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特表2024-533995画像検査装置のためのサンプルエッジ検出及びサンプル位置決めの方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】画像検査装置のためのサンプルエッジ検出及びサンプル位置決めの方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240910BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508068
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022071819
(87)【国際公開番号】W WO2023030814
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,625
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メン,シャオドン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジウェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジェン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,カンシェン
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106BA02
4M106BA04
4M106CA50
4M106DB03
4M106DB04
4M106DB05
4M106DB07
4M106DJ02
4M106DJ18
4M106DJ19
4M106DJ20
5C101AA03
5C101FF02
5C101FF46
5C101FF48
5C101GG19
(57)【要約】
位置決めされたサンプルの位置を検出するためのシステム、装置、及び、方法が、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度よりも高い、静電ホルダと、隙間領域に光を向けるように構成される光源と、隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器と、を含み得る。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置であって、
サンプルを保持し、静電ホルダが前記サンプルを保持するとき前記サンプルの外部エッジと前記静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、前記隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の前記光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、前記第1の波長は所定の波長範囲内にあり、前記第2の波長は前記所定の波長範囲外にあり、前記第1の輝度は前記第2の輝度よりも高い、静電ホルダと、
前記隙間領域に前記光を向けるように構成される光源と、
前記隙間領域から反射された前記光を撮像するように構成される光検出器と、
を備える、装置。
【請求項2】
所定の偏光で前記隙間領域に向けられた前記光を偏光させるように構成される偏光ビームスプリッタを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のコーティングは、前記光の偏光を修正するように構成される第2のコーティングで覆われる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の波長の前記光は、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの1つを含み、
前記第2の波長の前記光は、前記赤色光、前記青色光、又は前記緑色光のうちの別の1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の波長の前記光は、青色光であり、
前記第2の波長の前記光は、緑色光又は赤色光である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記光は、複数の波長を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光は、可視光を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光は、白色光を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記光検出器は、複数のカラーチャネルで前記光を撮像するように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のカラーチャネルは、赤色チャネル、緑色チャネル、及び青色チャネルを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のコーティングは、第3の輝度で第3の波長の前記光を反射するように更に構成され、
前記第3の波長の前記光は、前記所定の波長範囲外にあり、
前記第1の輝度は、前記第3の輝度よりも高い、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記光検出器は、前記隙間領域から反射された前記光を第1のカラーチャネルの第1の画像、第2のカラーチャネルの第2の画像、及び第3のカラーチャネルの第3の画像として撮像するように更に構成され、
前記第1の波長の前記光は、前記第1のカラーチャネルで撮像され、
前記第2の波長の前記光は、前記第2のカラーチャネルで撮像され、
前記第3の波長の前記光は、前記第3のカラーチャネルで撮像され、
前記装置は、前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記第3の画像に基づいて合成画像を生成するように構成される回路を更に備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することであって、前記第1の差は前記第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと前記第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベルとの間であり、前記第2の差は前記第1の画像の前記第1のピクセルの前記第1のグレーレベルと前記第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルとの間であり、前記第1のピクセル、前記第2のピクセル、及び前記第3のピクセルが同位置にあること、及び、
前記ピクセルの前記グレーレベルに基づいて前記合成画像を生成すること、
を行うように構成される回路を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の差及び前記第2の差の加重和として前記ピクセルの前記グレーレベルを決定するように構成される回路を更に備え、
前記第1の差は、第1の重み値で重み付けされ、
前記第2の差は、第2の重み値で重み付けされ、
前記第1の重み値及び前記第2の重み値は、0から1の範囲内にある、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
装置に方法を実行させるために前記装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な1組の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記方法は、
静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと前記静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域から反射される光を前記装置に得させることであって、前記隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の前記光を反射し、第3の輝度で第3の波長の前記光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、前記第1の波長は所定の波長範囲内にあり、前記第2の波長及び前記第3の波長は前記所定の波長範囲外にあり、前記第1の輝度は前記第2の輝度及び前記第3の輝度よりも高いこと、
第1のカラーチャネルにおける第1の画像、第2のカラーチャネルにおける第2の画像、及び第3のカラーチャネルにおける第3の画像として前記光を前記装置に撮像させることであって、第1の波長の前記光は前記第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の前記光は前記第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の前記光は前記第3のカラーチャネルで撮像されること、
前記第1の画像、前記第2の画像、及び前記第3の画像に基づいて合成画像を生成すること、及び、
前記合成画像に基づいて前記サンプルの位置を決定すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年9月3日に出願され、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願第63/240,625号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本明細書は画像検査装置の分野に関し、より詳細には、画像検査装置のためのサンプルエッジ検出及びサンプル位置決めに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 画像検査装置(例えば荷電粒子ビーム装置又は光学ビーム装置)は、検査装置に関連する放射源(例えば荷電粒子源又は光源)によって生成されるビーム(例えば荷電粒子ビーム又は光学ビーム)の衝突時にサンプルの表面からの粒子(例えば光子、二次電子、後方散乱電子、ミラー電子、又は他の種類の電子)を検出することによってサンプル(例えばウェーハ基板又は単に「ウェーハ」と呼ばれる)の二次元(2D)画像を生成することができる。半導体産業では、ウェーハ処理(例えばeビーム直接描画リソグラフィシステム)、プロセスモニタリング(例えば測長走査型電子顕微鏡(CD-SEM))、ウェーハ検査(例えばeビーム検査システム)、又は欠陥解析(例えば欠陥レビューSEM、又は例えばDR-SEM及び集束イオンビームシステム、又は例えばFIB)などの様々な目的で様々な画像検査装置が半導体ウェーハ上で使用されている。
【0004】
