(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】フォーカスメトロロジのための方法及び関連する装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241001BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506947
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022073759
(87)【国際公開番号】W WO2023046410
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ラルー,マリエ-クレア
(72)【発明者】
【氏名】オプト ルート,ウィルヘルムス,パトリック,エリザベス,マリア
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA10
2H197DA02
2H197DA03
2H197DB06
2H197DB12
2H197HA03
2H197JA22
(57)【要約】
基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法が開示される。ターゲットは、第1の等焦点サブターゲット及び第2の非等焦点サブターゲットを含む。方法は、第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号、第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号並びに少なくとも第2の測定信号をフォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることを含む。フォーカスパラメータの値は、第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから決定される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法であって、前記ターゲットは、少なくとも第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを含み、前記フォーカスパラメータは、前記ターゲットが露光されたリソグラフィ露光プロセスのフォーカス設定に関連し、前記方法は、
前記第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号を得ることであって、前記第1のサブターゲットは、等焦点構造を含む、得ることと、
前記第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号を得ることであって、前記第2のサブターゲットは、非等焦点構造を含む、得ることと、
少なくとも前記第2の測定信号を前記フォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることと、
前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから前記フォーカスパラメータの値を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
値を前記決定することは、前記第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の影響について補正された前記フォーカスパラメータの前記値を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の前記影響の補正は、前記第1の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、
前記第2の測定信号と前記フォーカスパラメータとの間の第1の関係であって、前記ドーズパラメータに対する依存性を含む第1の関係及び前記第1の測定信号と前記ドーズパラメータとの間の第2の関係、又は
前記第1の関係及び第2の関係の組合せ
を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、前記ドーズパラメータに対して前記フォーカス推定を補正するために、前記第1の測定信号を使用して、前記第2の測定信号から前記フォーカスパラメータの値を推定するように動作可能な少なくとも1つの訓練された機械学習モデルを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも前記第1の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから前記ドーズパラメータの値を決定することを含む、請求項2~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練するための初期較正段階を含み、前記初期較正段階は、
1つ又は複数の基板上の前記ターゲットの複数の繰り返しを露光することであって、前記複数の繰り返しは、前記フォーカスパラメータ及びドーズパラメータの意図的な変動を伴って露光される、露光することと、
較正測定信号を得るために、前記ターゲットの前記複数の繰り返しを測定することと、
前記較正測定信号並びに既知のフォーカスパラメータ及びドーズパラメータ設定を使用して、前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練することと
を含む、請求項2~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記較正測定信号は、各ターゲットの前記第1のサブ構造に関連する第1の較正測定信号と、各ターゲットの前記第2のサブ構造に関連する第2の較正測定信号とを含み、及び
前記第2の較正測定信号におけるいかなる変動も、前記ドーズパラメータのみに依存すると想定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のサブターゲット及び前記第2のサブターゲットは、異なる最良フォーカス設定、及び/又は異なるピッチ及び/又はクリティカルディメンションをそれぞれ含む、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フォーカスパラメータの値を決定する前記ステップは、前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから直接、前記フォーカスパラメータの値を決定することを含む、請求項1~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フォーカスパラメータの値を決定する前記ステップは、前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから、少なくとも前記第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの値を決定することと、少なくとも前記第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの前記値から前記フォーカスパラメータを決定することとを含む、請求項1~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
パターニングデバイスを使用して、前記基板上の前記ターゲットを露光するための前記リソグラフィ露光プロセスを実施することを含み、
前記パターニングデバイス上の等焦点パターニングフィーチャから前記第1のサブターゲットを露光することと、
前記パターニングデバイス上の非等焦点パターニングフィーチャから前記第2のサブターゲットを露光することと
を含み、前記等焦点パターニングフィーチャ及び前記非等焦点パターニングフィーチャは、ピッチ、クリティカルディメンション及びマスク吸収体タイプの1つ又は複数に関して異なる、請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ及び記憶デバイスを含むメトロロジデバイスであって、前記記憶デバイスは、コンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータプログラム製品は、請求項1~12の何れか一項に記載の方法を実施するように動作可能な命令を含む、メトロロジデバイス。
【請求項14】
ターゲットを形成するためのターゲットパターニングフィーチャを含むパターニングデバイスであって、前記ターゲットパターニングフィーチャは、
第1のサブターゲットを、それが等焦点構造を含むように形成するための等焦点パターニングフィーチャと、
第2のサブターゲットを、それが非等焦点構造を含むように形成するための非等焦点パターニングフィーチャと
を含む、パターニングデバイス。
【請求項15】
