(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】着脱型バッテリ・パック付試験測定装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240905BHJP
G01R 31/3835 20190101ALI20240905BHJP
G01R 13/22 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H02J7/00 A
G01R31/3835
G01R13/22 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516689
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022043524
(87)【国際公開番号】W WO2023043834
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】バレンタイン・クリス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】トータ・プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】ラインホルド・スティーブ・ユー
(72)【発明者】
【氏名】クレム・ジョナサン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ケイル・ティモシー
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
【Fターム(参考)】
2G216BA03
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA11
5G503EA05
5G503FA07
5G503GD07
(57)【要約】
試験システムは、測定対象又は試験対象の1つ以上の信号を受ける1つ以上の入力部と、測定結果又は試験結果を出力するディスプレイと、試験測定装置を動作させる1つ以上のプロセッサと、試験測定装置を収容するシャーシと、1つ以上のプロセッサに電力を供給するために壁面コンセントから電力を受ける電力接続部とを有する試験測定装置を具える。試験システムは、更に、試験測定装置とメカ的及び電気的に着脱するよう構成され、試験測定装置から独立した外部バッテリ・パックを具え、外部バッテリ・パックは、1つ以上のプロセッサに電力を供給するための直流電源を有する。試験測定装置には、試験測定装置のシャーシ内に1つ以上のプロセッサに電力を供給するためのバッテリその他の電力蓄積装置がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験システムであって、
試験測定装置と、
該試験測定装置とメカ的及び電気的に着脱するよう構成され、上記試験測定装置から独立した外部バッテリ・パックと
を具え、
上記試験測定装置が、
測定対象又は試験対象の1つ以上の信号を受ける1つ以上の入力部と、
測定結果又は試験結果を出力するディスプレイと、
上記試験測定装置を動作させる1つ以上のプロセッサと、
上記試験測定装置を収容するシャーシと、
上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するために壁面電源から電力を受ける電力接続部と
を有し、
上記外部バッテリ・パックが上記1つ以上のプロセッサに電力を供給する直流電源を有し、
上記試験測定装置は、上記試験測定装置の上記シャーシ内に上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するためのバッテリを有していない
試験システム。
【請求項2】
上記外部バッテリ・パックは、上記外部バッテリ・パックが上記試験測定装置に電気的に結合されているか否かを検出するよう構成された検出回路を更に有する請求項1による試験システム。
【請求項3】
上記外部バッテリ・パックは、上記外部バッテリ・パック内に収容されたバッテリの放電状態を求めるよう構成された検出回路を更に有する請求項1による試験システム。
【請求項4】
上記試験測定装置が、上記外部バッテリ・パック中の上記検出回路の出力によって定まる電力配給機能を有する請求項3による試験システム。
【請求項5】
上記試験測定装置と上記外部バッテリ・パックの間に結合され、上記試験測定装置と上記外部バッテリ・パックの間で電力管理情報を伝送するための通信バスを更に具える請求項1による試験システム。
【請求項6】
上記外部バッテリ・パックが、着脱型セルを有する請求項1による試験システム。
【請求項7】
上記外部バッテリ・パックが、2つの着脱型セルを有し、上記外部バッテリ・パックが上記1つ以上のプロセッサに電力を供給しながら、上記着脱型セルの1つを上記外部バッテリ・パックから取り外すことができる請求項6による試験システム。
【請求項8】
上記外部バッテリ・パックが、VESA装着機構を有する請求項1による試験システム。
