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特表2024-534361高周波プラズマ処理チャンバ内の歪み電流の緩和
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  • 特表-高周波プラズマ処理チャンバ内の歪み電流の緩和 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】高周波プラズマ処理チャンバ内の歪み電流の緩和
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240912BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H05H1/46 R
C23C16/505
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515851
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2022040357
(87)【国際公開番号】W WO2023043558
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/475,223
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD38
2G084DD51
2G084DD55
2G084HH26
2G084HH28
2G084HH43
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA03
4K030GA02
4K030KA30
4K030KA41
4K030LA15
5F004BA04
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA06
5F004CB05
5F045AA08
5F045DP03
5F045EF01
5F045EH06
5F045EH14
5F045EH20
5F045EJ03
5F045EJ09
5F045EK07
5F045EM09
5F045GB08
5F045GB15
(57)【要約】
本明細書で提供される実施形態は、概して、歪み電流の緩和のためのプラズマ処理システム及び方法を含む。例示的なプラズマ処理システムは、入力ノードに結合された電圧源を含む。入力ノードは、処理チャンバ内に配置された電極に結合される。電圧源は、入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、出力を有する無線周波数(RF)信号生成器を含む。RF信号生成器は、第1のRF周波数の第1のRF信号を入力ノードに供給するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、RF信号生成器の出力と入力ノードとの間に結合されたバンドパスフィルタを含む。バンドパスフィルタは、第1のRF信号の第1のRF周波数を含む周波数の範囲の外側の第2のRF信号を減衰させるように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、バンドパスフィルタと入力ノードとの間に結合されたインピーダンス整合回路を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
電圧源によって、処理チャンバ内に配置された電極に結合された入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成すること、及び
無線周波数(RF)プラズマ生成器によって、第1のRF信号を少なくともバンドパスフィルタを通して前記入力ノードに供給することを含み、
前記第1のRF信号は、第1のRF周波数を有し、
前記バンドパスフィルタは、前記RFプラズマ生成器と前記入力ノードとの間に配置され、
インピーダンス整合回路が、前記バンドパスフィルタと前記入力ノードとの間に配置され、
前記バンドパスフィルタは、前記第1のRF信号の前記第1のRF周波数を含む周波数の範囲の外側の第2のRF信号を減衰させるように構成されている、方法。
【請求項2】
前記インピーダンス整合回路と前記入力ノードとの間に、信号フィルタが配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バンドパスフィルタは、並列に結合されたキャパシタとインダクタとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バンドパスフィルタは、分布定数フィルタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バンドパスフィルタは、第1の分路キャパシタ、第2の分路キャパシタ、及びインダクタと直列に結合されたキャパシタを含み、前記キャパシタ及び前記インダクタは、前記第1の分路キャパシタと前記第2の分路キャパシタとの間に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バンドパスフィルタは、50以上の品質係数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのキャパシタを有する前記バンドパスフィルタの中心周波数を、前記第1のRF信号の前記第1のRF周波数と一致するように調整し、前記第1のRF周波数において前記第1のRF信号のピーク電力を可能にすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処理チャンバから反射された前記第2のRF信号を減衰させるために、前記バンドパスフィルタの帯域幅を調整することを更に含み、前記バンドパスフィルタの前記帯域幅を調整することは、前記帯域幅を前記第1のRF信号の前記第1のRF周波数から±5%以内に調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のRF信号を生成することは、
前記第1のRF信号の出力周波数の範囲を通してスイープすること、
前記バンドパスフィルタを通る前記第1のRF信号のピーク電力を提供する周波数を前記出力周波数の範囲から選択すること、及び
選択された前記周波数の前記第1のRF信号を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のRF信号を生成することは、少なくともRFサーキュレータ及び前記バンドパスフィルタを通して前記第1のRF信号を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記処理チャンバから反射された信号の電力を前記RFサーキュレータにおいてモニタすること、及び
モニタされた前記電力がある持続時間にわたり閾値以上である場合、前記第1のRF信号の生成を停止することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
入力ノードに結合された電圧源であって、前記入力ノードは処理チャンバ内に配置された電極に結合され、前記電圧源は前記入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成するように構成されている、電圧源、
出力を有する無線周波数(RF)信号生成器であって、第1のRF周波数の第1のRF信号を前記入力ノードに供給するように構成されているRF信号生成器、
前記RF信号生成器の前記出力と前記入力ノードとの間に結合されたバンドパスフィルタであって、前記第1のRF信号の前記第1のRF周波数を含む周波数の範囲の外側の第2のRF信号を減衰させるように構成されているバンドパスフィルタ、及び
前記バンドパスフィルタと前記入力ノードとの間に結合されたインピーダンス整合回路を備える、プラズマ処理システム。
【請求項13】
前記インピーダンス整合回路と前記入力ノードとの間に配置された信号フィルタを更に備える、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項14】
前記バンドパスフィルタは、並列に結合されたキャパシタとインダクタとを含む、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項15】