請求項14に記載のパターニングデバイスを使用して形成された少なくともターゲットを含む基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年9月27日に出願され、参照により全体として本明細書に援用される欧州特許出願第21199182.3号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本発明は、集積回路の製造におけるメトロロジ用途に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)にあるパターン(「デザインレイアウト」又は「デザイン」と呼ばれることも多い)を、基板(例えば、ウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、基板にパターンを投影するために電磁放射を使用し得る。この放射の波長により、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。波長が4~20nmの範囲、例えば6.7nm又は13.5nmである極端紫外線(EUV)の放射を使用するリソグラフィ装置であれば、例えば波長が193nmである放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することが可能である。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置の古典的な解像限界より小さい寸法を有するフィーチャをプロセスするために、低k1リソグラフィが用いられ得る。そのようなプロセスでは、解像度の式は、CD=k1×λ/NAで表され得、ここで、λは、使用される放射線の波長であり、NAは、リソグラフィ装置の投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンション」であり(一般に印刷される最小フィーチャサイズであるが、この場合にはハーフピッチ)、k1は、経験的な解像度ファクタである。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的な機能性及び性能を達成するために回路設計者が計画した形状及び寸法に似せたパターンを基板上に複写することが困難になる。このような困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置及び/又はデザインレイアウトに適用され得る。そのようなステップとして、例えばNAの最適化、照明方式のカスタマイズ、位相シフトパターニング装置の使用、デザインレイアウトの様々な最適化、例えばデザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC(「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある))又は他の一般的に「解像度向上技術」(RET)と定義される方法があるが、これらに限定されない。代わりに、低k1でのパターン複写を改善するために、リソグラフィ装置の安定性を管理する厳格管理ループが用いられ得る。
【0006】
[0006] IC製造プロセスの多くの態様では、例えば、露光前の基板の適切な位置決めのためのアライメントツール並びに例えばオーバーレイを測定するための、プロセス制御において露光及び/又はエッチングされた製品の検査/測定を行うためのスキャトロメトリベースツールとして、メトロロジツールが使用される。
【0007】
[0007] モニタリングを必要とするリソグラフィプロセスの重要なパラメータの1つは、フォーカスである。ICでは、増え続ける電子コンポーネントの統合が求められている。これを実現するため、一層小さくなる細部又は線幅を基板のターゲット部分に投影することができるように、コンポーネントのサイズの縮小、従って投影系の解像度の増加が必要である。リソグラフィにおけるクリティカルディメンション(CD)が縮小するにつれて、基板全体及び基板間におけるフォーカスの一貫性が一層重要になっている。CDは、その変動がフィーチャの物理特性における望ましくない変動をもたらすことになる1つ又は複数のフィーチャの寸法(トランジスタのゲート幅など)である。従来、最適な設定は、「センドアヘッドウェーハ」、即ち生産工程前に露光、現像及び測定が行われている基板によって決定されていた。センドアヘッドウェーハでは、テスト構造は、いわゆるフォーカスエネルギーマトリックス(FEM)において露光され、最良のフォーカス及びエネルギー設定は、これらのテスト構造の検査から決定される。
【0008】
[0008] フォーカス及び/又はドーズを決定する別の方法は、回折ベースのフォーカス技法によるものである。回折ベースのフォーカスは、印刷中のフォーカス及び/又はドーズ設定に依存する非対称度を有するターゲットを印刷するための、レチクル上のターゲット形成フィーチャを使用し得る。次いで、この非対称度を測定し、その非対称性測定からフォーカス及び/又はドーズを推定することができる。そのようなフォーカス測定方法及び関連するテスト構造設計は、多くの欠点を有する。多くのテスト構造は、大きいピッチを有するサブ解像度フィーチャ又は回折格子構造を必要とする。そのような構造は、リソグラフィ装置のユーザの設計ルールに反する可能性がある。フォーカス測定技法は、特殊であり、フォーカス依存性を有する、ターゲット構造によって散乱される逆符号の高次(例えば、1次)放射線の非対称性を測定し、この非対称性からフォーカスを決定することを含み得る。
【0009】
[0009] 現在のフォーカスメトロロジ技法を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
[00010] 本発明の第1の態様では、基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法であって、ターゲットは、少なくとも第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを含み、フォーカスパラメータは、ターゲットが露光されたリソグラフィ露光プロセスのフォーカス設定に関連し、方法は、第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号を得ることであって、第1のサブターゲットは、等焦点構造を含む、得ることと、第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号を得ることであって、第2のサブターゲットは、非等焦点構造を含む、得ることと、少なくとも第2の測定信号をフォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることと、第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルからフォーカスパラメータの値を決定することとを含む、方法が提供される。
【0011】
[00011] 本発明の第2の態様では、ターゲットを形成するためのターゲットパターニングフィーチャを含むパターニングデバイスであって、ターゲットパターニングフィーチャは、第1のサブターゲットを、それが等焦点構造を含むように形成するための等焦点パターニングフィーチャと、第2のサブターゲットを、それが非等焦点構造を含むように形成するための非等焦点パターニングフィーチャとを含む、パターニングデバイスが提供される。
【0012】
[00012] 本発明は、第1の態様の方法をプロセッサに実行させるための機械可読命令を含むコンピュータプログラム製品並びに関連するメトロロジ装置及びリソセルをさらに提供する。
【0013】
[00013] 本発明の上記及び他の態様は、以下で説明される例の考察から理解されるであろう。
【0014】
[00014] 以下では、添付の概略図面を参照して、本発明の実施形態をあくまで例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[00014]リソグラフィ装置の概略的概要を示す。
【
図2】[00014]リソグラフィセルの概略的概要を示す。
【
図3】[00014]ホリスティックリソグラフィの概略図を示し、半導体製造を最適化するための重要な3つの技術間の協調を表す。
【
図4】[00014]本発明の実施形態による方法で使用するための、メトロロジデバイスとして使用されるスキャトロメトリ装置の概略的概要を示す。
【
図5a】[00014](c)、(d)の例示的な照明アパーチャプレートを使用して、本発明の実施形態による方法で使用するための瞳及び暗視野スキャトロメータの概略図を含む。
【
図5b】[00014]所定の照明方向に対するターゲット回折格子の回折スペクトルの詳細である。
【
図5c】[00014]例示的な照明アパーチャプレートである。
【
図5d】[00014]例示的な照明アパーチャプレートである。
【
図6】[00014]本発明の実施形態によるフォーカスターゲットの概略表現である。
【
図7】[00014]
図6のターゲットの等焦点サブターゲット及び非等焦点サブターゲットのデフォーカスに対するCDのプロットであり、それを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[00015] 本明細書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用され、そのような電磁放射には、紫外線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する)及びEUV(例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する極端紫外線)が含まれる。
【0017】
[00016] 本明細書で使用される「レチクル」、「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に作成されるべきパターンに対応するパターン化された断面を、入射する放射ビームに提供するために使用可能な一般的なパターニングデバイスを意味するものとして広義に解釈され得る。これに関連して「ライトバルブ」という用語も使用される場合がある。古典的なマスク(透過型又は反射型のマスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)に加えて、他のそのようなパターニングデバイスの例として、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイがある。
【0018】
[00017]
図1は、リソグラフィ装置LA又はスキャナ(この2つの用語は、同義語として使用されるが、本明細書の概念は、ステッパアレンジメントにも適用可能である)を概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された(イルミネータとも呼ばれる)照明システムILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築されて、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたマスク支持部(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されて、特定のパラメータに従って基板支持部を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板支持部(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば、1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0019】
