(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ポリマーバッキングプレートを備えるパッドコンディショナー
(51)【国際特許分類】
B24B 53/017 20120101AFI20240920BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20240920BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518876
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022044511
(87)【国際公開番号】W WO2023055663
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェナー, ドルク
(72)【発明者】
【氏名】ソウザ, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】バル, エランゴ
(72)【発明者】
【氏名】オール, ラウンディ
(72)【発明者】
【氏名】ズッシ, アヨイ
【テーマコード(参考)】
3C047
5F057
【Fターム(参考)】
3C047AA34
3C047EE04
5F057AA23
5F057DA03
5F057EB27
(57)【要約】
化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体が、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含むバッキングプレートを含む。少なくとも1つの添加剤が、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する。CMPパッドコンディショナー組立体は、セラミック基板と、セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部とを含む複数のセグメントを含む。複数のレーザテクスチャード加工された突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含むバッキングプレートであって、
前記少なくとも1つの添加剤が、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する、
バッキングプレートと、
セラミック基板および前記セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部を備える複数のセグメントであって、
前記複数のレーザテクスチャード加工された突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、
複数のセグメントと
を備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤が、金属粒子充填剤、顔料充填剤、構造充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの添加剤が、前記バッキングプレートに埋め込まれる磁性部材を備える、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項4】
前記磁性部材が、磁力により前記バッキングプレートを構造に固定するように構成されている、請求項3に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの添加剤が顔料充填剤を含み、前記顔料充填剤が加熱によって活性化される顔料充填剤を含む、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項6】
前記加熱によって活性化される顔料充填剤が、所定の温度で色変化を引き起こすように構成されている、請求項5に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項7】
前記バッキングプレートが付加製造されるバッキングプレートである、請求項1から6のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項8】
前記付加製造されるバッキングプレートが、単一構成のモノリシック構造を有する、請求項7に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項9】
前記ポリマーが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項10】
少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含む付加製造されるバッキングプレートであって、
前記少なくとも1つの添加剤は、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する、
付加製造されるバッキングプレートと、
セラミック基板および前記セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部を備える複数のセグメントであって、
前記複数のレーザテクスチャード加工された突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、
複数のセグメントと
を備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの添加剤が、金属粒子充填剤、顔料充填剤、構造充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの添加剤が、前記バッキングプレートに埋め込まれる磁性部材を備える、請求項10に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項13】
前記磁性部材が、磁力により前記バッキングプレートを構造に固定するように構成されている、請求項12に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項14】
前記少なくとも1つの添加剤が顔料充填剤を含み、前記顔料充填剤が加熱によって活性化される顔料充填剤を含む、請求項10に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項15】
前記加熱によって活性化される顔料充填剤が、所定の温度で色変化を引き起こすように構成されている、請求項14に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項16】
前記バッキングプレートが3D印刷されるバッキングプレートである、請求項10から14のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項17】
前記付加製造されるバッキングプレートが単一構成のモノリシック構造を有する、請求項16に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項18】
前記ポリマーが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項10から17のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項19】
前記バッキングプレートが、継ぎ目、ろう付け接合部、および溶接接合部を含まない、請求項10から18のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項20】