前記バンドパスフィルタは、分布定数フィルタを含む、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項16】
前記バンドパスフィルタは、第1の分路キャパシタ、第2の分路キャパシタ、及びインダクタと直列に結合されたキャパシタを含み、前記キャパシタ及び前記インダクタは、前記第1の分路キャパシタと前記第2の分路キャパシタとの間に結合されている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項17】
前記バンドパスフィルタは、50以上の品質係数を有する、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項18】
前記RF信号生成器は、前記第1のRF信号の出力周波数の範囲を通してスイープするように構成され、
前記プラズマ処理システムは、
メモリ、並びに
前記メモリに結合されたプロセッサを更に備え、前記プロセッサ及び前記メモリは、前記バンドパスフィルタを通る前記第1のRF信号のピーク電力を提供する周波数を前記出力周波数の範囲から選択するように構成され、
前記RF信号生成器は、選択された前記周波数の前記第1のRF信号を生成するように構成されている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項19】
メモリ、並びに
前記メモリに結合されたプロセッサを更に備え、前記メモリは指示命令を含み、前記指示命令は、前記プロセッサによって実行されると、
前記処理チャンバから反射された信号の電力をRFサーキュレータにおいてモニタすること、及び
モニタされた前記電力がある持続時間にわたり閾値以上である場合、前記RF信号生成器における前記第1のRF信号の生成を停止すること、を実行するように構成されている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項20】
処理チャンバ内に配置された電極に結合された入力ノードに結合された電圧源であって、前記入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成するように構成されている電圧源、
出力を有する無線周波数(RF)信号生成器であって、前記入力ノードにおいて前記パルス電圧信号に重畳されるRF信号を生成するように構成されているRF信号生成器、
前記RF信号生成器の前記出力と前記入力ノードとの間に結合されたRFサーキュレータ、
メモリ、並びに
前記メモリに結合されたプロセッサを備える、プラズマ処理システムであって、前記プロセッサ及び前記メモリは、
前記処理チャンバから反射された信号の電力を前記RFサーキュレータにおいてモニタすること、及び
モニタされた前記電力がある持続時間にわたり閾値以上である場合、前記RF信号生成器における前記RF信号の生成を停止すること、を実行するように構成されている、プラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、半導体デバイス製造に使用されるシステムに関する。特に、本開示の実施形態は、基板を処理するために使用されるプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高いアスペクト比のフィーチャを確実に生成することは、次世代の半導体デバイスにとって重要な技術課題の1つである。高いアスペクト比のフィーチャを形成する1つの方法は、プラズマ支援エッチングプロセスを使用する。その場合、処理チャンバ内でプラズマが生成され、プラズマからのイオンが基板の表面に向けて加速され、基板の表面に形成されたマスク層の下方に配置された材料層内に開口部が形成される。
【0003】
[0003] 典型的なプラズマ支援エッチングプロセスでは、処理チャンバ内に配置された基板支持体上に基板が配置され、基板の上にプラズマが生成され、イオンが、プラズマからプラズマシース(すなわち、プラズマと基板の表面との間に生成された電子が枯渇した領域)を横切って基板に向けて加速される。
【0004】
[0004] 特定の複数の場合では、プラズマ処理が、異なる周波数を有する入力電力の組み合わせを使用し得る。例えば、低周波数パルス電圧信号(例えば、100kHzから5MHz)と高周波の無線周波数(RF)信号(例えば、10MHzから200MHz)である。プラズマと振動するシースとは、非線形負荷を構成し得る。非線形負荷は、入力電力から歪みを生成し得る。歪み電流は、RF信号の周波数より高い又は低い周波数の帯域などの、RF信号の側波帯(サイドバンド)を含み得る。例えば、第1のソースによって提供される高いRF周波数f1と第2のソースによって提供される低いパルス電圧信号周波数f2とが使用される場合、歪み電流は、f1とf2の和及び/又は差を含み、周波数f1に近い側波帯周波数f1-f2とf1+f2をもたらし得る。特定の複数の場合では、歪み電流が高調波歪みを含み得る。例えば、矩形パルス波形や調整された波形が使用される場合、その波形に関連付けられた高調波周波数の和が側波帯に寄与し得る。歪み電流は、電源(例えば、RF信号生成器)に戻り、反射電力として現れることがある。低周波数源から生成されたパルス電圧信号内で提供される低周波数バイアス電力からRF信号生成器を保護するために、信号フィルタがRF信号生成器の出力に配置されてよい。信号フィルタは、プラズマ負荷から戻ってくる反射された歪み電流の全てをブロックできない可能性がある。RF反射電力はモニタされ、システム安全インターロックループをトリガすることで、プロセスチャンバ内の急激な異常変化から保護することができる。このような安全対策は、基板処理動作を中断させる可能性がある。特定の複数の場合では、反射電力が、電源及び/又は他の電気部品を損傷し得る。特定の複数の場合では、反射電力がまた、基板処理の結果にも影響を与え得る。
【0005】
[0005] したがって、プラズマ支援エッチングプロセスの結果及びプラズマ支援エッチングハードウェアへの歪み電流の効果を緩和することができるプラズマ処理及びバイアス方法が、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書で提供される複数の実施形態は、広くは、処理チャンバ内で基板をプラズマ処理するための波形を生成するための装置、プラズマ処理システム、及び方法を含む。
【0007】
[0007] 本開示の一実施形態は、プラズマ処理システムを対象とする。プラズマ処理システムは、概して、入力ノードに結合された電圧源を含む。入力ノードは、処理チャンバ内に配置された電極に結合される。その場合、電圧源は、入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、出力を有する無線周波数(RF)信号生成器を含む。その場合、RF信号生成器は、第1のRF周波数の第1のRF信号を入力ノードに供給するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、RF信号生成器の出力と入力ノードとの間に結合されたバンドパスフィルタを含む。その場合、バンドパスフィルタは、第1のRF信号の第1のRF周波数を含む周波数の範囲の外側の第2のRF信号を減衰させるように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、バンドパスフィルタと入力ノードとの間に結合されたインピーダンス整合回路を含む。
【0008】
[0008] 本開示の一実施形態は、プラズマ処理システムを対象とする。プラズマ処理システムは、概して、処理チャンバ内に配置された電極に結合された入力ノードに結合された電圧源を含む。その場合、電圧源は、入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、出力を有するRF信号生成器を含む。その場合、RF信号生成器は、入力ノードにおいてパルス電圧信号に重畳される(overlaid)RF信号を生成するように構成されている。プラズマ処理システムは、更に、RF信号生成器の出力と入力ノードとの間に結合されたRFサーキュレータを含む。プラズマ処理システムは、更に、メモリとメモリに結合されたプロセッサとを含む。プロセッサ及びメモリは、処理チャンバから反射された信号の電力をRFサーキュレータにおいてモニタし、モニタされた電力がある持続時間にわたり閾値以上である場合、RF信号生成器におけるRF信号の生成を停止するように構成されている。
