(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】イオンブロッカプレートを用いたプラズマ生成のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/505 20060101AFI20240927BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240927BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
C23C16/505
C23C16/44 B
H05H1/46 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518848
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022045038
(87)【国際公開番号】W WO2023055800
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベラ, カロル
(72)【発明者】
【氏名】リー, シアオプー
(72)【発明者】
【氏名】田中 努
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084AA13
2G084BB14
2G084CC12
2G084DD23
2G084DD38
2G084FF02
2G084FF15
4K030FA03
4K030JA16
4K030JA17
4K030JA18
(57)【要約】
半導体処理チャンバにおいてプラズマを生成する方法が、処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、無線周波数(RF)電力を印加することであって、当該処理チャンバが、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、当該プラズマ領域がシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、処理チャンバ内でライトアップが発生しないように、イオンブロッカプレートにバイアスを印加することとを含む。幾つかの方法が、ライトアップ又は非ライトアップの状態を評価すること及びバイアスを調節することによって、バイアスを動的に調整することを更に含む。幾つかの方法は、バイアスを帯状に印加することを更に含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバにおいてプラズマを生成する方法であって、
前記処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、無線周波数(RF)電力を印加することであって、前記処理チャンバが、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、前記プラズマ領域が前記シャワーヘッドの前面及び前記イオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、
前記処理チャンバ内でライトアップが発生しないように、前記イオンブロッカプレートにバイアスを印加することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記バイアスを印加することが、前記プラズマ領域で前記プラズマのイオンを電気的に閉じ込めるのに効果的である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ライトアップ又は非ライトアップの状態を評価すること及び前記バイアスを調節することによって、前記バイアスを動的に調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バイアスが帯状に印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バイアスを印加することが、±50Vから±200Vの範囲において、前記イオンブロッカプレートの直流(DC)バイアスを供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バイアスを印加することが、100kHzから500kHzの範囲の周波数で、2W以上から50W以下の範囲において、前記イオンブロッカプレートの低周波無線周波数(LFRF)バイアスを供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマが、400Wから2500Wの電力範囲で動作する原子層堆積(ALD)プロセス中に生成され、前記方法が、前記基板上に膜を堆積させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記イオンブロッカプレートが、20ミル(0.5mm)以上から0.5インチ(12.7mm)以下の範囲のサイズ、及び/又は0.5mm以上から50mm以下の範囲の厚さを有する開口部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
半導体処理チャンバにおいてプラズマを生成する方法であって、
前記処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、前記処理チャンバのシャワーヘッドに無線周波数(RF)電力を印加することであって、前記処理チャンバが、前記シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、前記プラズマ領域が前記シャワーヘッドの前面及び前記イオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、
前記イオンブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)を含むバイアスを印加することと、
