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特表2024-535222ダイレクトドライブ高周波電源のためのジャンクションシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ダイレクトドライブ高周波電源のためのジャンクションシステム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240920BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515586
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022043387
(87)【国際公開番号】W WO2023043748
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,785
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・マイケル・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ユホウ
(72)【発明者】
【氏名】ドルワリー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラストガー・ニーマ
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA04
2G084AA07
2G084AA08
2G084BB28
2G084CC13
2G084DD03
2G084DD25
2G084DD34
2G084DD41
2G084DD55
2G084FF35
2G084HH08
2G084HH23
2G084HH24
5F004BB13
5F004BB18
5F004CA03
5F004CA06
5F004CB05
5F004CB09
5F004CB12
5F045AA08
5F045DP03
5F045EH01
5F045EH19
5F045GB04
5F045GB05
(57)【要約】
【解決手段】ダイレクトドライブ高周波電源のためのジャンクションシステムは、ダイレクトドライブ高周波信号発生器の出力に接続されている高周波信号供給ピンに接続された第1の端子を含む。ジャンクションシステムはまた、プラズマ処理チャンバのコイルに接続された第2の端子を含む。ジャンクションシステムは、第1の端子と第2の端子の間に接続されたリアクタンス回路を含む。リアクタンス回路は、第1の端子から第2の端子へのルートで整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成される。リアクタンス回路は、ピーク量の高周波電力がダイレクトドライブ高周波信号発生器からリアクタンス回路を介してコイルに伝送されるように設定されたキャパシタンスを有する可変コンデンサを含む。
【選択図】図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ用の高周波電力伝送システムのためのジャンクションシステムであって、
ダイレクトドライブ高周波信号発生器の出力に接続されている高周波信号供給ピンに接続するように構成された第1の端子と、
コイルに接続するように構成された第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子の間に接続されたリアクタンス回路であって、前記第1の端子から前記第2の端子へのルートで整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成されたリアクタンス回路と
を含む、ジャンクションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、前記リアクタンス回路が、約-2500オームから約-10オームの範囲内のリアクタンスを提供する、ジャンクションシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
前記リアクタンス回路は、前記第1の端子と前記第2の端子の間に約2500ピコファラドから約4500ピコファラドの範囲内でキャパシタンスを提供する、ジャンクションシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のジャンクションシステムであって、
前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器は、約2メガヘルツの周波数を有する前記整形増幅矩形波形信号を供給するように構成されている、ジャンクションシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
前記リアクタンス回路は、互いに並列に接続された可変コンデンサと固定コンデンサとを含む、ジャンクションシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のジャンクションシステムであって、
前記可変コンデンサのキャパシタンス設定は、約100ピコファラドから約2000ピコファラドの範囲内で調整可能である、ジャンクションシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のジャンクションシステムであって、
前記固定コンデンサのキャパシタンスは、約2000ピコファラドから約3500ピコファラドの範囲内である、ジャンクションシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
前記リアクタンス回路は、前記第1の端子と前記第2の端子の間に約5ピコファラドから約1000ピコファラドの範囲内でキャパシタンスを提供する、ジャンクションシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のジャンクションシステムであって、
前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器は、約13.56メガヘルツの周波数を有する前記整形増幅矩形波形信号を供給するように構成されている、ジャンクションシステム。
【請求項10】
請求項8に記載のジャンクションシステムであって、
前記コイルの大地帰路端部と基準地電位の間に接続されたコンデンサ
をさらに含む、ジャンクションシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のジャンクションシステムであって、
前記コンデンサは、約200ピコファラドから約500ピコファラドの範囲内のキャパシタンスを有する、ジャンクションシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
前記第2の端子は、前記コイルの複数の別個の巻線に接続されている、ジャンクションシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
前記リアクタンス回路は可変コンデンサを含み、かつ前記ジャンクションシステムは、前記可変コンデンサに接続されたキャパシタンス設定制御部を含み、前記キャパシタンス設定制御部は、前記可変コンデンサのキャパシタンス設定の調整を可能にする、ジャンクションシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のジャンクションシステムであって、
前記キャパシタンス設定制御部は、ステッピングモータへの電気制御信号の伝送を通じて前記可変コンデンサの前記キャパシタンス設定の調整を可能にするステッピングモータを含む、ジャンクションシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のジャンクションシステムであって、
内部に前記リアクタンス回路が配置されているジャンクションエンクロージャと、
前記ジャンクションエンクロージャを通じて空気を循環させるように構成された冷却ファンと
をさらに含む、ジャンクションシステム。
【請求項16】
プラズマ処理チャンバ用の高周波電力伝送システムであって、
ダイレクトドライブ高周波信号発生器と、
コイルと、
前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器の出力と前記コイルの間に接続されたリアクタンス回路であって、前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器の前記出力から整形増幅矩形波形信号を受信するように接続され、かつ前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器から前記コイルへのルートで前記整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成されているリアクタンス回路と
を含む、高周波電力伝送システム。
【請求項17】
請求項16に記載の高周波電力伝送システムであって、
前記リアクタンス回路は、ピーク量の高周波電力が前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器から前記リアクタンス回路を介して前記コイルに伝送されるように設定されたキャパシタンスを有する可変コンデンサを含む、高周波電力伝送システム。
【請求項18】
請求項16に記載の高周波電力伝送システムであって、
前記リアクタンス回路は、前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器が前記コイルを経由して接続されている負荷の誘導部分を基本的にキャンセルするように構成されており、したがって前記負荷が主として抵抗負荷である、高周波電力伝送システム。
【請求項19】
請求項16に記載の高周波電力伝送システムであって、
前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器は、50オームではない出力インピーダンスを有する、高周波電力伝送システム。
【請求項20】
請求項16に記載の高周波電力伝送システムであって、
前記リアクタンス回路は、前記整形増幅矩形波形信号の非基本高調波成分を除去するように構成されている、高周波電力伝送システム。
【請求項21】
請求項16に記載の高周波電力伝送システムであって、
前記整形増幅矩形波形信号は、約2メガヘルツの周波数を有し、かつ前記リアクタンス回路は、前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器の前記出力と前記コイルの間に約2500ピコファラドから約4500ピコファラドの範囲内でキャパシタンスを提供し、又は
前記整形増幅矩形波形信号は、約13.56メガヘルツの周波数を有し、かつ前記リアクタンス回路は、前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器の前記出力と前記コイルの間に約5ピコファラドから約1000ピコファラドの範囲内でキャパシタンスを提供する、
高周波電力伝送システム。
【請求項22】
ダイレクトドライブ高周波電源からプラズマ処理チャンバに高周波電力を送達する方法であって、
整形増幅矩形波形信号をダイレクトドライブ高周波信号発生器の出力からリアクタンス回路に伝送することであって、前記リアクタンス回路が、前記整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように動作する、ことと、
前記整形正弦波信号を前記リアクタンス回路の出力から前記プラズマ処理チャンバのコイルに伝送することであって、前記整形正弦波信号が高周波電力を前記コイルに伝達する、ことと、
ピーク量の高周波電力が前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器から前記リアクタンス回路を通じて前記コイルに伝送されるように、前記リアクタンス回路内のキャパシタンス設定を調整することと
を含む、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器は、50オームではない出力インピーダンスを有する、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、
前記キャパシタンス設定を調整することは、前記ダイレクトドライブ高周波信号発生器が前記コイルを経由して接続されている負荷の誘導部分を基本的にキャンセルし、したがって前記負荷が主として抵抗負荷である、方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、
前記キャパシタンス設定を調整することは、前記整形増幅矩形波形信号の非基本高調波成分を除去する、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、
前記整形増幅矩形波形信号は約2MHzの周波数を有し、かつ前記キャパシタンス設定は、約2500pFから約4500pFの範囲内で調整され、又は
前記整形増幅矩形波形信号は約13.56MHzの周波数を有し、かつ前記キャパシタンス設定が、約5pFから約1000pFの範囲内で調整される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラズマ処理システムは、半導体ウェハ上の半導体素子、例えば、チップ/ダイの製造に使用される。プラズマ処理システムでは、半導体ウェハは、様々な種類のプラズマに曝露され、例えば、材料の堆積、及び/又は材料の除去、及び/又は材料の注入、及び/又は材料の改質などを通じて、半導体ウェハの状態に所定の変化を引き起こす。プラズマ処理システムは従来、高周波(RF)源、RF伝送ケーブル、RFインピーダンス整合ネットワーク、電極、及びプラズマ発生チャンバを含む。RF源は、RF伝送ケーブルを介してRFインピーダンス整合ネットワークに接続される。RFインピーダンス整合ネットワークは、電気伝導体を介して電極に接続される。RF源によって発生するRF電力は、RF伝送ケーブル及びRFインピーダンス整合ネットワークを通じて電極に伝送される。電極から伝送されたRF電力は、プラズマ発生チャンバ内でプロセスガスをプラズマに変化させる。本開示に記載される実施形態が発生するのは、この文脈内においてである。
【発明の概要】
【0002】
一実施形態例において、プラズマ処理チャンバ用のRF電力伝送システムのためのジャンクションシステムが開示される。ジャンクションシステムは、ダイレクトドライブRF信号発生器の出力に接続されているRF信号供給ピンに接続するように構成された第1の端子を含む。ジャンクションシステムは、コイルに接続するように構成された第2の端子を含む。ジャンクションシステムは、第1の端子と第2の端子の間に接続されたリアクタンス回路を含む。リアクタンス回路は、第1の端子から第2の端子へのルートで整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成される。
【0003】
一実施形態例において、プラズマ処理チャンバ用のRF電力伝送システムが開示される。RF電力伝送システムは、ダイレクトドライブRF信号発生器と、コイルと、リアクタンス回路とを含む。リアクタンス回路は、ダイレクトドライブRF信号発生器の出力とコイルの間に接続される。リアクタンス回路は、ダイレクトドライブRF信号発生器の出力から整形増幅矩形波形信号を受信するように接続される。リアクタンス回路は、ダイレクトドライブRF信号発生器からコイルへのルートで整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成される。
【0004】
一実施形態例において、ダイレクトドライブRF電源からプラズマ処理チャンバにRF電力を送達する方法が開示される。方法は、整形増幅矩形波形信号をダイレクトドライブRF信号発生器の出力からリアクタンス回路に伝送することを含む。リアクタンス回路は、整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように動作する。方法はまた、整形正弦波信号をリアクタンス回路の出力からプラズマ処理チャンバのコイルに伝送することを含む。整形正弦波信号は、RF電力をコイルに伝達する。方法はまた、ピーク量のRF電力がダイレクトドライブRF信号発生器からリアクタンス回路を通じてコイルに伝送されるように、リアクタンス回路内のキャパシタンス設定を調整することを含む。
【0005】
本実施形態の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面からより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブRF電源を含むプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0007】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態に従い、図1Aのプラズマ処理システムの正面図を示す。
【0008】
図1C図1Cは、いくつかの実施形態に従い、図1Aのプラズマ処理システムの背面図を示す。
【0009】
図1D図1Dは、いくつかの実施形態に従い、図1Aのプラズマ処理システムの左側面図を示す。
【0010】
