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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】医療用通気フィルタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20240927BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20240927BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20240927BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
A61M1/02 110
B32B7/027
B32B27/30 D
B32B27/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519297
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022044936
(87)【国際公開番号】W WO2023055749
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111151805.2
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122378613.7
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー, トンチュー
(72)【発明者】
【氏名】ホー, メイ フォン
(72)【発明者】
【氏名】スン, シー ピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, クウォク‐シュン
【テーマコード(参考)】
4C077
4F100
【Fターム(参考)】
4C077AA11
4C077AA23
4C077EE01
4C077LL02
4C077LL13
4C077NN10
4C077PP08
4C077PP12
4C077PP18
4F100AK03B
4F100AK03C
4F100AK17A
4F100AK18A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100AK42B
4F100AK42C
4F100BA03
4F100BA07
4F100DG15B
4F100DG15C
4F100EC032
4F100EC03B
4F100EC03C
4F100EJ172
4F100EJ422
4F100GB56
4F100GB66
4F100JA04B
4F100JA04C
4F100JB16B
4F100JB16C
4F100JD02B
4F100JD02C
4F100JK06
4F100JL11
(57)【要約】
本開示は、使い捨てインライン輸血システムにおいて有用な改善されたベントフィルタを提供する。第1の態様では、本開示は、(i)フッ素重合体膜を含む層と、(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層とを含み、第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃~約180℃の融点をもち、第2の高分子層が、第1の高分子層と結合接触しており、約220℃~約265℃の融点を有する、フィルタを提供する。これらのフィルタは、元のフッ素重合体膜空気流量のかなりの量を維持しながら、様々な層間の優れた結合強度を呈する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)フッ素重合体膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、前記空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層と
を含み、
前記第1の高分子層が、前記フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃から約180℃の融点をもち、前記第2の高分子層が、前記第1の高分子層と結合接触しており、約220℃から約265℃の融点を有する、フィルタ。
【請求項2】
前記フィルタが、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記フィルタが、約0.175から約0.210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記空気浸透性熱可塑性高分子層が不織繊維から構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記フッ素重合体膜がポリ(テトラフルオロエチレン)から構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記熱可塑性高分子層が、ポリエステルとポリオレフィンとから選定されるポリマーから構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項7】
(i)少なくとも1つのポリ(テトラフルオロエチレン)膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つのポリエステル不織層を含む層であって、前記ポリエステル不織層が第1のポリエステル層と第2のポリエステル層とから構成される、層と
を含み、
前記第1のポリエステル層が、前記ポリ(テトラフルオロエチレン)膜と結合接触しており、約95℃から約180℃の融点をもち、前記第2のポリエステル層が、前記第1のポリエステル層と結合接触しており、約220℃から約265℃の融点を有する、フィルタ。
【請求項8】
