(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】クロス電界効果トランジスタライブラリセルアーキテクチャ設計
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
H01L21/82 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518999
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022076215
(87)【国際公開番号】W WO2023056167
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ティー. シュルツ
【テーマコード(参考)】
5F064
【Fターム(参考)】
5F064AA04
5F064AA13
5F064BB07
5F064CC12
(57)【要約】
メモリビットセルのレイアウトを効率的に生成するためのシステム及び方法が説明される。様々な実施形態では、ライブラリのセルは、垂直に積層されたゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタを含むクロス電界効果トランジスタ(FET)を使用し、導電チャネルは、それらの間で直交方向に配向される。垂直に積層されたトランジスタのチャネルは、反対のドーピング極性を使用する。セルの第1のカテゴリは、特定の垂直スタック内の2つのデバイスの各々が同じ入力信号を受信するデバイスを含む。セルの第2のカテゴリは、特定の垂直スタック内の2つのデバイスが異なる入力信号を受信するデバイスを含む。第2のカテゴリのセルは、第1のカテゴリのセルよりも大きい高さ寸法を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
第1のセルを備え、
前記第1のセルは、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第1の対のトランジスタであって、前記第1の対のトランジスタの各トランジスタによって第1の入力信号を受信するように構成されている、第1の対のトランジスタと、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第2の対のトランジスタであって、2つの異なる入力信号を受信するように構成されており、前記第2の対のトランジスタのうち第1のドーピング極性のトランジスタは、前記第1の対のトランジスタのうち第2のドーピング極性のトランジスタよりも長いゲート領域を有する、第2の対のトランジスタと、を備え、
前記集積回路の入力ノードに電位が印加されることに応じて、電流が前記入力ノードから前記第1のセルを介して前記集積回路の出力ノードに伝達される、
集積回路。
【請求項2】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタのうち、前記第1のドーピング極性とは異なる第2のドーピング極性を有するトランジスタは、互いに物理的に接続されたゲート領域を有する、
請求項1の集積回路。
【請求項3】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタの各々は、単一のトランジスタのシリコン基板上の領域を消費する、
請求項1の集積回路。
【請求項4】
前記第1の対のトランジスタは、
第1の方向に配向する第1のチャネルを備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに隣接する酸化物層と、
前記酸化物層に隣接する第2のトランジスタであって、前記第1の方向に直交する方向に配向する第2のチャネルを備える第2のトランジスタと、を備える、
請求項3の集積回路。
【請求項5】
チャネルはナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項4の集積回路。
【請求項6】
第2のセルを備え、
前記第2のセルは、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第3の対のトランジスタであって、前記第3の対のトランジスタの各トランジスタによって第2の入力信号を受信するように構成されている、第3の対のトランジスタと、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第4の対のトランジスタであって、前記第4の対のトランジスタの各トランジスタによって第3の入力信号を受信するように構成されている、第4の対のトランジスタと、を備え、
前記第3の対のトランジスタ及び前記第4の対のトランジスタの各トランジスタは、同じ長さのゲート領域を有する、
請求項1の集積回路。
【請求項7】
前記第1のセルの高さは、前記第2のセルの高さよりも高い、
請求項6の集積回路。
【請求項8】
方法であって、
集積回路の第1のセルにおいて、異なるドーピング極性のチャネルを有する第1の対のトランジスタであって、前記第1の対のトランジスタの各トランジスタによって第1の入力信号を受信するように構成されている、第1の対のトランジスタを形成することと、
前記第1のセルにおいて、2つの異なる入力信号を受信するように構成された、異なるドーピング極性のチャネルを有する第2の対のトランジスタであって、前記第2の対のトランジスタのうち第1のドーピング極性のトランジスタは、前記第1の対のトランジスタのうち第2のドーピング極性のトランジスタよりも長いゲート領域を有する、第2の対のトランジスタを形成することと、を含み、
前記集積回路の入力ノードに電位が印加されることに応じて、電流が前記入力ノードから前記第1のセルを介して前記集積回路の出力ノードに伝達される、
方法。
【請求項9】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタのうち、互いに物理的に接続されたゲート領域を有し、前記第1のドーピング極性とは異なる第2のドーピング極性を有するトランジスタを形成することを含む、
請求項8の方法。
【請求項10】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタの各々を、単一のトランジスタのシリコン基板上の領域を有するように形成することを含む、
請求項8の方法。
【請求項11】
前記第1の対のトランジスタに、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを配置することと、
前記第1のトランジスタを、第1の方向に配向する第1のチャネルを有するように形成することと、
前記第1のトランジスタに隣接して酸化物層を形成することと、
前記第2のトランジスタを、前記第1の方向に直交する方向に配向する第2のチャネルを備えるように、前記酸化物層に隣接して形成することと、を含む、
請求項10の方法。
【請求項12】
チャネルはナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記集積回路の第2のセルにおいて、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第3の対のトランジスタであって、前記第3の対のトランジスタの各トランジスタによって第2の入力信号を受信するように構成されている、第3の対のトランジスタと、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第4の対のトランジスタであって、前記第4の対のトランジスタの各トランジスタによって第3の入力信号を受信するように構成されている第4の対のトランジスタと、
を形成することを含み、
前記第3の対のトランジスタ及び前記第4の対のトランジスタの各トランジスタは、同じ長さのゲート領域を有する、
請求項8の方法。
【請求項14】
前記第1のセルを、前記第2のセルのよりも高い高さを有するように形成することを含む、
請求項13の方法。
【請求項15】
コンピューティングシステムであって、
1つ以上のタスクの命令と、前記1つ以上のタスクによって処理されるソースデータと、を記憶するように構成されたメモリと、
前記ソースデータを使用して前記命令を実行するように構成された集積回路と、を備え、
前記集積回路は、
第1のセルを備え、
前記第1のセルは、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第1の対のトランジスタであって、前記第1の対のトランジスタの各トランジスタによって第1の入力信号を受信するように構成されている、第1の対のトランジスタと、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第2の対のトランジスタであって、2つの異なる入力信号を受信するように構成されており、前記第2の対のトランジスタのうち第1のドーピング極性のトランジスタは、前記第1の対のトランジスタのうち第2のドーピング極性のトランジスタよりも長いゲート領域を有する、第2の対のトランジスタと、を備え、
前記集積回路の入力ノードに電位が印加されることに応じて、電流が前記入力ノードから前記第1のセルを介して前記集積回路の出力ノードに伝達される、
コンピューティングシステム。
【請求項16】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタのうち、前記第1のドーピング極性とは異なる第2のドーピング極性を有するトランジスタは、互いに物理的に接続されたゲート領域を有する、
請求項15のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記第1の対のトランジスタ及び前記第2の対のトランジスタの各々は、単一のトランジスタのシリコン基板上の領域を消費する、
請求項16のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記第1の対のトランジスタは、
第1の方向に配向する第1のチャネルを備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに隣接する酸化物層と、
前記酸化物層に隣接する第2のトランジスタであって、前記第1の方向に直交する方向に配向する第2のチャネルを備える第2のトランジスタと、を備える、
請求項17のコンピューティングシステム。
【請求項19】
チャネルはナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項18のコンピューティングシステム。
【請求項20】
第2のセルを備え、
前記第2のセルは、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第3の対のトランジスタであって、前記第3の対のトランジスタの各トランジスタによって第2の入力信号を受信するように構成されている、第3の対のトランジスタと、
異なるドーピング極性のチャネルを有する第4の対のトランジスタであって、前記第4の対のトランジスタの各トランジスタによって第3の入力信号を受信するように構成されている、第4の対のトランジスタと、を備え、
前記第3の対のトランジスタ及び前記第4の対のトランジスタの各トランジスタは、同じ長さのゲート領域を有する、
請求項15のコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連技術の説明)
半導体製造プロセスが進歩し、オンダイの幾何学的寸法が減少するにつれて、半導体チップは、消費する空間がより少ないながらもより多くの機能及び性能を提供する。多くの進歩があった一方で、処理及び集積回路設計における現代の技術では、潜在的な利益を制限する設計問題が依然として生じる。例えば、容量結合、エレクトロマイグレーション、少なくとも漏れ電流等の短チャネル効果、及び、処理歩留まりは、半導体チップのダイ全体にわたるデバイスの配置及び信号のルーティングに影響を及ぼすいくつかの問題である。これらの問題は、設計の完了を遅らせ、製品化までの時間に影響を及ぼす可能性がある。
【0002】
半導体チップの設計サイクルを短縮するために、手動によるフルカスタム設計は、可能であれば自動化に置き換えられる。場合によっては、標準セルレイアウトは手動で生成される。他の場合では、配置配線ツールによって使用される規則は、セル生成を自動化するように調整される。しかしながら、自動化されたプロセスは、時には、性能、電力消費、信号完全性、プロセス歩留まり、内部交差結合接続、ピンアクセス等を含むローカル及び外部信号ルーティングの両方に向けられた規則の各々を満たさない。したがって、設計者は、これらのセルを手動で生成して、複数の特性に対してより良い結果を達成するか、又は、配置配線ツールの規則を書き換える。しかしながら、多くの場合、レイアウトツール及び規則は、かなりの量の電力を消費し、且つ、かなりの量のオンダイ領域を消費することなしには、結果として得られる回路に必要な性能を依然として達成していない。
【0003】
上記に鑑みて、標準セルのレイアウトを生成するための効率的な方法及びシステムが望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】クロス電界効果トランジスタ(FET)を利用する標準セルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図2】クロスFETを利用した標準セルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図3】クロスFETを利用する標準セルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図4】クロスFETを利用する標準セルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図5】クロスFETを利用する標準セルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図6】ブール論理ゲートの概略図の一般化された図である。
