(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】ハイブリッド周波数プラズマ源
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20241001BHJP
H03H 7/38 20060101ALI20241001BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241001BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H03H7/38
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513876
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022042271
(87)【国際公開番号】W WO2023038838
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ユホウ
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ドリュリー・ジョン・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・イン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC09
2G084CC13
2G084DD38
2G084HH32
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB22
5F004BD04
5F004CA06
(57)【要約】
【解決手段】プラズマシステムは、第1の周波数を有する第1の正弦波形を生成する第1のマッチレスプラズマ源(MPS)を含む。プラズマシステムは、第1のMPSに結合されて第2の周波数をフィルタリングする第1のフィルタを含む。プラズマシステムは、第1のフィルタに結合されて第1のフィルタと無線周波数(RF)コイルのリアクタンス間のバランスをとって第1のRF信号をポイントに提供する第1の容量性回路をさらに含む。プラズマシステムは、第2の周波数を有する第2の正弦波形を生成する第2のMPSを含む。プラズマシステムは、第2のMPSに結合されて第1の周波数をフィルタリングする第2のフィルタを含む。プラズマシステムは、第2のフィルタに結合されて第2のフィルタのリアクタンスとRFコイルのリアクタンスとのバランスをとり、さらに第2のRF信号をポイントに供給する第2の容量性回路を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1の矩形波形に基づいて生成される第1の正弦波形を生成するように構成されている第1のマッチレスプラズマ源であって、前記第1の正弦波形は第1の周波数を有する第1のマッチレスプラズマ源と、
前記第1のマッチレスプラズマ源に結合され、前記第1の正弦波形と干渉しないよう第2の周波数をフィルタリングするように構成されている第1のフィルタと、
前記第1のフィルタに結合され、前記第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバのRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第1の無線周波数(RF)信号を出力するように構成され、前記RFコイルに結合されたポイントに前記第1のRF信号を提供するように構成されている、第1の容量性回路と、
第2の矩形波形に基づいて生成される第2の正弦波形を生成するように構成されている第2のマッチレスプラズマ源であって、前記第2の正弦波形は前記第2の周波数を有する第2のマッチレスプラズマ源と、
前記第2のマッチレスプラズマ源に結合され、前記第2の正弦波形と干渉しないよう前記第1の周波数をフィルタリングするように構成されている第2のフィルタと、
前記第2のフィルタに結合され、前記第2のフィルタのリアクタンスと前記RFコイルの前記リアクタンスとのバランスをとって第2のRF信号を出力するように構成され、前記第2のRF信号を前記ポイントに提供するように構成されている、第2の容量性回路と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1のRF信号が前記ポイントにおいて前記第2のRF信号と合成されて、合成RF信号を前記RFコイルに提供する、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりも大きい、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記RFコイルと基板支持体とを含む前記プラズマチャンバをさらに備える、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、
第3のRF信号を生成するように構成されている第1のバイアスRF発生器と、
前記第1のバイアスRF発生器に結合された整合器と、
前記整合器に結合され、第4のRF信号を生成するように構成されている第2のバイアスRF発生器であって、前記整合器は、前記第3のRF信号および前記第4のRF信号を受信し、前記第3のRF信号および前記第4のRF信号のインピーダンスを修正して合成RF信号を出力し、前記合成RF信号を前記基板支持体に提供するように構成されている第2のバイアスRF発生器と
をさらに備えるシステム。
【請求項6】
請求項4に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、接地電位に結合されている、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1の容量性回路は、前記プラズマチャンバから反射されたRF電力を有する反射RF信号を受信するように構成されており、前記反射RF信号は、前記第2の周波数を有する、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第2の容量性回路は、前記プラズマチャンバから反射されたRF電力を有する反射RF信号を受信するように構成されており、前記反射RF信号が前記第1の周波数を有する、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1のマッチレスプラズマ源と前記RFコイルとの間に整合器が存在せず、前記第2のマッチレスプラズマ源と前記RFコイルとの間に整合器が存在しない、システム。
【請求項10】
システムであって、
矩形波形に基づいて生成される正弦波形を生成するように構成されているマッチレスプラズマ源であって、前記正弦波形が第1の周波数を有するマッチレスプラズマ源と、
前記マッチレスプラズマ源に結合され、前記正弦波形内で干渉しないよう第2の周波数をフィルタリングするように構成されている第1のフィルタと、
前記第1のフィルタに結合され、前記第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバのRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第1の無線周波数(RF)信号を出力するように構成され、前記RFコイルに結合されたポイントに前記第1のRF信号を提供するように構成されている、容量性回路と、
前記第2の周波数を有する第2のRF信号を生成するように構成されている供給源RF発生器と、
前記供給源RF発生器に結合され、前記第2のRF信号を受信し、前記第2のRF信号のインピーダンスを修正して、修正RF信号を出力するように構成されているインピーダンス整合ネットワークであって、前記第1の周波数を前記第2のRF信号と干渉しないようフィルタリングするように構成されている第2のフィルタを含み、前記修正RF信号を前記ポイントに提供するように構成されているインピーダンス整合ネットワークと、
を備える、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記ポイントは、前記第1のRF信号を前記修正RF信号と合成して、合成RF信号を前記RFコイルに提供するように構成されている、システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりも大きいか、前記第1の周波数と等しいか、または前記第1の周波数よりも小さい、システム。
【請求項13】
請求項10に記載のシステムであって、
前記RFコイルと基板支持体とを含む前記プラズマチャンバをさらに備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
第3のRF信号を生成するように構成されている第1のバイアスRF発生器と、
前記第1のバイアスRF発生器に結合された整合器と、
前記整合器に結合され、第4のRF信号を生成するように構成されている第2のバイアスRF発生器であって、前記整合器が、前記第3のRF信号および前記第4のRF信号を受信し、前記第3のRF信号および前記第4のRF信号のインピーダンスを修正して合成RF信号を出力し、前記合成RF信号を前記基板支持体に提供するように構成されている第2のバイアスRF発生器と
をさらに備えるシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、接地電位に結合されている、システム。
【請求項16】
請求項10に記載のシステムであって、
前記容量性回路は、前記プラズマチャンバから反射されたRF電力を有する反射RF信号を受信するように構成されており、前記反射RF信号は、前記第2の周波数を有する、システム。
【請求項17】
請求項10に記載のシステムであって、
前記マッチレスプラズマ源と前記RFコイルとの間に、物理ハウジングを含む整合器が存在しない、システム。
【請求項18】
システムであって、
第1の矩形波形に基づいて生成される第1の正弦波形を生成するように構成されている第1のマッチレスプラズマ源であって、第1の正弦波形は第1の周波数を有する第1のマッチレスプラズマ源と、
前記第1のマッチレスプラズマ源に結合され、前記第1の正弦波形と干渉しないよう第2の周波数をフィルタリングするように構成されている第1のフィルタと、
前記第1のフィルタに結合され、前記第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバの第1の無線周波数(RF)コイルのリアクタンスとのバランスをとって第1のRF信号を出力するように構成され、前記第1のRFコイルに結合されたポイントに前記第1のRF信号を提供するように構成されている、第1の容量性回路と、
第2の矩形波形に基づいて生成される第2の正弦波形を生成するように構成されている第2のマッチレスプラズマ源であって、前記第2の正弦波形は前記第2の周波数を有する第2のマッチレスプラズマ源と、
前記第2のマッチレスプラズマ源に結合され、前記第2の正弦波形と干渉しないよう前記第1の周波数をフィルタリングするように構成されている第2のフィルタと、
前記第2のフィルタに結合され、前記第2のフィルタのリアクタンスと、前記第1のRFコイルのリアクタンスと、前記プラズマチャンバの第2のRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第2のRF信号を出力するように構成されている第2の容量性回路と、
前記第2の容量性回路に結合され、前記第2のRF信号を第3のRF信号と第4のRF信号とに分割するように構成され、第3の容量性回路と第4の容量性回路とを含む信号スプリッタと、を備え、
前記第3の容量性回路は、前記第3のRF信号を受信し、前記プラズマチャンバの前記第1のRFコイルの前記リアクタンスと前記第2のフィルタの前記リアクタンスとのバランスをとって第5のRF信号を前記ポイントに提供するように構成され、前記第4の容量性回路は、前記第4のRF信号を受信し、前記第2のRFコイルの前記リアクタンスと前記第2のフィルタの前記リアクタンスとのバランスをとって前記第2のRFコイルに第6のRF信号を提供するように構成されている、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記ポイントは、前記第1のRF信号を前記第5のRF信号と合成して、第7のRF信号を前記第1のRFコイルに提供するように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項18に記載のシステムであって、
前記第2の周波数は、前記第1の周波数よりも大きい、システム。
【請求項21】
請求項18に記載のシステムであって、
前記第1のRFコイルと、前記第2のRFコイルと、基板支持体とを含む前記プラズマチャンバをさらに備える、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、
第7のRF信号を生成するように構成されている第1のバイアスRF発生器と、
前記第1のバイアスRF発生器に結合された整合器と、
前記整合器に結合され、第8のRF信号を生成するように構成されている第2のバイアスRF発生器であって、前記整合器は、前記第7のRF信号および前記第8のRF信号を受信し、前記第7のRF信号および前記第8のRF信号のインピーダンスを修正して合成RF信号を出力し、前記合成RF信号を前記基板支持体に提供するように構成されている第2のバイアスRF発生器と
をさらに備えるシステム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、
前記基板支持体は、接地電位に結合されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ハイブリッド周波数プラズマ源に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマシステムが、ウエハに様々な操作を行うために使用される。プラズマシステムは、無線周波数(RF)発生器と、RF整合器と、プラズマチャンバとを含む。RF発生器はRF整合器にRFケーブルを介して結合され、RF整合器はプラズマチャンバに結合されている。RF電力が、RFケーブルおよびRF整合器を介して、ウエハが中で処理されるプラズマチャンバに提供される。また、1つまたは複数のガスがプラズマチャンバに供給され、RF電力を受信するとプラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。RF電力が提供されたときに、プラズマチャンバ内でプラズマが打たれないか、またはプラズマチャンバ内でアーク放電が発生する場合がある。
【0003】
本開示で説明する実施形態が生じるのは、このような背景からである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、ハイブリッド周波数プラズマ源を提供するためのシステム、装置、方法、およびコンピュータプログラムを提供する。本実施形態は、例えば、プロセス、または装置、またはシステム、またはハードウェア、または方法、またはコンピュータ可読媒体等の多数の方法で実施可能であると理解すべきである。いくつかの実施形態について以下で説明する。
【0005】
プラズマチャンバの各誘導結合プラズマ(ICP)コイルは、1つの無線周波数(RF)発生器によって1つのRF周波数で任意の瞬間において駆動される。RF周波数の選択は複数の要因によって制限される。ICPコイルのコイル電圧は、RF周波数の上昇に従って上昇し、これによりICPコイルにアーク放電が発生するか、またはプラズマチャンバの誘電体窓にスパッタリングが発生する可能性がある。アーク放電またはスパッタリングは、コイルからの容量結合RF電力によって加速されたイオンによって引き起こされる。一方、より低い無線周波数では、結合の効果が、より低いプラズマ密度において特に小さくなる。また、ICPコイルおいて電圧がより低い場合は、RF発生器が中性ガスを化学変化させてプラズマを打つことはより困難である。
【0006】
一実施形態では、2つの無線周波数で動作する二周波ICP源が提示されている。例えば、2つの大きく離れたRF周波数に調整された2つの独立したRF源(例えばRF発生器、またはマッチレスプラズマ源(MPS)など)を使用して、単一の給電によってICPコイルに同時に電力を供給する。例示すると、2つのMPS(例えば低周波MPSと高周波MPSなど)を使用して同じICPコイルを駆動する。2つのMPSは、低周波数と高周波数の2つの離れた周波数で動作する。一例として、低周波数は1.8メガヘルツ(MHz)~2.2MHzの範囲にあり、高周波数は12.35MHz~13.65MHzの範囲にある。別の例としては、低周波数は400キロヘルツ(kHz)~2MHzの範囲にあり、高周波数は12MHz~27MHzの範囲にある。各MPSの対応する出力はフィルタ回路にアイソレーションのために取り付けられる。また、各フィルタ回路は対応するコンデンサに結合されて、ICPコイルおよびフィルタ回路から残存するリアクタンスを打ち消し、低周波数における直列共振と高周波数における直列共振がそれぞれ低周波MPSと高周波MPSに提示されるようにする。各コンデンサは、固定値コンデンサまたは可変値コンデンサのいずれかとすることができる。例えば、MPSそれぞれとICPコイルとの間のネットワークは固定要素(例えば固定コンデンサおよび固定インダクタなど)を含み、可変要素を含まないため、動作中にネットワークの能動制御を要さない。
【0007】
ある実施形態では、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを、低周波MPSおよび高周波MPSの出力にそれぞれ結合させることができる。
【0008】
一実施形態では、バンドパスフィルタを2つのMPSのいずれかの出力に結合できる。例えば、コンデンサおよびインダクタの直列回路を含む直列共振回路をバンドパスフィルタとして使用して、低周波数または高周波数からの適切なアイソレーションを提供できる。
【0009】
ある実施形態では、第1のバンドパスフィルタが低周波MPSの出力に結合され、第2のバンドパスフィルタが高周波MPSの出力に結合されている。
【0010】
ある実施形態では、2つの50ΩRF発生器が離れたRF周波数で動作して同じICPコイルに通電する。採用された2つのRF発生器は、それぞれ400kHz~2MHzの低周波帯域と12MHz~27MHzの高周波帯域に調整されたRFを出力可能である。この2つのRF発生器は、二周波インピーダンス整合ネットワークへの入力を提供し、二周波インピーダンス整合ネットワークはその出力ポートのICPコイルのインピーダンスを50オームに変換して2つのRF発生器に提示する。
【0011】
一実施形態では、二周波インピーダンス整合ネットワークは、1つまたは複数のアイソレーションフィルタ回路を含む。二周波インピーダンス整合ネットワークは2つのサブネットワークを含み、1つは低周波数の伝達用、もう1つは高周波数の伝達用である。アイソレーションフィルタ回路は、2つのサブネットワークそれぞれの入力側または出力側のいずれか、あるいは入力側と出力側の両方に載置できる。2つのサブネットワークはそれぞれ、対応する低周波数と高周波数それぞれの負荷インピーダンスを50Ωに変換する。例えば、出力側にアイソレーションフィルタ回路を載置して、一方のサブネットワーク上の回路素子を変化させたときに他方のサブネットワークに見られる変化を最小限にする。各サブネットワークの例としては、L型ネットワークとT型ネットワークが挙げられる。
【0012】
