(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】基板処理チャンバにおける温度制御のための装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20240927BHJP
【FI】
C23C14/34 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522611
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 US2022044869
(87)【国際公開番号】W WO2023069230
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ディキンソン, コリン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】フーデリ ソマンナ, ディンケシュ
(72)【発明者】
【氏名】モラディアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティク ブペンドラ
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA24
4K029CA05
4K029DA01
4K029DA08
4K029DC20
4K029DC34
4K029DC35
4K029JA01
(57)【要約】
堆積チャンバ用のアダプタが、上側と上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体を含む。アダプタ本体は、中心軸を中心とする中央開口部を有する。アダプタ本体は、下側に接続面を有する径方向外側部分と、冷却剤チャネル及び下側に段差面を有する径方向内側部分とを有する。冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔している。冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、長手方向において接続面の下方かつ接続面と段差面との間に配置されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積チャンバ用のアダプタであって、
上側と前記上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体であって、前記中心軸を中心とする中央開口部を有し、前記下側に接続面を有する径方向外側部分、及び冷却剤チャネルと前記下側に段差面とを有する径方向内側部分を有する、アダプタ本体を備え、
前記冷却剤チャネルの少なくとも一部分が、前記接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔し、
前記冷却剤チャネルの前記少なくとも一部分は、長手方向において前記接続面の下方かつ前記接続面と前記段差面との間に配置され、
前記段差面は、前記アダプタ本体に外側シールドを取り付け、前記外側シールドを前記段差面の下方に配置するように構成された取り付け面を含む、アダプタ。
【請求項2】
前記冷却剤チャネルは、前記段差面の少なくとも一部分に適合する少なくとも1つの表面を有するプロファイルを有する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記接続面は、前記堆積チャンバを密閉するように構成されたシール面である、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記冷却剤チャネルは、正方形状又は矩形状のプロファイルを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記冷却剤チャネルは、L字形状、マッシュルーム形状、又はT字形状のプロファイルを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記アダプタ本体の前記径方向内側部分は、L字形状又はT字形状のプロファイルを有する少なくとも1つのセクションを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記冷却剤チャネルは、L字形状のプロファイルを有する前記少なくとも1つのセクション内に配置されている、請求項6に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記冷却剤チャネルは、L字形状、マッシュルーム形状、又はT字形状のプロファイルを有する、請求項7に記載のアダプタ。
【請求項9】
堆積チャンバであって、
