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特表2024-533168物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク
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  • 特表-物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク 図1
  • 特表-物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク 図2
  • 特表-物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク 図3
  • 特表-物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】物理的気相堆積(PVD)チャンバ用のシャッタディスク
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
C23C14/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513951
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022042309
(87)【国際公開番号】W WO2023034480
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,674
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/900,318
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ハルバート
(72)【発明者】
【氏名】ワイソク イレーナ エイチ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジャンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ロンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ レイ
(72)【発明者】
【氏名】サヴァンダイア キランクマール ニーラサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】レディー スンダラパンディアン ラマリンガ ヴィジャヤラクシュミ
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA24
4K029BA34
4K029BD01
4K029CA05
4K029CA13
4K029DA04
4K029DA08
4K029DA09
4K029DA10
4K029DA12
4K029DC02
4K029DC20
4K029DC24
4K029DC25
4K029DC34
4K029DC35
4K029DC45
4K029FA05
4K029FA09
4K029JA06
(57)【要約】
方法および装置は、物理的気相堆積(PVD)チャンバ内で処理される基板の欠陥を低減する。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法は、PVDチャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスクを位置づけることと、PVDチャンバの内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、炭素系材料と反応するプラズマを作り出すことと、炭素系材料が付着したプロセスキットをプラズマに曝露させながら加熱して、プロセスキットに付着した炭素系材料の少なくとも一部を除去することとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的気相堆積(PVD)チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法であって、
前記PVDチャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスクを位置づけることと、
前記PVDチャンバの前記内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、炭素系材料と反応するプラズマを作り出すことと、
炭素系材料が付着した前記プロセスキットを、前記プラズマに曝露させながら加熱して、前記プロセスキットに付着した前記炭素系材料の少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記プラズマが酸素(O)ラジカルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シャッタディスクが、少なくとも99.99%のケイ素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シャッタディスクが、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ガス供給部を介して、前記洗浄ガスを前記内部容積部に供給し、前記PVDに結合された高周波(RF)電源を使用して前記洗浄ガスにエネルギーを与えて、前記プラズマを作り出すこと、
前記ガス供給部を介して、前記洗浄ガスを前記内部容積部に供給し、前記PVDチャンバに結合されたDC電源を使用して前記洗浄ガスにエネルギーを与えて、前記プラズマを作り出すこと、
前記ガス供給部を介して、前記洗浄ガスを前記内部容積部に供給し、前記PVDチャンバに結合されたマイクロ波電源を使用して前記洗浄ガスにエネルギーを与えて、前記プラズマを作り出すこと、または
前記PVDチャンバに結合された遠隔プラズマ源を介して、前記プラズマを前記内部容積部に供給すること
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記PVDチャンバに結合された直流(DC)電源を使用して、パルスDCを、前記PVDチャンバの洗浄の前または後に、物理的気相堆積のために前記PVDチャンバの前記内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットに供給することをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記PVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スパッタリングターゲットを第1の温度に維持することと、
前記プロセスキットの前記シールドを前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサによって実行されたときに物理的気相堆積(PVD)チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法を実行する命令を格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記方法が、
前記PVDチャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスクを位置づけることと、
前記PVDチャンバの前記内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、炭素系材料と反応するプラズマを作り出すことと、
炭素系材料が付着した前記プロセスキットを、前記プラズマに曝露させながら加熱して、前記プロセスキットに付着した前記炭素系材料の少なくとも一部を除去することと
を含む、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項11】
前記プラズマが酸素(O)ラジカルを含む、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項12】
前記シャッタディスクが、少なくとも99.99%のケイ素である、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項13】
前記シャッタディスクが、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金である、請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項14】