図1E図1Eは、いくつかの実施形態に従い、図1Aのプラズマ処理システムの右側面図を示す。
【0011】
図2A図2Aは、いくつかの実施形態に従い、コイルアセンブリの上面図を示す。
【0012】
図2B図2Bは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理チャンバの垂直断面の図を示す。
【0013】
図3図3は、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブRF電源を取り除いてプラットフォームが見えるようにしたプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0014】
図4A図4Aは、いくつかの実施形態に従い、プラットフォームを取り除いて、第1のRF接続エンクロージャ内の領域、第2のRF接続エンクロージャ内の領域、及び計測エンクロージャのT字型内部領域が見えるようにしたプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0015】
図4B図4Bは、いくつかの実施形態に従い、プラットフォームを取り除いたプラズマ処理システムの上面図を示す。
【0016】
図5図5は、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システムの正面を見たプラズマ処理システムの斜視図を示し、取り外し可能なドア及びプラットフォームが取り除かれている。
【0017】
図6図6は、いくつかの実施形態に従い、図5のプラズマ処理システムの斜視図を示し、第1のRFジャンパ構造が第1の上部連結構造及び第1の下部連結構造の両方から取り除かれ、かつ第2のRFジャンパ構造が第2の上部連結構造及び第2の下部連結構造の両方から取り除かれている。
【0018】
図7A図7Aは、いくつかの実施形態に従い、第1のRF接続エンクロージャ、第2のRF接続エンクロージャ、計測エンクロージャ、プラットフォーム、及びダイレクトドライブRF電源を取り除いた、図5のプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0019】
図7B図7Bは、いくつかの実施形態に従い、図7Aのプラズマ処理システムの正面図を示す。
【0020】
図7C図7Cは、いくつかの実施形態に従い、図7Aのプラズマ処理システムの左側面斜視図を示す。
【0021】
図8図8は、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システムの底面図を示し、第1のジャンクションエンクロージャ及び第2のジャンクションエンクロージャのボトムカバーを取り除いて第1のリアクタンス回路及び第2のリアクタンス回路のコンポーネントを示している。
【0022】
図9A図9Aは、いくつかの実施形態に従い、第1のダイレクトドライブRF信号発生器から第1のリアクタンス回路を介したコイルアセンブリの外側コイルへのRF電力の伝送を描く回路図を示す。
【0023】
図9B図9Bは、いくつかの実施形態に従い、図7Aに示すプラズマ処理システムの正面左上から見た等角図を示し、第1のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにしている。
【0024】
図9C図9Cは、いくつかの実施形態に従い、背面左上から見た図9Bに示すプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0025】
図10A図10Aは、いくつかの実施形態に従い、第2のダイレクトドライブRF信号発生器から第2のリアクタンス回路を介したコイルアセンブリの内側コイルへのRF電力の伝送を描く回路図を示す。
【0026】
図10B図10Bは、いくつかの実施形態に従い、正面右上から見た、図7Aに示すプラズマ処理システムの等角図を示し、第1のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにしている。
【0027】
図10C図10Cは、いくつかの実施形態に従い、背面右下から見た、図10Bに示すプラズマ処理システムの等角図を示す。
【0028】
図11図11は、いくつかの実施形態に従い、図7Aに示すプラズマ処理システムの上面図を示し、第1のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路のコンポーネントが見えるようにしている。
【0029】
図12図12は、いくつかの実施形態に従い、第1のリアクタンス回路と外側コイルの間の接続、及び第2のリアクタンス回路と内側コイルの間の接続の(正面左上から見た)斜視図を示す。
【0030】
図13図13は、いくつかの実施形態に従い、第1のリアクタンス回路の(正面右上から見た)拡大斜視図を示す。
【0031】
図14図14は、いくつかの実施形態に従い、第2のリアクタンス回路の(正面左上から見た)拡大斜視図を示す。
【0032】
図15図15は、いくつかの実施形態に従い、第1のダイレクトドライブRF信号発生器及び第2のダイレクトドライブRF信号発生器の各々が、対応する第1のリアクタンス回路又は第2のリアクタンス回路を介してコイルアセンブリにどのように接続されているかを示す概略図である。
【0033】
図16図16は、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブRF電源からプラズマ処理チャンバにRF電力を送達する方法のフローチャートを示す。
【0034】
図17図17は、いくつかの実施形態に従い、第1及び第2のダイレクトドライブRF信号発生器の各々の概略図を示す。
【0035】
図18図18は、いくつかの実施形態に従い、FET間の電圧リミッタを実装するハーフブリッジFET回路の回路図を示す。
【0036】
図19A図19Aは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器の出力で生成された整形増幅矩形波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【0037】
図19B図19Bは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路の出力において生成された整形正弦波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【0038】
図20A図20Aは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路の出力において生成された整形正弦波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【0039】
図20B図20Bは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路の出力において生成された整形正弦波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【0040】
図20C図20Cは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路の出力において生成された整形正弦波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【0041】
図20D図20Dは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路の出力において生成された整形正弦波形の一例のパラメータのプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明では、本開示の徹底的な理解を提供するために、多数の具体的詳細が記載される。ただし、これらの具体的詳細の一部又は全てがなくとも本開示の実施形態が実施され得ることは、当業者にとって明白になる。他の例では、周知のプロセス動作は、本開示を不必要に曖昧にすることのないように、詳細には説明されない。
【0043】
図1Aは、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブ高周波(RF)電源101を含むプラズマ処理システム100の等角図を示す。図1Bは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の正面図を示す。図1Cは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の背面図を示す。図1Dは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の左側面図を示す。図1Eは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の右側面図を示す。
【0044】
ダイレクトドライブRF電源101は、プラズマ処理チャンバ111へのルートでRF伝送線及びインピーダンス整合ネットワークを介してRF信号を伝送する必要なく、RF電力を生成してプラズマ処理チャンバ111に送達するように構成される。ダイレクトドライブRF電源101はまた、マッチレスプラズマ源(MPS)とも呼ばれる。図1A~1Eの実施形態例では、ダイレクトドライブRF電源101は、プラズマ処理チャンバ111のウィンドウ113の上に配置されたコイルアセンブリ109にRF電力を送達するように接続される。様々な実施形態において、ウィンドウ113は、コイルアセンブリ109からウィンドウ113を介してプラズマ処理チャンバ111内へとRF電力を伝送できる、石英などの誘電材料で形成されている。RF電力がプラズマ処理チャンバ111内へ、かつプラズマ処理チャンバ111じゅうに伝送されると、RF電力は、プラズマ処理チャンバ111内で支持されている半導体ウェハに曝露され、プラズマ処理チャンバ111内でプロセスガスをプラズマに変化させる。様々な実施形態において、プラズマは、例えば、材料の堆積、及び/又は材料の除去、及び/又は材料の注入、及び/又は材料の改質などを通じて、半導体ウェハの状態の制御された改質を提供するために使用される。また、いくつかの実施形態では、プラズマは、プラズマ処理チャンバ111で発生して、プラズマ処理チャンバ111の洗浄を提供する。ダイレクトドライブRF電源101は、図15~20Dに関連して以下で詳細に説明される。本議論において、ダイレクトドライブRF電源101は、時間の関数として所定の波形を有するRF信号を生成し、このRF信号をコイルアセンブリ109に送達するように構成されることを理解されたい。
【0045】
図2Aは、いくつかの実施形態に従い、コイルアセンブリ109の上面図を示す。いくつかの実施形態では、コイルアセンブリ109は、第1の外側コイル巻線109Aと第2の外側コイル巻線109Bとを含む外側コイル109Oを含む。いくつかの実施形態では、第1の外側コイル巻線109A及び第2の外側コイル巻線109Bは、コイルアセンブリ109の中心から水平方向外側に延びる半径方向に対して、交互に順々に位置するように、互いに交互に配置される。第1の外側コイル巻線109Aの第1の端部は、コネクタ202A1を介してダイレクトドライブRF電源101からRF電力を受け取るように接続される。第1の外側コイル巻線109Aの第2の端部は、コネクタ202A2を介して基準地電位に接続される。第2の外側コイル巻線109Bの第1の端部は、コネクタ202B1を介してダイレクトドライブRF電源101からRF電力を受け取るように接続される。第2の外側コイル巻線109Bの第2の端部は、コネクタ202B2を介して基準地電位に接続される。いくつかの実施形態では、コイルアセンブリ109は、第1の内側コイル巻線109Cと第2の内側コイル巻線109Dとを含む内側コイル109Iを含む。いくつかの実施形態では、第1の内側コイル巻線109C及び第2の内側コイル巻線109Dは、コイルアセンブリ109の中心から水平方向外側に延びる半径方向に対して、交互に順々に位置するように、互いに交互に配置される。第1の内側コイル巻線109Cの第1の端部は、コネクタ202C1を介してダイレクトドライブRF電源101からRF電力を受け取るように接続される。第1の内側コイル巻線109Cの第2の端部は、コネクタ202C2を介して基準地電位に接続される。第2の内側コイル巻線109Dの第1の端部は、コネクタ202D1を介してダイレクトドライブRF電源101からRF電力を受け取るように接続される。第2の内側コイル巻線109Dの第2の端部は、コネクタ202D2を介して基準地電位に接続される。コイルアセンブリ109は例として示されていることを理解されたい。様々な実施形態において、コイルアセンブリ109は、単一の巻線又は複数の巻線を含むことができる。また、様々な実施形態において、コイルアセンブリ109の複数の巻線は、図2Aに示すような内側コイル109I領域および外側コイル109O領域など、複数の、例えば、2、3、4等のコイル領域の中へと配置できる。いくつかの実施形態では、コイルアセンブリ109の各コイル巻線は、コイルアセンブリ109の構成に関わらず、ダイレクトドライブRF電源101からRF電力を受け取るように接続される。
【0046】
いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブRF電源101は、独立してRF信号を生成してコイルアセンブリ109の異なる部分に供給する複数のダイレクトドライブRF信号発生器を含む。例えば、いくつかの実施形態では、図1A~1Eに示すものなど、ダイレクトドライブRF電源101は、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aと第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bとを含む。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aは、RF信号を生成してコイルアセンブリ109の第1の外側コイル巻線109A及び第2の外側コイル巻線109Bに供給するように接続される。第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bは、RF信号を生成してコイルアセンブリ109の第1の内側コイル巻線109C及び第2の内側コイル巻線109Dに供給するように接続される。様々な実施形態において、ダイレクトドライブRF電源101は、コイルアセンブリ109内の2つより多くのコイルにそれぞれRF信号を生成して供給するための2つより多くのダイレクトドライブRF信号発生器を含み、コイルアセンブリ109の各コイルは、1つ又は複数のコイル巻線を含むことを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブRF電源101は、RF信号を生成してコイルアセンブリ109内の単一のコイルに供給するための単一のダイレクトドライブRF信号発生器を含み、単一のコイルは、1つ又は複数のコイル巻線を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、図1A~1Eに示すように、ダイレクトドライブRF電源101は、プラズマ処理チャンバ111の上に配置され、ダイレクトドライブRF電源101は、計測レベル103と、RFパワージャンクションレベル105と、コイルアセンブリレベル107とによって、プラズマ処理チャンバ111から分離されている。いくつかの実施形態では、計測レベル103は、ダイレクトドライブRF電源101とRFパワージャンクションレベル105の間に垂直方向に配置され、コイルアセンブリレベル107は、RFパワージャンクションレベル105の下に配置されている。計測レベル103は、計測エンクロージャ115を含む。いくつかの実施形態では、計測エンクロージャ115は、計測エンクロージャ115の上から見たときにT字型の内部容積を有する。様々な実施形態において、計測器、例えば、光学計測器、熱計測器、電気計測器などが、計測エンクロージャ115の内部容積内に配置される。これにより、計測器は、プラズマ処理チャンバ111及びコイルアセンブリ109に近接して配置され、計測器の展開と接続性が簡易化されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、プラットフォーム114が、計測エンクロージャ115の上に配置される。プラットフォーム114は、ダイレクトドライブRF電源101を支持するための基礎構造を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、計測レベル103はまた、第1のRF接続エンクロージャ117Aと、第2のRF接続エンクロージャ117Bを含む。第1のRF接続エンクロージャ117Aは、保護領域を提供するように形成され、RF接続構造が、保護領域内に、かつ保護領域を通って、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aからコイルアセンブリ109の外側コイル109OへのRF電力の伝送を提供するように配置される。取り外し可能なドア119Aは、第1のRF接続エンクロージャ117A内の領域内へのアクセス開口部502A(図5参照)を覆うように設けられる。第2のRF接続エンクロージャ117Bは、保護領域を提供するように形成され、RF接続構造が、保護領域内に、かつ保護領域を通って、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bからコイルアセンブリ109の内側コイル109IへのRF電力の伝送を提供するように配置される。取り外し可能なドア119Bは、第2のRF接続エンクロージャ117B内の領域内へのアクセス開口部502B(図5参照)を覆うように設けられる。