[00018] 稼働中、照明システムILは、放射源SOから(例えば、ビーム送達システムBDを介して)放射ビームを受ける。照明システムILは、放射の誘導、整形及び/又は制御のために様々なタイプの光学コンポーネントを含み得、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型及び/又は他のタイプの光学コンポーネント又はこれらの任意の組合せを含み得る。イルミネータILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAの面において所望の空間強度分布及び角度強度分布をその断面に有するように、放射ビームBを調節するために使用され得る。
【0020】
[00019] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈されたい。そのようなシステムには、使用されている露光放射の必要に応じて及び/又は他の要因(例えば、液浸液の使用又は真空の使用)の必要に応じて、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁型及び/又は静電光学型のシステム又はこれらの任意の組合せが含まれ得る。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用されている場合、それらは、すべてより一般的な用語である「投影システム」PSと同義であると見なされ得る。
【0021】
[00020] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分が、屈折率が比較的高い液体(例えば、水)で覆われ得るタイプであり得、これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、参照により本明細書に援用される米国特許第6952253号に示されている。
【0022】
[00021] リソグラフィ装置LAは、基板支持部WTが2つ以上あるタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)であり得る。そのような「複数ステージ」マシンでは、それらの基板支持部WTが並行して使用され得、及び/又はそれらの基板支持部WTの一方に載っている基板Wが、その基板Wにパターンを露光することに使用されている間、他方の基板支持部WTに載っている別の基板Wに対して、その別の基板Wのその後の露光の準備の手順が実施され得る。
【0023】
[00022] 基板支持部WTに加えて、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを含み得る。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニング装置を保持するように構成される。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するように構成され得る。測定ステージは、複数のセンサを保持し得る。クリーニング装置は、リソグラフィ装置の一部、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を供給するシステムの一部をクリーニングするように構成され得る。測定ステージは、基板支持部WTが投影システムPSから離れているとき、投影システムPSの下で移動し得る。
【0024】
[00023] 稼働中は、放射ビームBが、パターニングデバイス(例えば、マスク支持物MT上に保持されたマスクMA)に入射し、パターニングデバイスMA上にあるパターン(設計レイアウト)によってパターニングされる。放射ビームBは、マスクMAを横断した後、投影システムPSを通り抜け、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上にフォーカスさせる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFの支援により、基板支持部WTは正確に動くことが可能であり、例えば、様々なターゲット部分Cが、放射ビームBの経路中のフォーカス及びアライメントされる位置に位置決めされるように正確に動くことが可能である。同様に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めするために、第1のポジショナPMと、場合により別の位置センサ(これは、
図1に明示されていない)とが使用され得る。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされ得る。基板アライメントマークP1、P2は、図示されたように専用ターゲット部分を占有するが、ターゲット部分間の空間に配置され得る。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分C間に配置される場合、スクライブラインアライメントマークと呼ばれる。
【0025】
[00024]
図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLC(リソセル又は(リソ)クラスタと呼ばれることもある)の一部をなし得、リソグラフィセルLCは、基板Wに対して露光前プロセス及び露光後プロセスを実施するための装置も含むことが多い。従来、そのような装置として、レジスト層を堆積させるスピンコータSC、露光したレジストを現像するデベロッパDE、冷却プレートCH及びベークプレートBK(これらは、例えば、基板Wの温度を調節するものであり、それは、例えば、レジスト層中の溶剤を調節するために行われる)がある。基板ハンドラ(即ちロボット)ROが基板Wを入出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、それらの基板Wを様々なプロセス装置間で動かし、それらの基板Wをリソグラフィ装置LAのローディングベイLBまで送達する。リソセル内のデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、典型的にはトラック制御ユニットTCUの管理下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、監視制御システムSCSによって制御され得、監視制御システムSCSは、リソグラフィ装置LAも(例えば、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して)制御し得る。
【0026】
[00025] リソグラフィ装置LAによって露光される基板Wが正確及び確実に露光されるために、基板を検査して、パターン形成された構造の特性、例えば連続する層間のオーバーレイエラー、線の太さ、クリティカルディメンション(CD)等を測定することが望ましい。そのため、検査ツール(図示せず)がリソセルLCに含まれ得る。エラーが検出された場合、例えば、連続する基板の露光又は基板Wに対して実施されるべき他のプロセスステップに対する調節が行われ得、これは、特に同じバッチ又はロットの他の基板Wが引き続き露光又はプロセスされる前に検査が行われる場合に行われ得る。
【0027】
[00026] メトロロジ装置と呼ばれることもある検査装置は、基板Wの特性を測定するために使用され、特に異なる基板Wの特性がどのようにばらつくか、又は同じ基板Wの異なる層に関連付けられた特性が層ごとにどのようにばらつくかを測定するために使用される。検査装置は、代わりに、基板W上の欠陥を識別するように構築され得、例えばリソセルLCの一部分であり得るか、又はリソグラフィ装置LAに組み込まれ得るか、又はスタンドアロン装置であり得る。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層内の像)に関する特性、又は半潜像(露光後ベーク工程PEB後のレジスト層内の像)に関する特性、又は現像されたレジスト像(レジストの露光部分又は非露光部分が除去されている)に関する特性、又はさらに(エッチング等のパターン転写工程後の)エッチングされた像に関する特性を測定し得る。
【0028】
[00027] 典型的には、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、基板W上の構造の寸法決定及び配置に高い精度を必要とする、処理の中で最もクリティカルなステップの1つである。この高い精度を確保するために、
図3に概略的に示されるように、3つのシステムをいわゆる「ホリスティック」管理環境として組み合わせ得る。これらのシステムの1つは、リソグラフィ装置LAであり、これは、メトロロジツールMT(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)と(仮想的に)接続される。そのような「ホリスティック」環境の鍵は、これらの3つのシステム間の協調を最適化して、プロセスウィンドウ全体を強化し、厳格管理ループを実現することにより、リソグラフィ装置LAによって実施されるパターニングがプロセスウィンドウ内にとどまるようにすることである。プロセスウィンドウは、プロセスパラメータ(例えば、ドーズ、フォーカス、オーバーレイ)の範囲を規定し、この範囲内で特定の製造プロセスが規定の結果(例えば、機能する半導体デバイス)を産出し、典型的には、この範囲内でリソグラフィプロセス又はパターニングプロセスのプロセスパラメータが変動し得る。
【0029】
[00028] コンピュータシステムCLは、パターニングされるデザインレイアウト(の一部)を使用することにより、何れの解像度向上技術を使用すべきかを予測することが可能であり、計算機リソグラフィのシミュレーション及び計算を実施して、パターニングプロセスのプロセスウィンドウ全体の最大化を達成するマスクレイアウト及びリソグラフィ装置設定を決定することが可能である(
