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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】新規親水性ピン止めMATの開発
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/12 20060101AFI20240910BHJP
   C08L 33/14 20060101ALI20240910BHJP
   C08K 5/19 20060101ALI20240910BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20240910BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C08F220/12
C08L33/14
C08K5/19
C08K5/3415
H01L21/30 502D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509372
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 EP2022072817
(87)【国際公開番号】W WO2023021016
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,301
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】エヌジー・エドワード・ダブリュー
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
5F146
【Fターム(参考)】
4J002BG061
4J002BG071
4J002EN136
4J002EU026
4J002FD146
4J002GP03
4J002GQ01
4J002HA03
4J100AL03P
4J100AL08Q
4J100AL08R
4J100BA76Q
4J100BA77R
4J100BC48S
4J100BC54R
4J100CA03
4J100CA05
4J100CA06
4J100CA31
4J100DA01
4J100DA04
4J100HA53
4J100HC12
4J100HC43
4J100HC63
4J100HE05
4J100HE14
4J100JA01
4J100JA38
4J100JA44
5F146AA28
(57)【要約】
本発明は、構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、構造(II)のトリアルキルシリルオキシ含有繰り返し単位、構造(III)の少なくとも一つのタイプの架橋性繰り返し単位を含む、構造(I)の繰り返し単位及び構造(A)の少なくとも一つの他のタイプの繰り返し単位を含むランダムコポリマー、及びこのランダムコポリマーを含む組成物、及び構造(I)の繰り返し単位と、アルキル2-メチレンアルカノエートまたはアルキルメタクリレートから誘導される少なくとも一種の他の繰り返し単位とを有するランダムコポリマーを含み、かつ熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤、または光ラジカル発生剤を含まない他の組成物であって、前記アルキルオキシ部分は、トリアルキルシリルオキシ、オキシラン類、トリアルキルオキシシリル、及びアントラセン類から選択される架橋性官能基で置換されている、前記他の組成物、及び誘導自己集合プロセッシングに使用するための親水性MATコーティングをこれらの組成物から生成する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(A)のランダムコポリマーであって、
構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、但し、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、及びn1は繰り返し単位の全数である;
構造(II)のトリアルキルシリルオキシ含有繰り返し単位、但し、RIIは構造(A-1)の部分であり、Rm2はHまたはC1~C4アルキルであり、Lは直接原子価結合またはC1~C8アルキレン部分のいずれかであり、RIIa、RIIb及びRIIcは独立してC1~C4アルキルから選択され、そしてn2は繰り返し単位の全数である;
構造(III)の少なくとも一つのタイプの架橋性繰り返し単位(この場合、RIIIは構造(A-2)または(A-3)の部分である)、または構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位(この場合、RIIIは、構造(A-2)の部分または構造(A-3)の部分のいずれかである)、但し、RsはC1~C4アルキルであり、RsはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、そしてL及びLは、独立して、直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、そしてRoxはオキシランを含む脂肪族部分であり、そしてn3は繰り返し単位の全数である;
構造(A)に示される二つの末端基、そのうちの一方はHであり、他方は、Rr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、但し、Rr、Rrは独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
を含む、前記ランダムコポリマー。
【化1】
【請求項2】
前記繰り返し単位が、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位から本質的になり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の単一のタイプの架橋性繰り返し単位であり、及びRIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
前記繰り返し単位が、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位から本質的になり、但し、構造(III)の繰り返し単位は構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位であり、ここでRIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である、請求項1または2に記載のコポリマー。
【請求項4】
前記繰り返し単位が、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位からなり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の単一のタイプの架橋性繰り返し単位であり、及びRIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である、請求項1~3のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項5】
前記繰り返し単位が、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位からなり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位であり、ここで、RIIIは構造(A-2)または構造(A-3)の部分である、請求項1または3に記載のコポリマー。
【請求項6】
IIIが構造(A-2)を有する、請求項1~5のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項7】
IIIが構造(A-2)を有し、及びxが1である、請求項1~6のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項8】
IIIが構造(A-2)を有し、及びxが2である、請求項1~6のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項9】
IIIが構造(A-2)を有し、及びxが0である、請求項1~6のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項10】
IIIが構造(A-2)を有し、ここでLはC2~C4アルキレン部分である、請求項1~9のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項11】
IIIが構造(A-2a)を有する、請求項1~10のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化2】
【請求項12】
RsがC1~C4アルキルである、請求項1~11のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項13】
IIIが構造(A-2b)を有する、請求項1~12のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化3】
【請求項14】
IIIが構造(A-3)を有する、請求項1~13のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項15】
IIIが構造(A-3a)を有し、但し、R、Re1及びRe2は個別にHまたはC1~C8アルキルから選択され、更にRe2とRまたはRe1のいずれかとがC1~C4アルキル基である場合は、Re2とRは、またはRe2とRe1は、C1~C4アルキレンを介して結合して環状リングを形成してもよい、請求項1~14のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化4】
【請求項16】
がC1~C8アルキル部分であり、及びRe1及びRe2がHである、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項17】
及びRe1がC1~C8アルキル部分であり、及びRe2がHである、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項18】
、Re1及びRe2が個別にC1~C8アルキル部分である、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項19】
がHであり、Re1及びRe2が個別にC1~C8アルキル部分である、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項20】
がHであり、Re1がC1~C8アルキル部分であり、及びRe2がHである、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項21】
構造(A-3)が構造(A-3b)を有し、ここでcyは1~3の範囲の整数である、請求項1~15のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化5】
【請求項22】
IIIが構造(A-3c)を有する、請求項1~15のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化6】
【請求項23】
IIIが構造(A-3d)を有する、請求項1~14のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化7】
【請求項24】
IIIが構造(A-3e)を有する、請求項1~14のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化8】
【請求項25】
が直接原子価結合またはC1~C2アルキレン部分である、請求項1~24のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項26】
IIIが構造(A-3f)を有する、請求項1~15及び22のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化9】
【請求項27】
IIIが構造(A-3g)を有する、請求項1~14及び23のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化10】
【請求項28】
IIIが構造(A-3h)を有する、請求項1~14及び24のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化11】
【請求項29】
IIa、RIIb及びRIIcが同じC1~C4アルキルから選択される、請求項1~28のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項30】
がC1~C3アルキレン部分である、請求項1~29のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項31】
IIが構造(A-1a)を有する、請求項1~30のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化12】
【請求項32】
IIが構造(A-1b)を有する、請求項1~30のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化13】
【請求項33】
がC1~C4アルキルである、請求項1~32のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項34】
がC1~C3アルキルである、請求項1~33のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項35】
がメチルまたはエチルである、請求項1~34のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項36】
がメチルである、請求項1~35のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項37】
m1がHである、請求項1~36のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項38】
m1がC1~C4アルキルである、請求項1~36のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項39】
m1がメチルである、請求項1~35及び38のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項40】
m2がC1~C4アルキルである、請求項1~39のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項41】
m2がメチルである、請求項1~40のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項42】
m2がHである、請求項1~39のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項43】
m3がC1~C4アルキルである、請求項1~41のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項44】
m3がメチルである、請求項1~43のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項45】
m3がHである、請求項1~42のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項46】
m1、Rm2及びRm3がメチルである、請求項1~36、38~41、43~44のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項47】
Rrがシアノ部分である、請求項1~46のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項48】
Rrがカルボキシアルキル部分である、請求項1~46のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項49】
RiがC1~C8アルキルである、請求項1~46及び48のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項50】
Riがアリールである、請求項1~46及び48のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項51】
Rr及びRrが独立してC1~C4アルキルである、請求項1~50のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項52】
Rr及びRrがメチルである、請求項1~51のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項53】
構造(I)の繰り返し単位が構造(Ia)を有する、請求項1~52のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化14】
【請求項54】
構造(II)の繰り返し単位が構造(IIa)を有する、請求項1~53のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化15】
【請求項55】
構造(III)の繰り返し単位が構造(IIIa)を有する、請求項1~54のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化16】
【請求項56】
構造(III)の全ての繰り返し単位が構造(IIIb)を有する、請求項1~54のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化17】
【請求項57】
構造(III)の繰り返し単位が、構造(IIIa)及び(IIIb)を有するものの混合物である、請求項1~53のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項58】
構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及びRIIIとして構造(A-2)または(A-3)の部分のいずれかを有する構造(III)の繰り返し単位が、合計で、約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項1~56のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項59】
前記コポリマーが構造(Aa)を有する、請求項1~54のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化18】
【請求項60】
構造(Ia)、(IIa)及び(IIIa)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(IIIa)の繰り返し単位が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)、(IIa)及び(IIIa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項59に記載のコポリマー。
【請求項61】
前記コポリマーが構造(Ab)を有する、請求項1~53及び55のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化19】
【請求項62】
構造(Ia)、(IIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(IIIb)の繰り返し単位が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)、(IIa)及び(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計が100モル%に等しい、請求項61に記載のコポリマー。
【請求項63】
前記コポリマーが構造(Ac)を有し、但し、n1、n2及びn3aは、それぞれ、構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)及び(IIIb)の各繰り返し単位の数を示す、請求項1~54のいずれか一つに記載のコポリマー。
【化20】
【請求項64】