[0004] 画像検査装置では、サンプルアライメント及びサンプル検査の高い成功率を得るために、検査するサンプルの位置決めが重要である。サンプルの位置決めには既存の様々な方法を使用することができる。1つの方法は、サンプルの外部エッジ(例えばウェーハエッジ)及びサンプルを保持するサンプルホルダの内部エッジ(例えば静電ホルダエッジ)を範囲に含む画像(例えば光学画像)を撮影することである。画像を得た後、画像処理アルゴリズムを適用して、サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジを検出することができる。サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジに基づいて、サンプルの位置を決定することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、位置決めされたサンプルの位置を検出するためのシステム及び方法を提供する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置が、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダを含むことができ、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度よりも高い。この装置は、隙間領域に光を向けるように構成される光源も含み得る。この装置は、隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器を更に含み得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、位置決めされたサンプルの位置を検出するための別の装置が、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダを含むことができ、隙間領域の表面にはメカニカルミリングプロセスが施される。本装置は、隙間領域に光を向けるように構成される光源も含み得る。本装置は、隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器を更に含み得る。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、システムが、サンプルホルダ上で位置決めされるサンプルを走査し、サンプルの画像を生成するように構成される画像検査装置を含み得る。本システムは、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダも含むことができ、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度よりも高い。本システムは、所定の偏光で隙間領域に光を向けるように構成される光源を更に含み得る。本システムは、隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器を更に含むことができ、撮像される光の第1の波長の輝度は撮像される光の第2の波長の輝度よりも高い。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、別のシステムが、サンプルホルダ上で位置決めされるサンプルを走査し、サンプルの画像を生成するように構成される画像検査装置を含み得る。本システムは、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダも含むことができ、隙間領域の表面にはメカニカルミリングプロセスが施される。本システムは、所定の偏光で隙間領域に光を向けるように構成される光源を更に含み得る。本システムは、隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器を更に含み得る。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、位置決めされたサンプルの位置を検出するための方法が、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域から反射される光を得ることを含むことができ、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し、第3の輝度で第3の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長及び第3の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度及び第3の輝度よりも高い。本方法は、第1のカラーチャネルにおける第1の画像、第2のカラーチャネルにおける第2の画像、及び第3のカラーチャネルにおける第3の画像として光を撮像することも含むことができ、第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像される。本方法は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成することを更に含み得る。本方法は、合成画像に基づいてサンプルの位置を決定することを更に含み得る。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が、装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な1組の命令を格納することができる。1組の命令は装置に方法を実行させることができる。その方法は、静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域から反射される光を装置に得させることを含むことができ、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し、第3の輝度で第3の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長及び第3の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度及び第3の輝度よりも高い。その方法は、第1のカラーチャネルにおける第1の画像、第2のカラーチャネルにおける第2の画像、及び第3のカラーチャネルにおける第3の画像として光を装置に撮像させることも含むことができ、第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像される。その方法は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成することを更に含み得る。その方法は、合成画像に基づいてサンプルの位置を決定することを更に含み得る。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、静電ホルダを製造するための方法が、静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域の表面にメカニカルミリングプロセスを施すことを含むことができ、メカニカルミリングプロセスの完了条件は、毎分4000回以上のミリング回転速度、毎秒2ミリメートル以下の直線送り、又は0.03ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含む。静電ホルダは、隙間領域から反射される光に基づいて画像を生成するように構成することができる。静電ホルダは、画像に基づいてサンプルの位置を決定するように更に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013]本開示のいくつかの実施形態に一致する、例示的な荷電粒子ビーム検査(CPBI)システムを示す概略図である。
図2】[0014]図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部であり得る、本開示のいくつかの実施形態に一致する例示的な荷電粒子ビームツールを示す概略図である。
図3A】[0015]本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ上のサンプルを撮像するための例示的なシステムを示す概略図である。
図3B】[0016]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図3Aのシステム内のサンプルホルダ及びサンプルホルダ上に位置決めされたサンプルの詳細図を示す概略図である。
図4A】[0017]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図3Aのシステムによって生成された例示的な画像を示す。
図4B】[0018]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図4Aの画像の例示的なグレーレベルプロファイルを示す。
図5】[0019]本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ上のサンプルを撮像するための別の例示的なシステムを示す概略図である。
図6A】[0020]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図5のシステムによって生成される例示的な画像を示す。
図6B】[0021]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図6Aの画像の例示的なグレーレベルプロファイルを示す。
図7】[0022]本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ上のサンプルを撮像するための更に別の例示的なシステムを示す概略図である。
図8A】[0023]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図7のシステムによって生成される例示的な画像を示す。
図8B】[0024]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図8Aの画像の例示的なグレーレベルプロファイルを示す。
図9】[0025]本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ上のサンプルを撮像するための更に別の例示的なシステムを示す概略図である。
図10A】[0026]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図9のシステム以外のシステムによって生成されたサンプルの例示的な画像を示す。
図10B】[0027]本開示のいくつかの実施形態に一致する、図9のシステムによって生成された例示的な画像を示す。
図11】[0028]本開示のいくつかの実施形態に一致する、位置決めされたサンプルの位置を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図12】[0029]本開示のいくつかの実施形態に一致する、静電ホルダを製造するための別の例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0030] 次に、その例を添付図面に示す例示的実施形態を詳細に参照する。以下の説明は添付図面を参照し、別段の定めがない限り、添付図面では異なる図面における同じ番号が同じ又は類似の要素を表す。実施形態例の以下の説明に記載されている実装形態は、本開示と一致する全ての実装形態を表すものではない。むしろ、それらは添付の特許請求の範囲に列挙する内容に関係する態様と一致する装置及び方法の例に過ぎない。本開示の範囲を限定することなしに、一部の実施形態は電子ビーム(「eビーム」)を利用するシステムにおける検出システム及び検出方法を提供する脈絡で説明され得る。但し本開示はそれらに限定されない。他の種類の荷電粒子ビーム(例えば陽子、イオン、ミューオン、又は電荷を搬送する他の任意の粒子を含む)が同様に照射され得る。更に、検出のためのシステム及び方法は、光学撮像、光検出、x線検出、イオン検出などの他の撮像システム内で使用されてもよい。
【0015】
[0031] 電子デバイスは、基板と呼ばれる半導体材料の断片上に形成される回路から構成される。半導体材料は、例えばシリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウム、又はシリコンゲルマニウムなどを含み得る。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることができ、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に低減された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほど小さいことがあり得るが、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
【0016】
[0032] これらの極めて小さな構造又は部品を有するICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、そのICを使い物にならなくする可能性がある。従って、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0017】
[0033] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造物を形成する様々な段階において、チップ回路構造物を検査することである。検査は、走査荷電粒子顕微鏡(「SCPM」)を使用して行うことができる。例えば、走査荷電粒子顕微鏡は走査電子顕微鏡(SEM)であり得る。走査荷電粒子顕微鏡は、実際にはウェーハの構造の「写真」を撮り、それらの極めて小さな構造を撮像するために使用することができる。この画像を使用して、構造が適切な位置に適切に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、その欠陥が再発しにくくなるようにプロセスを調節することができる。
【0018】
