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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】処理チャンバ用の加熱リッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240910BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515654
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022042934
(87)【国際公開番号】W WO2023039086
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/470,418
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハイレマス, シバプラカシュ パドゥダイヤ
(72)【発明者】
【氏名】パナヴァラッピル クマランクッティ, ハニシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】シャンムガム, キルバナンダン ネイナ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ, マドゥカル
(72)【発明者】
【氏名】ダーマプラ サティヤナラヤナムルティ, シュリハルシャ
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァーサン, シュリハリッシュ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA16
4K030AA18
4K030BA43
4K030EA03
4K030FA01
5F045AA15
5F045AC08
5F045AC15
5F045AC16
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AD10
5F045DQ10
5F045EB06
5F045EB10
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5F045EF05
5F045EH18
5F045EJ04
5F045EJ09
5F045EJ10
5F045EK06
5F045EK07
5F045EK22
5F045GB05
(57)【要約】
処理チャンバ用の加熱リッドの実施形態が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、加熱リッドは、中央領域と周辺領域とを有する本体であって、該本体が中央領域に中央開口部を含み、周辺領域が、本体の上面に延在し、サーマルブレイクを提供するために円に沿って配置された複数の垂直スロットを含み、かつ本体が、該本体の上面へと延びる1つ以上の環状プレナムと、該1つ以上の環状プレナムの底表面を通って本体の下面まで延びる複数の孔とを含む、本体;内部に1つ以上の加熱素子が配置された第1のヒータリングであって、本体の中央領域に連結される、第1のヒータリング;及び、内部に1つ以上の加熱素子が配置された第2のヒータリングを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ用の加熱リッドであって、
中央領域と周辺領域とを有する本体であって、該本体が前記中央領域に中央開口部を含み、前記周辺領域が、前記本体の上面に延在し、サーマルブレイクを提供するために円に沿って配置された複数の垂直スロットを含み、前記本体が、該本体の前記上面へと延びる1つ以上の環状プレナムと、該1つ以上の環状プレナムの底表面を通って前記本体の下面まで延びる複数の孔とを含む、本体、
内部に1つ以上の加熱素子が配置された第1のヒータリングであって、前記本体の前記中央領域に連結される、第1のヒータリング、及び
内部に1つ以上の加熱素子が配置された第2のヒータリングであって、前記本体の前記中央領域に連結され、前記第1のヒータリングの半径方向外側かつ前記1つ以上の環状プレナムの半径方向内側に配置された、第2のヒータリング
を含む、加熱リッド。
【請求項2】
複数の水平スロットが、前記加熱リッドの外側側壁から前記複数の垂直スロットの半径方向外側の位置まで延びる、請求項1に記載の加熱リッド。
【請求項3】
前記複数の水平スロットが、垂直方向に間隔をあけた2つ以上の円形の列に沿って配置される、請求項2に記載の加熱リッド。
【請求項4】
前記複数の水平スロットが複数のスロットクラスタに配置され、該複数のスロットクラスタが前記本体の周りに等間隔で配置される、請求項2に記載の加熱リッド。
【請求項5】
1つ以上の環状プレナムが、1つ以上の内側環状プレナムと、該1つ以上の内側環状プレナムの半径方向外側に配置された外側環状プレナムとを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項6】
前記1つ以上の環状プレナムの各々に配置されたキャップをさらに含み、該キャップが1つ以上のガス入口孔を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項7】
前記加熱リッドが、前記本体の前記周辺領域に下方に延びる側壁を含み、前記複数の垂直スロットが前記側壁内に延びる、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項8】
前記本体に連結され、フィードブロックと、円錐形の中央開口部を有する、前記フィードブロックに配置された中央フィードバッフルとを有する、中央マニホールドをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項9】
前記第1のヒータリングが前記本体の第1の環状チャネルに配置され、前記第2のヒータリングが前記本体の第2の環状チャネルに配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項10】
前記1つ以上の環状プレナムが1つの環状プレナムからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項11】
前記第1のヒータリング及び前記第2のヒータリングを覆う中央キャップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項12】
前記中央キャップが、第1の部分と第2の部分とを含む2部品構造を有する、請求項11に記載の加熱リッド。
【請求項13】
前記第1のヒータリングと前記本体との間に配置された第1の導電性リング、及び前記第2のヒータリングと前記本体との間に配置された第2の導電性リングをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項14】
