(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-18
(54)【発明の名称】押出機のための接続管アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B29C 31/06 20060101AFI20240910BHJP
B29C 48/285 20190101ALI20240910BHJP
B29B 7/60 20060101ALN20240910BHJP
【FI】
B29C31/06
B29C48/285
B29B7/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521055
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2022077795
(87)【国際公開番号】W WO2023057557
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021211271.4
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ケイ コッペルト
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト ゾッハー
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ケンネ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ シュヴァーベ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル トリッチュラー
【テーマコード(参考)】
4F201
4F207
【Fターム(参考)】
4F201AB25
4F201AJ02
4F201AL02
4F201AL03
4F201AL16
4F201AR09
4F201AR12
4F201BA01
4F201BA06
4F201BC02
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK13
4F201BQ07
4F201BQ15
4F201BQ16
4F201BQ32
4F207AB25
4F207AJ02
4F207AL02
4F207AL03
4F207AL16
4F207AR09
4F207AR12
4F207KA01
4F207KF02
4F207KF12
4F207KK12
(57)【要約】
接続管アセンブリ(128)は、接続管(130)と駆動装置(142)とを備えており、接続管(130)は、定量供給装置(118)および押出機(110)のサイドフィード(126)に接続するように形成されており、接続管(130)は、縦軸(132)を画定し、駆動装置(142)は、接続管(130)を、縦軸(132)を中心に回転させるように形成されている。また、押出機(110)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機(110)のための接続管アセンブリ(128)であって、
接続管(130)と、駆動装置(142)と、を備えており、
前記接続管(130)は、定量供給装置(118)および前記押出機(110)のサイドフィード(126)に接続するように形成されており、前記接続管(130)は、縦軸(132)を画定し、
前記駆動装置(142)は、前記接続管(130)を、前記縦軸(132)を中心に回転させるように形成されている、
接続管アセンブリ(128)。
【請求項2】
前記接続管(130)は、多角形、四角形、三角形、楕円形または円形の断面を有する、請求項1記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項3】
前記接続管(130)は、前記接続管(130)の直径(136)より少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍大きい長さ(134)を有する、請求項1または2記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項4】
前記接続管(130)は、少なくとも部分的に金属製である、請求項1から3までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項5】
前記駆動装置(142)は、前記接続管(130)を毎分0.5回転~毎分20回転、好ましくは毎分1回転~毎分10回転、より好ましくは毎分2回転~毎分5回転で回転させるように形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項6】
前記駆動装置(142)は、前記接続管(130)を連続的に回転させるように形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項7】
前記接続管(130)は、従動ギア(138)を有しており、前記駆動装置(142)は、駆動ギア(146)を有しており、前記従動ギア(138)と前記駆動ギア(146)とは、回転可能に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項8】