構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約10モル%までの範囲であり、構造(IIIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全数が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項63に記載のコポリマー。
【請求項65】
前記コポリマーが、約15,000から約50,000までの範囲のMwを有する、請求項1~64のいずれか一つに記載のコポリマー。
【請求項66】
・ランダムポリマーであって、
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、但し、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルである;
・・アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-C(=O)-C(アルキル)=CH)またはアルキルメタクリレート(アルキル-O-C(=O)-CH=CH)から誘導される、架橋するのに酸触媒を必要としない少なくとも一つのタイプの架橋可能な繰り返し単位、但し、前記アルキルオキシ部分は、トリアルキルシリルオキシ、オキシラン類、トリアルキルオキシシリル及びアントラセン類からなる群から選択される架橋可能な部分で置換されている;
を含むランダムコポリマー、及び
・スピンキャスト溶剤、
を含み、
・熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤は含まない、
組成物。
【化21】
【請求項67】
請求項1~65のいずれか一つに記載のコポリマー、及びスピンキャスト用有機溶剤を含む、組成物。
【請求項68】
構造(B)の単一の架橋剤、または構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物を更に含み、但し、Lは、少なくとも4個の炭素原子の長さを有するC4~C8アルキレンであり、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は独立してC4~C8アルキルから選択される、請求項67に記載の組成物。
【化22】
【請求項69】
がC4~C6アルキレンである、請求項68に記載の組成物。
【請求項70】
前記架橋剤が構造(B-1)を有する、請求項68または69に記載の組成物。
【化23】
【請求項71】
a1、Ra2、Ra3及びRa4がC3~C6アルキルである、請求項68~70のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項72】
a1、Ra2、Ra3及びRa4がn-ブチルである、請求項68~71のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項73】
前記架橋剤が構造(B-2)を有する、請求項68~72のいずれか一つに記載の組成物。
【化24】
【請求項74】
前記架橋剤が構造(B)の単一の架橋剤である、請求項68~73のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項75】
前記架橋剤が、構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物である、請求項68~73のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項76】
約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%以下である、請求項68に記載の組成物。
【請求項77】
約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい、請求項68~76のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項78】
・構造(C)を有するランダムコポリマーであって、
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、但し、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、n1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(IV)のアントラセン含有繰り返し単位、但し、Rm4はHまたはC1~C4アルキルであり、LはC1~C8アルキレンであり、及びn4は繰り返し単位の全数である;
・・構造(C)に示される二つの末端基、そのうちの一方はHであり、他方はRr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、但し、Rr及びRrは独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
を含む、前記ランダムコポリマー;
・構造(M-1)の少なくとも一種の架橋剤、または構造(M-1)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物、但し、
・・Lは、C1~C8線状アルキレン、C2~C8分岐状アルキレン、C6~C20アルキレン-オキシ-アルキレン連結基、C6~C20アルキレン-オキシ-アルキレン-オキシ-アルキレン連結基、構造(M-1a)を有するアリール連結基、及び構造(M-1b)を有するビス-アリール連結基から選択される連結基であり、但し、構造(M-1a)及び(M-1b)において、
【化25】
は、これらの連結基の結合点を示し、Rbm、Rbm1及びRbm2は、独立して、H及びC1~C8アルキルから選択され、Xは、直接原子価結合であるか、またはスルホン(-S(=O)-)、スルホキシド(-S(=O)-)、カルボニル(-C(=O)-)、カーボネート(-O-C(=O)-O)、オキシカルボニル(-O-C(=O)-)、カルボニルオキシ(-C(=O)-O-)、C1~C8線状アルキレンスペーサ、C2~C8分岐状アルキレン、C5~C8環状アルキレン、オキシ(-O-)、及びスルフィド(-S-)からなる群から選択される連結基である;及び
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む、組成物。
【化26】
【請求項79】
構造(C)の前記コポリマーが、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位から本質的になる、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
構造(C)の前記コポリマーが、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位からなる、請求項78または79に記載の組成物。
【請求項81】
構造(I)の繰り返し単位において、RがC1~C4アルキルである、請求項78~80のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項82】
構造(I)の繰り返し単位において、RがC1~C3アルキルである、請求項78~81のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項83】
構造(I)の繰り返し単位において、Rがメチルまたはエチルである、請求項78~82のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項84】
構造(I)の繰り返し単位において、Rがメチルである、請求項78~83のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項85】
構造(IV)の繰り返し単位において、LがC1~C4アルキレンである、請求項78~84のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項86】
構造(IV)の繰り返し単位において、LがC1~C2アルキレンである、請求項78~85のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項87】
構造(IV)の繰り返し単位が構造(IVa)を有する、請求項78~86のいずれか一つに記載の組成物。
【化27】
【請求項88】
m1及びRm2が独立してC1~C4アルキルから選択される、請求項78~87のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項89】
m1及びRm2がメチルである、請求項78~88のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項90】
m1及びRm2がHである、請求項78~87のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項91】
構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IV)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、更に、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項78~90のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項92】
前記コポリマーが構造(C-1)を有する、請求項78~91のいずれか一つに記載の組成物。
【化28】
【請求項93】
構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IVa)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)及び(IVa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
前記コポリマーが、約15,000から約120,000までの範囲のMwを有する、請求項78~93のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項95】
前記コポリマーが、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する、請求項78~94のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項96】
前記架橋剤が構造(M-1c)、(M-1d)、(M-1e)、(M-1f)、(M-1g)、(M-1h)を有するか、またはこれらのうちの少なくとも二つの混合物である、請求項78~95のいずれか一つに記載の組成物。
【化29】
【請求項97】
約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤からなり、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい、請求項78~96のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項98】
前記架橋剤が、構造(M-1)の一つのタイプの架橋剤である、請求項78~97のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項99】
前記架橋剤が、構造(M-1)の少なくとも二つの異なるタイプの架橋剤である、請求項78~97のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項100】
・構造(D)を有するランダムコポリマーであって、
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、但し、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、及びn1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(III)の架橋性繰り返し単位、但し、Rm3はHまたはC1~C4アルキルであり、そしてRは構造(A-2)の部分であり、ここで、RIIIは構造(A-2)の部分であり、ここで、RsはC1~C4アルキルであり、RsはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、そしてLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、そしてn3は繰り返し単位の全数である;
・・構造(D)に示される二つの末端基、そのうちの一方はHであり、他方はRr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、但し、Rr及びRrは独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
を含む、前記ランダムコポリマー;
・構造(B)の少なくとも一種の架橋剤、但し、
は、少なくとも4個の炭素原子の長さを有するC4~C8アルキレンであり、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は独立してC4~C8アルキルから選択される;及び
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む、組成物。
【化30】
【請求項101】
構造(D)の前記コポリマーが、構造(I)及び(III)の繰り返し単位から本質的になる、請求項100に記載の組成物。
【請求項102】
構造(D)の前記コポリマーが、構造(I)及び(III)の繰り返し単位からなる、請求項100または101に記載の組成物。
【請求項103】
構造(I)の繰り返し単位において、RがC1~C4アルキルである、請求項100~102のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項104】
構造(I)の繰り返し単位において、RがC1~C3アルキルである、請求項100~103のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項105】
構造(I)の繰り返し単位において、Rがメチルまたはエチルである、請求項100~104のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項106】
構造(I)の繰り返し単位において、Rがメチルである、請求項100~105のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項107】
m1がC1~C4アルキルである、請求項100~106のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項108】
m1がメチルである、請求項100~106のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項109】
m1がHである、請求項100~106のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項110】
構造(A-2)において、xが1である、請求項100~109のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項111】
構造(A-2)において、xが2である、請求項100~109のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項112】
構造(A-2)において、xが0である、請求項100~109のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項113】
がC2~C4アルキレン部分である、請求項100~112のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項114】
IIIが構造(A-2a)を有する、請求項100~113のいずれか一つに記載の組成物。
【化31】
【請求項115】
RsがC1~C4アルキルである、請求項100~114のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項116】
IIIが構造(A-2b)を有する、請求項97~115のいずれか一つに記載の組成物。
【化32】
【請求項117】
m3がC1~C4アルキルである、請求項100~116のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項118】
m3がメチルである、請求項100~117のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項119】
m3がHである、請求項100~116のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項120】
構造(D)のポリマーにおいて、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(III)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約30モル%までの範囲であり、更に、構造(I)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項100~119のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項121】
前記コポリマーが構造(Db)を有する、請求項100~120のいずれか一つに記載の組成物。
【化33】
【請求項122】
前記コポリマーが、約15,000から約120,000までの範囲のMwを有する、請求項100~121のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項123】
前記コポリマーが、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する、請求項100~122のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項124】
構造(Db)のポリマーにおいて、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IIIb)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)及び(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項121~123のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項125】
構造(B)の前記架橋剤において、LがC4~C6アルキレンである、請求項100~124のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項126】
構造(B)の前記架橋剤が構造(B-1)を有する、請求項100~125のいずれか一つに記載の組成物。
【化34】
【請求項127】
構造(B)の前記架橋剤において、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4がC3~C6アルキルである、請求項100~126のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項128】
構造(B)の前記架橋剤において、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4がn-ブチルである、請求項100~127のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項129】
前記架橋剤が構造(B-2)を有する、請求項100~128のいずれか一つに記載の組成物。
【化35】
【請求項130】
約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、これらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい、請求項100~129のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項131】
前記架橋剤が、構造(B-1)の一つのタイプの架橋剤である、請求項100~130のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項132】
