(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】導波管コンバイナおよびメタ表面のための全視野計測ツール
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
G01M11/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507946
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022038694
(87)【国際公開番号】W WO2023018554
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スン, ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
【テーマコード(参考)】
2G086
【Fターム(参考)】
2G086EE12
(57)【要約】
本明細書に記載の実施形態が、光学装置の複数の計測メトリックを決定するために光学装置の全視野光学場を取得する、計測ツールおよび方法を提供する。計測ツールは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するために利用される。第1の光経路と第2の光経路とは、重ね合わせられた光線に重ね合わされ、検出器に送出される。検出器は、重ね合わせられた光線の強度を測定する。第1の式および第2の式が、強度測定値と組み合わせて利用されて、少なくとも1つの光学装置の第2の表面に直接隣接する基準点における振幅および位相ipを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測ツールであって、
光線を投射するように動作可能な光エンジンと、
前記光線の経路中に配設された第1のビームスプリッタであって、前記第1のビームスプリッタが、前記光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するように動作可能であり、前記第1の光経路が、光学装置に入射するように動作可能である、第1のビームスプリッタと、
前記第2の光経路中に配設された位相変調器と、
前記第1の光経路および前記第2の光経路中に配設された第2のビームスプリッタであって、前記第2のビームスプリッタが、重ね合わせられた光経路を形成するために、前記第1の光経路と前記第2の光経路とを重ね合わせるように動作可能である、第2のビームスプリッタと、
前記重ね合わせられた光経路中に配設された検出器であって、前記検出器が、前記重ね合わせられた光経路の強度を記録するように動作可能である、検出器と
を備える、計測ツール。
【請求項2】
前記光学装置が導波管コンバイナであり、前記導波管コンバイナは、前記第1の光経路が前記導波管コンバイナの入力結合領域に入射するように動作可能であるように、配置される、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項3】
前記光学装置がメタ表面であり、前記メタ表面は、前記第1の光経路が前記メタ表面の中心点に入射するように動作可能であるように、配置される、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項4】
前記位相変調器が、空間光変調器、圧電駆動ミラー、または傾斜ミラーのうちの1つである、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項5】
前記光エンジンがレーザを投射する、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項6】
前記位相変調器が、前記第2の光経路の位相を変化させるように動作可能である、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項7】
前記第1の光経路中に配設された第1のレンズであって、前記第1のレンズが、前記第1の光経路をリレーするように動作可能である、第1のレンズと、
前記第2の光経路中に配設された第2のレンズであって、前記第2のレンズが、前記第2の光経路をリレーするように動作可能である、第2のレンズと、
前記第2の光経路中に配設された第3のレンズであって、前記第3のレンズが、前記第2の光経路をリレーするように動作可能である、第3のレンズと、
前記第2の光経路中に配設された第4のレンズであって、前記第4のレンズが、前記第2の光経路をリレーするように動作可能である、第4のレンズと
をさらに備える、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項8】
前記光線を偏光させるように動作可能な直線偏光子をさらに備える、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項9】
前記第1の光経路中に配設された補助レンズであって、前記補助レンズが、前記第1の光経路をリレーするように動作可能である、補助レンズをさらに備える、請求項1に記載の計測ツール。
【請求項10】
計測ツールであって、
光線を投射するように動作可能な光エンジンと、
前記光線の経路中に配設された第1のビームスプリッタであって、前記第1のビームスプリッタが、前記光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するように動作可能であり、前記第1の光経路が、光学装置に入射するように動作可能である、第1のビームスプリッタと、
前記第1の光経路中に配設された変調モジュールであって、前記変調モジュールが、前記第1の光経路の位相、振幅、または入射角度を変化させるように動作可能である、変調モジュールと、
前記第2の光経路中に配設された傾斜ミラーと、
前記第1の光経路および前記第2の光経路中に配設された第2のビームスプリッタであって、前記第2のビームスプリッタが、重ね合わせられた光経路を形成するために、前記第1の光経路と前記第2の光経路とを重ね合わせるように動作可能である、第2のビームスプリッタと、
