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特表2024-534583基板を処理するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】基板を処理するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20240912BHJP
   C23C 14/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C23C14/34 U
C23C14/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518453
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022035931
(87)【国際公開番号】W WO2023069156
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/506,075
(32)【優先日】2021-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ハルバート
(72)【発明者】
【氏名】フォースター ジョン シー
(72)【発明者】
【氏名】ウィソク イレーナ エイチ
(72)【発明者】
【氏名】シー ティエフェン
(72)【発明者】
【氏名】フー ガン
(72)【発明者】
【氏名】ホイッグ レヌ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー キース エイ
(72)【発明者】
【氏名】レディー スンダラパンディアン ラマリンガ ヴィジャヤラクシュミ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ジャンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ロンジュン
(72)【発明者】
【氏名】グン ツァ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】サヴァンダイア キランクマール ニーラサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ナヤク アヴィナシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ レイ
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA05
4K029DA09
4K029DA10
4K029DC20
4K029DC34
4K029DC35
4K029DC39
(57)【要約】
基板を処理するための方法および装置が、本明細書において提供される。例えば、基板を処理するための処理チャンバは、スパッタリングターゲットと、処理チャンバの内部容積部を少なくとも部分的に画定し、接地に接続されたチャンバ壁と、RF電源を含む電源と、スパッタリングターゲットおよび基板支持体を囲むプロセスキットと、接地およびスパッタリングターゲットに接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、コントローラとを含み、コントローラは、処理チャンバの内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出し、プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間内部容積部内のプラズマとプロセスキットとの間の所定の電位差を維持するようにACTを使用してスパッタリングターゲットを調整するように構成され、所定の電位差がACTの共振点に基づいている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための処理チャンバであって、
前記処理チャンバの内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、
前記処理チャンバ内の前記内部容積部を少なくとも部分的に画定し、接地に接続されたチャンバ壁と、
前記スパッタリングターゲットに接続され、エッチングプロセス中に前記内部容積部内にプラズマを形成するための洗浄ガスにエネルギーを与えるように構成されたRF電源を含む電源と、
前記スパッタリングターゲットおよび基板支持体を囲むプロセスキットと、
接地および前記スパッタリングターゲットに接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、
コントローラとを含み、前記コントローラは、
前記処理チャンバの前記内部容積部に配された前記洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出し、
前記プロセスキットからスパッタリング材料を除去するための前記エッチングプロセスの間前記内部容積部内の前記プラズマと前記プロセスキットとの間の所定の電位差を維持するように前記ACTを使用して前記スパッタリングターゲットを調整するように構成され、前記所定の電位差が前記ACTの共振点に基づいている、
処理チャンバ。
【請求項2】
前記ACTの前記共振点が、ACT処理曲線を使用して決定され、
前記ACTの前記共振点が、全同調容量の約58%~約75%である、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項3】
全同調容量の約60%における前記ACTの場合、シールドエッジのエッチング速度が約11.7A/sであり、シールド上部の前記エッチング速度が約11.5A/sであり、シールドコーナーの前記エッチング速度が約12A/sである、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項4】
前記電源が、物理的気相堆積のためにパルスDCを前記スパッタリングターゲットに供給するように構成されたDC電源をさらに含む、請求項1に記載の処理チャンバ。
【請求項5】
前記DC電源に接続され、前記エッチングプロセスの間前記処理チャンバから前記DC電源を切断するように構成されたリレーボックスをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載のプロセスチャンバ。
