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特表2024-534994原子層堆積部品コーティング用チャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】原子層堆積部品コーティング用チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240918BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515651
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022042640
(87)【国際公開番号】W WO2023038897
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/470,294
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ライス, マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】パナヴァラッピル クマランクッティ, ハニシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】マーカス, スティーヴン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シャンムガム, キルバナンダン ネイナ
(72)【発明者】
【氏名】ダーマプラ サティヤナラヤナムルティ, シュリハルシャ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ, マドゥカル
(72)【発明者】
【氏名】ハイレマス, シバプラカシュ パドゥダイヤ
(72)【発明者】
【氏名】ナッタマイ スブラマニアン, センティル クマール
(72)【発明者】
【氏名】チェルバーラ パタヤプラ, シャンカル メノン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA14
4K030AA18
4K030BA02
4K030BA43
4K030EA05
4K030EA06
4K030EA11
4K030KA02
4K030KA26
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB31
5F045AB32
5F045AB33
5F045AC00
5F045AC08
5F045AD04
5F045AE01
5F045BB08
5F045DP03
5F045EB05
5F045EB06
5F045EE17
5F045EE19
5F045EJ09
5F045EK07
(57)【要約】
リアクタ構成部品をコーティング処理するための方法及び装置が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタは、内部容積を一緒に画成し、取り囲む下部本体及びリッドアセンブリ;該リッドアセンブリ内に配置された1つ以上のヒータ;熱伝達媒体を流すためにリッドアセンブリ内に配置された1つ以上の冷却剤チャネル;内部容積への1つ以上のガスの供給を容易にするためにリッドアセンブリを通して配置された複数のガス通路であって、リッドアセンブリ内に配置された複数の流体的に独立したプレナムを含む、複数のガス通路;並びに、リッドアセンブリへのワークピースの連結を容易にするための1つ以上の取付ブラケットを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品コーティング用リアクタであって、
内部容積を一緒に画成し、取り囲む下部本体及びリッドアセンブリ、
前記リッドアセンブリ内に配置された1つ以上のヒータ、
熱伝達媒体を流すために前記リッドアセンブリ内に配置された1つ以上の冷却剤チャネル、
前記内部容積への1つ以上のガスの供給を容易にするために前記リッドアセンブリを通して配置された複数のガス通路であって、前記リッドアセンブリ内に配置された複数の流体的に独立したプレナムを含む、複数のガス通路、並びに
前記リッドアセンブリへのワークピースの連結を容易にするための1つ以上の取付ブラケット
を含む、部品コーティング用リアクタ。
【請求項2】
前記部品コーティング用リアクタを取り囲むカバーであって、空気の流れを促進するための複数の開口部を含むカバー、又は
前記部品コーティング用リアクタを取り囲むカバーであって、空気の流れを促進するための複数の開口部を含むカバー、及び前記部品コーティング用リアクタの外部の空冷を増進するために前記カバーの上に配置されたファン
をさらに含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項3】
前記内部容積が約1から約1.5リットルの容積を有する、又は
前記内部容積全体の寸法が約14から約20インチである
のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項4】
前記下部本体及び前記リッドアセンブリの各々が、前記下部本体及び前記リッドアセンブリが一緒にアセンブリされたときに前記内部容積を一緒に画成する、対向する面に形成されたキャビティを含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項5】
前記下部本体が、底部プレートと、該底部プレートから上方に延びて前記内部容積を部分的に取り囲む側壁とを含み、前記リッドアセンブリが、上部プレートと、該上部プレートから下方に延びて前記内部容積を部分的に取り囲む側壁とを含む、請求項4に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項6】
前記リッドアセンブリと前記下部本体との位置合わせ及び相互接続を容易にする1つ以上の位置合わせ特徴部をさらに含み、該1つ以上の位置合わせ特徴部が、前記リッドアセンブリ又は前記下部本体のうちの一方の周縁の周りに配置された突起又はリップと、前記リッドアセンブリ又は前記下部本体のうちの他方に設けられ、前記リップを受け入れて前記リップとインターフェースする嵌合凹部とを含む、請求項5に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項7】
前記リッドアセンブリと前記下部本体との間のインターフェースに配置されたシール
をさらに含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項8】
前記シールが、アセンブリ時に前記リッドアセンブリと前記下部本体との間のシールを維持しやすくするためにガスケットを受け入れるように前記リッドアセンブリ又は前記下部本体のうちの一方に配置された溝を含む、請求項7に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項9】
前記1つ以上のヒータが2つの環状ヒータを含む、
前記1つ以上のヒータが、前記リッドアセンブリの上面の環状チャネル内に配置された複数のリング状ヒータを含む、
前記1つ以上のヒータが、前記リッドアセンブリの上面の環状チャネル内に配置された複数のリング状ヒータを含み、前記環状チャネル内のそれぞれに前記ヒータを保持するために前記1つ以上のヒータの各々の上に配置された環状キャップをさらに含む、又は
前記1つ以上のヒータが、前記リッドアセンブリの上面の環状チャネル内に配置された複数のリング状ヒータを含み、前記環状チャネル内のそれぞれに前記ヒータを保持するために前記1つ以上のヒータの各々の上に配置された環状キャップをさらに含み、前記1つ以上の冷却剤チャネルが、前記複数のリング状ヒータのヒータ間の前記リッドアセンブリの上部に形成された第1の冷却剤チャネルを含み、前記環状キャップが前記第1の冷却剤チャネルの上に配置される、
請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項10】
前記1つ以上の冷却剤チャネルが、冷却剤源への連結を容易にして、使用中に単一の環状チャネルを通して冷却剤を循環させる、入口及び出口を有する単一の環状チャネルである、又は
熱伝達媒体を流すために前記下部本体内に配置された1つ以上の冷却剤チャネルをさらに含む
のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項11】
前記複数の流体的に独立したプレナムが、前記1つ以上のガスを前記内部容積の複数のゾーンのうちの特定のゾーンに供給するように構成される、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項12】
前記複数の流体的に独立したプレナムの各々が、
前記リッドアセンブリの頂面に配置された環状チャネル、
前記環状チャネルの上に配置されたキャップ、
前記キャップを貫通して配置された1つ以上の入口、及び
前記プレナムを前記内部容積に流体的に連結するために前記プレナムの底表面に沿って配置された複数の孔
を含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項13】
長さ、滞留時間、又はコンダクタンスのうちの少なくとも1つが、ガス源から前記複数の流体的に独立したプレナムのそれぞれのプレナムまで、実質的に等しい、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項14】
前記1つ以上の取付ブラケットが、前記リッドアセンブリに連結されるように構成された複数のポストを含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項15】
前記ワークピースと前記リッドアセンブリとの間の間隙を維持しやすくするためのスペーサ、又は
前記ワークピースを取り囲み、前記リッドアセンブリに隣接して前記内部容積の外周に沿って配置されるように構成されたライナ
のうちの少なくとも一方をさらに含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項16】
前記部品コーティング用リアクタに連結して前記部品コーティング用リアクタの動作を制御するコントローラ
をさらに含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項17】
使用中に前記リッドアセンブリの温度を監視するために、前記リッドアセンブリ内に配置可能又は前記リッドアセンブリに連結可能であるサーモスタット
をさらに含む、請求項1に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項18】
前記サーモスタットが、使用中に前記リッドアセンブリの温度をフィードバック制御するように構成されたコントローラに連結される、請求項17に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項19】
動作中に前記内部容積に1つ以上の処理ガスを供給するために前記複数のガス通路に連結された複数の導管
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項20】
