IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

特表2024-534297伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品
<>
  • 特表-伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品 図1
  • 特表-伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/00 20060101AFI20240912BHJP
   C08L 71/12 20060101ALI20240912BHJP
   C08L 23/26 20060101ALI20240912BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20240912BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20240912BHJP
   C08K 7/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C08L67/00
C08L71/12
C08L23/26
C08L53/02
C08K3/04
C08K7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573286
(86)(22)【出願日】2023-04-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 KR2023005518
(87)【国際公開番号】W WO2024043430
(87)【国際公開日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106747
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、キ-テ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、オミン
(72)【発明者】
【氏名】ハム、ミョン-チョ
(72)【発明者】
【氏名】キム、クァン-チュン
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BB213
4J002BB215
4J002BP015
4J002CD005
4J002CF074
4J002CF07W
4J002CH07X
4J002DA016
4J002FA016
4J002FA056
4J002FD016
4J002FD116
4J002GN00
(57)【要約】
本発明は、伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関し、本発明によれば、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用な伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品を提供する効果がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを含み、
連続相(海)、分散相(島)、及び追加の分散相(サブ島)を提供する海島構造(Sea-Island structure)を提供し、
前記連続相(海)は、前記(A)ベース樹脂中の前記第1ポリエステル、(B)前記第1添加剤中の前記第1極性ポリオレフィン樹脂と前記多官能反応化剤、及び(C)前記第2添加剤中の前記第2極性ポリオレフィン樹脂からなり、
前記分散相(島)は、前記(A)ベース樹脂中の前記ポリアリーレンエーテルからなり、
前記追加の分散相(サブ島)は、前記(B)第1添加剤中の前記ブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中の前記カーボンナノチューブと前記カーボンナノプレートからなる、伝導性樹脂組成物。
【請求項2】
前記ベース樹脂は、前記第1ポリエステル51~74重量%、及び前記ポリアリーレンエーテル26~49重量%を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1ポリエステルはポリブチレンテレフタレートである、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項4】
前記多官能反応化剤は、カルボキシ基、アミン基、ヒドロキシ基、マレイン酸基及びエポキシ基からなる群から選択された官能基を2つ以上含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項5】
前記多官能反応化剤は、カルボン酸、マレイン酸またはマレイン酸無水物で官能化されたポリフェニレンオキシド樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂から選択された1種以上を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B)第1添加剤は、前記(A)ベース樹脂100重量部に対して、前記第1極性ポリオレフィン樹脂1~3重量部、前記ブロック共重合衝撃改質剤3~10.4重量部、及び前記多官能反応化剤2~15重量部から選択された2種以上を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項7】
前記(C)第2添加剤は、前記第2極性ポリオレフィン樹脂70~100重量%及び前記第2ポリエステル0~30重量%を含む基本樹脂100重量部と、前記カーボンナノチューブ10~40重量部と、前記カーボンナノプレート1~10重量部とを混練及び押出して得られたマスターバッチである、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブは、BET表面積が180~600m2/gであり、かつ繊維状である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項9】
前記カーボンナノプレートは、平均厚さが5~50nmである板状である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項10】
前記カーボンナノプレートは、前記ベース樹脂100重量部に対して0.4~1.4重量部でさらに含まれる、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項11】
前記伝導性樹脂組成物は、水分吸収率が0.094%以下である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項12】
前記伝導性樹脂組成物は、熱変形温度が170℃以上であり、表面抵抗が107Ohm/sq以下である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項13】
ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
ブロック共重合衝撃改質剤1~20重量部と、
多官能反応化剤1~20重量部と、
カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された1種以上0.1~10重量部とを含み、
表面抵抗が108Ohm/sq以下である、伝導性樹脂組成物。
【請求項14】
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて混練及び押出し、連続相(海)、分散相(島)及び前記連続相内に追加の分散相(サブ島)を提供する海島構造(Sea-Island structure)を提供するステップを含み、
前記連続相(海)は、前記(A)ベース樹脂中の前記第1ポリエステル、(B)前記第1添加剤中の前記第1極性ポリオレフィン樹脂と前記多官能反応化剤、及び(C)前記第2添加剤中の前記第2極性ポリオレフィン樹脂からなり、前記分散相(島)は、前記(A)ベース樹脂中の前記ポリアリーレンエーテルからなり、前記追加の分散相(サブ島)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中の前記カーボンナノチューブと前記カーボンナノプレートからなる、伝導性樹脂組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の伝導性樹脂組成物を含む、成形品。
【請求項16】
前記成形品は自動車の静電塗装外装部品である、請求項15に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2022年08月25日付の韓国特許出願第10-2022-0106747号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関し、より詳細には、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用な伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、自動車の燃費の向上のために自動車の外装部品を樹脂化しようとする研究が多く試みられており、特にポリフェニレンエーテルとポリアミドのブレンド樹脂が自動車外装部品の材料として広く使用されている。
【0004】
前記ブレンド樹脂は、ポリフェニレンエーテルの優れた耐熱性及び耐衝撃性などと、ポリアミドの優れた耐溶剤性などとを組み合わせようとしたものであるが、相溶性が低下して、十分な耐熱性などが発現されないという問題がある。
【0005】
