(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】金属配線における拡散層
(51)【国際特許分類】
C23C 18/42 20060101AFI20240920BHJP
C23C 18/31 20060101ALI20240920BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C23C18/42
C23C18/31 Z
H01L21/88 T
H01L21/88 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516434
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022043089
(87)【国際公開番号】W WO2023043678
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バーグマン, エリック ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】クロッケ, ジョン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ベルント, マーヴィン エル.
(72)【発明者】
【氏名】リアント, プラユディ
【テーマコード(参考)】
4K022
5F033
【Fターム(参考)】
4K022AA02
4K022AA31
4K022AA42
4K022BA01
4K022BA03
4K022BA18
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4K022DB07
5F033HH03
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5F033VV07
(57)【要約】
例示的なめっき方法が記載されている。本方法は、パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴と接触させることを含み得る。パターン基板は、めっき浴に曝露される接触面を有する少なくとも1つの金属配線を含む。金属配線は、第1の還元電位を特徴とする第1の金属でできている。本方法は更に、金属配線の接触面に拡散層をめっきすることを含む。拡散層は、金属配線の第1の金属の第1の還元電位よりも高い第2の還元電位を特徴とする第2の金属でできている。めっき浴はまた、第2の金属の1又は複数のイオンと、拡散層におけるピンホール欠陥の形成を低減する結晶粒微細化化合物とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき方法であって、
パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴と接触させることであって、前記パターン基板は、前記めっき浴に曝露される接触面を有する少なくとも1つの金属配線を含み、前記金属配線は、第1の還元電位を特徴とする第1の金属でできている、パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴と接触させることと、
前記金属配線の前記接触面に拡散層をめっきすることであって、前記拡散層は、前記少なくとも1つの金属配線の前記第1の金属の前記第1の還元電位よりも高い第2の還元電位を特徴とする第2の金属でできている、前記金属配線の前記接触面に拡散層をめっきすることと
を含み、
前記めっき浴は、前記第2の金属の1又は複数のイオンと、前記拡散層におけるピンホール欠陥の形成を低減する結晶粒微細化化合物とを含む、めっき方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの金属配線の前記第1の金属は銅である、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項3】
前記拡散層の前記第2の金属は、銀、金、白金、パラジウム、及びゲルマニウムからなる群から選択される、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項4】
前記結晶粒微細化化合物は、グリオキシル酸又はエチレンジアミン四酢酸を含む、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項5】
前記結晶粒微細化化合物は、前記めっき浴中の濃度が約0.05M以下であることを特徴とする、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項6】
前記めっき浴は更に、イミダゾール又はスクシンイミドを含む少なくとも1つの安定剤化合物を含む、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項7】
前記拡散層は、無電解めっきにより前記金属配線の前記接触面にめっきされる、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項8】
前記めっき浴は、前記拡散層のめっき中の温度が約25℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載のめっき方法。
【請求項9】
めっき方法であって、
パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴に接触させることであって、前記パターン基板は、前記めっき浴に曝露される接触面を有する少なくとも1つの銅配線を含む、パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴に接触させることと、
前記銅配線の前記接触面に拡散層をめっきすることであって、前記拡散層は銀でできている、前記銅配線の前記接触面に拡散層をめっきすることと
