(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】可変固定骨プレート
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510646
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 US2022043642
(87)【国際公開番号】W WO2023043909
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パパンナガリ、ランプラサド
(72)【発明者】
【氏名】リッチー、ニコラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】トルネッタ、三世、ポール
(72)【発明者】
【氏名】リッチ、ウィリアム エム.
(72)【発明者】
【氏名】フィルーザバディ、レザ
(72)【発明者】
【氏名】ミール、ハッサン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL26
4C160LL27
4C160LL33
(57)【要約】
骨盤骨プレート(100)は、少なくとも一つのブリッジ(103)を介して、四辺形表面(QLS)セグメント(102)に結合された縁セグメント(100)を含む。縁セグメントは、骨盤縁に直接隣接して固定するように構成される。QLSは、骨盤のQLSに直接隣接して配置されるように構成される。複数のスロット(110~112)は、縁セグメントおよびQLSセグメント上に配置される。複数のスロットの各々は、骨プレートを骨盤に固定するための締結具を受容するように構成される。複数のスロットは、非ロックスロット、ロックスロット、および細長いスロット(112)のうちの少なくとも一つを含む。少なくとも一つの細長いスロットは、移植処置の間に、骨プレートの調整方向への調整を容易にするように構成される。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨盤骨プレートであって、
少なくとも一つのブリッジを介して、四辺形表面(QLS)セグメントに結合された縁セグメントであって、患者の骨盤の一部分に固定されるように構成され、前記QLSセグメントは、前記骨盤のQLSに直接隣接して配置されるように構成される、縁セグメントと、
前記縁セグメント上に配置された複数のスロットであって、前記複数のスロットの少なくとも一部分が、前記骨プレートを前記骨盤に固定するための締結具を受容するように構成され、前記複数のスロットが、移植処置の間に、前記骨プレートの調整方向への調整を容易にするため、前記骨盤骨プレートを前記骨盤に非剛直に固定するために、前記締結具を受容するように構成された少なくとも一つの細長いスロットを備える、複数のスロットと、を備える、骨盤骨プレート。
【請求項2】
前記調整方向は、内側/外側の方向または上位/下位の方向のうちの一つである、請求項1に記載の骨盤骨プレート。
【請求項3】
前記複数のスロットは、前記縁セグメント上に配置された少なくとも一つの細長いスロットと、前記QLSセグメント上に配置された少なくとも一つの細長いスロットと、を備え、
前記縁セグメント上の前記少なくとも一つの細長いスロットは、内側/外側の前記調整方向を有し、前記QLSセグメント上の前記少なくとも一つの細長いスロットは、上位/下位の前記調整方向を有する、請求項1または2に記載の骨盤骨プレート。
【請求項4】
前記少なくとも一つの細長いスロットは、締結具が前記少なくとも一つの細長いスロット内に配置される場合、前記骨盤骨プレートの短い方向への移動を防止するように構成された短い寸法と、前記骨盤骨プレートが前記骨盤に非剛直に固定される場合、前記骨盤骨プレートの前記調整方向への移動を可能にするように構成された長い寸法と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項5】
前記骨盤骨プレートは、suprapectineal骨プレートであり、前記縁セグメントは、前記骨盤縁上に固定されるように構成される、請求項1~4のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項6】
前記骨盤骨プレートは、infrapectineal骨プレートであり、前記縁セグメントは、前記骨盤縁の下の前記QLSに固定されるように構成される、請求項1~5のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項7】
前記複数のスロットの少なくとも一部分は、前記QLSセグメント上に配置される、請求項1~6のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項8】
前記複数のスロットは、前記QLSセグメント上に配置された少なくとも一つの細長いスロットを備える、請求項7に記載の骨盤骨プレート。
【請求項9】
前記複数のスロットは、少なくとも一つの非ロックスロットおよび少なくとも一つのロックスロットを備える、請求項1~8のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項10】
縁スロットパターンで前記縁セグメント上に配置された前記複数のスロットは、前記縁セグメントの長手方向の長さに沿って配置された交互のロックスロットおよび非ロックスロットを備える、請求項1~9のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項11】
前記縁スロットパターンは、前記縁スロットパターンのロックスロットと非ロックスロットとの間に配置された前記少なくとも一つの細長いスロットを備える、請求項10に記載の骨盤骨プレート。
【請求項12】
前記複数のスロットは、一つの調整方向への移動を容易にするように構成された少なくとも一つの組の細長いスロットを備える、請求項1~11のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項13】
前記少なくとも一つの組は、内側/外側の調整組または上位/下位の調整組のうちの一つを含む、請求項12に記載の骨盤骨プレート。
【請求項14】
前記少なくとも一つの細長いスロットは、スロット配向角度で配置された複数のスロットを備える、請求項1~13のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【請求項15】
前記少なくとも一つの細長いスロットは、約1mm~約10mmの移動を容易にするように構成される、請求項1~14のいずれかに記載の骨盤骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月16日出願の「Variable Fixation Bone Plates」と題する米国仮特許出願第63/245,036号の利益を主張するものであり、その出願の全内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、例えば、一つ以上の患者の骨、骨部分、骨断片、および/または同類のもの、より具体的には、骨盤の骨折部の安定化を容易にするための骨プレートに可変的に結合されるように構成された整形外科用インプラントを対象とする。
【背景技術】
【0003】
骨折は、整形外科用インプラントまたは装置を、一つ以上の患者の骨、骨部分、骨断片、および/または同種のもの(限定する意図なしに、互換的に使用される)に固定することによって、修復される場合が多い。例えば、骨盤の寛骨臼骨折の治療は、治癒を促進するため、骨を安定化させるために、骨プレートの使用を含み得る。しかしながら、最小限の骨ストック、限定された解剖学的アクセス、および骨盤、特に、四辺形表面における安定した内部固定を取得することの困難さは、従来の骨プレート装置を使用する内部固定の外科的課題に寄与する。例えば、四辺形プレートの解剖学的位置は深く、骨は、重要な血管および神経によって囲まれて薄く、器官に近い。
【0004】
したがって、骨プレートを患者の骨、例えば、骨盤縁および/または骨盤の四辺形表面などに結合することで、克服を要する複数の課題が提起される。例えば、骨盤解剖学的構造の輪郭に近似する骨プレートの設計、輪郭形成、および/または屈曲は、課題が多くあり得る。骨プレートは、厚すぎれば、曲げが困難であり得る。しかしながら、術前または術中のいずれかで、より簡便に曲げを容易にするために十分に可撓性である骨プレートは、適切な強度を提供しない場合がある。さらに、骨プレートを屈曲するには、相当のスキルを必要とし、適切な適合を達成するのが困難である。
【0005】