前記複数の導管が、前記内部容積に3つの異なるガスを供給するための第1の導管、第2の導管、及び第3の導管を含む、請求項19に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項21】
前記流体的に独立したプレナムの各々が、それぞれ前記第1の導管、前記第2の導管、若しくは前記第3の導管のうちの異なる導管に連結される、
前記流体的に独立したプレナムの各々が、それぞれ、複数の位置で前記第1の導管、前記第2の導管、若しくは前記第3の導管のうちの異なる導管に連結される、又は
前記第1の導管、前記第2の導管、及び前記第3の導管の各々が、前記プレナムのそれぞれに方位角対称に連結される
のうちの少なくとも1つである、請求項20に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項22】
前記複数の流体的に独立したプレナムが、外側環状プレナムと1つ以上の内側環状プレナムとを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項23】
前記1つ以上の内側環状プレナムが2つの内側環状プレナムである、請求項22に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項24】
前記外側環状プレナムが第1のガスを供給するための第1の導管に連結され、前記2つの内側環状プレナムがそれぞれ、第2のガスを供給するための第2の導管及び第3のガスを供給するための第3の導管のうちの異なる導管に連結され、前記第1のガス、前記第2のガス、及び前記第3のガスが互いに異なっている、又は
前記外側環状プレナムが該外側環状プレナムに沿った複数の位置で第1の導管に連結され、第1の内側環状プレナムが前記第1の内側環状プレナムに沿った複数の位置で第2の導管に連結され、第2の内側環状プレナムが前記第2の内側環状プレナムに沿った複数の位置で第3の導管に連結される、
請求項23に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項25】
前記外側環状プレナムが該外側環状プレナムに沿った複数の位置で第1の導管に連結され、第1の内側環状プレナムが前記第1の内側環状プレナムに沿った複数の位置で第2の導管に連結され、第2の内側環状プレナムが前記第2の内側環状プレナムに沿った複数の位置で第3の導管に連結され、前記外側環状プレナム及び前記2つの内側環状プレナムのうちのいずれか1つの環状プレナムに沿った前記複数の位置の各々が互いに等間隔で配置される、請求項24に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項26】
前記複数の位置が、前記環状プレナムの各々内の6つの位置にある、又は
前記複数の位置のいずれも互いに対して半径方向に整列していない
のうちの少なくとも一方である、請求項25に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項27】
第1の複数の脚部を介して前記流体的に独立したプレナムの1つに連結された第1の導管、
前記第1の複数の脚部とは異なる第2の複数の脚部を介して前記流体的に独立したプレナムの異なる1つに連結された第2の導管、及び
前記第1及び第2の複数の脚部とは異なる第3の複数の脚部を介して前記流体的に独立したプレナムムの異なる1つに連結された第3の導管
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項28】
前記第1、第2、又は第3の複数の脚部のうちの共通の脚部内の個々の脚部が、共通の平面内に配置された水平部分と、前記共通の平面から前記リッドアセンブリまで延びる垂直部分とを有し、一方、前記第1、第2、又は第3の複数の脚部のうちの異なる脚部内の脚部が、異なる平面に配置されたそれぞれの水平部分を有する、
請求項27に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項29】
前記リッドアセンブリを通じて前記内部容積に連結された遠隔プラズマ源(RPS)
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項30】
前記リッドアセンブリを貫通して配置された中央開口部であって、前記RPSが前記中央開口部を介して前記内部容積に連結される、請求項29に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項31】
前記複数のガス通路を介して前記内部容積に連結されたガス源であって、前記複数のガス通路のうちの異なるガス通路を介して複数の異なるガスを前記内部容積に供給するように構成される、ガス源
をさらに含む、請求項30に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項32】
前記リッドアセンブリを貫通して配置された中央開口部をさらに含み、前記ガス源が前記中央開口部を介して前記内部容積に連結される、又は
前記複数の流体的に独立したプレナムが、外側環状プレナム、第1の内側環状プレナム、及び第2の内側環状プレナムを含み、前記ガス源が不活性ガスを前記外側環状プレナムに、第1の前駆体を第1の内側環状プレナムに、かつ第2の前駆体を第2の内側環状プレナムに供給するように構成される
請求項31に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項33】
前記内部容積内に配置されたペデスタルヒータ
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項34】
前記ペデスタルヒータが約500から約600mmの直径を有する、請求項33に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項35】
前記ペデスタルヒータのシャフトを受け入れるために前記下部本体を貫通して形成された開口部、及び
前記下部本体の底部プレートに連結されて、前記ペデスタルヒータの前記シャフトを取り囲み、包み込むペデスタルハブ
をさらに含む、請求項33に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項36】
約2から約4mmの第1の間隙が前記下部本体の側壁の内表面と前記ペデスタルヒータの外周縁との間に画成され、約3から約6mmの第2の間隙が前記下部本体の底部プレートの上面と前記ペデスタルヒータの対向する下面との間に画成され、かつ約3から約6mmの第3の間隙が前記下部本体の前記開口部と前記シャフトとの間に画成される、請求項35に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項37】
前記シャフトの周囲かつ前記ペデスタルハブと前記下部本体との間に配置されたチョークカップであって、前記部品コーティング用リアクタから出る流れを調節する流れコンダクタンスチョークポイントを提供する複数の開口部を含む、チョークカップ
をさらに含む、請求項35に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項38】
前記チョークカップが、前記ペデスタルハブの内径に沿って形成された対応するレッジ上に載置されたフランジを含む管状部材を備えており、第4の間隙が前記チョークカップの内表面と前記シャフトの外表面との間に画成され、かつ第5の間隙が前記チョークカップの外径と前記ペデスタルハブの内径との間に画成され、前記複数の開口部が前記第4の間隙を前記第5の間隙に流体的に連結する、請求項37に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項39】
前記チョークカップが、該チョークカップの底部が前記ペデスタルハブの底部内表面から離間して配置されて、それらの間に第6の間隙を画成するような長さを有する、請求項38に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項40】
前記ペデスタルハブの内部の底表面に形成された溝であって、該溝が前記チョークカップの壁厚より大きい幅を有し、前記チョークカップの底部の一部が、前記第6の間隙が前記溝の側壁及び底部と前記チョークカップの前記底部の一部との間に画成されるように前記溝内に延びる、溝
をさらに含む、請求項39に記載の部品コーティング用リアクタ
【請求項41】
前記ペデスタルハブ内に形成され、前記部品コーティング用リアクタの排気アセンブリへの前記ペデスタルハブの連結を容易にする開口部
をさらに含む、請求項35に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項42】
ペデスタルヒータのシャフトを受け入れるために前記下部本体を貫通して形成された中央開口部、及び
前記下部本体の底部プレートに連結されて、設置時に前記ペデスタルヒータの前記シャフトを取り囲み、包み込むペデスタルハブ
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティングリアクタ。
【請求項43】
前記ペデスタルハブを介して前記内部容積に流体的に連結された排気アセンブリ
をさらに含む、請求項42に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項44】
前記排気アセンブリが、
動作中に前記内部容積をポンプに連結するために導管に沿って一列に配置されたスロットルバルブ、
前記内部容積内の圧力を監視するための圧力計、又は
前記ポンプから前記部品コーティング用リアクタを隔離すること又は切り離すことのうちの少なくとも一方を容易にするためのアイソレーションバルブ及び/又はバイパスバルブ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項45】
前記内部容積の上の前記リッドアセンブリの上部中央部分からの熱伝達の低減を促進するために前記リッドアセンブリ内に設けられたもう1つの熱伝導チョーク
をさらに含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の部品コーティングリアクタ。
【請求項46】
前記1つ以上の熱伝導チョークが、前記リッドアセンブリを通る伝導熱伝達を妨げるために前記リッドアセンブリに形成された複数の凹部を含む、請求項45に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項47】
前記複数の凹部が、前記リッドアセンブリの頂面に形成された第1の複数の凹部又は前記リッドアセンブリの側面に形成された第2の複数の凹部のうちの少なくとも一方を含む、請求項46に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項48】
前記第1の複数の凹部は、存在する場合には、前記リッドアセンブリの外周縁に近接して、前記内部容積の半径方向外側に円に沿って配置され、前記第2の複数の凹部は、存在する場合には、前記リッドアセンブリの外周縁に沿って1つ以上の円形の列に沿って配置される、請求項47に記載の部品コーティング用リアクタ。
【請求項49】
原子層堆積によって部品をコーティングする方法であって、
コーティングされるワークピースを部品コーティング用リアクタの内部容積に面する部分に固定すること、及び