上側と前記上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体であって、前記中心軸を中心とする中央開口部を有し、前記下側に接続面を有する径方向外側部分、及び冷却剤チャネルと前記下側に段差面とを有する径方向内側部分を有する、アダプタ本体を備える、アダプタを備え、
前記冷却剤チャネルの少なくとも一部分が、前記接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔し、
前記冷却剤チャネルの前記少なくとも一部分は、長手方向において前記接続面の下方かつ前記接続面と前記段差面との間に配置され、
前記堆積チャンバは、更に、
内部キャビティの内部空間を加熱するためのヒータを取り囲む前記内部キャビティを画定するチャンバ本体であって、前記チャンバ本体は、前記アダプタ本体の前記中央開口部と同軸な前記チャンバ本体の開口部を画定する接続面を有し、前記アダプタ本体の前記接続面は、前記チャンバ本体の前記接続面に接続されている、チャンバ本体、
前記段差面から長手方向及び径方向に延在する外側シールド、並びに
前記アダプタ本体の前記上側から前記段差面に向けて長手方向及び径方向に延在し、前記外側シールドの上に部分的に延在する内側シールドを備える、堆積チャンバ。
【請求項10】
前記冷却剤チャネルは、前記段差面の少なくとも一部分に適合する少なくとも1つの表面を有するプロファイルを有する、請求項9に記載の堆積チャンバ。
【請求項11】
前記アダプタ本体の前記接続面は、前記堆積チャンバの前記接続面で密封される、請求項9に記載の堆積チャンバ。
【請求項12】
前記ヒータは、基板を支持し、加熱するように構成されている、請求項9に記載の堆積チャンバ。
【請求項13】
前記冷却剤チャネルは、正方形状又は矩形状のプロファイルを有する、請求項9から12のいずれか一項に記載の堆積チャンバ。
【請求項14】
前記冷却剤チャネルは、L字形状、マッシュルーム形状、又はT字形状のプロファイルを有する、請求項9から12のいずれか一項に記載の堆積チャンバ。
【請求項15】
前記冷却剤チャネルは、前記内部キャビティ内に配置されている、請求項9から12のいずれか一項に記載の堆積チャンバ。
【請求項16】
前記アダプタ本体の前記径方向内側部分は、L字形状又はT字形状のプロファイルを有する少なくとも1つのセクションを有する、請求項9から12のいずれか一項に記載の堆積チャンバ。
【請求項17】
前記冷却剤チャネルは、L字形状又はT字形状のプロファイルを有する前記少なくとも1つのセクション内に配置されている、請求項16に記載の堆積チャンバ。
【請求項18】
前記冷却剤チャネルは、L字形状、マッシュルーム形状、又はT字形状のプロファイルを有する、請求項17に記載の堆積チャンバ。
【請求項19】
堆積チャンバ用のプロセスキットであって、
上側と前記上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体であって、前記中心軸を中心とする中央開口部を有し、前記下側に接続面を有する径方向外側部分、及び冷却剤チャネルと前記下側に段差面とを有する径方向内側部分を有する、アダプタ本体を備える、アダプタを備え、
前記冷却剤チャネルの少なくとも一部分が、前記接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔し、
前記冷却剤チャネルの前記少なくとも一部分は、長手方向において前記接続面の下方かつ前記接続面と前記段差面との間に配置され、
前記プロセスキットは、更に、
前記アダプタ本体の前記段差面から長手方向及び径方向に延在する外側シールド、並びに
前記アダプタ本体の上面から前記段差面に向けて長手方向及び径方向に延在し、前記外側シールドの上に部分的に延在する内側シールドを備える、プロセスキット。
【請求項20】
前記外側シールドは、長手方向に延在する側面であって、径方向に離隔した対向する側面を有するU字形状又はJ字形状のプロファイルを有し、
前記内側シールドは、径方向において、対向する前記長手方向に延在する側面の間に配置された自由端を有する、請求項19に記載のプロセスキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、マイクロ電子デバイス製造で使用されるようなプロセスチャンバの外部温度及び内部温度を制御するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] SEMI S2は、半導体製造機器に関する環境、健全性、及び安全性のガイドラインである。SEMI S2のガイドラインによれば、基板用のプロセスチャンバなどのチャンバの外面(人間と接触し得る)の温度は、65℃以下であるべきである。本発明者らは、物理的堆積(PVD)チャンバなどの一部のプロセスチャンバの外部温度が、現在の制限値である65℃を超え得ることを確認した。
【0003】