【0009】
[0009] 本開示の一実施形態は、基板を処理する方法を対象とする。該方法は、概して、電圧源によって、処理チャンバ内に配置された電極に結合された入力ノードにおいてパルス電圧信号を生成すること、及び、信号生成器によって、第1のRF信号を少なくともバンドパスフィルタを通して入力ノードに供給することを含む。その場合、第1のRF信号は、第1のRF周波数を有し、バンドパスフィルタは、RF信号生成器と入力ノードとの間に配置され、インピーダンス整合回路が、バンドパスフィルタと入力ノードとの間に配置され、バンドパスフィルタは、第1のRF信号の第1のRF周波数を含む周波数の範囲の外側の第2のRF信号を減衰させるように構成されている。
【0010】
[0010] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011] 本明細書で説明される方法を実施するように構成された、1以上の実施形態による処理システムの概略断面図である。
図2A】[0012] 1以上の実施形態による、処理チャンバの電極に印加され得る電圧波形を示す。
図2B】[0013] 処理チャンバの電極に印加される電圧波形に起因して基板上に確立された電圧波形を示す。
図3】[0014] 歪み電流の緩和のためにバンドパスフィルタを採用した例示的なプラズマ処理システムを示す図である。
図4A】[0015] 図4A図4Cは、例示的なバンドパスフィルタの図である。
図4B図4A図4Cは、例示的なバンドパスフィルタの図である。
図4C図4A図4Cは、例示的なバンドパスフィルタの図である。
図5】[0016] 例示的なバンドパスフィルタの周波数応答のグラフである。
図6】[0017] バンドパスフィルタを使用する歪み電流の緩和のための方法を示すプロセスフロー図である。
図7】[0018] 歪み電流の緩和のためにRFサーキュレータを採用した例示的なプラズマ処理システムを示す図である。
図8】[0019] RFサーキュレータを使用する歪み電流の緩和のための方法を示すプロセスフロー図である。
図9】[0020] 歪み電流の緩和のためにバンドパスフィルタ及びRFサーキュレータを採用した例示的なプラズマ処理システムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0021] 理解し易くするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。ある態様において開示された要素は、特定の記載なしに他の複数の態様において有益に利用され得ることが企図される。
【0013】
[0022] 技術ノードが2nmに向けて進歩するにつれて、より高いアスペクト比を有するより小さいフィーチャの製造は、プラズマ処理のための原子精度(atomic precision)を必要とする。プラズマイオンが主要な役割を果たすエッチングプロセスでは、イオンエネルギー制御が半導体機器産業にとって困難である。従来のRFバイアスアプローチでは、プラズマを励起し、イオンを加速するために、正弦波を使用する。
【0014】
[0023] 本開示の幾つかの実施形態は、概して、複雑なプラズマ負荷から(1以上の)信号源に反射し戻される歪み電流の緩和のための技法及び装置を対象とする。例えば、無線周波数(RF)信号生成器の出力とプラズマ負荷との間に、バンドパスフィルタが配置され得る。特定の複数の態様では、RF信号生成器及び/又はバンドパスフィルタの調整を行って、プラズマ負荷への入力電力を増加させ、及び/又は、プラズマ負荷からの歪み電流を減衰させることができる。特定の複数の態様では、RF信号生成器の出力とプラズマ負荷との間にRFサーキュレータを配置して、RF信号生成器を歪み電流から絶縁することができる。幾つかの態様では、RF信号生成器の出力とプラズマ負荷との間に、バンドパスフィルタ、RF整合、及び信号フィルタが、順次配置され得る。
【0015】
[0024] 本明細書で説明される歪み電流の緩和のための技法及び装置は、特定の電気デバイス(例えば、信号源)を電気的損傷から保護することができ、反射電力に起因する中断なしに基板処理動作を可能にし、及び/又は、より高いエネルギーの基板処理動作を容易にすることができる。
【0016】
プラズマ処理システムの複数の実施例
[0025] 図1は、本明細書で説明される複数のプラズマ処理方法のうちの1以上を実行するように構成された、プラズマ処理システム10の概略断面図である。幾つか実施形態では、処理システム10が、反応性イオンエッチング(RIE)プラズマ処理などの、プラズマ支援エッチングプロセス用に構成されている。しかし、本明細書で説明される複数の実施形態はまた、プラズマ堆積プロセス、例えば、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、プラズマ物理的気相堆積(PEPVD)プロセス、プラズマ原子層堆積(PEALD)プロセス、プラズマ処理プロセス、又はプラズマベースのイオン注入プロセス(例えば、プラズマドーピング(PLAD)プロセス)などの、他のプラズマ支援プロセスで使用されるように構成された処理システムと共に使用されてよいことに留意されたい。
【0017】
[0026] 図示されているように、処理システム10は、容量結合プラズマ(CCP)を形成するように構成されている。その場合、処理チャンバ100が、処理空間129内に配置された上側電極(例えば、チャンバリッド123)を含む。上側電極は、これもまた処理空間129内に配置された下側電極(例えば、基板支持アセンブリ136)と対向する。典型的な容量結合プラズマ(CCP)処理システムでは、無線周波数(RF)源が、上側電極又は下側電極のうちの一方に電気的に結合され、プラズマ(例えば、プラズマ101)を点火して維持するように構成されたRF信号を供給する。このプラズマは、上側電極と下側電極の各々に容量結合され、それらの間の処理領域内に配置される。典型的には、上側電極又は下側電極のうちの他方が、更なるプラズマ励起のために接地又は第2のRF電源に結合される。図示されているように処理システム10は、処理チャンバ100、支持アセンブリ136、及びシステムコントローラ126を含む。
【0018】
[0027] 処理チャンバ100は、典型的には、チャンバ本体113を含む。チャンバ本体113は、チャンバリッド123、1以上の側壁122、及びチャンバベース124を含む。それらは、集合的に処理空間129を画定する。1以上の側壁122及びチャンバベース124は、概して、処理チャンバ100の要素用の構造的支持を形成するようにサイズ決定され成形された材料であって、それらに印加される圧力及び更なるエネルギーに耐えるように構成された材料を含む。一方で、プラズマ101は、処理中に処理チャンバ100の処理空間129内で維持される減圧環境内で生成される。一実施例では、1以上の側壁122及びチャンバベース124が、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼合金などの、金属から形成される。
【0019】
[0028] チャンバリッド123を貫通して配置されたガス入口128は、処理空間129に流体連通した処理ガス源119から、1種類以上の処理ガスを処理空間129に供給するために使用される。基板103は、1以上の側壁122のうちの1つ内の開口部(図示せず)を通して、処理空間129の中に装填され、処理空間129から取り出される。該開口部は、基板103のプラズマ処理中にスリットバルブ(図示せず)によって密封される。
【0020】
[0029] 幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリ136内に形成された開口部を通って移動可能に配置された複数のリフトピン(図示せず)が、基板支持面105Aとの間の基板の移動を容易にするために使用される。幾つかの実施形態では、複数のリフトピン132が、上方に配置され、処理空間129内に配置されたリフトピンフープ(図示せず)に結合され、及び/又はこれと係合可能である。リフトピンフープは、チャンバベース124を貫通して密封的に延在するシャフト(図示せず)に結合されてよい。シャフトは、リフトピンフープを昇降させるためのアクチュエータ(図示せず)に結合されてよい。リフトピンフープが上昇位置にあるときに、リフトピンフープは、複数のリフトピン132と係合して、リフトピンの上側面を基板支持面105Aの上方に上昇させ、そこから基板103を持ち上げ、ロボットハンドラー(図示せず)による基板103の非活性面(裏側)へのアクセスを可能にする。リフトピンフープが、下降位置にあるときに、複数のリフトピン132は、基板支持面105Aと同一平面にあるか又はその下方に後退し、基板103は基板支持面105A上に載置される。