【請求項9】
上記外部バッテリ・パックが、把持する行為へと人を誘導するよう示唆を与えるよう構成された1つ以上のハンド・グリップを有する請求項1による試験システム。
【請求項10】
上記外部バッテリ・パックは、比較的平らな背面を有し、上記1つ以上のハンド・グリップは、上記比較的平らな背面内の凹みとして形成される請求項9による試験システム。
【請求項11】
上記1つ以上のハンド・グリップは、ハンド・グリップの部分に対して鋭角な側壁面を有する請求項9による試験システム。
【請求項12】
上記試験測定装置であって、
測定対象又は試験対象の1つ以上の信号を受ける1つ以上の入力部と、
測定結果又は試験結果を出力するディスプレイと、
上記試験測定装置を動作させる1つ以上のプロセッサと、
上記試験測定装置を収容するシャーシと、
上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するために商用電源から電力を受ける電力接続部と、
上記試験測定装置が、上記商用電源ではなくて、上記試験測定装置を収容している上記シャーシの外にある直流電源に結合されているか否か検出する直流受信回路と
を具える試験測定装置。
【請求項13】
上記試験測定装置は、上記試験測定装置の上記シャーシ内に上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するバッテリを有していない請求項12による試験測定装置。
【請求項14】
上記試験測定装置は、上記直流受信回路の状態に応じて、上記商用電源又は上記直流電源のいずれかから上記1つ以上のプロセッサに電力を配給する請求項13による試験測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定装置に関し、より詳しくは、ハンドヘルド・オシロスコープなどのポータブル試験測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オシロスコープなどの試験測定装置は、従来、壁面電源(壁面コンセント)に接続される、かなり大きなベンチトップ装置であった。これらのベンチトップ装置はかさばって面倒で、作業台上の大量のスペースを占有し、重量のために移動が困難であった。その結果、試験測定装置は、もっぱら作業スペースに設置され、そのままにされており、可搬できるものではなかった。時間が経つにつれて、試験測定装置のメーカーは、試験測定装置のサイズと重量を削減し、ポータブルでハンドヘルドな装置を製造できるようになり、デスクトップから離れた現場で使用できる試験測定装置のニーズに応えることができるようになった。一部の試験測定装置メーカーは、タブレット・コンピューティング・デバイス市場で見られる開発に合わせて、フラット・フォーム・ファクタを備えたバッテリ駆動の「タブレットのような」オシロスコープを導入している。これらのタブレット型オシロスコープには、取り外すことができない内蔵バッテリが一体化されている。
【0003】
タブレットは、壁面電源から切り離されたとき最も頻繁に使用されるので、典型的なタブレット・コンピューティング・デバイスにおいて内蔵バッテリなのは、こうしたタイプのデバイスでは予期されており、許容範囲ではある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-115128号公報
【特許文献2】特開2019-164153号公報
【特許文献3】特開2003-028939号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「テクトロニクス社のオシロスコープ」紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2024年5月11日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscilloscopes>
【非特許文献2】「アフォーダンス」の記事、Wikipedia(日本語版)、[online]、[2024年5月12日検索]、インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/アフォーダンス>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、試験測定装置は、タブレット・コンピューティング・デバイスではない。調査によると、携帯性も依然として重要ではあるが、試験測定装置のユーザの70%は、試験測定装置を壁面電源に接続できる環境で装置を使用するであろうことを示している。更に、試験測定装置用のバッテリは、一般的なタブレット・コンピューティング・デバイス用のバッテリよりも大きくて重いため、バッテリ駆動の試験測定装置には、ユーザにとって、依然としてサイズと重量の問題がある。こうしたことから、多くのユーザにとって、現場での環境に適したバッテリ駆動の試験測定装置の携帯性は魅力的ではあるが、最も必要なのは、長年のサイズと重量の懸念を最小限に抑えたベンチトップの試験測定装置である。従って、タブレット・コンピューティング・デバイスで見られる改善は、試験測定装置のマーケットにとっては、最良のソリューションではない。むしろ、現場における携帯性と、研究所に適した小型化の両方を可能にする改善が必要である。