自動車外装部品は、通常、塗装を必要とし、環境的な観点、総揮発性有機化合物(TVOC、total volatile organic compounds)の低減及び外観品質の確保のために、静電塗装法を多く採用している。このとき、静電塗装を良好に行うために、ブレンド樹脂に炭素繊維、カーボンブラックなどの伝導性物質を添加して伝導性を付与しようとする試みがあるが、伝導性物質の添加による外観品質の低下及び耐衝撃性の減少などの問題がある。
【0006】
米国特許第6352654号に、ブレンド樹脂に対する塗料の付着性及び延性を改善させた、ポリフェニレンエーテル-ポリアミドブレンド樹脂に伝導性カーボンブラックを混合した伝導性樹脂組成物が開示されている。
【0007】
しかし、このようなブレンド樹脂は、耐熱性に限界があったり、成形品として製造する際に表面にピンホールが発生するなど外観特性が低下したり、水分により機械的物性や寸法安定性などが低下する問題がある。
【0008】
したがって、優れた外観、機械的物性及び伝導性と共に、外部環境への露出による水分及び熱などの影響を受けない、自動車外装部品に適用可能な伝導性樹脂組成物の開発が至急な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来技術の問題点を解決するために、本発明は、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、自動車の金属代替外装部品の用途に特に有利な伝導性樹脂組成物、その製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の目的は、前記の自動車の金属代替外装部品用伝導性樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の上記目的及びその他の目的は、以下で説明する本発明によって全て達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明は、
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と;
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部と;を含み、
連続相(Sea、海)、分散相(Island、島)、及び追加の分散相(Sub Island、サブ島)を提供する海島構造(Sea-Island structure)を提供し、
前記連続相(Sea)は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成し、
前記分散相(Island)は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成し、
前記追加の分散相(Sub Island)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することを特徴とする伝導性樹脂組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、
ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;ブロック共重合衝撃改質剤1~20重量部と;多官能反応化剤1~20重量部と;カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された1種以上0.1~10重量部と;を含み、表面抵抗が108Ohm/sq以下であることを特徴とする伝導性樹脂組成物を提供する。
【0014】
また、本発明は、
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と;
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部と;を、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて混練及び押出し、連続相(Sea)、分散相(Island)及び前記連続相内に追加の分散相(Sub Island)を提供する海島構造(Sea and Island)を提供するステップを含み、
前記連続相(Sea)は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成し、
前記分散相(Island)は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成し、
前記追加の分散相(Sub Island)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することを特徴とする伝導性樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記伝導性樹脂組成物を含む成形品を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用な伝導性樹脂組成物、及びその製造方法を提供する効果がある。
【0017】
また、前記組成物から製造された成形品は、水分への露出時にも寸法安定性が優れるので、外部環境への露出による寸法の変化を最小化する効果がある。
【0018】
したがって、本発明に係る前記伝導性樹脂組成物及び成形品は、これを必要とする外装パネル、ドア、燃料注入口、充電口などをはじめとする自動車の金属代替外装部品の分野に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の伝導性樹脂組成物の製造に使用される、混練ブロックが9個以上備えられた押出機の模式図である。
図2】後述する実施例1で提供する海島構造(Sea and Island)を示した図であって、前記海島構造は、連続相(Sea)、分散相(Island)、及び分散相(Island)の内部に形成された追加の分散相(Sub Island)で構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本記載の伝導性樹脂組成物、その製造方法及びそれを含む成形品を詳細に説明する。
【0021】
本発明者らは、第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂と、第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤と、第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、特定のBETを有するカーボンナノチューブ及び板状のカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤とを所定の組成比で混合して伝導性樹脂組成物を製造する場合、このような伝導性樹脂組成物を含む成形品が、連続相(Sea)、分散相(Island)及び前記連続相内に追加の分散相(Sub Island)を提供する海島構造(Sea and Island)を提供して、優れた外観、剛性及び伝導性を有し、同時に外部環境への露出による水分及び熱などの影響をほとんど受けないことを確認し、これに基づいてさらに研究に邁進して本発明を完成するようになった。
【0022】
本発明の伝導性樹脂組成物は、(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを含むことを特徴とし、このような場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用であるという利点がある。
【0023】
他の例として、本発明は、(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを含み、
連続相(Sea)、分散相(Island)、及び追加の分散相(Sub Island)を提供する海島構造(Sea and Island)を提供し、
前記連続相(Sea)は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成し、
前記分散相(Island)は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成し、
前記追加の分散相(Sub Island)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することを特徴とし、このような場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用であるという利点がある。
【0024】
他の例として、本発明の伝導性樹脂組成物は、ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、ブロック共重合衝撃改質剤1~20重量部と、多官能反応化剤1~20重量部と、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された1種以上0.1~10重量部とを含み、表面抵抗が108Ohm/sq以下であることを特徴とし、この場合、物性バランスに優れ、耐熱性、伝導性、水分安定性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0025】
更に他の例として、本発明の伝導性樹脂組成物は、(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて混練及び押出し、連続相(Sea)、分散相(Island)及び前記連続相内に追加の分散相(Sub Island)を提供する海島構造(Sea and Island)を提供するステップを含み、