前記バッキングプレートが1つまたは複数のポリマー層を備える、請求項10から19のいずれか一項に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体を製造するための設備に関する。より詳細には、本開示は、化学機械平坦化(CMP:chemical mechanical planarization)でのパッドコンディショナーのためのバッキングプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械平坦化または化学機械研磨(CMP:chemical mechanical planarizationまたはchemical mechanical polishing)は半導体デバイスの製造プロセスの一部となり得る。CMP中、研磨パッドおよび研磨スラリを介して材料がウエハ基板から除去される。CMPは、任意選択で、1つまたは複数の化学試薬を含むことができる。研磨パッドは経時的につや消しされ得てデブリが詰まり得る。研磨パッドをリコンディショニングするのにパッドコンディショナーが使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体が、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含むバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤が、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、CMPパッドコンディショナー組立体は、セラミック基板と、セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部とを含む複数のセグメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のレーザテクスチャード加工された突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0004】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、金属粒子充填剤、顔料充填剤、構造充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、バッキングプレートに埋め込まれる磁性部材を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、磁性部材は、磁力によりバッキングプレートを構造に固定するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、顔料充填剤は、加熱によって活性化される顔料充填剤を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、加熱によって活性化される顔料充填剤は、所定の温度で色変化を引き起こすように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、付加製造されるバッキングプレートである。
【0010】
いくつかの実施形態では、付加製造されるバッキングプレートは、単一構成のモノリシック構造を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:acrylonitrile butadiene styrene)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体は、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの添加剤とを含む付加製造されるバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する。いくつかの実施形態では、CMPパッドコンディショナー組立体は、セラミック基板と、セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部とを含む複数のセグメントを含む。いくつかの実施形態では、複数のレーザテクスチャード加工された突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、金属粒子充填剤、顔料充填剤、構造充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、バッキングプレートに埋め込まれる磁性部材を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、磁性部材は、磁力によりバッキングプレートを構造に固定するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、顔料充填剤は、加熱によって活性化される顔料充填剤を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、加熱よって活性化される顔料充填剤は、所定の温度で色変化を引き起こすように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは3D印刷されるバッキングプレートである。
【0019】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、単一構成のモノリシック構造を有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、継ぎ目、ろう付け接合部、および溶接接合部を含まない。
【0022】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは1つまたは複数のポリマー層を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体はバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは第1のフェースおよび第2のフェースを含む。いくつかの実施形態では、第1のフェースは複数の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、複数の設置場所は、接着を促進するように構成されたテクスチャード加工された表面を含む。いくつかの実施形態では、接着剤が各々の複数の設置場所に加えられる。いくつかの実施形態では、複数のセグメントが複数の設置場所のところで接着剤により第1のフェースに固定される。いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは、セラミック基板と、セラミック基板と一体であって第1のフェースから離れる方向に突出する複数のレーザテクスチャード加工された突出部とを含む。いくつかの実施形態では、複数のレーザテクスチャード加工された突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0024】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含み、バッキングプレートは付加製造プロセスから作られる。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは射出成形される。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは金属粒子充填剤を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは円板形状である。