【
図7】クロスFETを利用するブール論理ゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図8】クロスFETを利用するブール論理ゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図9】クロスFETを利用するブール論理ゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図10】クロスFETを利用するブール論理ゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図11】マルチプレクサゲートの概略図の一般化された図である。
【
図12】クロスFETを利用するマルチプレクサゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図13】クロスFETを利用するマルチプレクサゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図14】クロスFETを利用するマルチプレクサゲートのレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図15】クロスFETを利用する標準セルのレイアウトを効率的に生成する方法の一実施形態の一般化された図である。
【
図16】クロスFETを利用する標準セルを使用する集積回路を有するコンピューティングシステムの一般化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、様々な修正及び代替形態の余地があるが、具体的な実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、図面及びその詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれる全ての修正、均等物及び代替物を包含するものであることを理解されたい。
【0006】
以下の説明では、本発明の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細なしに本発明が実施され得ることを認識すべきである。いくつかの例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、構造及び技術が詳細に示されていない。更に、説明の簡略性及び明確性のために、図に示される要素は、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、他の要素に対して誇張されている。
【0007】
メモリビットセルのレイアウトを効率的に生成するためのシステム及び方法が企図される。様々な実施形態では、1つ以上の標準セルは、クロス電界効果トランジスタ(FET)を含む。本明細書では「クロスFET」は「XFET」とも呼ばれる。更に、本明細書で使用される場合、「トランジスタ」は、「半導体素子」又は「デバイス」とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、クロスFETは、垂直に積層されたゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタであり、例えば、上部垂直GAAトランジスタ(又はGAAトランジスタ)は、間に少なくとも1つの絶縁酸化物層を有した状態で下部GAAトランジスタの上部に垂直に形成される。加えて、上部GAAトランジスタは、下部GAAトランジスタの1つ以上の導電チャネルに直交して配置された1つ以上の導電チャネルを有する。したがって、1つ以上の上部チャネルを通る上部GAAトランジスタの電流フローの方向は、下部GAAトランジスタの1つ以上の下部チャネルの電流フローの方向に直交する。
【0008】
上部GAAトランジスタは、下部GAAトランジスタの1つ以上の下部チャネルのドーピング極性の反対の極性である1つ以上の上部チャネルのドーピング極性を有する。例えば、一実施形態では、上部GAAトランジスタは、1つ以上のp型チャネルを含み、下部GAAトランジスタは、1つ以上のn型チャネルを含む。別の実施形態では、p型極性及びn型極性は、上部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルとの間で反転される。上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の直交配向では、上部及び下部GAAトランジスタの両方が、それらの配向に基づいて、それらのそれぞれのキャリア対して最大移動度を有する。
【0009】
標準セルのライブラリは、異なる高さを有する少なくとも2つの標準セル(又はセル)を含む。例えば、第1のセルは、2つの異なる入力信号を受信する異なるドーピング極性のチャネルを有する一対のトランジスタを含む。対の第1のドーピング極性のトランジスタは、対の第2のドーピング極性のトランジスタよりも長いゲート領域を有する。一例では、n型デバイスのn型金属ゲートに対して垂直方向にルーティングされたマルチプレクサの選択制御信号は、n型金属ゲートを拡張させて、マルチプレクサ内に必要な接続を生成する。このn型デバイスの上(又は下)に形成されたp型デバイスは、選択制御信号を受け取らない。したがって、クロスFETの垂直スタック内で、2つのデバイスは、異なる入力信号を受信する。このセルの高さ寸法は、そのようなデバイスの垂直スタックを有しないセルの高さよりも大きくなる。クロスFETの特定の垂直スタックのp型デバイス及びn型デバイスの各々が同じ入力信号を受信する場合、何れかのデバイスのゲート領域の長さを増加させる必要はない。したがって、セルのライブラリは、2つの一般的なカテゴリのセルを有する。セルの第1のカテゴリは、特定の垂直スタック内の2つのデバイスの各々が同じ入力信号を受信するデバイスを含む。セルの第2のカテゴリは、特定の垂直スタック内の2つのデバイスが異なる入力信号を受信するデバイスを含む。第2のカテゴリのセルは、第1のカテゴリのセルよりも大きい高さ寸法を有する。
【0010】
図1を参照すると、クロスFETを使用する標準セルレイアウト100の上面図の一般化されたブロック図が示されている。標準セルレイアウト100は、クロスFETを用いたインバータ用のものである。しかしながら、他の実施形態では、標準セルレイアウト100に使用される特性及び技術は、様々な他のタイプのブールゲート及び複合ゲートに使用される。p型及びn型クロスFETの三次元(3D)図は、レイアウト100に付け加えられている。示されるように、p型デバイスは、n型デバイス上に垂直に積層される。n型デバイスは、n型チャネル104の全周に形成された少なくともn型ゲート102を含む。同様に、p型チャネル108の全周にp型ゲート106が形成されている。したがって、p型チャネル108は、底部n型デバイスのn型チャネル104の反対の極性であるドーピング極性を有する。単一のn型チャネル104及び単一のp型チャネル108が示されているが、他の実施形態では、半導体デバイスは別の数のチャネルを含む。いくつかの実施形態では、チャネルは横方向ナノワイヤである。他の実施態様では、チャネルはナノシートである。
