(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-30
(54)【発明の名称】両面パッドコンディショナー
(51)【国際特許分類】
B24B 53/12 20060101AFI20240920BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240920BHJP
B24B 53/017 20120101ALI20240920BHJP
B24D 3/00 20060101ALI20240920BHJP
B24D 7/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B24B53/12 Z
H01L21/304 622M
B24B53/017 A
B24D3/00 310D
B24D7/06
B24D3/00 340
B24D3/00 310G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519325
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022044421
(87)【国際公開番号】W WO2023055649
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェナー, ドルク
(72)【発明者】
【氏名】リバーズ, ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】バル, エランゴ
(72)【発明者】
【氏名】コーダー, ファディ アブダラ
【テーマコード(参考)】
3C047
3C063
5F057
【Fターム(参考)】
3C047AA15
3C047AA34
3C047EE11
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA03
3C063BB02
3C063BG01
3C063BG02
3C063BG07
3C063BH07
3C063EE01
3C063EE10
3C063EE26
3C063FF30
5F057AA23
5F057DA03
5F057EB27
(57)【要約】
CMPパッドコンディショナー組立体が、複数の第1の設置場所を含む第1のフェースと、複数の第2の設置場所を含む第2のフェースとを含むバッキングプレートを含む。複数のセグメントが第1のフェースに固定される。セグメントは、第1の表面と、第1の表面の反対側にある第2の表面とを有する基板を含む。複数の突出部が第1の表面から離れる方向に突出するかたちで基板と一体である。突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。複数の第2のセグメントが第2のフェースに固定され、第2のセグメントは、第1の表面と、第1の表面の反対側にある第2の表面とを有する基板を含む。各々の第2のセグメントは、第1の表面から離れる方向に突出するかたちで基板と一体である複数の突出部を含む。突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキングプレートを備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体であって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースであって、前記第1のフェースが複数の第1の設置場所を含み、前記第2のフェースが複数の第2の設置場所を含む、第1のフェースおよび第2のフェースと、
前記複数の第1の設置場所のところで前記第1のフェースに固定された複数のセグメントであって、各々の前記複数のセグメントが、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記第1の表面から離れる方向に突出するかたちで前記基板と一体である複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を備える、複数のセグメントと、
前記複数の第2の設置場所のところで前記第2のフェースに固定された複数の第2のセグメントであって、各々の前記複数の第2のセグメントが、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記第1の表面から離れる方向に突出するかたちで前記基板と一体である複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を含む、複数の第2のセグメントと
を備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項2】
前記バッキングプレートがステンレス鋼を含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記バッキングプレートがポリマーを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記バッキングプレートが付加製造プロセスから作られる、請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
前記バッキングプレートが射出成形される、請求項3に記載の組立体。
【請求項6】
前記ポリマーが金属粒子充填剤を含む、請求項3に記載の組立体。
【請求項7】
第1の複数の設置場所または第2の複数の設置場所のうちの1つまたは複数が前記バッキングプレートの中に入り込んでいる、請求項3に記載の組立体。
【請求項8】
前記第1の複数の設置場所または前記第2の複数の設置場所のうちの1つまたは複数が前記バッキングプレートの中に入り込んでおり、前記バッキングプレートの中に入り込んでいるウェルを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項9】
前記ウェルが1つまたは複数の表面修正部を含む、請求項8に記載の組立体。
【請求項10】
バッキングプレートを備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体であって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースと、
複数の設置場所と、
各々の前記複数の設置場所にあって前記バッキングプレートの中に入り込んでいるウェルと、
前記複数の設置場所のところで前記バッキングプレートに固定された複数のセグメントであって、各々の前記複数のセグメントが、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、
前記基板と一体であり、前記第1の表面から離れる方向に突出する、複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部、ならびに、
前記第2の表面と一体であり、前記第2の表面から突出する、第2の複数の突出部であって、前記第2の複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、第2の複数の突出部
を備える、複数のセグメントと
を備え、
各々の前記複数の設置場所にある前記ウェルが、前記複数の設置場所のところで前記バッキングプレートに固定された前記複数のセグメントよりも小さい表面積を有する、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項11】
