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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ポリシロキサン組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/075 20060101AFI20240912BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240912BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20240912BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20240912BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20240912BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20240912BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20240912BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240912BHJP
   H10K 85/40 20230101ALI20240912BHJP
   H10K 71/40 20230101ALI20240912BHJP
   C08L 83/08 20060101ALI20240912BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20240912BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20240912BHJP
   C08F 290/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G03F7/075 511
G03F7/004 501
G03F7/027 501
G03F7/075 521
H05B33/10
H05B33/12 B
H05B33/14 Z
H05B33/22
H10K59/122
H10K85/40
H10K71/40
C08L83/08
C08L83/07
C08K5/103
C08F290/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516727
(86)(22)【出願日】2022-09-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022075197
(87)【国際公開番号】W WO2023041453
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2021150166
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】山崎 章
(72)【発明者】
【氏名】能谷 敦子
【テーマコード(参考)】
2H225
3K107
4J002
4J127
【Fターム(参考)】
2H225AC35
2H225AC38
2H225AC60
2H225AD06
2H225AM85P
2H225BA33P
2H225CA24
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC24
3K107CC31
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD97
3K107FF06
3K107FF14
3K107FF15
3K107GG06
3K107GG26
4J002CP09W
4J002CP16X
4J002EH076
4J002FD146
4J002FD310
4J002GF00
4J002GH00
4J002GQ00
4J002HA02
4J127AA03
4J127BB041
4J127BB081
4J127BB221
4J127BC031
4J127BC131
4J127BD321
4J127BD331
4J127BE591
4J127BE59Y
4J127BF781
4J127BG371
4J127BG381
4J127CB371
4J127DA57
4J127EA13
4J127FA21
4J127FA37
4J127FA41
(57)【要約】
特定の構造を有するポリシロキサンおよび重合開始剤を含んでなる硬化膜形成組成物。硬化膜形成組成物を基板に適用して塗膜を形成すること、および塗膜を加熱することを含んでなる硬化膜の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)式(Ia)で表される繰り返し単位および式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPab、または
式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPaと式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPbとの混合物:
【化1】
(ここで、
は、それぞれ独立に、RIaまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIaであり、
Iaは、直鎖または分岐のC1-6アルキレンであり、式(Ia)中のSiと式(Ia1)で表される単位中のいずれかのNとを連結する
【化2】
(ここで、
Yは、それぞれ独立に、単結合、ヒドロキシ、直鎖もしくは分岐のC1-10アルキル、または直鎖もしくは分岐のC1-6アルコキシであり、ここで前記アルキルまたは前記アルコキシ中のCはSiに置き換えられていてもよい))
【化3】
(ここで、
は、それぞれ独立に、RIbまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIbであり、
Ibは、メタ(アクリロイルオキシ)基を有するC3-10の有機基である);および
(II)重合開始剤
を含んでなる硬化膜形成組成物。
【請求項2】
前記(I)成分が、式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPaと式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPbとの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリシロキサンPaおよび/またはポリシロキサンPbがさらに式(Ic)で表される繰り返し単位を含んでなる、請求項2に記載の組成物。
【化4】
(ここで、
Icは、水素、C1-30の、直鎖、分岐もしくは環状の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基は、それぞれ、非置換であるか、またはフッ素、ヒドロキシもしくはC1-8アルコキシで置換されており、かつ 前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基中において、メチレンが置き換えられていないか、または1以上のメチレンが、-O-または-CO-で置きかえられていてもよく、ただし、RIcはヒドロキシ、アルコキシではない)
