(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】分割ドレイン選択ゲート線を伴う三次元メモリデバイス、および三次元メモリデバイスを形成するための方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523226
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 CN2021137400
(87)【国際公開番号】W WO2023108330
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ディ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・グ
(72)【発明者】
【氏名】ジリアン・シア
(72)【発明者】
【氏名】ウェンシ・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ゾンリャン・フオ
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
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5F083EP48
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5F101BA45
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5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
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5F101BH13
(57)【要約】
メモリデバイスが、基板にわたるスタック構造と、スタック構造において延びるチャネル構造と、チャネル構造にわたる誘電層とを備える。誘電層は第1の材料を含む。メモリデバイスは、誘電層を貫いて延びるドレイン選択ゲート(DSG)切断構造も含み得る。DSG切断構造は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にわたるスタック構造と、
前記スタック構造において延びるチャネル構造と、
前記チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層と、
前記誘電層を貫いて延びるドレイン選択ゲート(DSG)切断構造であって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含むDSG切断構造と
を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記DSG切断構造は、複数の伝導層において前記チャネル構造およびDSGと接触している、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第2の材料に対する前記第1の材料のエッチング選択比が1よりも大きい、請求項1または2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の材料および前記第2の材料はそれぞれ、それぞれの誘電性材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1の材料は酸化ケイ素を含み、前記第2の材料は窒化ケイ素を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記DSG切断構造は酸化ケイ素を含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記DSG切断構造は窒化ケイ素を含む、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記DSG切断構造は、ライナ酸化ケイ素層と、前記ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記ライナ酸化ケイ素層の厚さが2nmから8nmまでの範囲にある、請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記DSG切断構造は、前記ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層と、前記窒化ケイ素層によって包囲された充填材層とを備える、請求項8または9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記充填材層は空隙を備える、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記メモリデバイスは、横方向に延びるソースコンタクト構造の対と、前記ソースコンタクト構造の対の間のメモリブロックとをさらに備え、前記メモリブロックは、前記ソースコンタクト構造同士の間の複数のチャネル構造に複数のメモリセルを備え、
前記メモリブロックは、互いに隣接するストリングの対を備え、前記ストリングの各々は、前記横方向においてチャネル構造の複数の列を備え、
前記DSG切断構造は、前記横方向に延び、前記ストリングの対の間にあり、前記チャネル構造の前記列のうちの少なくとも1つと接触している、請求項1から11のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記ストリングの各々はチャネル構造の4つの列を備える、請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記メモリブロックは4つのストリングを備え、前記4つのストリングの各々は、前記横方向において延びるチャネル構造の4つの列を備える、請求項12または13に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記チャネル構造の上方において前記チャネル構造と接触しているコンタクトをさらに備え、前記コンタクトは、前記誘電層を貫いて延び、前記第2の材料と接触している、請求項1から14のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記コンタクトは、前記第2の材料の少なくとも上面または側面と接触している、請求項15に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
データを保存するように構成されるメモリデバイスであって、
基板にわたるスタック構造、
前記スタック構造において延びるチャネル構造、
前記チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層、および、
前記誘電層を貫いて延びるドレイン選択ゲート(DSG)切断構造であって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含むDSG切断構造
を備えるメモリデバイスと、
前記メモリデバイスに連結され、前記チャネル構造の動作を制御するように構成されるメモリ制御装置と
を備える、メモリシステム。
【請求項18】
メモリデバイスを形成するための方法であって、
基板にわたってスタック構造を形成するステップと、
前記スタック構造において延びるチャネル構造を形成するステップと、
前記チャネル構造にわたって誘電層を形成するために第1の材料を堆積させるステップと、
開口を形成するために前記誘電層および前記スタック構造にパターン形成するステップであって、前記開口は、前記誘電層を貫き、前記スタック構造の上部分において伝導層と接触している、ステップと、
ドレイン選択ゲート(DSG)切断構造を形成するために、前記開口に第2の材料を堆積させるステップであって、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、ステップと、
前記誘電層において、前記チャネル構造と接触しているコンタクトを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記開口は前記チャネル構造と接触している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の材料を堆積させるステップは、酸化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、窒化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、前記開口を満たすために前記窒化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、
前記開口にライナ酸化物層を堆積させるステップであって、前記ライナ酸化物層は前記開口の表面と接触している、ステップと、
前記開口を満たすために窒化ケイ素層を堆積させるステップと
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ライナ酸化物層の前記堆積は原子層堆積(ALD)を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、
前記開口にライナ酸化物層を堆積させるステップであって、前記ライナ酸化物層は前記開口の表面と接触している、ステップと、
前記ライナ酸化物層にわたって窒化ケイ素層を堆積させるステップと、
前記窒化ケイ素層の前記堆積の間に前記窒化ケイ素層に空隙を形成するステップと
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記誘電層において前記コンタクトを形成するステップは、
前記チャネル構造および前記DSG切断構造と接触している他の開口を形成するために前記誘電層をエッチングするステップと、