[0034] 走査荷電粒子顕微鏡(例えばSEM)の動作原理はカメラに似ている。カメラは、人又は物体から反射され又は放たれる光の強度を受け付け記録することによって写真を撮る。走査荷電粒子顕微鏡は、ウェーハの構造から反射され又は放たれる荷電粒子(例えば電子)のエネルギー又は量を受け付け記録することによって「写真」を撮る。典型的には、構造物は撮像のためのステージと呼ばれるプラットフォーム上に配置される基板(例えばシリコン基板)上で作られる。かかる「写真」を撮る前に、荷電粒子ビームを構造物上に投影することができ、荷電粒子が構造物から(例えばウェーハ表面から、ウェーハ表面下の構造物から、又はその両方から)反射され又は放たれる(「出射」)されるとき、走査荷電粒子顕微鏡の検出器は検査画像を生成するためにそれらの荷電粒子のエネルギー又は量を受け付け記録することができる。かかる「写真」を撮るために、荷電粒子ビームは(例えばラインごとに又はジグザグ式に)ウェーハを走査することができ、検出器は荷電粒子ビームの投影下の領域(「ビームスポット」と呼ぶ)から来る出射荷電粒子を受け付けることができる。検出器は、各ビームスポットからの出射荷電粒子を1つずつ受け付け記録し、全てのビームスポットについて記録した情報を結合して検査画像を生成することができる。一部の走査荷電粒子顕微鏡は、検査画像を生成するための1枚の「画像」を撮影するために1つの荷電粒子ビームを使用する一方(シングルビームSEMなどの「シングルビームSCPM」と呼ばれる)、一部の走査荷電粒子顕微鏡はウェーハの複数の「サブピクチャ」を並行して撮影し、それらをつなぎ合わせて検査画像を生成するために複数の荷電粒子ビームを使用する(マルチビームSEMなどの「マルチビームSCPM」と呼ばれる)。複数の荷電粒子ビームを使用することにより、SEMはこれらの複数の「サブピクチャ」を得るために構造物により多くの荷電粒子ビームを与えることができ、その結果、構造物からより多くの荷電粒子が出射される。従って、検出器はより多くの出射荷電粒子を同時に受け取り、より高い効率及びより速い速度でウェーハの構造の検査画像を生成することができる。
【0019】
[0035] 画像検査装置では、サンプルアライメント及びサンプル検査のより高い成功率を得るために、検査するサンプル(例えばウェーハ)の位置決めが重要である。サンプルの位置決めには既存の様々な方法を使用することができる。1つの方法は、サンプルの外部エッジ(例えばウェーハエッジ)及びサンプルを保持するサンプルホルダの内部エッジ(例えば静電ホルダエッジ)を範囲に含む画像(例えば光学画像)を撮影することである。画像を得た後、画像処理アルゴリズムを適用して、サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジを検出することができる。サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジに基づいて、サンプルの位置を決定することができる。一例として米国特許第9,377,416号は、サンプル位置決めのためのそのような既存のシステム及び方法を示す。
【0020】
[0036] しかし、サンプル位置決めのための既存の方法にはいくつかの課題が存在する。典型的には、様々な提供者によって提供されるサンプルを検査するために画像検査装置を使用することができる。様々な提供者からのサンプルは、様々な光学的フィーチャ(例えば表面反射率)を有し得る。それらの光学的フィーチャは、サンプルホルダの表面の光学的フィーチャと類似している場合も異なる場合もあり、幅広いばらつきを有し得る。このようなばらつきは、サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジを検出するために適用される画像処理アルゴリズムに困難をもたらす。例えばサンプルの反射率がサンプルホルダの反射率と非常に類似している場合、サンプルの外部エッジを表す部分及びサンプルホルダの内部エッジを表す部分について、エッジ検出のために生成される画像が類似したグレーレベル(即ち低コントラスト)を有する可能性があり、画像処理アルゴリズムが任意のエッジの識別に失敗する確率が高くなり得る。サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジが成功裏に検出されない場合、サンプルの位置が誤って決定される可能性がある。サンプルの位置が正しいと誤判定される場合、サンプルが正しい位置にあるように調節されず、そのことはサンプルが理想的に位置決めされないことによるサンプルの検査結果の誤差を引き起こし得る。
【0021】
[0037] そのような幅広い光学的フィーチャのばらつきを有するサンプルのエッジを画像検査装置が検出できるようにするために、本開示の実施形態は、位置決めされたサンプルの位置を検出するための方法、装置、及びシステムを提供する。開示するいくつかの実施形態では、サンプルの外部エッジとサンプルホルダの内部エッジとの間の隙間領域の表面に特定の機械加工を施すことができ、この機械加工は隙間領域の反射率及び光学的フィーチャの一貫性を高めることができる。開示するいくつかの実施形態では、光の一定の波長範囲のみを反射する可能性がある隙間領域の表面を覆うように第1の化学コーティングを施すことができ、波長依存光検出器が第1の化学コーティングから反射される光を受光してエッジ識別用の画像を生成することができる。開示するいくつかの実施形態では、第1の化学コーティングを覆うように第2の化学コーティングを施すことができ、第2の化学コーティングは第1のコーティングから反射される光を偏光させることができ、波長依存光検出器は、第2の化学コーティングによって偏光された光を受光してエッジ識別用の画像を生成することができる。開示する実施形態を適用することにより、サンプルの外部エッジ及びサンプルホルダの内部エッジをより高い成功率で識別することができ、従ってサンプルの画像検査をより高い精度で行うことができる。
【0022】
[0038] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることができる。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。
【0023】
[0039] 本明細書で使用する場合、特段の断りが無い限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0024】
[0040] 図1は、本開示のいくつかの実施形態に一致する例示的な荷電粒子ビーム検査(CPBI)システム100を示す。CPBIシステム100は撮像に使用することができる。例えばCPBIシステム100は、電子ビームを撮像に使用することができる。図1に示すように、CPBIシステム100は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。ビームツール104は、メインチャンバ101内部に配置されている。EFEM106は、第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bを含む。EFEM106は、追加の装填ポートを含むことができる。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、互換的に使用されることができる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。「ロット」とは、バッチとして処理するために装填されることができる複数のウェーハである。
【0025】
[0041] EFEM106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ102は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハはビームツール104による検査にかけられる。ビームツール104は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0026】
[0042] コントローラ109がビームツール104に電子的に接続される。コントローラ109は、CPBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されるコンピュータであり得る。図1ではメインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外側にあるようにコントローラ109を図示するが、コントローラ109は構造の一部であり得ることが理解されよう。
【0027】
[0043] いくつかの実施形態では、コントローラ109は1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含むことができる。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・アレイ・ロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のプロセッサを含む、仮想プロセッサであり得る。
【0028】
[0044] いくつかの実施形態では、コントローラ109は更に、1つ又は複数のメモリ(図示せず)を含むことができる。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる、汎用の又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、メモリは、任意の数のランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティ・デジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクト・フラッシュ(CF)カード、又は任意の種類の記憶デバイス、の任意の組み合わせを含むことができる。コードには、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ又は複数のアプリケーション・プログラム(即ち「apps」)が含まれることができる。メモリはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のメモリを含む、仮想メモリであり得る。
【0029】
[0045] 図2は、本開示の実施形態に一致する例示的な撮像システム200を示す。図2のビームツール104は、CPBIシステム100において使用するように構成され得る。ビームツール104は、シングルビーム装置又はマルチビーム装置であり得る。図2に示すように、ビームツール104は、電動サンプルステージ201と、検査しようとするウェーハ203を保持するための、電動サンプルステージ201によって支持されるウェーハホルダー202と、を含む。ビームツール104は、対物レンズアセンブリ204、荷電粒子検出器206(荷電粒子センサ表面206a及び206bを含む)、対物アパーチャ208、集光レンズ210、ビーム制限アパーチャ212、ガンアパーチャ214、アノード216、及びカソード218を更に含む。いくつかの実施形態では対物レンズアセンブリ204は、磁極片204a、制御電極204b、偏向器204c、及び励磁コイル204dを含む修正されたスイング対物レンズ遅延液浸レンズ(SORIL:swing objective retarding immersion lens)を含み得る。ビームツール104は、ウェーハ203上の材料を特徴付けるためのエネルギー分散X線分光計(EDS)検出器(不図示)を更に含み得る。
【0030】
[0046] 電子ビームなどの一次荷電粒子ビーム220(又は単に「一次ビーム220」)は、アノード216とカソード218との間に加速電圧を印加することによってカソード218から放出される。一次ビーム220は、その両者がビーム制限アパーチャ212の下にある集光レンズ210に入る荷電粒子ビームのサイズを決定し得る、ガンアパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212を通過する。集光レンズ210は、対物レンズアセンブリ204に入る前に荷電粒子ビームのサイズを設定するために、ビームが対物アパーチャ208に入る前に一次ビーム220を集束させる。偏向器204cは、ウェーハ上のビーム走査を容易にするために一次ビーム220を偏向させる。例えば走査プロセスでは、偏向器204cは、ウェーハ203の異なる部分の画像を再構築するためのデータを提供するために、異なる時点においてウェーハ203の上面の異なる位置に一次ビーム220を順次偏向させるように制御され得る。更に偏向器204cは、異なる時点において特定の位置でウェーハ203の異なる側面上に一次ビーム220を偏向させて、その位置におけるウェーハ構造の立体画像を再構築するためのデータを提供するように制御することもできる。更にいくつかの実施形態では、アノード216及びカソード218が複数の一次ビーム220を生成することができ、ビームツール104は、ウェーハ203の異なる部分の画像を再構築するためのデータを提供するために、複数の一次ビーム220をウェーハの異なる部分/側面に同時に投影するための複数の偏向器204cを含み得る。