前記架橋剤が、構造(B-1)の少なくとも二つの異なる架橋剤である、請求項100~130のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項133】
・構造(E)のランダムコポリマーであって、
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、但し、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、及びn1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(IIIc)の繰り返し単位、但し、Rm3cはHまたはC1~C4アルキルであり、RIIIAcは構造(A-2)の部分であり、ここでLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、RsはC1~C4アルキルであり、RsはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、及びn3cは、ランダムコポリマー中のこれらの繰り返し単位の数である;
・・構造(IIId)の繰り返し単位、但し、Rm3dはHまたはC1~C4アルキルであり、RIIIAdは構造(A-3)の部分であり、ここでLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、及びRoxはオキシラン類を含む脂肪族部分であり、及びn3dは繰り返し単位の全数である;
・・構造(A)に示される二つの末端基、そのうちの一方はHであり、他方はRr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、但し、Rr及びRrは独立してC1~C8アルキルから選択され、及びRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
を含む、前記ランダムコポリマー;及び
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む、組成物。
【化36】
【請求項134】
前記コポリマーにおいて、xが1である、請求項133に記載の組成物。
【請求項135】
前記コポリマーにおいて、xが2である、請求項133に記載の組成物。
【請求項136】
前記コポリマーにおいて、xが0である、請求項133に記載の組成物。
【請求項137】
前記コポリマーにおいて、LがC2~C4アルキレン部分である、請求項133~136のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項138】
前記コポリマーにおいて、RIIIAcが構造(A-2a)を有する、請求項133、136及び137のいずれか一つに記載の組成物。
【化37】
【請求項139】
前記コポリマーにおいて、RsがC1~C4アルキルである、請求項133~138のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項140】
前記コポリマーにおいて、RIIIAcが構造(A-2b)を有する、請求項133、136、138及び139のいずれか一つに記載の組成物。
【化38】
【請求項141】
IIIAdが構造(A-3a)を有し、但し、R、Re1及びRe2は個別にHまたはC1~C8アルキルから選択され、更にここで、Re2とRまたはRe1のいずれかとがC1~C4アルキル基である場合には、Re2とRとは、またはRe2とRe1とは、C1~C4アルキレンを介して結合して環状リングを形成してよい、請求項133~140のいずれか一つに記載の組成物。
【化39】
【請求項142】
がC1~C8アルキル部分であり、及びRe1及びRe2がHである、請求項141に記載の組成物。
【請求項143】
及びRe1がC1~C8アルキル部分であり、及びRe2がHである、請求項141に記載の組成物。
【請求項144】
、Re1及びRe2が個別にC1~C8アルキル部分である、請求項141に記載の組成物。
【請求項145】
がHであり、Re1及びRe2が個別にC1~C8アルキル部分である、請求項141に記載の組成物。
【請求項146】
がHであり、Re1がC1~C8アルキル部分であり、及びRe2がHである、請求項141に記載の組成物。
【請求項147】
IIIAdが構造(A-3b)を有し、ここでcyは1~3の範囲の整数である、請求項141に記載の組成物。
【化40】
【請求項148】
IIIAdが構造(A-3c)を有する、請求項141に記載の組成物。
【化41】
【請求項149】
IIIAdが構造(A-3d)を有する、請求項133~140のいずれか一つに記載の組成物。
【化42】
【請求項150】
IIIAdが構造(A-3e)を有する、請求項133~140のいずれか一つに記載の組成物。
【化43】
【請求項151】
が直接原子価結合またはC1~C2アルキレン部分である、請求項133~150のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項152】
IIIAdが構造(A-3f)を有する、請求項133~141、148及び151のいずれか一つに記載の組成物。
【化44】
【請求項153】
IIIAdが構造(A-3g)を有する、請求項133~140、149及び151のいずれか一つに記載の組成物。
【化45】
【請求項154】
IIIAdが構造(A-3h)を有する、請求項133~140、150及び151のいずれか一つに記載の組成物。
【化46】
【請求項155】
がC1~C4アルキルである、請求項133~154のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項156】
がC1~C3アルキルである、請求項133~155のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項157】
がメチルまたはエチルである、請求項133~156のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項158】
がメチルである、請求項133~157のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項159】
m1がHである、請求項133~158のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項160】
m3cがC1~C4アルキルである、請求項133~159のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項161】
m3cがメチルである、請求項133~160のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項162】
m3cがHである、請求項133~159のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項163】
m3dがC1~C4アルキルである、請求項133~162のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項164】
m3dがメチルである、請求項133~163のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項165】
m3dがHである、請求項133~162のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項166】
m1、Rm3c及びRm3dがメチルである、請求項133~158、160~161及び163~164のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項167】
Rrがシアノ部分である、請求項133~166のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項168】
Rrがカルボキシアルキル部分である、請求項133~166のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項169】
RiがC1~C8アルキルである、請求項133~166及び168のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項170】
Riがアリールである、請求項133~166及び168のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項171】
Rr及びRrが独立してC1~C4アルキルである、請求項133~170のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項172】
Rr及びRrがメチルである、請求項133~171のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項173】
構造(I)の繰り返し単位が構造(Ia)を有する、請求項134~172のいずれか一つに記載の組成物。
【化47】
【請求項174】
構造(IIId)の繰り返し単位が構造(IIIa)を有する、請求項133~173のいずれか一つに記載の組成物。
【化48】
【請求項175】
構造(IIIc)の繰り返し単位が構造(IIIb)を有する、請求項133~174のいずれか一つに記載の組成物。
【化49】
【請求項176】
前記コポリマーにおいて、構造(I)、(IIIc)及び(IIId)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIIc)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(IIId)の繰り返し単位が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に、構造(I)、(IIIc)及び(IIId)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項133~175のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項177】
前記コポリマーが構造(E-1)を有する、請求項133~176のいずれか一つに記載の組成物。
【化50】
【請求項178】
前記コポリマーにおいて、構造(Ia)、(IIIb)及び(IIIa)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIIb)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(IIIa)の繰り返し単位が約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更に、構造(Ia)、(IIIb)及び(IIIa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい、請求項177に記載の組成物。
【請求項179】
前記コポリマーが、約15,000から約120,000までの範囲のMwを有する、請求項133~178のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項180】
前記コポリマーが、1.2から約6までの範囲の多分散性を有する、請求項132~179のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項181】
構造(B)の単一の架橋剤、または構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物を更に含み、但し、Lは、少なくとも4個の炭素原子の長さを有するC4~C8アルキレンであり、及びRa1、Ra2、Ra3及びRa4は、独立してC4~C8アルキルから選択される、請求項133~180のいずれか一つに記載の組成物。
【化51】
【請求項182】
がC4~C6アルキレンである、請求項181に記載の組成物。
【請求項183】
前記架橋剤が構造(B-1)を有する、請求項181または182に記載の組成物。
【化52】
【請求項184】
a1、Ra2、Ra3及びRa4がC3~C6アルキルである、請求項181~183のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項185】
a1、Ra2、Ra3及びRa4がn-ブチルである、請求項181~184のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項186】
前記架橋剤が構造(B-2)を有する、請求項181~185のいずれか一つに記載の組成物。
【化53】
【請求項187】
前記架橋剤が構造(B)の単一の架橋剤である、請求項181~186のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項188】
前記架橋剤が、構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物である、請求項181~186のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項189】
約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%以下である、請求項133~180のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項190】
約0.2重量%から約0.5重量%までの前記コポリマー、及び約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約99.5重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、ここで、これらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい、請求項181~188のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項191】
請求項67~77のいずれか一つに記載の組成物を用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
i)請求項67~77のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングするステップ;
ii)空気中、約230から約250℃までの温度において、前記のコーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして、架橋するステップ;
iii)洗浄液を用いて約1分間から約4分間、洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
iv)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項192】
ブロックコポリマー膜中に増倍されたパターンを誘導する方法であって、
ia)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iia)基材を提供するステップ;
iiia)請求項191に従い、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
iva)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上に、ブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項193】
次のステップ:
va)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;及び
via)任意選択的に、前記パターン中に第二のコーティングを供し、ここで前記第二のコーティングは中性層である、ステップ;
を更に含む、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
請求項78~99のいずれか一つに記載の組成物を用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
ib)請求項78~99のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングするステップ;
iib)空気中、約230から約250℃の温度において、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして架橋するステップ;
iiib)洗浄液を用いて約1分間から約4分間洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivb)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項195】
ブロックコポリマー膜中に増倍されたパターンを誘導する方法であって、
ic)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iic)基材を提供するステップ;
iiic)請求項194に従い、架橋されたピン止め層を形成するステップ;
iiic)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上に、前記ブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項196】
icv)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;
vc)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを供し、但し、前記第二のコーティングは中性層である、ステップ;
を更に含む、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
請求項100~132のいずれか一つに記載の組成物を用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
id)請求項100~132のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングするステップ;
iid)空気中、約230から約250℃の温度で、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして、架橋するステップ;
iiid)洗浄液を用いて約1分間から約4分間洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivd)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項198】
ブロックコポリマー膜中に増倍されたパターンを誘導する方法であって、
ie)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iie)基材を提供するステップ;
iiie)請求項197に従い、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
ive)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上にブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項199】
ve)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;
vie)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを供し、ここで前記第二のコーティングは中性層であるステップ;
を更に含む、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
請求項133~190のいずれか一つに記載の組成物を用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
if)請求項133~190のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングするステップ;
iif)空気中、約230から約250℃までの温度で、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして架橋するステップ;
