(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-12
(54)【発明の名称】燃費効率がよく剪断安定性を有するアクスル潤滑剤
(51)【国際特許分類】
C10M 169/04 20060101AFI20240905BHJP
C10M 107/02 20060101ALN20240905BHJP
C10M 145/14 20060101ALN20240905BHJP
C10M 143/00 20060101ALN20240905BHJP
C10M 143/06 20060101ALN20240905BHJP
C10M 145/26 20060101ALN20240905BHJP
C10M 129/72 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
C10M169/04
C10M107/02
C10M145/14
C10M143/00
C10M143/06
C10M145/26
C10M129/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519526
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 US2022045311
(87)【国際公開番号】W WO2023055979
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴヤル,アルジュン,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】モッシャー,ドンナ マエ
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA07A
4H104BB23C
4H104CA01C
4H104CA04A
4H104CB14C
4H104DA02A
4H104EB05
4H104EB07
4H104EB08
4H104EB09
4H104EB10
4H104LA20
4H104PA01
4H104PA03
(57)【要約】
潤滑剤組成物であって、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて約30重量%~約70重量%の量のポリアルファオレフィン基油成分と、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて30重量%までの量の増粘剤とを含む。この潤滑剤組成物は、それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤組成物であって、
前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて約30重量%~約70重量%の量のポリアルファオレフィン基油成分と、
前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて30重量%までの量の増粘剤と
を含み、
それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStである、
潤滑剤組成物。
【請求項2】
前記増粘剤が、オレフィンコポリマー(OCP)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリイソブテン(PIB)、油溶性ポリアルキルグリコール(PAG)(OSP)、高粘度ポリアルファオレフィン(PAO)、及びこれらの混合物の群から選択される、請求項1に記載の潤滑剤組成物。
【請求項3】
第2の増粘剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の潤滑剤組成物。
【請求項4】
ジエステルをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項5】
酸化防止剤、腐食防止剤、泡制御添加剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤、洗浄剤、及び粘度指数向上剤の群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有する添加剤パッケージをさらに含み、分散剤を実質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項6】
アクスル潤滑剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項7】
前記ポリアルファオレフィン基油成分が、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて約50重量%~約60%の量で含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項8】
それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約9cSt~約12cStであり、40℃での動粘度が約50cSt~約60cStである、請求項1~7のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項9】
前記第2の増粘剤が、約5重量%までの量で含まれる、請求項3に記載の潤滑剤組成物。
【請求項10】
前記第2の増粘剤が、ポリイソブテンである、請求項3に記載の潤滑剤組成物。
【請求項11】
前記エステルが、約35重量%までの量で含まれる、請求項4に記載の潤滑剤組成物。
【請求項12】