を含み、
前記めっき浴は、前記拡散層のめっき中の温度が約25℃以下であることを特徴とする、めっき方法。
【請求項10】
前記めっき浴は、銀イオンの濃度が約0.01M以下であることを特徴とする、請求項9に記載のめっき方法。
【請求項11】
前記拡散層は、前記銅配線の前記接触面に約1nm/分以下の速度でめっきされる、請求項9に記載のめっき方法。
【請求項12】
前記拡散層は、厚さが約10nm以下であることを特徴とし、前記拡散層にはピンホール欠陥がない、請求項9に記載のめっき方法。
【請求項13】
前記めっき浴は更に、グリオキシル酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選択される結晶粒微細化化合物を含む、請求項9に記載のめっき方法。
【請求項14】
前記めっき浴は更に、イミダゾール又はスクシンイミドを含む少なくとも1つの安定剤化合物を含む、請求項9に記載のめっき方法。
【請求項15】
集積回路デバイス構造であって、
パターン基板に形成された少なくとも1つの銅カラムと、
前記銅カラムの上面と接触している金属拡散層であって、厚さが約10nm以下であることを特徴とし、ピンホール欠陥がない、金属拡散層と
を備える、集積回路デバイス構造。
【請求項16】
前記金属拡散層は、銀、金、白金、パラジウム、及びゲルマニウムからなる群から選択される金属を含む、請求項15に記載の集積回路デバイス構造。
【請求項17】
前記銅カラムは、ナノ双晶構造を特徴とする銅を含む、請求項15に記載の集積回路デバイス構造。
【請求項18】
前記金属拡散層は、平均表面粗さが約0.5nm以下であることを特徴とする、請求項15に記載の集積回路デバイス構造。
【請求項19】
前記銅カラムの上面は、前記上面の中央部と周辺部との間の高さの差が約1nm以下である平坦な形状を特徴とする、請求項15に記載の集積回路デバイス構造。
【請求項20】
前記パターン基板はシリコンを含む、請求項15に記載の集積回路デバイス構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年9月14日出願の米国特許出願第17/474,394号の利益を主張するものであり、その開示内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本技術は、半導体処理における無電解めっき工程に関する。より具体的には、本技術は、半導体構造及び半導体パッケージングにおける銅含有配線の表面上の金属拡散層の無電解めっきを行うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路は、基板表面に複雑にパターニングされた材料層を形成するプロセスによって実現される。基板上の形成、エッチング、及び他の処理の後、金属又は他の導電性材料が、構成要素間の電気的接続を提供するために、しばしば堆積又は形成される。このメタライゼーションは、多くの製造工程の後に行われ得るため、メタライゼーション中に問題が発生すると、高価な廃棄基板又はウエハが生じる可能性がある。
【0004】
[0004]無電解めっきは、ウエハのターゲット側を液体めっき浴に接触させるめっきチャンバで実施され得る。めっき浴中の金属イオンは、めっき浴中の金属イオンよりも低い還元電位を有する金属を含む露出した金属表面に沈着し、下層の金属表面にめっき金属層を形成する。多くの場合、めっき浴中の金属イオンは、露出した金属表面の核形成部位の周囲に堆積し、その部位間に、めっき金属をほとんど含まない、又は全く含まない中間領域が残る。このようなめっき金属量のばらつきは、めっき工程を困難にし、中でもピンホール欠陥及び過剰な表面粗さを有する堆積金属層が生じる可能性がある。
【0005】
[0005]したがって、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用できる改良されたシステム及び方法が必要とされている。これら及び他のニーズは、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本技術の実施形態は、パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴と接触させることを含むめっき方法を含む。パターン基板は、めっき浴に曝露される接触面を有する少なくとも1つの金属配線を含む。金属配線は、第1の還元電位を特徴とする第1の金属でできている。本方法は更に、金属配線の接触面に拡散層をめっきすることを含む。拡散層は、金属配線の第1の金属の第1の還元電位よりも高い第2の還元電位を特徴とする第2の金属でできている。めっき浴はまた、第2の金属の1又は複数のイオンと、拡散層におけるピンホール欠陥の形成を低減する結晶粒微細化化合物とを含む。
【0007】
[0007]更なる実施形態では、少なくとも1つの金属配線の第1の金属は銅である。更なる実施形態では、拡散層の第2の金属は、銀、金、白金、パラジウム、及びゲルマニウムからなる群から選択される。また更なる実施形態では、結晶粒微細化化合物は、グリオキシル酸又はエチレンジアミン四酢酸を含む。また更なる実施形態では、結晶粒微細化化合物は、めっき浴中の濃度が約0.05M以下であることを特徴とする。更なる実施形態では、めっき浴は更に、イミダゾール又はスクシンイミド(コハク酸イミド)等の少なくとも1つの安定剤化合物を含む。また更なる実施形態では、拡散層は、無電解めっきにより金属配線の接触面にめっきされる。また更なる実施形態では、めっき浴は、拡散層のめっき中の温度が約25℃以下であることを特徴とする。
【0008】
[0008]本技術の実施形態はまた、パターン基板をめっきチャンバ内のめっき浴に接触させることを含むめっき方法を含み、パターン基板は、めっき浴に曝露される接触面を有する少なくとも1つの銅配線を含む。本方法は更に、銅配線の接触面に拡散層をめっきすることを含む。拡散層は銀でできている。めっき浴は、拡散層のめっき中の温度が約25℃以下であることを特徴とする。