前記本体、前記第1のヒータリング、及び前記第2のヒータリングがアルミニウムでできている、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッド。
【請求項15】
処理チャンバであって、
チャンバ本体、及び
前記チャンバ本体に連結された、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱リッドであって、前記チャンバ本体と前記加熱リッドとが内部容積を画成する、加熱リッド、及び
前記内部容積に配置され、前記加熱リッドに連結されたシャワーヘッド
を含む、処理チャンバ。
【請求項16】
前記1つ以上の環状プレナムを覆うキャップをさらに含み、該キャップが1つ以上のガス入口孔を含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記1つ以上のガス入口孔に流体的に連結されたガス供給源をさらに含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記本体に連結され、フィードブロックと、円錐形の中央開口部を有する、前記フィードブロックに配置された中央フィードバッフルとを有する、中央マニホールドをさらに含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記チャンバ本体と前記加熱リッドとの間に配置されたOリングをさらに含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記加熱リッドの前記中央開口部に連結された遠隔プラズマ源をさらに含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのマイクロ電子デバイス製造プロセスは、例えば基板上に材料の薄層を形成するため、又はマイクロ電子デバイス製造で使用する部品若しくは構成要素をコーティングするために、処理チャンバを介して実施される。処理チャンバは、例えば原子層堆積(ALD)チャンバなどの堆積チャンバでありうる。処理チャンバは概して、チャンバ本体と該チャンバ本体上に配置されたリッドとを含み、内部に内部容積を画成する。チャンバ本体とリッドとの間のインターフェースにOリングを配置することができる。シャワーヘッドをリッドに連結させ、内部容積内に配置して、1つ以上の処理ガスを供給し、材料の薄層の堆積を促進することができる。ある特定の堆積プロセスを実施するために、シャワーヘッドをある特定の温度に加熱する必要がある場合がある。シャワーヘッドを所望の温度まで加熱するために、リッドを加熱することができる。しかしながら、リッドの外周が高温になると、チャンバ本体とリッドとの間に配置されたOリングの完全性が損なわれる可能性がある。さらには、リッドの外周が高温になると、リッドの外側側壁からの熱損失の増加につながる。
【0003】
したがって、本発明者らは、処理チャンバとともに使用するための改良された加熱リッドを提供した。
【発明の概要】
【0004】
処理チャンバ用の加熱リッドの実施形態が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、処理チャンバ用の加熱リッドは、中央領域と周辺領域とを有する本体であって、該本体が中央領域に中央開口部を含み、周辺領域が、本体の上面に延在し、サーマルブレイクを提供するために円に沿って配置された複数の垂直スロットを含み、かつ本体が、該本体の上面へと延びる1つ以上の環状プレナムと、該1つ以上の環状プレナムの底表面を通って本体の下面まで延びる複数の孔とを含む、本体;内部に1つ以上の加熱素子が配置された第1のヒータリングであって、本体の中央領域に連結される、第1のヒータリング;及び、内部に1つ以上の加熱素子が配置された第2のヒータリングであって、本体の中央領域に連結され、第1のヒータリングの半径方向外側かつ1つ以上の環状プレナムの半径方向内側に配置された、第2のヒータリングを含む。
【0005】
幾つかの実施形態では、処理チャンバ用の加熱リッドは、中央領域と周辺領域とを有する本体であって、該本体が中央領域に中央開口部を含み、周辺領域が、サーマルブレイクを提供するように本体の上面から延びる複数の垂直スロットと、サーマルブレイクを提供するように本体の外側側壁から複数の垂直スロットの半径方向外側の位置まで延びる複数の水平スロットとを含む、本体;内部に1つ以上の加熱素子が配置された第1のヒータリングであって、本体の中央領域に連結される、第1のヒータリング;及び、内部に1つ以上の加熱素子が配置された第2のヒータリングであって、本体の中央領域に連結され、第1のヒータリングの半径方向外側に配置される、第2のヒータリングを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体;及び、該チャンバ本体に連結された加熱リッドであって、チャンバ本体と加熱リッドとが内部に内部容積を画成し、該加熱リッドが、中央領域と周辺領域とを有する本体であって、該本体が中央領域に中央開口部を含み、周辺領域が本体の上面から延びる複数の垂直スロットを含み、本体が、該本体の上面から延びる外側環状プレナムと、該1つ以上の環状プレナムの底表面から本体の下面まで延びる複数のガス供給源開口部とを含む、本体と、外側環状プレナムを覆うキャップであって、1つ以上のガス入口孔を含む、キャップと、内部に1つ以上の加熱素子が配置された第1のヒータリングであって、本体の中央領域に連結される、第1のヒータリングとを含む、加熱リッド、並びに、内部容積内に配置され、加熱リッドに連結されたシャワーヘッドを含む。
【0007】
本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態について、以下に説明する。
【0008】
上記で簡潔に要約し、以下により詳細に述べる本開示の実施形態は、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の幾つかの実施形態による堆積システムの概略的な側面図
図2】本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバの一部の概略的な断面側面図
図3】本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバの加熱リッドの一部の断面の上面等角図
図4】本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバの上面図
図5】本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバの加熱リッドの一部の上面等角図
