(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】PVDにおける不均一性を低下させるための頂部マグネット
(51)【国際特許分類】
C23C 14/35 20060101AFI20240905BHJP
H01L 21/203 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
C23C14/35 Z
H01L21/203 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516414
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022034898
(87)【国際公開番号】W WO2023043516
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】シア ボルイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン アンソニー チー-トゥン
(72)【発明者】
【氏名】ユエ シユ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】カマス アラヴィンド マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】スンダララジャン マクンド
(72)【発明者】
【氏名】ワン ロンジュン
(72)【発明者】
【氏名】アレン アドルフ ミラー
【テーマコード(参考)】
4K029
5F103
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA07
4K029AA08
4K029AA09
4K029AA24
4K029BD01
4K029CA05
4K029DC39
4K029DC43
5F103AA08
5F103PP00
(57)【要約】
位置合わせされた開口を各々が含む、頂部プレートとともにハウジングを備えるマグネットアセンブリが記載されている。ハウジングは、底部リングおよび環状壁を有し、底部リングには複数の開口が形成されている。頂部プレートは、ハウジング上にあり、ハウジングの底部リングの複数の開口と位置合わせされた複数の開口を有する。このマグネットアセンブリはさらに、非電導性のベースプレートおよび/または導電性のカバープレートを含むことができる。このマグネットアセンブリを使用し、磁場を調整する方法も記載されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部リングおよびハウジング環状壁を有するハウジングであって、前記底部リングが、前記底部リングの厚さを規定する頂面および底面、内周面を含む内径ならびに外周面を含む外径を有し、前記底部リングが、前記底部リングの前記厚さを貫いて延びる複数の開口を有し、前記ハウジング環状壁が、前記底部リングの前記頂面から高さだけ延びており、前記ハウジング環状壁が、壁厚を規定する、内周面を含む内径および外周面を含む外径を有する、前記ハウジング
を備える、マグネットアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の開口が組を作って配置されており、それぞれの組が、前記底部リングの中心から前記外周面まで延びるベクトルに沿って整列しており、それぞれの組のそれぞれの孔が、前記中心から異なる距離のところに配置されている、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項3】
孔のそれぞれの組に3つの孔があり、前記中心の周りに孔の3つのリングを形成しており、それぞれのリングが、前記中心からの異なる半径を有する、請求項2に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項4】
24~60組の範囲の孔の組がある、請求項2に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項5】
前記底部リングが、前記外周面に平面を形成する面取りされた部分を有する、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項6】
前記ハウジング環状壁の前記高さが0.5~2.5インチの範囲にある、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジング環状壁の頂部に頂部フランジをさらに備え、前記頂部フランジが、前記ハウジング環状壁の前記外周面から外側に延びている、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項8】
前記ハウジングがアルミニウムを含む、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項9】
前記底部リングの前記厚さおよび前記環状壁の前記壁厚が1/16インチ~1/4インチの範囲にある、請求項1に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項10】
頂面および底面を有するベースプレートであって、前記頂面および前記底面が前記ベースプレートの厚さを規定する、前記ベースプレートと、
前記ベースプレート上のハウジングであって、前記ハウジングが底部リングおよびハウジング環状壁を有し、前記底部リングが、前記底部リングの厚さを規定する頂面および底面、内周面を含む内径ならびに外周面を含む外径を有し、前記底部リングが、前記底部リングの前記厚さを貫いて延びる複数の開口を有し、前記ハウジング環状壁が、前記底部リングの前記頂面から高さだけ延びており、前記ハウジング環状壁が、壁厚を規定する、内周面を含む内径および外周面を含む外径を有する、前記ハウジングと、
前記ハウジング上の頂部プレートであって、前記頂部プレートが、前記頂部プレートの厚さを規定する頂面および底面、ならびに内周面を含む内径および外径面を含む外径を有し、前記頂部プレートが、前記頂部プレートの前記厚さを貫いて延びる複数の開口を有し、前記複数の開口が、前記ハウジングの前記底部リングの前記複数の開口と位置合わせされている、前記頂部プレートと、