【0021】
[0030] システムコントローラ126がまた、本明細書で処理チャンバコントローラとも呼ばれ、中央処理装置(CPU)133、メモリ134、及びサポート回路135を含む。システムコントローラ126は、基板103を処理するために使用されるプロセスシーケンスを制御するために使用され、該プロセスシーケンスは、本明細書で更に説明されるように、歪み電流の緩和の特定の複数の態様を実行することを含む。CPU133は、処理チャンバ及び処理チャンバと関連するサブプロセッサを制御するための、産業設定で使用されるように構成された汎用コンピュータプロセッサである。本明細書で説明されるメモリ134は、一般に不揮発性メモリであり、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又は他の適切な形態のデジタルストレージ(ローカル若しくはリモート)を含んでよい。サポート回路135は、従来からCPU133に結合されており、キャッシュ、クロック回路、入/出力サブシステム、電源など、及びこれらの組み合わせを備える。ソフトウェア指示命令(プログラム)及びデータが、CPU133内のプロセッサに指示命令するために符号化され、メモリ134内に記憶され得る。システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能なソフトウェアプログラム(又はコンピュータ指示命令)は、どの作業が処理システム10内の構成要素によって実行可能であるかを特定する。
【0022】
[0031] 典型的には、プログラムが、システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能であり、コードを含む。該コードは、プロセッサ(CPU133)によって実行されると、本明細書で説明されるプラズマ処理スキームに関連する作業を実行する。該プログラムは、指示命令を含んでよい。該指示命令は、処理システム10内の様々なハードウェア及び電気部品を制御するために使用される。それによって、本明細書で説明される方法を実施するために使用される、様々なプロセス作業及び様々なプロセスシーケンスを実行する。一実施形態では、プログラムが、図6及び/又は図8に関して以下で説明される動作のうちの1以上を実行するために使用される指示命令を含む。
【0023】
[0032] プラズマ制御システムは、概して、(図4で示されるような複雑な負荷の)バイアス電極104において少なくとも第1のパルス電圧(PV)波形を確立するための第1のソースアセンブリ196、及び、縁部制御電極115において少なくとも第2のPV波形を確立するための第2のソースアセンブリ197を含む。第1のPV波形又は第2のPV波形は、波形生成器アセンブリ150内の1以上の構成要素(例えば、PV源)を使用して生成されてよい。それは、図4に関して本明細書でより詳細に説明されるように、電圧源及び/又は電流源に対応してよい。幾つかの実施形態では、波形生成器アセンブリ150が、パルス電圧(PV)波形を生成するように構成されている。その場合、PV波形は、非正弦電圧パルスである。図2A及び図2Bは、電極と基板とにおいてそれぞれ生成される典型的なPV波形の例を示し、本明細書で提供される開示の1以上の実施形態と併せて使用されてよい。一実施例では、波形生成器アセンブリ150が、約100kHzと400kHzの間の周波数、及び、約100ボルトと10,000ボルトの間の電圧で、PVパルスを供給するように構成されている。
【0024】
[0033] 幾つかの実施形態では、図1で示されているように、第3のソースアセンブリ198内の別個の波形生成器アセンブリ160が、少なくともRF信号生成器を含む。RF信号生成器は、支持ベース107(例えば、電源電極若しくはカソード)及び/又はバイアス電極104にRF信号を供給するように構成されている。幾つかの実施形態では、プラズマ生成器アセンブリ160が、支持ベース107(例えば、電源電極若しくはカソード)及び/又はバイアス電極104にRF信号を供給し、したがって、基板支持アセンブリ136とチャンバリッド123との間に配置された処理領域内にプラズマ101を生成(維持及び/又は点火)するために使用されてよい。幾つかの実施形態では、第3のソースアセンブリ198が、図1で示されている接地などの代わりに、チャンバリッド123に代替的に結合されてよい。
【0025】
[0034] 特定の複数の態様では、歪み電流マネージャ152、インピーダンス整合回路153、及び/又は信号フィルタ154が、第3のソースアセンブリ198内の波形生成器アセンブリ160と、支持ベース107(例えば、電源電極若しくはカソード)及び/又はバイアス電極104と、の間に配置されてよい。波形生成器アセンブリ160がRF信号を生成するように構成され、波形生成器アセンブリ150がより低い周波数信号を生成するように構成されている幾つかの実施形態では、信号フィルタ154が、ハイパスフィルタである。このハイパスフィルタは、波形生成器アセンブリ160から提供される信号が、信号フィルタ154を通して支持ベース107及び/又はバイアス電極104に供給されることを可能にするように構成されている。支持ベース107、バイアス電極104、及び/又は縁部制御電極115は、集合的に及び/又は個別に処理チャンバ100の入力ノードと呼ばれてよい。この実施例では、インピーダンス整合回路153が、歪み電流マネージャ152と信号フィルタ154との間に配置されてよい。
【0026】
[0035] 歪み電流マネージャ152は、プラズマ負荷から波形生成器アセンブリ160に反射し戻される歪み電流をブロックし及び/又は減衰させるように構成されてよい。例えば、歪み電流マネージャ152は、本明細書で更に説明されるように、バンドパスフィルタ及び/又はRFサーキュレータを含んでよい。
【0027】
[0036] インピーダンス整合回路153は、入力ノードの入力インピーダンスを整合させるように構成されてよい。例えば、波形生成器アセンブリ150の出力インピーダンスは、インピーダンス整合回路153を介して入力ノードの入力インピーダンスに整合されてよい。インピーダンス整合回路153は、波形生成器アセンブリ160から入力ノードへの電力の効率的な移送を可能にしてよい。
【0028】
[0037] 信号フィルタ154は、波形生成器アセンブリ160によって生成されたRF信号が入力ノードに移動することを可能にするように構成されてよい。特定の複数の態様では、信号フィルタ154がパイパスフィルタを含んでよい。信号フィルタ154は、第3のソースアセンブリ198の波形生成器アセンブリ160を、第1のソースアセンブリ196及び/又は第2のソースアセンブリ197の他の波形生成器アセンブリ150によって生成された低周波数信号から絶縁してよい。
【0029】
[0038] 第1のソースアセンブリ196、第2のソースアセンブリ197、及び/又は第3のソースアセンブリ198から提供される印加される波形は、基板支持アセンブリ136とチャンバリッド123との間に配置された処理領域内にプラズマ101を生成(維持及び/又は点火)するように構成されてよい。幾つかの実施形態では、波形生成器アセンブリ160から提供されるRF信号を使用して、処理プラズマ101を点火及び維持する。それは、処理空間129内に配置された処理ガス、及び、支持ベース107及び/又はバイアス電極104に供給されるRF電力(RF信号)によって生成された電場を使用する。幾つかの態様では、RF信号が、波形生成器アセンブリ160内に配置されたRF信号生成器(図示せず)によって生成されてよい。幾つかの実施形態では、波形生成器アセンブリ160のRF信号生成器が、1MHzよりも大きい、及び/又は、2MHzと200MHzとの間、例えば、13.56MHz、40MHz、60MHz、120MHz、又は162MHzの周波数を有する、RF信号を供給するように構成されてよい。
【0030】