【0007】
本開示技術の実施形態は、既存の試験測定装置のこれら及び他の制約に対処するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示技術の実施形態による、試験測定装置と、この装置に電源を供給するオプションの着脱可能なバッテリ・パックの分解正面斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示技術の実施形態による
図1の試験測定装置及び着脱可能なバッテリ・パックの分解背面斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示技術の実施形態による、装置にインストール及び装着された着脱可能なバッテリ・パックを示す
図1の試験測定装置の側面斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示技術の実施形態による
図1の着脱可能なバッテリ・パックの背面斜視図であり、更に細部を示している。
【
図5】
図5は、
図4よりも低い角度からの本発明の実施形態による
図1の着脱可能なバッテリ・パックの別の背面斜視図であり、一体型ハンド・グリップを示している。
【
図6】
図6は、実施形態による
図1の着脱可能なバッテリ・パックの更に別の背面斜視図であり、複数のバッテリ・セルと、これらセル用の受入スロットを示す。
【
図7】
図7は、本開示技術の実施形態による
図1の試験測定装置と着脱可能なバッテリ・パックとの間の電力及び通信接続関係を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示技術の実施形態による着脱可能なバッテリ・パックに結合するための電力管理回路を含む試験測定装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本開示技術の実施形態による試験測定装置10と、試験測定装置10に電力を供給するためのオプションの着脱可能なバッテリ・パック50の分解正面斜視図である。上述のように、オシロスコープなどのほとんどの試験測定装置は、コードを介して試験測定装置を壁面電源(壁面コンセント)に接続し、試験測定装置に電力を供給できる環境で使用される。標準的な壁面電源は、地域の電力規格に応じて、110~240ボルト及び50~60Hzで動作するAC(交流)信号によって供給される。
【0010】
本発明の実施形態は、壁面電源に加えて、試験測定装置10に電力を供給するための電源を提供するもので、追加の電源は、着脱可能なバッテリ・パック50である。バッテリ・パック50は、メカ(機械)的及び電気的に試験測定装置10に取り付けられても良いし、必要ない場合には、試験測定装置から取り外されても良い。取り付けられると、後述するバッテリ・パック50内のバッテリ又はセルから電力が供給され、試験測定装置に電力が供給される。このため、バッテリ・パック50が試験測定装置10に装着されたら、試験測定装置を壁面電源から切り離してもよく、持ち運び可能な試験測定装置となる。そして、後述するように、従来のバッテリ駆動の装置とは異なり、試験測定装置10自体は、バッテリ・パック50とは別に、試験測定装置に電力を供給するバッテリ又は任意のエネルギー蓄積装置を含まない。換言すれば、試験測定装置10のケース又はシャーシ(chassis:筐体)内には、試験測定装置に電力を供給するためのバッテリはない。その代わりに、試験測定装置10内の唯一のバッテリは、絶え間なく日付/時刻回路に電力を供給するバッテリなど、試験測定装置に電力を供給する以外の機能を実行する。試験測定装置10と試験測定装置10に外部電力を供給する着脱可能なバッテリ・パック50との間のこの協調により、試験測定装置が重くてかさばる電源供給バッテリなしで製造されるので、試験測定装置がコンパクトで軽量となる。このため、試験測定装置10を壁面電源に常に結合するユーザにとって、バッテリが試験測定装置10内に含まれていないため、試験測定装置は、最大限コンパクトで軽量なものとなる。そして、試験測定装置10をどうしても持ち運んで使用したいユーザは、単純にバッテリ・パック50を結合して動作電力を供給すれば良い。試験測定装置10及び着脱可能なバッテリ・パック50は、以下に詳述される多くの特徴を含む。
【0011】
図1及び
図2に示すように、着脱可能なバッテリ・パック50は、物理的及び電気的に装置同士を結合することによって、試験測定装置に設置されても良い。バッテリ・パック上の位置決めピン57は、試験測定装置10の裏面にある受入穴17に挿入される。受入穴17は、位置特定ピン57に機械的に取り付けられる形態を有していても良いが、他の場合では、受入穴17が、試験測定装置10の背面パネルに形成された単なる凹んだ穴であっても良い。図示の実施形態では、位置決めピン57は、バッテリ・パック50の前面において、以下に説明する電気インタフェース52から対角線上に位置する。