前記従動ギア(138)は、前記接続管(130)の外周面(140)に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項9】
ハウジング(148)をさらに備えており、前記ハウジング(148)は、前記従動ギア(138)および前記駆動ギア(146)を少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲んでいる、請求項1から8までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項10】
前記駆動装置(142)は、モータ(144)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)。
【請求項11】
押出機(110)であって、
定量供給装置(118)と、サイドフィード(126)と、請求項1から10までのいずれか1項記載の接続管アセンブリ(128)と、を備えており、
前記接続管(130)は、前記定量供給装置(118)および前記押出機(110)の前記サイドフィード(126)に接続されている、
押出機(110)。
【請求項12】
前記接続管(130)は、重力方向(120)に対して略平行に配置されている、請求項11記載の押出機(110)。
【請求項13】
前記定量供給装置(118)は、固体添加剤の添加剤流を連続的に搬送するように形成されている、請求項11または12記載の押出機(110)。
【請求項14】
前記定量供給装置(118)は、ガラス繊維を連続的に搬送するように形成されている、請求項11から13までのいずれか1項記載の押出機(110)。
【請求項15】
前記定量供給装置(118)は、固体添加剤の重量を量るための秤(122)と、前記固体添加剤を搬送するためのスクリューコンベア(124)と、を有する、請求項11から14までのいずれか1項記載の押出機(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出機のための接続管アセンブリ、ならびに押出機に関する。
【0002】
繊維強化プラスチック製の部材は、様々な用途に使用されている。繊維強化プラスチック製の部材は、例えば軽量化、耐食性および故障率等において、金属部材に比べて様々な利点を有し、そのため、これらの産業や研究での使用が増えている。繊維強化プラスチックは、主成分としてのプラスチック製の母材を含み、その中に、例えばガラス、炭素、アラミドまたはナイロン等をベースとした強化繊維が埋め込まれる。
【0003】
繊維強化部材の製造には、押出機を使用することができる。押出成形の際、固体状の、または粘性のある硬化可能な材料が、ノズル、ダイスまたはマウスピースとしても知られる成形開口部から圧力下で連続的に押し出される。これにより、開口部の断面形状を有する、理論的には任意の長さの、押出物と呼ばれる立体が形成される。押出機を用いてプラスチック製の繊維強化部材を製造するには、例えばガラス繊維などの繊維が押出機の二次接続部を介して、押出機を通って搬送されるプラスチックの主流に連続的に計量供給される。この目的のために、二次接続部は通常、接続管を介して、添加剤としての繊維を計量および搬送するための計量器と接続されている。接続管は、立ち管であり、重力方向に対して平行に向いている。計量器は、重力方向に対して垂直に向いた搬送路を備えており、これによって繊維の連続的な製品流が接続管に供給される。
【0004】
実際には、水平方向の搬送路から鉛直方向の接続管への移行のため、接続管内の一方の側はガラス繊維流により連続的に洗浄されるのに対して、他方の側には堆積物が生じる。落下する製品流により洗浄されない管内側は「陰の側」とも呼ばれる。これらのガラス繊維の堆積物は、時間の経過とともに成長し、重くなりすぎると落下する。このようにして落下する堆積物は、例えば接続管の詰まりや、ガラス衝撃とも呼ばれる大量のガラス繊維による押出機の過負荷などを生じさせることによって、製造作業を妨害し、または中断させる可能性がある。したがってこれまでは、接続管を、例えば定期的に清掃するなどの必要があった。清掃時は、押出作業を中断する必要がある。このような押出作業の中断は、生産率の低下、材料の無駄遣いおよび不良品につながる。さらに、押出機において大量のガラス繊維を充分に分散することができないため、品質上の問題が生じることがある。
【0005】
独国特許出願公開第102013212167号明細書は、繊維を押出機に運び入れるための装置および方法を開示している。
【0006】
独国特許出願公開第102007061620号明細書は、連続繊維の直接加工による、凝集物を含まない天然繊維強化プラスチックおよび合成繊維強化プラスチック、ならびに熱可塑性の半製品の製造方法を開示している。
【0007】
国際公開第2009/099920号は、リサイクルされたカーペット廃棄物を使用する複合材料、ならびにカーペット廃棄物をリサイクルするためのシステムおよび方法を開示している。
【0008】
独国特許出願公開第10201869号明細書は、シュレッドおよびショートカットファイバ用の供給装置を開示している。
【0009】
独国特許出願公開第102007047548号明細書は、繊維を供給するための装置を開示している。
【0010】