【0026】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、第1のフェースと、第1のフェースの反対側にある第2のフェースとを含む。いくつかの実施形態では、複数の設置場所は第1のフェースの上に配設される。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の設置場所は第1のフェースの中に入り込んでいる。
【0028】
いくつかの実施形態では、開口がバッキングプレートの中央に配設される。
【0029】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、第1のフェースと、第1のフェースの反対側にある第2のフェースとを含む。いくつかの実施形態では、金属部材が第2のフェースの中に入り込んでいる。いくつかの実施形態では、金属部材は、金属部材の少なくとも一部分を複数の設置場所のうちの1つの一部分と重ねることになるような場所に配設される。
【0030】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは顔料充填剤を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン(PA6、PA66など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体のためのバッキングプレートがバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは複数の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、各々の複数の設置場所は、複数の突出部を備えるセグメントを受けるように構成される。いくつかの実施形態では、複数の設置場所は、それぞれのセグメントの接着を促進するように構成されたテクスチャード加工された表面を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは少なくとも90重量%のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、接着剤が各々の複数の設置場所に塗布される。いくつかの実施形態では、複数のセグメントが接着剤により複数の設置場所に固定される。いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは、セラミック基板と、セラミック基板と一体であってバッキングプレートから離れる方向に突出する複数のレーザテクスチャード加工された突出部とを含む。いくつかの実施形態では、複数のレーザテクスチャード加工された突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0033】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは付加製造プロセスから作られる。
【0034】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは1つまたは複数のポリマー層を備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは射出成形される。
【0036】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、1つまたは複数のポリマー層によって囲まれた1つまたは複数の金属層を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の設置場所は第1のフェースの中に入り込んでいる。
【0038】
いくつかの実施形態では、開口がバッキングプレートの中央に配設される。
【0039】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、第1のフェースと、第1のフェースの反対側にある第2のフェースとを含む。いくつかの実施形態では、金属部材が第2のフェースの中に入り込んでいる。
【0040】
いくつかの実施形態では、金属部材は、金属部材の少なくとも一部分を複数の設置場所のうちの1つの一部分と重ねることになるような場所に配設される。
【0041】
いくつかの実施形態では、ポリマーは顔料充填剤を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン(PA6、PA66など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体のためのバッキングプレートは複数の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは、複数の突出部を備えるセグメントを受けるように構成される。いくつかの実施形態では、複数の設置場所は、それぞれのセグメントの接着を促進するように構成されたテクスチャード加工された表面を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは付加製造プロセスから作られる。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは射出成形される。いくつかの実施形態では、ポリマーは金属粒子充填剤を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは顔料充填剤を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは円板形状である。
【0046】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、第1のフェースと、第1のフェースの反対側にある第2のフェースとを含む。いくつかの実施形態では、複数の設置場所は第1のフェースの上に配設される。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数の設置場所は第1のフェースの中に入り込んでいる。
【0048】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートがバッキングプレートの中央にある開口を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、第1のフェースと、第1のフェースの反対側にある第2のフェースとを含む。いくつかの実施形態では、金属部材が第2のフェースの中に入り込んでいる。
【0050】
いくつかの実施形態では、金属部材は、金属部材の少なくとも一部分を複数のパッド設置場所のうちの1つの一部分と重ねることになるような場所に配設される。
【0051】
本明細書で説明されるシステムおよび方法を実施することが可能である実施形態を示す、本開示の一部を形成する添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】いくつかの実施形態によるパッドコンディショナー組立体を示す上面図である。
【
図2】いくつかの実施形態による
図1のパッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による
図1のパッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
同様の参照符号は本明細書を通して同じまたは類似の部分を表す。
【0054】