前記連続相(Sea)は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成し、前記分散相(Island)は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成し、前記追加の分散相(Sub Island)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することを特徴とし、このような場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用であるという利点がある。
【0026】
以下、本記載の伝導性樹脂組成物を構成する各成分を詳細に説明すると、次の通りである。
【0027】
(A)ベース樹脂
本記載の(A)ベース樹脂は、海島構造(Sea and Island)の連続相(Sea)を提供できる第1ポリエステル、及び分散相(Island)を提供できるポリアリーレンエーテルで構成され得る。
【0028】
第1ポリエステル
本記載の第1ポリエステルは、好ましくは、ポリアルキレンテレフタレート、ポリ(エステル)ウレタン、及びポリエーテルエステルから選択された1種以上であってもよく、より好ましくはポリアルキレンテレフタレートであり、この場合、外観品質及び電磁波遮蔽性能に優れるという効果がある。
【0029】
前記ポリアルキレンテレフタレートは、具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートなどからなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくはポリブチレンテレフタレートであり、この場合、外観品質及び電磁波遮蔽性能に優れるという利点がある。
【0030】
前記ポリブチレンテレフタレートは、一例として、ブタン-1,4-ジオールとテレフタル酸のエステル化反応、またはブタン-1,4-ジオールとジメチルテレフタレートのエステル交換反応による重合を通じて得ることができる。
【0031】
前記ポリエステル樹脂は、好ましくは、繰り返し単位としてアルキレンテレフタレートが70~100重量%含まれている共重合体またはホモ重合体であってもよい。
【0032】
本記載において、樹脂や共重合体内の繰り返し単位の重量比は、繰り返し単位を単量体に換算して計算した値であるか、または当該樹脂や共重合体を重合製造する際に投入された単量体の重量比であってもよい。
【0033】
前記アルキレンテレフタレート共重合体は、一例として、ブチレンテレフタレート70~100重量%、好ましくは70~99重量%と;エチレンテレフタレート又はプロピレンテレフタレート0~30重量%、好ましくは1~30重量%と;のエステル交換反応によって形成されたものであってもよい。
【0034】
前記第1ポリエステルは、好ましくは、ベース樹脂に対して51~74重量%で含まれてもよく、より好ましくは55~72重量%、さらに好ましくは60~70重量%であり、この範囲内で、伝導性、外観品質及び水分安定性がいずれも優れるという効果がある。
【0035】
前記第1ポリエステルは、MIで表される溶融指数(250℃、2.16kg)が、好ましくは5~50g/10分、より好ましくは10~40g/10分であってもよく、さらに好ましくは15~35g/10分、より一層好ましくは20~30g/10分であり、この範囲内で、伝導性に優れながらも、耐熱性及び電磁波遮蔽性能に優れるという効果がある。
【0036】
前記第1ポリエステルは、一例として、化学的変性による変性ポリエステルであってもよく、好ましくは変性ポリアルキレンテレフタレートであり、さらに好ましくは変性ポリブチレンテレフタレートであり、この場合、衝撃強度などをさらに向上させることができる。
【0037】
前記化学的変性は、一例として、重合時に、アルキレンテレフタレートなどのような主単量体と、共単量体として、ポリテトラメチレングリコール(Polytetramethylene glycol、PTMG)、ポリプロピレングリコール(Polypropylene glycol、PPG)、ポリエチレングリコール(Polyethylene glycol、PEG)、低分子量脂肪族ポリエステル及び低分子量脂肪族ポリアミドなどからなる群から選択された1種以上をさらに含めて共重合するものであってもよい。
【0038】
前記第1ポリエステルの製造方法は、別途の記載がない限り、本発明の属する技術分野で通常用いられる製造方法であれば、特に制限されず、一例として、界面重合、溶融縮重合、溶液縮重合またはエステル交換反応などであってもよい。
【0039】
ポリアリーレンエーテル
本記載のポリアリーレンエーテルは、好ましくはポリフェニレンエーテル(PPE)であり、具体例として、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,6-ジエチル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,6-ジプロピル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-メチル-6-プロピル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-エチル-6-プロピル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,6-ジフェニル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6-トリメチル-1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2,3,6-トリエチル-1,4-フェニレン)エーテル及びこれらの共重合体からなる群から選択された1種以上であってもよく、好ましくは、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)またはその共重合体であってもよい。
【0040】
前記ポリアリーレンエーテルは、ベース樹脂に対して、好ましくは26~49重量%で含まれてもよく、より好ましくは28~45重量%、さらに好ましくは30~40重量%で含まれ、この場合、耐熱性及び機械的強度に優れるという効果がある。
【0041】
前記ポリアリーレンエーテル共重合体は、重合時に主単量体と共単量体が投入されて共重合された重合体を意味し、具体例として、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)エーテルとポリ(2,3,6-トリメチル-1,4-フェニレン)エーテルの共重合体;ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)エーテルとポリ(2,3,6-トリエチル-1,4-フェニレン)エーテルの共重合体;及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものであってもよく、好ましい例として、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレン)エーテルとポリ(2,3,6-トリメチル-1,4-フェニレン)エーテルの共重合体であってもよい。
【0042】
前記ポリアリーレンエーテルは、好ましくは、25℃のクロロホルム溶媒で測定したときの固有粘度が0.2~0.8dl/gであってもよく、より好ましくは0.3~0.6dl/g、さらに好ましくは0.3~0.4dl/gであり、この範囲内で、機械的物性を高く維持しながらも、耐熱性、加工性及び外観品質などに優れるという効果がある。
【0043】
前記ポリアリーレンエーテルは、パウダー(powder)状または
フレーク(flake)状であるものを使用することができ、特にフレーク(flake)状である場合、衝撃強度、曲げ強度などのような機械的物性に優れながらも、加工性及び外観品質に優れるという効果がある。
【0044】
本記載において、フレーク(flake)の厚さ及び長さは、顕微鏡分析法を通じて測定することができる。
【0045】
(B)第1添加剤
本記載の第1添加剤は、前記ベース樹脂と共に海島構造(Sea and Island)の連続相(Sea)を一部提供できる第1極性ポリオレフィン樹脂、多官能反応化剤、そして、前記海島構造の分散相(Island)の内部に追加の分散相(Sub Island)を提供できるブロック共重合衝撃改質剤を含むことができる。
【0046】
前記第1添加剤は、前記ベース樹脂100重量部に対して、一例として8~20重量部含まれてもよく、より好ましくは8~18重量部、さらに好ましくは9~18重量部、より一層好ましくは10~17.5重量部含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性、伝導性などに優れながらも、外観品質及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0047】
第1極性ポリオレフィン樹脂
本記載の第1極性ポリオレフィン樹脂は、好ましくは、ポリオレフィン樹脂に、ヒドロキシ基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸及びその誘導体、ビニルエステル化合物、または塩化ビニルなどがグラフトされた共重合体が挙げられ、詳細には、不飽和カルボン酸またはその無水物単量体もしくは誘導体がグラフトされた共重合体であってもよく、この場合、衝撃強度などのような機械的物性に優れながらも、伝導性に優れるという効果がある。
【0048】