前記他の開口を満たすために伝導性材料を堆積させるステップと
を含む、請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記DSG切断構造は前記誘電層の前記エッチングのエッチング停止層である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の材料におけるエッチング速度が、前記誘電層の前記エッチングにおいて、前記第1の材料におけるエッチング速度よりも小さい、請求項26または27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メモリデバイス、およびメモリデバイスを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平面状メモリセルは、処理技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、および製造工程を改善することで、より小さい大きさへと縮小される。しかしながら、メモリセルの最小加工寸法が下限に近付くにつれて、平面状の工程および製造の技術は難しくなり、高コストになる。結果として、平面状メモリセルの記憶密度が上限に近付く。
【0003】
三次元(3D)メモリアーキテクチャは、平面状メモリセルにおける密度の限界に対処することができる。3Dメモリアーキテクチャは、メモリアレイと、メモリアレイの動作を容易にするための周辺回路とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、メモリデバイスが開示されている。メモリデバイスは、基板にわたるスタック構造と、スタック構造において延びるチャネル構造と、チャネル構造にわたる誘電層とを備える。誘電層は第1の材料を含む。メモリデバイスは、誘電層を貫いて延びるDSG切断構造も含み得る。DSG切断構造は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【0005】
他の態様において、メモリシステムが開示されている。メモリシステムは、データを保存するように構成されるメモリデバイスを備える。メモリデバイスは、基板にわたるスタック構造と、スタック構造において延びるチャネル構造と、チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層と、誘電層を貫いて延びるDSG切断構造とを備える。DSG切断構造は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。メモリシステムは、メモリデバイスに連結され、チャネル構造の動作を制御するように構成されるメモリ制御装置も備える。
【0006】
なおも他の態様において、メモリデバイスを形成するための方法が開示されている。方法は、基板にわたってスタック構造を形成するステップと、スタック構造において延びるチャネル構造を形成するステップと、チャネル構造にわたって誘電層を形成するために第1の材料を堆積させるステップと、開口を形成するために誘電層およびスタック構造にパターン形成するステップであって、開口は、誘電層を貫き、スタック構造の上部分において伝導層と接触している、ステップとを含む。方法は、DSG切断構造を形成するために、開口に第2の材料を堆積させるステップも含み得る。第2の材料は第1の材料とは異なる。方法は、誘電層において、チャネル構造と接触しているコンタクトを形成するステップをさらに含み得る。
【0007】
本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を形成する添付の図面が、本開示の態様を図示しており、本記載と併せて、本開示を説明するように、および、本開示を当業者に実施および使用させることができるように、さらに供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示のいくつかの態様による、例示の3Dメモリデバイスの上面図である。
【
図1B】本開示のいくつかの態様による、例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図1C】本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイスにおける例示のDSG切断構造の図である。
【
図1D】本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイスにおける例示のDSG切断構造の図である。
【
図1E】本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイスにおける例示のDSG切断構造の図である。
【
図2A】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2C】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2D】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2E】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2F】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2G】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図2H】本開示のいくつかの態様による、製造工程の異なる段階においての例示の3Dメモリデバイスの断面図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイスを形成するための例示の方法の流れ図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様による、メモリデバイスを有する例示のシステムのブロック図である。
【
図5A】本開示のいくつかの態様による、メモリデバイスを有する例示のメモリカードの図である。
【
図5B】本開示のいくつかの態様による、メモリデバイスを有する例示のソリッドステートドライブ(SSD)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は添付の図面を参照して説明される。
【0010】
特定の構成および配置が検討されているが、これが例示の目的のためだけに行われていることは、理解されるべきである。そのため、他の構成および配置が、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。また、本開示は、様々な他の用途において用いることもできる。本開示に記載されているような機能的特徴および構造的特徴は、互いとの組み合わせ、調整、および変更が本開示の範囲内になるように、図面において明確に描写されていない方法で、それらの組み合わせ、調整、および変更をさせることができる。
【0011】
概して、用語は、文脈における使用から少なくとも部分的に理解できる。例えば、本明細書で使用されているような「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に依存して、単数の意味での特徴、構造、もしくは特性を記載するために使用されてもよく、または、複数の意味での特徴、構造、もしくは特性の組み合わせを記載するために使用されてもよい。同様に、「1つ」または「その」などの用語も、少なくとも部分的に文脈に依存して、単数での使用を伝えるために、または、複数での使用を伝えるために、利用され得る。また、「~に基づいて」という用語は、排他的な因子のセットを伝えるように必ずしも意図されていないとして理解でき、代わりに、文脈に少なくとも部分的に依存して、必ずしも明示的に記載されていない追加の因子の存在を許容してもよい。
【0012】
本開示における「~の上に」、「~の上方に」、および「~にわたって」の意味が、「~の上に」が何か「の直接的に上に」だけを意味せず、それらの間に中間の特徴または層を伴って何かの「上に」の意味も含むように、および、「~の上方に」および「~にわたって」が何か「の上方に」および「にわたって」の意味を意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴または層がない状態で何か「の上方に」および「にわたって」いる(つまり、何かの直接的に上にある)意味も含むことができるように、最も広い様態で解釈されるべきであることは、容易に理解されるべきである。
【0013】
さらに、「~の下に」、「~の下方に」、「下方」、「~の上方に」、および「上方」などの空間的に相対的な用語が、図において示されているように、他の要素または特徴に対するある要素または特徴の関係を記載するために、説明の容易性のために本明細書で使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図に描写されている配向に加えて、使用中または動作中におけるデバイスの異なる配向を網羅するように意図されている。装置は他に配向されてもよく(90度回転させられる、または、他の配向に回転させられる)、本明細書で使用されている空間的に相対的な記載は、それに応じて同様に解釈され得る。
【0014】
本明細書で使用されているように、「層」という用語は、厚さを伴う領域を含む材料部分に言及している。層は、下または上にある構造の全体にわたって延びることができる、または、下または上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有し得る。さらに、層は、連続構造の厚さよりも小さい厚さを有する同質または非同質の連続構造の領域であり得る。例えば、層は、連続構造の上面と下面との間、または上面および下面において、水平面の任意の対の間に位置付けられ得る。層は、水平に、垂直に、および/またはテーパ面に沿って、延びることができる。基板は、層であり得る、1つまたは複数の層を含み得る、ならびに/または、その上、その上方、および/もしくはその下方に1つもしくは複数の層を有し得る。層は複数の層を含み得る。例えば、相互接続層が、1つまたは複数の導体層および接触層(相互接続線および/またはビアコンタクトが形成されている)と、1つまたは複数の誘電層とを含み得る。