図6】本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバの一部の概略的な断面側面図
図7】本開示の幾つかの実施形態による加熱リッドの上面図
図8】本開示の幾つかの実施形態による環状キャップを備えた加熱リッドの上面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かり易くするために簡略化されることがある。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【0011】
処理チャンバ用の加熱リッドの実施形態が本明細書に提供される。本明細書で提供される加熱リッドは、有利には、加熱リッドの外側側壁からの熱損失を低減するために、加熱リッドの周縁領域に近接したサーマルブレイクを含む。幾つかの実施形態では、加熱リッドは、内部に配置されたシャワーヘッドを加熱するために処理チャンバにおいて用いられる。処理チャンバは、例えば原子層堆積(ALD)プロセスを実施するように構成された堆積チャンバでありうる。
【0012】
図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態による堆積システムの概略的な側面図を示している。図1に示されるように、処理チャンバ102が支持体104上に配置された堆積システム100が示されている。支持体104は、フレームアセンブリ106を含むものとして例示的に示されている。フレームアセンブリ106はホイールを有するように示されているが、代替的又は追加的に、フレームアセンブリ106は、処理チャンバ102を支持するための水平調整脚、安定化ブラケット、又は他の要素を含むことができる。幾つかの実施形態では、フレームアセンブリ106は省略することができ、処理チャンバ102は、例えば、ベース、クラスタツールの移送チャンバ、処理チャンバ102に/処理チャンバ102から部品を供給及び回収するための部品ハンドリングシステムなど、別の構成要素上に載置する又は取り付けることなどにより、何らかの他の種類の支持体104上に配置することができる。
【0013】
処理チャンバ102を包み込むためにカバー138を設けることができる。カバー138は、支持体104上に配置することができ、あるいは他の方法で処理チャンバ102に連結させてもよい。カバー138は、処理チャンバ102を冷却するためにそこを通る空気の流れを促進するための複数の開口部を含むことができる。ファン140を設けて、処理チャンバ102の外部の空冷を強化することができる。
【0014】
処理チャンバ102は、概して、内部容積112を一緒に画成し、取り囲む、チャンバ本体108と加熱リッド110とを含む。内部容積は、約1リットルから約1.5リットルなど、小さくてもよい。チャンバ本体108及び加熱リッド110の各々は、該チャンバ本体108及び加熱リッド110が一緒にアセンブリされたときに、内部容積112を一緒に画成する、構成要素の対向する面に形成されたキャビティを含むことができる。例えば、チャンバ本体108は、底部プレート182と、該底部プレート182から上方に延び、内部容積112を部分的に取り囲む側壁184とを含みうる。同様に、加熱リッド110は、中央領域105と周辺領域115とを有する本体178を含むことができる。加熱リッド110は、本体の下面129から周辺領域115において下方に延在し、内部容積112を部分的に囲む側壁180を含むことができる。幾つかの実施形態では、側壁180、184の各々は、内部容積112を画成する同じ又は実質的に同じ寸法(例えば、円形のチャンバ構成の直径)を有することができる。幾つかの実施形態では、側壁180、184内の内部容積112の寸法(例えば、内径)は、約14から約20インチである。加熱リッド110及びチャンバ本体108は、アルミニウムなどの金属で作ることができる。
【0015】
幾つかの実施形態では、加熱リッド110及びチャンバ本体108は、例えば、クランプ、ボルト締め、ねじ締めなどによって一緒に連結させることができる。例えば、図3及び4に示されるように、例えば、チャンバ本体108の対応するねじ孔まで延びるボルトを使用して、加熱リッド110をチャンバ本体108に連結するために、複数の孔308を設けることができる。幾つかの実施形態では、孔308は、対応するボルト、ねじなどの頭部を受け入れるために皿穴が開けられていてもよい。複数の孔308は、加熱リッド110とチャンバ本体108との間に均一なシールを提供するように、例えば、内部容積112に供給されるガスの漏れを防ぐように、配置することができる。コーティングされるワークピースの挿入及び除去を容易にするため、又は内部容積112へのアクセスを必要とする他のメンテナンス若しくは動作のために、加熱リッド110を持ち上げるために、リフトシステム(図示せず)を設けることができる。加熱リッド110及びチャンバ本体108は、アルミニウム又はステンレス鋼などの任意の適切なプロセス適合性材料から作ることができる。
【0016】
加熱リッド110は1つ以上のヒータ132を含む。1つ以上のヒータ132は、ヒータ電源160に連結させることができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のヒータ132は、加熱リッド110の上面12(例えば、本体178の頂面)の環状チャネルに配置されたリング状ヒータを含む。例えば、図2~3に示されるように、1つ以上のヒータ132は、第1の環状チャネル268に配置された第1のヒータリング272と、第2の環状チャネル270に配置された第2のヒータリング274とを含む。幾つかの実施形態では、第2のヒータリング274は、本体178の中央領域105に連結され、第1のヒータリング272の半径方向外側に配置される。幾つかの実施形態では、第1のヒータリング272及び第2のヒータリング274は、加熱リッド110の上面123に形成された環状チャネル内に配置される。第1のヒータリング272及び第2のヒータリング274は、内部に配置された1つ以上の加熱素子を有しうる。幾つかの実施形態では、第1のヒータリング272及び第2のヒータリング274は、アルミニウムなどの金属でできている。
【0017】
幾つかの実施形態では、第1のヒータリング272と本体178との間の熱結合を強化するために、第1のヒータリング272と本体178との間の第1の環状チャネル268に第1の導電性リング292が配置される。幾つかの実施形態では、第2のヒータリング274と本体178との間の熱結合を強化するために、第2のヒータリング274と本体178との間の第2の環状チャネル270に第2の導電性リング294が配置される。幾つかの実施形態では、第1の導電性リング292及び第2の導電性リング294は黒鉛でできている。幾つかの実施形態では、第1のヒータリング272及び第2のヒータリング274は、それぞれ、本体178に直接接触することなく、第1の導電性リング292及び第2の導電性リング294を介して本体178に連結される。