【請求項6】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記処理チャンバの壁で支持され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記処理チャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項1~4のいずれかに記載の処理チャンバ。
【請求項7】
前記洗浄ガスが、ホウ素(B)、フッ素(F)、窒素(N)、ニオブ(Nb)、酸素(O2)、オゾン(O3)、水酸化物(OH)、過酸化物(H22)、塩素(Cl2)、または硫黄(S)のうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれかに記載の処理チャンバ。
【請求項8】
処理チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法であって、
前記処理チャンバの前記内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出すことと、
接地に接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、前記内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、前記プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間前記内部容積部内の前記プラズマと前記プロセスキットとの間の所定の電位差を維持するように前記ACTを使用して前記スパッタリングターゲットを調整するように構成されたコントローラとを調整することとを含み、前記所定の電位差が前記ACTの共振点に基づいている、方法。
【請求項9】
前記ACTの前記共振点が、ACT処理曲線を使用して決定され、
前記ACTの前記共振点が、全同調容量の約58%~約75%である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
全同調容量の約60%における前記ACTの場合、シールドエッジのエッチング速度が約11.7A/sであり、シールド上部の前記エッチング速度が約11.5A/sであり、シールドコーナーの前記エッチング速度が約12A/sである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記エッチングプロセスの間リレーボックスを使用してDC電源を切断することをさらに含み、前記DC電源が、物理的気相堆積のためにパルスDCを前記スパッタリングターゲットに供給するように構成される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記処理チャンバの壁で支持され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記処理チャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項8~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記スパッタリングターゲットを第1の温度に維持することと、
前記プロセスキットの前記シールドを前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の温度が約50℃~約100℃であり、前記第2の温度が約250℃~約300℃である、請求項8~11または13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記洗浄ガスが、ホウ素(B)、フッ素(F)、窒素(N)、ニオブ(Nb)、酸素(O2)、オゾン(O3)、水酸化物(OH)、過酸化物(H22)、塩素(Cl2)、または硫黄(S)のうちの少なくとも1つである、請求項8~11または13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
プロセッサによって実行されたときに処理チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法を実行する命令を格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体であって、
前記処理チャンバの前記内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出すことと、
接地に接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、前記内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、前記プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間前記内部容積部内の前記プラズマと前記プロセスキットとの間の所定の電位差を維持するように前記ACTを使用して前記スパッタリングターゲットを調整するように構成されたコントローラとを調整することとを含み、前記所定の電位差が前記ACTの共振点に基づいている、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記ACTの前記共振点が、ACT処理曲線を使用して決定され、
前記ACTの前記共振点が、全同調容量の約58%~約75%である、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項18】
全同調容量の約60%における前記ACTの場合、シールドエッジのエッチング速度が約11.7A/sであり、シールド上部の前記エッチング速度が約11.5A/sであり、シールドコーナーの前記エッチング速度が約12A/sである、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記エッチングプロセスの間リレーボックスを使用してDC電源を切断することをさらに含み、前記DC電源が、物理的気相堆積のためにパルスDCを前記スパッタリングターゲットに供給するように構成される、請求項16~19のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記プロセスキットが、
上部部分および下部部分を有する円筒状本体を有するシールドと、
前記処理チャンバの壁で支持され、前記シールドを支持するための載置面を有するアダプタセクションと、
前記アダプタセクションに結合され、前記シールドを加熱するために前記処理チャンバの少なくとも1つの電源に電気的に結合されるように構成されたヒータと