前記重ね合わせられた光経路中に配設された検出器であって、前記検出器が、前記重ね合わせられた光経路の強度を記録するように動作可能である、検出器と
を備える、計測ツール。
【請求項11】
前記光学装置が導波管コンバイナであり、前記導波管コンバイナは、前記第1の光経路が前記導波管コンバイナの入力結合領域に入射するように動作可能であるように、配置される、請求項10に記載の計測ツール。
【請求項12】
前記光学装置がメタ表面であり、前記メタ表面は、前記第1の光経路が前記メタ表面の中心点に入射するように動作可能であるように、配置される、請求項10に記載の計測ツール。
【請求項13】
前記第2の光経路中に配設された第1のレンズであって、前記第1のレンズが、前記第2の光経路をリレーするように動作可能である、第1のレンズと、
前記第2の光経路中に配設された第2のレンズであって、前記第2のレンズが、前記重ね合わせられた光経路をリレーするように動作可能である、第2のレンズと、
前記第2の光経路中に配設された補助レンズであって、前記第2のレンズが、前記第2の光経路をリレーするように動作可能である、補助レンズと
をさらに備える、請求項10に記載の計測ツール。
【請求項14】
光線を第1のビームスプリッタに投射することであって、前記第1のビームスプリッタが、前記光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割する、光線を第1のビームスプリッタに投射することと、
前記第1の光経路を光学装置に投射することであって、前記第1の光経路が前記光学装置を通って進み、前記光学装置が、メタ表面または導波管コンバイナである、前記第1の光経路を光学装置に投射することと、
前記第2の光経路を位相変調器に投射することであって、前記位相変調器が、前記第2の光経路の1つまたは複数の位相遅延イメージを生成するように動作可能である、前記第2の光経路を位相変調器に投射することと、
重ね合わせられた光経路を形成するために、第2のビームスプリッタにより前記第1の光経路と前記第2の光経路とを重ね合わせることと、
前記重ね合わせられた光経路を検出器に向けることであって、前記検出器が、前記第1の光経路と前記第2の光経路との強度測定値を記録するように動作可能である、前記重ね合わせられた光経路を検出器に向けることと、
前記第1の光経路が前記光学装置から出射する、前記光学装置の表面に隣接して位置する基準点において、前記光学装置の全視野光学場を決定することであって、前記全視野光学場が、前記基準点における前記第1の光経路の振幅および位相を再構築するために、前記強度測定値に対してフーリエ変換を実行することによって決定される、前記光学装置の全視野光学場を決定することと
を含む、方法。
【請求項15】
計測メトリックを決定することであって、前記計測メトリックが、後処理中に前記全視野光学場から決定される、計測メトリックを決定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記計測メトリックが、角度均一性メトリック、コントラストメトリック、効率性メトリック、色均一性メトリック、変調伝達関数(MTF)メトリック、視界(FOV)メトリック、ゴーストイメージメトリック、またはアイボックスメトリックのうちの1つまたは複数を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記全視野光学場が、高い周波数領域において決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数の位相遅延イメージの各々が、前記検出器上の前記重ね合わせられた光経路の前記強度測定値を変更する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記光学装置が前記導波管コンバイナであり、前記第1の光経路が前記光学装置の入力結合領域に入射するように動作可能であるように、前記光学装置を配置することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記光学装置が前記メタ表面であり、前記第1の光経路が前記光学装置の中心点に入射するように、前記光学装置を配置することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に計測(metrology)ツールに関する。より詳細には、本明細書で説明される実施形態は、光学 装置の複数の計測メトリックを決定するために光学装置の全視野光学場(full-field optical field)を取得する、計測ツールおよび方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実は、概して、ユーザがその中で見掛けの物理的存在を有する、コンピュータ生成されたシミュレートされた環境であると考えられる。仮想現実体験が、3Dにおいて生成され、実際の環境を置き換える仮想現実環境を表示するためのレンズとしてニアアイディスプレイパネルを有する、グラスまたは他のウェアラブルディスプレイ装置など、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)により視聴され得る。
【0003】
しかしながら、拡張現実は、ユーザが、依然として、周囲環境を視聴するためにグラスまたは他のHMD装置のディスプレイレンズを通して見ることができ、また、表示のために生成され、その環境の一部として見える、仮想オブジェクトのイメージをも見ることができる、体験を可能にする。拡張現実は、ユーザが体験する環境を強化または拡張する、オーディオおよびハプティック入力、ならびに仮想イメージ、グラフィック、およびビデオなど、任意のタイプの入力を含むことができる。新技術として、拡張現実に対する多くの課題および設計制約がある。
【0004】