【0015】
本明細書で使用されているように、「基板」という用語は、後続の材料層が追加される材料に言及している。基板自体がパターン形成され得る。基板の上部に追加される材料が、パターン形成され得る、または、パターン形成されないままであり得る。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなどの半導体材料の幅広のアレイを含み得る。代替で、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウエハなど、非導電性材料から作られてもよい。
【0016】
本明細書で使用されているように、「3Dメモリデバイス」は、メモリストリングが基板に対して鉛直方向に延びるように、横に配向された基板においてメモリセルトランジスタの鉛直に配向されたストリング(NANDメモリストリングなど、本明細書では「メモリストリング」と称される)を伴う半導体デバイスに言及している。本明細書で使用されているように、「鉛直の/鉛直に」という用語は、基板の横方向表面に対して名目上垂直であることを意味する。
【0017】
3D NANDメモリデバイスなど、いくつかの3Dメモリデバイスでは、メモリセルは、インターリーブされたスタック伝導層とスタック誘導層とのスタック構造において延びる機能的なチャネル構造で形成される。より大きな容量への要求が引き続き高まっているため、現在、チャネル構造は、メモリセルの数/密度を増加させ、延いては3Dメモリデバイスの容量を増加させるために、よりコンパクトな横方向の配置を有する。用量を増加させるための1つの方法は、より多くの機能的なチャネル構造を3Dメモリデバイスのメモリブロックに割り当てることである。例えば、9列の代わりに、12列または16列の機能的なチャネル構造がメモリブロックに配置され得る。他の方法は、追加または代替で、メモリブロックにおいてより多くの機能的なチャネル構造を形成するために、ダミーのチャネル構造の数を減らすことである。しばしば、メモリセルはダミーのチャネル構造に形成されない。
【0018】
3Dメモリデバイスを動作させるために、メモリセルはメモリブロックへと分割され、メモリブロックはストリングへとさらに分割される。例えば、ドレイン選択ゲート(DSG)切断構造が、DSGを異なるストリングにおいて未接続とするために、メモリブロックにおける隣接するストリングの間にしばしば形成される。そのため、ストリングは、様々な動作において、それぞれのDSGを通じて選択することができる。DSG切断構造が、ダミーのチャネル構造の上方にしばしば形成される。ダミーのチャネル構造の数を減らすために、ダミーのチャネル構造は形成されず、DSG切断構造が、ストリング同士の間であるが、機能的なチャネル構造の上方において形成される。DSG切断構造は、隣接するストリングのDSGが未接続とされるように、機能的なチャネル構造の列およびストリングの1つまたは複数のDSGと接触している。鉛直において、DSG切断構造は、チャネル構造のドレインなど、チャネル構造と部分的に重なる。
【0019】
DSG切断構造がスタック構造に形成された後、チャネルコンタクトといったコンタクトが、機能的なチャネル構造の上方で、機能的なチャネル構造と接触して形成される。コンタクトは、動作の間にドレイン電圧を機能的なチャネル構造に適用することができる。コンタクトは、機能的なチャネル構造にわたって、誘電層においてしばしば形成される。誘電層と、機能的なチャネル構造と接触しているDSG切断構造とは、酸化ケイ素などの同じ誘電性材料をしばしば有する。コンタクトを形成するために、開口が、機能的なチャネル構造の下にあるドレインを露出させるために、誘電層において初めに形成され、伝導性材料が開口に堆積させられる。鉛直方向において、開口はDSG切断構造としばしば部分的に重なる。誘電層とDSG切断構造とは同じ構造を有するため、開口を形成するためのエッチング液はDSG切断構造をしばしばオーバーエッチングし、機能的なチャネル構造において望ましくないエッチングされた領域を結果的に生じさせる。そのため、伝導性材料が望ましくないエッチングされた領域に堆積させられる可能性があり、短絡および/または漏れなどの問題を引き起こす。
【0020】
本開示は、DSG切断構造を形成するために、エッチング停止材料を含むDSG切断構造を伴う3Dメモリデバイスと、製造工程とを提供する。エッチング停止材料は、チャネル構造にわたる誘電層とは異なる材料である。例えば、誘電層は酸化ケイ素を含み、エッチング停止材料は窒化ケイ素を含む。いくつかの実施では、エッチング停止材料は窒化ケイ素から成る。いくつかの実施では、エッチング停止材料は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、および/または空隙を含む。コンタクトが形成される開口の形成の間、エッチング停止材料のエッチング速度は、望ましくは誘電層のエッチング速度よりも小さい。したがって、開口の底面は、チャネル構造へと延び入る代わりに、DSG切断構造において停止することができる。したがって、DSG切断構造と接触しているチャネル構造は、コンタクトの形成においてオーバーエッチングによりなりにくい。したがって、短絡および/または漏れが、本明細書に開示されている3Dメモリデバイスではより起こりにくい。
【0021】
図1Aは、本開示のいくつかの態様による、例示の3Dメモリデバイス100の上面図を示している。
図1Bは、本開示のいくつかの態様による、A-A’方向に沿っての3Dメモリデバイス100の断面図を示している。図示の目的のために、3Dメモリデバイスの一部だけが
図1Bでは描写されている。
図1Aと
図1Bとは一緒に説明される。
【0022】
3Dメモリデバイス100は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、または任意の他の適切な材料を含み得る基板110を備え得る。いくつかの実施において、基板110は、研削、エッチング、化学機械研磨(CMP)、またはそれらの任意の組み合わせによって薄くされた薄型基板(例えば、半導体層)である。3Dメモリデバイス100における構成要素の空間的関係をさらに図示するためにx軸、y軸、およびz軸が
図1Aおよび
図1Bに含まれることが、留意されている。3Dメモリデバイス100の基板110は、x方向およびy方向(つまり、横方向)において横に延びる2つの横方向表面(例えば、上面および下面)を含む。本明細書で使用されているように、1つの構成要素(例えば、層またはデバイス)が、3Dメモリデバイス(例えば、3Dメモリデバイス100)の他の構成要素(例えば、層またはデバイス)の「上」、「上方」、または「下方」のいずれにあるかは、基板がy方向において3Dメモリデバイスの下方の平面に位置決めされるとき、z方向(つまり、鉛直方向)における3Dメモリデバイスの基板(例えば、基板110)に対して決定される。空間的な関係を記載することについての同じ概念が、本開示を通じて適用されている。
【0023】
3Dメモリデバイス100はモノリシック3Dメモリデバイスの対であり得る。「モノリシック」という用語は、3Dメモリデバイスの構成要素(例えば、周辺デバイスおよびメモリアレイ)が単一の基板に形成されることを意味する。モノリシック3Dメモリデバイスについて、製造は、周辺デバイスの処理およびメモリアレイデバイスの処理の畳み込みのため、追加の制約に直面する。例えば、メモリアレイデバイス(例えば、NANDメモリストリング)の製造は、同じ基板に形成された、または同じ基板に形成される周辺デバイスと関連付けられるサーマルバジェットによって制約される。
【0024】
代替で、3Dメモリデバイス100は、構成要素(例えば、周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)が異なる基板において別々に形成されてから、対面の様態などで接合され得る非モノリシック3Dメモリデバイスの一部であってもよい。いくつかの実施において、メモリアレイデバイスの基板(例えば、基板110)は、接合された非モノリシック3Dメモリデバイスの基板として留まり、周辺デバイス(例えば、ページバッファ、デコーダ、およびラッチなど、3Dメモリデバイス100の動作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル信号、アナログ信号、および/または混合信号の周辺回路を含み、図示されていない)が反転させられ、ハイブリッド接合のためにメモリアレイデバイス(例えば、NANDメモリストリング)の方へと下を向く。いくつかの実施において、メモリアレイデバイス基板(例えば、基板110)が反転させられ、接合された非モノリシック3Dメモリデバイスにおいて、メモリアレイデバイスが周辺デバイスの上方にあるように、ハイブリッド接合のために周辺デバイス(図示されていない)に向けて下を向くことは、理解される。メモリアレイデバイス基板(例えば、基板110)は、薄くされた基板(接合された非モノリシック3Dメモリデバイスの基板ではない)とでき、非モノリシック3Dメモリデバイスの相互接続のバックエンドオブライン(BEOL)が、薄くされたメモリアレイデバイス基板の裏側に形成できる。
【0025】
いくつかの実施において、3Dメモリデバイス100は、メモリセルが、基板110の鉛直方向上方にそれぞれ延びる、チャネル構造などのNANDメモリストリングのアレイの形態で提供されるNANDフラッシュメモリデバイスである。