を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板を処理するための方法および装置に関する。例えば、本開示の実施形態は、ターゲットに接続するRF源に接続された自動容量性チューナ(ACT)を使用する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的気相堆積(PVD)チャンバが知られている。例えば、PVDチャンバは、PVDチャンバの処理容積部に配設された基板支持体で支持された基板上に材料をスパッタする。PVDプロセスが実行された後、スパッタ材料の一部は、同様に処理容積部に配設されたプロセスキット上に堆積されることがある(例えば、シールド上の残留物)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のPVDチャンバは、良好な粒子性能を維持するために、プロセスキット上の残留物(例えば、炭素/窒化炭素C/CN)を洗浄するのにエッチングプロセスを使用する。例えば、ある場合には、エッチングプロセスは、例えば、酸素(O2)プラズマからのイオンを使用してプロセスキットに衝撃を与えることを含む。しかしながら、洗浄プロセス中のエッチング速度は、1つまたは複数の要因、例えば、比較的高くなることがあるプロセスキットの温度によって制限され得る。したがって、エッチングプロセスを効果的なものにするために、プロセスキットを冷却するための時間を必要とする。したがって、プロセスキット上の残留物を除去するための洗浄プロセスを実行する時間が、比較的長くなることがあり、その結果、処理チャンバの生産性およびスループットが低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基板を処理するための方法および装置が、本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、基板を処理するための処理チャンバは、処理チャンバの内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、処理チャンバの内部容積部を少なくとも部分的に画定し、接地に接続されたチャンバ壁と、スパッタリングターゲットに接続され、エッチングプロセス中に内部容積部内にプラズマを形成するための洗浄ガスにエネルギーを与えるように構成されたRF電源を含む電源と、スパッタリングターゲットおよび基板支持体を囲むプロセスキットと、接地およびスパッタリングターゲットに接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、コントローラとを含み、コントローラは、処理チャンバの内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出し、プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間内部容積部内のプラズマとプロセスキットとの間の所定の電位差を維持するようにACTを使用してスパッタリングターゲットを調整するように構成され、所定の電位差がACTの共振点に基づいている。
【0005】
少なくともいくつかの実施形態によれば、処理チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法は、処理チャンバの内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出すことと、接地に接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間内部容積部内のプラズマとプロセスキットとの間の所定の電位差を維持するようにACTを使用してスパッタリングターゲットを調整するように構成されたコントローラとを調整することとを含み、所定の電位差がACTの共振点に基づいている。
【0006】
少なくともいくつかの実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体が、プロセッサによって実行されたときに処理チャンバの内部容積部に配設されたプロセスキットを洗浄するための方法を実行する命令を格納している。この方法は、処理チャンバの内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出すことと、接地に接続された自動キャパシタチューナ(ACT)と、内部容積部に配設されたスパッタリングターゲットと、プロセスキットからスパッタリング材料を除去するためのエッチングプロセスの間内部容積部内のプラズマとプロセスキットとの間の所定の電位差を維持するようにACTを使用してスパッタリングターゲットを調整するように構成されたコントローラとを調整することとを含み、所定の電位差がACTの共振点に基づいている。
【0007】
本開示の他のおよびさらなる実施形態を以下で説明する。
【0008】
上述で簡潔に要約し、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示の実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえに、本開示が他の等しく有効な実施形態を認めることができるので、範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、処理チャンバの概略側面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、基板を処理するように構成されたプロセスキットを洗浄するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合、同一の参照番号が、図に共通する同一の要素を指定するために使用されている。図は、縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡単化されている場合がある。ある実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【0011】
