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特表2024-535090表面の親水性を高めるための水蒸気プラズマ
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  • 特表-表面の親水性を高めるための水蒸気プラズマ 図1
  • 特表-表面の親水性を高めるための水蒸気プラズマ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】表面の親水性を高めるための水蒸気プラズマ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
H01L21/302 102
H01L21/302 101C
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518663
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022074233
(87)【国際公開番号】W WO2023049543
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/486,334
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リアント, プラユディ
(72)【発明者】
【氏名】イム, イン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】パパヌ, ジェームス エス.
(72)【発明者】
【氏名】シー, グァン フアイ
(72)【発明者】
【氏名】バーグマン, エリック ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】モハメド ヘルミー イシック, ヌーア ヤスミン アディナ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, ウェイ イン ドリーン
(72)【発明者】
【氏名】サムガナサン, ビクネシュ
(72)【発明者】
【氏名】ゴー, イー クン ケルビン
(72)【発明者】
【氏名】スディオノ, ジョン レナード
(72)【発明者】
【氏名】スンダラジャン, アービン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA03
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB24
5F004BB25
5F004BB26
5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DA27
(57)【要約】
基板を処理するための方法及び装置が本明細書で提供される。例えば、基板上の表面親水性を高めるための方法は、a)基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することと、b)工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方をプラズマ処理チャンバに供給することと、c)基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、a)及びb)を継続することとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の表面親水性を高めるための方法であって、
a)前記基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することと、
b)工程中に前記処理領域内の前記水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方を前記プラズマ処理チャンバに供給することと、
c)前記基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、a)及びb)を継続することと
を含む方法。
【請求項2】
前記RF電力は、約1kHzから約10MHzの周波数で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マイクロ波電力は、約1GHzから約10GHzの周波数で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理領域内の圧力は、約1mTorrから約1Torrである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板は、約0.1秒から約10分間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方は、パルス波を用いて供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方は、連続波を用いて供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水蒸気プラズマを供給しながら、アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)又はオゾン(O)のうちの少なくとも1つを前記処理領域に供給することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)のうちの少なくとも1つは、最大約5000sccmの流量で供給され、オゾン(O)は、最大約10slpmの流量で供給される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基板は、約0.1秒から約30分間処理される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
オゾン(O)は、約0から約300g/mの濃度を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
約0.1ml/分から約500ml/分の流量で脱イオン水を基板の表面に供給することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
約0℃から約100℃の温度で前記脱イオン水を供給することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