したがって、本発明の根底にある課題は、既存の装置および押出方法の欠点を少なくとも大幅に回避することである。特に、押出機の接続管における堆積物の発生を防止することを目的とする。
【0011】
上記課題は、独立項の特徴を有する接続管アセンブリおよび押出機によって解決される。従属項には、単独で、または任意の組み合わせで実施することができる有利な実施形態が列挙されている。
【0012】
以下では、「有する」、「備える」、「含む」または「包含する」という用語、またはそれらの文法上の任意な変形は、非排他的な意味で用いられている。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴に加えて、さらなる特徴が存在しない場合と、1つ以上のさらなる特徴が存在する場合と、の両方を示している。例えば、「AはBを有する」、「AはBを備える」、「AはBを含む」または「AはBを包含する」という記載は、Aにおいて、B以外の他の要素が存在しない場合(すなわち、AがBのみで構成されている場合)と、Bに加えて、1つ以上のさらなる要素、例えば要素C、要素CおよびD、またはさらなる他の要素までもが存在する場合と、の両方を示している。
【0013】
さらに、「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という用語、ならびにこれらの用語または類似の用語の文法的変形が、これらが1つ以上の要素または特徴と関連して用いられ、その要素または特徴が1つ以上設けられていることを意味している場合において、通常、その特徴または要素が、例えば最初に導入されるときなどに、1回のみ使用されることに留意されたい。その後、その特徴または要素に再度言及する場合は、その特徴または要素が1つ以上設けられている可能性を制限することなく、対応する「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という用語を、通常、使用しなくなる。以下ではさらに、「好ましくは」、「特に」もしくは「例えば」という用語、またはこれらに類似する用語は、代替的な実施形態を制限することなく、任意の特徴に関連して用いられる。したがって、これらの用語によってそれらの説明が導入される特徴は、任意な特徴であり、これらの特徴は、特許請求の範囲、特に独立項の請求の範囲を制限するものではない。すなわち、当業者にとっては、本発明を他の構成を使用して実施することもできることが明白である。同様に、「本発明の一実施形態において」または「本発明の一実施例において」によって導入される特徴は、代替的な構成または独立項の請求の範囲を制限するものではなく、任意な特徴であると理解される。さらに、任意の特徴か必須の特徴かに関係なく、これらの導入に用いられる記載によって、これらにより導入された特徴を他の特徴と組み合わせることが制限されるべきでない。
【0014】
第1の態様において、押出機のための接続管アセンブリを提案する。接続管アセンブリは、接続管を備えている。接続管は、定量供給装置および押出機のサイドフィードに接続するように形成されている。接続管は、縦軸を画定する。接続管アセンブリは、駆動装置をさらに備えている。駆動装置は、接続管を、縦軸を中心に回転させるように形成されている。
【0015】
接続された状態で接続管は、定量供給装置から押出機のサイドフィードに、固体添加剤を供給することができる。駆動装置による接続管の回転運動により、接続管内を搬送される添加剤流が接続管の内壁の全域に到達し、これにより、接続管の内壁に付着した添加剤が剥離される。これにより、接続管の内壁にガラス繊維等の添加剤からなる固層が形成されることを防止することができる。換言すれば、接続管の回転運動を通じて一種のセルフクリーニングが実現される。その結果、押出機内を搬送される主流への添加剤の計量供給がより均一になる。さらに、このような接続管アセンブリは、既存のシステムまたは押出機に後付けすることもできる。
【0016】
接続管は、多角形、四角形、三角形、楕円形または円形の断面を有していてもよい。したがって、接続管は、基本的に任意な断面形状を有していてもよい。ただし、円形の断面において、角を有する形態と比べて上記のセルフクリーニング効果がより顕著に現れるため、円形の断面が好ましい。
【0017】
接続管は、該接続管の直径より少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍大きい長さを有していてもよい。したがって、接続管により、添加剤をより長い距離にわたって搬送することも可能になる。
【0018】
接続管は、少なくとも部分的に金属製であってもよい。これにより、接続管は、様々な種類の添加剤に適している。
【0019】
駆動装置は、接続管を毎分0.5回転~毎分20回転、好ましくは毎分1回転~毎分10回転、より好ましくは毎分2回転~毎分5回転で回転させるように形成されていてもよい。したがって、上記のセルフクリーニング効果は、比較的低い回転数で達成されるため、比較的少ないエネルギ消費でも達成可能である。
【0020】
駆動装置は、接続管を連続的に回転させるように形成されていてもよい。これにより、押出機内を搬送される主流への添加剤の計量供給と、上記のセルフクリーニング効果と、が均一に発揮される。
【0021】