【請求項4】
式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量が、(I)成分の総含有量を基準として、3~35質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量が、(I)成分の総含有量を基準として、8~30質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
式(Ia1)で表される単位の含有量が、(I)成分の総含有量を基準として、1~10質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量と、式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量とが、質量比で、5:1~1:3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
(II)重合開始剤が光ラジカル発生剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(III)溶媒をさらに含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(IV)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物をさらに含んでなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ネガ型感光性組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を基板に適用して塗膜を形成すること、および
前記塗膜を加熱すること
を含んでなる、硬化膜の製造方法
【請求項13】
請求項12に記載の方法で製造された硬化膜。
【請求項14】
膜厚が10μm以上である、請求項13に記載の硬化膜。
【請求項15】
400nmでの光透過率が95%以上である、請求項13または14に記載の硬化膜
【請求項16】
請求項13~15に記載の硬化膜を具備してなる素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシロキサン組成物に関するものである。また、本発明はそれを用いた硬化膜の製造方法、それを用いた硬化膜およびその硬化膜を含んでなる電子素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリシロキサンは高温耐性があることで知られる。ポリシロキサンを含む組成物から硬化膜を形成する場合に、塗膜を高温で加熱し、ポリシロキサン中のシラノール基の縮合反応や、不飽和結合を有するポリマーの反応を速やかに進行させて、硬化させる。このように形成される硬化膜は、電子部品や半導体部品等に用いられている。
例えば、ポリシロキサンの官能基に光重合性官能基を用いることにより、タックおよびパターニング性に優れた硬化膜形成組成物が提案されている。
【0003】
近年、ポリシロキサンを用いて形成された硬化膜は、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、量子ドットディスプレイ、薄膜トランジスタアレイ等の表示デバイスにおいて、画素間を仕切るための隔壁としても使用されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-90515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、いまだ改良が求められる以下の1以上の課題があることを見出した。
厚膜の硬化膜を形成できるポリシロキサン組成物の提供;透過性に優れた硬化膜を形成できるポリシロキサン組成物の提供;耐熱性に優れた硬化膜を形成できるポリシロキサン組成物の提供;アスペクト比が高く、矩形性が高い硬化膜を形成できるポリシロキサン組成物の提供;フォトマスクへの付着を抑制できるポリシロキサン組成物の提供。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(I)式(Ia)で表される繰り返し単位および式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPab、または
式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPaと式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPbとの混合物:
【化1】
(ここで、
は、それぞれ独立に、RIaまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIaであり、
Iaは、直鎖または分岐のC1-6アルキレンであり、式(Ia)中のSiと式(Ia1)で表される単位中のいずれかのNとを連結する
【化2】
(ここで、
Yは、それぞれ独立に、単結合、ヒドロキシ、直鎖もしくは分岐のC1-10アルキル、または直鎖もしくは分岐のC1-6アルコキシであり、ここで前記アルキルまたは前記アルコキシ中のCはSiに置き換えられていてもよい))
【化3】
(ここで、
は、それぞれ独立に、RIbまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIbであり、
Ibは、メタ(アクリロイルオキシ)基を有するC3-10の有機基である);および
(II)重合開始剤
を含んでなる硬化膜形成組成物を提供する。
【0007】
本発明は、上記の組成物を基板に適用して塗膜を形成させること、および前記塗膜を加熱することを含んでなる硬化膜の製造方法を提供する。
【0008】
本発明は、上記の方法で製造された硬化膜を提供する。
【0009】
本発明は、上記の硬化膜の製造方法を含んでなる電子素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリシロキサン含有組成物は、本明細書に記載される本発明の他の実施形態とともに、以下の1以上の以下の好ましい効果を提供する。
厚膜の硬化膜を形成できる;透過性に優れた硬化膜を形成できる;耐熱性に優れた硬化膜を形成できる;アスペクト比が高く、矩形性が高い硬化膜を形成できる;フォトマスクへのポリシロキサン組成物の付着を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[定義]
本明細書において、特に限定されて言及されない限り、以下に記載の定義や例に従う。
単数形は複数形を含み、「1つの」や「その」は「少なくとも1つ」を意味する。ある概念の要素は複数種によって発現されることが可能であり、その量(例えば質量%やモル%)が記載された場合、その量はそれら複数種の和を意味する。
「および/または」は、要素の全ての組み合わせを含み、また単体での使用も含む。
「~」または「-」を用いて数値範囲を示した場合、これらは両方の端点を含み、単位は共通する。例えば、5~25モル%は、5モル%以上25モル%以下を意味する。
「Cx-y」、「C~C」および「C」などの記載は、分子または置換基中の炭素の数を意味する。例えば、C1-6アルキルは、1以上6以下の炭素を有するアルキル鎖(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を意味する。