【0049】
RFパワージャンクションレベル105は、第1のジャンクションエンクロージャ121Aと、第2のジャンクションエンクロージャ121Bと、コイル接続エンクロージャ125とを含む。いくつかの実施形態では、コイル接続エンクロージャ125は、プラズマ処理チャンバ111のほぼ中心にあり、これに応じてプラズマ処理チャンバ111のウィンドウ113の上に配置されたコイルアセンブリ109のほぼ中心にある。第1のジャンクションエンクロージャ121Aは、内部に第1のリアクタンス回路901(図9参照)が配置された内部領域を含み、第1のリアクタンス回路901は、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aとコイルアセンブリ109の外側コイル109Oの間に接続されている。第1のジャンクションエンクロージャ121A及び第1のリアクタンス回路901は、第1のRFジャンクションシステムの部品である。
【0050】
第2のジャンクションエンクロージャ121Bは、内部に第2のリアクタンス回路1001(図10参照)が配置された内部領域を含み、第2のリアクタンス回路1001は、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bとコイルアセンブリ109の内側コイル109Iの間に接続されている。第2のジャンクションエンクロージャ121B及び第2のリアクタンス回路1001は、第2のRFジャンクションシステムの部品である。コイル接続エンクロージャ125は内部領域を含み、内部領域内には、第1の導電性構造1101(図11参照)が、第1のリアクタンス回路901をコイルアセンブリ109の外側コイル109Oに電気的に接続するように配置され、かつ第2の導電性構造1107(図11参照)が、第2のリアクタンス回路1001をコイルアセンブリ109の内側コイル109Iに電気的に接続するように配置されている。コイル接続エンクロージャ125はまた、第3の導電性構造1103(図11参照)及び第4の導電性構造1105(図11参照)を収容して、コイル接続エンクロージャ125の壁上に存在する基準地電位などの基準地電位への、コイルアセンブリ109の外側コイル109Oの電気接続を提供する。コイル接続エンクロージャ125はまた、第5の導電性構造1109(図11参照)を収容して、コイルアセンブリ109の内側コイル109Iから第2のリアクタンス回路1001への大地帰路電気接続を提供する。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1のジャンクションエンクロージャ121Aは、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの内部領域内に空気を循環させて、第1のリアクタンス回路901内のコンポーネントの冷却を維持するためのファン123Aを備えている。同様に、いくつかの実施形態では、第2のジャンクションエンクロージャ121Bは、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの内部領域内に空気を循環させて、第2のリアクタンス回路1001内のコンポーネントの冷却を維持するためのファン123Bを備えている。また、いくつかの実施形態では、第1のジャンクションエンクロージャ121Aは、アクセスポート707Aを含み、第1のリアクタンス回路901内の可変コンデンサの設定の調整を提供するなど、第1のリアクタンス回路901内のコンポーネントの1つ又は複数の調整を提供するために、アクセスポート707Aを介してデバイス又はツールが配置され得る。同様に、いくつかの実施形態では、第2のジャンクションエンクロージャ121Bは、アクセスポート707Bを含み、第2のリアクタンス回路1001内の可変コンデンサの設定の調整を提供するなど、第2のリアクタンス回路1001内のコンポーネントの1つ又は複数の調整を提供するために、アクセスポート707Bを介してデバイス又はツールが配置され得る。
【0052】
図2Bは、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理チャンバ111の垂直断面の図を示す。図2Bの垂直断面図は、図2Aで言及されるA-A面に対応する。図2Bの垂直断面図は、プラズマ処理チャンバ111を簡略化して表したものであることを理解されたい。様々な実施形態において、プラズマ処理チャンバ111は、プラズマ処理チャンバ111の関連する説明を不必要に曖昧にすることを避けるために図2Bには示されていない他のコンポーネント及び特徴を含む。また、様々な実施形態において、図2Bに描かれているコンポーネントは、本明細書で論じられる意図された目的から逸脱することなく、図2Bの特定の表現とは異なる形状、位置、及び配向にすることができる。プラズマ処理チャンバ111は、基板支持体201、例えば静電チャックを含み、その上で基板203、例えば半導体ウェハのプラズマ処理中に基板203が支持される。プラズマ処理チャンバ111の動作中、プロセスガスは、矢印205によって示されるように、プラズマ処理チャンバ111内の処理領域209内に流される。また、プラズマ処理チャンバ111の動作中、RF電力が、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aから外側コイル109Oに、かつ/又は第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから内側コイル109Iに供給される。RF電力は、内側コイル109I及び/又は外側コイル109Oからウィンドウ113及びプラズマ処理チャンバ111内の処理領域209を通って伝送される。
【0053】
処理領域209内で、RF電力は、基板支持体201上に支持された基板203に曝露されてプロセスガスをプラズマ211に変化させる。また、プラズマ処理チャンバ111の動作中、基板203の処理による排気ガス及び副生成物材料は、矢印207によって示されるように、プラズマ処理チャンバ111から排出される。様々な実施形態において、プラズマ処理チャンバ111の動作は、追加の動作の中でも特に、基板203レベルでバイアス電圧を生成して、プラズマ211の帯電成分を基板203に引き寄せるか、若しくは基板203から引き離すこと、及び/又は基板203の温度を制御すること、及び/又は基板支持体201内に配置された1つ又は複数の電極に追加のRF電力を印加して、追加のプラズマ211を発生させることなどの、多くの他の追加の動作を含み得ることを理解されたい。また、様々な実施形態において、プラズマ処理チャンバ111は、基本的に基板203のプラズマ処理に関連する任意のプロセスパラメータの中でも特に、処理領域209へのプロセスガス(複数可)の供給、処理領域209内の圧力及び温度、内側コイル109I及び/又は外側コイル109OへのRF電力の供給、基板203レベルでのバイアス電圧の供給、基板ホルダ201内の電極(複数可)へのRF電力の供給の1つ又は複数を制御するための時間的スケジュールを規定する所定のレシピに従って動作する。
【0054】
図3は、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブRF電源101を取り除いてプラットフォーム114が見えるようにしたプラズマ処理システム100の等角図を示す。第1の上部RF接続構造301Aは、第1のRF接続エンクロージャ117A内の領域から、プラットフォーム114を通って延び、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101AのRF供給出力と接続する。第1の上部RF接続構造301Aは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、RF絶縁体構造303Aが、第1の上部RF接続構造301Aとプラットフォーム114の間に配置され、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。いくつかの実施形態では、RF絶縁体構造303Aの代わりに、第1の上部RF接続構造301Aとプラットフォーム114の間に開放空間が維持され、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。いくつかの実施形態では、開放空間とRF絶縁体構造303Aの変形との組み合わせが、第1の上部RF接続構造301Aとプラットフォーム114の間に設けられ、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。第2の上部RF接続構造301Bは、第2のRF接続エンクロージャ117B内の領域から、プラットフォーム114を通って延び、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101BのRF供給出力に接続する。第2の上部RF接続構造301Bは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、RF絶縁体構造303Bが、第2の上部RF接続構造301Bとプラットフォーム114の間に配置され、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。いくつかの実施形態では、RF絶縁体構造303Bの代わりに、第2の上部RF接続構造301Bとプラットフォーム114の間に開放空間が維持され、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。いくつかの実施形態では、開放空間とRF絶縁体構造303Bの変形との組み合わせが、第2の上部RF接続構造301Bとプラットフォーム114の間に設けられ、プラットフォーム114へのRF電力の結合を防止する。
【0055】
図4Aは、いくつかの実施形態に従い、プラットフォーム114を取り除いて、第1のRF接続エンクロージャ117A内の領域302A、第2のRF接続エンクロージャ117B内の領域302B、及び計測エンクロージャ115のT字型内部領域401が見えるようにしたプラズマ処理システム100の等角図を示す。前述したように、様々な実施形態において、様々な種類の計測器の中でもとりわけ、光学計測器、及び/又は熱計測器、及び/又は電気計測器などの計測器が、計測エンクロージャ115のT字型内部領域401内に1つ/複数配置される。図4Bは、いくつかの実施形態に従い、プラットフォーム114を取り除いたプラズマ処理システム100の上面図を示す。いくつかの実施形態では、ビューポート403が、計測エンクロージャ115の底部を通って形成され、ウィンドウ113を通じたプラズマ処理チャンバ111内の処理領域209へのはっきりとした見通し視野を提供する。いくつかの実施形態では、ビューポート403は、計測エンクロージャ115の内部領域401内に配置された光学計測デバイスによって使用され、プラズマ処理チャンバ111内の処理領域209で発生したプラズマ211の直接見通し線を獲得する。
【0056】
図5は、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の正面を見たプラズマ処理システム100の斜視図を示し、取り外し可能なドア119A及び119B、並びにプラットフォーム114が取り除かれている。具体的には、取り外し可能なドア119Aが取り除かれて、第1のRF接続エンクロージャ117A内の領域302Aへのアクセス開口部502Aが見えるようになっている。同様に、取り外し可能なドア119Bが取り除かれて、第2のRF接続エンクロージャ117B内の領域302Bへのアクセス開口部502Bが見えるようになっている。いくつかの実施形態では、第1の上部RF接続構造301Aは、下向きに延びて、第1の上部連結構造503Aと接続する。第1の上部連結構造503Aは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。第1の下部連結構造505Aは、第1のRF接続エンクロージャ117Aの内部領域302A内の第1の上部連結構造503Aから間隔を置いて下に配置される。第1の下部連結構造505Aは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの各々は、ほぼ環状の円筒形状であり、対応する円筒軸が、第1のRF接続エンクロージャ117Aのアクセス開口部502Aを指すほぼ水平な方向に配置されるように形成される。
【0057】
第1のRFジャンパ構造501Aは、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方に挿入されて、第1の上部連結構造503Aと第1の下部連結構造505Aの間に電気接続を確立するように構成される。第1のRFジャンパ構造501Aは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、第1のRFジャンパ構造501Aは、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方の開口部に挿入されたときに、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方に物理的に接触するように構成される。このように、第1のRFジャンパ構造501Aを同時に第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方の開口部に挿入すると、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aから第1の上部RF接続構造301Aに供給されたRF電力が、第1の上部連結構造503Aを介して第1のRFジャンパ構造501Aに伝送され、かつ第1のRFジャンパ構造501Aを介して第1の下部連結構造505Aに伝送される。
【0058】
第2のRFジャンパ構造501Bは、第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方に挿入されて、第2の上部連結構造503Bと第2の下部連結構造505Bの間に電気接続を確立するように構成される。第2のRFジャンパ構造501Bは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、第2のRFジャンパ構造501Bは、第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方の開口部に挿入されたときに、第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方に物理的に接触するように構成される。このように、第2のRFジャンパ構造501Bを同時に第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方の開口部に挿入すると、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから第2の上部RF接続構造301Bに供給されたRF電力が、第2の上部連結構造503Bを介して第2のRFジャンパ構造501Bに伝送され、かつ第2のRFジャンパ構造501Bを介して第2の下部連結構造505Bに伝送される。
【0059】
図6は、いくつかの実施形態に従い、図5のプラズマ処理システム100の斜視図を示し、第1のRFジャンパ構造501Aが第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方から取り除かれ、かつ第2のRFジャンパ構造501Bが第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方から取り除かれている。いくつかの実施形態では、第1のRFジャンパ構造501Aは、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方に対する摺動自在な挿抜のために、第1のRF接続エンクロージャ117Aの開口部502Aを通じてアクセス可能である。同様に、いくつかの実施形態では、第2のRFジャンパ構造501Bは、第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方に対する摺動自在な挿抜のために、第1のRF接続エンクロージャ117Bの開口部502Bを通じてアクセス可能である。第1のRFジャンパ構造501Aの取り外しは、矢印601Aで示されるように、第1の上部連結構造503Aを第1の下部連結構造505Aから切り離すことで、RF電力が第1の上部連結構造503Aから第1の下部連結構造505Aに移動しないようにする働きをする。同様に、第2のRFジャンパ構造501Bの取り外しは、矢印601Bで示されるように、第2の上部連結構造503Bを第2の下部連結構造505Bから切り離すことで、RF電力が第2の上部連結構造503Bから第2の下部連結構造505Bに移動しないようにする働きをする。
【0060】