【0018】
ヒータを環状チャネル内に保持するために、中央キャップ212を1つ以上のヒータ132の各々の上に渡ることができる。幾つかの実施形態では、中央キャップ212は、加熱リッド110内に配置されうる1つ以上のヒータ132及び1つ以上の冷却剤チャネル134の上に及ぶことができる。図3及び4に示されるように、複数のレセプタクル306が加熱リッド110の上面123に形成されて、中央キャップ212からの対応する突起402を受け入れることができる。中央キャップ212は、例えば複数の締め具404(例えば、ボルト、ねじなど)によって、加熱リッド110の本体178に固定することができる。
【0019】
熱伝達媒体を流すために、1つ以上の冷却剤チャネル134を加熱リッド110に設けてもよい。例えば、冷却剤源142を1つ以上の冷却剤チャネル134に連結して、冷却剤を循環させることができる。冷却剤は液体又はガスでありうる。幾つかの実施形態では、冷却剤は空気を含む。幾つかの実施形態では、例えば図2に示されるように、1つ以上の冷却剤チャネル134は、加熱リッド110の頂部に形成された第1の冷却剤チャネルを含むことができ、第1の冷却剤チャネルの上にはキャップ214が配置されてもよい。幾つかの実施形態では、例えば1つ以上のヒータ132が一対のヒータ132を含む場合、1つ以上の冷却剤チャネル134のうちの少なくとも1つ(及び幾つかの実施形態ではすべて)を一対のヒータ132の間(すなわち、第1のヒータリング272と第2のヒータリング274との間)に配置することができる。幾つかの実施形態では、例えば図3に示されるように、1つ以上の冷却剤チャネル134は、冷却剤を冷却剤チャネル134(例えば、単一の環状チャネル)に通して循環させるための、図1に示される冷却剤源142などの冷却剤源に連結された入口302及び出口304を有する単一の環状チャネルでありうる。幾つかの実施形態では、冷却剤源142及び冷却剤チャネル134は、加熱リッド110の温度を摂氏約50度から約75度で維持するように構成される。
【0020】
幾つかの実施形態では、熱伝達媒体を流すために、チャンバ本体108に1つ以上の冷却剤チャネル236を設けることができる。例えば、冷却剤源142又は別の冷却剤源(図示せず)を1つ以上の冷却剤チャネル236に連結して、冷却剤を循環させることができる。幾つかの実施形態では、冷却剤源142(又は他の異なる供給源)及び冷却剤チャネル236は、チャンバ本体108の温度を摂氏約50度から約75度で維持するように構成される。冷却剤チャネル134、236の小さい容積及び構成は、処理チャンバ102の急速冷却を有利に促進し、完成したワークピースを取り出し、新しいワークピースをロードし、したがってスループットを向上させる。
【0021】
図1に戻ると、サーモスタット162は、加熱リッド110の温度を監視するために、また幾つかの実施形態では、使用中の温度のフィードバック制御を容易にするために、加熱リッド110内に配置されるか、又は加熱リッド110に連結することができる。サーモスタット162は、加熱リッド110の側面(図1に示されるように)、又は加熱リッド110の頂面(図2及び7に示されるように)など、加熱リッド110の温度を監視するための任意の適切な位置に設けることができる。
【0022】
加熱リッド110は、処理チャンバ102の内部容積112への1つ以上のガスの供給を容易にするために、その中に配置された複数のガス通路136を含む。ガス源114は、複数のガス通路136に連結された複数の導管116を介して内部容積112に流体的に連結されて、内部容積112内に配置されたワークピース(又は基板)をコーティングするALD動作などの動作中に内部容積112に処理ガスを供給する。例えば、ガス源は、ALDプロセスを実施するために、前駆体アンプル、1つ以上の不活性ガス、並びに堆積ガス、キャリアガス、パージガスなどを供給するための高速パルスバルブ、パージバルブなどを含みうる。例えば、図1に示されるように、例えば、第1の前駆体、第2の前駆体、及び不活性ガスなどの3つの異なるガスを内部容積112に供給するために、第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122を設けることができる。第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122は、加熱リッド110を介して、例えば、複数のガス通路136を介して内部容積112に連結することができる。
【0023】
一例では、形成されるコーティングは、酸化アルミニウム(Al)コーティングでありうる。このような実施形態では、例えば、ガス源は、トリメチルアルミニウム(TMA)と水(HO)とを含む堆積ガス(例えば、前駆体ガス)を、窒素(N)などの不活性ガス、又は希ガス、例えばアルゴン(Ar)などとともに供給するように構成することができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、処理チャンバ102は、1つ以上の処理ガスを分散方式で供給するように構成される。例えば、幾つかの実施形態では、処理チャンバ102は、1つ以上の処理ガスを内部容積112の複数のゾーンに供給するように構成される。例えば、加熱リッド110は、流体的に独立しており、各々がガス源114に連結されている1つ以上の環状プレナムを含むことができる。1つ以上の環状プレナムの各々は、1つ以上の処理ガスを内部容積112の特定のゾーンに供給するように構成され、特定のゾーンの少なくとも幾つかは互いに異なっている。1つ以上の環状プレナムは、ガスの分離を有利に提供し、導管又は加熱リッド110内での望ましくない反応及び/又は堆積を防止する。
【0025】
例えば、図2に示されるように、加熱リッド110は、外側環状プレナム208と1つ以上の内側環状プレナム210とを含むことができる。外側環状プレナム208は、内部容積112の周辺領域、及びコーティングされるワークピースの周辺領域への1つ以上のガスの供給を容易にする。幾つかの実施形態では、例えば、不活性ガスを外側環状プレナム208に供給して、ワークピースの周縁部及び/又は内部容積112の周縁部への堆積を防止することができる。図2に示される実施形態では、2つの内側環状プレナム210が示されている。内側環状プレナムは、ALDプロセス用の異なる堆積ガス又は前駆体ガスなどの1つ以上のガスを、コーティングされることが望ましいワークピースの領域に近い内部容積のより半径方向内側の部分に供給することを容易にする。幾つかの実施形態では、第1のヒータリング272及び第2のヒータリング274は、1つ以上の環状プレナムの半径方向内側に配置される。
【0026】