図1では1つの位置決めピン57のみが図示されているが、任意の数の位置決めピンが、バッテリ・パック50の表面から延びて形成され、試験測定装置10のそれぞれ対応する受入穴17で受けるようにしても良い。
図1にも図示されるメカ(機械)的取付装置53は、図示される実施形態では、ねじであり、バッテリ・パック50を試験測定装置10にメカ(機械)的に固定する。ねじ山付き受入穴13は、
図1に例示するように、ねじを受け入れるように試験測定装置10の裏面に形成される。
【0012】
バッテリ・パック50の電気的インタフェース52(
図1)は、バッテリ・パックと試験測定装置10との間の電気的接続を提供する。この電気的インタフェース52は、試験測定装置10とバッテリ・パック50との間で、双方向に電力を供給する。バッテリ・パック50は、試験測定装置10に電力を供給しても良いし、又は、試験測定装置が壁面電源にも結合されている場合、充電回路が、バッテリ・パックに電力を供給して、内部のセル(電池)を充電しても良い。また、電気インタフェース52には、試験測定装置10とバッテリ・パック50との間で情報を通信するために使用されるデータ通信インタフェースがある。
【0013】
試験測定装置10には、
図2に例示される電気機械的レシーバ12があり、これは、試験測定装置に結合されるときにバッテリ・パック50の電気インタフェース52と嵌合する。いくつかの実施形態では、バッテリ・パック50を試験測定装置10に取り付けるとき、電気インタフェース52のグラウンド接続が、電気機械的レシーバ12への第1電気コンタクトである。電気機械的レシーバ12は、試験測定装置10の内部の構成要素に戻るリボン接続線を有していてもよい。電気的レシーバのカバーは、電気機械的レシーバ12から取り外して、
図1に示されるバッテリ・パック50の一時収納庫54に収納されても良い。図示の実施形態では、バッテリ・パック50の電気インタフェース52と試験測定装置の電気機械的レシーバ12との間は、直接接続され、これは、バッテリ・パックを試験測定装置に接続するためのケーブルが不要であることを意味する。もちろん、必ずしも望ましいとは限らないが、別の実施形態では、バッテリ・パック50と試験測定装置10との間のケーブルが、電気インタフェース52及び電気機械的レシーバ12の代わりに、又は、これらに加えて使用されても良い。
【0014】
図3は、着脱可能なバッテリ・パック50に物理的及び電気的に結合された試験測定装置10を示す。
図3に見られるように、試験測定装置自体の内部にではなく、別個のバッテリ・パック50に試験測定装置に電力を供給するバッテリを保有することにより、試験測定装置内にバッテリが含まれていた場合よりも、はるかに薄い外形で試験測定装置を形成できる。また、試験測定装置10の重量は、バッテリがそのシャーシ内に含まれていた場合よりも、約50%も大幅に少ない。バッテリ・パック50無しで試験測定装置10が使用される場合、試験測定装置10は比較的フラットで軽量である。このような構成の試験測定装置10は、使いやすいフォーム・ファクタ・サイズを有する。この状態では、試験測定装置10は容易に移動可能であり、ベンチトップ上の最小限のスペースを占有し、これにより、研究所の環境で以前に経験した制約に対処する。そして、
図3に例示されるように、バッテリ・パックが試験測定装置10に結合されると、組み合わせた装置は、組み合わされた装置が試験測定装置にそれ自身で電力を供給するので、壁面電源から離れて、現場で試験測定装置を便利に利用することが可能になる。
【0015】
図4は、本開示技術の実施形態による
図1の着脱可能なバッテリ・パック50の背面斜視図であり、更に詳細を示す。例えば、バッテリ・パック50の裏面51には、VESA(Video Electronics Standards Association)のFDMI(Flat Display Mounting Interface:通称、VESAマウント)規格に準拠したものなどのようなVESA規格互換のパターンで間隔を設けた1つ以上の取り付けポイント60があり、スタンド、ホルダ又はその他のVESA互換の取り付けアクセサリにバッテリ・パックを取り付けられる。試験測定装置10にも、上述のようなVESAマウント(装着機構)があるので、試験測定装置10は、バッテリ・パック50の装着の有無に関係なく、スタンド、ホルダ又は他のVESA準拠のアクセサリに取り付けられる。また、バッテリ・パック50は、スタンド、ホルダ又は他のVESA互換アクセサリの位置決めを支援し、バッテリ・パック50へのより緊密な接続を提供するために、任意の数の位置決め(keying)スロット70を有していても良い。
【0016】
図4は、また、複数の取付(mounting)穴58を示しており、この実施形態では、4つの角の近くに位置し、それを通して、取付装置(53、
図1)又は他のファスナ(留め具)を使用して、バッテリ・パック50を通して試験測定装置10に機械的に接続できる。このような方法で機械的に接続すると、試験測定装置10とバッテリ・パックとが携帯しやすいように単一のユニットとなる。