前記フィルタが、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記第1および第2のポリエステル層が、約70から約100重量パーセントのポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、請求項7または8に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記第1のポリエステルの前記融点が約150から約180℃である、請求項7から10のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項11】
(i)フッ素重合体膜と(ii)結合層とを積層するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a.前記結合層を前記フッ素重合体膜に塗布することであって、前記結合層が少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含み、前記空気浸透性熱可塑性高分子層が、約95°から約180℃の融点を有する第1の高分子層と、約220°から約265℃の融点を有する第2の高分子層とから構成され、それによって、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを形成するために、約50°から約260℃の温度を有する表面上で、前記結合層の前記第1の高分子層を前記フッ素重合体膜と接触させる、前記結合層を塗布することと、
b.複合フッ素重合体熱可塑性高分子フィルタ構造を形成するために、約0.05から約0.4MPaの圧力で加圧しながら、および前記組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造との上に約0.05から約0.3ニュートンの伸長張力を加えながら、前記組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを約140℃から約210℃の温度にかけることと、
c.得られたフッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造を冷却することと
を含む、プロセス。
【請求項12】
前記フッ素重合体がポリ(テトラフルオロエチレン)である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1の高分子層がポリエステルから構成される、請求項11または12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第2の高分子層がポリエステルから構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の高分子層が、約95°から約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、請求項11から14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の高分子層が、約220°から約265℃の融点を有するポリ(テレフタラート)から構成される、請求項11から15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の高分子層が、約150°から約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)である、請求項11から14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項11から17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.175から約0.210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項11から17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルタを備えるインラインベントフィルタデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に通気(venting)フィルタに関する。詳細には、本開示は、使い捨てインライン輸血システムにおいて有用な通気フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
患者に静脈内輸液を投与する間に、インラインベントフィルタデバイスなど、ディスポーザブル、すなわち、使い捨て医療フィルタを使用することは、現代の臨床治療において一般的な方法である。ディスポーザブル医療フィルタの使用中の遅い不完全な通気は、旧来よりいくつかの難点を提示してきた問題である。注入プロセスの開始時に注入フィルタ中の空気が排出されない場合、注入を正常に実行することができない。さらに、注入プロセス中に注入フィルタ中の空気が効果的に排出されない場合、空気が患者の血流に入り、潜在的な有害転帰として肺塞栓症を伴う可能性がある。
【0003】
旧来、使い捨て医療フィルタ上の通気膜は、一般に、積層プロセスを介して作成される、ポリエステル(たとえば、ポリ(エチレンテレフタラート))不織繊維とポリ(テトラフルオロエチレン)微多孔膜との複合構造である。フィルタは輸血液体と直接接触しているので、抽出可能な材料を回避するために、積層中に接着剤は使用されない。高温積層プロセス中、ポリエステル不織膜とポリ(テトラフルオロエチレン)膜との間の結合強度(bonding strength)に対する、得られた積層複合フィルタの必要な所望の空気浸透率のバランスを取ることは本質的に困難である。しばしば、高い温度および/または圧縮が利用されるとき、得られたラミネートは、空気浸透率が低くなる、すなわち、空気流量(air flux)損失が高くなる。したがって、十分な空気流量率を呈しながらも効果的な積層を有するそのような通気膜が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、使い捨てインライン輸血システムにおいて有用な改善されたベントフィルタを提供する。第1の態様では、本開示は、