前記不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸が挙げられる。また、これらの無水物単量体もしくは誘導体の例としては、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸無水物、ジメチルマレート、モノメチルマレート、ジエチルマレート、ジエチルフマレート、ジメチルイタコネート、ジエチルシトラコネート、ジメチルテトラヒドロフタレート、ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボキシレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アミノエチルメタクリレート及びアミノプロピルメタクリレートが挙げられる。詳細には、前記変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂に、アクリル酸または無水マレイン酸がグラフトされた共重合体であってもよい。
【0049】
前記不飽和カルボン酸の含量は、一例として、前記極性ポリオレフィン樹脂を構成する全成分の合計100重量%中に0.1~5重量%、具体的に0.5~5重量%、好ましくは0.8~3重量%の範囲内で含まれてもよい。この場合、衝撃強度などのような機械的物性に優れながらも、伝導性に優れるという効果がある。
【0050】
前記第1極性ポリオレフィン樹脂は、前記ベース樹脂100重量部に対して、好ましくは1~3重量部含まれてもよく、より好ましくは1.2~2.8重量部、さらに好ましくは1.5~2.5重量部含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性、伝導性などに優れながらも、外観品質及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0051】
前記第1極性ポリオレフィン樹脂の製造方法は、本発明の属する技術分野で通常用いられる製造方法であれば、特に制限されず、具体例として、前記不飽和カルボン酸などの単量体をラジカル開始剤の存在下又は不存在下で加熱してクラフト重合反応させることによって得ることができる。グラフト重合は、特に、ラジカル開始剤の存在下で行う方法が、グラフト重合反応の効率が高くなる観点で好ましい。
【0052】
ブロック共重合衝撃改質剤
本記載のブロック共重合衝撃改質剤は、好ましくはスチレン系ゴムであってもよく、具体例として、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-ブタジエン共重合体(SB)、スチレン-イソプレン共重合体(SI)、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)、α-メチルスチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体、スチレン-(エチレン-ブチレン/スチレン共重合体)-スチレン共重合体及びこれらの変性重合体から選択された1種以上であってもよく、好ましい例として、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)及びマレイン酸無水物変性スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体からなる群から選択された1種以上であり、より好ましい例としてスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)であり、この場合、衝撃強度などのような機械的物性に優れながらも、伝導性に優れるという効果がある。
【0053】
前記ブロック共重合衝撃改質剤は、ベース樹脂100重量部に対して、好ましくは3~11重量部含まれてもよく、より好ましくは4~10.5重量部、さらに好ましくは5~10重量部含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性、伝導性などに優れながらも、外観品質及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0054】
前記ブロック共重合衝撃改質剤は、好ましくは芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含量が20~40重量%、より好ましくは20~30重量%であってもよく、この範囲内で、機械的物性に優れるという効果がある。
【0055】
前記ブロック共重合衝撃改質剤は、好ましくはゴム成分の含量が60~80重量%、より好ましくは70~80重量%であってもよく、この範囲内で、機械的物性に優れるという効果がある。
【0056】
前記ブロック共重合衝撃改質剤は、好ましくは海島(Sea and Island)構造内に平均粒径0.5μm以下のサイズ、より好ましくは0.3μm以下のサイズで分散されて、分散相(Island)の内部に追加の分散相(Sub Island)を構成することができ、この範囲内で、耐熱性及び衝撃強度に優れるという効果がある。
【0057】
ここで、追加の分散相は、他に特定しない限り、分散相の内部に備えられる追加の分散相(Sub Island in Island、図2に示された“Sub Island”と表記した部分に該当)を指すことができる。
【0058】
本記載において、平均粒径は、動的光散乱法(Dynamic light scattering)を用いて測定することができ、詳細には、粒子測定器(製品名:Nicomp380、製造社:PSS)を用いてガウス(Gaussian)モードでインテンシティ(intensity)値で測定する。このとき、具体的な測定例として、サンプルとして、総固形分含量35~50重量%であるラテックス0.1gを蒸留水で1,000~5,000倍希釈して準備し、測定方法は、自動希釈(Auto-dilution)してフローセル(flow cell)で測定し、測定モードは、動的光散乱法(Dynamic light scattering)/インテンシティ(Intensity)300KHz/強度-荷重ガウス分析(Intensity-weight Gaussian Analysis)とし、設定(setting)値は、温度23℃、測定波長632.8nm、チャンネル幅(channel width)10μsecとして測定することができる。
【0059】
前記ブロック共重合衝撃改質剤の製造方法は、本発明の属する技術分野で通常用いられる製造方法であれば、特に制限されず、具体例として、乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊状重合などであってもよく、好ましい例として、乳化重合または塊状重合であってもよい。
【0060】
多官能反応化剤
本記載の多官能反応化剤は、好ましくは、カルボキシ基、アミン基、ヒドロキシ基、マレイン酸基及びエポキシ基からなる群から選択された官能基を2つ以上、具体例として2~5個含むことができ、この場合、伝導性及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0061】
本記載において、マレイン酸基は、本発明の属する技術分野でマレイン酸基として認識される置換基であれば、特に制限されず、具体例として、マレイン酸またはマレイン酸無水物由来の官能基を意味する。
【0062】
前記多官能反応化剤は、具体例として、ポリフェニレンエーテルが不飽和カルボン酸またはその無水物などのような反応性単量体と反応して官能化された重合体であり得る。
【0063】
前記反応性単量体は、一例として、クエン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸及びこれらの無水物からなる群から選択された1種以上であってもよい。
【0064】
前記多官能反応化剤は2種以上使用することができ、用語「2種以上」は、種類又は構造の異なる多官能反応化剤が2つ以上であることを意味する。
【0065】
前記多官能反応化剤は、具体例として、数平均分子量が150,000g/mol以上である高分子型多官能反応化剤1種と、数平均分子量が10,000g/mol以下である低分子型多官能反応化剤1種との組み合わせが好ましい。
【0066】
前記多官能反応化剤は、好ましくは、ベース樹脂100重量部を基準として2~12重量部含まれてもよく、より好ましくは2.5~12重量部、さらに好ましくは3~12重量部含まれてもよく、この範囲内で、樹脂本来の機械的物性などが低下しないと共に、外観品質、伝導性及び水分安定性が大きく改善される利点がある。
【0067】
本記載で使用する多官能反応化剤は、好ましくは、カルボン酸、マレイン酸またはマレイン酸無水物で官能化されたポリフェニレンオキシド樹脂、及び末端にエポキシ官能基を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂から選択された1種以上を含むことができ、この場合、伝導性及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0068】
前記カルボン酸、マレイン酸またはマレイン酸無水物で官能化されたポリフェニレンオキシド樹脂は、好ましくは、ベース樹脂総100重量部を基準として1~10重量部含まれてもよく、より好ましくは2~8重量部、さらに好ましくは3~7重量部含まれてもよく、この範囲内で、樹脂本来の機械的物性などが低下しないと共に、外観品質及び水分安定性が大きく改善される利点がある。
【0069】
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、好ましくは、ベース樹脂総100重量部を基準として0.5~8重量部含まれてもよく、より好ましくは1~7重量部、さらに好ましくは1~5重量部含まれてもよく、この範囲内で、樹脂本来の機械的物性などが低下しないと共に、外観品質、伝導性及び水分安定性が大きく改善される利点がある。