[0003] したがって、本発明者らは、内部の熱環境に影響を与えることなしに、プロセスチャンバの外面の温度を制御するための改良されたデバイス及び方法の実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004] プロセスチャンバの外面の温度を制御するための装置及び方法が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、堆積チャンバ用のアダプタが、上側と上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体を含む。アダプタ本体は、中心軸を中心とする中央開口部を有する。アダプタ本体は、下側に接続面を有する径方向外側部分と、冷却剤チャネル及び下側に段差面を有する径方向内側部分とを有する。冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔している。冷却剤チャネルの少なくとも一部分はまた、長手方向において接続面の下方かつ接続面と段差面との間に配置されている。
【0005】
[0005] 幾つかの実施形態では、堆積チャンバが、アダプタ本体、チャンバ本体、内側シールド、及び外側シールドを含む。アダプタは、上側と上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体を含む。アダプタ本体は、中心軸を中心とする中央開口部を有する。アダプタ本体は、下側に接続面を有する径方向外側部分と、冷却剤チャネル及び下側に段差面を有する径方向内側部分とを有する。冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔し、冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、長手方向において接続面の下方かつ接続面と段差面との間に配置されている。
【0006】
[0006] チャンバ本体は、内部キャビティの内部空間を加熱するためのヒータを取り囲む内部キャビティを画定する。チャンバ本体は、アダプタ本体の中央開口部と同軸なチャンバ本体の開口部を画定する接続面を有する。アダプタ本体の接続面は、チャンバ本体の接続面に接続されている。
【0007】
[0007] 外側シールドが、段差面から長手方向及び径方向に延在し、内側シールドが、アダプタ本体の上側から段差面に向けて延在し、外側シールドの上に部分的に延在する。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、堆積チャンバ用のプロセスキットが、アダプタ、内側シールド、及び外側シールドを含む。アダプタは、上側と上側の反対の下側との間で中心軸を中心として長手方向に延在するアダプタ本体を含む。アダプタ本体は、中心軸を中心とする中央開口部を有する。アダプタ本体は、下側に接続面を有する径方向外側部分と、冷却剤チャネル及び下側に段差面を有する径方向内側部分とを有する。冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、接続面の径方向内側端部から径方向内向きに離隔し、冷却剤チャネルの少なくとも一部分は、長手方向において接続面の下方かつ接続面と段差面との間に配置されている。
【0009】
[0009] 外側シールドが、段差面から長手方向及び径方向に延在し、内側シールドが、アダプタ本体の上側から段差面に向けて延在し、外側シールドの上に部分的に延在する。
【0010】
[0010] 本開示の他の及び更なる実施形態が、以下で説明される。
【0011】
[0011] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】[0012] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態によるプロセスチャンバの概略側面図である。
【
図1B】[0013] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図1Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2A】[0014] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図1Aで示されているプロセスチャンバの一部分の詳細図である。
【
図2B】[0015] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2C】[0016] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2D】[0017] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2E】[0018] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2F】[0019] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【