図1Aは、本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイス100におけるメモリブロック101の一部の平面図を示している。メモリブロック101は、スリット構造102の対の間に配置される複数のメモリセル(図示されていない)を備え得る。アレイで配列されるメモリセルは、スリット構造102同士の間において複数のチャネル構造108で形成される。3Dメモリデバイス100は、隣接するストリング104の対の間に1つまたは複数のDSG切断構造106もそれぞれ備え得る。
【0026】
図1Bに示されているように、3Dメモリデバイス100は、スタック構造130と、z方向においてスタック構造130を貫いて鉛直方向に延びる複数のチャネル構造108とを備え得る。スタック構造130は、基板110の上方にインターリーブされたスタック伝導層とスタック誘導層118とを備え得る。スタック伝導層は、スタック構造130の上部分などにおける1つまたは複数のDSG線116と、複数の制御ゲート線(例えば、ワード線)120とを備え得る。例えば、DSG線116は上スタック伝導層であり得、DSG線の数は1、2、3、4などであり得る。スタック伝導層の数は、16、432、64、96、128、256など、任意の適切な正の数であり得る。スタック伝導層(DSG線116およびワード線120)は、限定されることはないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、シリサイド、またはそれらの任意の組み合わせを含む伝導性材料を有し得る。スタック誘導層118は、限定されることはないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘電性材料を含み得る。
【0027】
制御ゲート線120とチャネル構造108との交差はメモリセルを形成する。3Dメモリデバイス100は、y方向においてスリット構造102同士の間に位置付けられるアレイなどの複数のチャネル構造108を含み得る。いくつかの実施において、チャネル構造108は、x方向にそれぞれが延びる列で配置でき、複数の列がy方向に配置される。いくつかの実施において、メモリブロック101は、y方向に配置される4×M列のチャネル構造108を含み、Mは正の整数である。例えば、メモリブロック101は8列、12列、16列などを含み得る。いくつかの実施において、
図1Aに示されているように、メモリブロック101は16列のチャネル構造108を含む。
【0028】
チャネル構造108は、(例えば、半導体チャネルとしての)半導体材料および(例えば、メモリ膜としての)誘電性材料で満たされたチャネルホールを含み得る。いくつかの実施では、半導体チャネルは、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または単結晶シリコンなどのシリコンを含む。いくつかの実施では、メモリ膜は、トンネル層、記憶層(「電荷トラップ層」としても知られている)、および阻止層を含む複合層である。いくつかの実施において、チャネル構造108の残りの空間は、酸化ケイ素などの誘電性材料を含む充填層で部分的または完全に満たすことができる。チャネル構造108は円筒形(例えば、柱の形)を有し得る。充填層、半導体チャネル、トンネル層、記憶層、および阻止層は、同じ実施によれば、この順番で柱の中心から外面に向けて径方向に配置される。トンネル層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。記憶層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。阻止層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(high-k)の誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一例において、メモリ膜は、酸化ケイ素/酸窒化ケイ素(または窒化ケイ素)/酸化ケイ素(ONO)の複合層を含み得る。
【0029】
いくつかの実施において、チャネル構造108は、チャネル構造108の下方部分(例えば、下端)において、半導体プラグをさらに備え得る。本明細書において使用されているように、基板110が3Dメモリデバイス100の最も下の平面に位置決めされるとき、構成要素(例えば、チャネル構造108)の「上端」は、z方向において基板110から最も遠くに離れた端であり、構成要素(例えば、チャネル構造108)の「下端」は、z方向において基板110に最も近い端である。半導体プラグは、任意の適切な方向において基板110からエピタキシャルに成長させられ得る、または、基板110にわたって堆積され得るシリコンなどの半導体材料を含み得る。いくつかの実施において、半導体プラグが、基板110と同じ材料の単結晶シリコンを含むことは、理解される。別の言い方をすれば、半導体プラグは、基板110の材料と同じであるエピタキシャルに成長させられた半導体層を含み得る。いくつかの実施において、半導体プラグの一部は、基板110の上面の上方にあり、半導体チャネルと接触している。半導体プラグは、チャネル構造108のソース選択ゲートによって制御されるチャネルとして機能することができる。いくつかの実施において、3Dメモリデバイス100が、
図1Bに示されているように半導体プラグを含まないことは、理解される。
【0030】
いくつかの実施において、チャネル構造108は、チャネル構造108の上方部分(例えば、上端)において、チャネルプラグをさらに備え得る。チャネルプラグは半導体チャネルの上端と接触していてもよい。チャネルプラグは半導体材料(例えば、ポリシリコン)を含み得る。3Dメモリデバイス100の製造の間のチャネル構造108の上端を覆うことで、チャネルプラグは、酸化ケイ素および窒化ケイ素など、チャネル構造108において満たされる誘電体のエッチングを防止するためのエッチング停止層として機能することができる。いくつかの実施において、チャネルプラグはチャネル構造108のドレインとしても機能する。
【0031】
スリット構造102は、スタック構造130において、鉛直に(例えば、z方向に)および横に(例えば、x方向に)それぞれ延びてもよい。スリット構造102はゲート線スリットとも称され得る。いくつかの実施において、電圧をチャネル構造108にソース電圧を適用するアレイ共通ソース(ACS)の一部としてのソースコンタクト構造が形成され得る。スリット構造102は基板110と接触していてもよい。いくつかの実施において、スリット構造102におけるソースコンタクト構造は、誘電性スペーサと、誘電性スペーサにおけるソースコンタクトとをそれぞれ備え得る。ソースコンタクトは基板110に伝導的に接続され得る。ソースコンタクトは、限定されることはないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、シリサイド、またはそれらの任意の組み合わせを含む伝導性材料を含み得る。誘電性スペーサは、限定されることはないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘電性材料を含み得る。
【0032】
3Dメモリデバイス100は、チャネル構造108(例えば、チャネル構造108のチャネルプラグ)にわたってチャネル構造108と接触している誘電層114と、誘電層114におけるコンタクト112とをさらに備え得る。コンタクト112はチャネル構造108(例えば、チャネル構造108のチャネルプラグ/ドレイン)と接触していてもよい。誘電層114は、単一の層または複数の層を含んでもよく、1つまたは複数の誘電性材料を含み得る。いくつかの実施では、誘電層114は、限定されることはないが、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘電性材料を含み得る。例えば、誘電層114は、酸化ケイ素層の対によって挟まれた窒化ケイ素層を含み得る。いくつかの実施において、チャネル構造108のチャネルプラグ(例えば、ドレイン)は酸化ケイ素層と接触している。いくつかの実施において、コンタクト112は、限定されることはないが、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、シリサイド、またはそれらの任意の組み合わせを含む伝導性材料を含み得る。コンタクト112は、動作の間にチャネル構造108にドレイン電圧を適用することができる。
【0033】
1つまたは複数のDSG切断構造106は、スタック構造130において、鉛直に(例えば、z方向に)および横に(例えば、x方向に)それぞれ延びてもよい。DSG切断構造106は、メモリブロック101の隣接するストリング104の間にそれぞれ位置決めされ得る。例えば、メモリブロック101は、3つのDSG切断構造106によって4つのストリング104へと分割される16列のチャネル構造108を含み得る。
図1Aおよび
図1Bに示されているように、DSG切断構造106は、各々のストリング104の第1の列において、複数のチャネル構造108と接触していてもよい。DSG切断構造106と接触しているチャネル構造108は、メモリセルが形成される機能的なチャネル構造であり得る。DSG切断構造106は、これらのスタック伝導層が1つのストリング104から他のストリング104へと未接続/絶縁とされるように、隣接するストリング104のうちの一方に1つまたは複数のスタック伝導層と接触していてもよい。DSG切断構造106と接触しているスタック伝導層はDSG線116と称されてもよい。各々のストリング104におけるDSG線116の一部分は、それぞれのストリング104のDSGを形成することができ、ゲート選択電圧が動作中にそれぞれのストリング104を選択するためにDSGに適用されてもよい。いくつかの実施において、設計に依存して、DSG線116の数は、1、2、3、4、または他の適切な正の数であり得る。いくつかの実施において、各々のストリング104におけるDSGは、スタック構造130の上部分に位置決めでき、上選択ゲート(TSG)と称されてもよい。いくつかの実施において、