【0011】
n型チャネル104及びn型ゲート102は、p型チャネル108及びp型ゲート106に対して直交方向に配向される。言い換えれば、n型チャネル104及びn型ゲート102は、p型チャネル108及びp型ゲート106の方向から90度である方向に配向される。したがって、n型チャネル104を通る下部n型デバイスの電流フローの方向は、上部p型デバイスのp型チャネル108の電流フローの方向に直交する。上部p型デバイスと下部n型デバイスとの間の直交配向では、両方のデバイスは、それらの配向に基づいて、それらのそれぞれのキャリアについて最大移動度を有する。加えて、上部p型デバイス及び下部n型デバイスの直交配向は、垂直に積層されたデバイス間の接続が単一のビア層を使用することを可能にする。
【0012】
標準セルレイアウト100において、金属0層(M0又は金属0)130は最上層である。ゲートコンタクトは、次に垂直方向に最も高い層であるが、説明を容易にするためにゲートコンタクトは示されていない。p型ゲート106は、次に垂直方向に最も高い層であり、p型チャネルを生成するp型ナノシート108がこれに続く。絶縁層は、上部p型デバイスと下部n型デバイスとの間にあり、ゲートコンタクトが絶縁層内のデバイス間に形成される。このゲートコンタクトは、標準セルレイアウト100(又はレイアウト100)によって提供される平面図では示されていない。標準セルレイアウトの断面図については後述する。垂直に積層されたデバイス間のゲートコンタクトは、いかなる金属層も横断することなく、p型金属ゲート106及びn型金属ゲート102に直接接続される。
【0013】
p型デバイスのビア(又はコンタクト)122は、p型デバイスのドレイン領域をp型デバイスのローカルインターコネクト112に接続する。n型デバイスのビア(又はコンタクト)120は、n型デバイスのドレイン領域をn型デバイスのローカルインターコネクト110に接続する。レイアウト100の垂直に積層されたデバイスは、より少ないオンダイ領域を消費する。単一のビア層の使用は、回路の抵抗及び容量を低減する。FinFETと比較して、全周ゲート(GAA)ナノワイヤ又はナノシートの使用は、より低い閾値電圧、より速いスイッチング時間、より少ない漏れ電流、及び、短チャネル効果の更なる低減を提供する。漏れ電流以外の短チャネル効果の例は、ラッチアップ効果、ドレイン誘導障壁低下(DIBL)、パンチスルー、温度に対する性能依存性、衝突イオン化、並びに、シリコン基板及びソース領域及びドレイン領域に使用されるウェルに対する寄生容量である。
【0014】
レイアウト100におけるクロスFETの直交配向の1つの利点としては、単一のビア層が挙げられる。対照的に、相補型FET(CFETs)は、複数の金属層及び複数のビア層を使用して、垂直に積層されたデバイス間の接続を行う。クロスFETの底部デバイスのソース及びドレイン領域へのアクセスを得ることは、CFETsと比較して容易である。レイアウト100におけるクロスFETの直交配向の別の利点は、垂直に積層されたデバイスの各デバイスにおけるキャリアの各々の最大移動度の使用である。
【0015】
図2を見ると、標準セルレイアウト200の一実施形態の一般化したブロック図が示されている。標準セルレイアウト200は、クロスFETを使用する2入力ブールNANDゲート用である。p型及びn型クロスFETの三次元(3D)図は、レイアウト200に付け加えられている。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び構造には、同じ符号が付されている。示されるように、n型デバイスは、p型デバイス上に垂直に積層される。レイアウト100と同様に、他の実施形態では、レイアウト200のクロスFETは、複数のn型チャネル104及び複数のp型チャネル108を使用する。レイアウト100と同様に、レイアウト200は、n型チャネル104とp型チャネル108との間の直交配向を使用し、単一ビア層を使用して、垂直に積層されたデバイス間の接続を生成する。
【0016】
ドープされたシリコンのフィンがシリコン基板と物理的に接触するフィン電界効果トランジスタ(Fin FET)とは対照的に、垂直GAAデバイスのチャネルは、シリコン基板と物理的に接触しない。概して、Fin FETと比較した場合、GAAトランジスタは、より低い閾値電圧、より速いスイッチング時間、より少ない漏れ電流、及び、短チャネル効果の更なる低減を提供する。いくつかの実施形態では、GAAトランジスタのドープシリコンのチャネルはナノワイヤである。他の実施形態では、GAAトランジスタのドープシリコンのチャネルはナノシートである。ナノシートは、ドープされたシリコンのワイヤではなく、ドープされたシリコンのシートである。言い換えれば、ナノシートは、横方向のナノワイヤよりも幅が広く、厚さが厚い導電性ワイヤである。また、ナノシートは、シリコン基板と物理的に接触しないように回転され、シリコン基板の垂直上方にその側面を下にして配置されるフィンとみなすことができる。むしろ、ナノシートとシリコン基板との間に金属ゲートが形成される。しかし、この視覚化は、ナノシートを形成するための実際の製造ステップを説明していない。
【0017】
下部GAAトランジスタの上に上部GAAトランジスタを垂直に積層することは、性能を更に高め、電力消費を低減し、GAAトランジスタによって消費されるオンダイ領域を低減し、短チャネル効果を更に低減する。相補型FET(CFETs)は、下部GAAトランジスタの上に垂直に積層された上部GAAトランジスタを含み、分離のためにそれらの間に少なくとも酸化物層を有する。しかしながら、CFETsは、下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと同じ方向に位置合わせされた1つ以上のチャネルを有する上部GAAトランジスタを使用する。しかし、先に示したように、クロスFETは、上部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルとの間に直交配向を有する。相補型FETと比較して、クロスFETは、上部GAAトランジスタ及び下部GAAトランジスタの各々に対してより良好な移動度を有し、これはより高い性能をもたらす。相補型FETは、2つの金属層及び3つのビア層を使用して、上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の接続を生成する。対照的に、クロスFETは、上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の接続のために単一の金属層及び単一のビア層を利用する。クロスFETは、従来の半導体製造ステップを使用して第1のウェハ内に形成された下部GAAトランジスタを有し、上部GAAトランジスタは第2のウェハ内に形成される。第1のウェハ及び第2のウェハは、ハイブリッドボンドプロセスを介して互いに接続され、歩留まりを増加させる。
【0018】
