(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】帯電誘起欠陥を低減するためのサイクリングレシピにおける多状態RFパルシング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515308
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022040266
(87)【国際公開番号】W WO2023038763
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒー
(72)【発明者】
【氏名】リー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】レイ・ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】マッキー・ニール・マカラエグ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB24
5F004BC06
5F004BD04
5F004BD05
5F004BD06
5F004CA03
5F004CA06
5F004DA00
5F004DA03
5F004DA15
5F004DA16
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA28
5F004EA37
5F004EB01
5F004EB04
(57)【要約】
プラズマチャンバ内のプラズマ処理におけるエッチングのための方法は、マスク基板にフィーチャをエッチングするためにある期間の間第1のエッチングサイクルと第2のエッチングサイクルとの間を継続的に循環することを含む。方法は、第1のサブ期間の間第1のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第1のエッチングサイクルを実行することを含む。第1のエッチングサイクルは、パッシベーションのために構成された第1の状態と、第2の状態と、マスク基板をエッチングするために構成された第3の状態と、の間を継続的に循環される。第1のエッチングサイクルの第2の状態の間に、拡張されたパッシベーションをマスク基板内のフィーチャに提供するために、第1のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーと、を調整することによって、第1の調整ステップが実行される。方法は、第2のサブ期間の間第2のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第2のエッチングサイクルを実行することを含む。第2のエッチングサイクルは、放電のために構成された第1の状態と、第4の状態と、マスク基板にフィーチャをエッチングするために構成された第3の状態と、の間を継続的に循環される。第2のエッチングサイクルの第4の状態の間に、マスク基板内のフィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、第2のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーと、を調整することによって、第2の調整ステップが実行される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバ内のプラズマ処理におけるエッチングのための方法であって、
マスク基板にフィーチャをエッチングするために、ある期間の間、第1のエッチングサイクルと第2のエッチングサイクルとの間を継続的に循環することと、
第1のサブ期間の間、第1のエッチング化学反応を使用して前記マスク基板に対して前記第1のエッチングサイクルを実行することであって、前記第1のエッチングサイクルは、パッシベーションのために構成された第1の状態と、第2の状態と、前記マスク基板をエッチングするために構成された第3の状態と、の間を継続的に循環され、前記第1のエッチングサイクルの前記第2の状態の間に、拡張されたパッシベーションを前記マスク基板内の前記フィーチャに提供するために、前記第1のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーと、を調整することによって、第1の調整ステップが実行される、前記第1のエッチングサイクルを実行することと、
第2のサブ期間の間、第2のエッチング化学反応を使用して前記マスク基板に対して前記第2のエッチングサイクルを実行することであって、前記第2のエッチングサイクルは、パッシベーションのために構成された前記第1の状態と、第4の状態と、前記マスク基板に前記フィーチャをエッチングするために構成された前記第3の状態と、の間で継続的に循環される、前記第2のエッチングサイクルを実行すること、を含み、
前記第2のエッチングサイクルの前記第4の状態の間に、前記マスク基板内の前記フィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、前記第2のエッチング化学反応と、前記高周波RFパワーと、前記低周波RFパワーと、を調整することによって、第2の調整ステップが実行される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルの前記第2の状態における前記追加的なパッシベーションは、エッチングされているフィーチャの上部に対して実行される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルの前記第2の状態と、前記第2のエッチングサイクルの前記第4の状態と、の間に、前記低周波RFパワーと前記高周波RFパワーとのパワー比を増大させること、
をさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルの前記第2の状態において適用される前記低周波RFパワーと前記高周波RFパワーとの第1の全パワーは、前記第2のエッチングサイクルの前記第4の状態において適用される前記低周波RFパワーと前記高周波RFパワーとの第2の全パワーにおよそ等しい、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の化学反応は、前記第2の化学反応におけるよりも高いフルオロカーボンガス濃度を有し、
前記第1の化学反応は、前記第2の化学反応におけるよりも低い炭化水素フッ素ガス濃度を有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルおよび前記第2のエッチングサイクルの前記第1の状態において、前記マスク基板への前記低周波RFパワーの供給を防止するために、低周波RF発電器を第1のオフ状態に設定することと、
前記第1のエッチングサイクルおよび前記第2のエッチングサイクルの前記第1の状態において、前記マスク基板への前記高周波RFパワーの供給を防止するために、高周波RF発電器を第2のオフ状態に設定することと、
をさらに含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルの前記第2の状態において、前記第1の調整ステップを補完するために第3の調整ステップを追加することであって、前記第3の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、前記第2の第1のエッチング化学反応と、前記高周波RFパワーと、前記低周波RFパワーと、を調整することを含む、第3の調整ステップを追加することと、
前記第2のエッチングサイクルの前記第4の状態において、前記第2の調整ステップを補完するために第4の調整ステップを追加することであって、前記第4の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャに追加的なパッシベーションを提供するために、前記第2のエッチング化学反応と、前記高周波RFパワーと、前記低周波RFパワーと、を調整することを含む、第4の調整ステップを追加すること、
をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第3の調整ステップは、前記第1の調整ステップの後に実行され、
前記第4の調整ステップは、前記第2の調整ステップの後に実行される、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
前記第3の調整ステップは、前記第1の調整ステップの前に実行され、
前記第4の調整ステップは、前記第2の調整ステップの前に実行される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルにおいて、前記第3の状態の前に第3の調整ステップを追加することであって、前記第3の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、前記高周波RFパワーおよび前記低周波RFパワーを調整することを含む、第3の調整ステップを追加することと、
前記第2のエッチングサイクルにおいて、前記第3の状態の前に第4の調整ステップを追加することであって、前記第4の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャにパッシベーションを提供するために、前記高周波RFパワーおよび前記低周波RFパワーを調整することを含む、第4の調整ステップを追加すること、
をさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のエッチングサイクルにおいて、前記第3の状態の後に第3の調整ステップを追加することであって、前記第3の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、前記高周波RFパワーおよび前記低周波RFパワーを調整することを含む、第3の調整ステップを追加することと、
前記第2のエッチングサイクルにおいて、前記第3の状態の後に第4の調整ステップを追加することであって、前記第4の調整ステップは、前記マスク基板内の前記フィーチャにパッシベーションを提供するために、前記高周波RFパワーおよび前記低周波RFパワーを調整することを含む、第4の調整ステップを追加すること、
をさらに含む、方法。
【請求項12】
プラズマ処理における多状態RFパルシングのための方法であって、
プラズマチャンバにエッチング化学反応を提供することと、
フィーチャの電荷中和のための陰イオン輸送のために構成された第1の状態と、第2の状態と、複数の層のスタックと前記スタックの上にパターニングされたマスク層とを含むマスク基板に前記フィーチャをエッチングするように構成された第3の状態と、の間を継続的に循環することと、
を含み、
前記第2の状態の間に、前記マスク基板内の前記フィーチャにパッシベーションを提供するために、前記エッチング化学反応と、高周波無線周波数(RF)パワーと、低周波RFバイアスパワーと、が調整され、
前記第3の状態の間に、前記マスク基板に前記フィーチャをエッチングするために、前記エッチング化学反応と、前記高周波RFパワーと、前記低周波RFバイアスパワーと、が調整され、
前記第1の状態の間に、前記マスク基板への前記低周波RFパワーの供給を防止するために、低周波RF発電器が第1のオフ状態に設定され、
前記第1の状態の間に、前記マスク基板への前記高周波RFパワーの供給を防止するために、高周波RF発電器が第2のオフ状態に設定される、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
パッシベーションは、前記第2の状態の間にのみ実行される、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記エッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFバイアスパワーとは、前記第2の状態において前記フィーチャにわずかなエッチングを提供するように調整される、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記継続的に循環することは、
前記フィーチャの電荷中和のための追加的な陰イオン輸送のために構成された第4の状態を追加することと、
第1のサブ期間の間、前記第1の状態と、前記第2の状態と、前記第3の状態と、前記第4の状態と、の間を継続的に循環すること、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記第1の状態と、前記第2の状態と、前記第3の状態と、前記第4の状態と、の間で前記継続的に循環することに関連づけられたデューティサイクルは、5から80の範囲である、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、
前記第1の状態と、前記第2の状態と、前記第3の状態と、の間で前記継続的に循環することに関連づけられたデューティサイクルは、5から80の範囲である、方法。
【請求項18】
プラズマ処理における多状態RFパルシングのための方法であって、
プラズマチャンバにエッチング化学反応を提供することと、
フィーチャの電荷中和のための陰イオン輸送のために構成された第1の状態と、第2の状態と、マスク基板に前記フィーチャをエッチングするように構成された第3の状態と、前記フィーチャの電荷中和のための追加的な陰イオン輸送のために構成された第4の状態と、の間を継続的に循環することと、
を含み、
前記第2の状態の間に、複数の層のスタックと前記スタックの上にパターニングされたマスク層とを含む前記マスク基板内の前記フィーチャにパッシベーションを提供するために、前記エッチング化学反応と、高周波無線周波数(RF)パワーと、低周波RFバイアスパワーと、が調整され、
前記第3の状態の間に、前記マスク基板に前記フィーチャをエッチングするために、前記エッチング化学反応と、前記高周波RFパワーと、前記低周波RFバイアスパワーと、が調整され、
前記第1の状態(S0)の間に、前記マスク基板への前記低周波RFパワーの供給を防止するために、低周波RF発電器が第1のオフ状態に設定され、
前記第1の状態(S0)または前記第4の状態の間に、前記マスク基板への前記高周波RFパワーの供給を防止するために、高周波RF発電器が第2のオフ状態に設定される、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
パッシベーションは、前記第2の状態の間にのみ実行される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記エッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFバイアスパワーとは、前記第2の状態において前記フィーチャにわずかなエッチングを提供するように調整される、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
前記第1の状態と、前記第2の状態と、前記第3の状態と、前記第4の状態と、の間で前記継続的に循環することに関連づけられたデューティサイクルは、5から80の範囲である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体デバイスを製造するための方法および装置に関し、より詳細には、3次元NANDメモリスリットエッチング中のフィーチャ内帯電誘起欠陥を低減するためのサイクリングレシピにおける混合モード多状態無線周波数パルシングを使用して誘電体含有材料に高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法および装置に関し、多状態RFパルシングは、フィーチャ内二次電子発生および電荷中和のための1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造は、誘電体含有材料のスタックにおけるくぼんだフィーチャ(例えば、エッチングされたシリンダ、ヴィア、トレンチ、スリットなど)の形成を含む。例えば、これらのフィーチャは、トランジスタの3D垂直積層を含む3次元(3D)NANDメモリ構造体の製造中に形成されてもよい。より高い3次元トランジスタ密度およびより良好な性能(例えば、より速く、より低い電力消費など)を達成するために、デバイス寸法が小さくなり、スタック寸法が大きくなる(例えば、スタック層が増加する)につれて、高アスペクト比を有するフィーチャは、フィーチャ内欠陥を導入せずに一様にエッチングすることがますます困難となる。
【0003】
例えば、フィーチャ内電荷蓄積は、高アスペクト比(HAR)誘電体エッチングに対する共通の課題であり、ここでHARは、対応するフィーチャの深さと幅との比として定義されてもよい(例えば、HARは20よりも大きい)。HARが50以上を超えて増大すると、フィーチャ内電荷は、例えば高イオンエネルギー/フラックスのプラズマエッチング中に解放されることが困難である。プラズマエッチング中のこの帯電蓄積は、フィーチャのプロファイルねじれ、プロファイル傾斜、ディンプル歪み、不均一な横方向エッチング、および表面粗化を含むエッチングプロファイル歪みを引き起こし得る。フィーチャ表面の帯電はまた、パターン間の干渉につながる可能性があり、これは(例えば、遷移エリアにおける)パターン依存歪みを引き起こす。3D NANDスリットエッチングは、誘電体エッチングワークフローにおける最終ステップのうちの1つであるため、メモリホールなどの既存フィーチャの相互作用(クリッピング)を防止するために、非常に厳格な臨界寸法(CD)公差を有する。フィーチャ内電荷は、スリットディンプルにおけるエッチング欠陥を引き起こす可能性があり、これは、スリット(例えば、スリットディンプル)の点欠陥につながり得るメモリホール付近の電荷蓄積、およびスリット遷移エリア波打ちを生じ得るメモリホール密度変化エリア(例えば、コアとダミーエリアとの間の遷移位置)における電荷を含む。
【0004】
スリットディンプル欠陥を除去するためのいくつかの既存の方法は、グローバルイオン傾斜の低減を含む。これらの方法は、ディンプル欠陥をある程度除去し得るが、電荷蓄積の増大を含むトレードオフが存在する。例えば、高いフィーチャ内電荷蓄積により、イオン軌跡は偏向する可能性があり、これにより、グローバルイオン傾斜調節、および/または他の調節を行うための処理ウィンドウがずっと狭くなる。
【0005】
本明細書で提供される背景説明は、開示の文脈を一般的に提示する目的のためである。この背景技術のセクションに記載される限りでの本出願の発明者の仕事は、さもなければ出願時に従来技術として適格でない可能性のある記載の態様とともに、本開示に対する従来技術としては明示的にも暗黙的にも認められない。
【0006】
開示の実施形態が生じるのはこの文脈においてである。
【発明の概要】
【0007】
本実施形態は、基板上で3D積層半導体(例えば、NAND)構造体の製造中にスタックへのエッチング(例えば、スリットエッチング)を実行するときなどに、誘電体材料を含むスタックに高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法および装置に関する。本開示のいくつかの発明実施形態が以下に記載される。
【0008】
本開示の実施形態は、プラズマチャンバ内のプラズマ処理におけるエッチングのための方法を提供する。方法は、マスク基板にフィーチャをエッチングするためにある期間の間第1のエッチングサイクルと第2のエッチングサイクルとの間を継続的に循環することを含む。例えば、マスク基板は、複数の誘電体層のスタックと、スタックの上にパターニングされたマスク層と、を含んでもよい。方法は、第1のサブ期間の間第1のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第1のエッチングサイクルを実行することを含む。第1のエッチングサイクルは、パッシベーションのために構成された第1の状態(S0)と、第2の状態(S2)と、マスク基板をエッチングするために構成された第3の状態(S1)と、の間を継続的に循環される。第1のエッチングサイクルの第2の状態(S2)の間に、拡張されたパッシベーションをマスク基板内のフィーチャに提供するために、第1のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーと、を調整することによって、第1の調整ステップが実行される。方法は、第2のサブ期間の間第2のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第2のエッチングサイクルを実行することを含む。第2のエッチングサイクルは、放電のために構成された第1の状態(S0)と、第4の状態(S2)と、マスク基板にフィーチャをエッチングするために構成された第3の状態(S1)と、の間を継続的に循環される。第2のエッチングサイクルの第4の状態(S2)の間に、マスク基板内のフィーチャにパンチスルーエッチングを提供するために、第2のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーと、を調整することによって、第2の調整ステップが実行される。
