(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】インシトゥ光リフレクトメトリを使用する透過補正プラズマ発光
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240920BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
H01L21/66 L
H01L21/302 103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516856
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022043518
(87)【国際公開番号】W WO2023043831
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】テ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ズー ザオザオ
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン ブレイク ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ザン チュンレイ
【テーマコード(参考)】
4M106
5F004
【Fターム(参考)】
4M106BA04
4M106CA21
4M106DH12
4M106DH31
4M106DH55
4M106DH57
4M106DJ19
5F004AA16
5F004BB02
5F004BD03
5F004BD04
5F004CB02
5F004CB17
(57)【要約】
開示される実施態様は、光源、光センサ、および処理デバイスを含むシステムを説明する。光源は、第1の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導く。光源は、第2の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導くことを中止する。光センサは、第1の時間の間に、第1の光の第1の強度を検出する。第1の光は、窓から反射されたプローブ光の一部、および処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含む。光センサは、第2の時間の間に、第2の光の第2の強度を検出する。第2の光は、処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含む。処理デバイスは、第1の強度および第2の強度を使用して窓の透過係数を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源であって、
第1の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導くこと、および
第2の時間の間、前記窓を通して前記処理チャンバ内に前記プローブ光を導くことを中止すること
を行うように構成された光源と、
光センサであって、
前記第1の時間の間に、第1の光の第1の強度を検出することであり、前記第1の光が、前記窓から反射された前記プローブ光の一部、および前記処理チャンバの環境から前記窓を通して透過された光を含む、検出すること、ならびに
前記第2の時間の間に、第2の光の第2の強度を検出することであり、前記第2の光が、前記処理チャンバの前記環境から前記窓を通して透過された前記光を含む、検出すること
を行うように構成された光センサと、
前記光センサに通信可能に結合された処理デバイスであり、前記処理デバイスが、
前記第1の強度および前記第2の強度を使用して、前記窓の透過係数を決定する
ように構成される、処理デバイスと
を含む、システム。
【請求項2】
前記窓の前記透過係数を決定するために、前記処理デバイスが、前記第1の強度と前記第2の強度との間の差を決定するものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理デバイスが、前記第2の強度と前記窓の前記透過係数とを使用して、前記処理チャンバの前記環境から前記窓に入射する光の強度を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理チャンバの前記環境が、前記処理チャンバ内で実行される処理動作中に生成され、前記処理デバイスが、
前記処理動作によって引き起こされる前記透過係数の変化を前記窓の基準透過係数から決定する
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光源からの前記プローブ光を前記窓に送り出すための光結合デバイスをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光結合デバイスが、さらに、前記窓からの前記第1の光を前記光センサに送り出すものである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理チャンバの前記環境が、プラズマを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記環境から透過される前記光を前記窓の表面に垂直に導くためのコリメータをさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記プローブ光が、前記窓の表面に実質的に垂直に前記窓に入射する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プローブ光の強度が、所定の基準強度値に対して較正される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記プローブ光が広帯域光である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
処理チャンバであって、
窓、および
前記処理チャンバの環境内のプラズマガス
を含む、処理チャンバと、
光センサであって、
第1の光の第1の強度を検出することであり、前記第1の光が、i)前記窓から反射されたプローブ光の一部、およびii)前記処理チャンバの前記環境から前記窓を通して透過された光を含む、検出すること、ならびに
第2の光の第2の強度を検出することであり、前記第2の光が、前記処理チャンバの前記環境から前記窓を通して透過された前記光を含む、検出すること
を行うように構成された光センサと、
前記光センサに通信可能に結合された処理デバイスであり、前記処理デバイスが、
前記第1の強度および前記第2の強度を使用して前記窓の透過係数を決定する
ように構成される、処理デバイスと
を含む、システム。
【請求項13】
第1の時間の間、前記窓を通して前記処理チャンバ内にプローブ光を導くことと、
第2の時間の間、前記窓を通して前記処理チャンバ内に前記プローブ光を導くことを中止することであって、前記第1の光の前記第1の強度が前記第1の時間の間に検出され、前記第2の光の前記第2の強度が前記第2の時間の間に検出される、中止することと
を行うように構成された光源をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理デバイスが、前記第2の強度と前記窓の前記透過係数とを使用して、前記処理チャンバの前記環境から前記窓に入射する光の強度を決定するようにさらに構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プローブ光の強度が、所定の基準強度値に対して較正される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
第1の光の第1の強度を検出することであって、前記第1の光が、i)処理チャンバの窓から反射されたプローブ光の一部、およびii)前記処理チャンバの環境から前記窓を通して透過された光を含む、検出することと、
第2の光の第2の強度を検出することであって、前記第2の光が、前記処理チャンバの前記環境から前記窓を通して透過された前記光を含む、検出することと、
前記第1の強度および前記第2の強度を使用して前記窓の透過係数を決定することと
を含む、方法。
【請求項17】