前記バッキングプレートがステンレス鋼を含む、請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
前記バッキングプレートがポリマーを含む、請求項10に記載の組立体。
【請求項13】
前記バッキングプレートが付加製造プロセスから作られる、請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記複数の設置場所が前記バッキングプレート内にある開口である、請求項10から13のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項15】
各々の前記複数のセグメントが等しい、請求項10から14のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項16】
バッキングプレートを確保することであって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースであって、前記第1のフェースが複数の第1の設置場所を含み、前記第2のフェースが複数の第2の設置場所を含む、第1のフェースおよび第2のフェース、
を備える、バッキングプレートを確保することと、
複数のセグメントを確保することであって、前記複数のセグメントが、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記第1の表面から離れる方向に突出するかたちで前記基板と一体である複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を備える、複数のセグメントを確保することと、
前記複数のセグメントの第1のサブセットを前記複数の第1の設置場所に固定することと、
前記複数のセグメントの第2のサブセットを前記複数の第2の設置場所に固定することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを固定することが、
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることと、
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットの前記第2の表面に接着剤を塗布することと、
前記バッキングプレートの前記第2のフェースに力を加えることと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを固定することが、前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを前記複数の第1の設置場所に固定することの後で完了される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを固定することが、
前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることと、
前記複数のセグメントの前記第2のサブセットの前記第2の表面に接着剤を塗布することと、
前記バッキングプレートの前記第2の表面に力を加えることと
を含み、
ガイドプレートが、前記バッキングプレートと、前記バッキングプレートの前記第2の表面に力を加える表面との間に配設され、それにより、前記バッキングプレートの前記第2の表面に力を加える前記表面および前記第1のサブセットの前記複数のセグメントとの接触を防止する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
設置ガイドが、前記複数のセグメントの前記第1のサブセットおよび前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを固定することに使用されることにより、前記複数のセグメントの前記第1のサブセットおよび前記複数のセグメントの前記第2のサブセットが前記バッキングプレートの両側の表面で同じ場所に装着される、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体を製造するための設備に関する。より詳細には、本開示は、化学機械平坦化(CMP:chemical mechanical planarization)のための両面セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械平坦化または化学機械研磨(CMP:chemical mechanical planarizationまたはchemical mechanical polishing)は半導体デバイスの製造プロセスの一部となり得る。CMP中、研磨パッドおよび研磨スラリを介して材料がウエハ基板から除去される。CMPは、任意選択で、1つまたは複数の化学試薬を含むことができる。研磨パッドは経時的につや消しされ得てデブリが詰まり得る。研磨パッドをリコンディショニングするのにセグメントが使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態では、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体がバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは第1のフェースおよび第2のフェースを含む。いくつかの実施形態では、第1のフェースは複数の第1の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、第2のフェースは複数の第2の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントが複数の第1の設置場所のところで第1のフェースに固定される。いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは、第1の表面および第2の表面を有する基板を含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は第2の表面の反対側にある。いくつかの実施形態では、複数の突出部が、第1の表面から離れる方向に突出するかたちで基板と一体である。いくつかの実施形態では、複数の突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。いくつかの実施形態では、複数の第2のセグメントが複数の第2の設置場所のところで第2のフェースに固定される。いくつかの実施形態では、各々の複数の第2のセグメントは、第1の表面および第2の表面を有する基板を含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は第2の表面の反対側にある。いくつかの実施形態では、各々の複数の第2のセグメントは、第1の表面から離れる方向に突出するかたちで基板と一体である複数の突出部を含む。いくつかの実施形態では、複数の突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0004】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはステンレス鋼を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは付加製造プロセスから作られる。