前記処理チャンバに非ライトアップ状態を達成するように、前記バイアスを変調することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記バイアスを前記変調することが、ライトアップ又は非ライトアップの状態を評価すること及び前記バイアスを調節することによって、前記バイアスを動的に調整することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バイアスが帯状に印加される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記バイアスを印加することが、±50Vから±200Vの範囲において、前記イオンブロッカプレートの直流(DC)バイアスを供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記バイアスを印加することが、100kHzから500kHzの範囲の周波数で、2W以上から50W以下の範囲において、前記イオンブロッカプレートの低周波無線周波数(LFRF)バイアスを供給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記プラズマが、400Wから2500Wの電力範囲で動作する原子層堆積(ALD)プロセス中に生成され、前記方法が、前記基板上に膜を堆積させることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記イオンブロッカプレートが、20ミル(0.5mm)以上から0.5インチ(12.7mm)以下の範囲のサイズ、及び/又は0.5mm以上から50mm以下の範囲の厚さを有する開口部を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、処理チャンバのコントローラによって実行されると、前記処理チャンバに、
前記処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、前記処理チャンバのシャワーヘッドに無線周波数(RF)電力を印加することであって、前記処理チャンバが、前記シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、前記プラズマ領域が前記シャワーヘッドの前面及び前記イオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、
前記イオンブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)を含むバイアスを印加することと、
前記処理チャンバに非ライトアップ状態を達成するように、前記バイアスを変調することと
を行う工程を実行させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記バイアスが帯状に印加される、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記バイアスを変調することが、ライトアップ又は非ライトアップの状態を評価すること及び前記バイアスを調節することによって、前記バイアスを動的に調整することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記バイアスを印加することが、±50Vから±200Vの範囲において、前記イオンブロッカプレートの直流(DC)バイアスを供給することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記バイアスを印加することが、100kHzから500kHzの範囲の周波数で、2W以上から50W以下の範囲において、前記イオンブロッカプレートの低周波無線周波数(LFRF)バイアスを供給することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、半導体処理チャンバにおけるプラズマ強化プロセスのための装置及び方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、イオンブロッカプレートホール及びプロセスギャップのライトアップを軽減及び/又は除去するようにバイアスをかけられたイオンブロッカプレートを有する容量結合プラズマ(CCP)チャンバを対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]多くの半導体プロセスは、膜及びその堆積を強化するためにプラズマを使用することを伴う。プラズマ生成中の「ライトアップ」は、膜の不均一性につながる可能性があり、ウエハの全体的な品質及び歩留まりに影響を与える。プラズマ強化堆積プロセスでは、接地されたイオンブロッカプレートホールのライトアップは、イオンブロッカプレート下方及びウエハの上面上方の処理空間又はギャップへの電力漏洩につながり、プロセスギャップ内に局所的なプラズマを発生させる可能性がある。これは、特にウエハのエッジ領域におけるプロセスの不均一性に悪影響を及ぼす。更に、プラズマライトアップは、Oリングを攻撃し、例えばフッ素(F)による後の汚染を引き起こす可能性がある。したがって、所与のイオンブロッカプレートに対してプラズマライトアップ状態を避けるために、プロセスの動作ウィンドウが制限され得る。
【0003】
[0003]ライトアップに対処するための幾つかの解決策には、より小さなホール及び/又はより大きな厚さを有するイオンブロッカプレートを使用することが含まれるが、これは、原子層堆積に必要なラジカルに対するコンダクタンスの低下、及び対応する膜堆積速度の低下など、処理中の他の制限につながる可能性がある。更に、かかるハードウェアの選択は、調節する機会がなく、動作中に固定される。また、幾つかの解決策では、ホールのライトアップを防止するために低い電力を使用することが含まれるが、動作ウィンドウが制限されてしまう。
【0004】
[0004]一般に、プラズマプロセス中のライトアップを軽減及び/又は除去し、動作中に状態を調節する機会を提供する必要性が、当該技術分野において継続的に存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一又は複数の実施形態は、半導体処理チャンバにおいてプラズマを生成する方法を対象とする。無線周波数(RF)電力が、処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために印加され、処理チャンバは、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、プラズマ領域はシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される。処理チャンバ内でライトアップが発生しないように、イオンブロッカプレートにバイアスが印加される。
【0006】
[0006]更なる実施形態は、半導体処理チャンバにおけるプラズマの方法を対象とする。無線周波数(RF)電力が、処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、処理チャンバのシャワーヘッドに印加され、処理チャンバは、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、プラズマ領域はシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される。イオンブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)を含むバイアスが印加される。処理チャンバに非ライトアップ状態を達成するように、バイアスが変調される。
【0007】