【0017】
図示のフィンのような通気構造59は、バッテリ・パックのための冷却経路を提供し、バッテリ・パック50によって発生することがある熱を外部に排出可能にする。熱は、例えば、バッテリ・パック50内のセルが再充電されるときに発生することがあり、また、通常の装置動作中にも発生することがある。
【0018】
図4及び
図5に描かれるように、バッテリ・パック50には、一体型ハンド・グリップ80もあり、これらは、バッテリ・パック50の裏面51の左右の端部のそれぞれに凹部として構成される。1つの構成例では、ハンド・グリップ80用の凹部は、ユーザが試験測定装置を保持する容易さと快適さを最適化する深さに設定される。一実施形態において、ハンド・グリップの深さは、およそ14mmと28mmの間であり、好ましくは14mm以上である。また、
図4及び
図5に描かれているように、ハンド・グリップ80の高さは、バッテリ・パック50自体とほぼ同じ高さまで延びているが、他の実施形態では、ハンド・グリップの高さは、これらの図に描かれているサイズとは異なるサイズであっても良い。いくつかの実施形態では、ハンド・グリップ80は、側壁面82の下の方に切り込み(undercut:アンダーカット)を設けても良く、これらは、ハンド・グリップの底面に対して凹み又は鋭角に形成される。いずれの場合も、アンダーカットの有無にかかわらず、ハンド・グリップ80を形成する側壁面82と凹部との組み合わせは、人間の手がハンド・グリップ80を把持することを容易にする構造を提供し、それによって、バッテリ・パック50を把持することを容易にする構造を提供する。このように、ハンド・グリップ80に指を挿入して拳を閉じ、更におそらくは、試験測定装置10の前面に親指をかけることにより、ユーザは、試験測定装置10及び取り付けられたバッテリ・パック50を容易に保持及び移動させることができる。
【0019】
図6は、いくつかの実施形態において、着脱可能なバッテリ・パック50が、バッテリ・パック・アクセス・パネル90を有していても良いことを示し、これらは、バッテリ・セル92の挿入及び取り外しを可能にする。図示の実施形態では、着脱可能なバッテリ・パック50が、それぞれ1つのバッテリ・セル92を収容するための2つのスロット94を有する。セル92及びスロット94は、セルがバッテリ・パック50内の回路と電気的に接触するように適切な向きでのみ挿入できるようにキー(key)が付けられている。いくつかの実施形態では、バッテリ・セル92は、充電式リチウム・イオン・バッテリであっても良いが、他の実施形態では、他のタイプのバッテリが使用されても良い。充電式バッテリは、多くの場合、長いけれども有限の寿命を有するので、バッテリ・セル92を定期的に交換可能とすることは、バッテリ・パック50に機能性及び長い寿命を与えることになる。セル92が挿入された後、アクセス・パネル90は閉じられ、ラッチされて、動作中、セル92を所定の位置に保つ。
【0020】
いくつかの実施形態では、バッテリ・セル92はホット・スワップ可能であってもよく、これは、一方のバッテリ・セル92が動作している間に、他方を取り外しても良いことを意味する。ユーザは、例えば、重量を減らしたければ、バッテリ・セル92の1つを取り外すこともできる。又は、ユーザは、第1のセルが試験測定装置を動作させている間に、外部の充電器(図示せず)で、もう1つのセルを充電したいと考えることもあるだろう。しかし、典型的には、ユーザは、より長いバッテリ駆動時間のために、両方のバッテリ・セル92をバッテリ・パック50に取り付けるであろう。
【0021】
概して、ユーザは、バッテリ・パックを試験測定装置10に取り付ける前に、両方のバッテリ・セル92をバッテリ・パック50から取り外すことが好ましい。バッテリ・セル92をバッテリ・パックから取り外すと、電気機械的レシーバ12(
図2)がバッテリ・パック50の電気インタフェース52(
図1)と結合するときに、試験測定装置10に浮遊電圧が印加されないことが保証される。後述する保護回路が、セル92が既に取り付けられた状態でバッテリ・パックが試験測定装置に取り付けられたときに、試験測定装置の損傷を防ぐために、バッテリ・パック50に含まれても良い。
【0022】
図7は、試験測定装置100(上述した装置10の実施形態の一例であっても良い)と、バッテリ・パック150(バッテリ・パック50の実施形態の一例であっても良い)との間の電力、通信及びセーフティ(safety:安全、危険防止)接続を示す機能ブロック図である。上述のように、これら2つの装置間の電力及び通信接続は、バッテリ・パック50の電気インタフェース52と試験測定装置10の電気的レシーバ12との間の電気的接続又は他の何らかの電気的インタフェースを介して行われる。
【0023】
試験測定装置100とバッテリ・パック150との間で通信されるデータは、スマート・バッテリ・ネットワークで使用される規定のSMBusのような通信バス上で伝送されても良い。