ある実施形態では、MPSおよび50オームRF発生器を使用して同じICPコイルに通電する。MPSは50オームRF発生器とは異なる周波数で動作する。
【0013】
一実施形態では、低周波数と高周波数が互いに独立しているため、様々なパルス動作を達成できる。例えば、一方の周波数ではパルス出力でき、他方では連続波(cw)を出力する。別の例では、低周波数と高周波数はともに、異なるパルス出力周波数とデューティサイクルでパルス出力できる。
【0014】
一実施形態では、電流分割回路がデュアルコイルプラズマシステム(例えば、2つのトランス結合プラズマ(TCP)コイルを有するプラズマシステムなど)と共に使用するために提供される。電流分割回路は、1つの周波数(例えば低周波数または高周波数など)の第1のMPSの出力に追加され、同じMPSが両方のTCPコイルを駆動する。この実施形態では、第2のMPSを、TCPコイルのうちの第1のコイルに追加できる。追加のフィルタを、第2のMPSの周波数がTCPコイルのうちの第2のコイルに対して遮断されるように、追加できる。
【0015】
一実施形態では、ハイブリッド周波数プラズマシステムが提供される。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1の正弦波形を生成する第1のマッチレスプラズマ源を含む。第1の正弦波形は、第1の矩形波形に基づいて生成され、第1の周波数を有する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1のマッチレスプラズマ源に結合された第1のフィルタを含む。第1のフィルタは、第2の周波数を第1の正弦波形と干渉しないようフィルタリングする。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1のフィルタに結合された第1の容量性回路をさらに含む。第1の容量性回路は、第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバのRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第1のRF信号を出力する。第1の容量性回路は、RFコイルに結合されたポイントに第1のRF信号を提供する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2の正弦波形を生成する第2のマッチレスプラズマ源を含む。第2の正弦波形は、第2の矩形波形に基づいて生成され、第2の周波数を有する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2のマッチレスプラズマ源に結合された第2のフィルタを含む。第2のフィルタは、第1の周波数を第2の正弦波形と干渉しないようフィルタリングする。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2のフィルタに結合された第2の容量性回路を含む。第2の容量回路は、第2のフィルタのリアクタンスとRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第2のRF信号を出力する。第2の容量性回路は、第2のRF信号をポイントに提供する。
【0016】
ある実施形態では、ハイブリッド周波数プラズマシステムが提供される。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、正弦波形を生成するマッチレスプラズマ源を含む。正弦波形は矩形波形に基づいて生成され、第1の周波数を有する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、マッチレスプラズマ源に結合された第1のフィルタをさらに含む。第1のフィルタは、第2の周波数を正弦波形内で干渉しないようフィルタリングする。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1のフィルタに結合された容量性回路を含む。容量性回路は、第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバのRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第1のRF信号を出力する。容量性回路は、RFコイルに結合されたポイントに第1のRF信号を提供する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2の周波数を有する第2のRF信号を生成する供給源RF発生器を含む。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、供給源RF発生器に結合されたインピーダンス整合ネットワークを含む。インピーダンス整合ネットワークは、第2のRF信号を受信し、第2のRF信号のインピーダンスを修正して修正RF信号を出力する。インピーダンス整合ネットワークは、第1の周波数を第2のRF信号と干渉しないようフィルタリングする第2のフィルタを含む。インピーダンス整合ネットワークは、修正RF信号をポイントに提供する。
【0017】
ある実施形態では、ハイブリッド周波数プラズマシステムが提供される。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1の正弦波形を生成する第1のマッチレスプラズマ源を含む。第1の正弦波形は、第1の矩形波形に基づいて生成され、第1の周波数を有する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1のマッチレスプラズマ源に結合された第1のフィルタをさらに含む。第1のフィルタは、第2の周波数を第1の正弦波形と干渉しないようフィルタリングする。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第1のフィルタに結合された第1の容量性回路を含む。第1の容量性回路は、第1のフィルタのリアクタンスとプラズマチャンバの第1のRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第1のRF信号を出力する。第1の容量性回路は、第1のRF信号をポイントに提供する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2の正弦波形を生成する第2のマッチレスプラズマ源を含む。第2の正弦波形は、第2の矩形波形に基づいて生成され、第2の周波数を有する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2のマッチレスプラズマ源に結合された第2のフィルタを有する。第2のフィルタは、第1の周波数を第2の正弦波形と干渉しないようフィルタリングする。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2のフィルタに結合された第2の容量性回路を含む。第2の容量性回路は、第2のフィルタのリアクタンスと、第1のRFコイルのリアクタンスと、プラズマチャンバの第2のRFコイルのリアクタンスとのバランスをとって第2のRF信号を出力する。ハイブリッド周波数プラズマシステムは、第2の容量性回路に結合された信号分割器を含む。信号分割器は、第2のRF信号を第3のRF信号と第4のRF信号とに分割する。また、信号分割器は第3の容量性回路と第4の容量性回路を含む。第3の容量性回路は、第3のRF信号を受信し、プラズマチャンバの第1のRFコイルのリアクタンスと第2のフィルタのリアクタンスとのバランスをとって第5のRF信号をポイントに提供する。第4の容量性回路は、第4のRF信号を受信し、第2のRFコイルのリアクタンスと第2のフィルタのリアクタンスとのバランスをとって第6のRF信号を第2のRFコイルに提供する。
【0018】
本明細書に記載したシステムおよび方法のいくつかの利点として、プラズマ安定量の増加が挙げられる。プラズマの不安定性は、単一の周波数(例えば低周波数または高周波数など)を有する、ICPコイル上に広がる動作空間の異なる領域において発生する。同じICPコイル上で利用可能な2つのRF周波数を有することにより、安定性ウィンドウが、少なくとも2つの周波数の個別安定性ウィンドウの組み合わせに対して拡大する。そのため、他方の無線周波数が安定していれば、不安定な無線周波数を避けることができる。さらに、2つの周波数を同時に適用することにより、安定したウィンドウを作成できる。
【0019】
本明細書に記載されたシステムおよび方法のさらなる利点として、より低いコイル電圧と、より縮小したウィンドウのスパッタリングが挙げられる。通常、低周波数が適用されるとICPコイル電圧が低くなる。同じプラズマ密度を維持しながら、高周波数の電力の一部を低周波数の電力に置換することにより、ICPコイルの電圧を誘電体窓のスパッタリング閾値よりも低くすることができるため、誘電体窓の寿命が延びる。
【0020】
本明細書に記載したシステムおよび方法のさらなる利点として、迅速なプラズマ点火が挙げられる。プラズマを維持するために使用される電圧の量よりも高いコイル電圧が、プラズマを打つために適用される。高周波数を適用することにより、迅速なプラズマ点火が達成される。最初の電源投入時に高周波数を使用してプラズマを打ち、その後、電力を部分的または完全に低周波数に切り替えてプラズマを維持できる。
【0021】
本明細書に記載したシステムおよび方法のさらなる利点として、基板を処理する際の均一性の制御の増加、およびプラズマイオンが基板に入射する際の傾斜量の制御の増加が挙げられる。多くのプロセス条件では、2つの周波数を同じICPコイルに適用した場合にプラズマ密度プロファイルは異なる。2つの周波数を利用可能とすることにより、エッチングと傾斜の均一性のためのさらなる調整ノブを提供できる。
【0022】
他の態様は、添付の図面と併せて解釈される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
実施形態は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明を参照することによって理解される。
【0024】
【
図1】
図1は、ハイブリッドマッチレスプラズマ源(MPS)を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0025】
【
図2A】
図2Aは、ローパスフィルタの一実施形態の図である。
【0026】
【
図2B】
図2Bは、ハイパスフィルタの一実施形態の図である。
【0027】
【
図2C】
図2Cは、バンドパスフィルタの一実施形態の図である。
【0028】
【
図2D】
図2Dは、バンドパスフィルタの一実施形態の図である。
【0029】
【
図3A】
図3Aは、プラズマシステム内での低周波(LF)MPSと高周波(MPS)の使用を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0030】
【
図3B】
図3Bは、下部電極が接地電位に結合されているときのLFMPSおよびHFMPSの使用を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0031】
【
図4】
図4は、RFコイルにRF電力を供給するためのLF源無線周波数発生器(RFG)とHF源RFGの使用を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0032】
【0033】
【
図5B】
図5Bは、別の二周波整合器の一実施形態の図である。
【0034】
【
図5C】
図5Cは、さらに別の二周波整合器の一実施形態の図である。
【0035】
【
図6A】
図6Aは、LF源RFGおよびHF源RFGの使用を例示するための、LFバイアスRFGおよびHFバイアスRFGを有するプラズマシステムの一実施形態の図である。
【0036】
【
図6B】
図6Bは、LF源RFGおよびHF源RFGの使用を例示するための、下部電極が接地電位に結合されているプラズマチャンバを有するシステムの一実施形態の図である。
【0037】
【
図7A】
図7Aは、LFMPSの使用を例示するための、HF源RFGを有するシステムの一実施形態の図である。
【0038】
【
図7B】
図7Bは、LF源RFGの使用を例示するための、HFMPSを有するシステムの一実施形態の図である。
【0039】
【
図8A】
図8Aは、LFRFGおよびHF源RFGの使用を例示するための、LFバイアスRFGおよびHFバイアスRFGを有するシステムの一実施形態の図である。
【0040】
【
図8B】
図8Bは、下部電極が接地電位に結合されているときのLFMPSおよびHF源RFGの使用を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0041】
【
図8C】
図8Cは、LF源RFGおよびHFMPSの使用を例示するための、LFバイアスRFGおよびHFバイアスRFGを有するシステムの一実施形態の図である。
【0042】
【
図8D】
図8Dは、下部電極が接地電位に結合されているときのLF源RFGおよびHFMPSの使用を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0043】
【
図9A】
図9Aは、高周波数を複数のRFコイルに提供し、低周波数と高周波数をRFコイルに提供する方法を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0044】
【
図9B】
図9Bは、低周波数を複数のRFコイルに提供し、低周波数と高周波数をRFコイルに提供する方法を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0045】
【
図9C】
図9Cは、低周波数がRFコイルへ適用されないようにフィルタリングする方法を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0046】
【
図9D】
図9Dは、高周波数がRFコイルへ適用されないようにフィルタリングする方法を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0047】
【
図10A】
図10Aは、プラズマシステム内での信号分割器の使用を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0048】
【
図10B】
図10Bは、
図10Aの信号分割器の使用を例示するための、下部電極が接地電位に結合されているプラズマチャンバを有するプラズマシステムの一実施形態の図である。
【0049】
【
図10C】
図10Cは、別の信号分割器の使用を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0050】
【
図10D】
図10Dは、
図10Cの信号分割器の使用を例示するための、下部電極が接地電位に結合されているプラズマチャンバを有するプラズマシステムの一実施形態の図である。
【0051】
【0052】
【
図11B】
図11Bは、LFMPSまたはLFバイアスRFGまたはLF源RFGによって生成されたRF信号のパラメータを例示するためのグラフの一実施形態である。
【0053】
【
図11C】
図11Cは、HFMPSまたはHFバイアスRFGまたはHF源RFGによって生成されたRF信号のパラメータを例示するためのグラフの一実施形態である。
【0054】
【
図11D】
図11Dは、低周波RF信号を例示するためのグラフの一実施形態である。
【0055】
【
図11E】
図11Eは、高周波RF信号を例示するためのグラフの一実施形態である。
【0056】
【0057】
【
図11G】
図11Gは、
図11FのRF信号のパルス出力と位相がずれたRF信号のパルス出力を例示するためのグラフの一実施形態である。
【0058】
【0059】
【
図11I】
図11Iは、
図11FのRF信号のパラメータのパルス出力周波数がRF信号のパラメータのパルス出力周波数と異なることを例示するためのグラフの一実施形態である。
【0060】
【
図12A-1】
図12A-1は、MPSの詳細を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0061】
【
図12A-2】
図12A-2は、
図12A-1のMPSの入力部および出力部のさらなる詳細を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0062】
【
図12B】
図12Bは、RF発生器の詳細を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0063】
【
図13】
図13は、可変コンデンサの制御を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0064】
【
図14】
図14は、ソレノイドコイルを例示するための、プラズマチャンバの一実施形態の図である。
【0065】
【
図15】
図15は、基板支持体を有するLFMPSおよびHFMPSの使用を例示するための、プラズマシステムの一実施形態の図である。
【0066】
【
図16A】
図16Aは、LFMPSが制御側であり、HFMPSが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0067】
【
図16B】
図16Bは、HFMPSが制御側であり、LFMPSが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0068】
【
図16C】
図16Cは、LF源RFGが制御側であり、HFMPSが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0069】
【
図16D】
図16Dは、HF源RFGが制御側であり、LFMPSが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0070】
【
図16E】
図16Eは、LFMPSが制御側であり、HF源RFGが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【0071】
【
図16F】
図16Fは、HFMPSが制御側であり、LF源RFGが被制御側であるマスタスレーブ構成を例示するための、システムの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下の実施形態では、ハイブリッド周波数プラズマ源を提供するためのシステムおよび方法について説明する。本実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全てが欠けている場合も実施し得ると理解されるであろう。他の例では、本実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知の操作を詳細には説明していない。
【0073】
図1は、ハイブリッドマッチレスプラズマ源(MPS)を例示するための、システム100の一実施形態の図である。ハイブリッドMPSは二周波MPSである。システム100は、低周波(LF)MPS102と高周波(HF)MPS104を含む。LFMPS102とHFMPS104との組み合わせがハイブリッドMPSである。システム100は、第1のフィルタ106および第2のフィルタ108をさらに含む。システム100は、第1のコンデンサ110および第2のコンデンサ112を含む。第1のコンデンサ110は、本明細書において容量性回路と称される場合があり、第2のコンデンサは、本明細書において容量性回路と称される場合がある。一例として、本明細書では各コンデンサを固定コンデンサまたは可変コンデンサと記載する。また、システム100は無線周波数(RF)コイル114を含む。本明細書で使用するRFコイルは、誘導結合プラズマ(ICP)コイルまたはトランス結合プラズマ(TCP)コイルと称される場合がある。RFコイル114は、プラズマチャンバの上部電極の一例であり、1つまたは複数のターンまたは巻線を有する。