[0007]更なる実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体を対象とする。非一時的コンピュータ可読媒体は命令を含む。命令が処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバは、処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、処理チャンバのシャワーヘッドに無線周波数(RF)電力を印加することであって、当該処理チャンバが、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、当該プラズマ領域がシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、イオンブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)を含むバイアスを印加することと、処理チャンバに非ライトアップ状態を達成するように、バイアスを変調することと
を行う工程を実行する。
【0008】
[0008]本発明の上述の特徴を詳しく理解し得るように、上記で簡単に要約されている本発明のより詳細な記載が、実施形態を参照することによって得られる。一部の実施形態は、添付の図面に示されている。しかし、本発明は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、発明の範囲を限定していると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]一又は複数の実施形態に係る、処理チャンバの断面概略図である。
【
図2】[0010]一又は複数の実施形態に係る、処理チャンバの断面概略図である。
【
図3A-3C】[0011]比較例(
図3A)及び一又は複数の実施形態(
図3B~3C)に係る、電子密度によるプラズマ分布を示した状態で、シャワーヘッドからイオンブロッカプレートそしてウエハに至るまでが配置された例示的な処理チャンバの断面のスライスの概略図である。
【
図4】[0012]一又は複数の実施形態に係る、イオンブロッカプレートの上面概略図である。
【
図5】[0013]一又は複数の実施形態に係る、イオンブロッカプレートの上面概略図である。
【
図6】[0014]
図5の線Z-Zの断面概略図である。
【
図7】[0015]一又は複数の実施形態に係る、プラズマを生成する方法のフロー図である。
【
図8】[0016]一又は複数の実施形態に係る、処理プラットフォームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]添付の図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照符号の後にダッシュを付けて、類似の構成要素同士を区別する第2の符号によって、区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、第2の参照符号に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。図面中の構成要素の網目状の陰影は、異なる部品の視覚化を支援することが意図され、必ずしも構造の異なる材料を示すものではない。
【0011】
[0018]本発明の幾つかの例示的な実施形態を記載する前に、本発明は下記の記載において明記される構造又はプロセスステップの詳細事項に限定されないということを、理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、かつ、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
[0019]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を指す。また、基板への言及は、文脈上他のことを明示しない限り、基板の一部分のみを指すこともあり得ると当業者には理解されよう。更に、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、一又は複数の膜又は特徴が堆積又は形成された基板との両方を意味し得る。
【0013】
[0020]本明細書では、「基板」は、製造プロセス中に表面上に膜処理が実行される任意の基板、又は、かかる基板上に形成された任意の材料面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面は、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及び他の導電性材料といった任意の他の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されるわけではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、及び/又はベークするために、基板は前処理プロセスに曝露され得る。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された膜処理ステップのいずれもが、以下でより詳細に開示されるように、基板上に形成される下層の上で実行されてもよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、かかる下層を含むことが意図される。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0014】
[0021]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する、「前駆体」、「反応物質」、「反応性ガス」などの用語は、交換可能に使用されて、基板表面と、又は基板表面上に形成された膜と反応し得る任意のガス種を指す。
【0015】
[0022]プラズマ強化原子層堆積(PE-ALD)プロセスを含むプラズマ強化プロセス中の「ライトアップ」に対処するために、プラズマは、シャワーヘッドとイオンブロッカプレートとの間のプラズマ領域に電気的に閉じ込められる。イオンブロッカプレートは、プラズマプロセス中のライトアップを軽減及び/又は除去するように動的に調整され、その結果、プラズマの均一性が向上し、プロセス全体の品質及び歩留まりが改善される。イオンブロッカプレートにバイアスをかけることにより、下方の処理空間又はギャップへの無線周波数(RF)電力漏洩が防止される。したがって、固定されたハードウェア構成に対して、プロセスの動作ウィンドウを拡張することができる。
【0016】