図3において第1のスケールSC1の両方向矢印で示されている)。典型的には、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニング可能性に適合するように用意される。コンピュータシステムCLは、プロセスウィンドウ内の何れの箇所でリソグラフィ装置LAが現在動作しているかを(例えば、メトロロジツールMTからの入力を使用して)検出することにより、(例えば、準最適な処理のために)欠陥が存在する可能性があるかどうかを予測することがさらに可能である(
図3において第2のスケールSC2の「0」を指す矢印で示されている)。
【0030】
[00029] メトロロジツールMTは、正確なシミュレーション及び予測を可能にする入力をコンピュータシステムCLに与えることが可能であり、(例えば、リソグラフィ装置LAの較正ステータスにおいて)起こり得るドリフトを識別するフィードバックをリソグラフィ装置LAに与えることが可能である(
図3において第3のスケールSC3の複数の矢印で示されている)。
【0031】
[00030] リソグラフィプロセスでは、作成された構造を(例えば、プロセスの管理及び検証のために)頻繁に測定することが望ましい。そのような測定を行うツールは、一般にメトロロジツールMTと呼ばれる。そのような測定を行うメトロロジツールMTとして様々なタイプが知られており、例えば走査電子顕微鏡又は様々な形式のスキャトロメータメトロロジツールMTがある。スキャトロメータは、リソグラフィプロセスのパラメータの測定を可能にする多目的計器であり、測定は、スキャトロメータの対物レンズの瞳若しくは瞳に対する共役面にセンサを有すること(通常、瞳ベースの測定と呼ばれる測定)により、又は像面若しくは像面に対する共役面にセンサを有すること(この場合、通常、像ベース若しくはフィールドベースの測定と呼ばれる測定)により行われる。そのようなスキャトロメータ及び関連する測定技術については、参照により全体として本明細書に援用される米国特許出願公開第20100328655号、同第2011102753A1号、同第20120044470A号、同第20110249244号、同第20110026032号又は欧州特許出願公開第1,628,164A号に詳述されている。上述のスキャトロメータは、軟X線及び可視波長~近赤外波長の範囲の光を使用して格子を測定することが可能である。
【0032】
[00031] 第1の実施形態では、スキャトロメータMTは、角度分解スキャトロメータである。そのようなスキャトロメータでは、格子の特性を再構築又は計算する再構築方法が測定信号に適用され得る。そのような再構築は、例えば、散乱する放射線とターゲット構成の数学モデルとの相互作用をシミュレーションし、シミュレーション結果を測定結果と比較することの結果であり得る。数学モデルのパラメータは、相互作用のシミュレーションにより、実際のターゲットから観察された回折パターンと同様の回折パターンが生成されるまで調節される。
【0033】
[00032] 第2の実施形態では、スキャトロメータMTは、分光スキャトロメータMTである。そのような分光スキャトロメータMTでは、放射線源から放射された放射線がターゲットに向かい、ターゲットから反射又は散乱した放射線がスペクトロメータ検出器に向かい、スペクトロメータ検出器が、鏡面反射した放射線のスペクトルを測定する(即ち強度を波長の関数として測定する)。このデータから、検出されたスペクトルを引き起こしているターゲットの構造又はプロファイルを再構築することが可能であり、この再構築は、例えば、厳密結合波理論及び非線形回帰により、又はシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較により可能である。
【0034】
[00033] 第3の実施形態では、スキャトロメータMTは、エリプソスキャトロメータである。エリプソスキャトロメータは、偏光状態のそれぞれについて、散乱した放射線を測定することによってリソグラフィプロセスのパラメータを決定することを可能にする。そのようなメトロロジ装置は、偏光光(例えば、直線偏光光、円形偏光光又は楕円偏光光)を、例えばメトロロジ装置の照明セクションにおいて適切な偏光フィルタを使用して放射する。メトロロジ装置に好適な源は、偏光放射線も同様に提供可能である。既存のエリプソスキャトロメータの様々な実施形態は、参照により全体として本明細書に援用される米国特許出願公開第11/451,599号、同第11/708,678号、同第12/256,780号、同第12/486,449号、同第12/920,968号、同第12/922,587号、同第13/000,229号、同第13/033,135号、同第13/533,110号及び同第13/891,410号に記載されている。
【0035】
[00034] スキャトロメータなどのメトロロジ装置が
図4に示される。それは、放射を基板W上に投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を含む。反射又は散乱放射がスペクトロメータ検出器4に送られ、スペクトロメータ検出器4は、鏡面反射放射のスペクトル6を測定する(即ち波長の関数としての強度の測定)。このデータから、検出スペクトルを生じさせる構造又はプロファイル8は、処理ユニット(PU)により、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰によって又は
図3の下部に示されるようなシミュレーションスペクトルのライブラリとの比較によって再構築され得る。一般に、再構築のために、構造の一般形態は分かっており、幾つかのパラメータは、構造が作られたプロセスの知識から想定され、それによりスキャトロメトリデータから決定されるべき構造の数個のパラメータのみが残される。そのようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータ又は斜め入射スキャトロメータとして構成され得る。
【0036】
[00035]
図5(a)は、メトロロジ装置、より具体的には暗視野スキャトロメータの実施形態を提示する。ターゲットT及びターゲットを照明するために使用される測定放射線の回折光線については、
図5(b)にさらに詳細に示す。示されるメトロロジ装置は、暗視野メトロロジ装置として知られているタイプのものである。メトロロジ装置は、スタンドアロンデバイスであり得るか、又は例えば測定ステーションにおけるリソグラフィ装置LA若しくはリソグラフィセルLCに組み込まれ得る。装置全体を通して幾つかの分岐を有する光軸は、点線Oによって表される。この装置では、光源11(例えば、キセノンランプ)によって放出された光は、レンズ12、14及び対物レンズ16を含む光学系により、ビームスプリッタ15を介して基板W上に誘導される。これらのレンズは、4F配置の二重配列で配置される。基板の像が依然として検出器に提供されると同時に、空間周波数フィルタリングのために中間瞳面へのアクセスが可能であることを条件として、異なるレンズ配置を使用することができる。従って、照明角度は、対物レンズに入る1次光線が中心光軸と密接にアライメントされるように設計又は調整することができる。
図5(a)及び3(b)に示される光線は、軸から多少ずれて示されているが、これは、純粋に図においてより簡単に区別できるようにするためである。
【0037】
[00036] 基板W上のターゲットTによって回折された少なくとも0次及び+1次は、対物レンズ16によって収集され、ビームスプリッタ15を通して戻される。
図5(a)に戻ると、北(N)及び南(S)とラベル付けされた正反対のアパーチャを指定することにより、第1の照明モードと第2の照明モードとの両方が示される。測定放射線の入射光線Iが光軸の北側から入射した際、即ち第1の照明モードがアパーチャプレート13Nを使用して適用された際、+1(N)とラベル付けされた+1次回折光線が対物レンズ16に入る。対照的に、第2の照明モードがアパーチャプレート13Sを使用して適用された際、-1次回折光線(1(S)とラベル付けされる)がレンズ16に入る。
【0038】
[00037] 第2のビームスプリッタ17は、回折ビームを2つの測定分岐に分割する。第1の測定分岐では、光学系18は、0次及び1次回析ビームを使用して第1のセンサ19(例えば、CCD又はCMOSセンサ)上でターゲットの回折スペクトル(瞳面像)を形成する。各回折次数は、センサ上の異なるポイントに当たり、その結果、像処理で次数を比較対照することができる。センサ19によって捕捉された瞳面像は、メトロロジ装置のフォーカス及び/又は1次ビームの強度測定の正規化のために使用することができる。瞳面像は、再構築などの多くの測定目的のためにも使用され得る。本明細書で開示される概念は、この分岐を使用した瞳測定に関連する。
【0039】
[00038] 第2の測定分岐では、光学系20、22は、センサ23(例えば、CCD又はCMOSセンサ)上でターゲットTの像を形成する。第2の測定分岐では、瞳面に対して共役な平面において開口絞り21が提供される。開口絞り21は、センサ23上で形成されるターゲットの像が-1次又は+1次ビームのみで形成されるように、0次回折ビームをブロックするように機能する。センサ19、23によって捕捉された像は、プロセッサPUに出力され、プロセッサPUは、像を処理し、その機能は、実行されている特定のタイプの測定に依存する。「像」という用語は、本明細書では広義に使用されることに留意されたい。-1次及び+1次の何れか一方のみが存在する場合、そのような回折格子線の像は、形成されない。
図5に示されるアパーチャプレート13及び視野絞り21の特定の形態は、純粋な例である。
【0040】
[00039] リソグラフィプロセスをモニタリングする際、基板上のリソグラフィビームのフォーカスなどのリソグラフィプロセスパラメータをモニタリングすることが望ましい。印刷された構造からフォーカス設定を決定するための公知の方法の1つは、印刷された構造のクリティカルディメンション(CD)を測定することによるものである。CDは、最も小さいフィーチャ寸法(例えば、要素の線幅)の尺度である。印刷された構造は、特にフォーカスモニタリングのために形成されたターゲット(線間隔回折格子など)であり得る。CDは、通常、フォーカスに対する2次反応を表示し、それは、フォーカスに対するCDのプロット上の「Bossung曲線」として知られているものを形成することが知られている。Bossung曲線は、実質的に対称な曲線であり、最良フォーカスを表すピーク(又はトラフ)を中心に実質的に対称である。Bossung曲線は、実質的に放物線状であり得る。