ミクロ電子工学デバイスの作製プロセス中、基板の表面の上に複数の集積回路が形成される。基板の例はシリコンウエハおよびガリウムヒ素ウエハなどを含む。各集積回路は、インターコネクトとして知られている導電トレースを用いて電気的に相互接続されるミクロ電子工学デバイスから構成される。インターコネクトは、基板の表面の上に形成された導電層からパターン化される。インターコネクトの積み重ねの層を形成する能力により、より複雑なミクロ電子工学回路を基板の比較的小さい表面積の中におよびその上に実装することが可能となる。ミクロ電子工学回路の数が増えて複雑さが増すと、基板の層の数が増える。したがって、半導体製造においては基板表面の平面性が重要な点となる。
【0055】
化学機械平坦化(CMP)は、基板の層の表面を平坦化する方法である。CMPは、基板の表面から材料を除去するために、化学エッチングと機械的摩耗を組み合わせる。CMPプロセス中、基板が研磨ツールのヘッドに取り付けられ、逆さにされ、その結果、集積回路を有する表面が研磨パッドの方を向くようになる。研磨粒子および化学エッチング液を含有するスラリが、回転する研磨パッドの上に付けられる。化学薬品が、平坦化されている基板上の露出する表面材料を軟化させ得るかまたは露出する表面材料と反応し得る。研磨パッドはターンテーブルまたはプラテンに固定的に取り付けられる。プラテンの上で研磨パッドが回転させられるときに回転する基板を研磨パッドに接触させることにより、基板が研磨される。露出する表面材料の化学的な軟化、および、研磨パッドと、スラリと、基板との間の相対移動により引き起こされる物理的な摩耗の組み合わせの処置により、基板の集積回路埋め込み表面の表面が除去され得る。
【0056】
基板の一部が研磨パッドによって除去されると、スラリとデブリとの組み合わせが詰まり易くなり、傾向として研磨パッドの表面のつや出しを行うようになり、その結果、基板から材料を除去するための研磨パッドの効果が経時的に低下する。研磨パッドの表面は、研磨パッド表面に係合される研磨面を有するCMPパッドコンディショニング組立体によって洗浄またはコンディショニングされる。既知のCMPパッドコンディショニング組立体は、突出部、メサ、または鋭利な縁部(cutting edge)を含む研磨面を有することができ、これらの突出部、メサ、または鋭利な縁部は、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドグリット、または多結晶ダイヤモンドのような硬いコーティングで被覆され得る。パッドコンディショニング組立体の研磨面はそれ自体でも摩耗し得、それによりCMP研磨パッドのリコンディショニングのための効果が経時的に低下する。CMP研磨パッドのコンディショニング中、パッドコンディショニング組立体がCMPパッドを摩耗させ、新しい細孔を開放し、研磨のための新しいパッド表面を開放する。
【0057】
CMPプロセスは、スラリおよび化学薬品、研磨パッド、ならびにパッドコンディショニング組立体を含めた、多くの消耗品を利用する。消耗品を交換することは時間を要し得、その結果製造歩留を損失させ得、ウエハスループットを低下させ得る。いくつかのCMPプロセスは、パッド表面の全体(縁部を排除しない)にわたってのパッドのコンディショニングを必要とする。コンディショニングディスクによるスイーピング手法(sweep recipe)が研磨パッドの外径を超えてパッドコンディショニング組立体を延在させる場合には、このオペレーション中に研磨パッドとのパッドコンディショニング組立体の共平面性を維持することが困難なものとなり得、パッドを損傷させ得るかまたはパッドを過度に摩耗させ得る。例えば、セグメント化されるコンディショニングディスクのデザインは、パッドの外径を超えてコンディショニングディスクが延在してしまうと、傾斜し得る。これによりパッドの周縁部のところでパッドが非一様に/過度に摩耗し得るようになり、さらにはパッドが裂けてしまう可能性がある。
【0058】
最も大きい原価作用のうちの1つはバッキングプレートである。今日、バッキングプレートは大抵は不動態化ステンレス鋼で作られる。コストおよび生産性は重要な点である。
【0059】
実施形態がポリマーバッキングプレートを提供する。いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは、バッキングプレートに対してのセグメントの接着を促進するテクスチャード加工された表面によって画定される、セグメントのための複数の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは、限定しないが3D印刷、および同様のものなどの、付加製造プロセスによって製造され得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは射出成形によって製造され得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマーは、付加製造に適する任意のポリマーを含む。例えば、少なくとも1つのポリマーは、付加製造のために有用である任意のポリマー材料(例えば、3D印刷可能なポリマー材料)を含むことができるかまたはこのような任意のポリマー材料から得られ得る。本明細書で使用される場合、ポリマー材料は、限定しないが例えば、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせを含めた、任意の種類の高分子材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマーは熱可塑性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン(PA6、PA66など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリマーは、任意選択で少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと組み合わされる、熱硬化性ポリマーを含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるために含まれ得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、以下のもの:限定しないが、フェライト系ステンレス鋼およびマルテンサイト系ステンレス鋼、亜鉛めっき鋼、またはこれらの組み合わせなどの、磁性金属添加剤;感熱染料;限定しないが、セラミック粉末、セラミック繊維、ガラス繊維、グラファイト、グラフェン、炭素ベースの粉末、炭素ベースの繊維、またはこれらの組み合わせなどの、無機充填剤;これらの適切な組み合わせなど、のうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、充填剤は、バッキングプレートの総重量に基づいて、5wt%から60wt%の量で存在することができる。例えば、いくつかの実施形態では、充填剤は、バッキングプレートの総重量に基づいて、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%から60重量%、10重量%から60重量%、15重量%から60重量%、20重量%から60重量%、25重量%から60重量%、30重量%から60重量%、35重量%から60重量%、40重量%から60重量%、45重量%から60重量%、50重量%から60重量%、55重量%から60重量%、ならびに/あるいはこれらの間の任意の範囲または部分的な範囲、の充填剤量で存在し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、バッキングプレートの総重量に基づいて、40wt%から95wt%の量で存在することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマーは、バッキングプレートの総重量に基づいて、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%から95重量%、45重量%から95重量%、50重量%から95重量%、55重量%から95重量%、60重量%から95重量%、65重量%から95重量%、70重量%から95重量%、75重量%から95重量%、80重量%から95重量%、85重量%から95重量%、90重量%から95重量%、ならびに/あるいはこれらの間の任意の範囲または部分的な範囲、のポリマー量で存在し得る。