【0009】
本開示の他の実施形態は、プラズマ処理における多状態RFパルシングのための方法を提供する。方法は、プラズマチャンバにエッチング化学反応を提供することを含む。方法は、フィーチャの電荷中和のための陰イオン輸送のために構成された第1の状態(S0)と、第2の状態(S2)と、複数の誘電体層のスタックとスタックの上にパターニングされたマスク層とを含むマスク基板にフィーチャをエッチングするように構成された第3の状態(S1)と、の間を継続的に循環することを含む。第2の状態(S2)の間に、マスク基板内のフィーチャにパッシベーションを提供するために、エッチング化学反応と、高周波無線周波数(RF)パワーと、低周波RFバイアスパワーと、が調整される。第1の状態(S0)の間に、マスク基板への低周波RFパワーの供給を防止するために、低周波RF発電器が第1のオフ状態に設定される。第1の状態(S0)の間に、マスク基板への高周波RFパワーの供給を防止するために、高周波RF発電器が第2のオフ状態に設定される。
【0010】
本開示のさらに他の実施形態は、プラズマ処理における多状態RFパルシングのための方法を提供する。方法は、プラズマチャンバにエッチング化学反応を提供することを含む。方法は、フィーチャの電荷中和のための陰イオン輸送のために構成された第1の状態(S0-A)と、第2の状態(S2)と、マスク基板にフィーチャをエッチングするように構成された第3の状態(S1)と、フィーチャの電荷中和のための追加的な陰イオン輸送のために構成された第4の状態(S0-B)と、の間を継続的に循環することを含む。第2の状態(S2)の間に、複数の誘電体層のスタックとスタックの上にパターニングされたマスク層とを含むマスク基板内のフィーチャにパッシベーションを提供するために、エッチング化学反応と、高周波無線周波数(RF)パワーと、低周波RFバイアスパワーと、が調整される。第1の状態(S0)の間に、マスク基板への低周波RFパワーの供給を防止するために、低周波RF発電器が第1のオフ状態に設定される。第1の状態(S0-A)または第4の状態(S0-B)の間に、マスク基板への高周波RFパワーの供給を防止するために、高周波RF発電器が第2のオフ状態に設定される。
【0011】
これらおよび他の利点は、明細書全体および特許請求の範囲を読んだ当業者によって理解されるであろう。
【0012】
実施形態は、添付図面とともに以下の説明を参照することによって最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本開示の一実施形態による、例えばエッチングを実行するための、ウェハを処理するために使用される基板処理システムを示す図である。
【0014】
【
図1B】本開示の一実施形態による、例えばその上に膜を形成するために、ウェハを処理するために使用される基板処理システムを示す図である。
【0015】
【
図2A】一実施形態による、4つの処理ステーションが設けられた、マルチステーション処理ツールの上面図である。
【0016】
【
図2B】一実施形態による、入ロードロックおよび出ロードロックを有するマルチステーション処理ツールの実施形態の概略図である。
【0017】
【
図3A】フィーチャの下部における不要な横方向エッチングに寄与する垂直帯電モードを示す図である。
【0018】
【
図3B】フィーチャの下部における傾斜、および/またはフィーチャのプロファイル全体にわたる歪みねじれにつながるイオン軌跡の不要な偏向を有する平行帯電モードを示す図である。
【0019】
【
図4】本開示の一実施形態による、複数のサイクリングレシピを使用した特別仕様の多状態RFパルシングを示すダイヤグラムである。
【0020】
【
図5】本開示の一実施形態による、混合モード多状態パルシングを含む、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための方法を示す流れ図である。
【0021】
【
図6A】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々3つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのサイクリング段階を示すダイヤグラムである。
【0022】
【
図6B】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図6Aの混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。
【0023】
【
図6C】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図6Aの混合モード多状態パルシングプロセスで使用される異なるサイクリングレシピを有する2つのサイクリング段階中のRF状態のパルシングを示すダイヤグラムである。
【0024】
【
図7A】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのサイクリング段階を示し、サイクリング段階の各々における2つの拡張状態を含む、ダイヤグラムである。
【0025】
【
図7B】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図7Aの混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。
【0026】
【
図8A】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのサイクリング段階を示し、各サイクリング段階において2つの拡張状態が低RFパワー状態にまたがる、別のダイヤグラムである。
【0027】
【
図8B】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図8Aの混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。
【0028】
【
図9】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのサイクリング段階で使用されるサイクリングレシピのさまざまな組合せを示すテーブルである。
【0029】
【
図10】本開示の一実施形態による、1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態パルシングを含む、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための方法を示す流れ図である。
【0030】
【
図11A】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための1つのプラズマOFF状態を含む3つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスにおけるサイクリングレシピを示すダイヤグラムである。
【0031】
【
図11B】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図11Aの多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。
【0032】
【
図12A】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための2つのプラズマOFF状態を含む4つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスにおけるサイクリングレシピを示すダイヤグラムである。
【0033】
【
図12B】本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図12Aの多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。
【0034】
【
図13】上記のシステムを制御するための制御モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の詳細な説明は、例示の目的のための多くの具体的な詳細を含むが、当業者は理解するように、以下の詳細に対する多くの変形例および変更例が、本開示の範囲内にある。したがって、以下に記載される本開示の態様は、本明細書に続く特許請求の範囲に対する一般性を全く失うことなく、それに対する限定を課すこともなく、記載される。
【0036】
概して、本開示のさまざまな実施形態は、半導体デバイスを製造するときに誘電体含有材料に高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法および装置を記述する。エッチングプロセスは、3次元NANDメモリスリットエッチング中のフィーチャ内帯電誘起欠陥を低減するためのフィーチャ内二次電子発生および電荷中和のために、2つのサイクリング段階における混合モード多状態RFパルシング、および/または、1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態RFパルシング、を使用して実行される。特に、異なる低周波対高周波RFパワー比が、1つまたは複数のフラックスおよび電圧拡張状態の間に異なるサイクリング段階および/またはレシピに適用され、多状態RFパルシングが、サイクリング段階の各々において実行される。異なるサイクリング段階の間に適用される混合モード多状態RFパルシングレシピは、フラックスおよび/または電圧拡張状態を適用することの間のトレードオフを破る。すなわち、多状態RFパルシングをサイクリングすることは、化学サイクリング(すなわち、異なるサイクリング段階において異なるエッチング化学反応を使用すること)とともに、NAND半導体デバイスの製造時にスリットエッチングを実行するときなどのエッチングプロセス中に有効な制御調整機構またはノブを提供する。これは、フィーチャにおける帯電誘起欠陥(例えば、プロファイルねじれ、ディンプル歪みなど)を低減することにより、フィーチャの臨界寸法の低減と、下部/ボーイング比の改善と、を達成する側壁修飾を可能にする。さらに、別のエッチングプロセスが、フィーチャ内二次電子発生および電荷中和(例えば、フィーチャ内蓄積電荷を解放すること)のために1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態RFパルシングを使用して実行され、これはディンプル点欠陥を抑制し、スリット遷移エリア波打ちを最小化する。これは、高アスペクト比誘電体プラズマエッチングを実行するときに、ディンプル欠陥を生成する電荷蓄積の影響を低減する。特に、多状態RFパルシングにおいて1つまたは2つのプラズマOFF状態を追加することは、フィーチャ内電荷蓄積を最小化し、ポリマー調整のためのより大きな処理ウィンドウを可能にし、スリットネック開口を可能にし、フィーチャ内二次電子発生を支援し、プラズマOFF状態の間の電荷中和の効率を増大させる(例えば、電荷中和を増大させる)。これらは、点欠陥およびスリット波打ちをさらに低減し、これらのすべての結果としてスリットディンプルが一様にエッチングされる。
【0037】
2つのサイクリング段階における混合モード多状態RFパルシング、および/または、1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態RFパルシング、を使用して半導体デバイスを製造するときに誘電体含有材料に高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法および装置を開示するさまざまな実施形態の利点の結果として、スリットフィーチャ内電荷を最小化するため、および電荷誘起欠陥(例えば、プロファイルねじれ、ディンプル歪み、横方向エッチングなど)を低減するための二次電子の発生および輸送の最良の組合せが得られる。特に3D NANDデバイスにおけるスリットフィーチャに対する高アスペクト比が増大し続けているので、本開示の実施形態を通じて達成されるような非常に効率的な二次電子生成およびフィーチャ内輸送は、電荷蓄積の悪影響を最小化するために必要とされる。
【0038】
さまざまな実施形態の上記の一般的理解のもとで、実施形態の例示的な詳細が、さまざまな図面を参照して次に説明される。1つまたは複数の図中で同様に番号づけられた要素および/またはコンポーネントは、同じ構成および/または機能を一般的に有することが意図される。さらに、図は縮尺通りに描かれないことがあり、新規な概念を例示および強調することが意図される。明らかなように、本実施形態は、これらの具体的詳細の一部または全部なしに実施され得る。他の実例では、本実施形態を不要にわかりにくくしないために、周知のプロセス動作は詳細に記載されていない。
【0039】
図1Aは、本開示の一実施形態による、高アスペクト比誘電体エッチングを実行するときなどに、マスク基板内にフィーチャをエッチングすることを含むように、ウェハを処理するために使用され得る例示的な基板処理または反応器システム100Aを示す。例えば、基板上に3D NAND構造体を製造するときに、フィーチャは、誘電体材料を含むスタックにエッチングされてもよい。より詳細には、基板処理システム100は、ウェハ101のプラズマ処理を実行することなどによってウェハ101を処理するために使用され、容量結合プラズマ(CCP)、電極の代わりにプラズマを励起するために使用される誘導コイルを含む誘導結合プラズマ(ICP)などを含むさまざまな方法を通じてプラズマを発生させるために、設計に応じて修正されてもよい。
【0040】
図示のように、システム100Aは、プラズマチャンバ172を含み、これはCCPチャンバである。プラズマチャンバ172は、静電チャック(ESC)、または磁気チャックなどの基板サポートまたはペデスタル140を含む。下部電極146が、ペデスタル140内に埋め込まれてもよい。基板101が、処理のためにペデスタル140上に配置されてもよく、基板101は、1つまたは複数の半導体チップを作成するために処理される。ペデスタルに対向して、プラズマチャンバ172の上部電極171がある。上部電極171と下部電極146との間に、処理ボリュームを形成するギャップがあり、その中でプラズマ178が形成され得る。プラズマチャンバ172からガスおよび副生成物を除去するために、ガスポンプ181が使用される。
【0041】
制御モジュール110は、プロセス入力・制御108を実行することによって、基板処理システム100Aを動作させるように構成される。実行されている処理に応じて、制御モジュール110は、設計された処理条件を達成するために、ガス源182から供給されるプロセスガスの供給を制御する。そして、選択されたガスは、上部電極171と、ペデスタル140上に載っているウェハ101と、の間に画定された空間ボリューム内に分配される。特に、プロセス入力・制御108は、ウェハ101のスタック構造体にフィーチャをエッチングし、および/または、ウェハ101上に膜を堆積もしくは形成する、などのために、パワーレベル、タイミングパラメータ、プロセスガス、ウェハ101の機械的移動などのプロセスレシピを含んでもよい。特に、制御モジュール110は、さまざまなサイクリング段階におけるエッチング化学反応の組成、ならびにRF電源184(例えば、ソース発電器)およびバイアスRF電源174のパルシングパラメータを調整することを含むように、マスク基板のスタックにおける高アスペクト比フィーチャのエッチングを実行するために基板処理システム100を動作させるように構成されてもよい。
【0042】
ソースRF電源184(例えば、ソース発電器)は、インピーダンス整合回路網186に結合され、これはプラズマチャンバ172にさらに結合され、整合回路網は、負荷(例えば、プラズマチャンバおよび任意の接続ケーブル)と、ソース(例えば、ソースRF電源および任意の接続ケーブル)と、の間のインピーダンスを整合させる。特に、インピーダンス整合回路網186は、プラズマチャンバ172内に配置された上部電極171に結合される。ソースRF電源184は、典型的には、ガス源182から供給されるプロセスガスを使用してプラズマ178を発生させるために使用される。
【0043】
システム100Aは、バイアスRF電源174(例えば、バイアス発電器)を含み、これはインピーダンス整合回路網176に結合され、これはプラズマチャンバ172にさらに結合され、整合回路網は、負荷(例えば、プラズマチャンバおよび任意の接続ケーブル)と、ソース(例えば、バイアスRF電源および任意の接続ケーブル)と、の間のインピーダンスを整合させる。特に、インピーダンス整合回路網176は、プラズマチャンバ172内に(例えば、ペデスタル140内に)配置された下部電極146に結合される。バイアスRF電源174は、典型的には、イオン分布を制御するために(例えば、異方性エッチングを実行するために、より高い垂直エッチングレートを達成するための基板のより多くの垂直イオンボンバード)使用される。
【0044】
例示として、バイアスRF電源174は、約20キロヘルツ(kHz)から約13メガヘルツ(MHz)までの周波数で動作してもよく、ある特定の場合には、400kHzで、基板あたり約0ワットから40キロワット(kW)までのRFパワーレベルで、動作する。さらなる例として、ソースRF電源184は、約13MHzから約100MHzまでの周波数で動作してもよく、ある特定の場合には、60MHzで、約0ワット(W)から15キロワット(kW)までのパワーレベルで、動作する。
【0045】
図示のように、基板処理システム100Aは、RF電源184から調達されるある周波数(例えば、プラズマ発生のための励起周波数)でのRFパワーと、バイアスRF電源174から調達される別の周波数でのRFバイアスパワーと、を含むように、2つの周波数でRFパワーを供給するように構成されてもよい。2つのRFパワーの供給は、1つまたは複数のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンなどを含むプロセスガスからプラズマを発生させるために実行される。一般的に、より高い周波数で供給されるRFパワーは、チャンバ172内にプラズマを発生させるために使用され、より低い周波数でのRFバイアスパワーは、イオン分布を制御するために(例えば、異方性エッチングを実行するために、より高い垂直エッチングレートを達成するための基板のより多くの垂直イオンボンバード)使用される。例えば、プラズマは、マスク基板(例えば、高アスペクト比フィーチャがエッチングされるべき開口を有するパターニングされたマスク層)のスタックにおけるフィーチャのエッチングを実行するために発生され、チャンバ102内のマスク基板に曝露されてもよい。さらに、本開示の実施形態では、以下の図でより完全に後述されるように、両方のRFパワーの供給は、マスク基板のスタック内のフィーチャのプロファイル全体にわたってより一様なエッチングを達成するために、異なるサイクリング段階でさまざまなパターンでパルシングされてもよく、それにより、プロファイルねじれ、ボーイング、プロファイル傾斜、ディンプル歪み、および不均一な横方向エッチングの効果を低減する。
【0046】
別の実施形態では、システム100Aは、下部電極146にソースRFパワーを提供するように構成されてもよい。その場合、ソースRF電源184(例えば、ソース発電器)は、インピーダンス整合回路網186に結合され、これは下部電極146にさらに結合される。また、上部電極は、RFエネルギーの戻りを容易にするためにグランドに結合されてもよい。残りのコンポーネントは、バイアスRF電源174(例えば、バイアス発電器)がインピーダンス整合回路網176に結合され、これが下部電極146にさらに結合されるなど、前述したのと同様に構成される。