【0070】
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、好ましくは、平均エポキシ当量が2,000~6,000、及び/又は数平均分子量が3,000~10,000g/mol、及び/又はガラス転移温度が50~120℃、及び/又は常温(22~25℃)で固体であってもよく、この範囲内で、樹脂本来の機械的物性などが低下しないと共に、外観品質及び水分安定性が大きく改善される利点がある。
【0071】
本記載において、数平均分子量(Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography、waters breeze)を用いて測定することができる。
【0072】
本記載において、ガラス転移温度(Tg)は、パーキンエルマー(Perkin Elmer)社のPyris 6 DSCを用いて測定することができる。
【0073】
本記載において、平均エポキシ当量は、エポキシ基1個当たりの平均分子量である。
【0074】
前記カルボン酸、マレイン酸またはマレイン酸無水物で官能化されたポリフェニレンオキシド樹脂は、好ましくは、ベース樹脂総100重量部を基準として0.5~8重量部含まれてもよく、より好ましくは1~7重量部、さらに好ましくは2~7重量部含まれてもよく、この範囲内で、海島構造内に連続相(Sea)を補強することで、耐熱性及び水分安定性が大きく改善される利点がある。
【0075】
本記載において、多官能反応化剤は、本発明の定義に符合する限度内で、本発明の属する技術分野で通常製造される方法によって製造されたものであるか、または市販のものを使用することができ、特に制限されない。
【0076】
(C)第2添加剤
本記載の第2添加剤は、前述した海島構造(Sea and Island)の連続相(Sea)を補強できる第2極性ポリオレフィン樹脂と第2ポリエステル、及び追加の分散相(Sub Island)を提供できるカーボンナノチューブとカーボンナノプレートを含むことができる。
【0077】
前記第2添加剤は、前記ベース樹脂100重量部に対して、一例として4~14重量部含まれてもよく、より好ましくは4~12重量部、さらに好ましくは4~10重量部、より一層好ましくは5~9重量部含まれてもよく、この範囲内で、機械的物性、伝導性などに優れながらも、外観品質及び水分安定性に優れるという効果がある。
【0078】
前記第2添加剤は、マスターバッチとして製造されて投入され得る。この場合、連続相を補強しながら、前記連続相内に追加の分散相を提供することができる。
【0079】
前記第2添加剤は、押出機の混練ブロックが、一例として9個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは12個以上、好ましい例としては9~18個、より好ましい例としては10~18個、さらに好ましい例としては12~16個である押出機を用いて混練及び押出するステップを含んで製造されてもよい。このとき、混練ブロックは、樹脂の流れ方向に対して正方向、直交型、そして逆方向の順に組み合わせて使用することが効果的であり、混合方法に応じて、連続又は分離されたブロックの組み合わせを使用することができる。この場合、成分の分散性、組成物の相溶性などがさらに改善され、より高品質のマスターバッチを提供することができる。
【0080】
第2極性ポリオレフィン樹脂
本記載の第2極性ポリオレフィン樹脂は、前記(B)項目の第1極性ポリオレフィン樹脂について前述したような種類から選択して使用することができる。
【0081】
前記第2極性ポリオレフィン樹脂は、好ましくは、第2極性ポリオレフィン樹脂と後述する第2ポリエステルで構成された基本樹脂100重量%中に70~100重量%で含まれてもよく、より好ましくは75~100重量%、さらに好ましくは80~100重量%で含まれ、この範囲内で、海島構造の連続相(Sea)を補強することで、ベース樹脂の伝導性、機械的物性及び水分安定性を大きく向上させる利点がある。
【0082】
第2ポリエステル
本記載の第2ポリエステルは、前記(A)項目の第1ポリエステルについて前述したような種類から選択して使用することができる。
【0083】
前記第2ポリエステルは、前述した第2極性ポリオレフィン樹脂と第2ポリエステルで構成された基本樹脂100重量%中に0~30重量%で含まれてもよく、より好ましくは0~25重量%、さらに好ましくは1~20重量%で含まれ、この範囲内で、海島構造の連続相(Sea)の補強を補助することで、ベース樹脂の伝導性、機械的物性及び水分安定性を向上させる利点がある。
【0084】
カーボンナノチューブ
本記載のカーボンナノチューブは、好ましくは、BET表面積が180~600m2/gであってもよく、より好ましくは180~400m2/g、さらに好ましくは180~300m2/g、より一層好ましくは200~300m2/gであり、この範囲内で、加工性及び伝導性の改善効果が大きい。
【0085】
本記載において、BET表面積は、窒素吸着法により測定することができ、具体例として、気孔分布測定機(Porosimetry analyzer;Bell Japan Inc,Belsorp-II mini)を用いて窒素ガス吸着流通法によってBET6点法で測定することができ、他の例として、ブルナウア(Brunauer)、エメット(Emmett)及びテラー(Teller)方法(ASTM 6556に準拠した方法)により測定することができる。
【0086】
前記カーボンナノチューブは、前述した第2極性ポリオレフィン樹脂と第2ポリエステルで構成された基本樹脂100重量部を基準として、一例として10~40重量部含まれてもよく、好ましくは10~30重量部、より好ましくは20~30重量部、さらに好ましくは20~25重量部であり、この範囲内で、機械的物性、加工性及び伝導性に優れながらも、外観品質及び耐熱性に優れるという効果がある。
【0087】
前記カーボンナノチューブは、一例として、単一壁カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube、SWCNT)、二重壁カーボンナノチューブ(double-walled carbon nanotube、DWCNT)及び多重壁カーボンナノチューブ(multi-walled carbon nanotube、MWCNT)からなる群から選択された1種以上であってもよい。
【0088】
前記カーボンナノチューブは、一例として、バンドル型(bundle;rope type)または非バンドル型(non-bundle;entangle type)であってもよい。
【0089】
本記載において、「バンドル型」及び「非バンドル型」は、それぞれ、本発明の属する技術分野で一般的に承認または定義される「バンドル型」及び「非バンドル型」であれば、特に制限されない。
【0090】
前記カーボンナノチューブは、好ましくは平均直径が5~30nm、より好ましくは7~20nm、さらに好ましくは10~15nmであってもよく、この範囲内で、伝導性及び外観品質などが大きく改善される効果がある。
【0091】
本記載において、カーボンナノチューブの平均直径は、本発明の属する技術分野で通常用いられる測定法により測定される場合、特に制限されず、具体例として電子顕微鏡分析法により測定することができる。
【0092】
前記カーボンナノチューブは、好ましくは繊維状で提供され得、この場合、図2に示したように、海島(Sea and Island)構造内に1.0μm以下のサイズで分散されて、連続相内にも追加の分散相を構成することができる。ここで、追加の分散相は、連続相内に分散される追加の分散相(Sub Island in Sea、図2に図示せず)であって、前述したブロック共重合衝撃改質剤が提供する追加の分散相(Sub Island in Island、図2の“Sub Island”と表記)とは異なる意味を定義する。
【0093】
カーボンナノプレート
本記載のカーボンナノプレートは、好ましくは板状のカーボンナノプレートであり、より好ましくは、平均厚さが5~50nmである板状のカーボンナノプレートであり、この範囲内で、上述したカーボンナノチューブとの相互分散効果によって、ベース樹脂の伝導性、機械的物性、耐熱性及び水分安定性を大きく向上させる利点がある。
【0094】
前記カーボンナノプレートは、好ましくは、剥離グラファイト、グラフェンナノプレート及び剥離膨張黒鉛などから選択された1種以上を含むことができ、より好ましくは剥離グラファイトであり、この範囲内で、上述したカーボンナノチューブとの相互分散効果によって、ベース樹脂の伝導性、機械的物性、耐熱性及び水分安定性を大きく向上させる利点がある。
【0095】
前記剥離グラファイトは、一例として、層状のグラファイトを化学的及び/又は物理的な剥離方法を通じて5~50nmの厚さに加工したグラファイトであってもよい。
【0096】
前記層状のグラファイトの化学的及び/又は物理的な剥離方法は、本発明の属する技術分野で通常用いられる剥離方法であれば、特に制限されず、具体例として、ブロディ(Brodie)方法、ハマーズ(Hummers)方法などを用いてグラファイトを改質及び膨張させた後、超音波粉砕、急速加熱などを通じて剥離する方法であってもよい。
【0097】
前記カーボンナノプレートは、前述した第2極性ポリオレフィン樹脂と第2ポリエステルで構成された基本樹脂100重量部を基準として、一例として1~10重量部含まれてもよく、より好ましくは2~8重量部、さらに好ましくは3~8重量部、より一層好ましくは3~7重量部含まれ、この範囲内で、前述したカーボンナノチューブとの相互分散効果によって、ベース樹脂の伝導性、機械的物性及び水分安定性を大きく向上させる利点がある。
【0098】
