(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】プラズマ中のイオンエネルギー分布をデジタル制御するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240918BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20240918BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240918BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H05H1/46 R
C23C16/50
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515650
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022040803
(87)【国際公開番号】W WO2023038773
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB05
2G084CC09
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2G084DD02
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2G084HH06
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2G084HH26
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA30
4K030LA15
5F004BA04
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5F045EM05
5F045EM09
5F045GB08
5F045GB15
(57)【要約】
本明細書で提供される複数の実施形態は、概して、処理チャンバ内で基板をプラズマ処理するための波形の生成のための装置、プラズマ処理システム、及び方法を含む。本開示の複数の実施形態は、波形を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源を出力ノードに結合すること、波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、及び、波形を生成する第3の段階中に、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で出力ノードと電気接地ノードとの間に結合することを含む、疑似階段電圧波形を生成するための装置及び方法を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形生成器であって、
第1の電圧供給源、
前記第1の電圧供給源と前記波形生成器の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチ、
第2のスイッチ、並びに
キャパシタアレイを備え、前記第2のスイッチが前記出力ノードと前記キャパシタアレイとの間に結合され、前記キャパシタアレイは、
前記第2のスイッチに結合された第1のキャパシタ、
前記第1のキャパシタと電気接地ノードとの間に結合された第3のスイッチ、
前記第1のキャパシタと前記第3のスイッチとの間に選択的に結合される第2のキャパシタ、及び
前記第2のキャパシタと前記電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを備える、波形生成器。
【請求項2】
前記キャパシタアレイに結合された充電回路を更に備える、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項3】
前記充電回路は、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの各々に選択的に結合される第2の電圧供給源を備える、請求項2に記載の波形生成器。
【請求項4】
前記充電回路は、
前記第2の電圧供給源と前記第1のキャパシタとの間に結合された第5のスイッチ、及び
前記第5のスイッチと前記第2のキャパシタとの間に結合された第6のスイッチを更に備える、請求項3に記載の波形生成器。
【請求項5】
前記充電回路は、前記第1のキャパシタと前記第3のスイッチとの間のノード、及び、前記第2のキャパシタと前記第6のスイッチとの間のノード、に結合された第7のスイッチを更に備える、請求項4に記載の波形生成器。
【請求項6】
前記第2の電圧供給源は、第3のキャパシタに選択的に結合される、請求項4に記載の波形生成器。
【請求項7】
前記充電回路は、
前記第6のスイッチと前記第3のキャパシタとの間に結合された第9のスイッチ、並びに
前記第2のキャパシタと第4のスイッチとの間のノード、及び、前記第3のキャパシタと前記第9のスイッチとの間のノード、に結合された第8のスイッチを更に備える、請求項6に記載の波形生成器。
【請求項8】
前記第1の電圧供給源と前記第2の電圧供給源とは、各々、直流(DC)電圧源を含む、請求項3に記載の波形生成器。
【請求項9】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、及び前記第4のスイッチは、各々、トランジスタを含む、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項10】
前記波形生成器の前記出力ノードは、処理チャンバに結合されている、請求項1に記載の波形生成器。
【請求項11】
波形を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源を出力ノードに結合すること、
前記波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを前記出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、及び
前記波形を生成する第3の段階中に、前記第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で前記出力ノードと前記電気接地ノードとの間に結合することを含む、波形生成器のための方法。
【請求項12】
前記第1の段階中に、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを充電することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを充電することは、第2の電圧供給源を前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタに結合することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の段階中に、前記第1のキャパシタに蓄積された負の電圧を前記出力ノードに提供することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
負の電圧を前記出力ノードに提供することを更に含み、前記負の電圧は、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとに蓄積された電圧の和である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
メモリ、並びに
前記メモリに結合された1以上のプロセッサを備える、波形生成のための装置であって、前記メモリ及び前記1以上のプロセッサは、
波形を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源を出力ノードに結合すること、