1つのそのような課題が、仮想現実および拡張現実のために使用される光学装置の完全な特徴づけを取得することである。光学装置設計が検証され、光学装置計測メトリックがモニタされることを保証するために、計測メトリックは測定される必要がある。計測メトリックを取得するために、複数の計測ツールが、異なるメトリックを決定するために利用され、これは、時間がかかり、非効率的であり、コストがかかり得る。計測メトリックを取得するとき、全体を通して高く、低いコストであり、低い帯域幅要件を有する、測定方法を有することが望ましい。したがって、光学装置の完全な特徴づけを取得することができる、単一の計測ツールおよび方法が望ましい。したがって、当技術分野において必要なものは、光学装置の複数の計測メトリックを決定するために光学装置の全視野光学場を取得する、計測ツールおよび方法である。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、計測ツールが提供される。計測ツールは、光線を投射するように動作可能な光エンジンを含む。計測ツールは、光線の経路中に配設された第1のビームスプリッタをさらに含む。第1のビームスプリッタは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するように動作可能であり、第1の光経路は、光学装置に入射するように動作可能である。計測ツールは、第2の光経路中に配設された位相変調器をさらに含む。計測ツールは、第1の光経路および第2の光経路中に配設された第2のビームスプリッタをさらに含む。第2のビームスプリッタは、重ね合わせられた光経路を形成するために、第1の光経路と第2の光経路とを重ね合わせるように動作可能である。計測ツールは、重ね合わせられた光経路中に配設された検出器をさらに含む。検出器は、重ね合わせられた光経路の強度を記録するように動作可能である。
【0006】
別の実施形態では、計測ツールが提供される。計測ツールは、光線を投射するように動作可能な光エンジンを含む。計測ツールは、光線の経路中に配設された第1のビームスプリッタをさらに含む。第1のビームスプリッタは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するように動作可能である。第1の光経路は、光学装置に入射するように動作可能である。計測ツールは、第1の光経路中に配設された変調モジュールをさらに含む。変調モジュールは、第1の光経路の位相、振幅、または入射角度を変化させるように動作可能である。計測ツールは、第2の光経路中に配設された傾斜ミラーと、第1の光経路および第2の光経路中に配設された第2のビームスプリッタとをさらに含む。第2のビームスプリッタは、重ね合わせられた光経路を形成するために、第1の光経路と第2の光経路とを重ね合わせるように動作可能である。計測ツールは、重ね合わせられた光経路中に配設された検出器をさらに含む。検出器は、重ね合わせられた光経路の強度を記録するように動作可能である。
【0007】
また別の実施形態では、方法が提供される。本方法は、光線を第1のビームスプリッタに投射することを含む。第1のビームスプリッタは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割する。本方法は、第1の光経路を光学装置に投射することをさらに含む。第1の光経路は光学装置を通って進む。光学装置は、メタ表面または導波管コンバイナ(waveguide combiner)である。本方法は、第2の光経路を位相変調器に投射することをさらに含む。位相変調器は、第2の光経路の1つまたは複数の位相遅延イメージを生成するように動作可能である。本方法は、重ね合わせられた光経路を形成するために、第2のビームスプリッタにより第1の光経路と第2の光経路とを重ね合わせることをさらに含む。本方法は、重ね合わせられた光経路を検出器に向けることをさらに含む。検出器は、第1の光経路と第2の光経路との強度測定値を記録するように動作可能である。本方法は、第1の光経路が光学装置から出射する、光学装置の表面に隣接して位置する基準点において、光学装置の全視野光学場を決定することをさらに含む。全視野光学場は、基準点における第1の光経路の振幅および位相を再構築するために、強度測定値に対してフーリエ変換を実行することによって決定される。
【0008】
本開示の上記で具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された本開示のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきでなく、他の等しく有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書で説明される実施形態による、計測ツールの概略断面図である。
【
図2】本明細書で説明される実施形態による、計測ツールの概略断面図である。
【
図3】本明細書で説明される実施形態による、少なくとも1つの光学装置の全視野光学場を決定するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通である同じ要素を指定するために同じ参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴が、さらなる具陳なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0011】
本開示の実施形態は、一般に計測ツールに関する。より詳細には、本明細書で説明される実施形態は、光学装置の複数の計測メトリックを決定するために光学装置の全視野光学場を取得する、計測ツールおよび方法を提供する。計測ツールは、光線を投射するように動作可能な光エンジンを含む。計測ツールは、光線の経路中に配設された第1のビームスプリッタをさらに含む。第1のビームスプリッタは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するように動作可能であり、第1の光経路は、光学装置に入射するように動作可能である。計測ツールは、第2の光経路中に配設された位相変調器をさらに含む。計測ツールは、第1の光経路および第2の光経路中に配設された第2のビームスプリッタをさらに含む。第2のビームスプリッタは、重ね合わせられた光経路を形成するために、第1の光経路と第2の光経路とを重ね合わせるように動作可能である。計測ツールは、重ね合わせられた光経路中に配設された検出器をさらに含む。重ね合わせられた光経路の強度を記録するように動作可能な検出器。