[0023]シャワーヘッドとイオンブロッカプレートとの間のプラズマ領域にプラズマを閉じ込めることは、ブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)の電力バイアスを印加することで達成される。DC又はLFRFは、プラズマがイオンブロッカプレートのホールに侵入するのを防止するシース厚さを増加させる。「シース」とは、表面付近の電子が欠乏した領域を指す。一又は複数の実施形態では、本明細書の方法は、イオンブロッカプレートの表面付近にシースをもたらす。特に、荷電種を電気的に閉じ込めることで、プラズマへの電力は低下しない。有利なことに、荷電種は閉じ込められ、一方、ラジカルは妨げられずに流れる。したがって、処理チャンバ内のライトアップ、特にイオンブロッカプレートホールのライトアップが軽減及び/又は防止される。DC又はLFRFバイアスを印加して、非ライトアッププラズマ領域を調整し、動作ウィンドウを拡大する。一又は複数の実施形態では、バイアスは、膜堆積のための一連の動作状態について、動作中に調節されるという点で、動的に調整される。一又は複数の実施形態では、イオンブロッカプレートのバイアスは、チャンバ壁又はハウジングに対して相対的である。
【0017】
[0024]本明細書の実施形態は、半導体プロセスのためのプラズマを生成し、膜を堆積させるための装置及び方法を対象とする。幾つかの実施形態は、プラズマ処理法のためのラジカル(例えば酸素ラジカル)の増加を提供する。幾つかの実施形態は、有利には、流動性膜堆積プロセスにおいて欠陥を低減し、流動性を向上させる方法を提供する。
【0018】
[0025]一又は複数の実施形態では、プラズマは、プラズマ強化ALDのために生成される。一又は複数の実施形態では、ALDプロセスは、400Wから2500Wの電力範囲において高周波で行われる。一又は複数の実施形態では、高周波は3MHzから30MHzの範囲内である。一又は複数の実施形態では、処理チャンバは容量結合プラズマチャンバとして構成される。
【0019】
[0026]有利には、本明細書におけるプラズマ領域はシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される。一又は複数の実施形態では、イオンブロッカプレートは、プロセス領域からプラズマ生成領域(例えばプラズマキャビティ)に直接近接している。このようにして、プラズマキャビティの隣のイオンブロッカプレートは、ラジカルが追加の障害(例えば、別の構造物(例えばシャワーヘッド)による障害及びラジカルの損失)なしにプロセスギャップへ流れることを可能にし、これは、プロセス効率の向上につながる。加えて、イオンブロッカプレートに直接印加されるDC又はLFRFを使用してイオンを制御するため、他の構造物(例えばシャワーヘッド)の調整又は特徴に依存しない効果的な方法である。
【0020】
[0027]
図1及び2を参照すると、一又は複数の実施形態は、処理チャンバ100A又は100Bを提供する。相対的なサイズ及び寸法は、例示及び説明の目的で誇張及び変更されており、縮尺通りではなく、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。処理チャンバ100A又は100Bは、ハウジング128、シャワーヘッド110、イオンブロッカプレート116、基板支持体104、電源120、セラミックアイソレータ130、及びセラミックリング124を含む。一又は複数の実施形態では、電源120は、高周波無線周波数(HF RF)電源である。
【0021】
[0028]シャワーヘッド110は、前面112と裏面108とを有し、これらの間がシャワーヘッド110の全体的な厚さ(T1)を画定する。シャワーヘッド110の裏面108は、シャワーヘッド110の他の内面と組み合わせて、入口105と流体連通するプレナム113を画定する。シャワーヘッド110は、シャワーヘッド110の裏面108からシャワーヘッド110の前面112まで貫通する複数の開孔111を含む。図示の実施形態は、入口105を通って流れるガスがプレナムに入り、開口111を通って矢印の方向に拡散して、シャワーヘッド110の前面112とイオンブロッカプレート116の裏面114とによって画定されるプラズマキャビティ119に入るように、プレナム113と流体連通する複数の開口111を示す。プラズマキャビティ119は距離Dpに及ぶ。
【0022】
[0029]図示の実施形態では、開孔111のそれぞれは、裏面108とプレナム113との接合部に設けられた裏面開口部と、前面112とプラズマキャビティ119との接合部に設けられた前面開口部とを有する。
【0023】
[0030]図示されたシャワーヘッド110は、単一チャネルシャワーヘッドと称されることがある。シャワーヘッド110を通過するためには、ガスは開孔111を通って流れなければならず、単一の流路が生み出される。当業者は、これは、実現可能な一構成であるにすぎず、また、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことを理解しよう。シャワーヘッドは、デュアルチャネルシャワーヘッドとしても考えられ、ここでは、ある種がシャワーヘッドを通過するための2つの別個の流路があることにより、種がシャワーヘッドからプラズマキャビティ119に現れるまで混合しない。
【0024】
[0031]イオンブロッカプレート116は、裏面114と前面118とを有し、これらの間がイオンブロッカプレート116の全体的な厚さ(T2)を画定する。イオンブロッカプレート116は、イオンブロッカプレート116の裏面114からイオンブロッカプレート116の前面118まで貫通する複数の開口部117を含む。図示の実施形態では、プラズマキャビティ119とプロセスギャップ125との間に流体連通している複数の開口部117を示し、その距離はギャップ距離Dgに及ぶ。
【0025】
[0032]図示の実施形態では、開口部117のそれぞれは、裏面114とプラズマキャビティ119との接合部に設けられた裏面開口部と、前面118とプロセスギャップ125との接合部に設けられた前面開口部とを有する。
【0026】
[0033]基板支持体104は、処理中に基板又はウエハ102を支持するように構成された基板支持体表面106を含む。基板支持体104は、支持体シャフト132に接続され得る。支持体シャフト132は、基板支持体104と一体的に形成することもできるし、あるいは基板支持体104とは別個の構成要素とすることもできる。幾つかの実施形態の支持体シャフト132は、基板支持体104の中心軸の周りを回転するように構成される。幾つかの実施形態では、支持体シャフト132は、支持面106をイオンブロッカプレート116の前面118に近付けたり、又は更にそこから遠ざけたりするように構成される。
【0027】
[0034]使用中、プロセスギャップ125は、イオンブロッカプレート116の前面118からギャップ距離Dgだけ離隔されたウエハ102の上面によって画定され、それにより、プラズマキャビティ119からのプラズマの流れが支持面106上に配置されたウエハ102に接触する。一又は複数の実施形態では、処理チャンバ100は、ALDによって膜を堆積させるように構成される。
【0028】