【0009】
[0009]更なる実施形態では、めっき浴は、銀イオンの濃度が約0.01M以下であることを特徴とする。更なる実施形態では、拡散層は、銅配線の接触面に約1nm/分以下の速度でめっきされる。また更なる実施形態では、拡散層は厚さが約10nm以下であることを特徴とし、拡散層にはピンホール欠陥がない。また更なる実施形態では、めっき浴は更に、グリオキシル酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選択される結晶粒微細化化合物を含む。更なる実施形態では、めっき浴は、イミダゾール又はスクシンイミド等の少なくとも1つの安定剤化合物を含む。
【0010】
[0010]本技術の実施形態は更に、集積回路デバイスを含む。本デバイスは、パターニングされた構造に形成された少なくとも1つの銅カラムを含む。デバイスはまた、銅カラムの上面と接触している金属拡散層を含む。金属拡散層は、厚さが約10nm以下であることを特徴とし、ピンホール欠陥がない。
【0011】
[0011]更なる実施形態では、集積回路デバイスの金属拡散層は、銀、金、白金、パラジウム、及びゲルマニウムからなる群から選択される金属を含み得る。更なる実施形態では、銅カラムは、ナノ双晶構造を特徴とする銅を含む。また更なる実施形態では、金属拡散層は、平均表面粗さが約0.5nm以下であることを特徴とする。また更なる実施形態では、銅カラムの上面は、上面の中央部と周辺部との間の高さの差が約1nm以下である平坦な形状を特徴とする。更なる実施形態では、パターン基板はシリコンを含み得る。
【0012】
[0012]本技術の実施形態は、金属配線の接触面に拡散層を形成することを可能にする。拡散層は、配線の対向部分を単一の金属間配線に接合する結合工程中に、接触面全体にわたる銅の拡散を増加させる。実施形態では、拡散層は、配線の対向部分の一方又は両方の接触面に無電解めっきされる金属の薄層である。拡散層中の金属は、拡散層を用いない結合工程で必要とされるよりも低い温度、接触圧力、短い時間で、接触面全体にわたる配線中の金属の拡散を促進する。これら及び他の実施形態を、それらの多くの利点及び特徴とともに、以下の説明及び添付の図面と併せてより詳細に説明する。
【0013】
[0013]明細書の残りの部分及び図面を参照することによって、開示された実施形態の性質及び利点を更に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本技術の幾つかの実施形態に係るめっきシステムを示す概略斜視図である。
【
図2】本技術の幾つかの実施形態に係るめっきシステムを示す部分断面図である。
【
図3】本技術の実施形態に係る、配線の接触面に拡散層をめっきする方法における例示的な工程を示す図である。
【
図4A-4B】本技術の実施形態に係る、配線の接触面に拡散層のめっきが施されたパターン基板を示す概略断面図である。
【
図5A-5B】本技術の実施形態に係る、金属間配線結合によって接合されるパターン基板を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0019]図の幾つかは概略図として含まれている。図は説明のためのものであり、縮尺が明記されていない限り縮尺通りとみなすべきではないことを理解されたい。更に、概略図としての図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較して、全ての態様又は情報を含まない場合があり、説明のために誇張された材料を含む場合がある。
【0016】
[0020]図において、同様の構成要素及び/又は特徴には、同じ参照ラベルが付いている場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素及び/又は特徴を区別する文字を付けることで区別され得る。本明細書で第1の参照ラベルのみを使用した場合、その説明は、接尾辞の文字に関係なく、同じ第1の数値参照ラベルを有する類似の構成要素及び/又は特徴のいずれか1つに適用可能である。
【0017】
[0021]金属配線には、集積回路デバイスの半導体基板との間で電力及び信号を伝達する導電性の線、ピラー、及びカラムが含まれる。これらのデバイスの特徴の寸法が縮小し続けるにつれて、はんだバンプで配線を形成する従来のプロセスは、配線端の直接結合に取って代わられつつある。多くの場合、これは250℃を超える温度で銅製の配線接触面を直接結合することを含む。多くの種類の集積回路デバイスでは、このような銅間結合の温度は熱収支を超える可能性があり、配線形成中のデバイス損傷又は性能低下のリスクが高まる。
【0018】
[0022]熱収支を削減する1つのアプローチは、配線接触面の一方又は両方に拡散層を形成して、接触面全体にわたる配線金属の拡散速度を高めることである。配線金属が銅である場合、拡散層は、銀、金、白金、パラジウム、及び/又はゲルマニウム等のより高い還元電位を有する別の金属でできていてよい。拡散層は、接触面全体にわたる銅の拡散に対する活性化バリアを低下させ、拡散層を用いない従来の銅間配線結合よりも、より低い温度、圧力、及び短い時間で銅間結合を形成することを容易にする。
【0019】
[0023]接触面に形成される拡散層は、通常、接触面全体にわたる配線金属の迅速な移動を可能にする薄い層である。また、この層は平滑であり、対向する接触面間の接触表面積を減少させるピット、ヒロック、ピンホール等の空間欠陥がない。層はまた、隣接する配線間の不要な導電経路を避けるために、配線の表面上に局在化されている。
【0020】