前記シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有する、請求項10~13のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項15】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記PVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項10~13のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項16】
基板を処理するための物理的気相堆積(PVD)チャンバであって、
前記PVDチャンバ内の内部容積部を少なくとも部分的に画定するチャンバ壁と、
前記内部容積部の上部セクションに配設された炭素系スパッタリングターゲットと、
前記スパッタリングターゲットの下方で基板を支持するための支持面を有する基板支持体を含むペデスタルと、
前記内部容積部内にプラズマを形成するためにスパッタガスにエネルギーを与えるように構成された電源と、
前記スパッタリングターゲットおよび前記基板支持体を囲むプロセスキットと、
前記PVDチャンバの前記基板支持体に位置づけることができるシャッタディスクであり、前記シャッタディスクが、酸素系プラズマと反応しないかまたは実質的に反応しないシャッタディスク材料で形成される、シャッタディスクと
を含む、PVDチャンバ。
【請求項17】
前記シャッタディスク材料が、少なくとも99.99%のケイ素である、請求項16に記載のPVDチャンバ。
【請求項18】
前記シャッタディスク材料が、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金である、請求項16に記載のPVDチャンバ。
【請求項19】
前記シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有する、請求項16~18のいずれかに記載のPVDチャンバ。
【請求項20】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記PVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項16~18のいずれかに記載のPVDチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本原理の実施形態は、一般に、半導体基板の半導体処理に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスチャンバは、ペデスタルを損傷する可能性があるプロセスの間ペデスタルを保護するために、シャッタディスクを組み込むことができる。シャッタディスクは、一般に、シャッタディスクの耐用寿命を延ばすために、金属材料で形成される。しかしながら、発明者らは、物理的気相堆積(PVD)プロセスなどのいくつかのプロセス中に、シャッタディスクが、実際には、材料をチャンバの処理容積部にスパッタリングし、それが、チャンバの付加的な汚染と、処理されたウエハにおける後続の欠陥とを引き起こすことがあることを観察した。
【0003】
したがって、発明者らは、シャッタディスクのスパッタリングおよびPVDチャンバの汚染を低減または排除する改善されたプロセスおよび装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
スパッタディスクからのPVDチャンバの汚染を低減し、ウエハ欠陥を低減するための方法および装置が、本明細書で提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法は、PVDチャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスク、またはいくつかの実施形態ではケイ素シャッタディスクを位置づけることと、PVDチャンバの内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、炭素系材料と反応するプラズマを作り出すことと、炭素系材料が付着したプロセスキットをプラズマに曝露させながら加熱して、プロセスキットに付着した炭素系材料の少なくとも一部を除去することとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法は、プラズマ気相堆積(PVD)チャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスク、またはいくつかの実施形態ではケイ素シャッタディスクを位置づけることと、PVDチャンバの内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、約7.5×10-10Torr未満の超高真空(UHV)においてプラズマを作り出すことであり、洗浄ガスが炭素系材料と反応する、プラズマを作り出すことと、PVDチャンバのプロセスキットをプラズマに曝露させながら加熱することと、PVDチャンバのプロセスキットに付着した炭素系堆積材料の少なくとも一部を除去することとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、この方法は、プラズマが酸素(O)ラジカルを含むこと、シャッタディスク材料が、少なくとも99.99%のケイ素であること、シャッタディスク材料が、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金であること、シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有すること、ガス供給部を介して、洗浄ガスを内部容積部に供給し、PVDに結合された高周波(RF)電源を使用して洗浄ガスにエネルギーを与えて、プラズマを作り出すこと、ガス供給部を介して、洗浄ガスを内部容積部に供給し、PVDチャンバに結合されたDC電源を使用して洗浄ガスにエネルギーを与えて、プラズマを作り出すこと、ガス供給部を介して、洗浄ガスを内部容積部に供給し、PVDチャンバに結合されたマイクロ波電源を使用して洗浄ガスにエネルギーを与えて、プラズマを作り出すこと、またはPVDチャンバに結合された遠隔プラズマ源を介して、プラズマを内部容積部に供給すること、PVDチャンバに結合された直流(DC)電源を使用して、パルスDCを、PVDチャンバの洗浄の前または後に、物理的気相堆積のためにPVDチャンバの内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットに供給すること、プロセスキットが、上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、アダプタセクションに結合され、シールドを加熱するためにPVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータとを含むことができること、および/またはスパッタリングターゲットを第1の温度に維持することおよびプロセスキットのシールドを第1の温度よりも高い第2の温度に加熱することのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、プロセッサによって実行されたときに物理的気相堆積(PVD)チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法を実行する命令を格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。この方法は、本明細書に開示される実施形態のいずれかに記載されている通りであり得る。