消泡剤をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項13】
前記消泡剤が、約0.001重量%~約1重量%の量で含まれる、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項14】
ポリアルファオレフィン基油成分と増粘剤を含み、前記ポリアルファオレフィン基油成分はIV型基油を含み、
それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStであり、
ASTM D2270に準拠して測定される粘度指数が約150~約200である、
アクスル潤滑剤。
【請求項15】
前記ポリアルファオレフィン基油成分が、前記アクスル潤滑剤の総重量に基づいて約30重量%~約70%の量で含まれる、請求項14に記載のアクスル潤滑剤。
【請求項16】
前記増粘剤が、前記アクスル潤滑剤の総重量に基づいて約30重量%までの量で含まれる、請求項14に記載のアクスル潤滑剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月1日に出願された米国仮特許出願第63/261,970号の優先権を主張するものであり、その全内容が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、潤滑剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
潤滑剤組成物は一般に、潤滑剤組成物自体、及び/又は潤滑剤組成物が使用される機器(例えば、車両)の性能に関連する多くの性能特性を有することが要求される。近年、市場の力と政府の規制は、車両の燃料効率と温室効果ガス(GHG)排出量、すなわちCO2排出量の低減に新たに重点を置いている。したがって、燃料効率を改善させ、CO2排出量を低減する潤滑剤組成物を開発する機会が残されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、潤滑剤組成物を提供する。潤滑剤組成物は、ポリアルファオレフィン基油成分及び増粘剤を含む。ポリアルファオレフィン基油成分は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約70重量%の量で含まれ得、増粘剤は約30重量%までの量で含まれ得、潤滑剤組成物は、それぞれ、に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStである。潤滑剤組成物は、第2の増粘剤を含んでもよい。潤滑剤組成物はまた、ジエステルを含んでもよい。潤滑剤組成物はまた、酸化防止剤、腐食防止剤、泡制御添加剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤、洗浄剤、及び粘度指数向上剤の群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有する添加剤パッケージを含んでもよいが、前記潤滑剤組成物は、分散剤を実質的に含まない。潤滑剤組成物は、アクスル潤滑剤であり得る。潤滑剤組成物は、約5重量%までの量の第2の増粘剤を含み得る。第2の増粘剤は、ポリイソブテンであり得る。潤滑剤組成物は、約35重量%までの量のエステルを含み得る。潤滑剤組成物はまた、約0.001重量%~約1重量%の量の消泡剤を含み得る。
【0005】
本開示はまた、ポリアルファオレフィン基油成分及び増粘剤を含むアクスル潤滑剤であって、ポリアルファオレフィン基油成分はIV型基油を含み、それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度は約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度は約30cSt~約70cStである、アクスル潤滑剤を提供する。アクスル潤滑剤は、ASTM D2270に準拠して測定される粘度指数が約150~約200であり得る。アクスル潤滑剤は、アクスル潤滑剤の総重量に基づいて30重量%~約70重量%の量のポリアルファオレフィン基油成分を含み得る。アクスル潤滑剤は、アクスル潤滑剤の総重量に基づいて30重量%までの量の増粘剤を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、潤滑剤組成物の特定の実施形態のアクスル効率を示す棒グラフである。
【
図2a】
図2aは、潤滑剤組成物の特定の実施形態の温室効果ガス排出量を示す棒グラフである。
【
図2b】
図2bは、潤滑剤組成物の特定の実施形態の温室効果ガス排出量を示す別の棒グラフである。
【
図3】
図3は、潤滑剤組成物の特定の実施形態の燃料節減を示す棒グラフである。
【
図4】
図4は、本願の潤滑剤組成物の剪断安定性を示すグラフである。
【
図5】
図5は、本願の潤滑剤組成物の剪断安定性を市販の組成物と比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書全体を通して、例えば、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所における「1つ又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」、又は「実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされ得る。
【0008】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「1つのアクスル(an axle)」という場合、1つのアクスル及び2つ以上のアクスルを含む。