【0031】
[0047] 励磁コイル204d及び磁極片204aは、磁極片204aの一端で始まり磁極片204aの他端で終わる磁場を発生させる。一次ビーム220によって走査されているウェーハ203の一部が磁場に入ることができ、電荷を帯び、ひいては電場を発生させることがある。電場は、一次ビーム220がウェーハ203と衝突する前に、ウェーハ203の表面付近の衝突一次ビーム220のエネルギーを減少させる。磁極片204aから電気的に絶縁されている制御電極204bは、ウェーハ203のマイクロアーチングを防止するように、及び適切なビームフォーカスを保証するようにウェーハ203上の電場を制御する。
【0032】
[0048] 一次ビーム220を受けた後、二次電子ビームなどの二次荷電粒子ビーム222(又は「二次ビーム222」)がウェーハ203の一部から放出され得る。二次ビーム222は、荷電粒子検出器206のセンサ表面206a及び206b上にビームスポットを形成し得る。荷電粒子検出器206は、ビームスポットの強度を表す信号(例えば電圧、電流など)を生成し、その信号を画像処理システム250に提供することができる。二次ビーム222及びこれによって生じるビームスポットの強度は、ウェーハ203の外部構造又は内部構造に応じて変化し得る。更に上記で論じたように、異なる強度の二次ビーム222(及び結果として生じるビームスポット)を生成するために、一次ビーム220が特定の位置においてウェーハの上面の異なる位置上に又はウェーハの異なる側面上に投影され得る。従って、ウェーハ203の位置とビームスポットの強度をマッピングすることにより、処理システムはウェーハ203の内部構造又は表面構造を反映する画像を再構築することができる。
【0033】
[0049] 撮像システム200は、電動サンプルステージ201上のウェーハ203を検査するために使用することができ、上記で論じたようにビームツール104を含む。撮像システム200は、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109を含む画像処理システム250も含み得る。画像取得器260は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。例えば画像取得器260は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器260は、導電体、光ファイバケーブル、携帯ストレージ媒体、IR、ブルートゥース、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線、又はそれらの組み合わせなどの媒体を介してビームツール104の検出器206に接続され得る。画像取得器260は検出器206から信号を受信することができ、画像を構築することができる。このようにして、画像取得器260はウェーハ203の画像を取得することができる。画像取得器260は、輪郭を生成すること、取得された画像上に指示子を重畳することなどの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器260は取得された画像の輝度及びコントラストなどの調節を行うことができる。ストレージ270は、ハードディスク、クラウドストレージ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどのストレージ媒体であり得る。ストレージ270は画像取得器260に結合することができ、走査済み生画像データを元画像、後処理済み画像、又は処理を支援する他の画像として保存するために使用され得る。画像取得器260及びストレージ270は、コントローラ109に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109が1つの制御ユニットとして一体化され得る。
【0034】
[0050] いくつかの実施形態では、画像取得器260は検出器206から受信された撮像信号に基づきサンプルの1つ又は複数の画像を取得し得る。撮像信号は、荷電粒子撮像を行うための走査動作に対応し得る。取得された画像は、複数の撮像エリアを含む単一画像であり得る。単一画像はストレージ270内に格納され得る。単一画像は複数の領域に分割され得る元画像であり得る。これらの領域の各々は、ウェーハ203のフィーチャを含む1つの撮像エリアを含み得る。
【0035】
[0051] 図3Aは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ上のサンプルを撮像するための例示的なシステム300を示す概略図である。例えばシステム300は、サンプルの光学画像を生成するために使用され得るテレセントリック光学顕微鏡であり得る。システム300は、サンプルの画像を生成することができる任意の光学系とすることができ、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されないことに留意すべきである。
【0036】
[0052] システム300は、照明ユニット及び画像検出システムを含み得る。図3Aに示すように、照明ユニットは、光源302、ビームスプリッタ304、及び第1のレンズ群306を含み得る。照明ユニットは、光源302から投影される光をサンプルホルダ308(例えば静電ホルダ)及びサンプルホルダ308上で位置決めされるサンプル310(例えばウェーハ)上に導くことができる。例として、光源302は単一波長の光源(例えば525ナノメートル(nm)の波長で発光する緑色光発光ダイオード(LED))、広帯域光源(例えば複数の波長で発光する可視光LED)、又は本開示に記載する例に限定されない任意の種類の光源であり得る。別の例として、ビームスプリッタ304の光学特性は50%の反射率、50%の透過率、及び45°の入射角(「AOI」)を含み得る。本明細書で使用するとき、入射角はサンプルにおける点上に投影される光ビームの方向と、その点を横切るタンジェンシャル面の法線との間の先端角を指す場合がある。ビームスプリッタ304の光学特性は、本開示で記載する例に限定されない様々な適用シナリオに応じて様々な値を有し得ることに留意すべきである。
【0037】
[0053] 図3Aに示すように、画像検出システムは、第1のレンズ群306、ビームスプリッタ304、第2のレンズ群312、及び光検出器314(例えばカメラ)を含み得る。例として、光検出器314はモノクロ光検出器(例えばグレースケール値のみを記録するモノクロカメラ)であり得る。モノクロ光検出器はグレースケール画像を生成することができ、その各ピクセルはピクセルの輝度を表す(例えば黒色、白色、又は灰色を表す)グレーレベルの程度だけを含み得る。モノクロ光検出器は、サンプルの色情報を記録しない場合がある。
【0038】
[0054] 図3Bは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図3Aのシステム300におけるサンプルホルダ308及びサンプル310の詳細図を示す概略図である。図3Bに示すように、(図3A図3Bの両方に示す)x方向に沿って、サンプルホルダ308はホルダ表面316及びホルダ面取り部318を含む。x方向に沿って、サンプル310はサンプル面取り部322及びサンプル表面324を含む。サンプル310の外部エッジとサンプルホルダ308の内部エッジとの間の隙間領域であるホルダ溝320が、ホルダ面取り部318とサンプル面取り部322との間に形成される。
【0039】
[0055] 図4Aは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図3Aのシステム300によって生成された例示的な画像400Aを示す。例として、画像400Aは、モノクロ光検出器である光検出器314によって生成することができ、そのピクセル内にグレーレベル値だけを含み得る。(図3A図4Aの両方に示し、図4Aでは破線矢印によって表す)x方向に沿って、画像400Aは、図3Bのホルダ表面316、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324にそれぞれ対応する部分402、404、406、408、及び410を含む。図4Aに示すように、部分402、404、406、408、及び410は異なるグレースケール値(又はグレーレベル強度)を有する。部分402、404、406、408、及び410内のピクセルのグレースケール値は、ホルダ表面316、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324それぞれの反射率値及び入射角に依存し得る。例えばホルダ表面316、ホルダ溝320、及びサンプル表面324は、正の反射率値及びほぼゼロの入射角を有し、従って画像400Aの部分402、406、及び410はより明るい(例えばより高いグレーレベル強度を有する)可能性がある。ホルダ面取り部318及びサンプル面取り部322は、正の反射率値及びゼロよりも大きい入射角を有することができ、従って画像400Aの部分404及び408はより暗い(例えばより低いグレーレベル強度を有する)可能性がある。
【0040】
[0056] 図4Bは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図4Aの画像400Aの例示的なグレーレベルプロファイル400Bを示す。グレーレベルプロファイル400Bの(図4Bでは破線矢印によって表す)x軸は、図4Aのx方向を表す。グレーレベルプロファイル400Bのy軸は、グレーレベル強度値を表す。図4Bに示すように、グレーレベルプロファイル400Bのグレーレベル強度値を表す折れ線は、図4Aの部分402、404、406、408、及び410それぞれのグレーレベル強度値に対応するセグメント412、414、416、418、及び420を含む。説明したように、部分402、406、及び410は画像400Aにおける部分404及び408よりも明るいので、セグメント412、416、及び420は、グレーレベルプロファイル400B内のセグメント414及び418よりも高い。グレーレベルプロファイル400Bは、部分402と404との間、部分404と406との間、部分406と408との間、及び部分408と410との間の4つの中間領域又は遷移領域のグレーレベル強度値をそれぞれ表す、セグメント422、424、426、及び428を更に含む。サンプルの外部エッジはセグメント426に対応する位置にあり、サンプルホルダの内部エッジはセグメント424に対応する位置にあることに留意すべきである。
【0041】
[0057] 図3A図4Bを参照し、ホルダ表面316、ホルダ面取り部318、及びホルダ溝320の反射率値はサンプルホルダの製造者によって決定され得るが、サンプル面取り部322及びサンプル表面324の反射率値はサンプルの提供者によって決定され得ることに留意すべきである。例えばホルダ表面316は、非反射仕上げ(例えばマット仕上げ)を有するように処理することができる。
【0042】
[0058] いくつかの実施形態では、画像400A及びグレーレベルプロファイル400Bに基づいてサンプル310の位置を決定することができる。例えばサンプル310の絶対位置を決定する方法では、(例えば図4Bのセグメント426に対応する位置にある)サンプルの外部エッジ上の3つ以上の座標、及びサンプルの外部エッジと(例えば図4Bのセグメント424に対応する位置にある)サンプルホルダの内部エッジとの間の3つ以上の隙間距離(例えば図4Aの部分406の幅)を得ることができる。それらのサンプルの外部エッジの座標及び隙間距離に基づき、サンプルホルダ308上のサンプル310の絶対位置を画像処理アルゴリズムによって決定することができる。このような画像処理アルゴリズムは、エッジを識別するために画像内のグレーレベル変化に依存し得る。
【0043】
[0059] しかし、グレーレベルプロファイル400B内のセグメント420及び428のグレーレベル変化は、サンプルの提供者に依存するので予測不可能である。更に、ホルダ表面316及びホルダ溝320は、光学的なばらつきによって一貫性のない反射率値を有し得る。更に、ホルダ面取り部318は機械的誤差を有し得る。上述の課題が原因で、画像400A内の部分406と部分402及び410との間の一貫性のないグレーレベルプロファイル及び低いコントラストは、画像処理アルゴリズムが(例えば図4Bのセグメント426に対応する位置にある)サンプルの外部エッジ及び(例えば図4Bのセグメント424に対応する位置にある)サンプルホルダの内部エッジを識別することを困難にし得る。