前記部品コーティング用リアクタ内で固定された前記ワークピースにALDプロセスを実施すること
を含む、方法。
【請求項50】
前記ワークピースがシャワーヘッドであるか、又は前記ワークピースが平面基板を支持するように構成された基板支持ペデスタルである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ワークピースがシャワーヘッドであり、前記ワークピースを固定することが、前記シャワーヘッドを前記部品コーティング用リアクタのリッドアセンブリに固定することを含み、前記ALDプロセスを実施することが、前記リッドアセンブリを介して前記シャワーヘッドの中央凹部へと、及び前記シャワーヘッドを通して配置された複数のガス分配孔を介して、堆積ガスを交互に流すことを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ALDプロセスを実施することが、前記堆積ガスを交互に流しつつ、前記シャワーヘッドの周縁の周りに不活性ガスを流すことをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ワークピースが基板支持ペデスタルであり、前記ワークピースを固定することが、前記基板支持ペデスタルを前記部品コーティング用リアクタの下部本体に固定することを含み、前記ALDプロセスを実施することが、前記基板支持ペデスタルの上面全体に、前記下部本体に連結されたリッドアセンブリを介して堆積ガスを交互に流すことを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記ALDプロセスを実施することが、前記堆積ガスを交互に流しつつ、前記基板支持ペデスタルの周縁の周りに不活性ガスを流すことをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ALDプロセスを実施することが、外側プレナムを介して前記ワークピースの周縁の周りに不活性ガスを流すこと、及び複数の内側プレナムを介して前記部品コーティング用リアクタの内部容積に堆積ガスを流すことをさらに含む、又は
前記ALDプロセスを実施することが、外側プレナムを介して前記ワークピースの周縁の周りに不活性ガスを流すこと、及び中央プレナムを介して前記部品コーティング用リアクタの内部容積に堆積ガスを流すことをさらに含む、
請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は概して、構成要素をコーティングするための装置及び技法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのマイクロ電子デバイス製造プロセスは、コーティングされた部品又は構成要素を有するリアクタ内で実施される。このようなコーティングされた構成要素は、例えば、処理中のリアクタ内に配置される基板の汚染の低減、プロセス結果の改善、メンテナンスが必要になるまでのチャンバ稼働時間の改善など、1つ以上の利点を提供することができる。本発明者らは、例えばガス分配面板、シャワーヘッドなどのリアクタ部品をコーティングするコストが非常に高くなる可能性があることを観察した。例えば、従来、このような部品は、例えば、バッチあたり約2から8枚の面板を保持することができるバッチリアクタ内でコーティングされる。しかしながら、コーティングプロセスには、特定の部品構成及び適用される所望のコーティングに応じて、バッチあたり約3~8日かかる場合がある。したがって、一度に複数の部品をコーティングするという利点を有しているにもかかわらず、このようなコーティングされた部品の単位あたりのコストは依然として高いままである。
【0003】
したがって、本発明者らは、リアクタ構成部品をコーティング処理するための改善された装置及び技法を提供した。
【発明の概要】
【0004】
リアクタ構成部品をコーティング処理するための方法及び装置が、本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタは、内部容積を一緒に画成し、取り囲む下部本体及びリッドアセンブリ;該リッドアセンブリ内に配置された1つ以上のヒータ;熱伝達媒体を流すためにリッドアセンブリ内に配置された1つ以上の冷却剤チャネル;内部容積への1つ以上のガスの供給を容易にするためにリッドアセンブリを通して配置された複数のガス通路であって、リッドアセンブリ内に配置された複数の流体的に独立したプレナムを含む、複数のガス通路;及び、リッドアセンブリへのワークピースの連結を容易にするための1つ以上の取付ブラケットを備えている。
【0005】
幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタは、内部容積を一緒に画成し、取り囲む下部本体及びリッドアセンブリ;該リッドアセンブリ内に配置された1つ以上のヒータ;熱伝達媒体を流すためにリッドアセンブリ内に配置された1つ以上の冷却剤チャネル;内部容積への1つ以上のガスの供給を容易にするためにリッドアセンブリを通して配置された複数のガス通路であって、リッドアセンブリ内に配置された複数の流体的に独立したプレナムを含む、複数のガス通路;内部容積の上のリッドアセンブリの上部中央部分からの熱伝達の低減を促進するためにリッドアセンブリ内に設けられたもう1つの熱伝導チョーク;リッドアセンブリへのワークピースの連結を容易にするための1つ以上の取付ブラケット;ペデスタルヒータのシャフトを受け入れるために下部本体を貫通して形成された中央開口部;及び、下部本体の底部プレートに連結され、設置時にペデスタルヒータのシャフトを取り囲み、包み込むペデスタルハブを備えている。
【0006】
幾つかの実施形態では、原子層堆積によって部品をコーティングする方法は、コーティングされるワークピースを部品コーティング用リアクタの内部容積に面する部分に固定すること;及び、部品コーティング用リアクタ内の固定されたワークピースにALDプロセスを実施することを含む。幾つかの実施形態では、ワークピースはシャワーヘッドである。幾つかの実施形態では、ワークピースは、平面基板を支持するように構成された、ペデスタルヒータなどの基板支持ペデスタルである。
【0007】
本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態については、以下に説明する。
【0008】
上記で簡潔に要約し、以下により詳細に述べる本開示の実施形態は、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの概略的な側面図
図2】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図3】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタのリッドアセンブリの断面の上面等角図
図4】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタのためのチャンバライナの上面等角図
図5】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図6】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図7】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な上面図
図8】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図9】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図10】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図
図11】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタのためのチャンバライナの上面等角図
図12】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの一部の概略的な上面図
図13A-C】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタのスペーサの概略的な断面側面図
図14】本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタ内で部品をコーティングする方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かり易くするために簡略化されることがある。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【0011】
部品コーティング用リアクタの実施形態が、本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタは、原子層堆積(ALD)プロセスを使用して部品上に材料を堆積するように構成される。本開示の方法及び装置は、有利なことに、コーティングされた部品を製造するためのサイクル時間及びコストを一桁削減する。
【0012】
図1は、本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタの概略的な側面図である。図1に示されるように、支持体104上に配置された部品コーティング用リアクタ102を有する部品コーティングシステム100が示されている。支持体104は、フレームアセンブリ106を含むものとして例示的に示されている。フレームアセンブリ106はホイールを有するように示されているが、代替的又は追加的に、フレームアセンブリ106は、部品コーティング用リアクタ102を支持するための水平調整脚、安定化ブラケット、又は他の要素を含むことができる。幾つかの実施形態では、フレームアセンブリ106は省略することができ、部品コーティング用リアクタ102は、例えば、ベース、クラスタツールの移送チャンバ、部品コーティング用リアクタ102に/部品コーティング用リアクタ102から部品を供給及び回収するための部品ハンドリングシステムなど、別の構成要素上に載置する又は取り付けることなどにより、何らかの他の種類の支持体104上に配置することができる。
【0013】
部品コーティング用リアクタ102を包み込むために、カバー138を設けることができる。カバー138は、支持体104上に配置することができ、あるいは他の方法で部品コーティング用リアクタ102に連結させてもよい。カバー138は、部品コーティング用リアクタ102を冷却するためにそこを通る空気の流れを促進するための複数の開口部を含むことができる。部品コーティング用リアクタ102の外部の空冷を強化するために、ファン140を設けることができる。
【0014】