0rpm超から約150rpmの速度で前記基板を回転させることを更に含む、請求項1から8、12及び13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、基板上の表面親水性を高めるための方法を実行する命令がその上に記憶された、非一過性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
a)前記基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することと、
b)工程中に前記処理領域内の前記水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方を前記プラズマ処理チャンバに供給することと、
c)前記基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、a)及びb)を継続することと
を含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記RF電力は、約1kHzから約10MHzの周波数で供給され、
前記マイクロ波電力は、約1GHzから約10GHzの周波数で供給される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記処理領域内の圧力は、約1mTorrから約1Torrである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基板は、約0.1秒から約10分間処理される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方は、パルス波を用いて供給される、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
基板上の表面親水性を高めるためのシステムであって、
プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給して、前記基板の結合面を処理するための、前記プラズマ処理チャンバに接続された遠隔プラズマ源と、
前記処理領域に接続され、工程中に前記処理領域内の前記水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力でマイクロ波電力又はRF電力を前記プラズマ処理チャンバに供給するように構成された、マイクロ波電源又はRF電源の少なくとも一方と
を備え、
前記遠隔プラズマ源、及び前記マイクロ波電源又は前記RF電源の少なくとも一方は、前記基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで作動可能である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、基板を処理するための方法及び装置に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、水蒸気プラズマを用いて、基板レベルのパッケージングのために表面親水性を高める方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]バックエンド(BEOL)パッケージングプロセスが知られている。例えば、BEOLパッケージングプロセスは、典型的には、1又は複数の結合プロセスを使用して、基板を互いに結合させる。例えば、幾つかの方法及び装置は、プラズマチャンバの内部に供給することができる1又は複数のガス化学物質(例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N)、及び/又は酸素(O))を使用し、容量結合RF源を使用して、容量結合プラズマを形成することができ、例えば、BEOLパッケージングプロセス中の結合を促進するために基板の表面を処理する乾式プロセス及び湿式プロセスを使用することができる。しかし、このようなプロセスでは、必要な接合強度(例えば、1J/m超)を達成するために必要な適切な親水性表面(例えば、接触角10°未満)は得られない。
【発明の概要】
【0003】
[0003]基板を処理するための方法及び装置が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、基板上の表面親水性を高めるための方法は、a)基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することと、b)工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方をプラズマ処理チャンバに供給することと、c)基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、a)及びb)を継続することとを含む。
【0004】
[0004]少なくとも幾つかの実施形態によれば、非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、a)基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することと、b)工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方をプラズマ処理チャンバに供給することと、c)基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、a)及びb)を継続することとを含む、基板上の表面親水性を高める方法を実行する命令がその上に記憶されている。
【0005】
[0005]少なくとも幾つかの実施形態によれば、基板上の表面親水性を高めるためのシステムは、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給して、基板の結合面を処理するための、プラズマ処理チャンバに接続された遠隔プラズマ源と、処理領域に接続され、工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力でマイクロ波電力又はRF電力をプラズマ処理チャンバに供給するように構成された、マイクロ波電源又はRF電源の少なくとも一方とを備え、遠隔プラズマ源、及びマイクロ波電源又はRF電源の少なくとも一方は、基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで作動可能である。
【0006】
[0006]本開示の他の更なる実施形態を以下に説明する。
【0007】
[0007]添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、上記に要約し、以下により詳細に説明する本開示の実施形態を理解することができる。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る真空処理チャンバの部分断面図である。