iiif)洗浄液を用いて約1分間から約4分間まで洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivf)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項201】
ブロックコポリマー膜中に増倍されたパターンを誘導する方法であって、
ig)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iig)基材を提供するステップ;
iiig)請求項200に従い、架橋されたピン止め層を形成するステップ;
ivg)前記の架橋されたピン止め層の少なくとも一部上にブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法。
【請求項202】
vg)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;
vig)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを供し、ここで前記第二のコーティングは中性層である、ステップ;
を更に含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
架橋されたピン止め膜を基材上に形成するための、またはブロックコポリマー膜において増倍されたパターンを誘導するための、請求項1~65のいずれか一つに記載のコポリマーまたは請求項66~190のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導自己集合加工で使用するための極性ピン止めMAT組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーの自己集合は、ナノスケールのオーダーの図形の限界寸法(CD)を達成することができる、微細電子デバイスの製造のためのより一層小さいパターン化図形を生成するのに有用な方法である。自己集合方法は、コンタクトホールまたはポストのアレイなどの繰り返し図形のためのマイクロリソグラフィ技術の解像能力を拡張するために望ましい。慣用のリソグラフィ方策では、基材または層状基材上にコーティングされたフォトレジスト層上にマスクを通して露光するために紫外(UV)放射線を使用することができる。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工技術を用いた乾式現像を可能とするようにケイ素などの耐熱性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線は、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こして、露光された領域が、現像剤溶液でまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液を用いてまたは慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。ゲート、ビアまたはインターコネクタなどの集積回路図形が次いで基材または層状基材中にエッチングされ、そして残ったフォトレジストは除去される。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いる場合は、集積回路図形の図形寸法には限界がある。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。大規模集積へのニーズの故に、デバイスの回路寸法及び図形は絶え間なく縮小されてきた。過去には、図形の最終の解像度は、それ自体に限界のある、フォトレジストの露光に使用される光の波長に依存してきた。基材上のパターン化された領域を使用するブロックコポリマー画像形成を用いたグラフォエピタキシ及びケモエピタキシなどの誘導(別称ではガイド)自己集合技術は、CD変動を減少しながら解像度を向上するために使用される非常に望ましい技術である。これらの技術は、慣用のUVリソグラフィ技術を増強するために、またはEUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィを用いた方策においてより一層高い解像度及びCDコントロールを可能とするために、使用することができる。誘導自己集合(DSA)ブロックコポリマーは、耐エッチング性のコポリマー単位のブロックと、高度にエッチング可能なコポリマー単位とのブロックとを含み、コーティングされ、基材上で整列及びエッチングされると、非常に高密度のパターンの領域を与える。
【0003】
それぞれパターン化または非パターン化基材領域上でのブロックコポリマー膜の誘導(ガイド)または非ガイド自己集合のためには、典型的には、このブロックコポリマー層の自己集合プロセスは、中性層を覆うこの膜のアニールの間に起こる。半導体基材上のこの中性層は、非パターン化中性層であってよいか、またはケモエピタキシもしくはグラフォエピタキシでは、この中性層は、(上記のUVリソグラフィ技術を介して形成された)グラフォエピタキシもしくはケモエピタキシガイド図形をそれぞれ含み得る。ブロックコポリマー膜がアニールされる間、下層の中性層は、ブロックコポリマードメインのナノ相分離を誘導する。一つの例は、下にある中性層表面に対して垂直なラメラまたはシリンダである層分離ドメインの形成である。これらのナノ相分離したブロックコポリマードメインはプリパターン(例えば、ライン・アンド・スペースL/S)を形成し、これを、エッチングプロセス(例えばプラズマエッチング)を介して基材中に転写することができる。グラフォエピタキシまたはケモエピタキシでは、これらの誘導図形は、パターン修正及びパターン増倍の両方に影響を及ぼし得る。パターン化されていない中性層の場合は、これは、例えばL/SまたはCHの反復アレイを生成する。例えば、両方のブロックがBCP-空気界面で類似の表面エネルギーを持つポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)(P(S-b-MMA))などの慣用のブロックコポリマーでは、これは、ポリマー-基材界面のところでグラフトもしくは架橋されている非優先的もしくは中性材料の層上にブロックコポリマーをコーティング及び熱アニールすることによって達成できる。
【0004】
グラフォエピタキシ誘導自己集合方法では、ブロックコポリマーは、慣用のリソグラフィ(紫外線、ディープUV、電子線、極端紫外線(EUV)露光源)を用いてプリパターン化されてライン/スペース(L/S)またはコンタクトホール(CH)パターンなどの繰り返しのトポグラフィ図形が形成されている基材の周りに自己組織化する。L/S誘導自己集合アレイの一例では、ブロックコポリマーは、予めパターン化されたライン間のトレンチ中に異なるピッチの平行なライン-スペースパターンを形成できる自己整列したラメラ領域を形成して、トポグラフィカルライン間のトレンチ中の空間をより微細なパターンに分割することによりパターン解像度を増強することができる。例えば、プラズマエッチングに耐性がある炭素リッチなブロック(例えば、スチレンであるか、またはSi、Ge、Tiなどの何らかの他の元素を含む)、及びプラズマで高度にエッチングまたは除去可能なブロックを含む、マイクロ相分離が可能なジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーは、高解像度パターン画定を供し得る。高エッチング性ブロックの例には、酸素を豊富に含みかつ耐熱性元素を含まず、更に高エッチング性ブロックを形成することができるモノマー、例えばメチルメタクリレートを含み得る。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造に用いられるプロセスに使用されるガスである。このようにして、慣用のリソグラフィ技術によって画定可能なものと比べて非常に微細なパターンを典型的なIC基材に生成でき、そうしてパターンの増倍が達成される。同様に、グラフォエピタキシを使用することによって、コンタクトホールなどの図形をより緻密に生成することができる。グラフォエピタキシでは、慣用のリソグラフィによって画定されるコンタクトホールまたはポストのアレイの周りでの誘導自己集合によって適当なブロックコポリマーがそれ自体で整列して、エッチング可能なドメイン及び耐エッチング性のドメインの領域のより緻密なアレイを形成し、これが、エッチングした時にコンタクトホールのより緻密なアレイを与える。その結果、グラフォエピタキシは、パターン調整及びパターン増倍の両方を提供する可能性を持つ。
【0005】
ケミカルエピタキシまたはピン止めケミカルエピタキシでは、誘導自己集合プロセスの基礎となるトポグラフィを持たないかまたは顕著なトポグラフィを持たない(別の言い方では、非誘導性トポグラフィ)、化学親和性が異なる領域である誘導性図形を有する表面上に、ブロックコポリマーの自己集合が形成される。例えば、基材の表面を、慣用のリソグラフィ(UV、ディープUV、電子線、EUV)を用いてパターン化して、表面ケミストリーが放射線により変性された露光された領域が、未露光で化学的変化を示さない領域と交互している異なる化学親和性の表面をライン・アンド・スペース(L/S)パターンで生成することができる。これらの領域はトポグラフィの差異は供しないが、ブロックコポリマーセグメントの自己集合を誘導する表面化学的差異またはピン止めを供する。具体的には、耐エッチング性の繰り返し単位(例えばスチレン繰り返し単位)及び高速エッチング性の繰り返し単位(例えばメチルメタクリレート繰り返し単位)を含むブロックセグメントを持つブロックコポリマーの誘導自己集合は、パターン上での耐エッチング性ブロックセグメントと高エッチング性のブロックセグメントの正確な配置を可能とする。この技術は、これらのブロックコポリマーを正確に配置すること、及びその後に、プラズマまたはウェットエッチング加工の後に基材にパターンをパターン転写することを可能にする。ケミカルエピタキシは、ラインエッジラフネス及びCDコントロールの改善と助けとなって、そうしてパターン調整が可能となるように、化学的差異の変化によって微調整できるという利点を有する。繰り返しコンタクトホール(CH)アレイなどの他のタイプのパターンも、ケモエピタキシを用いてパターン調整することができる。
【0006】
これらの中性層は、誘導自己集合に使用されたブロックコポリマーのいずれのブロックセグメントにも親和性を持たない、基材上の層または処理された基材の表面である。ブロックコポリマーの誘導自己集合のグラフォエピタキシ法では中性層が有用である、というのも、これらは、誘導自己集合のためのブロックポリマーセグメントの適切な配置または配向を可能とし、これが、基材に対する耐エッチング性ブロックポリマーセグメント及び高エッチング性ブロックポリマーセグメントの適切な配置をもたらすからである。例えば、慣用の放射線リソグラフィで画定されたライン・アンド・スペース図形を含む表面では、中性層は、ブロックセグメントが基材の表面に対して垂直に配向するようにブロックセグメントを配向することを可能とするが、このような配向は、慣用のリソグラフィで画定されるライン間の長さに対するブロックコポリマー中のブロックセグメントの長さに依存してパターン調整とパターン増倍の両方に理想的な配向である。基材が、ブロックセグメントのうちの一つとあまりに強く相互作用すると、このセグメントがその表面上に平坦に横たわって、セグメントと基材との間の接触面が最大化されるだろう;このような表面は、慣用のリソグラフィにより生成された図形に基づいたパターンの調整またはパターンの増倍のいずれかを達成するために使用できる望ましい垂直な整列を乱すことになるであろう。基材の選択された小さな領域を変性またはピン止めして、これらを、ブロックコポリマーの一つのブロックと強く相互作用するようにし、基材の残部は中性層でコーティングされた状態で残すことは、ブロックコポリマーのドメインを所望の方向に整列させるのに有用であり得、そしてこれは、パターン増倍のために使用されるピン止めケモエピタキシまたはグラフォエピタキシの基本となる。ピン止め領域は、例えば、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーにおけるポリメチルメタクリレートブロックセグメントなどの極性ブロックコポリマーセグメントに対して比較的大きな親和性を有する親水性であるものであり得るか、または代替的に、例えば、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーにおけるポリスチレンブロックセグメントに対して比較的大きな親和性を有する疎水性のものであり得るピン止め領域であってよい。
【0007】
熱的にまたは光化学的に酸を放出する小分子活性剤の存在を必要としない簡単な処方及び成分を有する、DSA加工用の親水性MATピン止め層を開発することに対する要望がある。というのも、このような処方は、欠陥の生成を招く、熱アニールの間の上層のブロックコポリマーに起こり得る汚染の問題を避けるであろうからである。例えば、熱酸発生剤としてのパラトルエンスルホン酸トリエチルアンモニウム塩を用いて調合されたポリ(メチルメタクリレート-r-2-ビニルオキシエチル)P(MMA-r-VEMA)の調合物が、リバースラインフローDSA加工に使用するための親水性架橋性ピン止めMAT組成物として開発された(US9,093,263(特許文献1))。しかし、VEMAの架橋性基を熱活性化するために加える必要があるこの熱酸発生剤添加剤は、基材上でMAT層を熱硬化する時にダークスポット欠陥を引き起こすことが観察された。これは、ポリ(メチルメタクリレート-b-スチレン)ブロックコポリマー上層のその後のDSAプロセスにおいて欠陥を引き起こす。加えて、P(MMA-r-VEMA)の合成は、毒性の高いテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を試薬として使用した重合後の修飾を必要とした。このような合成法は、大規模で行うのには問題があり得、そのため、上層のブロックコポリマーのDSA加工の時にMAT下層として使用された時に欠陥を形成する可能性を避けるために、より簡単にスケールアップ可能でかつ架橋を触媒するための硬化添加剤を必要としない新規の親水性MAT材料の開発に対する要望がある。本発明に関連して、MAT層とは、その上にコーティングされたいかなる層に対しても不溶性であり、かつDSA中性またはピン止め層として使用することができる、架橋された層である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】P(MMA-r-TMOSiPrMA-r-TMSHEMA)の代表的H NMRスペクトルを示す。
図2】ケイ素ウェハ上の合成例2の材料の架橋膜上で250℃でアニールした、PME-7102(Lo=29nm、膜厚は1500rpmで35nmである)の平行な形態を示すSEM画像である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US9,093,263
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Macromolecules 2019,52,2987-2994
【非特許文献2】Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479
【非特許文献3】A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315
【非特許文献4】Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p.625
【発明の概要】
【0011】
本発明は、幾つかの異なる新規ターポリマー親水性架橋性MAT組成物を記載するものであり、これらの組成物は全て、主成分として極性アルキルメタ(アクリレート)、例えばメチルメタクリレートを含み、及びその樹脂成分は、多量にスケールアップできるように設計されており、及び硬化を可能にするために熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤の添加を必要としない。これらの一つは、P(MMA-r-AMMA)[すなわち、ポリ(メチルメタクリレート-co-9-アントラセンメチルメタクリレート)]であり、これは、親水性膜をそれ自体で保持するには不十分にしか架橋しないが、架橋された樹脂に組み入れられるビスマレイミド系架橋剤を添加することにより十分に架橋するようにすることができ、及び上層のブロックコポリマーの汚染やDSA加工中の欠陥の形成の問題を回避する。この問題を解消するための他の方策の一つは、親水性MAT調合物中の樹脂として、P(MMA-r-TMOSiPrMA)[すなわち、ポリ(メチルメタクリレート)-co-3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート]を使用することであった。これは、低拡散二官能性塩基添加剤を用いて熱的に架橋することができ、優れた膜保持性を与えた。他の方策の一つは、樹脂ターポリマーとして、P(MMA-r-TMOSiPrMA-r-TMSHEMA[すなわち、ポリ(メチルメタクリレート-co-3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート)-co-2-トリメチルシリルオキシエチルメタクリレート)]を使用することであった。これもまた、コーティング欠陥が少ない親水性架橋性ピン止めMATを与えるが、酸または塩基性熱または光化学的添加剤の使用を必要としない。これらのポリマーデザインの全てにおいて、PS-b-PMMAジブロックコポリマーをピン止めするためにMMA成分が必要である。TMOSiPrMA成分は、架橋を可能にし、優れた基材付着性を与える。TMSHEMA成分は、ベーク時にポリマーを架橋させるフリーのヒドロキシル基をマスクする。全てのモノマーのメタクリル的性質は、この膜の親水性を高くする。これらの材料の硬化膜に存在する少ない欠陥は、ガイドパターンの及びそれ故、BCPのDSAのより良好な加工を可能とし、欠陥数を減少させる。
【0012】
本発明の他の観点の一つは、以下を含む構造(A)の発明的ランダムコポリマーである:
・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、及びn1は繰り返し単位の全数である;
・構造(II)のトリアルキルシリルオキシ含有繰り返し単位、式中、RIIは構造(A-1)の部分であり、ここでRm2はHまたはC1~C4アルキルであり、Lは直接原子価結合またはC1~C8アルキレン部分のいずれかであり、RIIa、RIIb及びRIIcは独立してC1~C4アルキルから選択され、そしてn2は繰り返し単位の全数である;
・構造(III)の少なくとも一つのタイプの架橋性繰り返し単位(式中、RIIIは構造(A-2)または(A-3)の部分である)、または構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位(式中、RIIIは、構造(A-2)の部分または構造(A-3)の部分のいずれかである)、ここで、RS1はC1~C4アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、L及びLは、独立して、直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、ROXはオキシランを含む脂肪族部分であり、そしてn3は繰り返し単位の全数である;
・構造(A)に示される二つの末端基、そのうちの一つはHであり、他方は、R、Rr1及びRr2で置換されたメチル部分であり、ここで、Rr1及びRr2は独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、RiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である。
【0013】
【化1】
本発明の他の観点の一つは、
・ランダムコポリマーであって:
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルである;
・・アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-C(=O)-C(アルキル)=CH)またはアルキルメタクリレート(アルキル-O-C(=O)-CH=CH)から誘導される、架橋するために酸触媒を必要としない少なくとも一つのタイプの架橋可能な繰り返し単位、但し、前記アルキルオキシ部分は、トリアルキルシリルオキシ、オキシラン類、トリアルキルオキシシリル及びアントラセン類からなる群から選択される架橋可能な部分で置換されている;