本開示によれば、方法および装置は、スパッタリングターゲットと接地とに接続された自動容量性チューナ(ACT)を使用する。例えば、スパッタリングターゲットに接続されたACTの実施により、プラズマ電位を異なるACT位置で操作することができる。ACTは、全同調容量の特定のACT位置に調整され得る。例えば、本発明者らは、ACT同調曲線から決定することができる共振点にACTを同調させることにより、プロセスキットのエッチング速度を大幅に向上させることができることを見いだした。エッチング速度の向上により、プロセスキット上の残留物堆積に関する処理チャンバ内の合計洗浄時間を改善することができ、それにより、チャンバ生産性が向上し、スループットが改善され、欠陥が減少する。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による処理チャンバ100(例えば、PVDチャンバ)の概略側面図を示す。本開示のプロセスキットシールドとともに使用するのに適するPVDチャンバの例は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.から市販されているものである。Applied Materials, Inc.または他の製造業者からの他の処理チャンバもまた、本明細書に開示される本発明の装置から利益を得ることができる。
【0013】
処理チャンバ100は、内部容積部108(プロセス容積部/空洞)を囲むチャンバ壁106を含む。チャンバ壁106は、側壁116および底壁120を含む。プロセスチャンバ100は、スタンドアロンチャンバ、または様々なチャンバ間で基板104を移送する基板移送機構によって接続された相互接続されたチャンバのクラスタを有するマルチチャンバプラットホーム(図示せず)の一部とすることができる。プロセスチャンバ100は、以下でより詳細に説明するように、基板104上に材料をスパッタ堆積させ、処理チャンバ100のプロセスキットをエッチング/洗浄することができるPVDチャンバとすることができる。スパッタ堆積のための適切な材料の非限定の例には、炭素(C)、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(SiN)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、炭化タングステン(WC)、銅(Cu)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化炭素(CN)、などのうちの1つまたは複数が含まれる。
【0014】
処理チャンバ100は、基板104を支持するためのペデスタル134を含む基板支持体130を含む。ペデスタル134の基板支持面138は、処理中に基板104を受け取り支持する。ペデスタル134は、静電チャックまたはヒータ(電気抵抗加熱器、熱交換器、または他の適切な加熱デバイスなど)を含むことができる。基板104は、処理チャンバ100の側壁116の基板ローディング入口143を通してプロセスチャンバ100内に導入され、基板支持体130上に配置され得る。支持リフト機構によって基板支持体130を上昇または下降させることができ、ロボットアームによって基板104を基板支持体130に配置する間に、リフトフィンガアセンブリを使用して、基板104を基板支持体130上に上昇または下降させることができる。ペデスタル134は、バイアスをかけることができ、プラズマ動作中、電気的浮遊電位に維持するか、または接地することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ペデスタル134は、以下でより詳細に説明するように、所与の電位にバイアスをかけることができ、その結果、プロセスキットの洗浄プロセス中に、電源(例えば、RF電源またはDC電源)を使用して、1つまたは複数のガス(例えば、洗浄ガス)に点火して、イオンおよびラジカルを含むプラズマを作り出すことができ、そのプラズマは、プロセスキット上に堆積された1つまたは複数の材料と反応するために使用され得る。
【0015】
ペデスタル134は、以下でより詳細に説明するように、ACTに接続され得るスパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と実質的に平行な面を有する基板支持面138を有する。スパッタリングターゲット140は、熱伝導性とすることができるバッキング板142に、1つまたは複数の適切な取り付けデバイス、例えば、はんだ接合を使用して取り付けられたスパッタリング板141を含む。スパッタリング板141は、基板104上にスパッタされるべき材料を含む。バッキング板142は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅-クロム、または銅-亜鉛などの金属から製作される。バッキング板142は、スパッタリング板141とバッキング板142とで形成されたスパッタリングターゲット140に発生した熱を放散させるために十分に高い熱伝導率を有する材料から製作することができる。熱は、スパッタリング板141およびバッキング板142に生じる渦電流から、さらに、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139上へのプラズマからの高エネルギーイオンの衝撃から発生する。バッキング板142により、スパッタリングターゲット140で発生した熱を、周囲の構造に、またはバッキング板142の裏に取り付けるかまたはバッキング板142内に配設することができる熱交換器に放散させることが可能である。例えば、バッキング板142は、チャネル(図示せず)を含み、その中で伝熱流体を循環させることができる。バッキング板142の適切に高い熱伝導率は、少なくとも約200W/mK、例えば、約220~約400W/mKである。そのような熱伝導率レベルにより、スパッタリングターゲット140は、スパッタリングターゲット140で発生した熱をより効率的に放散させることによってより長いプロセス期間の間動作することが可能になり、さらに、例えば、プロセスキット上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、スパッタリング板141の比較的速い冷却が可能になる。
【0016】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、スパッタリングターゲット140のスパッタリングを改善するためにスパッタリングターゲット140のまわりに磁界を形成するための磁界発生器150を含むことができる。容量的に発生されるプラズマを磁界発生器150によって増強することができ、例えば、複数の磁石151(例えば、永久磁石または電磁石コイル)が、基板104の面に対して垂直な回転軸を有する回転磁界を有する磁界を処理チャンバ100内に提供することができる。処理チャンバ100は、加えてまたは代替として、スパッタリングターゲット140に隣接する高密度プラズマ領域のイオン密度を増加させてターゲット材料のスパッタリングを改善するために、処理チャンバ100のスパッタリングターゲット140の近くに磁界を発生させる磁界発生器150を含むことができる。
【0017】