カバープレート頂部壁およびカバープレート環状壁を有するカバープレートであって、前記カバープレート頂部壁が、前記カバープレート頂部壁の厚さを規定する頂面および底面を有し、前記カバープレート環状壁が、壁厚を規定する、内径面を含む内径および外径面を含む外径を有し、前記カバープレート環状壁が、前記カバープレート頂部壁の前記底面から高さだけ延びており、前記ハウジング環状壁の前記内径よりも小さい外径を有する、前記カバープレートと
を備える、マグネットアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングの前記複数の開口が組を作って配置されており、それぞれの組が、前記底部リングの中心から前記外周面まで延びるベクトルに沿って整列しており、それぞれの組のそれぞれの孔が、前記中心から異なる距離のところに配置されており、前記頂部プレートの前記複数の開口が、前記ハウジングの前記組と位置合わせされた組を作って配置されている、請求項10に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項12】
孔のそれぞれの組に3つの孔があり、前記中心の周りに孔の3つのリングを形成しており、それぞれのリングが、前記中心からの異なる半径を有する、請求項11に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項13】
24~60組の範囲の孔の組がある、請求項11に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項14】
前記環状壁の前記高さが0.5~2.5インチの範囲にある、請求項11に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項15】
前記ベースプレートが、組み立てられたときにリング形のベースプレートを形成する少なくとも2つの部分を含む、請求項10に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項16】
前記ベースプレートが非導電性材料を含み、前記ハウジングがアルミニウムを含み、前記頂部プレートがステンレス鋼を含み、前記カバープレートがアルミニウムを含む、請求項10に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項17】
前記ベースプレートと前記ハウジングとの間に少なくとも1つのシムをさらに備える、請求項10に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシムの各々が、組立て時にリング形のシムを形成する少なくとも2つの部分を含む、請求項17に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項19】
前記環状壁の頂部に頂部フランジをさらに備え、前記頂部フランジが、前記環状壁の前記外周面から外側に延びている、請求項17に記載のマグネットアセンブリ。
【請求項20】
前記ハウジングと前記頂部プレートとの間に配置された複数のマグネットをさらに備え、前記マグネットの各々が、前記ハウジングおよび前記頂部プレートの位置合わせされた開口内に配置されている、請求項10に記載のマグネットアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に、物理的気相堆積(PVD)の均一性を向上させるための装置および方法に関する。詳細には、本開示の実施形態は、PVDチャンバの頂部の上にマグネットを配置し調整するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルゴン(Ar+)イオンを使用した従来のスパッタリング前洗浄はしばしば、高い膜不均一性に帰着する。この膜不均一性は特に低バイアス電力プロセスにおいて広く認められる。例えば、いくつかの酸化シリコンプロセスの不均一性は、TiNに関して、7%(1σ値)よりも大きくなること、および8Åよりも大きい範囲をとることがありうる。
【0003】
加えて、現在のハードウェアの限界のため、バイアス電圧がペデスタルの中心から縁に向かって低下することにより、エッチング速度は、顕著な中心が高く/縁が低いプロファイルを示す。
【0004】
不均一性改善のための現在の解決策はバイアス/ソース比の最適化を含み、最小の不均一性は1付近(ソース電力と同等のバイアス電力)で観察される。しかしながら、高エネルギーAr+イオンは金属の再スパッタリングを引き起こすことがあり、基板上の誘電体膜に損傷を与えうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術分野では、エッチング・プロセスにおける不均一性を改善する装置および方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、底部リングを有するハウジングを備えるマグネットアセンブリを対象としており、底部リングは、底部リングの厚さを規定する頂面および底面、内周面を含む内径ならびに外周面を含む外径を有する。底部リングは、底部リングの厚さを貫いて延びる複数の開口を有し、底部リングの頂面から高さだけハウジング環状壁が延びている。ハウジング環状壁は、壁厚を規定する、内周面を含む内径および外周面を含む外径を有する。
【0007】