【0047】
図1Bは、膜を堆積することを含むように、ウェハを処理するために使用され得る基板処理または反応器システム100Bを示す。例えば、基板上に3D NAND構造体を製造するときに、フィーチャは、誘電体材料を含むスタックにエッチングされてもよい。より詳細には、基板処理システム100は、ウェハ101のプラズマ処理を実行することなどによってウェハ101を処理するために使用され、容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)などを含むさまざまな方法を通じてプラズマを発生させるために、設計に応じて修正されてもよい。
【0048】
特に、システム100Bは、下側チャンバ部分102bおよび上側チャンバ部分102aを有するチャンバ102を含む。中央カラムは、ペデスタル140を支持するように構成され、ペデスタル140は、一実施形態では、電源供給された電極である。
【0049】
制御モジュール110は、プロセス入力・制御108を実行することによって、基板処理システム100Bを動作させるように構成される。実行されている処理に応じて、制御モジュール110は、設計された処理条件を達成するために、プロセスガス114(例えば、施設からのガス化学供給)に接続されたガス供給マニホルド112を介してプロセスガス114の供給を制御する。そして、選択されたガスは、シャワーヘッド150に流入し、ウェハ101に対向するシャワーヘッド150の面と、ペデスタル140上に載っているウェハと、の間に画定された空間ボリューム内に分配される。特に、プロセス入力・制御108は、ウェハ101のスタック構造体にフィーチャをエッチングし、および/または、ウェハ101上に膜を堆積もしくは形成する、などのために、パワーレベル、タイミングパラメータ、プロセスガス、ウェハ101の機械的移動などのプロセスレシピを含んでもよい。特に、制御モジュール110は、さまざまなサイクリング段階における堆積化学の組成と、RF電源194およびRFバイアス電源104のパルシングパラメータと、を調整することを含むように、基板上の膜の堆積を実行するために基板処理システム100を動作させるように構成されてもよい。
【0050】
さらに、ガスは、予混合されてもされなくてもよい。正確なガスがプロセスの堆積およびプラズマ処置フェーズの間に供給されることを保証するために、適切なバルブ調節およびマスフロー制御機構が使用されてもよい。プロセスガスは、出口を介してチャンバを出る。真空ポンプ(例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ)が、プロセスガスを引き出し、スロットルバルブまたは振子式バルブなどの閉ループ制御されたフロー制限デバイスによって、反応器内に適切に低い圧力を維持する。
【0051】
図示のように、基板処理システム100Bは、RF電源194から調達されるある周波数(例えば、プラズマ発生のための励起周波数)でのRFパワーと、RF電源104から調達される別の周波数でのRFバイアスパワーと、を含むように、2つの周波数でRFパワーを供給するように構成されてもよい。2つのRFパワーの供給は、1つまたは複数のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンなどを含むプロセスガス114からプラズマを発生させるために実行される。一般的に、より高い周波数で供給されるRFパワーは、チャンバ102内にプラズマを発生させるために使用され、より低い周波数でのRFバイアスパワーは、イオン分布を制御するために(例えば、異方性エッチングを実行するために、より高い垂直エッチングレートを達成するための基板のより多くの垂直イオンボンバード)使用される。例えば、プラズマは、堆積プロセスを実行するために発生され、チャンバ102内のマスク基板に曝露されてもよい。さらに、本開示の実施形態では、両方のRFパワーの供給は、異なるサイクリング段階でさまざまなパターンでパルシングされてもよい。
【0052】
特に、シャワーヘッド150は、RF整合回路網196を介してRF電源194に電気的に結合される。RF電源194は、シャワーヘッド150にRFパワーを印加するために制御モジュール110(例えば、コントローラ)によって制御される。例えば、シャワーヘッド150に提供されるプラズマRFパワーは、約20~100MHz(例えば、特定の場合には60MHz)の周波数で、約0ワット(W)から15キロワット(kW)までのパワーレベルで供給されてもよい。
【0053】
また、ペデスタル140が、整合回路網106を介して電源104に電気的に結合される。電源は、ペデスタル140にRFバイアスパワーを印加するために制御モジュール110(例えば、コントローラ)によって制御される。例えば、基板は、約20kHzと1.5MHzとの間の周波数で、基板あたり約0ワットから40キロワット(kW)までのRFパワーレベルでバイアスされてもよい。
【0054】
中央カラム(例えば、中央シャフトまたはスピンドルとしても知られる)160は、リフトピン(図示せず)と接続してもよく、リフトピンの各々は、リフトピン制御122によって制御されるように、対応するリフトピン作動リング120によって作動される。リフトピンは、ロボットアーム(例えば、エンドエフェクタなど)がプロセスチャンバにウェハを供給(例えば、ロード)すること、および/または、プロセスチャンバ250からウェハを除去(例えば、アンロード)すること、を可能にするために、ペデスタル140からウェハ101を上昇させるために使用される。
【0055】
基板処理システム100Bは、複数の処理ステーションを含んでもよい。例えば、チャンバ102は、複数の処理ステーションを含んでもよく、各ステーションは、ウェハ101を支持するためのペデスタルを有する。RF整合回路網106は、システム100Bにパワーを供給するRF分配システム420に結合されてもよい。例えば、整合回路網106によって供給されるRFパワーおよび周波数は、分配システム420によって分割され、ステーションの各々に分配される。また、ステーションに供給されるRFパワーは、動作中にシャワーヘッドの電圧を検知するためのVIプローブ417に通される。そのようにして、RFパワーは、均衡化されたパワー供給のため、または所望のパワー供給のために、各ステーションで調節されてもよい。
【0056】
また、ペデスタル140の外側領域を取り囲むキャリアリング200が示されている。キャリアリング200は、ペデスタル140の中心でウェハ支持領域から1段下がったキャリアリング支持領域の上に位置するように構成される。キャリアリングは、そのディスク構造の外側エッジサイド、例えば、外径と、ウェハ101が位置する場所に最も近いそのディスク構造のウェハエッジサイド、例えば、内径と、を含む。キャリアリングのウェハエッジサイドは、キャリアリング200がスパイダフォーク180によって持ち上げられるときにウェハ101を持ち上げるように構成される複数の接触支持構造体を含む。したがって、キャリアリング200は、ウェハ101とともに持ち上げられ、例えば、マルチステーションシステムにおいて、別のステーションに回転されることができる。他の実施形態では、チャンバはシングルステーションチャンバである。
【0057】
図2Aは、マルチステーション処理ツールの上面図を示し、4つの処理ステーションが設けられている。この上面図は、下側チャンバ部分102bのものであり(例えば、上側チャンバ部分102aは図示のために除去されている)、4つのステーションはスパイダフォーク226によってアクセスされる。各スパイダフォーク、またはフォークは、第1および第2のアームを含み、その各々は、ペデスタル140の各々の側の一部の周りに配置される。この図では、スパイダフォーク226は、それらがキャリアリング200の下方にあることを伝えるために、破線で描かれている。スパイダフォーク226は、係合・回転機構220を使用して、ステーションから同時にキャリアリング200を(すなわち、キャリアリング200の下面から)上昇させ持ち上げた後、キャリアリング200を(キャリアリングのうちの少なくとも1つはウェハ101を支持する)次の位置に下降させる前に少なくとも1つまたは複数のステーションを回転させることにより、さらなるプラズマ処理、処置および/または膜堆積が、それぞれのウェハ101に対して行われ得るようにする。他の実施形態では、リングなしのウェハシステムが、キャリアリングを使用せずに、ステーション間のウェハ移送のために構成されてもよい。
【0058】
図2Bは、入ロードロック252および出ロードロック254を有するマルチステーション処理ツール200Bの実施形態の概略図を示す。ロボット256は、大気圧で、ポッド258を通じてロードされたカセットから大気ポート260を介して入ロードロック252内に基板を移動させるように構成される。入ロードロック252は、大気ポート260が閉じているときに入ロードロック252が減圧され得るように、真空源(図示せず)に結合される。入ロードロック252はまた、処理チャンバ102bと接続されたチャンバ移送ポート266を含む。したがって、チャンバ移送266が開いているとき、別のロボット(図示せず)が、処理のために入ロードロック252から第1のプロセスステーションのペデスタル140に基板を移動させてもよい。
【0059】
図示された処理チャンバ102bは、4つのプロセスステーションを備え、
図3に示される実施形態では1から4までで番号付けされている。いくつかの実施形態では、基板が真空破壊および/または空気曝露を受けることなくプロセスステーション間でキャリアリング200を使用して移送され得るように、処理チャンバ102bは、低圧環境を維持するように構成されてもよい。
図3に図示される各プロセスステーションは、プロセスステーション基板ホルダ(ステーション1について268で示される)およびプロセスガス供給ライン入口を含む。
【0060】
また、処理チャンバ102b内に基板を移送するために構成されたスパイダフォーク226も示されている。スパイダフォーク226は、回転し、あるステーションから別のステーションへのウェハの移送を可能にする。移送は、スパイダフォーク226がキャリアリング200を外側下面から持ち上げることを可能にすることによって行われ、これはウェハを持ち上げ、ウェハおよびキャリアを次のステーションへと一緒に回転する。一構成では、スパイダフォーク226は、処理中の高レベルの熱に耐えるように、セラミック材料からなる。
【0061】
図3Aおよび
図3Bは、マスク基板のスタック内のフィーチャのエッチングプロセス中に実行される異なるサイクリング段階のためのさまざまなパターンの下で複数のパワーソースをパルシングするときに起こる垂直および平行帯電モード/メカニズムが、フィーチャのプロファイル(例えば、穴、スリットなど)にどのように悪影響を及ぼすかを示す。例えば、帯電メカニズムは、補正されなければ、反応性のエッチャントおよび/または電荷粒子のフロー(例えば、フィーチャの上部または下部における電荷の蓄積)を変化させる可能性があり、その結果として、フィーチャのプロファイルねじれ、プロファイル傾斜、ディンプル歪み、不均一な横方向エッチング、および表面粗化を含むエッチングプロファイル歪みを引き起こす。作用の理論またはメカニズムに拘束されることを望まなくても、平行および垂直帯電の存在があり、スリットフィーチャのさまざまな性能観測結果(例えば、エッチングプロファイル歪み)を引き起こすと考えられている。例えば、平行帯電は、イオンを偏向させる可能性があり、垂直帯電は、イオンを低速にし、エッチングプロファイル歪みを引き起こす。本開示の実施形態は、フィーチャ(例えば、スリット、チャネル穴など)におけるディンプル欠陥を制御するためなど、エッチングプロファイル歪みの効果を低減するために、フィーチャ内電荷蓄積の電荷解放を提供することによって、帯電欠陥の効果を軽減する。
【0062】
特に、
図3Aは、フィーチャの下部における不要な横方向エッチングに寄与する垂直帯電メカニズムを示す。図示のように、フィーチャ(例えば、スリット、チャネル穴など)の上部における負電荷の蓄積と、フィーチャの下部における正電荷の蓄積と、がある。一部の寄与電荷はまた、材料に捕捉され得る。このフィーチャ内電荷蓄積により、イオンボンバードのために発生されたイオンは低速になり、特にフィーチャの下部における望ましくない横方向エッチング(すなわち、垂直エッチングの低減)に寄与する可能性があり、また、プラズマからの(例えば、シースで発生する)イオンボンバードの全体的効率を低下させ得る。例えば、コアアレイエリアからダミーチャネル穴(CH)エリアへのスリット遷移は、容易に波打ち、または破断し得る(例えば、「マウスバイト」)。これは、遷移(例えば、CH密度が変化するエリア)における電荷誘起の不均一電場分布に由来し得る。また、チャネル穴付近のフィーチャ内電荷蓄積はまた、スリットとコアアレイエリア(例えば、チャネル穴の位置)との間の境界における(例えばスリット内の)点欠陥に寄与し得る。さらに、フィーチャ内電荷蓄積は、グローバルイオン傾斜およびポリマー分布制御のための不要な、望ましくない、より狭いプロセスウィンドウをもたらし得る。
【0063】
図3Bは、イオン軌跡の望ましくない偏向を有する平行帯電メカニズムを示す。図示のように、ある場合には、フィーチャの片側(例えば、左側)に負電荷の蓄積があり、反対側(例えば、フィーチャの右側)に、フィーチャの下部に集中した正電荷の蓄積がある。別の場合には、フィーチャの片側に負電荷の蓄積があり、反対側に、フィーチャの上部に集中した正電荷の蓄積がある。一部の寄与電荷はまた、材料に捕捉され得る。両方の場合に、イオンボンバードのために発生されたイオンの軌跡は、フィーチャ内電荷蓄積の帯電した表面により偏向され、これは、フィーチャの下部における傾斜、および/または、フィーチャのプロファイル全体にわたる歪みねじれ、につながり得る。特に、下部優勢の平行帯電メカニズムでは、偏向したイオン軌跡は、系統的およびランダムなねじれ、酸化物コンタクト扁平率、および/または非対称ポリマー堆積に寄与する可能性があり、これは隣接するフィーチャの合併を促進し、「マウスバイト」、ディンプルねじれなどにつながる。さらに、上部に一般的に影響を及ぼす平行帯電メカニズムでは、偏向したイオン軌跡は、系統的ねじれ(例えば、短ループSLITねじれ)に寄与し得る。また、電荷の時間依存性はまた、マスクの消費および型とともに変化し得る。
【0064】
混合モード多状態パルシング
図4は、本開示の一実施形態による、多重サイクリングレシピを使用した特別仕様の混合モード多状態RFパルシングを示すダイヤグラム400である。従来、パルシングは、スタックの誘電体含有材料内のフィーチャのエッチングを実行するときに、低パワー状態(すなわち、フィーチャの側壁を不動態化するために実行され得るRFソース電源からのより高周波数の信号のための低RFパワーを用いて構成されたRF状態[S0])と、ピークパワー状態(すなわち、フィーチャのイオンボンバードのために実行され得るRFバイアス電源からのより低周波数の信号のための低RFパワーを用いて構成されたRF状態[S1])と、を含む2つのRFパワー状態間で実行される。本開示の実施形態では、混合モード多状態RFパルシングは、2つのエッチングサイクル(サイクリング段階とも称される)にわたって実行され、各エッチングサイクルは、RF状態S0およびS1を含む複数のRF状態と、1つまたは複数の拡張状態(例えば、S2AおよびS2B)と、を含む。
【0065】
特に、エッチングサイクルME1 410は、エッチングのために使用される混合モード多状態RFパルシング技術の1つのモードである。エッチングサイクルME1は、RF状態S0およびS1と、増大したイオンフラックスをエッチング化学反応に提供するように調整された少なくとも拡張状態S2Aと、を含む。RF状態の各々は、以下の図でさらに説明されるように、1つまたは複数のパターンにわたってエッチングサイクルME1で繰り返しパルシングされる。一般に、イオン種のフラックスは、プラズマ密度に関係(例えば、比例など)する。特に、エッチングサイクルME1は、より高密度のプラズマと、プラズマを発生させるために使用されるRF電源(例えば、ソースパワー)によって提供されるより高周波数の信号におけるイオンの増大したフラックスと、を提供するように構成されたフラックス拡張状態S2Aを含む。また、イオンフラックスは、イオンの速度にも関係する可能性があり、単位期間にわたり単位面積を通過するイオンの数としてさらに記述され得る。例えば、より高周波数の信号のためにRFパワーを増大させると、フラックスおよび/またはプラズマ密度が増大し得る。フラックス拡張状態S2Aは、フィーチャの側壁のパッシベーションを提供し、パッシベーションは、フィーチャの上部に集中する。これは、フィーチャの上部がエッチングプロセス中に過剰に拡大すること(例えば、RF状態S1におけるより高いエッチングレートは、フィーチャにおける欠陥につながり得る)に対する保護を提供するが、特に、エッチングは、高アスペクト比を達成するためにフィーチャ内にますます深く実行されるためである。
【0066】
さらに、エッチングサイクルME2 420は、エッチングのために使用される混合モード多状態RFパルシング技術の別のモードである。エッチングサイクルME2は、RF状態S0およびS1と、フィーチャの追加的なイオンボンバードを提供するように調整された少なくとも電圧拡張状態S2Bと、を含む。RF状態の各々は、以下の図でさらに説明されるように、1つまたは複数のパターンにわたってエッチングサイクルME1で繰り返しパルシングされる。特に、電圧拡張状態S2Bは、フィーチャの下部に集中した追加的なイオンボンバードを提供するように構成された、より低いフラックスだがより高いRFバイアスパワーを提供し、これは、高アスペクト比を有するフィーチャをエッチングするときに有益であり得る。すなわち、電圧拡張状態S2Bは、イオンボンバードのためのフィーチャの下部へのイオンのより良い指向性を提供する。特に、電圧拡張状態S2Bを実施するために、パワーは、RFバイアス電源によって供給されるより低周波数の信号のために増大され得る(すなわち、RFバイアスパワーが増大される)。
【0067】
図5および
図6A~
図6Cは、2つのサイクリング段階またはエッチングサイクルにわたって実行される混合モード多状態RFパルシング方法を示し、エッチングサイクルの各々は、エッチング化学反応と、RF電源(例えば、ソースRFパワー)によって提供される高周波信号のためのRFパワーレベルと、RFバイアス電源によって提供される低周波信号と、パルシング周波数、パルシング周期、パルシングパターンなどと、を含む制御パラメータを調整することができる。
【0068】
特に、
図5は、本開示の一実施形態による、混合モード多状態パルシング技術がフィーチャをエッチングするために実施される、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための方法を示す流れ
図500である。
図4のダイヤグラム400は、流れ
図500の実施態様を示す。流れ
図500の方法は、流れ
図500の動作を実行するために、
図1の制御モジュール100および/または
図13の制御モジュール1300によってアクセス可能なメモリにコンピュータ可読形態で記憶されてもよい。
【0069】
一般的に、流れ
図500の方法は、プラズマチャンバに提供され得る基板に対して実行される。誘電体材料のスタックが基板上に形成され、パターニングされるマスク層が、誘電体材料のスタックに重なる。マスク層は、パターニングされ、開口を含み、それを通して、スタックのエッチングが、高アスペクト比フィーチャを形成するために行われる。プラズマが、プラズマチャンバ内に含まれるプラズマ発生ガスから発生される。プラズマ発生ガスはまた、対応するエッチングサイクルにおいてスタック内の材料をエッチングするために適切であるように選択的に調整され得るエッチング化学反応を含む。例示の目的のみのために、エッチング化学反応は、部分的に、1つまたは複数の炭素含有種、1つまたは複数のフッ素含有種などを含んでもよい。例えば、エッチング化学反応で通常使用される材料は、以下のものに限定されないが、C3F8、C4F8、C4F6、CH2F2、CH3F、CHF3、F5F8、C6F6などのようなフルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンを含む。