図2G】[0020] 本開示の少なくとも幾つかの実施形態による
図2Aで示されているプロセスチャンバの一部分の代替的な一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021] 理解し易くするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺通りではなく、分かり易くするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、その他の実施形態に有益に組み込まれてよい。
【0014】
[0022] アダプタ、そのようなアダプタを組み込んだプロセスキット、そのようなプロセスキットを組み込んだプロセスチャンバ、及びプロセスチャンバの外部温度を制御するために使用される方法の複数の実施形態が、本明細書で提供される。
【0015】
[0023]
図1Aは、プロセスチャンバ100(例えば、物理的気相堆積すなわちPVDチャンバ)の断面側面図を示す。プロセスチャンバ100は、内部空間108を取り囲むチャンバ壁106を有するチャンバ本体100aを備える。複数の実施形態では、チャンバ壁106のうちの1以上が、内部空間108を見るための検査ポート(図示せず)又は窓を含み得る。チャンバ壁106は、側壁116、下壁120、及び天井124を含む。プロセスチャンバ100は、独立型のチャンバであり得るか、又は、様々なチャンバの間で基板104を移送する基板移送機構によって接続された相互接続チャンバのクラスタを有するマルチチャンバプラットフォーム(図示せず)の一部であり得る。チャンバ壁106は、熱環境に基づいて、ステンレス鋼などの適切な材料から作製され得る。プロセスチャンバ100は、基板104の上に材料をスパッタ堆積させることができるPVDチャンバであり得る。他のプロセスチャンバも、本明細書で開示される本発明の装置及び方法から利益を受け得る。スパッタ堆積に適した材料の非限定的な複数の例には、アルミニウム、銅、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、モリブデンなどのうちの1以上が含まれる。
【0016】
[0024] プロセスチャンバ100は、概して、基板104(例えば、シリコンウエハ)を支持するためのペデスタル134を備える基板支持体130を含む。ペデスタル134は、プロセスチャンバ100の上側セクション内に配置されたスパッタリングターゲット140のスパッタリング面139と実質的に平行な平面を有する基板支持面138を有する。ペデスタル134の基板支持面138は、処理中に基板104を支持するように設計されている。ペデスタル134は、昇降するように構成され得る。
図1Aでは、ペデスタル134が、プロセス位置の下方の中間位置で示されている。以下でより詳細に説明される
図1Bは、プロセスキット102及びペデスタル134の代替的な一実施形態を示し、中間位置の上方の上昇したプロセス位置にあるペデスタル134を示している。基板支持面138は、酸化アルミニウムから形成され得る。基板104の幅は、基板104が円形であれば直径であってよく、又は基板が正方形/矩形であれば幅であってよい。基板支持面138は、基板104の所与の幅よりも小さいサイズを有し得る。それによって、基板は、
図1A及び
図1Bで示されているように、張り出した縁部を含む。ペデスタル134は、静電チャック又はヒータ134a(電気抵抗ヒータ、熱交換器、又は他の適切な加熱デバイスなど)のうちの少なくとも一方を含み得る。複数の実施形態では、ヒータ134aが、最大約700℃の温度まで基板支持面138を加熱するように構成され得る。
【0017】
[0025] 動作中、基板104は、チャンバ本体100aの側壁116内の基板装填入口142を通してプロセスチャンバ100の中に導入され又はプロセスチャンバ100から取り出され、それぞれ、基板支持面138の上に載置され又は基板支持面138から取り外される。ペデスタル134は、基板104を処理するためにプロセス位置に移動される。ペデスタル134は、プラズマ動作中、浮遊電位に維持され得るか又は接地され得る。
【0018】
[0026] プロセスチャンバ100は、本開示の幾つかの実施形態によるプロセスキット102を有し得る。プロセスキット102は、処理空間108aを非処理空間108bから分離するためにプロセスチャンバ100内で使用され得る。プロセスキット102は、様々な構成要素を含み得る。様々な構成要素は、例えば、構成要素面からスパッタリング堆積物を取り除くため、腐食した構成要素を交換若しくは修理するため、又はプロセスチャンバ100を特定のプロセスに適応させるために、プロセスチャンバ100から容易に取り外され得る。プロセスキット102は、アダプタ136、内側シールド110a、外側シールド110b、カバーリング122、及び堆積リング125のうちの1以上を含み得る。