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは射出成形される。いくつかの実施形態では、ポリマーは金属粒子充填剤を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1の複数の設置場所または第2の複数の設置場所のうちの1つまたは複数がバッキングプレートの中に入り込んでいる。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1の複数のセグメントおよび第2の複数のセグメントは等しい。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の複数の設置場所および第2の複数の設置場所は、バッキングプレートの両側で同じになるように位置合わせされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、CMPパッドコンディショナー組立体がバッキングプレートを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは第1のフェースおよび第2のフェースを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは複数の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントが複数の設置場所のところでバッキングプレートに固定される。いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは、第1の表面および第2の表面を有する基板を含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は第2の表面の反対側にある。いくつかの実施形態では、複数の突出部が基板と一体であり、第1の表面から離れる方向に突出する。いくつかの実施形態では、複数の突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。いくつかの実施形態では、第2の複数の突出部が第2の表面から離れる方向に突出する。いくつかの実施形態では、第2の複数の突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の複数の設置場所または第2の複数の設置場所のうちの1つまたは複数がバッキングプレートの中に入り込んでおり、バッキングプレートの中に入り込んでいるウェルを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、ウェルは1つまたは複数の表面修正部を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、バッキングプレートはステンレス鋼を含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは付加製造プロセスから作られる。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の設置場所はバッキングプレート内にある開口である。
【0013】
いくつかの実施形態では、各々の複数のセグメントは等しい。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法がバッキングプレートを確保することを含む。いくつかの実施形態では、バッキングプレートは第1のフェースおよび第2のフェースを含む。いくつかの実施形態では、第1のフェースは複数の第1の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、第2のフェースは複数の第2の設置場所を含む。いくつかの実施形態では、方法は複数のセグメントを確保することを含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントは、第1の表面および第2の表面を有する基板を含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は第2の表面の反対側にある。いくつかの実施形態では、複数の突出部が、第1の表面から離れる方向に突出するかたちで基板と一体である。いくつかの実施形態では、複数の突出部はコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される。いくつかの実施形態では、方法は、複数のセグメントの第1のサブセットを複数の第1の設置場所に固定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のセグメントの第2のサブセットを複数の第2の設置場所に固定することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第1のサブセットを固定することが、複数のセグメントの第1のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることを含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントのサブセットを固定することが、複数のセグメントの第1のサブセットの第2の表面に接着剤を塗布することを含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第1のサブセットを固定することが、バッキングプレートの第2のフェースに力を加えることを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第2のサブセットを固定することが、複数のセグメントの第1のサブセットを複数の第1の設置場所に固定することの後で完了される。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第2のサブセットを固定することが、複数のセグメントの第2のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることを含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第2のサブセットを固定することが、複数のセグメントの第2のサブセットの第2に表面に接着剤を塗布することを含む。いくつかの実施形態では、複数のセグメントの第2のサブセットを固定することが、バッキングプレートの第2の表面に力を加えることを含む。いくつかの実施形態では、ガイドプレートが、バッキングプレートと、バッキングプレートの第2の表面に力を加える表面との間に配設され、それにより、バッキングプレートの第2の表面に力を加える表面および複数のセグメントの第1のサブセットとの接触を防止する。
【0018】
いくつかの実施形態では、設置ガイドが、複数のセグメントの第1のサブセットおよび複数のセグメントの第2のサブセットを固定することに使用され、その結果、複数のセグメントの第1のサブセットおよび複数のセグメント第2のサブセットがバッキングプレートの両側の表面で同じ場所に装着される。
【0019】
本明細書で説明されるシステムおよび方法を実施することが可能である実施形態を示す、本開示の一部を形成する添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】いくつかの実施形態による両面パッドコンディショナー組立体を示す上面図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体を示す底面図である。