以下の説明では、インバータを形成するためのレイアウト技術を
図3~
図5に示す。これらの技術は、4つのトランジスタのシリコン基板上の平面領域を消費するメモリビットセルの6トランジスタ(6T)ランダムアクセスデータストレージを形成するためにも使用される。クロスFETを使用するこのメモリビットセルは、
図6に示されるようなメモリバンクにおいて使用される。メモリビットセルの6Tランダムアクセスデータストレージを形成するためのレイアウト技術が
図7~
図15に示されている。
【0019】
図3を参照すると、標準セルレイアウト300の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。レイアウト300の上面図が右側に示され、断面図が左側に示されている。このインバータでは、p型デバイスがn型デバイス上に垂直に積層されている。しかしながら、他の実施形態では、p型デバイス上に垂直に積層されたn型デバイスを有することが可能であり、企図される。インバータのデバイスの各々は、ゲート領域内の1つ以上のナノシートを360°の様式で包み込む全周ゲート(GAA)金属を使用する。底部n型デバイスは、第1のウェハ上に製造される。上部p型デバイスは、別の第2のウェハ上に製造され、その後、後述するように第1のウェハに接合される。
【0020】
ここで、レイアウト300では、シリコンオンインシュレータ(SOI)酸化物層304がシリコン基板302上に堆積される。様々な実施形態では、SOI酸化物層304は二酸化ケイ素(SiO2)層である。半導体デバイス製造プロセスは、デバイスの本体をシリコン基板302から絶縁するローカルシリコンオンインシュレータ(SOI)を構築することである。一実施形態では、形成されたSOI酸化物層304は比較的厚い。チャネルのスタックは、SOI酸化物層304上に形成される。一実施態様では、チャネルのスタックはn型ナノシート306である。ゲート金属材料308が堆積され、ゲート金属308を研磨するためのCMPステップが続く。様々な実施形態では、窒化チタン(TiN)がゲート金属308に使用される。ゲート金属308は、n型ナノシート306の360°全周にわたって設けられている。層間誘電体(ILD)酸化物層310が、ゲート領域の周りに堆積される。
【0021】
n型ソース及びドレイン領域314が形成される。一実施形態では、n型ソース及びドレイン領域314は、リンでドープされたエピタキシャル成長シリコンである。その後、n型ローカルインターコネクト312を形成する。いくつかの実施形態では、n型ローカルインターコネクト312としては、タングステン、コバルト、ルテニウム又はモリブデンが挙げられる。窒化シリコン層316及び追加のILD酸化物310が初期ILD酸化物310層上に形成される。例えば、窒化ケイ素(SiNx)層316がILD酸化物310層上に堆積される。アモルファス水素化窒化ケイ素(SiNx)の化学的及び電気的特性は、この材料を集積回路における絶縁層の良好な候補にする。窒化物層316及びILD酸化物層310の各々は、ゲートコンタクト318のための空間を形成するためにエッチングされる。同様に、窒化物層316及びILD酸化物層310がエッチングされ、ドレインコンタクト320のための空間が形成される。ゲートコンタクト318及びドレインコンタクト320は、形成された空間に堆積される。
【0022】
図4を参照すると、標準セルレイアウト400の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び他のレイアウト要素には、同じ符号が付されている。右側の標準セルレイアウト400(又はレイアウト400)は、クロスFETを使用するインバータのためのレイアウト300上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト400で使用される半導体層の断面図もレイアウト400に付け加えられており、左側に示されている。チャネルのスタックが、ILD酸化物層310内のn型ゲートコンタクト318の上に形成される。一実施形態では、チャネルのスタックはp型ナノシート402である。いくつかの実施形態では、別のウェハは、シリコン半導体エピタキシャル成長層と交互のシリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層等の成長させた交互層を有する。交互層を有する別のウェハは、(
図3の)レイアウト300のILD酸化物層310の上部に接合される。他の実施形態では、交互層は、レイアウト300のILD酸化物層310の上に成長させられ、その後、先に名前を挙げたp型ナノシート402のサイズまで層をエッチングするためのプロセスのうち何れかが続く。先に挙げたプロセスは、n型ナノシート306の形成に関連して説明した。
【0023】
図5を参照すると、標準セルレイアウト500の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び他のレイアウト要素には、同じ符号が付されている。右側の標準セルレイアウト500(又はレイアウト500)は、クロスFETを使用してインバータを生成するためにレイアウト400上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト500で使用される半導体層の断面図もレイアウト500に付け加えられており、左側に示されている。ILD酸化物310層は、p型ナノシート402の周囲全体に配置されるp型ゲート502のための空間を生成するためにエッチングされる。同様に、ILD酸化物310層がエッチングされ、ドレインコンタクト504のための空間が形成される。ゲートコンタクト318及びドレインコンタクト504は、形成された空間に堆積される。ここで、金属0層(又は金属0又は金属0又はM0)506が、インバータのための更なる接続を生成するために堆積される。また、金属0層506は、金属0層を次の上の層等の水平層として使用する規則を維持するために、異なる名称で呼ばれることに留意されたい。
【0024】
図6を参照すると、ブールNAND論理ゲート600の一実施形態の一般化したブロック図を示している。図示した実施形態では、ブールNAND論理ゲート600(又は論理ゲート600)は、A 610及びB 612として示される2つの入力信号を受け取り、Out 620として示される出力信号を生成する。論理ゲート600は、並列構成で接続された2つのp型デバイスP1 602及びP2 604を使用する。また、論理ゲート600は、直列構成で接続された2つのn型デバイスN1 606及びN2 608を使用する。論理ゲート600は、垂直スタックのデバイスが同じ入力信号を受信するクロスFETを使用するタイプのセルのトランジスタ概略図の一例である。例えば、p型デバイスP1 602及びn型デバイスN1 606の各々は、入力信号A 610を受信する。同様に、p型デバイスP2 604及びn型デバイスN2 608の各々は、入力信号B 612を受信する。
【0025】