(i)フッ素重合体膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層と
を含み、
第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃~約180℃の融点をもち、第2の高分子層が、第1の高分子層と結合接触しており、約220℃~約265℃の融点を有する、フィルタを提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、空気浸透性熱可塑性高分子層は、同じまたは異なるポリマークラスであり、ポリエステルおよびポリオレフィンなど、熱可塑性ポリマーから選定され得る。本明細書で述べた必要な溶融温度をもつという条件で、他の熱可塑性ポリマーも利用することができる。有利には、これらの空気浸透性熱可塑性高分子層は織り繊維構造または不織繊維構造から構成される。空気浸透性熱可塑性高分子層は、有利には、フィルタのハウジングへの熱結合に適合する材料、したがってそのような熱結合が可能な材料から構成され、フィルタのハウジングは、しばしば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、またはメタクリル酸メチル-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(MABS)から構成される。
【0006】
一実施形態では、一方が低溶融ポリエステルであり、一方が高溶融ポリエステルから構成された、少なくとも2つの層をもつポリエステル層構成要素を利用することによって、得られたラミネートは、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)膜層と構造ポリマー、たとえばポリ(エチレンテレフタラート)(PET)など、ポリエステルとの適切な積層を実現するための接着剤または他の手段の必要をなくしながらも、良好な構造的完全性とともに高(残存)空気流量の良好なバランスを与える。
【0007】
一実施形態では、低溶融ポリマー層は、約95℃~約180℃、または約150℃~180℃の溶融温度を有するポリ(エチレンテレフタラート)である。本明細書で使用する際、「ポリ(エチレンテレフタラート)」という用語は、主にテレフタル酸およびエチレングリコールの残基から構成されたポリエステルを指すが、二塩基酸および/またはグリコールがテレフタル酸およびエチレングリコール以外であるそのようなポリマーをも包含する。空気浸透性(たとえば、織りまたは不織)材料を含むポリマーへのそのような改変は、当業者にはよく知られており、弾性係数、溶融温度、他のポリマーとの適合性など、所望の物理的特性のために設計することができる。
【0008】
この低溶融温度ポリエステルは、高溶融ポリエステルと熱融着させて、得られた複合フィルタがベントフィルタとして効果的に働くことができるように十分な空気流量を維持しながらも、フッ素重合体(たとえば、ポリ(テトラフルオロエチレン)または「PTFE」)層のためのサポート層として効果的に働く二重層構造を形成することができる。そのような二重層材料はAsahi Kaseiから製品名C5030で市販されている。この製品C5030では、低溶融層は、約150°~180℃の融点と、約125℃の軟化温度とを有するPETであり、高溶融層は、約260℃の融点を有するPETである。
【0009】
積層機への導入の前にポリエステル基板層と微多孔フッ素重合体層とを予熱することによって、低融点ポリエステル層を十分に溶融することができ、それにより、PTFE層との熱溶接(すなわち、結合)が可能になり、他方では、高められた加熱および圧縮の下で層が互いに積層されるときに、ポリ(テトラフルオロエチレン)上の鎖または鎖セグメントが圧縮段階中に固定される前に、それらを効果的に「伸長」することができる。一定の(伸長)張力の下で適切な圧縮力を加えることによって、ポリ(テトラフルオロエチレン)層の収縮を低減し、それにより高い膜多孔性を維持し、それにより、得られた複合フィルタ構造の空気流量損失を大いに低減することができるということが分かった。得られた複合フィルタは、同時に元のフッ素重合体膜空気流量のかなりの量を維持しながら優れた結合強度を呈する。概して、フッ素重合体膜の開始時の空気流量は約0.25リットル/分であり、複合膜、すなわち積層後の空気流量損失率はわずか約30%~約50%であった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】PTFE微多孔膜がポリエステル不織材料に積層され、その材料は少なくとも2つの層を含み、最終的にPTFE微多孔膜と結合接触する層は比較的低融点のポリエステルである、本開示の一態様を示す、例示的な積層動作を示す図である。
図2】本開示の例示的な複合フィルタ構造の断面を示す図である。PTFE微多孔膜(9)はポリエステル不織層(10)と結合接触しており、ポリエステル不織層(10)はポリエステル不織層(11)と接触している。本明細書で説明するように、ポリエステル不織層(10)は、ポリエステル不織層(11)よりも融点の低いポリエステルである。
図3】一般的な使い捨てインライン注入ベントフィルタデバイスの構造および動作を示す図である。ポリエステル/PTFE複合膜は、PTFE層が下方に向いており、患者に注入されている液体に接触する間に、ポリエステル層を介して構造に結合される。ポリエステル層は一般にインライン注入デバイス構造に熱溶接される。注入液体の方向性のある流れは左から右に示されており、排出される空気は上方に流れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が別段に明示していない限り、複数の指示対物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、「または」という用語は、一般に、内容が別段に明示していない限り、「および/または」を含むそれの意味で採用される。