本開示の追加の実施形態は、ベースプレート、ハウジング、頂部プレートおよびカバープレートを備えるマグネットアセンブリを対象としている。ベースプレートは、ベースプレートの厚さを規定する頂面および底面を有する。ハウジングはベースプレート上にある。ハウジングは底部リングを有し、底部リングは、底部リングの厚さを規定する頂面および底面、内周面を含む内径ならびに外周面を含む外径を有する。底部リングは、底部リングの厚さを貫いて延びる複数の開口を有する。底部リングの頂面から高さだけハウジング環状壁が延びている。ハウジング環状壁は、壁厚を規定する、内周面を含む内径および外周面を含む外径を有する。頂部プレートはハウジング上にある。頂部プレートは、頂部プレートの厚さを規定する頂面および底面、ならびに内周面を含む内径および外径面を含む外径を有する。頂部プレートは、頂部プレートの厚さを貫いて延びる複数の開口を有する。複数の開口は、ハウジングの底部リングの複数の開口と位置合わせされている。カバープレートはカバープレート頂部壁およびカバープレート環状壁を有する。カバープレート頂部壁は、カバープレート頂部壁の厚さを規定する頂面および底面を有する。カバープレート環状壁は、壁厚を規定する、内径面を含む内径および外径面を含む外径を有する。カバープレート環状壁は、カバープレート頂部壁の底面から高さだけ延びており、ハウジング環状壁の内径よりも小さい外径を有する。
【0008】
列挙された本開示の特徴を詳細に理解することができるようにするため、そのうちのいくつかが添付図面に示されている実施形態を参照することにより、上に概要を簡単に示した本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意すべきである。これは、本開示が、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があるためである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による物理的気相堆積チャンバの頂部の上のマグネットアセンブリの等角図である。
【
図2】線2-2’に沿って切った、
図1の物理的気相堆積チャンバの頂部の上のマグネットアセンブリの部分断面図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリの等角図である。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリの分解図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのベースプレートの一部分の等角図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのシム(shim)の一部分の等角図である。
【
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのシムの一部分の等角図である。
【
図8】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのハウジングの等角図である。
【
図9】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのハウジングの上面図である。
【
図10】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリの頂部プレートの等角図である。
【
図11】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリのカバープレートの等角図である。
【
図12】本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の説明の前に、本開示は、以下の説明に記載された構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解すべきである。本開示は、他の実施形態を受け入れることができ、さまざまなやり方で実施または実行することができる。
【0011】
本明細書および添付された請求項で使用されているとき、用語「基板」は、プロセスが作用する対象の表面または表面の部分を指す。そうではないことが文脈から明らかである場合を除き、基板への言及が基板の一部分だけへの言及であることもありうることも当業者は理解するであろう。加えて、基板上に堆積させるとの言及が、裸の基板と、1つまたは複数の膜または特徴がその上に堆積したまたは形成された基板の両方を意味することもありうる。
【0012】
本明細書で使用されているとき、「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される任意の基板または基板上に形成された任意の材料表面を指す。例えば、その上で処理を実行することができる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイヤなどの材料、ならびに金属、金属窒化物、金属合金および他の導電性材料などの他の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されるわけではない。基板は、基板表面を研摩、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、eビーム硬化および/またはベークするための前処理プロセスにかけられることがある。基板自体の表面における直接膜処理に加えて、本開示では、開示された膜処理ステップの任意のステップが、後により詳細に開示される基板上に形成された下層に実行されることもあり、用語「基板表面」は、文脈が指示するそのような下層を含むことが意図されている。
【0013】
1つまたは複数の実施形態によれば、膜または膜の層に関する用語「~上にある」は、表面、例えば基板表面にその膜または層が直にあること、およびその膜または層と表面、例えば基板表面との間に1つまたは複数の下層があることを含む。したがって、1つまたは複数の実施形態では、句「基板表面上にある」は、1つまたは複数の下層を含むことが意図されている。他の実施形態では、句「~上に直にある」が、介在層なしで表面、例えば基板表面と接触した層または膜に関する。したがって、「基板表面上に直にある層」という句は、間の層なしに基板表面と直に接触した層を指す。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態は、バイアス/ソース比の最適化を必要としない装置および方法を提供する。頂部マグネットを調整することにより、エッチングプロファイルを大幅に変化させることができる。いくつかの実施形態は、チャンバの頂部の上にマグネットを配置することによって不均一性を低下させる。プロセスチャンバに外部定常磁場を導入してAr+イオン分布を最適化することができる。この外部磁場を調節して、Arスパッタエッチング速度不均一性(NU%)を改善することができる。例示的な実施形態では、現在の方法の不均一性を<4%に低減させることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバを開くことまたは他のチャンバ構成を変更することなくマグネットアセンブリを設置および最適化(調整)することができる。その結果、印加された強い磁場によって、エッチングプロファイルが、中心が高く/縁が低いものから、中心が低く/縁が高いものに変化する。マグネットの数、高さ、半径および極性を調節してプロファイルを平坦化し、NU%を改善することができる。いくつかの実施形態では、知られている方法の不均一性が約9%から約2%に低下する。