論理ゲート600の半導体製造回路は、同じ垂直スタック内にp型デバイスP1 602とn型デバイスN1 606とを含む。また、論理ゲート600の半導体製造回路は、同じ垂直スタック内にp型デバイスP2 604及びn型デバイスN2 608を含む。各垂直スタックについて、対応するデバイスは、同じ入力信号を受信する。したがって、論理ゲート600の製造された回路の内部接続を完成させるために、デバイスが拡張ゲート領域を有する必要はない。インバータ及び論理ゲート600は、このタイプのセルのいくつかの例のうち2つの例である。
【0026】
本明細書で使用される場合、ブール論理高レベルは、論理高レベルとも称される。同様に、ブール論理低レベルは、論理低レベルとも称される。様々な実施形態では、論理高レベルは電源基準レベルに等しく、論理低レベルは接地基準レベルに等しい。本明細書で使用される場合、ノード又は線が電圧レベルを受けるトランジスタをイネーブルする電圧レベルを蓄える、又は、その電圧レベルが、動作がイネーブルであることを示す場合、回路ノード又は線は「アサート」される。例えば、n型トランジスタは、n型トランジスタがそのソース端子上の電圧レベルを少なくとも閾値電圧だけ上回る正の非0電圧レベルをそのゲート端子上で受ける場合、イネーブルされる。
【0027】
本明細書で使用される場合、ノード又は線が電圧レベルを受けるトランジスタをディセーブルする電圧レベルを蓄える場合、回路ノード又は線は「ネゲート」される。n型トランジスタがそのソース端子上の電圧レベルを閾値電圧だけ下回る電圧レベルをそのゲート端子上で受ける場合、n型トランジスタはディセーブルされる。同様に、p型トランジスタがそのソース端子上の電圧レベルを少なくとも閾値電圧だけ下回る電圧レベルをそのゲート端子上で受ける場合、p型トランジスタはイネーブルされる。p型トランジスタがそのソース端子上の電圧レベルを少なくとも閾値電圧だけ上回る電圧レベルをそのゲート端子上で受ける場合、p型トランジスタはネゲートされる。更に、対応する制御信号がアサート又は否定されることに基づいて、動作がイネーブル及びディセーブルされる。
【0028】
入力信号A 610及びB 612の何れかが論理低レベルを有する場合、p型デバイスP1 602及びP2 604のうち対応する1つがイネーブルされ、出力信号Out 620に対して論理高レベルを生成する。そうでない場合、入力信号A 610及びB 612の両方が論理高レベルを有する場合、n型デバイスN1 606及びN2 608の各々がイネーブルされ、出力信号Out 620に対して論理低レベルを生成する。
【0029】
以下の説明では、(
図7の)レイアウト700は、論理ゲート600のn型デバイスのレイアウトを形成するためのステップを説明し、(
図8~
図10の)レイアウト800~1000は、論理ゲート600のp型デバイスのレイアウトを形成するためのステップを説明する。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び他のレイアウト要素には、
図7~
図10において同じ符号が付けられている。
図7を参照すると、論理ゲート600のレイアウト700の上面図の一般化されたブロック図が示されている。このレイアウトでは、p型デバイスがn型デバイス上に垂直に積層されている。しかしながら、他の実施形態では、p型デバイス上に垂直に積層されたn型デバイスを有することが可能であり、企図される。インバータのデバイスの各々は、ゲート領域内の1つ以上のナノシートを360°の様式で包み込む全周ゲート(GAA)金属を使用する。底部n型デバイスは、第1のウェハ上に製造される。上部p型デバイスは、別個の第2のウェハ上に製造され、その後、後述するように第1のウェハに接合される。
【0030】
ここで、
図7のレイアウト700において、n型ナノシート702、金属ゲート704、n型ローカルインターコネクト312、及び、ドレインコンタクト320のスタックは、インバータについて先に説明したのと同様の方法で、(
図6の)論理ゲート600のレイアウトのために形成される。
図8のレイアウト800では、p型ナノシート402であるチャネルのスタックがn型ゲートコンタクト318の上に形成される。
図9のレイアウト900では、p型ゲート金属材料902が堆積される。p型ゲート金属902は、p型ナノシート402の360°全周にわたって設けられている。層間誘電体(ILD)酸化物層310がゲート領域の周りに堆積される。
【0031】
その後、p型ローカルインターコネクト508を形成する。酸化物層がエッチングされ、ゲートコンタクト318がp型金属ゲート902上に形成され、p型コンタクト504がp型ローカルインターコネクト508上に形成される。
図10のレイアウト1000では、金属0層(M0)506が、論理ゲート600のレイアウトのための更なる接続を生成するために堆積される。レイアウトは後に製造され、論理ゲート600は集積回路全体の一部である。レイアウト1000の金属ゲートは、接続を生成するために拡張されていないことに留意されたい。しかしながら、他のセルについては、この拡張は必要である。
【0032】
図11を参照すると、マルチプレクサゲート1100の一実施形態の一般化したブロック図が示されている。図示した実施形態では、マルチプレクサゲート1100(又はmuxゲート1100)は、A 1150、B 1152及びS 1154として示される3つの入力信号を受信し、Z 1160として示される出力信号を生成する。muxゲート1100は、受信された信号S 1154から信号SB 1156を生成するインバータとしてP5 1130及びN5 1132を使用する。muxゲート1100は、デバイスP6 1140及びN6 1142を、受信信号ZB 1102から信号Z 1160を生成するインバータとして使用する。
【0033】
P3 1114及びN1 1120は入力信号A 1150を受信し、デバイスP4 1116及びN2 1122は入力信号B 1152を受信し、デバイスP1 1110及びN4 1126は入力信号S 1154を受信する。更に、デバイスP2 1112及びN3 1124は、内部で生成された信号SB 1156を受信する。デバイス1110~1126は、マルチプレクサの機能を提供する構成で接続される。例えば、選択入力信号S 1154がアサートされると、muxゲート1100は、入力信号B 1160の現在の論理レベルに等しい論理レベルを出力信号Z 1152に生成する。選択入力信号S 1154が否定されると、muxゲート1100は、入力信号A 1150の現在の論理レベルに等しい論理レベルを出力信号Z 1160に生成する。
【0034】
muxゲート1100は、垂直スタックのデバイスが異なる入力信号を受信するクロスFETを使用するタイプのセルのトランジスタ概略図の一例である。例えば、muxゲート1100の半導体製造回路は、同じ垂直スタック内にp型デバイスP1 1110とn型デバイスN1 1120とを含む。図示のように、p型デバイスP1 1110は信号S 1154を受信し、n型デバイスN1 1120は信号A 1150のような異なる信号を受信する。同様に、デバイスP2 1112及びN2 1122の対を含む垂直スタックは、異なる入力信号を受信する。