【0009】
本明細書で使用される場合、測定量に関連する「約」という用語は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合った注意レベルを働かせる当業者によって予想される、その測定量における通常の変動を指す。特定の実施形態では、「約」という用語は、言及された数±10%を含み、したがって「約10」は、9~11を含む。
【0010】
測定量に関連する「少なくとも約」という用語は、測定を行い、測定の目的及び測定装置の精度に見合った注意レベルを働かせる当業者によって予想される、その測定量、及びその測定量より高い任意の測定量における通常の変動を指す。特定の実施形態では、「少なくとも約」という用語は、言及された数-10%、及びそれより高い任意の量を含み、したがって「少なくとも約10」は、9及び9より多い任意の量を含む。この用語は、「約10以上」と表現することもできる。同様に、「約~未満」という用語は、通常、言及された数+10%、及びそれより低い任意の量を含み、したがって「約10未満」は、11及び11より少ない任意の量を含む。この用語は、「約10以下」と表現することもできる。
【0011】
別段の指示がない限り、全ての部及びパーセンテージは重量基準である。重量パーセント(重量%)は、別段の指示がない限り、揮発性物質を含まない全組成物に基づく、すなわち固形分に基づく。
【0012】
本開示は、潤滑剤組成物を提供する。潤滑剤組成物は様々な潤滑用途に利用することができ、特に、アクスル、トランスミッション(マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、パワーテイクオフ、トランスアクスル、及びベアリング/ホイール用の潤滑剤として有用である。すなわち、潤滑剤組成物は、軽量アクスル及び重量アクスルの両方に使用され得る。
【0013】
潤滑剤組成物は、ポリアルファオレフィン基油成分を含む。1つ以上の実施形態において、ポリアルファオレフィン基油成分は、グループIV基油を含み、完全合成油である。他の実施形態では、ポリアルファオレフィン基油成分は、グループI、II、III、IV又はV基油を含む。ポリアルファオレフィン基油成分は、合成プロセスによって製造することができる。合成プロセスでは、オレフィンを使用してポリアルファオレフィン基油を製造する。少なくとも1つの実施形態において、ポリアルファオレフィン基油成分は、合成炭化水素を含む。
【0014】
特定の実施形態では、潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約30重量%~約70重量%の、又はこの範囲の任意の個々の値若しくは部分範囲の量のポリアルファオレフィン基油成分を含む。或いは、潤滑剤組成物は、約50重量%~約60重量%のポリアルファオレフィン基油成分を含む。
【0015】
1つ以上の実施形態によれば、潤滑剤組成物は、100℃での動粘度が、米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials、「ASTM」)D445に準拠して測定される場合、約5cSt~約15cSt、或いは約9cSt~約12cStである。100℃での動粘度はまた、約5cSt、約6cSt、約7cSt、約8cSt、約9cSt、約10cSt、約11cSt、約12cSt、約13cSt、約14cSt、又は約14cStであり得る。本開示の目的では、動粘度への言及は、ASTM D445によって測定される動粘度であることを理解されたい。
【0016】
1つ以上の実施形態において、潤滑剤組成物はまた、40℃での動粘度が、ASTM D445に準拠して測定される場合、約30cSt~約70cSt、或いは約40cSt~約60cStである。他の実施形態では、40℃での動粘度は、約30cSt、約35cSt、約40cSt、約45cSt、約50cSt、約55cSt、約60cSt、約65cSt、又は約70cStであり得る。
【0017】
潤滑剤組成物の動粘度は、粘度指数、ひいては製品の低温及び高温の動作範囲に影響を及ぼす。
【0018】
潤滑剤組成物は、典型的には、ASTM D2270に準拠して測定される粘度指数が約150~約200であり得る。或いは、潤滑剤組成物は、粘度指数が約160~約190、又は約170~約180であり得る。本開示の目的では、粘度指数への言及は、ASTM D2270によって測定される粘度指数であることを理解されたい。
【0019】
潤滑剤組成物の動粘度及び粘度指数は、車両のアクスルの潤滑に有用な潤滑剤組成物をもたらし、したがって潤滑剤組成物はアクスル潤滑剤とも称され得る。同様に、潤滑剤組成物の動粘度及び粘度指数は、トランスミッション(すなわち、マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ(PTO)、及びベアリング/ホイールの潤滑に有用な潤滑剤組成物をもたらす。加えて、当業者はまた、潤滑剤組成物の動粘度が、回転スクリュー圧縮機潤滑剤などのいくつかの用途で潤滑剤組成物を不適切なものとする可能性があることも理解するであろう。
【0020】
1つ以上の実施形態において、潤滑剤組成物は、ASTM D4052に準拠して測定されるAPI比重が約20~40である。少なくとも1つの実施形態において、潤滑剤組成物は、API比重が約25~約40であり得る。他の実施形態では、潤滑剤組成物は、API比重が約20、約25、約30、約35、又は約40であり得る。
【0021】