前記波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを前記出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、及び
前記波形を生成する第3の段階中に、前記第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で前記出力ノードと前記電気接地ノードとの間に結合すること、を実行するように構成されている、装置。
【請求項17】
前記メモリ及び前記1以上のプロセッサは、前記第1の段階中に、前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを充電するように更に構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタを充電することは、第2の電圧供給源を前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタに結合することを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記メモリ及び前記1以上のプロセッサは、前記第2の段階中に、前記第1のキャパシタに蓄積された負の電圧を前記出力ノードに提供するように更に構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記メモリ及び前記1以上のプロセッサは、負の電圧を前記出力ノードに提供するように更に構成され、前記負の電圧は、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとに蓄積された電圧の和である、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、半導体デバイス製造に使用されるシステムに関する。特に、本開示の実施形態は、基板を処理するために使用されるプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 高いアスペクト比のフィーチャを確実に生成することは、次世代の半導体デバイスにとって重要な技術課題の1つである。高いアスペクト比のフィーチャを形成する1つの方法は、プラズマ支援エッチングプロセスを使用する。その場合、処理チャンバ内でプラズマが生成され、プラズマからのイオンが基板の表面に向けて加速され、基板の表面に形成されたマスク層の下方に配置された材料層内に開口部が形成される。
【0003】
[0003] 典型的なプラズマ支援エッチングプロセスでは、処理チャンバ内に配置された基板支持体上に基板が配置され、基板の上にプラズマが生成され、イオンが、プラズマからプラズマシース(すなわち、プラズマと基板の表面との間に生成された電子が枯渇した領域)を横切って基板に向けて加速される。
【0004】
[0004] 従来の高周波(RF)プラズマ支援エッチングプロセスは、RF信号を含む正弦波形をプラズマ処理チャンバ内の電極のうちの1以上に供給するだけであり、シース特性及び生成されたイオンエネルギーを適切に又は所望に制御することができず、望ましくないプラズマ処理結果につながることが判明している。望ましくない処理結果は、マスク層の過剰なスパッタリングや、高いアスペクト比のフィーチャ内の側壁欠陥の発生を含み得る。
【0005】
[0005] したがって、所望のプラズマ支援エッチングプロセス結果を提供することができるプラズマ処理及びバイアス方法が、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書で提供される複数の実施形態は、概して、処理チャンバ内で基板をプラズマ処理するための波形(例えば、疑似階段電圧波形)を生成するための装置、プラズマ処理システム、及び方法を含む。
【0007】
[0007] 幾つか実施形態は、波形生成器を対象とする。波形生成器は、概して、第1の電圧供給源、第1の電圧供給源と波形生成器の出力ノードとの間に結合された第1のスイッチ、第2のスイッチ、及びキャパシタアレイを含む。その場合、第2のスイッチは、出力ノードとキャパシタアレイとの間に結合される。キャパシタアレイは、第2のスイッチに結合された第1のキャパシタ、第1のキャパシタと電気接地ノードとの間に結合された第3のスイッチ、第1のキャパシタと第3のスイッチとの間のノードに選択的に結合される第2のキャパシタ、及び第2のキャパシタと電気接地ノードとの間に結合された第4のスイッチを備える。
【0008】
[0008] 幾つか実施形態は、波形生成のための方法を対象とする。該方法は、概して、波形を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源を出力ノードに結合すること、波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、及び、波形を生成する第3の段階中に、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で出力ノードと電気接地ノードとの間に結合することを含む。
【0009】
[0009] 幾つか実施形態は、波形生成のための装置を対象とする。該装置は、概して、メモリ、及びメモリに結合された1以上のプロセッサを含む。該メモリ及び1以上のプロセッサは、波形を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源を出力ノードに結合すること、波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、及び、波形を生成する第3の段階中に、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で出力ノードと電気接地ノードとの間に結合すること、実行するように構成されている。
【0010】
[0010] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかし、添付図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] 本明細書で説明される方法を実施するように構成された、1以上の実施形態による処理システムの概略断面図である。
【
図2A】[0012] 1以上の実施形態による、処理チャンバの電極に印加され得る電圧波形を示す。
【
図2B】[0013] 処理チャンバの電極に印加される電圧波形に起因して基板上に確立された電圧波形を示す。
【
図3A】[0014] 単一周波数の励起波形を使用したときの典型的なイオンエネルギー分布(IED)を示す。
【
図3B】[0015] 本開示の特定の複数の態様による、IED関数(IEDF)を示すグラフである。
【
図4】[0016] 本開示の特定の複数の実施形態による、波形生成器を使用して生成された疑似階段電圧波形を示す。
【
図5】[0017] 本開示の特定の複数の態様による、IEDのデジタル制御のための波形生成器の例示的な一実施態様を示す。
【
図6】[0018] 本開示の特定の複数の態様による、
図5の波形生成器のスイッチの状態を示すタイミング図である。
【
図7】[0019] 本開示の特定の複数の態様による、波形生成のための方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020] 技術ノードが2nmに向けて進歩するにつれて、より高いアスペクト比を有するより小さいフィーチャの製造は、プラズマ処理のための原子精度(atomic precision)を必要とする。プラズマイオンが主要な役割を果たすエッチングプロセスでは、イオンエネルギー制御が半導体機器産業にとって困難である。従来の高周波(RF)バイアス技法は、プラズマを励起し、基板の表面と相互作用するイオンを加速するために、正弦波を使用する。
【0013】