1つ以上の環状プレナムは、例えば、本体178の頂面に配置されたそれぞれの環状チャネルによって、形成することができる。環状キャップ246を各チャネルの上に配置して、それぞれのプレナムを画成することができる。環状プレナムを内部容積112に流体的に連結するために、各環状プレナムに、例えば環状プレナムの底表面に沿って本体178の下面129まで、複数の孔248を設けることができる。複数の孔248は、プレナムから内部容積112への適切なガス流を提供するようにサイズ決めし、配置することができる。幾つかの実施形態では、複数の孔248は、環状プレナムに沿って等間隔に又は実質的に等間隔に配置することができる。幾つかの実施形態では、複数の孔248は孔のセットで配置することができ、各セットの孔は環状プレナムに沿って等間隔又は実質的に等間隔で配置することができる。
【0027】
環状プレナムの各々は、第1、第2、又は第3の導管118、120、122のうちの異なる導管を介してガス源114に連結させることができる。例えば、1つ以上の内側環状プレナム210の第1の環状プレナム210Aは、第1の導管118を介してガス源114に連結させることができる。1つ以上の内側環状プレナム210の第2の環状プレナム210Bは、第2の導管120を介してガス源114に連結させることができる。外側環状プレナム208は、第3の導管122を介してガス源114に連結させることができる。
【0028】
図2及び4に最もよく示されているように、第1の導管118は、複数の脚部202(例えば、第1の複数の脚部)を介して内側環状プレナム210のうちの1つ(例えば、210A)に連結させることができる。同様に、第2の導管120は、異なる複数の脚部204(例えば、第2の複数の脚部)を介して内側環状プレナム210のうちの異なる1つ(例えば、210B)に連結させることができる。同様に、第3の導管122は、異なる複数の脚部206(例えば、第3の複数の脚部)を介して外側環状プレナム208に連結させることができる。複数の脚部202、204、206の各々は、それぞれの内側環状プレナム210A、210B、及び外側環状プレナム208に流体的に連結される。幾つかの実施形態では、第1の導管118、第2の導管120、又は第3の導管122のうちの1つ以上を、プレナムに沿った複数の位置でそれぞれのプレナムに連結させることができる。複数の位置は、2つ以上の位置、3つ以上の位置、4つ以上の位置などでありうる。例えば、図4に示されるように、複数の位置は6つの位置とすることができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1の導管118、第2の導管120、又は第3の導管122のうちの少なくとも1つ、及び幾つかの実施形態ではそれらのすべてが、それぞれのプレナムに方位角対称に連結される。幾つかの実施形態では、それぞれのプレナム内の位置の各々が、それぞれのプレナム内の隣接する位置から等間隔で配置される。幾つかの実施形態では、複数の位置のいずれも互いに対して半径方向に整列していない。例えば、図4に最もよく示されているように、各プレナムは、互いに等間隔で配置することができる複数の入口を含む。各プレナムの入口の各々は、互いに対して角度をずらすことができる。幾つかの実施形態では、各プレナムに等しい数の入口が存在する。第1、第2、又は第3の導管118、120、又は122の各々は、各導管の端部に配置され、導管をプレナムへの入口と位置合わせする取付具250を介してそれぞれのプレナムに連結させることができる。例えば、図2に示されるように、取付具250が複数の脚部202、204、206の各々の端部に配置される。各環状キャップ246は、取付具250及びプレナムへの入口を収容するための1つ以上のガス入口孔を含む。
【0030】
再び図1を参照すると、幾つかの実施形態では、遠隔プラズマ源(RPS)127は、必要に応じて処理チャンバ102の洗浄を容易にするために、例えば加熱リッド110の中央領域105にある中央開口部121を介して、内部容積112に連結することができる。代替的に又は組み合わせて、ガス源114は、中央開口部121を通じて内部容積112(例えば、第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122を介して)に連結することができる。例えば、図2に示されるように、中央開口部121は、ガス源240に連結することができる。ガス源240は、ガス源114又はRPS127のうちの1つ以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、中央開口部は、キャップ252を介してガス源240に連結される。幾つかの実施形態では、キャップ252は、上述した環状キャップ246と同様に構成することができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、加熱リッド110へのシャワーヘッド158の連結を容易にするために、1つ以上の取付ブラケット156が設けられる。幾つかの実施形態では、シャワーヘッド158は、内部容積112の処理容積部分を部分的に画成する。シャワーヘッド158は、底部プレートから延びる周縁リップを有する底部プレートを備えており、周縁リップ内に中央凹部を画成することができる。複数のガス分配孔220が底部プレートを通って配置され、中央凹部から底部プレートを通り、底部プレートの反対側の空間へ(例えば、シャワーヘッドが設置されているチャンバの処理容積へ)のガスの流れを促進する。シャワーヘッド158は、該シャワーヘッド158の底部プレートが処理チャンバ102内に配置されたペデスタルヒータ124の支持面から約1mmから約5mm、例えば約3mm離間されるように、加熱リッド110に連結させることができる。シャワーヘッドは、取付ブラケット156を介してワークピースを加熱リッド110に連結することを容易にするために、周縁リップの半径方向外側に底部プレートを貫通する複数の開口部を含むことができる。
【0032】
例えば、幾つかの実施形態では、1つ以上の取付ブラケット156は、図2に示されるポスト244などの複数のポストでありうる。シャワーヘッド158は、複数のポスト244を介して加熱リッド110に連結することができる。例えば、複数のポスト244は、シャワーヘッド158の既存の取付孔に挿入することができ、加熱リッド110の嵌合ねじ付き開口部にシャワーヘッド158をボルト締めするための貫通孔を含む。
【0033】