接続管は、従動ギアを有していてもよい。駆動装置は、駆動ギアを有していてもよい。従動ギアと駆動ギアとは、回転可能に接続されていてもよい。これにより、接続管を特に効果的に回転させることができる。
【0022】
従動ギアは、接続管の外周面に配置されていてもよい。これにより、接続管を駆動装置に特に容易に接続することができる。
【0023】
接続管アセンブリは、ハウジングをさらに備えていてもよい。該ハウジングは、従動ギアおよび駆動ギアを少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲んでいてもよい。これにより、動作中の駆動装置に人の手や他の体の一部が侵入することを防止することができるため、作業の安全性が向上する。労働安全衛生上の理由から、このようなハウジングが義務付けられている場合があるが、接続管アセンブリの機能にとって必須の構成要素ではなく、任意なものである。
【0024】
駆動装置は、モータを有していてもよい。これにより、接続管を特に容易かつ効果的に回転駆動することができる。
【0025】
さらなる態様において、押出機を提案する。該押出機は、定量供給装置と、サイドフィードと、上記の実施形態または以下より詳しく説明する実施形態のうちの1つによる接続管アセンブリと、を備えている。接続管は、定量供給装置および押出機のサイドフィードに接続されている。このような押出機によれば、上記の利点が生ずる。特に該押出機においては、接続管の清掃のために製造作業を中断する必要がなくなる。
【0026】
接続管は、重力方向に対して略平行に配置されていてもよい。これにより、接続管を、独自の搬送装置を用いずに重力のみを利用して添加剤を搬送する一種の立ち管として構成することができる。
【0027】
定量供給装置は、固体添加剤の添加剤流を連続的に搬送するように形成されていてもよい。これによれば、添加剤を押出材料に均一に計量供給することができる。
【0028】
定量供給装置は、ガラス繊維を連続的に搬送するように形成されていてもよい。このようなガラス繊維は、静電気の帯電により接続管の内壁に付着する傾向がある。しかしながら、接続管の回転運動により、上記のセルフクリーニング効果が発揮され、接続管内にはもはや陰の側がなく、他の箇所においても堆積物がない。
【0029】
定量供給装置は、固体添加剤の重量を量るための秤と、添加剤を搬送するためのスクリューコンベアと、を有していてもよい。これにより、添加剤の正確な計量供給を実現することができる。
【0030】
本願明細書における「押出機」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に熱可塑性材料から成形品を製造するための機械を指していてもよいが、これに限定されない。押出機は、アルキメデスの螺旋の機能原理に基づいて、ノズル、ダイス(金型)またはマウスピース(口金)とも呼ばれる成形開口部から固体状の、または粘性のある材料を、高圧高温下で均一に押し出す搬送装置である。これにより、開口部の断面形状を有する、理論的には任意の長さの、押出物と呼ばれる立体が形成される。この方法は、押出成形と呼ばれる。押出機は、原則として、加工押出機および準備押出機という、2つの作業原理に基づくものに分類することができる。加工押出機(通常は一軸押出機)は、主に成形に使用され、準備押出機(噛み合い共回転二軸押出機、ブッス・ニーダー等)は、物質を化学的および/または物理的に修飾(反応、混合または脱気等)するために使用される。1つまたは2つ以上のスクリューシャフトを備える押出機が存在する。2つのスクリューシャフトを備える押出機においては、共回転二軸押出機と逆回転二軸押出機との間で区別する。共回転二軸押出機の場合は、スクリューが同方向に回転し、逆回転二軸押出機の場合は、スクリューが異方向に回転する。一軸押出機および共回転二軸押出機において、搬送および圧力上昇は、スクリューとともに回転する材料と固定ハウジングの壁(シリンダ)との間の摩擦によって引き起こされ、この現象を摩擦搬送とも呼ぶ。回転中に取り残された材料は、スクリューの螺旋状のねじ山によって出口ノズルに押し込まれる。逆回転二軸押出機では、強制搬送の原理が支配的である。
【0031】
本願明細書における「押出機のサイドフィード」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、立ち管を通って落下する添加剤を、例えばモータによって駆動されるスクリューシャフトの形態等の搬送装置を介して、横側から(主の)押出機に供給する装置を指していてもよいが、これに限定されない。この目的のために、サイドフィードは、押出機の二次供給接続部に接続されており、これによって、内部を搬送される押出材料の(主の)製品流に添加剤を計量供給することができる。このような添加剤の供給装置は、サイドフィードまたはサイドフィーダ装置とも呼ばれる。該用語はしたがって、押出機のサイド供給装置とも同義で使われる。
【0032】
本願明細書における「定量供給装置」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、所定量の添加剤を計量して搬送するように形成された装置を指していてもよいが、これに限定されない。この目的のために、定量供給装置は、例えばスクリューコンベア等の搬送装置を備えており、添加剤の量を決定または測定するための秤を含むか、またはその秤に接続されている。