部品コーティング用リアクタ102は、概して、内部容積112を一緒に画成し、取り囲む、下部本体108とリッドアセンブリ110とを含む。内部容積は、約1から約1.5リットルなど、小さくてもよい。下部本体108及びリッドアセンブリ110の各々は、該下部本体108及びリッドアセンブリ110が一緒にアセンブリされたときに、内部容積112を一緒に画成する、構成要素の対向する面に形成されたキャビティを含みうる。例えば、下部本体108は、底部プレート182と、該底部プレート182から上方に延び、内部容積112を部分的に取り囲む側壁184とを含むことができる。同様に、リッドアセンブリ110は、上部プレート178と、該上部プレート178から下方に延び、内部容積112を部分的に取り囲む側壁180とを含むことができる。幾つかの実施形態では、側壁180、184の各々は、内部容積112を画成する同じ又は実質的に同じ寸法(例えば、円形のチャンバ構成の直径)を有することができる。幾つかの実施形態では、側壁180、184内の内部容積112全体の寸法(例えば、内径)は、約14から約20インチである。幾つかの実施形態では、リッドアセンブリ110と下部本体108は、例えば、クランプ、ボルト締め、ねじ締めなどによって一緒に連結させることができる。例えば、図3、7、及び12に示されるように、例えば、下部本体108の対応するねじ孔まで延びるボルトを使用してリッドアセンブリを下部本体に連結するために、複数の孔308を設けることができる。幾つかの実施形態では、孔308は、対応するボルト、ねじなどの頭部を受け入れるために皿穴が開けられていてもよい。複数の孔308は、リッドアセンブリ110と下部本体108との間に均一なシールを提供するように、例えば、内部容積112に供給されるガスの漏れを防ぐように配置することができる。コーティングされるワークピースの挿入及び除去を容易にするため、又は内部容積112へのアクセスを必要とする他のメンテナンス若しくは動作のために、リッドアセンブリ110を持ち上げるために、リフトシステム(図示せず)を設けることができる。リッドアセンブリ110及び下部本体は、アルミニウム、ステンレス鋼などの任意の適切なプロセス適合性材料から製造することができる。
【0015】
リッドアセンブリ110は1つ以上のヒータ132を含む。図1に示される実施形態では、2つの環状ヒータ132が示されている。1つ以上のヒータ132は、ヒータ電源160に連結させることができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のヒータ132は、リッドアセンブリ110の上面(例えば、上部プレート178の頂面)の環状チャネルに配置されたリング状ヒータを含む。例えば、図2~3及び8に最もよく示されているように、1つ以上のヒータ132は、リッドアセンブリ110の上面に形成された環状チャネル内に配置される。ヒータを環状チャネル内に保持するために、環状キャップ212を1つ以上のヒータ132の各々の上に配置することができる。幾つかの実施形態では、環状キャップ212は、リッドアセンブリ110内に配置されうる1つ以上のヒータ132及び1つ以上の冷却剤チャネル134の上に渡ることができる。図3、7、及び12に示されるように、複数のレセプタクル306がリッドアセンブリ110の上面に形成されて、環状キャップ212からの対応する突起702を受け入れることができる。環状キャップ212は、例えば複数の締め具704(例えば、ボルト、ねじなど)によって、リッドアセンブリ110の上部プレート178に固定することができる。
【0016】
図1に戻ると、サーモスタット162は、リッドアセンブリ110の温度を監視するために、また幾つかの実施形態では、使用中の温度のフィードバック制御を容易にするために、リッドアセンブリ110内に配置されるか、又はリッドアセンブリ110に連結することができる。サーモスタット162は、リッドアセンブリ110の側面(図1に示されるように)、又はリッドアセンブリ110の頂面(図2に示されるように及び7)など、リッドアセンブリ110の温度を監視するための任意の適切な位置に設けることができる。
【0017】
熱伝達媒体を流すために、下部本体108又はリッドアセンブリ110のうちの少なくとも一方に、1つ以上の冷却剤チャネル134を設けることができる。例えば、冷却剤源142を1つ以上の冷却剤チャネル134に連結して、冷却剤を循環させることができる。幾つかの実施形態では、例えば図8に示されるように、1つ以上の冷却剤チャネル134は、下部本体108内にのみ配置され、リッドアセンブリ110には配置されない。幾つかの実施形態では、例えば図2に示されるように、1つ以上の冷却剤チャネル134は、リッドアセンブリ110の上部に形成された第1の冷却剤チャネルを含むことができ、第1の冷却剤チャネルの上にはキャップ214が配置されうる。幾つかの実施形態では、例えば1つ以上のヒータ132が一対のヒータ132を含む場合、1つ以上の冷却剤チャネル134のうちの少なくとも1つ(及び幾つかの実施形態ではすべて)を一対のヒータ132間に配置することができる。幾つかの実施形態では、例えば図3に示されるように、1つ以上の冷却剤チャネル134は、冷却剤を冷却剤チャネル134(例えば、単一の環状チャネル)に通して循環させるための、図1に示される冷却剤源142などの冷却剤源に連結された入口302及び出口304を有する単一の環状チャネルでありうる。幾つかの実施形態では、冷却剤源142及び冷却剤チャネル134は、リッドアセンブリ110の温度を摂氏約50度から約75度で維持するように構成される。
【0018】
幾つかの実施形態では、熱伝達媒体を流すために、1つ以上の冷却剤チャネル236を下部本体108に設けることができる。例えば、冷却剤源142を1つ以上の冷却剤チャネル236に連結して、冷却剤を循環させることができる。あるいは、1つ以上の冷却剤チャネル236は、異なる冷却剤源(図示せず)に連結させることができる。幾つかの実施形態では、冷却剤源142(又は他の異なる供給源)及び冷却剤チャネル236は、下部本体108の温度を摂氏約50度から約75度で維持するように構成される。冷却剤チャネル134、236の小さい容積及び構成は、部品コーティング用リアクタ102の急速冷却を有利に促進し、完成したワークピースを取り出し、コーティングされる新しいワークピースをロードし、したがってスループットを向上させる。
【0019】
図1に戻ると、リッドアセンブリ110は、部品コーティング用リアクタ102の内部容積112への1つ以上のガスの供給を容易にするために、その中に配置された複数のガス通路136を含む。ガス源114は、複数のガス通路136に連結された複数の導管116を介して内部容積112に流体的に連結されて、後述するように、内部容積112内に配置されたワークピース(又は部品)をコーティングするALD動作などの動作中に、内部容積112に処理ガスを供給する。例えば、ガス源は、ALDプロセスを実施してワークピースをコーティングするために、前駆体アンプル、1つ以上の不活性ガス、並びに堆積ガス、キャリアガス、パージガスなどを供給するための高速パルスバルブ、パージバルブなどを含みうる。例えば、図1に示されるように、例えば、第1の前駆体、第2の前駆体、及び不活性ガスなどの3つの異なるガスを内部容積112に供給するために、第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122を設けることができる。第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122は、リッドアセンブリ110を介して、例えば、(以下に詳しく論じるように)複数のガス通路136を介して及び/又は中央開口部121を介して、内部容積112に連結することができる。
【0020】
非限定的な一例では、形成されるコーティングは、酸化アルミニウム(Al)コーティングでありうる。このような実施形態では、例えば、ガス源は、トリメチルアルミニウム(TMA)と水(HO)とを含む堆積ガス(例えば、前駆体ガス)を、窒素(N)などの不活性ガス、又は希ガス、例えばアルゴン(Ar)などとともに供給するように構成することができる。他のALD堆積膜も同様に得ることができ、限定はしないが、例えばMOx、MOxFy、MFx、SiOx、SiCx、SiN、M1M2Oxなどの基本式を有する膜などであり、ここで、Mは金属であり、M1は第1の金属であり、M2は第1の金属とは異なる第2の金属である。このような膜は、本明細書に記載される装置内で適切なALD前駆体及び堆積プロセスを使用して堆積することができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタ102は、1つ以上の処理ガスを分散方式で供給するように構成される。例えば、幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタ102は、1つ以上の処理ガスを内部容積112の複数のゾーンに供給するように構成される。例えば、リッドアセンブリ110は、各々がガス源114に連結した複数の流体的に独立したプレナムを含むことができる。流体的に独立したプレナムの各々は、1つ以上の処理ガスを内部容積112の特定のゾーンに提供するように構成され、特定のゾーンの少なくとも幾つかは互いに異なっている。流体的に独立したプレナムは、ガスの分離を有利に提供し、導管又はリッドアセンブリ110内での望ましくない反応及び/又は堆積を防止する。
【0022】
例えば、図2に示されるように、リッドアセンブリ110は、外側環状プレナム208と1つ以上の内側環状プレナム210とを含むことができる。外側環状プレナム208は、内部容積112の周辺領域、及びコーティングされるワークピースの周辺領域への1つ以上のガスの供給を容易にする。幾つかの実施形態では、例えば、不活性ガスを外側環状プレナム208に供給して、ワークピースの周縁部及び/又は内部容積112の周縁部への堆積を防止することができる。図2に示される実施形態では、2つの内側環状プレナム210が示されている。内側環状プレナムは、ALDプロセス用の異なる堆積ガス又は前駆体ガスなどの1つ以上のガスを、コーティングされることが望ましいワークピースの領域に近い内部容積のより半径方向内側の部分に供給することを容易にする。
【0023】
環状プレナムは、例えば、上部プレート178の頂面に配置されたそれぞれの環状チャネルによって形成することができる。キャップ246を各チャネルの上に配置して、それぞれのプレナムを画成することができる。プレナムを内部容積112に流体的に連結するために、各プレナムに、例えばプレナムの底表面に沿って、複数の孔248を設けることができる。複数の孔248は、プレナムから内部容積112への適切なガス流を提供するようにサイズ決めし、配置することができる。幾つかの実施形態では、複数の孔248は、プレナムに沿って等間隔に又は実質的に等間隔に配置することができる。幾つかの実施形態では、複数の孔248は孔のセットで配置することができ、各セットの孔はプレナムに沿って等間隔又は実質的に等間隔で配置することができる。
【0024】
プレナムの各々は、第1、第2、又は第3の導管118、120、122のうちの異なる導管を介してガス源114に連結させることができる。例えば、1つ以上の内側環状プレナム210の第1の環状プレナム210Aは、第1の導管118を介してガス源114に連結させることができる。1つ以上の内側環状プレナム210の第2の環状プレナム210Bは、第2の導管120を介してガス源114に連結させることができる。外側環状プレナム208は、第3の導管122を介してガス源114に連結させることができる。
【0025】