【0016】
さらに以下ではいくつかの実施形態のハードウェア部品について論じる。一般に、プラスチック(例えばナイロン)のベースプレートおよびシムがチャンバキャップに対して頂部マグネットリングを保持し、高さ調節を可能にする。ハウジング、頂部プレートおよびカバープレートがマグネットを支持する。組立てを容易にするためにアルミニウムの中にマグネットを保持するため、頂部プレートは、ステンレス鋼を用いてマグネットの数を調整するための孔(例えば48)を有する。マグネットは引力によって頂部プレート上に配置され、他の部分は機械的締め具(例えばねじ)によって保持される。
【0017】
図1および2を参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態はマグネットアセンブリ100を対象としている。マグネットアセンブリ100は、特に、物理的気相堆積(PVD)チャンバ200と一緒に使用されるように構成されている。
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリ100を備えるPVDチャンバ200の頂部の一部分を示している。
図2は、線2-2’に沿って切った、PVDチャンバ200およびマグネットアセンブリ100の一部分の部分断面図を示している。図示のPVDチャンバ200は、ファンカバー230を備えるファン220と、連動スイッチ210とを含む。図示のマグネットアセンブリ100はファン220の周りに広がっている。本開示の実施形態はPVDチャンバ200に関して説明されるが、マグネットアセンブリ100はPVDチャンバと一緒に使用することに限定されないこと、および調整可能なマグネットアレイがその中で使用される他の機器にマグネットアセンブリ100を組み込むことができることを当業者は認めるであろう。
【0018】
図3は、マグネットアセンブリ100、例えば
図1および2に示されているもののようなマグネットアセンブリ100の一実施形態を示している。
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、マグネットアセンブリ100の部品の分解図を示している。
図3および4に示されたマグネットアセンブリ100は、空の内部101を有する全体にリング形の構造体であり、スタック構成に配置されたベースプレート110、シム120、シム130(
図4に示されている)、ハウジング140、頂部プレート160およびカバープレート180を含む。図示の実施形態は、組立て目的のさまざまなノッチ102および位置合わせピン104を含む。
【0019】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるベースプレート110の一部分を示している。ベースプレート110は、ベースプレート110の厚さT
Bを規定する頂面111および底面112を有する。ベースプレート110は、ベースプレート110の幅W
Bを規定する、内周面113を含む内径および外周面114を含む外径を含む。
【0020】
いくつかの実施形態ではベースプレート110が2つ以上の部片を含む。例えば、図に示された実施形態は、接触またはほぼ接触するように端面116が配置されて全体にリング形のベース部品を形成するように組み立てることができる、2部分ベースプレート110を有する。いくつかの実施形態のこの分割片ベースプレートは、組立て中にプロセスチャンバから部品を取り外す必要がないように既存のプロセスチャンバ上にマグネットアセンブリ100を容易に後付けすることを可能にする。
【0021】
いくつかの実施形態ではベースプレート110が少なくとも2つの部分を含む。例えば、
図5に示されているもののような2つのベースプレート110を接続して単一のベースプレート110を形成することができる。いくつかの実施形態では、ベースプレート110が、単一のベースプレート110を形成するように接続された3つまたは4つの部片を含む。
【0022】
図5に示された実施形態は、内周面113から内側に延びる接続フランジ118を含む。接続フランジ118は、物理的締め具を使用してベースプレート110をプロセスチャンバに固定するための領域を提供する。
【0023】
ベースプレート110は、適当な任意の厚さTBとすることができ、適当な任意の幅WBを有することができる。いくつかの実施形態では、ベースプレート110の厚さTBが厚さ1/32インチ~1インチ(または1mm~25mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、ベースプレート110の幅WBが幅1/2インチ~4インチ(または12mm~100mm)の範囲にある。
【0024】
ベースプレート110は、当業者に知られている適当な任意の材料でできたものとすることができる。いくつかの実施形態ではベースプレート110が非導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、この非導電性材料が、アセタール、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒド、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネートまたはポリ塩化ビニル(PVC)のうちの1つまたは複数を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、マグネットアセンブリ100がさらに、少なくとも1つの任意選択のシム120、130を含む。