これらの懸念の一部を軽減するために、一部の製造業者は、異なる骨プレートのサイズおよび形状を、外科医に提供するために、骨プレートの大型の組またはキットを提供する。しかしながら、これには、組当たりに必要なプレートの数が多いため、それ自体の欠点を有し、これによって、コストおよび複雑さが増大する。さらに、従来の骨プレートは、移植処置の間に、移植された骨プレートの効率的かつ正確な調整を可能にするねじ孔またはスロットパターンを含まない。
【0006】
これを念頭に置いた上で、本開示が提供される。
【発明の概要】
【0007】
本発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される、簡略化された形態における一連の概念を導入するために提供される。本発明の概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴または基本的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求の範囲の主題の範囲を決定するための一助としても意図されない。
【0008】
本明細書には、骨盤の寛骨臼骨折または四辺形プレート骨折を含むがこれに限定されない、骨折での使用のために配置および構成された改善された骨プレートが開示される。例えば、一部の実施例では、骨プレートは、例えば、suprapectineal骨プレートまたはinfrapectineal骨プレートを含む、骨盤骨プレートの形態であってもよい。いずれの場合でも、骨プレートは、骨盤に隣接する骨プレートの最適な適合を容易にするために、術中の動的調整のために設計および構成される。
【0009】
骨プレートは、使用時に、例えば、患者の骨盤などの患者の骨を安定化するために、術前または術中のいずれかで、適合するように、または適合するために容易に屈曲されるように配置および構成される。
【0010】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、四辺形表面(QLS)セグメントに結合された縁セグメントを含み得る。縁セグメントは、骨盤縁に直接隣接して配置されるように、配置、輪郭形成、および/またはその他の方法で構成され得る。QLSセグメントは、骨盤のQLSに直接隣接して配置されるように、配置、輪郭形成、および/またはその他の方法で構成され得る。
【0011】
任意の前述または後続の実施例では、縁セグメントは、移植される場合、骨盤縁の少なくとも一部分の輪郭に近似するように配置および構成され得る。任意の前述または後続の実施例では、QLSセグメントは、移植される場合、骨盤のQLSの少なくとも一部分の輪郭に近似するように配置および構成され得る。任意の前述または後続の実施例では、QLSセグメントは、複数のサブセグメントから形成された実質的に三角形の形状を有し得る。
【0012】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、縁セグメントおよびQLSセグメント上に配置され得る。複数のスロットの各々は、骨プレートを骨盤に固定するために、締結具を受容するように構成され得る。任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、非ロックスロット、ロックスロット、可変角度設定スロット、および細長いスロットのうちの少なくとも一つを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、少なくとも一つの非ロックスロットおよび少なくとも一つのロックスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、少なくとも一つの非ロックスロット、少なくとも一つのロックスロット、および少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。
【0013】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。少なくとも一つの細長いスロットは、移植処置の間に、骨プレートの調整方向への調整を容易にするように構成され得る。任意の前述または後続の実施例では、調整方向は、内側/外側の方向または上位/下位の方向のうちの一つであり得る。細長いスロットは、外科医が細長いスロットを通って挿入された締結具を介して、骨プレートを定位置に保持可能にする一方、例えば、骨プレートの移動を介して、調整も可能にする。
【0014】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、縁セグメント上に配置された一つの細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、QLSセグメント上に配置された一つの細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、縁セグメント上に少なくとも一つの細長いスロット、およびQLSセグメント上に少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。
【0015】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、縁セグメント上に少なくとも一つの細長いスロット、およびQLSセグメント上に少なくとも一つの細長いスロットを含み得、縁セグメント上の少なくとも一つの細長いスロットは、QLSセグメント上の少なくとも一つの細長いスロットとは異なる調整方向を有する。
【0016】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、縁セグメント上の少なくとも一つの細長いスロット、およびQLSセグメント上の少なくとも一つの細長いスロットを含み得、縁セグメント上の少なくとも一つの細長いスロットは、内側/外側の調整方向を有し、QLSセグメント上の少なくとも一つの細長いスロットは、上位/下位の調整方向を有する。
【0017】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、スロットパターンで配置され得る。任意の前述または後続の実施例では、スロットパターンは、縁セグメント上のスロットの縁パターンおよび/またはQLSセグメント上のスロットのQLSパターンを含み得る。
【0018】
任意の前述または後続の実施例では、縁パターンは、複数のロックスロット、複数の非ロックスロット、および少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、縁パターンは、縁セグメントの長手方向の長さに沿って、交互のロックスロットおよび非ロックスロットの交互スロットパターンを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、少なくとも一つの細長いスロットは、交互スロットパターンのロックスロットと非ロックスロットとの間に配置され得る。
【0019】
任意の前述または後続の実施例では、QLSスロットパターンは、複数のロックスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、QLSスロットパターンは、非ロックスロットのない複数のロックスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、QLSスロットパターンは、少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、QLSスロットパターンは、各サブセグメント上に配置された少なくとも一つのスロットを含み得る。
【0020】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、複数の組で配置され得る。各組は、特定の移動方向を提供するように構成された複数の細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、内側/外側の組を使用し得、骨盤の周りの骨プレートの内側/外側の移動を容易にする。任意の前述または後続の実施例では、上位/下位の組を使用し得、骨盤の周りの骨プレートの上位/下位の移動を容易にする。一部の実施例では、ある組は、移動長さなどの異なる移動の自由度を提供するように構成され得る(例えば、第一の組は、2mmの移動を可能にし得、第二の組は、5mmの移動を可能にし得るなど)。
【0021】
任意の前述または後続の実施例では、スロットパターンは、QLSセグメント上に配置されたQLSの細長いスロットに対して、スロット配向角度Xで、縁セグメント上に配置された、縁の細長いスロットを含み得る。任意の前述または後続の実施例では、スロット配向角度Xは、約0度であり得る(例えば、縁の細長いスロットおよびQLSの細長いスロットの長手方向軸は、平行または実質的に平行である)。任意の前述または後続の実施例では、スロット配向角度Xは、約90度であり得る(例えば、縁の細長いスロットおよびQLSの細長いスロットの長手方向軸は、垂直または実質的に垂直である)。任意の前述または後続の実施例では、スロット配向角度Xは、約5度、約10度、約15度、約30度、約45度、約90度、または約150度であり得る。