図2及び7に最もよく示されているように、第1の導管118は、複数の脚部202(例えば、第1の複数の脚部)を介して内側環状プレナム210のうちの1つ(例えば、210A)に連結させることができる。同様に、第2の導管120は、異なる複数の脚部204(例えば、第2の複数の脚部)を介して内側環状プレナム210のうちの異なる1つ(例えば、210B)に連結させることができる。同様に、第3の導管122は、異なる複数の脚部206(例えば、第3の複数の脚部)を介して外側環状プレナム208に連結させることができる。複数の脚部202、204、206の各々は、例えば図5に関して説明したように、プレナムに沿ったそれぞれの入口を介して、それぞれの内側環状プレナム210A、210B、及び外側環状プレナム208に連結させることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、第1の導管118、第2の導管120、又は第3の導管122のうちの1つ以上を、プレナムに沿った複数の位置でそれぞれのプレナムに連結させることができる。複数の位置は、2つ以上の位置、3つ以上の位置、4つ以上の位置などでありうる。例えば、図7に示されるように、複数の位置は6つの位置とすることができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、第1の導管118、第2の導管120、又は第3の導管122のうちの少なくとも1つ、及び幾つかの実施形態ではそれらのすべてが、それぞれのプレナムに方位角対称に連結される。幾つかの実施形態では、それぞれのプレナム内の位置の各々が、それぞれのプレナム内の隣接する位置から等間隔で配置される。幾つかの実施形態では、複数の位置のいずれも互いに対して半径方向に整列していない。例えば、図7に最もよく示されているように、各プレナムは、互いに等間隔で配置することができる複数の入口(例えば、図5に示される開口部510)を含む。各プレナムの入口の各々は、互いに対して角度をずらすことができる。幾つかの実施形態では、各プレナムに等しい数の入口が存在する。
【0028】
幾つかの実施形態では、長さ、滞留時間、又はコンダクタンスのうちの少なくとも1つが、ガス源114からそれぞれのプレナムまで等しいか、又は実質的に等しくなりうる。例えば、導管が複数の位置でプレナムにルーティングされる実施形態では、ガス源からの距離、又はガスが導管を通って移動する滞留時間、又は導管の全体のコンダクタンスのうちの1つ以上は、等しいか、又は実質的に等しくなりうる。本明細書で用いられる場合、実質的に等しいとは、互いの約10%以内、又は幾つかの実施形態では約5%以内の値を意味する。例えば、図2及び7と一致する実施形態では、第1、第2、及び第3の導管118、120、122の各々は、内部容積112及び/又はリッドアセンブリ110の中心軸に沿って垂直に位置合わせされた接合部で複数の脚部202、204、206のそれぞれに分割することができる。加えて、複数の脚部202、204、206のそれぞれの脚部内の個々の脚部は、等しい又は実質的に等しい長さ及び/又はコンダクタンスを有することができる。加えて、複数の脚部202、204、206のそれぞれの脚部内の個々の脚部は、(例えば、脚部がそれぞれの環状プレナムに連結される位置が等間隔又は実質的に等間隔で配置されるように)等しい又は実質的に等しい角度間隔を有することができる。幾つかの実施形態では、複数の脚部202、204、206のうちの共通の脚部内の脚部は、共通の平面内に配置された水平部分と共通の平面からリッドアセンブリ110まで延びる垂直部分とを有し、複数の脚部202、204、206のうちの異なる脚部内の脚部は、異なる平面に配置されたそれぞれの水平部分を有する。あるいは、複数の脚部202、204、206のうちの共通の脚部内の脚部は共通の空間に配置され、一方、複数の脚部202、204、206のうちの異なる脚部内の脚部は異なる空間に配置される(例えば、共通の脚部はグループ化され、他の脚部の他のグループから間隔をあけて配置される)。
【0029】
第1、第2、又は第3の導管118、120、又は122の各々は、各導管の端部に配置され、導管をプレナムへの入口と位置合わせする取付具250を介してそれぞれのプレナムに連結させることができる。例えば、図2に示されるように、取付具250が複数の脚部202、204、206の各々の端部に配置される。図5により詳細に示されるように、取付具250の本体502は、第1の導管118の端部(又はその脚部202)に連結することができる。貫通孔504は、第1の導管118(又はその脚部202)と位置合わせして本体を通って延びる。フランジ506を導管とは反対側の本体502の端部に設けることができ、該フランジ506は、リッドアセンブリ110の嵌合開口部を介したリッドアセンブリ110への取付具の連結を容易にするために、1つ以上の開口部508を含むことができる。導管がプレナムに連結される位置において、キャップ246は、導管をプレナムに流体的に連結するために、取付具250の貫通孔504と位置合わせされた開口部510(例えば、プレナム入口)を含む。
【0030】
再び図1を参照すると、幾つかの実施形態では、遠隔プラズマ源(RPS)127は、必要に応じて部品コーティング用リアクタ102の洗浄を容易にするために、例えばリッドアセンブリ110の中央開口部121を介して、内部容積112に連結することができる。あるいは又は組み合わせて、ガス源114は、中央開口部121を通じて内部容積112(例えば、第1の導管118、第2の導管120、及び第3の導管122を介して)に連結することができる。例えば、図2に示されるように、中央開口部121は、ガス源240に連結することができる。ガス源240は、ガス源114又はRPS127のうちの1つ以上を含むことができる。幾つかの実施形態では、中央開口部は、キャップ252を介してガス源240に連結される。幾つかの実施形態では、キャップ252は、上述したキャップ246と同様に構成することができる。
【0031】
幾つかの実施形態では、1つ以上の取付ブラケット156は、ワークピース158などのコーティングされるワークピース又は部品をリッドアセンブリ110に連結することを容易にするために設けられる。幾つかの実施形態では、ワークピース158は、内部容積112の処理容積部分を部分的に画成する。例えば、幾つかの実施形態では、ワークピース158は、シャワーヘッド、ガス分配プレート(又は面板)などでありうる。このような実施形態では、ワークピース158は、底部プレートから延びる周縁リップを有する底部プレートを備えており、周縁リップ内に中央凹部を画成することができる。複数のガス分配孔220が底部プレートを通って配置され、中央凹部から底部プレートを通り、底部プレートの反対側の空間へ(例えば、シャワーヘッドが設置されているチャンバの処理容積へ)のガスの流れを促進する。ワークピース158は、該ワークピースの下面(シャワーヘッドの底部プレートなど)が部品コーティング用リアクタ102内に配置されたペデスタルヒータ124の支持面から約1から約5mm、例えば約3mm離間されるように、リッドアセンブリ110に連結させることができる。シャワーヘッド(例えば、ワークピース)は、取付ブラケット156を介してワークピースをリッドアセンブリ110に連結することを容易にするために、周縁リップの半径方向外側で底部プレートを貫通する複数の開口部を含みうる。
【0032】
例えば、幾つかの実施形態では、1つ以上の取付ブラケット156は、図2に示されるポスト244などの複数のポストでありうる。幾つかの実施形態では、図2に示されるように、ワークピース158はシャワーヘッドであり、複数のポスト244を介してリッドアセンブリ110に連結することができる。ポスト244は、例えば、ワークピース158の既存の取付孔に挿入することができ、リッドアセンブリ110の嵌合ねじ付き開口部にワークピースをボルト締めするための貫通孔を含む。
【0033】
図2をさらに参照すると、幾つかの実施形態では、スペーサ218は、ワークピース158とリッドアセンブリ110との間の間隙を維持しやすくするように提供することができる。ワークピース158とリッドアセンブリ110との間の間隙は、それらの間のガスの流れ、例えば使用中のワークピース158の表面上のガスの流れを促進する。幾つかの実施形態では、スペーサ218は、ワークピース158と位置合わせするように構成することができる。例えば、スペーサ218は、ワークピース158の周縁など、ワークピース158の対応する特徴部とインターフェースする特徴部を含むことができる。例えば、ワークピース158が円形である実施形態では、スペーサ218は、該スペーサ218がワークピースの周縁に沿ってワークピースの上に配置され、半径方向外側リップがワークピース158の側壁に沿って延びうるように、半径方向外側リップを有する環状リングでありうる。スペーサ218は、内部容積112に供給されるガスが実質的に、ワークピース158の半径方向外側の表面の周りではなく、スペーサ218の半径方向内側に配置されたワークピース158の表面に向かって、かつその表面上を流れるように、ワークピース158とリッドアセンブリ110との間のシールの形成をさらに促進することができる。幾つかの実施形態では、スペーサは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アルミニウム、若しくはアルミニウム合金(AL6061又はAL1005など)、又は同様の材料でできている。
【0034】
幾つかの実施形態では、部品コーティング用リアクタ102は、所与のサイズのワークピースをコーティングするように構成される。例えば、ワークピース158がシャワーヘッドである場合、該シャワーヘッドは、所定のサイズの基板を処理するように構成された処理チャンバ内で使用するように構成されうる。例えば、ワークピース158は、直径が150mm、200mm、300mmなどの半導体ウエハ、又はソーラー、ディスプレイ、若しくは他の用途のための長方形の基板などの半導体ウエハを処理するように構成されたシャワーヘッドでありうる。したがって、スペーサ218は、外側環状プレナム208と1つ以上の内側環状プレナム210との間にスペーサ218が配置されるようなサイズを有する。動作中、例えば、ALD堆積プロセスなどの堆積プロセス用の処理ガス(例えば、堆積ガス)は、1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121を介して)供給することができる一方、希ガス、例えばアルゴンなどの不活性ガスは、外側環状プレナム208に供給することができる。したがって、1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121介して)供給される処理ガスは、ワークピース158の半径方向内側(スペーサ218に対して)の表面の上を流れ、かつワークピース158の開口部(ガス分配孔220など)を通って流れ、堆積プロセスからの材料でワークピースをコーティングする。1つ以上の内側環状プレナム210に(又は中央開口部121を通って)供給される処理ガスは、スペーサ218の半径方向外側へ、及びワークピース158の(スペーサ218に対して)半径方向外側の表面上を流れることが実質的に防止される。同様に、外側環状プレナム208に供給される不活性ガスなどのガスは、ワークピース158の半径方向外側の表面の上を流れ、ワークピース158の半径方向内側の表面上を流れることが実質的に防止される。外側環状プレナム208に供給される不活性ガスが、リッドアセンブリ110の外側側壁に沿った材料の堆積をさらに制限又は防止する。部品コーティング用リアクタ102へのガスの流れの図が、図2、8、及び5に示される矢印によって示されている。部品コーティング用リアクタから流出するガスの流れの図が、図2及び6に矢印で示されている。