【0035】
同様に、デバイスP3 1114及びN3 1124のペアを含む垂直スタックの各々は、異なる信号を受信し、P4 1116及びN4 1126を含む垂直スタックは、異なる信号を受信する。異なる入力信号を受信するデバイスを有する少なくとも1つの垂直スタックを有するこのようなセルは、製造された回路の内部接続を完成するために少なくとも1つの拡張ゲート領域を有する。したがって、セルの高さ寸法は、対応するデバイスが同じ入力信号を受信する垂直スタックを含むセルの高さよりも大きくなる。一例として、muxゲート1100の製造セルは、論理ゲート600の製造セルの高さよりも高い高さを有する。
【0036】
以下の説明では、(
図12の)レイアウト1200は、(
図11の)muxゲート1100のn型デバイスのレイアウトを形成するための技術を提供し、(
図13~
図14の)レイアウト1300~1400は、muxゲート1100のp型デバイスのレイアウトを形成するための技術を提供する。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び他のレイアウト要素には、
図12~
図14において同じ符号が付けられている。
図12を参照すると、muxゲート1100のレイアウト1200の上面図の一般化されたブロック図が示されている。このレイアウトでは、p型デバイスがn型デバイス上に垂直に積層されている。しかしながら、他の実施形態では、p型デバイス上に垂直に積層されたn型デバイスを有することが可能であり、企図される。
【0037】
ここで、
図12のレイアウト1200において、n型ナノシート702、金属ゲート704、n型ローカルインターコネクト312、ゲートコンタクト318、及び、ドレインコンタクト320のスタックは、インバータ及び論理ゲート600について先に説明したのと同様に、(
図11の)muxゲート1100のレイアウトのために形成される。n型デバイスのためのmuxゲート1100において使用される信号名及びデバイス名は、レイアウトの形成の説明を助けるためにここに示される。デバイスN3 1124及びN4 1126は、muxゲート1100の製造された回路の後の内部接続を完成するために拡張されたゲート領域を有することに留意されたい。
【0038】
図13のレイアウト1300では、上述したように、p型ナノシート402が形成され、p型ゲート金属材料902が堆積され、p型ローカルインターコネクト508が形成される。p型デバイスのためのmuxゲート1100において使用される信号名及びデバイス名は、レイアウトの形成の説明を助けるためにここに示される。デバイスN3 1124及びP1 1110の対は、n型デバイスN3 1124に対する入力SB 1156及びp型デバイスP1 1110に対する入力S 1154等の異なる入力を受信することに留意されたい。n型デバイスN3 1124のためのゲート領域は、muxゲート1100の製造された回路の後の内部接続を完成するために拡張される。また、デバイスN4 1126及びP2 1112の対は、n型デバイスN4 1126に対する入力S 1154及びp型デバイスP2 1112に対する入力SB 1156等の異なる入力を受信することに留意されたい。n型デバイスN4 1126のためのゲート領域は、muxゲート1100の製造された回路の後の内部接続を完成するために拡張される。
図14のレイアウト1400では、金属0層(M0)506及び金属1層(M1)1402が、muxゲート1100のレイアウトのための更なる接続を生成するために堆積される。レイアウトは後に製造され、muxゲート1100は集積回路全体の一部である。
【0039】
図15を参照すると、クロスFETを利用する標準セルのレイアウトを効率的に生成する方法1500の一実施形態が示されている。説明のために、この実施形態におけるステップは順番に示されている。しかしながら、他の実施形態では、いくつかのステップは、示された順序とは異なる順序で行われ、いくつかのステップは、同時に実行され、いくつかのステップは、他のステップと組み合わされ、いくつかのステップは、存在しない。
【0040】
半導体製造プロセスは、垂直スタックのデバイスが同じ入力信号を受信するクロスFETを使用して第1のタイプのセルを形成する(ブロック1502)。半導体製造プロセス(又はプロセス)は、少なくとも1つの垂直スタックのデバイスが異なる入力信号を受信するクロスFETを使用して第2のタイプのセルを形成する(ブロック1504)。プロセスは、第1のタイプ及び第2のタイプのセルを集積回路内に配置する(ブロック1506)。集積回路の入力ノードに電位が印加されていない場合(条件ブロック1508:「いいえ」)、半導体パッケージは、電源投入を待つ(ブロック1510)。しかしながら、電位が集積回路の入力ノードに印加される場合(条件ブロック1510:「はい」)、集積回路は、2つのタイプのセルのうち何れかを通して入力ノードから出力ノードに電流を伝達(搬送)する(ブロック1512)。
【0041】
図16を参照すると、コンピューティングシステム1600の一実施形態が示されている。コンピューティングシステム1600は、プロセッサ1610及びメモリ1630を含む。メモリコントローラ、バス又は通信ファブリック、1つ以上の位相ロックループ(phased locked loop、PLL)及び他のクロック生成回路、電力管理ユニット等のインターフェースは、説明を容易にするために示されていない。他の実施形態では、コンピューティングシステム1600は、プロセッサ1610と同じタイプ又は異なるタイプの他のプロセッサ、1つ以上の周辺デバイス、ネットワークインターフェース及び1つ以上の他のメモリデバイス等のうちの1つ以上を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1600の機能は、システムオンチップ(system on chip、SoC)上に組み込まれている。他の実施形態では、コンピューティングシステム1600の機能は、マザーボードに挿入された周辺カード上に組み込まれている。コンピューティングシステム1600は、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、スマートウォッチ、ゲームコンソール、パーソナルアシスタントデバイス等の様々なコンピューティングデバイスのうち何れかにおいて使用される。
【0042】
プロセッサ1610は、回路等のハードウェアを含む。例えば、プロセッサ1610は、標準セルを実装するためにクロスFETを利用する少なくとも1つの集積回路1620を含む。例えば、集積回路は、特定の垂直スタック内の2つのデバイスの各々が同じ入力信号を受信する少なくとも第1のカテゴリのセル1622を含む。セル1624の別のカテゴリは、特定の垂直スタック内に少なくとも一対のデバイスを含み、対の各デバイスは、異なる入力信号を受信する。セル1624は、対応するセル内の内部接続を完成させるために拡張ゲート領域を有する対のトランジスタのゲート領域を有するために、セル1622よりも大きな高さ寸法を有する。これらのセルは、先に説明したレイアウト技術を使用する。