【0033】
本願明細書における「接続管」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、定量供給装置および押出機のサイドフィードに接続するように形成された接続管を指していてもよいが、これに限定されない。接続された状態で、接続管は通常、重力方向に対して略平行に向いている。接続管はしたがって、接続された状態で立ち管として機能する。
【0034】
本願明細書における「重力方向に対して略平行」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、重力方向に対して正確に平行な向きとの差異が15度以下、好ましくは10度以下、より好ましくは5度以下である向きを指していてもよいが、これに限定されない。
【0035】
本願明細書における「縦軸」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、構成要素の最長寸法に対して平行な軸、または構成要素の最長寸法に沿った軸を指していてもよいが、これに限定されない。該構成要素はこの際、縦軸を中心に回転対称に形成されていてもよいが、これから逸脱する形状を有していてもよい。
【0036】
本願明細書における「接続管を連続的に回転させる」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、停止または中断のない接続管の回転運動を指していてもよいが、これに限定されない。この際、回転速度を一定に保つことが好ましい。
【0037】
本願明細書における「駆動装置」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、構成要素の回転運動を引き起こすように形成された動力機械を指していてもよいが、これに限定されない。特に、該用語は、接続管を、その縦軸を中心に回転させるように形成された動力機械を指していてもよい。この目的のために、駆動装置は、モータを備えていてもよく、またはモータとして形成されていてもよい。特に、駆動装置は、電気モータを備えていてもよく、または電気モータとして形成されていてもよい。
【0038】
本願明細書における「駆動ギア」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、駆動力を発揮する駆動式ギアを指していてもよいが、これに限定されない。この際、駆動ギアの駆動力は、動力機械によって発揮される。駆動ギアはしたがって、動力機械によって能動的に回転され、他の被駆動構成要素に駆動力を及ばす。
【0039】
本願明細書における「従動ギア」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に被駆動式ギア、すなわち、他の構成要素によって回転されるギアを指していてもよいが、これに限定されない。特に、動力機械が従動機械に力学的仕事を伝達する箇所(例えば、モータシャフトの、またはトランスミッションの出力シャフトの先端部等)を従動部と呼ぶ。該伝達のための機械要素は、クラッチまたはVベルトである。
【0040】
本願明細書における「添加剤」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、押出機における主の製品流に計量供給される固体を指していてもよいが、これに限定されない。この際、原則として、例えば粉末、顆粒または繊維等の、搬送可能なあらゆる固体であってもよい。本発明によれば、該用語は、好ましくは繊維、特にガラス繊維を指すことができる。
【0041】
本願明細書における「旋回駆動」という用語は、広義の意味を有し、当業者の理解が及ぶ通常かつ一般的な範囲内で解釈されるべきである。該用語は、特別な意味または適応された意味に限定されない。該用語は、特に、ハウジングにより完全に密閉された、油圧駆動装置または電気駆動装置を有する、軸方向の力および半径方向の力、ならびに傾斜モーメントを同時に吸収するためのボールベアリングまたはローラーベアリングから構成されている、即設置可能なシステムアセンブリを指していてもよいが、これに限定されない。旋回駆動は、通常、ハウジングに取り囲まれたボールベアリングおよびウォームギアから構成される。
【0042】
要約すると、以下の実施形態を提案するが、これらは他のさらなる可能な構成を制限するものではない。
【0043】
第1の実施形態は、押出機のための接続管アセンブリであって、接続管と、駆動装置と、を備えており、接続管が、定量供給装置および押出機のサイドフィードに接続するように形成されており、接続管が、縦軸を画定し、駆動装置が、縦軸を中心に接続管を回転させるように形成されていることを特徴とする。
【0044】
第2の実施形態は、第1の実施形態の接続管アセンブリであって、接続管が、多角形、四角形、三角形、楕円形または円形の断面を有することを特徴とする。
【0045】
第3の実施形態は、第1または第2の実施形態の接続管アセンブリであって、接続管が、該接続管の直径より少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍大きい長さを有することを特徴とする。
【0046】