図2をさらに参照すると、幾つかの実施形態では、スペーサ218は、シャワーヘッド158と加熱リッド110との間の間隙を維持しやすくするように提供することができる。シャワーヘッド158と加熱リッド110との間の間隙は、それらの間のガスの流れを促進する。スペーサ218は、内部容積112に供給されるガスが実質的に、シャワーヘッド158の半径方向外側の表面の周りではなく、スペーサ218の半径方向内側に配置されたシャワーヘッド158の表面に向かって、かつその表面上を流れるように、シャワーヘッド158と加熱リッド110との間のシールの形成をさらに促進することができる。幾つかの実施形態では、スペーサ218は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、例えばAl6061若しくはAl1005などのアルミニウム、又は同様の材料でできている。
【0034】
幾つかの実施形態では、スペーサ218は、外側環状プレナム208と1つ以上の内側環状プレナム210との間にスペーサ218が配置されるようなサイズを有する。動作中、例えば、ALD堆積プロセスなどの堆積プロセス用の処理ガス(例えば、堆積ガス)は、1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121を介して)供給することができる一方、希ガスなどの不活性ガス、例えばアルゴンを、外側環状プレナム208に供給することができる。したがって、1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121介して)供給される処理ガスは、シャワーヘッド158の半径方向内側(スペーサ218に対して)の表面の上を流れ、かつシャワーヘッド158の開口部(ガス分配孔220など)を通って流れる。1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121を通って)供給される処理ガスは、スペーサ218の半径方向外側へ、及びシャワーヘッド158の(スペーサ218に対して)半径方向外側の表面上を流れることが実質的に防止される。同様に、外側環状プレナム208に供給される不活性ガスなどのガスは、シャワーヘッド158の半径方向内側の表面上を流れることが実質的に防止され、シャワーヘッド158の半径方向外側の表面の上を流れる。外側環状プレナム208に供給される不活性ガスが、加熱リッド110の外側側壁に沿った材料の堆積をさらに制限又は防止する。処理チャンバ102に流入及び流出するガスの流れの図が、図2に矢印で示されている。
【0035】
図1に戻ると、幾つかの実施形態では、ライナ157は、加熱リッド110を保護するために、シャワーヘッド158を取り囲むように提供される。ライナ157は、シャワーヘッド158を取り囲み、加熱リッド110の内側壁(例えば、加熱リッドに隣接する内部容積の外周)を保護するための任意の適切な形状を有することができる。
【0036】
チャンバ本体108は、ペデスタルヒータ124を受け入れるようにサイズ決めされ、構成される。例えば、チャンバ本体108は、ペデスタルヒータ124のシャフト(例えば、図2に示されるシャフト228)を受け入れるために、底部プレート182を貫通して形成された開口部126を含むことができる。ペデスタルハブ128が底部プレート182に連結されて、ペデスタルヒータ124のシャフトを取り囲み、包み込むことができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124のシャフトは、ペデスタルヒータ124の底表面がチャンバ本体108の底部プレート182の頂面の上に、かつその頂面に対向して配置されるように、ペデスタルハブ128に連結させて、ペデスタルハブ128によって支持させることができる。
【0037】
ペデスタルヒータ電源130は、例えばペデスタルハブ128を介してペデスタルヒータ124内に配置されたヒータ電極125に連結されて、使用中にペデスタルヒータ124に電力を供給する。ヒータ電極125は、1つのゾーン、又は2つのゾーンなどの複数のゾーンで構成することができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124は、最高で摂氏約600度まで加熱するように構成される。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124は、摂氏約200度から約500度の温度に加熱される。図2に示されるように、ペデスタルヒータ124は、ヒータプレート238及びシャフト228を含むことができる。ヒータプレート238はヒータ電極125を含み、実質的に平坦な上面を含むことができる。幾つかの実施形態では、ヒータプレートは、例えば半導体ウエハなどの平面基板を支持するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ヒータプレート238は、平坦又は実質的に平坦な隆起上面と、該隆起上面の半径方向外側に配置された実質的に平坦なレッジとを含むことができる。ペデスタルヒータ124は、シャワーヘッド158よりも大きい直径を有することができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124は、約500mmから約600mmの直径を有することができる。
【0038】
チャンバ本体108は、ペデスタルヒータ124とチャンバ本体108の表面に面する内部容積112との間に小さい間隙を画成するようにサイズ決めされる。例えば、側壁184の内表面とヒータプレート238の外周縁との間に、第1の間隙258が形成される。幾つかの実施形態では、第1の間隙258は、約3mmなど、約2mmから約4mmでありうる。底部プレート182の上面とヒータプレート238の対向する下面との間には、第2の間隙260が形成される。幾つかの実施形態では、第2の間隙260は、約4mmなど、約3mmから約6mmでありうる。開口部126は、開口部126とシャフト228との間に第3の間隙262が形成されるように、シャフト228の外径より大きい。幾つかの実施形態では、第3の間隙262は、約4mmなど、約3mmから約6mmでありうる。
【0039】
ペデスタルハブ128は、シャフト228及び開口部126の周りでチャンバ本体108に連結される。128のペデスタルは、例えば、ペデスタルハブ128のフランジ232に形成された対応する複数の開口部234を通して配置され、チャンバ本体108の対応するねじ付き開口部内に延びる複数の締め具を使用して、チャンバ本体108にボルト締め又は他の方法で固定することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の溝251をペデスタルハブ128又はチャンバ本体108の一方又は両方に設けて、それらの間のシールの形成を容易にすることができる。例えば、Oリングなどのガスケットを溝251に配置することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、内部容積112から出るガスの排気の流れを調節するために、チョークカップ230を設けることができる。チョークカップ230は、ペデスタルハブ128とチャンバ本体108との間に配置することができる。チョークカップ230は、流れコンダクタンスチョークポイントを提供して、方位角がより均一になるように処理チャンバから出る流れを調整する。例えば、チョークカップ230は、ペデスタルハブ128の内径に沿って形成された対応するレッジ256上に載置されうるフランジ254を含む管状部材でありうる。フランジ254は、ペデスタルハブ128がチャンバ本体108に連結したときにフランジ254がチャンバ本体108の底部に当接するように、レッジ256の高さに等しい又は実質的に等しい厚さを有することができる。