[0021] 本開示の幾つかの実施形態は、概して、プラズマ中のイオンエネルギー分布(IED)を制御するための疑似階段電圧波形を生成するための技法を対象とする。例えば、本明細書で説明される技法は、IEDのデジタル制御を可能にし得る。その場合、キャパシタ(例えば、集積回路の外部)、スイッチ、及び直流(DC)電力供給源のネットワークを使用して、疑似階段電圧波形を生成し、プラズマ処理システム内の電極(静電チャック内の電極など)に負の電圧を維持する。それは、電極の上に配置された基板が、プラズマからの正のイオン電流によって放電されているときである。基板が正のイオン電流によって放電されている間、電極に一定な負の電圧を維持するプロセスは、電流補償と呼ばれる。この技法は、処理チャンバコントローラからのデジタルコマンドを介して、複数のイオンエネルギーピークを生成することによって、IEDの精密な制御を提供し得る。
【0014】
[0022] 本明細書で説明される技法は、イオンエネルギー制御のための従来の方法を超える幾つかの利点を提供する。例えば、幾つかの従来の方法は、単一のエネルギーピークの生成を可能にするが、本明細書で説明される技法は、仕様を満たすように調整され得る複数のイオンエネルギーピークを生成することができる。更に、幾つかの従来の方法は、電流補償を実施するために、外部電流源を使用するが、本開示の複数の実施形態は、外部電流源を使用することなしに、電流補償を実施し、ハードウェアの面積消費を低減させる。本明細書で説明される技法はまた、より高い選択性で異なる材料をエッチングし、膜特性を改善した膜の堆積も可能にし得る。更に、本明細書で説明される技法は、周期的な過渡レジームで動作することによって、高周波(RF)電流の戻りが悪い処理チャンバ内で基板バイアスを生成することができる。
【0015】
プラズマ処理システムの複数の実施例
[0023]
図1は、本明細書で説明される複数のプラズマ処理方法のうちの1以上を実施するように構成された、処理システム10の概略断面図である。幾つか実施形態では、処理システム10が、反応性イオンエッチング(RIE)プラズマ処理などの、プラズマ支援エッチングプロセス用に構成されている。しかし、本明細書で説明される複数の実施形態はまた、プラズマ堆積プロセス、例えば、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセス、プラズマ物理的気相堆積(PEPVD)プロセス、プラズマ原子層堆積(PEALD)プロセス、プラズマ処理プロセス、又はプラズマベースのイオン注入プロセス(例えば、プラズマドーピング(PLAD)プロセス)などの、他のプラズマ支援プロセスで使用されるように構成された処理システムと共に使用されてよいことに留意されたい。
【0016】
[0024] 図示されているように、処理システム10は、容量結合プラズマ(CCP)を形成するように構成されている。その場合、処理チャンバ100が、処理空間129内に配置された上側電極(例えば、チャンバリッド123)を含む。上側電極は、これもまた処理空間129内に配置された下側電極(例えば、基板支持アセンブリ136)と対向する。典型的な容量結合プラズマ(CCP)処理システムでは、高周波(RF)源(例えば、RF生成器118)が、上側電極又は下側電極のうちの一方に電気的に結合され、プラズマ(例えば、プラズマ101)を点火して維持するように構成されたRF信号を供給する。この構成では、プラズマが、上側電極と下側電極の各々に容量結合され、それらの間の処理領域内に配置される。典型的には、上側電極又は下側電極のうちの他方が、接地又は第2のRF電源に結合される。支持ベース107などの基板支持アセンブリ136の1以上の構成要素が、プラズマ生成器アセンブリ163に電気的に結合される。プラズマ生成器アセンブリ163は、RF生成器118を含み、チャンバリッド123は、接地に電気的に結合されている。図示されているように、処理システム10は、処理チャンバ100、支持アセンブリ136、及びシステムコントローラ126を含む。
【0017】
[0025] 処理チャンバ100は、典型的には、チャンバ本体113を含む。チャンバ本体113は、チャンバリッド123、1以上の側壁122、及びチャンバベース124を含む。それらは、集合的に処理空間129を画定する。1以上の側壁122及びチャンバベース124は、概して、処理チャンバ100の要素用の構造的支持を形成するようにサイズ決定され成形された材料であって、それらに印加される圧力及び更なるエネルギーに耐えるように構成された材料を含む。一方で、プラズマ101は、処理中に処理チャンバ100の処理空間129内で維持される減圧環境内で生成される。一実施例では、1以上の側壁122及びチャンバベース124が、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼合金などの、金属から形成される。
【0018】
[0026] チャンバリッド123を貫通して配置されたガス入口128は、処理空間129に流体連通した処理ガス源119から、1種類以上の処理ガスを処理空間129に供給するために使用される。基板103は、1以上の側壁122のうちの1つ内の開口部(図示せず)を通して、処理空間129の中に装填され、処理空間129から取り出される。該開口部は、基板103のプラズマ処理中にスリットバルブ(図示せず)によって密封される。
【0019】
[0027] システムコントローラ126がまた、本明細書で処理チャンバコントローラとも呼ばれ、中央処理装置(CPU)133、メモリ134、及びサポート回路135を含む。システムコントローラ126は、基板103を処理するために使用されるプロセスシーケンス(本明細書で説明される基板バイアス方法を含む)を制御するために使用される。CPU133は、処理チャンバ及び処理チャンバと関連するサブプロセッサを制御するための、産業設定で使用されるように構成された汎用コンピュータプロセッサである。本明細書で説明されるメモリ134は、一般に不揮発性メモリであり、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又は他の適切な形態のデジタルストレージ(ローカル若しくはリモート)を含んでよい。サポート回路135は、従来からCPU133に結合されており、キャッシュ、クロック回路、入/出力サブシステム、電源など、及びこれらの組み合わせを備える。ソフトウェア指示命令(プログラム)及びデータが、CPU133内のプロセッサに指示命令するために符号化され、メモリ134内に記憶され得る。システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能なソフトウェアプログラム(又はコンピュータ指示命令)は、どの作業が処理システム10内の構成要素によって実行可能であるかを特定する。
【0020】
[0028] 典型的には、プログラムが、システムコントローラ126内のCPU133によって読み取り可能であり、コードを含む。該コードは、プロセッサ(CPU133)によって実行されると、本明細書で説明されるプラズマ処理スキームに関連する作業を実行する。該プログラムは、指示命令を含んでよい。該指示命令は、処理システム10内の様々なハードウェア及び電気部品を制御するために使用される。それによって、本明細書で説明される方法を実施するために使用される、様々なプロセス作業及び様々なプロセスシーケンスを実行する。一実施形態では、プログラムが、
図4~
図7に関連して以下で説明される動作のうちの1以上を実行するために使用される指示命令を含む。
【0021】
[0029] 処理システムは、プラズマ生成器アセンブリ163、第1のパルス電圧(PV)波形をバイアス電極104において確立するための第1のPV源アセンブリ196、及び第2のPV波形を縁部制御電極115において確立するための第2のPV源アセンブリ197を含んでよい。第1のPV波形又は第2のPV波形は、
図4、
図5、及び
図6に関して本明細書でより詳細に説明されるように、波形生成器を使用して生成されてよい。幾つかの実施形態では、プラズマ生成器アセンブリ163が、支持ベース107(例えば、電極又はカソード)にRF信号を供給する。支持ベース107は、基板支持アセンブリ136とチャンバリッド123との間に配置された処理領域内でプラズマ101を生成する(維持する及び/又は点火する)ために使用されてよい。幾つかの実施形態では、RF生成器118が、1MHz以上、又は約2MHz以上、例えば約13.56MHz以上などの、周波数を有するRF信号を供給するように構成される。