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る図1の真空処理装置を使用して基板を処理する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0010]理解を容易にするために、可能な限り、図面共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりには描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定される。
【0010】
[0011]基板を処理する実施形態が本明細書で提供される。例えば、方法及び装置は、他のガス(例えば、アルゴン(Ar)、窒素(N)、酸素(O)及び/又はオゾン(O))と組み合わせることができる水蒸気ガス化学物質(水蒸気プラズマ)を供給するように構成されたプラズマシステムを備えていてよい。例えば、プラズマシステムは、水蒸気プラズマを供給するように構成された遠隔プラズマ源と、例えば、基板の結合面の親水性接触角が10°未満になるまで、工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力でマイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方をプラズマ処理チャンバに供給するように構成された、RF発生装置又はマイクロ波発生装置とを備えていてよい。本開示によれば、水蒸気プラズマは、表面親水性を高めると同時に、表面の有機汚染物質を洗浄するという2つの利点を提供する。この2つの利点は、例えば結合銅(Cu)パッドディッシュの性能に影響を与え得る誘電体厚さの損失を妥協する必要なくもたらされる。更に、マイクロ波プラズマを使用すると、プラズマ密度が高まり、表面処理の完全性が保証され、遠隔プラズマ構成は、表面の損傷及び/又は粗面化を最小限に抑える穏やかなプラズマを生成することができる。
【0011】
[0012]図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る基板を処理するための処理チャンバ100の概略断面図である。基板は、標準的なシリコンウエハ、テープフレーム上のダイシングウエハ、又は結合ウエハ等の様々なタイプから構成され得るが、これらに限定されない。本明細書に記載の装置を組み込むのに適した処理チャンバの例としては、物理気相堆積(PVD)チャンバ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、エッチングチャンバ等が挙げられ、これらはすべて、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能である。以下の処理チャンバの説明は、背景及び例示目的のために提供されるものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。例示目的で、処理チャンバ100は、エッチングプロセス又は洗浄プロセスを実行することもできるCVDチャンバとして本明細書で説明される。
【0012】
[0013]処理チャンバ100は、チャンバ本体102、リッドアセンブリ104、及び支持アセンブリ106を含む。リッドアセンブリ104は、チャンバ本体102の上端に位置決めされる。支持アセンブリ106は、チャンバ本体102によって画定される内部領域108(処理領域)に配置される。チャンバ本体102は、その側壁に形成されたスリットバルブ開口部110を含む。スリットバルブ開口部110は、基板移送用の基板ハンドリングロボット(図示せず)による内部領域108へのアクセスを可能にするために、選択的に開閉される。
【0013】
[0014]チャンバ本体102は更に、支持アセンブリ106を取り囲むライナ112を含み得る。ライナ112は、(Al)等の金属、セラミック材料、又は任意の他のプロセス適合材料でできていてよい。1又は複数の実施形態では、ライナ112は、1又は複数の開孔114と、真空ポート118と流体連結しているその中に形成されたポンピングチャネル116とを含む。開孔114は、ポンピングチャネル116内へのガスの流路を提供する。ポンピングチャネル116は、処理チャンバ100内のガスの真空ポート118への排出口を提供する。
【0014】
[0015]圧力システム120は、処理チャンバ100の内部の所望の圧力(例えば、1mTorrから約1Torr)を維持するように構成されていてよく、処理チャンバ100の内部領域108を排気(例えば、ポンプダウン)するように構成される。例えば、少なくとも幾つかの実施形態では、真空ポート118は、処理チャンバ100の内部領域108を排気し、処理チャンバ100内部の所望の圧力を維持するため、例えば、洗浄プロセス中は比較的高い圧力を維持し、基板処理中は比較的低い圧力(例えば、真空)を維持するため、又はその逆のために、バルブ124を介してポンプ122に結合され得る。
【0015】
[0016]リッドアセンブリ104は、その間にプラズマ領域又はキャビティを形成するように構成された少なくとも2つの積層部品を含む。1又は複数の実施形態では、リッドアセンブリ104は、第2の電極(「下部電極」)128の上方に垂直に配置された第1の電極(「上部電極」)126を含む。第1の電極126と第2の電極128は、その間にプラズマキャビティ130を閉じ込める。第1の電極126は、RF電源132等の電源に接続されている。第2の電極128はアースに接続され、第1の電極126と第2の電極128との間にキャパシタを形成する(例えば、容量結合プラズマ(CCP))。第1の電極126は、1又は複数のプロセス(例えば、堆積プロセス、エッチングプロセス、洗浄プロセス等)を実行するために、活性プロセスガス(例えば、イオン化プラズマ又はラジカル)を生成するように電圧が印加され得るプロセスガス(例えば、アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)又はオゾン(O))を、ガス入口134を介して処理チャンバ100に供給するガス供給源135に接続されたガス入口134と流体連結している。1又は複数のガス入口134の第1の端部は、プラズマキャビティ130内に開口している。
【0016】
[0017]代替的に又は追加的に、処理チャンバ100は、活性プロセスガスを生成するために1又は複数のプロセスガスに電圧を印加するために使用され得る1又は複数のコイル(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)構成)を含み得る。