【0041】
[00040] この手法には、幾つかの欠点がある。欠点の1つは、この方法では、最良フォーカス付近での感度が低い(放物線状の曲線に起因する)ことが示されることである。これは、典型的には、露光に対するターゲットフォーカス設定であり、これは、ターゲット設定においてターゲットの感度が最も低くなることを意味する。別の欠点は、この方法が、デフォーカスの符号に対する感度が低いことである(曲線が最良フォーカスを中心にほぼ対称であるため)。換言すれば、ターゲット反応のみでは、ターゲットからのCD測定が最良フォーカスピークの何れの側を表すかが分からない。加えて、この方法は、とりわけドーズクロストークに対する感度が高い。CDは、フォーカスとドーズとの両方に依存し、従って、あらゆるドーズ変動が、フォーカスが推定されるCDに影響を及ぼす。従って、あらゆるドーズ関連のCD変動が、推定されるフォーカス値の誤差を生じさせることになる。
【0042】
[00041] これらの問題に対処するため、回折ベースのフォーカス(DBF)が考案された。回折ベースのフォーカスは、印刷中のフォーカス設定に依存する非対称度を有するターゲットを印刷するためのレチクル上のターゲット形成フィーチャを使用し得る。次いで、スキャトロメトリベースの検査方法を使用して、例えばターゲットから回折された+1次放射線の強度と-1次放射線の強度との間の強度非対称性を測定することにより、この非対称度を測定し、フォーカス設定の尺度を得ることができる。
【0043】
[00042] DBF構造は、ターゲット非対称性から回折ベースのフォーカス測定を可能にするが、すべての状況で使用に適するものではない。そのような構造は、特定の製品構造に適用可能な厳しい設計制約に準拠しない。IC製造プロセス中、レチクル上のすべてのフィーチャは、印刷されなければならず、後続の処理ステップに耐えられるものでなければならない。半導体製造業者は、印刷されたフィーチャがそれらのプロセス要件に適合することを保証するために、フィーチャ設計を制限する手段として設計ルールを使用する。そのような設計ルールの例は、構造又はピッチの許容サイズに関連する。別の設計ルールの例は、パターン密度に関連し、それにより結果として得られるレジストパターンの密度が特定の範囲内になるように制限される。加えて、DBFメトロロジの実行では、リソグラフィ及び/又はプロセス変動に対して十分なロバスト性が得られないことがある。この理由の1つは、フォーカス感度が、(とりわけ)印刷されたフィーチャの側壁角(SWA)によって駆動され、空中像のコントラストに対するフォーカス信号の感度が高くなるためである。EUVリソグラフィの場合、特に印刷が20nm未満、例えば13.5nmの波長の放射線を使用して実行される場合、サブ解像度フィーチャの作成が難しくなる。EUVリソグラフィの場合、レジストの厚さ、従ってターゲット構造の厚さが小さくなる。これにより、フォーカスメトロロジに利用可能なターゲットの回折効率、従って信号強度が弱まる。
【0044】
[00043] 非点収差ベースのフォーカス(ABF)は、DBFの代替の方法であり、EUVフォーカスモニタリングに対する解決法を提供する。しかし、そのような方法では、非点収差を結像レンズに含める必要があり、それは、オンプロダクトメトロロジに対して使用できないことを意味する。
【0045】
[00044] これらの問題に対処するため、少なくとも2つのサブターゲット:少なくとも1つの非等焦点サブターゲット及び少なくとも1つの等焦点サブターゲットを含むターゲットに関するフォーカスパラメータ(及び任意選択的にドーズパラメータ)を測定することができる光学フォーカスメトロロジ技法について説明する。各サブターゲットは、単純な線間隔回折格子であり得る。ターゲットは、オンプロダクト用途に適したものであり得る。構造のフォーカスパラメータ及びドーズパラメータは、それぞれ構造を露光する際のリソグラフィ露光装置(スキャナ)のフォーカス設定及びドーズ設定について説明することができる。
【0046】
[00045] 従って、基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法であって、ターゲットは、第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを含み、フォーカスパラメータは、ターゲットが露光されたリソグラフィ露光プロセスのフォーカス設定に関連し、方法は、第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号を得ることであって、第1のサブターゲットは、等焦点構造を含む、得ることと、第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号を得ることであって、第2のサブターゲットは、非等焦点構造を含む、得ることと、少なくとも第2の測定信号をフォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることと、第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルからフォーカスパラメータの値を決定することとを含む、方法が開示される。
【0047】
[00046] 本開示に関連して、等焦点サブターゲットは、少なくとも60nmのフォーカス範囲にわたって5%未満、3%未満、2%未満又は1%未満のCDの変動で形成されたサブターゲットである。
【0048】
[00047] 実施形態では、少なくとも1つの非等焦点サブターゲットと等焦点サブターゲットとの間に実質的な最良フォーカスシフトが存在し得る。最良フォーカスは、そのサブターゲットの対応するBossung曲線のピーク又はトラフにおける最良フォーカス及び/又はフォーカス設定を中心に小さい範囲(例えば、+/-5nm)でCD変動が最小である、即ち小さいフォーカス変化に対するCD感度が最も低いフォーカス設定を示し得る。実施形態では、非等焦点サブターゲットは、等焦点サブターゲットの最良フォーカスで印刷(露光)しなければならない。任意選択的に、等焦点サブターゲットは、非等焦点サブターゲットの最良フォーカスで印刷(露光)しなければならない。
【0049】
[00048] 実施形態では、等焦点サブターゲットの最良フォーカスは、製品構造の最良フォーカスと同じであるか又はそれに近い(例えば、20nm以内、10nm以内若しくは5nm以内の)ものであり得る。実施形態では、非等焦点ターゲット(又はその各々)の最良フォーカスと等焦点ターゲット(又は製品構造)の最良フォーカスとの最良フォーカス差は、40nmより大きい、50nmより大きい、60nmより大きい、70nmより大きい又は80nmより大きいものであり得る。
【0050】
[00049] フィーチャに対する最良フォーカスは、光源マスク最適化(SMO)などの演算リソグラフィステップで決定することができる。SMOの目的は、特定の照明条件に対してフォーカスマージン又はドーズ寛容度などの十分な結像性能を有する(及び照明条件との組合せで最適化された)パターン(特にプロセスウィンドウが小さいクリティカルパターン)の数を最大化することである。従って、フォーカス(及びドーズ)に対するCD依存性を最小限に抑えた状態で製品パターンが露光されるように、光源及びマスク(レチクル)を最適化することができる。しかし、これは、フォーカスターゲットにとって望ましくない。
【0051】
[00050]
図6は、実施形態によるターゲットTのイラストである。ターゲットTは、非等焦点サブターゲットnIST及び等焦点サブターゲットISTを含む。サブターゲットnIST、ISTの各々は、線間隔回折格子(例えば、アシスト又はサブ解像度フィーチャなしの)を含み得る。サブターゲットnIST、ISTの各々の最良フォーカスは、ピッチ及び/又はマスクCD(即ちサブターゲットの回折格子線を形成するレチクルフィーチャのCD)を変えることによって調節されたそれらのそれぞれの最良フォーカスを有し得る。個々のフィーチャの最良フォーカスは、そのピッチ及びマスクCDの一方又は両方を修正することによって変える/調節することができる。代わりに又は加えて、サブターゲットnISTとサブターゲットISTとの間の最良フォーカスシフトは、マスク3D効果から生じ得、例えば標準的なTaベースの吸収体、屈折率n<0.92の低n吸収体(及び他のEUV吸収体)を含む異なるマスク吸収体タイプを使用することによって得ることができる。
【0052】
[00051] 実施形態では、ターゲットは、1つの非等焦点サブターゲット及び1つの等焦点サブターゲットより多いサブターゲットを含み得る。さらなるサブターゲットを有するそのようなターゲットを測定することにより、より多くの測定データを利用することができ、それは、信号対雑音比及び/又はフォーカス及びドーズ以外のスキャナパラメータ(例えば、投影レンズの収差)の推定にとって有益であり得る。
【0053】
[00052] 実施形態では、製品に対する最良フォーカスを決定するために、演算リソグラフィ/SMOを実行することができる。次いで、製品構造の値と実質的に同様である第1の最良フォーカス値を有するように等焦点サブターゲットISTを調節することができる(CD及び/又はピッチを介して)(これは、SMO中又はその後に行うことができる)。次いで、等焦点サブターゲットISTの値と実質的に異なる最良フォーカス値を有するように非等焦点サブターゲットnISTを調節することができる(CD及び/又はピッチを介して)。この調節は、ターゲット最適化段階で行うことができ、(例えば)仮想的に(例えば、演算リソグラフィを介して)又は他の方法で(例えば、ピッチ及び/又はCDによる最良フォーカスの既知の変動を参照するか又は試行錯誤により)実行することができる。従って、非等焦点サブターゲットnIST及び等焦点サブターゲットISTは、ピッチ及び/又はCDに関して互いに異なり得る。特に、非等焦点サブターゲットnISTの調節は、製品構造の最良フォーカス近くのフォーカス感度が最大化されるか又は少なくとも閾値感度値を上回る(例えば、ピークから離れたBossung傾斜上において)ように行われ得る。当然のことながら、非等焦点サブターゲットnISTをこの製品構造(及び等焦点サブターゲットIST)の最良フォーカス値で印刷することが重要である。