を含むランダムコポリマー、
・スピンキャスト用溶剤、
を含むが、
・熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤は含まない、
組成物である。
【0014】
【化2】
本発明の他の観点の一つは、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤は使用せずに、これらの組成物をコーティングし、そして架橋された極性MATピン止め層を熱的に生成するプロセスである。
【0015】
本発明の他の観点の一つは、DSA加工における、これらの架橋された極性MATコーティングの使用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明に関してそれを限定するものではないと理解するべきである。本願において、他に具体的に記載がなければ、単数形の使用は複数を包含し、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という記載、並びに「含まれる」などの他の動詞形の使用は限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの記載は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む要素及び成分、並びに1つ超の構成単位を含む要素または成分の両方を包含する。他に指示が無ければ、ここで使用する「及び」という接続詞は両立的であることを意図しており、「または」という接続詞は排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0017】
C1-C4アルキルという用語は、メチル及びC2~C4線状アルキル及びC3~C4分岐状アルキル部分の総称であり、その例としては、メチル(-CH)、エチル(-CH-CH)、n-プロピル(-CH-CH-CH)、イソプロピル(-CH(CH)、n-ブチル(-CH-CH-CH-CH)、tert-ブチル(-C(CH)、イソブチル(CH-CH(CH)、2-ブチル(-CH(CH)CH-CH)などが挙げられる。同様に、C1~C8アルキルという用語は、メチルC2~C8線状アルキル、C3~C8分岐状アルキル、C4~C8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、またはC5~C8アルキレンシクロアルキル(例えば、-CH-シクロヘキシル、CH-CH-シクロペンチルなど)を包含する。
【0018】
C2~C5アルキレンという用語は、C2~C5線状アルキレン部分(例えば、エチレン、プロピレンなど)及びC3~C5分岐状アルキレン部分(例えば-CH(CH)-、-CH(CH)-CH-など)を包含する。
【0019】
ここに記載の本発明の組成物中の成分として有用なスチレン系及びアルキル2-メチレンアルカノエート誘導繰り返し単位部分のジブロック及びトリブロックコポリマーは、アニオン重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、リビングラジカル重合など様々な方法によって製造することができる(Macromolecules 2019,52,2987-2994(非特許文献1);Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479(非特許文献2);A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315(非特許文献3);Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p.625(非特許文献4))。
【0020】
ランダムコポリマーであるポリ(スチレン-co-メチルメタクリレート)は、「P(S-co-MMA)」と略され、そしてこの材料のオリゴマー型は、P(S-co-MMA)と略される。同様に、ブロックコポリマーであるポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)はP(S-b-MMA)と略され、他方、この材料のオリゴマーは、オリゴ(S-b-MMA)と略される。オリゴマーのオリゴ(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-ブロック-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、ランダムブロックコポリマー要素を指示するために同じ略語を使用し、具体的にはオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(S=スチレン、p-OS=パラ-オクチルスチレン、MMA=メタクリレート、DEGMEMA=ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、二つのブロックがランダムコポリマーであるこのブロックコポリマー中の繰り返し単位を指示する。
【0021】
FOVは、本願においてSEM図のトップダウン走査電子顕微鏡(SEM)の「視野(field of view)」の略語である。「L/S」は、「ライン・アンド・スペース」リソグラフィ図形の略語である。
【0022】
PGMEA及びPGMEは、それぞれ、1-メトキシプロパン-2-イルアセテート及び1-メトキシプロパン-2-オールの略語である。
【0023】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献及び類似の資料の一つ以上における用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【0024】
他に指示がない限り、「アルキル」は、線状、分岐状炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及び類似の基)、または環状炭化水素基(例えば、シクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似の基)、多環式炭化水素基(例えば、ノルボルニル、アダマンチル及び類似の基)であることができる炭化水素基を指す。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。「アルキル」という用語は、C1~C8炭素を有するこのような部分を指す。構造上の理由から、線状アルキルはC1から始まり、他方で、分岐状アルキル及び環状アルキルはC3から始まり、そして多環式アルキルはC5から始まると理解される。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシ及びパーフルオロアルキルは、他に記載がなければ、同じ炭素数範囲を有すると理解される。上記とは異なるアルキル基の長さが規定される場合は、アルキルの前記の定義は、前記の全てのタイプのアルキル部分を包含する点でなおも有効であり、及び所与のタイプのアルキル基の最小炭素数に関しての前記の構造に関する考慮はなおも該当する。
【0025】
アルキルオキシ(別称はアルコキシ)は、オキシ(-O-)部分を介して結合したアルキル基を指す(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1,2-イソプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及び類似物)。これらのアルキルオキシ部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0026】
ハロまたはハライドは、一つの結合手によって有機部分に結合するハロゲン、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0027】
ここで使用する場合、ラクトンという用語は、モノラクトン類(例えば、カプロラクトン)及びジラクトン類(例えばラクチド)の両方を包含する。
【0028】
ハロアルキルは、水素のうちの少なくとも一つが、F、Cl、Br、I、または1超のハロ部分が存在する場合にはこれらの混合物の群から選択されるハライドによって置き換えられている、上述したものなどの、線状、環状または分岐状の飽和アルキル基を指す。フルオロアルキルは、これらの部分の特定のサブグループである。
【0029】
パーフルオロアルキルは、水素の全てがフッ素に置き換えられた先に定義した線状、環状または分岐状の飽和アルキル基を指す(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシル及び類似の基)。
【0030】
構造(A)のコポリマー
本発明の一つの観点は、以下を含む構造(A)の発明的ランダムコポリマーである:
・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、そしてn1は繰り返し単位の全数である;
・構造(II)のトリアルキルシリルオキシ含有繰り返し単位、式中、RIIは構造(A-1)の部分であり、ここでRm2はHまたはC1~C4アルキルであり、Lは直接原子価結合またはC1~C8アルキレン部分のいずれかであり、RIIa、RIIb及びRIIcは独立してC1~C4アルキルから選択され、そしてn2は繰り返し単位の全数である;
・構造(III)の少なくとも一つのタイプの架橋性繰り返し単位(式中、RIIIは構造(A-2)または(A-3)の部分である)、または構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位(式中、RIIIは、構造(A-2)の部分または構造(A-3)の部分のいずれかである)、ここで、RS1はC1~C4アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、及びL及びLは、独立して、直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、ROXはオキシランを含む脂肪族部分であり、そしてn3は繰り返し単位の全数である;
・構造(A)に示される二つの末端基、そのうちの一つはHであり、他方は、R、Rr1及びRr2で置換されたメチル部分であり、ここで、Rr1及びRr2は独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、RiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である。
【0031】
【化3】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位から本質的になり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の単一のタイプの架橋性繰り返し単位であり、及びRIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である。
【0032】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位から本質的になり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位であり、ここで、RIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である。
【0033】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位からなり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の単一のタイプの架橋性繰り返し単位であり、及びRIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である。
【0034】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、前記繰り返し単位は、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位からなり、但し、構造(III)の繰り返し単位は、構造(III)の二つの異なるタイプの繰り返し単位であり、ここで、RIIIは、構造(A-2)または構造(A-3)の部分である。
【0035】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-2)を有する。この態様の他の観点の一つでは、xは1である。この態様の他の観点の一つでは、xは2である。この態様の他の観点の一つでは、xは0である。この態様の更に別の観点の一つでは、LはC2~C4アルキレン部分である。
【0036】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-2a)を有する。この態様の一つの観点では、RsはC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-2b)を有する。
【0037】
【化4】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有する。この態様の一つの観点では、RIIIは構造(A-3a)を有し、但し、R、Re1及びRe2は、個別に、HまたはC1~C8アルキルから選択され、更に、Re2と、RまたはRe1のいずれかはC1~C4アルキル基である場合は、Re2とRは、またはRe2とRe1は、C1~C4アルキレンを介して結合して環状リングを形成してよい。この態様の他の観点の一つでは、RはC1~C8アルキル部分であり、及びRe1及びRe2はHである。この態様の他の観点の一つでは、R及びRe1はC1~C8アルキル部分であり、及びRe2はHである。この態様の他の観点の一つでは、R、Re1及びRe2は、個別に、C1~C8アルキル部分である。この態様の他の観点の一つでは、RはHであり、そしてRe1及びRe2は個別にC1~C8アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、RはHであり、及びRe1はC1~C8アルキル部分であり、及びRe2はHである。
【0038】
【化5】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3)を有し、そしてこの部分は、より具体的な構造(A-3b)を有し、ここでcyは1~3の範囲の整数である。
【0039】
【化6】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3)を有し、そしてこの部分はより具体的な構造(A-3c)を有する。
【0040】
【化7】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3)を有し、そしてこの部分はより具体的な構造(A-3d)を有する。
【0041】
【化8】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3)を有し、そしてこの部分はより具体的な構造(A-3e)を有する。
【0042】
【化9】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有するか、または構造(A-3)のより具体的な副構造、すなわち(A-3a)~(A-3e)の構造のうちの一つであり、Lは直接原子価結合またはC1~C2アルキレン部分である。
【0043】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3f)を有する。
【0044】
【化10】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3g)を有する。
【0045】
【化11】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RIIIは構造(A-3)を有し、RIIIは構造(A-3h)を有する。
【0046】
【化12】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、構造(A-1)において、RIIa、RIIb及びRIIcは同じC1~C4アルキルから選択される。
【0047】
【化13】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、構造(A-1)において、LはC1~C3アルキレン部分である。
【0048】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、構造(A-1)において、RIIは構造(A-1a)を有する。
【0049】
【化14】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、構造(A-1)において、RIIは構造(A-1b)を有する。
【0050】
【化15】
構造(A)の本発明のコポリマーの他の観点の一つでは、RはC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、これはC1~C3アルキルである。この態様の更に別の観点の一つでは、Rはメチルまたはエチルである。この態様の更に別の観点の一つでは、Rはメチルである。
【0051】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの観点では、構造(I)の繰り返し単位において、Rm1はHである。他の観点の一つでは、Rm1はC1~C4アルキルである。更に別の観点の一つでは、Rm1はメチルである。
【0052】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(II)の繰り返し単位において、Rm2はC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rm2はメチルである。更に別の観点の一つでは、Rm2はHである。
【0053】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(III)の繰り返し単位において、Rm3はC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rm3はメチルである。更に別の観点の一つでは、Rm3はHである。
【0054】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、Rm1、Rm2及びRm3はメチルである。
【0055】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、末端基において、Rrはシアノ部分である。構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、末端基において、Rrはカルボキシアルキル部分である。この態様の一つの観点では、RiはC1~C8アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Riはアリールである。構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、末端基において、Rr及びRrは独立してC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rr及びRrはメチルである。
【0056】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(I)の繰り返し単位は構造(Ia)を有する。
【0057】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(II)の繰り返し単位は構造(IIa)を有する。
【0058】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(III)の繰り返し単位は構造(IIIa)を有する。
【0059】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(III)の繰り返し単位は全て構造(IIIb)を有する。
【0060】
【化16】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(III)の繰り返し単位は、構造(IIIa)及び(IIIb)を有するものの混合である。