【
図2A-2B】多様な実施形態による両面パッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【
図3】いくつかの実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【
図4】他の実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【
図5】さらに他の実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体の一部分を示す側面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体の一部分を側面図である。
【
図7】いくつかの実施形態による
図1Aの両面パッドコンディショナー組立体を製造するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
同様の参照符号は本明細書を通して同じまたは類似の部分を表す。
【0022】
ミクロ電子工学デバイスの作製プロセス中、基板の表面の上に複数の集積回路が形成される。基板の例はシリコンウエハおよびガリウムヒ素ウエハなどを含む。各集積回路は、インターコネクトとして知られている導電トレースを用いて電気的に相互接続されるミクロ電子工学デバイスから構成される。インターコネクトは、基板の表面の上に形成された導電層からパターン化される。インターコネクトの積み重ねの層を形成する能力により、より複雑なミクロ電子工学回路を基板の比較的小さい表面積の中におよびその上に実装することが可能となる。ミクロ電子工学回路の数が増えて複雑さが増すと、基板の層の数が増える。したがって、半導体製造においては基板表面の平面性が重要な点となる。
【0023】
化学機械平坦化(CMP)は、基板の層の表面を平坦化する方法である。CMPは、基板の表面から材料を除去するために、化学エッチングと機械的摩耗を組み合わせる。CMPプロセス中、基板が研磨ツールのヘッドに取り付けられ、逆さにされ、その結果、集積回路を有する表面が研磨パッドの方を向くようになる。研磨粒子および化学エッチング液を含有するスラリが、回転する研磨パッドの上に付けられる。化学薬品が、平坦化されている基板上の露出する表面材料を軟化させ得るかまたは露出する表面材料と反応し得る。研磨パッドはターンテーブルまたはプラテンに固定的に取り付けられる。プラテンの上で研磨パッドが回転させられるときに回転する基板を研磨パッドに接触させることにより、基板が研磨される。露出する表面材料の化学的な軟化、および、研磨パッドと、スラリと、基板との間の相対移動により引き起こされる物理的な摩耗の組み合わせの処置により、基板の集積回路埋め込み表面の表面が除去され得る。
【0024】
基板の一部が研磨パッドによって除去されると、スラリとデブリとの組み合わせが詰まり易くなり、傾向として研磨パッドの表面のつや出しを行うようになり、その結果、基板から材料を除去するための研磨パッドの効果が経時的に低下する。研磨パッドの表面は、研磨パッド表面に係合される研磨面を有するCMPパッドコンディショニング組立体によって洗浄またはコンディショニングされる。既知のCMPパッドコンディショニング組立体は、突出部、メサ、または鋭利な縁部(cutting edge)を含む研磨面を有することができ、これらの突出部、メサ、または鋭利な縁部は、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンドグリット、または多結晶ダイヤモンドのような硬いコーティングで被覆され得る。パッドコンディショニング組立体の研磨面はそれ自体でも摩耗し得、それによりCMP研磨パッドのリコンディショニングのための効果が経時的に低下する。CMP研磨パッドのコンディショニング中、パッドコンディショニング組立体がCMPパッドを摩耗させ、新しい細孔を開放し、研磨のための新しいパッド表面を開放する。
【0025】
CMPプロセスは、スラリおよび化学薬品、研磨パッド、ならびにパッドコンディショニング組立体を含めた、多くの消耗品を利用する。消耗品を交換することは時間を要し得、その結果製造歩留を損失させ得、ウエハスループットを低下させ得る。
【0026】
実施形態が両面パッドコンディショナー組立体を提供する。両面パッドコンディショナーは、単一の表面ではなく、2つの表面を同時に研磨することができる。
【0027】
図1Aは、いくつかの実施形態による両面パッドコンディショナー組立体10の上面図を示す。両面パッドコンディショナー組立体10は、両面コンディショナー組立体10の両側を介して同時に研磨を行うことができるように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、両面パッドコンディショナー組立体10は、バッキングプレート12および複数のセグメント14を含む。セグメント14はバッキングプレート12に固定される。バッキングプレート12は第1のフェース16を有する。いくつかの実施形態では、セグメント14は第1のフェース16に固定される。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はバッキングプレート12を通る複数の開口を含み、セグメント14は開口の中でバッキングプレート12に固定される。以下では、
図5に従ってこのような実施形態がさらに詳細に示されて説明される。
【0029】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は円板形状を有する。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12の形状は円板形状ではない他の形状ともなり得る(例えば、方形、矩形、または三角形など)。
【0030】
バッキングプレート12が円板形状であるいくつかの実施形態では、バッキングプレート12は直径Dを有することができる。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から30.48cm(12インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から27.94cm(11インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から25.40cm(10インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から22.86cm(9インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から20.32cm(8インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から17.78cm(7インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から15.24cm(6インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から12.70cm(5インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは7.62cm(3インチ)から10.16cm(4インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは10.16cm(4インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは12.70cm(5インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは15.24cm(6インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは17.78cm(7インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは20.32cm(8インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは22.86cm(9インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは25.40cm(10インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは27.94cm(11インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。いくつかの実施形態では、直径Dは30.48cm(12インチ)から33.02cm(13インチ)となり得る。
【0031】
上記の範囲が例であり、実際の直径Dが本記述に従って記載の範囲を超えて変化し得ることが認識されよう。バッキングプレート12の形状が円板形状ではない他の形状であるいくつかの実施形態では、直径Dはバッキングプレート12の主寸法を表すものとなり得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はポリマー材料で作られ得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:acrylonitrile butadiene styrene)、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン(PA6、PA66など)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはこれらの任意の組み合わせとなり得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、CMPプロセス化学薬品およびスラリに化学的に適合する材料で作られ得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は化学的に不動態化され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は化学的に不動態化される必要がない可能性がある。このような実施形態では、バッキングプレート12は、化学的な不動態化を必要とする現在のバッキングプレートよりも製造が安価となり得る。いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はステンレス鋼などで作られ得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は、ポリマーと共に1つまたは複数の充填剤を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、顔料充填剤が含まれ得る。このような実施形態では、多様な顔料充填剤または着色料充填剤が特定の用途のための特定のバッキングプレート12を識別するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の充填剤は、ポリマーに埋め込まれる金属粒子充填剤材料を含むことができる。金属粒子充填剤材料は、例えば、バッキングプレート12に追加の構造的完全性を提供するのに使用され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は付加製造プロセスによって生み出され得る。例えば、いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は3D印刷によって生み出され得る。このような実施形態では、3D印刷されるバッキングプレート12の異なる層が異なる材料で形成され得る(例えば、金属層などを含むために)。いくつかの実施形態では、3D印刷されるバッキングプレート12の異なる層が同じ材料で形成され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は射出成形によって生み出され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は複数のセグメント14を含む。複数のセグメント14は接着剤を用いてバッキングプレート12に固定され得る。いくつかの実施形態では、適切な接着剤は、限定しないが、エポキシ樹脂、テープ接着剤、またはこれらの任意の組み合わせなどを含む。
【0037】
示される実施形態では、セグメント14のうちの5個のセグメント14が示される。セグメント14の数が変化し得ることが認識されよう。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント14の数が5個未満となり得る。いくつかの実施形態では、セグメント14の数が6個以上となり得る。セグメント14の数は特定の用途などに基づいて選定され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、各々のセグメント14は、一般に、研磨領域を提供する。研磨領域は、集合的に、両面パッドコンディショナー組立体10を使用して研磨パッドをリコンディショニングするときにCMPで使用される研磨パッドに接触する。研磨領域は、一般に、複数の接触表面によって画定される。
【0039】
セグメント14の種々の構造部は、両面パッドコンディショナー組立体10を使用してリコンディショニングされる研磨パッドの用途に応じて構成され得る。例えば、セグメント14の相対サイズ、セグメント14の数、セグメント14上での構造部の密集度、セグメント14上の構造部の深さ、またはこれらの任意の組み合わせなどのうちの少なくとも1つが、リコンディショニングされることになる研磨パッドの用途に基づいて選定され得る。
【0040】
示される実施形態では、セグメント14は、上面図で見て概略方形形状である。本明細書で使用される場合の「概略方形形状」は、製造公差などに適合する方形形状を意味する。すなわち、セグメント14の長さおよび幅は製造公差などに適合しながら実質的に等しい。いくつかの実施形態では、セグメント14のジオメトリは方形ではない形状となり得る。セグメント14は、例えば材料の蓄積を最小にするために、および、例えばこの蓄積物によって生成される傷を低減するために、丸みのある角および面取りされた縁部を含むことができる。いくつかの実施形態では、セグメント14は矩形などとなり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12上でのセグメント14の場所は変化させられ得る。いくつかの実施形態では、間隔は、各々のセグメント14の間の弧長を等しくするようにまたはほぼ等しくするように選定され得る。本明細書で使用される場合の実質的に等しいは、製造公差などに適合しながら等しいことを意味する。いくつかの実施形態では、間隔は、セグメント14の間の弧長を等しくしないように選定され得る。いくつかの実施形態では、セグメント14の場所は、使用時に両面パッドコンディショナー組立体10の振動を低減するように選定され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12は開口18を含むことができる。開口18は、任意選択であることを理由として、破線で示される。開口18は指穴と称され得る。すなわち、開口18は、両面パッドコンディショナー組立体10を操作者によって扱うのを可能にするのに使用され得る。いくつかの実施形態では、開口18は、両面パッドコンディショナー組立体10を他の設備によって扱うのを可能にするのに使用され得る。