いくつかの実施形態では、この方法は、PVDチャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスク、またはいくつかの実施形態ではケイ素シャッタディスクを位置づけることと、PVDチャンバの内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、炭素系材料と反応するプラズマを作り出すことと、炭素系材料が付着したプロセスキットをプラズマに曝露させながら加熱して、プロセスキットに付着した炭素系材料の少なくとも一部を除去することとを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、プラズマ気相堆積(PVD)チャンバの基板支持体上に非スパッタリングシャッタディスク、またはいくつかの実施形態ではケイ素シャッタディスクを位置づけることと、PVDチャンバの内部容積部に配された酸素含有洗浄ガスにエネルギーを与えて、約7.5×10-10Torr未満の超高真空(UHV)においてプラズマを作り出すことであり、洗浄ガスが炭素系材料と反応する、プラズマを作り出すことと、PVDチャンバのプロセスキットをプラズマに曝露させながら加熱することと、PVDチャンバのプロセスキットに付着した炭素系堆積材料の少なくとも一部を除去することとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、この方法は、プラズマが酸素(O)ラジカルを含むこと、シャッタディスク材料が、少なくとも99.99%のケイ素であること、シャッタディスク材料が、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金であること、シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有すること、および/またはプロセスキットが、上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、アダプタセクションに結合され、シールドを加熱するためにPVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータとを含むことのうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、基板を処理するための物理的気相堆積(PVD)チャンバは、プロセスチャンバ内の内部容積部を少なくとも部分的に画定するチャンバ壁と、内部容積部の上部セクションに配設された炭素系スパッタリングターゲットと、スパッタリングターゲットの下方で基板を支持するための支持面を有する基板支持体を含むペデスタルと、内部容積部にプラズマを形成するためにスパッタガスにエネルギーを与えるように構成された電源と、スパッタリングターゲットおよび基板支持体を囲むプロセスキットと、PVDチャンバの基板支持体上に位置づけることができるシャッタディスクであり、シャッタディスクが、酸素系プラズマ、例えば、約7.5×10-10Torr未満の超高真空(UHV)における酸素系プラズマと反応しないかまたは実質的反応しないシャッタディスク材料で形成される、シャッタディスクとを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、PVDチャンバは、シャッタディスク材料が、少なくとも99.99%のケイ素であること、シャッタディスク材料が、約1:1のケイ素とアルミニウムの比をもつケイ素とアルミニウムの合金であること、シャッタディスクが、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ少なくとも1つの表面を有すること、および/またはプロセスキットが、上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、PVDチャンバの壁で支持されるように構成され、シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、アダプタセクションに結合され、シールドを加熱するためにPVDチャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータとを含むことのうちの1つまたは複数をさらに含むことができる。
【0012】
他のおよびさらなる実施形態を以下に開示する。
【0013】
上述で簡潔に要約し、以下でより詳細に論じる本原理の実施形態は、添付の図面に示す本原理の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、原理の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、この原理が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるため、範囲の限定と考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるプロセスチャンバの概略側面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態によるプロセスキットの概略断面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、基板を処理するように構成されたプロセスキットを洗浄するための方法の図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による部分的なプロセスチャンバの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能であれば、図に共通する同一の要素を指定するために使用されている。図は、縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡単化されている場合がある。ある実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【0016】
本方法および装置は、プラズマ気相堆積(PVD)プロセスチャンバで使用するための非スパッタリング材料から形成されたシャッタディスクを提供する。非スパッタリングシャッタディスクは、限定はしないが、インパルスPVD炭素エッチングチャンバなどのPVDチャンバの欠陥状態性能(defectivity performance)を改善する。非スパッタリングシャッタディスクは、エッチングプロセスと、さらに堆積プロセスとの両方によって引き起こされる汚染および欠陥を大幅に抑制する。本原理の方法および装置は、シャッタディスクが炭素系材料堆積プロセスなどにおいて酸素含有ガスに基づくプラズマに曝露されることがあるインシトゥエッチングプロセスの環境で利用することができる。
【0017】
基板のPVD処理中に、PVDチャンバは、スパッタされた材料を堆積させ、スパッタされた材料は、プラズマを囲むすべての構成要素に膜を形成する可能性がある。経時的に、PVDチャンバに一般に設けられているプロセスキットシールドに、望ましくない堆積材料が形成する可能性がある。スパッタされた材料がプロセスキットシールドに堆積されることは常識であるが、そのようなスパッタされた材料は、粒子を落とすことがあり、それは、PVD中に使用されるスパッタリングターゲットを損傷する可能性があり、および/または処理されている基板を汚染する可能性がある。プロセスキットシールドの保守は、一般に、多数の構成要素を含むことがあるプロセスキットシールドをPVDチャンバから取り外すことと、プロセスキットシールドを当初の状態に化学的にエッチングすることと、プロセスキットシールドを再使用できるようにプロセスキットシールドを再設置することとを含む。そのようなプロセスが、多くの時間を要し、労力を要し、コストがかかり、チャンバ休止時間を望ましくなく増加させることがある。
【0018】
プロセスキットシールドの時間と費用がかかる除去を楽にするために、インシトゥ洗浄プロセスを使用し、それによって、プラズマエッチング洗浄プロセスを使用してプロセスキットシールドを洗浄することができる。エッチングプロセスは、プロセスキットシールド上のスパッタリング蓄積物を取り除くのに役立つ。エッチングプロセスは、表面から材料を取り除くので、基板支持体の表面は、洗浄プロセスの間保護されなければならず、さもなければ、基板支持体の上面は、エッチングによって損傷を受けることになる。エッチング中の基板支持体の上面への損傷を防止するために、シャッタディスクが、基板支持体の上面の上方に位置づけられる。しかしながら、発明者らは、エッチングプロセスが、シャッタディスクからの材料をPVDチャンバ内に放出させ、汚染が、その後に処理される基板の欠陥を増加させ、それが、歩留りを低下させることを観察した。
【0019】