第4の実施形態は、第1から第3の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、接続管が、少なくとも部分的に金属製であることを特徴とする。
【0047】
第5の実施形態は、第1から第4の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、駆動装置が、接続管を毎分0.5回転~毎分20回転、好ましくは毎分1回転~毎分10回転、より好ましくは毎分2回転~毎分5回転で回転させるように形成されていることを特徴とする。
【0048】
第6の実施形態は、第1から第5の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、駆動装置が、接続管を連続的に回転させるように形成されていることを特徴とする。
【0049】
第7の実施形態は、第1から第6の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、接続管が、従動ギアを有し、駆動装置が、駆動ギアを有し、従動ギアと駆動ギアとが、回転可能に接続されていることを特徴とする。
【0050】
第8の実施形態は、第1から第7の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、従動ギアが、接続管の外周面に配置されていることを特徴とする。
【0051】
第9の実施形態は、第1から第8の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、ハウジングをさらに備えており、該ハウジングが、従動ギアおよび駆動ギアを少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲んでいることを特徴とする。
【0052】
第10の実施形態は、第1から第9の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリであって、駆動装置が、モータを有することを特徴とする。
【0053】
第11の実施形態は、押出機であって、定量供給装置と、サイドフィードと、第1から第10の実施形態までのいずれか1実施形態の接続管アセンブリと、を備えており、接続管が、定量供給装置および押出機のサイドフィードに接続されていることを特徴とする。
【0054】
第12の実施形態は、第11の実施形態の押出機であって、接続管が、重力方向に対して略平行に配置されていることを特徴とする。
【0055】
第13の実施形態は、第11または第12の実施形態の押出機であって、定量供給装置が、固体添加剤の添加剤流を連続的に搬送するように形成されていることを特徴とする。
【0056】
第14の実施形態は、第11から第13の実施形態までのいずれか1実施形態の押出機であって、定量供給装置が、ガラス繊維を連続的に搬送するように形成されていることを特徴とする。
【0057】
第15の実施形態は、第11から第14の実施形態までのいずれか1実施形態の押出機であって、定量供給装置が、固体添加剤の重量を量るための秤と、添加剤を搬送するためのスクリューコンベアと、を有することを特徴とする。
【0058】
本発明に関するさらなる詳細および特徴は、特に従属項に関連した以下の実施例の説明から明らかになる。それぞれの特徴は、単独で実装することも、相互に組み合わせて実装することも可能である。本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例は、以下の図面に概略的に示されている。個々の図面における同一の符号は、同一の要素、同一の機能を有する要素、またはそれらの機能に関して互いに対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】本発明の一実施形態による押出機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、本発明の一実施形態による押出機110の斜視図を示す。押出機110は、その中に少なくとも1つの押出機スクリュー114が配置された押出機シリンダ112を備えている。図示の実施形態において、押出機シリンダ112は、押出機ハウジング116として形成されており、例えば断熱材または加熱シェルなどのさらなる構成要素を含んでいてもよい。
【0061】
押出機110は、定量供給装置118をさらに備えている。定量供給装置118は、重力方向120に対して略垂直に延在している。定量供給装置118は、固体添加剤の添加剤流を連続的に搬送するように形成されている。図示の実施形態において、定量供給装置118は、差動計量器として形成されている。定量供給装置118は、添加剤の重量を量るための秤122と、添加剤を搬送するためのスクリューコンベア124と、を備えている。図示の実施形態において、定量供給装置118は、ガラス繊維を連続的に搬送するように形成されている。したがって、ガラス繊維が添加剤に相当する。
【0062】
押出機110は、サイドフィード126をさらに備えている。サイドフィード126は、押出機シリンダ112の横側に配置されており、詳細には図示されていない、押出機のサイド供給接続部または二次供給接続部を介して、押出機110の押出機シリンダ112内で搬送される押出材料に添加剤を供給することを可能とする。押出材料は、例えば熱可塑性プラスチックなどのプラスチックであってもよい。
【0063】