図7Aは、いくつかの実施形態に従い、第1のRF接続エンクロージャ117A、第2のRF接続エンクロージャ117B、計測エンクロージャ115、プラットフォーム114、及びダイレクトドライブRF電源101を取り除いた、図5のプラズマ処理システム100の等角図を示す。図7Bは、いくつかの実施形態に従い、図7Aのプラズマ処理システム100の正面図を示す。図7Cは、いくつかの実施形態に従い、図7Aのプラズマ処理システム100の左側面斜視図を示す。図7A~7Cは、第1の上部連結構造503A及び第1の下部連結構造505Aの両方に挿入された第1のRFジャンパ構造501Aを示す。図7A~7Cはまた、第2の上部連結構造503B及び第2の下部連結構造505Bの両方に挿入された第2のRFジャンパ構造501Bも示す。図7A及び7Cはまた、コイル接続エンクロージャ125内部の開放領域701を示す。第1の下部連結構造505Aは、第1のRF接続エンクロージャ117A内部の領域302Aから第1のジャンクションエンクロージャ121A内部の領域703Aへと延びる第1の下部RF接続構造705Aに接続される。第1の下部RF接続構造705Aは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、第1の下部RF接続構造705Aは、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの上面の開口部を通って延び、開口部は、RF電力が第1の下部RF接続構造705Aから第1のジャンクションエンクロージャ121Aの壁に結合しないように保証するのに十分な大きさである。第2の下部連結構造505Bは、第2のRF接続エンクロージャ117B内部の領域302Bから第2のジャンクションエンクロージャ121B内部の領域703Bへと延びる第2の下部RF接続構造705Bに接続される。第2の下部RF接続構造705Bは、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、第2の下部RF接続構造705Bは、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの上面の開口部を通って延び、開口部は、RF電力が第2の下部RF接続構造705Bから第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁に結合しないように保証するのに十分な大きさである。
【0061】
図8は、いくつかの実施形態に従い、プラズマ処理システム100の底面図を示し、第1のジャンクションエンクロージャ121A及び第2のジャンクションエンクロージャ121Bのボトムカバーを取り除いて第1のリアクタンス回路901及び第2のリアクタンス回路1001のコンポーネントを示している。第1のジャンクションエンクロージャ121Aは、第1のリアクタンス回路901を含み、図9A~9Cに関連して第1のリアクタンス回路901を以下で説明する。第1のリアクタンス回路901は、第1のコンデンサ801と第2のコンデンサ803を含む。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサ801は可変コンデンサであり、かつ第2のコンデンサ803は固定コンデンサである。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサ801は、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの前壁上のアクセスポート707Aを通じて物理的にアクセス可能なキャパシタンス設定制御部801Aを含む可変コンデンサである。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部801Aは、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの前壁上のアクセスポート707Aを介して挿入されるツール、例えばねじ回しを使用することで調整可能である。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部801Aは、第1のコンデンサ801のキャパシタンス設定を制御するように接続されたステッピングモータを含み、ステッピングモータは、電気的に又は無線でステッピングモータに伝達される信号によって制御され、これによりキャパシタンス設定制御部801Aの自動調整及び/又は遠隔調整が可能になる。
【0062】
第1のコンデンサ801の入力端子は、接続構造805を介して第1の下部RF接続構造705Aに電気的に接続される。第2のコンデンサ803の入力端子もまた、接続構造805を介して第1の下部RF接続構造705Aに電気的に接続される。接続構造805は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、接続構造805は、導電性の連結式ストラップ構造として形成される。第1のコンデンサ801の出力端子は、接続構造807を介してコネクタ809に電気的に接続され、コネクタ809は、開口部907(図9B参照)を通って第1のジャンクションエンクロージャ121A内部の領域703Aからコイル接続エンクロージャ125内部の領域701まで延びる。コネクタ809は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。第2のコンデンサ803の出力端子もまた、接続構造807を介してコネクタ809に電気的に接続される。接続構造807は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、接続構造807は、導電性の連結式ストラップ構造として形成される。コネクタ809は、コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第1の導電性構造1101に電気的に接続され(図11参照)、これにより第1のリアクタンス回路901は、コネクタ809及び第1の導電性構造1101を介してコイルアセンブリ109の外側コイル109Oに電気的に接続される。このようにして、RF電力は、第1のリアクタンス回路901から外側コイル109Oに、接続構造807、コネクタ809、及び第1の導電性構造1101を経由して伝送される。
【0063】
第2のジャンクションエンクロージャ121Bは、第2のリアクタンス回路1001を含み、図10A~10Cに関連して第2のリアクタンス回路1001を以下で説明する。第2のリアクタンス回路1001は、第1のコンデンサ811と第2のコンデンサ813を含む。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサ811は可変コンデンサであり、かつ第2のコンデンサ813は固定コンデンサである。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサ811は可変コンデンサであり、かつ第2のコンデンサ813も可変コンデンサである。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサ811は、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの前壁上のアクセスポート707Bを通じて物理的にアクセス可能なキャパシタンス設定制御部811Aを含む可変コンデンサである。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部811Aは、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの前壁上のアクセスポート707Bを介して挿入されるツール、例えばねじ回しを使用することで調整可能である。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部811Aは、第1のコンデンサ811のキャパシタンス設定を制御するように接続されたステッピングモータを含み、ステッピングモータは、電気的に又は無線でステッピングモータに伝達される信号によって制御され、これによりキャパシタンス設定制御部811Aの自動調整及び/又は遠隔調整が可能になる。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサ813は、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの前壁上のアクセスポート707Bを通じて物理的にアクセス可能なキャパシタンス設定制御部813Aを含む可変コンデンサである。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部813Aは、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの前壁上のアクセスポート707B、又は第2のジャンクションエンクロージャ121Bのいずれかの壁を通って形成された別のアクセスポートを介して挿入されるツール、例えばねじ回しを使用することで調整可能である。いくつかの実施形態では、キャパシタンス設定制御部813Aは、第2のコンデンサ813のキャパシタンス設定を制御するように接続されたステッピングモータを含み、ステッピングモータは、電気的に又は無線でステッピングモータに伝達される信号によって制御され、これによりキャパシタンス設定制御部813Aの自動調整及び/又は遠隔調整が可能になる。
【0064】
第1のコンデンサ811の入力端子は、接続構造817を介して第2の下部RF接続構造705Bに電気的に接続される(図9B参照)。接続構造817は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、接続構造817は、導電性の連結式ストラップ構造として形成される。第1のコンデンサ811の出力端子は、接続構造818を介してコネクタ821に電気的に接続され(図9B参照)、コネクタ821は、開口部909(図9B参照)を通って第2のジャンクションエンクロージャ121B内部の領域703Bからコイル接続エンクロージャ125内部の領域701まで延びる。コネクタ821は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。コネクタ821は、コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第2の導電性構造1107に電気的に接続され(図11参照)、これにより第2のリアクタンス回路1001は、コイルアセンブリ109の内側コイル109Iに、コネクタ821及び第2の導電性構造1107を介して電気的に接続される。このようにして、RF電力は、第2のリアクタンス回路1001から内側コイル109Iに、接続構造817、コネクタ821、及び第2の導電性構造1107を経由して伝送される。
【0065】
第2のコンデンサ813の入力端子は、接続構造815に電気的に接続される。接続構造815は、コネクタ819に電気的に接続される。コネクタ819は、開口部911を通って第2のジャンクションエンクロージャ121B内部の領域703Bからコイル接続エンクロージャ125内部の領域701まで延びる。コネクタ819は、コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第5の導電性構造1109に電気的に接続され(図11参照)、これにより大地帰路電気接続は、コイルアセンブリ109の内側コイル109Iから第2のリアクタンス回路1001を通って延びる。接続構造815及びコネクタ819の各々は、導電性材料で形成され、これを介してRF電力は容易に伝送される。いくつかの実施形態では、接続構造815は、導電性の連結式ストラップ構造として形成される。第2のコンデンサ813の出力端子もまた、基準地電位903に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサ813の出力端子は、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁に電気的に接続され、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁は、基準地電位903に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサ813の出力端子は、第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁に物理的に取り付けられる。
【0066】
図9Aは、いくつかの実施形態に従い、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aから第1のリアクタンス回路901を介したコイルアセンブリ109の外側コイル109OへのRF電力の伝送を描く回路図を示す。図9Aの回路図は、第1の上部RF接続構造301A、第1の上部連結構造503A、第1のRFジャンパ構造501A、第1の下部連結構造505A、第1の下部RF接続構造705A、及び接続構造805の組み合わせを介して、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aの出力に電気的に接続された第1のコンデンサ801及び第2のコンデンサ803の入力端子を示す。図9Aの回路図はまた、接続構造807、コネクタ809、第1の導電性構造1101、並びにコネクタ202A1及び202B1の組み合わせを介して外側コイル109OのRF供給端部に電気的に接続された第1のコンデンサ801及び第2のコンデンサ803の出力端子を示す。図9Aの回路図はまた、コネクタ202A2、第3の導電性構造1103(図11参照)、コネクタ202B2、及び第4の導電性構造1105(図11参照)の組み合わせを介して基準地電位903に電気的に接続された外側コイル109Oの大地帰路端部を示す。図9Aの回路図はまた、電気接続905を介して基準地電位903に電気的に接続された第1のジャンクションエンクロージャ121Aの壁を示す。第1のコンデンサ801及び第2のコンデンサ803の組み合わせは、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aから見た負荷を現実のものにするために、外側コイル109Oの直列インダクタンスを効果的にキャンセルして直列共振を提供する。
【0067】
図9Bは、いくつかの実施形態に従い、図7Aに示すプラズマ処理システム100の正面左上から見た等角図を示し、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路901のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路1001のコンポーネントが見えるようにしている。図9Cは、いくつかの実施形態に従い、背面左上から見た図9Bに示すプラズマ処理システム100の等角図を示す。
【0068】
図10Aは、いくつかの実施形態に従い、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから第2のリアクタンス回路1001を介したコイルアセンブリ109の内側コイル109IへのRF電力の伝送を描く回路図を示す。図10Aの回路図は、第2の上部RF接続構造301B、第2の上部連結構造503B、第2のRFジャンパ構造501B、第2の下部連結構造505B、第1の下部RF接続構造705B、及び接続構造817の組み合わせを介して第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bの出力に電気的に接続された第1のコンデンサ811の入力端子を示す。図10Aの回路図はまた、接続構造818、コネクタ821、第2の導電性構造1107、並びにコネクタ202C1及び202C1の組み合わせを介して内側コイル109IのRF供給端部に電気的に接続された第1のコンデンサ811の出力端子を示す。図10Aの回路図はまた、コネクタ202C2及び202D2、第5の導電性構造1109(図11参照)、コネクタ819、及び接続構造815の組み合わせを介して第2のコンデンサ813の入力端子に電気的に接続された内側コイル109Iの大地帰路端部を示す。図10Aの回路図はまた、電気接続1003を介して基準地電位903に電気的に接続された第2のコンデンサ813の出力端子を示す。図10Aの回路図はまた、電気接続1004を介して基準地電位903に電気的に接続された第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁を示す。
【0069】
コンデンサ811は、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから見た負荷を現実のものにするために、内側コイル109Iの直列インダクタンスを効果的にキャンセルして直列共振を提供する。また、基準地電位903に対して第1の内側コイル巻線109Cの2つの端部の電圧の位相がずれ(これらの端部の電圧が、基準地電位に対する電圧の約半分であることを意味する)、かつ基準地電位903に対して第2の内側コイル巻線109Dの2つの端部の電圧もまた、位相がずれるように(これらの端部の電圧が、基準地電位に対する電圧の約半分であることを意味する)、コンデンサ813は、内側コイル109Iのバランスをとる。内側コイル109Iの端子とプラズマ211の間の電圧差が減少するため、コンデンサ813によるこの内側コイル109Iのバランスは、プラズマ211スパッタリングによって引き起こされるウィンドウ113への損傷の防止に役立つ。