【0070】
510で、方法は、マスク基板にフィーチャをエッチングするために、ある期間の間、第1のエッチング化学反応を使用して適用される第1のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)と第2のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)との間を継続的に循環することを含む。例えば、第1のエッチングサイクルおよび第2のエッチングサイクルは、誘電体材料のスタックにフィーチャをエッチングするために使用される混合モード多状態RFパルシング技術における2つのモードを提供する。各エッチングサイクルは、
図4のダイヤグラム400に示されるように、RF状態S0、S1と、1つまたは複数の拡張状態(例えば、S2A、S2Bなど)と、を含む複数のRF状態を含む。
【0071】
520で、方法は、第1のサブ期間の間、第1のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第1のエッチングサイクルを実行することを含む。例えば、第1のエッチングサイクルは、
図4に示されるように、ME1 410によって表されてもよく、第1のエッチング化学反応の下で適用される複数のRFパワー状態S0、S1と、拡張状態S2Aと、を含む。重要なことであるが、エッチングサイクルME1における各RFパワー状態について、前述のように、パワーレベルが、RF電源(例えば、ソースRF電源)によって発生される高周波RF信号と、RFバイアス電源によって発生される低周波RF信号と、の各々に割り当てられる。
【0072】
第1のエッチングサイクルは、前述のように、パッシベーションのために構成された第1のRFパワー状態(S0)と、拡張状態である第2のRFパワー状態(S2)と、マスク基板をエッチングするために構成された第3のRFパワー状態(S1)と、の間を継続的に循環される。第1のRFパワー状態(S0)は、エッチングされているフィーチャの側壁を不動態化するために構成された低パワー状態であり、第3のRFパワー状態(S1)は、エッチングされているフィーチャのイオンボンバードのために構成されたピークパワー状態である。第1のRFパワー状態(S0)と、第2のRFパワー状態または拡張状態(S2A)と、第3のRFパワー状態(S1)と、の間でのパルシングは、第1のエッチングサイクル(例えば、ME1)における第1のサブ期間の間、実行される。
【0073】
第1のエッチングサイクルの第2の状態(S2A)(すなわち、拡張状態)の間に、方法は、拡張されたパッシベーションをマスク基板内のフィーチャに提供するために、第1のエッチング化学反応と、(例えば、ソースRF電源によって発生される高周波信号のための)高周波RFパワーと、(例えば、RFバイアス電源によって発生される低周波信号のための)低周波RFパワーと、を調整することによって、第1の調整ステップを実行することを含む。例えば、第1のエッチング化学反応は、第1のエッチングサイクルの間に使用される適当なガス組成を選択することによって調整される。さらに、制御パラメータの追加的な調整は、第1のエッチングサイクル内のRF状態の各々における高周波RFパワーのための適当なパワーレベルの選択と、低周波RFパワーのための適当なパワーレベルの選択と、を含んでもよい。拡張状態(S2A)における低周波RFパワーと高周波RFパワーとのための、またはその逆の、パワーレベル間のパワー比が、第1の各サイクルに対して規定されてもよい。
【0074】
530で、方法は、第2のサブ期間の間、第2のエッチング化学反応を使用してマスク基板に対して第2のエッチングサイクルを実行することを含む。例えば、第2のエッチングサイクルは、
図4に示されるように、ME2 420によって表されてもよく、複数のRFパワー状態S0、S1と、拡張状態S2Bと、を含む。前に導入されたように、エッチングサイクルME2における各RFパワー状態について、パワーレベルが、RF電源(例えば、ソースRF電源)によって発生される高周波RF信号と、RFバイアス電源によって発生される低周波RF信号と、の各々に割り当てられる。
【0075】
一般的に、エッチングサイクルME1およびME2におけるRFパワー状態S0およびS1の各々について、RF電源(例えば、ソースRF電源)によって発生される高周波RF信号と、RFバイアス電源によって発生される低周波RF信号と、に割り当てられるパワーレベルは、実質的に等しい。すなわち、エッチングサイクルME1およびME2の各々において実行される第1のRF状態(S0)のためのRF電源によって発生される高周波RF信号に割り当てられるパワーレベルは、およそ等しい。また、エッチングサイクルME1およびME2の各々において実行される第1のRF状態(S0)のためのRFバイアス電源によって発生される低周波RF信号に割り当てられるパワーレベルは、およそ等しい。また、エッチングサイクルME1およびME2の各々において実行される第3のRF状態(S1)のためのRF電源によって発生される高周波RF信号に割り当てられるパワーレベルは、およそ等しい。さらに、エッチングサイクルME1およびME2の各々において実行される第3のRF状態(S1)のためのRFバイアス電源によって発生される低周波RF信号に割り当てられるパワーレベルは、およそ等しい。
【0076】
しかし、エッチングサイクルME1およびME2における拡張状態(すなわち、S2AおよびS2B)の間に、RF電源によって発生される高周波RF信号に割り当てられるパワーレベルと、RFバイアス電源によって発生される低周波RF信号に割り当てられるパワーレベルとは、異なってもよい。すなわち、エッチングサイクルME1およびME2の各々について、低周波RFパワーおよび高周波RFパワー、またはその逆、のためのパワーレベル間のパワー比は、異なってもよい。
【0077】
放電のために構成された第1のRFパワー状態(S0)と、拡張状態であるRFパワーの第4の状態(S2B)と、マスク基板にフィーチャをエッチングするために構成された第3の状態(S1)と、の間の第2のエッチングサイクル。前述のように、第1のRFパワー状態(S0)は、エッチングされているフィーチャの側壁を不動態化するために構成された低パワー状態であり、第3のRFパワー状態(S1)は、エッチングされているフィーチャのイオンボンバードのために構成されたピークパワー状態である。第1のRFパワー状態(S0)と、第4のRFパワー状態または拡張状態(S2B)と、第3のRFパワー状態(S1)と、の間でのパルシングは、第2のエッチングサイクル(例えば、ME2)における第2のサブ期間の間、実行される。
【0078】
第2のエッチングサイクルの第4の状態(S2B)(すなわち、拡張状態)の間に、パンチスルーエッチングをマスク基板内のフィーチャに提供するために、第2のエッチング化学反応と、(例えば、ソースRF電源によって発生される高周波信号のための)高周波RFパワーと、(例えば、RFバイアス電源によって発生される低周波信号のための)低周波RFパワーと、を調整することによって、第2の調整ステップが実行される。例えば、第2のエッチング化学反応は、第2のエッチングサイクルの間に使用される適切なガス組成を選択することによって調整される。さらに、制御パラメータの追加的な調整は、第2のエッチングサイクル内のRF状態の各々における高周波RFパワーのための適当なパワーレベルの選択と、低周波RFパワーのための適当なパワーレベルの選択と、を含んでもよい。拡張状態(S2B)における低周波RFパワーと高周波RFパワーとのための、またはその逆の、パワーレベル間のパワー比が、第2のエッチングサイクルに対して規定されてもよい。
【0079】
さらに、ある期間後に、フィーチャがスタック内に形成し始める。フィーチャがその最終エッチング深さに到達した後に、基板はプラズマチャンバから取り出されてもよい。
【0080】
図6Aは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々3つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのエッチングサイクルおよび/またはサイクリング段階(例えば、ME1およびME2)を示すダイヤグラム600Aである。
図6Aに示される動作は、本開示の一実施形態による、マスク基板上に形成された誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行するときに、複数のサイクリングレシピを使用して混合モード多状態RFパルシングの一実施態様を形成する。例えば、
図6Aに示される動作は、流れ
図500の方法の一実施態様であってもよい。
【0081】
図示のように、ダイヤグラム600Aは、ME1とラベルされた第1のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を含む。第1のエッチングサイクルは、フィーチャ610のエッチングを実行するために、第1のエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A(630)と、を含む。一般に、エッチングプロセスは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック620(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック620に重なるマスク層605と、に対して実行される。第1のエッチングサイクルME1で使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム650もまた、ダイヤグラム600Aに示され、より詳細には
図6Bに示される。
【0082】
第1のエッチングサイクルME1におけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A(630)とは、第1のサブ期間の間、継続的に循環される。第1のエッチングサイクルME1におけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0がRFパワー状態S1に続き、RFパワーフラックス拡張状態S2AがRFパワー状態S0に続く、という順序でパルシングされる。
【0083】
ピークパワーRFパワー状態S1のための制御パラメータは、フィーチャ610のイオンボンバードを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第1のエッチング化学反応を使用してエッチングを実行するために、比較的高い。すなわち、高周波RF信号のためのパワーレベルは、ピークプラズマ密度を提供するために比較的高く、低周波RFバイアス信号のためのパワーレベルもまた、ピークイオンボンバードを提供するために比較的高い。例えば、側壁621を下方に掃引しフィーチャ610の下部625をボンバードするイオン615が示されている。側壁621上のわずかなパッシベーションも生じ得る。したがって、RFパワー状態S1は、フィーチャ620をエッチングするために使用される。
【0084】
低パワーRFパワー状態S0のための制御パラメータは、フィーチャ610のパッシベーションを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第1のエッチング化学反応を使用してフィーチャエッチングのパッシベーションを実行するために、比較的低い。パワーレベルが比較的低いため、パッシベーションは、図示のように、フィーチャ610の上部626で主として実行される。
【0085】
RFパワーフラックス拡張状態S2A(630)のための制御パラメータは、フィーチャ610の追加的なパッシベーションを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、より高いイオンフラックス(すなわち、より高いプラズマ密度を提供するために、高周波RF信号のためのより高いRFパワーおよび低周波RF信号のためのより低いRFバイアスパワー)を提供するように調整され、その結果として、フィーチャ610の側壁621のパッシベーションが行われる。具体的には、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号のためのパワーレベルは、フィーチャ610の上方中間部627付近など、側壁上のより高いところで堆積および/またはパッシベーションを提供するように調整される。そのようにして、フィーチャ610のエッチングがより多く実行されるにつれて、上部における開口は、フィーチャ610の上方中間部および上部に適用されるパッシベーション層のために、過剰に拡大しない。
【0086】
さらに、エッチングサイクルME1のためのエッチング化学反応は、RFパワーフラックス拡張状態S2A(630)を実行するときなどに、フィーチャ610の追加的なパッシベーションを提供するように調整される。具体的には、エッチング化学反応は、エッチングサイクルME2で使用されるエッチング化学反応と比較した場合、より高レベルの炭素-フッ素ガス(すなわち、フルオロカーボンガス)と、より少ない炭化水素フッ素ガスと、を有してもよい。これに対応して、エッチングサイクルME2で使用されるエッチング化学反応は、エッチングサイクルME1で使用されるエッチング化学反応のガス組成と比較した場合、より低い炭素-フッ素ガスと、より高レベルの炭化水素フッ素ガスと、を有してもよい。
【0087】
したがって、スタック620がエッチングされると、パッシベーション層が、エッチングサイクルME1の間に高アスペクト比フィーチャ610の側壁621上に形成する。例えば、パッシベーション層は、エッチングサイクルME1で使用されるエッチング化学反応からの1つまたは複数の材料と組み合わされた、スタック内の材料から形成される。追加的なプロセスがなければ、このパッシベーション層は、非一様な厚さを有する可能性があり、フィーチャ610の上部626に集中し得ることにより、フィーチャ610内により深くエッチングする能力を阻害し、および/または、フィーチャ610の高アスペクト比を所望されるよりも低く保持する。例えば、不動態化層は、非一様な厚さおよび/または組成を有する可能性があり、フィーチャの上部付近に集中し得る。本開示の実施形態では、第1のエッチングサイクルME1は、以下に記載されるように、フィーチャのより深い、向上したイオンエッチングを提供するために、第2のエッチングサイクルME2とサイクリングおよび/またはループされる。
【0088】
特に、ダイヤグラム600Aは、ME2とラベルされた第2のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を含む。第2のエッチングサイクルは、第2のエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、バイアス電圧拡張状態S2B(635)と、を含む。前に導入されたように、エッチングプロセスは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック620(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック620に重なるマスク層605と、に対して実行される。第2のエッチングサイクルME2で使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム660もまた、ダイヤグラム600Aに示され、より詳細には
図6Bに示される。
【0089】
第2のエッチングサイクルME2におけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2B(635)とは、第2のサブ期間の間、継続的に循環される。第1のエッチングサイクルME1におけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0がRFパワー状態S1に続き、RFバイアスパワー拡張状態S2BがRFパワー状態S0に続く、という順序でパルシングされる。
【0090】
ピークパワーRFパワー状態S1のための制御パラメータは、前述のように、フィーチャ610のイオンボンバードを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第2のエッチング化学反応を使用してエッチングを実行するために、比較的高い。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号のためのパワーレベルは、フィーチャ610の下部625などのピークイオンボンバードを提供するために、第1のエッチングサイクルME1においてRFパワー状態S1で使用されるパワーレベルにおよそ等しい。側壁621のわずかなパッシベーションも生じ得る。
【0091】
また前述のように、低パワーRFパワー状態S0のための制御パラメータは、フィーチャ610のパッシベーションを提供するために、エッチングサイクルME2において調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第1のエッチング化学反応を使用してフィーチャエッチングのパッシベーションを実行するために、比較的低い。パワーレベルが比較的低いため、パッシベーションは、図示のように、フィーチャ610の上部626で主として実行される。
【0092】
RFパワーバイアス電圧拡張状態S2B(635)のための制御パラメータは、フィーチャ610の異方性の下縁イオンボンバードを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、より大きいRFバイアス電圧(すなわち、高周波RF信号のためのより低いRFパワーおよび低周波RF信号のためのより高いRFバイアスパワー)を提供するように調整され、その結果として、フィーチャ610の下縁または下部625の追加的な非異方性イオンボンバードが行われる。
【0093】
特に、エッチングサイクルME2のためのエッチング化学反応は、RFパワーバイアス電圧拡張状態S2B(635)を実行するときなどに、フィーチャ610の下部の追加的な異方性イオンボンバードを提供するように調整される。具体的には、エッチングサイクルME2で使用されるエッチング化学反応は、エッチングサイクルME1で使用されるエッチング化学反応のガス組成と比較した場合、より低い炭素-フッ素ガスと、より高レベルの炭化水素フッ素ガスと、を有してもよい。
【0094】
図6Bは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための例示的な混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるRFパワーレベルを示すダイヤグラム600Bである。ダイヤグラム600Bは、
図6AのエッチングサイクルME1およびME2を実行するときに適用されるRFパワーレベルの例示であってもよいが、エッチングのために使用されるいくつかの混合モード多状態プッシング技術のうちのいずれかを実行するときに適用されるRFパワーレベルも例示している。より詳細には、RFパワーレベルは、高周波RF信号645(実線で示す)を含み、これは、プラズマを制御および/または発生するために一般的に使用され、特定の場合には、60MHzで発生される。また、RFパワーレベルは、低周波RFバイアス信号640(破線で示す)を含み、これは、フィーチャのイオンボンバードを制御するために一般的に使用され、特定の場合には、400kHzで発生される。
【0095】
さまざまな実施態様では、以下の条件が、プラズマを発生させるために適用されてもよい。プラズマは、約13~169MHz、例えば約20~100MHz(例えば、特定の場合には60MHz)の周波数で、約0ワット(W)から15キロワット(kW)まで、または約0Wから10kWまで、または約250Wから10kWまで、または約500Wから10kWまでのパワーレベルでの、RFパワーソースを使用して発生される高周波RF信号645を使用して発生されてもよい。一実施形態では、プラズマは、60MHzの周波数で、約500W~10kWのパワーレベルでの高周波RF信号645を使用して発生される。
【0096】