【0012】
図1は、計測ツール100の概略断面図である。計測ツール100の第1の実施形態では、計測ツール100は、第3のレンズ122Aと第4のレンズ122Bとを含む。計測ツール100の第2の実施形態では、計測ツール100は、第5のレンズ124を含む。計測ツール100は、位相変調器120を含む。位相変調器120の第1の構成では、位相変調器120は、空間光変調器(spatial light modulator)である。位相変調器120の第2の構成では、位相変調器120は、圧電駆動(piezo driven)ミラーである。位相変調器120の第3の構成では、位相変調器120は、傾斜ミラーである。計測ツール100の第1または第2の実施形態のいずれも、第1、第2、または第3の構成のうちの少なくとも1つの位相変調器120を含む。
【0013】
計測ツール100は、基板108を保持するように動作可能である。基板108は、基板108上に配設された少なくとも1つの光学装置102を含む。基板108は、当技術分野で使用される任意の基板であり得、基板108の使用に応じて、選定された波長に対して不透明であるかまたは透明であるかのいずれかであり得る。さらに、基板108は、様々な形状、厚さ、および直径であり得る。基板108は、円形、矩形、または正方形形状を有し得る。基板108は、基板108上に配設され得る光学装置102の数において限定されない。各光学装置102は、基板108上に配設された複数の光学装置構造を含み得る。光学装置構造は、サブミクロン寸法、たとえば、ナノサイズの寸法を有する、ナノ構造であり得る。
【0014】
本明細書で説明される少なくとも1つの光学装置102は例示的な光学装置であり、本開示の態様を達成するために、他の光学装置が、ともに使用されるかまたは修正され得ることを理解されたい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、光学装置102は、導波管コンバイナである。導波管コンバイナは、仮想現実、拡張現実、または複合現実のために利用され得る。光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、入力結合領域が、光学装置102の第1の表面104上に配設され得る。出力結合領域が、光学装置102の第2の表面106上に配設され得る。第2の表面106は、第1の表面104の反対側の表面上にある。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、導波管コンバイナは、同じ表面、たとえば、第1の表面104または第2の表面106のうちの1つ上に、入力結合領域と出力結合領域とを含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、また別の実施形態では、光学装置102は、メタ表面など、平坦な光学装置である。メタ表面は、限定はしないが、レンズ、ディフューザー、ドットマトリックスプロジェクタ、またはセンサのうちの1つを含む。
【0015】
計測ツール100は、少なくとも1つの光学装置102の全視野光学場を測定するように動作可能である。本明細書で説明される方法は、スループットを改善し、ストレージおよび帯域幅要件を低減し、光学装置の分析に関連するコストを低減する。全視野光学場は、光線の振幅および位相を含む。全視野光学場は、全視野光学場を並行して測定することによって、光学装置102の直接情報を提供する。光学装置102の設計が検証され、光学装置計測メトリックがモニタされることを保証するために、計測メトリックが、全視野光学場から取得され得る。本明細書で説明される計測ツール100の実施形態は、増加されたスループットで複数の計測メトリックを取得する能力を提供する。計測メトリックは、導波管コンバイナについての、角度均一性メトリック、コントラストメトリック、効率性メトリック、色均一性メトリック、変調伝達関数(MTF)メトリック、視界(FOV)メトリック、ゴーストイメージメトリック、またはアイボックスメトリックのうちの1つまたは複数を含む。計測メトリックは、メタ表面についての、効率性メトリック、点広がり関数(PSF)メトリック、または位相誤差メトリックのうちの1つまたは複数を含む。
【0016】
計測ツール100は、光エンジン110と、第1のビームスプリッタ112と、第2のビームスプリッタ114と、ミラー116と、第3のビームスプリッタ118と、位相変調器120と、第1のレンズ126と、検出器128とを含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、いくつかの実施形態では、計測ツール100は、直線偏光子(linear polarizer)130と、第2のレンズ132と、ピンホール134と、補助レンズ142とのうちの1つまたは複数を含む。計測ツール100の第1の実施形態では、計測ツール100は、第3のレンズ122Aと第4のレンズ122Bとを含む。計測ツール100の第2の実施形態では、計測ツール100は、第5のレンズ124を含む。
【0017】
光エンジン110は、光線を第1のビームスプリッタ112に投射するように動作可能である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、光エンジン110は、発光ダイオード(LED)またはレーザである。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、光エンジン110は、ディスプレイモジュールを含む。ディスプレイモジュールは、パターンを光学装置102に投射するように動作可能である。ディスプレイモジュールは、マイクロLEDモジュール、液晶オンシリコン(LCOS)モジュール、デジタル光処理(DLP)モジュール、またはレーザ投射モジュールを含み得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、また別の実施形態では、光線は、第1のビームスプリッタ112に接触するより前に、直線偏光子130に入射する。直線偏光子130は、入って来る光線を直線的に偏光させるように動作可能である。直線偏光子130は、1/2波長板であり得る。