【0012】
「約」という用語は、一般に、記載された値と等価である(たとえば、同じ機能または結果を有する)と考えられる数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。
【0013】
端点を使用して表される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(たとえば、1~5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
【0014】
第1の態様では、本開示は、(i)フッ素重合体膜を含む層と、(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層とを含み、第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃~約180℃、約95℃~約170℃、約95℃~約160℃、約95℃~約150℃、約95℃~約140℃、約95℃~約130℃、約110℃~約170℃、約110℃~約160℃、約110℃~約150℃、約110℃~約140℃、約110℃~約130℃、約125℃~約170℃、約125℃~約160℃、約125℃~約150℃、約150℃~約180℃、約150℃~約170℃、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分範囲の融点をもつ、フィルタを提供する。いくつかの実施形態では、第2の高分子層は、第1の高分子層と結合接触しており、約220℃~約265℃、約220℃~約260℃、約220℃~約255℃、約220℃~約250℃、約230℃~約265℃、約230℃~約260℃、約230℃~約255℃、約230℃~約250℃、約240℃~約265℃、約240℃~約260℃、約240℃~約255℃、約240℃~約250℃、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分範囲の融点を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1および第2のポリエステル層は、約70~約100重量パーセント、約70~約95重量パーセント、約70~約90重量パーセント、約80~約100重量パーセント、約70~約90重量パーセント、約90~約100重量パーセントのポリ(エチレンテレフタラート)から構成される。別の実施形態では、第1のポリエステルの融点は約150°~約180℃である。別の実施形態では、第2のポリエステル層の融点は約260℃である。
【0016】
有利には、積層フィルタ構造によって呈される結合強度は、約0.17MPa(メガパスカル)よりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.25MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.3MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.4MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.45MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.5MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.55MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、あるいは約0.6MPaよりも大きいかまたはそれに等しい。
【0017】
いくつかの実施形態では、フィルタは、約0.125~約0.210リットル/分、約0.125~約0.200リットル/分、約0.125~約0.175リットル/分、約0.125~約0.150リットル/分、約0.150~約0.210リットル/分、約0.150~約0.200リットル/分、約0.150~約0.175リットル/分、約0.175~約0.210リットル/分、約0.175~約0.200リットル/分、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分範囲の空気流量を呈する。いくつかの実施形態では、フィルタは、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.25MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.3MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.4MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.45MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.5MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、約0.55MPaよりも大きいかまたはそれに等しいか、あるいは約0.6MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度と組み合わせて上記範囲のいずれかの中にある空気流量を呈する。
【0018】
一実施形態では、フィルタは、約0.125~約0.175リットル/分の空気流量と、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度とを呈する。別の実施形態では、フィルタは、約0.175~約0.210リットル/分の空気流量と、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度とを呈する。
【0019】