1つ以上の実施形態において、潤滑剤組成物は、ASTM D2983に準拠して測定される-40℃におけるBrookfield(登録商標)粘度が、約10,000cP~約20,000cPであり得る。少なくとも1つの実施形態において、潤滑剤組成物は、-40℃におけるBrookfield(登録商標)粘度が、約11,000cP~約19,000cP、約12,000cP~約18,000cP、約13,000cP~約17,000cP、又は約14,000cP~約16,000cPであり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物は、約-40℃~約-55℃、又は約-40℃、又は約-45℃に流動点を有する。少なくとも1つの実施形態において、潤滑剤組成物の流動点は、約-42℃である。
【0023】
潤滑剤組成物は、増粘剤をさらに含み得る。増粘剤は、組成物の総重量に基づいて約0重量%~約30重量%の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、増粘剤は、約1重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%である。約7.5重量%~約17.5重量%、若しくは約10重量%~約15重量%、又は本明細書中の任意の範囲、部分範囲、若しくは値の量で含まれ得る。
【0024】
増粘剤は、オレフィンコポリマー(OCP)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリイソブテン(PIB)、油溶性ポリアルキルグリコール(PAG)(OSP)、又は高粘度ポリアルファオレフィン(PAO)であり得る。
【0025】
増粘剤は、100℃における動粘度が約100~約150cStであり、40℃における動粘度が約1000~約1200cStであり得る。増粘剤の粘度指数は、約200~約250であり得る。増粘剤の密度は、約0.9g/cm3であり得る。いくつかの実施形態では、増粘剤は、100℃における動粘度が約105~約145cSt、約110~約140cSt、約115~約135cSt、又は約120cSt~約130cStであり、40℃における動粘度が約1050~約1150cSt、又は約1100~約1125cSt、又は本明細書中の任意の範囲、部分範囲、若しくは値であり得る。
【0026】
潤滑剤組成物は、第2の増粘剤をさらに含み得る。第2の増粘剤は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて約0重量%~約15重量%の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、第2の増粘剤は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%。約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%の量で含まれ得る。第2の増粘剤は、ポリイソブテンであり得る。ポリイソブテンは、低分子量であり得る。ポリイソブテンの分子量は、約2,000g/mol~約3,000g/molであり得る。いくつかの実施形態では、ポリイソブテンの分子量は、約2,300g/molであり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物はまた、消泡剤を含み得る。消泡剤は、シリコン系又はエステル系消泡剤であり得る。消泡剤は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて約0.001重量%~約1重量%の量で含まれ得る。いくつかの実施形態では、消泡剤は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約0.75重量%、約0.001重量%~約0.5重量%、又は約0.01重量%~約0.2重量%の量で含まれ得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物はまた、エステルを含み得る。エステルは、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0重量%~約40重量%、約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量で含まれ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、エステルは、潤滑剤組成物の総重量に基づいて約15重量%~約25重量%の量のアジピン酸のジプロピルヘプタノールジエステルであり得る。他の実施形態では、エステルはまた、アジピン酸エステル、ポリオールエステル、又はトリメチロールプロパンエステルであり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、潤滑剤組成物はまた、添加剤を含み得る。添加剤は、潤滑剤組成物の総重量に基づいて約0重量%~約15重量%の量で含まれ得る。
【0031】
本開示の実施形態では、潤滑剤組成物は一般に、車両の燃料効率の向上及び温室効果ガス排出量の低減を達成しながら、車両のアクスル、トランスミッション(すなわち、マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ(PTO)、及び/又はベアリング/ホイールを潤滑するために使用される。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、ポリアルファオレフィン基油成分と増粘剤との組み合わせは、燃料効率の向上及び温室効果ガス排出量の低減をもたらすと考えられる。より具体的には、潤滑剤組成物の化学的性質及び動粘度の組み合わせが、潤滑剤組成物に優れた低温特性及び高温特性を付与し、これにより、潤滑剤組成物が車両の上で言及された構成要素を潤滑するために使用された場合、潤滑剤組成物の燃料効率を向上させると考えられる。