[0035]電源120は、無線周波数(RF)電源、特に、処理チャンバの電極に電力を供給するために使用される高周波(HF)RF電源である。一又は複数の実施形態では、電極はシャワーヘッド110であり、プラズマを生成するために電力が供給される。セラミックリング124は、シャワーヘッド110及びイオンブロッカプレート116をハウジング128から電気的に絶縁する。セラミックアイソレータ130は、電源120をハウジング128から電気的に絶縁する。
【0029】
[0036]
図1の実施形態では、直流(DC)電源122が、イオンブロッカプレート116にバイアスを印加するために使用される。DC電源122は、イオンブロッカプレート116にDC電力を供給できる、当業者に既知の任意の適切な構成要素であり得る。DC電源122は、イオンブロッカプレート116に接続され、当業者に既知の任意の適切なコネクタによってハウジング128に接地される。
【0030】
[0037]一又は複数の実施形態では、DC電源122は、±50Vから±200Vの範囲において、イオンブロッカプレートの直流(DC)バイアスを供給するように構成される。
【0031】
[0038]
図2の実施形態では、電源124、特に低周波(LF)無線周波数(RF)電源が、イオンブロッカプレート116にバイアスを印加するために使用される。LFRF電源124は、イオンブロッカプレート116にDC電力を供給できる、当業者に既知の任意の適切な構成要素であり得る。LFRF電源124は、当業者に既知の任意の適切なコネクタによってイオンブロッカプレート116に接続される。
【0032】
[0039]一又は複数の実施形態では、電源124は、100kHzから500kHzの範囲の周波数で、2W以上から50W以下の範囲において、イオンブロッカプレートの低周波無線周波数(LFRF)バイアスを供給するように構成される。
【0033】
[0040]
図3A~3Cを参照すると、比較例(
図3A)及び一又は複数の実施形態(
図3B~3C)による、電子密度によるプラズマ分布を示した状態で、シャワーヘッド110からイオンブロッカプレート116そしてウエハ102に至るまでの処理チャンバの断面のスライスの概略図が提供される。陰影が濃いほど電子密度が高いことを示す。陰影が薄いほど密度が低いことを示す。
図3A~3Cにおいて、イオンブロッカプレート116は、プラズマキャビティ119内に配置されたイオンブロッカプレート116の裏面の一部である第1の表面116a、イオンブロッカプレート開口部117を部分的に画定する第2の表面116b、及びプロセスギャップ125内に配置されたイオンブロッカプレート116の前面の一部である第3の表面116cを有する。コーナー「a-b」は、第1の表面116aと第2の表面116bとの接合部にある。表面付近の電子欠乏領域であるシースの面積又は厚さは、バイアスの影響を示すものである。例示の目的で、
図3A~3Cでは、コーナーa-bのシースが観察されるが、第1の表面116a、第2の表面116b、及び/又は第3の表面116cの一部又は全部に関するシースが、他の条件に関する比較のために使用され得ることが理解される。比較例(バイアスなし)の
図3Aでは、プラズマは、ALD処理チャンバの基本条件(出力範囲、周波数、圧力、イオンブロッカホールのサイズ、及びイオンブロッカの厚さ)の下で生成される。プラズマキャビティ119内のプラズマ密度は、電子分布を基礎として使用することにより、モデル化することができる。
図3Aの図示は、バイアスなしの条件であり、電子がイオンブロッカプレート116の開口部117に漏れる「ライトアップ」状態をもたらす。
図3Aのコーナーa-bには、電子密度がコ-ナーa-bに近いという点で、微小なシースが存在する。
図3Bでは、
図3Aと同じALD条件について、イオンブロッカプレート116に負の電圧バイアスが印加され、その結果、
図3Aと比較して、コーナーa-bにおけるシース厚さが増加し、イオンブロッカプレート116の開口部117へのイオンの侵入が抑制される。
図3Bは、非ライトアップの状態を示す。
図3Cでは、
図3Aと同じALD条件について、LFRF電力がイオンブロッカに印加され、その結果、
図3Aと比較して、コーナーa-bのシース厚さが増加し、イオンブロッカプレート116の開口部117へのイオンの侵入が抑制される。
図3B及び3Cは、非ライトアップの状態を示す。
【0034】
[0041]
図1~2を更に参照すると、処理チャンバ100A又は100Bは、一又は複数のガス入口105を含む。プラズマガスと非プラズマガスの両方に使用され得るガス入口105は、プレナム113と流体連通している。プラズマガス(プラズマになるガス)はシャワーヘッド110を通ってプラズマキャビティ119に流入し、プラズマに点火され、イオンブロッカプレート116を通ってプロセスギャップ125に流入する。プラズマ曝露後、非プラズマガスが、プラズマを点火することなく、プラズマキャビティ119を通って流れて、非プラズマベースの種がプロセスギャップ125に入ることを可能にする場合がある。幾つかの実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体(例えば、側壁、上部又は下部)にガス入口を有する。
【0035】
[0042]幾つかの実施形態では、ラジカルが、イオンブロッカプレート116を使用してプロセスギャップ125に提供されて、プラズマ中に存在するイオンの量がプロセスギャップ125に到達するのを減少させる。幾つかの実施形態では、プラズマは、RF電源120を使用してプラズマキャビティ119内で生成される。プラズマは、一定量のイオンとラジカルとが含まれる。
【0036】
[0043]一又は複数の実施形態では、プラズマは、容量結合プラズマによって生成され得る。幾つかの実施形態では、プラズマは、ハウジング/接地128とシャワーヘッド110との間に差を生み出すためにRF電力を印加することによってプラズマキャビティ119内に生成される容量結合プラズマである。
【0037】
[0044]プラズマキャビティ119内で生成されるプラズマは、イオンではなくラジカルが反応に使用される任意の適切な反応性ガスを含み得る。幾つかの実施形態では、プラズマガスは、分子状酸素(O2)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)、分子状水素(H2)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)又はクリプトン(Kr)のうちの一又は複数を含む。
【0038】
[0045]イオンブロッカプレート116は、プラズマからのイオンの量が開口部117を通過するのを防止又は最小化するようにバイアスをかけられる。すなわち、開口部117を通過するイオンの量は、バイアス印加時に減少する。イオンブロッカプレート116は、幾つかの実施形態によれば、実質的にイオンを含まないラジカルの流れを生成する。このように「実質的にイオンがない」という用語は、プロセスギャップ125に入るイオン組成物が、プロセスギャップ125に入るラジカルの量の約10%、5%、2%、1%、0.5%、又は0.1%以下であることを意味する。