ポリマーが複数種類の繰り返し単位を有する場合、これらの繰り返し単位は共重合する。これら共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、またはこれらの混在のいずれであってもよい。ポリマーや樹脂を構造式で示す際、括弧に併記されるnやm等は繰り返し数を示す。
アルキルとは直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素から任意の水素をひとつ除去した基を意味し、直鎖状アルキルおよび分岐鎖状アルキルを包含し、シクロアルキルとは環状構造を含む飽和炭化水素から水素をひとつ除外した基を意味し、必要に応じて環状構造に直鎖状または分岐鎖状アルキルを側鎖として含む。アルキレンとは、直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素から任意の水素を二つ除去した基を意味する。
温度の単位は摂氏(Celsius)を使用する。例えば、20度とは摂氏20度を意味する。
添加剤は、その機能を有する化合物そのものをいう(例えば、塩基発生剤であれば、塩基を発生させる化合物そのもの)。その化合物が、溶媒に溶解または分散されて、組成物に添加される形態もあり得る。本発明の一形態として、このような溶媒は溶媒(III)またはその他の成分として本発明にかかる組成物に含有されることが好ましい。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0013】
硬化膜形成組成物
本発明による硬化膜形成組成物(以下、単に、組成物ということがある)は、(I)ポリシロキサンおよび(II)重合開始剤を含んでなるものである。
本発明による組成物は、非感光性組成物、ポジ型感光性組成物またはネガ型感光性組成物であってよいが、好ましくは、ネガ型感光性組成物である。本発明において、ネガ型感光性組成物とは、組成物を適用して、塗膜を形成させ、露光したときに、露光部がアルカリ現像液に対して不溶化し、現像によって、未露光部が除去され、ネガ像を形成できる組成物をいう。
【0014】
(I)ポリシロキサン
本発明に用いられるポリシロキサン(I)(以下、(I)成分ということがある。他の成分についても同様。)は、
以下の式(Ia)で表される繰り返し単位および以下の式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPab、または
以下の式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPaと以下の式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPbとの混合物である。
【0015】
理論には拘束されないが、(I)成分が、以下の式(Ia)で表される繰り返し単位および以下の式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなることにより、硬化時に収縮や低分子量成分の飛散を抑制でき、硬化膜の厚膜化や矩形性の高い形状を達成することができると考えられる。
【0016】
本発明において用いられるポリシロキサンは、その構造は特に制限されず、目的に応じて任意のものから選択することができる。ポリシロキサンの骨格構造は、ケイ素原子に結合している酸素数に応じて、シリコーン骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が2)、シルセスキオキサン骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が3)、およびシリカ骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が4)に分類できる。本発明においては、これらのいずれであってもよい。ポリシロキサン分子が、これらの骨格構造の複数の組み合わせを含んだものであってもよい。
【0017】
式(Ia)は以下である。
【化4】
ここで、
は、それぞれ独立に、RIaまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIaである。
Iaは、直鎖または分岐のC1-6アルキレンであり、式(Ia)中のSiと式(Ia1)で表される単位中のいずれかのNとを連結する。RIaは、好ましくは、直鎖のC1-5アルキレンであり、より好ましくは、メチレン、エチレン、プロピレンである。 式(Ia1)は以下である。
【化5】
ここで、
Yは、それぞれ独立に、単結合、ヒドロキシ、直鎖もしくは分岐のC1-10アルキル、または直鎖もしくは分岐のC1-6アルコキシであり、ここで前記アルキルまたは前記アルコキシ中のCはSiに置き換えられていてもよい。Yは、好ましくは単結合であり、Yが単結合の場合は、式(Ia)中のRIaと、式(Ia1)で表される単位中のNとを連結する。
【0018】
式(Ib)は以下である。
【化6】
ここで、
は、それぞれ独立に、RIbまたは-O0.5-であり、ただし、少なくとも1つのXはRIbであり、好ましくは2つのうちのちょうど1つがRIbである。 RIbは、メタ(アクリロイルオキシ)基を有するC3-10の有機基である。ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の総称であり、C3-10の炭素数は(メタ)アクリロイルオキシ基に含まれる炭素原子も含む。RIbは、具体的には、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル、4-(メタ)アクリロイルオキシブチル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルが挙げられる。
【0019】
式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量は、(I)成分の総含有量を基準として、好ましくは8~30質量%であり、より好ましくは10~28質量%である。
式(Ia1)で表される単位の含有量は、(I)成分の総含有量を基準として、好ましくは1~10質量%であり、より好ましくは1~8質量%である。
式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量は、(I)成分の総含有量を基準として、好ましくは3~35質量%であり、より好ましくは5~33質量%である。
【0020】
式(Ia)で表される繰り返し単位の含有量と、式(Ib)で表される繰り返し単位の含有量とが、質量比で、好ましくは5:1~1:3であり、より好ましくは4:1~1:3である。
【0021】
(I)成分は、好ましくは、式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPaと式(Ib)で表される繰り返し単位を含んでなるポリシロキサンPbとの混合物である。
【0022】
ポリシロキサンPab、ポリシロキサンPa、および/またはポリシロキサンPbは、好ましくは、式(Ic)で表される繰り返し単位をさらに含んでなる。
式(Ic)は以下である。
【化7】
ここで、
Icは、水素、C1-30の、直鎖、分岐もしくは環状の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、好ましくは、水素、C1-6の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル、またはC6-10のアリールであり、より好ましくは、水素、メチル、エチル、またはフェニルである。