【0019】
[0027] アダプタ136は、脱イオン水などの冷却剤を流すための冷却剤チャネル152を有するアダプタ本体137を含む。アダプタ本体137は、上側190と上側190の反対の下側191との間で中心軸103を中心として長手方向に延在する。アダプタ本体137は、中心軸103を中心とする中央開口部192を有する。
【0020】
[0028] アダプタ本体137は、冷却剤チャネル152と連通する冷却剤入口137aと冷却剤出口137bを含む。冷却剤入口137aと冷却剤出口137bは、冷却剤供給部180に流体結合され得る。冷却剤供給部180は、65℃以下などの所定の温度又はSEMI S2規格の制限値よりも下にアダプタ本体137の外面及びチャンバ本体100aのチャンバ壁106の温度を維持するのに十分な流量で、冷却剤チャネル152を通して冷却剤を流すように構成され得る。幾つかの実施形態では、例えば、脱イオン水が冷却剤として使用され、分当たり約0.5ガロンから分当たり約5ガロンで、冷却剤チャネル152内を循環し、プロセスチャンバ100の処理空間108aの温度が約700℃であるときに、アダプタ136の外面及びチャンバ壁106の温度を65℃以下に維持する。冷却剤入口137aに入る冷却剤の温度は、約20℃から約35℃であってよく、冷却剤出口137bを出る冷却剤の温度は、約21℃から約40℃であってよい。
【0021】
[0029]
図2A~
図2Gでより詳細に示されているように、アダプタ本体137は、下側191に接続面194を有する径方向外側部分193と、冷却剤チャネル152及び下側191に段差面196を有する径方向内側部分195とを有し得る。上側190は、
図2A~
図2Gで示されているように、段差面を有し得る。段差面196は、全体的又は部分的に接続面194の下方に配置され得る。複数の実施形態では、径方向外側部分193が、接続面194の径方向内側端部199から径方向外向きに延在し、径方向内側部分195は、接続面194の径方向内側端部199から径方向内向きに延在する。冷却チャネル152の少なくとも一部分は、接続面194の径方向内側端部199から径方向内向きに離隔している。
図2A~
図2Dで示されている複数の実施形態では、冷却剤チャネル152全体が、接続面194の径方向内側端部199から径方向内向きに離隔している。また、冷却剤チャネル152の少なくとも一部分は、長手方向において接続面194の下方かつ接続面194と段差面196との間に配置されている。
図2A~
図2Dで示されている複数の実施形態では、冷却剤チャネル152全体が、長手方向において接続面194の下方かつ接続面194と段差面196との間に配置されている。
【0022】
[0030] 冷却剤チャネル152は、段差面196の少なくとも一部分に適合する少なくとも1つの表面を有するプロファイルを有し得る。例えば、
図2Aで示されているように、冷却剤チャネル152は、正方形プロファイル及び少なくとも1つの側面152aを有し得る。少なくとも1つの側面152aは、段差面196の隣接する部分196aと平行に延在する。冷却剤チャネル152は、様々な多角形状を有し得る。様々な多角形状は、
図2B、
図2C、及び
図2Eで示されているL字形状のプロファイル、
図2Dで示されている矩形状のプロファイル、
図2Fで示されているT字形状のプロファイル、及び
図2Gで示されているマッシュルーム形状のプロファイルを含む。
【0023】
[0031] 冷却剤チャネル152は、アダプタ本体137に直接的に機械加工されてよく、又は、アダプタ136を形成するために溶接などによってアダプタ本体137に取り付けられ得るリングなどの形態を採る別個の(例えば、機械加工又はプレス加工された)部品として形成されてよい。例えば、冷却剤チャネル152は、アダプタ本体137の外周に沿ってアダプタ本体137の中に直接的に機械加工されてよく、冷却剤チャネル152を密閉するためにアダプタ本体に取り付けられたキャップでカバーされてよい。また、
図2A~
図2Gで示されているように、アダプタ本体137がチャンバ本体100aに接続されたときに、段差面196の一部分とチャンバ本体100aの側壁116の1以上の対向面との間に間隙198が形成され得る。
図2A~
図2C及び
図2E~
図2Gで示されている複数の実施形態では、段差面196の少なくともL字形状部分が、側壁116の対向面から離隔し、少なくともL字形状部分を有する間隙198を形成する。
【0024】
[0032]
図2A~