【0035】
図2及び5に示されるスペーサ218は例示的なものであり、スペーサは、ワークピース158の幾何学的形状に基づく、及び/又はリッドアセンブリ110の幾何学的形状に基づく他の構成を有することができる。例えば、図13A~13Cは、本開示に従った使用に適したスペーサの3つの非限定的な例を示したものである。図13Aに示されるように、図2に示されるスペーサ218と同様の構成を有するスペーサ1300Aが示されている。スペーサ1300Aは、設置時にワークピース158を密接に取り囲むのに適した形状因子を有する環状本体を有する。環状本体は、平坦なディスク1302の外縁から下方に延びる外側リップを有する、平坦なディスク1302を含む。例えば、使用時、平坦なディスク1302は、外側リップ1304がワークピース158の側面に沿って下方に延びた状態で、ワークピース158の上に配置することができる。したがって、スペーサ1300Aは、ワークピース158とリッドアセンブリ110との間の距離を規定するか、又はワークピース158とリッドアセンブリ110との間の内部筐体を部分的に画成し、スペーサ1300Aを通過する半径方向外側へのガスの流れを防止又は制限する。
【0036】
図13Bに示されるように、図8に示されるスペーサ818と同様の構成を有するスペーサ1300Bが示されている。スペーサ1300Bは、設置時にワークピース158より小さい直径を有する環状本体1306を有する。環状本体1306は、該環状本体1306の開口部を通って中心に延びる軸に対応する軸方向に細長い側壁を有することができる。例えば、使用時、環状本体1306は、ワークピース158の上、例えばワークピース158の上に配置された溝(oリング溝など)内に、配置することができる。幾つかの実施形態では、環状本体1306も同様に、(例えば図8に示されるように)リッドアセンブリ110内に配置された環状溝とインターフェースすることができる。したがって、スペーサ1300Bは、ワークピース158とリッドアセンブリ110との間の距離を規定するか、又はワークピース158とリッドアセンブリ110との間に内部筐体を部分的に画成し、スペーサ1300Bを通過する半径方向外側へのガスの流れを防止又は制限する。幾つかの実施形態では、図13Cに示されるように、スペーサ1300Cは、スペーサ1300Bと同様に設けることができるが、スペーサ1300Cの構造的完全性を高めるために、環状本体1306から延びる環状突起又はリブ1308をさらに含むことができる。
【0037】
図1に戻ると、幾つかの実施形態では、ライナ157は、リッドアセンブリ110を保護するために、コーティングされるワークピース又は部品(例えば、ワークピース158)を取り囲むように提供される。ライナ157は、ワークピース158を取り囲み、リッドアセンブリ110の内側壁(例えば、リッドアセンブリに隣接する内部容積の外周)を保護するための任意の適切な形状を有することができる。例えば、ワークピースを取り囲み、ワークピースと部品コーティング用リアクタ102の側壁、例えばリッドアセンブリ110の側壁との間の空隙又は空間を満たすために、ライナの内周の一般的な形状は、所与の形状又はサイズを有するワークピースを取り囲むように構成することができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、ライナ157は、環状本体402の内壁に沿って交互の複数の平坦面406と凹んだ部分408とを有する、環状本体402を有することができる。複数の開口部404は、ライナ157がリッドアセンブリ110の底表面に連結するのを容易にするために、環状本体402を通じて提供することができる。ライナ157は、アルミニウムなどの任意のプロセス適合性材料から製造することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、図11に示されるように、ライナ157及び取付ブラケット156は、単一の構成要素へと結合させることができる。例えば、このような実施形態では、ライナ157をリッドアセンブリ110の底表面に結合することを容易にするために、ライナ157は、環状本体402を貫通して設けられた複数の開口部404を備えた環状本体402を有することができる。ライナ157は、該ライナ157をワークピース158に固定するため、したがってワークピース158をリッドアセンブリ110に固定するために、止めねじ、グラブねじなどの締め具を受け入れるように構成された複数の開口部1102をさらに含む。複数の開口部404は、環状本体402の上面1108とリッドアセンブリ110の下面との間に間隙(例えば、図10に示される間隙1010)が画成されるように、ライナ157のスタンドオフを提供する隆起部分1104(例えば、突起)に設けることができる。間隙は、ライナ157の周りのガスの排気への流れを促進する。隆起部分1104、例えば、環状本体402のそれぞれの開口部404を通過する締め具の頭部の受け入れを容易にするために、各隆起部分1104の反対側に凹んだ部分1106を設けることができる。ライナ157は、該ライナ157の周りのガスの流れをさらに促進して排気口へと向かう、環状本体の側壁を貫通して形成された複数の貫通孔1110を含むことができる。
【0040】
図1に戻ると、下部本体108は、ペデスタルヒータ124を受け入れるようにサイズ決めされ、構成される。例えば、下部本体108は、ペデスタルヒータ124のシャフト(例えば、図2に示されるシャフト228)を受け入れるために、底部プレート182を貫通して形成された開口部126を含むことができる。ペデスタルハブ128が底部プレート182に連結され、ペデスタルヒータ124のシャフトを取り囲み、包み込むことができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124のシャフトは、ペデスタルヒータ124の底表面が下部本体108の底部プレート182の頂面の上に、かつその頂面に対向して配置されるように、ペデスタルハブ128に連結させて、ペデスタルハブ128によって支持させることができる。例えば、図6に示されるように、ペデスタルヒータ124のシャフト228をペデスタルハブ128に固定するために、1つ以上の開口部610を、ペデスタルハブ128を貫通して設けることができる。図1に戻ると、ペデスタルヒータ電源130は、例えばペデスタルハブ128を介してペデスタルヒータ124内に配置されたヒータ電極125に連結されて、使用中にペデスタルヒータ124に電力を供給する。ヒータ電極125は、1つのゾーン、又は2つのゾーンなどの複数のゾーンで構成することができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124は、最高で毎分摂氏約5度の速度で、最高で摂氏約600度(例えば、摂氏約100から約600度、又は摂氏約200から約500度の範囲)に加熱するように構成される。
【0041】
図2により詳細に示されるように、ペデスタルヒータ124はヒータプレート238と中央シャフト228とを含みうる。ヒータプレート238はヒータ電極125を含み、実質的に平坦な上面を含むことができる。幾つかの実施形態では、ヒータプレートは、例えば半導体ウエハなどの平面基板を支持するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ヒータプレート238は、平坦又は実質的に平坦な隆起上面と、該隆起上面の半径方向外側に配置された実質的に平坦なレッジとを含むことができる。ペデスタルヒータ124は、コーティングされるワークピース158よりも大きい直径を有することができる。例えば、ペデスタルヒータ124は、少なくともライナ157の内径よりも大きい直径を有することができる。幾つかの実施形態では、ペデスタルヒータ124は、約500から約600mmの直径を有することができる。
【0042】
下部本体108は、ペデスタルヒータ124と下部本体108の表面に面する内部容積112との間の小さい間隙を画成するようにサイズ決めされる。例えば、側壁184の内表面とヒータプレート238の外周縁との間に、第1の間隙258が形成される。幾つかの実施形態では、第1の間隙258は、約3mmなど、約2から約4mmでありうる。底部プレート182の上面とヒータプレート238の対向する下面との間には、第2の間隙260が形成される。幾つかの実施形態では、第2の間隙260は、約4mmなど、約3から約6mmでありうる。開口部126は、開口部126とシャフト228との間に第3の間隙262が形成されるように、シャフト228の外径より大きい。幾つかの実施形態では、第3の間隙262は、約4mmなど、約3から約6mmでありうる。
【0043】
ペデスタルハブ128は、シャフト228及び開口部126の周りで下部本体108に連結される。128のペデスタルは、例えば、ペデスタルハブ128のフランジ232に形成された対応する複数の開口部234を通して配置され、下部本体108の対応するねじ付き開口部内に延びる複数の締め具を使用して、下部本体108にボルト締め又は他の方法で固定することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の溝251をペデスタルハブ128又は下部本体108の一方又は両方に設けて、それらの間のシールの形成を容易にすることができる。例えば、Oリングなどのガスケットを溝251に配置することができる。
【0044】
ペデスタルハブ128は、シャフト228の外径より大きい内径を有する。幾つかの実施形態では、ペデスタルハブは、開口部126の内径よりも大きい内径を有する。幾つかの実施形態では、図2に示されるように、内部容積112から出るガスの排気の流れを調節するために、チョークカップ230を設けることができる。チョークカップ230は、ペデスタルハブ128と下部本体108との間に配置することができる。チョークカップ230は、流れコンダクタンスチョークポイントを提供して、方位角がより均一になるように部品コーティング用リアクタ102から出る流れを調整する。例えば、チョークカップ230は、ペデスタルハブ128の内径に沿って形成された対応するレッジ256上に載置されうるフランジ254を含む管状部材でありうる。フランジ254は、ペデスタルハブ128が下部本体108に連結したときにフランジ254が下部本体108の底部に当接するように、レッジ256の高さに等しい又は実質的に等しい厚さを有することができる。
【0045】
チョークカップ230の内表面とシャフト228の外表面との間に第4の間隙264を画成するように、チョークカップ230は開口部126の内径に実質的に等しい内径を有することができる。チョークカップ230は、それらの間に第5の間隙266が画成されるように、ペデスタルハブ128の内径よりも小さい外径をさらに有する。チョークカップ230は、第4の間隙264を第5の間隙266に流体的に連結するために貫通形成された複数の開口部231をさらに含む。
【0046】
