IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-計測スロットプレート 図1
  • 特表-計測スロットプレート 図2
  • 特表-計測スロットプレート 図3
  • 特表-計測スロットプレート 図4
  • 特表-計測スロットプレート 図5
  • 特表-計測スロットプレート 図6
  • 特表-計測スロットプレート 図7A
  • 特表-計測スロットプレート 図7B
  • 特表-計測スロットプレート 図7C
  • 特表-計測スロットプレート 図8
  • 特表-計測スロットプレート 図9
  • 特表-計測スロットプレート 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】計測スロットプレート
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20240905BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20240905BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
C23C16/44 B
C23C16/52
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514408
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022042442
(87)【国際公開番号】W WO2023034559
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/466,403
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドーリング, ケネス ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】シャー, ヴィヴェック ビー.
(72)【発明者】
【氏名】アガルワル, アシュトシュ
(72)【発明者】
【氏名】バルジャ, サンジーヴ
(72)【発明者】
【氏名】サンパスクマール, シュリハリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チュンレイ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030EA04
4K030FA01
4K030FA03
4K030FA04
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA06
4K030HA01
4K030JA03
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
5F045AA08
5F045AA15
5F045AC16
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF07
5F045DP15
5F045DP27
5F045EE19
5F045EF05
5F045EK07
5F045EM05
5F045GB04
5F045GB05
5F045GB06
5F045GB09
(57)【要約】
計測スロットプレート、処理チャンバリッド、及び計測スロットプレートを有する処理チャンバが記載されている。計測スロットプレートの各々は独立して、プレートブランク、反射率計、静電容量センサ、ガス流量計、圧力計、高温計、距離センサ(レーザ)、放射計のうちの1又は複数を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測スロットプレートであって、
細長い計測プレート本体の厚さを画定する上面及び底面、前記細長い計測プレート本体の長さを画定する内端及び外端を有する細長い計測プレート本体であって、
前記細長い計測プレート本体は、上部と下部とを有し、前記上部は、前記下部よりも大きい幅を有して前記上部の底面を形成し、前記下部は、前記下部の長さに沿って延在する第1の側面と第2の側面とを有する、細長い計測プレート本体と、
前記細長い計測プレート本体の上面にある入口であって、本体の厚さを少なくとも部分的に貫通して出口まで延在するガスチャネルに接続されている、入口と、
前記細長い計測プレート本体の厚さを貫通して延在する高温計開口部と
を備える、計測スロットプレート。
【請求項2】
前記内端及び前記外端の1又は複数は、前記下部の端面に沿って真空流又はパージガス流の1又は複数を供給するように構成されたガスポートを含む、請求項1に記載の計測スロットプレート。
【請求項3】
前記下部の第1の側面及び第2の側面に形成された凹部を更に備え、前記凹部は、ガスの流れが前記入口から前記ガスチャネルを通って前記凹部内を通過することができるように、前記ガスチャネルと流体連通している、請求項1に記載の計測スロットプレート。
【請求項4】
前記細長い計測プレート本体の上部は、前記上部の側面に形成された円弧状凹部を含む、請求項1に記載の計測スロットプレート。
【請求項5】
処理チャンバリッドであって、
リッド本体の厚さを画定する上面及び底面を有するリッド本体であって、リッド本体に垂直な方向に沿って延在する基準軸を有するリッド本体と、
前記リッド本体の厚さを貫通して延在し、前記リッド本体の基準軸の周りに対称に配置された複数のステーション開口部と、
前記リッド本体の厚さを貫通して延在する複数のスロット開口部であって、前記スロット開口部の各々は、隣接するステーション開口部の間に配置され、長さ及び幅を有し、前記長さは、前記基準軸の近くに位置する前記スロット開口部の内端から、前記内端よりも前記基準軸から離れた前記スロット開口部の外端まで測定される、複数のスロット開口部と
を備える、処理チャンバリッド。
【請求項6】
前記複数のスロット開口部の各内部に位置決めされた細長い計測プレートを更に備える、請求項5に記載の処理チャンバリッド。
【請求項7】
少なくとも1つの細長い計測プレートは、処理中のウエハの温度を測定するように構成された高温計を含む、請求項6に記載の処理チャンバリッド。
【請求項8】
前記細長い計測プレートの各々は独立して、プレートブランク、反射率計、静電容量センサ、ガス流量計、圧力計、高温計、距離センサ(レーザ)又は放射計のうちの1又は複数を含む、請求項6に記載の処理チャンバリッド。
【請求項9】