また、前記カーボンナノプレートは、好ましくは、第2極性ポリオレフィン樹脂と第2ポリエステルで構成された基本樹脂100重量部を基準として、0.4~1.4重量部でさらに含まれてもよく、より好ましくは0.4~1.2重量部、さらに好ましくは0.5~1重量部で含まれ、この範囲内で、上述したカーボンナノチューブとの相互分散効果によって、ベース樹脂の伝導性、機械的物性及び水分安定性をさらに向上させる利点がある。
【0099】
前記カーボンナノプレートは、平均厚さが、さらに好ましくは5~40nm、より一層好ましくは10~40nmであってもよく、この範囲内で、上述したカーボンナノチューブとの相互分散効果によって、伝導性と外観物性を同時に改善させる効果がある。
【0100】
本記載において、カーボンナノプレートの平均厚さは、本発明の属する技術分野で通常用いられる測定法によって測定される場合、特に制限されず、具体例として電子顕微鏡分析法を用いて測定することができる。
【0101】
前記カーボンナノプレートは、好ましくは板状で提供され得、この場合、図2に示したように、海島構造内に1.0μm以下のサイズで分散されて、前述したカーボンナノチューブと共に連続相内に追加の分散相を構成することができる。ここで、追加の分散相は、連続相内に分散される追加の分散相(Sub Island in Sea)であって、前述したブロック共重合衝撃改質剤が提供する追加の分散相(Sub Island in Island)とは異なる意味を定義する。
【0102】
伝導性樹脂組成物
本記載の伝導性樹脂組成物は、一例として、第2添加剤がマスターバッチとして製造されて、連続相(Sea)、分散相(Island)及び前記連続相内に追加の分散相(Sub Island)を提供する海島構造(Sea and Island)を提供することができる。
【0103】
前記連続相は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成することができ、前記分散相は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成することができ、前記追加の分散相は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することができる。この場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用である。
【0104】
本記載の伝導性樹脂組成物は、好ましくは熱変形温度が170℃以上であり、より好ましくは170~200℃、好ましい例として170~195℃、より好ましい例として180~190℃であり、この範囲内で、物性バランスに優れ、水分安定性、伝導性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0105】
前記伝導性樹脂組成物は、好ましくは、水分吸収率が0.1%以下、0.094%以下、0.93%以下または0.092%以下であり、具体例として0.05~0.094%、好ましい例として0.06~0.092%、より好ましい例として0.06~0.09%であってもよく、この範囲内で、物性バランスに優れ、耐熱性、伝導性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0106】
前記水分吸収率は、後述する実施例で用いた方式で測定したもので、一例として、下記数式1を用いて計算することができる。
【0107】
[数式1]
水分吸収率(%)=(浸漬後の増加した重量/浸漬前の重量)×100
【0108】
前記伝導性樹脂組成物は、好ましくは表面抵抗が107ohm/sq以下であり、具体例として107~108ohm/sqであり、この範囲内で、物性バランスに優れ、耐熱性、水分安定性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0109】
前記伝導性樹脂組成物は、好ましくは、ASTM D638方法に準拠し、試験片の厚さ3.2mm及び測定速度5mm/minの条件下で、引張強度が55MPa以上であり、具体例として55~70MPaであり、好ましい例として55~65MPaであり、この範囲内で、物性バランスに優れ、耐熱性、伝導性、水分安定性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0110】
前記伝導性樹脂組成物は、好ましくは、ISO 180A方法に準拠し、試験片の厚さ4mm及び測定温度25℃の条件下で、ノッチ付きアイゾット衝撃強度が100J/m以上であり、より好ましくは110J/m以上であり、具体例として110~180J/mであり、好ましい例として110~175J/mであり、この範囲内で、物性バランスに優れ、耐熱性、伝導性、水分安定性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0111】
一例として、本発明の伝導性樹脂組成物は、以下の実施例及び比較例で確認されるように、ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;ブロック共重合衝撃改質剤1~20重量部と;多官能反応化剤1~20重量部と;カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された1種以上0.1~10重量部と;を含み、表面抵抗が108Ohm/sq以下であることを特徴とし、この場合、物性バランスに優れ、耐熱性、伝導性、水分安定性及び外観品質に優れるという利点がある。
【0112】
このときに使用する用語「ポリエステル」は、前述した第1ポリエステルと第2ポリエステルを含む意味である。
【0113】
ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミドを含む場合、水分特性が安定化されたアロイの提供の効果を同時に示さないか、または効果が減少した(下記比較例5参照)。
【0114】
伝導性樹脂組成物の製造方法
本記載の伝導性樹脂組成物の製造方法は、好ましくは、(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と;(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部と;を、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて混練及び押出して、連続相、分散相及び前記連続相内に追加の分散相を提供する海島構造(Sea and Island)を提供するステップを含み、
前記連続相(Sea)は、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂が構成し、前記分散相(Island)は、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルが構成し、前記追加の分散相(Sub Island)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが構成することを特徴とし、このような場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化され、これによって、特に自動車の金属代替外装部品の用途に有用な伝導性樹脂組成物を提供する利点がある。
【0115】
前記混練及び押出は、バレル温度が、一例として230~310℃、好ましくは240~300℃、より好ましくは250~290℃、さらに好ましくは250~280℃である範囲内で行うことができ、この場合、単位時間当たりの処理量が高いながらも、十分な溶融混練が可能であり、樹脂成分の熱分解などの問題を引き起こさない利点がある。
【0116】
前記混練及び押出は、スクリューの回転数が、一例として100~500rpm、好ましくは150~400rpm、より好ましくは100~350rpm、さらに好ましくは150~320rpm、より一層好ましくは200~310rpmである条件下で行うことができ、この範囲内で、単位時間当たりの処理量が高く、工程効率に優れながらも、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートの過度の切断を抑制して、最終製品の伝導性などがさらに優れるという利点がある。
【0117】
前記混練及び押出を通じて収得された伝導性樹脂組成物は、好ましくは、ペレット状で提供されてもよい。
【0118】
本記載の成形品の製造方法は、好ましくは、(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と;(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と;(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部と;を含んで混練及び押出して伝導性樹脂組成物ペレットを製造するステップと、製造されたペレットを射出して成形品を製造するステップとを含み、前記第2添加剤は、マスターバッチとして製造されて投入され、前記混練及び押出は、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて行うことを特徴とし、このような場合、優れた外観、剛性及び伝導性と共に、水分安定性及び耐熱性に優れるので、外部環境への露出による水分及び熱などの影響が最小化された成形品を提供する効果がある。
【0119】
前記射出は、本発明の属する技術分野で通常用いられる方法及び条件による場合、特に制限されず、必要に応じて適宜選択して適用することができる。
【0120】