【0041】
チョークカップ230は、該チョークカップ230の内表面とシャフト228の外表面との間に第4の間隙264を画成するように、開口部126の内径に実質的に等しい内径を有することができる。チョークカップ230は、それらの間に第5の間隙266が画成されるように、ペデスタルハブ128の内径よりも小さい外径をさらに有する。チョークカップ230は、第4の間隙264を第5の間隙266に流体的に連結するために貫通形成された複数の開口部231をさらに含む。
【0042】
図1に戻ると、処理チャンバ102の排気アセンブリ144は、ペデスタルハブ128を介して内部容積112に流体的に連結される。排気アセンブリ144は、ポンプ150を内部容積112に連結する導管148に沿って一列に配置されたスロットルバルブ146を含む。スロットルバルブ146は、内部容積112内の圧力の制御を容易にする。圧力計152も、導管148に連結して、導管148内の圧力(及び、関連して、内部容積内の圧力)を監視することができる。幾つかの実施形態では、例えばメンテナンスのために、処理チャンバ102を導管148及びポンプ150から隔離及び/又は切断することを容易にするために、例えばアイソレーションバルブ154、バイパスバルブ155などの追加のバルブを設けることができる。
【0043】
図2に示されるように、加熱リッド110は、チャンバ本体108に連結されて、内部容積112を少なくとも部分的に画成する。幾つかの実施形態では、加熱リッド110とチャンバ本体108との間のインターフェースにシールを提供することができる。例えば、アセンブリ時に加熱リッド110とチャンバ本体108との間のシールの維持を容易にするために、ガスケット、例えばOリング249を受け入れるように、加熱リッド110又はチャンバ本体108のうちの1つ以上に溝226を設けることができる。幾つかの実施形態では、加熱リッド110及びチャンバ本体108の位置合わせ及び相互接続を容易にするために、もう1つの位置合わせ特徴部を設けることができる。例えば、加熱リッド110又はチャンバ本体108のうちの一方の周縁の周りに、突起又はリップ222を配置することができる。リップ222を受け入れてリップ222とインターフェースするために、加熱リッド110又はチャンバ本体108の他方には、嵌合凹部224を設けることができる。図2に示される実施形態では、加熱リッド110から下方に突き出しているリップ222が示されており、チャンバ本体108の周縁に形成された嵌合凹部224が示されている。
【0044】
内部容積112の上の加熱リッドの上部中央部分からの熱伝達の低減を有利に促進するために、加熱リッド110内に1つ以上の熱伝導チョーク(すなわち、サーマルブレイク)を設けることができる。サーマルブレイクは、加熱リッド110の中央領域205が高温(すなわち、摂氏約225度超)に加熱されたときに、Oリング249の完全性と、加熱リッド110とチャンバ本体108との間のシールとを有利に維持する。サーマルブレイクは、加熱リッド110の周辺領域215の温度を摂氏約80度未満に維持する一方で、加熱リッド110の中央領域205を摂氏約225度超に有利に維持することができる。例えば、加熱リッド110を通る伝導熱伝達を妨げるために、加熱リッド110の周辺領域115に複数のスロット216を形成することができる。幾つかの実施形態では、複数のスロット216は細長いスロットを含む。複数のスロット216は、加熱リッド110の上面123又は側面のいずれか又は両方に形成することができる。
【0045】
図2に示される実施形態では、図3、4、及び5により明確に示されるように、複数のスロット216は、加熱リッド110の上面123に形成された複数の垂直スロット316A(図3参照)を含むことができる。複数の垂直スロット316Aは、例えば、加熱リッド110の外周縁に近接する本体178の周辺領域115の円に沿って、かつ内部容積112の半径方向外側に、配置することができる。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは、加熱リッド110の外周縁から約1.0インチから約1.3インチに配置される。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは、それらが配置される円と位置合わせされた又は実質的に位置合わせされた(例として、例えば細長いスロットの中心で、円と接線方向に位置合わせされた)長軸を有する細長いスロットでありうる。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは、例えば約2.25インチから約2.3インチなど、約2.0インチから約3.0インチの長さ408を有する。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは約0.25インチから約0.75インチの幅418を有する。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは約0.35インチから約0.45インチの幅418を有する。
【0046】
図2に示される実施形態では、図3及び5により明確に示されるように、複数のスロット216は、加熱リッド110の外側側壁259に形成された複数の水平スロット316Bを含むことができる。幾つかの実施形態では、複数の水平スロット316Bは、外側側壁259から複数の垂直スロット316Aの半径方向外側の位置まで延びる。幾つかの実施形態では、複数の水平スロット316Bは、約1.9インチから約2.5インチの幅520を有する。幾つかの実施形態では、複数の水平スロット316Bは、約0.25インチから約0.50インチの高さ506を有する。
【0047】
複数の水平スロット316Bは、例えば図5に示されるように、加熱リッド110の外側側壁259に沿って垂直方向に間隔をあけた1つ以上の円形の列に沿って配置することができる。水平スロットの複数の円形の列が設けられる実施形態では、加熱リッド110の上面123から加熱リッド110の側面への伝導熱伝達の経路を減らすため(例えば、熱伝導のための曲がりくねった経路を形成するため)に、各列のスロットを互い違いに配置するか、又は重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、複数の垂直スロット316Aは、複数の水平スロット316Bの最上部の円形の列504の上面508を越えて下方に延びる。