図7では、データ通信は、2つのSMBusノード(試験測定装置100上のノード110と、バッテリ・パック150上のノード160)に一般化されている。しかし、アプリケーションでは、例えば、バッテリ充電回路、システム・ホスト、セル自体など、SMBusに結合される多数のコンポーネントがあっても良い。
図7では、図示された全てのコンポーネントが、SMBus又は他の通信チャンネルを介して互いに通信するとしても良い。
【0024】
電力の配給及び管理のために、試験測定装置100は、整流回路/リミッタ120を介して壁面電源(壁面コンセント)に結合される。整流回路/リミッタ120は、壁面電源を直流(DC)電圧に変換し、20ボルト又は24ボルトなどの特定の動作電圧に制限する。いくつかの実施形態では、整流回路/リミッタ120の整流回路又はリミッタのいずれかの機能は、試験測定装置100から独立したデバイスで実行されても良く、このデバイスは、試験測定装置と交流(AC)壁面電源との間に配置される。よって、このような場合、試験測定装置100は、直流電源を受けることになるが、こうした直流電源は、元々は、交流壁面電源への接続から来ている。
【0025】
バッテリ検出スイッチ130は、バッテリ・パック150上のバッテリ検出部170から信号を受信し、一実施形態では、バッテリ・セル192の電圧(もしあれば)を監視する分圧回路である。バッテリ検出部170が、バッテリ・セル192がバッテリ・パック150に挿入されていない又は任意のセル192に十分な充電がないと判断した場合、バッテリ検出スイッチ130は閉じられ、整流回路/リミッタ120からの電力が試験測定装置のハードウェアに直接供給され、試験測定装置100は、バッテリ・パック150からの電力ではなく、壁面電源からの電力のみで動作する。
【0026】
代わりに、バッテリ検出部170が、バッテリ・パック150に挿入された任意のセル192が、試験測定装置のハードウェア140を動作させるのに十分な電力を有すると判断した場合、バッテリ検出スイッチ130が開かれ、試験測定装置のハードウェアを動作させる電力は、バッテリ・パック150から来る。
【0027】
バッテリ検出部170と呼んでいるが、検出部170は、また、バッテリ・パック150が試験測定装置100に電気的に結合されているかも判断する。もしそうであれば、検出部170は、試験測定装置及びバッテリ・パック150の両方に、それらが互いに接続されていることを通知する。このような通知は、SMBusを介して伝達されても良い。
【0028】
電力経路制御部180は、試験測定装置100に供給する電源を決定する。例えば、セル192が完全に充電されている場合、電力経路制御部180は、電源スイッチ182に複数のセル192の中の1つから電力を配給させて、試験測定装置のハードウェア140を動作させる。セルの1つが消耗した場合又はその充電が他方のセルを下回ったとき、電力経路制御部は、電源スイッチに、他方のセル192からの電力を配給させても良い。いくつかの実施形態では、電力は、両方のセル192から試験測定装置100に配給されても良い。また、バッテリ検出部170は、セル192がバッテリ・パック150に挿入されているものの、試験測定装置のハードウェア140を駆動するのには十分な電圧を欠いていることを認識できる。このような場合、電力経路制御部180は、試験測定装置100から受けた電力を、電源スイッチ182を通して迂回経路に戻して試験測定装置100に戻し、試験測定装置のハードウェア140に電力を供給するようにする。このような方法で動作することにより、バッテリ・パック150は、バッテリ・パックが試験測定装置に接続されているときに、様々な電源と試験測定装置100との間の電力配給のほとんどを実際に制御する。
【0029】
電力経路制御部180には、バッテリ充電回路184も結合され、これは、セルの一方又は両方が充電を必要とするときにセル192を充電するように機能する。セルを充電する電力は、試験測定装置100の整流器/リミッタ120から来る。上述したように、バッテリ・パック150からセル192を取り外し、外部のバッテリ充電器によって充電することも可能である。
【0030】
SMBus上のデータ通信は、試験測定装置100とバッテリ・パック150とが互いに通信することを可能にし、そのため、試験測定装置100は、電力管理システムの詳細が常にわかる。これらの詳細は、ユーザ・インタフェース上で、電力状態画面のような電力状態の表示をユーザに示すことなどによって、試験測定装置100のユーザに伝達されても良い。ユーザに表示されることがある情報は、セル192の一方又は両方がバッテリ・パック150に挿入されているかどうか、セル192の電池残量、並びにセルが電池切れ又は完全に充電されるまでの予測時間を含む。状態表示は、また、例えば、バッテリ・パック150が試験測定装置100に結合されておらず、壁面電源に結合されている場合に、電源コードを表示しても良い。
【0031】
試験測定装置100内の外部グランド回路142は、グランド・ケーブルを介して試験測定装置を外部グランドに結合するために使用されても良い。グランド回路142を介したグランド接続を含むことは、試験測定装置が電気的グランドに結合されていない場合に起こり得る、試験測定装置100のケース又はシャーシを介してユーザが電気ショックを受けるのを防ぐのに有益であろう。