【0032】
特定の実施形態では、潤滑剤組成物は、従来の潤滑剤と比較して、燃料効率の向上を示す。特定の実施形態では、潤滑剤組成物は、従来の潤滑剤と比較した場合、温室効果ガス排出量の低減を示す。加えて、燃料効率の向上が実証されたにもかかわらず、潤滑剤組成物はまた、他の特性の中でも特に良好な剪断安定性を有する。
【0033】
1つ以上の実施形態において、潤滑剤組成物は、アクスル潤滑剤である。この実施形態では、ポリアルファオレフィン基油成分がアクスル潤滑剤の総重量に基づいて少なくとも約50重量%の量で存在する。この実施形態では、典型的には、ポリアルファオレフィン基油成分がアクスル潤滑剤の総重量に基づいて約50重量%~約60重量の量で含まれる。さらに、この実施形態のアクスル潤滑剤はまた、I型、II型、III型、及びV型基油を実質的に含まない。必須ではないが、この実施形態のアクスル潤滑剤はまた、本質的に、上記の成分と、以下に説明する添加剤パッケージとから実質的に構成されてもよい。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、この実施形態のアクスル潤滑剤は、車両のアクスルを潤滑にするために使用された場合、車両の燃料効率を向上させると考えられる。より具体的には、第1及び第2のポリアルキレングリコールのブレンド物の化学的性質及び動粘度の組み合わせが、潤滑剤組成物に優れた低温特性及び高温特性を付与し、これにより、潤滑剤組成物が車両のアクスルを潤滑するために使用された場合、潤滑剤組成物の燃料効率を向上させると考えられる。
【0034】
少なくとも1つの実施形態において、潤滑剤組成物は、トランスミッション潤滑剤、トランスファケース潤滑剤、トランスアクスル潤滑剤、パワーテイクオフ潤滑剤、及び/又はベアリング/ホイール潤滑剤である。
【0035】
潤滑組成物はまた、添加剤パッケージを含み得る。添加剤パッケージは、潤滑剤組成物の少なくとも1つの特性及び/又は潤滑剤組成物が使用される機器の性能を改善するのに有効な少なくとも1種の添加剤を含む。特定の実施形態では、添加剤パッケージは、酸化防止剤、腐食防止剤、泡制御添加剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤、洗浄剤、金属不動態化剤、流動点降下剤、及び粘度指数向上剤から選択される1種以上の添加剤を含む。必須ではないが、添加剤パッケージ及び潤滑剤組成物は一般に、分散剤を実質的に含まない。特定の実施形態では、添加剤パッケージ、又は添加剤パッケージの一部は、X-20817又はLubrizolという商品名でAfton Chemicalから市販されている。
【0036】
添加剤パッケージに含まれる個々の添加剤は、潤滑剤組成物に添加される前に1つ以上の他の添加剤と混合しても、又はそれに代えて、個々の添加剤を潤滑剤組成物に別々に添加してもよいことを理解されたい。言い換えれば、添加剤パッケージは、ポリアルファオレフィン基油成分と混合する前に、添加剤の全て又は一部を混合する必要はない。
【0037】
潤滑剤組成物が添加剤パッケージを含む場合、添加剤パッケージは、典型的には、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約20重量%、約4重量%~約18重量%、約4重量%~約16重量%、約4重量%~約14重量%、又は約6重量%~約12重量%の量で含まれる。
【0038】
耐摩耗性添加剤に関しては、当該技術分野で知られる任意の耐摩耗性添加剤を含めることができる。耐摩耗性添加剤の好適で非限定的な例としては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(「ZDDP」)、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、硫黄及び/又はリン及び/又はハロゲン含有化合物、例えば硫化オレフィン及び植物油、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、アルキル化トリフェニルホスフェート、トリトリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、塩素化パラフィン、アルキル及びアリールジ-及びトリスルフィド、モノ-及びジアルキルホスフェートのアミン塩、メチルホスホン酸のアミン塩、ジエタノールアミノメチルトリアゾール、ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチルトリルトリアゾール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールの誘導体、3-[(ジイソプロポキシホスフィノチオイル)チオ]プロピオン酸エチル、チオリン酸トリフェニル(トリフェニルホスホロチオアート)、トリス(アルキルフェニル)ホスホロチオアート及びその混合物(例えばトリス(イソノニルフェニル)ホスホロチオアート)、ジフェニルモノノニルフェニルホスホロチオアート、イソブチルフェニルジフェニルホスホロチオアート、3-ヒドロキシ-1,3-チアフェタン3-オキシドのドデシルアミン塩、トリチオリン酸5,5,5-トリス[イソオクチル2-アセテート]、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]-2-メルカプト-1H-1,3-ベンゾチアゾールなどの2-メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、エトキシカルボニル-5-オクチルジチオカルバメート、リンを含む無灰耐摩耗性添加剤、並びに/或いはこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、耐摩耗性添加剤はZDDPである。