前記細長い計測プレートの各々は、上部及び下部を含み、前記上部は、前記細長い計測プレートを前記スロット開口部内に支持するように構成された底面を有する前記下部よりも大きい幅を有する、請求項6に記載の処理チャンバリッド。
【請求項10】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つの端部は、前記細長い計測プレートの端面と前記スロット開口部の端面との間に真空流又はパージガス流の1又は複数を供給するように構成されたガスポートを含む、請求項9に記載の処理チャンバリッド。
【請求項11】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つは、前記上部の上面に入口を含み、前記入口は、細長い計測プレート本体の厚さを少なくとも部分的に貫通して出口まで延在するガスチャネルに接続されている、請求項9に記載の処理チャンバリッド。
【請求項12】
前記細長い計測プレートは更に、下部の第1の側面及び第2の側面に形成された凹部を含み、前記凹部は、ガスの流れが前記入口から前記ガスチャネルを通って前記凹部内を通過することができるように、前記ガスチャネルと流体連通している、請求項11に記載の処理チャンバリッド。
【請求項13】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つは、細長い計測プレート本体の厚さを貫通して延在するライトパイプを含み、前記ライトパイプは、ガスが前記ガスチャネルを通って前記凹部内に流れるときに前記ライトパイプがガスカーテンで囲まれるように、第1の側面及び第2の側面の凹部間に形成された開口部内に位置決めされる、請求項12に記載の処理チャンバリッド。
【請求項14】
前記細長い計測プレートの上部は、前記上部の側面に形成された円弧状凹部を含む、請求項9に記載の処理チャンバリッド。
【請求項15】
処理チャンバであって、
プロセス領域を囲む側壁と底部とを有するチャンバ本体と、
前記プロセス領域内に回転軸を有する基板支持体であって、前記回転軸から距離を置いて位置決めされ、前記回転軸の周りに対称に配置された複数の可動ヒータを含む、基板支持体と、
前記チャンバ本体の側壁の上部エッジと接触するように位置決めされたチャンバリッドであって、前記チャンバリッドは、リッド本体の厚さを画定する上面及び底面を有するリッド本体であって、リッド本体に垂直な方向に沿って延在する基準軸を有するリッド本体と、前記リッド本体の厚さを貫通して延在し、前記リッド本体の基準軸の周りに対称に配置された複数のステーション開口部と、前記リッド本体の厚さを貫通して延在する複数のスロット開口部であって、前記スロット開口部の各々は、隣接するステーション開口部の間に位置し、長さ及び幅を有し、前記長さは、前記基準軸の近くに位置する前記スロット開口部の内端から、前記内端よりも前記基準軸から離れた前記スロット開口部の外端まで測定される、複数のスロット開口部と
を含む、チャンバリッドと
を備える、処理チャンバ。
【請求項16】
前記複数のスロット開口部の各内部に配置された細長い計測プレートを更に備える、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つは、移動中のウエハの温度を測定するように構成された高温計を含む、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記細長い計測プレートの各々は上部と下部とを含み、前記上部は、前記細長い計測プレートを前記スロット開口部内に支持するように構成された底面を有する前記下部より大きい幅を有する、請求項16に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つの端部は、前記細長い計測プレートの端面と前記スロット開口部の端面との間に真空流又はパージガス流の1又は複数を供給するように構成されたガスポートを含む、請求項18に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記細長い計測プレートの少なくとも1つは、前記上部の上面に入口を含み、前記入口は、細長い計測プレート本体の厚さを少なくとも部分的に貫通して出口まで延在するガスチャネルに接続され、前記細長い計測プレートは更に、前記下部の第1の側面及び第2の側面に形成された凹部を含み、前記凹部は、ガスの流れが前記入口から前記ガスチャネルを通って前記凹部内を通過することができるように、前記ガスチャネルと流体連通している、請求項18に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、処理チャンバリッドに関する。より詳細には、本開示の実施形態は、計測スロットプレートを組み込んだ処理チャンバリッドを対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]マイクロエレクトロニクスデバイスの製造では、その場(インシトゥ)でのウエハ処理を最適化する必要がある。原子層堆積(ALD)チャンバを含む幾つかの処理チャンバでは、ウエハとヒータを処理ステーション間で迅速に移動させて、前駆体と反応性化学物質に別々に暴露する。ウエハは、熱擾乱及びプロセス汚染を受けることなく移動するため、非接触環境でウエハの温度及び膜特性を正確に測定することは困難な場合が多い。
【0003】
[0003]更に、ウエハハンドオフとも呼ばれる、基板支持体又はヒータ上へのウエハの配置は、ウエハ上に形成される膜の完全性及び均一性に影響を与える可能性がある。例えば、金属酸化物ALD膜の厚さは、ウエハハンドオフに特に敏感である。通常、ウエハハンドオフは目視で実行されるが、この方法はしばしば不正確で時間がかかる。また、手作業によるウエハハンドオフは、処理チャンバリッドを持ち上げる必要があり、真空が抜けて、ウエハ処理が中断される可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、測定値のドリフト及び真空の抜けを伴わずに、その場でのウエハ処理をリアルタイムで制御、校正、評価、監視する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1又は複数の実施形態は、計測スロットプレートを対象とする。計測スロットプレートは、本体の厚さを画定する上面及び底面、本体の長さを画定する内端及び外端を有する細長い計測プレート本体を備える。細長い計測プレート本体は、上部と下部とを有する。上部は、下部よりも大きい幅を有して上部の底面を形成する。下部は、下部の長さに沿って延在する第1の側面と第2の側面とを有する。計測スロットプレートは、細長い計測プレート本体の上面にある入口を備える。入口は、本体の厚さを少なくとも部分的に貫通して出口まで延在するガスチャネルに接続されている。計測スロットプレートは、本体の厚さを貫通して延在する高温計開口部を備える。