第1の時間の間、前記窓を通して前記処理チャンバ内に前記プローブ光を導くことと、
第2の時間の間、前記窓を通して前記処理チャンバ内に前記プローブ光を導くことを中止することであって、前記第1の光の前記第1の強度が前記第1の時間の間に検出され、前記第2の光の前記第2の強度が前記第2の時間の間に検出される、中止することと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記窓の前記透過係数を決定することが、前記第1の強度と前記第2の強度との間の差を決定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の強度と前記窓の前記透過係数とを使用して、前記処理チャンバの前記環境から前記窓に入射する光の強度を決定することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブ光が、前記窓の表面に実質的に垂直に前記窓に入射し、前記環境から透過される前記光が、前記窓の前記表面に垂直に前記窓に入射するようにコリメータによって導かれる、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
複数の周波数の各々に対して前記第1の光の前記第1の強度を検出することと、
前記複数の周波数の各々に対して前記第2の光の前記第2の強度を検出することと、
それぞれの周波数に対して検出された前記第1の強度および前記第2の強度を使用して、前記複数の周波数の各々に対する前記窓の前記透過係数を決定することと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板製造システムにおける試料の処理に関し、より具体的には、処理装置のチャンバ内に窓を通して実行される光学測定の正確さに関する。
【背景技術】
【0002】
製造中、ウエハ、基板、および様々な他の試料は、エッチングプロセス中のプラズマ環境などの特殊な環境で処理を受けることがある。プラズマは、例えば処理装置の壁の窓を通して観察することができる光を発することができる。観察光は、プラズマ環境およびそこで実行される技術的プロセスをモニタするために、発光分光法(OES)のような光学的方法を使用して測定することができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の実施形態のうちのいくつかは、光源、光センサ、および処理デバイスを含むシステムを包含する。光源は、第1の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導き、第2の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導くことを中止するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光源は、別々の収集ステップ中に有効または無効にされ得る。光センサは、第1の時間の間に、第1の光の第1の強度を検出し、第2の時間の間に、第2の光の第2の強度を検出するように構成され得る。第1の光は、窓から反射されたプローブ光の一部、および処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含むことができ、一方、第2の光は、処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含むことができる。処理デバイスは、光センサに通信可能に結合され、第1の強度および第2の強度を使用して窓の透過係数を決定するように構成され得る。処理デバイスは、第2の強度と窓の透過係数とを使用して、処理チャンバの環境から窓に入射する光の強度を決定するようにさらに構成され得る。
【0004】
本明細書に記載の追加のまたは関連する実施形態は、処理チャンバ、光センサ、および処理デバイスを含むシステムを包含する。処理チャンバは、窓と、処理チャンバの環境内のプラズマガスとを含むことができる。光センサは、i)窓から反射されたプローブ光の一部、およびii)処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含む第1の光の第1の強度を検出することができる。光センサは、処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含む第2の光の第2の強度を検出するようにさらに構成され得る。処理デバイスは、光センサに通信可能に結合され得る。処理デバイスは、第1の強度および第2の強度を使用して窓の透過係数を決定するように構成され得る。
【0005】
追加のまたは関連する実施形態において、処理デバイスは、第1の強度と第2の強度との間の差を決定することによって窓の透過係数および/または反射係数を決定することができる。例えば、光源の強度を基準強度に対して較正することができ、(第1の強度と第2の強度との間の)差と基準強度との比を処理デバイスで使用して、窓の反射係数を決定することができる。いくつかの実施形態では、基準強度は、所定の基準強度値とすることができる。その後、処理デバイスは、窓の透過係数を決定することができる。
【0006】
さらなる実施形態では、処理デバイスは、第2の強度と窓の透過係数とを使用して、処理チャンバの環境から窓に入射する光の強度を決定することができる。特に、処理デバイスが透過係数を決定した後、窓に入射する光の強度は、第2の強度と透過係数との間の比として決定することができる。処理チャンバの環境は、処理チャンバ内で実行される処理動作中に生成され得、処理デバイスは、処理動作によって引き起こされる透過係数の変化を窓の基準透過係数から決定し得る。基準透過係数は、窓の基準透過係数が、窓が新しく、いかなる処理動作にもまださらされていない段階で、決定され得ることを除いて、透過係数を決定するために上述したものと同様の方法で決定され得る。いくつかの実施形態では、処理チャンバの環境は、プラズマを含む。
【0007】
追加のまたは関連する実施形態において、システムは、光源からのプローブ光を窓に送り出すための光結合デバイスをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、光結合デバイスは、さらに、窓からの第1の光を光センサに送り出すことができる。プローブ光は、窓の表面にほぼ垂直な角度で窓に入射することができる。いくつかの実施形態では、システムは、環境から生成された光を、窓の表面にほぼ垂直に入射することができるように導くためのコリメータをさらに含むことができる。1つの実施形態では、プローブ光は、広帯域光とすることができ、光源、光センサ、および光センサに通信可能に結合された処理デバイスを含むことができる。光源は、第1の時間の間、処理チャンバの窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導くことができ、第2の時間の間、窓を通して処理チャンバ内にプローブ光を導くことを中止することができる。第1の時間の間に、光センサは、第1の光の第1の強度を検出することができる。第1の光は、窓から反射されたプローブ光の一部、および処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含むことができる。第2の時間の間に、光センサは、第2の光の第2の強度を検出することができる。第2の光は、処理チャンバの環境から窓を通して透過された光を含むことができる。
【0008】
多数の他の特徴が、本開示のこれらおよび他の態様に従って提供される。本開示の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付図面からより完全に明らかになるであろう。
【0009】
本開示は、限定としてではなく例として、同様の参照指示が同様の要素を示す添付図面の図に示される。本開示における「一(an)」または「1つの(one)」実施形態への異なる参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような参照は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による、例示の処理システムの上面概略図である。
【
図2】一実施形態による、光リフレクトメトリ補正のためのシステムの簡略化された側面図である。
【