【0044】
[0060] 本開示の一部の実施形態に一致し、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置は、サンプル(例えばウェーハ)を保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成することができる静電ホルダを含み得る。隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し得る第1のコーティングで覆うことができる。第1の波長は所定の波長範囲内にあることができ、第2の波長は所定の波長範囲外にあることができる。第1の輝度は第2の輝度よりも高くあり得る。
【0045】
[0061] 本明細書で使用するとき、静電ホルダは、サンプルホルダ上にサンプルを位置決め及び固定するためのデバイスを指し得る。本明細書に記載するサンプルホルダは、静電ホルダであり得る。静電ホルダは、サンプルステージ(例えば図2に関連して図示し説明するサンプルステージ201)上に設置することができる。静電ホルダは少なくとも1つの電極を含むことができ、電極とサンプルとの間に非導電性の誘電材料が提供され得る。例えば電極は、サンプルホルダの上面の下に設けることができる。クランプ電圧が印加されると、電極は静電場によってサンプルホルダの上面にサンプルを引き付け固定することができる。クランプ電圧がオフのとき、電極は静電場を失う可能性があり、サンプルがサンプルホルダから解放され得る。静電ホルダは静電チャック(「e-チャック」)と呼ばれることもある。例として図3A図4Bを参照し、サンプルホルダはサンプルホルダ308とすることができ、サンプルはサンプル310であり得る。図3A図4Bに関して図示し説明したように、隙間領域はホルダ溝320であり得る。
【0046】
[0062] 本明細書で使用するとき、コーティングは物体の表面上に適用される層(例えば化学蒸着層)、波長板(例えばポリマー波長板)、フィルム(例えばリターダフィルム)、又は任意の表面構造を指し得る。第1のコーティングは、波長依存性光吸収コーティングであり得る。いくつかの実施形態では、第1の波長の光は、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの1つを含み得る。第2の波長の光は、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの別の1つを含み得る。例えば第1の波長の光は青色光であり、第2の波長の光は緑色光又は赤色光である。第1のコーティングは、高い輝度で青色光を反射し、低い輝度で赤色光又は緑色光を反射することができる。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは第1の波長の光(例えば青色光)を高い輝度で反射し、第2の波長の全ての光(例えば赤色光又は緑色光等の全ての非青色光)を低い輝度で反射することができる。
【0047】
[0063] 例として図5は、本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ308上のサンプル310を撮像するための例示的なシステム500を示す概略図である。図5に示すように、第1のコーティング506は、サンプル310の外部エッジとサンプルホルダ308の内部エッジとの間に形成される隙間領域508を覆うことができる。
【0048】
[0064] 本開示の一部の実施形態に一致し、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置は、隙間領域に光を向けることができる光源も含み得る。いくつかの実施形態では、光源は広帯域光源を含み得る。光源によって放出される光は複数の波長を含み得る。例えば光は可視光(例えば白色光)であり得る。
【0049】
[0065] 一例として、図5を参照し、システム500は照明ユニットを含み得る。照明ユニットは、光源502、ビームスプリッタ304、及び第1のレンズ群306を含み得る。一例として、光源502は白色発光ダイオード(LED)であり得る。
【0050】
[0066] 本開示の一部の実施形態に一致し、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置は、隙間領域から反射された光を撮像し得る光検出器を更に含み得る。光検出器は光を検出又は感知し、画像を生成するための対応する信号(例えば電子信号)を生成することができる。いくつかの実施形態では、光検出器が複数のカラーチャネルで光を撮像してもよい。例えば光検出器はカメラ(例えば多色カメラ)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のカラーチャネルは、赤色チャネル、緑色チャネル、及び青色チャネルを含み得る。
【0051】
[0067] 例として図5を参照し、システム500は画像検出システムを含み得る。画像検出システムは、第1のレンズ群306、ビームスプリッタ304、第2のレンズ群312、及び光検出器504を含み得る。光検出器504は、多色カメラ(例えば色、又は赤色、緑色、及び青色を捕捉することができるカメラ)等の波長依存性光検出器であり得る。
【0052】
[0068] いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、第3の輝度で第3の波長の光を反射することができる。第3の波長の光は所定の波長範囲外にあることができ、第1の輝度は第3の輝度よりも高い。例えば第1の波長の光は青色光とすることができ、第2の波長の光は緑色光とすることができ、第3の波長の光は赤色光とすることができる。第1のコーティングは、青色光を高い輝度で反射し、緑色光及び赤色光の両方を低い輝度で反射することができる。
【0053】
[0069] いくつかの実施形態では、第1のコーティングが第3の波長を反射し得る場合、光検出器は隙間領域から反射された光を第1のカラーチャネル(例えば青色チャネル)の第1の画像、第2のカラーチャネル(例えば緑色チャネル)の第2の画像、及び第3のカラーチャネル(例えば赤色チャネル)の第3の画像として更に撮像することができる。第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像することができ、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像することができ、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像することができる。装置は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成し得る回路(例えば光検出器自体、又は光検出器に通信可能に結合されるコントローラ若しくは画像処理システム)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像が単一の画像露光から生成され得る。
【0054】
[0070] いくつかの実施形態では、合成画像を生成するために、第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定し得る回路(例えば光検出器自体、又は光検出器に通信可能に結合されるコントローラ若しくは画像処理システム)を装置が更に含むことができ、第1の差は第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベルとの間とすることができ、第2の差は第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルとの間であり得る。第1のピクセル、第2のピクセル、及び第3のピクセルは同位置にあり得る。次いで光検出器は、ピクセルのグレーレベルに基づいて合成画像を生成し得る。
【0055】
[0071] 本明細書で説明するとき、同位置にあることは、同じ原点の定義を有する座標系の中で同じ相対位置を有する2つ以上の物体を指し得る。例えば第1のピクセルは、第1の画像内の第1の原点(0,0)に対して第1の座標(x,y)に位置し得る(例えば第1の原点は、第1の画像の左上角、右上角、左下角、右下角、中央、又は任意の位置である)。第2のピクセルは、第2の画像内の第2の原点(0,0)に対して第2の座標(x,y)に位置し得、第2の原点は第1の原点と同じ定義を共有する。例えば第2の原点は、第1の原点が第1の画像の左上角である場合は第2の画像の左上角、第1の原点が第1の画像の右上角である場合は第2の画像の右上角、第1の原点が第1の画像の左下角である場合は第2の画像の左下角、第1の原点が第1の画像の右下角である場合は第2の画像の右下角、又は第1の原点が第1の画像の中心である場合は第2の画像の中心であり得る。そのような場合、x及びxが同じ値を有し、y及びyが同じ値を有する場合、第1の画像内の第1のピクセル及び第2の画像内の第2のピクセルは「同位置」と称され得る。
【0056】
[0072] いくつかの実施形態では、ピクセルのグレーレベルに基づいて合成画像を生成するために、第1の差及び第2の差の加重和としてピクセルのグレーレベルを決定し得る回路(例えば光検出器自体、又は光検出器に通信可能に結合されるコントローラ若しくは画像処理システム)を装置が更に含むことができる。第1の差は第1の重み値で重み付けすることができ、第2の差は第2の重み値で重み付けすることができる。第1の重み値及び第2の重み値は、0から1の範囲内にあり得る。
【0057】
[0073] 例として、光検出器は式(1)に従ってピクセルのグレーレベルを決定することができる:
GLV=a*(GLVP1-GLVP2)+b*(GLVP1-GLVP3) 式(1)
【0058】
[0074] 式(1)では、GLVはピクセルのグレーレベルを表す。GLVP1、GLVP2、及びGLVP3は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベル、第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベル、及び第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルをそれぞれ表す。パラメータa及びbは、どちらも0から1までの範囲内にある第1の重み値及び第2の重み値をそれぞれ表す。a及びbを使用することにより、GLVの最大値が所定の最大グレースケール値(例えば255)を超えないことを確実にすることができる。
【0059】
[0075] 図6Aは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図5のシステム500によって生成された例示的な画像602、604、606、及び608を示す。画像602、604、及び606は、光検出器504によって第1のカラーチャネル(例えば赤色チャネル)で生成された第1の画像、光検出器504によって第2のカラーチャネル(例えば青色チャネル)で生成された第2の画像、及び光検出器504によって第3のカラーチャネル(例えば緑色チャネル)で生成された第3の画像をそれぞれ表し得る。画像608は、画像602、604、及び606に基づいて生成される合成画像であり得る。画像608の各ピクセルについて、式(1)に従って画像604内のその第1の同位置ピクセルの第1のグレーレベル、画像602内のその第2の同位置ピクセルの第2のグレーレベル、及び画像606内のその第3の同位置ピクセルの第3のグレーレベルを使用してピクセルのグレーレベルを決定することができる。(図6Aでは破線矢印によって表す)x方向に沿って、画像602、604、606、及び608のそれぞれは、図3Bのホルダ表面316、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324にそれぞれ対応する(例えば輝度を表す)異なるグレーレベル強度を有する5つの部分を含む。
【0060】