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基は、それぞれ、非置換であるか、フッ素、ヒドロキシもしくはC1-8アルコキシで置換されており、かつ
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、メチレン(-CH-)のが、置き換えられていないか、または1以上のメチレンが-O-または-CO-で置きかえられていてもよく、ただし、RIcはヒドロキシ、アルコキシではなく、また(メタ)アクリロイルオキシ基を有さない。
【0023】
式(Ic)で表される繰り返し単位の数は、ポリシロキサン分子中に含まれる繰り返し単位の総数を基準として、好ましくは1%以上であり、より好ましくは20%以上である。式(Ia)で示される繰り返し単位は、配合比が高いと、硬化膜の電気特性低下や、硬化膜の接触膜との密着性低下、硬化膜の硬度が減少するため膜表面にキズが発生しやすくなることがあるため、式(Ia)で示される繰り返し単位の数は、ポリシロキサンの繰り返し単位の総数を基準として、好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下である。
【0024】
ポリシロキサンPab、ポリシロキサンPa、および/またはポリシロキサンPbは、好ましくは、式(Id)で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。好ましくは、ポリシロキサンPbは、式(Id)で表される繰り返し単位をさらに含むことができる。
式(Id)は以下である。
【化8】
ポリシロキサンPbにおいて、式(Id)で表される繰り返し単位の数は、ポリシロキサン分子中に含まれる繰り返し単位の総数を基準として、好ましくは8%以上であり、より好ましくは10~99%であり、さらに好ましくは10~80%である。式(Id)で表される繰り返し単位は、配合比が高いと溶媒や添加剤との相溶性が低下、膜応力が上昇するためクラックが発生しやすくなり、配合比が低いと、硬化膜の硬度が減少する。
【0025】
本発明に用いられるポリシロキサンは、上記以外の繰り返し単位を含むこともできるが、上記以外の繰り返し単位の数は、ポリシロキサン分子中に含まれる繰り返し単位の総数を基準として、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下である。上記以外の繰り返し単位を含まないことも、本発明の好適な一形態である。
【0026】
本発明に用いられるポリシロキサンは、末端にシラノールを有することが好ましい。ここで、シラノールは、ポリシロキサンのSi骨格に、直接OH基が結合したもののことをいい、前記の繰り返し単位等を含むポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に直接ヒドロキシが結合したものである。すなわち、前記式の-O0.5-に対して、-O0.5Hが結合することによってシラノールが構成される。ポリシロキサン中のシラノールの含有量はポリシロキサンの合成条件、例えばモノマーの配合比や反応触媒の種類などによって変化する。このシラノールの含有量は、定量的な赤外吸収スペクトル測定によって評価することができる。シラノール(SiOH)に帰属される吸収帯は、赤外吸収スペクトルの900±100cm-1の範囲にピークを有する吸収帯として現れる。シラノールの含有量が高い場合にこの吸収帯の強度が高くなる。
【0027】
本発明に用いられるポリシロキサンの質量平均分子量は、好ましくは500~30,000であり、有機溶剤への溶解性、基板への塗布性、アルカリ現像液への溶解性の点からより好ましくは500~25,000であることが好ましく、さらに好ましくは1,000~20,000である。ここで質量平均分子量とは、ポリスチレン換算質量平均分子量であり、ポリスチレンを基準としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定することができる。
【0028】
(I)成分の含有量は、組成物の溶媒を除く総質量を基準として、好ましくは50~90質量%であり、より好ましくは55~85質量%である。
【0029】
(II)重合開始剤
本発明による組成物は重合開始剤を含んでなる。この重合開始剤は、放射線により酸、塩基またはラジカルを発生する重合開始剤と、熱により酸、塩基またはラジカルを発生する重合開始剤とがある。本発明においては、放射線照射直後から反応が開始され、放射線照射後、現像工程前に行われる再加熱の工程を省くことができるため、プロセスの短縮、コスト面において前者が好ましく、より好ましくは光ラジカル発生剤が好ましい。
【0030】
光ラジカル発生剤は、パターンの形状を強固にしたり、現像のコントラストをあげることにより解像度を改良することができる。本発明に用いられる光ラジカル発生剤は、放射線を照射するとラジカルを放出する光ラジカル発生剤である。ここで、放射線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、電子線、α線、またはγ線等を挙げることができる。
【0031】
光ラジカル発生剤の例として、アゾ系、過酸化物系、アシルホスフィンオキサイド系、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、チタノセン系開始剤が挙げられる。その中でもアルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系開始剤が好ましく、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
【0032】
(II)成分の含有量は、重合開始剤の種類、発生量、要求される感度・露光部と未露光部との溶解コントラストにより最適量は異なるが、(I)成分の総含有量を基準として、好ましくは0.001~30質量%であり、さらに好ましくは0.01~10質量%である。(II)成分が光ラジカル発生剤である場合に、配合量が0.001質量%より少ないと、露光部と未露光部との溶解コントラストが低すぎて、添加効果を有さないことがある。一方、光ラジカル発生剤の配合量が30質量%より多い場合、形成される被膜にクラックが発生したり、光ラジカル発生剤の分解による着色が顕著になることがあるため、被膜の無色透明性が低下することがある。また、配合量が多くなると熱分解により硬化物の電気絶縁性の劣化やガス放出の原因となって、後工程の問題になることがある。さらに、被膜の、モノエタノールアミン等を主剤とするようなフォトレジスト剥離液に対する耐性が低下することがある。
【0033】
(III)溶媒
本発明による組成物は、溶媒を含むことができる。溶媒は、前記した成分、および必要に応じて添加される成分を均一に溶解または分散させるものであれば特に限定されない。本発明に用いることができる溶媒の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、3-メトキシブタノール、1,3-ブタンジオールなどのアルコール類、乳酸エチル、ブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ-ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられ、好ましくは、PGME、3-メトキシブタノール、1,3-ブタンジオール、PGMEA、乳酸エチル、ブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテートである。溶媒は、それぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0034】