【0022】
[0030] 上述されたように、幾つかの実施形態では、プラズマ生成器アセンブリ163が、RF生成器118及びRF生成器アセンブリ160を含み、概して、システムコントローラ126から提供される制御信号に基いて、所望な量の連続波(CW)又はパルスRF電力を、所望の実質的に一定な正弦波形の周波数で、基板支持アセンブリ136の支持ベース107に供給するように構成されている。処理中に、プラズマ生成器アセンブリ163は、基板支持体105に近接して且つ基板支持アセンブリ136内に配置された支持ベース107に、RF電力(例えば、RF信号)を供給するように構成されている。支持ベース107に供給されるRF電力は、処理空間129内に配置された処理ガスの処理プラズマ101を点火し維持するように構成される。
【0023】
[0031] 幾つかの実施形態では、支持ベース107が、両方ともRF生成器アセンブリ160内に配置されている、RF整合回路162と第1のフィルタアセンブリ161を介して、RF生成器118に電気的に結合されたRF電極である。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形生成器150の出力によって生成された電流が、RF電力供給ライン167を通って流れ、RF生成器118に損傷を与えることを実質的に防止するように構成された1以上の電気素子を含む。第1のフィルタアセンブリ161は、PV波形生成器150内のPVパルス生成器PG1から生成されるPV信号に対して高インピーダンス(例えば、高Z)として作用し、したがって、RF整合回路162及びRF生成器118への電流の流れを阻止する。
【0024】
[0032] 幾つかの実施形態では、RF生成器アセンブリ160及びRF生成器118が、処理空間129内に配置された処理ガス、及び、RF生成器118によって支持ベース107に供給されたRF電力(RF信号)によって生成された電場を使用して、処理プラズマ101を点火し維持するために使用される。処理空間129は、減圧出口120を介して1以上の専用減圧ポンプに流体結合されている。1以上の専用減圧ポンプは、処理空間129を準大気圧状態に維持し、処理空間129から処理ガス及び/又は他のガスを排気する。幾つかの実施形態では、処理空間129内に配置された基板支持アセンブリ136が、接地され且つチャンバベース124を貫通して延在する支持シャフト138上に配置される。しかし、幾つかの実施形態では、RF生成器アセンブリ160が、支持ベース107に対して基板支持体105内に配置されたバイアス電極104にRF電力を供給するように構成される。
【0025】
[0033] 短く上述されたように、基板支持アセンブリ136は、概して、基板支持体105(例えば、ESC基板支持体)及び支持ベース107を含む。幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリ136が、以下で更に説明されるように、絶縁体プレート111及び接地プレート112を更に含み得る。支持ベース107は、絶縁体プレート111によってチャンバベース124から電気的に絶縁され、接地プレート112は、絶縁体プレート111とチャンバベース124との間に挿入されている。基板支持体105は、支持ベース107と熱的に結合され、支持ベース107上に配置されている。幾つかの実施形態では、支持ベース107が、基板処理中に、基板支持体105及び基板支持体105上に配置された基板103の温度を調節するように構成されている。
【0026】
[0034] 典型的には、基板支持体105が、誘電材料(例えば、耐食性金属酸化物材料又は金属窒化物材料などのバルク焼結セラミック材料)で形成され、これは、例えば、、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、酸化イットリウム(Y2O3)、これらの混合物、又はこれらの組み合わせである。本明細書の複数の実施形態では、基板支持体105が、その誘電材料内に埋め込まれたバイアス電極104を更に含む。幾つかの実施形態では、バイアス電極104の上の処理領域内でプラズマ101を維持するために使用されるRF電力の1以上の特性が、バイアス電極104において確立されたRF波形を測定することによって特定及び/又はモニタされる。
【0027】
[0035] ある構成では、バイアス電極104が、基板103を基板支持体105の基板支持面105Aに固定(すなわち、チャック)するため、及び、本明細書で説明されるパルス電圧バイアススキームのうちの1以上を使用して、基板103を処理プラズマ101に対してバイアスするために使用される、チャッキングポールである。典型的には、バイアス電極104が、1以上の金属メッシュ、箔、プレート、又はこれらの組み合わせなどの、1以上の導電性部品で形成される。
【0028】
[0036] 幾つかの実施形態では、バイアス電極104が、クランピングネットワーク116と電気的に結合される。クランピングネットワーク116は、同軸電力供給ライン106(例えば、同軸ケーブル)などの電気導体を使用して、約-5000Vと約5000Vとの間の静的DC電圧などのチャッキング電圧を、バイアス電極104に提供する。以下で更に説明されるように、クランピングネットワーク116は、バイアス補償回路要素116A、DC電源155、及び本明細書でブロッキングキャパシタC5とも呼ばれるバイアス補償モジュールブロッキングキャパシタを含む。ブロッキングキャパシタC5は、パルス電圧(PV)波形生成器150の出力とバイアス電極104との間に配置されている。
【0029】
[0037] 基板支持アセンブリ136は、縁部制御電極115を更に含んでよい。縁部制御電極115は、縁部リング114の下方に配置され、バイアス電極104を取り囲み、及び/又は、バイアス電極104の中心から距離を置いて配置される。一般に、回路基板を処理するように構成された処理チャンバ100では、縁部制御電極115が、環形状であり、導電性材料から作製され、バイアス電極104の少なくとも一部分を取り囲むように構成されている。
図1で示されているような幾つか実施形態では、縁部制御電極115が、基板支持体105の領域内に配置される。幾つかの実施形態では、
図1で示されているように、縁部制御電極115が、基板支持体105の基板支持面105Aから、バイアス電極104と同様な距離(すなわち、Z方向)に配置された、導電性メッシュ、箔、及び/又はプレートを含む。幾つかの他の実施形態では、縁部制御電極115が、石英管110の領域上に又は石英管110の領域内に配置された、導電性メッシュ、箔、及び/又はプレートを含む。石英管110は、バイアス電極104及び/又は基板支持体105の少なくとも一部分を取り囲む代替的に、幾つかの他の実施形態(図示せず)では、縁部制御電極115が、基板支持体105上に隣接して配置される縁部リング114内に配置されるか、又はそれと結合される。この構成では、縁部リング114が、半導体又は誘電材料(例えば、AlNなど)から形成される。
【0030】
[0038] 縁部制御電極115は、バイアス電極104をバイアスするために使用されるPV波形生成器150とは異なるPV波形生成器を使用してバイアスをかけることができる。幾つかの実施形態では、縁部制御電極115が、バイアス電極104をバイアスするためにも使用されるPV波形生成器150を使用してバイアスされ得る。それは、電力の一部を縁部制御電極115に分割することによる。ある構成では、第1のPV源アセンブリ196の第1のPV波形生成器150が、バイアス電極104をバイアスするように構成され、第2のPV源アセンブリ197の第2のPV波形生成器150は、縁部制御電極115をバイアスするように構成される。
【0031】