【0022】
任意の前述のまたは後続の実施例では、細長いスロットは、約3mm、約5mm、約7mm、約10mm、約20mmのスロット長さ(例えば、細長いスロットの第一の端部から細長いスロットの反対の端部まで長手方向に延在する)、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(端点を含む)を有し得る。
【0023】
任意の前述または後続の実施例では、縁セグメント上に配置された複数のスロットの少なくとも一部分は、QLSセグメント上に配置された複数のスロットの少なくとも一部分と比較して、異なるサイズの締結具を受容するように構成され得る。任意の前述または後続の実施例では、締結具のサイズは、約2.0mm、約2.5mm、約2.7mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約4.7mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約6.7mm、約7.0mm、約8.0mm、約9.0mm、約10.0mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)であり得る。任意の前述または後続の実施例では、縁セグメント上に配置された複数のスロットの少なくとも一部分は、3.5mmの締結具を収容するように構成され得、QLSセグメント上に配置された複数のスロットの少なくとも一部分は、2.7mmの締結具を収容するように構成され得る。
【0024】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、骨プレートの、骨の一部分の上への位置付けを容易にするために、可変角度設定スロットを利用するように配置および構成された孔パターンを含み得る。さらに、可変角度設定スロットは、一つ以上の骨締結具の多軸受容のために構成され得る。
【0025】
任意の前述のまたは後続の実施例では、スロットパターンは、骨プレートを移植するために使用される移植処置に基づいてもよい。任意の前述のまたは後続の実施例では、スロットパターンの構成は、移植処置の間に行われた切開を介して、細長いスロットへのアクセスを可能にするように構成され得る。
【0026】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレートは、少なくとも一つのブリッジを介して、QLSセグメントに結合された縁セグメントを含み得る。縁セグメントは、骨盤縁に直接隣接して固定されるように構成され得る。QLSセグメントは、骨盤のQLSに直接隣接して配置されるように構成され得る。複数のスロットは、縁セグメントおよびQLSセグメント上に配置され得る。複数のスロットの各々は、骨プレートを骨盤に固定するために、締結具を受容するように構成され得る。複数のスロットは、非ロックスロット、ロックスロット、および細長いスロットのうちの少なくとも一つを含み得る。少なくとも一つの細長いスロットは、移植処置の間に、骨プレートの調整方向への調整を容易にするように構成され得る。調整方向は、内側/外側の方向または上位/下位の方向のうちの一つであり得る。
【0027】
任意の前述または後続の実施例では、骨プレート移植プロセスまたは方法は、本明細書の一部の実施例に係り構成された骨プレートを移植するために実施され得る。任意の前述または後続の実施例では、骨プレート移植方法は、オペレータ(例えば、外科医)、論理装置(例えば、コンピュータ支援外科手術システム(CASS))、またはそれらの組み合わせによって実施され得る。任意の前述または後続の実施例では、方法は、骨プレート構成(例えば、形状、サイズ、輪郭、および/または同種のもの)を決定すること、骨プレートのスロットパターンを決定すること、骨プレートを移植することと、骨プレートを、少なくとも細長いスロットを介して、骨に緩く固定すること、最適な適合を達成するために、骨プレートを細長いスロットの周りで移動させることによって、骨プレートを調整すること、および骨プレートを最適な適合により骨に剛直に固定すること、を含み得る。
【0028】
一部の実施例では、骨盤骨プレートは、少なくとも一つのブリッジを介して、四辺形表面(QLS)セグメントに結合された縁セグメントを含み得、縁セグメントは、患者の骨盤の一部分に固定されるように構成され、QLSセグメントは、骨盤のQLSに直接隣接して配置されるように構成され、複数のスロットは、縁セグメント上に配置され、複数のスロットの少なくとも一部分は、骨プレートを骨盤に固定するために、締結具を受容するように構成され、複数のスロットが、移植処置の間に、骨プレートの調整方向への調整を容易にするため、骨盤骨プレートを骨盤に非剛直に固定するために、締結具を受容するように構成された少なくとも一つの細長いスロットを備える。
【0029】
任意の前述または後続の実施例では、調整方向は、内側/外側の方向または上位/下位の方向のうちの一つであり得る。
【0030】
任意の前述または後続の実施例では、少なくとも一つの細長いスロットは、締結具が少なくとも一つの細長いスロット内に配置される場合、骨盤骨プレートの短い方向での移動を防止するように構成された短い寸法と、骨盤骨プレートが骨盤に非剛直に固定される場合、骨盤骨プレートの調整方向での移動を可能にするように構成された長い寸法と、を含み得る。
【0031】
任意の前述または後続の実施例では、骨盤骨プレートは、suprapectineal骨プレートであり、縁セグメントは、骨盤縁上に固定されるように構成される。
【0032】
任意の前述または後続の実施例では、骨盤骨プレートは、infrapectineal骨プレートであり、縁セグメントは、骨盤縁の下のQLSに固定されるように構成される。
【0033】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットの少なくとも一部分は、QLSセグメント上に配置され得る。
【0034】
任意の前述のまたは後続の実施例では、複数のスロットは、QLSセグメント上に配置された少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。
【0035】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、少なくとも一つの非ロックスロットおよび少なくとも一つのロックスロットを含み得る。
【0036】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットは、縁セグメントの長手方向の長さに沿って配置された交互のロックスロットおよび非ロックスロットを含む、縁スロットパターンで、縁セグメント上に配置され得る。
【0037】
任意の前述または後続の実施例では、縁スロットパターンは、縁スロットパターンのロックスロットと非ロックスロットとの間に配置された少なくとも一つの細長いスロットを含み得る。
【0038】
任意の前述のまたは後続の実施例では、複数のスロットは、一つの調整方向への移動を容易にするように構成された少なくとも一つの組の細長いスロットを含み得る。
【0039】
任意の前述または後続の実施例では、少なくとも一つの組は、内側/外側の調整組または上位/下位の調整組のうちの一つを含み得る。
【0040】
任意の前述のまたは後続の実施例では、少なくとも一つの細長いスロットは、スロット配向角度で配置された複数のスロットを含み得る。
【0041】
任意の前述または後続の実施例では、複数のスロットの少なくとも一部分は、可変角度設定の骨締結具を受容するように構成された可変角度設定スロットを含み得る。
【0042】
任意の前述のまたは後続の実施例では、少なくとも一つの細長いスロットは、約1mm~約10mmの移動を容易にするように構成され得る。
【0043】
本開示の例示的な実施形態は、多数の利点を提供する。例えば、本開示の一つ以上の特徴を組み込むことによって、外科医には、骨プレートを骨盤骨折部にわたって固定するための増加した選択肢が提供される。さらに、および/または代替的に、本開示の一つ以上の特徴を組み込むことによって、骨プレートは、軟組織の刺激を低減して、より簡便に挿入を容易にするように配置および構成される。さらに、および/または代替的に、本開示の一つ以上の特徴を組み込むことによって、骨プレートは、例えば、骨プレートの動的術中調整を支持することによって、骨プレートの患者の骨に対するより良好な位置決めを容易にするように配置および構成される。さらに、および/または代替的に、細長いスロットを含むがこれに限定されない、特定の種類および構成のスロットを組み込むことによって、一部の例示的な実施形態は、患者への挿入後の骨プレートの固定特性の動的調整を可能にするように構成された可変固定骨プレートを提供し得る。