[0076] 図6Bは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図6Aの画像602、604、606、及び608にそれぞれ対応する例示的なグレーレベルプロファイル616、618、620、及び622を示す。(図6Bでは破線矢印によって表す)グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622のx軸は、図6Aにおけるx方向を表す。グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622のy軸は、グレーレベル強度値を表す。図6Bに示すように、グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622のそれぞれにおいて、グレーレベル強度値を表す折れ線は、セグメント610、612、及び614を含む。図3Bを参照し、グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622内のセグメント610は、画像602、604、606、及び608内のホルダ表面316にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622内のセグメント612は、画像602、604、606、及び608内のホルダ溝320にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。グレーレベルプロファイル616、618、620、及び622内のセグメント614は、画像602、604、606、及び608内のサンプル表面324にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。
【0061】
[0077] 典型的には、ホルダ表面316の反射率値は波長依存性がなく、これによりホルダ表面316は全ての波長の入射光をほぼ等しい反射率で反射し得る。サンプル表面324の反射率値は、その表面材又は表面処理により、波長依存性を有する場合も有さない場合もある。サンプル表面324の反射率値が波長依存性である場合、サンプル表面324の波長依存性はホルダ溝320の波長依存性と同じ場合も異なる場合もある。図5図6Bを参照し、第1のコーティング506を施した後、ホルダ溝320の底部における隙間領域508の表面の反射率値が波長依存性を有するようになり得る。
【0062】
[0078] 例として、図6Aの画像602、604、及び606がそれぞれ赤色、青色、及び緑色のチャネルであると仮定すると、図6Bに示すように、ホルダ表面316の(セグメント610によって表す)反射率値は波長に依存しない可能性があり、この場合、ホルダ表面316はほぼ同じ反射率で赤色、青色、及び緑色の光を反射し得る。第1のコーティング506が原因で、隙間領域508の表面の(セグメント612によって表す)反射率値は波長依存性を有し、この場合、隙間領域508の表面はより高い(例えば80%又は他の任意の閾値パーセンテージよりも高い)反射率で青色光を反射し、より低い(例えば20%又は他の任意の閾値パーセンテージよりも低い)反射率で赤色光及び緑色光を反射し得る。更に図6Bに示すように、サンプル表面324の(セグメント614によって表す)反射率値は波長依存性を有し、この場合、サンプル表面324は高い反射率で青色光及び緑色光を反射し、低い反射率で赤色光を反射し得る。画像602、604、及び606に基づいて、及び式(1)に従って、画像608を生成することができる。図6Bのグレーレベルプロファイル622に示すように、セグメント610とセグメント612との間のグレーレベル強度差並びにセグメント614とセグメント612との間のグレーレベル強度差は、どちらもグレーレベルプロファイル616~620と比較して大きくなる。これに対応し、図6Aの画像608内で示すように、ホルダ溝320に対応する部分とホルダ表面316に対応する部分との間の画像コントラスト、並びにホルダ溝320に対応する部分とサンプル表面324に対応する部分との間の画像コントラストがより鮮明になる。その結果、既存の技術的解決策と比較し、画像処理アルゴリズムは画像608を使用してサンプル(例えばサンプル310)の外部エッジ及びサンプルホルダ(例えばサンプルホルダ308)の内部エッジを決定するためにより高い成功率でエッジを識別することができる。
【0063】
[0079] 本開示の一部の実施形態に一致し、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置は、所定の偏光(例えばs偏光又はp偏光)で隙間領域に向けられた光を偏光させるための偏光ビームスプリッタを更に含み得る。いくつかの実施形態では、光の偏光を修正するために隙間領域上の第1のコーティングを第2のコーティングで覆うことができる。
【0064】
[0080] 例として図7は、本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ308上の撮像サンプル310のための例示的なシステム700を示す概略図である。図6のシステム600と比較し、システム700はビームスプリッタ304を偏光ビームスプリッタ702と置換し、第1のコーティング506の上に第2のコーティング704が施されている。例えば偏光ビームスプリッタ702は、入射光の特定の偏光成分のみを反射し、入射光の他の偏光成分を透過することができる。いくつかの実施形態では、偏光ビームスプリッタ702はλ/4偏光フィルタ又は他の任意の偏光フィルタを含み得る。偏光ビームスプリッタ702は、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの少なくとも1つ等、光源502から放射される1つ又は複数の波長の光を偏光することができる。
【0065】
[0081] 例として図7を参照し、光源502が偏光ビームスプリッタ702上に光を放射する場合、偏光ビームスプリッタ702は、第1の偏光(例えばs偏光又はp偏光)だけを有する光をサンプルホルダ308、隙間領域508、及びサンプル310上に反射し、他の偏光を有する光を反射せずに貫通又は透過することを可能にすることによって光を偏光することができる。隙間領域508では、光が第2のコーティング704を貫通して第1のコーティング506に到達し、反射され得る。反射された光は再び第2のコーティング704を貫通し、その後第2のコーティング704は、その光を第1の偏光から第2の偏光(例えばp偏光又はs偏光)に変化させることができる。隙間領域508の外側(例えば図3Bに関して記載したホルダ表面316、ホルダ面取り部318、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324)では、光がその偏光を変えることなく(例えばその第1の偏光を維持して)反射され得る。サンプルホルダ308、隙間領域508、及びサンプル310から反射される全ての光が偏光ビームスプリッタ702に到達し得る。偏光ビームスプリッタ702は第1の偏光で光を反射するので、隙間領域508の外側の表面から反射される(即ち第1の偏光を有する)光は偏光ビームスプリッタ702によって再び反射することができ、光検出器504に到達しない可能性がある一方、隙間領域508内で反射された(即ち第2の偏光を有する)光は偏光ビームスプリッタ702を貫通して光検出器504に到達し得る。その結果、光検出器504は、隙間領域508が隙間領域508の外側の領域よりもはるかに明るい画像を生成することができる。
【0066】
[0082] 図8Aは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図7のシステム700によって生成された例示的な画像802、804、806、及び808を示す。画像802、804、及び806は、光検出器504によって第1のカラーチャネル(例えば赤色チャネル)で生成された第1の画像、光検出器504によって第2のカラーチャネル(例えば青色チャネル)で生成された第2の画像、及び光検出器504によって第3のカラーチャネル(例えば緑色チャネル)で生成された第3の画像をそれぞれ表し得る。画像808は、画像802、804、及び806に基づいて生成される合成画像であり得る。画像808の各ピクセルについて、式(1)に従って画像804内のその第1の同位置ピクセルの第1のグレーレベル、画像802内のその第2の同位置ピクセルの第2のグレーレベル、及び画像806内のその第3の同位置ピクセルの第3のグレーレベルを使用してピクセルのグレーレベルを決定することができる。(図8Aでは破線矢印によって表す)x方向に沿って、画像802、804、806、及び808のそれぞれは、図3Bのホルダ表面316、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324にそれぞれ対応する(例えば輝度を表す)異なるグレーレベル強度を有する5つの部分を含む。
【0067】
[0083] 図8Bは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図8Aの画像802、804、806、及び808に対応する例示的なグレーレベルプロファイル816、818、820、及び822を示す。(図8Bでは破線矢印によって表す)グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822のx軸は、図8Aにおけるx方向を表す。グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822のy軸は、グレーレベル強度値を表す。図8Bに示すように、グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822のそれぞれにおいて、グレーレベル強度値を表す折れ線は、セグメント810、812、及び814を含む。図3Bを参照し、グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822内のセグメント810は、画像802、804、806、及び808内のホルダ表面316にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822内のセグメント812は、画像802、804、806、及び808内のホルダ溝320にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。グレーレベルプロファイル816、818、820、及び822内のセグメント814は、画像802、804、806、及び808内のサンプル表面324にそれぞれ対応する部分のグレーレベル強度値を表すことができる。
【0068】
[0084] 図6Bのグレーレベルプロファイル616~620内のセグメント610~614と比較し、図8Bのグレーレベルプロファイル816~820ではセグメント810及び814のグレーレベル強度値が著しく減少している一方、セグメント812のグレーレベル強度値は、グレーレベルプロファイル816~820内でほぼ同じである。その結果、図6Bのグレーレベルプロファイル622と比較し、図8Bのグレーレベルプロファイル822内のセグメント810とセグメント812との間のグレーレベル強度差は、セグメント610とセグメント612との間のグレーレベル強度差よりも一層大きくなり、グレーレベルプロファイル822内のセグメント814とセグメント812との間のグレーレベル強度差は、セグメント614とセグメント612との間のグレーレベル強度差よりも一層大きくなる。これに対応し、図8Aの画像808内のホルダ溝320に対応する部分とホルダ表面316に対応する部分との間の画像コントラストが図6Aの画像608内のホルダ溝320に対応する部分とホルダ表面316に対応する部分との間の画像コントラストよりも一層鮮明になり、図8Aの画像808内のホルダ溝320に対応する部分とサンプル表面324に対応する部分との間の画像コントラストが図6Aの画像608内のホルダ溝320に対応する部分とサンプル表面324に対応する部分との間の画像コントラストよりも一層鮮明になる。その結果、画像608と比較し、画像処理アルゴリズムは画像808を使用してサンプル(例えばサンプル310)の外部エッジ及びサンプルホルダ(例えばサンプルホルダ308)の内部エッジを決定するために一層高い成功率でエッジを識別することができる。
【0069】
[0085] 本開示の一部の実施形態に一致し、位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置は、サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成することができる静電ホルダを含み得る。隙間領域の表面にはメカニカルミリングプロセスが施され得る。本装置は、隙間領域に光を向けることができる光源も含み得る。本装置は、隙間領域から反射された光を撮像することができる光検出器を更に含み得る。
【0070】
[0086] いくつかの実施形態では、隙間領域の表面はアルミニウム表面であり得る。いくつかの実施形態では、メカニカルミリングプロセスの完了条件は、毎分4000回(RPM)以上のミリング回転速度、毎秒2ミリメートル以下の直線送り、又は0.03ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含み得る。
【0071】