[0039] 処理空間129は、減圧出口120を介して1以上の専用減圧ポンプに流体結合されている。1以上の専用減圧ポンプは、処理空間129を準大気圧状態に維持し、処理空間129から処理ガス及び/又は他のガスを排気する。幾つかの実施形態では、処理空間129内に配置された基板支持アセンブリ136が、接地され且つチャンバベース124を貫通して延在する支持シャフト138上に配置される。
【0031】
[0040] 短く上述されたように、基板支持アセンブリ136は、概して、基板支持体105(例えば、静電チャック(ESC)基板支持体)及び支持ベース107を含む。幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリ136が、以下で更に説明されるように、絶縁体プレート111及び接地プレート112を更に含み得る。支持ベース107は、絶縁体プレート111によってチャンバベース124から電気的に絶縁され、接地プレート112は、絶縁体プレート111とチャンバベース124との間に挿入されている。基板支持体105は、支持ベース107と熱的に結合され、支持ベース107上に配置されている。幾つかの実施形態では、支持ベース107が、基板処理中に、基板支持体105及び基板支持体105上に配置された基板103の温度を調節するように構成されている。幾つかの実施形態では、支持ベース107が、内部に配置された1以上の冷却チャネル(図示せず)を含む。1以上の冷却チャネルは、冷却剤源(図示せず)(比較的高い電気抵抗を有する冷媒源又は水源など)に流体結合され、流体連通している。幾つかの実施形態では、基板支持体105が、ヒータ(図示せず)(基板支持体105の誘電材料内に埋め込まれた抵抗加熱素子など)を含む。ここで、支持ベース107は、耐食性金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼)などの耐食性熱伝導材料で形成され、接着剤又は機械的手段によって基板支持体に結合されている。
【0032】
[0041] 典型的には、基板支持体105が、誘電材料(例えば、耐食性金属酸化物材料又は金属窒化物材料などのバルク焼結セラミック材料)で形成され、これは、例えば、、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y2O3)、これらの混合物、又はこれらの組み合わせである。本明細書の複数の実施形態では、基板支持体105が、その誘電材料内に埋め込まれたバイアス電極104を更に含む。
【0033】
[0042] ある構成では、バイアス電極104が、基板103を基板支持体105の基板支持面105Aに固定(すなわち、チャック)するため、及び、本明細書で説明されるパルス電圧バイアススキームのうちの1以上を使用して、基板103を処理プラズマ101に対してバイアスするために使用される、チャッキングポールである。典型的には、バイアス電極104が、1以上の金属メッシュ、箔、プレート、又はこれらの組み合わせなどの、1以上の導電性部品で形成される。
【0034】
[0043] 幾つかの実施形態では、バイアス電極104が、クランピングネットワーク又は高電圧DC供給源312(図3)と電気的に結合される。クランピングネットワーク又は高電圧DC供給源312は、同軸電力供給ライン106(例えば、同軸ケーブル)などの電気導体を使用して、約-5000Vと約5000Vとの間の静的DC電圧などのチャッキング電圧を、バイアス電極104に提供する。クランピングネットワークは、DC電力供給源155(例えば、高電圧DC(HVDC)供給源)及びフィルタ151(例えば、ローパスフィルタ)を含む。
【0035】
[0044] 基板支持アセンブリ136は、縁部制御電極115を更に含んでよい。縁部制御電極115は、縁部リング114の下方に配置され、バイアス電極104を取り囲み、及び/又は、バイアス電極104の中心から距離を置いて配置される。一般に、回路基板を処理するように構成された処理チャンバ100では、縁部制御電極115が、環形状であり、導電性材料から作製され、バイアス電極104の少なくとも一部分を取り囲むように構成されている。図1で示されているような幾つか実施形態では、縁部制御電極115が、基板支持体105の領域内に配置される。幾つかの実施形態では、図1で示されているように、縁部制御電極115が、基板支持体105の基板支持面105Aから、バイアス電極104と同様な距離(すなわち、Z方向)に配置された、導電性メッシュ、箔、及び/又はプレートを含む。
【0036】
[0045] 縁部制御電極115は、波形生成器アセンブリの使用によってバイアスされ得る。波形生成器アセンブリは、バイアス電極104をバイアスするために使用される波形生成器アセンブリ150とは異なる。幾つかの実施形態では、縁部制御電極115が、バイアス電極104をバイアスするためにも使用される波形生成器アセンブリ150を使用してバイアスされ得る。それは、電力の一部を縁部制御電極115に分割することによる。ある構成では、第1のソースアセンブリ196の第1の波形生成器アセンブリ150が、バイアス電極104をバイアスするように構成され、第2のソースアセンブリ197の第2の波形生成器アセンブリ150は、縁部制御電極115をバイアスするように構成される。
【0037】
[0046] 一実施形態では、電力供給ライン157が、第1のソースアセンブリ196の波形生成器アセンブリ150の出力をバイアス電極104と電気的に接続する。以下の説明は、波形生成器アセンブリ150をバイアス電極104に結合するために使用される第1のソースアセンブリ196の電力供給ライン157を主として説明するが、波形生成器アセンブリ150を縁部制御電極115に結合する第2のソースアセンブリ197の電力供給ライン158、及び/又は、波形生成器アセンブリ160を支持ベース107に結合する第3のソースアセンブリ198の電力供給ライン159は、同じ又は同様な構成要素を含むことになる。電圧供給ライン157の様々な部分内の(1以上の)電気導体は、以下のものを含む。すなわち、(a)剛性同軸ケーブルと直列に接続された可撓性同軸ケーブルなどの同軸ケーブルの1つ又は組み合わせ、(b)絶縁された高電圧コロナ抵抗性回路用電線、(c)裸線、(d)金属ロッド、(e)電気コネクタ、又は(f)(a)~(e)の電気素子の任意の組み合わせである。
【0038】
[0047] 幾つかの実施形態では、処理チャンバ100が、石英管110又はカラーを更に含む。それらは、基板支持体105及び/又は支持ベース107が、腐食性の処理ガス若しくはプラズマ、洗浄ガス若しくはプラズマ、又はこれらの副生成物と接触することを防止するために、基板支持アセンブリ136の部分と少なくとも部分的に外接する。典型的には、石英管110、絶縁体プレート111、及び接地プレート112が、ライナ108(例えば、カソードライナ)によって外接される。幾つかの実施形態では、プラズマスクリーン109が、カソードライナ108と側壁122との間に配置されて、ライナ108と1以上の側壁122との間のプラズマスクリーン109の下方の空間内にプラズマが生成するのを防止する。
【0039】
[0048] 図2Aは、処理チャンバの電極又は入力ノード(例えば、バイアス電極104及び/又は支持ベース107)において確立されてよい例示的な電圧波形を示す。図2Bは、処理チャンバ内の電極において別個に確立された、図2Aで示されている電圧波形と同様な異なる電圧波形に起因して、基板において確立された異なるタイプの電圧波形225及び230の一例を示す。波形は、図示されているように、2つの段階、すなわちイオン電流段階とシース崩壊段階を含む。図2Aで示されているように、例示的な電圧波形は、RF信号(例えば、10MHzを超える周波数の正弦波高周波信号)で重畳されたパルス電圧信号(例えば、5%から95%の範囲のデューティーサイクルを有する100kHzから5MHzのパルス信号)を含んでよい。電流補償のために(例えば、イオン電流段階中に)、図2Aで示されている例示的な電圧波形はまた、RF信号で重畳された負の傾きを持つ電圧ランプを含んでもよい。イオン電流段階の開始時に、基板電圧の降下が、基板の上方に高電圧シースを生成し、正のイオンを基板に加速させる。
【0040】