【0006】
[0006]本開示の別の実施形態は、処理チャンバリッドを対象とする。処理チャンバリッドは、リッド本体の厚さを画定する上面及び底面を有するリッド本体を備える。リッド本体は、リッド本体に垂直な方向に沿って延在する基準軸を有する。処理チャンバリッドは、リッド本体の厚さを貫通して延在し、リッド本体の基準軸の周りに対称に配置された複数のステーション開口部を備える。処理チャンバリッドは、リッド本体の厚さを貫通して延在する複数のスロット開口部であって、スロット開口部の各々は、隣接するステーション開口部の間に配置され、長さ及び幅を有し、長さは、基準軸の近くに位置するスロット開口部の内端から、内端よりも基準軸から離れたスロット開口部の外端まで測定される、複数のスロット開口部を備える。
【0007】
[0007]本開示の更なる実施形態は、処理チャンバを対象とする。処理チャンバは、プロセス領域を囲む側壁と底部とを有するチャンバ本体と、プロセス領域内に回転軸を有する基板支持体とを備える。基板支持体は、回転軸から距離を置いて配置され、回転軸の周りに対称に配置された複数の可動ヒータを含む。処理チャンバは、チャンバ本体の側壁の上部エッジと接触するように位置決めされたチャンバリッドを備える。チャンバリッドは、リッド本体の厚さを画定する上面及び底面を有するリッド本体であって、リッド本体に垂直な方向に沿って延在する基準軸を有するリッド本体と、リッド本体の厚さを貫通して延在し、リッド本体の基準軸の周りに対称に配置された複数のステーション開口部と、リッド本体の厚さを貫通して延在する複数のスロット開口部であって、スロット開口部の各々は、隣接するステーション開口部の間に配置され、長さ及び幅を有し、長さは、基準軸の近くに位置するスロット開口部の内端から、内端よりも基準軸から離れたスロット開口部の外端まで測定される、複数のスロット開口部とを含む。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示された実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバを示す断面等角図である。
図2】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバを示す断面図である。
図3】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理ステーションを示す分解断面図である。
図4】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理プラットフォームの概略図である。
図5】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバリッドを示す上面図である。
図6】本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバリッドを示す上面図である。
図7A】本開示の1又は複数の実施形態に係るスロット開口部を示す上面図である。
図7B】計測スロットプレートの一実施形態を示す正面断面図である。
図7C】計測スロットプレートの一実施形態を示す正面断面図である。
図8】1又は複数の実施形態に係るレーザ及び反射率計計測スロットキットを示す断面図である。
図9図8のレーザ及び反射率計計測スロットキットを示す正面図である。
図10】1又は複数の実施形態に係る高温計を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0021]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構築又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行又は実施することができる。
【0011】
[0022]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する用語「基板」及び「ウエハ」は、交換可能に使用され、いずれもプロセスが作用する表面、又は表面の一部を指す。また、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、当業者には、基板への言及が基板の一部分のみを指しうることが理解されよう。更に、基板への堆積への言及は、ベア基板と、その上に1又は複数の膜又は特徴が堆積又は形成された基板の両方を意味し得る。
【0012】
[0023]本明細書で使用する「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電性材料等の他の任意の材料が含まれる。基板には、限定しないが、半導体ウエハが含まれる。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、水酸化(又は、化学的機能性を付与するために標的化学部位を他の方法で生成もしくはグラフト化)、アニール及び/又は焼成するための前処理プロセスに暴露され得る。基板自体の表面で直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれもが、以下により詳細に開示するように、基板に形成された下層で行われてよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。したがって、例えば、膜/層又は部分膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出した表面が基板表面となる。所定の基板表面が何を含むかは、どのような膜を堆積させるか、また使用される特定の化学物質によって決まる。
【0013】
[0024]本明細書で使用する「原子層堆積」又は「周期的堆積」とは、基板表面に材料の層を堆積させるために、2種類以上の反応性化合物に順次暴露することを指す。基板又は基板の一部は、処理チャンバの反応ゾーン内に導入される2種以上の反応性化合物に順次又は別々に曝露される。時間領域ALDプロセスでは、各反応性化合物への曝露は、各化合物が基板表面に付着及び/又は基板表面で反応し、その後処理チャンバからパージされることができるように時間遅延によって分離される。これらの反応性化合物に、基板が順次曝露されると言われる。
【0014】