PVD炭素堆積チャンバ用の従来のシャッタディスクは、チタンなどの金属材料で製作されている。エッチングプロセス中に、チタンは、物理的にスパッタリングオフされ、プロセスキャビティの内側に沈降する。次いで、後続の堆積プロセス中に、チタンは、基板表面で凝集する傾向があり、欠陥問題を引き起こす。本原理の非スパッタリングシャッタディスクにより、チタン汚染は低減または排除され、汚染によって引き起こされる欠陥は実質的に低減される。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスクは、ケイ素シャッタディスクである。本明細書で使用するケイ素シャッタディスクは、少なくとも約50%がケイ素であるシャッタディスクを指す。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスクは、「純粋な」ケイ素材料から形成される。本明細書で使用する「純粋な」は、シャッタディスクが少なくとも99.99%の指示材料を含むことを示す。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスク122は、ケイ素とアルミニウムをベースにした合金材料などで形成される。いくつかの実施形態では、合金は、約50%のケイ素と約50%のアルミニウムとから形成することができる。本明細書で使用する「非スパッタリングシャッタディスク」は、酸素系プラズマなどの洗浄プラズマ(例えば、洗浄プロセス中に使用されるプラズマ)と反応しないかまたは実質的に反応せず、シャッタディスクの近くに形成されたそのようなプラズマに応じてシャッタディスク材料をPVDチャンバに放出することがない材料で形成されたシャッタディスクを指す。したがって、非スパッタリングシャッタディスクは、本明細書で説明するように、炭素洗浄プロセス、例えば、酸素プラズマベース洗浄プロセスなどの洗浄プロセス中に形成されるプラズマと反応しないかまたは実質的に反応しない材料で製作される。
【0020】
ケイ素シャッタディスクは、金属シャッタディスクと比較していくつかの利点がある。スパッタディスクに由来するPVDチャンバの金属汚染レベルは、実質的に低減され、例えばチタン粒子などの金属欠陥の数および深刻さが実質的に低減され、欠陥性能(defect performance)が劇的に改善され、シャッタディスクのコストが実質的に低減される。発明者らは、シャッタディスクに使用されたときのケイ素材料が石英などのような誘電体材料より性能が優れていることを見いだした。ケイ素シャッタディスクは、「キラー」欠陥に関して石英シャッタディスクよりもはるかに良好な性能を有する。本明細書で使用する「キラー」欠陥は、基板の使用を妨げ、所与のプロセスに対する基板歩留りを低下させる欠陥である。いくつかの実施形態では、ケイ素シャッタディスクは、金属シャッタディスクと同様の寸法をもつ高純度ケイ素から製作される。エッチング洗浄プロセスおよび/またはペーストもしくはチャンバコンディションプロセスの間、ケイ素シャッタディスクは、保護として基板支持体の上に位置づけられる。炭素または窒化炭素などの堆積されたままの状態の材料が、エッチング洗浄プロセス中にエッチング除去される。エッチング洗浄プロセスは、ケイ素シャッタディスク上の炭素および/または窒化炭素の蓄積物がプロセスキットの寿命の全体にわたって残らないように十分に徹底されており、それにより、プロセスキットのメンテナンスコストおよびダウンタイムが実質的に減少する。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による非スパッタリングシャッタディスクを組み込むことができるプロセスチャンバ100(例えば、PVDチャンバ)の概略側面図を示す。プロセスチャンバ100は、内部容積部108(プロセス容積部/空洞)を密閉するチャンバ壁106を含む。チャンバ壁106は、側壁116、底壁120、およびリッド124を含む。プロセスチャンバ100は、スタンドアロンチャンバ、または様々なチャンバ間で基板104を移送する基板移送機構によって接続された、相互接続されたチャンバのクラスタを有するマルチチャンバプラットホーム(図示せず)の一部とすることができる。プロセスチャンバ100は、基板104上に材料をスパッタ堆積させることができるPVDチャンバとすることができる。スパッタ堆積に適する材料の非限定的な例には、炭素および/または窒化炭素などのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0022】
プロセスチャンバ100は、基板104を支持するためのペデスタル134を含む基板支持体130を含む。ペデスタル134の基板支持面138は、処理中に基板104を受け取り支持する。ペデスタル134は、静電チャックまたはヒータ(電気抵抗加熱器、熱交換器、または他の適切な加熱デバイスなど)を含むことができる。基板104は、プロセスチャンバ100の側壁116の基板ローディング入口143を通してプロセスチャンバ100に導入され、基板支持体130上に配置され得る。支持リフト機構によって基板支持体130を上昇または下降させることができ、ロボットアームによって基板104を基板支持体130に配置する間に、リフトフィンガアセンブリを使用して、基板104を基板支持体130上に上昇または下降させることができる。ペデスタル134は、バイアスをかけることができ、プラズマ動作中、電気的に浮遊電位に維持するか、または接地することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ペデスタル134は、以下でより詳細に説明するように、所与の電位にバイアスをかけることができ、その結果、プロセスキットの洗浄プロセス中に、RF電源170は、1つまたは複数のガス(例えば、洗浄ガス)に点火して、イオンおよびラジカルを含むプラズマを作り出すことができ、そのプラズマは、プロセスキット上に堆積された1つまたは複数の材料と反応するために使用することができる。
【0023】
ペデスタル134は、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と実質的に平行な面を有する基板支持面138を有する。スパッタリングターゲット140は、熱伝導性とすることができるバッキング板142に、1つまたは複数の適切な取り付けデバイス、例えば、はんだ接合を使用して取り付けられたスパッタリングプレート141を含む。スパッタリングプレート141は、基板104上にスパッタされるべき材料を含む。バッキング板142は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅-クロム、または銅-亜鉛などの金属から製作される。バッキング板142は、スパッタリングプレート141とバッキング板142の両方で形成されたスパッタリングターゲット140に発生した熱を放散するために十分に高い熱伝導率を有する材料から製作することができる。熱は、スパッタリングプレート141およびバッキング板142に生じる渦電流から、さらに、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139上へのプラズマからの高エネルギーイオンの衝撃から発生する。バッキング板142により、スパッタリングターゲット140で発生した熱を、周囲の構造に、あるいはバッキング板142の裏に取り付けるかまたはバッキング板142内に配設することができる熱交換器に放散することが可能である。例えば、バッキング板142は、チャネル(図示せず)を含み、その中で伝熱流体を循環させることができる。バッキング板142の適切に高い熱伝導率は、少なくとも約200W/mK、例えば、約220~約400W/mKである。そのような熱伝導率レベルにより、スパッタリングターゲット140は、スパッタリングターゲット140で発生した熱をより効率的に放散することによってより長いプロセス時間の間動作することが可能になり、さらに、例えば、プロセスキット上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、スパッタリングプレート141を比較的速く冷却することが可能になる。
【0024】
代替としてまたは追加として、高い熱伝導率および低い抵抗率を有する材料から製作されたバッキング板142と、それに設けられたチャネルとを組み合わせて、バッキング板142は、1つまたは複数の溝(図示せず)を有する裏面を含むことができる。例えば、バッキング板142は、スパッタリングターゲット140の裏側を冷却するために、環状溝などの溝、または隆起を有することができる。溝および隆起はまた、他のパターン、例えば、長方形格子パターン、螺旋パターン、鶏足パターン、または単に裏面を横切って延びる直線を有することができる。溝は、バッキング板から熱を放散しやすくするために使用することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ100は、スパッタリングターゲット140のスパッタリングを改善するためにスパッタリングターゲット140のまわりに磁界を形成するための磁界発生器150を含むことができる。容量的に発生されたプラズマは、磁界発生器150によって強化することができ、例えば、複数の磁石151(例えば、永久磁石または電磁石コイル)が、基板104の面に対して垂直な回転軸を有する回転磁界を有する磁界をプロセスチャンバ100内に提供することができる。プロセスチャンバ100は、加えてまたは代替として、スパッタリングターゲット140に隣接する高密度プラズマ領域のイオン密度を増加させてターゲット材料のスパッタリングを改善するために、プロセスチャンバ100のスパッタリングターゲット140の近くに磁界を発生する磁界発生器150を含むことができる。