[0024]残念ながら、拡散層を形成する従来の方法は、多くの時間のかかるパターニング、堆積、及び除去工程を伴う。このような従来の工程には、配線の接触面への拡散層のスパッタリング、物理気相堆積、原子層堆積が含まれる。通常、これらの工程には、配線の接触面を拡散層の堆積金属に曝露するマスク層をパターン基板に形成し、パターニングすることが含まれる。その後、堆積したままの金属をエッチングして接触面以外の領域から金属及びマスキング材料を除去し、研磨して接触面に形成された金属を平滑化及び薄膜化する。
【0021】
[0025]本技術は、複数のパターニング、堆積、及び除去の工程を、拡散層の無電解めっきに置き換える。無電解めっきプロセスの実施形態は、拡散層を形成する金属のイオンを含むめっき浴にパターン基板を接触させることを含む。金属イオンは、金属配線の露出した接触面で自然に還元して堆積金属となる。接触面に隣接する基板の表面では還元しないため、無電解堆積の前にマスク層を形成する必要がない。
【0022】
[0026]本技術は、堆積後のエッチング及び研磨を必要とせずに、薄く平滑な拡散層の形成を促進するめっき浴の化合物及び条件も含む。実施形態では、めっき浴は、配線の接触面全体にわたるめっき金属の移動を促進する結晶粒微細化化合物を含む。これにより、接触面にめっきされる金属の核形成部位間の領域にピンホール欠陥が形成されることが防止される。また、接触面上のめっき金属の高さを均一化し、平滑な拡散層上面を形成する。更なる実施形態では、堆積速度を低下させ、接触面上により均一に堆積金属が分布するように、拡散層のめっき中のめっき浴の温度を約25℃以下に設定する。堆積速度が低いにもかかわらず、薄い拡散層は約5分以下で接触面にめっきされ得る。
【0023】
[0027]
図1は、本技術の実施形態に係るめっき方法を実施可能なめっきシステム100を示す概略斜視図である。めっきシステム100は、電気めっき工程及び無電解めっき工程の両方を実施するように動作可能である。電気めっき工程では、めっきシステム100は、基板と接触する電気めっき浴中のイオンが還元して基板にめっきされ得るように、基板に電流を供給する。無電解めっき工程では、めっきシステム100は基板に電流を送らない。その代わりに、めっきは、イオンよりも低い標準電極電位(E°)を有する材料を含む基板の表面に接触したときのめっき浴中のイオンの自然な還元に依存する。めっきシステム100は、システムヘッド110及びボウル115を含む例示的なめっきシステムを示している。めっき工程中、ウエハは、めっき工程を実施するために、システムヘッド110にクランプされ、反転され、ボウル115内に延在され得る。めっきシステム100は、ヘッド110を上昇させ、かつ回転させるように構成され得る、又は傾斜工程を含む他の方法でシステム内にヘッドを配置するように構成され得るヘッドリフタ120を含んでいてよい。ヘッド及びボウルは、デッキプレート125、又は複数のめっきシステム100を組み込んだより大きいシステムの一部であってよく、電解液及び他の材料を共有し得る他の構造に取り付けられていてよい。ロータにより、異なる工程において、ヘッドにクランプされた基板をボウル内又はボウル外で回転させることができる。ロータは、基板との導電性接触を提供し得るコンタクトリングを含んでいてよい。更に以下に記載するシール130がヘッドに接続されていてよい。シール130は、処理されるチャックされたウエハを含み得る。
図1に、プラットフォーム上で直接洗浄される構成要素を含み得るめっきシステム100を示す。実施形態では、めっきシステム100は更に、構成要素洗浄のためのその場(insitu)リンスシステム135を含む。更なる実施形態(図示せず)では、めっきシステムは、ヘッドがシール又は他の構成要素洗浄が実施される追加モジュールに移動され得るプラットフォームを備えるように構成され得る。
【0024】
[0028]
図2は、本技術の幾つかの実施形態に係るめっき装置200を含むめっきチャンバを示す部分断面図である。めっき装置200は、上述したシステム100を含むめっきシステムに組み込むことができる。
図2に示すように、めっきシステムのめっき浴205が、ヘッドに結合された基板215を有するヘッド210と共に示される。図示の実施形態では、基板は、ヘッド210に組み込まれたシール212に結合される。リンスフレーム220は、めっき浴容器205の上方に結合されていてよく、めっき中にヘッド210を容器内に受け入れるように構成され得る。リンスフレーム220は、めっき浴容器205の上面の周りを周囲方向に延在するリム225を含み得る。リンスチャネル227が、リム225とめっき浴容器205の上面との間に画定され得る。例えば、リム225は、傾斜形状を特徴とする内部側壁230を含み得る。上述したように、基板から流出したリンス液は、側壁230に接触することができ、めっき装置200からリンス液を回収するために、リムの周りに延在するプレナム235に受容され得る。
【0025】
[0029]実施形態では、めっき装置200は、1又は複数の洗浄構成要素を更に含み得る。洗浄構成要素は、基板215又はヘッド210に流体を供給するため、又は基板215又はヘッド210に向かって流体を供給するために使用される1又は複数のノズルを含み得る。
図2に、リンス工程中に浴及び基板を保護するために改良されたリンスアセンブリが使用され得る様々な実施形態のうちの1つを示す。追加の実施形態では、サイドクリーンノズル250がリンスフレーム220のリム225を貫通して延在し、基板215の側面とともにリンスシール212に向けられ得る。
【0026】
[0030]上述したシステム及びチャンバの実施形態は、配線の接触面に拡散層を形成する本めっき方法の実施形態を実施するのに使用することができる。
図3に、本技術の実施形態に係る配線の接触面に拡散層をめっきする方法300における例示的な工程を示す。方法300はまた、フロントエンド処理、堆積、ゲート形成、エッチング、研磨、洗浄、又は記載された工程の前に実行され得る任意の他の工程を含む、本方法の開始前の1又は複数の工程を含み得る。本方法は、更に、本技術に係る方法の幾つかの実施形態に特に関連していてよい又は関連していなくてよい多数のオプションの工程を含み得る。例えば、工程の多くは、実行されるプロセスのより広い範囲を提供するために記載されるが、本技術にとっては重要ではない、又は以下に更に説明するように、代替の方法論によって実行され得る。方法300は、