【0048】
図5の複数の水平スロット316B間に延びる矢印は、熱伝導の曲がりくねった経路の一例を示している。幾つかの実施形態では、複数の水平スロット316Bは、それらが配置される円形の列と位置合わせされた又は実質的に位置合わせされた長軸を有する細長いスロットでありうる。幾つかの実施形態では、複数の水平スロット316Bは、複数の孔308の孔に対応する位置で分離された、複数のスロットクラスタ510に配置される。幾つかの実施形態では、複数のスロットクラスタ510は、加熱リッド110の周りに等間隔で配置される。
【0049】
動作中、ガスが処理チャンバ102を通って流れているとき、ガスは、最初に、加熱リッド110を通って処理チャンバ102に流入する。例えば、ガス通路136又は開口部126のうちの少なくとも1つを通して、ガスを導入することができる。その後、ガスはシャワーヘッド158の周囲を、シャワーヘッド158を通じて流れる。次いで、ガスは、ペデスタルヒータ124の周縁の周りを(例えば、第1の間隙258を通って)流れ、ペデスタルヒータ124の底部とチャンバ本体108の床との間を(例えば、第2の間隙260を通って)流れ、チョークカップ230及びペデスタルハブ128などを通り(例えば、第3の間隙262、第4の間隙264、及び第5の間隙266を通り)、ペデスタルヒータ124の下の位置を通って内部容積112の外に排出される。ポンプ150などのポンプが、例えば、ペデスタルハブ128を介して、内部容積112に連結される。
【0050】
図6は、本開示の幾つかの実施形態による処理チャンバ102の一部の概略的な断面側面図を示している。幾つかの実施形態では、図6に示されるように、第1の導管118及び第2の導管120は、加熱リッド110の中央に送られる。例えば、幾つかの実施形態では、加熱リッド110は、本体178に連結され、かつ中央ガス入口608を有する、中央マニホールド610を含む。幾つかの実施形態では、中央マニホールド610は、フィードブロック602と、該フィードブロック602内に少なくとも部分的に配置された中央フィードバッフル606とを含む。第1の導管118は、第1の前駆体を供給するように構成することができる。第2の導管120は、第2の前駆体を供給するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1の前駆体及び第2の前駆体は、それぞれ、トリメチルアルミニウム(TMA)及び水(HO)でありうる。幾つかの実施形態では、加熱リッド110は、1つ以上の冷却剤チャネル134を含まない。
【0051】
幾つかの実施形態では、中央フィードバッフル606は、中央ガス入口608と位置合わせされた中央開口部614を含む。幾つかの実施形態では、中央開口部614は、円錐形又は漏斗形状を有する(例えば、中央ガス入口608に近接したより広い開口部、及び中央フィードバッフル606の下部のより狭い開口部)。幾つかの実施形態では、中央フィードバッフル606の上部は円錐部分を含み、中央フィードバッフル606の下部は円錐部分に連結された円筒部分を含む。中央フィードバッフル606の下部は、処理チャンバ102の内部容積112内に延びる。幾つかの実施形態では、中央フィードバッフル606の下部は、処理ガスを内部容積112内により均一に分散させるために、中央開口部614から半径方向外側に延びる1つ以上の半径方向チャネル612を含む。
【0052】
幾つかの実施形態では、1つ以上の環状プレナムは、単一のプレナム(例えば、外側環状プレナム208)を含む。第3の導管122は外側環状プレナム208に連結される。幾つかの実施形態では、第3の導管122は、複数の孔248を介して、外側環状プレナム208に、及びシャワーヘッド158の周りに不活性ガスを供給するように構成される。幾つかの実施形態では、外側環状プレナム208は、第2の環状チャネル270の半径方向外側に配置された環状凹部628に配置される。幾つかの実施形態では、環状凹部628は、外側環状プレナム208を密封するために、外側環状プレナム208のいずれかの側に第1の環状シール632及び第2の環状シール634を含む。環状キャップ246は、環状凹部628内に配置されて、外側環状プレナム208を覆い、密封することができる。幾つかの実施形態では、環状キャップ246は、複数の締め具618を介して本体178に連結される。
【0053】
幾つかの実施形態では、複数の孔248の半径方向内側にシャワーヘッド158と加熱リッド110との間に内側ライナ642が設けられ、中央マニホールド610を介して内部容積112に供給される1つ以上の処理ガスを収容する。内側ライナ642は、例えば、中央ガス入口608を介して供給される前駆体ガスがシャワーヘッド158の上で複数の孔248を介して供給される不活性ガスと混合するのを防ぐために、任意の適切な形状を有することができる。幾つかの実施形態では、内側ライナ642は、本体178及びシャワーヘッド158のうちの少なくとも一方へと延在する。
【0054】
図7は、環状キャップ246及び中央キャップ212のない加熱リッド110の上面図を示しており、図8は、本開示の幾つかの実施形態による、環状キャップ246及び中央キャップ212を備えた加熱リッド110の上面図を示している。幾つかの実施形態では、環状キャップ246からの対応する突起806を受け入れるために、加熱リッド110の上面123に複数のレセプタクル702が形成されてもよい。幾つかの実施形態では、複数の締め具618は、レセプタクル702に対応する位置に配置される。
【0055】
幾つかの実施形態では、中央キャップ212は、第1の部分212aと第2の部分212bとを含む2部品構造を有する。このような実施形態では、第1の部分212a及び第2の部分212bは、実質的に同様のサイズである。幾つかの実施形態では、第1の部分212aと第2の部分212bとの間のインターフェースは、中央ガス入口608と位置合わせされる。幾つかの実施形態では、中央キャップ212(例えば、第1の部分212a及び第2の部分212bのうちの1つ以上)は、1つ以上のヒータ132への電力接続を容易にするために、1つ以上のカットアウト810を含む。幾つかの実施形態では、第3の導管122は、例えば、環状キャップ246の開口部816を介して、外側環状プレナム208に沿った複数の位置で外側環状プレナム208に連結させることができる。複数の位置は、2つ以上の位置、3つ以上の位置、4つ以上の位置などでありうる。例えば、図8に示されるように、複数の位置は6つの位置とすることができる。
【0056】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】