【0065】
いくかの実施形態では、充填剤およびポリマーは、例えば2軸押出機内で混合され得る。いくつかの実施形態では、混合物は、バッキングプレートを射出成形または付加製造するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレートが完全に硬化する前に1つまたは複数の構造部がバッキングプレートの上にエンボス加工され得、例えば加熱プレスなどで構造部が一体にプレスされて硬化する。
【0066】
いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは、例えば、特定の用途のためにバッキングプレートに色コードを付けるための、顔料充填剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは、追加の構造的完全性を提供するための1つまたは複数の金属充填剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは、バッキングプレートが選定された充填剤によって画定される温度に達するときの視覚的指示を提供するように構成された1つまたは複数の加熱によって活性化される充填剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマーバッキングプレートは1つまたは複数の金属粒子充填剤を含むことができる。
【0067】
図1は、いくつかの実施形態によるパッドコンディショナー組立体10の上面図を示す。
【0068】
いくつかの実施形態では、パッドコンディショナー組立体10は、バッキングプレート12および複数のセグメント14を含む。バッキングプレート12は第1のフェース16を有する。セグメント14は第1のフェース16に固定される。
【0069】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は円板形状を有する。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12の形状は円板形状ではない他の形状ともなり得る(例えば、方形、矩形、または三角形など)。
【0070】
バッキングプレート12が円板形状であるいくつかの実施形態では、バッキングプレート12は直径Dを有することができる。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から30.48cm(12インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から27.94cm(11インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から25.40cm(10インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から22.86cm(9インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から20.32cm(8インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から17.78cm(7インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から15.24cm(6インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から12.70cm(5インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から10.16cm(4インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは10.16cm(4インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは12.70cm(5インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは15.24cm(6インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは17.78cm(7インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは20.32cm(8インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは22.86cm(9インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは25.40cm(10インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは27.94cm(11インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは30.48cm(12インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。
【0071】
上記の範囲が例であり、実際の直径Dが本記述に従って記載の範囲を超えて変化し得ることが認識されよう。バッキングプレート12の形状が円板形状ではない他の形状であるいくつかの実施形態では、直径Dはバッキングプレート12の主寸法を表すものとなり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はポリマー材料で作られ得る。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、複数のポリマーを含む混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は少なくとも90重量%のポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は少なくとも90重量%の複数のポリマーを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:acrylonitrile butadiene styrene)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン(PA6、PA66など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせとなり得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、CMPプロセス化学薬品およびスラリに化学的に適合する材料で作られ得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は化学的に不動態化され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は化学的に不動態化される必要がない可能性がある。