【0032】
図8は、上述のように、壁面コンセントへの有線接続を介して又は外部バッテリ・パックから電力を受け取る、オシロスコープなどの試験測定装置200の構成要素例のブロック図である。試験測定装置200は、上述した試験測定装置10又は100の一例であっても良い。試験測定装置200は、1つ以上のポート202を含み、これは、任意の電気信号伝達媒体であってよい。ポート202は、受信機、送信機又はトランシーバを有していても良い。各ポート202は、試験測定装置200のチャンネルである。ポート202は、1つ以上のプロセッサ216と結合されて、1つ以上の被試験デバイス(DUT)からポート202で受信された信号や波形を処理する。
図8では、説明を簡潔にするために、1つのプロセッサ216のみが図示されているが、当業者であればわかるように、単一のプロセッサ216ではなく、様々なタイプの複数のプロセッサ216を組み合わせて使用しても良い。
【0033】
ポート202は、また、プロセッサ216を介して又は直接接続を介して、試験測定装置200内の測定ユニット220に接続することもできる。測定ユニット220は、ポート202を介して受信された信号の特性(例えば、電圧、アンペア数、振幅、パルス幅など)を測定できる任意の構成要素を含むことができる。試験測定装置200は、更なる分析のために受信信号を波形に変換するためのコンディショニング回路、アナログ・デジタル・コンバータ又は他の回路などの追加のハードウェアやプロセッサを有していても良い。得られた波形は、次いで、メモリ210に記憶されるのに加えて、表示部(ディスプレイ)212で表示されても良い。
【0034】
1つ以上のプロセッサ216は、メモリ210からの命令を実行するように構成されてもよく、試験測定装置が受信した入力信号を表示及び変更するなど、そのような命令によって示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。メモリ210は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ又は他の任意のメモリ形式として実装されても良い。メモリ210は、データ、コンピュータ・プログラム・プロダクト及び他の命令を記憶するための媒体として作用する。
【0035】
ユーザ入力部214は、プロセッサ216に結合される。ユーザ入力部214は、試験測定装置200をセットアップ及び制御するのにユーザが利用できるキーボード、マウス、タッチスクリーン又は任意の他の操作装置を有しても良い。ユーザ入力部214は、表示部212上のグラフィカル・ユーザ・インタフェースを含んでもよい。ユーザ入力部214は、試験測定装置200でのユーザからの又はリモート・デバイスからのプログラム入力を更に含んでもよい。表示部212は、メニュー、波形、測定値及び他のデータをユーザに表示するためのデジタル画面又は任意の他のモニタであっても良い。試験測定装置200の構成要素は、試験測定装置200内に統合されているように描かれているが、当業者にはわかるように、これらの構成要素のいずれかが試験装置200の外部にあっても良く、任意の従来の方法(例えば、有線や無線の通信媒体や機構)で試験装置200に結合されても良い。例えば、いくつかの実施形態において、表示部212は、試験測定装置200から遠隔にあってもよいし、又は、試験測定装置200が、試験測定装置200上で出力を表示するのに加えて、遠隔の装置(リモート・デバイス)に出力を送るように構成されても良い。更なる実施形態では、試験測定装置200からの出力は、クラウド装置に結合された他のマシンからアクセス可能なクラウド装置などの遠隔の装置に送信又は記憶されても良い。
【0036】
試験測定装置200には、試験測定装置200を動作させるために電力を供給する電力管理システム230もある。上述のように、試験測定装置200は、AC電源としても知られる壁面電源(壁面コンセント)に結合されてもよく、これは、典型的には、50~60Hzで、110~240ボルトの動作電圧を有する交流電力を供給する。電力管理システム230は、オプションで、外部バッテリ・パックにも結合され、また、
図7を参照して上述した電力管理コンポーネントを含んでもよい。先に詳細に説明したように、電力管理システム230は、外部バッテリ・パックが試験測定装置200に接続されているか否かを判定する。試験測定装置200は、上述のように、外部バッテリ・パックの現在の電力容量に応じて、外部バッテリ・パック内のセルを充電するか、又は、試験測定装置200を動作させる電力を受けても良い。
【0037】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0038】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0039】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0040】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