図4A~
図4B及び
図5A~
図5Bに概略的に示す工程を説明するものであってよく、その図示は、方法300の工程と併せて説明される。図は部分的な概略図しか示しておらず、基板は、図示したように、様々な特性及び態様を有する任意の数の追加の材料及び特徴を含み得ることを理解されたい。方法300の実施形態は、集積回路デバイスを特定の製造工程に発展させるためのオプションの工程を含んでいてよい、又は含んでいなくてよい。
【0027】
[0031]方法300の実施形態は、工程305において、パターン基板400を提供することを含む。
図4Aに、例えば、シングルダイ又はマルチダイ(例えば、3D-IC)集積回路パッケージの中間パッケージング領域に含まれ得る、パターン基板400の一部を示す。パターン基板400の一部は、基板405にパターニングされた配線410a~cを含み得る。実施形態では、配線410a~cは、集積回路デバイス内の他の配線部分に配線を結合させるための接触面を形成する上面415a~cを含み得る。更なる実施形態では、配線410a~cは、集積回路デバイスの中間パッケージング領域における再配線の一部であってよい。更なる実施形態(図示せず)では、配線は基板を貫通して延び、パッド層等の下層の導電層で終端し得る。これらの実施形態では、基板の代わりに下層の導電層が配線の底面を形成する。これらの配線には、垂直方向に離間した平面の金属線と層を電気的に接続するカラム状ビア及びピラーが含まれ得る。
【0028】
[0032]実施形態では、配線410a~cは、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2μm以下、又は約1μm以下、又はそれ未満であるピッチを特徴とし得る。更なる実施形態では、配線410a~cは、約0.25:1以上、約0.5:1以上、約0.75:1以上、約1:1以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、約6:1以上、約7:1以上、約8:1以上、約9:1以上、約10:1以上、又はそれを超える高さ対幅の比(すなわち、アスペクト比)を特徴とし得る。
【0029】
[0033]実施形態では、配線410a~cは、他の導電性材料の中でも、銅、アルミニウム、又はタングステン等の導電性材料でできていてよい。更なる実施形態では、配線410a~cは、ナノ双晶配向を特徴とする銅(NTCu)を含み得る。また更なる実施形態では、配線410a~cの上面415a~cは、表面積の約50%以上、表面積の約55%以上、表面積の約60%以上、表面積の約65%以上、表面積の約70%以上、表面積の約75%以上、表面積の約80%以上、表面積の約85%以上、表面積の約90%以上、又はそれを超えるNTCuを含み得る。
【0030】
[0034]更なる実施形態では、配線410a~cの上面415a~cは、配線の形成後に研磨され得る、又は他の方法で処理され得る。研磨は、平均表面粗さを減少させ、上面415a~cから表面汚染物質を除去する。更なる実施形態では、上面415a~cの研磨は、表面の化学機械研磨(CMP)を含み得る。また更なる実施形態では、接触面を研磨することは、電解研磨媒体中で表面のギザギザ部分を酸化させる及び溶解することによって表面を電解研磨することを含み得る。更なる実施形態では、上面415a~cの研磨は、CMPと電解研磨との組み合わせを含み得る。また更なる実施形態では、研磨された上面415a~cは、堆積したままの上面の平均表面粗さを、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、又はそれを超えて減少させることができる。また更なる実施形態では、研磨された上面415a~cは、約10nm以下、約7.5nm以下、約5nm以下、約2.5nm以下、約1nm以下、又はそれ未満の平均表面粗さを有し得る。
【0031】
[0035]幾つかの実施形態では、研磨された上面415a~cは、上面の中央部と周辺部との間の高さの差が、約1nm以下、約0.5nm以下、約0.2nm以下、又はそれ未満である平坦な形状を有することを特徴とし得る。上面415a~cの平坦な形状は、2つの対向する接触面が配線結合工程で接合される際の接触表面積を増加させる。更なる実施形態では、研磨された上面415a~cは、上面の中央部と周辺部との間の高さの差が1nm以上、約2nm以上、約3nm以上、約4nm以上、約5nm以上、約7.5nm以上、約10nm以上、又はそれを超える凹形状を有することを特徴とし得る。このような凹形状は、多くの場合、研磨面の周辺部よりも中央部の方が高さが低い凹形の窪んだ面を残すCMP工程によって形成され得る。直接配線結合工程では、凹面の配線端部の中央に間隙が残ることがある。この間隙により、配線の対向する端部間の接触面積が小さくなり、配線構造を介した導電性が低下する可能性がある。本技術の実施形態では、研磨された上面415a~cよりも平坦な形状を有する新たな上面を形成する拡散層を上面415a~cに形成することにより、研磨工程によって残った間隙を低減又は除去することができる。
【0032】