[0049] イオン電流段階中に基板の表面に衝突する正のイオンは、基板表面上に正の電荷を堆積させ、これが補償されていない場合、図2Bの電圧波形225によって示されているように、イオン電流段階中に基板電圧を徐々に増加させる。しかし、基板表面上の正の電荷の制御されない蓄積は、望ましくないことにシース及びチャックキャパシタを徐々に放電し、電圧波形225によって図示されているように、シース電圧降下をゆっくり減少させ、基板電位をゼロに近づける。正の電荷の蓄積は、基板表面において確立された電圧波形内の電圧の垂下(voltage droop)をもたらす(図2B)。しかし、図2Aで示されているように、イオン電流段階中に負の傾きを有する電極において確立された電圧波形は、図2Bにおいて230の符号が付けられた曲線によって示されているように、確立される基板電圧波形に対して正方形状の領域(例えば、ゼロに近い傾き)を確立するように所望に生成され得る。イオン電流段階(図2A)中に電極において確立された波形内の傾きを実施することは、電流補償と呼ばれ得る。イオン電流段階の開始と終了との間の電圧差は、イオンエネルギー分布関数(IEDF)の幅を決定する。電圧差が大きいほどIEDFの幅は広くなり、現在のほとんどの高精度プラズマプロセスにおいて望ましくない。単一エネルギーのイオン及びより狭いIEDF幅を実現するために、イオン電流補償を使用して動作が実行され、イオン電流段階中の基板電圧波形を平坦化する。
【0041】
基板処理のための歪み電流の緩和
[0050] 本開示の特定の複数の実施形態は、概して、プラズマ負荷からプラズマ処理システムの信号源に反射される歪み電流の緩和のための技法及び装置を対象とする。
【0042】
[0051] 特定の複数の態様では、歪み電流マネージャが、歪み電流を減衰させるためにバンドパスフィルタを採用してよい。図3は、本開示の特定の複数の態様による、歪み電流の緩和のためにバンドパスフィルタ306を採用した例示的なプラズマ処理システム300を示す図である。プラズマ処理システム300は、処理システム10の一実施例を示してよい。図示されているように、プラズマ処理システム300は、電圧源302(例えば、第1及び第2のソースアセンブリ196、197の波形生成器アセンブリ150)、RF生成器304(例えば、第3のソースアセンブリ198の波形生成器アセンブリ160)、バンドパスフィルタ306(例えば、歪み電流マネージャ152)、及びインピーダンス整合回路308(例えば、インピーダンス整合回路153)を含んでよい。
【0043】
[0052] 電圧源302は、波形生成器310及びHVDC供給源312を含んでよい。波形生成器310は、パルス電圧信号を生成してよい。HVDC供給源312は、電圧波形用のDCバイアスを提供してよい。電圧源302は、入力ノード314に結合されてよい。入力ノード314は、処理チャンバ318(例えば、処理チャンバ100)内に配置された電極316(例えば、支持ベース107及び/又はバイアス電極104)に結合されてよい。電圧源302は、入力ノード314においてパルス電圧信号(例えば、5%から95%の範囲のデューティーサイクルを有する100kHzから5MHzのパルス信号)を生成するように構成されてよい。
【0044】
[0053] RF生成器304は、少なくともバンドパスフィルタ306及びインピーダンス整合回路308を介して、入力ノード314に結合された出力320を有してよい。RF生成器304は、例えば、図1及び2Aに関して本明細書で説明されるように、入力ノード314においてパルス電圧信号に重畳される第1のRF信号を生成してよい。第1のRF信号は、少なくとも1つの第1のRF周波数、例えば、1MHZよりも大きい、及び/又は、1MHzと200MHzとの間、例えば、13.56MHz、40MHz、60MHz、120MHz、又は162MHzの周波数を有してよい。RF生成器304は、RFプラズマ生成器又はRF信号生成器と呼ばれてよい。
【0045】
[0054] バンドパスフィルタ306は、RF生成器304の出力320と入力ノード314との間に結合されてよい。バンドパスフィルタ306は、有害な反射電力信号がRF生成器304に損傷を与えるのを防止し又はそれを減衰させてよい。例えば、バンドパスフィルタ306は、処理チャンバ318内のプラズマ負荷からRF生成器304に反射し戻される歪み電流を減衰させるように構成されてよい。バンドパスフィルタ306は、低い挿入損失で高い品質係数(例えば、50以上の品質係数)を有してよい。バンドパスフィルタ306は、バンドパスフィルタ306の中心周波数から±0.1%から±0.5%の狭い帯域幅(例えば、電力半値点又はカットオフ周波数で測定)を有してよい。中心周波数から±0.1%から±0.5%の帯域幅は、中心周波数の0.2%から1%の帯域幅を表すことがある。その場合、例えば、低い方のカットオフ周波数は、中心周波数から-0.1%から-0.5%であり、高い方のカットオフ周波数は、中心周波数から0.1%から0.5%である。例えば、バンドパスフィルタ306の帯域幅は、100kHzから800kHzであってよい。バンドパスフィルタ306は、第1のRF信号の第1のRF周波数を含む周波数の範囲(例えば、バンドパスフィルタ306の中心周波数から±0,1%から±0,5%の帯域幅)の外側の第2のRF信号(例えば、本明細書で説明される歪み電流)を減衰させるように構成されてよい。
【0046】
[0055] インピーダンス整合回路308は、バンドパスフィルタ306と入力ノード314との間に結合されてよい。例えば、RF生成器304及び/又はバンドパスフィルタ306の出力インピーダンスは、インピーダンス整合回路308を介して、入力ノード314の入力インピーダンスに整合されてよい。
【0047】
[0056] 特定の複数の態様では、信号フィルタ322(例えば、信号フィルタ154)が、インピーダンス整合回路308と入力ノード314との間に配置されてよい。信号フィルタ322は、RF生成器304を電圧源302によって生成されるパルス信号から絶縁してよい。ローパスフィルタ324(例えば、フィルタ151)が、電圧源302と入力ノード314との間に結合されてよい。ローパスフィルタ324は、電圧源302をRF生成器304によって生成されるRF信号から絶縁してよい。
【0048】
[0057] 処理チャンバ318は、基板支持体を含んでよい。基板支持体は、例えば、図1に関して本明細書で説明されるように、電極316の上に配置された誘電体層を備える。プラズマ処理システム300はまた、システムコントローラ126も含んでよい。システムコントローラ126は、図6及び/又は図8に関して本明細書で説明される複数の動作のうちの1以上を実行してよい。
【0049】
[0058] 図4A図4Cは、歪み電流の緩和のためのバンドパスフィルタの複数の実施例を示す図である。図4A~図4Cで示されている(1以上の)バンドパスフィルタは、図3で示されているバンドパスフィルタ306の複数の例であってよい。特定の複数の場合では、図4A図4Cで示されている(1以上の)バンドパスフィルタが、集中した電気部品(lumped electrical component)を含んでよい。バンドパスフィルタは、1MHzよりも大きい、例えば、10MHzよりも大きい、又は60MHzよりも大きい、又は更に100MHzよりも大きい周波数のRF信号が、通過することを可能にするように構成され得る。
【0050】
[0059] 図4Aを参照すると、バンドパスフィルタ400Aが、電力供給ライン159の表してよい信号ライン406に沿って並列に結合されたキャパシタ402とインダクタ404を含んでよい。例えば、インダクタ404は、0.1μHから5μHのインダクタンスを有してよく、キャパシタは、3pFから100pHのキャパシタンスを有してよい。バンドパスフィルタ400Aは、低コストであること、設置面積が小さいことなどの、様々な利点及び/又は利益を提供してよい。
【0051】