図3A】一実施形態による、プラズマ発光信号(OES)の透過補正のための基準測定用の初期時におけるシステムの概略図である。
【
図3B】一実施形態による、プラズマOESの透過補正のためのシステムの概略図である。
【
図4】一実施形態による、光リフレクトメトリ測定を使用するプラズマOESの透過補正のための方法の流れ図である。いくつかの実施形態では、処理論理を使用して、この方法を実行することができる。
【
図5】本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示の処理デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
OESによって測定される強度、スペクトル、偏光、および他の情報は、製造システムの環境に関する貴重なデータを提供する。例えば、処理チャンバの窓を透過する光のスペクトル組成は、環境が適切な化学組成を有するかどうかを示すことができる。OESによって提供されるデータの正確さは、様々なパラメータのドリフト(変化)によって影響を受けることがあり、それにより、測定信号が畳み込まれることがある。例えば、測定信号は、短い時間スケールのパラメータドリフトと、長い時間スケールのパラメータドリフトとによって影響を受けることがある。短い時間スケールのパラメータドリフトは、製造プロセス中に処理チャンバ内で現在実行される処理動作によって引き起こされることがある。例えば、環境内に存在する様々な粒子が、窓の内面に蓄積し、窓の透明性に影響を及ぼすことがある。そのような変化は、波長依存であり得る。より長い時間スケールのパラメータドリフトは、多くの製造プロセスにわたって生じる処理チャンバの窓のより永続的な変化を含むことがある。そのような変化は、粒子衝突、異質堆積(extraneous deposition)、化学エッチングなどに起因する窓の内面の粗化を含み得る。両方のタイプのドリフトは、OES信号を畳み込み、光モニタリングの品質を低下させることがある。
【0012】
特に、処理機器が老朽化したとき、非効率および/または不正確がインシトゥ情報の不足のために生じることがある。例えば、処理チャンバ内のプロセスシフトが経時的に生じた後、不正確に測定された信号は、不正確な堆積量(例えば、堆積厚さ)、除去された材料(例えば、エッチングを介して)の不正確な量、堆積物の不正確な化学組成、などのような標準以下の製造出力(manufacturing output)をもたらす可能性がある。他の処理非効率または不正確が、さらに、生じることもあり、以下でより詳細に論じられる。
【0013】
本明細書に記載の実施形態は、光リフレクトメトリおよび分光測定を使用するプラズマOESの透過補正のためのシステムおよび方法に関する。光リフレクトメトリ測定システムは、インシトゥで使用されてもよく、光学壁プロセスセンサ(OWPS)を使用してもよく、単一のハードウェアパッケージに組み合わされてもよい。光リフレクトメトリ測定は、条件および/またはプロセス状態が時間とともに変化する可能性がある処理チャンバ内に配置された対象物に対して実行することができる。一般に、光リフレクトメトリは、処理チャンバ内の環境の条件、および処理チャンバへの窓の条件に敏感であることがある。両方のタイプの条件は、堆積、エッチング(材料除去)、研磨などのようなプロセス動作によって影響されることがある。光リフレクトメトリ測定は、ガラス、サファイア、石英、および他の適切な材料で製作することができる、処理チャンバの透明窓を通して実行することができる。透明窓の透過および反射特性は、経時的に影響を受ける(例えば、劣化する)ことがある。
【0014】
プロセス動作中、処理チャンバの/内の特性、またはその中にホストされた環境は変わることがある。例えば、処理チャンバは、プラズマまたは化学ガスを含むことがあり、それらの物理的および/または化学的特性は、チャンバ内で実行されるウエハ、基板、または試料の1つまたは複数の製造プロセス中に、受動的に変化することがあり、または能動的に変更されることがある。これらは、短い時間スケールのドリフトと考えることができる。
【0015】
そのようなドリフトは、プラズマOESに影響を及ぼすことがあり、正確に測定されなければ、処理された基板の性能および歩留りに影響を及ぼすことがある。プラズマスペクトルと光の透過性との両方は、処理された基板の数に応じてドリフトする可能性がある。測定されるOES信号は、これらの影響の畳み込みである。ドリフトの根本的な原因を理解することは、この畳み込みのために困難である場合がある。これらのドリフトは、処理チャンバの窓の内面の粗さ、処理チャンバの環境、などのような様々な条件に影響を及ぼすことがあるので、条件ドリフトと呼ばれることがある。
【0016】
条件ドリフト(パラメータドリフト)問題の従来の解決策は、ドリフトが発生した後の光学測定の正確さに対するドリフトの影響に対処するのではなく、ドリフトをもたらす条件を最小化しようとする。しかしながら、条件ドリフトを低減できるとしても、完全には除去されない可能性があり、したがって、条件ドリフトの存在にもかかわらず正確である測定技法が必要である。従来、光センサは、処理チャンバ内から透過される光を測定する。窓を通して光センサに渡される光は、処理チャンバ内の環境(プラズマ、化学ガス、などを含むことがある)を通って、ならびに窓自体を通って進む。光が環境を通過するとき、その強度は、散乱、吸収、追加のプラズマ発光、などのために変化する。光が窓に達すると、光の一部は反射され、光の一部は窓を透過する(例えば、通過する)。したがって、光センサによって感知または測定される光の強度は、プラズマの特性と窓の特性の両方に依存する。劣化または粗化などの窓の表面特性は、透過する光の強度の一部に影響を及ぼす。そのため、プラズマの影響(短い時間スケールの条件ドリフト)、および窓の表面特性の影響(長い時間スケールの条件ドリフト)は、区別することが困難であり得る。
【0017】
本開示の態様および実施態様は、検出された光信号を、窓の特性の光リフレクトメトリ測定を使用して補正することを可能にするシステムおよび方法を含む。信号の補正には、信号のドリフトの原因を理解することが必要とされる。開示するシステムおよび方法は、プラズマ環境の変化によって引き起こされる信号ドリフトを、窓の特性のアーチファクト変化から逆畳み込みすることを可能にする。
【0018】
本開示の態様および実施態様は、より具体的には、測定された光リフレクトメトリ信号における遅くて長い時間スケールのパラメータドリフトの寄与を逆畳み込みすることを可能にする。光センサは、窓をもつ処理チャンバの外に配置することができる。2つの測定、すなわち、「オン」測定および「オフ」測定を光センサで行うことができる。「オン」測定の間、光源は、較正された基準強度をもつプローブ光を、処理チャンバの窓を通して処理チャンバ内に導くことができる。プローブ光の一部は、窓を通して処理チャンバ内に透過することができるが、プローブ光の別の部分は、窓から反射され得る。処理チャンバの外に配置された光センサは、反射強度を測定する。加えて、光は、処理チャンバ内のプラズマガスから窓を通して透過することができる。それゆえに、「オン」測定中に、光センサは、プローブ光の反射部分の強度とプラズマガスに由来する透過された光の強度の合計に対応する「オン」強度を測定する。
【0019】
他方、「オフ」測定の間、光源は、オフにすることができ、光センサは、プラズマガスに由来する透過された光を直接検出する。プラズマガスに由来する透過された光の強度は、処理チャンバから窓に入射する光の強度に窓の透過係数として依存する。
【0020】
「オン」測定と「オフ」測定の両方を使用することによって、測定されたOES信号への窓条件の寄与とプラズマガス条件の寄与とを分離することができる。特に、「オン」測定の測定強度から「オフ」測定の測定強度を減じることによって、窓の透過係数を抽出することができる。次いで、窓の透過係数を、「オフ」測定の測定強度と併せて使用して、処理チャンバの内部から窓に入射する光の強度を決定することができる。
【0021】
加えて、同じ測定が、処理チャンバの寿命中の様々な時点に実行されてもよい。経時的な透過係数の変化を追跡することは、チャンバ内で行われる短スケールの処理によって引き起こされる窓特性の変化を、多数の処理動作によって引き起こされる長スケールの窓劣化から分離することを可能にすることができる。
【0022】