スパッタガスが、ガス供給システム160によって処理チャンバ100に導入され、ガス供給システム160は、設定された流量のガスを通過させるためのマスフローコントローラなどのガス流量制御バルブ(図示せず)を有する導管163を介してガス供給部161からガスを供給する。スパッタリングガスは、アルゴンまたはキセノンなどの非反応性ガスを含むことができ、非反応性ガスは、スパッタリングターゲット140に勢いよく衝突し、スパッタリングターゲット140から材料をスパッタすることができる。プロセスガスは、スパッタされた材料と反応して基板104上に層を形成することができる酸素含有ガス(O2)および窒素含有ガス(N2)のうちの1つまたは複数などの反応性ガスをさらに含むことができる。次いで、ガスは、電源(例えば、RF電源またはDC電源)によってエネルギーを与えられてプラズマを形成するかまたは作り出し、それにより、スパッタリングターゲット140をスパッタする。例えば、プロセスガスは、高エネルギー電子によってイオン化され、イオン化されたガスは、負電圧(例えば、-300~-1500ボルト)でバイアスされたスパッタリング材料に引き寄せられる。カソードの電位によってイオン化ガス(例えば、ここでは、正に帯電したガス原子)に付与されたエネルギーは、スパッタリングを引き起こす。いくつかの実施形態では、反応性ガスはスパッタリングターゲット140と直接反応して、化合物が作り出され、次いで、引き続き、スパッタリングターゲット140からスパッタされ得る。例えば、カソードは、DC電源190とRF電源(例えば、使用される場合には、RF電源170)の両方によってエネルギーを与えられ得る。いくつかの実施形態では、DC電源190は、堆積の間、パルスDCを供給してカソードに電力を供給するように構成することができる。使用済みプロセスガスおよび副生成物は、排気部162を通して処理チャンバ100から排気される。排気部162は、排気口(図示せず)を含み、排気口は、使用済みプロセスガスを受け取り、使用済みガスを、処理チャンバ100内のガスの圧力を制御するためのスロットルバルブを有する排気導管164に渡す。排気導管164は、1つまたは複数の排気ポンプ(図示せず)に接続される。
【0018】
加えて、ガス供給システム160は、プロセスキットのシールドの洗浄プロセスを実行するために、エネルギーを与えて活性洗浄ガス(例えば、イオン化プラズマまたはラジカル)を作り出すことができるガスのうちの1つまたは複数(例えば、スパッタリングターゲット140に使用されている材料に応じて)を、処理チャンバ100の内部容積部108内に導入するように構成され、それは、以下でより詳細に説明される。代替としてまたは追加として、ガス供給システム160は、処理チャンバ100の内部容積部108内にラジカル(または遠隔プラズマ源の構成に応じたプラズマ)を供給するように構成された遠隔プラズマ源(図示せず)に結合することができる。スパッタリングターゲット140は、DC電源190および/またはRF電源170に接続され得る。DC電源190は、プロセスキットのシールドを基準にしてスパッタリングターゲット140にバイアス電圧を印加することができ、プロセスキットのシールドは、スパッタリングプロセスおよび/または洗浄プロセスの間電気的に浮遊することができる。DC電源190またはDC電源190aは、さらに、例えば、シールドの洗浄プロセスを実行するとき、プロセスキットのカバーリングセクションまたはプロセスキットのアダプタセクションのヒータにバイアス電圧を印加するために使用することができる。
【0019】
少なくともいくつかの実施形態では、DC電源190は、DC電源190に接続されたスパッタリングターゲット140および他のチャンバ部品に電力を供給するが、RF電源170は、スパッタガスにエネルギーを与えてスパッタガスのプラズマを形成するように構成することができる。形成されたプラズマは、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139に衝突し衝撃を与えて、材料をスパッタリング面139から基板104上にスパッタする。いくつかの実施形態では、RF電源170によって供給されるRFエネルギーは、約2MHz~約60MHzの周波数にわたることができ、または、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、もしくは60MHzなどの非限定的な周波数が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の上述の周波数でRFエネルギーを供給するために、複数の(例えば、2つ以上の)RF電源を備えることができる。例えば、プロセスキット上およびそのまわりの区域の洗浄プロセスを実行するときに、追加のRF電源をさらに使用して、ペデスタル134および/またはカバーリングセクションにバイアス電圧を供給することができる。例えば、いくつかの実施形態では、RF電源170aを使用して、ペデスタル134(または基板支持体130の基板支持面138)に埋め込むことができるバイアス可能な電極137にエネルギーを与えることができる。バイアス可能な電極を使用して、シールドおよび/または基板支持体130に電力を供給することができる。その上、いくつかの実施形態では、RF電源170は、バイアス可能な電極137にエネルギーを与えるように構成することができる。例えば、1つまたは複数の追加の構成要素、例えば、スイッチング回路が、電気経路をカバーまたはリッド124からバイアス可能な電極137に切り替えるために設けられてもよい。
【0020】
DC電源190(またはDC電源190a)とRF電源170(またはRF電源170a)との間にRFフィルタ191を接続することができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態において、RFフィルタは、RF電源170が動作しているとき、例えば、洗浄プロセスを実行しているとき、RF信号がDC電源190のDC回路に入るのを阻止するためのDC電源190の回路の構成要素とすることができる。
【0021】
追加として、リレーボックス197(または他の適切なデバイス)が、DC電源190(またはDC電源190a)に接続され、洗浄プロセスの間DC電源190を保護するためにDC電源190をターゲットから切り離すようにコントローラによって制御され得る。例証の目的で、リレーボックス197は、DC電源190に接続されて示されている。
【0022】