さらに、バイアス(例えば、RFバイアスパワー)は、例えば高い垂直エッチングレートを促進するために、低周波RFバイアス信号640を使用して基板に印加されてもよい。RFバイアスパワーは、約20kHz~1.5MHz、または約200kHz~1.5MHz、または約300kHz~600kHz(例えば、特定の場合には約400kHz)の周波数で、約0ワット(W)から50キロワット(kW)まで、約250Wから45KWまで、約500Wから35kWまでのパワーレベルで、基板に印加されてもよい。さまざまな場合に、プラズマを発生させるために使用されるRFバイアスパワーのパワーレベルは、特に高くてもよく、例えば、約5kW以上、または6kW以上、または10kW以上、または20kW以上、または30kW以上であってもよい。一実施形態では、基板は、400kHzで、約500W~35kWのパワーレベルでバイアスされる。
【0097】
図示のように、パワーダイヤグラム650は、第1のエッチングサイクルME1のためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルME1におけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、およびフラックス拡張状態S2A)は、第1のサブ期間の間、継続的に循環される。各RFパワー状態は、数十から数百ミリ秒まで持続またはパルシングされてもよい。例えば、RFパワー状態S1のためのパルシング期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S0のためのパルシング期間は、0~400マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2Aのための期間は、0~300マイクロ秒であってもよい。第1のサブ期間は、400から800マイクロ秒まで持続してもよい。
【0098】
また、パワーダイヤグラム660は、第2のエッチングサイクルME2のためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルME2におけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、およびバイアス電圧拡張状態S2B)は、第2のサブ期間の間、継続的に循環される。各RFパワー状態は、数十から数百ミリ秒まで持続してもよい。図示のように、RFパワー状態S1のためのパルシング期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S0のためのパルシング期間は、0~400マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2Aのための期間は、0~300マイクロ秒であってもよい。第2のサブ期間は、400から800マイクロ秒まで持続してもよい。
【0099】
パワーダイヤグラム650および660に示されるように、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、ME1のためのRFパワー状態S0、S1、およびフラックス拡張状態S2Aと、me2のためのバイアス電圧拡張状態S2Bと、の各々について示されている。一般に、エッチングサイクルME1およびME2におけるRFピークパワー状態S1の各々における低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、およそ等しく、対応するフィーチャにイオンボンバードを提供するように構成される。例えば、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645の各々は、いずれかのエッチングサイクルME1またはME2におけるすべての状態についてピークパワーレベルで発生される。
【0100】
また、エッチングサイクルME1およびME2におけるRF低パワー状態S0の各々における低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、およそ等しく、対応するフィーチャにパッシベーションを提供するように構成される。例えば、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645の各々は、いずれかのエッチングサイクルME1またはME2におけるすべての状態についてそれらの最低パワーレベルで発生される。
【0101】
重要なことであるが、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645の各々のためのパワーレベルは、所望の結果を達成するために、エッチングサイクルME1の拡張状態S2AおよびエッチングサイクルME2のS2Bの各々において調整される。特に、エッチングサイクルME1について、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、前述のように、拡張状態S2Aにおけるより高いイオンフラックス、および/または、より大きいプラズマ密度、を達成するように調整される。例えば、高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、エッチングサイクルME2のバイアス電圧拡張状態S2Bにおいて適用される高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルと比較した場合のように、フラックス拡張状態S2Aにおいて比較的高くてもよい。また、低周波RFパワー信号640のためのパワーレベルは、エッチングサイクルME2のバイアス電圧拡張状態S2Bにおいて適用される低周波RFパワー信号640のためのパワーレベルと比較した場合のように、フラックス拡張状態S2Aにおいて比較的低くてもよい。
【0102】
これに対応して、エッチングサイクルME2について、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、特に、対応するフィーチャの下縁および/または下部に向けられた、拡張状態S2B(635)における異方性イオンボンバードを提供するように調整される。例えば、高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、エッチングサイクルME1のフラックス拡張状態S2Aにおいて適用される高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルと比較した場合のように、エッチングサイクルME2のバイアス電圧拡張状態S2Bにおいて比較的低くてもよい。また、低周波RFパワー信号640のためのパワーレベルは、エッチングサイクルME1のフラックス拡張状態S2Aにおいて適用される低周波RFパワー信号640のためのパワーレベルと比較した場合のように、エッチングサイクルME2のバイアス電圧拡張状態S2Bにおいて比較的高くてもよい。
【0103】
図示のように、および前述のように、エッチングサイクルME1およびME2における拡張状態S2AおよびS2Bの間に低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645に割り当てられるパワーレベルは、異なってもよい。対応するエッチングサイクルのためのRFパワーレベルは、低周波RFパワー信号640のRFパワーと、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間の関係を規定するパワー比(例えば、[低周波RFパワー信号640のRFパワー]/[高周波RFパワー信号645のRFパワー])によって例示されてもよい。一実施形態では、エッチングサイクルME2のためのパワー比は、対応する拡張状態におけるエッチングサイクルME1のためのパワー比よりも高い。すなわち、エッチングサイクルME2のための拡張状態S2B(635)における低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間のパワー比は、エッチングサイクルME1のためのフラックス拡張状態S2A(630)における低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間のパワー比よりも大きい。換言すれば、パワー比は、第1のエッチングサイクルME1と、第2のエッチングサイクルME2と、の間で増大され、第1のエッチングサイクルME1におけるパワー比は、第2のエッチングサイクルME2のパワー比よりも小さい。
【0104】
さらに、エッチングサイクルME1およびME2における拡張サイクルのための低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間のパワー比がたとえ異なっても、エッチングサイクルME1およびME2の拡張状態において適用される全パワーレベルは、一実施形態では、およそ等しい。すなわち、エッチングサイクルME1のフラックス拡張状態S2A(630)において適用される、低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、のための全パワーレベル(例えば、合計されたパワーレベル)は、エッチングサイクルME2のバイアス電圧拡張状態S2B(635)において適用される、低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、のための全パワーレベル(例えば、合計されたパワーレベル)におよそ等しい。
【0105】
図6Cは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための、例えば、
図6Aの混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、異なるサイクリングレシピを有する2つのエッチングサイクル(例えば、サイクリング段階)中のRF状態のパルシングを示すダイヤグラム600Cである。図示のように、エッチングサイクルME1は、RF低パワー状態S0と、RFピークパワー状態S1と、フラックス拡張状態S2Aと、を含む。また、エッチングサイクルME2は、RF低パワー状態S0と、RFピークパワー状態S1と、バイアス電圧拡張状態S2Bと、を含む。RFパワー状態は、特定の順序(例えば、ME1では、S0、次にS2A、次にS1、次にS0に戻るなど、ME2では、S0、次にS2B、次にS21、次にS0に戻るなど)で実行されるように示されているが、RFパワー状態は、他の順序またはパターン(例えば、ME1では、S0、次にS1、次にS2A、次にS0に戻るなど、ME2では、S0、次にS1、次にS2B、次にS0に戻るなど)でサイクリングされてもよい。
【0106】
前述のように、エッチングサイクルME1におけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、およびフラックス拡張状態S2A)は、第1のサブ期間670の間、継続的に循環および/またはパルシングされる。また、RFパワー状態(例えば、S0、S1、およびバイアス電圧拡張状態S2B)は、第2のサブ期間675の間、継続的に循環および/またはパルシングされる。組合せ期間685は、エッチングサイクルME1およびME2のための両方のサブ期間670および675を含む。
【0107】
図示のように、エッチングサイクルME1およびME2は、全期間680の間、継続的にループされる。実質上、拡張状態S2AおよびS2Bは、残りのRFパワー状態(例えば、S0およびS1)がエッチングサイクルME1およびME2の各々の中で同様に実行されると仮定して、エッチングサイクルME1とME2との間でサイクリングされる。
【0108】
図7Aは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を示し、サイクリング段階の各々における2つの拡張状態を含む、ダイヤグラムである。
【0109】
図7Aに示される動作は、本開示の一実施形態による、マスク基板上に形成された誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行するときに、複数のサイクリングレシピを使用して混合モード多状態RFパルシングの一実施態様を形成する。例えば、
図7Aに示される動作は、一実施形態では、修正付きで、流れ
図500の方法の一実施態様であってもよい。特に、2つ以上の拡張RFパワー状態が、対応するフィーチャをエッチングするときに誘電体のスタックに適用されてもよい。
図9に関してさらに説明されるように、RFパワー状態の異なるパターンおよび/または構成が、エッチングを実行するときに実施されてもよい。
【0110】
図示のように、ダイヤグラム700Aは、ME1-Aとラベルされた第1のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を含む。第1のエッチングサイクルは、フィーチャ610のエッチングを実行するために、第1のエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)およびバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)などの少なくとも2つの拡張状態と、を含む。一般に、エッチングプロセスは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック620(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック620に重なるマスク層605と、に対して実行される。第1のエッチングサイクルME1-Aで使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム750もまた、ダイヤグラム700Aに示され、より詳細には
図7Bに示される。
【0111】
第1のエッチングサイクルME1-AにおけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)と、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)とは、第1のサブ期間の間、継続的に循環される。第1のエッチングサイクルME1-AにおけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0がRFパワー状態S1に続き、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)がRFパワー状態S0に続き、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)がRFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)に続く、という順序でパルシングされる。
【0112】
ピークパワーRFパワー状態S1のための制御パラメータは、
図6Aに関して前述したように、フィーチャ610のイオンボンバードを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。特に、高周波RF信号および低周波RF信号のためのパワーレベルは、ピークプラズマ密度およびピークイオンボンバードをそれぞれ提供するために比較的高い。例えば、フィーチャのエッチングを実行するための、側壁621を下方に掃引しフィーチャ610の下部625をボンバードするイオン615が示されている。側壁621上のわずかなパッシベーションも生じ得る。
【0113】
低パワーRFパワー状態S0のための制御パラメータは、前述のように、フィーチャ610のパッシベーションを提供するために、エッチングサイクルME1において調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第1のエッチング化学反応を使用してフィーチャエッチングのパッシベーションを実行するために、比較的低い。パワーレベルが比較的低いため、パッシベーションは、図示のように、フィーチャ610の上部626で主として実行される。
【0114】
さらに、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)のための制御パラメータは、フィーチャ610の追加的なパッシベーションを提供するために、エッチングサイクルME1-Aにおいて調整される。一般に、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)は、
図6A~
図6BのRFパワーフラックス拡張状態S2A(630)と同様に機能する。例えば、高周波RF信号のためのパワーレベルは、より高いイオンフラックスのために調整され、低周波RFバイアス信号は、より高いプラズマ密度を提供するように調整され、その結果として、フィーチャの側壁のパッシベーションが起こる(例えば、フィーチャ610の上方中間部627に向けられる)。そのようにして、フィーチャ610のエッチングがより多く実行されるにつれて、上部における開口は、フィーチャ610の上方中間部および上部に適用されるパッシベーション層がそのエリアをオーバーエッチングから保護するために、過剰に拡大しない。
【0115】
また、RFパワーバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)のための制御パラメータは、第1のエッチング化学反応を使用してフィーチャ610の異方性の下縁イオンボンバードを提供するために、エッチングサイクルME1-Aにおいて調整される。一般に、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)は、
図6A~
図6BのRFバイアスパワー拡張状態S2B(635)と同様に機能する。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、より大きいRFバイアス電圧(すなわち、高周波RF信号のためにより低いRFパワー、および低周波RF信号のためにより高いRFバイアスパワー)を提供するように調整され、その結果として、フィーチャ610の下縁または下部625の追加的な異方性イオンボンバード(例えば、パンチスルーエッチング)が起こる。
【0116】
第1のエッチングサイクルME1-Aに示されるように、両方の拡張状態(例えば、S2A’[630-A]およびS2B’[635-A])は、エッチングサイクルME1-Aのためのエッチング化学反応を使用しながら、フィーチャ610の中上部627への追加的なパッシベーションと、フィーチャ610の下縁または下部625の異方性イオンボンバードと、を提供するように実行される。一実施形態では、エッチング化学反応は、エッチングサイクルME2-Aで使用されるエッチング化学反応と比較した場合、より高レベルの炭素-フッ素ガス(すなわち、フルオロカーボンガス)と、より少ない炭化水素フッ素ガスと、を有してもよい。これに対応して、エッチングサイクルME2-Aで使用されるエッチング化学反応は、エッチングサイクルME1-Aで使用されるエッチング化学反応のガス組成と比較した場合、より低い炭素-フッ素ガスと、より高レベルの炭化水素フッ素ガスと、を有してもよい。
【0117】
さらに、ダイヤグラム700Aは、ME2-Aとラベルされた第2のエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を含む。第2のエッチングサイクルは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック620(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック620に重なるマスク層605と、におけるフィーチャ610のエッチングを実行するために、第2のエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)およびバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)などの少なくとも2つの拡張状態と、を含む。第2のエッチングサイクルME2-Aで使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム760もまた、ダイヤグラム700Aに示され、より詳細には
図7Bに示される。
【0118】