【0025】
スパッタガスが、ガス供給システム160によってプロセスチャンバ100に導入され、ガス供給システム160は、設定された流量のガスを通過させるためのマスフローコントローラなどのガス流量制御バルブ(図示せず)を有する導管163を介してガス供給部161からガスを供給する。プロセスガスは、アルゴンまたはキセノンなどの非反応性ガスを含むことができ、非反応性ガスは、スパッタリングターゲット140に勢いよく衝突し、ターゲット140から材料をスパッタすることができる。プロセスガスは、スパッタされた材料と反応して基板104上に層を形成することができる酸素含有ガスおよび窒素含有ガスのうちの1つまたは複数などの反応性ガスをさらに含むことができる。次いで、ガスは、RF電源170によってエネルギーを与えられてプラズマを形成するかまたは作り出し、それにより、スパッタリングターゲット140をスパッタする。例えば、プロセスガスは、高エネルギー電子によってイオン化され、イオン化されたガスは、負電圧(例えば、-300~-1500ボルト)でバイアスされたスパッタリング材料に引き寄せられる。カソードの電位によって、イオン化されたガス(例えば、ここでは、正に帯電したガス原子)に付与されたエネルギーは、スパッタリングを引き起こす。いくつかの実施形態では、反応性ガスはスパッタリングターゲット140と直接反応して、化合物が作り出され、次いで、引き続き、スパッタリングターゲット140からスパッタされ得る。例えば、カソードは、DC電源190とRF電源の両方でエネルギーを与えることができる。いくつかの実施形態では、DC電源190は、パルスDCを供給してカソードに電力を供給するように構成することができる。使用済みプロセスガスおよび副生成物は、排気部162によりプロセスチャンバ100から排気される。排気部162は、排気口(図示せず)を含み、排気口は、使用済みプロセスガスを受け取り、使用済みガスを、プロセスチャンバ100内のガスの圧力を制御するためのスロットルバルブを有する排気導管164に渡す。排気導管164は、1つまたは複数の排気ポンプ(図示せず)に接続される。
【0026】
加えて、ガス供給システム160は、プロセスキットのシールドの洗浄プロセスを実行するために、エネルギーを与えて活性洗浄ガス(例えば、イオン化プラズマまたはラジカル)を作り出すことができるガスのうちの1つまたは複数(例えば、スパッタリングターゲット140に使用されている材料に依存して)を、プロセスチャンバ100の内部容積部108内に導入するように構成され、それは、以下でより詳細に説明される。代替としてまたは追加として、ガス供給システム160は、プロセスチャンバ100の内部容積部108内にラジカル(または遠隔プラズマ源(RPS)の構成に応じてプラズマ)を供給するように構成された遠隔プラズマ源(RPS)165に結合することができる。スパッタリングターゲット140は、DC電源190および/またはRF電源170の一方または両方に接続される。DC電源190は、プロセスキットのシールドを基準にしてスパッタリングターゲット140にバイアス電圧を印加することができ、プロセスキットのシールドは、スパッタリングプロセスおよび/または洗浄プロセスの間電気的に浮遊することができる。DC電源190または異なるDC電源190aは、さらに、例えば、シールドの洗浄プロセスを実行するとき、プロセスキットのカバーリングセクションまたはアダプタセクションのヒータにバイアス電圧を印加するために使用することができる。
【0027】
DC電源190が、DC電源190に接続されたスパッタリングターゲット140および他のチャンバ部品に電力を供給するとともに、RF電源170がスパッタガスにエネルギーを与えてスパッタガスのプラズマを形成する。形成されたプラズマは、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139に衝突し衝撃を与えて、材料をスパッタリング面139から基板104上にスパッタする。いくつかの実施形態では、RF電源170によって供給されるRFエネルギーは、約2MHz~約60MHzの周波数にわたることができ、または、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、もしくは60MHzなどの非限定的な周波数が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の上述の周波数でRFエネルギーを供給するために、複数の(すなわち、2つ以上の)RF電源を備えることができる。例えば、プロセスキット上およびそのまわりの区域の洗浄プロセスを実行するときに、追加のRF電源をさらに使用して、ペデスタル134および/またはカバーリングセクションにバイアス電圧を供給することができる。例えば、いくつかの実施形態では、追加のRF電源170aを使用して、ペデスタル134(または基板支持体130の基板支持面138)に埋め込むことができるバイアス可能な電極137にエネルギーを与えることができる。バイアス可能な電極を使用して、シールドおよび/または基板支持体130に電力を供給することができる。その上、いくつかの実施形態では、RF電源170は、バイアス電極137にエネルギーを与えるように構成することができる。例えば、1つまたは複数の追加の構成要素、例えば、スイッチング回路が、電気経路をカバーまたはリッド124からバイアス電極137に切り替えるために設けられてもよい。
【0028】
DC電源190(またはDC電源190a)とRF電源170(またはRF電源170a)との間にRFフィルタ191を接続することができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、RFフィルタは、RF電源170が動作しているとき、例えば、洗浄プロセスを実行しているとき、RF信号がDC電源190のDC回路に入るのを阻止するためのDC電源190の回路の構成要素とすることができる。プロセスチャンバ100の様々な構成要素は、コントローラ180(プロセッサ)によって制御することができる。コントローラ180は、基板104を処理するために構成要素を操作するための命令を有するプログラムコード(例えば、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体(メモリ)に格納された)を含む。例えば、コントローラ180は、基板支持体130および基板移送機構を操作するための基板位置づけ命令セット、ヒータの1つまたは複数の加熱構成要素(例えば、ランプ、放射加熱部、および/または埋込み抵抗加熱器)の温度制御、プロセスキット上およびそのまわりの区域に対する洗浄プロセス命令セット、マイクロ波電源181の電力制御、プロセスチャンバ100へのスパッタガスの流量を設定するためにガス流量制御バルブを操作するためのガス流量制御命令セット、プロセスチャンバ100内の圧力(例えば、約120sccm)を維持するために排気スロットルバルブを操作するためのガス圧力制御命令セット、ガスにエネルギーを与える電力レベルを設定するためにRF電源170を操作するためのガスエナジャイザ制御命令セット、環状伝熱チャネルへの伝熱媒体の流量を制御するために基板支持体130または伝熱媒体供給部の温度制御システムを制御するための温度制御命令セット、およびプロセスチャンバ100内のプロセスをモニタする、例えば、アクティブキャパシタチューナ(ACT)192をモニタする/調節するためのプロセスモニタリング命令セットを含むプログラムコードを含むことができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態において、ACT192は、以下でより詳細に説明するように、洗浄プロセスの間ペデスタル134を調整するために使用することができる。
【0029】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるプロセスキット200の概略断面図を示す。プロセスキット200は、アダプタセクション226およびシールド201を含む様々な構成要素を含み、それらは、例えば、腐食した構成要素を取り替えるかもしくは修理するために、または他のプロセスのためにプロセスチャンバ100を適応させるために、プロセスチャンバ100から容易に取り外すことができる。追加として、構成要素表面(例えば、シールド201)からスパッタリング堆積物を洗浄するために取り外す必要がある従来のプロセスキットと異なり、以下でより詳細に説明するように、プロセスキット200は、シールド201上のスパッタされた材料の堆積物を取り除くためにインシトゥで洗浄するように設計される。
