0048】
図5は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理チャンバ500の概略的な側断面図を示す。図5は、システム100、200、及び/又は400の構成要素に関するさらなる詳細を示しうる。チャンバ500は、幾つかの実施形態において先に述べたシステム100、200、及び/又は400の任意の特徴又は態様を含むと理解される。チャンバ500は、堆積、除去、エッチング、及び洗浄の工程といった半導体処理を実施するために使用されうる。チャンバ500は、半導体処理システムに組み込むことができる論じているチャンバの構成要素の部分図を示しうる。チャンバ500の如何なる態様も、当業者には容易に分かるように、他の処理チャンバ又はシステムに組み込むことができる。
【0049】
チャンバ500は、移送領域及び処理領域を画定しうるチャンバ本体502を含みうる。リッド板505が、チャンバ本体502の上に着座することができ、かつチョーク板510を支持しうる。上記チョーク板は、リッド板505の関連する開口と軸方向に位置合わせされた開口を画定することができる。示されるように、チョーク板510は、当該チョーク板510を貫通する開口を画定するリム512を含みうる。リム512は、当該リム512がリッド板505によって画定された開口内を延在するように、リッド板505の内側側壁に沿って延在することができ、ここで、リム512の少なくとも一部分が、リッド板505の全ての部分又は一部分より下方に延在する。幾つかの実施形態において、ポンピングライナといったライナ515が、チョーク板510の上面に着座しうる。面板520が、ライナ515の上に配置されうる。幾つかの実施形態において、1つ以上の介在部品が、面板520とライナ515との間に配置されうる。
【0050】
基板支持体525が、チャンバ本体502の内部に配置されうる。基板支持体525は、チャンバ本体502内の内部で、移送領域と処理領域との間を垂直方向に移動可能でありうる。基板支持体525は、支持板530を含むことができ、この支持板530は、幾つかの実施形態においてヒータを含みうる。基板支持体525は、チャンバ本体502の底部を貫通して高周波源及び/又は他の電源と接続しうるシャフト535も含みうる。
【0051】
チャンバ500は、処理中に共通のチャンバ空間から処理領域を選択的にシールしうる周辺バルブ540を含みうる。周辺バルブ540は、チャンバ500の移送領域内に配置することができ、基板支持体525より外方及び/又は下方に配置されうる。周辺バルブ540は、チャンバ本体502の下端と結合されうる底板545を含みうる。例えば、幾つかの実施形態において、底板545の外周端の上面が、チャンバ本体502の底面に対して位置決めされて当該底面と結合されうる。底板545は、リッド板505の開口と概ね位置合わせされうる。底板545は、基板支持体525のシャフト535を受け入れる中央開口を画定することができる。周辺バルブ540は、チャンバシールベローズ550を含むことができ、このチャンバシールベローズ550は、第1の表面と、当該第1の表面とは反対でありうる第2の表面と、を特徴としうる。チャンバシールベローズ550は、周辺バルブ540の移動中に第1の表面と第2の表面との間の距離が変化しうるように、チャンバシールベローズ550の伸長に沿って伸縮可能でありうる。チャンバシールベローズ550の底面は、幾つかの実施形態において、底板545の上面と結合されうる。周辺バルブ540は、シールリング555を含むことができ、このシールリング555は、基板支持体525のシャフト535を受け入れるよう寸法設定された中央開口を画定する本体を含む。シールリング555の本体は、第1の表面(底面など)、及び第2の表面(上面など)を特徴とすることができ、ここで、第1の表面は、チャンバ本体502内でのシールリング555の垂直方向の移動によって、チャンバシールベローズ550を伸長及び/又は収縮させられるように、チャンバシールベローズ550の上面と結合されている。シールリング555の本体の第2の表面は、基板支持体525の支持板530の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定することができ、これにより、基板支持体525及び周辺バルブ540が下降位置にあるときには、支持板530の一部分を凹部内で収容することが可能となる。