【0043】
図1Bは、いくつかの実施形態による両面パッドコンディショナー組立体10の底面図を示す。
【0044】
バッキングプレート12は第2のフェース20を有する。第2のフェース20は第1のフェース16の反対側にある。示されるように、いくつかの実施形態では、セグメント14は第2のフェース20上に配置構成される。例えば、セグメント14は、第1のフェース16に対してセグメント14が固定される場所(
図1A)と同じ場所にあってよい。すなわち、第2のフェース20上にあるセグメントのうちのいくつかのまたはすべてが、
図2Aに示されるように第1のフェース16上にあるセグメントの正反対に配置され得、
図2Aでは、セグメント14Aはセグメント14Bの反対側にある。具体的な実施例として、第2のフェース上にある各々のセグメントは、第1のフェース上にある各セグメントの反対側に配置され得る。別法として、いくつかの実施形態では、セグメント14は、第1のフェース16に対してセグメント14が固定される場所(
図1A)とは異なる場所で第2のフェース20上に配置構成される。すなわち、いくつかの実施形態では、第1のフェース16上にあるセグメント14(
図1A)および第2のフェース20上にあるセグメント14は
図2Bに示されるように互いからオフセットされ得、
図2Bではセグメント14Aおよび14Bは互い違いの配置構成にある。いくつかの実施形態では、第1のフェース16(
図1A)上にあるセグメント14のうちのいくつかオフセットされ得るか、または第2のフェース20上にあるセグメント14とは異なる場所にあってよく、セグメント14のうちの他のセグメント14が同じ場所にあってよい。いくつかの実施形態では、セグメント14はバッキングプレート12内の開口を通って延在する。このような実施形態では、セグメント14はバッキングプレート12の開口内で固定される。
【0045】
図3は、いくつかの実施形態による両面パッドコンディショナー組立体10の側面図を示す。本明細書の簡潔さのために、上で説明した構造部は、特別な参照を行わない限り、さらに詳細には説明されない。
【0046】
図3に示される実施形態では、セグメント14Aは接着剤22を介して第1のフェース16に固定され、セグメント14Bは接着剤22を介して第2のフェース20に固定される。セグメント14Aおよびセグメント14Bは、他に特別な参照を行わない限り、セグメント14と総称される。
【0047】
いくつかの実施形態では、セグメント14はコアおよび1つまたは複数の追加の層を含むことができる。コアは例えば多孔質炭化ケイ素などとなり得る。表面層がコアの上に配設される。いくつかの実施形態では、表面層は、例えば化学蒸着(CVD)プロセスを介してコアに加えられる炭化ケイ素表面層となり得る。表面層は、複数の表面構造部を作り出すためにエッチングされ得る(例えば、レーザなどを介して)。表面層は硬化層を含む。硬化層は、例えばCVDプロセスを介してコンフォーマルな層として表面層に加えられ得る、例えばダイヤモンドコーティングとなり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、セグメント14は両面パッドコンディショナー組立体10の上に摩耗表面を提供する。したがって、CMPツールのための研磨パッドをリコンディショニングする場合、表面構造部が研磨パッドに接触する。いくつかの実施形態では、コアおよび表面層は基板と総称され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、セグメント14は複数の突出部24を含む。突出部24はバッキングプレート12から離れる方向に突出する。例えば、セグメント14上にある突出部24は第1のフェース16から離れる方向に突出し、セグメント14B上にある突出部24は第2のフェース20から離れる方向に突出する。突出部24は、例えばCVDプロセスを介してコンフォーマルな層として突出部に加えられ得るダイヤモンドコーティングなどの、硬化層を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、突出部24は、円錐形、円錐台形、またはこれらの組み合わせなどとなり得る。突出部24のための他のジオメトリも選定され得る。いくつかの実施形態では、突出部24のうちの第1の突出部24がバッキングプレート12から第1の距離で延在することができ、対して突出部24のうちの第2の突出部24がバッキングプレート12から第2の距離で延在することができ、第2の距離は第1の距離とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の距離および第2の距離は等しくなり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、バッキングプレート12はテクスチャード加工された表面26を含むことができる。説明を目的として、図ではテクスチャード加工された表面26は点描によって示される。テクスチャード加工された表面26は、バッキングプレート12に対してのセグメント14のより良好な接着を促進することができる。いくつかの実施形態では、セグメント14は、テクスチャード加工された表面26によって画定される複数の設置場所28のところで接着剤22によりバッキングプレート12に固定され得る。いくつかの実施形態では、接着剤22は、エポキシ樹脂、テープ接着剤、またはこれらの任意の組み合わせなどを含むことができる。
【0052】
図4は、他の実施形態による両面パッドコンディショナー組立体10の側面図を示す。本明細書の簡潔さのために、上で説明した構造部は、特別な参照を行わない限り、さらに詳細には説明されない。
【0053】
図4に示される実施形態では、セグメント14Aは第1のフェース16の中に入り込んでおり、セグメント14Bは第2のフェース20の中に入り込んでいる。
図4の実施形態は、例えば両面パッドコンディショナー組立体10の全厚が制限されるような場合(例えば、使用される設備に基づいてなど)で、有用となり得る。
【0054】
図5は、さらに別の実施形態による両面パッドコンディショナー組立体10の側面図を示す。本明細書の簡潔さのために、上で説明した構造部は、特別な参照を行わない限り、さらに詳細には説明されない。
【0055】
図5に示される実施形態では、セグメント14Cは開口30の中に配設され、開口30を形成する壁23のところで接着剤22によりバッキングプレート12に固定される。セグメント14Cは両面セグメントである。結果として、
図3~
図4の実施形態とは異なり、
図5の実施形態は、第1のフェース16上にあるセグメント14Aおよび第2のフェース20上にあるセグメント14Bの代わりに、バッキングプレート12を通って延在する単一のセグメント14Cを含むことができる。いくつかの実施形態では、セグメント14Cは、別法として、両面セグメント14Cを作り出すようにセグメント14Bに固定されたセグメント14Aとなり得る。いくつかの実施形態では、セグメント14Cは