【0018】
第1のビームスプリッタ112は、光線を第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとに分割する。光学装置102は、第1の光経路136A中に配設される。光学装置102は、導波管コンバイナまたはメタ表面など、任意の好適な光学装置であり得る。第1の光経路136Aは、測定されるべき光学装置102に向けられる。第1の光経路136Aは、光学装置102の第1の表面104に入射する。いくつかの実施形態では、変調モジュール113が、第1の表面104に隣接して配置される。変調モジュール113は、第1の光経路136Aの位相、振幅、または入射角度を変化させるように動作可能である。
【0019】
図1に示されているような、光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、第1の光経路136Aは、入力結合領域に入射する。第1の光経路136Aは、導波管コンバイナを通過する。第1の光経路136Aは、導波管コンバイナの出力結合領域から出射する。
図1は光学装置102を導波管コンバイナとして示しているが、光学装置102は、メタ表面など、任意の好適な光学装置であり得る。光学装置102がメタ表面である実施形態では、第1の光経路136Aは、メタ表面の第1の表面104に入射する。第1の光経路136Aは、メタ表面の中心点144に向けられる。第1の光経路136Aは、メタ表面を通過し、メタ表面の中心点144から出射する。
【0020】
第1の光経路136Aは、ミラー116に入射するように動作可能である。ミラー116は、第1の光経路136Aに沿って、光学装置102の第2の表面106に隣接して配置される。ミラー116は、第1の光経路136Aを第1のレンズ126に向けるように動作可能である。第1のレンズ126は、第1の光経路136Aを第3のビームスプリッタ118に向けるように動作可能である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、第1のレンズ126は、第2の表面106とミラー116との間に配置され得る。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、第1のレンズ126は、
図1に示されているように、ミラー116と第3のビームスプリッタ118との間に配置され得る。第1のレンズ126は、リレーレンズである。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、また別の実施形態では、補助レンズ142は、光学装置102とミラー116との間に配置される。補助レンズ142は、リレーレンズである。
【0021】
第2の光経路136Bは、第2のビームスプリッタ114に入射する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、第2のレンズ132とピンホール134の一方または両方が、第2の光経路136B中で、第1のビームスプリッタ112と第2のビームスプリッタ114との間に配置される。第2の光経路136Bは、第2のレンズ132とピンホール134の一方または両方を通過し得る。第2のレンズ132は、リレーレンズである。ピンホール134は、第2の光経路136Bのためのローパスフィルタとして働くように動作可能である。第2のビームスプリッタ114は、位相変調器120に隣接して配置される。第2のビームスプリッタ114は、第2の光経路136Bを位相変調器120に向けるように動作可能である。
【0022】
位相変調器120は、第2の光経路136Bの位相を変化させるように動作可能である。位相変調器120の第1の構成では、位相変調器120は、空間光変調器である。位相変調器120の第2の構成では、位相変調器120は、圧電駆動ミラーである。位相変調器120の第3の構成では、位相変調器120は、傾斜ミラーである。位相変調器120は、第2の光経路136Bの位相を変化させる。第2の光経路136Bは、第3のビームスプリッタ118に向けられる。位相変調器120は、第2の光経路136Bの1つまたは複数の位相変調されたイメージを生成する。第1の構成または第2の構成をもつ実施形態では、1つまたは複数の位相遅延イメージが作り出され得る。第3の構成をもつ実施形態では、1つまたは複数の線形位相(linear phase)遅延イメージが作り出され得る。
【0023】
第1の実施形態では、第3のレンズ122Aおよび第4のレンズ122Bが、第2の光経路136Bに沿って配置される。第3のレンズ122Aは、位相変調器120に隣接する。第4のレンズ122Bは、検出器128に隣接する。第2の実施形態では、第5のレンズ124が、第2の光経路136Bに沿って配置される。計測ツール100内に第2の光経路136Bを向けるために、第1の実施形態は第3のレンズ122Aと第4のレンズ122Bとを利用し、第2の実施形態は第5のレンズ124を利用する。第3のレンズ122A、第4のレンズ122B、および第5のレンズ124は、リレーレンズである。
【0024】
第3のビームスプリッタ118は、第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとを検出器128のほうへ向けるように動作可能である。第3のビームスプリッタ118は、第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとを、重ね合わせられた光経路に重ね合わせる。検出器128は、重ね合わせられた光経路の強度測定値を取得するように動作可能である。検出器128は、基準点138における全視野光学場を再構築するために、強度測定値を利用するように動作可能である。基準点138は、第2の表面106に直接隣接して位置する。基準点138は、第1の光経路136Aが光学装置から出射する、光学装置102の表面に隣接して位置する。光学装置102の計測メトリックは、後処理中に全視野光学場から導出される。計測ツール100は、計測ツール100の動作を制御するように動作可能なコントローラ140と通信している。