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態による任意選択のシム120の一部分を示している。
図7は、本開示の1つまたは複数の実施形態による任意選択の第2のシム130の一部分を示している。シム120、130は、厚さT
S1、T
S2を規定する頂面121、131および底面122、132を有する。シム120、130は、シム120、130の幅W
S1、W
S2を規定する、内周面123、133を含む内径および外周面124、134を含む外径を含む。
【0026】
いくつかの実施形態ではシム120、130が2つ以上の部片を含む。例えば、図に示された実施形態は、接触またはほぼ接触するように端面126、136が配置されて全体にリング形のシム部品を形成するように組み立てることができる、2部分シム120、130を有する。いくつかの実施形態のこれらの分割片シムは、組立て中にプロセスチャンバから部品を取り外す必要がないような形で既存のプロセスチャンバ上にマグネットアセンブリ100を容易に後付けすることを可能にする。
【0027】
いくつかの実施形態ではシム120、130が少なくとも2つの部分を含む。例えば、
図6および7に示されているもののような2つのシム120、130を接続して単一のシム120、130を形成することができる。いくつかの実施形態では、シム120、130が、単一のシムを形成するように接続された3つまたは4つの部片を含む。
【0028】
シム120、130は、適当な任意の厚さTS1、TS2とすることができ、適当な任意の幅WS1、WS2を有することができる。いくつかの実施形態では、シム120、130の厚さTS1、TS2が、独立して、厚さ1/32インチ~1インチ(または1mm~25mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、シム120、130の幅WS1、WS2が、独立して、幅1/2インチ~4インチ(または12mm~100mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、シム120、130が、ハウジング140を適当な高さまで持ち上げるのに十分な、合わせた厚さまたは単一の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ベースプレート110とハウジング140との間にシムが使用されない。いくつかの実施形態では、ベースプレート110とハウジング140との間に1つのシム120が使用される。いくつかの実施形態では、ベースプレート110とハウジング140との間に2つのシム120、130が使用される。いくつかの実施形態では、ベースプレート110とハウジング140との間に3つ以上のシムが使用される。
【0029】
シム120、130は、当業者に知られている適当な任意の材料でできたものとすることができる。いくつかの実施形態では、シム120、130が、独立して、非導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、この非導電性材料が、アセタール、ポリアセタール、ポリホルムアルデヒド、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネートまたはポリ塩化ビニル(PVC)のうちの1つまたは複数を含む。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態は、ハウジング140、またはハウジング140を含むマグネットアセンブリ100を対象としている。
図8は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるハウジング140を示している。
図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるハウジング140の上面図を示している。いくつかの実施形態では、ハウジング140が、空の内部141を有する全体にリング形の部品である。いくつかの実施形態のハウジング140は、ベースプレート110と直に接触してまたは1つもしくは複数の介在シム120、130を挟んでベースプレート110上に配置される。
【0031】
ハウジング140は底部リング142を有し、底部リング142は、底部リング142の厚さTBRを規定する頂面143および底面144を有する。底部リング142は、底部リング142の幅WBRを規定する、内周面144を含む内径および外周面145を含む外径を有する。いくつかの実施形態では、底部リング142の厚さTBRが1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、底部リング142の幅WBRが1インチ~4インチ(または25mm~100mm)の範囲にある。
【0032】
底部リング142は、底部リング142の厚さTBRを貫いて延びる複数の開口146を有する。いくつかの実施形態では、開口146が、底部リング142の頂面143から底部リング142の厚さTBRの一部分を貫いて距離だけ延びている。
【0033】
ハウジングの複数の開口146は組147を作って配置されている。開口146のそれぞれの組147は、底部リング142の中心148から外周面145まで延びるベクトルVBRに沿って整列している。開口の組の中のそれぞれの開口は、異なる半径または直径を有する開口146のリングを形成するように、中心148から異なる距離のところに配置されている。
【0034】
開口146のそれぞれの組147は、ベクトルVBRに沿って整列した適当な任意の数の開口を有することができる。図示の実施形態では、それぞれの組147が3つの開口146を有する。いくつかの実施形態では、それぞれの組147に3つの開口146があり、中心148の周りに開口146の3つのリングを形成しており、それぞれのリングは、中心148からの異なる半径を有する。いくつかの実施形態では、それぞれの組147が2つ以上の開口146を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの組147が2つ~5つの範囲の開口146を含む。