図1を参照すると、一実施形態では、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)微多孔膜がロール(1)上に配置され、積層機(8)中に供給される前に予熱ローラー(3)に供給される。同様に、ポリエステル不織材料、たとえば、(上で参照した、Asahi Kasai C5030材料など)組み合わせられた低溶融と高溶融の2層不織材料がロール(2)上に配置され、次いで予熱ローラー(3)に供給され、低溶融ポリエステル層は、それがPTFE膜層と接触するように上方に向いている。予熱ローラー(3)は、概して、約50°~260℃、または約100°~約230℃の温度において動作させられる。PTFE層への2層材料の低溶融層の積層を実現するために、および所望の複合物を形成するために、2層ポリエステル不織材料は、有利には、図示のようにPTFE層の下の予熱ローラーに供給され、次いで、加熱および圧縮ローラー(4)および(5)を含んでいる積層機(8)に送られる。ローラー(4)および(5)は、概して、組み合わせられた層上に加えられる圧縮圧力が約0.05~約0.4MPa、約0.05~約0.3MPa、約0.05~約0.2MPa、約0.1~約0.4MPa、約0.1~約0.3MPa、約0.1~約0.2MPa、約0.2~約0.4MPa、または約0.2~約0.3MPaであり、組み合わせられた層にかけられる(伸長)張力が約0.05~約0.3ニュートン(N)、約0.05~約0.2N、約0.1~約0.3N、または約0.1~約0.2Nであるように配設される。ローラー(4)および(5)の温度は、概して、約140℃~210℃、約140℃~200℃、140℃~175℃、約150℃~210℃、約150℃~200℃、約150℃~175℃、約160℃~210℃、約160℃~200℃、約160℃~175℃、約175℃~210℃、約175℃~200℃、ならびにそれらの間のすべての範囲および部分範囲である。積層機(8)内の滞留時間は、有利には、所望の積層を実現するために必要な時間のみであり、その時間は、概して約1~約60秒であるが、PTFE、ポリエステル層およびそれらの付随する物理的特性の選定を所与として経験的に決定することができる。この加熱および圧縮段階に続いて、複合フィルタ材料は、ローラー(6)の使用によって配向させられ、次いでストレージローラー(7)上に収集される。本明細書で言及する加熱ローラーは、ステンレス鋼、PTFEコーティングされたローラーなど、任意の好適な材料から構築され得る。本明細書で言及する加熱および圧縮ローラー(4)および(5)は、ステンレス鋼、ゴムなど、任意の好適な材料から構築され得る。
【0020】
したがって、別の態様では、本開示は、(i)フッ素重合体膜と、(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む結合層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が、約95°~約180℃の融点を有する第1の高分子層と、約220°~約265℃の融点を有する第2の高分子層とから構成され、第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、複合フッ素重合体熱可塑性高分子フィルタ構造を形成する、結合層と
を積層するためのプロセスであって、
a.結合層をフッ素重合体膜に塗布することであって、それによって、約50°~約260℃の温度を有する表面上で、結合層の第1の高分子層をフッ素重合体膜と接触させて、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを形成する、塗布することと、次いで、
b.約0.05~約0.4MPaの圧力で加圧しながら、および組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造との上に約0.05~約0.3ニュートンの伸長張力を加えながら、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを約140℃~約210℃の温度にかけることと、
c.得られたフッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造を冷却することと
を含む、プロセスを提供する。
【0021】
この積層プロセスが完了すると、得られたフッ素重合体熱可塑性高分子複合構造を積極的に冷却するか、または単に室温まで冷却させることができる(ステップc)。
【0022】
図2を参照すると、複合フィルタ構造は、たとえば、低溶融ポリエステル層(10)と結合接触している、1つのポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)層(9)から構成され、低溶融ポリエステル層(10)は高溶融ポリエステル層(11)と結合接触している。後者は、全体的なフィルタ構造のための十分な構造的完全性を与えるように働く。
【0023】
本開示において有用なフッ素重合体膜材料(たとえば、PTFE)は、知られている微多孔膜構造であり、多くのバリエーションが市販されており、所望の性能基準に応じて取得または作成することができる。PTFE膜は、本質的に疎水性および疎油性であり、一実施形態では、約0.25~約0.3リットル/分の空気流量、約50~約60μmの厚さ、およびエチルアルコールにおける約0.17MPaよりも大きい泡立ち点(bubble point)を呈する。
【0024】
本開示において有用なポリエステル不織材料は広く市販されている。本明細書で説明するような使用のための所望の融点を有する、そのようなポリエステルは、得ることができ、Mitsubishi Paper Mills Limitedから入手可能な、製品タイプMB-12Dとともに、Asahi Kasei Corporationから入手可能で、Precise(商標)およびELTAS(商標)という商標の下で販売されている、Product Type C5030を含む。