[0036]方法300の実施形態は更に、工程310において、めっき浴を提供することを含む。めっき浴の化合物及び条件は、欠陥の量を抑えて配線410の上面415a~cに薄い拡散層をめっきするように選択される。めっき浴は、配線410の上面415a~cへの拡散層のめっきを促進するめっき化合物を含む。実施形態では、めっき浴は、拡散層を構成する材料のイオンを含む水溶液であってよい。更なる実施形態では、イオンは、配線410の上面415a~cに組み込まれた金属よりも高い電極還元電位(E°)を有する金属の金属イオンであってよい。上面415a~cに組み込まれた金属が銅を含む更に別の実施形態では、めっき浴中の金属イオンは、他の種類のイオンの中でも、銀イオン、金イオン、白金イオン、パラジウムイオン、及びゲルマニウムイオンから選択される1又は複数のイオンを含み得る。更なる実施形態では、イオンは、約0.01M以下、約0.009M以下、約0.008M以下、約0.007M以下、約0.006M以下、約0.005M以下、又はそれ未満のめっき浴中の濃度を有し得る。イオン濃度は、拡散層が厚くなりすぎる前に止めることができる、上面415a~c上の拡散層材料の低い堆積速度を維持するために、比較的希薄である。また、低い堆積速度により、めっき拡散層がめっき活性の高い領域(例えば、上面の核形成部位)からめっき活性の低い領域へ移動するための時間がより多く得られる。
【0033】
[0037]更なる実施形態では、めっき浴は、上面415a~cに形成された拡散層におけるピンホール欠陥の形成を低減する1又は複数の結晶粒微細化化合物を含み得る。結晶粒微細化化合物は、核形成領域等の上面415a~cの堆積量の多い領域から、核形成領域間の中間領域等の堆積量の少ない領域への拡散層中の還元材料の移動を促進する。実施形態では、結晶粒微細化化合物は、他の結晶粒微細化化合物の中でも、グリオキシル酸及びエチレンジアミン四酢酸を含む。更なる実施形態では、めっき浴中の結晶粒微細化化合物の濃度は、約0.1M以下、約0.09M以下、約0.08M以下、約0.07M以下、約0.06M以下、約0.05M以下、約0.04M以下、約0.03M以下、約0.02M以下、約0.01M以下、又はそれ未満であってよい。
【0034】
[0038]更に追加の実施形態では、めっき浴は、めっき浴中のイオンの、拡散層中の中性元素及び化合物への還元を促進する1又は複数の安定化化合物を含み得る。更なる実施形態では、安定化化合物は、他の安定化化合物の中でも、イミダゾール及びスクシンイミドを含み得る。また更なる実施形態では、めっき浴中の安定化化合物の濃度は、約0.1M以下、約0.09M以下、約0.08M以下、約0.07M以下、約0.06M以下、約0.05M以下、約0.04M以下、約0.03M以下、約0.02M以下、約0.01M以下、又はそれ未満であってよい。
【0035】
[0039]また更なる実施形態では、めっき浴は、配線410の上面415a~cへの拡散層のめっきを促進するために、1又は複数の追加化合物を含み得る。これらの追加化合物は、他の化合物の中でも、増粘剤、界面活性剤、促進剤、レベラー、抑制剤、pH調整剤、及び分極剤を含み得る。めっき浴中のこれらの追加化合物の独立濃度は、約0.1M以下、約0.09M以下、約0.08M以下、約0.07M以下、約0.06M以下、約0.05M以下、約0.04M以下、約0.03M以下、約0.02M以下、約0.01M以下、又はそれ未満であってよい。実施形態では、めっき浴は、すべてのめっき化合物の添加後は比較的希薄な水溶液であることを特徴とし、7又は7付近のpHを特徴とし得る。更なる実施形態では、めっき浴は、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、又はそれを超えるpHを特徴とし得る。更なる実施形態では、めっき浴は、約8以下、約7以下、約6以下のpHを特徴とし得る。
【0036】
[0040]また更なる実施形態では、めっき浴は、拡散層を形成するめっき工程中は、室温又は室温に近い温度又は室温未満の温度を特徴とし得る。低温は、配線410の上面415a~cに薄い拡散層を形成するための堆積速度を低下させる。堆積速度の低下により、拡散層が厚くなりすぎる前に停止しやすく、また、堆積金属がめっき活性の高い領域からめっき活性の低い領域へ移動するための時間がより多く得られる。実施形態では、めっき浴は、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下、約15℃以下、約10℃以下、約5℃以下又はそれ未満の温度を特徴とし得る。
【0037】
[0041]方法300の実施形態はまた更に、工程315において、パターン基板400をめっき浴と接触させることを含む。実施形態では、接触は、パターン基板400がめっきシステム100のめっき浴のボウルに配置されたときに起こり得る。更なる実施形態では、めっき浴は、パターン基板400との接触中は、非撹拌状態であってよい。更なる実施形態では、めっき浴及びパターン基板400の一方又は両方は、接触及び拡散層の形成中は、攪拌状態又は乱流状態であってよい。更なる実施形態では、めっき浴を撹拌することは、拡散層材料のイオンを含む反応性種の均一な補給を堆積面で開始及び維持するのに役立つ。更なる実施形態では、攪拌は、基板をめっき浴に浸漬することと比較して、めっき浴を基板表面上及び基板全体にわたって噴霧することによって達成され得る。また更なる実施形態では、めっき浴と接触している間にパターン基板を回転させることによって、撹拌及びその後の物質移動を向上させることができる。別の実施形態では、めっき浴の撹拌は、めっき浴に浸漬され、パターン基板に近接しながら往復方向に移動するパドル等の撹拌装置によって補助され得る。別の実施形態では、列挙した技術の2つ以上の組合せを使用して、めっき浴を撹拌し、堆積拡散層の物質移動及び均一性を更に向上させることができる。更なる実施形態では、めっき浴とパターン基板400とは、拡散層のめっき工程が持続する間、連続的に接触したままであってよい。実施形態では、めっき浴及びパターン基板400は、約10分以下、約9分以下、約8分以下、約7分以下、約6分以下、約5分以下、約4分以下、約3分以下、約2分以下、約1分以下、又はそれ未満の間、接触したままであってよい。
【0038】