第2のエッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)と、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)とは、第2のエッチング化学反応を使用して第2のサブ期間の間、継続的に循環される。第2のエッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0がRFパワー状態S1に続き、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)がRFパワー状態S0に続き、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)がRFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)に続く、という順序でパルシングされる。より詳細には、エッチングサイクルME1-Aにおける拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の構成は、エッチングサイクルME2-Aにおける拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の構成とは異なる。特に、第2のエッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー拡張状態の順序(S2A’の次にS2B’)は、第1のエッチングサイクルME1-AにおけるRFパワー拡張状態の順序(S2B’の次にS2A’)とは逆に実行される。
【0119】
ピークパワーRFパワー状態S1のため、および、低パワーRFパワー状態S0のため、の制御パラメータは、エッチングサイクルME1-Aにおいて調整される場合と同様に、エッチングサイクルME2-Aにおいて調整される。例えば、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、ピークパワーRFパワー状態S1において第2のエッチング化学反応を使用してエッチングを実行するために、比較的高い。また、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、第2のエッチング化学反応を使用してフィーチャエッチングのパッシベーションを実行するために、比較的低い。
【0120】
図7Bは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図7Aの混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラムである。ダイヤグラム700Bは、
図7AのエッチングサイクルME1-AおよびME2-Aを実行するときに適用されるRFパワーレベルの例示であってもよいが、エッチングのために使用されるいくつかの混合モード多状態プッシング技術のうちのいずれかを実行するときに適用されるRFパワーレベルも例示している。より詳細には、RFパワーレベルは、高周波RF信号645(実線で示す)を含み、これは、プラズマを制御および/または発生するために一般的に使用され、特定の場合には、60MHzで発生される。また、RFパワーレベルは、低周波RFバイアス信号640(破線で示す)を含み、これは、フィーチャのイオンボンバードを制御するために一般的に使用され、特定の場合には、400kHzで発生される。
【0121】
前述のように、さまざまな条件が、プラズマを発生させるために適用されてもよく、これは、約13~169MHz、例えば約20~100MHz(例えば、特定の場合には60MHz)の周波数で、約0ワット(W)から15キロワット(kW)まで、または約0Wから10kWまで、または約250Wから10kWまで、または約500Wから10kWまでのパワーレベルでの、高周波RF信号645を使用することを含む。また、バイアス(例えば、RFバイアスパワー)は、例えば高い垂直エッチングレートを促進するために、低周波RFバイアス信号640を使用して基板に印加されてもよい。RFバイアスパワーは、約20kHz~1.5MHz、または約200kHz~1.5MHz、または約300kHz~600kHz(例えば、特定の場合には約400kHz)の周波数で、約0ワット(W)から50キロワット(kW)まで、約250Wから45KWまで、約500Wから35kWまでのパワーレベルで、基板に印加されてもよい。
【0122】
図示のように、パワーダイヤグラム750は、第1のエッチングサイクルME1-AのためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルME1-AにおけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、フラックス拡張状態S2A’、およびバイアス電圧拡張状態S2B’)は、第1のサブ期間の間、継続的に循環される。各RFパワー状態は、数十から数百ミリ秒まで持続してもよい。例えば、RFパワー状態S1のためのパルシング期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S0のためのパルシング期間は、0~500マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2A’(630-A)のための期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2B’(635-A)のための期間は、0~300マイクロ秒であってもよい。第1のサブ期間は、500マイクロ秒から1500マイクロ秒超まで持続してもよい。
【0123】
また、パワーダイヤグラム750は、第2のエッチングサイクルME2-AのためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、フラックス拡張状態S2A’、およびバイアス電圧拡張状態S2B’)は、第2のサブ期間の間、継続的に循環される。第2のエッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー状態のためのパルシング期間は、上記のように、第1のエッチングサイクルME1-AにおけるRFパワー状態のためのパルシング期間と同様である。
【0124】
パワーダイヤグラム750および760に示されるように、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、エッチングサイクルME1-AおよびME2-AのためのRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)と、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-B)と、の各々について示されている。一般に、エッチングサイクルME1-AおよびME2-AにおけるRFピークパワー状態S1の各々における低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、前述のように、およそ等しく、対応するフィーチャにイオンボンバードを提供するように構成される。また、エッチングサイクルME1およびME2におけるRF低パワー状態S0の各々における低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、前述のように、およそ等しく、対応するフィーチャにパッシベーションを提供するように構成される。
【0125】
さらに、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645の各々のためのパワーレベルは、所望の結果を達成するために、エッチングサイクルME1-A ME2-Aの拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の各々において調整される。特に、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aの各々において、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、フラックス拡張状態S2A’(630-A)におけるより高いイオンフラックス、および/または、より大きいプラズマ密度、を達成するように同様に調整される。また、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aの各々において、低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645のためのパワーレベルは、特に、バイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)における対応するフィーチャの下縁および/または下部に向けられた、異方性イオンボンバードを提供するように同様に調整される。
【0126】
フラックス拡張状態S2A’(630-A)のための低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645に割り当てられるパワーレベルは、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aにおいて同様であってもよい。また、RFバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)のための低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645に割り当てられるパワーレベルは、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aにおいて同様であってもよい。しかし、エッチングサイクルME1-AまたはME2-Aにおける拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の間に低周波RFパワー信号640および高周波RFパワー信号645に割り当てられるパワーレベルは、異なってもよい。前述のように、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aの各々において、バイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)のための低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間のパワー比は、フラックス拡張状態S2A’(630-A)のための低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、の間のパワー比よりも大きい。
【0127】
さらに、一実施形態では、エッチングサイクルME1-AおよびME2-Aの各々において、フラックス拡張状態S2A’(630-A)において適用される、低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、のための全パワーレベルは、バイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)において適用される、低周波RFパワー信号640と、高周波RFパワー信号645のRFパワーと、のための全パワーレベルにおよそ等しい。
【0128】
図8Aおよび
図8Bは、本開示の一実施形態による、マスク基板上に形成された誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行するときに、複数のサイクリングレシピを使用して混合モード多状態RFパルシングの別の実施態様を示す。例えば、
図7Aに示される動作は、一実施形態では、修正付きで、流れ
図500の方法の一実施態様であってもよい。特に、2つ以上の拡張RFパワー状態が、対応するフィーチャをエッチングするときに誘電体のスタックに適用されてもよい。
図9に関してさらに説明されるように、RFパワー状態の異なるパターンおよび/または構成が、エッチングを実行するときに実施されてもよい。
【0129】
特に、
図8Aは、本開示の一実施形態による、誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのエッチングサイクル(すなわち、サイクリング段階)を示し、各エッチングサイクルにおいて2つの拡張状態が低パワーRFパワー状態(すなわち、RFパワー状態S0)にまたがる、別のダイヤグラム800Aである。
【0130】
図示のように、ダイヤグラム800Aは、ME1-Bとラベルされた第1のエッチングサイクルと、ME2-Bとラベルされた第2のエッチングサイクルと、を含む。ダイヤグラム700AにおけるRFパワー状態と同様に、第1および第2のエッチングサイクルME1-BおよびME2-Bは、複数のRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)およびバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)などの少なくとも2つの拡張状態と、を含む。RFパワー状態は、エッチングサイクルME1-Bにおいて第1のエッチング化学反応を使用して適用され、エッチングサイクルME2-Bにおいて第2のエッチング化学反応を使用して適用される。また、第1のエッチングサイクルME1-BにおけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)と、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)とは、第1のサブ期間の間、継続的に循環される。さらに、第2のエッチングサイクルME2-BにおけるRFパワー状態S0、S1と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)と、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)とは、第2のサブ期間の間、継続的に循環される。
【0131】
RFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)およびバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)などの少なくとも2つの拡張状態と、の各々のための制御パラメータは、
図7Aにおける対応するRFパワー状態と同様に構成され、これは、高周波RF信号および低周波RF信号のための同様に構成されたパワーレベルを含む。また、拡張状態(フラックス拡張状態S2A’[630-A]およびバイアス電圧拡張状態S2B’[635-A])の各々のための、低周波RFパワー信号のパワーレベルと、高周波RFパワー信号のパワーレベルと、の間で定義されるパワー比は、同様に構成される。
【0132】
しかし、エッチングサイクルME1-BおよびME2-Bの各々についてダイヤグラム800AにおいてRFパワー状態を実行する順序は、前に導入されたようにダイヤグラム700AにおいてRFパワー段階を実行する順序とは異なる。例えば、各エッチングサイクルME1-BおよびME2-Bは、低パワーRFパワー状態(すなわち、RFパワー状態S0)にまたがる2つの拡張状態を含む。特に、第1のエッチングサイクルME2-AにおけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)がRFパワー状態S1に続き、RFパワー状態S0がRFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)に続き、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)がRFパワー状態S0に続く、という順序でパルシングされる。
【0133】
エッチングサイクルME1-Bにおける拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の構成は、エッチングサイクルME2-Bにおける拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の構成とは異なる。特に、RFパワー状態S0にまたがるときに第2のエッチングサイクルME2-BにおけるRFパワー拡張状態の順序は、第1のエッチングサイクルME1-BにおけるRFパワー拡張状態の順序とは逆に実行される。特に、第2のエッチングサイクルME2-BにおけるRFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)がRFパワー状態S1に続き、RFパワー状態S0がRFバイアスパワー拡張状態S2B’(635-A)に続き、RFパワーフラックス拡張状態S2A’(630-A)がRFパワー状態S0に続く、という順序でパルシングされる。
【0134】
図8Bは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図8Aの混合モード多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラム800Bである。より詳細には、RFパワーレベルは、高周波RF信号645(実線で示す)を含み、これは、プラズマを制御および/または発生するために一般的に使用され、特定の場合には、60MHzで発生される。また、RFパワーレベルは、低周波RFバイアス信号640(破線で示す)を含み、これは、フィーチャのイオンボンバードを制御するために一般的に使用され、特定の場合には、400kHzで発生される。ダイヤグラム800Bは、
図8AのエッチングサイクルME1-BおよびME2-Bを実行するときに適用されるRFパワーレベルの例示であってもよいが、エッチングのために使用されるいくつかの混合モード多状態プッシング技術のうちのいずれかを実行するときに適用されるRFパワーレベルも例示している。
【0135】
特に、
図8Bに示されるRFパワーレベル条件は、
図7BにおけるエッチングサイクルME1-AおよびME2-Aの各々においてRFパワー状態を実行する順序と、
図8BにおけるエッチングサイクルME1-BおよびME2-Bの各々においてRFパワー状態を実行する順序と、を除いては、
図7Bに示されるRFパワーレベル条件と同様である。したがって、
図7Bに記載されたRFパワーレベル条件の説明は、
図8Bに示されるRFパワーレベル条件に同様に当てはまり、参照のために使用されてもよい。
【0136】
図9は、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための混合モード多状態パルシングプロセスで使用される、各々4つのパルシングされたRFパワー状態を有する異なるサイクリングレシピを有する2つのエッチングサイクルで使用されるサイクリングレシピのさまざまな組合せを示すテーブル900である。例えば、
図7A~
図7Bおよび
図8A~
図8Bに示されるRFパワー状態の組合せおよび構成は、テーブル900に含まれる。
【0137】
第1のエッチングサイクルME1’および第2のエッチングサイクルME2’の各々は、4つのRFパワー状態S0(例えば、低パワー状態)、S1(ピークパワー状態)と、フラックス拡張状態S2A’(630-A)およびバイアス電圧拡張状態S2B’(635-A)などの少なくとも2つの拡張状態と、を含む。拡張状態S2A’(630-A)およびS2B’(635-A)の各々は、前に導入されている。エッチングサイクルME1’およびME2’の各々において4つのRFパワー状態を実行するさまざまな順序が、系列1~10に示されている。テーブル900に提供されるリストは、網羅的であることを意図しておらず、エッチングサイクルME1’およびME2’の各々におけるRFパワー状態の、示されていない他の組合せがあってもよい。
【0138】
1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態RFパルシング
図10、
図11A~
図11B、および
図12A~