[0039] 電力供給ライン157は、第1のPV源アセンブリ196のPV波形生成器150の出力を、任意選択的なフィルタアセンブリ151及びバイアス電極104と電気的に接続する。以下の説明では主に、PV波形生成器150をバイアス電極104に結合するために使用される第1のPV源アセンブリ196の電力供給ライン157について説明するが、PV波形生成器150を縁部制御電極115に結合する第2のPV源アセンブリ197の電圧供給ライン158は、同じ又は同様な構成要素を含むことになる。電圧供給ライン157の様々な部分内の(1以上の)電気導体は、以下のものを含む。すなわち、(a)剛性同軸ケーブルと直列に接続された可撓性同軸ケーブルなどの同軸ケーブルの1つ又は組み合わせ、(b)絶縁された高電圧コロナ抵抗性回路用電線、(c)裸線、(d)金属ロッド、(e)電気コネクタ、又は(f)(a)~(e)の電気素子の任意の組み合わせである。任意選択的なフィルタアセンブリ151は、RF生成器118の出力によって生成された電流が、電力供給ライン157を通って流れ、PV波形生成器150に損傷を与えることを実質的に防止するように構成された1以上の電気素子を含む。任意選択的なフィルタアセンブリ151は、RF生成器118によって生成されたRF信号に対する高インビーダンス(例えば、高Z)として作用し、したがって、PV波形生成器150への電流の流れを阻止する。
【0032】
[0040] 第2のPV源アセンブリ197は、クランピングネットワーク116を含む。それによって、縁部制御電極115に印加されるバイアスは、第1のPV源アセンブリ196内に結合されたクランピングネットワーク116によってバイアス電極104に印加されるバイアスと同様に構成され得る。同様に構成されたPV波形及びクランピング電圧をバイアス電極104及び縁部制御電極115に印加することは、処理中の基板の表面にわたるプラズマの均一性を改善するのに役立ち、したがって、プラズマ処理プロセスの結果を改善することができる。
【0033】
[0041] 幾つかの実施形態では、処理チャンバ100が、石英管110又はカラーを更に含む。それらは、基板支持体105及び/又は支持ベース107が、腐食性の処理ガス若しくはプラズマ、洗浄ガス若しくはプラズマ、又はこれらの副生成物と接触することを防止するために、基板支持アセンブリ136の部分と少なくとも部分的に外接する。典型的には、石英管110、絶縁体プレート111、及び接地プレート112が、ライナ108によって外接される。幾つかの実施形態では、プラズマスクリーン109が、カソードライナ108と側壁122との間に配置されて、ライナ108と1以上の側壁122との間のプラズマスクリーン109の下方の空間内にプラズマが生成するのを防止する。
【0034】
[0042]
図2Aは、処理チャンバの電極において確立され得る電圧波形を示す。
図2Bは、処理チャンバ内の電極(例えば、バイアス電極104)において別個に確立された、
図2Aで示されている電圧波形と同様な異なる電圧波形に起因して、基板において確立された異なるタイプの電圧波形225及び230の一例を示す。波形は、図示されているように、2つの段階、すなわちイオン電流段階205とシース崩壊段階210を含む。イオン電流段階205の開始時に、基板電圧の降下が、基板の上方に高電圧シースを生成し、正のイオンを基板に加速させる。イオン電流段階205中に基板の表面に衝突する正のイオンは、基板表面上に正の電荷を堆積させ、これが補償されていない場合、
図2Bの電圧波形225によって示されているように、イオン電流段階205中に基板電圧を正の方向に徐々に増加させる。しかし、基板表面上の正の電荷の制御されない蓄積は、望ましくないことにシース及びチャックキャパシタを徐々に放電し、電圧波形225によって図示されているように、シース電圧降下をゆっくり減少させ、基板電位をゼロに近づける。正の電荷の蓄積は、基板表面において確立された電圧波形内の電圧降下(すなわち、電圧がより負でなくなる)をもたらす(
図2B)。しかし、
図2Aで示されているように、イオン電流段階205中に負の傾きを有する電極において確立された電圧波形は、
図2Bの電圧波形230によって示されているように、確立される基板電圧波形に対して正方形状の領域(例えば、ゼロに近い傾き)を確立するように生成され得る。イオン電流段階205中に電極において確立された波形内の傾きを実施することは、電流補償と呼ばれ得る。イオン電流段階205の始まりと終わりとの間の電圧差は、イオンエネルギー分布関数(IEDF)の幅を決定する。電圧差が大きいほど、IEDF幅は広くなる。単一エネルギーのイオン及びより狭いIEDF幅を実現するために、電流補償を使用してイオン電流段階205中の基板電圧波形を平坦化するよう動作が実行される。
【0035】
波形生成のための生成技法
[0043] 本開示の幾つかの実施形態は、概して、プラズマ中のイオンエネルギー分布(IED)を制御するための疑似階段電圧波形を生成するための技法を対象とする。例えば、この技法は、基板の表面において所望のIEDを生成する所望のパルス波形を実現するために、周期的な過渡モードで充電及び放電される外部ストレージキャパシタ及びスイッチのネットワークを使用することを含んでよい。
【0036】
[0044]
図3Aは、単一の高周波(RF)周波数励起波形を使用するときの典型的なIEDを示す。図示されているように、IEDは、高エネルギーピーク306、低エネルギーピーク302、及び中間エネルギーのイオン(例えば、中間エネルギー領域304に関連付けられた)を有する二峰性形状を有する。プラズマエッチングプロセスの側面から見ると、高エネルギーピーク又はその近傍にあるイオンのみが、エッチングされている材料内に生じるイオン生成帯電効果に打ち勝ち、フィーチャの下部に到達してエッチング反応を可能にするエネルギーと指向性を持っている。中間的なエネルギーを持つイオンは、エッチングプロセスには有益でない。というのも、そのようなイオンは、指向性がなく、フィーチャの側壁に衝突する傾向があり、しばしば、フィーチャの弓形プロファイルを誘発する望ましくないIEDをもたらすからである。低エネルギーのイオンは、マスク表面を洗浄し、マスク層の形状を維持し、孔の詰まりを防ぐので、エッチングプロセスにとって重要である。本開示の幾つかの実施形態は、IEDを広いIEDから狭いIED(任意の所望の値の周りに集まった)に操作することを可能にする技法を提供する。
【0037】
[0045]
図3Bは、本開示の特定の複数の態様による、IED関数(IEDF)を示すグラフである。IEDFは、第1のエネルギーピーク301、第2のエネルギーピーク303、及び第3のエネルギーピーク305などの、複数の高エネルギーピークを含む。図示されているように、第1のエネルギーピーク301に関連付けられたエネルギーは、第2のエネルギーピーク303に関連付けられたエネルギーよりもわずかに低く、第2のエネルギーピーク303に関連付けられたエネルギーは、第3のエネルギーピーク305に関連付けられたエネルギーよりもわずかに低い。狭いエネルギー分布及び複数のIEDピークは、所望の原子精度を持つ基板の表面上のフィーチャを形成することにおいて有用であり得る。第3のエネルギーピーク305(又は高エネルギーピーク)に関連付けられたイオンは、概して、エッチングされている高いアスペクト比のフィーチャの下部に到達し、エッチング反応を可能にするための、エネルギー及び指向性を有するように構成される。プラズマエッチングプロセスの側面から見ると、高エネルギーピーク又はその近傍のイオンもまた、概して、エッチングされている材料内で生じるイオン生成帯電効果に打ち勝つためのエネルギー及び指向性を有するように構成される。第1のエネルギーピーク301(低エネルギーピーク)及び/又は第2のエネルギーピーク303は、それらがエッチング中にフィーチャの下部に到達するのに十分なエネルギーを有さないように生成され得る。しかし、低エネルギー及び中間エネルギーは、エッチングプロセスにおいて未だ有用であり得る。というのも、これらのイオンエネルギーは、マスクを洗浄し、マスク層の形状を維持し、孔の詰まりを防止するので、エッチングプロセスにとって重要だからである。
【0038】
[0046] IEDは、波形生成器の異なるスイッチ(例えば、