図1Aに示されているように、DSG切断構造106は、2つの隣接する列のチャネル構造108と接触している。図示の容易性のために、本開示において、DSG切断構造は、例として、
図1B~
図1Eおよび
図2A~
図2Hにおける1つのチャネル構造と接触して描写されている。
【0034】
DSG切断構造106は、誘電層114とは異なる材料を含み得る。いくつかの実施において、DSG切断構造106は、コンタクト112の形態でのエッチング停止層として機能することができる誘電性材料を含み得る。いくつかの実施において、コンタクト112が位置付けられる開口を形成するために使用されるエッチング液は、DSG切断構造106よりも、誘電層114においてより高いエッチング速度を有する。例えば、DSG切断構造106に対する誘電層114のエッチング選択比は1よりも大きくなり得る。いくつかの実施では、誘電層114は酸化ケイ素を含み、DSG切断構造106は窒化ケイ素を含む。
【0035】
図1C~
図1Eは、本開示のいくつかの態様による、DSG切断構造106の構造をそれぞれ示している。一例において、
図1Cに示されているように、DSG切断構造106は窒化ケイ素を含み得る。いくつかの実施において、DSG切断構造106は、窒化ケイ素層などのエッチング停止層から成る。他の例では、
図1Dに示されているように、DSG切断構造106は、ライナ層106-1と、ライナ層106-1によって包囲され、ライナ層106-1と接触しているエッチング停止層106-2とを備え得る。ライナ層106-1はチャネル構造108およびDSG線116と接触していてもよい。エッチング停止層106-2の上面は誘電層114の上面と同一平面であり得る。いくつかの実施では、ライナ層106-1は酸化ケイ素を含み、エッチング停止層106-2は窒化ケイ素を含む。さらなる例では、
図1Eに示されているように、DSG切断構造106は、ライナ層106-1と、ライナ層106-1によって包囲され、ライナ層106-1と接触しているエッチング停止層106-2と、エッチング停止層106-2によって包囲され、エッチング停止層106-2と接触している(例えば、中にある)充填材層106-3とを備え得る。充填材層106-3の材料はエッチング停止層106-2の材料とは異なり得る。例えば、充填材層106-3は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、または空隙を含み得る。いくつかの実施において、充填材層106-3は空隙を含む。
図1Dおよび
図1Eに示されている例において、ライナ層106-1の厚さは2nm~8nmの間の範囲であり得る(例えば、2nm、3nm、5nm、7nm、8nm)。例えば、ライナ層106-1の厚さは約5nmであり得る。
【0036】
図2A~
図2Hは、本開示のいくつかの態様による、製作工程の異なる段階においての3Dメモリデバイス200の断面図を示している。
図3は、本開示のいくつかの態様による、3Dメモリデバイス200を形成するための例示の方法300の流れ図を示している。3Dメモリデバイス200は3Dメモリデバイス100の例であり得る。図示の目的のために、
図2A~
図2Hと方法300とは一緒に検討される。方法300で示されている動作が包括的ではないことと、他の動作が、図示されている動作のいずれかの前、後、または合間に実施されてもよいこととは、理解される。さらに、動作のうちのいくつかは、同時に実施されてもよい、または、
図2A~
図2Hおよび
図3に示されている順番とは異なる順番で実施されてもよい。
【0037】
方法300は動作302において開始し、動作302では、スタック構造が基板にわたって形成され、チャネル構造がスタック構造に形成される。
図2Aは、対応する構造を示している。
【0038】
図2Aに示されているように、スタック構造230が基板にわたって形成され(図示されていない)、スタック構造230において鉛直に延びるチャネル構造208が形成され得る。スタック構造230は、複数のスタック誘電層218でインターリーブされた複数のスタック伝導層(例えば、DSG線216および制御ゲート線220)を備え得る。
【0039】
スタック構造230を形成するために、複数の第1の材料の層と複数の第2の材料の層とが、基板の上方で積み重なるように基板に堆積させられる。「ゲートラスト」工程では、複数の交互のスタック誘導層とスタック犠牲層とを有する誘電体スタック(図示されていない)が基板の上方に形成され得る。スタック誘導層およびスタック犠牲層は、基板にわたる複数のスタック誘電層/犠牲層の対を形成することができる。ゲート置換工程は、スタック構造230においてスタック伝導層を形成するために、後で実施され得る。いくつかの実施において、基板はシリコン基板を含み得る。スタック誘導層とスタック犠牲層とは異なる材料を含み得る。いくつかの実施において、各々のスタック誘導層が酸化ケイ素の層を含んでもよく、各々のスタック犠牲層が窒化ケイ素の層を含んでもよい。誘電体スタックは、限定されることはないが、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、またはそれらの任意の組み合わせを含め、1つまたは複数の薄膜堆積工程によって形成され得る。いくつかの実施において、酸化ケイ素などの誘電性材料を基板に堆積させることで、パッド酸化物層(図示されていない)が基板と誘電体スタックとの間に形成される。
【0040】
「ゲートファースト」工程では、インターリーブされたスタック伝導層とスタック誘導層とのスタックが基板にわたって形成でき、ゲート置換工程は必要とされない。スタック伝導層はポリシリコンの層をそれぞれ含むことができ、スタック誘導層は酸化ケイ素の層をそれぞれ含むことができる。スタックは、限定されることはないが、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせを含め、1つまたは複数の薄膜堆積工程によって形成され得る。いくつかの実施では、インターリーブされた第1の材料の層と第2の材料の層とがトリミング工程を受ける可能性があり、トリミング工程では、第1の材料の層と第2の材料の層とが、スタック構造230の1つまたは複数の側面においてステアケース構造を形成するために、繰り返しパターン形成される。トリミング工程はフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程(例えば、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチング)を含み得る。
【0041】
z方向においてスタック構造230(例えば、誘電体スタック)を通じて延びるチャネル構造208が形成され得る。チャネル構造208は、チャネル構造208(またはスタック構造230)の上部分において、チャネルプラグ215(例えば、チャネル構造208のドレイン)を含み得る。チャネルプラグ215は、ポリシリコンおよび/または金属を含むことができ、続いて、ドレイン電圧をチャネル構造208に適用するコンタクトに伝導的に接続され得る。いくつかの実施において、エッチング工程が、インターリーブされたスタック誘電層/犠牲層の対を通じて鉛直方向に延びる複数のチャネルホールを形成するために実施され得る。いくつかの実施において、チャネルホールを形成するための製造工程は、深掘反応性イオンエッチング(DRIE)など、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを含み得る。いくつかの実施において、チャネルホールは基板の上部分へとさらに延びることができる。チャネルホールの形成の後、いくつかの実施において、選択的エピタキシャル成長動作などのエピタキシャル動作が、チャネルホールの底に半導体プラグを形成するために実施され得る。トンネル層、記憶層、阻止層、および半導体チャネルを含むメモリ膜が、チャネルホールにおいて形成され得る。任意選択で、充填層がチャネルホールに形成されてもよい。いくつかの実施において、チャネル構造208は半導体プラグを含まなくてもよい。メモリ膜、半導体チャネル、および充填層の堆積は、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の適切な薄膜堆積工程を含み得る。チャネルプラグ215の堆積は、CVD、PVD、ALD、電気メッキ、無電解メッキ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0042】
z方向においてスタック構造230を貫いて延びる複数のゲート線スリット(図示されていない)が形成され得る。ソースコンタクト構造が形成されるゲート線スリットが、
図1Aに戻って参照すると、x方向において横方向に延び得る。ゲート線スリットは、基板の上部分へと接触または延在し得る。いくつかの実施において、ゲート線スリットを形成するための製造工程は、深掘反応性イオンエッチング(DRIE)など、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを含み得る。
【0043】
ゲートラスト工程では、異方性エッチング工程が、スタック犠牲層を除去し、複数の横方向リセスを形成するために実施され得る。CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程が、横方向リセスにおいて複数のスタック伝導層を形成するために実施され得る。いくつかの実施において、スタック伝導層はWを含む。
【0044】