図12Bは、半導体デバイスを製造するときに誘電体含有材料に高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法を説明し、エッチングプロセスは、3D NANDメモリスリットエッチングのエッチングを実行するときに形成されるものなどの、フィーチャ内帯電誘起欠陥を低減するために、フィーチャ内二次電子発生および/または電荷中和のために1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態RFパルシング技術を使用して実行される。
【0139】
特に、
図10は、本開示の一実施形態による、1つまたは2つのプラズマオフ状態を有する多状態パルシングを含む、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための方法を示す流れ
図1000である。流れ
図1000の方法は、流れ
図1000の動作を実行するために、
図1の制御モジュール100および/または
図13の制御モジュール1300によってアクセス可能なメモリにコンピュータ可読形態で記憶されてもよい。
【0140】
一般的に、流れ
図1000の方法は、プラズマチャンバに提供され得る基板に対して実行される。誘電体材料のスタックが基板上に形成され、パターニングされるマスク層が、誘電体材料のスタックに重なる。マスク層は、パターニングされ、開口を含み、それを通して、スタックのエッチングが、高アスペクト比フィーチャを形成するために行われる。基板上に形成されマスク層に重ねられた誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行する目的のために、プラズマが、プラズマチャンバ内に含まれるプラズマ発生ガスから発生される。ある期間後に、フィーチャがスタック内に形成し始める。フィーチャがその最終エッチング深さに到達した後に、基板はプラズマチャンバから取り出されてもよい。エッチング中に実行される動作は、以下でより完全に説明される。
【0141】
特に、1010で、方法は、プラズマチャンバにエッチング化学反応を提供することを含む。プラズマ発生ガスはまた、対応するエッチングサイクルにおいてスタック内の材料をエッチングするために適切であるように選択的に調整され得るエッチング化学反応を含む。例示の目的のみのために、エッチング化学反応は、部分的に、1つまたは複数の炭素含有種、1つまたは複数のフッ素含有種などを含んでもよい。例えば、エッチング化学反応で通常使用される材料は、以下のものに限定されないが、C3F8、C4F8、C4F6、CH2F2、CH3F、CHF3、F5F8、C6F6などのようなフルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンを含む。
【0142】
1020で、方法は、エッチング化学反応の下で複数のRFパワー状態を継続的に循環することを含む。特に、循環は、フィーチャの電荷中和のための陰イオン輸送のために構成された第1のRFパワー状態(S0)と、第2のRFパワー状態(S2)と、複数の誘電体層のスタックと、スタックの上にパターニングされたマスク層と、を含むマスク基板にフィーチャをエッチングするように構成された第3のRFパワー状態(S1)と、の間で実行される。RFパワー状態の各々のための制御パラメータは、高周波RF発電器(例えば、ソースRF電源)によって発生される高周波RF信号と、低周波RF発電器(例えば、RFバイアス電源)によって発生される低周波RF信号と、の各々にRFパワーレベルを調整することを含む。
【0143】
1020aで、第2のRFパワー状態(S2)の間に、エッチング化学反応と、高周波無線周波数(RF)パワーと、低周波RFバイアスパワーとは、マスク基板内のフィーチャにパッシベーションを提供するように調整される。特に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号のパワーレベルは、フィーチャにパッシベーションを提供するように調整される。第2のRFパワー状態(S2)は、実施形態では、フィーチャの一次パッシベーションを実行する。一実施形態では、第2のRFパワー状態(S2)は、フィーチャのパッシベーションのみを実行する。この理由は、オフ状態(S0)で、プラズマシースが崩壊する(すなわち、RF発電器がオフ状態に設定される)ことにより、二次電子がフィーチャに流入し、蓄積された電荷を中和する(すなわち、放電を提供する)ことを可能にするためである。追加的に、第2のRFパワー状態(S2)の間に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の調整されたパワーレベルに基づいて、わずかなエッチングが実行されてもよい。
【0144】
1020bで、第3の状態(S1)の間に、エッチング条件のエッチング化学反応と、高周波RFパワーと、低周波RFパワーとは、マスク基板にフィーチャをエッチングするように調整される。特に、(高周波RF信号を発生させる)高周波RFパワーおよび(低周波RFバイアス信号を発生させる)低周波RFパワーの各々のためのパワーレベルは、エッチング化学反応を使用してフィーチャのエッチングを実行するために、比較的(すなわち、他のRFパワー状態の各々におけるパワーレベルと比較した場合に)高く設定される。
【0145】
1020cで、第1の状態(S0)の間に、低周波RF発電器は、マスク基板への低周波RFパワーの供給を防止するために第1のオフ状態に設定される。また、1020dで、第1の状態(S0)の間に、高周波RF発電器は、マスク基板への高周波RFパワーの供給を防止するために第2のオフ状態に設定される。したがって、低周波RFパワーも高周波RFパワーもプラズマチャンバに供給されないため、プラズマシースは効果的に(例えば、完全に、または部分的に)崩壊する。さらに、RFパワー状態の各々のパルシング期間は、プラズマシースがその間に再始動および/または再点火される必要がないように構成される(例えば、タイミングは、プラズマシースの全崩壊があってもプラズマシースの再点火を排除するため、および/または、プラズマシースの全崩壊を防止するため、に十分なだけ短い)。
【0146】
流れ
図1000のための上記の動作は、(例えば、第1の状態[S0]の間に発生されるプラズマオフ状態に加えて)追加的なプラズマオフ状態を提供するように修正されてもよい。特に、1060で、方法は、フィーチャの電荷中和のために利用される追加的な陰イオン輸送のために構成された第4の状態(S0’)を追加することを含む。さらに、1070で、方法は、第1の状態(S0)と、第2の状態(S2)と、第3の状態(S1)と、第4の状態(S0’)と、の間を継続的に循環することを含む。複数のオフ状態を使用することのさらに詳細な説明は、
図12A~
図12Bに関して以下で提供される。
【0147】
図11Aは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための1つのプラズマオフ状態を含む3つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスにおけるサイクリングレシピを示すダイヤグラムである。
図11Aに示される動作は、本開示の一実施形態による、マスク基板上に形成された誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行するときに、1つのプラズマオフ状態を有する混合モード多状態RFパルシングの一実施態様を形成する。例えば、
図11Aに示される動作は、流れ
図1000の方法の一実施態様であってもよい。
【0148】
図示のように、ダイヤグラム1100Aは、フィーチャ1110のエッチングを実行するためにエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S1(ピークパワー状態)と、S0(プラズマオフ状態)と、S2(パッシベーション状態)と、を含む。一般に、エッチングプロセスは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック1120(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック1120に重なるマスク層1105と、に対して実行される。エッチングを実行するための1つのプラズマOFF状態を含む3つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスで実行されるRFパワー状態のために使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム1150と、より詳細には
図11Bに。
【0149】
RFパワー状態S0、S1、およびS2は、ある期間の間、継続的に循環される。RFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0がRFパワー状態S1に続き、RFパワー状態S2がRFパワー状態S0に続く、という順序でパルシングされる。
【0150】
ピークパワーRFパワー状態S1のための制御パラメータは、フィーチャ1110のイオンボンバードを提供するように調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、エッチング化学反応を使用してエッチングを実行するために、比較的(すなわち、他のRFパワー状態において適用されるパワーレベルと比較した場合に)高い。すなわち、高周波RF信号のためのパワーレベルは、ピークプラズマ密度を提供するために比較的高く、低周波RFバイアス信号のためのパワーレベルもまた、ピークイオンボンバードを提供するために比較的高い。例えば、側壁1121を下方に掃引しフィーチャ1110の下部1125をボンバードするイオン1115が示されている。
【0151】
RFパワー状態S2のための制御パラメータは、フィーチャ1110のパッシベーションを提供するように調整される。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、より高いイオンフラックス(すなわち、より高いプラズマ密度を提供するために、高周波RF信号のためのより高いRFパワーおよび低周波RF信号のためのより低いRFバイアスパワー)を提供するように調整され、その結果として、フィーチャ1110の側壁1121のパッシベーションが行われる。さらに、二次イオン発生が、RFパワー状態S2の動作中にフィーチャ1110内で起こり得る。具体的には、側壁1121をたたくイオンおよび/または電子が、二次放出を通じて追加的および/または二次的な電子1130を発生させ得る。これらの二次電子は、フィーチャ1110内にとどまってもよく、または、プラズマに向かって逆行して加速されてもよい。
【0152】
RFパワー状態S0のための制御パラメータは、プラズマから、フィーチャ1110の下部1125に向かってなど、フィーチャ内の下方への電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送を提供するように調整される。特に、電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送は、前述のように、プラズマの崩壊によって起こる。電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送の存在は、RFパワー状態S0内の破線1135によって示され、プラズマおよび/または二次(すなわち、二次放出を通じて発生された)電子からの電子および/または陰イオンが、フィーチャ1110を通って上部1126から下部1125にどのように流れ下るかを示す。さらに、フィーチャ内に存在し得るRFパワー状態S2の間に発生される二次電子もまた、フィーチャ1110の下部1125に向かって輸送される。
【0153】
電子がフィーチャ1110を通って輸送されると、プラズマおよび/または二次(例えば、二次放出を通じて発生された)電子からの電子および/または陰イオンは、フィーチャに蓄積している電荷(例えば、正電荷)を中和し得る。例えば、フィーチャ1110のエッチング中にフィーチャの上部1126付近に蓄積し得る電荷、および/または、フィーチャ内に蓄積している任意の他の電荷は、中和されることにより、フィーチャ内の欠陥(例えば、マウスバイト、ライン波打ちなど)を低減する。従来のプロセスの間に通常は起こるようなパッシベーションは、RFパワー状態S0の間にはほとんどまたは全く起こらず、パッシベーションは、前述のように、RFパワー状態S2の間に起こる。
【0154】
図11Bは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図11Aの多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラム1150である。パワーレベルダイヤグラム1150は、
図11Aのエッチングサイクルを実行するときに適用されるRFパワーレベルの例示であってもよいが、エッチングのために使用される1つまたは複数のプラズマオフ状態を有するいくつかの多状態プッシング技術のうちのいずれかを実行するときに適用されるRFパワーレベルも例示している。より詳細には、RFパワーレベルは、高周波RF信号645(実線で示す)を含み、これは、プラズマを制御および/または発生するために一般的に使用され、特定の場合には、60MHzで発生される。また、RFパワーレベルは、低周波RFバイアス信号640(破線で示す)を含み、これは、フィーチャのイオンボンバードを制御するために一般的に使用され、特定の場合には、400kHzで発生される。
【0155】
さまざまな実施態様では、以下の条件が、プラズマを発生させるために適用されてもよい。プラズマは、約13~169MHz、例えば約20~100MHz(例えば、特定の場合には60MHz)の周波数で、約0ワット(W)から15キロワット(kW)まで、または約0Wから10kWまで、または約250Wから10kWまで、または約500Wから10kWまでのパワーレベルでの、RFパワーソースを使用して発生される高周波RF信号645を使用して発生されてもよい。一実施形態では、プラズマは、60MHzの周波数で、約500W~10kWのパワーレベルでの高周波RF信号645を使用して発生される。
【0156】
さらに、バイアス(例えば、RFバイアスパワー)は、例えば高い垂直エッチングレートを促進するために、低周波RFバイアス信号640を使用して基板に印加されてもよい。RFバイアスパワーは、約20kHz~1.5MHz、または約200kHz~1.5MHz、または約300kHz~600kHz(例えば、特定の場合には約400kHz)の周波数で、約0ワット(W)から50キロワット(kW)まで、約250Wから45KWまで、約500Wから35kWまでのパワーレベルで、基板に印加されてもよい。さまざまな場合に、プラズマを発生させるために使用されるRFバイアスパワーのパワーレベルは、特に高くてもよく、例えば、約5kW以上、または6kW以上、または10kW以上、または20kW以上、または30kW以上であってもよい。一実施形態では、基板は、400kHzで、約500W~40kWのパワーレベルでバイアスされる。
【0157】
パワーダイヤグラム1150は、対応するエッチングサイクルのためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルにおけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、およびS2)は、ある期間の間、継続的に循環される。各RFパワー状態は、数十から数百ミリ秒まで持続またはパルシングされてもよい。例えば、RFパワー状態S1のためのパルシング期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S0のためのパルシング期間は、0~400マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2のための期間は、0~300マイクロ秒であってもよい。エッチングのための期間は、400から800マイクロ秒まで持続してもよい。一実施形態では、RFパワー状態S0、S1、およびS2の間の継続的なサイクリングおよび/または循環に関連づけられるデューティサイクルは、5から80までにわたる。
【0158】
図12Aは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための2つのプラズマオフ状態を含む4つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスにおけるサイクリングレシピを示すダイヤグラムである。前述のように、流れ
図1000における動作は、追加的な(例えば、
図11Aの第1の状態[S0]の間に発生されるプラズマオフ状態に加えて)プラズマOFF状態を提供するように修正されてもよい。
図12Aに示される動作は、本開示の一実施形態による、マスク基板上に形成された誘電体材料のスタック内のフィーチャのエッチングを実行するときに、2つのプラズマオフ状態を有する混合モード多状態RFパルシングの一実施態様を形成する。例えば、
図12Aに示される動作は、流れ
図1000の方法の一実施態様であってもよい。
【0159】
図示のように、ダイヤグラム1200Aは、フィーチャ1210のエッチングを実行するためにエッチング化学反応を使用して適用される複数のRFパワー状態S1(ピークパワー状態)と、S0-AおよびS0-B(プラズマオフ状態)と、S2(パッシベーション状態)と、を含む。一般に、エッチングプロセスは、基板(図示せず)上に形成された誘電体材料のスタック1220(例えば、酸化物-窒化物-酸化物層、酸化物層など)と、スタック1220に重なるマスク層1205と、に対して実行される。エッチングを実行するための2つのプラズマオフ状態を含む3つのパルシングされたRFパワー状態を有する多状態パルシングプロセスで実行されるRFパワー状態のために使用されるRFパワー状態の各々について高周波RF信号(例えば、特定の場合には60MHz)および低周波RFバイアス信号(例えば、特定の場合には400kHz)の各々のためのパワーレベルを示すパワーダイヤグラム1250と、より詳細には
図12Bに。
【0160】
RFパワー状態S0-A、S0-B、S1、およびS2は、ある期間の間、継続的に循環される。RFパワー状態の順序は選択可能であり、ある特定の場合には、RFパワー状態は、RFパワー状態S0-AがRFパワー状態S1に続き、RFパワー状態S2がRFパワー状態S0-Aに続き、RFパワー状態S0-BがRFパワー状態S2に続く、という順序でパルシングされる。
【0161】
前述のように、ピークパワーRFパワー状態S1のための制御パラメータは、フィーチャ1110のイオンボンバードを提供するように調整される。一般に、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、エッチング化学反応を使用してエッチングを実行するために、比較的(すなわち、他のRFパワー状態において適用されるパワーレベルと比較した場合に)高い。すなわち、高周波RF信号のためのパワーレベルは、ピークプラズマ密度を提供するために比較的高く、低周波RFバイアス信号のためのパワーレベルもまた、ピークイオンボンバードを提供するために比較的高い。例えば、側壁1221を下方に掃引しフィーチャ1210の下部1225をボンバードするイオン1215が示されている。
【0162】
RFパワー状態S2のための制御パラメータは、フィーチャ1210のパッシベーションを提供するように調整される。すなわち、高周波RF信号および低周波RFバイアス信号の各々のためのパワーレベルは、より高いイオンフラックス(すなわち、より高いプラズマ密度を提供するために、高周波RF信号のためのより高いRFパワーおよび低周波RF信号のためのより低いRFバイアスパワー)を提供するように調整され、その結果として、フィーチャ1210の側壁1221のパッシベーションが行われる。さらに、二次イオン発生が、RFパワー状態S2の動作中にフィーチャ1210内で起こり得る。具体的には、側壁1221をたたくイオンおよび/または電子が、二次放出を通じて追加的および/または二次的な電子1230を発生させ得る。これらの二次電子は、フィーチャ1210内にとどまってもよく、または、プラズマに向かって逆行して加速されてもよい。
【0163】