【0039】
耐摩耗性添加剤が含まれる場合、潤滑剤組成物中に、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%、或いは約0.1重量%~約10重量%、或いは約0.1重量%~約5重量%、或いは約0.1重量%~約4重量%、或いは約0.1重量%~約3重量%、或いは約0.1重量%~約2重量%、或いは約0.1重量%~約1重量%、約0.1重量%~約0.5重量%の量で含まれ得る。耐摩耗添加剤の量は上記の範囲外で変動し得るが、典型的にはこれらの範囲内の整数値及び少数値の両方である。さらに、2種以上の耐摩耗性添加剤が潤滑剤組成物に含まれてもよく、その場合、含まれる全ての耐摩耗性添加剤の総量は上記の範囲内であることを理解されたい。さらに、以上の耐摩耗性添加剤が潤滑剤組成物に含まれてもよく、その場合、含まれる全ての耐摩耗性添加剤の総量は上記の範囲内であることを理解されたい。
【0040】
同様に、当該技術分野で知られる任意の流動点降下剤が含まれてもよい。流動点降下剤は、典型的には、ポリメタクリレート及びアルキル化ナフタレン誘導体、並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0041】
流動点降下剤が含まれる場合、潤滑剤組成物中に、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約1重量%、或いは約0.01重量%~約1重量%、或いは約0.01重量%~約0.5重量%、或いは約0.01重量%~約0.5重量%の量で含まれ得る。流動点降下剤の量は上記の範囲外で変動し得るが、典型的にはこれらの範囲内の整数値及び少数値の両方である。さらに、2種以上の流動点降下剤が潤滑剤組成物に含まれてもよく、その場合、含まれる全ての流動点降下剤の総量は上記の範囲内であることを理解されたい。
【0042】
消泡剤に関しては、当該技術分野で知られる任意の消泡剤を含めることができる。消泡剤は、典型的には、シリコーン消泡剤、アクリレートコポリマー消泡剤、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0043】
消泡剤が含まれる場合、潤滑剤組成物中に、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%~約0.5重量%、或いは約0.001重量%~約0.25重量%、或いは約0.01重量%~約0.重量%、或いは約0.01重量%~約0.25重量%、或いは約0.01重量%~約0.05重量%の量で含まれ得る。消泡剤の量は上記の範囲外で変動し得るが、典型的にはこれらの範囲内の整数値及び少数値の両方である。さらに、2種以上の消泡剤が潤滑剤組成物に含まれてもよく、その場合、含まれる全ての耐摩耗性添加剤の総量は上記の範囲内であることを理解されたい。
【0044】
粘度指数向上剤が使用される場合、様々なタイプのものであり得る。粘度指数向上剤の好適な例としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ビニルピロリドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマー及びポリエーテル、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0045】
粘度指数向上剤が使用される場合、様々な量で含まれ得る。粘度指数向上剤は、潤滑剤組成物中に、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、又は約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%の量で含まれ得る。粘度指数向上剤の量は上記の範囲外で変動し得るが、典型的にはこれらの範囲内の整数値及び少数値の両方である。さらに、2種以上の粘度指数向上剤が潤滑剤組成物に含まれてもよく、その場合、粘度指数向上剤の総量は上記の範囲内であることを理解されたい。
【0046】
酸化防止剤が使用される場合、様々なタイプのものであり得る。好適な酸化防止剤としては、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O-、N-及びS-ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、トリアジン化合物、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、アミノ酸化防止剤、脂肪族又は芳香族ホスファイト、チオジプロピオン酸又はチオ二酢酸のエステル、ジチオカルバミン酸又はジチオリン酸の塩、2硫化脂肪エステル、硫化脂肪及び硫化オレフィン、並びにこれらの組み合わせが挙げられ、使用され得る。
【0047】
酸化防止剤が使用される場合、様々な量で使用することができる。酸化防止剤は潤滑剤組成物中に、潤滑剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約0.5重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0048】