以下でさらに詳細に述べるように、周辺バルブ540は、チャンバ本体502内を上方に、上昇位置まで移動することができ、この上昇位置では、シールリング555の上面(及び/又はこれに結合されたハードストップ)が、シールリング555の上面と垂直方向に位置合わせした状態にありうるチョーク板510のリム512の下面と接触しうる。シールリング555の上面は、Oリング又はガスケットといった圧縮可能なシール要素を含むことができ、このシール要素は、リム512の下面に対して圧縮されて、チャンバ空間の残りの部分から処理領域をシールすることができる。このことは、複数のチャンバが共通のチャンバ空間を共有する実施形態では特に有益でありうる。というのは、上昇した周辺バルブ540によって、各チャンバが、処理中に他の処理領域から隔離された固有の処理領域を持つことができるからである。処理領域の分離によって、各チャンバ内の動作条件を改善することができ、結果的に、ウエハの品質が向上しうる。周辺バルブ540は、底板545の下に配置されうるリフト機構560を含みうる。リフト機構560の一部分は、底板545を通って延在することができ、シールリング555の底面と結合することができ、さらに、チャンバ本体502内でシールリング555を移動させるために伸縮することができる。
【0052】
図6A及び図6Bは、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なバルブ600の概略的な側断面図を示す。周辺バルブ600は、先に記載の周辺バルブ540の追加的な特徴を示すことができ、上述したような任意の特徴又は特性を含みうる。さらに、周辺バルブ600は、システム100、200、及び400、及び/又はチャンバ500といった、先に記載の処理システム及び/又はチャンバの内部に配置されうる。周辺バルブ600は、チャンバ本体(チャンバ本体502など)の下端と結合することができる底板605(底板545と同様でありうる)を含みうる。例えば、幾つかの実施形態において、底板605の外周端の上面が、チャンバ本体の底面に当接して配置され当該底面と結合されうる。底板605は、当該底板605の外周端の近傍の、当該底板605の本体から上方に突出する外側リム607を含みうる。外側リム607は、底板605とチャンバ本体との間の結合のための大きな支持体をもたらしうるより増大した材料を提供することができる。底板605は、当該底板605の中心の近傍の主本体から上方に突出する内側領域609を含みうる。幾つかの実施形態において、内側領域609は、外側リム607の上面よりも高い高さまで上方に突出しうる。底板605は、基板支持体525といった基板支持体のシャフトを受け入れうる中央開口610を画定しうる。幾つかの実施形態において、中央開口610が、テーパ状の上方部分を有し、概ね円筒形状の下方部分を含みうる。テーパ状の上方部分は、基板支持体が下降位置にあるときには、基板支持体の下端をより良好に収容することができる。底板605は、当該底板605の主本体内に幾つかの追加の開口を画定しうる。例えば、図6Bで最も良く示されるように、底板605は、当該底板605の2つの互いに反対の側において、外側リム607の径方向内側でかつ内側領域609の径方向外側に、開口611を画定することができる。底板605は、他の数の開口611を画定してよい。例えば、底板605は、少なくとも2つ又は2つ前後の開口611、少なくとも3つ又は3つ前後の開口611、少なくとも4つ又は4つ前後の開口611、少なくとも5つ又は5つ前後の開口611、又はそれより多い開口を画定しうる。多くの場合、開口611は、等しい角度間隔で底板605の周囲に配置されうるが、幾つかの実施形態は、開口611のうちの2つ以上の開口611の間の不規則な間隔を提供しうる。
【0053】
周辺バルブ600は、(チャンバシールベローズ550と同様の)チャンバシールベローズ615を含むことができ、このチャンバシールベローズ615は、第1の表面617と、当該第1の表面617とは反対でありうる第2の表面619と、を特徴としうる。チャンバシールベローズ615は、周辺バルブ600の移動中に第1の表面617と第2の表面619との間の距離が変化しうるように、チャンバシールベローズ615の伸長に沿って伸縮可能でありうる。第1の表面617は、幾つかの実施形態において、底板605の上面と結合されうる。例えば、第1の表面617は、当該第1の表面617が底板605に対して固定されるように、開口611の径方向内側の位置で底板605に留められ及び/又は別様に固定されうる。