本発明による組成物の溶媒含有率は、採用する塗布方法により作業性がよくなるように、また微細な溝内への溶液の浸透性や溝外部において必要とされる膜厚を考慮して、用いるポリシロキサンの質量平均分子量、その分布及び構造に応じて適宜選択することができる。溶媒の含有量は、本発明による組成物の総質量を基準として、好ましくは0~70質量%であり、より好ましくは2~60質量%である。
本発明による組成物は溶媒を必須としない。本発明による組成物は(III)溶媒を含まないことも本発明の一形態である。
【0035】
(IV)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物
本発明による組成物は(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物ということがある)を含むことができる。ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の総称である。この化合物は、ポリシロキサンなどと反応して架橋構造を形成することができる化合物である。ここで架橋構造を形成するために、反応性基である(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物が必要である。3つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含むことで、より高次の架橋構造を形成することができる。
【0036】
このような(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物としては、(α)2つ以上の水酸基を有するポリオール化合物と、(β)2つ以上の(メタ)アクリル酸と、が反応したエステル類が好ましく用いられる。このポリオール化合物(α)としては、飽和または不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ヘテロ環炭化水素、1級、2級、または3級アミン、エーテルなどを基本骨格とし、置換基として2つ以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。このポリオール化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の置換基、例えばカルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、エーテル結合、チオール基、チオエーテル結合などを含んでいてもよい。
【0037】
好ましいポリオール化合物としては、アルキルポリオール、アリールポリオール、ポリアルカノールアミン、シアヌル酸、またはジペンタエリスリトールなどが挙げられる。ここで、ポリオール化合物(α)が3個以上の水酸基を有する場合、すべての水酸基がメタ(アクリル酸)と反応している必要は無く、部分的にエステル化されていてもよい。すなわち、このエステル類は未反応の水酸基を有していてもよい。
このようなエステル類としては、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレートなどが挙げられる。これらのうち、反応性および架橋可能基の数の観点から、トリス(2-アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。また、形成されるパターンの形状を調整するために、これらの化合物を2種類以上組み合わせることもできる。
【0038】
このような化合物は、反応性の観点から相対的にアルカリ可溶性樹脂よりも小さい分子であることが好ましい。このために、分子量が2,000以下であることが好ましく、1,500以下であることが好ましい。
【0039】
この(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の含有量は、用いられるポリマーや(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の種類などに応じて調整されるが、樹脂との相溶性の観点から、(I)成分の総質量を基準として、15~40質量%、より好ましくは17~30質量%であることが好ましい。低濃度の現像液を用いる場合には、20~200質量%であることが好ましい。また、これらの(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
本発明による組成物は、必要に応じてさらなる化合物を組み合わせることができる。これらの組み合わせることができる材料について説明すると以下の通りである。なお、組成物全体にしめる(I)~(IV)以外の成分の総量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
【0041】
本発明による組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤、密着増強剤、消泡剤、熱硬化促進剤などが挙げられる。
【0042】
界面活性剤は、塗布特性、現像性等の向上を目的として添加される。本発明で使用することのできる界面活性剤としては、例えば非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【0043】
上記非イオン系界面活性剤としては、例えば、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレンブロックポリマー、アセチレンアルコール、アセチレンアルコールのポリエトキシレートなどのアセチレンアルコール誘導体、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリエトキシレートなどのアセチレングリコール誘導体、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード(商品名、住友スリーエム株式会社製)、メガファック(商品名、DIC株式会社製)、スルフロン(商品名、旭硝子株式会社製)、または有機シロキサン界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。前記アセチレングリコールとしては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0044】
またアニオン系界面活性剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩などが挙げられる。
【0045】
さらに両性界面活性剤としては、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリル酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【0046】
これら界面活性剤は、単独でまたは2種以上混合して使用することができ、その配合量は、本発明による組成物に対し、通常50~10000ppm、好ましくは100~8000ppmである。
【0047】