【0044】
本発明の例示的な実施形態の少なくとも一部のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な例示的な実施形態の構造および動作を、添付図面を参照することで、以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
例として、開示される装置の特定の実施例を、以下の添付図面を参照することで、ここに説明する。
【0046】
【
図1A】
図1Aは、本開示に係る、suprapectineal骨プレートの斜視図を示す。
【0047】
【
図1B】
図1Bは、本開示に係る、骨盤上に移植された
図1Aのsuprapectineal骨プレートを示す。
【0048】
【0049】
【
図3】
図3は、本開示に係る、骨盤上に移植されたsuprapectineal骨プレートを示す。
【0050】
【0051】
【
図5】
図5は、本開示に係る、骨盤上に移植されたinfrapectineal骨プレートを示す。
【0052】
【0053】
【0054】
【
図8】
図8は、本開示に係る、方法フローの実施例を示す。
【0055】
図面が必ずしも正確な縮尺ではなく、開示された実施例が、図式的および部分的な図で例示される場合があることは、理解されるべきである。特定の事例では、開示された方法および装置の理解に必要ではない、または他の詳細を知覚困難にする詳細は、省略され得る。本開示が、本明細書に例示される特定の実施例に限定されないことは、さらに理解されるべきである。図面では、同様の数字は、別段の記載がない限り、全体を通して同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
ここで、整形外科用骨プレートの様々な特徴または類似のものを、骨プレートの一つ以上の特徴を示し説明する、添付図面を参照して、以下でより完全に説明する。本明細書で以下に記載される様々な特徴または類似のものが、互いに独立して、または組み合わせて使用され得ることは、理解されるべきである。本明細書に開示される骨プレートが、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に示す実施例に限定されるものとして解釈されるべきではないことは、理解されよう。むしろ、これらの実施例は、本開示が骨プレートの特定の特徴を当業者に伝達するように、提供される。
【0057】
特に、骨プレートを、骨、特に、ヒト骨盤の四辺形表面および/または骨盤縁(寛骨臼縁、骨盤縁、または腸骨直腸線、限定する意図なしに互換的に使用される)に結合するための、可撓性、適合性、および固定の増加を可能にするための一つ以上の特徴を含む骨プレートが本明細書に開示される。
【0058】
骨盤の骨折は、独自の固定の課題をもたらす。例えば、四辺形プレートの解剖学的位置は深く、骨は、重要な血管および神経によって囲まれて薄く、器官に近い。従来の骨プレートは、骨折した骨の粉砕された領域を初期状態に戻すため、適切な支持を提供するために、骨盤の骨折部の強化には不十分であった。より具体的には、四辺形表面内でおよび/または骨盤縁に沿って最適な適合を達成するために、外科医がインプラント位置を効果的に調整することは困難である。そのため、骨盤骨プレートは、典型的には、準最適の配置で移植され、これは、患者の転帰不良に至る場合が多い。
【0059】
そのため、本明細書に記載されるように、本開示は、組み合わせて、または単独で使用され得る一つ以上の特徴を含む骨プレートを開示し、これらの特徴は、外科医が骨プレートを、患者の骨盤骨の骨折部にわたって位置決めおよび/または固定可能にする際に、より高い可撓性を提供するように設計および構成される。さらに、および/または代替的に、一つ以上の特徴は、骨プレートの患者の骨に沿ったより簡便な挿入を容易にするため、および/または骨プレートの患者の骨に対するより良好な位置決めを容易にするため改善された輪郭形成(例えば、四辺形表面および/または骨盤縁とのより良好な輪郭形成)を提供するために、提供され得る。さらに、および/または代替的に、細長いスロットを含むがこれに限定されない、特定の種類および構成のスロットを組み込むことによって、一部の実施例は、外科処置の間に患者への挿入後の骨プレートの移植箇所および/または配向の動的調整を可能にするように構成された可変固定骨プレートを提供し得る。例えば、骨プレートは、外科医が移植処置の間に、所定の位置に微調整を行うことを可能にしながら、骨プレートを定位置に保持可能にするために、骨に非剛直に固定され得る(すなわち、ねじは、細長いスロットを通って挿入されるが、完全には締められない)。
【0060】
一部の実施例では、骨プレートは、骨盤の特定の領域に固定されるように構成された一つ以上のセグメントを含み得る。例えば、骨プレートは、骨盤のQLSに固定されるように構成された四辺形表面(QLS)セグメントを含み得る。別の実施例では、骨プレートは、骨盤縁(例えば、寛骨臼縁)上またはそれに隣接して固定されるように構成された縁セグメントを含み得る。様々な実施例では、骨プレートは、骨プレートを患者の骨に固定するための様々な締結具および/または外科手術移植ツールを受容するように構成された、様々なスロット、孔、スリーブ、開口、または他の開口部を含み得る。一部の実施例では、スロットは、締結具を受容するように構成され得、非ロックスロット、ロックスロット、細長いスロット、カウンターサンクスロット、および/またはそれらの組み合わせを含み得る。一部の実施例では、一つ以上のスロットは、締結具をある角度で受容するように構成された可変角度設定スロットを含み得る。非限定的な角度は、約25度、約10度、約10度、約75度、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)を含み得る。
【0061】
一部の実施例では、細長いスロットは、スロット内のねじの可変位置決めを可能にし得る。より具体的には、細長いスロットは、骨プレートの内側/外側の移動、上位/下位の移動、角度移動(または回転)、およびその他の再位置決めを可能にし得る。
【0062】
本明細書に記載されるように、骨プレートは、様々な形状、サイズ、および/または他の物理的特性の構成を有し得る。骨プレートが、任意の好適な形状および/または構成で提供され得、これが、当業者が理解するように、固定される患者の骨の位置および種類に依存し得ることは、理解されるべきである。例えば、骨プレートは、異なる解剖学的特徴に対応するように構成された様々な骨適合セグメントを含み得る。さらに、骨プレートは、QLS、骨盤縁、および/または他の隣接する解剖学的特徴を含むがこれらに限定されない、ヒト骨盤の様々な部分に及ぶ、接触する、固定される、および/または類似のものとなるように配置および構成され得る。
【0063】
本明細書に記載されるように、骨プレートは、任意の現在公知または今後開発される追加の特徴を含み得る。骨プレートは、例えば、金属、ポリマー、プラスチック、セラミック、吸収性や非吸収性の複合材料などを含む、現在公知または今後開発される任意の適切な材料から製造され得る。好適な材料には、例えば、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、吸収性ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、このような材料の組み合わせまたは合金、または骨に固定され、骨を保持するのに十分な強度を有する一方、患者の身体に移植されるのに十分な生体適合性も有する他の任意の適切な材料が含まれ得る。一部の実施例では、骨締結具は、骨プレートと同一の材料から製造され得る。他の実施例では、骨締結具は、骨プレートと比較して異なる材料から製造され得る。
【0064】
締結具は、現在既知である、または今後開発される任意の種類の締結具とすることができる。例えば、締結具は、標準または非標準のねじを含む任意の種類の雄ねじを含み得る。例えば、雄ねじは、連続的な隆起または非連続的な隆起として配置され得る。雄ねじは、ある回転、完全な一回転、複数回の回転、単一のリード、複数のリード、または当技術分野で公知の他の任意のねじの一部分を形成し得る。追加的に、および/または代替的に、ロックねじの場合、締結具のヘッド部分は、骨プレート内に形成されたロックねじ開口部に係合し、その中に着座する任意の表面を含み得る。例えば、ヘッド部分は、ねじを含むことができる。あるいは、ヘッド部分は、一連のくぼみ、隆起、突起、突出部、テクスチャ付き領域、または締結具を固定可能な他の任意の表面を含み得る。
【0065】