図3~
図4に関連して上で考察した手法と同じ手法で作られ得るが、コアの両側に形成された突出部24を有することができる。
【0056】
図6は、いくつかの実施形態による、
図1の両面パッドコンディショナー組立体10の一部分の側面図を示す。本明細書の簡潔さのために、上で説明した構造部は、特別な参照を行わない限り、さらに詳細には説明されない。
【0057】
図6に示される実施形態では、セグメント14Aは第1のフェース16の中に入り込んでおり、セグメント14Bは第2のフェース20の中に入り込んでいる。加えて、第1のフェース16および第2のフェース20は、第1のフェース16および第2のフェース20の窪み部分にあるウェル34を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ウェル34はセグメント14Aおよびセグメント14Bよりも寸法的に小さい。例えば、いくつかの実施形態では、ウェル34の表面積は、セグメント14Aまたはセグメント14Bの表面積の最大99%である。いくつかの実施形態では、ウェル34の表面積は、セグメント14Aまたはセグメント14Bの表面積の少なくとも1%である。いくつかの実施形態では、ウェル34の表面積は、セグメント14Aまたはセグメント14Bの表面積の最大95%である。いくつかの実施形態では、ウェル34の表面積は、セグメント14Aまたはセグメント14Bの表面積の最大90%である。いくつかの実施形態では、ウェル34の表面積は、セグメント14Aまたはセグメント14Bの表面積の少なくとも50%である。
【0059】
ウェル34は接着剤22を受けるように構成される。示される実施形態では、本明細書の簡潔さのために、接着剤22はウェル34内で点描で示される。いくつかの実施形態では、ウェル34は、少なくとも100μmの接着剤22の厚さを提供するように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、ウェル34は、少なくとも110μmの接着剤22の厚さを提供するように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、ウェル34は、少なくとも120μmの接着剤22の厚さを提供するように寸法決めされ得る。いくつかの実施形態では、接着剤22の厚さは最大150μmである。
【0060】
いくつかの実施形態では、セグメント14Bで示されるように、1つまたは複数の表面修正部36がウェル34の中に配設され得る。セグメント14Aのためのウェル34も1つまたは複数の表面修正部36を含むことができることを認識されよう。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は、両面パッドコンディショナー組立体10の両側の表面上のウェル34内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は、両面パッドコンディショナー組立体10の表面のうちの一方の表面に含まれ得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は含まれない可能性があるが、代わりに、ウェル34の表面が表面粗さを提供するように修正され得る(例えば、摩耗を施されるなど)。1つまたは複数の表面修正部36あるいはウェル34の表面粗さは、接着剤22のための追加の表面積を提供することができる。
【0061】
示される実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は、1つまたは複数の表面修正部36のうちの3つを含むものとして示される。これが例であり、実際の数は3個未満または4個以上となるようにも変化し得ることが認識されよう。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は単一の表面修正部を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は、別法として、1つまたは複数のリブなどとして説明され得る。
【0062】
示される実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36がジオメトリで矩形である。このジオメトリが例であること、および本開示の範囲内で他のジオメトリも可能であることが認識されよう。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の表面修正部36は、角錐形状、半円形、円筒形、または接着剤22のための表面積を増大させることができる他のジオメトリとなり得る。
【0063】
示される実施形態で示されるように、1つまたは複数の表面修正部36はウェル34の深さよりも小さい高さを有する。結果として、いくつかの実施形態では、両面パッドコンディショナー組立体10は1つまたは複数の表面修正部に直接に接触しない。いくつかの実施形態では、両面パッドコンディショナー組立体10は1つまたは複数の表面修正部のうちの1つまたは複数に直接に接触することができる。いくつかの実施形態では、直接の接触は、対応する構成要素が平坦であることが必要となることで製造における課題を生じさせる可能性がある。
【0064】
図7は、いくつかの実施形態による両面パッドコンディショナー組立体を製造するための方法50のフローチャートを示す。方法50は、例えば
図3の実施形態と共に使用され得る。本明細書の簡潔さのために、上で説明した構造部は、特別な参照を行わない限り、さらに詳細には説明されない。
【0065】
方法50は、ブロック52に、バッキングプレートを確保することを含む。バッキングプレートは、例えば、
図1A~
図4または
図6のバッキングプレート12となり得る。本方法は、ブロック54に、複数のセグメントを確保することを含む。いくつかの実施形態では、セグメントは、上記の
図2A~
図4および
図6のセグメント14Aおよび14Bなどのセグメント14となり得る。本方法は、ブロック56に、第1のサブセットの複数のセグメント(14A)を複数の第1の設置場所に固定することを含む。本方法は、ブロック58に、複数のセグメントの第2のサブセット(14B)を複数の第2の設置場所に固定することを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、ブロック58で複数のセグメントの第2のサブセットを固定することが、ブロック56で複数のセグメントの第1のサブセットを複数の第1の設置場所に固定することの後で完了される。この第1の順序が逆にもされ得ることが認識されよう(すなわち、ブロック58がブロック56の前に実施される)。
【0067】
いくつかの実施形態では、ブロック58は、複数のセグメントの第2のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることを含むことができる。接着剤が複数のセグメントの第2のサブセットに塗布され得る。ブロック58は、バッキングプレートの第2の表面に力を加えることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ガイドプレートが、バッキングプレートと、バッキングプレートの第2の表面に力を加える表面との間に配設され得、それにより、バッキングプレートの第2の表面に力を加える表面および複数のセグメントの第1のサブセットとの接触を防止する。いくつかの実施形態では、設置ガイドは、第1のセグメントおよび第2のセグメントがバッキングプレートの両方のフェースでバッキングプレートの同じ位置に位置合わせされるのを確実にするのに使用され得る。