次に、ソースコンタクト構造(例えば、ソースコンタクト構造102に戻って参照する)が各々のゲート線スリットに形成され得る。ソースコンタクト構造は、誘電性スペーサ(例えば、酸化ケイ素)と、誘電性スペーサにおけるソースコンタクト(例えば、W)とを備え得る。誘電性スペーサの形成は、CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程を含み得る。ソースコンタクトの形成は、CVD、PVD、ALD、電気メッキ、無電解メッキ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0045】
方法300は動作304へと進み、動作304において、チャネル構造にわたって誘電層を形成するために、第1の材料が堆積させられる。
図2Aは、対応する構造を示している。
【0046】
図2Aに示されているように、スタック構造230およびチャネル構造208が形成された後、誘電層214が、チャネル構造208にわたって、チャネル構造208と接触して形成される。誘電層214の形成は、酸化ケイ素など、第1の材料の堆積を含み得る。いくつかの実施において、単一の層または複数の層を有する誘電層214は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、および/または酸窒化ケイ素を含む。いくつかの実施において、誘電層214は、酸化ケイ素層の対によって挟まれた窒化ケイ素層を含む。いくつかの実施において、チャネル構造208(例えば、チャネル構造208のドレイン)が、誘電層214の一部である酸化ケイ素の層と接触している。誘電層214の形成は、CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程を含み得る。
【0047】
方法300は動作306へと進み、動作306では、開口を形成するために誘電層およびスタック構造がパターン形成され、開口は、誘電層を貫き、スタック構造の上部分において1つまたは複数の伝導層と接触している。
図2Bは、対応する構造を示している。
【0048】
図2Bに示されているように、誘電層214の形成の後、開口222が誘電層214を通じて形成され、スタック構造230へと形成される。開口222は、スタック構造230の上部分において、チャネル構造208の上部分および1つまたは複数のスタック伝導層と接触していてもよい。例えば、x-y平面において、開口222はチャネル構造208および1つまたは複数のスタック伝導層と部分的に重なってもよい。開口222は、1つまたは複数のスタック伝導層をチャネル構造208から未接続とすることができる。チャネルプラグ215の少なくとも一部分が、コンタクトへの後続の伝導性の接続のためにそのまま保持される。いくつかの実施において、開口222はチャネル構造208と1つまたは複数のスタック伝導層との間に位置決めされ、開口222の底面は、1つまたは複数のスタック伝導層の底構造の下方にあり得る。開口222によって未接続とされるスタック伝導層の数は、1、2、3、4などであり得る。未接続とされたスタック伝導層はDSG線216を形成することができ、DSG線216の下方のスタック伝導層は制御ゲート線220を含み得る。いくつかの実施において、開口222の形成は、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程(例えば、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチング)を含み得る。
【0049】
方法300は動作308へと進み、動作308において、DSG切断構造を形成するために、第2の材料が開口へと堆積させられる。
図2C~
図2Eは、対応する構造を示している。
【0050】
開口222の形成の後、第2の材料が、DSG切断構造を形成するために開口222へと堆積させられ得る。第2の材料は、誘電層214の構造のエッチングにおいてエッチング停止材料として機能することができる窒化ケイ素を含み得る。いくつかの実施において、第2の材料は、他の誘電性材料および/または空隙などの他の非伝導性材料も含む。いくつかの実施において、第2の材料は窒化ケイ素から成り、第2の材料の堆積は、CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程を含み得る。化学機械研磨(CMP)および/またはリセスエッチングなどの平坦化工程が、誘電層214にわたって過剰な堆積材料を除去するために、堆積の後に実施される。
【0051】
例として、
図2C~
図2Eは、第2の材料が窒化ケイ素および酸化ケイ素を含む構造を示している。
図2Cに示されているように、酸化ケイ素などの適切な材料のライナ材料層224が開口222へと堆積させられ得る。いくつかの実施において、ライナ材料層224は、5nmなど、2nm~8nmの厚さを有し、ALDを使用して堆積させることができる。ライナ材料層224は開口222の底面と側面とを覆うことができる。
図2Dに示されているように、エッチング停止材料層226が、開口222を満たすために、ライナ材料層224にわたって堆積させられ得る。エッチング停止材料層226の堆積は、CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程を含み得る。いくつかの実施において、空隙(図示されていない)がエッチング停止材料層226に形成される。空隙の形成は、急速熱封止など、任意の適切な製造工程を含み得る。空隙は、エッチング停止材料層226によって、封止されるなど、包囲させられ得る。
【0052】
図2Eに示されているように、CMPおよび/またはリセスエッチングなどの平坦化工程は、誘電層214にわたって過剰な堆積材料を除去するために、エッチング停止材料層226の堆積の後に実施される。ライナ層225(例えば、酸化ケイ素)とエッチング停止層228(例えば、窒化ケイ素)とを有するDSG切断構造206が形成され得る。ライナ層225は、エッチング停止層228の底面および側面においてエッチング停止層228を包囲することができる。いくつかの実施において、DSG切断構造206の上面が誘電層214と同一平面であり得る。
【0053】
方法300は動作310へと進み、動作310では、コンタクトが誘電層において形成され、コンタクトはチャネル構造と接触している。
図2F~
図2Hは、対応する構造を示している。
【0054】
図2Fに示されているように、DSG切断構造206の形成の後、キャップ層240が誘電層214およびDSG切断構造206にわたって形成され得る。キャップ層240は、少なくともDSG切断構造206およびチャネル構造208を覆うことができる。いくつかの実施において、キャップ層240は、酸化ケイ素などの誘電性材料を含み、CVD、PVD、および/またはALDなどの1つまたは複数の薄膜堆積工程を使用して堆積させることができる。
【0055】
図2Gに示されているように、開口232がキャップ層240および誘電層214に形成されてもよい。開口232は、誘電層214を通じて延びることができ、チャネル構造208(例えば、チャネルプラグ215)と接触することができる。いくつかの実施において、開口232は、
図2Gに示されているように、DSG切断構造206に部分的にあるなど、DSG切断構造206と接触していてもよい。エッチング停止層228の少なくとも上面が、開口232を形成するためにエッチングに曝されてもよい。開口232と接触しているライナ層225の一部は、開口232を形成するエッチング工程によって部分的に除去されてもされなくてもよい。いくつかの実施では、ライナ層225は、開口232におけるエッチング停止層228において完全または部分的に保持され得る。例えば、ライナ層225が開口232において完全または部分的に除去されるとき、側面のエッチング停止層228は開口232において露出させられ得る。他の例では、ライナ層225が完全に保持されるとき、エッチング停止層228の側面は、開口232におけるライナ層225によって覆われる。いくつかの実施において、ライナ層225の厚さが望ましくは薄いため、エッチング停止層228はチャネル構造208のエッチングをなおも防止する。したがって、チャネル構造208は開口232の形成の間に損傷に曝されにくくなる。いくつかの実施において、開口232の形成は、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程(例えば、ドライエッチングおよび/またはウェットエッチング)を含み得る。
【0056】
図2Hに示されているように、伝導性材料が開口232を満たすために堆積させられ、コンタクト212が形成される。コンタクト212は、キャップ層240において、誘電層214を貫いて、チャネル構造208のチャネルプラグ215と接触して延び得る。いくつかの実施において、ライナ層225が開口232において部分的または完全に除去される場合、コンタクト212はエッチング停止層228の側面および上面と接触している。いくつかの実施において、ライナ層225がエッチング停止層228の側面において完全に保持される場合、コンタクト212が上面におけるエッチング停止層228と接触するが、側面においては接触しない。いくつかの実施において、伝導性材料はタングステン(W)を含み、堆積は、CVD、PVD、ALD、電気メッキ、無電解メッキ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施において、窒化チタン(TiN)といった接着層が、タングステンの堆積の前に開口232の側面に堆積させられる。いくつかの実施において、接着層の堆積は、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0057】
図4は、本開示のいくつかの態様による、メモリデバイスを有する例示のシステム400のブロック図を示している。システム400は、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、車載コンピュータ、ゲームコンソール、プリンタ、測位デバイス、ウェアラブル電子デバイス、スマートセンサ、仮想現実(VR)デバイス、拡張現実(AR)デバイス、または、記憶装置を有する任意の他の適切な電子デバイスであり得る。