締結具は、任意の適切な材料から作製された任意の典型的な締結具であり得る。締結具は、締結具を、骨プレートを通って患者の骨内に駆動するために、ドライバを受容するための孔を含み得る。孔は、任意のサイズおよび形状であり得、例えば、対応する六角形ドライバ、Phillipsスクリューヘッド、フラットヘッド、スター構成、Torx、または締結具を、骨プレートを通って患者の骨内に駆動するために、ドライバと協働し得る他の任意の適切な構成を受容するための、六角形構成を有し得る。
【0066】
締結具のシャフトは、完全にねじ切り、部分的にねじ切り、または螺旋状のブレードであり得、および/またはシャフトが患者の骨に係合可能になる一つ以上の鋲、展開可能なタロン、拡張可能な要素、突出部、または任意の機構を含み得る。また、締結具がペグまたはピンの形態を取るように、シャフトがねじ式ではないことも可能である。この代替的な実装例は、例えば、主な目的が骨セグメントの傾斜を防止することである特定の処置で、または締結具が患者の骨から引き出される懸念がなく、したがって、シャフトがねじ込まれる、またはそうでなければ患者の骨に係合するように構成される必要がない処置で、好ましい場合がある。シャフトの端部は、自己タッピングまたは自己穿孔の先端であり得る。
【0067】
締結具は、長さおよび/または外径を含む、異なる寸法であり得る。例えば、締結具は、約1.0ミリメートル(mm)、約2.0mm、約2.7mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約5.0mmの外径、および前述の任意の値または範囲(端点を含む)を有し得る。
【0068】
いずれにしても、残りの開示から容易に明らかとなるように、本開示は、QLSおよび/または骨盤縁を含むがこれらに限定されない、ヒト骨盤の様々な部分上に、その内部に、隣接して、および/またはその他の位置に、骨プレートを位置決めおよび固定するためのより高い可撓性を提供するように配置および構成された一つ以上の特徴を含む、骨プレートの実施例を重視する。
【0069】
さらに、骨プレートが、様々な移植処置を使用して、骨プレートの患者の骨盤骨に対する移植を可能にする一方、他の利点の中でも、患者の軟組織の刺激を最小化するように配置および構成された一つ以上の特徴、および骨プレートの患者の骨に対するより良好な位置決めを容易にするため、改善された輪郭形成を提供するために、一つ以上の特徴を含み得る。移植処置の非限定的な実施例としては、中間窓アプローチ、Stoppaアプローチ、修正Stoppaアプローチ、前方アプローチ、腸内耳(IL)アプローチ、および/または同種のものを挙げることができる。
【0070】
骨盤骨プレートが、本開示の一部の実施例で使用されるものの、実施例は、そのように限定されない。したがって、本開示が、具体的に請求されない限り、骨プレートおよび/または挿入処置の任意の特定の構成に限定されるべきではないことは、理解されるべきである。さらに、本開示が、骨盤固定プレートを対象として記載および示される一方、本開示の特徴が、適用性を有し、例えば、上腕骨プレート、大腿骨プレート、脛骨プレートなどの他の骨プレートに関連して使用され得ることは、理解されるべきである。例えば、大腿骨プレートは、移植処置の間に、プレートの微細な所定の調整を可能にする細長いスロットを含み得る。そのため、本開示は、明示的に請求されない限り、任意の特定の骨プレートまたは骨プレート構成に限定されるべきではない。
【0071】
図1Aは、本開示に係る、suprapectineal骨プレートの斜視図を示す。
図1Aに示すように、骨プレート100は、一つ以上のブリッジ、ポスト、接続セグメント、および/または同種のもの103を介して、QLSセグメント102に結合された縁セグメント101を含み得る。骨プレート100が複数のブリッジ103を含むが、図を簡略化するために、ラベル付けされるのは一つのみである。一部の実施例では、ブリッジ103は、最適な適合を達成するために、縁セグメント101およびQLSセグメント102の相対位置を変更可能にするように可鍛性であり得る。
【0072】
本明細書に記載されるように、骨プレート100は、骨盤骨プレートの形態であり得る。すなわち、骨プレート100は、患者の骨盤に隣接して、特に、QLSおよび骨盤縁に隣接した骨盤の内面内に位置決めするように配置および構成され得る(例えば、
図1Bを参照)。さらに、本明細書に記載されるように、骨プレート100は、骨プレート100が外科処置の間に、患者の骨盤への動的位置決めおよび固定を容易にするように、一つ以上の特徴を含み得る。
【0073】
さらに、本明細書に記載されるように、骨プレート100は、骨プレート100が、例えば、軟組織刺激を低減することにより、経皮的挿入などのより簡便に挿入を容易にするように、一つ以上の特徴を含み得る。さらに、および/または代替的に、骨プレート100は、骨プレートの患者の骨に対するより良好な位置決めを容易にするため、改善された輪郭形成を提供するために、一つ以上の特徴を含み得る。
【0074】
一部の実施例では、骨プレート100は、縁セグメント101が骨盤縁上またはその上に配置されるように構成される、suprapectinealプレートとして形成され得る。
図1Bを参照すると、本開示に係る、骨盤120上に移植された
図1Aの骨プレート100が示される。
図1Bに示すように、縁セグメント101は、骨盤120の骨盤縁121を輪郭形成、適合、またはその他の方法でそれに対応するように配置され得る(対照的に、infrapectinealプレートについては
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4Eおよび
図4Fならびに
図5を参照)。QLSセグメント102は、骨盤120のQLS122上に、または直接隣接して固定されるように構成され得る。
【0075】
一部の実施例では、骨プレート100は、一つ以上の様々な種類のスロット110~112を含み得る。スロットの非限定的な実施例としては、非ロックスロット110、ロックスロット111、細長いスロット112、および/またはその可変角度形態が含まれ得る。複数の各種類のスロット110~112が
図1Aおよび
図1Bに示されるものの、図を簡略化するために、ラベル付けされているものは一つのみである。
【0076】
一部の実施例では、縁セグメント101は、その表面に配置された一連のスロット110~112を有する一部分であり得、またはそれを含み得る。縁セグメント101は、骨盤縁121の少なくとも一部分の輪郭に追従する、または実質的に追従し、かつそれに沿って長手方向に延在するように構成され得る。縁セグメント101は、骨盤縁121上の固定位置に沿った形状に適合する、または実質的に適合するように輪郭形成され得る。縁セグメント101は、一部の実施例に係る、様々な幅および長さを有し得る。幅の非限定的な実施例は、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)を含み得る。長さの例示的および非限定的な実施例は、約10mm、約20mm、約30mm、約40mm、約50mm、約100mm、約110mm、約120mm、約130mm、約140mm、約150mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(端点を含む)を含み得る。一部の実施例では、例えば、縁セグメント101の長さは、腸骨窩から骨盤の恥骨ラムスまで延在するのに十分な長さであり得る。
【0077】
さらに、スロット間の距離(「スロット距離」)は、一部の実施例に係り構成され得る。例えば、スロット距離は、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(端点を含む)であり得る。一部の実施例では、スロット距離は、QLSセグメント102と比較して、縁セグメント101上で異なり得る。
【0078】
細長いスロット112は、一部の実施例に係り構成された(例えば、
図1Bを参照して、細長いスロットの第一の端部161から細長いスロット112の反対の端部162まで長手方向に延在する)スロット長さを有し得る。様々な実施例では、スロット長さは、約3mm、約5mm、約7mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(端点を含む)であり得る。
【0079】
一般に、細長いスロット112は、一つの寸法(例えば、幅と比較した長さ)がより長い。例えば、細長いスロット112は、短い寸法での骨プレート100の移動を防止または実質的に防止するために、両側に(または最小限の移動により)挿入された締結具に接触する短い寸法と、長い寸法での移動を容易にするために、骨プレート12の実質的な移動なしに、両側が挿入された締結具に接触しない長い寸法(例えば、端部161から端部162まで、短い寸法に垂直)と、を有し得る。締結具が細長いスロット112を通って挿入される場合、短い方向への移動は、防止または実質的に防止され得る(すなわち、短い寸法の側面は、締結具に接触する)。しかしながら、長い方向の移動により、締結具が細長いスロット112を通って、骨盤120の骨内に挿入される場合、骨プレート100の移動が容易にされ得る。一部の実施例では、細長いスロット112は、楕円形または実質的に楕円形の形状(円形スロットと比較して)を有し得る。