【0054】
周辺バルブ600は、シールリング620(シールリング555と同様でありうる)を含みうる。シールリング620は、概ね環状の本体を含むことができ、当該本体は、基板支持体のシャフトを受け入れることができる中央開口625を画定する。シールリング620の本体は、第1の表面621及び第2の表面623を特徴としうる。シールリング620の本体は、チャンバシールベローズ615の第2の表面619と結合することができ、これにより、チャンバ本体内でのシールリング620の垂直方向の移動によって、チャンバシールベローズ615が伸長及び/又は収縮させられる。例えば、シールリング620の本体は、本体の内面から中央開口625内へと或る距離で延びる内方突出部630を含みうる。幾つかの実施形態において、内方突出部630は、形状が環状とすることができ、本体の内面全体の周りに延在しうるが、他の実施形態では、内方突出部630は、シールリング620の本体の内面の一部分からのみ延在しうる。チャンバシールベローズ615の第2の表面619が、内方突出部630の下面に固定及び/又は別様に結合されうる。内方突出部の下面、及びシールリング620の環状本体の内壁によって、シールリング620内の下側凹部を画定することができる。上記下側凹部は、チャンバシールベローズ615の一部分を受け入れることができ、これにより、シールリング620の下側と底板605との間に広がる空間をシールすることができる。
【0055】
シールリング620の本体の第2の表面623は、基板支持体の支持板の直径よりも大きい直径を有する上側凹部を画定することができ、これにより、基板支持体及び周辺バルブ600が下降位置にあるときには、支持板の一部分を凹部内に収容することが可能となる。例えば、シールリング620の本体の内壁、及び内方突出部630の上面が、上部凹部を画定することができる。第2の表面623は、圧縮可能なシール要素635(Oリング又はガスケットなど)を含むことができ、当該シール要素635は、周辺バルブ600が上昇位置にあるときには、第2の表面623とチャンバのチョーク板の下面との間で圧縮されうる。シール要素635は、第2の表面623に形成されたチャネル内に着座することができ、かつ第2の表面623より上方にわずかに突出しうる。幾つかの実施形態において、1つ以上のハードストップ640が、シールリング620と結合されうる。ハードストップ640は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及び/又は他の熱可塑性ポリマー材料及び/又は化学的耐性のあるポリマー材料といった、ポリマー材料で形成されうる。例えば、幾つかのハードストップ640が、規則的な及び/又は不規則な角度間隔で、シールリング620の外面と結合されうる。各ハードストップ640の上面は、小さい距離だけ第2の表面623より上に延在してよく、これにより、上昇したときには、ハードストップ640がチョーク板のリムの下面と接触して、シールリング620が最初にチョーク板のリムに接触する(又は絶えず接触する)のを防止する。例えば、各ハードストップ640は、約5ミルから約100ミルの間、約10ミルから約75ミルの間、約15ミルから約50ミルの間、又は約20ミルから約30ミルの間だけ、シールリング620の第2の表面623より上方に延在しうる。シール要素635の厚さは、各ハードストップ640の上面と第2の表面623との間の距離より大きいとすることができ、これにより、ハードストップ640がチョーク板の下面と係合したときには、シール要素635がチョーク板の下面と第2の表面623との間で圧縮されて、チャンバ空間の残りの部分(及びスリットバルブ)から処理空間をシールする。ハードストップ640のより軟質の高分子材料によって、周辺バルブが上昇したときに、周辺バルブ600とチョーク板との間の衝撃を緩和することができる。任意の数のハードストップ640が使用されうる。例えば、周辺バルブ600は、少なくとも2つ又は2つ前後のハードストップ、少なくとも3つ又は3つ前後のハードストップ、少なくとも4つ又は4つ前後のハードストップ、少なくとも約5つのハードストップ、少なくとも6つ又は6つ前後のハードストップ、少なくとも7つ又は7つ前後のハードストップ、少なくとも8つ又は8つ前後のハードストップ、少なくとも9つ又は9つ前後のハードストップ、少なくとも10個又は10個前後のハードストップ、又はそれより多いハードストップを含みうる。