【0074】
低周波MPSの一例は、400キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の範囲かつそれを含む周波数等の低周波数で動作して、低周波数を有するRF信号を生成するマッチレスプラズマ源である。例示すると、低周波MPSの動作周波数は400kHzまたは2MHzである。高周波MPSの一例は、12MHz~60MHzの範囲かつそれを含む周波数等の高周波数で動作して、高周波数を有するRF信号を生成するマッチレスプラズマ源である。例示すると、高周波MPSの動作周波数は13.56MHzまたは27MHzまたは60MHzである。本明細書で使用するコンデンサの一例は、固定コンデンサまたは可変コンデンサである。一例として、高周波数は低周波数よりも大きく、低周波数からは除外される。例えば、高周波数の値が低周波数の値と一致することはない。第1のフィルタ106の一例はローパスフィルタまたはバンドパスフィルタであり、第2のフィルタ108の一例はハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタである。
【0075】
LFMPS102は第1のフィルタ106に結合されており、第1のフィルタ106は第1のコンデンサ110に結合されている。同様に、HFMPS104は第2のフィルタ108に結合されており、第2のフィルタ108は第2のコンデンサ112に結合されている。コンデンサ110と112はポイント122において互いに結合されている。ポイント122の一例は、第1のRF接続部、第2のRF接続部、および第3のRF接続部の間のコネクタ等の接続部である。第1のRF接続部は第1のコンデンサ110とポイント122との間にあり、第2のRF接続部は第2のコンデンサ112とポイント122との間にあり、第3のRF接続部はポイント122とRFコイル114との間にある。例示すると、ポイント122は、第1、第2、および第3のRFストラップの間のはんだである。第1のRFストラップは第1のRF接続部の一例であり、第2のRFストラップは第2のRF接続部の一例であり、第3のRFストラップは第3のRF接続部の一例である。別の例示としては、ポイント122は、第1、第2、および第3のRFストラップを接続するボルトである。ポイント122は、RFコイル114の端E1にRF接続部125を介して結合されている。本明細書で使用されるRF接続部の例としては、RFケーブル、RFストラップ、RFシリンダ、RF伝送線、およびそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。例示すると、RFストラップは長尺かつ平坦である。さらに例示すると、RFストラップは長方形である。例示として、RFケーブルはRFシースおよびRF導体を有する。RFコイル114の反対側の端E2は接地電位に結合されている。
【0076】
LFMPS102はRF信号116Aを生成し、RF信号116Aを第1のフィルタ106に供給する。RF信号116Aは正弦波形である。例えば、RF信号116Aは正弦波信号の形状を有する。第1のフィルタ106は、RF信号116Aの低周波数を通過させて、フィルタリング済信号118Aを出力する。例えば、フィルタリング済信号118Aの低周波数は、RF信号116Aの低周波数と同じである。
【0077】
第1のフィルタ106は、フィルタリング済信号118Aを第1のコンデンサ110に提供する。第1のコンデンサ110は、フィルタリング済信号118Aを受信して、出力RF信号120Aを提供する。例えば、第1のコンデンサ110は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスのバランスをとるキャパシタンスを有する。例示すると、第1のコンデンサ110は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定の範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第1のコンデンサ110のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。別の例示として、第1のコンデンサ110は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。例示すると、第1のコンデンサ110は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第1のコンデンサ110のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。出力RF信号120Aはコンデンサ110からポイント122に提供される。
【0078】
なお、一例として、本明細書に記載された第1のリアクタンスは第1の符号(例えば正の符号または負の符号など)を有し、本明細書に記載された第2のリアクタンスは第2の符号(例えば負の符号または正の符号など)を有する。この例では、第2の符号は第1の符号の反対である。例示すると、第1のリアクタンスが正のときに第2のリアクタンスは負であり、第1のリアクタンスが負のときに第2のリアクタンスは正である。別の例示として、第1のリアクタンスが正の値のときに第2のリアクタンスは負の値となり、第1のリアクタンスが負の値のときに第2のリアクタンスは正の値となる。
【0079】
同様に、HFMPS104はRF信号116Bを生成し、RF信号116Bを第2のフィルタ108に供給する。RF信号116Bは正弦波形である。例えば、RF信号116Bは正弦波信号の形状を有する。第2のフィルタ108は、RF信号116Bの高周波数を通過させて、フィルタリング済信号118Bを出力する。例えば、フィルタリング済信号118Bの高周波数は、RF信号116Bの高周波数と同じである。
【0080】
第2のフィルタ108は、フィルタリング済信号118Bを第2のコンデンサ112に提供する。第2のコンデンサ112は、フィルタリング済信号118Bを受信して、出力RF信号120Bを提供する。例えば、第2のコンデンサ112は、RFコイル114のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスのバランスをとるキャパシタンスを有する。例示すると、第2のコンデンサ112は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定の範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第2のコンデンサ112のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。別の例示として、第2のコンデンサ112は、RFコイル114のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。さらに例示すると、第2のコンデンサ112は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第2のコンデンサ112のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。第2のコンデンサ112は、出力RF信号120Bをポイント122に提供する。出力RF信号120Aおよび120Bは、ポイント122において合成されて合成RF信号123を生成し、合成RF信号123は端E1に供給される。
【0081】
1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバに出力RF信号120Aおよび120Bに加えて供給されるときに、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。1つまたは複数のプロセスガスの例としては、酸素含有ガス、窒素含有ガス、フッ素含有ガス、およびそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0082】
プラズマからのRF電力は、反射RF信号115の形で反射される。反射RF信号115は、プラズマチャンバ内のプラズマからポイント122によって受信され、反射RF信号124Aと反射RF信号124Bに分割される。反射RF信号115のRF電力は、プラズマチャンバからRFコイル114を介してポイント122に向けて反射される。反射RF信号124Aは、ポイント122から第2のコンデンサ112に提供される。反射RF信号115と反射RF信号124Aは、低周波数と高周波数の組み合わせを有する。第2のコンデンサ112は、反射RF信号124Aのインピーダンスを修正して、出力RF信号126Aをフィルタ108に提供する。例えば、第2のコンデンサ112は、上記と同様の方法でRFコイル114および第2のフィルタ108のリアクタンス間のバランスをとって、出力RF信号126Aを提供する。例示すると、第2のコンデンサ112は、反射RF信号124Aのインピーダンスを、ゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、出力RF信号126Aを第2のフィルタ108に提供する。第2のフィルタ108は、出力RF信号126Aの低周波数をフィルタリングして除き、フィルタリング済信号128Aを出力する。周波数をフィルタリングして除く例として、周波数を除去することが挙げられる。周波数をフィルタリングして除く例として、周波数を下げることが挙げられる。フィルタリング済信号128Aは、低周波数からダメージを受けないようHFMPS104を保護するように、低周波数の量が少ないか、またはその量がゼロである。
【0083】
同様に、反射RF信号124Bは、ポイント122から第1のコンデンサ110に反射される。反射RF信号124Bは、低周波数と高周波数の組み合わせを有する。第1のコンデンサ110は、反射RF信号124Bのインピーダンスを修正して、出力RF信号126Bを第1のフィルタ106に提供する。例えば、第1のコンデンサ110は、上記と同様の出力方法でRFコイル114および第1のフィルタ106のリアクタンス間のバランスをとって、出力RF信号126Bを提供する。例示すると、第1のコンデンサ110は、反射RF信号124Bのインピーダンスを、ゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、出力RF信号126Bを第1のフィルタ106に提供する。第1のフィルタ106は、出力RF信号126Bの高周波数を下げるまたは除去するなどしてフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Bを出力する。フィルタリング済信号128Bは、高周波数からダメージを受けないようLFMPS102を保護するように、高周波数の量が少ないか、またはその量がゼロである。
【0084】
なお、第1のフィルタ106は高周波数をフィルタリングして除くが、高周波数にはある範囲の周波数範囲が含まる。例えば、第1のフィルタ106は、高周波数から所定の範囲内の周波数をフィルタリングして除く。例示すると、第1のフィルタ106は、出力RF信号126Bの27MHzの高周波数をフィルタリングして除くために、26.7MHz~27.3MHzの範囲の周波数を除去する。なお、同様に、第2のフィルタ108は低周波数をフィルタリングして除くが、低周波数にはある範囲の周波数が含まれる。例えば、第2のフィルタ108は、低周波数から所定の範囲内の周波数をフィルタリングして除く。例示すると、第2のフィルタ108は、出力RF信号126Aの400kHzの低周波数をフィルタリングして除くために、380kHz~430kHzの範囲の周波数をフィルタリングして除く。
【0085】
なお、LFMPS102とRFコイル114との間には、インピーダンス整合ネットワークまたはインピーダンス整合回路またはインピーダンス整合システムまたはインピーダンス整合電気回路またはインピーダンス整合器等の整合器が存在しないことにさらに留意すべきである。例えば、LFMPS102とRFコイル114との間には、整合器の筐体または物理的な容器等の物理ハウジングが存在しない。同様に、HFMPS104とRFコイル114との間には整合器が存在しない。例えば、HFMPS104とRFコイル114との間には、整合器の筐体または物理的な容器等の物理ハウジングが存在しない。
【0086】
一実施形態では、RFコイル114ではなく、チャック等の基板支持体が使用される。チャックは、アルミニウムまたはアルミニウムの合金等の金属から作製されている。
【0087】
ある実施形態では、システム100には第1のフィルタ106が含まれない。この実施形態では、LFMPS102は、第1のフィルタ106に結合されずに第1のコンデンサ110に結合されている。
【0088】
一実施形態では、システム100には第2のフィルタ108が含まれない。この実施形態では、HFMPS104は、第2のフィルタ108に結合されずに第2のコンデンサ112に結合されている。
【0089】
一実施形態では、LFMPS102は第1のフィルタ106にRF接続部を介して結合され、第1のフィルタ106は第1のコンデンサ110にRF接続部を介して結合され、第1のコンデンサ110はポイント122にRF接続部を介して結合されている。同様に、HFMPS104は第2のフィルタ108にRF接続部を介して結合され、第2のフィルタ108は第2のコンデンサ112にRF接続部を介して結合され、第2のコンデンサ112はポイント122にRF接続部を介して結合されている。この実施形態では、RF信号116Aおよび128Bは、LFMPS102と第1のフィルタ106との間のRF接続部を介して、LFMPS102と第1のフィルタ106との間で伝達される。また、RF信号118Aおよび126Bは、第1のフィルタ106と第1のコンデンサ110との間のRF接続を介して、第1のフィルタ106と第1のコンデンサ110との間で伝達される。さらに、RF信号120Aおよび124Bは、第1のコンデンサ110とポイント122との間のRF接続部を介して、第1のコンデンサ110とポイント122との間で伝達される。さらに、RF信号116Bおよび128Aは、HFMPS104と第2のフィルタ108との間のRF接続部を介して、HFMPS104と第2のフィルタ108との間で伝達される。また、RF信号118Bおよび126Aは、第2のフィルタ108と第2のコンデンサ112との間のRF接続部を介して、第2のフィルタ108と第2のコンデンサ112との間で伝達される。さらに、RF信号120Bおよび124Aは、第2のコンデンサ112とポイント122との間のRF接続部を介して、第2のコンデンサ112とポイント122との間で伝達される。
【0090】
ある実施形態では、RFコイル114ではなく、基板支持体内のプレートまたはリング等の下部電極が使用される。例えば、ポイント122は下部電極に結合されている。下部電極と基板支持体の例は後述する。
【0091】
一実施形態では、HFMPS104をオンにしてRF信号116Bを所定時間生成し、LFMPS102はオフのままとする。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、LFMPS102がオンにされてRF信号116Aが生成される。LFMPS102がオンにされると、HFMPS104はオフにされるか、オンのままである。
【0092】
一実施形態では、LFMPS102をオンにしてRF信号116Aを所定時間生成し、HFMPS104をオンにしてRF信号116Bを所定時間生成する。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、HFMPS104はオフにされるか、オンのままである。
【0093】
一実施形態では、HFMPS104ではなくLFMPSが使用される。LFMPSの動作周波数は、LFMPS102の動作周波数と同じである。
【0094】
一実施形態では、LFMPS102ではなくHFMPSが使用される。HFMPSの動作周波数は、HFMPS104の動作周波数と同じである。
【0095】
ある実施形態では、RFコイル114の端E2は終端コンデンサを介して接地電位に結合されている。例えば、RFコイル114の端E2は終端コンデンサの第1の端に結合されており、終端コンデンサの第2の端は接地電位に結合されている。
【0096】
図2Aは、ローパスフィルタ200の一実施形態の図である。フィルタ200は、
図1の第1のフィルタ106の一例である。フィルタ200は、インダクタ202、別のインダクタ204、コンデンサ206、および別のコンデンサ208を含む。
【0097】
フィルタ200の入力InはLFMPS102に結合されており、フィルタ200の出力Outは第1のコンデンサ110(
図1)に結合されている。フィルタ200の入力Inはインダクタ202に結合されており、インダクタ202はインダクタ204とコンデンサ206の第1の端とに結合されている。インダクタ204は、フィルタ200の出力Outとコンデンサ208の第1の端とに結合されている。コンデンサ208の第1の端は、フィルタ200の出力Outに結合されている。コンデンサ208の第2の端は接地電位に結合され、コンデンサ206の第2の端は接地電位に結合されている。
【0098】
第1のフィルタ200は、RF信号116Aを受信し、RF信号116Aの低周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Aを出力する。また、フィルタ200は、出力RF信号126Bをフィルタ200の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Bの高周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Bをフィルタ200の入力Inにおいて提供する。
【0099】
図2Bは、ハイパスフィルタ230の一実施形態の図である。フィルタ230は、
図1の第2のフィルタ108の一例である。フィルタ230は、コンデンサ232、コンデンサ234、インダクタ236、およびインダクタ238を含む。
【0100】
フィルタ230の入力InはHFMPS104に結合されており、フィルタ230の出力Outは第2のコンデンサ112(
図1)に結合されている。フィルタ230の入力Inはコンデンサ232に結合されており、コンデンサ232はインダクタ236の第1の端に結合され、コンデンサ234に結合されている。コンデンサ234はフィルタ230の出力Outおよびインダクタ238の第1の端に結合されている。インダクタ236の第2の端は接地電位に結合されており、インダクタ238の第2の端は接地電位に結合されている。
【0101】
第1のフィルタ230は、RF信号116Bを受信し、RF信号116Bの高周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Bを出力する。また、フィルタ230は、出力RF信号126Aをフィルタ230の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Aの低周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Aをフィルタ230の入力Inにおいて提供する。