【0039】
[0046]プラズマのイオンは帯電しているので、バイアスをかけられたイオンブロッカプレート116は、開口部117を通るイオンの通過に対するバリアとして作用する。ラジカルが帯電していないゆえに、バイアスをかけられたイオンブロッカプレート116は、開口部117を通るラジカルの移動に、影響があるとしても最小限であることにより、ラジカルがイオンブロッカプレート116を通過し、プロセスギャップ125に入ることができる。
【0040】
[0047]イオンブロッカプレート116は、任意の適切な厚さを有する任意の適切な材料で作製され得る。幾つかの実施形態では、イオンブロッカプレート116は、アルミニウム又はステンレス鋼を含む。幾つかの実施形態では、イオンブロッカプレート116は、約20ミル(0.5)mmから約2インチ(50mm)の範囲、又は約1mmから約25mmの範囲、又は約2mmから約20mmの範囲、又は約3mmから約15mmの範囲、又は約4mmから約10mmの範囲の厚さTを有する。
【0041】
[0048]イオンブロッカプレート116の開口部117は、均一な幅を有し得るか、あるいは幅を変化させることができる。幾つかの実施形態では、開口部117は、イオンブロッカプレート116内の位置に応じて変化する直径を有する。例えば、幾つかの実施形態では、イオンブロッカプレート116の開口部117は、イオンブロッカプレート116の中央の開口部よりも、イオンブロッカプレート116の外周縁の周りの方が大きい場合がある。幾つかの実施形態では、任意の所与の開口部117の幅(又は円形の開口部の直径)は、イオンブロッカプレート116の厚さTにわたって変化する。幾つかの実施形態では、開口部117は円形であり、約20ミル(0.5mm)から約0.5インチ(12.7mm)の範囲、及びその間の全ての値及び部分的な範囲のサイズ又は直径を有する。
【0042】
[0049]処理チャンバ110A又は110Bは、任意選択的に、必要に応じて、図示していない更なる構成要素を備える。例えば、処理チャンバ110A又は110Bは、プロセスギャップ125の外周を画定する真空出口及びパージガス入口のうちの一方又は両方を更に含み得る。このようにして、処理チャンバは、プロセスギャップ125内からのプロセスガスがプロセスギャップ125から処理チャンバ110A又は110Bの他のエリアに移動するのを抑制及び/又は防止する「ガスカーテン」を更に含み得る。
【0043】
[0050]一又は複数の実施形態では、バイアスが帯状に印加される。
図4は、一又は複数の実施形態による、イオンブロッカプレート516の上面概略図である。イオンブロッカプレート516は、2つのゾーン、開口部517Aを有する第1ゾーン516Aと、開口部517Bを有する第2ゾーン516Bとに分割され、それらのバイアスは独立して制御可能である。LFRF電源524Aは第1ゾーン516Aにバイアスをかけ、LFRP電源524Bは第2ゾーン516Bにバイアスをかける。セラミックアイソレータ530は、第1ゾーン516Aと第2ゾーン516Bとの間の電気的絶縁を提供する。この実施形態では、セラミックアイソレータ530は、イオンブロッカプレート516の直径に沿って、端から端までイオンブロッカプレートを横断する。
【0044】
[0051]非限定的な説明の目的で、
図4は2つのゾーンを有する。2つ以上のゾーンを使用できることが理解される。
【0045】
[0052]非限定的な説明の目的で、
図4はバイアスとしてLFRFを使用している。帯状に印加されるバイアスは、バイアスとしてDCを使用してもよいことが更に理解される。
【0046】
[0053]
図5は、一又は複数の実施形態による、イオンブロッカプレート616の上面概略図である。イオンブロッカプレート616は、2つのゾーン、開口部617Aを有する第1ゾーン616Aと、開口部617Bを有する第2ゾーン616Bとに分割され、それらのバイアスは独立して制御可能である。LFRF電源624Aは第1ゾーン616Aにバイアスをかけ、LFRP電源624Bは第2ゾーン616Bにバイアスをかける。セラミックアイソレータ630は、第1ゾーン616Aと第2ゾーン616Bとの間の電気的絶縁を提供する。この実施形態では、第1ゾーン616A、セラミックアイソレータ630、及び第2ゾーン616Bは、軸方向に配置される。
図6は、
図5の線Z-Zの断面概略図であり、イオンブロッカプレート616の外縁から、第1ゾーン616Aのチャネル631及びセラミックアイソレータ630を介して、624Bから第2ゾーン616BにLR RF電力を提供するための詳細を提供する。
【0047】
[0054]非限定的な説明の目的で、
図5は2つのゾーンを有する。2つ以上のゾーンを使用できることが理解される。
【0048】
[0055]非限定的な説明の目的で、
図5はバイアスとしてLFRFを使用している。帯状に印加されるバイアスは、バイアスとしてDCを使用してもよいことが更に理解される。
【0049】
[0056]一又は複数の実施形態では、処理チャンバは、処理チャンバのコントローラを備え、コントローラは、非一時的コンピュータ可読媒体からの命令を実行可能であり、コントローラによって実行されると、イオンブロッカプレートにバイアスを印加する。
【0050】
[0057]再び
図1~2を参照すると、幾つかの実施形態は、その動作を制御するために処理チャンバ100A又は100Bの様々な構成要素に結合されたコントローラ190を含む。幾つかの実施形態のコントローラ190は、処理チャンバ(図示せず)全体を制御する。幾つかの実施形態では、処理チャンバ100は複数のコントローラを含み、コントローラ190はその一部であり、各コントローラは、処理チャンバの一又は複数の個々の部分を制御するように構成される。例えば、幾つかの実施形態の処理チャンバは、シャワーヘッドへのプロセスガス流、パージガス流、真空圧、プロセスギャップサイズ、温度制御、及び/又はアクチュエータのうちの一又は複数のための別個のコントローラを備える。更に、幾つかの実施形態の処理チャンバ100A又は100Bは、電源120及び/又はDC電源122又はLFRF電源124のための別個のコントローラを備える。コントローラはまた、2つ以上のDC電源又はLFRF電源を独立して制御するために、帯状印加のためのバイアスを調整するために使用され得る。
【0051】
[0058]コントローラ190は、任意の形態の汎用コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等のうちの1つであってよく、これらは、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するために工業環境で使用され得る。幾つかの実施形態の少なくとも1つのコントローラ190は、プロセッサ192、プロセッサ192に結合されたメモリ194、プロセッサ192に結合された入出力デバイス196、及び種々の電子コンポーネントと物理コンポーネントとの間の通信のためのサポート回路198を有する。幾つかの実施形態のメモリ194には、一時的メモリ(例えばランダムアクセスメモリ)、及び非一時的メモリ(例えばストレージ)のうちの一方又は両方が含まれる。