[0042]方法300の実施形態は、工程320において、配線の接触面に拡散層をめっきすることもまた含み得る。めっき工程は、拡散層のめっき中にパターン基板400に電力が印加されない無電解めっき工程であってよい。めっき浴中の金属イオンは、めっき浴中の金属イオンと配線の上面に組み込まれた還元金属との標準電極電位差に起因して、配線の上面に自然にめっきされる。幾つかの実施形態では、めっきを活性化するため、又は拡散層のめっき速度を上げるために、めっき工程320の一部において電力を印加することができる。これらの実施形態では、印加される電力は、約0.5mA/cm2以下、約0.25mA/cm2以下、約0.1mA/cm2以下、又はそれ未満の平均電流密度を特徴とし得る。
【0039】
[0043]
図4Bに示す実施形態では、非連続拡散層420a~cが、配線410a~cの上面415a~cに形成される。実施形態では、拡散層420a~cは、配線の上面415a~cに組み込まれた異なる金属の拡散速度を高める金属の薄い層である。更なる実施形態では、拡散層420a~cは、配線410a~cの上面415a~cの金属とは異なる金属を含み得る。また更なる実施形態では、拡散層は、上面の金属の標準電極電位よりも高い標準電極電位(E°)(すなわち、還元電位)を特徴とする金属を含み得る。また更なる実施形態では、上面415a~cの金属が銅である場合、拡散層420a~cは、銀、金、白金、パラジウム、及びゲルマニウムから選択される少なくとも1つの金属を含み得る。更なる実施形態では、拡散層420a~cは、約10nm以下、約9nm以下、約8nm以下、約7nm以下、約6nm以下、約5nm以下、約4nm以下、約3nm以下、約2nm以下、又はそれ未満の厚さを特徴とし得る。拡散層が薄いほど、接触面全体にわたる配線金属のより迅速な移動が可能になり、対向する接触面との金属間結合が形成される。
【0040】
[0044]実施形態では、薄い拡散層420a~cは、少数のピンホール欠陥を特徴とし得る。更なる実施形態では、拡散層420a~cの各部分は、約5個以下のピンホール欠陥、約4個以下のピンホール欠陥、約3個以下のピンホール欠陥、約2個以下のピンホール欠陥、約1個以下のピンホール欠陥を含み得る、又はピンホール欠陥を含まない場合がある。上述のように、めっき浴の組成及び条件は、ピンホール欠陥を含む空間欠陥の数が減少した薄い拡散層の形成を可能にする。これらには、堆積する拡散層金属がめっき速度の高い領域からめっき速度の低い領域へ移動するのを促進する1又は複数の結晶粒微細化化合物を含むめっき浴の実施形態が含まれる。これらにはまた、拡散層材料の堆積速度を低下させるために、めっき浴中の金属イオン濃度及びめっき浴温度を低下させる実施形態も含まれる。更なる実施形態では、拡散層材料の堆積速度は、約5nm/分以下、約4nm/分以下、約3nm/分以下、約2nm/分以下、約1nm/分以下、又はそれ未満であってよい。
【0041】
[0045]更なる実施形態では、拡散層420a~cは、平滑且つ平坦であることを特徴とする配線の新たな上部接触面を形成し得る。更なる実施形態では、新たな上部接触面は、追加のエッチング及び研磨工程を必要とせずに、堆積されたままのこれらの平滑且つ平坦な特性を有し得る。実施形態では、拡散層の上部接触面は、約0.5nm以下、約0.4nm以下、約0.3nm以下、約0.2nm以下、約0.1nm以下、又はそれ未満の平均表面粗さを特徴とし得る。更なる実施形態では、拡散層の上部接触面は、上部接触面の中央部と周辺部との間の高さの差が、約2.5nm以下、約2nm以下、約1.5nm以下、約1nm以下、約0.5nm以下、又はそれ未満である平坦な形状を特徴とし得る。
【0042】
[0046]更なる実施形態では、拡散層は、金属配線における対向する接触面間の金属間結合に多くの強化作用をもたらす。これらの強化作用には、配線における金属間結合を形成するために、接触面の接合面全体にわたる配線金属の拡散率の増加が含まれる。実施形態では、拡散層は、接触面における配線金属の金属拡散率を約10%以上、約25%以上、約50%以上、約75%以上、約100%以上、又はそれを超えて増加させる。配線金属が銅でできており、拡散層が銀でできている実施形態では、200℃における銅の表面拡散率は、約5×10-6cm2/s以上、約7.5×10-6cm2/s以上、約1×10-5cm2/s以上、約2.5×10-5cm2/s以上、約5×10-5cm2/s以上、約7.5×10-5cm2/s以上、約1×10-4cm2/s以上、又はそれを超える値であることを特徴とし得る。
【0043】
[0047]方法300の実施形態はまた更に、工程325において、拡散層を含むパターン基板を用いて金属配線を形成することを含む。
図5Aに示す実施形態では、誘電体材料内にパターニングされた第1の金属配線510a~cを含む第1のパターン基板502が、誘電体材料内にパターニングされた第2の金属配線512a~cを有する第2のパターン基板504と結合されるように配置される。図示の実施形態では、第1の金属配線510a~cの接触面515a~cは、拡散層なしで配線を行う金属を含む。一方、拡散層525a~cは、第2の金属配線512a~cの上部接触面に形成され、配線のための接触面となる。
【0044】
[0048]実施形態では、工程325は、第1及び第2の金属配線の対向する接触面を整列させ、配線の結合を促進する温度及び圧力条件下でそれらを接触させることを含み得る。拡散層525a~cは、接触面の接合面全体にわたる配線金属の拡散率を増加させることにより、この結合を促進する。拡散率の増加により、安定した結合配線を形成するのに必要な結合温度及び圧力が低下する。実施形態では、結合工程は、ピーク結合温度が約200℃以下、約190℃以下、約180℃以下、約170℃以下、約160℃以下、約150℃以下、約140℃以下、約130℃以下、約120℃以下、又はそれ未満であることを特徴とし得る。更なる実施形態では、結合工程は、ピーク結合圧力が約15MPa以下、約14MPa以下、約13MPa以下、約12MPa以下、約11MPa以下、約10MPa以下、又はそれ未満であることを特徴とし得る。また更なる実施形態では、結合工程は、結合時間が約120秒以下、約100秒以下、約90秒以下、約75秒以下、約60秒以下、約45秒以下、約30秒以下、又はそれ未満であることを特徴とし得る。