【0056】
周辺バルブ600は、リフト機構645を含むことができ、このリフト機構645は、シールリング620、及びチャンバシールベローズ615の第2の表面619を処理チャンバ内で移動させるよう動作することができる。リフト機構645は、当該リフト機構645を底板605に結合する取付ブラケット650を含みうる。例えば、取付ブラケット650の表面651が、底板605の下面に対して固定及び/又は別様に結合されうる。取付ブラケット650の下方部分は、サーボモータ及び/又は他の線形アクチュエータといったアクチュエータ655と接続することができ、このアクチュエータ655は、取付ブラケット650に可動に取り付けられたプラットフォーム660を昇降させることができる。取付支持体665をプラットフォーム660と結合することができ、これにより、プラットフォーム660の垂直方向の移動によって、取付支持体665の対応する垂直方向の移動が引き起こされうる。取付支持体665は、空いた内部を画定することができ、この空いた内部によって、基板支持体のシャフトが取付支持体665を通って延びることが可能となる。示されるように、取付支持体665は、C字形状の本体として設けられ、ここで、C字形状の中央部分がプラットフォーム660と結合されているが、様々な実施形態において、中央が開いた他の設計も利用することができる。旋回リフトといったリフトロッド670が、取付支持体665の末端の上で支持されうる。ここで示すように、2つのリフトロッド670を設けることができるが、様々な実施形態において他の数のリフトロッド670も可能である。多くの場合に、リフトロッド670の数は、底板605に形成される開口611の数と一致する。各リフトロッド670の下端は、例えば取付支持体665の上に取付けられたベース675を介して、取付支持体665の上面に結合されうる。各リフトロッド670の上端は、開口611の1つを通るなどして、底板605を貫通しうる。リフトロッド670の上端は、シールリング620と直接的及び/又は間接的に結合されうる。例えば、幾つかの実施形態において、上端は、シールリング620の第1の表面621に直接的に固定されうる。ここに示すような他の実施形態において、各リフトロッド670の上端をシールリング620の第1の表面621に結合するために、1つ以上のシールリング支持体695が使用されうる。アクチュエータ655が、プラットフォーム660を上昇させると、取付支持体665は、リフトロッド670を持ち上げることができ、これにより、リフトロッド670の上端が開口611を通って上方に延び、底板605に対してシールリング620を上昇させる。幾つかの実施形態において、各リフトロッド670が大気シールベローズ680を含みうる。例えば、大気シールベローズ680はリフトロッド670を取り囲むことができ、ここで、大気シールベローズ680の上端は、底板605の下面に結合されており、大気シールベローズ680の下端は、ベース675の上面と結合されている。このようにして、チャンバが、リフト機構645を含む構造の領域からシールされうる。
【0057】
幾つかの実施形態において、ベース675が、衝撃緩衝機構及び/又はセルフアライニング(self-aligning)機構を含むことができ、これらは、同じ構成要素であってよく又は異なる構成要素であってよい。図6Cは、ベース675の概略的な部分断面による側断面図を示す。例えば、ベース675は、取付支持体665に固定することができ、ここで、1つ以上の衝撃緩衝機構がこれらの構成要素の間に配置されている。示されるように、衝撃緩衝機構は、ベース675の底面と取付支持部665の上面との間に配置された1つ以上のバネ685を含みうる。周辺バルブ600の上昇中に第2の表面623及び/又はハードストップ640がチョーク板と接触したときには、バネ685が、衝撃の力を減衰させてアクチュエータ655を保護するのに役立つ。幾つかの実施形態において、バネの力が、周辺バルブ600の上昇を停止させるようアクチュエータ655をトリガする力リミッタとして機能しうる。
【0058】