【0035】
中心148の周りに配置される開口146の組147の数はさまざまとすることができる。いくつかの実施形態では、6~120組の範囲の開口146の組147がある。いくつかの実施形態では、12~80組または24~60組の範囲の開口146の組147がある。
【0036】
ハウジング140は、底部リング142の頂面143から高さHAWだけ延びるハウジング環状壁150を含む。ハウジング環状壁150は、壁厚TAWを規定する、内周面151を含む内径および外周面152を含む外径を有する。いくつかの実施形態では、環状壁150の厚さTAWが1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、環状壁150の高さHAWが0.5インチ~2.5インチ(または12mmから62mm)の範囲にある。
【0037】
いくつかの実施形態では、ハウジング140が、環状壁150の頂部に頂部フランジ155を含む。いくつかの実施形態の頂部フランジ155は、環状壁150の外周面152から外側に延びる。いくつかの実施形態では、頂部フランジ155が、底部リング142の外周面と同じ直径を有する外周面157まで外側に延びる。いくつかの実施形態では、頂部フランジ157の頂面156と底面158との間に規定される頂部フランジ155の厚さTTFが、1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。
【0038】
いくつかの実施形態では、図に示されているように、底部リング142および/または頂部フランジ155が、外周面145、157に平面159を形成する面取りされた部分を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの平面159を形成する少なくとも1つの面取りされた部分がある。いくつかの実施形態では、平面159が、ハウジング140がプロセスチャンバ上の別の部品、例えば
図1に示された連動スイッチ210に隣接してぴったりと収まることを可能にするサイズに作られている。
【0039】
ハウジング140は適当な任意の材料でできたものとすることができる。いくつかの実施形態ではハウジング140が導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング140が、アルミニウムまたはステンレス鋼のうちの1つまたは複数を含む。
【0040】
いくつかの実施形態ではマグネットアセンブリ100が頂部プレート160を含む。
図10は、本開示の1つまたは複数の実施形態による頂部プレート160を示している。いくつかの実施形態の頂部プレート160はハウジング140の環状壁150上に配置される。いくつかの実施形態では、頂部プレート160が、ハウジング140の頂部フランジ155上に配置される。
【0041】
頂部プレート160は、空の内部161を有する全体にリング形の部品である。頂部プレート160は、頂部プレート160の厚さTTPを規定する頂面162および底面163を有する。頂部プレート160は、頂部プレート160の幅WTPを規定する、内周面164を含む内径および外径面165を含む外径を有する。
【0042】
頂部プレート160は、頂部プレート160の厚さTTPを貫いて延びる複数の開口166を有する。いくつかの実施形態では、開口166が、底面163から、頂部プレート160の厚さTTPを部分的に貫いて延びて、底面163に凹部を形成している。いくつかの実施形態では、頂部プレート160の厚さTTPが1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。
【0043】
複数の開口166は、ハウジング140の底部リング142の複数の開口146と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、複数の開口166が、ハウジング140の開口146の組147と位置合わせされた組167を作って配置されている。
【0044】
頂部プレート160の複数の開口166は組167を作って配置されている。開口166のそれぞれの組167は、頂部プレート160の中心168から外周面165まで延びるベクトルVTPに沿って整列している。開口の組167の中のそれぞれの開口166は、異なる半径または直径を有する開口166のリングを形成するように、中心168から異なる距離のところに配置されている。
【0045】
開口166のそれぞれの組167は、ベクトルVTPに沿って整列した適当な任意の数の開口を有することができる。図示の実施形態では、それぞれの組167が3つの開口166を有する。いくつかの実施形態では、それぞれの組167に3つの開口166があり、中心168の周りに開口166の3つのリングを形成しており、それぞれのリングは、中心168からの異なる半径を有する。いくつかの実施形態では、それぞれの組167が2つ以上の開口166を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの組167が2つ~5つの範囲の開口166を含む。
【0046】
中心168の周りに配置される開口166の組167の数はさまざまとすることができる。いくつかの実施形態では、6~120組の範囲の開口166の組167がある。いくつかの実施形態では、12~80組の範囲の開口166の組147または24~60組の範囲の開口166の組167がある。
【0047】
いくつかの実施形態では、図に示されているように、頂部プレート160が、外周面165に平面169を形成する面取りされた部分を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの平面169を形成する少なくとも1つの面取りされた部分がある。いくつかの実施形態では、平面169が、頂部プレート160がプロセスチャンバ上の別の部品、例えば