【0017】
[0018]代替的に又は追加的に、マイクロ波電源141が、処理チャンバ100に接続され、以下により詳細に説明するように、活性プロセスガスを生成するために1又は複数のプロセスガスに電圧を印加するために使用され得る。
【0018】
[0019]代替的に又は追加的に、ガス供給源135は、遠隔プラズマ源の構成に応じて、プラズマ又はラジカルを処理チャンバ100のプラズマキャビティ130に供給するように構成された遠隔プラズマ源137に結合され得る。例えば、少なくとも幾つかの実施形態では、遠隔プラズマ源137は、水供給源133に接続されていてよく、基板(例えば、基板101)の結合面(図示せず)を処理するために処理領域(例えば、内部領域108)に水蒸気プラズマを供給するように構成される。少なくとも幾つかの実施形態では、水供給源133は、以下により詳細に説明するように、処理中に水(例えば、脱イオン水)を供給するように構成され得る。
【0019】
[0020]リッドアセンブリ104はまた、第1の電極126を第2の電極128から電気的に絶縁するアイソレータリング136を含み得る。アイソレータリング136は、酸化アルミニウム(AlO)又は他の任意の絶縁性の処理適合材料からできていてよい。
【0020】
[0021]リッドアセンブリ104はまた、シャワーヘッド150と、オプションのブロッカプレート140とを含み得る。シャワーヘッド150は、ガス分配プレート138、バッキング(ガス)プレート139、及び冷却プレート151を含む。第2の電極128、ガス分配プレート138、冷却プレート151、及びブロッカプレート140は、以下により詳細に説明するように、チャンバ本体102に結合されて温度制御リングとして機能し得るリッドリム142上に積層配置されていてよい。
【0021】
[0022]冷却プレート151は、処理中にガス分配プレート138の温度を調節するように構成される。例えば、冷却プレート151は、ガス分配プレート138の温度を調節するために温度制御流体がその中に供給され得るように、それを貫通して形成された1又は複数の温度制御チャネル(図示せず)を含み得る。
【0022】
[0023]第2の電極128は、プラズマキャビティ130からのガスがそこを通って流れることを可能にするために、プラズマキャビティ130の下方に形成された複数のガス通路144を含み得る。バッキングガスプレート139は、1又は複数のガス通路(図示せず)及び1又は複数のガス供給チャネル(図示せず)を含んでいてよく、したがって、ガスが1又は複数のガス通路から処理領域内に流れることを可能にする。同様に、ガス分配プレート138は、そこを通るガスの流れを分配するように構成された複数の開孔146を含む。ブロッカプレート140は、オプションで、第2の電極128とガス分配プレート138との間に配置され得る。ブロッカプレート140は、第2の電極128からガス分配プレート138への複数のガス通路を提供するための複数の開孔148を含む。
【0023】
[0024]支持アセンブリ106は、支持部材180(例えば、基板支持体)を含み得る。支持部材180は、処理のために基板101(例えば、エポキシ基板、ガラス基板、シリコン基板、テープフレーム上のダイシング基板、又は結合基板)を支持するように構成される。支持部材180は、チャンバ本体102の底面を貫通して延在するシャフト184を通してリフト機構182に結合されていてよい。リフト機構182は、シャフト184の周囲からの真空漏れを防止するベローズ186によって、チャンバ本体102にフレキシブルにシールされていてよい。リフト機構182は、支持部材180をチャンバ本体102内の下部移送部分と多数の上昇プロセス位置との間で垂直に移動させることを可能にする。例えば、少なくとも幾つかの実施形態では、リフト機構182は、支持部材180の基板支持面187を、シャワーヘッド150から第1の距離だけ離れた基板処理位置から、例えば、シャワーヘッド150から第2の距離だけ離れた洗浄位置に位置決めするように構成され、第2の距離は第1の距離よりも短い。更に、1又は複数のリフトピン188が、支持部材180を貫通して配置され、基板支持面187の底面に結合され得る。1又は複数のリフトピン188は、基板101が支持部材180の表面から持ち上げられ得るように、支持部材180を貫通して延在するように構成される。1又は複数のリフトピン188は、リフトリング190によって作動させることができる。
【0024】
[0025]ヒータ181(例えば、1又は複数の加熱電極)が、支持アセンブリ106に設けられていてよく、支持アセンブリ106を加熱するように(例えば、その処理中及び/又はシャワーヘッド150の洗浄プロセス中に基板101を加熱するように)構成され得る。ヒータ181は、支持アセンブリ106を所定の温度に加熱するために、例えば、基板101及び/又はシャワーヘッド150を加熱するために、DC電源131に結合される。
【0025】
[0026]処理チャンバは、コントローラ191も含み得る。コントローラ191は、基板処理の制御を容易にするために処理システムの様々な構成要素に結合された、メモリ194及び大容量ストレージデバイス、入力制御ユニット、及び電源、クロック、キャッシュ、入出力(I/O)回路、及びライナ112等のディスプレイユニット(図示せず)と共に動作可能な中央処理ユニット192(プログラマブル)を含む。
【0026】
[0027]上述した処理チャンバ100の制御を容易にするために、中央処理ユニット192は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであってよい。メモリ194は中央処理ユニット192に結合され、メモリ194は、非一過性コンピュータ可読記憶媒体であってよく、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又はローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージ等の、容易に入手可能なメモリの1又は複数であってよい。支援回路196は、従来の方法でプロセッサを支援するために中央処理ユニット192に結合されている。荷電種の生成、加熱、及び他のプロセスは概して、通常、ソフトウェアルーチンとしてメモリ194に記憶される。ソフトウェアルーチンはまた、中央処理ユニット192によって制御される処理チャンバ100から遠隔に位置する第2の中央処理ユニット(図示せず)によって記憶及び/又は実行され得る。
【0027】