【0102】
図2Cは、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ等のバンドパスフィルタ250の一実施形態の図である。フィルタ250は、
図1の第1のフィルタ106または第2のフィルタ108の一例である。フィルタ250は、インダクタ252、別のインダクタ254、インダクタ256、コンデンサ258、コンデンサ260、およびコンデンサ262を含む。
【0103】
フィルタ250が第1のフィルタ106(例えばローパスフィルタなど)として使用されるとき、フィルタ250の入力InはLFMPS102に結合されており、フィルタ250の出力Outは第1のコンデンサ110(
図1)に結合されている。また、フィルタ250が第2のフィルタ108(例えばハイパスフィルタなど)として使用されるとき、フィルタ250の入力InはHFMPS104に結合されており、フィルタ250の出力Outは第2のコンデンサ112(
図1)に結合されている。
【0104】
フィルタ250の入力Inはインダクタ252に結合されており、インダクタ252はコンデンサ258と直列に結合されている。コンデンサ258は、コンデンサ260の第1の端、インダクタ256の第1の端、およびインダクタ254に結合されている。コンデンサ260の第1の端はインダクタ256の第1の端とインダクタ254とに結合されている。インダクタ254はコンデンサ262と直列に結合され、コンデンサ262はフィルタ250の出力Outに結合されている。コンデンサ260の第2の端は接地電位に結合されており、インダクタ256の第2の端は接地電位に結合されている。
【0105】
フィルタ250が第1のフィルタ106として使用されるとき、フィルタ250はRF信号116Aを受信し、RF信号116Aの低周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Aを出力する。また、フィルタ250は、出力RF信号126Bをフィルタ250の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Bの高周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Bをフィルタ250の入力Inにおいて提供する。
【0106】
フィルタ250が第2のフィルタ108として使用されるとき、フィルタ250はRF信号116Bを受信し、RF信号116Bの高周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Bを出力する。この場合、フィルタ250は、出力RF信号126Aをフィルタ250の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Aの低周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Aをフィルタ250の入力Inにおいて提供する。
【0107】
図2Dは、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタ等のバンドパスフィルタ270の一実施形態の図である。バンドパスフィルタ270は直列共振回路である。フィルタ270は、
図1の第1のフィルタ106または108の一例である。フィルタ270は、互いに直列に結合されたインダクタ272とコンデンサ274とを含む。
【0108】
フィルタ270がローパス第1フィルタ106として使用されるとき、フィルタ270の入力InはLFMPS102に結合されており、フィルタ270の出力Outは第1のコンデンサ110(
図1)に結合されている。また、フィルタ270がハイパス第2フィルタ108として使用されるとき、フィルタ270の入力InはHFMPS104に結合され、フィルタ270の出力Outは第2のコンデンサ112(
図1)に結合されている。
【0109】
フィルタ270の入力Inはインダクタ272に結合されており、インダクタ272はコンデンサ274と直列に結合されている。コンデンサ274はフィルタ270の出力Outに結合されている。
【0110】
フィルタ270が第1のフィルタ106として使用されるとき、フィルタ270はRF信号116Aを受信し、RF信号116Aの低周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Aを出力する。また、フィルタ270は、出力RF信号126Bをフィルタ270の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Bの高周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Bをフィルタ270の入力Inにおいて提供する。
【0111】
フィルタ270が第2のフィルタ108として使用されるとき、フィルタ270はRF信号116Bを受信し、RF信号116Bの高周波数を通過させて、フィルタリング済RF信号118Bを出力する。この場合、フィルタ270は、出力RF信号126Aをフィルタ270の出力Outにおいて受信し、出力RF信号126Aの低周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号128Aをフィルタ270の入力Inにおいて提供する。
【0112】
図3Aは、プラズマシステム300内でのLFMPS102およびHFMPS104の使用を例示するための、プラズマシステム300の一実施形態の図である。プラズマシステム300は、LFMPS102、HFMPS104、第1のフィルタ106、第2のフィルタ108、第1のコンデンサ110、第2のコンデンサ112、LFバイアスRF発生器(RFG)302、HFバイアスRFG304、整合器306、およびプラズマチャンバ308を含む。
【0113】
LFバイアスRFGの一例は、低周波数で動作して、低周波数を有するRF信号を生成するRF発生器である。例示すると、LFバイアスRFG302の動作周波数は、LFMPS102の動作周波数とは異なる。さらに例示すると、LFバイアスRFG302の動作周波数は2MHzであり、LFMPS102の動作周波数は400kHzである。別の例示としては、LFバイアスRFG302によって生成されたRF信号の周波数は、LFMPS102によって生成されたRF信号116Aの周波数と同じ(例えば等しい)である。同様に、HFバイアスRFG304の一例は、高周波数で動作して、高周波数を有するRF信号を生成するRF発生器である。例示すると、HFバイアスRFG304の動作周波数は、HFMPS104の動作周波数とは異なる。さらに例示すると、HFバイアスRFG304の動作周波数は60MHzであり、HFMPS104の動作周波数は27MHzである。別の例示としては、HFバイアスRFG304の動作周波数は、HFMPS104の動作周波数と同じである。
【0114】
本明細書に記載の整合器は、1つまたは複数の分岐回路を含む。一例として、整合器はハウジングまたは筐体を有する。整合器の例としては、インピーダンス整合ネットワークおよびインピーダンス整合回路が挙げられる。例示すると、整合器の各分岐回路は、インダクタ、レジスタ、およびコンデンサ等、1つまたは複数の電気回路部品を含む。さらに例示すると、各分岐回路は、直列回路、またはシャント回路、またはそれらの組み合わせを含む。シャント回路は、一端において直列回路に結合され、反対側の端において接地電位に結合されている。一例として、直列回路は互いに直列に結合された2つ以上の電気回路部品を含み、シャント回路は互いに直列に結合された2つ以上の電気回路部品を含む。別の例として、直列回路は少なくとも1つの電気部品を含み、シャント回路は少なくとも1つの電気回路部品を含む。
【0115】
整合器306は、整合器306の入力324Aと整合器306の出力326との間に結合された第1の分岐回路を含む。また、整合器306は、整合器306の別の入力324Bと出力326との間に結合された第2の分岐回路を含む。
【0116】
プラズマチャンバ308は、基板支持体310とRFコイル312を含む。半導体ウエハ等の基板Sが基板支持体310の上面に載置される。RFコイル312は、2つのターンを有し、RFコイル114(
図1)の一例である。基板支持体310の一例は、静電チャック(ESC)等のチャックである。基板支持体310は下部電極311を含むが、下部電極311はアルミニウムまたはアルミニウムの合金等の金属から作製されている。プラズマチャンバ308は誘電体窓314を有する。例えば、誘電体窓314がプラズマチャンバ308の上壁を形成する。RFコイル312は誘電体窓314の上方に位置する。
【0117】
ポイント122は、RFコイル312の端316にRF接続部125を介して結合されている。RFコイル312の反対側の端318は接地電位に結合されている。
【0118】
LFバイアスRFG302は整合器306の入力324AにRFケーブル320を介して結合され、HFバイアスRFG304は整合器306の入力324BにRFケーブル322を介して結合されている。整合器306の出力326は、RF伝送線328を介して基板310の下部電極311に結合されている。本明細書において使用されるRF伝送線の例として、RFシースで囲まれたRFロッドが挙げられる。RFロッドとRFシースとの間には絶縁材料が存在する。RF伝送線の別の例としては、RFロッドと1つまたは複数のRFストラップとの組み合わせが挙げられる。例示すると、RFロッドはRFシースで囲まれ、下部電極311に結合され、RFストラップを介して出力326に結合されている。
【0119】
合成RF信号123はポイント122からRF接続部125を介して端316に送信される。LFバイアスRFG302はRF信号330を生成し、RF信号330を入力324Aに送信する。同様に、HFバイアスRFG304はRF信号332を生成し、RF信号332をRFケーブル322を介して入力324Bに送信する。整合器306は、RF信号330および332を受信し、RF信号330および332のインピーダンスを修正して、出力326に結合された負荷のインピーダンスと、入力324Aおよび324Bに結合された供給源のインピーダンスとを整合させる。出力326に結合された負荷の例としては、RF伝送線328およびプラズマチャンバ308が挙げられる。入力324Aおよび324Bに結合された供給源の例としては、RFケーブル320および322、ならびにバイアスRF発生器302および304が挙げられる。RF信号330のインピーダンスは、整合器306の第1の分岐回路によって修正されて、第1の修正RF信号が出力され、RF信号332のインピーダンスは、整合器306の第2の分岐回路によって修正されて、第2の修正RF信号が出力される。第1および第2の修正RF信号は、出力326において、加算されるなどして合成されて、出力326において修正RF信号334が提供される。修正RF信号334は、出力326からRF伝送線328を介して下部電極311に送信される。
【0120】
1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に合成RF信号123および334に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持されるときに、基板Sが処理され、反射RF信号115がプラズマチャンバ308からRF接続部125を介してポイント122に向けて反射される。例えば、反射RF信号115は、プラズマチャンバ308からRF接続部125を介してポイント122に向けて反射される。基板Sを処理する例としては、基板Sの上部に金属または酸化物を堆積させることと、基板Sをエッチングすることと、基板Sをクリーニングすることと、基板Sをスパッタリングすることが挙げられる。
【0121】
一実施形態では、RFコイル312は
図3Aに示したものとは異なる数のターンを有する。
【0122】
ある実施形態では、RFコイル312の各ターンが異なる平面にある。
【0123】
図3Bは、下部電極311が接地電位に結合されているときのLFMPS102およびHFMPS104の使用を例示するための、プラズマシステム350の一実施形態の図である。プラズマシステム350は、LFMPS102、HFMPS104、第1のフィルタ106、第2のフィルタ108、第1のコンデンサ110、第2のコンデンサ112、およびプラズマチャンバ308を含む。下部電極311が接地電位に結合されている間、合成RF信号123が上記と同様の方法で生成され、RFコイル312に供給される。
【0124】
1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に合成RF信号123に加えて提供されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、反射RF信号115がプラズマチャンバ308からポイント122に向けて反射される。
【0125】
図4は、RFコイル114にRF電力を供給するためのLF源RFG402とHF源RFG404の使用を例示するための、システム400の一実施形態の図である。システム400は、LF源RFG402とHFRFG404を含む。システム400はさらに、二周波整合器406とRFコイル114を含む。
【0126】
LF源RFGの一例は、低周波数で動作して、低周波数を有するRF信号を生成するRF発生器である。例示すると、LF源RFG402の動作周波数は、LFMPS102(
図1)の動作周波数とは異なる。さらに例示すると、LF源RFGの動作周波数は2MHzであり、LFMPS102の動作周波数は400kHzである。別の例示としては、LF源RFG402によって生成されたRF信号420の周波数は、LFMPS102によって生成されたRF信号116Aの周波数とは異なる。さらに別の例示としては、LF源RFG402によって生成されたRF信号420の周波数は、LFMPS102の動作周波数と同じ(例えば等しい)である。
【0127】
同様に、HF源RFG404の一例は、高周波数で動作して、高周波数を有するRF信号を生成するRF発生器である。例示すると、HF源RFG404の動作周波数は、HFMPS104の動作周波数とは異なる。さらに例示すると、HF源RFG404の動作周波数は60MHzであり、HFMPS104の動作周波数は27MHzである。別の例示としては、HF源RFG404の動作周波数は、HFMPS104の動作周波数と同じである。
【0128】
LF源RFG402はRFケーブル408を介して二周波整合器406の入力410に結合され、HF源RFGは別のRFケーブル412を介して二周波整合器406の別の入力414に結合されている。二周波整合器406の出力416は、RFコイル114の端E1にRF接続部418を介して結合されている。
【0129】
LF源RFG402はRF信号420を生成し、RF信号420をRFケーブル408を介して入力410に供給する。RF信号420は低周波数を有する。さらに、HF源RFG404はRF信号422を生成し、RF信号422をRFケーブル412を介して入力414に供給する。RF信号422は高周波数を有する。二周波整合器406は、RF信号420および422を受信し、RF信号420および422のインピーダンスを修正して、出力416に結合された負荷のインピーダンスと、入力410および414に結合された供給源のインピーダンスとを整合させる。出力416に結合された負荷の例としては、RF接続部418および、RFコイル114を含むプラズマチャンバが挙げられる。入力410と414に結合された供給源の例としては、RFケーブル408および412、ならびに供給源RF発生器402および404が挙げられる。RF信号420のインピーダンスは二周波整合器406の第1の分岐回路によって修正されて第1の修正RF信号が出力され、RF信号422のインピーダンスは二周波整合器406の第2の分岐回路によって修正されて第2の修正RF信号が出力される。第1および第2の修正RF信号は、出力416において、加算されるなどして合成されて、出力416において修正RF信号426が提供される。修正RF信号426は、出力416からRF接続部418を介してRFコイル114に送信される。
【0130】
1つまたは複数のプロセスガスが、RFコイル114を含むプラズマチャンバに修正RF信号426に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号428の形で二周波整合器406に向けて反射される。
【0131】
一実施形態では、HF源RFG404をオンにしてRF信号422を所定時間生成し、LF源RFG402はオフのままとする。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、LF源RFG402がオンにされてRF信号420が生成される。LF源RFG402がオンにされると、HF源RFG404はオフにされるか、オンのままである。
【0132】
一実施形態では、LF源RFG402をオンにしてRF信号420を所定時間生成し、HF源RFG404をオンにしてRF信号422を所定時間生成する。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、HF源RFG404はオフにされるか、オンのままである。
【0133】
図5Aは、二周波整合器406の一例である二周波整合器500の一実施形態の図である。二周波整合器500は分岐回路501を含み、分岐回路501はフィルタ506と、シャント回路504と、直列回路507と、別のフィルタ508とを含む。二周波整合器500は別の分岐回路503を含み、分岐回路503はフィルタ510と、直列回路512と、シャント回路514と、別の直列回路516と、フィルタ518とを含む。フィルタ506の一例は第1のフィルタ106(
図1)であり、フィルタ508の一例は第1のフィルタ106である。また、フィルタ510の一例は第2のフィルタ108(
図1)であり、フィルタ518の一例は第2のフィルタ108である。シャント回路の一例は可変コンデンサまたは固定コンデンサであり、直列回路の一例は可変コンデンサまたは固定コンデンサである。
【0134】
フィルタ506は入力410とシャント回路504の端とに結合されている。シャント回路504の反対側の端は接地電位に結合されている。フィルタ506は直列回路507に結合されており、直列回路507はフィルタ508に結合されている。フィルタ108は出力416に結合されている。
【0135】
同様に、フィルタ510は入力414と直列回路512の端とに結合されている。直列回路512はシャント回路514の端に結合されている。シャント回路514の反対側の端は接地電位に結合されている。シャント回路514および直列回路512は直列回路516に結合されている。直列回路516はフィルタ518に結合されており、フィルタ518は出力416に結合されている。
【0136】
フィルタ506はその入力においてRF信号420を受信し、RF信号420の低周波数を通過させて、その出力においてフィルタリング済信号505を出力する。シャント回路504と直列回路507は、フィルタリング済RF信号505のインピーダンスを修正して、直列回路507の出力において修正RF信号509を提供する。フィルタ508は、修正RF信号509の低周波数を通過させて、その出力においてフィルタリング済信号511を出力する。
【0137】