【0025】
図2は、計測ツール200の概略断面図である。計測ツール200は、基板108を保持するように動作可能である。基板108は、基板108上に配設された少なくとも1つの光学装置102を含む。
【0026】
本明細書で説明される少なくとも1つの光学装置102は例示的な光学装置であり、本開示の態様を達成するために、他の光学装置が、ともに使用されるかまたは修正され得ることを理解されたい。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、光学装置102は、導波管コンバイナである。導波管コンバイナは、仮想現実、拡張現実、または複合現実のために利用され得る。光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、入力結合領域が、光学装置102の第1の表面104上に配設され得る。出力結合領域が、光学装置102の第2の表面106上に配設され得る。第2の表面106は、第1の表面104の反対側の表面上にある。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、導波管コンバイナは、同じ表面、たとえば、第1の表面104または第2の表面106のうちの1つ上に、入力結合領域と出力結合領域とを含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、また別の実施形態では、光学装置102は、メタ表面など、平坦な光学装置である。
【0027】
計測ツール200は、少なくとも1つの光学装置102の全視野光学場を測定するように動作可能である。光学装置102の全視野光学場は、光学装置102の完全な特徴づけを提供する。全視野光学場は、光線の振幅および位相を含む。全視野光学場は、全視野光学場を並行して測定することによって、光学装置102の直接情報を提供する。光学装置102の設計が検証され、光学装置計測メトリックがモニタされることを保証するために、計測メトリックが、全視野光学場から取得され得る。本明細書で説明される計測ツール200の実施形態は、増加されたスループットで複数の計測メトリックを取得する能力を提供する。計測メトリックは、導波管コンバイナについての、角度均一性メトリック、コントラストメトリック、効率性メトリック、色均一性メトリック、変調伝達関数(MTF)メトリック、視界(FOV)メトリック、ゴーストイメージメトリック、またはアイボックスメトリック、および、メタ表面についての、効率性メトリック、点広がり関数(PSF)メトリック、変調伝達MTFメトリック、または位相誤差メトリックのうちの1つまたは複数を含む。
【0028】
計測ツール200は、光エンジン210と、第1のビームスプリッタ212と、第2のビームスプリッタ218と、ミラー216と、傾斜ミラー220と、第1のレンズ222Aと、第2のレンズ222Bと、補助レンズ242と、検出器228とを含む。光エンジン210は、光線を第1のビームスプリッタ212に投射するように動作可能である。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、光エンジン210は、発光ダイオード(LED)またはレーザである。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、光エンジン210は、ディスプレイモジュールを含む。ディスプレイモジュールは、パターンを光学装置102に投射するように動作可能である。ディスプレイモジュールは、マイクロLEDモジュール、液晶オンシリコン(LCOS)モジュール、デジタル光処理(DLP)モジュール、またはレーザ投射モジュールを含み得る。
【0029】
第1のビームスプリッタ212は、光線を第1の光経路236Aと第2の光経路236Bとに分割する。光学装置102は、第1の光経路236A中に配設される。光学装置102は、導波管コンバイナまたはメタ表面など、任意の好適な光学装置であり得る。第1の光経路236Aは、測定されるべき光学装置102に向けられる。第1の光経路236Aは、光学装置102の第1の表面104に入射する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、いくつかの実施形態では、第1の変調モジュール213および第2の変調モジュール214が、光学装置102の第1の表面104に隣接して配置される。第1の変調モジュール213と第2の変調モジュール214とは、光学装置102のいずれかの側に配置される。第1の変調モジュール213および第2の変調モジュール214は、第1の光経路236Aの位相、振幅、または入射角度を変化させるように動作可能である。
【0030】
図2に示されているような、光学装置102がメタ表面である実施形態では、第1の光経路236Aは、メタ表面の第1の表面104に入射する。第1の光経路236Aは、メタ表面の中心点144に向けられる。第1の光経路236Aは、メタ表面を通過し、メタ表面の中心点144から出射する。
図2は光学装置102をメタ表面として示しているが、光学装置102は、導波管コンバイナなど、任意の好適な光学装置であり得る。
【0031】
図1に示されているような、光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、第1の光経路236Aは、入力結合領域に入射する。第1の光経路236Aは、導波管コンバイナを通過する。第1の光経路236Aは、導波管コンバイナの出力結合領域から出射する。
【0032】
第1の光経路236Aは、ミラー216に入射するように動作可能である。補助レンズ242は、光学装置102とミラー216との間に配置される。補助レンズ242は、リレーレンズである。ミラー216は、第1の光経路236Aに沿って、光学装置102の第2の表面106に隣接して配置される。ミラー216は、第1の光経路236Aを第2のビームスプリッタ218に向けるように動作可能である。
【0033】