【0080】
一部の実施例では、QLSセグメント102は、QLS122の一部分に適合する、または部分的に適合するように形状設定され得る。様々な実施例では、QLSセグメント102が、三角形または実質的に三角形の形状(すなわち、三つの辺、三つの角度、および三つの頂点を有する閉じた二次元形状)を含み得、または有し得るが、他の形状または形態も本開示で想定される。一部の実施例では、QLSセグメント102は、セグメント130~134などの複数のセグメント(またはサブセグメント)で形成され得る。様々な実施例では、セグメント130~134のうちの一つ以上は、スロット110~112を含み得る。一部の実施例では、QLSセグメント102は、いかなるスロット110~112も含まない場合がある(例えば、QLSセグメント102は、スロット110~112なしのセグメント130~134を含み得る)。
【0081】
一部の実施例では、スロット110~112は、異なるサイズの締結具を収容するようにサイズ設定され得る。非限定的な実施例は、約2.7mmの締結具または約3.5mmの締結具を受容するように構成されたスロット110~112を含み得る。様々な実施例では、異なるサイズのスロット110~112は、QLSセグメント102と比較して、縁セグメント101上に配置され得る。例えば、縁セグメント101上のスロット110~112は、3.5mmの締結具を収容し得、QLSセグメント102上のスロット110~112は、2.7mmの締結具を収容し得る。
【0082】
様々な実施例では、縁セグメント101およびQLSセグメントのうちの少なくとも一つは、細長いスロット112を含み得る。細長いスロット112は、それを通って骨盤骨内に延在する締結具の周りのある程度の移動または長さの移動を可能にするようにサイズ設定され得る(しかし、移動を可能にするよう完全には締められていない)。例えば、実質的な移動の長さ(例えば、
図1Bを参照して、方向E(または実質的に方向E)に限定する意図なしに)は、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約10mm、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)であり得る。別の実施例では、実質的な移動の程度(例えば、骨プレート100の中央を通って延在する長手方向軸を通る回転の程度)は、約1度、約2度、約3度、約4度、約5度、約10度、および前述のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)であり得る。
【0083】
一部の実施例では、縁セグメント101は、一つの細長いスロット112を含み得る。様々な実施例では、縁セグメント101は、複数の細長いスロット112を含み得る。一部の実施例では、QLSセグメント102は、一つの細長いスロット112を含み得る。様々な実施例では、QLSセグメント102は、複数の細長いスロット112を含み得る。一部の実施例では、縁セグメント101および/またはQLSセグメントは、1つの細長いスロット112、2つの細長いスロット112、3つの細長いスロット112、4つの細長いスロット112、5つの細長いスロット112、10個の細長いスロット112、またはこれらの値のいずれか二つの間の任意の値または範囲(端点を含む)を含み得る。実施例は、これに関連して限定されない。
【0084】
一部の実施例では、細長いスロット112は、例えば、骨プレート100に対して骨プレートの配向を有し得る。例えば、スロット112-1(縁の細長いスロット)および112-2(QLSの細長いスロット)は、互いに対して異なる平面に配置され得る。
図1Aを参照すると、一つの実施例では、骨プレートの配向は、骨プレート100の中央を通って垂直に延在する線Cに対してであり得る。しかしながら、細長いスロット112の骨プレートの配向は、他の寸法、例えば、骨プレート100(図示せず)を通って長手方向に延在する線、セグメント、および/または同種のものに対して決定され得る。例えば、線Bは、スロット112-1を通って、長手方向または長さ方向に延在する。一部の実施例では、線Bは、線Cと平行または実質的に平行であり得る。別の実施例では、線Bは、線Cから10度配向され得る(例えば、線Bと線Cの交点によって生成される角度)。線Bは、0度(平行または実質的に平行)、1度、5度、10度、20度、30度、40度、45度、50度、60度、90度(垂直または実質的に垂直)、120度、150度、および前述の値のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)を含むがこれらに限定されない、線Cに対して様々な角度で配向され得る。
【0085】
さらに、細長いスロット112は、互いに対してスロット間配向を有し得る。例えば、
図1Aを参照すると、細長いスロット112-1および細長いスロット112-2は、それぞれ、それを通って長手方向または長さ方向に延在する線AおよびBを有し得る。線AおよびBが交差すると、スロット配向角度Xが形成され得、細長いスロット112-1と細長いスロット112-2との間にスロット間配向が提供される。一部の実施例では、縁セグメント101は、少なくとも一つの細長いスロット(スロット112-1など)を有し得、QLSセグメント102は、少なくとも一つの細長いスロット(スロット112-2など)を有し得る。スロット112-1およびスロット112-2は、平行または実質的に平行、垂直または実質的に垂直、および/または平行と垂直との間の角度であるスロット間配向を有し得る。スロット間配向角度の非限定的な実施例は、約0度(すなわち、平行または実質的に平行)、約1度、約5度、約10度、約20度、約30度、約40度、約45度、約50度、約60度、約90度(すなわち、垂直または実質的に垂直)、約120度、約150度、および前述の値のいずれかの間の任意の値または範囲(終点を含む)を含み得る。
【0086】
一部の実施例では、QLSセグメント102は、セグメント134などの一つのセグメント130~134上に細長いスロット112を有し得る。他の実施例では、QLSセグメント102は、セグメント130~134のうちの一つ以上の上に一つ以上の細長いスロットを有し得る。
【0087】
スロットは、ロックスロットまたはロックねじスロット111の形態であり得る。すなわち、当業者が理解するように、ロックスロット111は、骨締結具のヘッド部分の外面に形成されたねじと嵌合するための、その内面に形成された複数のねじを含み得る。このように配置された、骨締結具は、ロックスロット111を介して、骨プレート100にロックされると言われ得る。すなわち、当業者が理解するように、骨締結具は、骨プレート100内に形成されたロックスロット111のうちの一つを通って、患者の骨内にねじ込まれる。骨締結具は、骨プレート100内に形成されたねじ付きロックスロット111と協働する骨締結具のヘッド部分上に形成されたねじを介して、骨プレート100に固定される。これにより、骨プレート100が患者の骨に対して固定され、剛直な固定が骨プレート100と骨締結具との間に提供される。すなわち、骨締結具のヘッド部分が、骨プレート100のロックスロット111内に形成されたねじと相互嵌合するため、骨プレート100および締結具は、安定したシステムまたは構造物を形成し、骨折の安定性は、構造物の剛性に依存し得る、またはそれによって補助され得る。骨締結具を骨プレート100内にロックすることで、角度および軸方向の安定性が達成され得、骨締結具が切り替え、摺動、または外れる可能性が排除され、術後の整復喪失のリスクを低減する。
【0088】
スロット110および/または111は、非ロックまたは可変角度設定(例えば、多軸)の骨締結具を受容するための、その中に形成された複数の可変角度設定のスロットを含み得る。可変角度設定のスロットは、使用時に、その中に挿入された骨締結具が、例えば、骨プレート100にねじ込み可能に結合される従来のロックねじと比較して、より大きい挿入角度の範囲を達成可能にするように配置および構成される。例えば、一部の実施例では、骨締結具の角度位置が、およそ±15度の範囲により回転され得るが、許容可能な多軸回転の範囲は、15度よりも大きいおよび小さいものを含んで、変化し得る。可変角度設定のスロットは、使用時に、骨プレート100に対する骨締結具の多軸位置決めまたは角度設定を可能にするために、現在既知である、または今後開発される任意の好適な様式、構成などで提供され得る。