[0025]空間ALDプロセスでは、基板表面の異なる部分、又は基板表面上の材料が、2種類以上の反応性化合物に同時に曝露されるため、基板上の任意の所与の点が実質的に同時に1を超える反応性化合物に曝露されることはない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、この点で使用される「実質的に」という用語は、当業者に理解されるように、拡散により基板の小さい部分が複数の反応性ガスに同時に曝露され得る可能性があり、同時曝露が意図されないことを意味する。
【0015】
[0026]時間領域ALDプロセスの一態様では、第1の反応性ガス(すなわち、第1の前駆体又は化合物A、例えばマンガン前駆体、ルテニウム前駆体、又はマンガン-ルテニウム前駆体)が、第1の時間遅延に続いて反応ゾーン内にパルス導入される。次に、第2の前駆体又は化合物B(例えば、還元剤)が反応ゾーン内にパルス導入され、第2の遅延が続く。各時間遅延中に、アルゴン等のパージガスを処理チャンバ内に導入させて、反応ゾーンをパージすることができる、又は反応ゾーンから全ての残留反応性化合物又は反応副生成物を除去することができる。あるいはパージガスは、反応性化合物のパルス間の時間遅延中にパージガスのみが流れるように、堆積プロセスを通して連続的に流すことができる。反応性化合物はあるいは、所望の膜又は膜厚が基板表面上に形成されるまでパルス導入される。いずれのシナリオにおいても、化合物A、パージガス、化合物B、パージガスをパルスするALDプロセスが1サイクルとなる。サイクルは、化合物A又は化合物Bのいずれかで開始して、所望の厚さの膜に達するまで、サイクルのそれぞれの順序を継続することができる。
【0016】
[0027]本明細書で使用する「パルス」又は「投与(用量)」は、プロセスチャンバ内に断続的又は非連続的に導入される供給源ガスの量を指すものである。各パルス内の特定の化合物の量は、パルスの持続時間によって時間と共に変化し得る。特定のプロセスガスは、単一の化合物又は2種類以上の化合物の混合物/組み合わせ、例えば以下に説明するプロセスガスを含み得る。
【0017】
[0028]本開示は、処理チャンバの実施形態を提供する。1又は複数の実施形態では、処理チャンバは、プロセス領域を囲む側壁及び底部を有するチャンバ本体を備える。1又は複数の実施形態では、処理チャンバは、プロセス領域内に回転軸を有する基板支持体を備える。1又は複数の実施形態では、基板支持体は、回転軸から距離を置いて位置決めされ、回転軸の周りに対称に配置された複数の可動ヒータを備える。
【0018】
[0029]本開示は、シングルウエハ又はマルチウエハ(バッチとも呼ばれる)プロセスチャンバと共に使用するための方法を提供する。図1及び図2は、本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバ100を示す図である。図1に、本開示の1又は複数の実施形態に係る断面等角図として図示した処理チャンバ100を示す。図2に、本開示の1又は複数の実施形態に係る処理チャンバ100の断面を示す。したがって、本開示の幾つかの実施形態は、基板支持体200を組み込んだ処理チャンバ100を対象とする。
【0019】
[0030]処理チャンバ100は、壁104及び底部106を有するハウジング102を備える。ハウジング102は、処理チャンバリッド300と共に、内部領域とも呼ばれる内部領域109を画定する。
【0020】
[0031]図示した処理チャンバ100は、複数の処理ステーション110を含む。処理ステーション110は、ハウジング102の内部領域109に位置し、基板支持体200の回転軸211の周りに円形配置で位置決めされる。各処理ステーション110は、前面114を有するガス分配プレート112(ガス注入器とも呼ばれる)を含む。幾つかの実施形態では、各ガス分配プレート112の前面114は実質的に同一平面上にある。処理ステーション110は、処理が行われ得る領域として画定される。例えば、幾つかの実施形態では、処理ステーション110は、後述する基板支持体200の支持面231と、ガス分配プレート112の前面114とによって囲まれる領域として画定される。図示の実施形態では、ヒータ230が基板支持面として機能し、基板支持体200の一部を形成する。
【0021】
[0032]処理ステーション110は、任意の適切なプロセスを実行し、任意の適切なプロセス条件を提供するように構成され得る。使用されるガス分配プレート112の種類は、例えば、実行されるプロセスの種類及びシャワーヘッド又はガス注入器の種類に依存する。例えば、原子層堆積(ALD)装置として動作するように構成された処理ステーション110は、シャワーヘッド又は渦タイプのガス注入器を有していてよく、その一方で、プラズマステーションとして動作するように構成された処理ステーション110は、プラズマガスがウエハに向かって流れるのを可能にしつつプラズマを生成するための1又は複数の電極及び/又は接地プレート構成を有していてよい。図2に示す実施形態は、図面の左側(処理ステーション110a)に、図面の右側(処理ステーション110b)とは異なる種類の処理ステーション110を有する。適切な処理ステーション110には、熱処理ステーション、マイクロ波プラズマ、3電極CCP、ICP、平行平板CCP、UV露光、レーザ処理、ポンピングチャンバ、アニールステーション、及び計測ステーションが含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
[0033]図3は、本開示の1又は複数の実施形態に係る処理ステーション110又はプロセスチャンバで使用するためのガス分配アセンブリ105を示す分解図である。当業者は、図3に図示した実施形態が一般的な概略図であり、詳細(例えば、ガスチャネル)が省略されていることを認識するであろう。図示したガス分配アセンブリ105は、3つの主要な構成要素:ガス分配プレート112、リッド180、及びオプションのスペーサ330を含む。スペーサ330は、ポンプ/パージスペーサ、インサート又はポンプ/パージインサートとも呼ばれる。幾つかの実施形態では、スペーサ330は、真空(排気)に接続されている、又は真空と流体連通している。幾つかの実施形態では、スペーサ330は、パージガス源に接続されている、又はパージガス源と流体連通している。
【0023】