【0068】
本明細書で使用される専門用語は実施形態を説明することを意図され、限定的であることを意図されない。「a」、「an」、および「the」という用語は、明確に他の意味が示されない限り、複数形も含む。本明細書で使用される場合の「備える(comprising)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、言及する特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するものであり、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を排除するものではない。
【0069】
本開示の範囲から逸脱することなく、特には、採用される構成材料、ならびに、部品の形状、サイズ、および配置構成に関して、詳細な変更が行われ得ることが理解されよう。本明細書および説明される実施形態は例であり、本開示の真の範囲および技術的思想は特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキングプレートを備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体であって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースであって、前記第1のフェースが複数の第1の設置場所を含み、前記第2のフェースが複数の第2の設置場所を含む、第1のフェースおよび第2のフェースと、
前記複数の第1の設置場所のところで前記第1のフェースに固定された複数のセグメントであって
、前記複数のセグメント
の各々が、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記基板と一体で
あり前記第1の表面から離れる方向に突出する複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を備える、複数のセグメントと、
前記複数の第2の設置場所のところで前記第2のフェースに固定された複数の第2のセグメントであって
、前記複数の第2のセグメント
の各々が、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記基板と一体であ
り前記第1の表面から離れる方向に突出する複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を含む、複数の第2のセグメントと、
を備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項2】
前記バッキングプレートがポリマーを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記ポリマーが金属粒子充填剤を含む、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記複数の第1の設置場所または前記複数の第2の設置場所のうちの1つまたは複数が前記バッキングプレートの中に入り込んでいる、請求項2に記載の組立体。
【請求項5】
前
記複数の第1の設置場所または前
記複数の第2の設置場所のうちの1つまたは複数が前記バッキングプレートの中に入り込んでおり、前記バッキングプレートの中に入り込んでいるウェルを備える、請求項
1に記載の組立体。
【請求項6】
バッキングプレートを備える、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体であって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースと、
複数の設置場所と、
前記複数の設置場所
の各々にあって前記バッキングプレートの中に入り込んでいるウェルと、
前記複数の設置場所のところで前記バッキングプレートに固定された複数のセグメントであって
、前記複数のセグメント
の各々が、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、
前記基板と一体であ
り前記第1の表面から離れる方向に突出す
る複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部、ならびに、
前記第2の表面と一体であ
り前記第2の表面から突出す
る第2の複数の突出部であって、前記第2の複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、第2の複数の突出部
を備える、複数のセグメントと、
を備え、
前記複数の設置場所
の各々にある前記ウェルが、前記複数の設置場所のところで前記バッキングプレートに固定された前記複数のセグメントよりも小さい表面積を有する、化学機械平坦化(CMP)パッドコンディショナー組立体。
【請求項7】
バッキングプレートを確保することであって、前記バッキングプレートが、
第1のフェースおよび第2のフェースであって、前記第1のフェースが複数の第1の設置場所を含み、前記第2のフェースが複数の第2の設置場所を含む、第1のフェースおよび第2のフェース、
を備える、バッキングプレートを確保することと、
複数のセグメントを確保することであって、前記複数のセグメントが、
第1の表面および第2の表面を有する基板であって、前記第1の表面が前記第2の表面の反対側にある、基板、ならびに、
前記基板と一体であ
り前記第1の表面から離れる方向に突出する複数の突出部であって、前記複数の突出部がコンフォーマルなダイヤモンド層で被覆される、複数の突出部
を備える、複数のセグメントを確保することと、
前記複数のセグメントの第1のサブセットを前記複数の第1の設置場所に固定することと、
前記複数のセグメントの第2のサブセットを前記複数の第2の設置場所に固定することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを固定することが、
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを設置ガイドに位置合わせすることと、
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットの前記第2の表面に接着剤を塗布することと、
前記バッキングプレートの前記第2のフェースに力を加えることと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを固定することが、前記複数のセグメントの前記第1のサブセットを前記複数の第1の設置場所に固定することの後で完了される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のセグメントの前記第1のサブセットおよび前記複数のセグメントの前記第2のサブセットが前記バッキングプレートの両側の表面で同じ場所に装着される
ように、設置ガイドが、前記複数のセグメントの前記第1のサブセットおよび前記複数のセグメントの前記第2のサブセットを固定するために使用される、請求項7
又は8に記載の方法。
【国際調査報告】