密着増強剤は、本発明による組成物を用いて硬化膜を形成させたときに、焼成後にかかる応力によりパターンが剥がれることを防ぐ効果を有する。密着増強剤としては、イミダゾール類やシランカップリング剤などが好ましく、イミダゾール類では、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシエチルベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシイミダゾール、イミダゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-アミノイミダゾールが好ましく、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシイミダゾール、イミダゾールが特に好ましく用いられる。
【0048】
消泡剤としては、アルコール(C18)、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、グリセリンモノラウリレート等の高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(PEG)(Mn200~10000)、ポリプロピレングリコール(PPG)(Mn200~10000)等のポリエーテル、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等のシリコーン化合物、および上記の有機シロキサン系界面活性剤が挙げられる。これらは単独または複数を組み合わせて使用することができ、その添加量は(I)成分の総質量を基準として、0.1~3質量%とすることが好ましい。
【0049】
熱硬化促進剤としては、熱塩基発生剤、熱酸発生剤等が挙げられる。通常、熱硬化促進剤を含ませることで、塗布膜の加熱時の硬化速度を大きくすることができる。
【0050】
また、本発明による組成物は、さらに光塩基発生剤、光酸発生剤等を含ませることで、感光性を有する組成物として使用することもできる。
【0051】
硬化膜の製造方法
本発明による硬化膜の製造方法は、本発明による組成物を基板に適用して塗膜を形成させること、および塗膜を加熱することを含んでなるものである。本発明において、「基板に」は、組成物を基板に直接塗布するケースや、組成物を1以上の中間層を介して基板に塗布するケースも含むものとする。硬化膜の形成方法を工程順に説明すると以下の通りである。
【0052】
(1)適用工程
基板の形状は特に限定されず、目的に応じて任意に選択することができる。しかしながら、本発明による組成物は、狭い溝部などにも容易に浸透し、溝の内部においても均一な硬化膜を形成できるという特徴があるため、アスペクト比の高い溝部や孔を有する基板に適用することができる。具体的には最深部の幅が0.2μm以下でそのアスペクト比が2以上である溝を少なくとも一つ有する基板などに適用することができる。ここで溝の形状に特に限定はなく、断面が長方形、順テーパー形状、逆テーパー形状、曲面形状、等いずれの形状であってもよい。また、溝の両端部分は開放されていても閉じていてもよい。
【0053】
アスペクト比の高い溝を少なくとも一つ有する基板の代表例として、トランジスター素子、ビットライン、キャパシター、等を具備した電子デバイス用基板が挙げられる。このような電子デバイスの製作には、PMDと呼ばれるトランジスター素子とビットラインとの間、トランジスター素子とキャパシターとの間、ビットラインとキャパシターとの間、またはキャパシターと金属配線との間の絶縁膜や、IMDと呼ばれる複数の金属配線間の絶縁膜の形成、或いはアイソレーション溝の埋封、といった工程に続き、微細溝の埋封材料を上下に貫通する孔を形成するスルーホールめっき工程が含まれる場合がある。
【0054】
組成物の適用は、任意の方法により行うことができる。具体的には、浸漬塗布、ロールコート、バーコート、刷毛塗り、スプレーコート、ドクターコート、フローコート、スピンコート、およびスリット塗布等から任意に選択することができる。また組成物を塗布する基板としては、シリコン基板、ガラス基板、樹脂フィルム等の適当な基板を用いることができる。これらの基板には、必要に応じて各種の半導体素子などが形成されていてもよい。基板がフィルムである場合には、グラビア塗布も利用可能である。所望により塗膜後に乾燥工程を別に設けることもできる。また、必要に応じて塗布工程を1回または2回以上繰り返して、形成される塗膜の膜厚を所望のものとすることができる。
【0055】
(2)プリベーク工程
組成物を塗布することにより、塗膜を形成させた後、その塗膜を乾燥させ、且つ塗膜中の溶媒残存量を減少させるため、その塗膜をプリベーク(前加熱処理)することもできる。プリベーク工程は、一般に50~150℃、好ましくは90~120℃の温度で、ホットプレートによる場合には10~300秒間、好ましくは30~120秒間、クリーンオーブンによる場合には1~30分間実施することができる。
【0056】
(3)露光工程
用いられる組成物が感光性である場合、塗膜を形成させた後、その塗膜表面に光照射を行う。光照射に用いる光源は、パターン形成方法に従来使用されている任意のものを用いることができる。このような光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド、キセノン等のランプやレーザーダイオード、LED等を挙げることができる。照射光としてはg線、h線、i線などの紫外線が通常用いられる。半導体のような超微細加工を除き、数μmから数十μmのパターニングでは360~430nmの光(高圧水銀灯)を使用することが一般的である。中でも、液晶表示装置の場合には430nmの光を使用することが多い。このような場合に、本発明による組成物に増感色素を組み合わせると有利であることは上述した通りである。照射光のエネルギーは、光源や塗膜の膜厚にもよるが、一般に5~2,000mJ/cm、好ましくは10~1,000mJ/cmとする。照射光エネルギーが5mJ/cmよりも低いと十分な解像度が得られないことがあり、反対に2,000mJ/cmよりも高いと、露光過多となり、ハレーションの発生を招く場合がある。
【0057】
光をパターン状に照射するためには一般的なフォトマスクを使用することができる。そのようなフォトマスクは周知のものから任意に選択することができる。照射の際の環境は、特に限定されないが、一般に周囲雰囲気(大気中)や窒素雰囲気とすればよい。また、基板表面全面に膜を形成する場合には、基板表面全面に光照射すればよい。本発明においては、パターン膜とは、このような基板表面全面に膜が形成された場合をも含むものである。
【0058】
(4)露光後加熱工程
露光後、重合開始剤により膜内のポリマー間反応を促進させるため、必要に応じて露光後加熱(Post Exposure Baking)を行うことができる。この加熱処理は、後述する加熱工程(6)とは異なり、塗膜を完全に硬化させるために行うものではなく、現像後に所望のパターンだけが基板上に残し、それ以外の部分が現像により除去することが可能となるように行うものである。したがって、本願発明において必須ではない。
【0059】