同様に、フィルタ510はその入力においてRF信号422を受信し、RF信号422の高周波数を通過させて、その出力においてフィルタリング済RF信号513を出力する。直列回路512、シャント回路514、および直列回路516は、フィルタリング済RF信号513のインピーダンスを修正して、直列回路516の出力において修正RF信号515を提供する。フィルタ518は、修正RF信号515の高周波数を通過させ、その出力においてフィルタリング済信号517を出力する。フィルタリング済信号511は、加算されるなどしてフィルタリング済信号517と合成されて、修正RF信号426を生成し、修正RF信号426はRFコイル114に出力416を介して送信される。
【0138】
反射RF信号428は、出力416において反射RF信号520と別の反射RF信号522とに分割される。反射RF信号520は出力416からフィルタ508に送信され、反射RF信号522は出力416からフィルタ518に送信される。
【0139】
反射RF信号520は高周波数を有し、高周波数はフィルタ508によってフィルタリングされて、フィルタ508の入力においてフィルタリング済信号524が提供される。フィルタリング済信号524のインピーダンスは、直列回路507およびシャント回路504によって修正されて、修正RF信号526が出力される。フィルタ506は、修正RF信号526の高周波数をフィルタリングして除いて、フィルタ506の入力においてフィルタリング済信号528を提供する。一例として、フィルタリング済信号528は低周波数を有し、高周波数を含まない。別の例としては、フィルタリング済信号528は、最小量の高周波数と最大量の低周波数を有する。フィルタリング済信号528は、RF信号420の低周波数と干渉する高周波数が最小量であるか、全く有しない。フィルタリング済信号528は、LF源RFG402によってRFケーブル408を介して受信されたときに、LF源RFG402にダメージを与えないか、またはLF源RFG402に最小限のダメージを与える。
【0140】
同様に、反射RF信号522は低周波数を有し、低周波数はフィルタ518によってフィルタリングされて、フィルタ518の入力においてフィルタリング済信号530が提供される。フィルタリング済信号530のインピーダンスは、直列回路516、シャント回路514、および直列回路512によって修正されて、修正RF信号532が出力される。フィルタ510は、修正RF信号532の低周波数をフィルタリングして除いて、フィルタ510の入力にフィルタリング済信号534を提供する。一例として、フィルタリング済信号534は高周波数を有し、低周波数を含まない。別の例としては、フィルタリング済信号534は、最小量の低周波数と最大量の高周波数を有する。フィルタリング済信号524は、RF信号422の高周波数と干渉する低周波数が最小量であるか、全く有しない。フィルタリング済信号534は、HF源RFG404によってRFケーブル412を介して受信されたときに、HF源RFG404にダメージを与えないか、またはHF源RFG404に最小限のダメージを与える。
【0141】
図5Bは、
図4の二周波整合器406の別の例である二周波整合器550の一実施形態の図である。二周波整合器550は、二周波整合器550がフィルタ508および518を含まないことを除いて、二周波整合器500および
図5Aと構造および機能が同じである。代わりに、直列回路507が出力416に結合され、直列回路516が出力416に結合されている。例えば、二周波整合器550は分岐回路531を含み、分岐回路531はフィルタ506と、シャント回路504と、直列回路507とを含む。また、この例では、低周波整合器550は分岐回路533を含み、分岐回路533はフィルタ510と、直列回路512と、シャント回路514と、直列回路516とを含む。
【0142】
反射RF信号520のインピーダンスは、直列回路507およびシャント回路504によって修正されて、修正RF信号552がフィルタ506に提供される。フィルタ506は、修正RF信号552の高周波数を除去または低減するなどのフィルタリングを行って、フィルタ506の入力においてフィルタリング済信号554を提供する。一例として、フィルタリング済信号554は低周波数を有し、高周波数を含まない。別の例としては、フィルタリング済信号554は、最小量の高周波数と最大量の低周波数を有する。フィルタリング済信号554は、RF信号420の低周波数と干渉する高周波数が最小量であるか、全く有しない。フィルタリング済信号554は、LF源RFG402によってRFケーブル408を介して受信されたときに、LF源RFG402にダメージを与えないか、またはLF源RFG402に無視できる量のダメージを与える。
【0143】
同様に、反射RF信号522のインピーダンスは、直列回路516、シャント回路514、および直列回路512によって修正されて、修正RF信号555がフィルタ510に提供される。フィルタ510は、修正RF信号555の低周波数を除去または低減するなどのフィルタリングを行って、フィルタ510の入力においてフィルタリング済信号556を提供する。一例として、フィルタリング済信号556は高周波数を有し、低周波数を含まない。別の例としては、フィルタリング済信号556は、最小量の低周波数と最大量の高周波数を有する。フィルタリング済信号556は、RF信号422の高周波数と干渉する低周波数が最小量であるか、全く有しない。フィルタリング済信号556は、HF源RFG404によってRFケーブル412を介して受信されたときに、HF源RFG404にダメージを与えないか、またはHF源RFG404に無視できる量のダメージを与える。
【0144】
図5Cは、
図4の二周波整合器406のさらに別の例である二周波整合器570の一実施形態の図である。二周波整合器570は、二周波整合器570がフィルタ506および510を含まないことを除いて、二周波整合器500および
図5Aと構造および機能が同じである。代わりに、シャント回路504および直列回路507が入力410に結合されている。また、直列回路512は入力414に結合されている。例えば、二周波整合器570は分岐回路571を含み、分岐回路571はシャント回路504と、直列回路507と、フィルタ508とを含む。また、この例では、二周波整合器570が分岐回路573を含み、分岐回路573は直列回路512と、シャント回路514と、直列回路516と、フィルタ518とを含む。
【0145】
修正RF信号526は、RFケーブル408を介してLF源RFG402(
図4)に向けて反射される。修正RF信号526は、フィルタリング済信号524に基づいて生成される。このように、一例として、修正RF信号526は低周波数を有し、高周波数を含まない。別の例としては、修正RF信号526は、最小量の高周波数と最大量の低周波数を有する。修正RF信号526は、RF信号420の低周波数と干渉する高周波数が最小量であるか、全く有しない。修正RF信号526は、LF源RFG402によってRFケーブル408を介して受信されたときに、LF源RFG402にダメージを与えないか、またはLF源RFG402に無視できる量のダメージを与える。
【0146】
同様に、修正RF信号532は、RFケーブル412を介してHF源RFG404(
図4)に向けて反射される。修正RF信号532は、フィルタリング済信号530に基づいて生成される。このように、一例として、修正RF信号532は高周波数を有し、低周波数を含まない。別の例として、修正RF信号532は、最小量の低周波数と最大量の高周波数を有する。修正RF信号532は、RF信号422の高周波数と干渉する低周波数が最小量であるか、全く有しない。修正RF信号532は、HF源RFG405によってRFケーブル412を介して受信されたときに、HF源RFG404にダメージを与えないか、またはHF源RFG404に無視できる量のダメージを与える。
【0147】
図6Aは、LF源RFG402およびHF源RFG404の使用を例示するための、LFバイアスRFG302およびHFバイアスRFG304を有するプラズマシステム600の一実施形態の図である。プラズマシステム600は、LF源RFG402、HF源RFG404、二周波整合器406、プラズマチャンバ308、LFバイアスRFG302、HFバイアスRFG304、および整合器306を含む。
【0148】
二周波整合器406の出力416は、RF接続部418を介してプラズマチャンバ308のRFコイル312に結合されている。修正RF信号426は出力416からRF接続部418を介してRFコイル312に送信され、修正RF信号334は出力326からRF伝送線328を介して下部電極311に送信される。1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に修正RF信号326および334に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、反射RF信号428内に埋め込まれたRF電力が二周波整合器406に向けて反射される。
【0149】
図6Bは、LF源RFG402およびHF源RFG404の使用を例示するための、下部電極311がグラウンド電位に結合されているプラズマチャンバ308を有するシステム650の一実施形態の図である。システム650は、LF源RFG402、HF源RFG404、二周波整合器406、およびプラズマチャンバ308を含む。修正RF信号426がプラズマチャンバ308に供給され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。RF電力は、反射RF信号428の形で、プラズマチャンバ308からLF源RFG402およびHF源RFG404に向かう方向に反射される。
【0150】
図7Aは、LFMPS102の使用を例示するための、HF源RFG404を有するシステム700の一実施形態の図である。システム700は、LFMPS102、HF源RFG404、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、整合器702、およびRFコイル114を含む。一例として、
図5Aを参照すると、整合器702は分岐回路501を含まずに分岐回路503を含む。別の例として、
図5Bを参照すると、整合器702は分岐回路531を含まずに分岐回路533を含む。さらに別の例として、
図5Cを参照すると、整合器702は分岐回路571を含まずに分岐回路573を含む。
【0151】
HF源RFG404は整合器702に結合されており、整合器702はポイント122に結合されている。その入力においてRF信号422を受信すると、整合器702はRF信号422のインピーダンスを修正して修正RF信号704を出力する。例えば、RF信号422を入力において受信すると、整合器702は、整合器702の出力に結合された負荷のインピーダンスと、整合器702の入力に結合された供給源のインピーダンスとを整合して、修正RF信号704を出力する。整合器702の出力に結合された負荷の例としては、RFコイル114を有するプラズマチャンバが挙げられる。整合器702の出力に結合された負荷の別の例としては、出力とポイント122との間のRF接続部、ポイント122とRFコイル114との間の別のRF接続部、およびRFコイル114を含むプラズマチャンバが挙げられる。整合器702の入力に結合された供給源の例としては、HF源RFG404とRFケーブル412が挙げられる。出力RF信号120Aと修正RF信号704は、ポイント122において加算されるなどして合成されて、合成RF信号706を生成し、合成RF信号706はRF接続部125を介してRFコイル114に提供される。
【0152】
1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308(
図3A)に合成RF信号706に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号708の形でプラズマから反射される。反射RF信号708は、RF接続部125を介して伝達され、ポイント122において反射RF信号124Bと反射RF信号522とに分割される。反射RF信号124Bは、
図1を参照して上述したように、第1のコンデンサ110および第1のフィルタ106によって同じ方法で処理され、反射RF信号522は、分岐回路503(
図5A)、または533(
図5B)、または573(
図5C)によって上記と同じ方法で処理されて、修正RF信号710を出力する。修正RF信号710は、RF信号534(
図5A)、556(
図5B)、および532(
図5C)のいずれかの一例である。
【0153】
一実施形態では、HF源RFG404をオンにしてRF信号422を所定時間生成し、LFMPS102はオフのままとする。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、LFMPS102がオンにされてRF信号116Aが生成される。LFMPS102がオンにされると、HF源RFG404はオフにされるか、オンのままである。
【0154】
一実施形態では、LFMPS102をオンにしてRF信号116Aを所定時間生成し、HF源RFG404をオンにしてRF信号422を所定時間生成する。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、HF源RFG404はオフにされるか、オンのままである。
【0155】
一実施形態では、整合器702はポイント122にRF接続部を介して結合されている。
【0156】
図7Bは、LF源RFG402の使用を例示するための、HFMPS104を有するシステム750の一実施形態の図である。システム750は、LF源RFG402、整合器752、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、およびRFコイル114を含む。一例として、
図5Aを参照すると、整合器752は分岐回路503を含まずに分岐回路501を含む。別の例として、
図5Bを参照すると、整合器752は分岐回路533を含まずに分岐回路531を含む。さらに別の例として、
図5Cを参照すると、整合器752は分岐回路573を含まずに分岐回路571を含む。
【0157】
LF源RFG402は整合器752に結合されており、整合器752はポイント122に結合されている。その入力においてRF信号420を受信すると、整合器752はRF信号420のインピーダンスを修正して修正RF信号754を出力する。例えば、整合器752は、整合器752の出力に結合された負荷のインピーダンスと、整合器752の入力に結合された供給源のインピーダンスとを整合して、修正RF信号754を出力する。整合器752の出力に結合された負荷の例としては、RFコイル114を有するプラズマチャンバが挙げられる。整合器752の出力に結合された負荷の別の例としては、出力とポイント122との間のRF接続部、ポイント122とRFコイル114との間の別のRF接続部、およびRFコイル114を含むプラズマチャンバが挙げられる。整合器752の入力に結合された供給源の例としては、LF源RFG402とRFケーブル408が挙げられる。修正RF信号754と出力RF信号120Bは、ポイント122において加算されるなどして合成されて、合成RF信号756を生成し、合成RF信号756はRF接続部125を介してRFコイル114に提供される。
【0158】
1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバに合成RF信号756に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号758の形でプラズマから反射される。反射RF信号758は、RF接続部125を介して伝わり、ポイント122において反射RF信号124Aと反射RF信号520とに分割される。反射RF信号124Aは、
図1を参照して上述したように、第2のコンデンサ112および第2のフィルタ108によって同じ方法で処理され、反射RF信号520は、分岐回路501(
図5A)、または531(
図5B)、または571(
図5C)によって上記と同じ方法で処理されて、修正RF信号760を出力する。修正RF信号760は、RF信号528(
図5A)、554(
図5B)、および526(
図5C)のいずれかの一例である。
【0159】
一実施形態では、HFMPS104をオンにしてRF信号116Bを所定時間生成し、LF源RFG402はオフのままとする。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、LF源RFG402がオンにされてRF信号420が生成される。LF源RFG402がオンにされると、HFMPS104はオフにされるか、オンのままである。
【0160】
一実施形態では、LF源RFG402をオンにしてRF信号420を所定時間生成し、HFMPS104をオンにしてRF信号116Bを所定時間生成する。所定時間内にプラズマチャンバ内でプラズマが点火または打撃されると、HFMPS104はオフにされるか、オンのままである。
【0161】
ある実施形態では、整合器752はポイント122にRF接続部を介して結合されている。
【0162】
図8Aは、LFMPS102およびHF源RFG404の使用を例示するための、LFバイアスRFG302およびHFバイアスRFG304を有するシステム800の一実施形態の図である。システム800は、LFMPS102、HF源RFG404、フィルタ106、第1のコンデンサ110、整合器702、プラズマチャンバ308、LFバイアスRFG302、HFバイアスRFG304、および整合器306を含む。ポイント122は、RFコイル312の端314にRF接続部125を介して結合されている。
【0163】
合成RF信号706はポイント122からRF接続部125を介してRFコイル312に供給される。修正RF信号334がまた下部電極311に供給され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、反射RF信号708がRFコイル312からRF接続部125を介してポイント122に向けて反射される。
【0164】
図8Bは、下部電極311が接地電位に結合されているときのLFMPS102およびHF源RFG404の使用を例示するための、システム820の一実施形態の図である。システム820は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HF源RFG404、整合器702、およびプラズマチャンバ308を含む。合成RF信号706がRFコイル312に供給され、下部電極が接地電位に結合され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、反射RF信号708がRFコイル312からRF接続部125を介してポイント122に向けて反射される。
【0165】
図8Cは、LF源RFG402およびHFMPS104の使用を例示するための、LFバイアスRFG302およびHFバイアスRFG304を有するシステム840の一実施形態の図である。システム840は、LF源RFG402、整合器752、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、プラズマチャンバ308、LFバイアスRFG302、HFバイアスRFG304、および整合器306を含む。ポイント122は、RF接続部125を介してRFコイル312に結合されている。
【0166】
合成RF信号756がRF接続部125を介してプラズマチャンバ308に修正RF信号334および1つまたは複数のプロセスガスに加えて供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されると、反射RF信号758が生成され、RF接続部125を介してポイント122に伝達される。