図5に関してより詳細に説明されることとなるように、波形生成器500の第2のスイッチ(S2)512、第7のスイッチ(S7)524、及び/又は第8のスイッチ(S8)526)の動作/閉鎖に基づいて影響を受け得る。本明細書で説明される技法は、各スイッチの制御と各スイッチの閉鎖持続時間の制御とを可能にし、IEDに影響を与える。スイッチを制御することによって、
図3Bで示されているIEDは、本明細書でより詳細に説明されるように、疑似階段電圧波形400を使用して実施され得る。
【0039】
[0047]
図4は、本開示の特定の複数の実施形態による、波形生成器(例えば、
図5で示されている波形生成器500)を使用して生成された疑似階段電圧波形400を示す。幾つかの実施形態では、波形生成器500が、第1のPV源アセンブリ196のパルス波形生成器150の少なくとも部分を形成し、及び/又は、波形生成器500が、第2のPV源アセンブリ197のパルス波形生成器150の少なくとも部分を形成する。擬似階段電圧波形400は、特定のIEDを実現するためにウエハをバイアスするよう印加される。擬似階段電圧波形400のパルス繰り返し周波数は、数十kHzから数百kHz、例えば50kHzから800kHzの間、例えば100kHzから400kHzの間で変化し得る。擬似階段電圧波形400は、1つの波形サイクルにおいて様々な持続時間の複数のステップに分割され得る。
【0040】
[0048] 図示されているように、擬似階段電圧波形400は、波形領域401及び405を含む。波形領域401(例えば、
図2のシース崩壊段階210に対応する)は、直流(DC)信号を含み、波形領域405(例えば、
図2のイオン電流段階205に対応する)は、イオン電流補償のために使用され得る電圧疑似階段を含む。
【0041】
[0049] パルス波形サイクル内の波形領域401の一部分の最中に、プラズマバルク電子が基板(例えば、
図1の基板103の基板支持面105A)の表面に引き付けられる。それは、疑似階段電圧波形400の立ち上がり縁部402に起因する。そして、正の電圧(V
positve)が電極において確立される。基板表面及び電極(例えば、
図1のバイアス電極104)は、容量素子(例えば、静電チャックキャパシタ(C
esc))を形成し、この段階では、電極の(例えば、基板の負の電荷と比較して)等量の正の電荷が、バルクプラズマによって提供される電子の蓄積によって生成される電界を打ち消すことになる。
【0042】
[0050] 疑似階段電圧波形400の立ち下り縁部403において、イオンは電子によって中和される。それは、疑似階段電圧波形400が電極に印加されることに起因する。電極において負の電圧(-V
0)が確立され、負のDCシース電位が、基板表面に確立される。これは、より高いエネルギーピーク(例えば、
図3BのIEDFの第3のエネルギーピーク305)の起源である。DCシース電位、又はより高いイオンエネルギーは、立ち下り縁部403における電圧降下(ΔV)(例えば、V
positive+V
0)、及び以下の数式に基づくC
escとシース容量(C
sheath)との間の比を用いて近似することができる。すなわち、
V
dc=-(V
positive+V
0)C
esc/(C
esc+C
sheath)
したがって、波形領域401は、チャンバ内のプラズマを維持し、より高いエネルギーピークのDCシース電位を確立するのに役立つ。
【0043】
[0051] 入射イオンが基板表面の電子を中和し、基板表面に正の電荷が蓄積されると、イオン補償(電流補償とも呼ばれる)の手段がない場合、DCシース電位は低下する。その結果、基板表面の上に入射するイオンは、DCシース電位の変化に起因して単一エネルギーではなくなる。波形領域405内で見られるイオン電流段階中の基板の正の電荷の収集を補償するための努力として、幾つかの実施形態では、シース電位の変化を補償するために電圧擬似階段が電極に印加され、それによって一定のシース電位Vdc(単一エネルギーピーク)が維持される。幾つかの実施形態では、波形領域405で電極に印加される電圧擬似階段は、複数のサブステップに分割され、各サブステップは、一定であるか又はサブステップ間で変化させることができる持続時間Δtを有する。
【0044】
[0052] 持続時間Δtを有する第1のサブステップ406において、正の電荷の総量ΔQ=I
ion×Δtは、基板表面に蓄積される。ここで、イオン電流(I
ion)は、電極電圧(V)及びシース容量(C
sheath)の時間微分に基づいて、I
ion=C
sheathdV/dtとして計算することができ、したがって、DCシース電位は、ΔQ/C
sheathによって低下する。DCシース電位のこの変化を補償するために、擬似階段電圧波形400の立ち下がり縁部407における電圧降下が印加される(例えば、
図5に関してより詳細に説明されることとなるように、電子は、スイッチの閉鎖に基づいて、キャパシタアレイのキャパシタのネットワークから電極に供給される)。電圧疑似階段のサブステップの1以上の最中に印加される電圧降下の量は、プラズマ処理中に生成される既知の又は測定されたイオン電流I
ionから決定することができる。それによって、電圧疑似階段は、所望のイオン補償曲線413に従う傾向がある。
【0045】
[0053] 第2のサブステップ408では、-2V
0の電圧が電極に印加される。電圧降下(例えば、立ち下がり縁部409に関連付けられた)は、第2のサブステップ408の終わりに電圧を印加することによって実施され得る。一実施形態では、立ち下がり縁部409において印加される電圧降下は、
図5に関して本明細書でより詳細に説明されるように、立ち下がり縁部407において印加される電圧降下と同じ大きさを有する。立ち下がり縁部409の後で、第3のサブステップ410が開始する。その最中に、-3V
0の電圧が基板に印加される。
【0046】
[0054] 立ち下がり縁部407及び立ち下がり縁部409の最中に、電極に供給される(キャパシタアレイのうちの1以上のキャパシタからの)電子は、入射イオンによって生成される電界を打ち消し、それによって、DCシース電位が維持される。これにより、-(V
positive+V
0)ボルト付近のイオンエネルギーのデジタル(スイッチ状態に応じて)クラスタが生成される。
図4で示されている一実施例は、波形領域405内に3つのサブステップ406、408、410を含むが、任意の数のサブステップが、波形領域405内で実施されてよいことに留意されたい。
【0047】
[0055]
図5は、本開示の特定の複数の実施形態による、波形生成器500の例示的な一実施態様を示す。幾つかの実施形態では、波形生成器500が、(
図4の)疑似階段電圧波形400を生成するように構成される。該波形400は、電極(例えば、
図1のバイアス電極104)又は支持ベース(
図1の支持ベース107)において確立され得る。波形生成器500を使用して、
図1に関して上述された波形生成アセンブリ150のうちの1以上を実施することができる。
【0048】
[0056] 波形生成器500は、第1の電圧供給源502(例えば、正のDC電圧源)及び第2の電圧供給源504(例えば、負のDC電圧源)などの、電圧電力供給源を含む。
【0049】
[0057] 波形生成器500は、第1のキャパシタ(C1)506、第2のキャパシタ(C2)508、及び第3のキャパシタ(C3)510などの、キャパシタ(パルス容量素子とも呼ばれる)を更に含む。第1のキャパシタ506、第2のキャパシタ508、及び第3のキャパシタ510は、充電回路を使用して充電され得る電圧蓄積素子として働き得る。
【0050】
[0058] 波形生成器500は、第1のスイッチ(S1)512、第2のスイッチ(S2)514、第3のスイッチ(S3)516、第4のスイッチ(S4)518、第5のスイッチ(S5)520、第6のスイッチ(S6)522、第7のスイッチ(S7)524、第8のスイッチ(S8)526、及び第9のスイッチ(S9)528などの、スイッチ(例えば、トランジスタ)を更に含む。スイッチは、パワートランジスタ(例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))であってもよい。スイッチは、高電圧ソリッドステートリレーであってもよい。スイッチを使用して、波形生成器500用の電流経路(出力電流経路とも呼ばれる)を選択することができる。