本開示はまた、アクスルを有する車両の燃料効率を向上させる方法を提供する。本方法は、潤滑剤組成物を供給することを含む。本方法はさらに、車両の燃料効率を向上させるために、潤滑剤組成物を車両のアクスルと接触させることを含む。
【0049】
本開示はまた、アクスルを有する車両の温室効果ガス排出量を低減する方法を提供する。本方法は、潤滑剤組成物を供給することを含む。本方法はさらに、車両の温室効果ガスの排出を低減するために、潤滑剤組成物を車両のアクスルと接触させることを含む。
【0050】
本開示はまた、車両のアクスル、トランスミッション(マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ(PTO)、及び/又はベアリング/ホイールを有する車両の燃焼効率を向上させる方法を提供する。本方法は、潤滑剤組成物を供給することを含む。本方法はさらに、潤滑剤組成物を、トランスミッション(マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ、ベアリング/ホイール、及びこれらの組み合わせの群から選択される車両の少なくとも1つの構成要素と接触させて、車両の燃料効率を向上させることを含む。
【0051】
本開示はまた、車両のアクスル、トランスミッション(マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ(PTO)、及び/又はベアリング/ホイールを有する車両の温室効果ガス排出量を低減する方法を提供する。本方法は、潤滑剤組成物を供給することを含む。本方法はさらに、潤滑剤組成物を、トランスミッション(マニュアル又はオートマチック)、トランスファケース、トランスアクスル、パワーテイクオフ、ベアリング/ホイール、及びこれらの組み合わせの群から選択される車両の少なくとも1つの構成要素と接触させて、車両の温室効果ガス排出量を低減することを含む。
【0052】
一実施形態では、本開示の方法は、アクスルを有する車両の燃料効率を向上させるためにアクスル潤滑剤を提供することを含む。この実施形態では、アクスル潤滑剤のポリアルファオレフィン基油成分がアクスル潤滑剤の総重量に基づいて少なくとも約50重量%の量で存在する。さらに、アクスル潤滑剤は、100℃での動粘度が約5~約35cStであり、40℃での動粘度が約20~約300cStである。本方法はさらに、車両の燃料効率を向上させるために、潤滑剤及び車両のアクスルをアクスル潤滑剤と接触させることを含む。
【実施例】
【0053】
本開示の範囲内の潤滑剤組成物を、潤滑剤組成物1として表1に提供する。表1はまた、比較潤滑剤A及びBとしての2種の比較潤滑剤を提供する。表1中の各潤滑剤の各個々の成分は、それぞれの潤滑剤の総重量に基づく重量パーセント(重量%)で提供される。
【0054】
【0055】
基油は、ポリアルファオレフィンPAO7であり、100℃での動粘度が約7cStである。
【0056】
潤滑剤組成物1及び比較潤滑剤A~Bの物理的特性を測定し、これらもまた表1で提供する。潤滑剤組成物1は、優れたアクスル効率、温室効果ガスの十分な排出、及び良好な燃料節減効果を有することがわかった。
【0057】
潤滑剤1及び比較潤滑剤A及びBのアクスル効率を、標準的な試験方法を用いて測定した。アクスル効率の結果を
図1に示す。
【0058】
また、温室効果ガス(GHG)の排出量を、潤滑剤1及び比較潤滑剤Bについて測定した。GHGの排出量はGEM分析を用いて測定した。GEM分析の結果を
図2a及び2bに示す。これらの図からわかるように、GEM排出の排出は、本出願の潤滑剤1で改善された。
【0059】
潤滑剤組成物1及び比較例Bの燃料節減効果も測定し、
図3に示す。この図から、潤滑剤組成物1は、市販の潤滑剤と比較して、燃料節約が改善されていることがわかる。
【0060】
また、潤滑剤1の剪断安定性を、100℃での動粘度をトラックで使用して250,000マイルの時間にわたって測定することによって決定した。剪断安定性を
図4に示す。
図4からわかるように、粘度の剪断安定性は、250,000マイルにわたって維持された。
【0061】
潤滑剤組成物1(候補)及び比較例Aの剪断粘度を、数時間にわたって測定した。その結果を
図5に示す。
図5からわかるように、本出願による潤滑剤組成物は、経時的に剪断を生じることはなく、200時間にわたって粘度を維持する。対照的に、比較例Aは、この試験の開始時に剪断が生じた。潤滑剤の安定性が確保されるので、時間の経過とともに生じる剪断は少ないことが好ましい。したがって、候補潤滑剤は、市販の潤滑剤と比較して、良好な剪断粘度を有していた。
【0062】
本開示の一実施形態においては、潤滑剤組成物が提供される。潤滑剤組成物は、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて約30重量%~約70重量%の量のポリアルファオレフィン基油成分と、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて30重量%までの量の増粘剤とを含み得、潤滑剤組成物は、それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStであり;及び/又は
増粘剤は、オレフィンコポリマー(OCP)、ポリアクリル酸メチル(PMA)、ポリイソブテン(PIB)、油溶性ポリアルキルグリコール(PAG)(OSP)、高粘度ポリアルファオレフィン(PAO)、及びこれらの混合物の群から選択され;及び/又は
さらに第2の増粘剤を含み;及び/又は
さらにジエステルを含み;及び/又は