第2の光経路236Bは、傾斜ミラー220に入射する。傾斜ミラー220は、第2の光経路236Bの位相を変化させるように動作可能である。傾斜ミラー220は、第2の光経路236Bの位相を変化させる。第2の光経路236Bは、第2のビームスプリッタ218に向けられる。傾斜ミラー220は、第2の光経路236Bの1つまたは複数の線形位相遅延イメージを生成する。第1のレンズ222Aおよび第2のレンズ222Bは、第2の光経路236Bに沿って配置される。第1のレンズ222Aは、傾斜ミラー220に隣接する。第2のレンズ222Bは、検出器228に隣接する。第1のレンズ222Aおよび第2のレンズ222bは、リレーレンズである。
【0034】
第2のビームスプリッタ218は、第1の光経路236Aと第2の光経路236Bとを検出器228のほうへ向けるように動作可能である。第2のビームスプリッタ218は、第1の光経路236Aと第2の光経路236Bとを、重ね合わせられた光経路に重ね合わせる。検出器228は、重ね合わせられた光経路の強度測定値を取得するように動作可能である。検出器228は、基準点238における全視野光学場を再構築するために、強度測定値を利用するように動作可能である。基準点238は、第2の表面106に直接隣接して位置する。基準点238は、第1の光経路236Aが光学装置102から出射する、光学装置102の表面に隣接して位置する。光学装置102の計測メトリックは、後処理中に全視野光学場から導出される。計測ツール200は、計測ツール200の動作を制御するように動作可能なコントローラ140と通信している。
【0035】
図3は、少なくとも1つの光学装置102の全視野光学場を決定するための方法300の流れ図である。少なくとも1つの光学装置102は、計測ツール100中に配設された基板108上に配設される。説明を容易にするために、方法300は、
図1に示されているような、計測ツール100に関して説明される。計測ツール100のコントローラ140が、方法300の動作を容易にするように動作可能である。方法300は、計測ツール200とともに実施されるように動作可能である。
【0036】
動作301において、光線が投射される。光線は、光エンジン110から第1のビームスプリッタ112に投射される。第1のビームスプリッタ112は、光線を第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとに分割する。
【0037】
動作302において、第1の光経路136Aは、光学装置102に入射するように投射される。光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、第1の光経路136Aは、第1の表面104に対応する、入力結合領域に入射する。第1の光経路136Aは、光学装置102を通過する。第1の光経路136Aは、光学装置102の出力結合領域から出射する。導波管コンバイナは、第1の光経路136Aが導波管コンバイナの入力結合領域に入射するように動作可能であるように、配置される。光学装置102がメタ表面である実施形態では、第1の光経路136Aは、メタ表面の第1の表面104に入射する。第1の光経路136Aは、メタ表面の中心点144に向けられる。第1の光経路136Aは、メタ表面を通過し、メタ表面の中心点144を介して第2の表面106を通って出射する。メタ表面は、第1の光経路136Aがメタ表面の中心点144に入射するように動作可能であるように、配置される。第1の光経路136Aは、検出器128に向けられる。
【0038】
動作303において、1つまたは複数の位相変調されたイメージが作り出される。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、1つまたは複数の位相変調されたイメージは、位相遅延イメージである。第2の光経路136Bは、1つまたは複数の位相遅延イメージを作り出すために位相変調器120に入射する。位相変調器120の第1の構成および第2の構成では、位相変調器120は、空間光変調器または圧電駆動ミラーである。位相変調器120が第1の構成または第2の構成におけるものであるとき、位相変調器120は、第2の光経路136Bの1つまたは複数の位相遅延を生成するように動作可能である。たとえば、第2の光経路136Bの4つの位相遅延イメージ(すなわち、0.5π、π、1.5π、2π)が、検出器128に提供されて、記録される。各位相遅延イメージは、検出器128上の第1の光経路136Aおよび第2の光経路136Bの強度を変更することになる。さらに、3つまたはそれ以上の位相遅延イメージが、検出器128への雑音の影響を低減する。位相変調器120の第3の構成では、位相変調器120は、傾斜ミラーである。
【0039】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、別の実施形態では、1つまたは複数の位相変調されたイメージは、線形位相遅延イメージである。位相変調器120が第3の構成におけるものであるとき、傾斜ミラーが利用される。傾斜ミラーは、線形位相変化を伴う1つまたは複数の線形位相遅延イメージを形成する。傾斜ミラーは、1つまたは複数の線形位相遅延イメージがエイリアシングなしに形成され得るように、あらかじめ定義された角度において角度付けされる。第2の光経路136Bの線形位相遅延イメージは、検出器128に提供される。
【0040】
動作304において、第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとは重ね合わせられる。第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとは、第3のビームスプリッタ118によって重ね合わせられる。第1の光経路136Aと第2の光経路136Bとは、重ね合わせられた光経路を形成するために重ね合わせられる。重ね合わせられた光経路は、検出器128に入射する。第1のレンズ126が、第1の光経路136Aを検出器128にリレーする。いくつかの実施形態では、第4のレンズ122Bが、同じく、基準場を検出器128にリレーする。第2のレンズ132が、1つまたは複数の位相遅延イメージの光場を位相変調器120から検出器128にリレーする。いくつかの実施形態では、第3のレンズ122Aまたは第5のレンズ124が、同じく、1つまたは複数の位相遅延イメージの光場を検出器128にリレーする。