【0030】
シールド201は、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と基板支持体130とを取り囲むように大きさを合わされた直径(例えば、スパッタリング面139よりも大きく、基板支持体130の支持面よりも大きい直径)を有する円筒状本体214を含む。円筒状本体214は、チャンバに設置されたときにスパッタリングターゲット140のスパッタリング面139の外側エッジを囲むように構成された上部部分216を有する。シールド201は、チャンバに設置されたときに基板支持体130の基板支持面138を囲むように構成された下部部分217をさらに含む。下部部分217は、基板支持体130の周壁131のまわりに配置するためのカバーリングセクション212を含む。カバーリングセクション212は、基板支持体130のまわりに配設された堆積リング208を取り囲み、少なくとも部分的に覆って、堆積リング208を受け取り、それにより、堆積リング208をスパッタリング堆積物の大部分から遮蔽する。上記のように、いくつかの実施形態では、カバーリングセクション212は、例えば、プロセスキット200上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、DC電源190aおよび/またはRF電源170aを使用してバイアスをかけることができる。いくつかの実施形態では、RF電源170またはDC電源190は、カバーリングセクション212にバイアスをかけるように構成することもできる。例えば、上述したように、スイッチング回路を使用することができる。
【0031】
堆積リング208は、カバーリングセクション212の下に配設される。図2に示されるように、カバーリングセクション212の底面は、堆積リング208と連係して蛇行経路202を形成し、カバーリングセクション212は、円筒状本体214の下部部分217から半径方向内向きに延びる。いくつかの実施形態では、カバーリングセクション212は、蛇行経路202がカバーリングセクション212と堆積リング208との間に配設された間隙であるように、堆積リング208と連係するが、堆積リング208と接触しない。例えば、カバーリングセクション212の底面は、堆積リング208に形成された環状トレンチ241内に延びる環状脚部240を含むことができる。蛇行経路202は、有利には、プロセスキット200の外の区域へのプラズマ漏洩を制限または防止する。その上、蛇行経路202の狭窄した流路により、堆積リング208とカバーリングセクション212の対になった表面への低エネルギースパッタ堆積物の蓄積が制限され、そうでなければ、低エネルギースパッタ堆積物は、互いに、または基板104のオーバハングエッジ206に固着することになる。追加として、いくつかの実施形態では、ガス供給システム160は、プロセスキット200上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、プロセスチャンバ100の内部容積部108内に1つまたは複数の適切なガス(例えば、プロセスガスおよび/または洗浄ガス)を供給するために、蛇行経路202と流体連結する。
【0032】
堆積リング208は、カバーリングセクション212の半径方向内向きに延びるリップ230によって少なくとも部分的に覆われる。リップ230は、下面231および上面232を含む。堆積リング208およびカバーリングセクション212は、基板支持体130の周壁131および基板104のオーバハングエッジでのスパッタ堆積物の形成を低減するために互いに協同する。カバーリングセクション212のリップ230は、基板104の近くの破壊的な電界を低減させるために、約0.5インチと約1インチとの間とすることができる水平距離だけオーバハングエッジ206から離間される(すなわち、リップ230の内径は、処理されるべき基板の所与の直径よりも約1インチ~約2インチだけ大きい)。堆積リング208は、図2に示されるように、基板支持体130の周壁131のまわりに延びて、それを囲む環状バンド215を含む。環状バンド215には、環状バンド215から横方向に延び、基板支持体130の周壁204と実質的に平行である内側リップ250が含まれる。内側リップ250は、基板104のオーバハングエッジ206の直下で終端する。内側リップ250は、処理の間基板104によって覆われない基板支持体130の領域を保護するために、基板104および基板支持体130の周囲を囲む堆積リング208の内周を画定する。例えば、内側リップ250は、周壁204へのスパッタリング堆積物の堆積を低減するかまたはさらに完全に排除するために、基板支持体130の周壁204を囲み、少なくとも部分的に覆うが、基板支持体130の周壁204は、そうしなければ、処理環境にさらされることになる。堆積リング208は、基板支持体130の露出した側面を保護して、エネルギーを与えられたプラズマ核種による側面の腐食を減少させるのに役立つことができる。
【0033】
シールド201は、基板支持体130と向き合うスパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と、基板支持体130の外周とを取り囲む。シールド201は、プロセスチャンバ100の側壁116を覆い遮蔽して、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139から生じるスパッタリング堆積物がシールド201の背後の構成要素および表面に堆積するのを低減する。例えば、シールド201は、基板支持体130と、基板104のオーバハングエッジ206と、プロセスチャンバ100の側壁116および底壁120との表面を保護することができる。アダプタセクション226は、上部部分216から隣接して半径方向外向きに延びる。アダプタセクション226は、シール面233と、シール面233の反対側の載置面234とを含む。シール面233は、真空シールを形成するためにOリング223を受け取るためのOリング溝222を含み、載置面234は、プロセスチャンバ100の側壁116に載り(またはそれによって支持され)、Oリング溝222およびOリング223は、載置面234の向い側の側壁116に設けることもできる。
【0034】
アダプタセクション226は、プロセスチャンバ100の壁で支持されるように構成される。より詳細には、アダプタセクション226は、内向きに延びるレッジ227を含み、レッジ227は、上部部分216に隣接する対応して外向きに延びるレッジ228に係合してシールド201を支持する。アダプタセクション226は、カバーリングセクション212の下でペデスタル134の方に内向きに延びる下部部分235を含む。下部部分235は、空洞229が下部部分235とカバーリングセクション212との間に形成されるように、カバーリングセクション212から離間される。空洞229は、下部部分235の上面237とカバーリングセクション212の底面238とによって画定される。下部部分235の上面237と、底面238との間の距離は、ヒータ203からシールド201への最大伝熱が、プロセスキット200の洗浄中に所定の時間内に達成され得るような距離である。空洞229は、蛇行経路202と流体連結しており、それにより、例えば、ガス供給システム160を介して導入されるガスは、プロセスキット200上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、プロセスチャンバ100の内部容積部108に流れ込むことができる。
【0035】
下部部分235は、ヒータ203を収容するように構成される。より詳細には、適切な構成の環状溝236が、下部部分235内に画定され、限定はしないが、ヒータ203のランプ、放射加熱部、または埋込み抵抗加熱器を含む1つまたは複数の適切な加熱構成要素を支持するように構成される。図示の実施形態では、ランプエンベロープ207、例えば、ガラス、石英、他の適切な材料によって囲まれた放射環状コイル205が環状溝236内に支持されることが示されている。放射環状コイル205は、プロセスキット200上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、約250℃~約300℃の温度に達するように、例えば、コントローラ180で制御することができるDC電源190またはDC電源190aを使用してエネルギーを与えられるかまたは電力を供給され得る。アダプタセクション226はまた、プロセスチャンバ100の側壁116のまわりの熱交換器として機能することができる。代替としてまたは追加として、環状伝熱チャネル225が、水などのような伝熱媒体を流すためにアダプタセクション226またはシールド201(例えば、上部部分216)のいずれかまたは両方に配設されてもよい。伝熱媒体は、例えば、プロセスキット200の洗浄が完了したとき、またはプロセスチャンバ100内で実行されていた1つまたは複数の他のプロセスが完了したとき、アダプタセクション226および/またはシールド201を冷却するために使用することができる。