さらに、バネ685は、チョーク板の接触面と、シールリング620の接触面とが互いに完全には平行でない場合に、周辺バルブ600に自ら位置合わせさせる(self-align)のを助けうる。例えば、チョーク板の接触面とシールリング620の接触面といかなるミスアライメントによっても、結果的に、1つのベース675上の、及び/又は1つ以上のベース675の1の側の上のバネ685が、他のバネ685とは異なる高さまで圧縮されることになり、このことで、シールリング620の第2の表面623が、デフォルト位置に対して偏向する及び/又は傾くことが可能となり得、これにより、チョーク板の接触面とシールリング620の接触面とが平行になって、周辺バルブ600が、チャンバ空間の残りの部分から処理空間を適切にシールできるようになる。シールリング620の偏向及び/又は傾斜をさらに可能にするために、ベース675は、1つ以上のボールスタッド690を含むことができ、当該ボールスタッド690によって、ベース675が、チョーク板の接触面とシールリング620の接触面とのミスアライメントに対応するために、取付支持部665に対して回転すること、並びに/又は垂直方向及び/又は水平方向に移動することが可能となる。例えば、ボールスタッド690のボール部分は、取付支持体665内に形成されたソケット内で収容することができ、かつ、バネ685の中心を通りベース675を通って延びる締結部分を含みうる。ナットといったファスナが、ボールスタッド690の締結部分をベース675に固定しうる。幾つかの実施形態において、バネ685は、チョーク板とシールリング620とのあらゆるミスアラインメントに対応するために、約100ミルと約500ミルの間の総ストロークを有しうるが、ストロークの量は、バネ力、周辺バルブ600の設計、及び/又はチャンバの公差に依存しうる。
【0059】
上昇すると、周辺バルブ600は、チャンバ空間の残りの部分から処理領域をシールすることができる。このことは、複数のチャンバが共通のチャンバ空間を共有する実施形態では特に有益でありうる。というのは、上昇した周辺バルブ600によって、各チャンバが、処理中に他の処理領域から隔離された固有の処理領域を持つことができるからである。処理領域の分離によって、各チャンバ内の動作条件を改善することができ、結果的に、ウエハの品質が向上しうる。さらに、大気シールベローズ680が、チャンバの外部(リフト機構645を収容する領域など)から(真空状態に維持されうる)チャンバ領域をシールして、チャンバ内の真空環境を維持するのに役立ちうる。
【0060】
図7A図7Cは、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な半導体処理チャンバ700の簡略化した概略的な側断面図を示す。図7A図7Cは、システム100、200、400、及び/又はチャンバ500内の構成要素に関連するさらなる詳細を示しうる。チャンバ700は、幾つかの実施形態において先に述べたシステム100、200、400、及び/又はチャンバ500の任意の特徴又は態様を含むと理解される。チャンバ700は、堆積、除去、及び洗浄の工程といった半導体処理を実施するために使用されうる。チャンバ700は、半導体処理システムに組むことができる論じているチャンバの構成要素の部分図を示しうる。チャンバ700の如何なる態様も、当業者には容易に分かるように、他の処理チャンバ又はシステムに組み込むことができる。
【0061】
チャンバ700は、移送領域及び処理領域を画定しうるチャンバ本体702を含みうる。リッド板705が、チャンバ本体702の上に着座することができ、かつチョーク板710を支持しうる。示されるように、チョーク板710は、当該チョーク板710を貫通する開口を画定するリム712を含みうる。リム712は、当該リム712がリッド板705によって画定された開口内を延在するように、リッド板705の内側側壁に沿って延在することができ、ここで、リム712の少なくとも一部分が、リッド板705の全て又は一部分より下方に延在する。幾つかの実施形態において、ポンピングライナといったライナ715が、チョーク板710の上面の上に着座しうる。面板720が、ライナ715の上に配置されうる。幾つかの実施形態において、1つ以上の介在部品が、面板720とライナ715との間に配置されうる。
【0062】