【0089】
一部の実施例では、可変角度設定のスロットは、スロットの内面から半径方向内側に、スロットの内部領域内に延在し、骨締結具のヘッド部分に係合またはそれと協働するように構成される、フィンまたは突起部を含み得る。フィンは、使用時に、骨締結具を、可変角度設定のスロット内の所望の位置で、かつ所望の角度の配向で固定するために、骨締結具のヘッド部分に係合する。可変角度設定のスロット、ならびにフィンの動作および構成の非限定的な実施例は、「Systems and Methods for Using Polyaxial Plates」と題する米国特許第10,092,337号、「Variable Angle Locking Implant;」と題する米国特許出願第13/524,506号、および/または「Orthopedic Implant with Improved Variable Angle Locking Mechanism.」と題する国際PCT特許出願第WO20200247381号に記載され得る。
【0090】
骨プレート100は、スロット110~112のスロットパターンを有し得る。一部の実施例では、骨プレート100は、縁セグメント101上のスロットの縁スロットパターン、およびQLSセグメント102上のスロットのQLSスロットパターンを有し得る。スロットパターンは、スロット110~112の数、スロット110~112の配向、スロット110~112の配置、異なる種類のスロット110~112の数、スロット寸法、スロット間の距離、および/またはスロットパターンに寄与する他の特徴を含み得る。
【0091】
図1Aおよび
図1Bに示すように、スロットパターンは、縁セグメント101上に一つの細長いスロット112-1、およびQLSセグメント102上に一つの細長いスロット112-2を含み得る。QLSスロットパターンは、細長いスロット112-2を除いて、すべてのロックスロット111を含み得る。縁スロットパターンは、非ロックスロット110とロックスロット111の繰り返しパターンを含み得、細長いスロット112-1が、一つの非ロックスロット110と一つのロックスロット111との間に配置される。実施例は、これに関連して限定されない。
【0092】
締結具は、締結具がスロット110~112を通って、骨盤120内に延在するが、骨プレート100を骨盤120に固定的に挟持または保持するように締め付けられないように、スロット110~112の特定のスロットを通って非剛直に(または緩く)配置され得る。したがって、締結具がスロット110~112(または最小数のスロット110~112)内に非剛直に配置される場合、骨プレート100は、例えば、線Dが示すように、線Cの周りの略上位/下位の方向の回転などの制限された移動の自由度を有し得る。骨プレート100の非剛直の固定は、骨プレート100が、力が発生せずに、「ぶら下がっている」または移動可能であることを必ずしも意味するわけではない。一般に、非剛直に配置された締結具により、明白な労力なく、または骨、組織、または他の構造物を損傷することなく、手動(ツールを含む)による移動が可能になる。
【0093】
一部の実施例では、細長いスロット112は、上位/下位、内側/外側、および/または同種のものなど、様々な種類の移動を提供するように配置され得る。一部の実施例では、細長いスロット112の配向(例えば、締結具の周りの移動を可能にする、細長いスロットの長手方向軸の配向)は、一つ以上の移動方向を提供するように構成され得る。一部の実施例では、様々な細長いスロット112(またはその組み合わせ)は使用され得、一つ以上の移動方向を提供する。例えば、細長いスロット112-1および112-2は、上位/下位の移動を容易にするために使用され得る。別の実施例では、細長いスロット112-1および112-2は、使用されない場合があり、別の組のスロット(図示せず)は、内側/外側の移動を提供するように配置され得る。
【0094】
スロット110および/または111内に非剛直に配置された締結具は、非常に限定的な動作範囲、例えば、0.5mm未満の回転長さのみを可能にし得る。しかしながら、細長いスロット112の細長い開口部に起因して、骨プレート100は、その中に非剛直に配置された締結具により、増加した動作範囲を有し得る。例えば、骨プレート100は、締結具が細長いスロット内に非剛直に配置される場合、約0.5mm~約2mmの動作範囲を有し得る。
【0095】
したがって、一部の実施例に係る骨プレートは、外科医が、患者の骨盤構造への最適な嵌合を達成するため、骨プレートの最終的な個別の移動を提供するために、移植処置の間に、骨プレートを移動する、またはそうでなければ調整可能にするように構成され得る。例えば、プレートを、最終的な移植ステップのために定位置に保持するようにも機能する、締結具が一旦挿入されると、プレートの微細な別個の移動が不可能であるため、外科医が、従来のプレートを使用して、手術中に骨盤への最適な適合を達成することは困難である。外科医は、(骨プレートを手動で保持する必要なく)骨プレートを定位置に維持する一方、(補正を要する従来の装置による、より大きい、典型的に誤った移動とは対照的に)小さい移動の調整を可能にすることを望む場合がある。しかしながら、細長いスロットの使用を含む、スロットパターンの構成により、一部の実施例に係る骨プレートの外科手術間の移動は、QLS内、および骨盤縁に隣接して、または骨盤縁上で、骨プレートの最適な適合を達成することは可能である。
【0096】
骨プレートが、様々なパターンのスロットで本開示に示されるが、すべてのスロットが、一部の実施例に係る骨プレートを使用して、医療処置中に締結を要するわけではない。例えば、締結具は、利用可能なスロットのすべてを使用することなく、骨プレートを、骨盤または他の骨構造に固定するために使用され得る。
【0097】
一部の実施例は、骨プレート形状および/またはスロットパターンを決定するように動作可能なプレート構成プロセスまたは方法を含み得る。様々な実施例では、プレート構成プロセスのすべてまたは一部は、特別にプログラムされたコンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して、コンピュータ実装方法によって行われ得る。例えば、プレート構成プロセスのすべてまたは一部は、患者にコンピュータ支援および/またはロボット支援の外科手術を実施するためのコンピュータ支援外科手術システム(CASS)によって実施され得る。
【0098】
一部の実施例では、プレート構成プロセスは、とりわけ、患者および/または関連する患者集団に関する統計的平均骨盤モデルに基づいて、骨プレート形状を決定するように動作し得る。様々な実施例では、スロットパターンは、例えば、移植処置の間に作られた切開を通して、一つ以上の細長いスロットへのアクセスを提供するために、移植処置の種類に基づいて、選択され得る。例えば、第一のスロットパターンは、特定の切開を介して、および/または特定の処置の特定のステップの間に、一つ以上の特定のスロットへのアクセスを可能にするために、中央窓移植処置のために選択され得、第二のスロットパターンは、Stoppa処置などのために選択され得る。一部の実施例では、細長いスロットのスロットパターンにより、骨プレートが、その中に配置された締結具の周りで、上位-下位または実質的に上位-下位の方向に移動可能になり得る。
【0099】
一部の実施例では、骨プレートは、(例えば、恥骨結節から仙骨(SI)関節近傍まで)骨盤縁上に余分な被覆を提供するようにプレート輪郭により構成され得る。骨プレートは、骨プレートが必要に応じて、最終適合のために手動または半手動で輪郭形成され得るように、可鍛性材料で形成され得る。
【0100】
一部の実施例では、非ロックおよび可変角度ロック孔は、縁セグメント上で使用され得、これは、高齢者集団のニーズに対処するためを含むがこれに限定されない、様々な骨に関する問題に対処し得る。例えば、QLSセグメントの可変角度ロックスロットは、低品質の骨の存在下で、ねじの角度測定および骨折固定を可能にするように動作し得る。一部の実施例では、四辺形部分上のバー(例えば、セグメント133)および/または孔などの要素は、骨プレートを骨に圧縮し、偏在化するために、クランプまたは他の装置によって使用され得る。
【0101】
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図2Eおよび
図2Fは、本開示に係る、suprapectineal骨プレートの複数の図を示す。
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図2Eおよび