[0087] 例として図9は、本開示のいくつかの実施形態に一致する、サンプルホルダ308上のサンプル310を撮像するための例示的なシステム900を示す概略図である。図3A図3Bに関して記載したシステム300と比較し、システム900では、隙間領域508の表面902は、その反射率を高め、表面902、ホルダ表面316、及びホルダ面取り部318の表面間の光学的フィーチャの一貫性を高めるために、メカニカルミリングプロセスを施すことができる。一例として、表面902がアルミニウム表面である場合、メカニカルミリングプロセスの完了条件は、5000RPM以上のミリング回転速度、毎秒1ミリメートル以下の直線送り、又は0.0025ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含み得る。メカニカルミリングプロセスを施した後、表面902はミルツーリング跡を有することがある。いくつかの実施形態では、そのようなミルツーリング跡は、除去又は更に処理することなしに残すことができる。
【0072】
[0088] 図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図9のシステム900以外のシステム(例えば図3Aのシステム300)によって生成されたサンプル(例えばサンプル310)の例示的な画像1000Aを示す。図10Bは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、図9のシステム900によって生成された例示的な画像1000Bを示す。画像1000Bは、図9に関して記載したメカニカルミリングプロセスを表面902に施した後で生成され得る。一例として、画像1000A及び1000Bは、モノクロ光検出器である光検出器314によって生成されてもよく、それらのピクセル内にグレーレベル値だけを含み得る。
【0073】
[0089] 図3Bを参照し、(図10A図10Bでは破線矢印によって表す)x方向に沿って、画像1000Aは、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324にそれぞれ対応する部分1004、1006、1008、及び1010を含む。x方向に沿って、画像1000Bは、ホルダ面取り部318、ホルダ溝320、サンプル面取り部322、及びサンプル表面324にそれぞれ対応する部分1014、1016、1018、及び1010を含む。図10A図10Bに示すように、部分1004、1006、1008、及び1010と比較し、部分1014、1016、1018、及び1010はより鮮明な画像コントラストを有し、そのそれぞれの中でより一貫した光学的フィーチャを有する。例えば部分1006は部分1004及び部分1008の隣接領域と殆ど区別できないのに対し、部分1016は部分1014及び1018と明確に区別できる。別の例として、部分1020は部分1010よりも明るい。その結果、画像1000Aと比較し、画像処理アルゴリズムは画像1000Bを使用してサンプル(例えばサンプル310)の外部エッジ及びサンプルホルダ(例えばサンプルホルダ308)の内部エッジを決定するためにより高い成功率でエッジを識別することができる。
【0074】
[0090] 図11は、本開示のいくつかの実施形態に一致する、位置決めされたサンプルの位置を検出するための例示的な方法1100を示すフローチャートである。方法1100は、ステップ1102~1108を含む。
【0075】
[0091] ステップ1102で、静電ホルダ(例えば図3A図8に関して記載したサンプルホルダ308)において保持されるサンプル(例えば図3A図8に関して記載したサンプル310)の外部エッジと静電ホルダの構造(例えば内部エッジ)との間に形成される隙間領域(例えば図5図8に関して記載した隙間領域508)から反射された光を(例えば図5図8に関して記載した光検出器504によって)得ることができる。隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し、第3の輝度で第3の波長の光を反射することができる第1のコーティング(例えば図3A図8Bに関して記載した第1のコーティング506)で覆うことができる。第1の波長は所定の波長範囲内とすることができ、第2の波長及び第3の波長は所定の波長範囲外にあり得る。第1の輝度は、第2の輝度及び第3の輝度よりも高くあり得る。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、光の偏光を修正し得る第2のコーティング(例えば図7図8Bに関して記載した第2のコーティング704)で覆うことができる。
【0076】
[0092] いくつかの実施形態では、光は複数の波長を含み得る。例えば光は可視光(例えば白色光)を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の波長の光、第2の波長の光、及び第3の波長の光が、赤色光、青色光、及び緑色光を含み得る。
【0077】
[0093] ステップ1104で、第1のカラーチャネル(例えば青色チャネル)における第1の画像(例えば図6Aに関して記載した画像604)、第2のカラーチャネル(例えば赤色チャネル)における第2の画像(例えば図6Aに関して記載した画像602)、及び第3のカラーチャネル(例えば緑色チャネル)における第3の画像(例えば図6Aに関して記載した画像606)として(例えば図5図8Bに関して記載した光検出器504及び図2に関して記載した画像処理システム250によって)光を撮像することができる。第1の波長の光(例えば青色光)は、第1のカラーチャネルで撮像することができる。第2の波長(例えば赤色光)の光は、第2のカラーチャネルで撮像することができる。第3の波長の光(例えば緑色光)は、第3のカラーチャネルで撮像することができる。
【0078】
[0094] ステップ1106で、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて(例えば図2に関して記載した画像処理システム250によって)合成画像(例えば図6Aに関して記載した画像608)を生成することができる。ステップ1108で、合成画像に基づいて(例えば図2に関して記載した画像処理システム250によって)サンプルの位置を決定することができる。
【0079】
[0095] いくつかの実施形態では、合成画像を生成するために、第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを(例えば図2に関して記載した画像処理システム250によって)決定することができる。第1の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベル(例えば式(1)に関して記載したGLVP1)と第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベル(例えば式(1)に関して記載したGLVP2)との間であり得る。第2の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと、第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベル(例えば式(1)に関して記載したGLVP3)と、の間であり得る。第1のピクセル、第2のピクセル、及び第3のピクセルは同位置にあり得る。
【0080】
[0096] いくつかの実施形態では、第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定するために、第1の差及び第2の差の加重和(例えば式(1)に関して記載したGLV)としてピクセルのグレーレベルを(例えば図2に関して記載した画像処理システム250によって)決定することができる。第1の差は、第1の重み値(例えば式(1)に関して記載したパラメータa)で重み付けされ得る。第2の差は、第2の重み値(例えば式(1)に関して記載したパラメータb)で重み付けされ得る。第1の重み値及び第2の重み値は0から1の範囲内にあり得る。
【0081】
[0097] 図12は、本開示の一部の実施形態に一致する、静電ホルダを製造するための例示的な方法1200を示すフローチャートである。方法1200は、ステップ1202~1206を含む。
【0082】
[0098] ステップ1202で、静電ホルダ(例えば図9図10Bに関して記載したサンプルホルダ308)において保持されるサンプル(例えば図9図10Bに関して記載したサンプル310)の外部エッジと静電ホルダの構造(例えば内部エッジ)との間に形成される隙間領域(例えば図9図10Bに関して記載した隙間領域908)の表面(例えば図9図10Bに関して記載した表面902)にメカニカルミリングプロセスを施すことができる。メカニカルミリングプロセスの完了条件は、毎分4000回以上のミリング回転速度、毎秒2ミリメートル以下の直線送り、又は0.03ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、隙間領域の表面はアルミニウム表面である。
【0083】
[0099] 静電ホルダは、隙間領域から反射される光に基づいて画像(例えば図10Bに関して記載した画像1000B)を(例えば図9図10Bに関して記載した光検出器314及び図2に関して記載した画像処理システム250によって)生成するように構成され得る。静電ホルダは、画像に基づいてサンプルの位置を(例えば図2に関して記載した画像処理システム250によって)決定するように更に構成され得る。
【0084】
[0100] プロセッサ(例えば図1のコントローラ109のプロセッサ)が、画像処理(例えば図11の方法1100の一部若しくはすべてのステップ又は図12の方法1200の一部若しくはすべてのステップ)、データ処理、データベース管理、グラフィカル表示、画像検査装置又は別の撮像デバイスの動作、サンプル上の欠陥の検出などを実行するための指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的媒体の一般的な形態は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッド・ステート・ドライブ、磁気テープ又は他の任意の磁気データ記録媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記録媒体、穿孔パターンを有する任意の物理媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM又は他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、及びこれらのもののネットワーク化されたバージョンを含む。
【0085】
[0101] 実施形態は以下の条項を用いて更に説明することができる:
1.位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置であって、
サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し第2の輝度で第2の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度よりも高い、静電ホルダと、
隙間領域に光を向けるように構成される光源と、
隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器と、
を含む、装置。
2.所定の偏光で隙間領域に向けられた光を偏光させるように構成される偏光ビームスプリッタを更に含む、条項1に記載の装置。
3.第1のコーティングが光の偏光を修正するように構成される第2のコーティングで覆われる、条項2に記載の装置。
4.第1の波長の光が、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの1つを含み、第2の波長の光が、赤色光、青色光、又は緑色光のうちの別の1つを含む、条項1に記載の装置。
5.第1の波長の光が青色光であり、第2の波長の光が緑色光又は赤色光である、条項4に記載の装置。
6.光が複数の波長を含む、条項1に記載の装置。
7.光が可視光を含む、条項6に記載の装置。
8.光が白色光を含む、条項6に記載の装置。
9.光検出器が複数のカラーチャネルで光を撮像するように更に構成される、条項1に記載の装置。
10.複数のカラーチャネルが、赤色チャネル、緑色チャネル、及び青色チャネルを含む、条項9に記載の装置。
11.第1のコーティングが、第3の輝度で第3の波長の光を反射するように更に構成され、第3の波長の光は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第3の輝度よりも高い、条項1に記載の装置。