【0041】
動作305において、基準点138における光学装置102の全視野光学場が決定される。基準点138は、第2の表面106に直接隣接して位置する。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、基準点138は、光学装置102の出力結合領域に位置する。全視野光学場は、光学装置102の完全な特徴づけを提供する。基準点138における全視野光学場は、基準点138における振幅および位相を決定することを含む。本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、位相のプロファイルが、光学装置102の設計と直接比較され、したがって、製造プロセスにフィードバックを提供することができる。検出器128は、振幅および位相を決定するために、重ね合わせられた光経路の強度測定値を記録する。位相変調器120が第1の構成または第2の構成におけるものであるとき、第1の式が、重ね合わせられた光線の強度測定値I(x,y;Φ)を決定するために利用され得る。
I(x,y;Φ)=I1(x,y)+I2(x,y)cos(Ψ(x,y)+Φ)
ここで、I1は第1の光経路136Aの強度測定値であり、I2は第2の光経路136Bの強度測定値であり、Φは、位相変調器120によってもたらされる1つまたは複数の位相遅延イメージの位相であり、Ψは、基準点138における第1の光経路136Aの位相である。I1およびI2は、基準点138における振幅情報を含んでいる。位相変調器120により位相遅延イメージの位相Φを変化させることによって、複数の異なるイメージが、基準点138における振幅および位相Ψについて解くために利用される。たとえば、(x,;Φ)のフーリエ変換が、基準点138における振幅および位相Ψを再構築することになる。基準点138における振幅および位相Ψは、全視野光学場に対応する。
【0042】
位相変調器120が第3の構成におけるものであるとき、第2の式が、重ね合わせられた光線の強度測定値I(x,y;Φx,y)を決定するために利用され得る。
I(x,y;Φ)=I1(x,y)+I2(x,y)cos(Ψ(x,y)+Φx,y)
ここで、I1は第1の光経路136Aの強度測定値であり、I2は第2の光経路136Bの強度測定値であり、Φは、位相変調器120によってもたらされる線形位相遅延イメージの位相であり、Ψは、基準点138における第1の光経路136Aの位相である。I1およびI2は、基準点138における振幅情報を含んでいる。傾斜ミラーは、位相遅延イメージΦを高い周波数領域上にもっていく。そのイメージは、基準点138における振幅および位相Ψについて解くために利用される。たとえば、(x,;Φ)のフーリエ変換が、基準点138における振幅および位相Ψを再構築することになる。基準点138における振幅および位相Ψは、全視野光学場に対応する。
【0043】
本明細書で説明される他の実施形態と組み合わせられ得る、一実施形態では、光学装置102が導波管コンバイナであるとき、基準点138における全視野光学場は、導波管コンバイナのイメージ品質との相関を決定するために検査され得る。さらに、全視野光学は、導波管コンバイナにわたる光学装置構造の均一性をモニタするために利用され得る。光学装置構造の限界寸法、深さ、トレンチ充填、オーバーコーティングなどを含む、導波管コンバイナにわたる光学装置構造の均一性をモニタするために、各導波管コンバイナ間のばらつきは、収集され、経験的データのライブラリに編成される。
【0044】
動作306において、計測メトリックが決定される。基準点138における全視野光学場は、動作305において決定される。光学装置102の計測メトリックは、後処理中に全視野光学場から導出される。計測メトリックは、遠距離場における光学装置の性能を予測するために利用され得る。計測メトリックは、光学装置設計を検証し、光学装置性能をモニタするために、利用され得る。光学装置102が導波管コンバイナである実施形態では、計測メトリックは、限定はしないが、角度均一性メトリック、コントラストメトリック、効率性メトリック、色均一性メトリック、変調伝達関数(MTF)メトリック、視界(FOV)メトリック、ゴーストイメージメトリック、またはアイボックスメトリックのうちの1つまたは複数を含む。光学装置102がメタ表面である実施形態では、計測メトリックは、限定はしないが、効率性メトリック、点広がり関数(PSF)メトリック、MTFメトリック、または位相誤差メトリックのうちの1つまたは複数を含む。単一の物理的測定値から任意の所望の計測メトリックを導出する能力は、スループットを改善し、ストレージおよび帯域幅要件を低減し、光学装置102の分析に関連するコストを低減する。
【0045】
要約すると、光学装置の複数の計測メトリックを決定するために光学装置の全視野光学場を取得する、計測ツールおよび方法が、本明細書で提供される。計測ツールは、光線を第1の光経路と第2の光経路とに分割するために利用される。第1の光経路は、メタ表面または導波管コンバイナなど、少なくとも1つの光学装置を通って進み、検出器に向けられる。第2の光経路は、位相変調器に向けられる。第2の光経路の1つまたは複数の位相変調されたイメージが、検出器によってキャプチャされる。第1の光経路と第2の光経路とは、重ね合わせられた光線に重ね合わされ、検出器に送出される。検出器は、重ね合わせられた光線の強度を測定する。第1の式および第2の式が、強度測定値と組み合わせて利用されて、少なくとも1つの光学装置の第2の表面に直接隣接する基準点における振幅および位相Ψを決定する。振幅および位相Ψは、光学装置の全視野光学場に対応する。計測メトリックは、全視野光学場から導出され得る。本明細書で説明される方法は、スループットを改善し、ストレージおよび帯域幅要件を低減し、光学装置の分析に関連するコストを低減する。
【0046】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他の実施形態がその基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】