押出機110は、接続管アセンブリ128をさらに備えている。接続管アセンブリ128は、接続管130を含んでいる。接続管130は、定量供給装置118および押出機110のサイドフィード126に接続するように形成されている。
図1は、接続された状態の接続管130を示す。したがって、
図1は、接続管130が定量供給装置118および押出機110のサイドフィード126に接続されていることを示している。この接続状態において、接続管130は、重力方向120に対して略平行に向いている。接続管130は、縦軸132を画定する。接続管130は、原則として、多角形、四角形、三角形、楕円形または円形の断面を有していてもよい。図示の実施形態において、接続管130は、円形の断面を有する。接続管130は、接続管130の直径136より少なくとも5倍、好ましくは少なくとも8倍、例えば10倍または15倍大きい長さ134を有する。接続管130は、少なくとも部分的に金属製である。接続管130は、従動ギア138を有している。従動ギア138は、接続管130の外周面140に配置されている。
【0064】
接続管アセンブリ128は、駆動装置142をさらに含んでいる。駆動装置142は、接続管130を、縦軸132を中心に回転させるように形成されている。駆動装置142は、モータ144を備えている。図示の実施形態において、モータ144は、電気モータとして形成されている。駆動装置142は、駆動ギア146を備えている。駆動ギア146と、接続管130の従動ギア138とは、回転可能に接続されている。図示の実施形態において、駆動装置142は、旋回駆動148として形成されている。したがって、従動ギア138および駆動ギア146は、歯車として形成されている。しかしながら、従動ギア138と駆動ギア146とが、代替的に、Vベルトなどを介して回転可能に接続されていてもよいことを強調しておく。押出機110は、ハウジング148をさらに備えており、ハウジング148は、従動ギア138および駆動ギア146、ならびにVベルト148を少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲んでいる。図示の実施形態において、駆動装置142は、旋回駆動(旋回駆動機構)150として形成されている。したがって、従動ギア138および駆動ギア146は、歯車として形成されている。しかしながら、従動ギア138と駆動ギア146とが、代替的に、Vベルトなどを介して回転可能に接続されていてもよいことを強調しておく。駆動装置142は、接続管130を毎分0.5回転~毎分20回転、好ましくは毎分1回転~毎分10回転、より好ましくは毎分2回転~毎分5回転、例えば毎分3回転で回転させるように形成されている。特に、駆動装置142は、接続管130を連続的に回転させるように形成されている。
【0065】
押出機110の動作方法について、以下でより詳細に説明する。押出機110は、部材を製造するために使用される。この目的のためには、一般に知られているように、押出機シリンダ112内で押出材料が搬送され、該押出材料が押出物として押出機110のノズル開口部から排出される。押出物の特定の特性を調整するために、ガラス繊維の形態の添加剤が押出材料に計量供給される。この目的のために、所定量のガラス繊維が定量供給装置118の秤122を用いて計量され、定量供給装置118のスクリューコンベア124によって接続管130内に連続的に輸送される。ガラス繊維の所定の量および搬送速度は、製造するべき部材のレシピまたはプロセスパラメータに依存する。そこで、ガラス繊維は、重力により接続管130を通って落下し、サイドフィード126に到達する。サイドフィード126は、接続管130を通って落下した添加剤(ガラス繊維)を、そのスクリューコンベアを介して押出機内に、二次供給接続部を介して、または二次供給接続部を通って搬送する。このようにして、ガラス繊維は、サイドフィード126および押出機110の二次供給接続部を介して押出材料のところに到達し、そこでガラス繊維が押出材料と混合される。重力方向120に対して垂直、または水平に向いている定量供給装置118から、鉛直、または重力方向120に対して平行に向いている接続管130への移行に際して、ガラス繊維は、静電気の帯電により、接続管130の内壁の片側に堆積し、場合によっては塊またはガラス繊維マットとして剥がれ落ちることがある。このガラス繊維の堆積を防止するために、駆動装置142は、接続管130を連続的に駆動し、例えば毎分2~3回転の回転数で、縦軸132を中心に回転させる。その結果、ガラス繊維は、接続管130の内壁の全側面に沿って搬送され、場合によっては、より大きな蓄積物、フィルムまたはガラス繊維マットが蓄積する前に、付着したガラス繊維を剥離する。これにより、押出機110内の押出材料へのガラス繊維の連続的かつ均一な供給が可能となる。
【符号の説明】
【0066】
110 押出機
112 押出機シリンダ
114 押出機スクリュー
116 押出機ハウジング
118 定量供給装置
120 重力方向
122 秤
124 スクリューコンベア
126 サイドフィード
128 接続管アセンブリ
130 接続管
132 縦軸
134 長さ
136 直径
138 従動ギア
140 外周面
142 駆動装置
144 モータ
146 駆動ギア
148 ハウジング
150 旋回駆動
【国際調査報告】