図1に示された連動スイッチ210に隣接してぴったりと収まることを可能にするサイズに作られている。
【0048】
頂部プレート160は適当な任意の材料でできたものとすることができる。いくつかの実施形態では頂部プレート160が導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、頂部プレート160が、アルミニウムまたはステンレス鋼のうちの1つまたは複数を含む。
【0049】
マグネットアセンブリ100のいくつかの実施形態はカバープレート180を含む。
図11は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるカバープレート180を示している。カバープレート180は、空の内部181を有する全体にリング形の部品である。カバープレート180はカバープレート頂部壁182を有し、カバープレート頂部壁182は、カバープレート頂部壁182の厚さT
CPを規定する頂面183および底面184を有する。いくつかの実施形態では、カバープレート180の厚さT
CPが1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。
【0050】
カバープレート180はカバープレート環状壁190を有し、カバープレート環状壁190は、環状壁厚TCAWを規定する、内径面191を含む内径および外径面192を含む外径を有する。カバープレート環状壁190は、カバープレート頂部壁182の底面184から高さHCPだけ延びており、ハウジング環状壁150の内周面151の内径よりも小さい外径を有する外径面192を有する。いくつかの実施形態では、環状壁190の厚さTCAWが1/16インチ~1/4インチ(または1.5mm~6mm)の範囲にある。
【0051】
カバープレート180は適当な任意の材料でできたものとすることができる。いくつかの実施形態ではカバープレート180が導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、カバープレート180が、アルミニウムまたはステンレス鋼のうちの1つまたは複数を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、図に示されているように、カバープレート180が、外周面185に平面189を形成する面取りされた部分を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの平面189を形成する少なくとも1つの面取りされた部分がある。いくつかの実施形態では、平面189が、カバープレート180がプロセスチャンバ上の別の部品、例えば
図1に示された連動スイッチ210に隣接してぴったりと収まることを可能にするサイズに作られている。
【0053】
マグネットアセンブリ100のいくつかの実施形態は1つまたは複数のマグネット195を含む。
図12は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるマグネットアセンブリ100の部分断面図を示している。いくつかの実施形態では、ハウジング140の開口146のそれぞれの組147がマグネット195を有する。いくつかの実施形態では、ハウジング140の開口146の組147の数よりも少数のマグネット195がある。いくつかの実施形態では、マグネット195が、ハウジング140と頂部プレート160との間に、それぞれのマグネット195が、ハウジング140および頂部プレート160の開口146、166と位置合わせされるように配置される。いくつかの実施形態では、マグネット195が、それぞれ開口166および開口146にぴったりとはまる頂部突起部196および底部突起部197を含む。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、組み立てられたときには、
図12に示されているように、カバープレート180の底部186は、シム120の頂面121(またはシム120が存在しない場合にはベースプレート110の頂面111)から距離187だけ離れている。いくつかの実施形態では、距離187が、0.01インチ~0.1インチ(または0.25mm~2.5mm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、組立て時に、カバープレート180の外周面182が、ハウジング140の内周面144から、0.005インチ~0.05インチ(または0.125mm~1.25mm)の範囲の距離だけ離隔している。いくつかの実施形態のマグネットアセンブリ100は、1つまたは複数の物理的コネクタ194(例えばボルトまたはねじ)を使用して一体に保持される。
【0055】
この明細書の全体を通じて、「1つの実施形態」、「ある種の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「一実施形態」に関する言及は、その実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、材料または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のさまざまな箇所における「1つまたは複数の実施形態では」、「ある種の実施形態では」、「1つの実施形態では」または「一実施形態では」などの句の出現が、本開示の同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、1つまたは複数の実施形態において、それらの特定の特徴、構造、材料または特性が適当な任意のやり方で組み合わされていてもよい。
【0056】
本明細書では、本開示を、特定の実施形態を参照して説明したが、記載された実施形態は本開示の原理および用途の単なる例であることを当業者は理解するであろう。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本開示の方法および装置にさまざまな修正および変更を加えることができることは当業者には明白であろう。したがって、本開示は、添付の請求項およびその等価物の範囲内の修正および変更を含むことができる。
【国際調査報告】