【0061】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位のモル%は約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及びRIIIとして構造(A-2)または(A-3)の部分のいずれかを有する構造(III)の繰り返し単位は合計で約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0062】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、前記コポリマーは構造(Aa)を有する。この態様の一つの観点では、構造(Ia)、(IIa)及び(IIIa)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%は約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、そして構造(IIIa)の繰り返し単位は約5モルから約22モル%までの範囲であり、及び構造(Ia)、(IIa)及び(IIIa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0063】
【化17】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、前記コポリマーは構造(Ab)を有し、ここで、n1、n2及びn3は、それぞれ、構造(Ia)、(IIa)及び(IIIb)の各々の繰り返し単位の数を示す。この態様の一つの観点では、構造(Ia)、(IIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%は約65モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、そして構造(IIIb)の繰り返し単位は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(Ia)、(IIa)及び(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0064】
【化18】
構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、前記コポリマーは、構造(Ac)を有し、ここで、n1、n2、n3及びn3aは、それぞれ、構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)及び(IIIb)の各繰り返し単位の数を示す。この態様の一つの観点では、構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%は約65モル%から(好ましくは約68モル%から)約90モル%までの範囲であり、構造(IIa)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約10モル%までの範囲であり、及び構造(IIIa)及び(IIIb)の繰り返し単位の全数は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、及び構造(Ia)、(IIa)、(IIIa)、(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0065】
【化19】
ここに記載の構造(A)の本発明のコポリマーの一つの態様では、前記コポリマーは、約15,000から約50,000までの範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、約1.2から約2.5までの範囲の多分散性も有する。
【0066】
構造(I)の繰り返し単位と、トリアルキルシリルオキシ、オキシラン類、トリアルキルオキシシリル及びアントラセン類から選択される架橋可能な部分を含む少なくとも一つのタイプの繰り返し単位とを含むランダムコポリマーを含む組成物
本発明の他の観点の一つは、
・以下を含むランダムコポリマー:
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルである;
・・アルキル2-メチレンアルカノエート(アルキル-O-C(=O)-C(アルキル)=CH)またはアルキルメタクリレート(アルキル-O-C(=O)-CH=CH)から誘導される、架橋するのに酸触媒を必要としない少なくとも一つのタイプの架橋可能な繰り返し単位、ここで、前記アルキルオキシ部分は、トリアルキルシリルオキシ、オキシラン類、トリアルキルオキシシリル、及びアントラセン類からなる群から選択される架橋可能な部分で置換されている;
・スピンキャスト用溶剤、
を含むが、
・熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤は含まない、
組成物である。
【0067】
この態様の一つの観点では、この組成物は、以下に記載の構造(A)のランダムコポリマーを含む。
【0068】
このコンセプトの他の態様は、構造(C)、(D)及び(E)のランダムコポリマーを含む、ここに記載の組成物である。
【0069】
【化20】
構造(A)のコポリマー及びスピンキャスト用溶剤を含む組成物
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の構造(A)のコポリマーのいずれか一つと、スピンキャスト用有機溶剤とを含む組成物である。
【0070】
本発明のこの組成物の一つの観点では、これは、構造(B)の単一の架橋剤、または構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物を更に含み、ここで、LはC4~C8アルキレンであり、これは、少なくとも4個の炭素原子の長さを有し、及びRa1、Ra2、Ra3及びRa4は独立してC4~C8アルキルから選択される。この態様の一つの観点では、LはC4~C6アルキレンである。他の観点の一つでは、これは構造(B-1)を有する。これらの態様の一つの観点では、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はC3~C6アルキルである。これらの態様の更に別の観点の一つでは、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はn-ブチルである。更に別の観点の一つでは、この架橋剤は構造(B-2)を有する。
【0071】
【化21】
本発明のこの組成物の一つの観点では、これは、構造(B)、(B-1)または(B-2)の単一のタイプの架橋剤を含む。
【0072】
本発明のこの組成物の一つの観点では、これは、構造(B)、(B-1)または(B-2)の少なくとも二つの異なるタイプの架橋剤の混合物を含む。
【0073】
この組成物の一つの観点では、これは、約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、これらの重量%範囲の合計は100重量%以下である。この態様の一つの観点では、これはこれらの二つの成分のみからなる。
【0074】
この組成物の一つの観点では、これは、約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%の前記スピンキャスト用溶剤を含み、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい。この態様の一つの観点では、これは、これらの三つの成分のみからなる。
【0075】
ここに記載の構造(A)のコポリマーを含む組成物の一つの態様では、これらは、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤を含まない。
【0076】
構造(C)のコポリマー、構造(M-1)の架橋剤、及びスピンキャスト用有機溶剤を含む組成物
本発明の他の観点の一つは、
・以下を含む、構造(C)を有するランダムコポリマー;
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、そしてn1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(IV)のアントラセン含有繰り返し単位、式中、Rm4はHまたはC1~C4アルキルであり、LはC1~C8アルキレンであり、そしてn4は繰り返し単位の全数である;
・・構造(C)に示す二つの末端基、そのうちの一つはHであり、そして他方は、Rr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、ここでRr及びRrはC1~C8アルキルから独立して選択され、及びRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、RiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
・構造(M-1)の少なくとも一種の架橋剤、または構造(M-1)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物、但し、
・・Lは、C1~C8線状アルキレン、C2~C8分岐状アルキレン、C6~C20アルキレン-オキシ-アルキレン連結基、C6~C20アルキレン-オキシ-アルキレン-オキシ-アルキレン連結基、構造(M-1a)を有するアリール連結基、及び構造(M-1b)を有するビス-アリール連結基から選択される連結基であり、構造(M-1a)及び(M-1b)において、
【0077】
【化22】
は、これらの連結基の結合点を示し、
・・Rbm、Rbm1、及びRbm2は、独立して、H及びC1~C8アルキルから選択され、
・・Xは、直接原子価結合であるか、またはスルホン(-S(=O)-)、スルホキシド(-S(=O)-)、カルボニル(-C(=O)-)、カーボネート(-O-C(=O)-O)、オキシカルボニル(-O-C(=O)-)、カルボニルオキシ(-C(=O)-O-)、C1~C8線状アルキレンスペーサ、C2~C8分岐状アルキレン、C5~C8環状アルキレン、オキシ(-O-)、及びスルフィド(-S-)からなる群から選択される連結基である;
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む組成物である。
【0078】
【化23】
この組成物の一つの態様では、構造(C)のコポリマーは、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位から本質的になる。この態様の一つの観点では、構造(C)の前記コポリマーは、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位からなる。
【0079】
この組成物の他の観点の一つでは、構造(C)のコポリマーは、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IV)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、及び更に、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しいものである。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、約15,000から約120,000の範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する。
【0080】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(C)のコポリマーは、構造(I)の繰り返し単位において、RがC1~C4アルキルであるものである。この態様の他の観点の一つでは、RはC1~C3アルキルである。更に別の観点の一つでは、Rはメチルまたはエチルである。なお更に別の観点の一つでは、Rはメチルである。この組成物の他の態様の一つでは、構造(C)のコポリマーは、構造(IV)の繰り返し単位において、LがC1~C4アルキレンであるものである。この態様の他の観点の一つでは、LはC1~C2アルキレンである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、構造(IV)の繰り返し単位は構造(IVa)を有する。これらの態様の他の観点の一つでは、Rm1及びRm2は個別にC1~C4アルキルから選択される。この態様の他の観点の一つでは、Rm1及びRm2はメチルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rm1及びRm2はHである。
【0081】
【化24】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(C)のコポリマーは、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IV)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、及び更に、構造(I)及び(IV)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しいものである。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、約15,000から約120,000の範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する。
【0082】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(C)のコポリマーは構造(C-1)を有する。この態様の他の観点の一つでは、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%は約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IVa)の繰り返し単位のモル%は約10モル%から約30モル%までの範囲であり、ここで構造(Ia)及び(IVa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、約15,000から約120,000の範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する。
【0083】
【化25】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(M-1)の前記架橋剤は、構造(M-1c)、(M-1d)、(M-1e)、(M-1f)、(M-1g)、(M-1h)を有するか、またはこれらの少なくとも二つの混合物である。
【0084】
【化26】
該組成物の他の態様の一つでは、これは、約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤からなり、ここで、これら重量%範囲の合計は、100重量%に等しい。
【0085】
この組成物の他の態様の一つでは、前記架橋剤は、構造(M-1)の一つのタイプの架橋剤である。
【0086】
この組成物の他の態様の一つでは、前記架橋剤は、構造(M-1)の少なくとも二つの異なるタイプの架橋剤である。
【0087】
ここに記載の構造(C)のコポリマーを含む組成物の一つの態様では、これらは、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤を含まない。
【0088】
構造(D)のコポリマー、構造(B)の架橋剤、及びスピンキャスト用有機溶剤を含む組成物
本発明の他の観点の一つは、
・以下を含む構造(D)を有するランダムコポリマー;
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、そしてn1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(III)の架橋性繰り返し単位、式中、Rm3はHまたはC1~C4アルキルであり、Rは構造(A-2)の部分であり、ここでRIIIは、構造(A-2)の部分であり、ここでRsはC1~C4アルキルであり、RsはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、そしてLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、そしてn3は繰り返し単位の全数である;
・・構造(D)に示される二つの末端基、そのうちの一方はHであり、他方はRr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、ここで、Rr及びRrは独立してC1~C8アルキルから選択され、Rrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;
・構造(B)の少なくとも一種の架橋剤、式中、Lは、少なくとも4個の炭素原子の長さを有するC4~C8アルキレンであり、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は独立してC4~C8アルキルから選択される;及び
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む組成物である。
【0089】
【化27】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(I)及び(III)の繰り返し単位から本質的になる。この態様の他の観点の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(I)及び(III)の繰り返し単位からなる。
【0090】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(I)の繰り返し単位に関して、RがC1~C4アルキルであるものである。この態様の他の観点の一つでは、RはC1~C3アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rはメチルまたはエチルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rはメチルである。
【0091】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、RmがC1~C4アルキルであるものである。この態様の他の観点の一つでは、Rmはメチルである。
【0092】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、RmがHであるものである。
【0093】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(A-2)においてxが1であるものである。この態様の他の観点の一つでは、これは、構造(A-2)においてxが2であるものである。この態様の他の観点の一つでは、これは、構造(A-2)においてxが0であるものである。
【0094】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(A-2)中、LがC2~C4アルキレン部分であるものである。
【0095】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、RIIIが構造(A-2a)を有するものである。
【0096】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、RsがC1~C4アルキルであるものである。
【0097】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、RIIIが構造(A-2b)を有するものである。
【0098】
【化28】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、Rm3がC1~C4アルキルであるものである。この態様の他の観点の一つでは、Rm3はメチルである。
【0099】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、Rm3がHであるものである。
【0100】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは、構造(D)のポリマーにおいて、構造(I)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(III)の繰り返し単位のモル%が約5モル%から(好ましくは、約10モル%から)、約30モル%までの範囲であり、ここで、構造(I)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しいものである。
【0101】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)の前記コポリマーは構造(Db)を有する。
【0102】