基板支持体725が、チャンバ本体702の内部に配置されうる。基板支持体725は、チャンバ本体702内の内部で、移送領域と処理領域との間を垂直方向に移動可能でありうる。基板支持体725は、支持板730を含むことができ、この支持板730は、幾つかの実施形態においてヒータを含みうる。基板支持体725は、チャンバ本体702の底部を貫通して延び高周波源及び/又は他の電源と接続しうるシャフト735も含みうる。周辺バルブ740が、チャンバ700の移送領域内に配置でき、基板支持体725の外方及び/又は下方に配置されうる。周辺バルブ740は、本明細書に記載の周辺バルブ540及び600と同様とすることができ、このような周辺バルブに関連して記載したあらゆる特徴を有すると理解されうる。例えば、周辺バルブ740は、チャンバ本体702の下端と結合されうる底板745を含みうる。底板745は、基板支持部725のシャフト735を受け入れうる中央開口を画定することができる。周辺バルブ740は、チャンバシールベローズ750を含むことができ、チャンバシールベローズ750は、第1の表面と、当該第1の表面とは反対でありうる第2の表面と、を特徴としうる。チャンバシールベローズ750の底面は、幾つかの実施形態において、底板745の上面と結合されうる。周辺バルブ740は、シールリング755を含むことができ、このシールリング755は、基板支持体725のシャフト735を受け入れるよう寸法設定された中央開口を画定する本体を含む。シールリング755の本体の上面は、基板支持体725の支持板730の直径よりも大きい直径を有する凹部を画定することができ、これにより、基板支持体725及び周辺バルブ740が、図7Aに示すような下降位置にあるときには、支持板730の一部分を凹部内で収容することが可能となる。基板支持体725及び周辺バルブ740は、図7Aに示される位置から、図7Cに示される上昇した処理位置まで上げることができる。例えば、基板支持体725のリフト機構が、基板支持体725を上昇位置まで上げることができるが、周辺バルブ740の(リフト機構645と同様の)リフト機構は、周辺バルブ740を上昇位置まで上げることができる。基板支持体725及び周辺バルブ740の上昇は、順次行われてよく及び/又は互いに同期されてよい。周辺バルブ740が上昇すると、リフト機構の(リフトロッド670と同様の)リフトロッドが、シールリング755を底板745に対して上昇させることができ、これによってチャンバシールベローズ750も長さ方向に伸長しうる。シールリング755は、図7Bに示すように、当該シールリング755の上面がチョーク板710のリム712の下面に接触するまで、上昇させることができ、これにより、周辺バルブがそれ以上上げられるのを防止することができる。幾つかの実施形態において、(ハードストップ640と同様の)幾つかのハードストップ765が、シールリング755と結合することができ、かつシールリング755の上面よりわずかに上まで延在して、リム712の下面に接触することができる。シールリング755の上面はまた、圧縮性シール要素770を含むことができ、この圧縮性シール要素770は、周辺バルブ740が図7Bに示すように配置されたときには、シールリング755の上面とリム712の下面との間で圧縮されて、チャンバ空間の残りの部分(及びスリットバルブ)から処理空間をシールすることができる。このことは、複数のチャンバが共通のチャンバ空間を共有する実施形態では特に有益でありうる。というのは、上昇した周辺バルブ740によって、各チャンバが、処理中に他の処理領域から隔離された固有の処理領域を持つことができるからである。処理領域の分離によって、各チャンバ内の動作条件を改善することができ、結果的に、ウエハの品質が向上しうる。基板支持体725は、周辺バルブ740がチョーク板710のリム712に当接して配置された後にも、上昇を続けることができる。例えば、基板支持体725は、図7Cに示すように、面板720の近傍の高い処理位置まで上昇させることができる。このような処理位置では、基板支持体725は周辺バルブ740よりも高くありうる。
【0063】
図8は、本技術の幾つかの実施形態に係る基板処理の例示的な方法800の工程を示す。本方法は、本技術の実施形態に係る周辺バルブを含みうる、処理システム100、200、400、及びチャンバ500及び700を含む様々な処理チャンバ内で実行することができる。方法800は、本技術に係る方法の幾つかの実施形態と特に関連することもあれば関連しないこともある幾つかの任意選択の工程を含みうる。
【0064】