12.光検出器が、隙間領域から反射された光を第1のカラーチャネルの第1の画像、第2のカラーチャネルの第2の画像、及び第3のカラーチャネルの第3の画像として撮像するように更に構成され、
第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像され、
装置は、第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成するように構成される回路を更に含む、条項11に記載の装置。
13.第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することであって、第1の差は第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベルとの間であり、第2の差は第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルとの間であり、第1のピクセル、第2のピクセル、及び第3のピクセルが同位置にあること、及び
ピクセルのグレーレベルに基づいて合成画像を生成すること、
を行うように構成される回路を更に含む、条項12に記載の装置。
14.第1の差及び第2の差の加重和としてピクセルのグレーレベルを決定するように構成される回路を更に含み、
第1の差は第1の重み値で重み付けされ、
第2の差は第2の重み値で重み付けされ、
第1の重み値及び第2の重み値が0から1の範囲内にある、条項13に記載の装置。
15.位置決めされたサンプルの位置を検出するための装置であって、
サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、隙間領域の表面にはメカニカルミリングプロセスが施される、静電ホルダと、
隙間領域に光を向けるように構成される光源と、
隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器と、
を含む、装置。
16.隙間領域の表面がアルミニウム表面である、条項15に記載の装置。
17.メカニカルミリングプロセスの完了条件は、毎分4000回以上のミリング回転速度、毎秒2ミリメートル以下の直線送り、又は0.03ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含む、条項16に記載の装置。
18.サンプルホルダ上で位置決めされるサンプルを走査し、サンプルの画像を生成するように構成される画像検査装置と、
サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し第2の輝度で第2の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度よりも高い、静電ホルダと、
所定の偏光で隙間領域に光を向けるように構成される光源と、
隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器であって、撮像される光の第1の波長の輝度は撮像される光の第2の波長の輝度よりも高い、光検出器と、
を含む、システム。
19.サンプルホルダ上で位置決めされるサンプルを走査し、サンプルの画像を生成するように構成される画像検査装置と、
サンプルを保持し、静電ホルダがサンプルを保持するときサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に隙間領域を形成するように構成される静電ホルダであって、隙間領域の表面にはメカニカルミリングプロセスが施される、静電ホルダと、
所定の偏光で隙間領域に光を向けるように構成される光源と、
隙間領域から反射された光を撮像するように構成される光検出器と、
を含む、システム。
20.位置決めされたサンプルの位置を検出するための方法であって、
静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域から反射される光を得ることであって、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し、第3の輝度で第3の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長及び第3の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度及び第3の輝度よりも高いこと、
第1のカラーチャネルにおける第1の画像、第2のカラーチャネルにおける第2の画像、及び第3のカラーチャネルにおける第3の画像として光を撮像することであって、第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像されること、
第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成すること、及び、
合成画像に基づいてサンプルの位置を決定すること、
を含む、方法。
21.第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成することが、第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することを含み、
第1の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベルとの間であり、
第2の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルとの間であり、
第1のピクセル、第2のピクセル、及び第3のピクセルは、同位置にある、条項20に記載の方法。
22.第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することが、第1の差及び第2の差の加重和としてピクセルのグレーレベルを決定することを含み、
第1の差は、第1の重み値で重み付けされ、
第2の差は、第2の重み値で重み付けされ、
第1の重み値及び第2の重み値は、0から1の範囲内にある、条項21に記載の方法。
23.第1のコーティングが光の偏光を修正するように構成される第2のコーティングで覆われる、条項21に記載の方法。
24.第1の波長の光、第2の波長の光、及び第3の波長の光が、赤色光、青色光、及び緑色光を含む、条項21に記載の方法。
25.光が複数の波長を含む、条項21に記載の方法。
26.光が可視光を含む、条項25に記載の方法。
27.光が白色光を含む、条項25に記載の方法。
28.第1のカラーチャネルが青色チャネルであり、第2のカラーチャネルが赤色チャネルであり、第3のチャネルが緑色チャネルである、条項21に記載の方法。
29.装置に方法を実行させるために装置の少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な1組の命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域から反射される光を装置に得させることであって、隙間領域は、第1の輝度で第1の波長の光を反射し、第2の輝度で第2の波長の光を反射し、第3の輝度で第3の波長の光を反射するように構成される第1のコーティングで覆われ、第1の波長は所定の波長範囲内にあり、第2の波長及び第3の波長は所定の波長範囲外にあり、第1の輝度は第2の輝度及び第3の輝度よりも高いこと、
第1のカラーチャネルにおける第1の画像、第2のカラーチャネルにおける第2の画像、及び第3のカラーチャネルにおける第3の画像として光を装置に撮像させることであって、第1の波長の光は第1のカラーチャネルで撮像され、第2の波長の光は第2のカラーチャネルで撮像され、第3の波長の光は第3のカラーチャネルで撮像されること、
第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成すること、及び、
合成画像に基づいてサンプルの位置を決定すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
30.第1の画像、第2の画像、及び第3の画像に基づいて合成画像を生成することが、第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することを含み、
第1の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第2の画像の第2のピクセルの第2のグレーレベルとの間であり、
第2の差は、第1の画像の第1のピクセルの第1のグレーレベルと第3の画像の第3のピクセルの第3のグレーレベルとの間であり、
第1のピクセル、第2のピクセル、及び第3のピクセルは、同位置にある、条項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
31.第1の差及び第2の差に基づいてピクセルのグレーレベルを決定することが、第1の差及び第2の差の加重和としてピクセルのグレーレベルを決定することを含み、
第1の差は、第1の重み値で重み付けされ、
第2の差は、第2の重み値で重み付けされ、
第1の重み値及び第2の重み値は、0から1の範囲内にある、条項30に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
32.第1のコーティングが光の偏光を修正するように構成される第2のコーティングで覆われる、条項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
33.第1の波長の光、第2の波長の光、及び第3の波長の光が、赤色光、青色光、及び緑色光を含む、条項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
34.光が複数の波長を含む、条項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
35.光が可視光を含む、条項34に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
36.光が白色光を含む、条項34に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
37.第1のカラーチャネルが青色チャネルであり、第2のカラーチャネルが赤色チャネルであり、第3のチャネルが緑色チャネルである、条項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
38.静電ホルダを製造するための方法であって、
静電ホルダにおいて保持されるサンプルの外部エッジと静電ホルダの構造との間に形成される隙間領域の表面にメカニカルミリングプロセスを施すことを含み、
メカニカルミリングプロセスの完了条件は、毎分4000回以上のミリング回転速度、毎秒2ミリメートル以下の直線送り、又は0.03ミリメートル以下のz軸切削送りの少なくとも1つを含み、
静電ホルダは、隙間領域から反射される光に基づいて画像を生成し、画像に基づいてサンプルの位置を決定するように構成される、方法。
39.隙間領域の表面がアルミニウム表面である、条項38に記載の方法。
【0086】
[0102] 図中のブロック図は、本開示の様々な例示的実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータハードウェア又はソフトウェア製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定の論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能指令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。一部の代替的実装形態では、ブロック内に示す機能が図面に示す順序と異なる順序で生じ得ることを理解すべきである。例えば関与する機能にもよるが、連続して示す2つのブロックをほぼ同時に実行又は実装することができ、又は2つのブロックを逆の順序で実行できる場合もある。一部のブロックは省略することもできる。ブロック図の各ブロック及びブロックの組み合わせは、指定の機能又は行為を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって、又は専用のハードウェア及びコンピュータ指令の組み合わせによって実装され得ることも理解すべきである。
【0087】
[0103] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることを理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】