【0036】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、基板を処理するように構成されたプロセスキットを洗浄するための方法300である。スパッタリングプレート141は、基板に堆積されるべき1つまたは複数の適切な材料から製作することができる。例えば、スパッタリングプレート141は、例えば、炭素(C)または窒化炭素(CN)などで製作することができる。スパッタリングプレート141を製作することができる特定の材料は、プロセスチャンバ内の基板に堆積させたい材料に依存し得る。スパッタリングプレート141(またはターゲット材料)を製作する特定の材料は、チャンバ構成および洗浄プロセスに関連するもう1つの要因、例えば、プロセスキットを洗浄するために使用される活性化洗浄ガスのタイプなどに影響を及ぼし得る。ブロック302において、プロセスキット200上およびそのまわりを洗浄する前に、非スパッタリングシャッタディスク122(例えば、ケイ素シャッタディスク)が、図4図400に示されるように、プロセスチャンバ100の内部容積部108に装着され、基板支持体130、例えば、ペデスタル134、基板支持面138、などの構成要素を保護するために基板支持体130上に配設される。非スパッタリングシャッタディスク122は、例えば周囲保持区域123に格納することができ、プロセスキット200上およびそのまわりを洗浄する前に処理チャンバ100内に移動させることができる。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスク122は、純粋なケイ素材料(例えば、約99.99%超のケイ素)で形成される。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスク122は、ケイ素とアルミニウムをベースにした合金原料などで形成される。いくつかの実施形態では、合金は、約50%のケイ素と約50%のアルミニウムとから形成することができる。いくつかの実施形態では、このケイ素とアルミニウムの比は、炭素系材料のCTEである約7.8の熱膨張率(CTE)をもたらす。同様のCTEは、温度サイクル中にシャッタディスクに堆積された炭素系堆積材料の剥離を最小にし、シャッタディスクからの微粒子によって引き起こされる基板欠陥を低減する。いくつかの実施形態では、非スパッタリングシャッタディスク122の少なくとも1つの表面は、シャッタディスクへの炭素系堆積物の接着を確実にして、炭素系堆積物がシャッタディスクから剥離するのを防止するために、マイクロインチ単位で約400Raより大きい粗さをもつ表面仕上げを有する。アルミニウムをケイ素に導入すると、炭素系堆積物の剥離を防止するための表面粗さの増大、処理中のシャッタディスクの変形に耐えるための剛性の向上、および脆性の低減が可能になる。表面粗さは、例えば、限定はしないが、約99%のAl23または均等物などのブラスト媒体を使用することによって達成することができる。合金の洗浄は、フッ化水素を含まない非酸性/非苛性プロセス溶液を使用して達成することができる。表面粗さは、材料がシャッタディスクから剥離して、PVDチャンバの汚染および/または基板の欠陥を引き起こすのを防止するために、スパッタリングされた炭素系堆積材料を保持することにさらに資する表面を提供する。
【0037】
例えば炭素系材料と反応する1つまたは複数の活性化洗浄ガスを使用して、約7.5×10-10Torr未満の超高真空(UHV)において、プロセスキット200上およびそのまわりを、例えばシールド201上の蓄積物408などを洗浄することができる。活性化洗浄ガスは、例えば、プロセスチャンバ100に導入され、続いて、エネルギーを与えられてプラズマ402を形成して、プロセスキット200の方に導かれ得る404ラジカル(例えば、活性化洗浄ガス)を作り出す洗浄ガスとすることができる。ラジカルは、プロセスキット200上の炭素系堆積材料などの蓄積物408をエッチング除去するが、非スパッタリングシャッタディスク122の材料に影響を及ぼさない406(それと反応しない)。代替としてまたは組み合わせて、ラジカル(例えば、活性化洗浄ガス)は、遠隔プラズマ源からプロセスチャンバ内に導入され、次いで、プロセスキット200の方に導かれてもよい。洗浄ガスのラジカルを形成するためにプラズマを使用して活性化される洗浄ガスは、例えば、酸素(O2)、または他の酸素含有ガス、例えばオゾン(O3)、水酸化物(OH)、過酸化物(H22)などとすることができる。本開示によれば、プロセスキット200上およびそのまわりの洗浄は、プロセスチャンバ100の日常保守に従って実行することができる。例えば、方法300は、プロセスキット200上およびそのまわりの堆積物蓄積を低減するために定期的に実行することができる。例えば、炭素がスパッタリングプレート141として使用される場合、方法300を使用して、炭素蓄積を取り除くことができる。十分な量の材料がプロセスキット200に蓄積されたときはいつでも、洗浄プロセスを定期的に実行することができる。例えば、洗浄プロセスは、1000A膜が各基板に堆積される場合の約50枚程度の基板(またはウエハ)の堆積物に匹敵し得る約5μmの炭素が堆積された後に実行することができる。非スパッタリングシャッタディスク122が基板支持体上に位置づけられる場合、シャッタディスクが汚染物質をチャンバに追加することおよび/または欠陥を増加させることを懸念することなく、洗浄プロセスを頻繁に実行することができる。
【0038】
プロセスキット200上の蓄積された堆積材料を取り除きやすくするために、プロセスキット200上およびそのまわりの区域が、能動的に加熱することができる(例えば、基板を処理するために使用される温度を上回る温度に加熱することができる)ことを見いだした。例えば、スパッタリングターゲット140が炭素であるとき、炭素および酸素ラジカル反応を促進するために(例えば、二酸化炭素を形成するために)、プロセスキット200上およびそのまわりを選択的に洗浄するために(例えば、プロセスチャンバ100の内部容積部108内の特定の区域に洗浄を集中させるために)、およびプロセスキット200上およびそのまわりの洗浄を最大にするために、スパッタリングプレート141と、プロセスキット200上およびそのまわりの区域との間の温度差を維持する必要がある。したがって、そのような温度差を能動的に達成するために、スパッタリングプレート141は、比較的低い温度に、例えば、約25℃~約100℃の温度に維持することができる。例えば、上述した伝熱流体を使用したスパッタリングプレート141の裏側冷却を使用して、そのような温度を達成することができる。スパッタリングプレート141を能動的に冷却することは、PVDが実行された直後にプロセスキット200上およびそのまわりの区域を洗浄する場合、例えば、スパッタリングプレート141の温度が比較的高い場合、有用であり得る。代替としてまたは追加として、スパッタリングプレート141は、冷却デバイスを使用せずに、時間をかけて受動的に冷却させることが可能である。その結果、いくつかの実施形態では、スパッタリングプレート141は、洗浄プロセスの間、約25℃~約100℃の温度に維持することができる。代替としてまたは追加として、洗浄プロセスの間、スパッタリングプレート141は、エッチング反応がスパッタリングターゲット140に発生しないように能動的に冷却され、それにより、スパッタリングターゲット140の完全性を保護する(例えば、ターゲット材料を持続させる)ことができる。
【0039】