【0167】
図8Dは、下部電極311が接地電位に結合されているときのLF源RFG402およびHFMPS104の使用を例示するための、システム860の一実施形態の図である。システム860は、LF源RFG402、HFMPS104、整合器752、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、およびプラズマチャンバ308を含む。
【0168】
合成RF信号756がRF接続部125を介してプラズマチャンバ308に1つまたは複数のプロセスガスに加えて供給され、下部電極311が接地電位に結合されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、反射RF信号758のRF電力がRF接続部125を介してポイント122に向けて反射される。
【0169】
図9Aは、高周波数を複数のRFコイル114および902に提供し、低周波数と高周波数をRFコイル114に提供する方法を例示するための、システム900の一実施形態の図である。システム900は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器906、ならびにRFコイル114および902を含む。信号分割器906は、第3のコンデンサ908および第4のコンデンサ910を含む。RFコイル114と902はともに、後述する同じプラズマチャンバのものである。
【0170】
第2のコンデンサ112は、コンデンサ908および910に分割ポイント912を介して結合されている。一例として、第2のコンデンサ112は、2つのRFストラップに分割された単一のRFストラップ等の分割RF接続部を介してコンデンサ908および910に結合されている。この例では、単一のRFストラップが分割ポイント912において分割される。第3のコンデンサ908はポイント122に結合され、第4のコンデンサ910はRFコイル904の端E3に結合されている。例えば、第3のコンデンサ908はポイント122にRF接続部を介して結合され、第4のコンデンサ910は端E3にRF接続部を介して結合されている。RFコイル904の反対側の端E4は接地電位に結合されている。
【0171】
第2のコンデンサ112は、第2のフィルタ108からフィルタリング済信号118Bを受信し、第2のフィルタ108のリアクタンスとRFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスとのバランスをとって、出力RF信号901を提供する。例示すると、第2のコンデンサ112は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスと、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスである第2のリアクタンスとを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定の範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第2のコンデンサ112のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。別の例示として、第2のコンデンサ112は、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。この例示では、第2のコンデンサ112は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスと、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスである第2のリアクタンスとを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第2のコンデンサ112のキャパシタンスにより、HFMPS102の高周波数の共振周波数が高い。一例として、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスは、RFコイル114のリアクタンスとRFコイル904のリアクタンスとの合計または和である。出力RF信号901は、第2のコンデンサ112から分割ポイント912に提供される。
【0172】
出力RF信号901は分割ポイント912において出力RF信号914と出力RF信号916とに分割される。例えば、出力RF信号902のRF電力は、出力RF信号914のRF電力と出力RF信号916のRF電力とに分けられる。第3のコンデンサ908は、出力RF信号914のインピーダンスを修正して、出力RF信号918を提供する。例えば、第3のコンデンサ908は、RFコイル114のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスのバランスをとって、出力RF信号918を提供する。例示すると、第3のコンデンサ908は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第3のコンデンサ908のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。別の例示として、第3のコンデンサ908は、RFコイル114のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。この例示では、第3のコンデンサ908は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第3のコンデンサ908のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。出力RF信号918は、第3のコンデンサ908からポイント122に提供される。
【0173】
また、第4のコンデンサ910は、出力RF信号916のインピーダンスを修正して、出力RF信号920を提供する。例えば、第4のコンデンサ910は、RFコイル904のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスのバランスをとって、出力RF信号920を提供する。例示すると、第4のコンデンサ910は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル904の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第4のコンデンサ910のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。別の例示として、第4のコンデンサ910は、RFコイル904のリアクタンスに対して第2のフィルタ108のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。例示すると、第4のコンデンサ910は、第2のフィルタ108の第1のリアクタンスとRFコイル904の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第4のコンデンサ910のキャパシタンスにより、HFMPS104の高周波数の共振周波数が高い。出力RF信号920は、第4のコンデンサ910からRFコイル904に提供される。
【0174】
出力RF信号914、916、918、および920は高周波数を有する。出力RF信号120Aは低周波数を有する。
【0175】
出力RF信号918は、加算されるなどして出力RF信号120Aと合成されて、ポイント122において合成RF信号922を生成する。合成RF信号922は、出力RF信号918の高周波数および出力RF信号120Aの低周波数の組み合わせを有する。合成RF信号922は、RF接続部125を介してRFコイル114の端E1に伝達される。また、出力RF信号920は、第4のコンデンサ910からRFコイル904の端E3に伝達される。
【0176】
合成RF信号922がRFコイル114に提供され、出力RF信号920がRFコイル904に提供されるときに、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。プラズマがプラズマチャンバ内で生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号924の形でプラズマチャンバから反射される。反射RF信号924は、RFコイル114、端E1、およびRF接続部125を介してポイント122に伝達される。反射RF信号124は、反射RF信号124Bと反射RF信号926とに分割される。反射RF信号124Bは、ポイント122から第1のコンデンサ110に提供される。反射RF信号926は、ポイント122から第3のコンデンサ908に提供される。
【0177】
第3のコンデンサ908は、反射RF信号926のインピーダンスを修正して、RF信号928をコンデンサ112に提供する。例えば、第3のコンデンサ908は、RF信号928を受信し、上記と同様の方法で第2のフィルタ108およびRFコイル904のリアクタンス間のバランスをとって、RF信号928を提供する。例示すると、第3のコンデンサ908は、反射RF信号926のインピーダンスを、ゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、RF信号928を提供する。
【0178】
また、プラズマがプラズマチャンバ内で生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号930の形でプラズマチャンバから反射される。反射RF信号930は、RFコイル904および端E3を介して第4のコンデンサ910に伝達される。第4のコンデンサ910は、反射RF信号930のインピーダンスを修正して、その入力においてRF信号932を出力する。例えば、第4のコンデンサ910は、反射RF信号930のインピーダンスを、ゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、RF信号932を提供する。RF信号928および932が分割ポイント912において合成されて反射RF信号124Aが生成される。反射RF信号124Aは、分割ポイント912から第2のコンデンサ112に向けて反射される。
【0179】
一実施形態では、第2のコンデンサ112は分割ポイント912にRF接続部を介して結合され、分割ポイント912は第3のコンデンサ908に別のRF接続部を介して結合されている。また、分割ポイント912はコンデンサバンク910にRF接続部を介して結合されている。さらに、第3のコンデンサ908はポイント122にRF接続部を介して結合され、第4のコンデンサ910は端E3にRF接続部を介して結合されている。この実施形態では、RF信号124Aおよび120Bは、第2のコンデンサ112と分割ポイント912との間のRF接続部を介して、第2のコンデンサ112と分割ポイント912との間で伝達される。また、RF信号914および928は、分割ポイント912と第3のコンデンサ908との間のRF接続部を介して、分割ポイント912と第3のコンデンサ908との間で伝達される。さらに、RF信号916および932は、分割ポイント912と第4のコンデンサ910との間のRF接続部を介して、分割ポイント912と第4のコンデンサ910との間で伝達される。また、RF信号918および926は、第3のコンデンサ908とポイント122との間のRF接続部を介して、第3のコンデンサ908とポイント122との間で伝達される。さらに、RF信号920および930は、第4のコンデンサ910と端E3との間のRF接続部を介して、第4のコンデンサ910と端E3との間で伝達される。
【0180】
図9Bは、低周波数を複数のRFコイル114および902に提供し、低周波数と高周波数をRFコイル904に提供する方法を例示するための、システム950の一実施形態の図である。システム950は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器952、ならびにRFコイル114および902を含む。信号分割器952は、第3のコンデンサ954および第4のコンデンサ956を含む。
【0181】
第1のコンデンサ110は、コンデンサ954および956に分割ポイント958を介して結合されている。一例として、第1のコンデンサ110は、2つのRFストラップに分割された単一のRFストラップ等の分割RF接続部を介してコンデンサ954および956に結合されている。この例では、単一のRFストラップが分割ポイント958において分割される。第4のコンデンサ956はポイント960に結合され、第3のコンデンサ954はRFコイル114の端E1に結合されている。例えば、第4のコンデンサ956はポイント960にRF接続部を介して結合され、第3のコンデンサ954は端E1にRF接続部を介して結合されている。また、第2のコンデンサ112はポイント960に結合されている。ポイント960は、RF接続部972を介してRFコイル904の端E3に結合されている。
【0182】
第1のコンデンサ110はフィルタリング済信号118Aを受信し、第1のフィルタ106のリアクタンスとRFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスとのバランスをとって、出力RF信号951を提供する。例示すると、第1のコンデンサ110は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスと、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスである第2のリアクタンスとを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第1のコンデンサ110のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。別の例示として、第1のコンデンサ110は、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。例示すると、第1のコンデンサ110は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスと、RFコイル114および904の組み合わされたリアクタンスである第2のリアクタンスとを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第1のコンデンサ110のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。出力RF信号951は、第1のコンデンサ110からポイント958に提供される。
【0183】
出力RF信号951はポイント958において出力RF信号962と出力RF信号964とに分割される。第3のコンデンサ954は、出力RF信号962のインピーダンスを修正して、出力RF信号966を提供する。例えば、第3のコンデンサ954は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスのバランスをとって、出力RF信号966を提供する。例示すると、第3のコンデンサ954は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第3のコンデンサ908のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。別の例示として、第3のコンデンサ954は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。例示すると、第3のコンデンサ954は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第3のコンデンサ954のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。出力RF信号966は、第3のコンデンサ954からRFコイル114に提供される。
【0184】
また、第4のコンデンサ956は、出力RF信号964のインピーダンスを修正して、出力RF信号968を提供する。例えば、第4のコンデンサ956は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスのバランスをとって、出力RF信号968を提供する。例示すると、第4のコンデンサ956は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは、第2のリアクタンスの振幅から所定の範囲内にあり、第2のリアクタンスの方向とは反対方向の振幅を有する。この例示では、第4のコンデンサ956のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。別の例示として、第4のコンデンサ956は、RFコイル114のリアクタンスに対して第1のフィルタ106のリアクタンスを打ち消すキャパシタンスを有する。例示すると、第4のコンデンサ956は、第1のフィルタ106の第1のリアクタンスとRFコイル114の第2のリアクタンスを達成するキャパシタンスを有する。この例示では、第1のリアクタンスは第2のリアクタンスと振幅が等しく、方向が反対である。この例示では、第4のコンデンサ956のキャパシタンスにより、LFMPS102の低周波数の共振周波数が低い。出力RF信号968は、第4のコンデンサ956からポイント960に提供される。
【0185】
出力RF信号962、964、966、および968は低周波数を有する。出力RF信号120Bは高周波数を有する。
【0186】
出力RF信号968は、加算されるなどして出力RF信号120Bと合成されて、ポイント960において合成RF信号970を生成する。合成RF信号970は、出力RF信号968の低周波数および出力RF信号120Bの高周波数の組み合わせを有する。合成RF信号970は、RF接続部972を介してRFコイル904の端E3に伝達される。また、出力RF信号966は、第3のコンデンサ954からRFコイル114の端E1に伝達される。
【0187】
合成RF信号970がRFコイル904に提供され、出力RF信号966がRFコイル114に供給されるときに、RFコイル114および904を含むプラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持される。プラズマがプラズマチャンバ内で生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号974の形でプラズマチャンバから反射される。反射RF信号974は、RFコイル904、端E3、およびRF接続部972を介してポイント960に伝達される。反射RF信号974は、ポイント960において、反射RF信号124Aと反射RF信号976とに分割される。反射RF信号124Aは、ポイント960から第2のコンデンサ112に提供される。反射RF信号976は、ポイント960から第4のコンデンサ956に提供される。第4のコンデンサ956は、反射RF信号976のインピーダンスを修正して、その入力においてRF信号978を提供する。例えば、第4のコンデンサ956は、上記と同様の方法で第1のフィルタ106およびRFコイル904のリアクタンス間のバランスをとって、RF信号978を分割ポイント958に提供する。例示すると、第4のコンデンサ956は、反射RF信号976のインピーダンスをゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、RF信号978を分割ポイント958に出力する。