図2Gで示されているように、側壁116は、アダプタ本体137の接続面194に接続する接続面116bを有するフランジ116aを有し得る。アダプタ本体137は、フランジ116aを覆って及び/又はその周りに延在してよく、フランジ116aを遮蔽し、冷却剤チャネル152を接続面116b及び接続面194の径方向内向きかつ下方に配置する。
【0025】
[0033] 接続面194と接続面116bは、合わせシール面であってよい。例えば、
図2Aで示されているように、接続面116bは、Oリング197が着座する溝116cを含む。アダプタ本体137の接続面194は、Oリング197に対して密封される。
【0026】
[0034]
図2A~
図2Gで示されているように、アダプタ本体137の径方向内側部分195は、L字形状のプロファイルを有する少なくとも1つのセクションを有し得る。更に、
図2A~
図2Dで示されているように、冷却チャネル152は、L字形状のプロファイルを有するセクション内に配置され得る。また、
図2B、
図2C、及び
図2Eでより具体的に示されているように、そのようなセクション内の冷却チャネル152は、L字形状のプロファイルを有し得る。
【0027】
[0035]
図1Aを参照すると、アダプタ本体137が、内側シールド110a及び外側シールド110bを、内部空間108、より具体的には、処理空間108a内で支持し、処理空間108a内に配置する。内側シールド110a及び外側シールド110bは、熱伝導性のステンレス鋼などの金属から作製され得る。内側シールド110a及び/又は外側シールド110bは、例えば、排気168などへのガスの流れを可能にするための流路として複数の孔又はスロットを有し得る。内側シールド110a及び外側シールド110bは、アダプタ本体137に接続されているので、内部空間108内で生成される熱(例えば、ヒータ134aを動作させることから)は、内側シールド110a及び外側シールド110bによって、アダプタ本体の径方向内側部分195に伝導され得る。また、内側シールド110aと外側シールド110bの離隔した配置は、アダプタ本体137の径方向内側部分195へ熱を対流させるように作用する。冷却剤チャネル152は、径方向内側部分195内に配置され、接続面194の下方にあるので、内側シールド110a及び外側シールド110bによってアダプタ本体137に対流及び伝導される熱は、その熱が径方向外側部分193及び接続面194に到達する前に、冷却チャネル152内の冷却剤に少なくとも部分的に伝達され得る。接続面194に到達する熱の量を低減させることによって、冷却剤チャネル152内の冷却剤は、アダプタ本体137からチャンバ本体100aのチャンバ壁106に送達される熱を制限し得る。チャンバ壁106は、アダプタ本体137に熱接触している。結果として、チャンバ本体100aの外面の温度は、維持され得る。
【0028】
[0036] 幾つかの実施形態では、内側シールド110aが、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139及び基板支持体130を包囲するようにサイズ決定された直径(例えば、スパッタリング面139よりも大きく、基板支持体130の支持面よりも大きい直径)を有する円筒壁126を含む。円筒壁126は、上側部分128と自由端132aを有する下側部分132とを有する。上側部分128は、アダプタ本体137の上側190に接続されている。また、上側部分128は、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139の外縁139aを取り囲む。下側部分132は、基板支持体130を少なくとも部分的に取り囲む。
【0029】
[0037] 外側シールド110bは、概して、内側壁141、外側壁143、及び内側壁141と外側壁143とを接続する下壁145を有する、U字形状又はJ字形状のプロファイルを有する。外側壁143の上側端部143aは、アダプタ本体137の下側191に接続されている。外側シールド110bの内側壁141の上側端部141aは、カバーリング122と相互作用する。例えば、
図1Aで示されている一実施形態では、内側壁141の上側端部141aが、基板支持体130の周壁112に配置するためのカバーリング122の下面内に形成された溝によってカバーされている。アダプタ136は、内側シールド110a及び外側シールド110bを支持する。それによって、内側シールド110aは、外側シールド110bの上に少なくとも部分的に垂れ下がり、径方向において外側シールド110bの内側壁141と外側壁143との間に配置される。
【0030】
[0038] プロセスキット102はまた、カバーリング122の下方に配置された堆積リング125も含む。カバーリング122は、堆積リング125と外側シールド110bの内側壁141とを少なくとも部分的にカバーする。