【0043】
様々な実施形態では、プロセッサ1610は、1つ以上の処理ユニットを含む。いくつかの実施形態では、処理ユニットの各々は、汎用データ処理が可能な1つ以上のプロセッサコアと、関連付けされたキャッシュメモリサブシステムと、を含む。そのような実施形態では、プロセッサ1610は、中央演算処理装置(central processing unit、CPU)である。別の実施形態では、処理コアは計算ユニットであり、計算ユニットの各々は、複数の並列実行レーン及び関連付けされたデータストレージバッファを有する高度並列データマイクロアーキテクチャを有する。そのような実施形態では、プロセッサ1610は、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)等である。
【0044】
いくつかの実施形態では、メモリ1630は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、他のタイプのフラッシュメモリ、ポータブルソリッドステートドライブ、及び、テープドライブ等のうち1つ以上を含む。メモリ1630は、オペレーティングシステム(operating system、OS)1632と、コード1634によって表される1つ以上のアプリケーションと、少なくともソースデータ1636と、を記憶する。また、メモリ1630は、コード1634の特定のアプリケーションを実行する場合にプロセッサ1610によって生成される中間結果データ及び最終結果データを記憶することが可能である。単一のオペレーティングシステム1632並びにコード1634及びソースデータ1636の単一のインスタンスが示されているが、他の実施形態では、別の数のこれらのソフトウェア構成要素がメモリ1630に記憶される。オペレーティングシステム1632は、プロセッサ1610のブートアップを開始し、タスクをハードウェア回路に割り当て、コンピューティングシステム1600のリソースを管理し、1つ以上の仮想環境をホストするための命令を含む。
【0045】
プロセッサ1610及びメモリ1630の各々は、コンピューティングシステム1600に含まれる任意の他のハードウェア構成要素と同様に、互いに通信するためのインターフェースユニットを含む。インターフェースユニットは、メモリ要求及びメモリ応答に対処するためのキューと、特定の通信プロトコルに基づいて互いに通信するための制御回路と、を含む。通信プロトコルは、供給電圧レベル、動作供給電圧及び動作クロック周波数を判定する電力性能状態、データレート、1つ以上のバーストモード等の様々なパラメータを判定する。
【0046】
上述した実施形態のうち1つ以上がソフトウェアを含むことに留意されたい。そのような実施形態では、方法及び/又は機構を実施するプログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体上に伝達又は記憶される。プログラム命令を記憶するように構成されている多数のタイプの媒体が利用可能であり、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ、プログラマブルROM(Programmable ROM、PROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、及び、様々な他の形態の揮発性又は不揮発性記憶装置が挙げられる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体は、命令及び/又はデータをコンピュータに提供するために、使用中にコンピュータによってアクセス可能な任意の記憶媒体を含む。例えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体としては、磁気又は光学媒体(例えば、ディスク(固定又は取り外し可能)、テープ、CD-ROM、又はDVD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、又は、Blu-Ray(登録商標)等の記憶媒体)が挙げられる。記憶媒体としては、RAM(例えば、同期ダイナミックRAM(synchronous dynamic RAM、SDRAM)、ダブルデータレート(double data rate、DDR、DDR2、DDR3等)SDRAM、低電力DDR(low-power DDR、LPDDR2等)SDRAM、Rambus DRAM(Rambus DRAM、RDRAM)、スタティックRAM(static RAM、SRAM)等)、ROM、フラッシュメモリ等の揮発性又は不揮発性メモリ媒体、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース等の周辺インターフェースを介してアクセス可能な不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等が更に挙げられる。記憶媒体としては、微小電気機械システム(microelectromechanical system、MEMS)、並びに、ネットワーク及び/又はワイヤレスリンク等の通信媒体を介してアクセス可能な記憶媒体が挙げられる。
【0047】
追加的に、様々な実施形態では、プログラム命令は、C等の高レベルプログラミング言語、Verilog(登録商標)、VHDL等の設計言語(design language、HDL)、又は、GDS IIストリームフォーマット(GDSII)等のデータベースフォーマットでのハードウェア機能の動作レベル記述又はレジスタ転送レベル(register-transfer level、RTL)記述を含む。いくつかの場合では、記述は、合成ライブラリからゲートのリストを含むネットリストを生成するために記述を合成する合成ツールによって読み出される。ネットリストは、システムを含むハードウェアの機能も表すゲートのセットを含む。ネットリストは、次いで、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成するために、配置及びルーティングされ得る。次に、マスクは、システムに対応する半導体回路又は回路を生成するために、様々な半導体製造ステップで使用され得る。代替的に、コンピュータアクセス可能記憶媒体上の命令は、必要に応じて、ネットリスト(合成ライブラリを有する若しくは有しない)又はデータセットである。追加的に、命令は、Cadence(登録商標)、EVE(登録商標)及びMentor Graphics(登録商標)等のベンダからのハードウェアベースのタイプのエミュレータによるエミュレーションのために利用される。
【0048】
上記の実施形態は、かなり詳細に説明されているが、上記の開示が十分に理解されると、当業者には多数の変形及び修正が明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形及び修正を包含すると解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】