図6にさらに詳しく示されているように、チョークカップ230は、該チョークカップ230の底部がペデスタルハブ128の底部内表面から離間して、それらの間に第6の間隙602を画成するように配置されるような長さを有することができる。幾つかの実施形態では、チョークカップ230の壁厚より大きい幅を有するペデスタルハブ128の内部の底表面に溝604を形成することができる。チョークカップ230の底部は、溝の側壁及び底部と、溝内に部分的に延びるチョークカップ230の壁の部分との間に第6の間隙602が画成されるように、溝内に部分的に延在することができる。
【0047】
部品コーティング用リアクタ102の排気アセンブリ(例えば、後述する排気アセンブリ144)へのペデスタルハブ128の連結を容易にするために、ペデスタルハブ128内に開口部606を形成することができる。例えば、開口部606は、第5の間隙266に流体的に連結させることができる。導管608は、排気アセンブリを介して開口部606をポンプ150に連結することができる。
【0048】
図1に戻ると、部品コーティング用リアクタ102の排気アセンブリ144は、ペデスタルハブ128を介し(例えば、図6に関して説明した開口部606を介して)内部容積112に流体的に連結される。排気アセンブリ144は、ポンプ150を内部容積112に連結する導管148に沿って一列に配置されたスロットルバルブ146を含む。スロットルバルブ146は、内部容積112内の圧力の制御を容易にする。圧力計152も、導管148に連結して、導管148内の圧力(及び、関連して、内部容積内の圧力)を監視することができる。幾つかの実施形態では、例えばメンテナンスのために、部品コーティング用リアクタ102を導管148及びポンプ150から隔離及び/又は切断することを容易にするために、例えばアイソレーションバルブ154、バイパスバルブ155などの追加のバルブを設けることができる。
【0049】
部品コーティングシステム100はまた、部品コーティング用リアクタ102に連結したコントローラ170も含む。コントローラ170は、直接制御を使用して、又は代替的に部品コーティング用リアクタ102に関連付けられたコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、部品コーティング用リアクタ102の動作を制御する。動作中、コントローラ170は、部品コーティング用リアクタ102の性能を最適化するためのデータ収集及びフィードバックを可能にする。コントローラ170は、概して、中央処理装置(CPU)172、メモリ174、及び支援回路176を備えている。CPU172は、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサでありうる。支援回路176は、慣例的にCPU172に連結され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などを含みうる。本明細書に記載される方法などのソフトウェアルーチンは、メモリ174内に記憶され、CPU172によって実行されると、CPU172を特定目的コンピュータ(コントローラ170)に変換することができる。ソフトウェアルーチンはまた、部品コーティング用リアクタ102から離れて配置された第2のコントローラ(図示せず)によって格納及び/又は実行させることもできる。
【0050】
メモリ174は、CPU172によって実行されると部品コーティング用リアクタ102の動作を容易にするための命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ174内の命令は、本開示の装置を実装するプログラムなどのプログラム製品の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のいずれか1つに準拠しうる。一例では、本開示は、コンピュータシステムで使用するためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実装することができる。プログラム製品の(一又は複数の)プログラムは、アスペクトの機能を規定する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、次のものが含まれるが、これらに限定されない:情報が永久に保存される書き込み不可能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブで読み取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、又はあらゆるタイプの固体不揮発性半導体メモリなど、コンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス);及び、変更可能な情報が保存される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又はあらゆる種類の固体ランダムアクセス半導体メモリ)。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、例えば方法1400に従って、本明細書に記載される部品コーティング用リアクタ102の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合には、本開示の態様である。
【0051】
本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタのさらなる詳細が、部品コーティング用リアクタ102などの部品コーティング用リアクタの一部の概略的な断面側面図である図2に示されている。図2に示されるように、リッドアセンブリ110は、下部本体108に連結されて、内部容積112を少なくとも部分的に画成する。幾つかの実施形態では、リッドアセンブリ110と下部本体108との間のインターフェースに、シールを設けることができる。例えば、アセンブリ時にリッドアセンブリ110と下部本体108との間のシールの維持を容易にするために、ガスケット、例えばOリングを受け入れるように、リッドアセンブリ110又は下部本体108のうちの1つ以上に溝226を設けることができる。幾つかの実施形態では、リッドアセンブリ110及び下部本体108の位置合わせ及び相互接続を容易にするために、もう1つの位置合わせ特徴部を設けることができる。例えば、リッドアセンブリ110又は下部本体108のうちの一方の周縁の周りに、突起又はリップ222を配置することができる。リップ222を受け入れてリップ222とインターフェースするために、リッドアセンブリ110又は下部本体108の他方には、嵌合凹部224を設けることができる。図2に示される実施形態では、リップ222は、リッドアセンブリ110から下方に突き出していることが示されており、嵌合凹部224は、下部本体108の周縁に形成されていることが示されている。
【0052】
幾つかの実施形態では、内部容積112の上のリッドアセンブリの上部中央部分からの熱伝達の低減を促進するために、リッドアセンブリ110内にもう1つの熱伝導チョークを設けることができる。例えば、リッドアセンブリ110を通る伝導熱伝達を妨げるために、リッドアセンブリ110に複数の凹部216を形成することができる。幾つかの実施形態では、複数の凹部216は細長いスロットを含む。複数の凹部216は、リッドアセンブリ110の上面又は側面のいずれか又は両方に形成することができる。
【0053】
図2に示される実施形態では、図3及び7により明確に示されるように、第1の複数の凹部216(図3の第1の複数の凹部316A)をリッドアセンブリ110の頂面に形成することができる。第1の複数の凹部216(316A)は、例えば、リッドアセンブリ110の外周縁に近接する円に沿って、かつ内部容積112の半径方向外側に配置することができる。幾つかの実施形態では、第1の複数の凹部216(316A)は、それらが配置される円と整列又は実質的に整列する(例として、例えば細長いスロットの中心で、円と接線方向に位置合わせされる)長軸を有する細長いスロットとすることができる。
【0054】
図2に示される実施形態では、図3により明確に示されるように、第2の複数の凹部216(図3の第2の複数の凹部316B)は、リッドアセンブリ110の側面に形成することができる。第2の複数の凹部216(316B)は、例えば、リッドアセンブリ110の外周縁に沿った1つ以上の円形の列(図では2つの円形の列)に沿って配置することができる。複数の円形の凹部列が設けられる実施形態では、リッドアセンブリ110の頂面からリッドアセンブリ110の側面への伝導熱伝達の経路を減らすため(例えば、熱伝導のための曲がりくねった経路を形成するため)に、各列の凹部を互い違いに配置するか、又は重ね合わせることができる。幾つかの実施形態では、第2の複数の凹部216(316B)は、それらが配置される円形の列と整列又は実質的に整列する長軸を有する細長いスロットとすることができる。
【0055】
部品コーティング用リアクタ102のさまざまな構成要素に関する前述の説明は例示的なものであり、本開示の範囲内で他の変形も可能である。例えば、図8~10及び12は、図2~5及び7に示されるリッドアセンブリ110とは異なる、本開示の少なくとも幾つかの実施形態によるリッドアセンブリ110を示している。図2~5及び7に関して上で説明したものと同様のリッドアセンブリの部分は、同一の参照番号を有しており、以下では個別に説明しない場合がある。
【0056】
幾つかの実施形態では、図8~10及び12に示されるように、部品コーティング用リアクタ102は、1つ以上の処理ガスを外側ゾーン及び中央ゾーンに供給するように構成される。例えば、リッドアセンブリ110の複数の流体的に独立したプレナムは、反応性ガスをリッドアセンブリ110の中央開口部121に供給することができ、1つ以上の不活性ガスを外側環状プレナム208に供給することができるように、ガス源114に連結させることができる。上述のように、図2、3、及び7に示される実施形態に類似する図8~10及び12に示される実施形態の部分は、図2、3、及び7に関して本明細書で論じられる対応する要素と同様の参照番号を有する。
【0057】
図2に関して上で説明したように、図8に示されるリッドアセンブリ110は、外側環状プレナム208と中央プレナム802とを含む。外側環状プレナム208は、内部容積112の周辺領域、及びコーティングされるワークピース158の周辺領域への1つ以上のガスの供給を容易にする。幾つかの実施形態では、例えば、不活性ガスを外側環状プレナム208に供給して、ワークピースの周縁部及び/又は内部容積112の周縁部への堆積を防止することができる。中央プレナム802は、コーティングされることが望ましいワークピースの領域に近い内部容積の半径方向内側部分(例えば、中央部分)へのALDプロセス用の異なる堆積ガス又は前駆体ガスなどの1つ以上のガスの供給を容易にする。
【0058】
中央プレナム802は、中央開口部121内に配置され、内部容積112の中央領域及びコーティングされるワークピース158の中央領域への1つ以上のガスの供給を容易にする。例えば、中央プレナム802は、第1、第2、又は第3の導管118、120、122のうちの異なる導管を介してガス源114に連結することができる。幾つかの実施形態では、外側環状プレナム208は、例えば第1の導管118を介して、ガス源114に連結することができ、例えば不活性ガスを外側プレナム208に供給することができる。中央プレナム802は、例えば第2及び第3の導管120、122を介して、ガス源114に連結することができ、例えばALDプロセス用の前駆体を供給して、ワークピース158をコーティングすることができる。