図1Aで示されている一実施形態では、堆積リング125が、外側シールド110bの内側壁141によって取り囲まれている。
図1Aで示されているように、堆積リング125は、基板支持体130の周壁112を取り囲むように延在する環状帯を有し得る。堆積リング125は、基板支持体130の下側レッジ135に載置することができる。幾つかの実施形態では、基板支持面138と下側レッジ135の上面との間の距離が、約8mmから約11mmである。幾つかの実施形態では、下側レッジ135が、約10mmから約15mmの厚さを有する。
【0031】
[0039]
図1Aでは、ペデスタル134が、中間位置で示されている。中間位置では、カバーリング122が、堆積リング125に接触していない。
図1Aでは、カバーリング122が、外側シールド110bの内側壁141の上側端部141aに載置されているように示されている。
図1Bは、ペデスタル134がプロセス位置にある、ペデスタル134、カバーリング122、及び堆積リング125の代替的な一実施形態を示している。
図1Bで示されているように、カバーリング122は、堆積リング125に載置されている。
【0032】
[0040] カバーリング122と外側シールド110bの内側壁141の上側端部141aとは、互いに協働して、基板支持体130の周壁112及び基板104の張り出した縁部114上へのスパッタ堆積物の形成を低減させる。具体的には、
図1Bの一実施形態で示されているように、カバーリング122が、外側シールド110bの内側壁141と協働し、これを補完するように、サイズ決定、成形、及び配置されて、カバーリング122と内側壁141との間の曲がりくねった流路123を形成し、したがって、周壁112へのプロセス堆積物の流れを抑制する。曲がりくねった流路123は、堆積リング125及びカバーリング122の合わせ面への低エネルギーのスパッタ堆積物の蓄積を抑制する。さもなければ、堆積リング125とカバーリング122とは、互いに又は基板104の張り出した縁部114に固着し得る。
【0033】
[0041]
図1Aで示されているように、スパッタリングターゲット140は、バッキング板150に取り付けられたスパッタリングプレート144を含む。スパッタリングプレート144は、基板104の上にスパッタリングされる材料を含む。例えば、スパッタリングプレート144は、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、モリブデン、コバルト、ニッケル、又はタンタルなどの金属であり得る。スパッタリングプレート144はまた、例えば、窒化タンタル、窒化タングステン、又は窒化チタンなどの金属化合物であり得る。スパッタリングプレート144は、基板104の平面に平行な平面を形成するスパッタリング面139を有し得る。外縁139aが、スパッタリング面139を取り囲む。外縁139aは、スパッタリング面139の平面に対して傾斜してもよい。
【0034】
[0042] 内側シールド110aの上側部分128に隣接する外縁139aは、暗黒空間領域を含む間隙200を形成する。暗黒空間領域は、自由電子が非常に欠乏しているエリアであり、減圧としてモデル化され得る。暗黒空間領域の制御は、有利なことに、暗黒空間領域の中へのプラズマの侵入、アーク放電、及びプラズマの不安定化を防止する。間隙200の形状は、間隙200を通るスパッタプラズマ種の通過を妨げ、したがって、周辺ターゲット領域の表面上へのスパッタ堆積物の蓄積を低減させる。
【0035】
[0043] バッキング板150は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅‐クロム、又は銅‐亜鉛などの金属から作製される。バッキング板150は、スパッタリングプレート144とバッキング板150との両方において形成されるスパッタリングターゲット140内で生成される熱を放散させるのに十分高い熱伝導率を有する材料から作製され得る。この熱は、スパッタリングプレート144及びバッキング板150で生じる渦電流から生成され、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139の上へのプラズマからの高エネルギーイオンの衝突からも生成される。バッキング板150の熱伝導率がより高くなると、スパッタリングターゲット140内で生成された熱が周囲構造へ又は更には熱交換器へ放散することが可能になる。熱交換器は、バッキング板150の後ろに又はバッキング板150自体の内部に取り付けられ得る。
【0036】
[0044] 幾つかの実施形態では、スパッタリングプレート144が、拡散接合によって、例えば、スパッタリングプレート144をバッキング板150上に配置し、スパッタリングプレート144及びバッキング板150を適切な温度に、典型的には、少なくとも約80~200℃まで加熱することによって、バッキング板150に取り付けられ得る。任意選択的に、スパッタリングターゲット140は、スパッタリングプレートとバッキング板との両方として働くのに十分な深さを有する材料の単一の断片を含むモノリシックな構造であり得る。また、スパッタリングターゲット140は、アセンブリを形成するために互いに接合された異なる材料で形成され得る。