【0052】
[0059]プロセッサのメモリ194又はコンピュータ可読媒体は、容易に入手可能なメモリのうちの一又は複数(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のローカル若しくは遠隔デジタルストレージ)であり得る。メモリ194は、システムのパラメータ及びコンポーネントを制御するためにプロセッサ192によって動作可能な命令セットを保持し得る。サポート回路198は、従来の方法でプロセッサを支持するためにプロセッサ192に結合される。回路には、例えば、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、サブシステムなどが含まれ得る。回路には、モータ、アクチュエータ、ゲージ(例えば、熱電対、高温計、マノメータ)、バルブ等も含まれ、これらはプロセスチャンバを動作させ、方法をサポートするコンポーネントを制御するために使用される。
【0053】
[0060]プロセスは、一般に、ソフトウェアルーチンとしてメモリに記憶され得る。このソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって記憶及び/又は実行され得る。本開示の方法の一部又は全てをハードウェアで実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実施態様としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0054】
[0061]
図7は、一又は複数の実施形態による、プラズマを生成する方法200のフロー図を示す。工程210において、無線周波数(RF)電力が処理チャンバに印加されて、処理チャンバのプラズマ領域にプラズマを生成する。工程220において、イオンブロッカプレートにバイアスが印加される。工程230において、ライトアップ又は非ライトアップの状態が評価される。工程240において、ライトアップがある場合、バイアスが調節され、再印加される。工程250において、ライトアップが発生しない場合、半導体膜堆積プロセス(例えばPE-ALD)が進行する。
【0055】
[0062]一又は複数の実施形態では、命令が、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、処理チャンバのプラズマ領域においてプラズマを生成するために、処理チャンバのシャワーヘッドに無線周波数(RF)電力を印加することであって、当該処理チャンバが、シャワーヘッド、イオンブロッカプレート、及び基板を収容し、当該プラズマ領域がシャワーヘッドの前面及びイオンブロッカプレートの裏面によって画定される、無線周波数(RF)電力を印加することと、イオンブロッカプレートに直流(DC)又は低周波無線周波数(LFRF)を含むバイアスを印加することと、処理チャンバに非ライトアップ状態を達成するように、バイアスを変調することとを行う工程を実行させる。一又は複数の実施形態では、バイアスを変調することは、ライトアップ又は非ライトアップの状態を評価すること及びバイアスを調節することによって、バイアスを動的に調整することを含む。一又は複数の実施形態では、バイアスが帯状に印加される。
【0056】
[0063]
図8は、一又は複数の実施形態による、処理プラットフォーム400を示す。
図4に示す実施形態は、1つの可能な構成を単に表すものであり、本開示の範囲を限定するものとして見なすべきではない。例えば、幾つかの実施形態では、処理プラットフォーム400は、示されている実施形態とは異なる数の、処理チャンバ401、バッファステーション420、及び/又はロボット430構成のうちの一又は複数を有する。処理チャンバ401のそれぞれは、複数のプロセスステーション402を有する。処理ステーション402のそれぞれは、基板支持面404を有する。一又は複数の実施形態では、処理ステーション402のそれぞれは、3つの主要な構成要素:上部プレート(リッドとも呼ばれる)、ポンプ/パージインサート、及びガスインジェクタを更に備える。
【0057】
[0064]例示的な処理プラットフォーム400には、複数の側面411、412、413、414を有する中央移送ステーション410が含まれる。示されている移送ステーション410は、第1の側面411、第2の側面412、第3の側面413、及び第4の側面414を有する。ここでは4つの側面が示されているが、当業者であれば、例えば、処理プラットフォーム400の全体的な構成に応じて、移送ステーション410に任意の適切な数の側面があってもよいことを理解されよう。幾つかの実施形態では、移送ステーション410は、3つの側面、4つの側面、5つの側面、6つの側面、7つの側面、又は8つの側面を有する。
【0058】
[0065]移送ステーション410は、その中に配置されたロボット430を有する。ロボット430は、処理中に基板を移動させることが可能な任意の適切なロボットであり得る。幾つかの実施形態では、ロボット430は、第1のアーム431及び第2のアーム432を有する。第1のアーム431及び第2のアーム432は、他方のアームから独立して移動することができる。第1のアーム431及び第2のアーム432は、x-y面において及び/又はz軸に沿って移動することができる。幾つかの実施形態では、ロボット430は、第3のアーム(図示せず)又は第4のアーム(図示せず)を含む。アームのそれぞれは、他方のアームから独立して移動することができる。
【0059】
[0066]示されている実施形態には、6つの処理チャンバ401が含まれており、2つは中央移送ステーション410の第2の側面412、第3の側面413及び第4の側面414のそれぞれに接続している。処理チャンバ401のそれぞれは、異なるプロセスを実行するよう構成され得る。
【0060】
[0067]処理プラットフォーム400には、中央移送ステーション410の第1の側面411に接続した一又は複数のバッファステーション420も含まれ得る。バッファステーション420は同じ又は異なる機能を実行することができる。例えば、バッファステーションは、基板のカセットを保持し得る。この基板のカセットは、処理されて元のカセットに戻される。又は、バッファステーションの1つは、未処理の基板を保持し得る。この基板は、処理された後に他のバッファステーションに移動する。幾つかの実施形態では、バッファステーションのうちの一又は複数は、処理の前及び/又は後に基板を前処理、予加熱、又は洗浄するように構成される。
【0061】