[0028]メモリ194は、中央処理ユニット192によって実行されると処理チャンバ100の工程を促進する命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ194の命令は、本開示の方法を実行するプログラム等のプログラム製品の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のいずれか1つに準拠していてよい。一例では、本開示は、コンピュータシステムで使用するためにコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実行され得る。プログラム製品のプログラム(複数可)は、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が恒久的に記憶される書き込み不能記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み出し可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意のタイプの固体不揮発性半導体メモリ等のコンピュータ内の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書き込み可能記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ又はハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又は任意のタイプの固体ランダムアクセス半導体メモリ)を含み得るが、これらに限定されない。このような非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合、本開示の実施形態である。
【0028】
[0029]図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る図1の処理チャンバ100を使用して基板(例えば、エポキシ基板、ガラス基板、シリコン基板、テープフレーム上のダイシング基板、又は結合基板であり得る基板101)を処理する方法200のフロー図である。例えば、基板が処理(例えば、堆積プロセス)された後、基板は、基板パッケージング(例えば、結合プロセス)のために準備(洗浄/エッチング)される必要があり得る。上述したように、高い結合強度を達成しやすくするために、基板の結合面は親水性で清浄である(例えば、有機/無機汚染物質等を除去する)必要がある。
【0029】
[0030]従って、方法200は、基板上の表面親水性を高めることを目的とし得る。例えば、202において、方法200は、基板の結合面を処理するために、遠隔プラズマ源を用いて、プラズマ処理チャンバの処理領域に水蒸気プラズマを供給することを含む。例えば、202において、遠隔プラズマ源137は、処理チャンバ100の内部領域108に水蒸気プラズマを供給し得る。
【0030】
[0031]次に、204において、方法200は、工程中に処理領域内の水蒸気プラズマを維持するために、約1kHzから10GHzの周波数及び約1kWから10kWの電力で、マイクロ波電力又はRF電力の少なくとも一方をプラズマ処理チャンバに供給することを含む。例えば、RF電源132は、処理チャンバ100の水蒸気プラズマを維持するために使用され得る。少なくとも幾つかの実施形態では、RF電力は、約1kHzから10MHzの周波数で供給され得る。代替的に又は追加的に、マイクロ波電源141を使用して、処理チャンバ100の水蒸気プラズマを維持することができる。少なくとも幾つかの実施形態では、マイクロ波電力は、約1GHzから約10GHzの周波数で供給され得る。少なくとも幾つかの実施形態では、マイクロ波電力及び/又はRF電力は、パルス波又は連続波を用いて供給することができる。更に、少なくとも幾つかの実施形態では、本発明者らは、好適なプラズマ源から基板までの距離が、約2cmから約15cmであり得ることを見出した。更に、少なくとも幾つかの実施形態では、処理領域内の圧力は、約1mTorrから約1Torrであり得る。
【0031】
[0032]次に、206において、本方法は、基板の結合面の親水性接触角が10゜未満になるまで202及び204を継続することを含む。例えば、少なくとも幾つかの実施形態では、基板は、約0.1秒から約30分間処理され得る。例えば、少なくとも幾つかの実施形態では、基板は、約0.1秒から約10分間処理され得る。
【0032】
[0033]少なくとも幾つかの実施形態では、方法200は、オプションで、水蒸気プラズマを供給しながら、アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)又はオゾン(O)のうちの少なくとも1つを処理領域に供給することを含む。このような実施形態では、アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)のうちの少なくとも1つは、最大約5000sccmの流量で供給することができ、オゾン(O)は、最大約10slpmの流量で供給することができ、約0から約300g/mの濃度を有する。
【0033】
[0034]少なくとも幾つかの実施形態では、オゾン(O)を使用する場合、上述の流量及び濃度でオゾン(O)を供給し、約0.1秒から約30分間基板の結合面を処理することが有利であることが判明し得る。更に、基板の結合面を処理するためにオゾン(O)を使用する場合、方法200は、基板の結合面をコーティングするために、オゾン(O)の前、後、又はオゾン(O)と同時に内部領域108に脱イオン水を供給することを含む。少なくとも幾つかの実施形態では、方法200は、約0.1ml/分から約100ml/分の流量で脱イオン水を供給することを含む。更に、少なくとも幾つかの実施形態では、方法200は、約0℃から約100℃の温度で脱イオン水を供給することを含む。更に、少なくとも幾つかの実施形態では、方法200は、0rpm超から約150rpmの速度で基板を回転させることを含む。
【0034】
[0035]少なくとも幾つかの実施形態では、オゾン(O)を使用する場合、水蒸気プラズマ及びRF電源又はマイクロ波源を使用せずに基板の結合面を処理することが有利であることが判明し得る(例えば、真空ベースのプラズマ環境は必要ない)。
【0035】
[0036]少なくとも幾つかの実施形態では、脱イオン水を使用することができ、基板は、上述のように、202~206のいずれかの間に、前述のプロセスガスのいずれかを供給しながら、又は供給することなく、回転させることができる。
【0036】
[0037]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
図1
図2
【国際調査報告】