図4に示されているように、システム400は、ホスト408と、1つまたは複数のメモリデバイス404およびメモリ制御装置406を有するメモリシステム402とを備え得る。ホスト408は、中央処理ユニット(CPU)などの電子デバイス、または、アプリケーションプロセッサ(AP)などのシステムオンチップ(SoC)の処理装置であり得る。ホスト408は、データをメモリデバイス404へと送信するように、または、データをメモリデバイス404から受信するように、構成され得る。
【0058】
メモリデバイス404は、本開示に開示されている任意のメモリデバイスであり得る。上記で詳細に開示されているように、NANDフラッシュメモリデバイスなどのメモリデバイス404は、エッチング停止材料を有する1つまたは複数のDSG切断構造を有し得る。メモリ制御装置406は、メモリデバイス404とホスト408とに連結され、いくつかの実施によれば、メモリデバイス404を制御するように構成される。メモリ制御装置406は、メモリデバイス404に保存されたデータを管理することができ、ホスト408と通信することができる。例えば、メモリ制御装置406は、先に記載されている3Dメモリデバイス100などのメモリデバイス404に連結させることができ、メモリ制御装置406は、DSG線116を通じて3Dメモリデバイス100のチャネル構造108の動作を制御するように構成できる。
【0059】
いくつかの実施において、メモリ制御装置406は、セキュアデジタル(SD)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、または、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話などの電子デバイスでの使用のための他の媒体のような低いデューティサイクル環境において動作するように設計される。いくつかの実施において、メモリ制御装置406は、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどの携帯デバイス、およびエンタープライズストレージアレイのためのデータ保存装置として使用される高いデューティサイクル環境のSSDまたは組み込み型マルチメディアカード(eMMC)において動作するように設計される。メモリ制御装置406は、読み込み、消去、およびプログラム動作など、メモリデバイス404の動作を制御するように構成され得る。メモリ制御装置406は、限定されることはないが、不良ブロック管理、ガベージコレクション、論理アドレスから物理アドレスへの変換、ウェアレベリングなどを含め、メモリデバイス404に保存されたデータ、または保存されるデータに関して、様々な機能を管理するようにも構成され得る。いくつかの実施において、メモリ制御装置406は、メモリデバイス404から読み込まれたデータ、または、メモリデバイス404に書き込まれたデータに関して、誤り訂正符号(ECC)を処理するようにさらに構成される。例えば、メモリデバイス404をフォーマットするなど、任意の他の適切な機能もメモリ制御装置406によって実施され得る。メモリ制御装置406は、具体的な通信プロトコルに従って外部デバイス(例えば、ホスト408)と通信することができる。例えば、メモリ制御装置406は、USBプロトコル、MMCプロトコル、PCI(周辺構成要素相互接続)プロトコル、PCI-Express(PCI-E)プロトコル、ATA(Advanced Technology Attachment)プロトコル、シリアルATAプロトコル、パラレルATAプロトコル、Small Computer Small Interface(SCSI)プロトコル、Enhanced Small Disk Interface(ESDI)プロトコル、Integrated Drive Electronics(IDE)プロトコル、Firewireプロトコルなど、様々なインターフェースプロトコルのうちの少なくとも1つを通じて、外部デバイスと通信することができる。
【0060】
メモリ制御装置406と、1つまたは複数のメモリデバイス404とは、様々な種類の保存デバイスへと組み込みことができ、例えば、Universal Flash Storage(UFS)パッケージまたはeMMCパッケージなどの同じパッケージに含まれ得る。つまり、メモリシステム402は、異なる種類の最終電子製品へと実装およびパッケージさせることができる。
図5Aに示されているような一例において、メモリ制御装置406と単一のメモリデバイス404とはメモリカード502へと組み込むことができる。メモリカード502には、PCカード(PCMCIA、Personal Computer Memory Card International Association)、CFカード、スマートメディア(SM)カード、メモリスティック、マルチメディアカード(MMC、RS-MMC、MMCmicro)、SDカード(SD、miniSD、microSD、SDHC)、UFSなどがあり得る。メモリカード502は、メモリカード502をホスト(例えば、
図4におけるホスト408)と連結するメモリカードコネクタ504をさらに備え得る。
図5Bに示されているような他の例において、メモリ制御装置406と複数のメモリデバイス404とはSSD506へと組み込むことができる。SSD506は、SSD506をホスト(例えば、
図4におけるホスト408)と連結するSSDコネクタ508をさらに備え得る。いくつかの実施において、SSD506の記憶容量および/または動作速度は、メモリカード502の記憶容量および/または動作速度よりも大きい。
【0061】
本開示の一態様によれば、メモリデバイスは、基板にわたるスタック構造と、スタック構造において延びるチャネル構造と、チャネル構造にわたる誘電層とを備える。誘電層は第1の材料を含む。メモリデバイスは、誘電層を貫いて延びるDSG切断構造も含み得る。DSG切断構造は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。
【0062】
いくつかの実施では、DSG切断構造は、複数の伝導層においてチャネル構造およびDSGと接触している。
【0063】
いくつかの実施では、第2の材料に対する第1の材料のエッチング選択比が1よりも大きい。
【0064】
いくつかの実施では、第1の材料および第2の材料はそれぞれ、それぞれの誘電性材料を含む。
【0065】
いくつかの実施では、第1の材料は酸化ケイ素を含み、第2の材料は窒化ケイ素を含む。
【0066】
いくつかの実施では、DSG切断構造は酸化ケイ素を含まない。
【0067】
いくつかの実施では、DSG切断構造は窒化ケイ素を含まない。
【0068】
いくつかの実施では、DSG切断構造は、ライナ酸化ケイ素層と、ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層とを備える。
【0069】
いくつかの実施では、ライナ酸化ケイ素層の厚さが2nmから8nmまでの範囲にある。
【0070】
いくつかの実施では、DSG切断構造は、ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層と、窒化ケイ素層によって包囲された空隙とを備える。
【0071】
いくつかの実施では、メモリデバイスは、横方向に延びるソースコンタクト構造の対と、ソースコンタクト構造の対の間のメモリブロックとをさらに備える。メモリブロックは、ソースコンタクト構造同士の間の複数のチャネル構造に複数のメモリセルを備える。メモリブロックは、互いに隣接するストリングの対を備える。ストリングの各々は、横方向においてチャネル構造の複数の列を備える。DSG切断構造は、横方向に延び、ストリングの対の間にあり、チャネル路構造の列のうちの1つと接触している。
【0072】
いくつかの実施において、ストリングの各々は、チャネル構造の4つの列を備える。
【0073】
いくつかの実施において、メモリブロックは4つのストリングを備える。4つのストリングの各々は、横方向において延びるチャネル構造の4つの列を備える。
【0074】
本開示の他の態様によれば、メモリシステムは、データを保存するように構成されるメモリデバイスを備える。メモリデバイスは、基板にわたるスタック構造と、スタック構造において延びるチャネル構造と、チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層と、誘電層を貫いて延びるDSG切断構造とを備える。DSG切断構造は、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。メモリシステムは、メモリデバイスに連結され、チャネル構造の動作を制御するように構成されるメモリ制御装置も備える。
【0075】
本開示の他の態様によれば、メモリデバイスを形成するための方法が、基板にわたってスタック構造を形成するステップと、スタック構造において延びるチャネル構造を形成するステップと、チャネル構造にわたって誘電層を形成するために第1の材料を堆積させるステップと、開口を形成するために誘電層およびスタック構造にパターン形成するステップであって、開口は、誘電層を貫き、スタック構造の上部分において伝導層と接触している、ステップとを含む。方法は、DSG切断構造を形成するために、開口に第2の材料を堆積させるステップも含み得る。第2の材料は第1の材料とは異なる。方法は、誘電層において、チャネル構造と接触しているコンタクトを形成するステップをさらに含み得る。
【0076】
いくつかの実施において、開口はチャネル構造と接触している。
【0077】
いくつかの実施において、第1の材料を堆積させるステップは、酸化ケイ素を堆積させるステップを含む。