【0045】
[0049]
図5Bに示すように、結合したパターン基板550は、以前の拡散層525a~cの金属が配線の金属と相互混合した合金化領域575a~cを含む結合配線560a~cを含み得る。実施形態では、これらの合金化領域575a~cは、以前の拡散層525a~cよりもはっきり画定されていない境界を特徴としていてよく、拡散層よりも大きい厚さにわたって広がっていてよい。更なる実施形態では、接合された接触面は、結合工程後に識別可能な継ぎ目を残さないことがある。また更なる実施形態では、結合された接触面は、約1GJ/m
2以上、約2GJ/m
2以上、約3GJ/m
2以上、約4GJ/m
2以上、約5GJ/m
2以上、又はそれを超える接着エネルギーを特徴とし得る。また更なる実施形態では、合金化領域575a~cは、バルク配線と同等の導電特性を有し、配線の抵抗を増加させない。
【0046】
[0050]実施形態では、結合したパターン基板550は、多くの種類の集積回路デバイスの一部であり得る。これらのデバイスには、回路基板を通して電子的に配線されるシングルチップ(すなわち、ダイ)パッケージ、及び単一パッケージ内に積層される、あるいは他の方法で配列されるマルチチップが含まれる。実施形態では、マルチダイパッケージは、他の機能の中でも、メモリ、ロジック、マイクロ電気機械システム(MEMS)、及びセンサ用のダイを含んでいてよく、システムオンチップ(SoC)及びシステムインパッケージ(SiP)パッケージを含み得る。このようなマルチチップパッケージでは、小型化が進むチップが増えるにつれて、チップ間の電気配線密度(配線密度)が高くなる。そのため、このような配線のサイズは縮小している。これらのサイズは、一般に、隣接する半導体ダイ上の入出力パッド間の配線を行う導電性ライン又はビアのピッチとして測定され、数百μmから10μm以下に縮小している。結合したパターン基板550等の本技術の実施形態は、配線寸法の縮小に対応することができる。
【0047】
[0051]本技術の実施形態は、ICデバイス用の他の種類の金属含有IC構造の中でも、高密度配線ライン、ビア、及びピラーを含む様々な集積回路構造のための拡散層を含む接触面を提供する。本実施形態は、配線の接触面に拡散層を組み込むことにより、低い結合温度、圧力、及び時間で金属配線を形成する問題に対処する。拡散層は、より穏やかな結合条件で強力な金属間配線結合を形成するために、配線の接触面全体にわたる配線金属の拡散率を高める1又は複数の金属を含む。本技術のこれら及び他の実施形態は、拡散層のない従来の接触面よりも結合効果が改善された金属間接触面を提供する。
【0048】
[0052]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、特定の実施形態が、これらの詳細の一部を伴わずに、又は追加の詳細を伴って実施され得ることが明らかであろう。例えば、記載された湿潤技術から利益を得ることができる他の基板も、本技術と共に使用することができる。
【0049】
[0053]幾つかの実施形態を開示したが、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造、及び同等物を使用できることが当業者によって認識されるであろう。更に、本技術を不必要に曖昧にすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素は説明していない。したがって、上記の記述は、本技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0050】
[0054]値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の最小部分までの各介在値もまた、具体的に開示されることを理解されたい。いずれかの記載された値又は記載された範囲の記載されていない介在値と、その記載された範囲の他のいずれかの記載された値又は介在値との間のいかなるより狭い範囲も含まれる。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれる又は除外される場合があり、より小さい範囲に一方、又は両方の限界値が含まれる、又はどちらも含まれない各範囲も、記載された範囲におけるいずれかの具体的に除外された限界値に従って、本技術内に含まれる。記載された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、それら含まれる限界値の一方又は両方を除外する範囲も含まれる。複数の値がリストで提供される場合、それらの値のいずれかを包含する、又はそれらに基づくいかなる範囲も同様に具体的に開示される。
【0051】
[0055]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の参照を含む。したがって、例えば、「1つの材料(a material)」への言及は、複数のそのような材料を含み、「期間(the period of time)」への言及は、当業者に周知の1又は複数の期間及びその同等物への言及等を含む。
【0052】
[0056]また、本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用する場合、「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、及び「含む(including)」という用語は、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を指定するものであるが、1又は複数の他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】