[0034]チャンバリッド300の複数のステーション開口部310は、均一なサイズであってよい、又は異なるサイズを有していてよい。異なるサイズ/形状のガス分配プレート112は、複数のステーション開口部310からガス分配プレート112に移行するのに適した形状のポンプ/パージスペーサ330と共に使用することができる。例えば、図示したように、ポンプ/パージスペーサ330は、側壁335を有する上部331及び底部333を含む。チャンバリッド300の複数の開口部310内に挿入されると、レッジ334が複数の開口部310に位置決めされるように構成される。
【0024】
[0035]ポンプ/パージスペーサ330は、ガス分配プレート112を挿入することができる開口部339を含む。図示したガス分配プレート112は、ポンプ/パージスペーサ330の上部331に隣接する裏面332によって形成されたレッジと接触し得るフランジ342を有する。ガス分配プレート112の直径又は幅は、ポンプ/パージスペーサ330の開口部339内に収まり得る任意の適切なサイズであってよい。これにより、チャンバリッド300の同じ開口部310内で様々な種類のガス分配プレート112を使用することができる。
【0025】
[0036]図4は、本開示の1又は複数の実施形態に係る処理プラットフォーム400を示す図である。図4に示す実施形態は、1つの可能な構成を表したものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものとして捉えるべきではない。例えば、幾つかの実施形態では、処理プラットフォーム400は、図示した実施形態とは異なる数の処理チャンバ100、バッファステーション420及び/又はロボット430のうちの1又は複数の構成を有する。
【0026】
[0037]例示的な処理プラットフォーム400は、複数の側面411、412、413、414を有する中央移送ステーション410を含む。図示の移送ステーション410は、第1の側面411、第2の側面412、第3の側面413及び第4の側面414を有する。4つの側面を示したが、当業者であれば、例えば、処理プラットフォーム400の全体構成に応じて、移送ステーション410に任意の適切な数の側面が存在し得ることを理解するであろう。幾つかの実施形態では、移送ステーション410は3つの側面、4つの側面、5つの側面、6つの側面、7つの側面又は8つの側面を有する。
【0027】
[0038]移送ステーション410は、その中に配置されたロボット430を有する。ロボット430は、処理中にウエハを移動させることができる任意の適切なロボットであり得る。幾つかの実施形態では、ロボット430は、第1のアーム431及び第2のアーム432を有する。第1のアーム431及び第2のアーム432は、他のアームから独立して動くことができる。第1のアーム431及び第2のアーム432は、x-y平面内及び/又はz軸に沿って動くことができる。幾つかの実施形態では、ロボット430は、第3のアーム(図示せず)又は第4のアーム(図示せず)を含む。各アームは、他のアームから独立して動くことができる。
【0028】
[0039]図示した実施形態は、2つが中央移送ステーション410の第2の側面412、第3の側面413及び第4の側面414の各々に接続された、6つの処理チャンバ100を含む。各処理チャンバ100は、異なるプロセスを実行するように構成され得る。
【0029】
[0040]処理プラットフォーム400はまた、中央移送ステーション410の第1の側面411に接続された1又は複数のバッファステーション420も含み得る。バッファステーション420は、同じ機能又は異なる機能を実行することができる。例えば、バッファステーションは、処理されて元のカセットに戻されるウエハのカセットを保持することができる、又はバッファステーションのうちの1つは、処理後に他のバッファステーションに移動される未処理のウエハを保持することができる。幾つかの実施形態では、バッファステーションの1又は複数は、処理前及び/又は処理後のウエハを前処理、前加熱、又は洗浄するように構成される。
【0030】
[0041]処理プラットフォーム400はまた、中央移送ステーション410といずれかの処理チャンバ100との間に1又は複数のスリットバルブ418を含み得る。スリットバルブ418は、処理チャンバ100内の内部領域を中央移送ステーション410内の環境から隔離するために開閉することができる。例えば、処理チャンバが処理中にプラズマを生成する場合、漂遊プラズマが移送ステーションのロボットに損傷を与えるのを防ぐために、その処理チャンバ用のスリットバルブを閉じることが有用であり得る。
【0031】
[0042]処理プラットフォーム400は、ウエハ又はウエハのカセットを処理プラットフォーム400内にロードできるように、ファクトリインターフェース450に接続することができる。ファクトリインターフェース450内のロボット455を使用して、ウエハ又はカセットをバッファステーション内外に移動させることができる。ウエハ又はカセットは、中央移送ステーション410のロボット430によって処理プラットフォーム400内で移動させることができる。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース450は、別のクラスタツール(すなわち、別のマルチチャンバ処理プラットフォーム)の移送ステーションである。
【0032】
[0043]コントローラ495は、様々な構成要素の動作を制御するために、処理プラットフォーム400の様々な構成要素に配設され、結合され得る。コントローラ495は、処理プラットフォーム400全体を制御する単一のコントローラ、又は処理プラットフォーム400の個々の部分を制御する複数のコントローラであり得る。例えば、幾つかの実施形態の処理プラットフォーム400は、個々の処理チャンバ100、中央移送ステーション410、ファクトリインターフェース450及び/又はロボット430のうちの1又は複数のために別々のコントローラを備える。
【0033】
[0044]幾つかの実施形態では、処理チャンバ100は更に、第1の温度又は第2の温度のうちの1又は複数を制御するように構成された、複数の実質的に共平面の支持面231に接続されたコントローラ495を備える。1又は複数の実施形態では、コントローラ495は、基板支持体200(図2)の移動速度を制御する。
【0034】
[0045]幾つかの実施形態では、コントローラ495は、中央処理装置(CPU)496、メモリ497、及び支援回路498を含む。コントローラ495は、処理プラットフォーム400を直接制御することができる、又は特定のプロセスチャンバ及び/又は支援システム構成要素に関連するコンピュータ(又はコントローラ)を介して制御することができる。
【0035】