図2Fに示すように、骨プレート100は、ブリッジ103を介して、QLSセグメント102に結合された縁セグメント101を有する、suprapectineal骨プレートを含み得る。骨プレート100は、スロット110~212のスロットパターンを含む。骨プレート100は、縁セグメント101上に配置された二つの細長いスロット112と、QLSセグメント102上に配置された一つの細長いスロット112と、を含む。QLSスロットパターンは、ロックスロット111の大部分を有する複数のスロット110~212を含む(例えば、11個のスロットのうち8個のスロットは、ロックスロットである)。縁スロットパターンは、非ロックスロット110とロックスロット111の交互パターンを含み、細長いスロット112が、特定の他のスロットの間に配置される。
【0102】
図3は、本開示に係る、骨盤上に移植されたsuprapectineal骨プレートを示す。
図3に示すように、骨プレート100は、ブリッジ103を介して、QLSセグメント102に結合された縁セグメント101を有する、suprapectineal骨プレートを含み得る。骨プレート100は、骨盤320の骨盤縁321上またはその上に固定された縁セグメント101、および骨盤320のQLS322に固定されたQLSセグメント102を有するように構成され得る。
【0103】
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4Eおよび
図4Fは、本開示に係る、infrapectineal骨プレートの複数の図を示す。
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4Eおよび
図4Fに示すように、骨プレート400は、ブリッジ103を介して、QLSセグメント102に結合された縁セグメント101を有する、infrapectineal骨プレートを含み得る。骨プレート400は、スロット110~112のスロットパターンを含む。骨プレート400は、縁セグメント101上に配置された一つの細長いスロット112を含み、QLSセグメント102上に配置された細長いスロット112を含まない。QLSスロットパターンは、全てがロックスロット111として構成された複数のスロット110~112を含む。縁スロットパターンは、非ロックスロット110とロックスロット111の交互パターンを含み、細長いスロット112が、非ロックスロット110とロックスロット111との間に配置され、ブリッジ103に直接結合される。
【0104】
図5は、本開示に係る、骨盤上に移植されたinfrapectineal骨プレートを示す。
図5に示すように、骨プレート400は、ブリッジ103を介して、QLSセグメント102に結合された縁セグメント101を有する、infrapectineal骨プレートを含み得る。骨プレート400は、骨盤520の骨盤縁521に直接隣接するが、下方にまたは実質的に下方に固定された縁セグメント101、および骨盤520のQLS522に固定されたQLSセグメント102を有するように構成され得る。
【0105】
【0106】
【0107】
図8は、方法フロー800の実施例を示す。方法フロー800は、例えば、オペレータ(例えば、外科医)、論理装置(例えば、CASシステム)、又はそれらの組み合わせによって、本明細書の一部の実施例に係り構成された骨プレートを移植するための骨プレート移植プロセスの一部または全ての操作を表し得る。
【0108】
方法フロー800は、ブロック802で、骨プレート構成を決定することを含み得る。例えば、外科医または他の医療従事者は、特定の患者の特徴、好み、および/または類似のものに基づいて、骨プレートの特性を決定し得る。非限定的な特性には、材料、サイズ、縁セグメントの予め形成された輪郭、QLSセグメント、および/または同種のものが含まれ得る。一部の実施例では、骨プレート構成を決定することは、ブロック804で、スロットパターンを決定することを含み得る。一部の実施例では、スロットパターンは、骨強度および品質、標的表面の領域(例えば、QLS、骨盤縁)、および/または同種のものなどの患者特性に基づいて、決定され得る。様々な実施例では、スロットパターンの少なくとも一部分は、特定の移植処置の間に、アクセス切開に基づく細長いスロットの選択など、移植処置に基づいて、決定され得る。
【0109】
ブロック806では、方法フロー800は、移植処置を開始することを含み得る。ブロック806は、外科手術計画に基づいて、患者に対する特定の移植処置(例えば、中央窓処置)の実施を含む、相互動作可能な段階である。移植処置の間に、骨プレートは、一つ以上の切開を通して患者に移植される。
【0110】
方法フロー800は、ステップ808で、インプラントを骨に緩く固定することを含み得る。例えば、一つ以上の締結具は、一つ以上の細長いスロットを含む、骨プレート内のスロットを介して、骨に挿入され得る。骨プレートは、非剛直または緩い固定中に定位置に保持され得るが、手動の力により、一部の実施例に係る細長いスロットの周りを移動され得る。
【0111】
ブロック810では、方法フロー800は、細長いスロットを通って許容される移動を介して、骨プレートの位置に対して個別の調整を行うことを含み得る。例えば、
図1Aを参照すると、外科医は、骨プレート100を、線Cの周りの線A(例えば、上位-下位の移動)の周りで移動させ得る。このようにして、外科医は、細長いスロットを通って許容される骨盤の周りの骨プレートの移動を介して、骨プレートを最適な位置に配置し得る。
【0112】
方法フロー800は、ステップ812で、骨プレートの骨への最終的な剛直固定を含み得る。最適な適合が達成されると、外科医は、骨プレートを骨に固定するために、締結具を、スロットを通って剛直に挿入し得る。骨プレートが剛直に一旦固定されると、手動の力では、骨プレートを骨盤の周りで移動できない。
【0113】
本明細書に記載の様々な特徴によれば、骨プレートの組またはキットは、使用時に、例えば、骨盤などの骨に隣接して移植され得る一つの骨プレートを含む、比較的少ない数の骨プレートを含有する。本明細書に記載の特徴によれば、適切な剛性または強度を提供する骨プレートが開示される一方、患者の骨盤に適合し、骨盤上の最適な位置に骨プレートを効果的かつ効率的な設置を容易にするために、十分な可撓性を依然として提供することが開示される。さらに、骨プレートは、機能的な組で必要とされる異なるプレート長さの数の減少を提供する、ロックスロット、非ロックスロット、可変角度設定スロット、および/または細長いスロットを含む孔パターンを含み得る。
【0114】
上述の説明は、幅広い用途を有する。したがって、いずれの実施例または実施形態の考察も、説明のみを目的とし、特許請求の範囲を含む本開示の範囲が、これらの実施例または実施形態に限定されることを示唆することを意図するものではない。言い換えれば、本開示の例示的な実施形態が本明細書に詳述されているが、本発明の概念が、別様に様々に具現化され用いられ得ること、および添付の特許請求の範囲が、先行技術によって限定される場合を除き、このような変形例を含むように解釈されることが意図されることは、理解される。
【0115】
本明細書で使用する用語「a」または「an」が先行する物体は、一つ以上のその物体を指す。そのため、用語「a」(または「an」)、「一つ以上の」、および「少なくとも一つの」は、本明細書では交換可能に使用され得る。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、およびその変形の使用は、その後列挙される品目およびその等価物、ならびに追加の品目を包含することを意味する。したがって、用語「含む」、「備える」、または「有する」およびそれらの変形例は、非限定的表現であり、本明細書で互換的に使用され得る。本明細書で使用する語句「少なくとも一つの」、「一つ以上の」、および「および/または」は、運用において、連言的および選言的の両方である非限定的表現である。
【0116】
全ての方向の言及語(例えば、近位、遠位、上、下、上向き、下向き、左、右、側方、長手方向、前、後、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、及び反時計回り)は、特に、本開示の位置、配向、または使用に関して、読み手の本開示の理解を助けるための識別目的のみに使用され、限定を生じさせない。接続の言及語(例えば、取り付け、結合、接続、および接合)は、広く解釈されるべきであり、別途示されない限り、要素の集合体の間の中間部材、および要素間の相対的な移動を含み得る。そのため、接続の参照語は、二つの要素が直接接続され、互いに固定関係にあることを必ずしも意味しない。識別の参照語(例えば、一次、二次、第一、第二、第三、第四など)は、重要性または優先順位を示すことを意図しておらず、一つの特徴を別の特徴と区別するために使用される。図面は例示のみを目的とし、本明細書に添付された図面に反映される寸法、位置、順序、およびサイズに対する相対性は、変更され得る。
【国際調査報告】