【0025】
疎水性通気膜として効果的な好適なフッ素重合体は市販されている。例示的なPTFE膜としては、Tetratex(登録商標)という商標の下でDonaldson Companyによって販売されているもの、たとえば、製品名TX1302、TX1320、およびTX1333などがある。そのような膜の厚さは、一実施形態では約50~約70μmである。
【0026】
上記で説明したフィルタのいずれも、たとえば図3に示されているようなインラインベントフィルタデバイスであり得る。インラインベントフィルタデバイス12は、フッ素重合体層が下方を向いており、患者に注入されている液体に接触している間に、たとえば2つのポリエステル不織層など、少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性層を含む層を介してインラインベントフィルタ構造に結合される、本明細書で説明した複合膜13のうちのいずれかを有することができる。複合膜13は一般にインラインベントフィルタデバイス構造に熱溶接される。注入液体がインラインベントフィルタデバイス中に注入され、デバイスを通って左から右に流れる様子が示されており、複合膜13を通してろ過された空気はデバイス12の上部を通って出る。
【実施例
【0027】
試験方法:
結合強度試験:
直径10mmの複合膜は、PTFE側が上方に向いている状態で膜ホルダー中に配置される。水圧が0.15MPaから開始して0.02MPa/15秒の増加率で下流側から加えられる。圧力下で15秒後に、膜表面上に気泡があるかどうかを観察する(膜とサポートとは積層される)。膨らみまたは隆起がなければ、それは、結合強度がこの強度で適格であることを意味する。次いで、圧力は、15秒間の圧力保持の間に膨らみが観察されるまで増加し続ける。膨らみが観察されると、複合膜は剥離したと考えられる。
【0028】
空気流量測定:
直径8mmの複合膜が膜ホルダー中に配置される。次いで、空気流量(L/min)がリットル毎分率で空気の通過率として10KPaの圧力で測定される。空気流量を測定するためにロータメーター流量計を利用した。
【0029】
空気流量損失率:
空気流量損失率(AFLR)が以下の式に従って決定される。
AFLR=(PTFE空気流量-複合膜空気流量)/(PTFE空気流量)×100%。
【0030】
以下に記載する例を実行する際には、図1に示されている積層動作を利用し、ローラー番号への参照は図1中の対応するローラーを指す。
【0031】
実施例1:
Roller-3の温度を150℃に、Roller-4の温度を200℃に、Roller-4とRoller-5との間の積層圧力を0.2MPaに、Roller6の温度を室温にそれぞれ設定する。温度が安定した後に、0.1N(ニュートン)張力の下で、2メートル/分の速度で、PET不織織物とPTFE膜とをRoller-3、Roller-4およびRoller-5、ならびにRoller6中に連続的に入れ、結果として得られた膜が表1の実施例1に示されている。
【0032】
比較例1:
Roller-3の温度を室温に、Roller-4の温度を200℃に、Roller-4とRoller5との間の積層圧力を0.2MPaに、Roller6の温度を室温にそれぞれ設定する。温度が安定した後に、0.1N張力の下で、2m/minの速度で、PET不織織物とPTFE膜とをRoller-3、Roller-4およびRoller-5、ならびにRoller6中に連続的に入れ、結果として得られた膜が比較例1に示されている。
【0033】
比較例2:
Roller-3の温度を室温に、Roller-4の温度を220℃に、Roller-4とRoller5との間の積層圧力を0.1MPaに、Roller6の温度を室温にそれぞれ設定する。温度が安定した後に、0.25N張力の下で、1m/minの速度で、PET不織織物とPTFE膜とをRoller-3、Roller-4およびRoller-5、ならびにRoller6中に連続的に入れ、結果として得られた膜が比較例2に示されている。
【0034】
比較例3:
Roller-3の温度を室温に、Roller-4の温度を180℃に、Roller-4とRoller5との間の積層圧力を0.3MPaに、Roller6の温度を室温にそれぞれ設定する。温度が安定した後に、0.2N張力の下で、1.5m/minの速度で、PET不織織物とPTFE膜とをRoller-3、Roller-4およびRoller-5、ならびにRoller6中に連続的に入れ、結果として得られた膜が比較例3に示されている。
【0035】
このデータは、積層中に空気流量損失を最小限に抑えながらの、実施例1において利用した予熱ステップによる結合強度の改善を示す。
【0036】
態様
第1の態様では、本開示は、
(i)フッ素重合体膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層と
を含み、
第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃~約180℃の融点をもち、
第2の高分子層が、第1の高分子層と結合接触しており、約220℃~約265℃の融点を有する、フィルタを提供する。
【0037】
第2の態様では、本開示は、フィルタが、約0.125~約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、第1の態様のフィルタを提供する。
【0038】
第3の態様では、本開示は、フィルタが、約0.175~約0.210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、第1の態様のフィルタを提供する。
【0039】
第4の態様では、本開示は、空気浸透性熱可塑性高分子層が不織繊維から構成される、第1の態様、第2の態様、または第3の態様のうちのいずれか1つのフィルタを提供する。
【0040】
第5の態様では、本開示は、フッ素重合体膜がポリ(テトラフルオロエチレン)から構成される、第1の態様から第4の態様のうちのいずれか1つのフィルタを提供する。