本記載の伝導性樹脂組成物、成形品及びこれらの製造方法を説明するにおいて、特に明示していない他の条件(一例として、押出機及び射出機の構成やスペック、押出及び射出条件、添加剤など)は、当業界で通常行う範囲内であれば、特に制限されず、必要に応じて適宜選択して行うことができることを明示する。
【0121】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【0122】
下記の図1は、本記載の伝導性樹脂組成物の製造のための混練ブロックが9個以上備えられた押出機の模式図である。
【0123】
前記押出機の種類は、特に制限されず、当業界で通常用いられているものであれば、適宜選択して行うことができ、一例として、1個のスクリューを備えた一軸押出機、または複数個のスクリューを備えた多軸押出機を用いることができ、材料の均一な混練、加工の容易性及び経済性などを考慮すると、スクリューが2個である二軸押出機を用いることが好ましい。
【0124】
前記押出機は、バレル(barrel)の内部に材料を供給するための原料供給器(feeder)と、バレルの内部に供給された材料を運送及び混練するためのスクリュー(screw)と、混練された材料を押出するためのダイ(die)とで構成され、前記スクリューは、様々な機能を付与するために複数個のスクリューエレメントで構成される。
【0125】
前記原料供給器は、1つ以上であってもよく、必要に応じて選択的に2つ以上が備えられてもよい。一例として、主投入口及び選択的に補助投入口が備えられてもよく、補助投入口は、必要に応じて2つ以上備えられてもよい。
【0126】
具体的な一例として、前記主投入口に全ての成分を同時に投入してもよく、他の一例として、ベース樹脂と第1添加剤を主投入口に、そして、第2添加剤を補助投入口に投入してもよい。
【0127】
本発明の混練ブロックは、前記スクリューエレメントの一例であって、具体的には、複数個のディスク、好ましい一例として、3~7枚、5~7枚、3~5枚または4~5枚のディスクで構成され、通常、多角形あるいは楕円形などの断面を備えており、材料の移送方向に連続的に配列される。また、前記混練ブロックにおいてディスクの位相角(ディスク相互間の移動角を意味する)は、好ましくは45~90°をなす。
【0128】
また、混練ブロックは、材料の移送、分配及び混合能力を備えた正方向(forward)混練ブロック、材料の移送能力なしに分配及び混合能力のみを備えた直交(neutral)型混練ブロック、材料を移送方向の反対方向に逆移送させる逆方向(backward)混練ブロックなどがある。
【0129】
本発明に係る伝導性樹脂組成物は、混練ブロックが、一例として9個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは12個以上、好ましい例としては9~18個、より好ましい例としては10~18個、さらに好ましい例としては12~16個である押出機を用いて混練及び押出するステップを含んで製造されてもよい。このとき、混練ブロックは、樹脂の流れ方向に対して正方向、直交型、そして逆方向の順に組み合わせて使用することが効果的であり、混合方法に応じて、連続又は分離されたブロックの組み合わせを使用することができる。この場合、伝導性フィラー成分の分散性、組成物の相溶性などがさらに改善され、より高品質の伝導性樹脂組成物を提供することができる。
【0130】
前記混練ブロックは、一例として、9個以上が連続的に配列されてもよく、他の一例として、スクリューの間に不連続的に配列されてもよい。具体的な一例として、主投入口と補助投入口1との間に3~6個の混練ブロックが連続的に備えられ、補助投入口1と補助投入口2との間に3~8個の混練ブロックが連続的に備えられ、補助投入口2と吐出口(図示せず)との間に2~5個の混練ブロックが備えられてもよい。このように配列される場合、溶融混練時の局所的な発熱が制御されて原料物質の熱変形を防止することができ、ナノ成分の過度の切断が防止されて電気伝導性及び機械的な物性が低下しない利点がある。
【0131】
下記の図2は、本記載の伝導性樹脂組成物が提供する海島構造を示した図である。
【0132】
下記の図2によれば、前記(A)ベース樹脂中の第1ポリエステル、(B)第1添加剤中の第1極性ポリオレフィン樹脂と多官能反応化剤、及び(C)第2添加剤中の第2極性ポリオレフィン樹脂は海島構造(Sea and Island)の連続相(Sea)を構成し、前記(A)ベース樹脂中のポリアリーレンエーテルは、前記海島構造の分散相(Island)を構成し、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中のカーボンナノチューブとカーボンナノプレートが前記海島構造の追加の分散相(Sub Island)を構成する。
【0133】
具体的に、前記ブロック共重合衝撃改質剤は、海島構造の分散相内でさらに微細な内部分散相(Sub Island in Island)を構成することができる。
【0134】
また、前記カーボンナノチューブとカーボンナノプレートは、海島構造の連続相に選択的に微細な内部分散相(Sub Island in Sea)を構成することができる。
【0135】
前記カーボンナノチューブが繊維状である場合、そして、前記カーボンナノプレートが板状である場合に、前述した分散効果をさらに高めることができる。
【0136】
本記載で使用する用語「海島構造(Sea and Island)」は、本技術分野に公知された連続相(Sea)と分散相(Island)で構成される分散構造を意味する。
【0137】
前記海島構造は、一例として、サンプルを倍率200倍の光学顕微鏡を用いて、海島構造の形成状態、形状の均一性、分割状態などを観察して立証することができる。
【0138】
本記載の伝導性樹脂組成物が提供する海島構造(Sea and Island)は、前述した連続相(Sea)と分散相(Island)の基本構造に加えて、連続相(Sea)に選択的に追加の分散相(Sub Island in Sea)、そして分散相(Island)内に追加の分散相(Sub Island in Island)が分散された構造を有することを特徴とする。
【0139】
成形品
前述した伝導性樹脂組成物から製造された自動車の成形品は、水分への露出時にも寸法安定性が優れるので、外部環境への露出による寸法の変化を最小化する効果がある。
【0140】
前記成形品は自動車の静電塗装外装部品であってもよい。
【0141】
前記自動車の静電塗装外装部品は、一例として、外装パネル、ドア、燃料注入口、充電口などであってもよい。
【0142】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、以下の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
【0143】
[実施例]
下記の実施例及び比較例で使用された成分は、次の通りである。
*第1ポリエステル:ポリブチレンテレフタレート樹脂、LG化学のGP2000(M.I.(250℃、2.16kg):30g/10分)製品を使用した。
*第2ポリエステル:ポリブチレンテレフタレート樹脂、LG化学のGP2000(M.I.(250℃、2.16kg):30g/10分)製品を使用した。
*ポリアリーレンエーテル:ポリフェニレンオキシド樹脂(PPO)としてBluestar社の040製品を使用した。
*ポリアミド:Invista社の3602 PA66製品を使用した。
*第1極性ポリオレフィン系樹脂:エチレン-オクテン共重合体(密度:0.87g/cm3)であるLG化学社のLC170製品をマレイン酸1.2重量%で変性して使用した。
*第2極性ポリオレフィン系樹脂:エチレン-オクテン共重合体(密度:0.87g/cm3)であるLG化学社のLC170製品をマレイン酸1.2重量%で変性して使用した。
*ブロック共重合衝撃改質剤:スチレン系ゴムとして、Kraton社のSEBS 1651製品(スチレン含量32重量%、ブタジエンゴム含量68重量%)を使用した。
*多官能反応化剤1:国都化学の反応型エポキシYD019製品(エポキシ当量2,000~3,000)を使用した。
*多官能反応化剤2:G Farm社のマレイン酸無水物で変性されたポリフェニレンオキシド(mah-PPO)構造のZA製品を使用した。
*カーボンナノチューブ:BET表面積が200~300m2/gであるLG化学の炭素ナノチューブCP1002Mの繊維状製品を使用した。
*カーボンナノプレート:平均厚さが5~50nmである層状剥離製品を使用した。
【0144】
製造例1~3:第2添加剤の製造
<製造例1>
第2極性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、カーボンナノチューブ25重量部、板状のカーボンナノプレート5重量部を、混練ブロックが10個である二軸押出機(SM社のT40)を用いて溶融混練した後、押出して第2添加剤ペレットを製造した。
【0145】
前記二軸押出機のシリンダー温度は250℃に設定し、スクリューの回転数は300rpmに設定した。
【0146】
製造されたペレットを、下記の表1に‘PMB1-25’と記載した。
【0147】
<製造例2>
第2極性ポリオレフィン系樹脂80重量%及び第2ポリエステル20重量%で構成されたベース樹脂100重量部と、カーボンナノチューブ25重量部、板状のカーボンナノプレート5重量部を、混練ブロックが10個である二軸押出機(SM社のT40)を用いて溶融混練した後、押出して第2添加剤ペレットを製造した。
【0148】
前記二軸押出機のシリンダー温度は250℃に設定し、スクリューの回転数は300rpmに設定した。
【0149】
製造されたペレットを、下記の表1に‘PMB2-25’と記載した。
【0150】
<製造例3>