実施例
【0041】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0042】
実施例1は、試験システムであって、
試験測定装置と、
該試験測定装置とメカ的及び電気的に着脱するよう構成され、上記試験測定装置から独立した外部バッテリ・パックと
を具え、
上記試験測定装置が、
測定対象又は試験対象の1つ以上の信号を受ける1つ以上の入力部と、
測定結果又は試験結果を出力するディスプレイと、
上記試験測定装置を動作させる1つ以上のプロセッサと、
上記試験測定装置を収容するシャーシ(chassis)と、
上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するために壁面コンセント(壁面電源)から電力を受ける電力接続部と
を有し、
上記外部バッテリ・パックが上記1つ以上のプロセッサに電力を供給する直流電源を有し、
上記試験測定装置は、上記試験測定装置の上記シャーシ内に上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するためのバッテリを有していない。
【0043】
実施例2は、実施例1による試験システムであって、上記外部バッテリ・パックは、上記外部バッテリ・パックが上記試験測定装置に電気的に結合されているか否かを検出するよう構成された検出回路を更に有している。
【0044】
実施例3は、上記実施例のいずれかによる試験システムであって、上記外部バッテリ・パックは、上記外部バッテリ・パック内に収容されたバッテリの放電状態を求めるよう構成された検出回路を更に有している。
【0045】
実施例4は、実施例3による試験システムであって、上記試験測定装置が、上記外部バッテリ・パック中の上記検出回路の出力によって定まる電力配給機能を有している。
【0046】
実施例5は、上記実施例のいずれかによる試験システムであって、上記試験測定装置と上記外部バッテリ・パックの間に結合され、上記試験測定装置と上記外部バッテリ・パックの間で電力管理情報を伝送するための通信バスを更に具える。
【0047】
実施例6は、上記実施例のいずれかによる試験システムであって、上記外部バッテリ・パックが、着脱型セルを有する。
【0048】
実施例7は、実施例6による試験システムであって、上記外部バッテリ・パックが、2つの着脱型セルを有し、上記外部バッテリ・パックが上記1つ以上のプロセッサに電力を供給しながら、上記着脱型セルの1つを上記外部バッテリ・パックから取り外すことができる。
【0049】
実施例7は、上記実施例のいずれかによる試験システムであって、上記外部バッテリ・パックが、VESA装着機構を有する。
【0050】
実施例8は、上記実施例のいずれかによる試験システムであって、上記外部バッテリ・パックが、グリップのアフォーダンス(grip affordance:グリップ(把持)する行為ヘと人を誘導するよう示唆)を与えるよう構成された1つ以上のハンド・グリップを有する。
【0051】
実施例9は、実施例8による試験システムであって、上記外部バッテリ・パックは、比較的平らな背面を有し、上記1つ以上のハンド・グリップは、上記比較的平らな背面内の凹みとして形成される。
【0052】
実施例10は、実施例8による試験システムであって、上記1つ以上のハンド・グリップは、ハンド・グリップの部分に対して鋭角な側壁面を有する。
【0053】
実施例11は、上記試験測定装置であって、
測定対象又は試験対象の1つ以上の信号を受ける1つ以上の入力部と、
測定結果又は試験結果を出力するディスプレイと、
上記試験測定装置を動作させる1つ以上のプロセッサと、
上記試験測定装置を収容するシャーシ(chassis)と、
上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するために商用電源から電力を受ける電力接続部と、
上記試験測定装置が、上記商用電源ではなくて、上記試験測定装置を収容している上記シャーシの外にある直流電源に結合されているか否か検出する直流受信回路と
を具える。
【0054】
実施例12は、実施例11による試験測定装置であって、上記試験測定装置は、上記試験測定装置の上記シャーシ内に上記1つ以上のプロセッサに電力を供給するバッテリを有していない。
【0055】
実施例13は、実施例11~12のいずれかによる試験システムであって、上記試験測定装置は、上記直流受信回路の状態に応じて、上記商用電源又は上記直流電源のいずれかから上記1つ以上のプロセッサに電力を配給する。
【0056】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0057】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0058】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【国際調査報告】