図1は、本開示の1つの態様による、例示の処理システム100の上面概略図である。処理システム100は、移送チャンバロボット101およびファクトリインターフェースロボット121を含み、各々は、
図1に示された処理システム100などの電子デバイス処理システムにおいて、基板110(時には「ウエハ」、「半導体ウエハ」、または試料と呼ばれる)を目的地からまたは目的地にピックアンドプレイスするように適合される。しかしながら、任意のタイプの電子デバイス基板、マスク、または他のシリカ含有基板(一般に、本明細書では「基板」と呼ばれる)が、開示されるロボットによって搬送および移送され得る。例えば、基板110の目的地は、1つまたは複数の処理チャンバ103、および/または移送チャンバ114のまわりに分散され、移送チャンバ114に結合され得るロードロック装置107A、107Bのうちの1つまたは複数であり得る。図示のように、基板移送は、例えば、スリットバルブ111を介するものであってもよい。
【0023】
処理システム100は、移送チャンバ114および少なくとも2つの処理チャンバ103を含むメインフレーム102をさらに含むことができる。メインフレーム102のハウジングは、その中に移送チャンバ114を含む。移送チャンバ114は、上壁(図示せず)、底壁(床)139、および側壁を含むことができ、いくつかの実施形態では、例えば、真空に維持され得る。図示の実施形態では、移送チャンバロボット101は、底壁(床)139に装着されている。しかしながら、移送チャンバロボット101は、上壁などの他のところに装着されてもよい。
【0024】
様々な実施形態において、処理チャンバ103は、基板110に任意の数のプロセスを実行するように適合され得る。プロセスは、堆積、酸化、硝化、エッチング、研磨、洗浄、リソグラフィ、計測、などを含むことができる。他のプロセスを同様に実行することができる。ロードロック装置107A、107Bは、例えば、ファクトリインターフェース117のロードポートにドッキングされ得る基板キャリア119(例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP))から基板110を受け取ることができるファクトリインターフェース117または他のシステム構成要素とインターフェース接続するように適合され得る。ファクトリインターフェースロボット121(点線で示される)を使用して、基板キャリア119と各ロードロック装置107A、107Bとの間で基板110を移送することができる。基板110の移送は、任意の順序または方向で実行することができる。ファクトリインターフェースロボット121は、いくつかの実施形態では、移送チャンバロボット101と同一(または類似)であってもよいが、ファクトリインターフェースロボットがどちらの横方向にも、矢印123によって示されるように、横に移動できるようにする機構をさらに含んでもよい。任意の他の適切なロボットが、ファクトリインターフェースロボット121として使用されてもよい。
【0025】
実施形態において、任意のロボットの例示的な説明として、移送チャンバロボット101は、少なくとも1つのアーム113(例えば、ロボットアーム)と、アーム113に結合された少なくとも1つのエンドエフェクタ115とを含む。エンドエフェクタ115は、ロードロック装置107Aまたは107Bから基板110を取り上げ、基板110を処理チャンバ103のスリットバルブ111のうちの1つを通して案内し、基板110を処理チャンバ103の基板支持体上に正確に配置するように、移送チャンバロボット101によって制御可能である。
【0026】
様々な実施形態において、処理チャンバ103のうちの1つまたは複数は、窓120を含むことができ、その少なくとも一部は、処理チャンバ103の壁およびライナ124(例えば、内壁)に埋め込まれる。窓120は、透明なセラミック材料で製作され得る透明な結晶であってもよく、または、例えば、サファイア、ダイヤモンド、石英、または炭化ケイ素などの透明材料で製作されてもよい。窓120は、透過係数、反射係数、および吸収係数によって特徴づけることができ、それらは、まとめて、光学係数と呼ばれることがある。光学係数は、窓120の材料、窓120の表面特性、などのような要因に依存し得る。例えば、真新しい窓は、所与の透過係数(例えば、基準透過係数)を有することができるが、経時的に、窓が処理チャンバの様々な処理動作にさらされるにつれて、窓の透過係数は変更される可能性がある。例えば、透過係数は、様々な物理的および化学的薬剤の影響に起因して基準透過係数から変化することがあり、それは、OWPS上に蓄積されるコーティング層をもたらすことがあり、その後、センサ特性に影響を及ぼすことがある。加えて、実施形態によっては、窓120は、例えば、恒久的に、第1の膜で事前コーティングされてもよい。第1の膜は、窓120の内面に配置することができ、チャンバの化学的特性と整合する組成を有することができる。チャンバの動作中に、例えば、プロセス動作の実行中に、第2の膜が、堆積され、その後(例えば、徐々に)経時的に除去され得る。そのため、第2の膜の透過係数は時間の関数として変化する可能性があり、それは、処理チャンバの環境から透過される測定光強度を変化させ、測定プラズマスペクトルを変化させる。そのような実施態様では、
図3Aに関して以下で説明するように、基準測定は、第1の膜が窓120に堆積された(例えば、窓120の製造中に)後で、および窓が第2の膜でコーティングされる前に実行することができる。
【0027】
様々な実施形態において、処理チャンバ103の1つまたは複数の環境は、プラズマを含むことができる。プラズマは、処理チャンバの処理動作によって影響される可能性があり、それは、プラズマの光学特性の変化をもたらす可能性がある。プラズマの光学的変化は、処理チャンバの環境から窓120に入射する光の強度に影響を及ぼす可能性がある。窓120の光学特性ならびに処理チャンバ103の環境の変化は、光センサ125などの1つまたは複数の光センサで観察することができる。処理チャンバ103の環境は、処理チャンバ内で実行することができる処理動作中に生成され得る。処理動作は、窓120の透過係数を基準透過係数から変化させる1つの要因であり得る。記載のシステムおよび方法は、そのような影響の透過補正を可能にする。
【0028】
様々な実施形態において、処理システム100は、光源(
図1に図示せず)を含むことができる。光源は、プローブ光として使用することができる。プローブ光の強度を既知の所定の基準値に対して較正することができる。検出段階中に、光センサ125は、処理チャンバ環境から生じる光を検出する。試験段階中に、光源は、窓120を通して処理チャンバ103内にプローブ光を導くことができる。したがって、光センサ125は、処理チャンバ環境から来る光と、窓から反射されるプローブ光の一部との両方を収集することができる。他の実施形態では、プローブ光は、広帯域光とすることができる(例えば、波長のスペクトル範囲が中心波長に匹敵する、すなわち、δλ≒λである)。いくつかの実施形態では、光源は、規則的な間隔でオフオンするように構成されたパルス光源とすることができる。いくつかの実施形態では、光源は、命令に基づいて、オフオンするように制御することができる(例えば、コントローラデバイスによって)。
【0029】
いくつかの実施形態では、プローブ光、および/または光リフレクトメトリ測定に使用される光などの光は、
図2~
図4を参照してより詳細に論じられるように、コリメートされ、部分的に反射され、窓120を通して部分的に透過され得る。いくつかの実施形態では、処理システム100は、光結合デバイスをさらに含むことができる。光結合デバイスは、光センサ125または光源のうちの1つまたは複数に結合され得る。光結合デバイスは、反射光を、光センサ125に結合され得る光ファイバケーブルの開口部に集束させることができる。光結合デバイスは、光源からのプローブ光を窓に送り出すように構成され得る。光結合デバイスは、さらに、窓から反射された光(試験段階の間に)、および窓を通して透過された光(検出段階と試験段階の両方の間に)を、窓から光センサ125に送り出すように構成され得る。
【0030】