【0041】
第6の態様では、本開示は、熱可塑性高分子層が、ポリエステルとポリオレフィンとから選定されるポリマーから構成される、第1の態様から第5の態様のうちのいずれか1つのフィルタを提供する。
【0042】
第7の態様では、本開示は、
(i)少なくとも1つのポリ(テトラフルオロエチレン)膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つのポリエステル不織層を含む層であって、ポリエステル不織層が第1のポリエステル層と第2のポリエステル層とから構成される、層と
を含み、第1のポリエステル層が、ポリ(テトラフルオロエチレン)膜と結合接触しており、約95℃~約180℃の融点をもち、第2のポリエステル層が、第1のポリエステル層と結合接触しており、約220℃~約265℃の融点を有する、フィルタを提供する。
【0043】
第8の態様では、本開示は、フィルタが、約0.125~約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、第7の態様のフィルタを提供する。
【0044】
第9の態様では、本開示は、第1および第2のポリエステル層が、約70~約100重量パーセントのポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、第7の態様のフィルタを提供する。
【0045】
第10の態様では、本開示は、第1のポリエステルの融点が約150~約180℃である、第7の態様のフィルタを提供する。
【0046】
第11の態様では、本開示は、(i)フッ素重合体膜と、(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む結合層であって、空気浸透性熱可塑性高分子層が、約95°~約180℃の融点を有する第1の高分子層と、約220℃~約265℃の融点を有する第2の高分子層から構成され、第1の高分子層が、フッ素重合体膜と結合接触しており、複合フッ素重合体熱可塑性高分子フィルタ構造を形成する、結合層と
を積層するためのプロセスであって、
a.結合層をフッ素重合体膜に塗布することであって、それによって、約50°~約260℃の温度を有する表面上で、結合層の第1の高分子層をフッ素重合体膜と接触させて、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを形成する、結合層を塗布することと、次いで、
b.約0.05~約0.4MPaの圧力で加圧しながら、および組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造との上に約0.05~約0.3ニュートンの伸長張力を加えながら、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを約140℃~約210℃の温度にかけることと、
c.得られたフッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造を冷却することと
を含む、プロセスを提供する。
【0047】
第12の態様では、本開示は、フッ素重合体がポリ(テトラフルオロエチレン)である、第11の態様のプロセスを提供する。
【0048】
第13の態様では、本開示は、第1の高分子層がポリエステルから構成される、第11の態様または第12の態様のプロセスを提供する。
【0049】
第14の態様では、本開示は、第2の高分子層がポリエステルから構成される、第11の態様、第12の態様、または第13の態様のプロセスを提供する。
【0050】
第15の態様では、本開示は、第1の高分子層が、約95°~約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、第11の態様から第14の態様のうちのいずれか1つのプロセスを提供する。
【0051】
第16の態様では、本開示は、第2の高分子層が、約220°~約265℃の融点を有するポリ(テレフタラート)から構成される、第11の態様から第15の態様のうちのいずれか1つのプロセスを提供する。
【0052】
第17の態様では、本開示は、第1の高分子層が、約150°~約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)である、第11の態様から第15の態様のうちのいずれか1つのプロセスを提供する。
【0053】
第18の態様では、本開示は、フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.125~約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、第11の態様から第17の態様のうちのいずれか1つのプロセスを提供する。
【0054】
第19の態様では、本開示は、フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.175~約210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、第11の態様から第17の態様のうちのいずれか1つのプロセスを提供する。
【0055】
第20の態様では、本開示は、第1の態様から第10の態様のうちのいずれか1つのフィルタを備えるインラインベントフィルタデバイスを提供する。
【0056】
以上、本開示のいくつかの例示的な実施形態について説明したが、本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲内でさらに他の実施形態が作成され、使用され得ることを、当業者は容易に諒解しよう。この文書によってカバーされる本開示の多数の利点を上記の説明において記載した。しかしながら、本開示は多くの点で例示的なものにすぎないことが理解されよう。本開示の範囲は、もちろん、添付の特許請求の範囲が表される言語において定義される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)フッ素重合体膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含む層であって、前記空気浸透性熱可塑性高分子層が第1の高分子層と第2の高分子層とから構成される、層と