[0046]コントローラ495は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形式の汎用コンピュータプロセッサの1つであってよい。コントローラ495のメモリ497又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光記憶媒体(例えば、コンパクトディスク又はデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、又はローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージ等の容易に入手可能なメモリのうちの1又は複数であってよい。メモリ497は、処理プラットフォーム400のパラメータ及び構成要素を制御するためにプロセッサ(CPU496)によって実行可能な命令セットを保持することができる。
【0036】
[0047]支援回路498は、従来の方法でプロセッサを支援するためにCPU496に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路及びサブシステム等を含む。1又は複数のプロセスが、プロセッサによって実行又は呼び出されると、プロセッサに、本明細書に記載の方法で処理プラットフォーム400又は個々の処理チャンバの動作を制御させるソフトウェアルーチンとして、メモリ497に記憶され得る。ソフトウェアルーチンはまた、CPU496によって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって記憶及び/又は実行され得る。
【0037】
[0048]本開示のプロセス及び方法の幾つか又は全ては、ハードウェアにおいても実行可能である。このように、プロセスは、ソフトウェアにおいて実装され、コンピュータシステムを使用して実行され得る、あるいはハードウェアにおいて、例えば、特定用途向け集積回路又は他の種類のハードウェア実装として実行され得る、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0038】
[0049]幾つかの実施形態では、コントローラ495は、方法を実行するための個々のプロセス又はサブプロセスを実行するための1又は複数の構成を有する。コントローラ495は、方法の機能を実行するための中間コンポーネントに接続され、中間コンポーネントを動作させるように構成され得る。例えば、コントローラ495は、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、真空制御、又は他の構成要素のうちの1又は複数に接続され、それらを制御するように構成され得る。
【0039】
[0050]各パルス/投与の持続時間は可変であり、例えば、処理チャンバの容積容量、及びそれに結合された真空システムの能力に対応するように調整することができる。更に、プロセスガスの投与時間は、プロセスガスの流量、プロセスガスの温度、制御バルブの種類、採用したプロセスチャンバの種類、及びプロセスガスの成分が基板表面上に吸着する能力に応じて変更され得る。投与時間は、形成される層の種類や形成されるデバイスの形状寸法に基づいて変更され得る。投与時間は、基板の実質的に全表面上に吸着/化学吸着し、その上にプロセスガス成分の層を形成するのに十分な量の化合物を供給するのに十分な長さでなければならない。
【0040】
[0051]本開示の幾つかの実施形態は、空間処理チャンバとも呼ばれるバッチ処理チャンバを使用する膜堆積プロセスを対象とする。1又は複数の実施形態では、バッチ処理チャンバは、当業者に周知の任意のバッチ処理チャンバであってよい。
【0041】
[0052]図5を参照すると、処理チャンバリッド300は、リッド本体の厚さを画定する上面512及び底面を有するリッド本体510を備える。1又は複数の実施形態では、リッド本体の厚さは、1インチから5インチの範囲、又は1.5インチから4.5インチの範囲内、又は2インチから4インチの範囲である。1又は複数の実施形態では、リッド本体510は、リッド本体510に垂直な方向に沿って延在する基準軸520を有する。1又は複数の実施形態では、基準軸520は、処理チャンバリッドの中心に位置し、リッド本体510に垂直な方向に沿って延在する中心軸である。当業者は、図5に示す実施形態が、例示の目的で基準軸520を中心軸として示していることを認識するであろう。
【0042】
[0053]1又は複数の実施形態では、処理チャンバリッド300は、リッド本体の厚さを貫通して延在し、リッド本体の基準軸520の周りに対称に配置された複数のステーション開口部310を含む。1又は複数の実施形態では、複数のステーション開口部310は、少なくとも2つの開口部を含む。1又は複数の実施形態では、複数のステーション開口部310は4つの開口部を含む。
【0043】
[0054]図5図7Cを参照すると、1又は複数の実施形態では、処理チャンバリッド300は、リッド本体の厚さを貫通して延在する複数のスロット開口部530を含む。1又は複数の実施形態では、各スロット開口部530は、隣接するステーション開口部310の間に配置され、長さL及び幅Wを有し、長さは、基準軸520の近くに位置するスロット開口部530の内端540から、内端540よりも基準軸520から離れたスロット開口部530の外端550まで測定される。1又は複数の実施形態では、処理チャンバリッド300は、複数のスロット開口部530の各々の内部に位置決めされた計測スロットプレート600を備える。幾つかの実施形態の長さLは、100mmから400mmの範囲、又は200mmから350mmの範囲である。図7Aは、その中に配置された計測スロットプレート600を有するスロット開口部530を示す上面図である。
【0044】
[0055]本開示の実施形態は、真空密閉された処理チャンバを有利に提供する。1又は複数の実施形態では、処理チャンバリッド300は真空密閉される。1又は複数の実施形態では、複数のスロット開口部530の各計測スロットプレート600は、独立して真空密閉された窓を有する。
【0045】
[0056]図8及び図9を参照すると、計測スロットプレート600は、細長い計測プレート本体610の厚さを画定する上面612及び底面614を有する細長い計測プレート本体610を備える。1又は複数の実施形態では、細長い計測プレート本体610の厚さは、2インチから6インチの範囲、又は2.5インチから5インチの範囲である。
【0046】