コントローラ109(例えば、ツールおよび機器コントローラ)は、処理システム100の様々な態様、例えば、処理チャンバ103内のガス圧力、個々のガス流、空間的流量比、様々なチャンバ部品の温度、および処理チャンバ103の無線周波数(RF)または電気状態を制御することができる。コントローラ109は、ファクトリインターフェースロボット121、移送チャンバロボット101、1つまたは複数のセンサ、および/または処理システム100の他の処理構成要素から信号を受け取り、それらにコマンドを送ることができる。したがって、コントローラ109は、処理の開始および停止を制御することができ、堆積速度、堆積組成のタイプまたは混合比、などを調節することができる。コントローラ109は、さらに、様々なセンサからの感知データを受け取って処理することができる。
【0031】
様々な実施形態において、処理デバイス130は、光センサ125および/または光源(
図1に図示せず)に結合される。処理デバイス130は、光センサ125によって得られた検出および試験段階中の光の強度を含む、光リフレクトメトリ測定などの感知データを受け取って処理するように構成され得る。処理デバイス130は、試験段階および検出段階中に検出された光の強度の差を使用して窓120の透過係数を計算または決定することができる。次いで、処理デバイス130は、検出段階中に検出された強度および窓120の決定された透過係数を使用して環境から窓120に入射する光の強度を決定することができる。
【0032】
処理デバイス130は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブル論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラ、などのようなコンピューティングデバイスとすることができる、および/またはそれを含むことができる。処理デバイス130は、マイクロプロセッサ、中央処理装置、などのような汎用処理デバイスとすることができる1つまたは複数の処理デバイスを含むことができる(またはそれとすることができる)。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実施するプロセッサもしくは命令セットの組合せを実施するプロセッサとすることができる。処理デバイスは、また特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、などのような1つまたは複数の専用処理デバイスとすることができる。処理デバイス130は、データストレージデバイス(例えば、1つまたは複数のディスクドライブおよび/またはソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、および/または他の構成要素を含むことができる。処理デバイス130は、本明細書に記載の方法および/または実施形態のうちの任意の1つまたは複数を実行するための命令を実行することができる。命令は、メインメモリ、スタティックメモリ、二次ストレージ、および/または処理デバイス(命令の実行中の)を含むことができるコンピュータ可読ストレージ媒体に格納することができる。
【0033】
図2は、一実施形態による、光リフレクトメトリ補正のためのシステム200の簡略化された側面図を示す。システム200は、例えば、
図1に示されたように、ライナ124を有する処理チャンバ103を含むことができる。処理チャンバ103は、ライナ124が取り付けられた壁222を含むことができる。ライナ124は、寿命を最大にするためにライナへの物理的または化学的変化を最小にする、プロセス化学作用に対する高い耐化学性を有するように特別に設計することができる。さらに、窓120の少なくとも一部は、図示のように、壁222およびライナ124内に埋め込むことができる。窓120は、透明なセラミック材料で製作することができ、またはサファイア、ダイヤモンド、石英、炭化ケイ素、もしくはそれらの組合せなどの耐久性のある透明材料で製作することができる。
【0034】
実施形態では、システム200は、光源201(例えば、広帯域光源)、光結合デバイス204(例えば、コリメータ、導波路、光ファイバ、ミラー、またはそれらの任意の組合せ)光センサ225、コントローラ109、および処理デバイス130をさらに含む。光源201および光センサ225は、1つまたは複数の光ファイバケーブル232を介して光結合デバイス204に光学的に結合され得る。
【0035】
一実施形態では、光源201は、オンオフするように構成される。例えば、光源201は、プローブ光を処理チャンバ103内に選択的に導くためにオンオフするパルス光源とすることができる。いくつかの実施形態では、光源201は、連続光源とすることができる。いくつかの実施形態では、光源201は、パルスキセノン源などのフラッシュランプとすることができる。他の実施形態では、波長範囲は、例えば、さらに変化してもよく、近赤外波長の近くに設定されてもよい。様々な能力および波長をもつ光源201に関して、追加のまたは異なる実施形態が想定される。いくつかの実施形態では、光源201は、広帯域光を発生することができる。
【0036】
様々な実施形態において、光結合デバイス204は、光路に沿って2つの方向に光をコリメートするか、またはさもなければ透過させるように適合され得る。第1の方向は、コリメートされ、窓120を通して処理チャンバ103内に透過されるべき光源201からの光を含むことができる。第2の方向は、光結合デバイス204内に戻る窓120からの反射光の方向とすることができる。反射光は、光ファイバケーブル232内に集束され、それにより、光路に沿って第2の方向で光センサ225に導かれ得る。さらに、光源201から、窓120に、そして光センサ225に戻る光の効率的な移送のために、光ファイバケーブル232を光センサ225と光源201との間に結合させることができる。いくつかの実施形態では、光結合デバイス204は、光源201から窓120にプローブ光を送り出すことができ、同様に、第1の光および/または第2の光を窓120から光センサ225に送り出すことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、光センサは、分光計、CCDカメラ、などとすることができる。光センサ225は、光源201と比較して、同じスケジュールでまたはより長いスケジュールで較正を必要とする場合がある。光センサ225は、光結合デバイス204から受け取った反射光、例えば、窓120から反射して戻され、光結合デバイス204によって光ファイバケーブル232に集束された光、ならびにチャンバの環境からの発光のスペクトルを検出するように適合され得る。
【0038】
様々な実施形態において、コントローラ109は、処理デバイス130を含むかまたはそれに結合され、メモリ134または他のコンピュータストレージを含むかまたはそれに結合される。処理デバイス130は、光源201、光センサ225、および処理チャンバ103の両方に結合され得る。処理デバイス130は、光源201に閃光を放つように指示し、次いで、光センサ225から第1のスペクトル(例えば、波長に対する光強度I1(λ)の依存性)を受け取ることができる。処理デバイス130はまた、光源をオフのままにし、光源201がオフであるときに光センサ225から第2のスペクトル(例えば、I2(λ))を受け取ることができる。第2のスペクトルは、処理チャンバ内のプラズマまたは化学プロセスのOESを表すことができる。処理デバイス130は、第1のスペクトルから第2のスペクトルを減じて、ある瞬間のリフレクトメトリ信号(例えば、I1(λ)-I2(λ))を決定することができる。次いで、処理デバイス130は、リフレクトメトリ信号I1(λ)-I2(λ)を1つまたは複数の薄膜モデルに数学的にフィットさせて、窓120に堆積されたプロセス膜層の1つまたは複数の光学薄膜特性を決定することができる。
【0039】
処理デバイス130は、さらに、窓120の透過係数を決定するように構成され得る。処理デバイス130は、光源201がオンであるときに光センサ225によって測定された強度に対応する第1のスペクトルと、光源201がオフであるときに光センサ225によって測定された強度値に対応する第2のスペクトルとの間の差を決定することによって、透過係数を決定することができる。
【0040】
図3Aは、一実施形態による、プラズマOESの透過補正のための基準測定の初期時におけるシステム300の概略図である。構成要素のすべては示されるわけではないが、システム300は、
図1のシステム100および