【0054】
[00053] ピークから十分に離れるように非等焦点サブターゲットnISTの最良フォーカス値を調節することにより、非等焦点サブターゲットnISTのフォーカスによるCDの変動が対象の範囲内において、即ち第1の最良フォーカス値の近くで、及び露光中に予想されるフォーカスの変動をカバーする範囲にわたって単調になるようにすることができる。任意選択的に、異なるフォーカス感度を有する(例えば、異なるCD及び/又はピッチにすることによって異なる最良フォーカスを有するように調節された)第2の非等焦点サブターゲットnISTを含めることができる。これらのターゲットのCD差は、さらに大きい範囲にわたってフォーカスとともに単調に変化するはずである。
【0055】
[00054]
図7は、
図6のターゲットの等焦点サブターゲットIST及び非等焦点サブターゲットnISTのフォーカス又はデフォーカスdFに対するCDのプロットの例である。等焦点サブターゲットは、0デフォーカスにおいて最良フォーカスBF
IST(例えば、SMOで決定されるような製品/露光に対する最良フォーカス)を有し、フォーカスに対するCD依存性がほとんどない。最良フォーカスBF
ISTでは、非等焦点サブターゲットnISTに対するプロットから、この非等焦点サブターゲットが印刷されることが明らかである。この最良フォーカス値BF
ISTは、非等焦点サブターゲットのフォーカスによるCD変動が実質的に単調であり、及び感度がよい(勾配の大きさが大きい)フォーカス範囲に対応することも明らかである。非等焦点サブターゲットnISTは、最良フォーカス値BF
ISTとは別の最良フォーカス値BF
nIST、ここでは具体的には-80nmを有する(即ち、BF
ISTとBF
nISTとの差は、80nmである)。
【0056】
[00055] 以前に述べた通り、CDベースのメトロロジなどの非DBFフォーカスメトロロジに関する問題の1つは、フォーカス及びドーズの変動とともにCDが変化することであり、CDからフォーカス及びドーズを切り離すことは、容易ではない。本明細書で提案されるターゲットでは、等焦点サブターゲットを使用して、CDに対するドーズ影響を分離することができ、従ってフォーカスの推定を行うことができる。このサブターゲットは、対象のフォーカス範囲にわたって等焦点であるため、CDの変化は、すべてドーズ変動に帰するものであり得る。任意選択的に、このターゲットからドーズ値を決定し、スキャナ露光のドーズ制御のために使用することができる。
【0057】
[00056] 提案されるターゲットを使用するため、較正段階で1つ又は複数の較正ウェーハを露光することが提案され、ウェーハは、フォーカス及びドーズを変えて露光される(例えば、フォーカス露光マトリックスFEM)。これらのウェーハは、メトロロジツール(それは、任意選択的に、例えば
図5に示されるタイプのツールであり得る)を使用して検査することができる。これらの測定及び既知のスキャナ設定に基づいて、等焦点ターゲットを使用してドーズ反応を切り離すことにより、測定された信号(例えば、強度又は瞳スペクトル)のフォーカスによる変動を決定することができる。較正は、例えば、等焦点サブターゲットからの測定された信号とドーズ(既知のスキャナドーズ設定に基づく)との間の関係を決定し、この関係を非等焦点サブターゲットから測定された信号(既知のスキャナフォーカス設定)と組み合わせて使用して、非等焦点サブターゲットからフォーカス推定に対するドーズの影響を除去するように補正された、非等焦点サブターゲットから測定された信号間の関係を学習することを含み得る。
【0058】
[00057] 較正では、測定された信号とフォーカス(及びドーズ)との間の直接関係を学習するか、又は代わりに測定された信号とCDとの間の第1の関係及びそれとは別にCDとフォーカス(及びドーズ)との間の関係を学習することができる。
【0059】
[00058] 較正では、これらの関係を直接モデリングすることも(例えば、物理学ベースのモデルを使用して)、データ駆動モデル(例えば、ニューラルネットワークなどの機械学習モデル)を訓練することもできる。
【0060】
[00059] 較正に続いて、フォーカスモニタリングのために生産又は大量生産(HVM)設定において、訓練/学習された関係及び/又は訓練されたモデルを使用することができ、それは、ターゲットの両方の(又はすべての)サブターゲットからの測定信号を決定し、訓練された関係及び/又は訓練されたモデルを測定信号に適用することによってフォーカス(及び任意選択的にドーズ)を導出することによって行うことができる。較正に応じて、フォーカス/ドーズの推定は、直接的な推定である場合もあれば、CDを介した推定(例えば、関係/モデル及び測定された信号から両方のマークのCDを導出し、次いで導出されたCDからフォーカス/ドーズを推定する)である場合もある。
【0061】
[00060] メトロロジは、適切なあらゆるスキャトロメトリ技法又は走査電子顕微鏡技法を含む適切なあらゆるメトロロジ技法を含み得る。スキャトロメトリは、特に暗視野イメージングモードではるかに高速であるという利点を有する。本明細書で開示される概念は、暗視野スキャトロメトリ(像ベース)又は明視野スキャトロメトリ(例えば、瞳ベース)を介して実装することができる。
【0062】
[00061] 本明細書で開示されるフォーカスターゲットは、スクライブライン内及び/又はダイ内に位置し得る。
【0063】
[00062] 本方法、コンピュータプログラム、非一時的コンピュータプログラムキャリア、処理システム、メトロロジデバイス、リソセル、パターニングデバイス及び基板のさらなる実施形態は、後続の番号が付された条項のリストに開示される。
1.基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法であって、ターゲットは、少なくとも第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを含み、フォーカスパラメータは、ターゲットが露光されたリソグラフィ露光プロセスのフォーカス設定に関連し、方法は、
第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号を得ることであって、第1のサブターゲットは、等焦点構造を含む、得ることと、
第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号を得ることであって、第2のサブターゲットは、非等焦点構造を含む、得ることと、
少なくとも第2の測定信号をフォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることと、
第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルからフォーカスパラメータの値を決定することと
を含む、方法。
2.値を決定することは、第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の影響について補正されたフォーカスパラメータの値を決定することを含む、条項1に定義される方法。
3.第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の影響の補正は、第1の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから決定される、条項2に定義される方法。
4.少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、
第2の測定信号とフォーカスパラメータとの間の第1の関係であって、ドーズパラメータに対する依存性を含む第1の関係及び第1の測定信号とドーズパラメータとの間の第2の関係、又は
第1の関係及び第2の関係の組合せ
を含む、条項2又は3に定義される方法。
5.少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、ドーズパラメータに対してフォーカス推定を補正するために、第1の測定信号を使用して、第2の測定信号からフォーカスパラメータの値を推定するように動作可能な少なくとも1つの訓練された機械学習モデルを含む、条項2又は3に定義される方法。
6.少なくとも第1の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルからドーズパラメータの値を決定することを含む、条項2~5の何れか一項に定義される方法。
7.少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練するための初期較正段階を含み、初期較正段階は、
1つ又は複数の基板上のターゲットの複数の繰り返しを露光することであって、複数の繰り返しは、フォーカスパラメータ及びドーズパラメータの意図的な変動を伴って露光される、露光することと、
較正測定信号を得るために、ターゲットの複数の繰り返しを測定することと、
較正測定信号並びに既知のフォーカスパラメータ及びドーズパラメータ設定を使用して、少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練することと
を含む、条項2~6の何れか一項に定義される方法。
8.較正測定信号は、各ターゲットの第1のサブ構造に関連する第1の較正測定信号と、各ターゲットの第2のサブ構造に関連する第2の較正測定信号とを含み、及び
第2の較正測定信号におけるいかなる変動も、ドーズパラメータのみに依存すると想定される、条項7に定義される方法。
9.第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットは、異なる最良フォーカス設定をそれぞれ含む、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