露光後加熱を行う場合、ホットプレート、オーブン、またはファーネス等を使用することができる。加熱温度は光照射によって発生した露光領域の酸、塩基またはラジカルが未露光領域まで拡散することは好ましくないため、過度に高くするべきではない。このような観点から露光後の加熱温度の範囲としては、40℃~150℃が好ましく、60℃~120℃が更に好ましい。組成物の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的加熱を適用することもできる。また、加熱の際の雰囲気は特に限定されないが、組成物の硬化速度を制御することを目的として、窒素などの不活性ガス中、真空下、減圧下、酸素ガス中などから選択することができる。また、加熱時間は、ウエハ面内の温度履歴の均一性がより高く維持するために一定以上であることが好ましく、また発生した酸、塩基、またはラジカルの拡散を抑制するためには過度に長くないことが好ましい。このような観点から、加熱時間は20秒~500秒が好ましく、40秒~300秒がさらに好ましい。
【0060】
(5)現像工程
露光後、必要に応じて露光後加熱を行ったあと、塗膜を現像処理する。現像の際に用いられる現像液としては、従来、感光性組成物の現像に用いられている任意の現像液を用いることができる。好ましい現像液としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム、コリン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタ珪酸塩(水和物)、アルカリ金属燐酸塩(水和物)、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、複素環式アミンなどのアルカリ性化合物の水溶液であるアルカリ現像液が挙げられ、特に好ましいアルカリ現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、水酸化カリウム水溶液、または水酸化ナトリウム水溶液である。これらアルカリ現像液には、必要に応じ更にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤、あるいは界面活性剤が含まれていてもよい。現像方法も従来知られている方法から任意に選択することができる。具体的には、現像液への浸漬(ディップ)、パドル、シャワー、スリット、キャップコート、スプレーなどの方法挙げられる。この現像によって、パターンを得ることができる、現像液により現像が行われた後には、水洗がなされることが好ましい。
【0061】
(6)硬化工程
用いられる組成物が非感光性である場合は、(1)および/(2)工程で得られた塗膜を、感光性である場合は、(5)工程で得られたパターン膜を加熱することにより硬化させる。加熱工程に使う加熱装置には、前記した露光後加熱に用いたものと同じものを用いることができる。この硬化工程における加熱温度としては、塗膜の硬化が行える温度であれば特に限定されず、任意に定めることができる。ただし、ポリシロキサンのシラノール基が残存すると、硬化膜の薬品耐性が不十分となったり、硬化膜の誘電率が高くなることがある。このような観点から加熱温度は一般的には相対的に高い温度が選択される。一般的に硬化後の残膜率を高く保つために、硬化温度は350℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることが特に好ましい。一方で、硬化反応を促進し、十分な硬化膜を得るために、硬化温度は70℃以上であることが好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましい。加熱時間は特に限定されず、一般に10分~24時間、好ましくは30分~3時間とされる。なお、この加熱時間は、パターン膜の温度が所望の加熱温度に達してからの時間である。通常、加熱前の温度からパターン膜が所望の温度に達するまでには数分から数時間程度要する。硬化工程は、大気雰囲気下で行われることが好ましい。
【0062】
本発明による硬化膜は、上記の方法で製造されたものである。
本発明による硬化膜の膜厚は特に限定されないが、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15~60μmであり、さらに好ましくは20~50μmである。
本発明によれば、厚膜で、アスペクト比も高く、かつ矩形性に優れた硬化膜パターンを形成することができる。形成される硬化膜パターンは、パターン全体にわたり、パターン幅の変化が少なく、特に、パターン底部の幅とパターン頂部の幅との変化が少ない。
パターン幅比率=(パターン底部の幅-パターン頂部の幅)/(パターン底部の幅)×100とすると、パターン幅比率は、好ましくは5%未満である。
【0063】
こうして得られた硬化膜は、高い透過率を有するものである。具体的には、膜厚30μmのときの波長400nmの光に対する透過率が、95%以上であることが好ましく、より好ましくは96%以上である。
得られた硬化膜は、高い耐熱性を有している。150℃で1,000時間保管後においても、保管前と比較して、透過率の変化率が低い。
【0064】
本発明による素子の製造方法は、上記の硬化膜の製造方法を含んでなる。本発明による組成物を用いて製造された硬化膜は、高い透過率を有し、厚膜でアスペクト比が高く、矩形性の高い形状を達成できるため、表示装置において画素間を仕切るための隔壁として好適に用いられる。本発明によるパターンは、厚膜かが可能であるため、より厚い隔壁材料が求められる、マイクロLED、量子ドットディスプレイや有機エレクトロニックルミネッセンスデバイスに好適に用いることができる。
【0065】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例により何ら限定されるものではない。
【0066】
質量平均分子量(Mw)はポリスチレンを基準として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。GPCは、allianceTM e2695型高速GPCシステム(日本ウォーターズ株式会社)およびSuper Multipore HZ-N型GPCカラム(東ソー株式会社)を用いて測定を行う。測定は、単分散ポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフランを展開溶媒として、流量0.6ミリリットル/分、カラム温度40℃の測定条件で行った上で、標準試料への相対分子量としてMwを算出する。
【0067】
合成例1:ポリシロキサンPa-1
撹拌機、温度計、冷却管を備えた1Lの三口フラスコに、35質量%HCl水溶液8g、PGMEA400g、水27gを仕込み、次いでフェニルトリメトキシシラン39.7g、メチルトリメトキシシラン34.1g、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート30.8g、トリメトキシシラン0.3gの混合溶液を調整する。その混合溶液を10℃にて前記フラスコ内に滴下し、同温で3時間撹拌した。次に酢酸プロピル300gを加え、分液ロートにて油層と水層に分離する。分離後の油層に残るナトリウムをさらに除去するために200gの水にて4回洗浄し、廃液の水槽のpHが4~5であることを確認する。得られた有機層を減圧下濃縮することで溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度30質量%となるようにPGMEAを添加調整し、ポリシロキサンPa-1溶液に調整する。得られたポリシロキサンPa-1のMw=12,600であった。
【0068】
合成例2:ポリシロキサンPb-1