【0070】
図10Bは、いくつかの実施形態に従い、正面右上から見た、図7Aに示すプラズマ処理システム100の等角図を示し、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路901のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路1001のコンポーネントが見えるようにしている。図10Cは、いくつかの実施形態に従い、背面右下から見た、図10Bに示すプラズマ処理システム100の等角図を示す。
【0071】
図11は、いくつかの実施形態に従い、図7Aに示すプラズマ処理システム100の上面図を示し、第1のジャンクションエンクロージャ121Aの壁を取り除いて第1のリアクタンス回路901のコンポーネントが見えるようにし、かつ第2のジャンクションエンクロージャ121Bの壁を取り除いて第2のリアクタンス回路1001のコンポーネントが見えるようにしている。コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第1の導電性構造1101は、コネクタ809をコネクタ202A1及び202B1の各々に電気的に接続するように構成される。このようにして、RF電力は、第1のリアクタンス回路901から第1の導電性構造1101を介して、外側コイル109Oの第1の外側コイル巻線109A及び第2の外側コイル巻線109BのRF供給端部に供給される。コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第2の導電性構造1107は、コネクタ821をコネクタ202C1及び202D1の各々に電気的に接続するように構成される。このようにして、RF電力は、第2のリアクタンス回路1001から第2の導電性構造1107を介して、内側コイル109Iの第1の内側コイル巻線109C及び第2の内側コイル巻線109DのRF供給端部に供給される。コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第3の導電性構造1103は、コイル接続エンクロージャ125を経由して第1の外側コイル巻線109Aの大地帰路端部を基準地電位903に電気的に接続するように構成される。同様に、コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第4の導電性構造1105は、コイル接続エンクロージャ125を経由して第2の外側コイル巻線109Bの大地帰路端部を基準地電位903に電気的に接続するように構成される。コイル接続エンクロージャ125内部の領域701内に配置された第5の導電性構造1109は、コネクタ819をコネクタ202C2及び202D2の各々に電気的に接続するように構成される。このようにして、RF大地帰路経路が、第1の内側コイル巻線109C及び第2の内側コイル巻線109Dの大地帰路端部から第5の導電性構造1109を介して第2のリアクタンス回路1001内の第2のコンデンサ813の入力端子まで設けられる。
【0072】
図11はまた、コイル接続エンクロージャ125の底面に形成された開口部851を示し、開口部851を通ってコネクタ202A2及び202B1が延びて外側コイル109Oと接続する。また、開口部853も、コイル接続エンクロージャ125の底面に形成されており、開口部853を通ってコネクタ202C2及び202D1が延びて内側コイル109Iと接続する。また、開口部855も、コイル接続エンクロージャ125の底面に形成されており、開口部855を通ってコネクタ202C1及び202D2が延びて内側コイル109Iと接続する。また、開口部857も、コイル接続エンクロージャ125の底面に形成されており、開口部857を通ってコネクタ202A1及び202B2が延びて外側コイル109Oと接続する。
【0073】
図12は、いくつかの実施形態に従い、第1のリアクタンス回路901と外側コイル109Oの間の接続、及び第2のリアクタンス回路1001と内側コイル109Iの間の接続の(正面左上から見た)斜視図を示す。図12に示す様々なコンポーネントは、図1A~11に関連して前述したものと同じである。図13は、いくつかの実施形態に従い、第1のリアクタンス回路901の(正面右上から見た)拡大斜視図を示す。図13に示す様々なコンポーネントは、図1A~11に関連して前述したものと同じである。図14は、いくつかの実施形態に従い、第2のリアクタンス回路1001の(正面左上から見た)拡大斜視図を示す。図14に示す様々なコンポーネントは、図1A~11に関連して前述したものと同じである。
【0074】
図15は、いくつかの実施形態に従い、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101A及び第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bの各々が、対応する第1のリアクタンス回路901又は第2のリアクタンス回路1001を介してコイルアセンブリ109にどのように接続されているかを示す概略図である。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101A及び第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bの各々は、入力部1502と出力部1504を含む。入力部1502は、矢印1511によって示されるように、出力部1504に電気的に接続されている。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、出力部1504は、矢印1513によって示されるように、第1のリアクタンス回路901に電気的に接続されている。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、矢印1513は、第1の上部RF接続構造301A、第1の上部連結構造503A、第1のRFジャンパ構造501A、第1の下部連結構造505A、及び第1の下部RF接続構造705Aの組み合わせを表す。第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、出力部1504は、矢印1513によって示されるように、第2のリアクタンス回路1001に電気的に接続されている。第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、矢印1513は、第2の上部RF接続構造301B、第2の上部連結構造503B、第2のRFジャンパ構造501B、第2の下部連結構造505B、及び第2の下部RF接続構造705Bの組み合わせを表す。第1のリアクタンス回路901は、矢印1515によって示されるように、外側コイル109Oに電気的に接続されている。第1のリアクタンス回路901に関しては、矢印1515は、コネクタ809、第1の導電性構造1101、並びにコネクタ202A1及び202B1の組み合わせを表す。第2のリアクタンス回路1001は、矢印1515によって示されるように、内側コイル109Iに電気的に接続されている。第2のリアクタンス回路1001に関しては、矢印1515は、コネクタ821、第2の導電性構造1107、並びにコネクタ202C1及び202C1の組み合わせを表す。
【0075】
入力部1502は、電気信号発生器と、ゲートドライバの一部分とを含む。出力部1504は、ゲートドライバの残りの部分と、ハーフブリッジトランジスタ回路とを含む。いくつかの実施形態では、入力部1502は、電気信号発生器及びゲートドライバ全体がその上に実装されたコントローラボードを含み、出力部1504がハーフブリッジトランジスタ回路を含んでいる。入力部1502は、複数の矩形波信号を生成して、矩形波信号を出力部1504に提供する。出力部1504は、入力部1502から受信した複数の矩形波信号から増幅された矩形波形を生成する。出力部1504はまた、増幅された矩形波形の、ピーク間振幅などのエンベロープを整形する。例えば、整形制御信号1503が入力部1502から出力部1504に供給されて、エンベロープを生成する。整形制御信号1503は、増幅された矩形波形を整形して整形増幅矩形波形を生成するための複数の電圧値を有する。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、整形増幅矩形波形は、出力部1504から第1のリアクタンス回路901に伝送される。第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、整形増幅矩形波形は、出力部1504から第2のリアクタンス回路1001に伝送される。
【0076】
第1のリアクタンス回路901及び第2のリアクタンス回路1001の各々は、フィルタアウトするなど、整形増幅矩形波形の高次高調波を除去して、基本周波数を有する整形正弦波形を生成する。いくつかの実施形態では、第1のリアクタンス回路901及び/又は第2のリアクタンス回路1001は、約-2500オームから約-10オームの範囲内のリアクタンスを提供する。整形正弦波形は、整形増幅矩形波形と同じエンベロープを有する。第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、RF電力は、基本周波数を有する整形正弦波形の形式で第1のリアクタンス回路901から外側コイル109Oに伝送される。第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、RF電力は、基本周波数を有する整形正弦波形の形式で第2のリアクタンス回路1001から内側コイル109Iに伝送される。内側コイル109I及び/又は外側コイル109Oに伝送されたRF電力は、プラズマチャンバ111内に伝送され、図2Bに関連して前述したように、基板203の処理のために処理チャンバ111内の1つ又は複数のプロセスガスをプラズマ211に変える。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、第1のリアクタンス回路901のリアクタンスは、入力部1502から第1のリアクタンス回路901に品質係数制御信号1507を伝送することによって修正され、品質係数制御信号1507は、可変コンデンサ801のキャパシタンス設定の変更の実施を命令することなどによって、第1のリアクタンス回路901のリアクタンスにおける特定の変更の実施を命令する。いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、第2のリアクタンス回路1001のリアクタンスは、入力部1502から第2のリアクタンス回路1001に品質係数制御信号1507を伝送することによって修正され、品質係数制御信号1507は、可変コンデンサ811のキャパシタンス設定の変更の実施を命令することなどによって、第2のリアクタンス回路1001のリアクタンスにおける特定の変更の実施を命令する。
【0078】
いくつかの実施形態では、フィードバック信号1505は、出力部1504の出力O1から入力部1502に送信される。いくつかの実施形態では、出力部1504から出力された整形増幅矩形波形の時変電圧と時変電流の間の位相差が、フィードバック信号1505から判定されて、出力部1504の制御により位相差を低減又は解消できるようになる。いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aに関しては、フィードバック信号1505に加えて、又はその代わりとして、任意選択のフィードバック信号1509が、第1のリアクタンス回路901の出力から入力部1502に伝送される。いくつかの実施形態では、第1のリアクタンス回路901から出力された整形正弦波形の時変電圧と時変電流の間の位相差が、フィードバック信号1509から判定されて、出力部1504及び/又は第1のリアクタンス回路901の制御により位相差を低減又は解消できるようになる。いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bに関しては、フィードバック信号1505に加えて、又はその代わりとして、任意選択のフィードバック信号1509が、第2のリアクタンス回路1001の出力から入力部1502に伝送される。いくつかの実施形態では、第2のリアクタンス回路1001から出力された整形正弦波形の時変電圧と時変電流の間の位相差が、フィードバック信号1509から判定されて、出力部1504及び/又は第2のリアクタンス回路1001の制御により位相差を低減又は解消できるようになる。
【0079】
図16は、いくつかの実施形態に従い、ダイレクトドライブRF電源101からプラズマ処理チャンバ111にRF電力を送達する方法のフローチャートを示す。方法は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力からリアクタンス回路901/1001に整形増幅矩形波形信号を伝送するための動作1601を含み、ここでリアクタンス回路901/1001が、整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように動作する。いくつかの実施形態では、ダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bは、50オームではない出力インピーダンスを有する。方法はまた、リアクタンス回路901/1001の出力からプラズマ処理チャンバ111のコイル109O/109Iに整形正弦波信号を伝送するための動作1603を含む。整形正弦波信号は、RF電力をコイル109O/109Iに伝達する。方法はまた、ピーク量のRF電力が、ダイレクトドライブ高周波信号発生器101A/101Bからリアクタンス回路901/1001を介してコイル109O/109Iに伝送されるように、リアクタンス回路901/1001内のキャパシタンス設定を調整するための動作1605を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、動作1605におけるキャパシタンス設定の調整は、ダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bがコイル109O/109Iを経由して接続されている負荷の誘導部分を基本的にキャンセルし、したがって負荷は主として抵抗負荷である。いくつかの実施形態では、動作1605におけるキャパシタンス設定の調整は、ダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力からリアクタンス回路901/1001に伝送された整形増幅矩形波形信号の非基本高調波成分を除去する。いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aによって出力された整形増幅矩形波形信号は、約2メガヘルツ(MHz)の周波数を有し、かつ第1のリアクタンス回路901内の可変コンデンサ801のキャパシタンス設定は、動作1605において、約2500ピコファラド(pF)から約4500pFの範囲内で調整される。いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aによって出力された整形増幅矩形波形信号は、約2MHzの周波数を有し、かつ第1のリアクタンス回路901は、約-32オームから約-17オームの範囲内のリアクタンスを提供する。いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bによって出力された整形増幅矩形波形信号は、約13.56メガヘルツ(MHz)の周波数を有し、かつ第2のリアクタンス回路1001内の可変コンデンサ811のキャパシタンス設定は、動作1605において、約5pFから約1000pFの範囲内で調整される。いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bによって出力された整形増幅矩形波形信号は、約13.56MHzの周波数を有し、かつ第2のリアクタンス回路1001は、約-2410オームから約-35オームの範囲内のリアクタンスを提供する。
【0081】
図17は、いくつかの実施形態に従い、第1及び第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの各々の概略図を示す。入力部1502は、コントローラボード1702と、ゲートドライバ1711の一部分とを含む。ゲートドライバ1711は、コントローラボード1702に連結される。出力部1504は、ゲートドライバ1711の残りの部分と、ハーフブリッジ電界効果トランジスタ(FET)回路1718とを含む。以下に記載のハーフブリッジFET回路1718又は木は、本明細書において増幅回路と呼ばれることもあり、かつゲートドライバ1711に連結される。
【0082】
コントローラボード1702は、コントローラ1704と、信号発生器1706と、周波数入力1708とを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ1704は、プロセッサとメモリデバイスを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ1704は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置、プロセッサ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の1つ又は複数を含む。信号発生器1706は、デジタル波形又はパルストレインなどの矩形波信号を生成する矩形波発振器である。矩形波は、ハイ(又は1)などの第1の論理レベルとロー(又は0)などの第2の論理レベルとの間でパルス状である。信号発生器1706は、動作周波数の中でも特に、400キロヘルツ(kHz)、又は2MHz、又は13.56MHz、又は27MHz、又は60MHzなどの所定の動作周波数で矩形波信号を生成する。