[0068]処理プラットフォーム400は、中央移送ステーション410と任意の処理チャンバ401との間に一又は複数のスリットバルブ418をさらに含み得る。スリットバルブ418は、開閉して、中央移送ステーション410内の環境から処理チャンバ401内の内部空間を絶縁することができる。例えば、処理チャンバが処理中にプラズマを生成する場合、浮遊プラズマが移送ステーション内のロボットを損傷することを防止するために、その処理チャンバのスリットバルブを閉じることが役立つ場合がある。
【0062】
[0069]処理プラットフォーム400をファクトリインターフェース450に接続することができ、それにより、処理プラットフォーム400に基板又は基板のカセットをロードすることが可能になる。ファクトリインターフェース450内のロボット455は、基板又はカセットをバッファステーションに出入りするように使用することができる。中央移送ステーション410内のロボット430によって、基板又はカセットを処理プラットフォーム400内で移動させることができる。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース450は、別のクラスタツールの移送ステーション(すなわち、別の複数のチャンバ処理プラットフォーム)である。
【0063】
[0070]コントローラ495を処理プラットフォーム400の様々な構成要素に提供及び結合させて、それらの動作を制御することができる。コントローラ495は、処理プラットフォーム400全体を制御する単一のコントローラ、又は、処理プラットフォーム400の個々の部分を制御する複数のコントローラであり得る。例えば、幾つかの実施形態の処理プラットフォーム400は、個々の処理チャンバ401、中央移送ステーション410、ファクトリインターフェース450及び/又はロボット430の一又は複数のための別個のコントローラを備える。
【0064】
[0071]幾つかの実施形態では、処理チャンバ401は、第1の温度又は第2の温度の一又は複数を制御するように構成された複数の実質的に同一平面にある支持表面404に接続したコントローラ495を更に備える。
【0065】
[0072]幾つかの実施形態では、コントローラ495は、中央処理装置(CPU)496、メモリ497、及びサポート回路498を含む。コントローラ495は、直接的に、又は、特定のプロセスチャンバ及び/若しくはサポートシステムのコンポーネントと関連づけられたコンピュータ(若しくはコントローラ)を介して、処理プラットフォーム400を制御し得る。
【0066】
[0073]コントローラ495は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用され得る任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであり得る。コントローラ495のメモリ497又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read only memory)、フロッピーディスク、ハードディスク、光記憶媒体(例えば、コンパクトディスク若しくはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、又はローカル若しくは遠隔の任意の他の形態のデジタルストレージなどの、容易に入手可能なメモリのうちの一又は複数であり得る。メモリ497は、処理プラットフォーム400のパラメータ及びコンポーネントを制御するためにプロセッサ(CPU496)によって動作可能な命令セットを保持し得る。
【0067】
[0074]サポート回路498は、従来の方法でプロセッサを支持するためにCPU496に結合される。これらの回路はキャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、及びサブシステムなどを含む。一又は複数のプロセスは、プロセッサにより実行され又は呼び出されるときに、プロセッサに本明細書に記載の方法で処理プラットフォーム400又は個別の処理チャンバの動作を制御させるソフトウェアルーチンとしてメモリ498に記憶され得る。ソフトウェアルーチンは、CPU496によって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によっても、記憶及び/又は実行され得る。
【0068】
[0075]本開示のプロセス及び方法の幾つか又は全てはまた、ハードウェアで実行されてもよい。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実施態様としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0069】
[0076]幾つかの実施形態では、コントローラ495は、個々のプロセス又はサブプロセスを実行して本方法を実行するための一又は複数の構成を有する。コントローラ495は、中間構成要素に接続され、中間構成要素を動作させて方法の機能を実行するように構成され得る。例えば、コントローラ495は、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、真空制御、又は他の構成要素の一又は複数に接続され、これらを制御するように構成され得る。
【0070】
[0077]この明細書全体を通じて「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「一又は複数の実施形態(one or more embodiments)」、又は、「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造物、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体の様々な箇所での「一又は複数の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態において」などの文言の表出は、必ずしも、本発明の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造物、材料、又は特性は、一又は複数の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わされ得る。
【0071】
[0078]本明細書の発明は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本発明の原理及び用途の例示にすぎないことを、理解されたい。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の方法および装置に対して様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその同等物に含まれる修正及び変形を含むことが意図される。
【国際調査報告】