処理チャンバ100の様々な構成要素は、処理の間コントローラ180(プロセッサまたはシステムコントローラ)で制御することができる。コントローラ180は、中央処理装置194と、メモリ195(例えば、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体)と、中央処理装置194のためのサポート回路196とを含み、処理チャンバ100の構成要素の制御を容易にする。コントローラ180は、様々なチャンバおよびサブプロセッサを制御するために産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つとすることができる。メモリ195は、本明細書に記載の方法で処理チャンバ100の動作を制御するために実行または呼び出され得るソフトウェア(ソースまたはオブジェクトコード)を格納する。
【0023】
コントローラ180は、基板104を処理するために構成要素を操作するための命令を有するプログラムコード(例えば、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体(メモリ)に格納された)を含む。例えば、コントローラ180は、基板支持体130および基板移送機構を操作するための基板位置づけ命令セット、ヒータの1つまたは複数の加熱構成要素(例えば、ランプ、放射加熱部、および/または埋込み抵抗加熱器)の温度制御、プロセスキット上およびそのまわりの区域に対する洗浄プロセス命令セット、処理チャンバ100へのスパッタガスの流量を設定するためにガス流量制御バルブを操作するためのガス流量制御命令セット、処理チャンバ100内の圧力を維持する(例えば、約120sccm)ために排気スロットルバルブを操作するためのガス圧力制御命令セット、ガスにエネルギーを与える電力レベルを設定するためにRF電源170を操作するためのガスエナジャイザ制御命令セット、環状伝熱チャネルへの伝熱媒体の流量を制御するために基板支持体130または伝熱媒体供給部の温度制御システムを制御するための温度制御命令セット、および処理チャンバ100内のプロセスをモニタする、例えば、自動キャパシタチューナ(ACT)192をモニタする/調節するためのプロセスモニタリング命令セットを含むことができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態において、ACT192は、スパッタリングターゲット140に接続され(例えば、カバーまたはリッド124を介して)、および接地に接続され、以下でより詳細に説明するように、プロセスキット174の洗浄プロセス中にスパッタリングターゲット140を調整するために使用され得る。
【0024】
プロセスキット174は、処理チャンバの壁で支持され、シールド175を支持するための載置面を有するアダプタセクション176を含む様々な構成要素を含み、それらは、例えば、腐食された構成要素を取り替えるかもしくは修理するために、または他のプロセスのために処理チャンバ100を適応させるために、処理チャンバ100から容易に取り外すことができる。追加として、構成要素表面(例えば、シールド175)からスパッタリング堆積物を洗浄するために取り外す必要がある従来のプロセスキットと異なり、発明者らは、以下でより詳細に説明するように、シールド201上のスパッタされた材料の堆積物を除去するためにインシトゥで洗浄するためのプロセスキット174を設計した。
【0025】
シールド175は、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と基板支持体130とを取り囲むように大きさを合わされた直径(例えば、スパッタリング面139よりも大きく、基板支持体130の支持面よりも大きい直径)を有する円筒状本体を含む。円筒状本体は、処理チャンバ100に設置されたときにスパッタリングターゲット140のスパッタリング面139の外側エッジを囲むように構成された上部部分177を有する。シールド175は、処理チャンバ100に設置されたときに基板支持体130の基板支持面138を囲むように構成された下部部分178をさらに含む。下部部分178は、基板支持体130の周壁131のまわりに配置するためのカバーリングセクション173を含む。カバーリングセクション173は、基板支持体130のまわりに配設された堆積リング179を取り囲み、少なくとも部分的に覆って、スパッタリング堆積物の大部分を受け取り、それにより、堆積リング179をスパッタリング堆積物の大部分から遮蔽する。少なくともいくつかの実施形態において、プロセスキット174の上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、エッチングプロセスを実行するために、RF電源170がスパッタリング板141にバイアスをかけることに加えてカバーリングセクション173の洗浄を容易にするために、DC電源190aおよび/またはRF電源170aを使用して、下部部分178のカバーリングセクション173にバイアスをかけることもできる。
【0026】
プロセスキット174の下部部分は、ヒータ、例えば、限定はしないが、ヒータのランプ、放射加熱部、または埋込み抵抗加熱器を含む1つまたは複数の適切な加熱構成要素を収容するように構成される。図示の実施形態では、ランプエンベロープ、例えば、ガラス、石英、他の適切な材料(図示せず)によって囲まれている放射環状コイル153。放射環状コイル153は、プロセスキット174上およびそのまわりの区域を洗浄する必要があるとき、約250℃~約300℃の温度に達するように、例えば、コントローラ180で制御することができるDC電源190またはDC電源190aを使用してエネルギーを与えられるかまたは電力を供給され得る。
【0027】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、基板を処理するように構成されたプロセスキット(例えば、プロセスキット174)を洗浄するための方法200の流れ図である。上記のように、スパッタリング板141は、基板に堆積されるべき1つまたは複数の適切な材料から製作することができる。例えば、スパッタリング板141は、炭素(C)、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(SiN)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、炭化タングステン(WC)、銅(Cu)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化炭素(CN)などで製作することができる。スパッタリング板141を製作することができる特定の材料は、処理チャンバ内の基板に堆積させたい材料に依存し得る。