【0188】
また、プラズマチャンバ内でプラズマが生成または維持されるときに、RF電力が反射RF信号980の形でプラズマチャンバから反射される。反射RF信号980は、RFコイル114および端E1を介して第3のコンデンサ954に伝達される。第3のコンデンサ954は、反射RF信号980のインピーダンスを修正して、その入力においてRF信号982を出力する。例えば、第3のコンデンサ954は、上記と同様の方法で第1のフィルタ106およびRFコイル114のリアクタンス間のバランスをとって、RF信号982を分割ポイント958に提供する。例示すると、第3のコンデンサ954は、反射RF信号980のインピーダンスをゼロまたはゼロに近くするなど最小量に低減して、RF信号982を分割ポイント958に出力する。RF信号982および978が分割ポイント958において合成されて反射RF信号124Bが生成される。反射RF信号124Bは、分割ポイント958から第1のコンデンサ110に向けて反射される。
【0189】
ある実施形態では、第1のコンデンサ110は分割ポイント958にRF接続部を介して結合されている。また、分割ポイント958は第3のコンデンサ954にRF接続部を介して結合され、分割ポイント958は第4のコンデンサ956にRF接続部を介して結合されている。さらに、第3のコンデンサ954は端E1にRF接続部を介して結合され、第4のコンデンサ956はポイント960にRF接続部を介して結合されている。また、第2のコンデンサ112はポイント960にRF接続部を介して結合されている。この実施形態では、RF信号951および124Bは、第1のコンデンサ110と分割ポイント958との間のRF接続部を介して、第1のコンデンサ110と分割ポイント958との間で伝達される。さらに、RF信号962および982は、分割ポイント958と第3のコンデンサ954との間のRF接続部を介して、分割ポイント958と第3のコンデンサ954との間で伝達される。さらに、RF信号966および980は、第3のコンデンサ954と端E1との間のRF接続部を介して、第3のコンデンサ954と端E1との間で伝達される。また、RF信号964および978は、分割ポイント958と第4のコンデンサ956との間のRF接続部を介して、分割ポイント958と第4のコンデンサ956との間で伝達される。加えて、RF信号968および976は、第4のコンデンサ956とポイント960との間のRF接続部を介して、第4のコンデンサ956とポイント960との間で伝達される。また、RF信号120Bおよび124Aは、ポイント960と第2のコンデンサ112との間のRF接続部を介して、ポイント960と第2のコンデンサ112との間で伝達される。
【0190】
図9Cは、低周波数がRFコイル904へ適用されないようにフィルタリングする方法を例示するための、プラズマシステム980の一実施形態の図である。プラズマシステム980ではフィルタ983が使用されることを除き、プラズマシステム980はプラズマシステム900(
図9A)と構造および機能が同じである。フィルタ983の例としては、ハイパスフィルタ230(
図2B)、バンドパスフィルタ250(
図2C)、およびバンドパスフィルタ270(
図2D)が挙げられる。
【0191】
フィルタ983はコンデンサ910とRFコイル904との間に結合されている。例えば、フィルタ983の一端はコンデンサ910に結合され、フィルタ983の反対側の端はRFコイル904の端E3に結合されている。
【0192】
出力信号920が低周波数を含む場合、フィルタ983は出力RF信号920をコンデンサ910から受信し、低周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号984を出力する。一例として、フィルタ983によってLFMPS102からフィルタ106、コンデンサ110、ポイント122、コンデンサ908、分割ポイント912、およびコンデンサ910を介して受信されたときに、低周波数は出力信号920に埋め込まれる。フィルタリング済信号984はRFコイル904に提供される。この方法では、RFコイル904が低周波数によってダメージを受けない。
【0193】
合成RF信号922がRFコイル114に供給され、フィルタリング済信号984がRFコイル904に提供されるときに、RFコイル114および904を含むプラズマチャンバ内でプラズマが生成される。プラズマが生成されるときに、プラズマからのRF電力が反射RF信号986の形でフィルタ983に向けて反射される。フィルタ983は、反射RF信号986の高周波数を通過させ、反射RF信号986の低周波数をフィルタリングして除いて、反射RF信号930を出力する。反射RF信号930はフィルタ983からコンデンサ910に送信される。
【0194】
図9Dは、高周波数がRFコイル114へ適用されないようにフィルタリングする方法を例示するための、プラズマシステム990の一実施形態の図である。プラズマシステム990ではフィルタ992が使用されることを除き、プラズマシステム990はプラズマシステム950(
図9B)と構造および機能が同じである。フィルタ992の例としては、ローパスフィルタ200(
図2A)、バンドパスフィルタ250(
図2C)、およびバンドパスフィルタ270(
図2D)が挙げられる。
【0195】
フィルタ992はコンデンサ954とRFコイル114との間に結合されている。例えば、フィルタ992の一端はコンデンサ954に結合され、フィルタ992の反対側の端はRFコイル114の端E1に結合されている。
【0196】
出力RF信号966が高周波数を含む場合、フィルタ992は出力RF信号966をコンデンサ954から受信し、高周波数をフィルタリングして除いて、フィルタリング済信号994を出力する。一例として、フィルタ992によってHFMPS104から第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、ポイント960、コンデンサ956、分割ポイント958、およびコンデンサ954を介して受信されたときに、高周波数は出力RF信号966に埋め込まれる。フィルタリング済信号994はRFコイル114に提供される。この方法では、RFコイル114が高周波数によってダメージを受けない。
【0197】
合成RF信号970がRFコイル904に供給され、フィルタリング済信号994がRFコイル114に提供されるときに、RFコイル114および904を含むプラズマチャンバ内でプラズマが生成される。プラズマが生成されるときに、プラズマからのRF電力が反射RF信号996の形でフィルタ992に向けて反射される。フィルタ992は、反射RF信号996の低周波数を通過させ、反射RF信号996の高周波数をフィルタリングして除いて、反射RF信号980を出力する。反射RF信号980はフィルタ992からコンデンサ954に送信される。
【0198】
図10Aは、プラズマシステム1000内での信号分割器906の使用を例示するための、プラズマシステム1000の一実施形態の図である。プラズマシステム1000は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器906、LFバイアスRFG302、HFバイアスRFG304、整合器306、およびプラズマチャンバ1002を含む。プラズマチャンバ1002がRFコイル1004を含むことを除いて、プラズマチャンバ1002はプラズマチャンバ308(
図3A)と構造が同じである。
【0199】
RFコイル1004はRFコイル312の周辺にある。例えば、RFコイル1004はRFコイル312を囲み、RFコイル312と同じ水平面に配置される。RFコイル1004はRFコイル904(
図9A)の一例である。コンデンサ910はRFコイル1004の端E3に結合されている。
【0200】
合成RF信号922がRFコイル312に供給され、出力RF信号920がRFコイル1004に供給され、修正RF信号334が下部電極311に供給され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ1002に提供されるときに、プラズマチャンバ1002内でプラズマが生成される。プラズマのRF電力は、反射RF信号930および924の形で反射される。
【0201】
一実施形態では、RFコイル1004は、RFコイル302が配置された水平面とは異なる水平面に配置されている。
【0202】
図10Bは、信号分割器906の使用を例示するための、下部電極311が接地電位に結合されているプラズマチャンバ1002を有するプラズマシステム1020の一実施形態の図である。プラズマシステム1020は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器906、およびプラズマチャンバ1002を含む。
【0203】
合成RF信号922がRFコイル312に供給され、出力RF信号920がRFコイル1004に供給され、下部電極311が接地電位に結合され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ1002に提供されるときに、プラズマチャンバ1002内でプラズマが生成される。プラズマのRF電力は、反射RF信号930および924の形で反射される。
【0204】
図10Cは、プラズマシステム1040における信号分割器の使用を例示するための、プラズマシステム1040の一実施形態の図である。プラズマシステム1040は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器952、LFバイアスRFG302、HFバイアスRFG304、整合器306、およびプラズマチャンバ1002を含む。ポイント960はRFコイル1004の端E3に結合されている。
【0205】
合成RF信号970がRFコイル1004に供給され、出力RF信号966がRFコイル312に供給され、修正RF信号334が下部電極311に供給され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ1002に提供されるときに、プラズマチャンバ1002内でプラズマが生成される。プラズマのRF電力は、反射RF信号974および980の形で反射される。
【0206】
図10Dは、信号分割器952の使用を例示するための、下部電極311が接地電位に結合されているプラズマチャンバ1002を有するプラズマシステム1050の一実施形態の図である。プラズマシステム1050は、LFMPS102、第1のフィルタ106、第1のコンデンサ110、HFMPS104、第2のフィルタ108、第2のコンデンサ112、信号分割器952、およびプラズマチャンバ1002を含む。
【0207】
合成RF信号970がRFコイル1004に供給され、出力RF信号966がRFコイル312に供給され、下部電極311が接地電位に結合され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ1002に提供されるときに、プラズマチャンバ1002内でプラズマが生成される。プラズマのRF電力は、反射RF信号974および980の形で反射される。
【0208】
図11Aは、クロック信号1102を例示するためのグラフ1100の一実施形態である。グラフ1100では、時間tに対するクロック信号1102の論理レベルがプロットされている。クロック信号1102は、論理レベル1と論理レベル0との間で周期的に遷移する。例えば、クロック信号1102のサイクル1の間、時間t0において、クロック信号1102は論理レベル0から論理レベル1に遷移する。サイクル1の間、クロック信号1102は時間t0から時間t8まで、論理レベル1に留まる。さらに、サイクル1の間、時間t8において、クロック信号1102は論理レベル1から論理レベル0に遷移する。クロック信号1102は時間t8から時間t16まで、論理レベル0に留まる。クロック信号1102のサイクル2の間、時間t16において、クロック信号1102は論理レベル0から論理レベル1に遷移する。サイクル2はサイクル1に連続している。サイクル2の間、クロック信号1102は時間t16から時間t24まで論理レベル1に留まる。さらに、サイクル1の間、時間t24において、クロック信号1102は論理レベル1から論理レベル0に遷移する。クロック信号1102は時間t24から時間t32まで論理レベル0に留まる。このようにして、クロック信号1102の論理レベル0および1が、クロック信号1102の追加サイクルの間に周期的に繰り返される。
【0209】
図11Bは、LFMPS102(
図1)またはLFバイアスRFG302(
図3A)またはLF源RFG402(
図4)によって生成されたRF信号1106の、電力または電圧等のパラメータを例示するためのグラフ1104の一実施形態である。RF信号1106は、RF信号116A(
図1)またはRF信号330(
図3A)またはRF信号420(
図4)の一例である。RF信号1106は、正弦波信号等の連続波(CW)信号であり、PR2および-PR2のピーク・トゥ・ピークのパラメータレベル、またはPR2のゼロ・トゥ・ピークの振幅を有する。例えば、RF信号1106は、クロック信号1102の各クロックサイクルの間、パラメータレベルPR2と-PR2との間で周期的に振動する。パラメータレベルPR2はパラメータレベルPR0よりも大きく、パラメータレベルPR0はパラメータレベル-PR2よりも大きい。
【0210】
図11Cは、HFMPS104(
図1)またはHFバイアスRFG304(
図3A)またはHF源RFG404(
図4)によって生成されたRF信号1110のパラメータを例示するためのグラフ1108の一実施形態である。グラフ1108では、Y軸上にRF信号1110のパラメータを、X軸上に時間tをプロットしている。RF信号1110は、RF信号116B(
図1)またはRF信号332(
図3A)またはRF信号422(
図4)の一例である。RF信号1110は連続波信号であり、PRbおよび-PRbのピーク・トゥ・ピークのパラメータレベル、またはPRbのゼロ・トゥ・ピークの振幅を有する。例えば、RF信号1110は、クロック信号1102の各クロックサイクルの間、パラメータレベルPRbと-PRbとの間で周期的に振動する。パラメータレベルPRbはパラメータレベルPR0より大きく、パラメータレベルPR0はパラメータレベル-PRbよりも大きい。一例として、パラメータレベルPRbはパラメータレベルPR2よりも低く、パラメータレベル-PRbはパラメータレベル-PR2よりも高い。別の例として、パラメータレベルPR2はパラメータレベルPRbよりも低く、パラメータレベル-PR2はパラメータレベル-PRbよりも高い。
【0211】
なお、RF信号1110の振動の周波数は、RF信号1106の振動の周波数よりも大きい。そのため、RF信号1110はRF信号1106よりも高い周波数を有する。
【0212】
図11Dは、パラメータレベルPR2および-PR2とパラメータレベルPR1および-PR1との間でパルス出力されるRF信号1114を例示するためのグラフ1112の実施形態である。グラフ1112では、Y軸上にRF信号1114のパラメータが、X軸上に時間tがプロットされている。パラメータレベルPR2および-PR2は、RF信号1114のパラメータの状態S1を表す。また、パラメータレベルPR1および-PR1は、RF信号1114のパラメータの状態S2を表す。パラメータレベルPR1は、パラメータレベルPR2よりも低く、パラメータレベルPR0よりも高い。同様に、パラメータレベル-PR1はパラメータレベル-PR2よりも高く、パラメータレベルPR0よりも低い。RF信号1114は、RF信号116A(
図1)またはRF信号330(
図3A)またはRF信号420(
図4)の一例である。
【0213】
クロック信号1102のサイクル1の間、時間t0において、RF信号1114のパラメータが、パラメータレベルPR1からパラメータレベルPR2、およびパラメータレベル-PR1からパラメータレベル-PR2へ遷移するなどしてパルス出力される。RF信号1114は時間t0から時間t8までパラメータレベルPR2と-PR2との間で振動する。また、時間t0から時間t8までのRF信号1114のピーク・トゥ・ピークのパラメータレベルは、PR2および-PR2である。
【0214】
さらに、クロック信号1102のサイクル1の間、時間t8において、RF信号1114のパラメータが、パラメータレベルPR2からパラメータレベルPR1、およびパラメータレベル-PR2からパラメータレベル-PR1へパルス出力される。RF信号1114は時間t8から時間t16までパラメータレベルPR1と-PR1との間で振動する。また、時間t8から時間t16までのRF信号1114のピーク・トゥ・ピークのパラメータレベルのパラメータレベルは、PR1および-PR1である。同様の方法で、パラメータレベルPR2と-PR2、およびパラメータレベルPR1と-PR1が、クロック信号1102のサイクル2の間に繰り返される。
【0215】
図11Eは、パラメータレベルPRbとパラメータレベルPRaとの間、およびパラメータレベル-PRbとパラメータレベル-PRaとの間でパルス出力されるRF信号1118を例示するためのグラフ1116の一実施形態である。グラフ1116では、Y軸上にRF信号1118のパラメータが、X軸上に時間tがプロットされている。パラメータレベルPRbおよび-PRbは、RF信号1118のパラメータの状態S1を表す。また、パラメータレベルPRaおよび-PRaは、RF信号1118のパラメータの状態S2を表す。パラメータレベルPRaはパラメータレベルPRbよりも低く、パラメータレベルPR0よりも高い。同様に、パラメータレベル-PRaはパラメータレベル-PRbよりも高く、パラメータレベルPR0よりも低い。RF信号1118は、RF信号116B(
図1)またはRF信号332(
図3A)またはRF信号422(
図4)の一例である。
【0216】
クロック信号1102のサイクル1の間、時間t0において、RF信号1118のパラメータが、パラメータレベルPRaからパラメータレベルPRb、およびパラメータレベル-PRaからパラメータレベル-PRbへパルス出力される。RF信号1118は時間t0から時間t8までパラメータレベルPRbと-PRbとの間で振動する。
【0217】
さらに、クロック信号1102のサイクル1の間、時間t8において、RF信号1118のパラメータが、パラメータレベルPRbからパラメータレベルPRa、およびパラメータレベル-PRbからパラメータレベル-PRaへパルス出力される。RF信号1118は、時間t8から時間t16までパラメータレベルPRaと-PRaとの間で振動する。また、時間t8から時間t16までのRF信号1118のピーク・トゥ・ピークのパラメータレベルは、PRaおよび-PRaである。同様の方法で、パラメータレベルPRbと-PRb、およびパラメータレベルPRaと-PRaが、クロック信号1102のサイクル2の間に繰り返される。なお、RF信号1118の振動の周波数は、RF信号1114の振動の周波数よりも大きい。
【0218】
図11Fは、RF信号1114のグラフ1112の一実施形態である。
【0219】
図11Gは、RF信号1114(
図11F)のパルス出力と位相がずれたRF信号1122のパルス出力を例示するためのグラフ1120の一実施形態である。グラフ1120では、時間tに対するRF信号1122のパラメータがプロットされている。RF信号1122は、RF信号116B(
図1)またはRF信号332(
図3A)またはRF信号422(