[0060] 特定の複数の態様では、バンドパスフィルタが、分布定数フィルタ(distributed-element filter)を含んでよい。図4Bを参照すると、バンドパスフィルタ400Bは、金属筐体412の内面に送電線インダクタ410と並列に結合された減圧キャパシタ408を含んでよい。金属筐体412は、RFリターン経路を提供してよいRF同軸ケーブル(例えば、電力供給ライン159)のシールドに結合されてよい。分散されたインダクタ410のインダクタンスは、導体長によって変更されてよい。導体長は、例えば、RF信号の4分の1の波長よりも短くてよい。特定の複数の実施形態では、減圧キャパシタ408が、バンドパスフィルタ400Bの中心周波数を調整するために、電動減圧キャパシタを含んでよい。言い換えると、バンドパスフィルタ400Bは、調整可能なキャパシタなどの調整可能な素子を含んでよい。調整可能なバンドパスフィルタ400Bは、バンドパスフィルタ400Bの中心周波数が、RF信号生成器(例えば、図3で示されているRF生成器304)によって使用される出力周波数に一致するように調整され得る。バンドパスフィルタ400Bは、フィルタ間のばらつきを少なくし、中心周波数及び/又はカットオフ周波数の周波数精度に対する制御を改善するなど、様々な利点及び/又は利益を提供してよい。
【0052】
[0061] 特定の複数の態様では、バンドパスフィルタが、狭い帯域幅と高い品質係数とを容易にしてよい複数のリアクタンス素子(reactive component)を採用してよい。図4Cを参照すると、バンドパスフィルタ400Cは、第1の分路キャパシタ414、第2の分路キャパシタ416、及び電力供給ライン159を表してよい信号ライン422に沿ってインダクタ420と直列に結合された第3のキャパシタ418を含んでよい。第3のキャパシタ418とインダクタ420とは、第1の分路キャパシタ414と第2の分路キャパシタ416との間に結合されてよい。分路キャパシタ414、416は、それぞれ、信号ライン422から別個の分路ブランチ424、426に沿って結合されてよい。一実施例として、インダクタ420は、0.1μHから5μHのインダクタンスを有してよい。第1及び第2の分路キャパシタ414、416は、各々、200pFから1000pFのキャパシタンスを有してよく、第3のキャパシタ418は、3pFから100pFのキャパシタンスを有してよい。第1、第2、第3のキャパシタ414、416、418は、固定された又は電動減圧キャパシタなどのように調整可能なキャパシタンスを有してよい。調整可能なフィルタとして、バンドパスフィルタ400Cの中心周波数は、RF生成器(例えば、図3で示されているRF生成器304)の出力周波数と一致するように調整され得る。バンドパスフィルタ400Cは、狭い帯域幅と高い品質係数で所望のフィルタ性能を提供するなどの、様々な利点及び/又は利益を提供してよい。
【0053】
[0062] 図5は、本開示の特定の複数の態様による、歪み電流の緩和のためのバンドパスフィルタの例示的な周波数応答500のグラフである。周波数応答500は、周波数に対するバンドパスフィルタの出力電力を示す。この実施例では、周波数応答が、信号生成器の出力周波数に一致してよい中心周波数502と、中心周波数502から±0.1%から±0.5%であってよい帯域幅504とを有してよい。複数の態様では、帯域幅504が、中心周波数502の電力から電力半値点で決定されてよい。
【0054】
[0063] 図6は、バンドパスフィルタを使用する歪み電流の緩和のための方法600を示すプロセスフロー図である。方法600は、処理システム10などのプラズマ処理システムによって実行されてよい。
【0055】
[0064] アクティビティ602において、電圧源(例えば、電圧源302)は、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ100、318)内に配置された電極(例えば、支持ベース107及び/又はバイアス電極104)に結合された入力ノード(例えば、入力ノード314)においてパルス電圧信号を生成してよい。例えば、電圧源は、図2Aに関して本明細書で説明されるように、パルス電圧信号を生成してよい。パルス電圧信号は、5%から95%の範囲のデューティーサイクルを有する100kHzから5MHzの周波数でパルス化されてよい。
【0056】
[0065] アクティビティ604において、RF信号生成器(例えば、RF生成器304)は、第1のRF周波数(及び/又は他のRF周波数)の第1のRF信号を入力ノードに供給してよい。RF信号生成器は、少なくともバンドパスフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ306)を通して、パルス電圧信号に重畳される第1のRF信号を生成してよい。例えば、RF信号は、図2Aに関して本明細書で説明されるように、パルス電圧信号に重畳されてよい。バンドパスフィルタは、RF信号生成器と入力ノードとの間に配置されてよい。インピーダンス整合回路(例えば、インピースダンス整合回路308)は、バンドパスフィルタと入力ノードとの間に配置されてよい。バンドパスフィルタは、第1のRF信号の第1のRF周波数を含む周波数の範囲(例えば、RF信号生成器の出力周波数から±0,1%から±0,5%)の外側の第2のRF信号(例えば、プラズマ負荷からの歪み電流)を減衰させるように構成されてよい。
【0057】
[0066] 特定の複数の態様では、RF信号生成器の出力周波数が、プラズマ負荷へ供給される電力を改善し及び/又は歪み電流の減衰を改善するように調整されてよい。アクティビティ608において、RF信号生成器は、RF信号の出力周波数の範囲をスイープしてよい。その場合、RF信号生成器は、出力周波数の範囲を通してスイープするように構成されている。アクティビティ610において、プロセッサ及びメモリ(例えば、システムコントローラ126)は、バンドパスフィルタを通るRF信号のピーク電力を提供する周波数を出力周波数の範囲から選択してよい。アクティビティ612において、RF信号生成器は、選択された周波数のRF信号を生成してよい。幾つかの実施形態では、周波数調整が、パルス電圧波形又は調整された電圧波形がプラズマチャンバに印加された後で開始してよい。他の複数の実施形態では、周波数調整が、パルス電圧波形又は調整された電圧波形がプラズマチャンバに印加される前に開始してよい。周波数調整は、最小反射電力及び/又は供給電力の最大値が実現されるまで継続してよい。周波数スキャン範囲は、初期出力周波数の0.1%から1%であり得る。周波数調整は、例えば、バンドパスフィルタの構成要素のインピーダンスの変動に起因する、バンドパスフィルタの性能の変動を補償するために、歪み電流の緩和を可能にしてよい。構成要素のインピーダンスの変動に起因して、バンドパスフィルタの中心周波数は、設計値からオフセットされる場合があり、次いで、RF信号生成器は、バンドパスフィルタの中心周波数に一致するよう出力周波数を調整する。周波数調整スキャンは、RF信号生成器の出力周波数を実際の中心周波数に変化させることによって、中心周波数シフトを補償することができる。
【0058】
[0067] 特定の複数の態様では、バンドパスフィルタが、プラズマ負荷へ供給される電力を改善し及び/又は歪み電流の減衰を改善するように調整されてよい。アクティビティ606において、バンドパスフィルタは調整されてよい。
【0059】
[0068] アクティビティ614において、バンドパスフィルタの中心周波数(例えば、中心周波数502)は調整されてよい。例えば、バンドパスフィルタの中心周波数は、中心周波数がRF信号生成器の出力周波数に一致するまで調整されてよい。特定の複数の場合では、中心周波数が、プラズマ負荷における最大供給電力が観察されるまで調整されてよい。バンドパスフィルタの中心周波数は、第1のRF信号の出力周波数に一致するように、バンドパスフィルタの少なくとも1つのキャパシタ(例えば、第3のキャパシタ418)を用いて調整されてよく、出力周波数において第1のRF信号のピーク電力を可能にする。例えば、バンドパスフィルタの中心周波数の範囲が設定されてよく、最大供給電力を提供する中心周波数が、RF信号のピーク電力と見なされてよい。アクティビティ614の幾つかの実施形態では、可変キャパシタ(例えば、電動減圧キャパシタ)のキャパシタンスが、バンドパスフィルタの中心周波数を変化させるために調整される。図4A図4Cは、RF生成器の周波数設定点に所望に一致するように調整され得るバンドパスフィルタの様々な構成を示す。一実施例として、図4Cを参照すると、第3のキャパシタ418のキャパシタンスは、バンドパスフィルタ400Cの中心周波数を調整するように調整されてよい。
【0060】