【化29】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(D)または構造(Db)の前記コポリマーは、約15,000から約120,000までの範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、1.2から約2.5までの範囲の多分散性を有する。
【0103】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(Db)の前記コポリマーは、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%が約70モル%から約90モル%までの範囲であり、及び構造(IIIb)の繰り返し単位のモル%が約10モル%から約30モル%までの範囲であり、ここで、構造(Ia)及び(IIIb)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しいものである。
【0104】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(B)の前記架橋剤において、LはC4~C6アルキレンである。この態様の他の観点の一つでは、構造(B)の前記架橋剤は構造(B-1)を有する。
【0105】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(B)または(B-1)の前記架橋剤において、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はC3~C6アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はn-ブチルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記架橋剤は構造(B-1)を有する。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記架橋剤は構造(B-2)を有する。
【0106】
【化30】
この組成物の他の態様の一つでは、これは、約0.2重量%から約2.0重量%までの、構造(D)または(Db)の構造の前記コポリマー、約0.02重量%から約0.04重量%までの、構造(B)、(B-1)または(B-2)の前記架橋剤、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用溶剤を含み、ここで、これらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい。
【0107】
この組成物の他の態様の一つでは、前記架橋剤は、構造(B-1)の一つのタイプの架橋剤である。この組成物の他の態様の一つでは、前記架橋剤は、構造(B-1)の少なくとも二つの異なる架橋剤である。
【0108】
ここに記載の構造(D)のコポリマーを含む組成物の一つの態様では、これらは、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱ラジカル発生剤または光ラジカル発生剤を含まない。
【0109】
構造(E)のランダムコポリマー及びスピンキャスト用有機溶剤を含む組成物
本発明の他の観点の一つは、
・以下を含む、構造(E)のランダムコポリマー;
・・構造(I)のアルキル含有繰り返し単位、式中、RはC1~C8アルキルであり、Rm1はHまたはC1~C4アルキルであり、そしてn1は繰り返し単位の全数である;
・・構造(IIIc)の繰り返し単位、但し、Rm3cはHまたはC1~C4アルキルであり、RIIIAcは構造(A-2)の部分であり、ここでLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、RsはC1~C4アルキルであり、RsはC1~C4アルキルであり、xは0、1または2であり、そしてn3cは繰り返し単位の全数である;
・・構造(IIId)の繰り返し単位、式中、Rm3dはHまたはC1~C4アルキルであり、RIIIAdは構造(A-3)の部分であり、ここでLは直接原子価結合またはC1~C10アルキレン部分のいずれかであり、及びRoxは、オキシランを含む脂肪族部分であり、そしてn3dは繰り返し単位の全数である;及び
・・構造(A)に示される二つの末端基、そのうちの一つはHであり、他方はRr、Rr及びRrで置換されたメチル部分であり、ここでRr及びRrは独立してC1~C8アルキルから選択され、そしてRrはシアノ部分(-CN)またはカルボニルアルキル部分(-C(=O)-Ri)であり、ここでRiはC1~C8アルキルまたはアリール部分である;及び
・スピンキャスト用有機溶剤;
を含む組成物である。
【0110】
【化31】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、xは1である。この態様の他の観点の一つでは、xは2である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、xは0である。
【0111】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、LはC2~C4アルキレン部分である。
【0112】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIACは構造(A-2a)を有する。
【0113】
【化32】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RsはC1~C4アルキルである。
【0114】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAcは構造(A-2b)を有する。
【0115】
【化33】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3a)を有し、ここで、R、Re1及びRe2は、個別に、HまたはC1~C8アルキルから選択され、及び更に、Re2と、RまたはRe1のいずれかとがC1~C4アルキル基である場合には、Re2とR、またはRe2とRe1は、C1~C4アルキレンを介して結合して環状リングを形成してよい。
【0116】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RはC1~C8アルキル部分であり、Re1及びRe2はHである。この態様の他の観点の一つにおいて、R及びRe1はC1~C8アルキル部分であり、Re2はHである。この態様の他の観点の一つにおいて、R、Re1及びRe2は個別にC1~C8アルキル部分である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、RはHであり、そしてRe1及びRe2は個別にC1~C8アルキル部分である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、RはHであり、Re1はC1~C8アルキル部分であり、及びRe2はHである。
【0117】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3b)を有し、ここでcyは1~3の範囲の整数である。
【0118】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3c)を有する。
【0119】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3d)を有する。
【0120】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3e)を有する。
【0121】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Lは直接原子価結合またはC1~C2アルキレン部分である。
【0122】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3f)を有する。
【0123】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3g)を有する。
【0124】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RIIIAdは構造(A-3h)を有する。
【0125】
【化34】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RはC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、RはC1~C3アルキルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rはメチルまたはエチルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Rはメチルである。
【0126】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、RはHである。この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm1はHである。
【0127】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm3cはC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rm3cはメチルである。
【0128】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm3cはHである。
【0129】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm3dはC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rm3dはメチルである。
【0130】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm3dはHである。
【0131】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rm1、Rm3c及びRm3dはメチルである。
【0132】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rrはシアノ部分である。
【0133】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rrはカルボキシアルキル部分である。この態様の他の観点の一つでは、RiはC1~C8アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Riはアリールである。
【0134】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、Rr及びRrは独立してC1~C4アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Rr及びRrはメチルである。
【0135】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、構造(I)の繰り返し単位は構造(Ia)を有する。
【0136】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、構造(IIId)の繰り返し単位は構造(IIIa)を有する。
【0137】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、構造(IIIc)の繰り返し単位は構造(IIIb)を有する。
【0138】
【化35】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーにおいて、構造(I)、(IIIIc)及び(IIId)の繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位のモル%は約70モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIIc)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約22モル%の範囲であり、そして構造(IIId)の繰り返し単位は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更にここで構造(I)、(IIIc)及び(IIId)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0139】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーは構造(E-1)を有する。この態様の一つの観点では、構造(Ia)の繰り返し単位のモル%は約70モル%から約90モル%までの範囲であり、構造(IIIb)の繰り返し単位のモル%は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、そして構造(IIIa)の繰り返し単位は約5モル%から約22モル%までの範囲であり、更にここで、構造(Ia)、(IIIb)及び(IIIa)の繰り返し単位のモル%の合計は100モル%に等しい。
【0140】
【化36】
この組成物の他の態様の一つでは、構造(E)の前記コポリマーまたは構造(E-1)の前記コポリマーは、約15,000から約120,000の範囲のMwを有する。この態様の他の観点の一つでは、前記コポリマーは、1.2から約6までの範囲の多分散性を有する。
【0141】
この組成物の他の態様の一つでは、これは、更に、構造(B)の単一の架橋剤を含むか、または構造(B)の少なくとも二つの異なる架橋剤の混合物を含み、ここでLはC4~C8アルキレンであり、これは、少なくとも4個の炭素原子の長さを有し、及びRa1、Ra2、Ra3及びRa4は独立してC4~C8アルキルから選択される。この態様の一つの観点では、LはC4~C6アルキレンである。この態様の他の観点の一つでは、前記架橋剤は構造(B-1)を有する。前記架橋剤の他の観点の一つでは、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はC3~C6アルキルである。この態様のなお更に別の観点の一つでは、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はn-ブチルである。
【0142】
単一の架橋剤を含むこの組成物の他の態様の一つでは、この架橋剤は構造(B-1)を有する。この態様の一つの観点では、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はC3~C6アルキルである。この態様の他の観点の一つでは、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4はn-ブチルである。
【0143】
この組成物の他の態様の一つでは、これは、約0.2重量%から約2.0重量%までの前記コポリマー、及び約98.0重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含むものであり、ここで、これらの重量%範囲の合計は100重量%以下である。
【0144】
この組成物の他の態様の一つでは、これは、約0.2重量%から約0.5重量%までの前記コポリマー、及び約0.02重量%から約0.04重量%までの前記架橋剤、及び約99.5重量%から約99.8重量%までの前記スピンキャスト用有機溶剤を含み、ここでこれらの重量%範囲の合計は100重量%に等しい。
【0145】
単一の架橋剤を含むこの組成物の他の態様の一つでは、この架橋剤は構造(B-2)を有する。
【0146】
【化37】
ここに記載の組成物のためのスピンキャスト用有機溶剤
構造(A)、(C)、(D)または(E)及びそれらの上記の副構造のいずれかのコポリマーを含む、ここに記載の本発明の組成物の使用するための適当な溶剤は、フォトレジスト、底面反射防止コーティング、または半導体材料のリソグラフィ加工を用いた他のタイプの有機コーティングなどの材料をスピンキャストするために使用される任意の有機溶剤である。前記の本発明の組成物の他の観点の一つでは、前記有機系スピンキャスト溶剤は、前記ランダムコポリマー、及びここに記載のものなどの他の追加的な任意選択の成分を溶解することができる溶剤である。この有機系スピンキャスト溶剤は、単一の溶剤または複数種の溶剤の混合物であってよい。適当な溶剤は、有機溶剤であり、これには、例えばグリコールエーテル誘導体、例えばエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテル;グリコールエーテルエステル誘導体、例えばエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);カルボキシレート、例えばエチルアセテート、n-ブチルアセテート及びアミルアセテート;二塩基性酸のカルボキシレート、例えばジエチルオキシレート及びジメチルマロネート;グリコール類のジカルボキシレート、例えばエチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート;及びヒドロキシカルボキシレート、例えば乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、グリコール酸エチル、及び3-ヒドロキシプロピオン酸エチル;ケトンエステル、例えばピルビン酸メチルまたはピルビン酸エチル;アルキルオキシカルボン酸エステル、例えば3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、またはエトキシプロピオン酸メチル;ケトン誘導体、例えばメチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンまたは2-ヘプタノン;ケトンエーテル誘導体、例えばジアセトンアルコールメチルエーテル;ケトンアルコール誘導体、例えばアセトールまたはジアセトンアルコール;ケタールまたはアセタール、例えば1,3ジオキサラン及びジエトキシプロパン;ラクトン、例えばブチロラクトン;アミド誘導体、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド、アニソール及びこれらの混合物などが挙げられ得る。
【0147】
構造(A)のコポリマーを含む組成物を使用する方法
本発明の他の観点の一つは、構造(A)のコポリマーを含む、ここに記載の組成物のいずれか一つを用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
i)ここに記載の構造(A)のコポリマーを含む組成物のいずれか一つを、基材上にコーティングするステップ;
ii)空気中、約230から約250℃までの温度において、前記のコーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして、架橋するステップ;
iii)洗浄液を用いて約1分間から約4分間、洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
iv)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法である。
【0148】
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の構造(A)のコポリマーを用いた、ブロックコポリマー膜において増倍パターンを誘導するための方法であって、次のステップ:
ia)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iia)基材を提供するステップ;
iiia)上記のプロセスステップi)~iv)に従い、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
iva)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上に、前記ブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法である。
【0149】
この方法の他の観点の一つでは、これは、次のステップを更に含んでよい:
va)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;及び
via)任意選択的に、前記パターン中に第二のコーティングを供し、ここで前記第二のコーティングは中性層である、ステップ。