【0078】
いくつかの実施において、DSG切断構造を形成するために第2の材料を堆積させるステップは、窒化ケイ素を堆積させるステップを含む。
【0079】
いくつかの実施において、DSG切断構造を形成するために第2の材料を堆積させるステップは、開口を満たすために窒化ケイ素を堆積させるステップを含む。
【0080】
いくつかの実施において、DSG切断構造を形成するために第2の材料を堆積させるステップは、開口にライナ酸化物層を堆積させるステップであって、ライナ酸化物層は開口の表面と接触している、ステップと、開口を満たすために窒化ケイ素層を堆積させるステップとを含む。
【0081】
いくつかの実施において、ライナ酸化物層の堆積はALDを含む。
【0082】
いくつかの実施において、DSG切断構造を形成するために第2の材料を堆積させるステップは、開口にライナ酸化物層を堆積させるステップを含む。ライナ酸化物層は開口の表面と接触している。第2の材料を堆積させるステップは、ライナ酸化物層にわたって窒化ケイ素層を堆積させるステップと、窒化ケイ素層の堆積の間に窒化ケイ素層に空隙を形成するステップとを含み得る。
【0083】
いくつかの実施において、誘電層においてコンタクトを形成するステップは、チャネル構造およびDSG切断構造と接触している他の開口を形成するために誘電層をエッチングするステップと、他の開口を満たすために伝導性材料を堆積させるステップとを含む。
【0084】
いくつかの実施において、DSG切断構造は誘電層のエッチングのエッチング停止層である。
【0085】
いくつかの実施において、第2の材料におけるエッチング速度が、誘電層のエッチングにおいて、第1の材料におけるエッチング速度よりも小さい。
【0086】
特定の実施の前述の記載は、様々な用途のために容易に変更および/または適合させることができる。そのため、このような適合および変更は、本明細書において提示されている教示および案内に基づいて、開示されている実施の等価の意味および範囲の中にあるように意図されている。
【0087】
本開示の広がりおよび範囲は、先に記載されている例示の実施のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の請求項およびそれらの均等に従うのみで定められるべきである。
【符号の説明】
【0088】
100 3Dメモリデバイス
101 メモリブロック
102 スリット構造、ソースコンタクト構造
104 ストリング
106 DSG切断構造
106-1 ライナ層
106-2 エッチング停止層
106-3 充填材層
108 チャネル構造
110 基板
112 コンタクト
114 誘電層
116 DSG線
118 スタック誘導層
120 制御ゲート線、ワード線
130 スタック構造
200 3Dメモリデバイス
208 チャネル構造
212 コンタクト
215 チャネルプラグ
216 DSG線
218 スタック誘電層
220 制御ゲート線
224 ライナ材料層
225 ライナ層
228 エッチング停止層
230 スタック構造
232 開口
240 キャップ層
400 システム
402 メモリシステム
404 メモリデバイス
406 メモリ制御装置
408 ホスト
502 メモリカード
504 メモリカードコネクタ
506 SSD
508 SSDコネクタ
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にわたるスタック構造と、
前記スタック構造において延びるチャネル構造と、
前記チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層と、
前記誘電層を貫いて延びるドレイン選択ゲート(DSG)切断構造であって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含むDSG切断構造と
を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記DSG切断構造は、複数の伝導層において前記チャネル構造およびDSGと接触している、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第2の材料に対する前記第1の材料のエッチング選択比が1よりも大きい、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の材料および前記第2の材料はそれぞれ、それぞれの誘電性材料を含む、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1の材料は酸化ケイ素を含み、前記第2の材料は窒化ケイ素を含む、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記DSG切断構造は酸化ケイ素を含まない、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記DSG切断構造は窒化ケイ素を含む、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記DSG切断構造は、ライナ酸化ケイ素層と、前記ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層とを備える、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記DSG切断構造は、前記ライナ酸化ケイ素層によって包囲された窒化ケイ素層と、前記窒化ケイ素層によって包囲された充填材層とを備える、請求項
8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記充填材層は空隙を備える、請求項
9に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記メモリデバイスは、横方向に延びるソースコンタクト構造の対と、前記ソースコンタクト構造の対の間のメモリブロックとをさらに備え、前記メモリブロックは、前記ソースコンタクト構造同士の間の複数のチャネル構造に複数のメモリセルを備え、
前記メモリブロックは、互いに隣接するストリングの対を備え、前記ストリングの各々は、前記横方向においてチャネル構造の複数の列を備え、
前記DSG切断構造は、前記横方向に延び、前記ストリングの対の間にあり、前記チャネル構造の前記列のうちの少なくとも1つと接触している、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記ストリングの各々はチャネル構造の4つの列を備える、請求項
11に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
データを保存するように構成されるメモリデバイスであって、
基板にわたるスタック構造、
前記スタック構造において延びるチャネル構造、
前記チャネル構造にわたる誘電層であって、第1の材料を含む誘電層、および、
前記誘電層を貫いて延びるドレイン選択ゲート(DSG)切断構造であって、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含むDSG切断構造
を備えるメモリデバイスと、
前記メモリデバイスに連結され、前記チャネル構造の動作を制御するように構成されるメモリ制御装置と
を備える、メモリシステム。
【請求項14】
メモリデバイスを形成するための方法であって、
基板にわたってスタック構造を形成するステップと、
前記スタック構造において延びるチャネル構造を形成するステップと、
前記チャネル構造にわたって誘電層を形成するために第1の材料を堆積させるステップと、
開口を形成するために前記誘電層および前記スタック構造にパターン形成するステップであって、前記開口は、前記誘電層を貫き、前記スタック構造の上部分において伝導層と接触している、ステップと、
ドレイン選択ゲート(DSG)切断構造を形成するために、前記開口に第2の材料を堆積させるステップであって、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、ステップと、
前記誘電層において、前記チャネル構造と接触しているコンタクトを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記開口は前記チャネル構造と接触している、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の材料を堆積させるステップは、酸化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、窒化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項18】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、前記開口を満たすために前記窒化ケイ素を堆積させるステップを含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、
前記開口にライナ酸化物層を堆積させるステップであって、前記ライナ酸化物層は前記開口の表面と接触している、ステップと、
前記開口を満たすために窒化ケイ素層を堆積させるステップと
を含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記DSG切断構造を形成するために前記第2の材料を堆積させるステップは、
前記開口にライナ酸化物層を堆積させるステップであって、前記ライナ酸化物層は前記開口の表面と接触している、ステップと、
前記ライナ酸化物層にわたって窒化ケイ素層を堆積させるステップと、
前記窒化ケイ素層の前記堆積の間に前記窒化ケイ素層に空隙を形成するステップと
を含む、請求項
17に記載の方法。
【国際調査報告】