【0083】
ゲートドライバ1711は、ゲートドライバサブ部分1710と、コンデンサ1712と、抵抗器1714と、トランス1716の1番目の巻線1716Aとを有する第1の部分を含む。ゲートドライバ1711はまた、トランス1716の2番目の巻線1716B及び1716Cを含む第2の部分(残りの部分)を含む。ゲートドライバサブ部分1710は、複数のゲートドライバ1710A及び1710Bを含む。ゲートドライバ1710A及び1710Bの各々は、一端で正電圧源に、その反対側の端部で負電圧源に連結される。ハーフブリッジFET回路1718は、プッシュプル方式で互いに連結されたFET1718AとFET1718Bを含む。いくつかの実施形態では、図17に示されるものなど、FET1718A及び1718Bは、少なくとも閾値電圧がそれらのゲート導体に印加されたときにオンになるn型FETである。ただし、他の実施形態では、FET1718A及び1718Bは、少なくとも閾値電圧がそれらのゲート導体に印加されたときにオフになるp型FETである。いくつかの実施形態では、FET1718A及びFET1718Bの各々は、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)として実装される。いくつかの実施形態では、とりわけ、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、又は金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、又は接合型電界効果トランジスタ(JFET)などの別の種類のトランジスタが、FET1718A及び1718Aの代わりに使用される。いくつかの実施形態では、FET1718A及びFET1718Bの各々は、炭化ケイ素、又はケイ素、又は窒化ガリウムで作られている。FET1718A及びFET1718Bの各々は、約0.01オームから約10オームの範囲内などのあらかじめ定められた範囲内にある出力インピーダンスを有する。いくつかの実施形態では、ハーフブリッジFET回路1718は、直流(DC)レール1713(点線部分内に例示)を含み、DCレール1713は、導体1719を介してFET1718Aの第1の端子に電気的に接続された電圧源Vdcを含む。FET1718Aの第2の端子は、FET1718Bの第1の端子に電気的に接続される。FET1718Bの第2の端子は、基準地電位に電気的に接続される。
【0084】
いくつかの実施形態では、電圧・電流(VI)プローブ1750は、ハーフブリッジFET回路1718の出力O1に連結される。VIプローブ1750は、出力O1における複素電流と、出力O1における複素電圧と、複素電圧と複素電流の間の位相差とを測定するセンサである。複素電流は、振幅と位相を有する。同様に、複素電圧は、振幅と位相を有する。出力O1は、FET1718Aのソース端子とFET1718Bのドレイン端子との間にある。VIプローブ1750は、コントローラ1704に連結されて、フィードバック信号1509を伝送する。いくつかの実施形態では、電圧(V)プローブ1750が、VIプローブ1750の代わりに使用される。これらの実施形態では、電流(I)プローブ1752は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力に連結される。Vプローブ1750は、出力O1における時変複素電圧の振幅及び位相を測定するセンサである。Iプローブ1752は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力における時変複素電流の振幅及び位相を測定するセンサである。
【0085】
コントローラ1704は信号発生器1706に連結され、動作周波数などの周波数入力1708を信号発生器1706に提供する。コントローラ1704はさらに、導体を介してDCレール1713の電圧源Vdcに連結される。信号発生器1706はまた、その出力においてゲートドライバ1710A及び1710Bに連結される。ゲートドライバ1710Aの出力は、コンデンサ1712に連結される。ゲートドライバ1710Bの出力は、抵抗器1714に連結される。コンデンサ1712及び抵抗器1714は、トランス1716の1番目の巻線1716Aの両端に連結される。コンデンサ312は、1番目の巻線1716Aのインダクタンスをキャンセル又は無効化するように機能する。1番目の巻線1716Aのインダクタンスのキャンセル又は無効化は、ゲートドライバ1710A及び1710Bによって出力されるゲートドライバ信号の正方形形状の生成を容易にする。また、抵抗器1714は、信号発生器1706によって生成される矩形波信号の発振を低減する。
【0086】
トランス1716の2番目の巻線1716Bの第1の端部は、FET1718Aのゲート端子に電気的に接続される。2番目の巻線1716Bの第2の端部は、共にハーフブリッジFET回路1718の出力O1に電気的に接続されているFET1718Aの第2の端子とFET1718Bの第1の端子の両方に電気的に接続される。
【0087】
トランス1716の2番目の巻線1716Cの第1の端部は、FET1718Bのゲート端子に電気的に接続される。2番目の巻線1716Cの第2の端部は、基準地電位に電気的に接続される。ハーフブリッジFET回路1718の出力O1は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の入力に電気的に接続される。抵抗1720は、ハーフブリッジFET回路1718の出力O1から見える。抵抗1720は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bが接続されているコイルアセンブリ109の部分における抵抗と、プラズマ処理チャンバ111内に存在する場合にプラズマ211によって示される抵抗と、出力O1からコイルアセンブリ109までのRF電力伝送路の抵抗との組み合わせを表す。
【0088】
コントローラ1704は、周波数入力1708などの設定を生成し、周波数入力1708を信号発生器1706に提供する。周波数入力1708は、2MHz又は13.56MHzなどの、目標動作周波数の値である。信号発生器1706は、コントローラ1704から設定を受信すると、目標動作周波数を有する入力RF信号を生成する。入力RF信号は、矩形波形信号である。ゲートドライバ1710A及び1710Bは、入力RF信号を増幅して、増幅RF信号を生成し、増幅RF信号をトランス1716の1番目の巻線1716Aに提供する。
【0089】
所与の時間における増幅RF信号の電流の流れの方向性に基づいて、2番目の巻線1716B又は2番目の巻線1716Cは、所与の時間における閾値電圧を有するゲートドライブ信号を生成する。例えば、増幅RF信号の電流が、1番目の巻線1716Aの正電荷を持つ端子(点で示す)から1番目の巻線1716Aの負電荷をもつ端子(点なしで示される)に流れる場合、2番目の巻線1716Bは、少なくとも閾値電圧を有するゲートドライブ信号を生成してFET1718Aをオンにし、かつ2番目の巻線1716Cは、FET1718Bがオフになるように閾値電圧を生成しない。逆に、増幅RF信号の電流が、1番目の巻線1716Aの負電荷を持つ端子(点なしで示される)から1番目の巻線1716Aの正電荷を持つ端子(点で示される)に流れる場合、2番目の巻線1716Cは、少なくとも閾値電圧を有するゲートドライブ信号を生成してFET1718Bをオンにし、かつ2番目の巻線1716Bは、FET1718Aがオフになるように閾値電圧を生成しない。
【0090】
FET1718Aのゲート及びFET1718Bのゲートに伝送される各ゲートドライブ信号は、目標動作周波数を有する矩形波信号、例えば、デジタル信号又はパルス信号である。例えば、FET1718Aのゲート及びFET1718Bのゲートに伝送される各ゲートドライブ信号は、ローレベルとハイレベルの間で遷移する。FET1718Aのゲート及びFET1718Bのゲートに伝送されるゲートドライブ信号は、目標動作周波数を有し、かつ互いに逆同期している。より具体的には、FET1718Aのゲートに伝送されるゲートドライブ信号が、ローレベルからハイレベルに遷移する時間間隔又は時間の間、FET1718Bのゲートに伝送されるゲートドライブ信号は、同時に、ハイレベルからローレベルに遷移する。同様に、FET1718Aのゲートに伝送されるゲートドライブ信号が、ハイレベルからローレベルに遷移する時間間隔又は時間の間、FET1718Bのゲートに伝送されるゲートドライブ信号は、同時に、ローレベルからハイレベルに遷移する。このゲートドライブ信号の逆同期により、時変矩形波信号の目標動作周波数に従って繰り返しFET1718A及び1718Bを連続的にオンにし、かつ連続的にオフにできる。FET1718A及び1718Bは、連続的に動作する。例えば、FET1718Aがオンになると、FET1718Bはオフになる。そして、FET1718Bがオンになると、FET1718Aはオフになる。FET1718A及び1718Bは、同時に、又は同じ期間中に、オンであることはない。目標動作周波数以外の周波数では、第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、他の非目標周波数において第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bからあまり多くの電流が出てこないように、高負荷を与えるように機能する。
【0091】
FET1718Aがオンであり、かつFET1718Bがオフのとき、電流は、電圧源Vdcと出力O1の間を流れて、出力O1において電圧を生成する。出力O1における電圧は、コントローラ1704又は以下でさらに説明される任意の波形発生器1705から受信した電圧値に従って生成される。FET1718Bがオフのとき、出力O1からFET1718Bに結合された地電位に流れる電流は存在しない。FET1718Aがオンのとき、電流は、電圧源Vdcから出力O1を介して第1/第2のリアクタンス回路901/1001の入力に流れる。また、FET1718Bがオンであり、かつFET1718Aがオフのとき、電流は、出力O1からFET1718Bに連結された基準地電位に流れる。FET1718Aがオフのとき、電圧源Vdcから出力O1に流れる電流は存在しない。
【0092】
いくつかの実施形態では、コントローラ1704は、任意の波形発生器1705に、電圧値を示す整形制御信号1703を生成するように命じる。整形制御信号1703は、電気伝導体を介して電圧源Vdcに伝送される。DCレール1713は、コントローラ1704による(かつ任意選択で、任意の波形発生器1705による)電圧源Vdcの高速制御が存在するという点でアジャイルである。コントローラ1704及び電圧源Vdcの両方が電子回路であり、これによりコントローラ1704は、実質的に瞬時に電圧源Vdcを制御できる。例えば、コントローラ1704が(直接、又は任意の波形発生器1705を経由して)整形制御信号1703における電圧値を電圧源Vdcに送信する時、電圧源Vdcは、それに応じて実質的に瞬時にその出力電圧レベルを変更する。いくつかの実施形態では、整形制御信号1703によって示される電圧値は、約0ボルトから約80ボルトの範囲内であり、したがってDCレール1713は、この電圧範囲内で動作する。整形制御信号1703によって示される電圧値は、電圧源Vdcによって生成されて、出力部1504の出力O1における整形増幅矩形波形の整形エンベロープを画定する電圧信号の振幅である。例えば、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bが、連続波形を生成するように動作するとき、整形制御信号1703によって示される電圧値は、時間の関数として、出力部1504の出力O1において生成された連続波形のパラメータのピーク間振幅を制御し、パラメータは、例として、電力、電圧、及び電流の1つ又は複数である。連続波形のピーク間振幅は、時間の関数として連続波形の整形エンベロープを画定する。
【0093】
別の例では、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bが、パルス形状である整形エンベロープを有するように出力O1において整形増幅矩形波形を生成するように動作するとき、整形制御信号1703によって示される電圧値は、所与の時間に、又は所与のあらかじめ定められた期間中に、実質的に瞬時に変更され(階段関数のような手法で)、結果として整形増幅矩形波形のピーク間振幅は、第1のパラメータレベル(例えば、ハイレベル)から第2のパラメータレベル(例えば、ローレベル)に変化し、又は第2のパラメータレベルから第1のパラメータレベルに変化し、パラメータは、例として、電力、電圧、及び電流の1つ又は複数である。別の例では、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bが、任意の形状である整形エンベロープを有するように出力O1において整形増幅矩形波形を生成するように動作するとき、整形制御信号1703によって示される電圧値は、任意の波形発生器1705を経由してコントローラ1704によって命令されるように、所定の制御された任意の手法で変更され、結果として整形増幅矩形波形のピーク間振幅は、所定の制御された任意の手法で変化する。別の例では、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bが、複数状態のパルス形状を有するように出力O1において整形増幅矩形波形を生成するように動作するとき、整形制御信号1703によって示される電圧値は、所与の時間に、又は所与のあらかじめ定められた期間中に、実質的に瞬時に変更され(階段関数のような手法で)、結果として整形増幅矩形波形のピーク間振幅は、異なる状態間を変化し、異なる状態の各々は、特定のパラメータレベル、例えば、とりわけ、電力レベル、電圧レベル、及び/又は電流レベルの異なるピーク間振幅を有する。様々な実施形態において、異なる状態の数は、コントローラ1704によって指定され、2つ以上である。
【0094】
出力部1504の出力O1において生成された整形増幅矩形波形は、ゲートドライバ1710A及び1710Bによって出力されるゲートドライブ信号に従ったFET1718A及び1718Bの動作(時間の関数として)と、整形制御信号1703に従った電圧源Vdcによる電圧の供給(時間の関数として)とに基づく。整形増幅矩形波形の振幅の量は、ハーフブリッジFET回路1718のFET1718A及び1718Bの出力インピーダンスと、コントローラ1704によって(かつ、任意選択で、任意の波形発生器1705によって)電圧源Vdcに供給される電圧値と、電圧源Vdcの実現可能な最大電圧値とに基づく。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、整形増幅矩形波形を受信し、かつ整形増幅矩形波形の高次高調波を低減又は除去して、基本周波数を有する整形正弦波形を生成するように機能する。第1/第2のリアクタンス回路901/1001によって出力される整形正弦波形は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001に入力される整形増幅矩形波形と同じ整形エンベロープを有することを理解されたい。第1/第2のリアクタンス回路901/1001によって出力される整形正弦波形は、プラズマ処理チャンバ111内でのプラズマ211の生成のためのRF信号として、コイルアセンブリ109に提供される。
【0095】
VIプローブ1750は、出力O1における整形増幅矩形波形の複素電圧及び複素電流を測定し、かつフィードバック信号1505をコントローラ1704に提供し、フィードバック信号1505は、複素電圧及び複素電流を示す。コントローラ1704は、フィードバック信号1505から整形増幅矩形波形の複素電圧と整形増幅矩形波形の複素電流との間の位相差を識別し、かつ位相差があらかじめ定められた許容範囲内であるかを判定する。例えば、コントローラ1704は、位相差が0であるか、又は0から離れたあらかじめ定められた許容範囲(パーセンテージ)内であるか否かを判定する。位相差があらかじめ定められた許容範囲内ではないと判定すると、コントローラ1704は、動作周波数の周波数値を変更して、周波数入力1708を変更する。変更された周波数値は、周波数入力1708から信号発生器1706へと提供され、信号発生器1706の動作周波数を変更する。いくつかの実施形態では、動作周波数は、約10マイクロ秒以内に変更される。信号発生器1706の動作周波数は、VIプローブ1750によって測定される複素電圧と複素電流の間の位相差があらかじめ定められた許容範囲内であるとコントローラ1704によって判定されるまで変更される。複素電圧と複素電流の間の位相差があらかじめ定められた許容範囲内であると判定すると、コントローラ1704は、周波数入力1708をさらに変更することはしない。位相差があらかじめ定められた許容範囲内である場合、あらかじめ定められた量の電力が、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力O1から第1/第2のリアクタンス回路901/1001を介してコイルアセンブリ109に提供される。