図2のシステム200と同じまたは同様であり得る。システム300は、窓320aを含むことができる。窓320aは、光学検査およびリフレクトメトリ測定のための処理チャンバの窓であり得る。窓320aは、基板、ウエハ、または試料の製造にまだ使用されておらず、したがって、堆積、エッチング、研磨、などの処理動作に使用されるいかなる材料にも曝露されていない処理チャンバの窓であり得る。窓320aを使用して基準測定値を得ることができ、基準測定値は、OWPSに由来するコーティングによって影響を受ける可能性がある。
【0041】
窓320aは、処理チャンバの化学的特性と調和する第1の薄膜で恒久的に事前コーティングされてもよい(例えば、窓320aの製造中に)。得られる基準測定値は、窓320aと第1の薄膜の両方の光学係数を含む。
【0042】
システム300は、プローブ光301およびチャンバ光307を含むことができる。プローブ光301は、処理チャンバの外の光源によって発生され得る。プローブ光301は、例えば、基準較正を介して知ることができる強度Lを有することができる。チャンバ光307は、処理チャンバの環境から窓320aを通して透過される光であり得る。チャンバ光307は、処理チャンバの内部から窓320aに入射し、処理チャンバの環境に依存し得る強度I1を有することができる。例えば、処理チャンバ内のプラズマ331の特性は、処理動作があるかどうか、処理動作(例えば、堆積、エッチング、研磨など)の性質、などに依存する可能性がある。チャンバ光307は、処理チャンバ内のプラズマ331を通って進むことができる。プローブ光301とチャンバ光307の両方は、窓320aの表面に垂直に窓320aに入射することができる。
【0043】
一般に、吸収がない場合(または吸収を無視することができる場合)、反射係数と透過係数の和は1である、すなわち、R+T=1であることは注目に値する。さらに、透過係数および反射係数は、光が窓のどちら側から入射するかとは無関係である。少なくとも2つの基準測定値は、処理チャンバの外部に配置することができるセンサで得ることができる。第1の基準測定値は、プローブ光301がオンであるときに得ることができる。測定強度は、
【0044】
【数1】
である。第2の基準測定値は、プローブ光301がオフであるときに得ることができる。測定強度は、
【数2】
である。センサに結合された処理デバイスは、第1の測定値と第2の測定値との間の差を決定することによって窓320aの基準透過係数T
1を決定することができ、
【0045】
【数3】
であり、したがって、
【数4】
である。
【0046】
その後、決定された基準透過係数T
1を使用して、処理デバイスは、窓320aに入射するチャンバ光307の強度I
1を、窓を透過した光の強さから推測することができ得る。より具体的には、
【数5】
である。この式は、窓の実際の透過係数が値T
1によって十分に近似されるならば正確である。基板処理中に、窓の実際の透過係数T
2が、T
1と異なってくることがある。
【0047】
図3Bは、一実施形態による、プラズマOESの透過補正のためのシステム300の概略図である。正確なプラズマOESを得るために補正を必要とするいくつかの要因があり得る。特に、プラズマOESは、処理チャンバの環境内のプラズマ331bの変化ならびに窓320bの表面劣化によって影響を受ける可能性がある。
図3Bに示されるように、窓320bは、窓320bが多くの処理動作を受けており、窓320bの内面が堆積、エッチング、経年、などによって粗化されていることを除いて、窓320aと同じである。窓320bの内面の変化は、多くの処理動作を行うのに要する時間のオーダーなどの長い時間スケールで起こる可能性がある。窓320bの内面の変化により、表面層333が存在することがある。表面層333は、表面粗さ、侵入または粒子、窓320bの表面の亀裂を含むことがある窓320bの長期変化、ならびに短期の物質堆積などを含むことがある窓320bの短期変化、よって引き起こされることがある。加えて、第2の薄膜が、窓320bでは、
図3Aに関して説明したような第1の薄膜層の上に存在することがある。第2の薄膜は、可変的な厚さを有することがあり、例えば、第2の薄膜は、処理チャンバ内の処理動作によって、追加、厚化、薄化、および/または除去されることがある。基準測定は、窓および第1の薄膜の光学特性を考慮しているので、以下で説明するような測定の結果を使用して、第2の薄膜の可変的な厚さおよび光学特性を補償することができる。
【0048】
処理動作中、処理チャンバの環境内のプラズマ331bは、それ自体変化していることがある。例えば、試料は、様々なプラズマベース処理を受けることがある。いくつかの場合には、処理チャンバは、洗浄プロセスを受けることがあり、洗浄プロセスはまた、プラズマプロセスを必要とすることがある。これらのプラズマ効果は、処理チャンバの環境から窓320bを通して透過される光に影響を及ぼす。
【0049】
窓効果およびプラズマ効果は両方とも、
図3Aの基準の場合と比較して、センサが受け取る光に影響を及ぼす。記載のシステムおよび方法は、センサが受け取る光の強度の変化が、窓の内面に入射する光の強度の変化に起因する(例えば、プラズマ効果)か、または窓の内面の変化に起因する(窓効果)かを区別するための解決策を提供する。
【0050】
図3Aの場合と同様に、少なくとも2つの測定値をセンサによって得ることができる。第1の測定値は、プローブ光301がオンであるときに得ることができる。LT
2の強度をもつプローブ光301の透過部分317は、窓320bを通して(処理チャンバ内に)透過することができ、一方、LR
2の強度をもつプローブ光301の反射部分315は、窓320bによって反射されてセンサの方に戻ることができ、ここで、T
2およびR
2は、それぞれ、窓320bの透過係数および反射係数である。加えて、チャンバ光319が、処理チャンバの環境から生成され得、処理チャンバの内部から窓320bに強度I
2で入射することができる。(
図3Bの窓320bに入射するチャンバ光319の強度I
2は、2つの場合においてプラズマ331bが変化しているかまたは異なるために、
図3Aの窓320aに入射するチャンバ光307の強度I
1とは異なることがある。)この場合、前述同様に、センサは、第1の測定値
I
on=L(1-T
2)+I
2T
2
を得ることができ、ならびに第2の測定値
I
off=I
2T
2
を得ることができる。
【0051】
処理デバイスは、窓の新しい透過係数を決定することができ、
【数6】
である。
【0052】
続いて、処理デバイスは、第2の測定値と透過係数を使用して、窓320aに入射するチャンバ光319の強度を決定することができる。より具体的には、
【数7】
である。
【0053】
I2をI1と比較することによって、処理チャンバの環境からの窓320bに入射するチャンバ光の変化を決定することができ、それは、プラズマ331bの変化に関する情報を提供する。次に、考慮されないままである変化は、窓効果に起因する可能性がある。窓の現在の状態を特徴づける透過係数T2が決定されると、決定された透過係数は、処理チャンバの環境の条件を決定するために、基準透過係数T1と併せて使用することができる。例えば、窓(本明細書では基準窓と呼び、基準窓は、新しい窓、洗浄された窓、などであり得る)が基準透過係数T1によって特徴づけられる場合、特定の技術的プロセスが、光センサによって検出される光強度i1を生成する環境に関連することを知ることができる(例えば、経験的試験、物理的および/または化学的モデリング、またはそれらの任意の組合せから)。これは、基準窓に入射する光の強度がi1/T1であることを意味する。技術的プロセスの実行中に、センサが強度i2を検出し、一方、パルスリフレクトメトリ測定が、現在の窓の透過係数がT2であることを検出している場合、処理デバイスは、処理チャンバの現在の環境から入射する光の強度がi2/T2であると決定することができる。それゆえに、処理デバイスは、環境の条件がターゲット条件からどれくらい強く逸脱しているかを示す入射強度不整合パラメータ
【0054】
【0055】