撹拌機、温度計、冷却管を備えた2Lのフラスコに、25質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液36.7g、IPA600ml、水3.0gを仕込み、次いで滴下ロートにメチルトリメトキシシラン17g、フェニルトリメトキシシラン29.7g、テトラメトキシシラン7.6gおよび3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン43.4gの混合溶液を調製する。その混合溶液を40℃にて滴下し、同温で2時間撹拌した後、10%HCl水溶液を加え中和する。中和液にトルエン400ml、水600mlを添加し、2層に分離させ、水層を除去する。さらに300mlの水にて3回洗浄し、得られた有機層を減圧下濃縮することで溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度30質量%なるようにPGMEAを添加調整し、ポリシロキサンPb-1溶液を得る。得られるポリシロキサンPb-1のMw=2,050である。
【0069】
合成例3:ポリシロキサンPb-2
撹拌機、温度計、冷却管を備えた2Lのフラスコに、25質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液36.7g、IPA600ml、水3.0gを仕込み、滴下ロートに3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン96.0gを導入する。40℃にて滴下し、同温で2時間撹拌した後、10%HCl水溶液を加え中和する。中和液にトルエン400ml、水600mlを添加し、2層に分離させ、水層を除去する。さらに300mlの水にて3回洗浄し、得られた有機層を減圧下濃縮することで溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度30質量%なるようにPGMEAを添加調整し、ポリシロキサンPb-2溶液を得る。得られるポリシロキサンPb-2のMw=3,200である。
【0070】
合成例4:ポリシロキサンA
撹拌機、温度計、冷却管を備えた2Lのフラスコに、メチルトリメトキシシラン29.1g、フェニルトリメトキシシラン0.6gおよびテトラメトキシシラン0.4g、PGME308mlを仕込み、0.2℃に冷却する。次いで滴下ロートから37質量%テトラ-n-ブチルアンモニウムハイドロキサイドメタノール溶液96.6gをフラスコ内に滴下し2時間撹拌した後、ノルマルプロピルアセテート500mlを加えた後に、再度0.2℃に冷却し、TBAHに対し1.1等量の3%塩酸水溶液を加えた後に1時間中和撹拌する。中和液にノルマルプロピルアセテート1,000ml、水250mlを添加し、反応液を2層に分離させ、得られた有機層を水250ccで3回洗浄後に減圧下濃縮することで水分と溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度30質量%なるようにPGMEAを添加調整してポリシロキサンA溶液を得る。得られるポリシロキサンAのMw=2,630である。
【0071】
硬化膜形成組成物の調製
溶媒を除く組成が、以下の表1-1および1-2に示す成分および含有量となるように、実施例および比較例の組成物を調製する。表中、組成の数値は、溶媒を除く組成物の総質量を基準とした各成分の質量%である。溶媒は、PGMEA/PGME(35質量%/65質量%)の混合溶媒を用い、組成物の総質量を基準とした含有量は、50質量%である。
【表1-1】
【表1-2】
表中、
アクリルポリマーA:「AZ HT-035C50」(メルクエレクトロニクス株式会社);
アクリロイルオキシ基含有化合物A:トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、「A-9300」、新中村化学工業株式会社;
アクリロイルオキシ基含有化合物B:ペンタエリスリトールトリおよびテトラアクリレート、「A-TMM-3」、新中村化学工業株式会社;
光ラジカル発生剤A:「アデカアークルズ NCI-930」、株式会社ADEKA;
界面活性剤A:「KF-53」、信越化学工業株式会社。
【0072】
(タック評価)
得られる各組成物をガラス基板にスピンコーター(ミカサ株式会社製 1HDX2)を用いて塗布する。塗布基板を100℃に加熱したホットプレート上で90秒間プリベークする。露光装置PLA-501(キャノン株式会社)を用い、20μmのラインアンドスペースパターンが刻まれたマスクを通して、それぞれに最適な積算光量で露光し(ソフトコンタクト露光)、露光後はすぐにマスクを外す。マスクを外すときの状態を下記の基準にしたがって、評価する。得られる結果を表1-1および1-2に記載する。
A:マスクを垂直に持ち上げたときに、マスクが塗布膜から抵抗なく剥がれる。
B:マスクを垂直に持ち上げたときに、マスクが塗布膜から剥がれない。
【0073】
(透過率)
得られる各組成物を、スピンコーターを用いて無アルカリガラスに塗布し、塗布後ホットプレート上で100℃で90秒間プリベークする。i線露光機を用い50mJ/cmで塗布面全面に露光し、2.38質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬させ、30秒間純水によるリンスを行う。その後、200℃で1時間加熱し、硬化させる。得られる硬化膜は30μmになるように調整される。得られる硬化膜をUV吸収測定器(U-4000)にて測定し、波長が400nmのところの透過率を求める。得られる透過率を表1-1および1-2に記載する。
【0074】
(耐熱性)
上記の透過率を測定した基板を150℃で1,000時間保管し、再度透過率を測定する。保管前後の透過率の変化率を算出し、以下の基準にしたがって、評価する。得られる結果を表1-1および1-2に記載する。
A:透過率の変化率が1%未満である。
B:透過率の変化率が1%以上5%未満である。
C:透過率の変化率が5%以上である。
【0075】
(パターン形状)
得られた各組成物を、スピンコートによってシリコンウエハ上に塗布し、塗布後ホットプレート上で100℃で90秒間加熱(プリベーク)し、塗膜を形成する。i線露光機を用いて50mJ/cmでマスクを介して露光し、2.38質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬させ、その後、30秒間純水によるリンスを行い、乾燥させる。その結果、10μmのコンタクトホール(C/H)パターンが形成される。このパターンをホットプレート上で200℃で60分間加熱し、硬化パターンを形成させる。
このとき、SEMにより断面観察し、パターン底部の幅とパターン頂部の幅を測定し、パターン幅比率=(パターン底部の幅-パターン頂部の幅)/(パターン底部の幅)×100を算出する。以下の基準にしたがって、パターン幅比率を評価する。得られる結果を表1-1および1-2に記載する。
A:パターン幅比率が5%未満である。
B:パターン幅比率が5%以上20%未満である。
C:パターン幅比率が20%以上50%未満である。
【0076】
(膜厚)
上記のパターン形状で形成されたパターンをホットプレート上で230℃で30分間加熱し、、断面観察により、膜厚(パターン底部とパターン頂部との距離)を測定し、得られる結果を表1-1および1-2に記載する。
【0077】
(アスペクト比)
上記のパターン形状で形成されたパターンについて、断面観察により、アスペクト比=膜厚/パターン底部の幅を算出し、得られる結果を表1-1および1-2に記載する。
【国際調査報告】