スパッタリング板141(またはターゲット材料)を製作する特定の材料は、チャンバ構成および洗浄プロセスに関連する1つまたは複数の要因、例えば、プロセスキットを洗浄するために使用される活性化洗浄ガスのタイプ、シャッタ(またはシャッタアセンブリ)が、プロセスキットを洗浄している間、スパッタリング板141を保護するために使用されるかどうか、などに影響を及ぼすことがある。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の活性化洗浄ガスを使用して、プロセスキット174上およびそのまわりを洗浄することができる。活性化洗浄ガスは、例えば、処理チャンバ100に導入され、続いて、エネルギーを与えられてプラズマが形成され、それによって、プロセスキット174の方に導かれ得るラジカル(例えば、活性化洗浄ガス)が作り出される洗浄ガスとすることができる。代替としてまたは組合せて、ラジカル(例えば、活性化洗浄ガス)は、遠隔プラズマ源から処理チャンバ内に導入され、次いで、プロセスキット174の方に導かれ得る。洗浄ガスのラジカルを形成するためにプラズマを使用して活性化される洗浄ガスは、例えば、酸素(O2)、または他の酸素含有ガス、例えばオゾン(O3)、水酸化物(OH)、過酸化物(H22)など、塩素(Cl2)、または他の塩素含有ガスなど、ホウ素(B)、フッ素(F)、窒素(N)、ニオブ(Nb)、硫黄(S)、あるいはそれらの組合せとすることができる。使用される洗浄ガスのタイプは、例えば、ターゲット材料のタイプ、チャンバのタイプ(例えば、PVDなど)、製造業者の選好などに依存することができる。例えば、ターゲット材料がAlである場合、プラズマは、Cl2またはBCl3を使用して作り出すことができ、シールド175は、Al以外の材料から製作することができ、ターゲット材料がTiである場合、プラズマは、SF6またはCl2を使用して作り出すことができ、ターゲット材料がWである場合、プラズマは、Cl2、または他の塩素もしくはフッ素系ガスを使用して作り出すことができ、ターゲット材料がCuである場合、プラズマは、NbCl3を使用して作り出すことができ、ターゲット材料がSiである場合、プラズマは、NF3を使用して作り出すことができる。
【0029】
本開示によれば、プロセスキット174上およびそのまわりの洗浄は、処理チャンバ100の日常保守に従って実行することができる。例えば、方法200は、プロセスキット174上およびそのまわりの堆積物蓄積を低減するために定期的に実行することができる。例えば、炭素がスパッタリング板141として使用される場合、方法200は、シールド(例えば、シールドエッジ、シールド上部、および/またはシールドコーナー)上の炭素蓄積を除去するために使用することができる。十分な量の材料がプロセスキット174に蓄積されたときはいつでも、洗浄プロセスを定期的に実行することができる。例えば、洗浄プロセスは、1000A膜が各基板に堆積される場合に約50枚程度の基板(またはウエハ)の堆積物に匹敵し得る約5μmの炭素が堆積された後に実行することができる。
【0030】
プロセスキット174上およびそのまわりを洗浄する前に、ダミーウエハ122aを処理チャンバ100の内部容積部108内にロードし、基板支持体130上に配設して、基板支持体130の構成要素、例えば、ペデスタル134、基板支持面138などを保護することができる。代替としてまたは追加として、シャッタディスク122bを基板支持体130の上または上方に配置して、基板支持体130の構成要素を保護することができる。それに反して、ダミーウエハ122aもシャッタディスク122bも使用しなくてもよい。
【0031】
追加として、いくつかの実施形態では、プロセスキット174の蓄積された堆積物が除去されている間、シャッタディスク122bが、スパッタリングターゲット140の前に位置づけられ、反応性ガスがスパッタリングターゲット140に達するのを防止するために使用されてもよい。
【0032】
ダミーウエハ122aおよび/またはシャッタディスク122bは、例えば、周辺保持領域123に格納することができ、プロセスキット174上およびそのまわりを洗浄する前に処理チャンバ100内に移動させることができる。
【0033】
発明者らは、プロセスキット174上の蓄積された堆積材料を除去しやすくするために、プロセスキット174上およびそのまわりの区域を能動的に加熱する(例えば、基板を処理するために使用される温度を上回る温度に加熱する)ことができることを見いだした。例えば、スパッタリングターゲット140が炭素であるとき、炭素と酸素のラジカル反応を促進するために(例えば、二酸化炭素を形成するために)、プロセスキット174上およびそのまわりを選択的に洗浄するために(例えば、処理チャンバ100の内部容積部108内の特定の区域に洗浄を集中させるために)、ならびにプロセスキット174上およびそのまわりの洗浄を最大にするために、スパッタリング板141とプロセスキット174上およびそのまわりの区域との間の温度差が維持される必要がある。したがって、そのような温度差を能動的に達成するために、スパッタリング板141は、比較的低い温度に、例えば、約25℃~約100℃の温度に維持することができる。例えば、上述した伝熱流体を使用したスパッタリング板141の裏側冷却を使用して、そのような温度を達成することができる。スパッタリング板141を能動的に冷却することは、PVDが実行された直後にプロセスキット174上およびそのまわりの区域を洗浄する場合、例えば、スパッタリング板141の温度が比較的高い場合、有用であり得る。代替としてまたは追加として、スパッタリング板141は、冷却デバイスを使用せずに、時間をかけて受動的に冷却させることが可能である。その結果、いくつかの実施形態では、スパッタリング板141は、洗浄プロセスの間、約25℃~約100℃の温度に維持することができる。代替としてまたは追加として、洗浄プロセスの間、スパッタリング板141は、エッチング反応がスパッタリングターゲット140に発生しないように能動的に冷却され、それにより、スパッタリングターゲット140の完全性を保護する(例えば、ターゲット材料を持続させる)ことができる。
【0034】
次に、上述の温度差が達成/維持されることを保証するために、プロセスキット174上およびそのまわりの区域は、例えばシールドを加熱して、約250℃~約300℃の温度に能動的に加熱することができる。上記のように、ヒータの放射環状コイル153にDC電源190(またはDC電源190a)を使用してエネルギーを与えてそのような温度を達成することができ、DC電源190から放射環状コイル205に供給されるエネルギーの量は、コントローラ180で制御することができる。
【0035】