【0096】
いくつかの実施形態では、周波数入力1708の変更に加えて、又はその代わりとして、コントローラ1704は、電圧源Vdcによって生成された電圧信号を変更するために、電圧源Vdcに供給されている整形制御信号1703における電圧値を変更する。電圧源Vdcは、整形制御信号1703に示される電圧値に従ってその電圧レベルを変更する。コントローラ1704は、整形増幅矩形波形があらかじめ定められた電力セットポイントを達成するまで整形制御信号1703における電圧値を変更し続ける。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた電力セットポイントは、コントローラ1704のメモリデバイスに記憶されている。様々な実施形態において、出力O1における整形増幅矩形波形の電圧を変更する代わりに、整形増幅矩形波形の電流が変更される。例えば、整形制御信号1703における電圧値の変更を命令することによって、コントローラ1704は、整形増幅矩形波形があらかじめ定められた電流セットポイントを達成するまで出力O1における整形増幅矩形波形の電流を変更する。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた電流セットポイントは、コントローラ1704のメモリデバイスに記憶されている。いくつかの実施形態では、出力O1における整形増幅矩形波形の電圧又は電流を変更する代わりに、整形増幅矩形波形の電力が変更される。例えば、整形制御信号1703における電圧値の変更を命令することによって、コントローラ1704は、整形増幅矩形波形があらかじめ定められた電力セットポイントを達成するまで出力O1における整形増幅矩形波形の電力を変更する。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた電力セットポイントは、コントローラ1704のメモリデバイスに記憶されている。出力O1で生成された整形増幅矩形波形の電圧、電流、又は電力における変化は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001によって出力される整形正弦波形の電圧、電流、又は電力にそれぞれ同じ変化をもたらすことに留意されたい。
【0097】
いくつかの実施形態では、コントローラ1704は、モータドライバ及びモータ(例えば、ステッピングモータ)を介して第1/第2のリアクタンス回路901/1001に連結される。いくつかの実施形態では、モータドライバは、1つ又は複数のトランジスタを含む集積回路デバイスとして実装される。コントローラ1704は、品質係数制御信号1507などの信号をモータドライバに送信して電気信号を生成し、電気信号はモータドライバからモータに伝送される。モータは、モータドライバから受信した電気信号に従い動作して、第1/第2のリアクタンス回路901/1001のリアクタンスを変更する。例えば、いくつかの実施形態では、モータは、コンデンサ801/811内の導電性プレート間の面積(又は間隔)を変化させて、第1/第2のリアクタンス回路901/1001のリアクタンスを変更するように動作する。いくつかの実施形態では、第1/第2のリアクタンス回路901/1001のリアクタンスは、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の所定の品質係数を維持するように変更される。
【0098】
第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、外側コイル109O/内側コイル109Iのインダクタンスと組み合わせて、高い品質係数(Q)を有する。例えば、第1/第2のリアクタンス回路901/1001で失われる出力O1で生成された整形増幅矩形波形の電力の量は、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力から外側コイル109O/内側コイル109Iに伝送される整形正弦波形の電力の量と比較して小さい。第1/第2のリアクタンス回路901/1001の高い品質係数は、プラズマ処理チャンバ111内でのプラズマ211の高速点火を容易にする。また、第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、外側コイル109O/内側コイル109Iの誘導リアクタンスとプラズマ211を共振させるように構成及び設定され、結果として第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力O1は、抵抗1720を見るが、基本的に何のリアクタンスも見ない。例えば、第1のリアクタンス回路901は、外側コイル109O、プラズマ211、及び第1のリアクタンス回路901と外側コイル109Oの間のRF電力伝送接続の1つ又は複数のリアクタンスを低減する、例えば無効化又はキャンセルするリアクタンスを有するように制御される。いくつかの実施形態では、第1のリアクタンス回路901のリアクタンスは、可変コンデンサ801のキャパシタンス設定を制御することによって制御される。同様に、第2のリアクタンス回路1001は、内側コイル109I、プラズマ211、及び第2のリアクタンス回路1001と内側コイル109Iの間のRF電力伝送接続の1つ又は複数のリアクタンスを低減する、例えば無効化又はキャンセルするリアクタンスを有するように制御される。いくつかの実施形態では、第2のリアクタンス回路1001のリアクタンスは、可変コンデンサ811のキャパシタンス設定を制御することによって制御される。
【0099】
いくつかの実施形態では、FET1718A及び1718Bは、低い内部抵抗と高速切り替え時間を有し、かつFET1718A及び1718Bの冷却を容易にするために、炭化ケイ素から作られる。FET1718A及び1718Bの低い内部抵抗は、より高い効率性を実現し、これによりFET1718A及び1718Bを、10マイクロ秒未満など、ほぼ瞬時にオンにし、かつ高速でオフにできる。いくつかの実施形態では、FET1718A及び1718Bの各々は、10マイクロ秒未満など、あらかじめ定められた期間未満でオンオフするように構成される。いくつかの実施形態では、FET1718A及び1718Bの各々は、約0.5マイクロ秒から約10マイクロ秒の期間にオンオフするように構成される。いくつかの実施形態では、FET1718A及び1718Bの各々は、約1マイクロ秒から約5マイクロ秒の期間にオンオフするように構成される。いくつかの実施形態では、FET1718A及び1718Bの各々は、約3マイクロ秒から約7マイクロ秒の期間にオンオフするように構成される。FET1718A及び1718Bの各々に関して、オン状態とオフ状態の間の遷移に基本的に遅延は存在しないことを理解されたい。このようにして、FET1718Aがオンになると、FET1718Bは、基本的に同時にオフになる。そして、FET1718Aがオフになると、FET1718Bは、基本的に同時にオンになる。FET1718A及び1718Bは、電流が電圧源Vdcから基準地電位にFET1718A及び1718Bを介して直接流れるのを回避するために、FET1718A及び1718Bが同時にオンにならないことを保証するのに十分高速にオンオフの切り替えを行うように構成される。
【0100】
炭化ケイ素FET1718A及び1718Bの低い内部抵抗は、炭化ケイ素FET1718A及び1718Bによって発生する熱の量を減らし、これにより冷却板又はヒートシンクを使用して炭化ケイ素FET1718A及び1718Bを冷却するのが容易になる。
【0101】
第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの、トランジスタなどのコンポーネントは、電子部品であることを理解されたい。また、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bからコイルアセンブリ109へのRF電力伝送路にRFインピーダンス整合ネットワークもRF伝送線も存在しないことを理解されたい。第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101B内の電子部品は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bからコイルアセンブリ109へのRF電力伝送路にRFインピーダンス整合ネットワークもRF伝送線も存在しないことと組み合わせて、異なるプラズマ処理チャンバ111にまたがって、高速プラズマ211点火に関する再現性と一貫性、及びプラズマ211の持続可能性を提供する。
【0102】
図18は、いくつかの実施形態に従い、FET1718Aと1718Bの間の電圧リミッタを実装するハーフブリッジFET回路1718の回路図を示す。ダイオードD1は、FET1718Aのドレイン端子(D)とソース端子(S)の間に接続されて、FET1718Aの両端の電圧を制限する。FET1718Aがオンになり、かつFET1718Bがオフになると、ダイオードD1によって電圧が制限されるまで、FET1718Aの両端の電圧は増加する。ダイオードD1は、電流が直接、電圧源Vdcから基準地電位へとFET1718Aを有害にシュートスルーするのを防止するように機能する。同様に、ダイオードD2は、FET1718Bのドレイン端子(D)とソース端子(S)の間に接続されて、FET1718Bの両端の電圧を制限する。FET1718Bがオンになり、かつFET1718Aがオフになると、ダイオードD2によって電圧が制限されるまで、FET1718Bの両端の電圧は増加する。ダイオードD2は、電流が直接、電圧源Vdcから基準地電位へとFET1718Bを有害にシュートスルーするのを防止するように機能する。コンデンサ1772は、FET1718Aのドレイン端子(D)とFET1718Bのソース端子(S)の間に接続される。FET1718A及び/又は1718Bのオンオフの遅延の事象において、電流は、電圧源Vdcからコンデンサ1772を介して基準地電位に流れて、悪影響のある、かつ損傷を引き起こす可能性のある量の電流が、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力O1を介してコイルアセンブリ109に流れる可能性を減らす。
【0103】
図19Aは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力O1で生成された整形増幅矩形波形1906の一例のパラメータのプロットを示す。整形増幅矩形波形1906のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形増幅矩形波形1906は、コントローラ1704及び/又は任意の波形発生器1705によって命令されたように整形制御信号1703によって示される電圧値に従い生成された整形エンベロープ1908を有する。整形エンベロープ1908は、整形増幅矩形波形1906のパラメータの絶対振幅が、第1のレベルL1(より低いレベル)と第2のレベルL2(より高いレベル)の間で遷移するように制御される。パラメータは、第2のレベルL2よりも第1のレベルL1において、より低いピーク間振幅を有する。整形エンベロープ1908は、整形制御信号1703によって示される電圧値に応じて、図19Aに示すものとは異なる形状を有し得ることを理解されたい。例えば、整形制御信号1703は、整形エンベロープ1908に、連続波形状、三角形、複数レベルパルス形状、又は基本的に他の所定の制御された任意の形状を有するように命令するように生成され得る。
【0104】
図19Bは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において生成された整形正弦波形1908の一例のパラメータのプロットを示す。整形正弦波形1908のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形正弦波形1908は、時間の関数として第1/第2のリアクタンス回路901/1001に入力される整形増幅矩形波形1906に基づく。整形増幅矩形波形1906は、基本周波数正弦波形1908Aと、複数のより高次の高調波周波数正弦波形1908B、1908Cなどとの組み合わせである。例えば、正弦波形1908Bは、基本周波数正弦波形1908Aの2次高調波周波数を表す。そして、正弦波形1908Cは、基本周波数正弦波形1908Aの3次高調波周波数を表す。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、より高次の高調波周波数正弦波形1908B、1908Cを整形増幅矩形波形1906から除去するように機能し、これにより基本周波数正弦波形1908Aのみが、時間の関数として第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において提供される。第1/第2のリアクタンス回路901/1001の高い品質係数は、より高次の高調波周波数正弦波形1908B、1908Cなどを、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bによって出力される整形増幅矩形波形1906から除去するのを容易にする。基本周波数正弦波形1908Aが、整形正弦波形1908としてコイルアセンブリ109に伝送されることで、RF電力をコイルアセンブリ109に伝送する。
【0105】
図20Aは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において生成された整形正弦波形2004の一例のパラメータのプロットを示す。整形正弦波形2004のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形正弦波形2004は、コントローラ1704及び/又は任意の波形発生器1705によって命令されたように整形制御信号1703によって示される電圧値に従い生成された整形エンベロープ2006を有する。整形エンベロープ2006は、時間の関数として、整形正弦波形2004のパラメータのピーク間変化を画定する。例としての整形エンベロープ2006は、パルス形状のエンベロープなどの、正方形のエンベロープを表す。
【0106】
図20Bは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において生成された整形正弦波形2010の一例のパラメータのプロットを示す。整形正弦波形2010のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形正弦波形2010は、コントローラ1704及び/又は任意の波形発生器1705によって命令されたように整形制御信号1703によって示される電圧値に従い生成された整形エンベロープ2012を有する。整形エンベロープ2012は、時間の関数として、整形正弦波形2010のパラメータのピーク間変化を画定する。例としての整形エンベロープ2010は、三角形のエンベロープを表す。
【0107】
図20Cは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において生成された整形正弦波形2016の一例のパラメータのプロットを示す。整形正弦波形2016のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形正弦波形2016は、コントローラ1704及び/又は任意の波形発生器1705によって命令されたように整形制御信号1703によって示される電圧値に従い生成された整形エンベロープ2018を有する。整形エンベロープ2018は、時間の関数として、整形正弦波形2016のパラメータのピーク間変化を画定する。例としての整形エンベロープ2018は、3つの異なる状態S1、S2、及びS3を含む複数状態整形エンベロープを表す。整形エンベロープ2018は、第1の状態S1の間の整形正弦波形2016のパラメータのピーク間変化が、第1の状態S2の間の整形正弦波形2016のパラメータのピーク間変化よりも大きくなるように画定される。整形エンベロープ2018はまた、第2の状態S2の間の整形正弦波形2016のパラメータのピーク間変化が、第3の状態S3の間の整形正弦波形2016のパラメータのピーク間変化よりも大きくなるように画定される。整形エンベロープ2018は、第3の状態S3の後に第1の状態S1に戻る。状態S1、S2、及びS3は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bによって出力される整形増幅矩形波形の周波数よりも小さい周波数で繰り返す。したがって、状態S1、S2、及びS3は、整形正弦波形2016の周波数よりも小さい周波数で繰り返す。様々な実施形態において、複数状態整形エンベロープは、3つより多くの異なる状態を含み、各異なる状態は、時間の関数として整形正弦波形2016のパラメータの異なるピーク間変化に対応する。また、様々な実施形態において、複数状態整形エンベロープは、整形エンベロープの3つ以上の異なる状態のいずれかが、整形エンベロープの次の状態と比較して、整形正弦波形2016のパラメータのより低い、又はより高いピーク間振幅のいずれかを有するように制御され得る。