方法800は、方法800を開始する前に任意選択の工程を含む方法を含んでよく、又は方法は追加の工程を含んでよい。例えば、方法800は、図示されるものとは異なる順序で実行される工程を含みうる。幾つかの実施形態において、方法800は、工程805において、半導体処理チャンバ内で、移送位置からプロセス位置へと基板支持体を上方に移動させることを含みうる。工程810において、チャンバ空間の残りの部分(及びスリットバルブ)から処理領域をシールするために、周辺バルブ(周辺バルブ540、600、740など)が、半導体処理チャンバ内を上方に移動させられうる。基板支持体及び周辺バルブは、一斉に及び/又は順次上昇させることができる。幾つかの実施形態において、周辺バルブは、当該周辺バルブの上面が半導体処理チャンバのチャンバ本体の上に着座したチョーク板の下面に接触する(この接触によって、周辺バルブの上方への移動を制限することができる)まで、上方に移動させることができる。。幾つかの実施形態において、周辺バルブは、当該周辺バルブがチョーク板と接触するときにリフト機構への損傷を防止するのに役立つ衝撃緩衝機構を含みうる。周辺バルブは、周辺バルブの上面とチョーク板の下面とが互いに平行でない場合に、当該構成要素の接触面同士の位置合わせを助けうる自己位置合わせ機構を含みうる。
【0065】
工程815において、ケイ素含有前駆体(これに限定されない)などの1つ以上の前駆体が、半導体処理チャンバに供給されうる。工程820において、プラズマを生成するために面板にRFパワーを供給することなどによって、プラズマが、処理領域内の前駆体から生成されうる。工程825において、プラズマ中で形成された材料が基板上に堆積させられ及び/又は当該材料がエッチングされうる。
【0066】
先の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すべく、数多くの詳細事項を記載した。しかしながら、特定の実施形態が、これらの詳細事項の幾つかを含まずに又は更なる詳細事項を含んで実施されうることが当業者には明らかであろう。
【0067】
幾つかの実施形態を開示してきたが、当業者は、実施形態の思想を逸脱することなく様々な変更例、代替的な構造、及び均等物が使用されうることが分かるであろう。更に、本技術を不必要にあいまいにすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素については説明しなかった。従って、先の明細書の記載が、本技術の範囲を限定するものと見做すべきではない。加えて、方法又はプロセスは連続した又は段階的なものとして説明されうるが、これらの工程が同時に又は記載とは異なった順序で実施されうると理解されたい。
【0068】
値の範囲が与えられている場合に、文脈上そうでないと明示されていない限り、その範囲の上限値と下限値との間に介在する各値が、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されていると理解される。明記された範囲内の任意の明記された値又は明記されていない介在する値と、その明記された範囲内の他の明記された値又は他の介在する値と、の間の任意のより狭い範囲が包含される。これらのより狭い範囲の上限値及び下限値は、個別にその範囲内に含まれることも除外されることもあり、より狭い範囲内に限界値の一方又は両方が含まれる場合、又はどちらも含まれない場合の各範囲も、明記された範囲内の任意の特に除外された限界値に従って、本技術の範囲内に包含される。明記された範囲が、限界値の一方又は両方を含む場合、この含められた限界値の一方又は両方を除いた範囲も含まれる。
【0069】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。従って、例えば、「板(a plate)」が言及されている場合、複数のこのような板が含まれ、「その開口(the aperture)」が言及されている場合、当業者に周知の1つ以上の構成要素及び均等物への言及が含まれ、他についても同様のことが当てはまる。
【0070】
また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を特定することを意図しているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素、工程、アクション、又は群の存在又は追加を排除するものではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A-C】
図8
【国際調査報告】