さらに、酸化防止剤、腐食防止剤、泡制御添加剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤、洗浄剤、及び粘度指数向上剤の群から選択される少なくとも1種の添加剤を含むが、前記潤滑剤組成物は、分散剤を実質的に含まず;及び/又は
潤滑剤組成物は、アクスル潤滑剤であり;及び/又は
ポリアルファオレフィン基油成分は、前記潤滑剤組成物の総重量に基づいて約50重量%~約60%の量で含まれ;及び/又は
潤滑剤組成物は、それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約9cSt~約12cStであり、40℃での動粘度が約50cSt~約60cStであり;及び/又は
第2の増粘剤は、約5重量%までの量で含まれ;及び/又は
第2の増粘剤は、ポリイソブテンであり;及び/又は
エステルは、約35重量%までの量で含まれ;及び/又は
消泡剤をさらに含み;及び/又は消泡剤は、約0.001重量%~約1重量%の量で含まれる。
【0063】
別の実施形態では、本開示のアクスル潤滑剤は、ポリアルファオレフィン基油成分と増粘剤とを含み得、ポリアルファオレフィン基油成分はIV型基油を含み、前記アクスル潤滑剤は、それぞれ、ASTM D445に準拠して測定される100℃での動粘度が約5cSt~約15cStであり、40℃での動粘度が約30cSt~約70cStであり;前記アクスル潤滑剤は、ASTM D2270に準拠して測定される粘度指数が約150~約200であり;及び/又は
ポリアルファオレフィン基油成分は、アクスル潤滑剤の総重量に基づいて約30重量%~約70%の量で含まれ;及び/又は
増粘剤は、アクスル潤滑剤の総重量に基づいて約30重量%までの量で含まれる。
【0064】
添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載された明示的及び特定の化合物、組成物、又は方法に限定されず、それらは添付の特許請求の範囲内に含まれる特定の実施形態の間で変化し得ることを理解されたい。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明するために本明細書で依拠するあらゆるマーカッシュ群に関して、異なる、特有の、及び/又は予想外の結果が、それぞれのマーカッシュ群の各メンバーから、全ての他のマーカッシュ群から独立して得られ得る。マーカッシュ群の各メンバーは個々に、及び/又は組み合わせて依拠され得、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対して適切な支持を提供する。
【0065】
さらに、本開示の様々な実施形態を説明する際に依拠される範囲及び部分範囲は全て独立して及び集合的に、添付の特許請求の範囲内にあり、そのような値が本明細書に明示的に記載されていない場合であっても、その中の整数及び/又は小数値を含む全ての範囲を記載し及び企図すると理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分範囲が本開示の様々な実施形態を十分に説明し及び可能にし、そのような範囲及び部分範囲が、関連する半分、3分の1、4分の1、5分の1などにさらに記載し得ることを容易に認識している。単なる一例として、「0.1~0.9」の範囲はさらに、下方の3分の1、すなわち0.1~0.3、中間の3分の1、すなわち0.4~0.6、及び上方の3分の1、すなわち0.7~0.9に記載し得、これらは個々に及び集合的に、添付の特許請求の範囲内にあり、個々に及び/又は集合的に依拠され得、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対して適切な支持を提供し得る。さらに、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「~以下」などの範囲を定義又は変更する用語に関して、そのような用語は部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は本質的に、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の下部分範囲などを含み、各部分範囲は個々に及び/又は集合的に依拠され得、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態に対して適切な支持を提供する。最後に、開示された範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態で依拠され、それらに対して適切な支持を提供する。例えば、「1~9」の範囲は、3などの様々な個々の整数、並びに4.1などの小数点(又は小数)を含む個々の数を含み、これらは添付の特許請求の範囲内の特定の実施形態で依拠され、それらに対して適切な支持を提供する。さらに、配合物内に含まれる、溶媒の選択、溶媒の量、ポリカルボキシレートの選択、並びにアルカリ性ビルダーの選択と、アルカリ性ビルダー及びその他の固体原料の粒径はともに、一般に、配合物の粘度を操作する。
【0066】
本開示は例示的な方法で説明されており、使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉の性質を有することが意図されていることを理解されたい。上記の教示に照らして、本開示の多くの修正及び変形が可能である。本開示は、具体的に記載された以外の方法で実施されてもよい。本明細書においては、独立請求項及び従属請求項(単項従属及び多項従属の両方)の全ての組合せの主題が明示的に企図されている。
【国際調査報告】