このような実施形態では、バッキングプレート12は、化学的な不動態化を必要とする現在のバッキングプレートよりも製造が安価となり得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、ポリマーと共に1つまたは複数の充填剤を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、顔料充填剤が含まれ得る。このような実施形態では、多様な顔料充填剤または着色料充填剤が特定の用途のための特定のバッキングプレート12を識別するのに使用され得る。顔料充填剤の例は、限定しないが、着色料、染料、顔料、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の充填剤は構造充填剤を含むことができる。構造充填剤の例は、限定しないが、カーボンブロック、ガラス繊維、および同様のものを含む。いくつかの実施形態では、構造充填剤は、ポリマーに埋め込まれる金属材料となり得る。金属粒子充填剤材料は、例えば、バッキングプレート12に追加の構造的完全性を提供するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の充填剤は、バッキングプレート12が選定された充填剤によって画定される温度に達するときの視覚的指示を提供するように(例えば、過熱が起こり得ることを視覚的に示すために)構成された加熱によって活性化される材料(例えば、加熱によって活性化される顔料)を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の充填剤は磁性充填剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、磁性充填剤は、磁鉄鉱(Fe3O4)、赤鉄鉱(α-Fe2O3)、磁赤鉄鉱(γ-Fe2O3)、スピネルフェライト、ロードストーン、コバルト、ニッケル、レアアース、磁性複合材料、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、レアアースは、ネオジム、ガドリニウム、シスプロシウム(sysprosium)、サマリウム-コバルト、またはネオジム-鉄-ホウ素である。他の実施形態では、磁性複合材料は、セラミック、フェライト、アルニコ磁石、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は付加製造プロセスによって生み出され得る。結果として、いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、単一構成のモノリシック構造となり得る。このような構造では、いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、継ぎ目、ろう付け接合部、溶接接合部、またはこれらの任意の組み合わせを含まない。例えば、いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は3D印刷によって生み出され得る。このような実施形態では、3D印刷されるバッキングプレート12の異なる層が異なる材料で形成され得る(例えば、金属層などを含むために)。例えば、いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、1つまたは複数のポリマー層によって囲まれた1つまたは複数の金属層を含むことができる。いくつかの実施形態では、3D印刷されるバッキングプレート12の層が同じ材料で形成され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は射出成形によって生み出され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は複数のセグメント14を含む。複数のセグメント14は接着剤を用いて第1のフェースに固定され得る。いくつかの実施形態では、適切な接着剤は、限定しないが、エポキシ樹脂、テープ接着剤、またはこれらの任意の組み合わせなどを含む。
【0077】
示される実施形態では、セグメント14のうちの5個のセグメント14が示される。セグメント14の数が変化し得ることが認識されよう。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント14の数が5個未満となり得る。いくつかの実施形態では、セグメント14の数が6個以上となり得る。セグメント14の数は特定の用途などに基づいて選定され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、各々のセグメント14は、一般に、研磨領域を提供する。研磨領域は、集合的に、パッドコンディショナー組立体10を使用して研磨パッドをリコンディショニングするときにCMPで使用される研磨パッドに接触する。研磨領域は、一般に、複数の接触表面によって画定される。
【0079】
セグメント14の種々の構造部は、パッドコンディショナー組立体10を使用してリコンディショニングされる研磨パッドの用途に応じて構成され得る。例えば、セグメント14の相対サイズ、セグメント14の数、セグメント14上での構造部の密集度、セグメント14上の構造部の深さ、またはこれらの任意の組み合わせなどのうちの少なくとも1つが、リコンディショニングされることになる研磨パッドの用途に基づいて選定され得る。
【0080】
示される実施形態では、セグメント14は、上面図で見て概略方形形状である。本明細書で使用される場合の「概略方形形状」は、製造公差などに適合する方形形状を意味する。すなわち、セグメント14の長さおよび幅は製造公差などに適合しながら実質的に等しい。いくつかの実施形態では、セグメント14のジオメトリは方形ではない形状となり得る。セグメント14は、例えば材料の蓄積を最小にするために、および、例えばこの蓄積物によって生成される傷を低減するために、丸みのある角および面取りされた縁部を含むことができる。いくつかの実施形態では、セグメント14は矩形などとなり得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12上でのセグメント14の場所は変化させられ得る。いくつかの実施形態では、間隔は、各々のセグメント14の間の弧長を等しくするようにまたはほぼ等しくするように選定され得る。本明細書で使用される場合の実質的に等しいは、製造公差などに適合しながら等しいことを意味する。いくつかの実施形態では、間隔は、セグメント14の間の弧長を等しくしないように選定され得る。いくつかの実施形態では、セグメント14の場所は、使用時にパッドコンディショナー組立体10の振動を低減するように選定され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は開口18を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口18はバッキングプレート12の中央に存在することができる。開口18は、任意選択であることを理由として、破線で示される。開口18は指穴と称され得る。すなわち、開口18は、パッドコンディショナー組立体10を操作者によって扱うのを可能にするのに使用され得る。いくつかの実施形態では、開口18は、パッドコンディショナー組立体10を他の設備によって扱うのを可能にするのに使用され得る。
【0083】
図2は、いくつかの実施形態による
図1のパッドコンディショナー組立体10の側面図を示す。
【0084】