【0051】
[0059] 特定の複数の態様では、第1のスイッチ512、第5のスイッチ520、第6のスイッチ522、及び第9のスイッチ528が、同じように動作する。例えば、
図6に関してより詳細に説明されるように、第1のスイッチ512、第5のスイッチ520、第6のスイッチ522、及び第9のスイッチ528は、同時に開閉される。
【0052】
[0060] 第1のスイッチ512は、第1の電圧供給源502と出力ノード534との間に結合される。第2のスイッチ514は、出力ノード534とキャパシタアレイとの間に結合される。キャパシタアレイは、少なくとも第1のキャパシタ506及び第2のキャパシタ508を含む。第1のキャパシタ506は、第2のスイッチ514に結合される。第2のキャパシタ508は、第1のキャパシタ506と第3のスイッチ516との間のノード517に選択的に結合される。第3のスイッチ516は、第1のキャパシタ506と電気接地ノードとの間に結合される。第4のスイッチ518は、第2のキャパシタ508と電気接地ノードとの間に結合される。
【0053】
[0061] キャパシタアレイは、充電回路に接続されている。充電回路は、第1のキャパシタ506と第2のキャパシタ508との各々に選択的に結合される第2の電圧供給源504を含む。充電回路は、第2の電圧供給源504と第1のキャパシタ506との間に結合された第5のスイッチ520、及び、第5のスイッチ520と第2のキャパシタ508との間に結合された第6のスイッチ522を更に含む。第7のスイッチ524は、第1のキャパシタ506と第3のスイッチ516との間のノード517、及び、第2のキャパシタ508と第6のスイッチ522との間のノード519に結合される。第3のキャパシタ510は、第2のキャパシタ508と第4のスイッチ518との間のノード521に選択的に結合される。第8のスイッチ526は、第2のキャパシタ508と第4のスイッチ518との間のノード521、及び、第3のキャパシタ510と第9のスイッチ528との間のノード523に結合される。
【0054】
[0062] 波形生成器500は、出力ノード534を介してプラズマ処理チャンバに結合される。プラズマ処理チャンバは、浮遊キャパシタ(C
stray)530及び静電チャックキャパシタ(C
esc)532を含む。浮遊キャパシタ530は、プラズマ処理チャンバと電気接地ノードとの間の電気容量(キャパシタンス)を表す。上述されたように、静電チャックキャパシタ532は、電極(例えば、
図1のバイアス電極104)と基板表面(例えば、
図1の基板支持面105A)との間の電気容量を表す。静電チャックキャパシタ532は、出力ノード(U
out)534とプラズマ負荷536(プラズマ処理チャンバ内で生成されるプラズマであってよい)との間に結合される。プラズマ負荷536は、シースキャパシタ(C
shealth)538(イオン補償電流及びプラズマシースを表す)並びにプラズマ抵抗素子(R
plasma)540によって表される。プラズマ抵抗素子(R
plasma)540は、チャンバリッドなどの1以上のチャンバ構成要素を介して接地に結合される。
【0055】
[0063]
図5は、電圧疑似階段を生成するために使用される2つの電圧源、3つのキャパシタ、及び9つのスイッチを含む構成を示すが、この構成は、本明細書で提供される開示の範囲を限定することを意図しない。というのも、波形生成器500は、電圧疑似階段を生成するための同様の構成内に接続された、それより多い又は少ない数の電圧源、キャパシタ、及びスイッチを含み得るからである。更に以下で説明されることとなるように、様々なスイッチの開閉のタイミングは、コントローラ(例えば、
図1のシステムコントローラ126)から送られるコマンドによって制御され得る。これは、IEDに影響を与える可能性がある。
図4で示されている疑似階段電圧波形400を生成するための波形生成器500の動作は、
図6に関してより詳細に説明される。
【0056】
[0064]
図6は、本開示の特定の複数の実施形態による、スイッチの状態を示すタイミング
図600である。以下の説明は、パルス電圧波形(例えば、
図4の疑似階段電圧波形400)を生成するための波形生成器(例えば、
図5の波形生成器500)を含むシステムで実行されるスイッチタイミングプロセスを主として開示するが、この構成は、本明細書で提供される開示の範囲を限定することを意図していない。
【0057】
[0065] 波形サイクル(例えば、疑似階段電圧波形400のサイクル)の第1の段階(P1)では、コントローラからのコマンドに基づいて、第1のスイッチ512(S1)、第5のスイッチ520(S5)、第6のスイッチ522(S6)、及び第9のスイッチ528(S9)が、閉じられる。第2のスイッチ514(S2)は、開かれる。第3のスイッチ516(S3)及び第4のスイッチ518(S4)は、閉じられる。
【0058】
[0066] 第1の段階(P1)中に、第1の電圧供給源502からの正のDC電圧(Vpositive)が、浮遊キャパシタ530及び静電チャックキャパシタ532(ウエハ表面及び電極によって形成される)を充電する。更に、第1の段階(P1)中に、スイッチ516、518、520、522、及び528が、閉じられる。したがって、第2の電圧供給源504からの負のDC電圧(-V0)が、第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び第3のキャパシタ510(C3)を、-V0に充電する。
【0059】
[0067] 波形サイクルの第2の段階(P2)では、コントローラからのコマンドに基づいて、第1のスイッチ512(S1)、第5のスイッチ520(S5)、第6のスイッチ522(S6)、及び第9のスイッチ528(S9)が、開かれる。第2のスイッチ514(S2)及び第3のスイッチ516(S3)は、閉じられる。第7のスイッチ524(S7)、第4のスイッチ518(S4)、及び第8スイッチ526(S8)が、開かれる。したがって、第1のキャパシタ506(C1)(例えば、-V0に充電された)は、出力ノード534に結合され、負の電圧-V0を出力ノード534に印加する。
【0060】
[0068] 第2の段階(P2)中に、Vpositiveから-V0へのパルスステップの立ち下がり縁部(例えば、疑似階段電圧波形400の立ち下がり縁部403)において、イオンが、第1のキャパシタ506からのプラズマバルク電子によって中和される。負の電圧-V0が、電極(例えば、静電チャックキャパシタ532の非プラズマ対向面)に確立され、負のDCシース電位が、ウエハ表面に確立される。入射イオンが、ウエハ表面のプラズマバルク電子を中和するにつれて、電流補償の手段がない場合、DCシース電位は低下する。したがって、ウエハ表面の上へ入射するイオンのエネルギーは、DCシース電位(すなわち、パルス化された波形の垂下)に起因して経時的に変化することとなる。
【0061】
[0069] 電流補償を実施するために、擬似階段電圧波形400は、異なる負の電圧の大きさを出力ノード534に印加することによって生成される。例えば、波形サイクルの第3の段階(P3)では、コントローラからのコマンドに基づいて、第2のスイッチ514(S2)が閉じたままである。第1のスイッチ512(S1)、第5のスイッチ520(S5)、第6のスイッチ522(S6)、及び第9のスイッチ528(S9)は、開かれる。第3のスイッチ516(S3)及び第8のスイッチ526(S8)は、開かれる。第7のスイッチ524(S7)及び第4のスイッチ518(S4)は、閉じられる。第3の段階中に、第1のキャパシタ506(C1)及び第2のキャパシタ508(C2)からの負の電圧が、電極に印加される(例えば、出力ノード534に印加される)。言い換えると、第7のスイッチ524(S7)及び第4のスイッチ518(S4)を閉じることによって、第1のキャパシタ506(C1)と第2のキャパシタ508(C2)(共に-V0に充電される)が、直列に配置される。したがって、キャパシタ506、508の電圧の和(例えば、-2V0)が、出力ノード534に印加される。