同様に、1つの実施形態では、さらなる実施形態において、測定は、例えば、広帯域光源および広帯域センサを使用して、対象の波長範囲にわたって実行することができる。例えば、試験段階中に、処理デバイス130は、波長のセットの(例えば、波長間隔[λ1,λ2]内の)波長ごとに(例えば、L(1-T2)+I2T2)の間に光の強度を検出することができる。検出段階中に、処理デバイス130は、波長のセットの波長ごとに光の強度(例えば、I2T2)を同様に検出することができる。2つの強度に基づいて、処理デバイス130は、それぞれの波長ごとに窓の透過係数を決定することができる。
【0056】
次いで、強度不整合パラメータは、波長強度不整合パラメータの関数x(λ)として決定することができる。そのような波長分解不整合パラメータは、処理チャンバの環境の適切な組成を検出するために使用することができる。例えば、特定の波長に特有の不整合(例えば、特定の化学物質Aの発光波長に対応する)は、化学物質Aが処理チャンバの現在の環境において低すぎる(高すぎる)濃度で存在していることを示すことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ内の環境から入射する光は、拡散する(本質的に、またはガス、プラズマなどによる環境内の散乱に起因して)ことがあり、コリメータなどの指向性光セレクタが、窓の内面に実質的に垂直に(例えば、窓の表面の法線から0度と10度との間で)入射する光を選択するかまたは導くために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の光および第2の光は、非垂直角度で窓320aに入射することがある。
【0058】
いくつかの実施形態では、上述の測定は、時間ドメインで実行することができる。例えば、窓の透過係数T2(t)は、時間に依存し(例えば、処理チャンバからのいくつかの材料が窓に付着するので)、それは、時間に伴う測定強度i2(t)のドリフトをもたらす可能性がある。窓の現在の透過係数を、例えば、規則的な時間間隔で、繰り返して決定することによって、処理デバイス130は、処理チャンバ内の条件が適切なままである(例えば、処理チャンバ内で実行される処理動作の仕様と一致したままである)かどうかを決定することができる。
【0059】
図4は、一実施形態による、光リフレクトメトリ測定を使用するプラズマOESの透過補正のための方法400の流れ図である。いくつかの実施形態では、処理論理を使用して、方法400を実行することができる。処理論理は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。方法400は、
図1および
図2に示されたシステムおよび構成要素、またはそれらの組合せを使用して実行することができる。方法400の一部またはすべてのブロックは、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスまたはマイクロコントローラからの命令に応答して実行され得る。マイクロコントローラは、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、などのような1つまたは複数の処理デバイスを含むことができる。処理デバイスは、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、スタティックメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、などのような1つまたは複数のメモリデバイスに通信可能に結合される。マイクロコントローラは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、ウェアラブルデバイス(例えば、タブレット、スマートフォン、など)、クラウドベースコンピューティングサービス、などの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラは、コンピューティングデバイスのより大きいネットワークの一部である。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラと通信する外部コンピューティングデバイスは、マイクロコントローラを再構成する(例えば、設定を変更する、メモリを更新する、またはさもなければ再プログラミングする)ことができる。
【0060】
方法400は、処理論理が第1の強度を検出する(ブロック402)ことから開始することができる。第1の強度は、処理チャンバの窓から反射されるプローブ光の一部(例えば、強度LR=L(1-T)をもつ)と、処理チャンバの環境から窓を通して透過される光(例えば、強度ITをもつ)とを含む第1の光に対応することができる。したがって、第1の光の強度は、L(1-T)+ITであり得る。処理論理は、プローブ光が窓を通して処理チャンバ内に導かれる第1の時間の間に第1の強度を検出することができる。処理論理は、第2の光の第2の強度を検出する(ブロック404)ことができる。第2の光は、処理チャンバの環境から窓を通して透過される光(例えば、強度ITをもつ)を含むことができる。処理論理は、プローブ光が窓を通して処理チャンバ内に導かれることが中止される第2の時間の間に第2の強度を検出することができる。処理論理は、第1の強度および第2の強度を使用して窓の透過係数を決定する(ブロック406)ことができる。
【0061】
窓の透過係数を決定するために、処理論理は、第1の強度と第2の強度との間の差(例えば、ΔI)(例えば、ΔI=L(1-T))を決定することができる。対応して、測定された差ΔIおよびプローブ光の既知の(例えば、較正測定からの)強度Lを使用して、方法400を実行する処理論理は、現在の状態における窓の透過係数を決定することができる。処理論理は、さらに、処理チャンバの環境から窓に入射する光の強度を決定することができる。処理論理は、第2の強度と窓の透過係数とを使用して、その強度を決定することができる。処理チャンバの環境は、プラズマまたは他の化学ガスを含む可能性がある。
【0062】
処理論理は、窓の表面に垂直に入射するようにプローブ光を導くことができる。さらに、処理論理は、窓の表面に垂直に入射する、環境から生成された光の測定を行うことができる。
【0063】
処理光は、単一の周波数についてまたは周波数の範囲にわたって窓の透過係数および/または環境から透過された光の強度を決定し、それにより、周波数の関数として各値を得ることができる。
【0064】
さらなる実施形態において、処理論理は、窓の透過係数Tに基づいて、処理チャンバの状態を決定する(ブロック408)ことができる。例えば、所与の時間の基準透過係数と透過係数との間の大きい相違は、窓が、表面粗化、粒子衝突、処理チャンバの環境の変化、経年変化、などにさらされていることを示すことができる。加えて、処理論理は、処理チャンバの環境を経由して窓に入射する強度に基づいて、処理チャンバの環境の状態を決定することができる。窓に入射する光の基準強度と、所与の時間における光の強度との間の相違は、処理動作に関する情報を提供することができる。これらの場合のいずれかまたは両方において、処理論理は、基準値と、後の時間における値との間の決定された差に基づいて、処理チャンバの状態を調節する(ブロック410)ことができる。
【0065】
図5は、本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示の処理デバイス500のブロック図を示す。処理デバイス500は、
図1のコントローラ109とすることができる。
【0066】
例示の処理デバイス500は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、および/またはインターネット内の他の処理デバイスに接続され得る。処理デバイス500は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ、もしくはブリッジ、またはデバイスによって行われるアクションを指定する命令のセットを実行する(逐次にまたは別のやり方で)ことができる任意のデバイスとすることができる。さらに、単一の例示の処理デバイスのみが示されているが、「処理デバイス」という用語はまた、本明細書で論じられる方法のうちの1つまたは複数を実行するための命令の1つのセット(または多数のセット)を個別にまたは共同で実行する処理デバイス(例えば、コンピュータ)の任意の集合を含むように解釈されるものとする。
【0067】