次に、ブロック306において、上述の温度差が達成/維持されることを保証するために、プロセスキット200上およびそのまわりの区域は、例えばシールドを加熱して、約250℃~約300℃の温度に能動的に加熱することができる。上記のように、ヒータ203の放射環状コイル205にDC電源190(またはDC電源190a)を使用してエネルギーを与えてそのような温度を達成することができ、DC電源190から放射環状コイル205に供給されるエネルギーの量は、コントローラ180で制御することができる。その後、1つまたは複数のプロセスを使用してプラズマを作り出し、それによって、対応するイオンおよびラジカルを形成することができ、それを使用して、プロセスキット200上およびそのまわりの蓄積された堆積材料と反応させることができる。例えば、ブロック304において、プロセスチャンバの内部容積部に配された洗浄ガスは、エネルギーを与えられて、プラズマを作り出し、それによって、プロセスキット上および/またはチャンバ内部の炭素系堆積材料などの蓄積物と反応および除去することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理キット200のまわりの蓄積された堆積材料が炭素である場合、例えばガス供給システム160を使用してプロセスチャンバ100の内部容積部108内に酸素を導入することができる。導入された後、例えば、RF電源170と、各々が上記のようにRF電源170aまたはDC電源190aのいずれかまたは両方を使用してある電圧電位にバイアスをかけることができるペデスタル134(またはカバーリングセクション212)とを使用して酸素ガスにエネルギーを与えることによって、イオンおよびラジカルを含む酸素プラズマを作り出すことができる。非スパッタリングシャッタディスク122は、プラズマの存在下で非スパッタリング材料で形成されるので、非スパッタリングシャッタディスク122は、洗浄中にプロセスチャンバ100にさらなる汚染を追加しない。同様に、シャッタディスクの材料がプラズマと反応しない限り、三フッ化窒素(NF3)ガスが洗浄ガスとして使用されてもよい。
【0040】
アクティブキャパシタチューナ(例えば、ACT192)は、ペデスタル134に接続され得、内部容積部108内のプラズマと、プロセスキット200との間の電位差が、プロセスキット200上およびそのまわりに堆積された材料を除去しやすくするために、所定の値(例えば、事前決定された電位差)、例えば最大値などに維持されるように調整され得る。例えば、ペデスタル134に接続されたACT192は、内部容積部108内のプラズマと、シールド201との間の電圧電位差を最大に維持するために使用される。より詳細には、RF電源170が酸素ガスに点火した後、RF電源170は、プロセスチャンバ100内のプラズマを維持する(例えば、約100W~約2500W)ために使用され、コントローラ180は、プラズマの電圧電位が、洗浄プロセスの間一般にプロセスチャンバ100を通して接地されるシールド210の電圧電位よりも大きいことを保証するようにACT192を制御する。
【0041】
代替としてまたは追加として、例えば、ガス供給システム160を使用して、酸素などの洗浄ガスをプロセスチャンバ100の内部容積部108に導入することができ、マイクロ波電源181を使用して、酸素プラズマを作り出し、それによって、酸素イオンおよびラジカルを形成することができる。代替としてまたは追加として、酸素プラズマなどのプラズマは、例えば、RPS165を使用して遠隔で作り出すことができる。例えば、酸素プラズマをRPS165で作り出すことができ、酸素プラズマからの酸素イオンおよびラジカルをプロセスチャンバに導くことができる。酸素ガスがエネルギーを与えられて、酸素プラズマが形成された後、酸素ラジカルは、プロセスキット200上およびそのまわりに堆積された炭素と反応し、堆積された炭素を二酸化炭素に変換し(例えば、炭素を選択的にエッチングするかまたは取り除くために)、その後、次いで、二酸化炭素は、例えば排気部162を介してプロセスチャンバ100の内部容積部108からポンプで排出され得る。代替としてまたは追加として、酸素プラズマからの酸素イオンの一部を(例えば、酸素ラジカルに加えて)さらに使用して、プロセスキット200上およびそのまわりに堆積された炭素と反応させて、堆積された炭素を二酸化炭素に変換させることができ、それは、酸素プラズマ中の酸素イオンに対する酸素ラジカルの比に依存することができる。例えば、酸素ラジカルに対する酸素イオンの比は、より多い(またはより少ない)イオン化酸素がプラズマ中に作り出され、より少ない(またはより多い)酸素ラジカルが作り出されるように制御することができる。
【0042】
コントローラ180は、例えば、二酸化炭素生成の終点で、二酸化炭素を排気し始めるように排気部162を制御することができ、終点は、プロセスチャンバ100の内部容積部108に配設された1つまたは複数のセンサ193を使用して検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ180は、1つまたは複数のセンサ193を使用して、排気ガスの組成に基づいて洗浄時間の終点を決定することができる。コントローラ180はまた、1つまたは複数のセンサ193を使用して、プロセスチャンバ100の内部容積部108内のペデスタル134またはプラズマの電圧を決定して、例えば、内部容積部内のプラズマと、プロセスキット200との間の最大電位差を維持することができる。代替としてまたは追加として、コントローラ180は、例えば、経験的なデータを介して計算することができる所定の時間に二酸化炭素を排気し始めるように排気部162を制御するように構成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、洗浄プロセスが完了した後、コントローラ180は、1つまたは複数の追加のプロセスを実行することができ、例えば、洗浄プロセス中にスパッタリングターゲット140上に堆積されたデブリ(フレーク)の一部を除去するために、シーズニングが必要とされる。例えば、スパッタリングターゲット140の状態が十分に回復されるまで、非スパッタリングシャッタディスク122が基板支持体130に配設された状態で、パルスDCプラズマのシーズニング/適用を実行することができる(例えば、10~20回の実行)。
【0043】
ブロック308において、洗浄プロセスの完了後、PVDチャンバは、1つまたは複数の基板への材料の堆積を再開することができる。PVDチャンバ洗浄プロセスは、設定された数の基板が処理された後、および/または所与の量の堆積物がプロセスキット200上に生じた後、繰り返すことができる。非スパッタリングシャッタディスク122は、エッチングプロセス中のPVDチャンバへのスパッタリング材料を洗浄している間、PVDチャンバに汚染物質を追加しないので、PVDチャンバは、基板における追加の欠陥および/またはPVDチャンバ内の追加の汚染物質などのペナルティなしに、チャンバの性能を維持するためにしばしば洗浄することができる。発明者らは、非スパッタリングシャッタディスクのための材料の試験中に、ケイ素材料がチタン材料よりも実質的に良好に機能することを見いだした。ケイ素シャッタディスクは、4500枚のウエハの作業における50nmより大きいウエハ欠陥の数が、同数の作業におけるチタンシャッタディスクと比較して、非常に少なかった。発明者らは、さらに、アルミニウムおよびチタンの汚染レベルが、ケイ素材料ではチタン材料の場合の1/5に減少することを見いだした。ケイ素材料をシャッタディスクに使用した場合、チタン粒子は見いだされなかった。例えば石英材料などの誘電体材料と比較したとき、ケイ素材料は、キラー欠陥(例えば、500nmより大きい欠陥)に関してより良好な性能を示した。発明者らは、さらに、シャッタディスク用に酸化ケイ素材料をテストしたが、ケイ素は、はるかに高い粒子および欠陥性能を有していた。いくつかの実施形態では、ケイ素とアルミニウムの比が約1:1比の合金材料は、チタン材料よりも少ない欠陥を示し、誘電体材料よりも少ないキラー欠陥を示した。
【0044】
本原理による実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。実施形態は、さらに、1つまたは複数のプロセッサによって読み取られ実行され得る、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を使用して格納された命令として実施され得る。コンピュータ可読媒体は、マシン(例えば、コンピューティングプラットフォーム、または1つまたは複数のコンピューティングプラットフォーム上で動作する「仮想マシン」)によって読み取り可能な形態で情報を格納または送信するための任意の機構を含むことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切な形態の揮発性または不揮発性メモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0045】
前述は本原理の実施形態を対象としているが、本原理の他のおよびさらなる実施形態が、本原理の基本範囲から逸脱することなく考案され得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】