【0037】
[0045] バッキング板150は、プロセスチャンバ100内でアイソレータ154に載置された外側フーチング204を含む。外側フーチング204は、Oリング溝206を含む。Oリング溝206の中には、Oリング208が配置されて、減圧シールを形成する。アイソレータ154は、バッキング板150をプロセスチャンバ100から電気的に絶縁し、分離するもので、典型的には酸化アルミニウムなどの誘電性又は絶縁性の材料で形成されたリングである。外側フーチング204は、スパッタリングターゲット140とアイソレータ154との間の間隙を通るスパッタ材料とプラズマ種との流れ又は移動を抑制するように成形されて、間隙への低角度でのスパッタ堆積物の侵入を妨げる。
【0038】
[0046] スパッタリングターゲット140は、DC電源146とRF電源148のうちの一方又は両方に接続される。DC電源146は、内側シールド110a及び外側シールド110bに対してスパッタリングターゲット140にバイアス電圧を印加し得る。内側シールド110a及び外側シールド110bは、スパッタリングプロセス中に電気的にフローティング状態になり得る。DC電源146とRF電源148のうちの少なくとも一方は、スパッタリングガスに通電して、スパッタリングガスのプラズマを生成する。生成されたプラズマは、スパッタリングターゲット140のスパッタリング面139に当たり、衝突して、スパッタリング面139から基板104の上へ材料をスパッタリングする。
【0039】
[0047] スパッタリングガスは、ガス供給システム158を通してプロセスチャンバ100の中に導入される。ガス供給システム158は、マスフローコントローラなどのガス流量制御弁(図示せず)を有する導管(図示せず)を介してガス供給部(図示せず)からガスを提供して、ガスの設定流量を通過させる。ガスは、混合マニホールド(図示せず)に供給される。混合マニホールドにおいて、ガスは混合されて、所望のプロセスガス組成を生成し、ガス分配器(図示せず)に供給する。ガス分配器は、プロセスチャンバ100の中へガスを導入するためのガス出口を有する。プロセスガスは、アルゴン又はキセノンなどの非反応性ガスを含み得る。それらの非反応性ガスは、スパッタリングターゲット140に活性衝突し(energetically impinges)、スパッタリングターゲット140から材料をスパッタリングすることができる。プロセスガスは、スパッタリングされた材料と反応して基板104上に層を形成することが可能な反応性ガス(例えば、酸素含有ガスと窒素含有ガスのうちの1以上)も含み得る。次いで、ガスは、DC電源146とRF電源148のうちの少なくとも一方によって通電され、スパッタリングターゲット140をスパッタリングするためのプラズマを生成する。使用済みプロセスガスと副生成物は、排気168を通してプロセスチャンバ100から排気される。排気168は、排気口170を含む。排気口170は、使用済みプロセスガスを受け取り、使用済みガスを排気導管172へ渡す。排気導管172は、プロセスチャンバ100内のガスの圧力を制御するためのスロットルバルブを有する。排気導管172は、1以上の排気ポンプ174に接続されている。
【0040】
[0048] プロセスチャンバ100の様々な構成要素が、コントローラ176によって制御され得る。コントローラ176は、基板104を処理するために構成要素を動作させる指示命令セットを有するプログラムコードを含む。例えば、コントローラ176は、以下のようなプログラムコードを含み得る。すなわち、基板支持体130と基板移送機構とを動作させるための基板配置指示命令セット、プロセスチャンバ100へのスパッタリングガスの流量を設定するようにガス流量制御バルブを動作させるためのガス流量制御指示命令セット、プロセスチャンバ100内の圧力を維持するように排気スロットルバルブを動作させるためのガス圧力制御指示命令セット、ガス通電電力レベルを設定するようにDC電源146とRF電源148のうちの少なくとも一方を動作させるためのガス通電制御指示命令セット、冷却剤チャネル152への冷却剤の流量を制御するように基板支持体130又は冷却剤供給部180内の温度制御システムを制御するための温度制御指示命令セット、及びプロセスチャンバ100内のプロセスをモニタするためのプロセスモニタ指示命令セットである。
【0041】
[0049] 上記は本開示の複数の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態を考案してもよい。
【国際調査報告】