10.第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットは、異なるピッチ及び/又はクリティカルディメンションを含む、条項9に定義される方法。
11.第1のサブターゲットに対する最良フォーカス設定と、第2のサブターゲットに対する最良フォーカス設定との差は、50nmより大きい、条項9又は10に定義される方法。
12.第2のサブターゲットに対する最良フォーカス設定は、第1のサブターゲットに対する最良フォーカス設定で露光するとき、フォーカスに対するその感度が最大化され、及び/又は閾値感度を上回るようなものである、条項9、10又は11に定義される方法。
13.第1のサブターゲットに対する最良フォーカス設定は、露光予定の製品構造に対する最良フォーカス設定と同じであるか又はそれに近い、条項9~12の何れか一項に定義される方法。
14.第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットの各々は、線間隔回折格子を含む、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
15.第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットの各々は、実質的に対称な回折格子を含む、条項14に定義される方法。
16.フォーカスパラメータの値を決定するステップは、第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから直接、フォーカスパラメータの値を決定することを含む、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
17.フォーカスパラメータの値を決定するステップは、第1の測定信号、第2の測定信号並びに少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから、少なくとも第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの値を決定することと、少なくとも第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの値からフォーカスパラメータを決定することとを含む、条項1~15の何れか一項に定義される方法。
18.ターゲットは、非等焦点構造を含む少なくとも第3のサブ構造を含み、フォーカスパラメータは、第2の測定信号と、第3のサブ構造からの第3の測定信号との差から推定される、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
19.第1の測定信号及び第2の測定信号を得るためにターゲットを測定することを含む、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
20.パターニングデバイスを使用して、基板上のターゲットを露光するためのリソグラフィ露光プロセスを実施することを含み、
パターニングデバイス上の等焦点パターニングフィーチャから第1のサブターゲットを露光することと、
パターニングデバイス上の非等焦点パターニングフィーチャから第2のサブターゲットを露光することと
を含む、先行する条項の何れか一項に定義される方法。
21.等焦点パターニングフィーチャは、リソグラフィ露光プロセスに対して使用された照明設定で、少なくとも60nmのフォーカス範囲にわたり、第1のサブターゲットのクリティカルディメンションの変動が3%未満であるような寸法を有する、条項20に定義される方法。
22.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、リソグラフィ露光プロセスに対して使用された照明設定で、第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットの各々が異なる最良フォーカス設定を含み、及び第2のサブターゲットが第1のサブターゲットに対する最良フォーカス設定での露光において良好に印刷されるような寸法を有する、条項20又は21に定義される方法。
23.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、リソグラフィ露光プロセスに対して使用された照明設定で、第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットの各々が50nm以上異なるそれぞれの最良フォーカス設定を含むような寸法を有する、条項22に定義される方法。
24.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、ピッチ、クリティカルディメンション及びマスク吸収体タイプの1つ又は複数に関して異なる、条項22又は23に定義される方法。
25.第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットに対する最良フォーカス設定を最適化するために、等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャのそれぞれのピッチ及び/又はクリティカルディメンションを最適化することにより、等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャを最適化することを含む、条項24に定義される方法。
26.パターニングデバイスは、製品パターニングフィーチャをさらに含み、等焦点パターニングフィーチャは、リソグラフィ露光プロセスに対して使用された照明設定で、第1のサブターゲットに対する最良フォーカスが製品パターニングフィーチャによって形成された製品構造に対する最良フォーカスと同じであるか又はそれに近いような寸法を有する、条項22~25の何れか一項に定義される方法。
27.非等焦点パターニングフィーチャは、リソグラフィ露光プロセスに対して使用された照明設定で、製品構造の最良フォーカスで露光されたとき、第2のサブターゲットのフォーカスパラメータによるクリティカルディメンションの変動が対象の範囲内で単調であるような寸法を有する、条項26に定義される方法。
28.非等焦点パターニングフィーチャも等焦点パターニングフィーチャもサブ解像度又はアシストフィーチャを含まない、条項20~27の何れか一項に定義される方法。
29.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、パターニングデバイス上のスクライブライン内に位置する、条項20~28の何れか一項に定義される方法。
30.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、それぞれ第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを線間隔回折格子として形成するように構成される、条項20~29の何れか一項に定義される方法。
31.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、それぞれ第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを実質的に対称な回折格子として形成するように構成される、条項20~30の何れか一項に定義される方法。
32.プログラム命令を含むコンピュータプログラムであって、プログラム命令は、適切な装置上で実行されると、条項1~18の何れか一項に記載の方法を実行するように動作可能である、コンピュータプログラム。
33.条項32に記載のコンピュータプログラムを含む非一時的コンピュータプログラムキャリア。
34.プロセッサと、条項33に記載のコンピュータプログラムを含む記憶デバイスとを含む処理システム。
35.条項34に記載の処理システムを含み、条項19の方法を実行するようにさらに動作可能であるメトロロジデバイス。
36.リソグラフィ露光装置と、
条項35に記載のメトロロジデバイスと
を含むリソセルであって、条項20~31の何れか一項に記載の方法を実行するようにさらに構成されるリソセル。
37.ターゲットを形成するためのターゲットパターニングフィーチャを含むパターニングデバイスであって、ターゲットパターニングフィーチャは、
第1のサブターゲットを、それが等焦点構造を含むように形成するための等焦点パターニングフィーチャと、
第2のサブターゲットを、それが非等焦点構造を含むように形成するための非等焦点パターニングフィーチャと
を含む、パターニングデバイス。
38.等焦点パターニングフィーチャは、少なくとも60nmのフォーカス範囲にわたり、第1のサブターゲットが3%未満のクリティカルディメンションの変動で形成されるような寸法を有する、条項37に定義されるパターニングデバイス。
39.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットが異なる最良フォーカス設定で形成され、及び第2のサブターゲットが第1のサブターゲットに対する最良フォーカス設定での露光において良好に印刷されるような寸法を有する、条項37又は38に定義されるパターニングデバイス。
40.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットが50nm以上異なるそれぞれの最良フォーカス設定で形成されるような寸法を有する、条項39に定義されるパターニングデバイス。
41.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、ピッチ、クリティカルディメンション及びマスク吸収体タイプの1つ又は複数に関して異なる、条項39又は40に定義されるパターニングデバイス。
42.パターニングデバイスは、製品パターニングフィーチャをさらに含み、等焦点パターニングフィーチャは、第1のサブターゲットに対する最良フォーカスが製品パターニングフィーチャによって形成された製品構造に対する最良フォーカスと同じであるか又はそれに近いような寸法を有する、条項39~41の何れか一項に定義されるパターニングデバイス。
43.非等焦点パターニングフィーチャは、製品構造の最良フォーカスで露光されたとき、第2のサブターゲットが対象の範囲内で単調であるフォーカスによるクリティカルディメンションの変動で形成されるような寸法を有する、条項42に定義されるパターニングデバイス。