RFパワー状態S0-AおよびS0-Bの各々のための制御パラメータは、プラズマから、フィーチャ1210の下部1225に向かってなど、フィーチャ内の下方への電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送を提供するように同様に調整される。特に、電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送は、前述のように、プラズマの崩壊によって起こる。電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送の存在は、RFパワー状態S0-AおよびS0-B内の破線1235によって示され、プラズマおよび/または二次(すなわち、二次放出を通じて発生された)電子からの電子および/または陰イオンが、フィーチャ1210を通って上部1226から下部1225にどのように流れ下るかを示す。さらに、フィーチャ内に存在し得るRFパワー状態S2の間に発生される二次電子もまた、フィーチャ1210の下部1225に向かって輸送される。
【0164】
特に、第4の状態(S0-B)または第2のオフ状態は、追加的な陰イオン輸送のために構成される。一実施形態では、
図11AにおけるRFオフ状態S0は、RFパワーオフ状態S0-AおよびS0-Bを作成するために半分に分割されてもよい。より詳細には、電子輸送軌跡および/または陰イオン輸送は、フィーチャの追加的な電荷中和のために利用される。そのようにして、エッチングプロセスの間に一度(すなわち、
図11Aに示されるように)フィーチャを放電する代わりに、フィーチャは、RFパワーオフ状態S0-AおよびS0-Bを実行するときに二度放電される。1つまたは複数の追加的なオフ状態を追加することは、エッチングサイクルの間にフィーチャのより多くの放電を提供する。この理由は、たとえRFパワーオフ状態S0のサブ期間が比較的長くなり得るとしても、放電は、サブ期間の小部分内で起きているためである(例えば、放電は、サブ期間の最初の数十ミリ秒で起こる)。別のRFパワーOFF状態S0-Bを追加することによって、これは、エッチングサイクル(S0-A、S0-B、S1、およびS2)の間にフィーチャのより多くの放電を可能にする。
【0165】
前述のように、プラズマオフ状態S0-AおよびS0-Bにおいて、電子がフィーチャ1210を通って輸送されると、プラズマおよび/または二次(例えば、二次放出を通じて発生された)電子からの電子および/または陰イオンは、フィーチャに蓄積している電荷(例えば、正電荷)を中和し得る。従来のプロセスの間に通常は起こるようなパッシベーションは、RFパワー状態S0-Aおよび/またはS0-Bの間にはほとんどまたは全く起こらず、パッシベーションは、前述のように、RFパワー状態S2の間に起こる。
【0166】
図12Bは、本開示の一実施形態による、基板上に3D NAND構造体を製造するときなどに誘電体材料を含むスタックにフィーチャをエッチングするための
図12Aの多状態パルシングプロセス中に適用されるパワーレベルを示すダイヤグラム1250である。パワーレベルダイヤグラム1250は、エッチングのために使用される1つまたは複数のプラズマオフ状態を有するいくつかの多状態プッシング技術のうちのいずれかを実行するときに適用されるRFパワーレベルを例示してもよい。より詳細には、RFパワーレベルは、高周波RF信号645(実線で示す)を含み、これは、プラズマを制御および/または発生するために一般的に使用され、特定の場合には、60MHzで発生される。また、RFパワーレベルは、低周波RFバイアス信号640(破線で示す)を含み、これは、フィーチャのイオンボンバードを制御するために一般的に使用され、特定の場合には、400kHzで発生される。
【0167】
さまざまな実施態様では、以下の条件が、プラズマを発生させるために適用されてもよい。プラズマは、約13~169MHz、例えば約20~100MHz(例えば、特定の場合には60MHz)の周波数で、約0ワット(W)から15キロワット(kW)まで、または約0Wから10kWまで、または約250Wから10kWまで、または約500Wから10kWまでのパワーレベルでの、RFパワーソースを使用して発生される高周波RF信号645を使用して発生されてもよい。一実施形態では、プラズマは、60MHzの周波数で、約500W~10kWのパワーレベルでの高周波RF信号645を使用して発生される。
【0168】
さらに、バイアス(例えば、RFバイアスパワー)は、例えば高い垂直エッチングレートを促進するために、低周波RFバイアス信号640を使用して基板に印加されてもよい。RFバイアスパワーは、約20kHz~1.5MHz、または約200kHz~1.5MHz、または約300kHz~600kHz(例えば、特定の場合には約400kHz)の周波数で、約0ワット(W)から50キロワット(kW)まで、約250Wから45KWまで、約500Wから35kWまでのパワーレベルで、基板に印加されてもよい。さまざまな場合に、プラズマを発生させるために使用されるRFバイアスパワーのパワーレベルは、特に高くてもよく、例えば、約5kW以上、または6kW以上、または10kW以上、または20kW以上、または30kW以上であってもよい。一実施形態では、基板は、400kHzで、約500W~40kWのパワーレベルでバイアスされる。
【0169】
パワーダイヤグラム1250は、対応するエッチングサイクルのためのRFパワーレベルを示し、x軸は時間であり、y軸は(例えば、ワット単位で表される)パワーレベルである。前述のように、エッチングサイクルにおけるRFパワー状態(例えば、S0、S1、およびS2)は、ある期間の間、継続的に循環される。各RFパワー状態は、数十から数百ミリ秒まで持続またはパルシングされてもよい。例えば、RFパワー状態S1のためのパルシング期間は、0~300マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S0-AおよびS0-Bの各々のためのパルシング期間は、0~200マイクロ秒であってもよく、ここで、RFパワー状態S0-AおよびS0-Bのための組み合されたパルシング期間は、0~400マイクロ秒であってもよく、RFパワー状態S2のための期間は、0~300マイクロ秒であってもよい。エッチングのための期間は、400から800マイクロ秒まで持続してもよい。一実施形態では、RFパワー状態S0-A、S0-B、S1、およびS2の間の継続的なサイクリングおよび/または循環に関連づけられるデューティサイクルは、5から80までにわたる。
【0170】
図13は、上記のシステムを制御するための制御モジュール1300を示す。例えば、制御モジュール1300は、プロセッサと、メモリと、1つまたは複数のインタフェースと、を含んでもよい。制御モジュール1300は、検知された値に部分的に基づいて、システム内のデバイスを制御するために使用されてもよい。例としてのみであるが、制御モジュール1300は、バルブ1302と、フィルタヒータ1304と、ポンプ1306と、検知された値および他の制御パラメータに基づく他のデバイス1308と、のうちの1つまたは複数を制御してもよい。制御モジュール1300は、例としてのみであるが、圧力マノメータ1310、流量計1312、温度センサ1314、および/または他のセンサ1316から、検知された値を受信する。制御モジュール1300はまた、プリカーサ供給および膜の堆積の間にプロセス条件を制御するために使用されてもよい。制御モジュール1300は、典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサと、を含むであろう。一実施態様では、制御モジュール1300は、
図1の制御モジュール110を含んでもよい。
【0171】
制御モジュール1300は、プリカーサ供給システムおよび堆積装置の作用を制御してもよい。制御モジュール1300は、特定のプロセスのプロセスタイミングと、供給システム温度と、フィルタ両側の圧力差と、バルブ位置と、ガスの混合比と、チャンバ圧力と、チャンバ温度と、基板温度と、RFパワーレベルと、基板チャックまたはペデスタル位置と、パージガスの供給と、他のパラメータと、を制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール1300はまた、圧力差を監視し、1つまたは複数の経路から1つまたは複数の他の経路への蒸気プリカーサ供給を自動的に切り替えてもよい。制御モジュール1300に関連づけられたメモリデバイスに記憶された他のコンピュータプログラムが、いくつかの実施形態で使用されてもよい。
【0172】
典型的には、制御モジュール1300に関連づけられたユーザインタフェースが存在するであろう。ユーザインタフェースは、ディスプレイ1318(例えば、装置および/またはプロセス条件のディスプレイ画面および/またはグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのようなユーザ入力デバイス1320と、を含んでもよい。
【0173】
プロセス系列におけるプリカーサの供給、堆積および他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなど、で書かれることができる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトが、プログラム内で識別されるタスクを実行するためにプロセッサによって実行される。
【0174】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差と、プロセスガスの組成および流量と、パージガスの流量、温度、圧力と、RFパワーレベルおよび低周波RF周波数などのプラズマ条件と、冷却ガス圧力と、チャンバ壁温度と、などのプロセス条件に関する。
【0175】
システムソフトウェアは、多くの異なる仕方で設計または構成され得る。例えば、さまざまなチャンバコンポーネントサブルーチンまたは制御オブジェクトが、パージガスの供給を含む本発明のプロセスを実行するために必要なチャンバコンポーネントの動作を制御するために書かれてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例は、基板位置決めコードと、プロセスガス制御コードと、パージガス制御コードと、圧力制御コードと、ヒータ制御コードと、プラズマ制御コードと、を含む。
【0176】
基板位置決めプログラムは、ペデスタルまたはチャック上に基板をロードするため、および、基板と、ガス入口および/またはターゲットなどのチャンバの他の部分と、の間の間隔を制御するため、に使用されるチャンバコンポーネントを制御するためのプログラムコードを含んでもよい。プロセスガス制御プログラムは、ガスの組成および流量を制御するため、および、任意選択的に、チャンバ内の圧力を安定化するために堆積の前にチャンバにガスを流入させるため、のコードを含んでもよい。パージガス制御プログラムは、パージガスの供給を制御するためのコードを含んでもよい。フィルタ監視プログラムは、測定された差を所定の値と比較するコード、および/または、経路を切り替えるためのコード、を含む。圧力制御プログラムは、例えば、チャンバの排気システムにおけるスロットルバルブを調節することによって、チャンバ内の圧力を制御するためのコードを含んでもよい。ヒータ制御プログラムは、プリカーサ供給システム内のコンポーネント、基板および/またはシステムの他の部分を加熱するための加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含んでもよい。代替的に、ヒータ制御プログラムは、ヘリウムなどの伝熱ガスの基板チャックへの供給を制御してもよい。
【0177】
堆積中に監視され得るセンサの例は、以下のものに限定されないが、マスフロー制御モジュールと、圧力マノメータ1310などの圧力センサと、供給システム、ペデスタルまたはチャックに配置される熱電対と、状態センサ1320と、を含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムが、所望のプロセス条件を維持するためにこれらのセンサからのデータとともに使用されてもよい。上記は、シングルまたはマルチチャンバの半導体処理ツールにおける本開示の実施形態の実施態様を説明している。
【0178】
いくつかの実施態様では、コントローラは、システムの一部であり、それは、上記の例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理のための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理コンポーネント(基板ペデスタル、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理の前、間、および後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。電子機器は、「コントローラ」と称されてもよく、それは、1つまたは複数のシステムのさまざまなコンポーネントまたは下位部分を制御してもよい。コントローラは、システムの処理要件および/または種類に応じて、処理ガスの供給と、パージガスの供給と、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)と、圧力設定と、真空設定と、パワー設定と、無線周波数(RF)発生器設定と、RF整合回路設定と、周波数設定と、流量設定と、流体供給設定と、位置および動作設定と、特定のシステムと接続または連携したツールおよび他の移送ツールおよび/またはロードロックとの間の基板移送と、を含む、本明細書に開示されるプロセスのうちの任意のものを制御するようにプログラムされてもよい。
【0179】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなど、を行うさまざまな集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として規定されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、もしくはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、さまざまな個別の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに通信され、特定のプロセスを実行するための、または半導体基板のための、またはシステムへの動作パラメータを規定する命令であってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウェハのダイの製造中に1つまたは複数の処理ステップを遂行するためにプロセスエンジニアによって規定されるレシピの一部であってもよい。
【0180】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムに統合され、結合され、その他のやり方でシステムにネットワーク接続され、またはその組合せであるコンピュータの一部であってもよく、またはそのコンピュータに結合されてもよい。例えば、コントローラは、ファブホストコンピュータシステムの全部または一部の「クラウド」にあってもよく、それは基板処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスが、製造動作の現在の進行を監視し、過去の製造動作の履歴を検査し、複数の製造動作からの傾向または性能メトリックを検査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に従うように処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始することを可能にしてもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができ、ネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。
【0181】
リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、それらは次いでリモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、データの形態で命令を受信し、それらは、1つまたは複数の動作の間に実行されるべき処理ステップの各々のためのパラメータを指定する。理解されるべきであるが、パラメータは、実行されるべきプロセスの種類と、コントローラが接続または制御するように構成されるツールの種類と、に固有であってもよい。したがって、上記のように、コントローラは、本明細書に記載されるプロセスおよび制御のように、互いにネットワーク接続され共通の目的に向かって作動する1つまたは複数の個別のコントローラを備えるなどによって、分散されてもよい。このような目的のための分散したコントローラの例は、チャンバに対するプロセスを制御するように組み合わされた、(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として、などの)リモートに配置された1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路であろう。
【0182】
限定なしに、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュールと、堆積チャンバまたはモジュールと、スピンリンスチャンバまたはモジュールと、金属プレーティングチャンバまたはモジュールと、クリーンチャンバまたはモジュールと、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュールと、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュールと、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュールと、プラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバまたはモジュールと、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュールと、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュールと、イオン注入チャンバまたはモジュールと、トラックチャンバまたはモジュールと、半導体ウェハの製造および/または作製に関連づけられ、または使用され得る任意の他の半導体処理システムと、を含んでもよい。
【0183】
上記のように、ツールによって実行されるべき1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場全体にわたって配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場でツール位置および/またはロードポートとの間でウェハのコンテナを運ぶ材料輸送で使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信してもよい。
【0184】
実施形態の上記の記載は、例示および説明の目的のために提供されている。それは、網羅的であることも、開示を限定することも、意図していない。特定の実施形態の個別の要素または特徴は、一般的にその特定の実施形態に限定されず、たとえ具体的に図示または記載されていなくても、該当する場合には、交換可能であり、選択された実施形態において使用されることができる。それはまた、多くの仕方で変形され得る。このような変形例は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、すべてのこのような変更例は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0185】
上記の実施形態は、理解の明確化の目的のために幾分詳細に記載されているが、明らかなように、特定の改変および変更が、添付の特許請求の範囲内で実施されることができる。したがって、本実施形態は、例示的であって限定的でないとみなされるべきであり、実施形態は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきでなく、特許請求の範囲および均等物において変更され得る。
【国際調査報告】