【0062】
[0070] 波形サイクルの第4の段階(P4)では、コントローラからのコマンドに基づいて、第2のスイッチ514(S2)が閉じたままである。第1のスイッチ512(S1)、第5のスイッチ520(S5)、第6のスイッチ522(S6)、及び第9のスイッチ528(S9)は、開かれたままである。第3のスイッチ516(S3)は、開かれたままである。第4のスイッチ518(S4)は、開かれる。第7のスイッチ524(S7)及び第8のスイッチ526(S8)は、閉じられる。第4の段階中に、第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び第3のキャパシタ510(C3)の各々からの負の電圧(-V0)(例えば、擬似ステップ関数ランプ及び過渡電圧の最も負の部分)が、出力ノード534に印加される。言い換えると、第4の段階(P4)中に、第7のスイッチ524(S7)及び第8のスイッチ526(S8)を閉じて、第4のスイッチ518(S4)を開くことによって、キャパシタ506、508、510(各々が-V0に充電される)が、直列に配置される。したがって、キャパシタ506、508、510の電圧の和(例えば、-3V0)が、出力ノード534に印加される。
【0063】
[0071] 波形サイクルの第4の段階の後で、波形サイクルは繰り返されてよい。擬似階段電圧波形400の複数の段階及びサイクルの印加は、静電チャックキャパシタ532の非プラズマ対向面を効果的なランプに晒し、静電チャックキャパシタ532のプラズマ対向面がイオン放電電流を受けている間に、DCバイアスの幾つかのインスタンスを作成してよい。これらのDCバイアスは、説明されたようにスイッチの閉鎖によって引き起こされ、プラズマ中のIEDを制御するために、(
図3Bで示されているように)異なるエネルギーピークを生成する。
【0064】
[0072] 特定の複数の態様では、第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び第3のキャパシタ510(C3)が、実施される波形(例えば、擬似階段電圧波形400)に応じて、第2の電圧供給源504を使用して特定の電圧に充電されてよい。幾つかの実施態様では、第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び第3のキャパシタ510(C3)が、種々の実施態様に適した波形用の種々の電圧レベルを実施するために、より高い又はより低い電圧に充電されてよい。
【0065】
[0073] 特定の複数の態様では、本明細書で説明されるように、静電チャックキャパシタ532がプラズマ負荷536からの正のイオン電流によって常に放電されるときに、波形生成器500が、静電チャックキャパシタ532の上面の所望の負の電圧を維持する。例えば、波形生成器500は、過渡的な周期で常に動作することによって、静電チャックキャパシタ532の負の電荷を維持するために、第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び/又は第3のキャパシタ510(C3)内に蓄積された電荷を使用する。
【0066】
[0074] 静電チャックキャパシタ532を横切る瞬間的な電圧は、過渡的な条件下では変化しないかもしれないが、静電チャックキャパシタ532の非プラズマ対向面の第1のキャパシタ506(C1)、第2のキャパシタ508(C2)、及び/又は第3のキャパシタ510(C3)からの負の電圧を一定期間にわたって単独若しくは組み合わせて印加することにより、電極及び基板において確立される疑似階段電圧波形400を生成することになる。擬似階段電圧波形400のステップ数(及び持続時間)は、波形生成器500において使用されるキャパシタの数、スイッチのタイミング、及び/又は電圧供給源の数に応じて変化し得る。静電チャックキャパシタ532の非プラズマ対向面の負の電圧の一定な印加に基づいて、静電チャックキャパシタ532の所望の負の電圧(すなわち、静電チャックキャパシタ532のプラズマ対向面のDCバイアス)が維持される。
【0067】
[0075]
図7は、波形生成ための方法700を示すプロセスフロー図である。方法700は、波形生成器(例えば、
図5の波形生成器500)及び/又はシステムコントローラ(例えば、
図1のシステムコントローラ126)を含む、波形生成システムによって実行されてよい。
【0068】
[0076] アクティビティ702において、波形生成システムは、波形(例えば、
図4の疑似階段電圧波形400)を生成する第1の段階中に、第1の電圧供給源(例えば、
図5の第1の電圧供給源502)を出力ノード(例えば、出力ノード534)に結合する。出力ノードは、処理チャンバ(例えば、
図1の処理チャンバ100)内に配置された電極に結合されてよい。例えば、出力ノードは、バイアス電極104又は支持ベース107に結合されてよい。第1の電圧供給源は、正のDC電圧(例えば、V
positive)を出力ノードに出力する。
【0069】
[0077] 第1の段階中に、第1のキャパシタ(例えば、
図1の第1のキャパシタ506)及び第2のキャパシタ(例えば、
図1の第2のキャパシタ508)は充電される。例えば、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタは、第2の電圧供給源(例えば、
図5の第2の電圧供給源504)に結合される。第2の電圧供給源は、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタを所望の電圧(例えば、各々を負の電圧-V
0)に充電する。
【0070】
[0078] アクティビティ704において、波形生成システムは、波形を生成する第2の段階中に、第1のキャパシタを出力ノードと電気接地ノードとの間に結合する。第2の段階中に、出力ノードには、第1のキャパシタから負の電圧(例えば、-V0)が提供される。
【0071】
[0079] アクティビティ706において、波形生成システムは、波形を生成する第3の段階中に、第1のキャパシタと第2のキャパシタとを直列経路で出力ノードと電気接地ノードとの間に結合する。第3の段階中に、出力ノードには、第1のキャパシタ及び第2のキャパシタから負の電圧(例えば、-2V0)が提供される。波形サイクルの第3の段階の後で、波形サイクルは繰り返されてよい。
【0072】
[0080] 任意選択的に、アクティビティ708において、波形生成システムは、波形を生成する第4の段階中に、第1のキャパシタ、第2のキャパシタ、及び第3のキャパシタを直列経路で出力ノードと電気接地ノードとの間に結合する。第4の段階中に、出力ノードには、第1のキャパシタ、第2のキャパシタ、及び第3のキャパシタから負の電圧(例えば、-3V0)が提供される。波形サイクルの第4の段階の後で、波形サイクルは繰り返されてよい。
【0073】
[0081] 「結合された」という用語は、本明細書では、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を指すために使用される。例えば、物体Aが物体Bと物理的に接触し、物体Bが物体Cと物理的に接触している場合、物体AとCとが直接的に物理的に接触していなくても、物体AとCとは、互いに結合されたと見なされてよい。例えば、第1の物体が第2の物体と直接的に物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体と結合されてよい。
【0074】
[0082] 前述されたことは本開示の複数の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる複数の実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなしに考案されてよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】