[0057]1又は複数の実施形態では、細長い計測プレート本体610は、本体の長さL1を画定する内端616及び外端618を有する。幾つかの実施形態では、内端616及び外端618のうちの1又は複数は、下部の端面に沿って真空流又はパージガス流のうちの1又は複数を供給するように構成されたガスポート(図示せず)を備える。1又は複数の実施形態では、本体の長さL1は、100mmから400mmの範囲、又は250mmから375mmの範囲、又は300mmから350mmの範囲である。
【0047】
[0058]図7B及び図7Cに戻って参照すると、細長い計測プレート本体610は、上部630及び下部640を有する。1又は複数の実施形態では、上部630は、下部640よりも大きい幅を有して上部の底面632を形成する。1又は複数の実施形態では、上部630の底面632は、細長い計測スロットプレート600をスロット開口部530内のレッジ532上に支持するように構成される(図7B参照)。幾つかの実施形態では、上部630の底面632は、細長い計測スロットプレート600をリッド本体510の上面512上で支持するように構成される(図7C参照)。1又は複数の実施形態では、細長い計測プレート本体610の上部630は、10mmから50mmの範囲、又は15mmから45mmの範囲、又は20mmから40mmの範囲、又は25mmから35mmの範囲の幅を有する。
【0048】
[0059]図8を参照すると、細長い計測スロットプレート600の上部630は、上部630の側面に形成された円弧状凹部631を含む。1又は複数の実施形態では、細長い計測プレート本体610の下部640は、5mmから15mmの範囲、又は7.5mmから10mmの範囲の幅を有する。図9を参照すると、細長い計測プレート本体610の下部640は、下部の長さL2に沿って延在する第1の側面及び第2の側面を有する。1又は複数の実施形態では、下部の長さL2は、300mmから400mmの範囲、又は325mmから375mmの範囲、又は350mmから360mmの範囲である。
【0049】
[0060]1又は複数の実施形態では、計測スロットプレート600は、細長い計測プレート本体610の上面612に入口(図示せず)を備える。1又は複数の実施形態では、入口は、本体610の厚さを少なくとも部分的に貫通して出口まで延在するガスチャネルに接続される。
【0050】
[0061]1又は複数の実施形態では、計測スロットプレート600は、本体610の厚さを貫通して延在する高温計開口部(図示せず)を備える。1又は複数の実施形態では、高温計が高温計開口部に配置される。
【0051】
[0062]1又は複数の実施形態では、計測スロットプレート600は、下部の第1の側面及び第2の側面に形成された凹部631を備える。1又は複数の実施形態では、凹部631は、ガスの流れが入口からガスチャネルを通って凹部内を通過できるように、ガスチャネルと流体連通している。
【0052】
[0063]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の各々は、独立して、プレートブランク、反射率計、静電容量センサ、ガス流量計、圧力計、高温計、距離センサ、又は放射計のうちの1又は複数を備える。
【0053】
[0064]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の少なくとも1つは、処理中のウエハの温度を測定するように構成されたプレートブランク、反射率計、静電容量センサ、ガス流量計、圧力計、高温計、距離センサ、又は放射計のうちの1又は複数を備える。1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の少なくとも1つは、ウエハが1つの処理ステーションから別の処理ステーションに移動する際にウエハの温度を測定するように構成されたプレートブランク、反射率計、静電容量センサ、ガス流量計、圧力計、高温計、距離センサ、又は放射計のうちの1又は複数を備える。1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の少なくとも1つは、処理中のウエハの温度を測定するように構成された高温計を備える。1又は複数の実施形態では、細長い計測プレートの少なくとも1つは、ウエハが1つの処理ステーションから別の処理ステーションに移動する際にウエハの温度を測定するように構成された高温計を備える。幾つかの実施形態では、計測スロットプレートは「プロセスゾーン」の外側にあり、プロセスステーションの間に位置する。幾つかの実施形態では、計測スロットプレートは、ウエハがプロセスステーション間を移動する際にウエハの温度を測定するように構成され、再現性のある(ドリフトのない)計測ソリューションを提供する。
【0054】
[0065]1又は複数の実施形態では、プレートブランクは、細長い計測プレートに配置され得る。細長い計測スロットプレート600が使用されない場合、プレートブランクは、プロセスチャンバリッド300のスロット開口部530を占有する。プレートブランクは、処理チャンバ内の動作圧力を維持するために、処理チャンバリッド300に気密シールを提供する。
【0055】
[0066]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は反射率計を備える。幾つかの実施形態では、反射率計は、ウエハ又は基板支持面の温度を測定するように構成される。幾つかの実施形態では、反射率計は、ウエハ温度の補正又は調整を行うためのヒータ制御を含むフィードバックループの一部である。1又は複数の実施形態では、反射率計は、ウエハからのエネルギーの反射パルスを検出及び測定するために使用される。幾つかの実施形態の反射率計は、ウエハ上に形成される膜の厚さを測定することを可能にする。反射率計は、光を表面に伝送して、表面から反射された光を測定する。幾つかの実施形態では、反射率計は、温度、又は膜厚に相関させることができる表面放射率の相対変化の1又は複数を測定するように構成される。
【0056】
[0067]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は、静電容量センサを備える。幾つかの実施形態では、静電容量センサは、ウエハ又はウエハ上の膜の静電容量を測定するように構成される。幾つかの実施形態では、静電容量センサは、間隙距離及び/又は膜厚変動を測定するように構成される。
【0057】
[0068]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は、ガス流量計を備える。幾つかの実施形態では、ガス流量計は、細長い計測スロットプレート600内の1又は複数のセンサの周りにガスカーテンを提供するために、細長い計測スロットプレート600内へのガスの流れを制御するように構成される。