【0150】
構造(C)のコポリマーを含む組成物を使用する方法。
【0151】
本発明の他の観点の一つは、構造(C)のコポリマーを含む、ここに記載の組成物のいずれか一つを用いて、架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
ib)ここに記載の構造(C)のコポリマーを含む組成物のいずれか一つを、基材上にコーティングするステップ;
iib)空気中、約230から約250℃の温度において、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約30分間ベークして架橋するステップ;
iiib)洗浄液を用いて約1分間から約4分間洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivb)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む前記方法である。
【0152】
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の構造(C)のコポリマーを用いたブロックコポリマー膜中に増倍パターンを誘導する方法であって、次のステップ:
ic)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iic)基材を提供するステップ;
iiic)ステップib)~ivb)の記載に従って、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
ivc)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上に、前記ブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法である。
【0153】
この方法の他の観点の一つでは、これは、次のステップを更に含んでよい:
vc)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;及び
vic)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを提供し、ここで前記第二のコーティングは中性層である、ステップ。
【0154】
構造(D)のコポリマーを含む組成物を使用する方法。
【0155】
本発明の他の観点の一つは、構造(D)のコポリマーを含む、ここに記載の組成物のいずれか一つを用いた架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
id)ここに記載の構造(D)のコポリマーを含む組成物のいずれか一つを基材上にコーティングするステップ;
iid)空気中、約230から約250℃までの温度で、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約3分間ベークして架橋するステップ;
iiid)洗浄液を用いて約1分間から約4分間洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivd)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、方法である。
【0156】
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の構造(D)のコポリマーを用いたブロックコポリマー膜中に増倍パターンを誘導する方法であって、次のステップ:
ie)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iie)基材を提供するステップ;
iiie)ステップid)からivd)に記載のようにして、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
ive)前記架橋されたピン止め層の少なくとも一部上にブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法である。
【0157】
この方法の他の観点の一つでは、これは、次のステップを更に含んでよい:
ve)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;及び
vie)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを提供し、ここで前記第二のコーティングは中性層であるステップ。
【0158】
構造(E)のコポリマーを含む組成物を用いた方法。
【0159】
本発明の他の観点の一つは、構造(E)のコポリマーを含む、ここに記載の組成物のいずれか一つを用いた架橋されたピン止め膜を形成する方法であって、次のステップ:
if)ここに記載の構造(E)のコポリマーを含む組成物のいずれか一つを基材上にコーティングするステップ;
iif)空気中、約230℃から約250℃までの温度で、前記コーティングされた基材を、約30秒間から約30分間ベークして架橋するステップ;
iiif)洗浄液を用いて約1分間から約4分間まで洗浄して、可溶性材料を除去するステップ;
ivf)コーティングを乾燥して、前記架橋されたピン止め層を基材上に形成するステップ;
を含む、前記方法である。
【0160】
本発明の他の観点の一つは、ここに記載の構造(E)のコポリマーを用いたブロックコポリマー膜中に増倍パターンを誘導する方法であって、次のステップ:
ig)二つ以上の自発的に分離するブロックを有するブロックコポリマーを提供するステップ;
iig)基材を提供するステップ;
iiig)ステップif)からivf)に記載にようにして、架橋されたピン止め層を形成するステップ;及び
ivg)前記の架橋されたピン止め層の少なくとも一部上にブロックコポリマーを配置するステップ;
を含む、前記方法である。
【0161】
この方法の他の観点の一つでは、これは、次のステップを更に含んでよい:
vg)前記ブロックコポリマーを配置する前に、リソグラフィプロセスにより、架橋されたピン止め層中にパターンを形成するステップ;及び
vig)任意選択に、前記パターン中に第二のコーティングを提供し、ここで前記第二のコーティングは中性層である、ステップ。
【0162】
本発明の他の観点の一つは、架橋されたピン止め膜を基材上に形成するための、またはブロックコポリマー膜中に増倍パターンを誘導するための、上記のコポリマーまたは組成物の使用である。
【実施例
【0163】
化学品
別段の表示がない限り、全ての化学品は、シグマ・アルドリッヒ社(3050 スプルース通り セントルイス,MO63103)から購入した。
【0164】
全ての合成実験はN雰囲気中で行った。リソグラフィ実験は、本明細書に記載のように行った。コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィ
リソグラフィ実験は、TEL Clean ACT8トラックを用いて行った。SEM写真を、アプライド・マテリアルズNanoSEM_3Dを用いて撮影した。操作電子顕微鏡写真を、1FOV拡大または2FOV拡大で示す(視野(FOV)=5μm)。
【0165】
エッチング実験は、メチルメタクリレートとスチレンとの自己集合膜ブロックコポリマーにとって標準的な等方性酸素エッチング条件を用いて行った。
【0166】
他に指示がなければ、分子量測定(別称では、M多分散性)は、溶離液としてTHF溶剤を用いた100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを装備したゲル透過クロマトグラフィ(PSS Inc.独国)によって行った。ポリスチレンポリマー標準をキャリブレーションに使用した。
【0167】
H NMRスペクトルは、ブルカー社製Advanced III 400MHzスペクトロメータを用いて記録した。
【0168】
コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。化学品は、他に記載がなければ、シグマ・アルドリッヒ・コーポレーション(ミズーリ州、セントルイス)から得たものである。
【0169】
リソグラフィ実験は、TEL Clean ACT8トラックを用いて行った。SEM写真は、アプライド・マテリアルズNanoSEM_3Dを用いて撮影した。走査電子顕微鏡写真を、1FOV拡大または2FOV拡大(視野(FOV)=1、2及び5FOVを用いて5μm)で示す。
【0170】
エッチング実験は、メチルメタクリレートとスチレンとの自己集合膜ブロックコポリマーにとって標準的な等方性酸素エッチング条件を用いて行った。
【0171】
他に指示がなければ、分子量測定(別称では、M多分散性)は、溶離液としてTHF溶剤を用いた100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを装備したゲル透過クロマトグラフィ(PSS Inc.独国)によって行った。ポリスチレンポリマー標準をキャリブレーションに使用した。
【0172】
試験用のポリマー材料の合成
参考用ポリマー合成例:P(S-b-MMA)(26k-b-30k)の合成
P(S-b-MMA)(26K-b-30K)を、例2に記載したのと同じ手順を用いて合成した。目的のMn、及びPSとPMMAブロックとの組成を達成するために、開始剤の量及びモノマー量を変えた。簡単に言えば、20g(0.192モル)のスチレンを、0.55mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムを用いて重合した。次いで、2.5mLの無水トルエン中の0.164g(0.0007モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)を、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(22.85g、0.23モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の5倍)中に析出してブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、46.9モル%のポリスチレンブロック及び53.1モル%のポリメチルメタクリレートブロックからなる40gのP(S-b-MMA)を得た(収率94%)。
【0173】
100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、PSキャリブレーション標準換算で第一のP(SPDE)ブロックは45,048g/モルのM(GPC)及び1.04のM/Mを有したことを示した。GPCから得られたジブロックコポリマー分子量は、Mn,PS-b-PMMA=46,978g/モル及びM/M=1.02である。
【0174】
全ての化学品は、他に記載がなければ、ミリポア-シグマ社から入手可能である。9-アントラセンメチルメタクリレートは、シャンハイB&C社から入手可能である。NMRは、ブルカー社製400MHz Avance IIIスペクトロメータによって測定した。GPCは、アジレント・システムを用いて測定した。
【0175】
ポリマー合成例1:ポリ(メチルメタクリレート-co-9-アントラセンメチルメタクリレート(80/20)のポリマーの合成:
メチルメタクリレート(40.05g、0.40モル)、9-アントラセンメチルメタクリレート(27.63g、0.10モル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(6.41g、0.03モル)、及びアニソール(100g)をフラスコに加え、そして三度凍結融解して脱気し、次いで窒素雰囲気を充填した。この混合物を、85℃の油浴中で16時間加熱した。この混合物をテトラヒドロフランで希釈し、そしてヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてもう一度ヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてDI水中で析出させた。ポリマーを収集し、そして真空炉中で乾燥した。淡黄色の粉末、63.6g(収率94.0%);Mn 43,532g/モル、Mw 89,934g/モル、PDI 2.07)。H NMRに基づき(82.5/17.5)組成。
【0176】
調合物1:
P(MMA-r-AMMA)(1)を1重量%溶液としてArFシンナー中に溶解した。1,1’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビスマレイミドを1重量%溶液としてArFシンナー中に溶解した。1重量%の溶液としてのP(MMA-r-AMMA)(9.44g)及び1重量%溶液としての1,1’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビスマレイミド(0.56g)を混合し、そして0.2ミクロンディスクフィルターに通して濾過した。
【0177】
調合物2:
P(MMA-r-AMMA)(1)を1重量%溶液としてArFシンナー中に溶解した。1,1’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビスマレイミドを1重量%溶液としてArFシンナー中に溶解した。1重量%溶液としてのP(MMA-r-AMMA)(9.71g)及び1重量%溶液としての1,1’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビスマレイミド(0.29g)を混合し、そして0.2ミクロンディスクフィルターに通して濾過した。
【0178】
ポリマー合成例2:ポリ(メチルメタクリレート-co-3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(85/15)の合成:
メチルメタクリレート(14.6g、0.15モル)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(9.1g、0.04モル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(0.36g、2.2ミリモル)、及び2-ブタノン(36g)をフラスコに加え、そして三度凍結融解して脱気し、次いで窒素雰囲気で充填した。この混合物を85℃の油浴中で16時間加熱した。この混合物をテトラヒドロフランで希釈し、そしてヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてもう一度ヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてDI水中で析出させた。ポリマーを収集し、そして真空炉中で乾燥した。白色の粉末、22.3g(収率93.8%);Mn 16,265g/モル、Mw 28,481g/モル、PDI 1.75。H NMRに基づき(79.2/20.8)組成。
【0179】
調合物3:
P(MMA-r-TMOSiPrMA)(2)を1重量%溶液としてArFシンナー中に溶解した。1重量%溶液としてのP(MMA-r-TMSiOSiPrMA)溶液(7.81g)及び1重量%溶液としてのビス(テトラブチルアンモニウム)ペンタン-1,5-ビス(オラート)(2.19g)を混合し、そして0.2ミクロンディスクフィルターに通して濾過した。
【0180】
ポリマー合成例3:ポリ(メチルメタクリレート-co-3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート)-co-2-トリメチルシリルオキシエチルメタクリレート)の合成:
メチルメタクリレート(13.8g、0.14モル)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(9.79g、0.04モル)、2-トリメチルシリルオキシエチルメタクリレート(3.99g、0.02モル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(0.41g、2.5ミリモル)、及びメチルイソブチルケトン(42g)をフラスコに加え、そして三度凍結融解して脱気し、次いで窒素雰囲気を充填した。この混合物を85℃の油浴中で16時間加熱した。この混合物をテトラヒドロフランで希釈し、そしてヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてもう一度ヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてDI水中で析出させた。ポリマーを収集し、そして真空炉中で乾燥した。白色の粉末、26.2g(収率94.3%);Mn 17,799g/モル、Mw 34,024g/モル、PDI 1.91。1H NMRに基づいて(69.8/20.7/9.5)。
【0181】
ポリマー合成例4:ポリ(メチルメタクリレート-co-3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート)-co-グリシジルメタクリレート)の合成
メチルメタクリレート(14.4g、0.14モル)、3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(10.2g、0.04モル)、グリシジルメタクリレート(2.9g、0.02モル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(0.41g、2.5ミリモル)、及びメチルイソブチルケトン(42g)をフラスコに加え、そして三度凍結融解して脱気し、次いで窒素雰囲気で充填した。この混合物を、85℃の油浴中で16時間加熱した。この混合物をテトラヒドロフランで希釈し、そしてヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてもう一度ヘキサン中で析出させた。上澄みをデカントし、そして残部を真空炉中で乾燥した。残部をTHF中に再溶解し、そしてDI水中で析出させた。ポリマーを収集し、そして真空炉中で乾燥した。白色の粉末、26.8g(収率96.5%);Mn 19,113g/モル、Mw 95,995g/モル、PDI 5.02。
【0182】
スキーム1は、ポリマー合成例6及び7のポリマーを製造するための一般的な反応スキームを示す。
【0183】
【化38】
図1は、P(MMA-r-TMOSiPrMA-r-TMSHEMA)の代表的な1H NMRスペクトルを示す。
【0184】
(TBA)2-PDの合成:ビス(テトラブチルアンモニウム)ペンタン-1,5-ビス(オラート)
1,5-ペンタンジオール(0.10g、1.0ミリモル)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(1.54g、1.9ミリモル)及びArFシンナー(55g)を混合することにより、1重量%溶液としてのビス(テトラブチルアンモニウム)ペンタン-1,5-ビス(オラート)を調製した。
【0185】
【化39】
特性付け
表1は、試験した調合物の組成を示す。これらの調合物は、記載のポリマー及び架橋剤をArFシンナー(PGMEA:PGME70:30)中に溶解して0.4重量%または1重量%の溶液とすることによって調製した。存在する場合に架橋剤に示した重量%は、溶液の合計した固形物重量に対するものである。溶解後、各サンプルは、0.2ミクロンディスクフィルターに通して濾過した。
【0186】
【表1】
【0187】
MPBM:1,1’-(メチレンジ-4,1-フェニレン)ビスマレイミド(1,1’-(メチレンビス(4,1-フェニレン))ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)は、シグマ-アルドリッヒ社から得た。
【0188】
【化40】
調合物の浸漬試験
表2は、これらの組成物を用いて形成した架橋膜について行った浸漬試験の結果を示す。これらの浸漬試験は、これらの全ての調合物が、極性誘導MATとして使用するのに満足な架橋を有することを示した。
【0189】
【表2】
【0190】
調合物の浸漬試験
ブロックコポリマー調合物
参考用ポリマー合成例をArFシンナー中に溶解して、0.4重量%溶液を調製し、これを0.2μmPTFEを用いて濾過した。
【0191】
図2は、シリコンウェハ上の合成例2の材料の架橋膜上で、空気中、250℃で2分間アニールしたPME-7102(Lo=29nm、膜厚は1500rpmで35nm)について、平行な形状を示すSEM画像を示す。フィンガープリントパターンが結果として無いことは、下層のMAT層が、上層のブロックコポリマーの極性メチルメタクリレートと相互作用することにより、上層のブロックコポリマーをピン止めしたことを示す。
図1
図2
【国際調査報告】