【0059】
中央プレナム802は、内部容積112への処理ガスの分配を容易にするノズルアセンブリ804を含むことができる。ノズルアセンブリは、ノズル808を挿入し、保持することができる内部開口部910を有する本体806を含むことができる。例えば、ノズル808は、内部開口部910に挿入することができ、内部開口部910に形成された対応する肩部に載置することができる上部フランジを有することができる。キャップ908を本体806の上部に連結して、内部開口部910の頂部を覆うことができる。本体806とキャップ908のインターフェースに沿った中央プレナム802からの漏れを最小化又は防止するために、1つ以上のoリング溝912(1つ示されている)をキャップ908又は本体806のうちの少なくとも1つの対向する面に設けることができる。
【0060】
図9に最もよく示されているように、ノズルアセンブリ804の本体806は、例えば、ねじ、ボルト、クランプなどの複数の締め具(図示せず)によってリッドアセンブリ110に取り付けることができる。本体806とリッドアセンブリ110のインターフェースに沿った中央プレナム802からの漏れを最小化又は防止するために、1つ以上のoリング溝906(1つ示されている)をリッドアセンブリ110又は本体806のうちの少なくとも1つの対向する面に設けることができる。
【0061】
例えば本体806、キャップ908、又は本体806とキャップ908の組合せを通して、1つ以上の通路が中央プレナム802に設けられていてもよい。図9に示されるように、幾つかの実施形態では、導管(例えば、118、120、122)のうちの1つを中央プレナム802に連結するために、通路914を設けることができ、導管(例えば、118、120、122)のうちの異なる1つを中央プレナム802に連結するために、独立した第2の通路916を設けることができる。
【0062】
本体806及びノズル808は、一緒に中央プレナム802を画成する。例えば、ノズル808は、該ノズル808の底部で終端する内部通路902を含む。1つ以上の孔(例えば、図9の孔904)が、内部通路902と流体連結したノズル808の底部部分に配置される。幾つかの実施形態では、1つ以上の孔904は複数の孔である。幾つかの実施形態では、複数の孔は4つの孔である。複数の孔は、互いに等間隔に配置することができる。1つ以上の孔を、ノズル808の底表面、ノズル808の側壁の下部、又はこれら2つの組合せに設けることができる。ノズル808は、リッドアセンブリ110の底表面を超えて内部容積112内に延在することができる。
【0063】
図10に最もよく示されているように、外側プレナム208は、リッドアセンブリ110の上部プレート178に配置された環状チャネルによって形成することができる。複数の孔248が、外側プレナム208内に、例えばプレナムの底表面に沿って設けられ、プレナムを内部容積112に流体的に連結することができる。複数の孔248は上述の通りとすることができる。キャップ846は、外側プレナム208を画成するために各チャネルの上に配置することができ、複数の締め具(例えば、ねじなど)を介して上部プレート178に連結することができる。例えば、複数の孔1006が、キャップ846を貫通して形成され、上部プレート178に形成された対応するねじ孔1008と位置合わせされて、キャップ846を上部プレート178に固定するための締め具を受け入れることができる。
【0064】
キャップ846は、上部プレート178に形成された凹部1002内に配置することができる。幾つかの実施形態では、凹部1002及びキャップ846は、キャップ846が上部プレート178の頂面と面一になるか、又は上部プレート178の頂面より上に突出しないようにサイズ決めすることができる。1つ以上のoリング溝1004が上部プレート178又はキャップ846のうちの少なくとも一方の対向する面に形成されて、oリングを受け入れ、外側プレナム208からの漏れの低減又は排除を容易にすることができる。外側プレナム208は、図5に関して上述したのと同様に、キャップ846を通じて第1、第2、又は第3の導管118、120、122の1つ以上(例えば、1つ以上の不活性ガスを供給する1つの導管)を介して、ガス源114に連結することができる。
【0065】
動作中、ガスが部品コーティング用リアクタ102を通って流れているとき、ガスは最初に、リッドアセンブリ110を通って部品コーティング用リアクタ102に流入する。例えば、ガス通路136又は開口部126のうちの少なくとも1つを通じて、ガスを導入することができる。その後、ガスはワークピースの周りを流れる。幾つかの実施形態では、ワークピースは、リッドアセンブリ110に連結した、シャワーヘッドなどのワークピース158である。このような実施形態では、ガスは、シャワーヘッドの中央凹部へなど、ワークピースの表面を横切って流れ、シャワーヘッドを貫通して配置された複数のガス分配孔を通り、次いでシャワーヘッドの面の間を通り、ペデスタルヒータ124を横切って流れる。次いで、ガスは、ペデスタルヒータ124の周縁の周りを(例えば、第1の間隙258を通って)流れ、ペデスタルヒータ124の底部と下部本体108の床との間を(例えば、第2の間隙260を通って)流れ、チョークカップ230及びペデスタルハブ128などを通り(例えば、第3の間隙262、第4の間隙264、及び第5の間隙266又は第6の間隙602を通り)、ペデスタルヒータ124の下の位置を通って内部容積112の外に排出される。ポンプ150などのポンプが、例えば、ペデスタルハブ128の開口部606を介して、内部容積112に連結される。
【0066】
例えば、図14は、本開示の幾つかの実施形態による部品コーティング用リアクタ内で部品をコーティングする方法1400のフローチャートである。該方法1400は、概して1402で始まり、部品コーティング用リアクタの内部容積に面する部分に、コーティングされるようにワークピースが固定される。幾つかの実施形態では、コーティングされる部品が半導体基板処理チャンバの構成要素である場合、コーティングプロセスは部品自体に対して実施され(例えば、ワークピースはコーティングされる部品である)、したがって、コーティングプロセスは、堆積プロセス中に基板支持体(例えば、ペデスタルヒータ124)上に配置される従来の基板(例えば、半導体ウエハなど)なしで、実施される。
【0067】
幾つかの実施形態では、ワークピースは、例えばシャワーヘッドなどのワークピース158でありうる。例えば、ワークピース158は、上述のようにリッドアセンブリ110に固定することができる。幾つかの実施形態では、スペーサ(スペーサ218など)を、ワークピースとリッドアセンブリとの間に配置することができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、ワークピース(例えば、コーティングされる部品)は、上述したペデスタルヒータ124など、平面基板を支持するように構成された基板支持ペデスタルでありうる。例えば、基板支持ペデスタルは、該基板支持ペデスタルの支持面がリッドアセンブリ110とは反対側の内部容積112内に配置されるように、部品コーティング用リアクタ102の下部本体108に連結することができる。このような実施形態では、該プロセスは、任意のワークピース158(シャワーヘッドなど)をリッドアセンブリ110に固定することなく、実施することができる。
【0069】
次に、1404では、部品コーティング用リアクタ内の固定されたワークピース上でALDプロセスが実施される。ALDプロセスは、ワークピース(例えば、シャワーヘッド、基板支持ペデスタルなど)上にコーティングを形成するための任意の適切なALDプロセスでありうる。
【0070】
一例では、形成されるコーティングは、酸化アルミニウム(Al)コーティングでありうる。このような実施形態では、ALDプロセスは、トリメチルアルミニウム(TMA)のパルスを供給し、その後、例えば第1の環状プレナム210Aを通じて、不活性パージガスの流れを供給し、次に、続いて水(HO)のパルスを供給し、その後、例えば第2の環状プレナム210Bを通じて、パージガスの流れを供給することを含む。幾つかの実施形態では、トリメチルアルミニウム(TMA)のパルスは、パージガスの流れを、約30から約1000ミリ秒(ms)、例えば約100ms未満、続いて約100msから約2000msの間供給することができ、又は幾つかの実施形態では、約200から約1000ms、例えば約1秒の間供給することができる。幾つかの実施形態では、水(HO)のパルスは、パージガスの流れを、約30から約1000ミリ秒(ms)、例えば約100ms未満、続いて約100msから約5000msの間供給することができ、又は幾つかの実施形態では、約500から約5000ms、例えば約3.5秒の間供給することができる。ALDプロセスは、約1から約10Torr、例えば約2~3Torrの反応圧力で実施することができる。ALDプロセスは、摂氏約300度の温度で実施することもできる。パージガスは、窒素(N)などの不活性ガス、又は例えばアルゴン(Ar)などの希ガスである。ALDプロセスを必要に応じて繰り返して、所望の厚さを有するコーティングを形成することができる。
【0071】
例えば、幾つかの実施形態では、ALDプロセスは、リッドアセンブリ110を通してワークピース全体に堆積ガスを交互に流すことを含む。処理ガスは、部品コーティング用リアクタの排気アセンブリを通じて排気させることができる。幾つかの実施形態では、ワークピースがシャワーヘッドの場合、堆積ガスは、シャワーヘッドを貫通して配置された複数のガス分配孔を通って、シャワーヘッドの中央凹部に流入し、その後、シャワーヘッドの面の間を通り、ペデスタルヒータ124を横切って流れる。堆積ガスは、上述したように、ペデスタルヒータ124の下の位置を通って内部容積から排出される。幾つかの実施形態では、ALDプロセスを実施することは、堆積ガスを交互に流しつつ、シャワーヘッドの周縁の周りに不活性ガスを流すことをさらに含む。
【0072】
幾つかの実施形態では、ワークピースが基板支持ペデスタルを含む場合、ALDプロセスを実施することは、リッドアセンブリを介して基板支持ペデスタルの上面全体に堆積ガスを交互に流すことを含む。次いで、堆積ガスは、基板支持ペデスタルの周縁の周りを流れ、上述したように、基板支持ペデスタルの下の位置を通って内部容積から排出される。幾つかの実施形態では、ALDプロセスを実施することは、堆積ガスを交互に流しつつ、基板支持ペデスタルの周縁の周りに不活性ガスを流すことをさらに含む。
【0073】
本発明者らは、本明細書に記載される部品コーティング用リアクタ内で単一の部品(例えば、ワークピース)をコーティングするのに必要な堆積時間が、そのような処理チャンバ部品のコーティングに現在用いられている従来のバッチコーティングプロセスと比較して、有利に短縮されることを観察した。
【0074】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。
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図13A-C】
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【国際調査報告】