44.非等焦点パターニングフィーチャも等焦点パターニングフィーチャもサブ解像度又はアシストフィーチャを含まない、条項37~43の何れか一項に定義されるパターニングデバイス。
45.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、パターニングデバイス上のスクライブライン内に位置する、条項37~44の何れか一項に定義されるパターニングデバイス。
46.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、それぞれ第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを線間隔回折格子として形成するように構成される、条項37~45の何れか一項に定義されるパターニングデバイス。
47.等焦点パターニングフィーチャ及び非等焦点パターニングフィーチャは、それぞれ第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを実質的に対称な回折格子として形成するように構成される、条項37~46の何れか一項に定義されるパターニングデバイス。
【0064】
[00063] 48.条項37~47の何れか一項に定義されるパターニングデバイスを使用して形成された少なくともターゲットを含む基板。
【0065】
[00064] 本明細書では、リソグラフィ装置をICの製造で使用することが具体的に参照されているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることが理解されるべきである。可能な他の用途として、一体型光学系、磁区メモリのガイダンスパターン及び検出パターン、平面パネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造がある。
【0066】
[00065] 本明細書では、本発明の実施形態をリソグラフィ装置に関連して具体的に参照している場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用され得る。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置或いはウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)等の物体を測定又はプロセスする任意の装置の一部をなし得る。これらの装置は、まとめてリソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を用い得る。
【0067】
[00066] 本発明の実施形態を光リソグラフィに関連して使用することをここまで具体的に参照してきたが、本発明は、文脈が許す限り、光リソグラフィに限定されず、他の用途で使用され得、例えばインプリントリソグラフィで使用され得ることが理解される。
【0068】
[00067] 上記では、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明は、説明された以外の方法で実施され得る。上述の説明は、限定的ではなく、例示的であるものとする。従って、当業者に明らかであるように、以下に示される特許請求項の範囲から逸脱しない限り、記載された本発明に対する修正形態がなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のターゲットからフォーカスパラメータを決定する方法であって、前記ターゲットは、少なくとも第1のサブターゲット及び第2のサブターゲットを含み、前記フォーカスパラメータは、前記ターゲットが露光されたリソグラフィ露光プロセスのフォーカス設定に関連し、前記方法は、
前記第1のサブターゲットの測定に関連する第1の測定信号を得ることであって、前記第1のサブターゲットは、等焦点構造を含む、得ることと、
前記第2のサブターゲットの測定に関連する第2の測定信号を得ることであって、前記第2のサブターゲットは、非等焦点構造を含む、得ることと、
少なくとも前記第2の測定信号を前記フォーカスパラメータに関連させる少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを得ることと、
前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから前記フォーカスパラメータの値を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
値を前記決定することは、前記第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の影響について補正された前記フォーカスパラメータの前記値を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の測定信号に対するドーズパラメータの変動の前記影響の補正は、前記第1の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、
前記第2の測定信号と前記フォーカスパラメータとの間の第1の関係であって、前記ドーズパラメータに対する依存性を含む第1の関係及び前記第1の測定信号と前記ドーズパラメータとの間の第2の関係、又は
前記第1の関係及び第2の関係の組合せ
を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルは、前記ドーズパラメータに対して前記フォーカス推定を補正するために、前記第1の測定信号を使用して、前記第2の測定信号から前記フォーカスパラメータの値を推定するように動作可能な少なくとも1つの訓練された機械学習モデルを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも前記第1の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから前記ドーズパラメータの値を決定することを含む、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練するための初期較正段階を含み、前記初期較正段階は、
1つ又は複数の基板上の前記ターゲットの複数の繰り返しを露光することであって、前記複数の繰り返しは、前記フォーカスパラメータ及びドーズパラメータの意図的な変動を伴って露光される、露光することと、
較正測定信号を得るために、前記ターゲットの前記複数の繰り返しを測定することと、
前記較正測定信号並びに既知のフォーカスパラメータ及びドーズパラメータ設定を使用して、前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルを訓練することと
を含む、請求項2
又は3に記載の方法。
【請求項8】
前記較正測定信号は、各ターゲットの前記第1のサブ構造に関連する第1の較正測定信号と、各ターゲットの前記第2のサブ構造に関連する第2の較正測定信号とを含み、及び
前記第2の較正測定信号におけるいかなる変動も、前記ドーズパラメータのみに依存すると想定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のサブターゲット及び前記第2のサブターゲットは、異なる最良フォーカス設定、及び/又は異なるピッチ及び/又はクリティカルディメンションをそれぞれ含む、請求項1~
3の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フォーカスパラメータの値を決定する前記ステップは、前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから直接、前記フォーカスパラメータの値を決定することを含む、請求項1~
3の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フォーカスパラメータの値を決定する前記ステップは、前記第1の測定信号、第2の測定信号並びに前記少なくとも1つの訓練された関係及び/又はモデルから、少なくとも前記第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの値を決定することと、少なくとも前記第2のサブターゲットのクリティカルディメンションの前記値から前記フォーカスパラメータを決定することとを含む、請求項1~
3の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
パターニングデバイスを使用して、前記基板上の前記ターゲットを露光するための前記リソグラフィ露光プロセスを実施することを含み、
前記パターニングデバイス上の等焦点パターニングフィーチャから前記第1のサブターゲットを露光することと、
前記パターニングデバイス上の非等焦点パターニングフィーチャから前記第2のサブターゲットを露光することと
を含み、前記等焦点パターニングフィーチャ及び前記非等焦点パターニングフィーチャは、ピッチ、クリティカルディメンション及びマスク吸収体タイプの1つ又は複数に関して異なる、請求項1~
3の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ及び記憶デバイスを含むメトロロジデバイスであって、前記記憶デバイスは、コンピュータプログラム製品を含み、前記コンピュータプログラム製品は、請求項1~
3の何れか一項に記載の方法を実施するように動作可能な命令を含む、メトロロジデバイス。
【請求項14】
ターゲットを形成するためのターゲットパターニングフィーチャを含むパターニングデバイスであって、前記ターゲットパターニングフィーチャは、
第1のサブターゲットを、それが等焦点構造を含むように形成するための等焦点パターニングフィーチャと、
第2のサブターゲットを、それが非等焦点構造を含むように形成するための非等焦点パターニングフィーチャと
を含む、パターニングデバイス。
【請求項15】
請求項14に記載のパターニングデバイスを使用して形成された少なくともターゲットを含む基板。
【国際調査報告】