を含み、
前記第1の高分子層が、前記フッ素重合体膜と結合接触しており、約95℃から約180℃の融点をもち、前記第2の高分子層が、前記第1の高分子層と結合接触しており、約220℃から約265℃の融点を有する、フィルタ。
【請求項2】
前記フィルタが、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記フィルタが、約0.175から約0.210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記空気浸透性熱可塑性高分子層が不織繊維から構成される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記フッ素重合体膜がポリ(テトラフルオロエチレン)から構成される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記熱可塑性高分子層が、ポリエステルとポリオレフィンとから選定されるポリマーから構成される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項7】
(i)少なくとも1つのポリ(テトラフルオロエチレン)膜を含む層と、
(ii)少なくとも2つのポリエステル不織層を含む層であって、前記ポリエステル不織層が第1のポリエステル層と第2のポリエステル層とから構成される、層と
を含み、
前記第1のポリエステル層が、前記ポリ(テトラフルオロエチレン)膜と結合接触しており、約95℃から約180℃の融点をもち、前記第2のポリエステル層が、前記第1のポリエステル層と結合接触しており、約220℃から約265℃の融点を有する、フィルタ。
【請求項8】
前記フィルタが、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記第1および第2のポリエステル層が、約70から約100重量パーセントのポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記第1のポリエステルの前記融点が約150から約180℃である、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項11】
(i)フッ素重合体膜と(ii)結合層とを積層するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a.前記結合層を前記フッ素重合体膜に塗布することであって、前記結合層が少なくとも2つの空気浸透性熱可塑性高分子層を含み、前記空気浸透性熱可塑性高分子層が、約95°から約180℃の融点を有する第1の高分子層と、約220°から約265℃の融点を有する第2の高分子層とから構成され、それによって、組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを形成するために、約50°から約260℃の温度を有する表面上で、前記結合層の前記第1の高分子層を前記フッ素重合体膜と接触させる、前記結合層を塗布することと、
b.複合フッ素重合体熱可塑性高分子フィルタ構造を形成するために、約0.05から約0.4MPaの圧力で加圧しながら、および前記組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造との上に約0.05から約0.3ニュートンの伸長張力を加えながら、前記組み合わせられた結合層とフッ素重合体構造とを約140℃から約210℃の温度にかけることと、
c.得られたフッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造を冷却することと
を含む、プロセス。
【請求項12】
前記フッ素重合体がポリ(テトラフルオロエチレン)である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1の高分子層がポリエステルから構成される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第2の高分子層がポリエステルから構成される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の高分子層が、約95°から約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)から構成される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記第2の高分子層が、約220°から約265℃の融点を有するポリ(テレフタラート)から構成される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の高分子層が、約150°から約180℃の融点を有するポリ(エチレンテレフタラート)である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項18】
前記フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.125から約0.175リットル/分の空気流量を呈し、約0.35MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項19】
前記フッ素重合体熱可塑性高分子複合フィルタ構造が、約0.175から約0.210リットル/分の空気流量を呈し、約0.2MPaよりも大きいかまたはそれに等しい結合強度を呈する、請求項11に記載のプロセス。
【請求項20】
請求項1に記載のフィルタを備えるインラインベントフィルタデバイス。
【国際調査報告】