【0108】
図20Dは、いくつかの実施形態に従い、時間の関数として、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の出力において生成された整形正弦波形2020の一例のパラメータのプロットを示す。整形正弦波形2020のパラメータは、電力、電圧、又は電流のいずれかである。整形正弦波形2020は、コントローラ1704及び/又は任意の波形発生器1705によって命令されたように整形制御信号1703によって示される電圧値に従い生成された整形エンベロープ2022を有する。整形エンベロープ2022は、時間の関数として、整形正弦波形2020のパラメータのピーク間変化を画定する。例としての整形エンベロープ2022は平たんであるため、整形正弦波形2020は連続波信号を表す。
【0109】
本明細書に開示される様々な実施形態において、RFジャンクションシステムは、プラズマ処理チャンバ111へのRF電力の伝送のために設けられる。RFジャンクションシステムは、RF供給信号ピン(第1/第2の下部RF接続構造705A/705Bなど)に接続するように構成された第1の端子(接続構造805/817など)を含み、RF供給信号ピンは、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力に電気的に接続される。RFジャンクションシステムはまた、外側コイル109O/内側コイル109Iに接続するように構成された第2の端子(接続構造807/818など)を含む。いくつかの実施形態では、第2の端子は、外側コイル109O/内側コイル109Iの複数の別個の巻線に接続される。RFジャンクションシステムはまた、第1の端子と第2の端子の間に接続された第1/第2のリアクタンス回路901/1001を含む。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、第1の端子から第2の端子へのルートで、整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成される。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aは、約2MHzの周波数を有する整形増幅矩形波形信号を供給するように構成される。これらの実施形態の一部では、第1のリアクタンス回路901は、第1の端子と第2の端子の間に約2500pFから約4500pFの範囲内でキャパシタンスを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のリアクタンス回路901は、互いに並列に接続された可変コンデンサ801と固定コンデンサ803とを含む。いくつかの実施形態では、可変コンデンサ801のキャパシタンス設定は、約100pFから約2000pFの範囲内で調整可能であり、かつ固定コンデンサ803のキャパシタンスは、約2000pFから約3500pFの範囲内である。
【0111】
いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bは、約13.56MHzの周波数を有する整形増幅矩形波形信号を供給するように構成される。これらの実施形態の一部では、第2のリアクタンス回路1001は、第1の端子と第2の端子の間に約5pFから約1000pFの範囲内でキャパシタンスを提供するために可変コンデンサ811を含む。また、これらの実施形態の一部では、第2のジャンクションボックス121Bは、内側コイル109Iの大地帰路端部と基準地電位903とに接続されたコンデンサ813を含む。これらの実施形態の一部では、コンデンサ813は、約200pFから約500pFの範囲内のキャパシタンスを有する。
【0112】
本明細書に開示される様々な実施形態において、RF電力伝送システムが、プラズマ処理チャンバ111のために提供される。RF電力伝送システムは、第1/第2のダイレクトドライブ高周波信号発生器101A/101Bと、外側コイル109O/内側コイル109Iと、第1/第2のリアクタンス回路901/1001とを含む。第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bは、50オームではない出力インピーダンスを有する。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの出力O1と外側コイル109O/内側コイル109Iとの間に接続される。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、第1/第2のダイレクトドライブ高周波信号発生器901/1001の出力O1から整形増幅矩形波形信号を受け取るように接続される。第1/第2のリアクタンス回路901/1001は、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bから外側コイル109O/内側コイル109Iへのルートで、整形増幅矩形波形信号を整形正弦波信号に変換するように構成される。
【0113】
第1のリアクタンス回路901は、ピーク量のRF電力が第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aからリアクタンス回路901を介して外側コイル109Oに伝送されるように設定されたキャパシタンスを有する可変コンデンサ801を含む。第1のリアクタンス回路901は、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aが外側コイル109Oを経由して接続する負荷の誘導部分を基本的にキャンセルするように構成され、したがって負荷は主として抵抗負荷である。第1のリアクタンス回路901は、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aから受信した整形増幅矩形波形信号の非基本高調波成分を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aによって出力された整形増幅矩形波形信号は、約2MHzの周波数を有し、かつ第1のリアクタンス回路901は、第1のダイレクトドライブRF信号発生器101Aの出力O1と外側コイル109Oとの間に、約2500pFから約4500pFの範囲内のキャパシタンスを提供する。
【0114】
第2のリアクタンス回路1001は、ピーク量のRF電力が第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bからリアクタンス回路1001を介して内側コイル109Iに伝送されるように設定されたキャパシタンスを有する可変コンデンサ811を含む。第2のリアクタンス回路1001は、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bが内側コイル109Iを経由して接続する負荷の誘導部分を基本的にキャンセルするように構成され、したがって負荷は主として抵抗負荷である。第2のリアクタンス回路1001は、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから受信した整形増幅矩形波形信号の非基本高調波成分を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bから出力された整形増幅矩形波形信号は、約13.56MHzの周波数を有し、かつ第2のリアクタンス回路1001は、第2のダイレクトドライブRF信号発生器101Bの出力O1と内側コイル109Iとの間に約5pFから約1000pFの範囲内でキャパシタンスを提供するように設定された可変コンデンサ811を含む。
【0115】
本明細書に記載される様々な実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成と共に実施されてもよい。本明細書に記載される様々な実施形態はまた、コンピュータネットワークを介してリンクされている遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境と共に実施できる。
【0116】
いくつかの実施形態では、制御システム、例えば、ホストコンピュータシステムが、プラズマ処理システム100を制御するために設けられる。様々な実施形態において、プラズマ処理システム100は、コンポーネントの中でも特に、処理ツール(複数可)、チャンバ(複数可)、処理用プラットフォーム(複数可)、及び/又はウェハ台座、ガス流システムなどの特定の処理コンポーネントなどの半導体処理装置を含む。様々な実施形態において、プラズマ処理システム100は、半導体ウェハ又は基板の処理前、処理中、及び処理後にその動作を制御するための電子機器と統合され、電子機器は、プラズマ処理システム100の様々なコンポーネント及び/又は子部品を制御するように構成され、接続されているコントローラ内で実装される。コントローラは、基板/ウェハ処理要件及び/又はプラズマ処理システム100の特定の構成に応じて、プロセスガス(複数可)の送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、第1/第2のダイレクトドライブRF信号発生器101A/101Bの設定、第1/第2のリアクタンス回路901/1001の設定、電気信号周波数設定、ガス流量設定、液体送達設定、位置及び動作設定、プラズマ発生チャンバ111への基板/ウェハの搬入出、及び/又はプラズマ処理システム100に接続又は連動するロードロックへの基板/ウェハの搬入出を含む、本明細書に開示されるいずれかのプロセス及び/又はコンポーネントを制御するようにプログラムされている。
【0117】
大まかに言えば、様々な実施形態において、プラズマ処理システム100の制御動作に結びつけられたコントローラは、タスク/動作の中でも特に、命令を受信し、命令を発行し、デバイスの動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にし、計測測定(光学、熱、電気など)を可能にするなどの、様々なタスク/動作を命令し、かつ制御する様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義される。いくつかの実施形態では、コントローラ内の集積回路は、コンピューティングデバイスの中でも特に、プログラム命令を記憶するファームウェア、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ又は複数のマイクロプロセッサ及び/又はマイクロコントローラの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、プログラム命令は、プラズマ処理システム100内の基板/ウェハに対してプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個々の設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、及び/又は基板/ウェハのダイの製造中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピに含まれる。
【0118】
いくつかの実施形態では、コントローラは、プラズマ処理システム100に統合された、若しくは接続された、そうでなければプラズマ処理システム100にネットワーク接続された、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であり、若しくはそのようなコンピュータに接続される。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラは、「クラウド」、すなわちファブホストコンピュータシステムの全体又は一部として実装され、これにより、プラズマ処理システム100による基板/ウェハ処理の制御のための遠隔アクセスが可能になる。コントローラは、製造動作の現在の進行状況の監視、過去の製造動作の履歴の調査、複数の製造動作に基づく傾向又は性能基準の調査、処理パラメータの変更、その後の処理ステップの設定、及び/又は新たな基板/ウェハ製造プロセスの開始を提供するために、プラズマ処理システム100への遠隔アクセスを可能にする。
【0119】
いくつかの実施形態では、サーバコンピュータシステムなどの遠隔コンピュータは、コンピュータネットワークを介してプラズマ処理システム100のコントローラにプロセスレシピを提供し、コンピュータネットワークはローカルネットワーク及び/又はインターネットを含む。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含み、パラメータ及び/又は設定は次いで遠隔コンピュータからプラズマ処理システム100のコントローラへと伝達される。いくつかの例では、コントローラは、プラズマ処理システム100内の基板/ウェハを処理するための設定の形式の命令を受け取る。設定は、基板/ウェハに対して実施されるプロセスの種類と、コントローラがインタフェース接続する又は制御するツール/デバイス/コンポーネントの種類とに特有のものであることを理解されたい。いくつかの実施形態では、コントローラは、共にネットワーク化され、プラズマ処理システム100を動作させて基板/ウェハに対して所定のプロセスを実施するなど、同期して共通の目的にむけて動作する1つ又は複数の個別のコントローラを含むことなどにより、分散されている。そのような目的のための分散型コントローラの一例として、遠隔地に設置され(プラットフォームレベルで、又は遠隔コンピュータの一部としてなど)、チャンバでのプロセスを協同で制御する1つ又は複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つ又は複数の集積回路が挙げられる。プラズマ処理システム100によって実行されるプロセス動作に応じて、コントローラは、他のツール回路又はモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール位置及び/又はロードポートへ基板/ウェハの容器を搬入出する材料搬送に用いられるツールの、1つ又は複数と通信する。
【0120】
いくつかの実施形態では、プラズマ処理システム100の動作は、コンピュータシステムに記憶されたデータに関わる様々なコンピュータ実装動作の性能を含むことを理解されたい。これらのコンピュータ実装動作は、物理量を操作するものである。様々な実施形態において、コンピュータ実装動作は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータのいずれかによって実施される。いくつかの実施形態では、コンピュータ実装動作は、選択的に起動されたコンピュータによって実行され、かつ/又はコンピュータメモリに記憶された、若しくはコンピュータネットワークを介して取得された1つ又は複数のコンピュータプログラムによって命令される。コンピュータプログラム及び/又はデジタルデータがコンピュータネットワークを介して取得される場合、デジタルデータは、コンピュータネットワーク上、例えば計算資源のクラウドの、他のコンピュータによって処理されてもよい。コンピュータプログラム及びデジタルデータは、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして記憶される。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶する任意のデータストレージハードウェアユニット、例えばメモリデバイス等であり、データは後でコンピュータシステムによって読み取り可能である。非一時的コンピュータ可読媒体の例として、ハードドライブ、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROMs)、CDレコーダブル(CD-Rs)、CDリライタブル(CD-RWs)、デジタルビデオ/多用途ディスク(DVD)、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データストレージハードウェアユニットが挙げられる。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラム及び/又はデジタルデータは、接続されたコンピュータシステムのネットワーク内の異なるコンピュータシステムに配置された複数のコンピュータ可読媒体間で分散されており、これによりコンピュータプログラム及び/又はデジタルデータは、分散方式で実行され、かつ/又は記憶される。
【0121】
前述の開示は、理解を明確にする目的である程度の詳細を含むが、添付の特許請求の範囲の範囲内で特定の変更及び変形が実施可能であることは明らかであろう。例えば、本明細書に開示される任意の実施形態からの1つ又は複数の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせてもよいことを理解されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって制限的なものではないとみなされ、かつ請求されるものは、本明細書で与えられる詳細に限定されず、むしろ記載された実施形態の範囲内で変形されてもよく、かつ記載された実施形態の同等物であってもよい。
【0122】
特許請求の範囲:
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図20D
【国際調査報告】