【0058】
[0069]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の各々は独立して、ガス供給システムのガスの圧力を監視するように構成されたガス圧力センサを備える。化学気相堆積又は原子層堆積システムで使用するのに適した圧力計又は圧力変換器等の任意の適切なガス圧力センサを使用することができる。1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600の各々は、独立して圧力計を備える。
【0059】
[0070]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は、距離センサを備える。幾つかの実施形態では、距離センサは、レーザ高さセンサを含む。1又は複数の実施形態では、レーザ高さセンサは、計測スロットプレートの広いスロットを通して光ビームを下方に輻射し、ビームが反射する表面までの距離を正確に測定するために、ウエハ又はヒータ表面からある角度で反射された光を収集するように構成される。1又は複数の実施形態では、レーザ高さセンサは、処理チャンバリッド300とウエハとの間の距離、ヒータ230の振れ、静電チャックの共平面性及び/又は隣接するスピナプレートを監視する。
【0060】
[0071]1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は、放射計を備える。幾つかの実施形態では、放射計は、細長い計測スロットプレート600の下方を通過するウエハ上の膜の1又は複数の特性を測定するように構成される。幾つかの実施形態では、放射計は表面からの反射エネルギーを測定するように構成される。
【0061】
[0072]本開示の実施形態は、真空の抜けを伴わずに、1つの処理チャンバ100又は処理ステーション110から別の処理チャンバ100又は処理ステーション110に移動させることができる細長い計測スロットプレート600内のセンサプローブを有利に提供する。
【0062】
[0073]図8及び図9を参照すると、1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレート600は、レーザ高さセンサ及び反射率計を備える。1又は複数の実施形態では、レーザ高さセンサ及び反射率計を備える細長い計測スロットプレート600は、レーザ及び反射率計リッドスロットキット700と呼ばれる。1又は複数の実施形態では、レーザ及び反射率計リッドスロットキット700は、ウエハ中心770に位置決めされた反射率計プローブ710、ばねクリップ720、ピークナット730、Oリング740、及びピークスペーサ750を備える。
【0063】
[0074]1又は複数の実施形態では、レーザ及び反射率計リッドスロットキット700は、内側レーザ焦点780及び外側レーザ焦点790を有する。1又は複数の実施形態では、内側レーザ焦点780は、ウエハ中心770から140nmから150nmの範囲の距離に位置決めされる。1又は複数の実施形態では、外側レーザ焦点790は、ウエハ中心770から110nmから120nmの範囲の距離に位置する。
【0064】
[0075]ライトパイプ800を示す断面図である図10を参照する。当業者はご存知のように、高温計は、可撓性の光伝送ケーブルを介してライトパイプに取り付けられた遠隔感知装置である。幾つかの実施形態のライトパイプ800は、金属シースによって保護され、ケーブル接続インターフェースを用いて金属本体に取り付けられた半硬質サファイアプローブを備える。1又は複数の実施形態では、細長い計測スロットプレートは、ライトパイプ800を備える。1又は複数の実施形態では、ライトパイプ800を有する細長い計測スロットプレートは、1又は複数のスロット開口部530に位置決めされる。1又は複数の実施形態では、ライトパイプ800は、ライトパイプアセンブリ810を備える。1又は複数の実施形態では、ライトパイプアセンブリ810はライトパイプシールド820によって取り囲まれている。1又は複数の実施形態では、ライトパイプシールド820は、上端822と底端824とを有し、底端824は、上端822よりもウエハに近い。1又は複数の実施形態では、石英窓830がライトパイプアセンブリ810及びライトパイプシールド820を取り囲んでいる1又は複数の実施形態では、石英窓830は、ライトパイプシールドの上端からウエハ又は基板支持面の1mmから3mm上方の範囲まで延在する高さを有する。1又は複数の実施形態では、石英窓の高さは、高温計シールドの底端よりも更に2.5mmから4.5mmの範囲に延在する。
【0065】
[0076]石英窓830は、外面831を有する。1又は複数の実施形態では、ライトパイプ800は、石英窓830の外面831とスロット開口部530との間に画定されたパージスロット840を備える。
【0066】
[0077]幾つかの実施形態では、ライトパイプ800は真空プロセスゾーン内に入らない。真空バリアを形成するために石英窓が組み込まれる。ライトパイプは、光がウエハの近傍を通過する窓(上部シールフランジと1mm厚のカバー窓を有する長管)に挿入される。幾つかの実施形態では、石英窓は不活性ガスでパージされる。
【0067】
[0078]本明細書全体で言及する、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「実施形態」は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における「1又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、又は「実施形態では」等の句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。更に、1又は複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0068】
[0079]本明細書の開示を、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解されたい。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある修正及び変更を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
【国際調査報告】