第2極性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、カーボンナノチューブ20重量部、板状のカーボンナノプレート5重量部を、混練ブロックが10個である二軸押出機(SM社のT40)を用いて溶融混練した後、押出して第2添加剤ペレットを製造した。
【0151】
前記二軸押出機のシリンダー温度は250℃に設定し、スクリューの回転数は300rpmに設定した。
【0152】
製造されたペレットを、下記の表1に‘PMB3-20’と記載した。
【0153】
実施例1~5、及び比較例1~5
下記の表1及び表2に記載された成分及び含量を、混合ブロックが10個である二軸押出機[SM社のT40]を用いて、温度250~310℃、回転数(rpm)300回転/分に設定し、溶融混練及び押出してペレットに製造し、前記ペレットを射出機[エンゲル社、80トン]を用いて評価用試験片を製造した。
【0154】
前記二軸押出機の主投入口に第1ポリエステルを除いた成分を投入し、補助投入口1に第1ポリエステルを投入し、補助投入口2に製造例で製造したペレットを投入した。
【0155】
[試験例]
前記実施例1~5、及び比較例1~5で製造された試験片の特性を、下記の方法で測定し、その結果を下記の表1及び表2に示した。
*引張強度(MPa):厚さ3.2mmの試験片を用い、ASTM D638方法に準拠して測定速度5mm/minで測定した。
*衝撃強度(J/m):ノッチ付きアイゾット(Notched Izod)衝撃強度で、厚さ4mmの試験片を用いてISO 180A方法に準拠して測定し、試験片にノッチを付けた後、常温(23℃)で測定した。
*熱変形温度(℃):厚さ4mmである試験片を用いて、ISO 75-2方法に準拠して0.45MPaの応力下で測定した。
*表面抵抗(Ohm/sq):射出試験片の表面抵抗をProstat社のPRS-801装備を用いて測定した。
*表面品質(外観):射出試験片の外観を目視で評価した。ここで、◎:成形性及び外観がいずれも優秀、○:成形性及び外観がいずれも良好、△:外観が良好(ピンホールが間欠的に観察される)、×:外観が低下(ピンホールが観察される)、××:外観が悪い(ピンホール及びフローマークが観察される)と評価した。
*水分吸収率(%):射出機(80トン、エンゲル社)を用いて、規格が100mm×100mm×3mmである平板試験片に射出し、23℃で48時間蒸留水に浸漬した後、増加した重量を測定し、下記数式1により計算した。
【0156】
[数式1]
水分吸収率(%)=(浸漬後の増加した重量/浸漬前の重量)×100
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
前記表1及び表2に示したように、本発明に係る伝導性樹脂組成物(実施例1~5)は、本発明の範囲を外れる伝導性樹脂組成物(比較例1~5)と比較して、引張強度、衝撃強度などの機械的物性、熱変形温度及び表面抵抗は大きく改善され、表面品質及び水分吸収率は、全ての実施例において遥かに優れることが確認できた。
【0160】
一方、ナイロン66のようなポリアミドを含む比較例5の場合、実施例1~5と比較して、水分吸収率が著しく低減し、自動車の静電塗装外装部品で要求される水分特性が安定化されたアロイを提供し難いことが確認された。
【0161】
すなわち、本発明の一具現例に係る伝導性樹脂組成物は、特定の重量%の(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂と、(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤と、(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤とを含み、海島構造(Sea and Island)の連続相(Sea)と分散相(Island)の構造の中で連続相を補強しながら、連続相と分散相にそれぞれ追加の分散相の構造を提供することによって、前記組成物から製造された自動車の静電塗装外装部品が、耐熱性、伝導性分散、及び表面の改善を提供するという利点がある。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを含み、
連続相(海)、分散相(島)、及び追加の分散相(サブ島)を提供する海島構造(Sea-Island structure)を提供し、
前記連続相(海)は、前記(A)ベース樹脂中の前記第1ポリエステル、(B)前記第1添加剤中の前記第1極性ポリオレフィン樹脂と前記多官能反応化剤、及び(C)前記第2添加剤中の前記第2極性ポリオレフィン樹脂からなり、
前記分散相(島)は、前記(A)ベース樹脂中の前記ポリアリーレンエーテルからなり、
前記追加の分散相(サブ島)は、前記(B)第1添加剤中の前記ブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中の前記カーボンナノチューブと前記カーボンナノプレートからなる、伝導性樹脂組成物。
【請求項2】
前記ベース樹脂は、前記第1ポリエステル51~74重量%、及び前記ポリアリーレンエーテル26~49重量%を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1ポリエステルはポリブチレンテレフタレートである、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項4】
前記多官能反応化剤は、カルボキシ基、アミン基、ヒドロキシ基、マレイン酸基及びエポキシ基からなる群から選択された官能基を2つ以上含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項5】
前記多官能反応化剤は、カルボン酸、マレイン酸またはマレイン酸無水物で官能化されたポリフェニレンオキシド樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂から選択された1種以上を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B)第1添加剤は、前記(A)ベース樹脂100重量部に対して、前記第1極性ポリオレフィン樹脂1~3重量部、前記ブロック共重合衝撃改質剤3~11重量部、及び前記多官能反応化剤2~12重量部から選択された2種以上を含む、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項7】
前記(C)第2添加剤は、前記第2極性ポリオレフィン樹脂70~100重量%及び前記第2ポリエステル0~30重量%を含む基本樹脂100重量部と、前記カーボンナノチューブ10~40重量部と、前記カーボンナノプレート1~10重量部とを混練及び押出して得られたマスターバッチである、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブは、BET表面積が180~600m2/gであり、かつ繊維状である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項9】
前記カーボンナノプレートは、平均厚さが5~50nmである板状である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項10】
前記カーボンナノプレートは、前記ベース樹脂100重量部に対して0.4~1.4重量部でさらに含まれる、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項11】
前記伝導性樹脂組成物は、水分吸収率が0.094%以下である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項12】
前記伝導性樹脂組成物は、熱変形温度が170℃以上であり、表面抵抗が107Ohm/sq以下である、請求項1に記載の伝導性樹脂組成物。
【請求項13】
ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
ブロック共重合衝撃改質剤1~20重量部と、
多官能反応化剤1~20重量部と、
カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された1種以上0.1~10重量部とを含み、
表面抵抗が108Ohm/sq以下である、伝導性樹脂組成物。
【請求項14】
(A)第1ポリエステル及びポリアリーレンエーテルを含むベース樹脂100重量部と、
(B)第1極性ポリオレフィン樹脂、ブロック共重合衝撃改質剤及び多官能反応化剤から選択された2種以上の第1添加剤8~20重量部と、
(C)第2極性ポリオレフィン樹脂、第2ポリエステル、カーボンナノチューブ及びカーボンナノプレートから選択された3種以上の第2添加剤4~14重量部とを、混練ブロックが9個以上である押出機を用いて混練及び押出し、連続相(海)、分散相(島)及び前記連続相内に追加の分散相(サブ島)を提供する海島構造(Sea-Island structure)を提供するステップを含み、
前記連続相(海)は、前記(A)ベース樹脂中の前記第1ポリエステル、(B)前記第1添加剤中の前記第1極性ポリオレフィン樹脂と前記多官能反応化剤、及び(C)前記第2添加剤中の前記第2極性ポリオレフィン樹脂からなり、前記分散相(島)は、前記(A)ベース樹脂中の前記ポリアリーレンエーテルからなり、前記追加の分散相(サブ島)は、前記(B)第1添加剤中のブロック共重合衝撃改質剤、及び前記(C)第2添加剤中の前記カーボンナノチューブと前記カーボンナノプレートからなる、伝導性樹脂組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の伝導性樹脂組成物を含む、成形品。
【請求項16】
前記成形品は自動車の静電塗装外装部品である、請求項15に記載の成形品。
【国際調査報告】