いくつかの実施形態では、セグメント14はコアおよび1つまたは複数の追加の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、コアは接着剤20を介して第1のフェース16に固定され得る。いくつかの実施形態では、コアがセラミック基板となり得る。いくつかの実施形態では、コアは例えば多孔質炭化ケイ素などになり得る。表面層がコアの上に配設される。いくつかの実施形態では、表面層は、例えば化学蒸着(CVD)プロセスを介してコアに加えられる炭化ケイ素表面層となり得る。表面層は、複数の表面構造部を作り出すためにエッチングされ得る(例えば、レーザなどを介して)。表面層は硬化層を含む。硬化層は、例えばCVDを介してコンフォーマルな層において表面層に加えられる、例えばダイヤモンドコーティングとなり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、複数のセグメント14はパッドコンディショナー組立体10の上に摩耗表面を提供する。したがって、CMPツールのための研磨パッドをリコンディショニングする場合、表面構造部が研磨パッドに接触する。いくつかの実施形態では、コアおよび表面層は基板と総称され得る。
【0086】
各々のセグメント14は、第1のフェース16から離れる方向に突出する複数の突出部22を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、突出部22は、円錐形、円錐台形、またはこれらの組み合わせなどとなり得る。突出部22のための他のジオメトリも選定され得る。いくつかの実施形態では、突出部22のうちの第1の突出部22が第1のフェース16から第1の距離で延在することができ、対して突出部22のうちの第2の突出部22が第1のフェース16から第2の距離で延在することができ、第2の距離は第1の距離とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の距離および第2の距離は等しくなり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はテクスチャード加工された表面24を含む。いくつかの実施形態では、テクスチャード加工された表面24は、バッキングプレート12に対してのセグメント14のより良好な接着を促進することができる。いくつかの実施形態では、セグメント14は、テクスチャード加工された表面24によって画定される複数の設置場所26のところで接着剤20により第1のフェース16に固定され得る。いくつかの実施形態では、接着剤20は、エポキシ樹脂、テープ接着剤、またはこれらの任意の組み合わせなどを含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は第1のフェース16の反対側にある第2のフェース28を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は任意選択で部材30を含むことができる。部材30は任意選択であることを示すために破線で示される。いくつかの実施形態では、部材30は磁性を有する。いくつかの実施形態では、部材30はセグメント14と少なくとも部分的に重なることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、部材30はセグメント14と同じ場所または同様の場所に存在することができる。いくつかの実施形態では、部材30は金属であり、磁石によって引き付けられ得る。部材30は、例えば、設備に接続されるのに使用され得る。部材30はバッキングプレート12に埋め込まれ得る。すなわち、いくつかの実施形態では、部材30は第2のフェース28の中に入り込むことができる。
【0090】
図3は、いくつかの実施形態による
図1のパッドコンディショナー組立体10の側面図を示す。
【0091】
示される実施形態では、バッキングプレート12はテクスチャード加工された表面24を含み、セグメント14は第1のフェース16の下方に入り込んでいる。いくつかの実施形態では、
図3の配置構成は、パッドコンディショナー組立体10の全厚が制限されるような設備内で使用され得る。
【0092】
本明細書で使用される専門用語は実施形態を説明することを意図され、限定的であることを意図されない。「a」、「an」、および「the」という用語は、明確に他の意味が示されない限り、複数形も含む。本明細書で使用される場合の「備える(comprising)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、言及する特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するものであり、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を排除するものではない。
【0093】
本開示の範囲から逸脱することなく、特には、採用される構成材料、ならびに、部品の形状、サイズ、および配置構成に関して、詳細な変更が行われ得ることが理解されよう。本明細書および説明される実施形態は例であり、本開示の真の範囲および技術的思想は特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つの添加剤を含むバッキングプレートであって、
前記少なくとも1つの添加剤が、磁気特性、色特性、構造特性、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを有するバッキングプレートとなるのに十分な量で存在する、
バッキングプレートと、
セラミック基板および前記セラミック基板と一体である複数のレーザテクスチャード加工された突出部を備える複数のセグメントであって、
前記複数のレーザテクスチャード加工された突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、
複数のセグメントと
を備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤が、金属粒子充填剤、顔料充填剤、構造充填剤、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの添加剤が、前記バッキングプレートに埋め込まれる磁性部材を備える、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項4】
前記磁性部材が、磁力により前記バッキングプレートを構造に固定するように構成されている、請求項3に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの添加剤が顔料充填剤を含み、前記顔料充填剤が加熱によって活性化される顔料充填剤を含む、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項6】
前記加熱によって活性化される顔料充填剤が、所定の温度で色変化を引き起こすように構成されている、請求項5に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項7】
前記ポリマーが、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項8】
前記バッキングプレートが、継ぎ目、ろう付け接合部、および溶接接合部を含まない、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項9】
前記バッキングプレートが1つまたは複数のポリマー層を備える、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【請求項10】
付加製造される前記バッキングプレートが単一構成のモノリシック構造を有する、請求項1に記載のCMPパッドコンディショナー組立体。
【国際調査報告】