その後、1つまたは複数のプロセスを使用してプラズマを作り出し、それによって、対応するイオンおよびラジカルを形成することができ、それを使用して、プロセスキット174上およびそのまわりの蓄積された堆積材料と反応させることができる。例えば、202において、処理チャンバの内部容積部に配された洗浄ガスにエネルギーを与えてプラズマを作り出すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理キット174のまわりの蓄積された堆積材料が炭素である場合、例えばガス供給システム160を使用して処理チャンバ100の内部容積部108内に酸素を導入することができる。導入された後、イオンおよびラジカルを含む酸素プラズマは、例えば、RF電源170およびペデスタル134(またはカバーリングセクション173)を使用して酸素ガスにエネルギーを与えることによって作り出すことができ、それらの各々は、上記のように、RF電源170およびRF電源170aまたはDC電源190aの一方もしくは両方のそれぞれのものを使用してある電圧電位にバイアスをかけることができる。
【0036】
次に、204において、内部容積部108内のプラズマと、プロセスキット174との間の電位差が、プロセスキット174上およびそのまわりに堆積された材料を除去しやすくするために、所定の値(例えば、所定の電位差)、例えば最大値などに維持されるように、スパッタリングターゲット(例えば、スパッタリングターゲット140)に接続された自動キャパシタチューナ(例えば、ACT192)を調整することができる。例えば、ACT192は、内部容積部108内のプラズマと、シールド175との間の電圧電位差を最大に維持するために使用される。より詳細には、RF電源170が酸素ガスに点火した後、スパッタリングターゲット140は、処理チャンバ100内のプラズマ(例えば、ターゲットシース)を維持する(例えば、約100W~約2500W)ために使用され、コントローラ180は、プラズマと、洗浄プロセス中一般に処理チャンバ100を通して接地されるシールド175の電圧電位との間の電圧電位が最大に達することを保証するようにACT192を制御する。例えば、所定の電位差は、ACT192の共振点に基づく。少なくともいくつかの実施形態では、ACT192の共振点は、ACT処理曲線を使用して決定することができる。例えば、経験的データを使用して、発明者らは、ACT処理曲線がACT192の共振点が全同調容量の約58%~約75%であることを支持していることを見いだした。例えば、全同調容量の約60%におけるACT192である場合、シールドエッジのエッチング速度は、約11.7A/sであり(ACT192を使用しない場合の約7A/sのエッチング速度と比較して)、シールド上部のエッチング速度は、約11.5A/sであり(ACT192を使用しない場合の約2.5A/sのエッチング速度と比較して)、シールドコーナーのエッチング速度は約12A/sであった(ACT192を使用しない場合の約2.7A/sのエッチング速度と比較して)。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態では、204において、方法200は、エッチングプロセスの間リレーボックスを使用してDC電源を切断することを含む。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、204の間、DC電源190は、リレーボックス197を使用してスパッタリングターゲット140から切断することができる。
【0038】
例えば、ガス供給システム160を使用して、酸素を処理チャンバ100の内部容積部108に導入することができ、マイクロ波電源181を使用して、酸素プラズマを作り出し、それによって、酸素イオンおよびラジカルを形成することができる。
【0039】
酸素ガスがエネルギーを与えられて、酸素プラズマが形成された後、酸素ラジカルは、プロセスキット174上およびそのまわりに堆積された炭素と反応し、堆積された炭素を二酸化炭素に変換し(例えば、炭素を選択的にエッチングまたは除去するために)、その後、次いで、二酸化炭素は、例えば排気部162を介して処理チャンバ100の内部容積部108からポンプで排出され得る。代替としてまたは追加として、酸素プラズマからの酸素イオンの一部を(例えば、酸素ラジカルに加えて)さらに使用して、プロセスキット174上およびそのまわりに堆積された炭素と反応させて、堆積された炭素を二酸化炭素に変換させることができ、それは、酸素プラズマ中の酸素イオンに対する酸素ラジカルの比に依存し得る。例えば、酸素ラジカルに対する酸素イオンの比は、より多い(またはより少ない)イオン化酸素がプラズマ内に作り出され、より少ない(またはより多い)酸素ラジカルが作り出されるように制御することができる。
【0040】
コントローラ180は、例えば、二酸化炭素生成の終点で、二酸化炭素を排気し始めるように排気部162を制御することができ、終点は、処理チャンバ100の内部容積部108に配設された1つまたは複数のセンサ(図示せず)を使用して検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ180は、1つまたは複数のセンサを使用して、排気ガスの組成に基づいて洗浄時間の終点を決定することができる。コントローラ180はまた、1つまたは複数のセンサを使用して、処理チャンバ100の内部容積部108内のスパッタターゲット140、ペデスタル134、および/またはプラズマの電圧を決定して、例えば、内部容積部内のプラズマと、プロセスキット174との間の最大電位差を維持することができる。
【0041】
代替としてまたは追加として、コントローラ180は、例えば、経験的データを介して計算することができる所定の時間に二酸化炭素を排気し始めるように排気部162を制御するように構成することができる。
【0042】
少なくともいくつかの実施形態では、洗浄プロセスが完了した後、コントローラ180は、1つまたは複数の追加のプロセスを実行することができ、例えば、洗浄プロセス中にスパッタリングターゲット140上に堆積されたデブリ(フレーク)の一部を除去するために、シーズニングが必要とされる。例えば、スパッタリングターゲット140の状態が十分に回復されるまで、ダミーウエハ122aおよび/またはシャッタディスクが基板支持体130に配設された状態で、パルスDCプラズマのシーズニング/適用を実行することができる(例えば、10~20回の実行)。
【0043】
前述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態を、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができる。
図1
図2
【国際調査報告】