例示の処理デバイス500は、プロセッサ502(例えばCPU)、メインメモリ504(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、など)、スタティックメモリ506(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、など)および二次メモリ(例えば、データストレージデバイス518)を含むことができ、それらは、バス530を介して互いに通信することができる。
【0068】
プロセッサ502は、マイクロプロセッサ、中央処理装置、などのような1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、プロセッサ502は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実施するプロセッサ、または命令セットの組合せを実施するプロセッサとすることができる。プロセッサ502はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどのような1つまたは複数の専用処理デバイスとすることができる。本開示の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサ502は、厚さ変動マッピングの方法400を実施する命令を実行するように構成され得る。
【0069】
例示の処理デバイス500は、ネットワーク520に通信可能に結合され得るネットワークインターフェースデバイス508をさらに含むことができる。例示の処理デバイス500は、ビデオディスプレイ510(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーン、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス512(例えば、キーボード)、入力制御デバイス514(例えば、カーソル制御デバイス、タッチスクリーンコントロールデバイス、マウス)、および信号発生デバイス516(例えば、音響スピーカ)をさらに含むことができる。
【0070】
データストレージデバイス518は、実行可能命令522の1つまたは複数のセットが格納されるコンピュータ可読ストレージ媒体(または、より具体的には、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体)528を含むことができる。本開示の1つまたは複数の態様によれば、実行可能命令522は、厚さ変動マッピングの方法400を実施する実行可能命令を含むことができる。
【0071】
実行可能命令522はまた、例示の処理デバイス500でそれを実行している間、メインメモリ504内に、および/またはプロセッサ502内に完全にまたは少なくとも部分的に存在することができ、メインメモリ504およびプロセッサ502はまた、コンピュータ可読ストレージ媒体を構成する。実行可能命令522は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス508を介してネットワークにわたって送信または受信され得る。
【0072】
コンピュータ可読ストレージ媒体528は単一の媒体として
図5に示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、動作命令の1つまたは複数のセットを格納する単一の媒体または多数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むように解釈されるべきである。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語はまた、本明細書に記載の方法のうちの1つまたは複数を機械に実行させる、機械による実行のための命令のセットを格納または符号化することができる任意の媒体を含むように解釈されるものとする。したがって、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、限定はしないが、ソリッドステートメモリと、光学および磁気媒体とを含むように解釈されるものとする。
【0073】
上述の説明は、限定ではなく例示であることが意図されていることを理解されたい。上述の説明を読み理解すれば、多くの他の実施例が当業者には明らかであろう。本開示は、特定の例を記載しているが、本開示のシステムおよび方法は、本明細書に記載の例に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更して実践されてもよいことが認識されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。それゆえに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とを参照して決定されるべきである。
【0074】
上記の方法、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはコードセットの実施形態は、処理要素によって実行可能である機械アクセス可能媒体、機械可読媒体、コンピュータアクセス可能媒体、またはコンピュータ可読媒体に格納された命令またはコードを介して実施され得る。「メモリ」は、コンピュータまたは電子システムなどの機械によって読み出し可能な形態の情報を提供する(すなわち、格納および/または送出する)任意の機構を含む。例えば、「メモリ」は、スタティックRAM(SRAM)またはダイナミックRAM(DRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、ROM、磁気または光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、電気ストレージデバイス、光ストレージデバイス、音響ストレージデバイス、および機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令または情報を格納または送出するのに適する任意のタイプの有形の機械可読媒体を含む。
【0075】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、特定のシステム、構成要素、方法、などの例などの多数の特定の詳細を記載している。しかしながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者には明らかであろう。他の事例では、よく知られている構成要素または方法は、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に説明されないか、または簡単なブロック図フォーマットで提示されている。したがって、記載の特定の詳細は、単に例示である。特定の実施態様は、これらの例示的な詳細と異なることがあるが、依然として本開示の範囲内にあることが意図される。
【0076】
本明細書の全体を通して「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる様々な場所における「1つの実施形態において」および「1つの実施形態では」または「一実施形態において」および「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。加えて、「または」という用語は、排他的な「または」ではなくて包括的な「または」を意味するように意図される。「約」または「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示された公称値の正確さが±10%以内であることを意味するように意図される。
【0077】
本明細書の方法の動作は、特定の順序で示され説明されているが、各方法の動作の順序は、特定の動作を逆の順序で実行することができるように、特定の動作を少なくとも部分的に他の動作と同時に実行することができるように変更されてもよい。別の実施形態では、別個の動作の命令またはサブ動作は、断続的な方法および/または交互の方法のものであってもよい。
【0078】
上述の説明は、限定ではなく例示であることが意図されていることを理解されたい。上述の説明を読み理解すれば、多くの他の実施形態が当業者には明らかであろう。それゆえに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とを参照して決定されるべきである。
【国際調査報告】