[0069] アクティビティ616において、バンドパスフィルタの帯域幅(例えば、帯域幅504)は調整されてよい。バンドパスフィルタの帯域幅は、処理チャンバから反射された第2のRF信号を減衰させるように調整されてよい。例えば、帯域幅は、プラズマ負荷からの最小反射電力が観察されるまで調整されてよい。帯域幅は、例えば、中心周波数が調整された後で、第1のRF信号の出力周波数から±5%以内であるように調整されてよい。特定の複数の態様では、バンドパスフィルタを調整することが、図4A図4Cで示されているキャパシタなどのキャパシタのうちの少なくとも1つのキャパシタンスを調整することを含んでよい。バンドパスフィルタは、最小反射電力及び/又は最大供給電力が観察されるまで、バンドパスフィルタの調整範囲の5%以内に調整されてよい。一実施例として、図4Cを参照すると、第1のキャパシタ414及び/又は第2のキャパシタ416のキャパシタンスが、バンドパスフィルタ400Cの帯域幅を調整するように調整されてよい。
【0061】
[0070] 特定の複数の態様では、パルス電圧信号に重畳されたRF信号が、プラズマエッチング用途に使用されてよい。例えば、プラズマは、図1に関して本明細書で説明されるように、処理チャンバ内に配置された基板支持体の上に生成されてよい。基板支持アセンブリは、電極、及び電極と基板支持面との間に配置された誘電体層を含んでよい。
【0062】
[0071] 特定の複数の態様では、歪み電流マネージャが、RF信号生成器をプラズマ負荷から反射された歪み電流から絶縁するために、RFサーキュレータを採用してよい。図7は、本開示の特定の複数の態様による例示的なプラズマ処理システム700を示す図である。プラズマ処理システム700は、処理システム10の一実施例を示してよい。図示されているように、プラズマ処理システム700は、電圧源302、RF生成器304、RFサーキュレータ730、及びシステムコントローラ126を含んでよい。
【0063】
[0072] RFサーキュレータ730は、RF生成器304の出力320と入力ノード314との間に配置されてよい。RFサーキュレータ730は、RF生成器304をプラズマ負荷から反射し戻された歪み電流から絶縁するように構成されてよい。RFサーキュレータ730は、第1のポート732、第2のポート734、及び第3のポート736を含んでよい。第1のポート732は、RF生成器304の出力320に結合されてよく、第2のポート734は、少なくとも入力ノード314に結合されてよく、第3のポート736は、少なくともダミー負荷738に結合されてよい。RFサーキュレータ730は、RF生成器304からのRF信号が、第1のポート732から第2のポート734(しかし、第3のポート736ではなく)に移動することを可能にしてよい。RFサーキュレータは、RFサーキュレータ730に向けて移動する歪み電流が、第2のポート734から第3のポート736(しかし、第1のポート732ではなく)に移動することを可能にしてよい。
【0064】
[0073] システムコントローラ126は、ダミー負荷738を介してRFサーキュレータ730において処理チャンバ318から反射された信号の電力をモニタしてよい。例えば、電力計740が、ダミー負荷738とRFサーキュレータ730の第3のポート736との間に結合されてよい。システムコントローラ126は、RFサーキュレータ730の第3のポート736において測定された電力を受け取るために、電力計740と通信してよい。RFサーキュレータ730は、反射された歪み電流をダミー負荷738に向けてよく、ダミー負荷738は、高い電力抵抗負荷(例えば、50オーム)を含んでよい。システムコントローラ126は、モニタされた電力が特定の持続時間(例えば、5秒)にわたり閾値以上である場合、RF生成器304におけるRF信号の生成を停止してよい。言い換えると、RF生成器304は、反射された歪み電流が特定の閾値電力を超える場合、遮断されてよい。RF生成器304の遮断をトリガすることにより、歪み電流が、信号生成器304、RFサーキュレータ730、及び/又はプラズマ処理システム700内の他の電気部品に損傷を与えることを防止できる。
【0065】
[0074] 図8は、RFサーキュレータを使用する歪み電流の緩和のための方法800を示すプロセスフロー図である。方法800は、処理システム10などのプラズマ処理システムによって実行されてよい。
【0066】
[0075] アクティビティ802おいて、電圧源(例えば、電圧源302)は、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ100、318)内に配置された電極(例えば、支持ベース107及び/又はバイアス電極104)に結合された入力ノード(例えば、入力ノード314)においてパルス電圧信号を生成してよい。例えば、電圧源は、図2Aに関して本明細書で説明されるように、パルス電圧信号を生成してよい。
【0067】
[0076] アクティビティ804において、RF信号生成器(例えば、RF生成器304)は、RF信号を入力ノードに供給してよい。RF信号生成器は、少なくともRFサーキュレータ(例えば、RFサーキュレータ730)を通して、(例えば、図2Aに関して本明細書で説明されるように)パルス電圧信号に重畳されるRF信号を生成してよい。例えば、RF信号生成器は、図2Aに関して本明細書で説明されるように、パルス電圧信号に重畳されるRF信号を生成してよい。
【0068】
[0077] アクティビティ806において、プロセッサ及びメモリ(例えば、システムコントローラ126)は、例えば、図7に関して本明細書で説明されるように、処理チャンバから反射された信号の電力をRFサーキュレータにおいてモニタしてよい。
【0069】
[0078] アクティビティ808において、プロセッサ及びメモリは、図7に関して本明細書で説明されるように、モニタされた電力が特定の持続時間(例えば、5秒)にわたり閾値以上である場合、RF信号生成器におけるRF信号の生成を停止してよい。
【0070】
[0079] 特定の複数の態様では、歪み電流マネージャが、RFサーキュレータ及びバンドパスフィルタを採用してよい。図9は、図3及び図7に関して本明細書で説明されるように、バンドパスフィルタ306、RFサーキュレータ730、ダミー負荷738、及び電力計740を含む、プラズマ処理システム90の一実施例を示す図である。一実施形態では、図7と併せて上述されたように、システムコントローラ126及びシステムコントローラ126内の様々な制御要素によってモニタされた信号を使用して、方法600のアクティビティ614及び616と併せて上述されたように、中心周波数を調整し及び/又はバンドフィルタを調整して、供給電力を最大化し及び/又は処理チャンバから反射されたRF信号を減衰させる。したがって、プラズマ処理中に、システムコントローラ126が、バンドパスフィルタを通過して電力計740に到達する望ましくない量の反射電力を検出した場合、システムコントローラ126は、ダミー負荷738に供給されるエネルギー量を最小化するために、中心周波数を調整し及び/又はバンドパスフィルタを調整するために、バンドパスフィルタ内の構成要素を調整又は微調整させる(例えば、バンドパスフィルタ400A、400B、又は400C内のキャパシタンスを調整する)こととなる信号を提供する。
【0071】
[0080] 本明細書で説明される技法及び装置は、特定の電気デバイス(例えば、RF信号源)を電気的損傷から保護することができ、反射電力に起因する中断なしに基板処理動作を可能にし、及び/又は、より高いエネルギーの基板処理動作を容易にすることができる。
【0072】
[0081] 「結合された」という用語は、本明細書では、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を指すために使用される。例えば、物体Aが物体Bと物理的に接触し、物体Bが物体Cと物理的に接触している場合、物体AとCとが直接的に物理的に接触していなくても、物体AとCとは、互いに結合されたと見なされてよい。例えば、第1の物体が第2の物体と直接的に物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体と結合されてよい。
【0073】
[0082] 前述されたことは本開示の複数の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる複数の実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなしに考案されてよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】