図4)の一例である。
【0220】
クロック信号1102のサイクル1の間、時間t0から時間t2まで、RF信号1122のパラメータがパラメータレベルPRaと-PRaとの間でパルス出力される。さらに、クロック信号1102のサイクル1の間、時間t2において、RF信号1122のパラメータが、パラメータレベルPRaからパラメータレベルPRb、およびパラメータレベル-PRaからパラメータレベル-PRbへパルス出力される。パラメータレベルPRaおよび-PRaは、RF信号1122のパラメータの状態S1を表す。また、パラメータレベルPRbおよび-PRbは、RF信号1122のパラメータの状態S2を表す。時間t2は時間t0の後に生じる。クロック信号1102のサイクル1の間、時間t2から時間t10まで、RF信号1122のパラメータが、パラメータレベルPRbと-PRbとの間でパルス出力される。時間t10は時間t8の後に生じる。
【0221】
また、クロック信号1102のサイクル1の間、時間t10において、RF信号1122のパラメータが、パラメータレベルPRbからパラメータレベルPRa、およびパラメータレベル-PRbからパラメータレベル-PRaへパルス出力される。RF信号1122は、時間t10から時間t16までパラメータレベルPRaと-PRaとの間で振動する。同様の方法で、パラメータレベルPRaと-PRa、およびパラメータレベルPRbと-PRbが、クロック信号1102のサイクル2の間に繰り返される。なお、RF信号1122の振動の周波数は、RF信号1114の振動の周波数よりも大きい。
【0222】
RF信号1122のパラメータレベルPRbおよびPRaは、RF信号1114のパラメータレベルPR2およびPR1のパルス出力とはずれた位相でパルス出力され、RF信号1122のパラメータレベル-PRbおよび-PRaは、RF信号1114のパラメータレベル-PR2および-PR1とはずれた位相でパルス出力される。一例としては、クロック信号1102(
図11A)のサイクル1の間、時間t0においてパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbに遷移するのではなく、時間t2においてRF信号1122のパラメータはパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbに遷移する。別の例としては、クロック信号1102(
図11A)のサイクル1の間、時間t8においてパラメータレベルPRbからパラメータレベルPRaに遷移するのではなく、時間t10においてRF信号1122のパラメータはパラメータレベルPRbからパラメータレベルPRaに遷移する。さらに別の例としては、クロック信号1102のサイクル2の間、時間t16においてパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbに遷移するのではなく、時間t18においてRF信号1122のパラメータはパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbに遷移する。時間t18は時間t16の後に生じる。
【0223】
一実施形態では、RF信号のパラメータは、RF信号1122と同様に、パラメータレベルPRbからパラメータレベルPRaに、時間t10ではなく時間t6において遷移する。時間t6は時間t8の前に生じる。また、RF信号のパラメータは、パラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbに、時間t18ではなく時間t14において遷移する。時間t14は時間t16の前に生じる。
【0224】
図11Hは、RF信号1114のグラフ1112の一実施形態である。
【0225】
図11Iは、RF信号1114(
図11F)のパラメータのパルス出力周波数がRF信号1126のパラメータのパルス出力周波数より低いことを例示するためのグラフ1124の一実施形態である。グラフ1124では、時間tに対するRF信号1126のパラメータがプロットされている。RF信号1126は、RF信号116B(
図1)またはRF信号332(
図3A)またはRF信号422(
図4)の一例である。
【0226】
クロック信号1102のサイクル1の間、時間t0において、RF信号1126のパラメータが、パラメータレベルPRaからパラメータレベルPRb、およびパラメータレベル-PRaからパラメータレベル-PRbへパルス出力される。パラメータレベルPRbおよび-PRbは、RF信号1126のパラメータの状態S1を表す。また、パラメータレベルPRaおよび-PRaは、RF信号1126のパラメータの状態S2を表す。RF信号1126の時間t0から時間t16までのパラメータレベルは、PRbおよび-PRbである。例えば、RF信号1126は時間t0から時間t16までパラメータレベルPRbと-PRbとの間で振動する。
【0227】
さらに、クロック信号1102のサイクル2の間、時間t16において、RF信号1126のパラメータが、パラメータレベルPRbからパラメータレベルPRa、およびパラメータレベル-PRbからパラメータレベル-PRaへパルス出力される。クロック信号1102のサイクル2の間、時間t16から時間t32までのRF信号1126のパラメータレベルは、PRaおよび-PRaである。例えば、RF信号1126は、時間t16から時間t32まで、パラメータレベルPRaと-PRaとの間で振動する。時間t32は時間t16の後に生じる。同様の方法で、パラメータレベルPRaと-PRa、およびパラメータレベルPRbと-PRbが、クロック信号1102のサイクル3の間に繰り返される。サイクル3はクロック信号1102のサイクル2に連続している。なお、RF信号1126の振動の周波数は、RF信号1114の振動の周波数よりも大きい。
【0228】
RF信号1114のパラメータレベルPR2、-PR2、PR1、および-PR1は、RF信号1126のパラメータレベルPRb、-PRb、PRa、および-PRaよりも大きなパルス出力周波数を有する。一例として、クロック信号1102(
図11A)のサイクル1の間、RF信号1114のパラメータは2回パルス出力され、RF信号1126のパラメータレベルは1回パルス出力される。例示すると、クロック信号1102のサイクル1の間、RF信号1114のパラメータは、1回目の場合については時間t0においてパルス出力され、2回目の場合については時間t8においてパルス出力される。この例示では、クロック信号1102のサイクル1の間、RF信号1126のパラメータが時間t0において1回パルス出力される。このようにして、クロック信号1102の各サイクルの間、RF信号1114のパラメータが、RF信号1126のパラメータよりも大きなパルス出力周波数でパルス出力される。
【0229】
また、RF信号1114のパラメータのパルス出力のデューティサイクルは、RF信号1126のパラメータのパルス出力のデューティサイクルとは異なる。例えば、RF信号1114のパラメータのパルス出力のデューティサイクルは50%であり、RF信号1126のパラメータのパルス出力のデューティサイクルは100%である。例示すると、RF信号1114のパラメータレベルは、クロック信号1102(
図11A)の各クロックサイクルの半分の期間の間、PR2である。この例示では、RF信号1126のパラメータレベルは、クロック信号1102の各クロックサイクルの全期間の間、PRbである。
【0230】
一実施形態では、RF信号1126と同様の別のRF信号のパラメータのパルス出力周波数が、RF信号1114のパラメータのパルス出力周波数よりも大きい。例えば、クロック信号1102の各サイクルの間、もう一方のRF信号のパラメータが3回パルス出力される。例示すると、もう一方のRF信号のパラメータは、時間t0においてパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbへパルス出力され、時間t4においてパラメータレベルPRbからパラメータレベルPRaへパルス出力され、時間t8においてパラメータレベルPRaからパラメータレベルPRbへパルス出力される。時間t4は時間t0の後であって時間t8の前に生じる。
【0231】
なお、一組の正のパラメータレベル(例えばPRaからPRb、またはその逆など)間の、本明細書に記載したRF信号のパラメータのパルス出力は、一組の負のパラメータレベル(例えば-PRaから-PRb、またはその逆など)間のRF信号のパラメータのパルス出力と同期して生じる。例えば、RF信号1114のパラメータは、パラメータレベルPR1からパラメータレベルPR2に時間t0において遷移する。この例では、RF信号1114のパラメータは、パラメータレベル-PR1からパラメータレベル-PR2に時間t0において同時に遷移する。別の例として、RF信号1114のパラメータは、パラメータレベルPR2からパラメータレベルPR1に時間t8において遷移する。この例では、RF信号1114のパラメータは、パラメータレベル-PR2からパラメータレベル-PR1に時間t8において同時に遷移する。
【0232】
図12A-1は、MPS1202の詳細を例示するための、システム1200の一実施形態の図である。MPS1202は、LFMPS102およびHFMPS104(
図1)のいずれかの例である。システム1200は、MPS1202およびホストコンピュータ1204を含む。ホストコンピュータ1204は、プロセッサ1206およびメモリデバイス1208を含む。プロセッサ1206はメモリデバイス1208に結合されている。本明細書で使用するプロセッサの例としては、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)等が挙げられる。使用されるメモリデバイスの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)が挙げられる。例示すると、メモリデバイスはフラッシュメモリ、または独立ディスクの冗長アレイ(RAID)である。
【0233】
MPS1202は、入力部1210、出力部1212、およびリアクタンス回路1214を含む。入力部1210の例としては、信号発生器、およびゲートドライバの一部が挙げられる。信号発生器の一例は、デジタル波形またはパルス列等の矩形波信号を生成する矩形波発振器である。矩形波信号は、本明細書において矩形波形と称される場合がある。矩形波形は、第1の論理レベル(例えばハイまたは1など)と第2の論理レベル(例えばローまたはゼロなど)との間でパルス出力される。出力部1212の例としては、ゲートドライバの残りの部分とハーフブリッジトランジスタ回路が挙げられる。さらに、リアクタンス回路1214の例としては、可変コンデンサが挙げられる。リアクタンス回路1214の別の例としては、固定コンデンサが挙げられる。
【0234】
入力部1210は出力部1212に結合されており、出力部1212はリアクタンス回路1214に結合されている。リアクタンス回路1214はRF接続部1510を介してフィルタ1218に結合されている。フィルタ1218は、フィルタ106および108(
図1)のいずれかの例である。例えば、MPS1202がLFMPS102の一例である場合、フィルタ1218は第1のフィルタ106の一例である。この例では、MPS1202がLFMPS104の一例である場合、フィルタ1218は第2のフィルタ108の一例である。プロセッサ1206は、入力部1210に転送ケーブル1226を介して結合されている。本明細書で使用する転送ケーブルの例としては、シリアル方式、またはパラレル方式、またはユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコルを介してデータを転送するケーブルが挙げられる。
【0235】
プロセッサ1206はレシピ信号1224を生成する。レシピ信号1224は、MPS1202から出力されるRF信号1222のパラメータの1つまたは複数のパラメータレベルを含む。レシピ信号1224はRF信号1222の周波数をさらに含む。例えば、レシピ信号1224はMPS1202の動作周波数を含む。また、レシピ信号1224は1つまたは複数の遷移時間を含む。例えば、レシピ信号1224が、RF信号1222の2つのパラメータレベルがクロック信号1102(
図11A)の各サイクルの間に達成されることを示す場合、レシピ信号1224は、パラメータレベルのうち第1のレベルからパラメータレベルのうち第2のレベルへ遷移する時間と、パラメータレベルうちの第2のレベルからパラメータレベルのうちの第1のレベルへ遷移する時間とをさらに含む。レシピ信号1224は、プロセッサ1206から転送ケーブル1226を介して入力部1210に送信される。
【0236】
レシピ信号1224の受信に応答して、入力部1210は複数の矩形波信号を生成し、矩形波信号を出力部1212に提供する。矩形波信号はそれぞれ、レシピ信号1224内で受信された周波数を有する。出力部1212は、入力部1210から受信した複数の矩形波信号に基づいて増幅矩形波形を生成する。さらに、出力部1212は、増幅矩形波形のピーク・トゥ・ピークの大きさまたはゼロ・トゥ・ピークの大きさ等の包絡線を整形する。例えば、整形制御信号1220が入力部1210から出力部1212に供給されて、包路線を生成する。一例として、入力部1210は、レシピ信号1224内で受信された、1つまたは複数のパラメータレベルおよび1つまたは複数の遷移時間に基づいて、整形制御信号1220を生成する。整形制御信号1220は、増幅矩形波形を整形するための複数の電圧値を有する。例えば、第1の電圧値は第1のパラメータレベルを有するように増幅矩形波形を整形し、第2の電圧値は第2のパラメータレベルを有するように増幅矩形波形を整形する。
【0237】
整形された増幅矩形波形は、出力部1212からリアクタンス回路1214に送信される。リアクタンス回路1214は、増幅矩形波形の高次高調波をフィルタリングして除くなどして除去して、基本周波数を有する整形された正弦波形であるRF信号1222を生成する。基本周波数はレシピ信号1224から受信した周波数である。RF信号1222は、RF信号116Aまたは116Bの一例である。例えば、MPS1202がLFMPS102の一例である場合、RF信号1222はRF信号116Aの一例である。この例では、MPS1202がLFMPS104の一例である場合、RF信号1222はRF信号116Bの一例である。整形された正弦波形は、デジタルパルス形状、連続波形状、任意パルス形状、マルチレベルパルス形状等の形状を有する包絡線を有する。マルチレベルパルス形状は、RF信号1222の複数のパラメータレベルを有する。
【0238】
RF信号1222はリアクタンス回路1214から接続部1216を介してフィルタ1218に送信される。MPS1202の一例が米国特許第10,264,663号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0239】
いくつかの実施形態では、入力部1210は、信号発生器を有するコントローラボードを含むとともにゲートドライバをさらに含み、出力部はハーフブリッジトランジスタ回路を含む。コントローラボードは、信号発生器に結合されたコントローラを含み、信号発生器を制御して、所定の周波数(例えば高周波数または低周波数など)で矩形波信号を生成する。
【0240】
図12A-2は、入力部1210および出力部1212のさらなる詳細を例示するための、システム1250の一実施形態の図である。入力部1210は、コントローラ1252、信号発生器1254、およびゲートドライバシステム1256を含む。出力部は、FET回路1258、直流(DC)電圧源1262、および電界効果トランジスタ(FET)回路1258を含む。本明細書で使用するコントローラの例としては、プロセッサとメモリデバイスとの組み合わせが挙げられ、プロセッサはメモリデバイスに結合されている。
【0241】
信号発生器1254の一例は矩形波発振器であり、矩形波信号(例えば、デジタル波形またはパルス列である矩形波信号など)を生成する。矩形波形は周期的にパルス出力し、矩形のパルスを有する。例えば、矩形波形は、クロック信号1102(
図11A)の各サイクルの間に、第1の論理レベル(例えばハイまたは1など)と第2の論理レベル(例えばローまたはゼロなど)との間で遷移する。信号発生器306は、高周波数または低周波数で矩形波信号を生成する。ゲートドライバシステム1256の例としては、第1のゲートドライバ、第2のゲートドライバ、およびNOTゲートの組み合わせが挙げられる。第2のゲートドライバはNOTゲートに結合されている。FET回路1258の一例は、ハーフブリッジFET回路である。例示すると、ハーフブリッジFET回路は第1のトランジスタと第2のトランジスタを有し、第1のトランジスタと第2のトランジスタは共に互いに結合されている。さらに例示すると、第1のトランジスタのドレインはDC電圧源1262に結合され、第1のトランジスタのソースは第2のトランジスタのドレインに結合され、第2のトランジスタのソースは接地電位に結合されている。また、ゲートドライバシステム1256の第1のゲートドライバは第1のトランジスタのゲートに結合され、ゲートドライバシステム1256のNOTゲートは第2のトランジスタのゲートに結合されている。FET回路1258の出力は、第1のトランジスタのソースと第2のトランジスタのドレインの間にある。
【0242】
プロセッサ1206はコントローラ1252に転送ケーブル1226を介して結合されている。コントローラ1252は信号発生器1254に結合されている。信号発生器1254は、ゲートドライバシステム1256の第1および第2のゲートドライバの入力に結合されている。第1のゲートドライバの出力およびNOTゲートの出力はFET回路1258に結合されている。FET回路1258は、DC電圧源1262およびリアクタンス回路1214に結合されている。
【0243】
コントローラ1252は、レシピ信号1224をプロセッサ1206から転送ケーブル1226を介して受信する。レシピ信号1224を受信すると、コントローラ1252は、MPS1202によって生成されるRF信号1222の周波数を特定し、1つまたは複数のパラメータレベルおよびパラメータレベル間の1つまたは複数の遷移時間をレシピ信号1224から特定する。プロセッサ1206はトリガ信号(例えばオンコマンド信号など)を生成し、トリガ信号をコントローラ1252に転送ケーブル1226を介して提供する。例えば、プロセッサ1206は、トリガ信号をコントローラ1252に所定時間後に送信する。例示すると、プロセッサ1206は、トリガ信号をLFMPS102(
図1)のコントローラ1252に、トリガ信号がHFMPS104(
図1)のコントローラ1252に送信されてから所定時間後に送信する。トリガ信号が受信されるまで、LFMPS102とHFMPS104はオフにされる。
【0244】
トリガ信号を受信すると、コントローラ1252は周波数を信号発生器1254に提供する。また、トリガ信号を受信すると、コントローラ1252は、1つまたは複数のパラメータレベルおよび1つまたは複数の遷移時間に基づいて整形制御信号1220を生成する。コントローラ1252は整形制御信号1220をDC電圧源1262に提供する。
【0245】
周波数を受信すると、信号発生器1254は矩形波信号1264を生成し、矩形波信号1264をゲートドライバシステム1256のゲートドライバに提供する。ゲートドライバシステム1256の第1のゲートドライバは、矩形波信号1264のパラメータを増幅して、第1の増幅矩形波信号1266を出力する。ゲートドライバシステム1256の第2のゲートドライバは、矩形波信号1264のパラメータを増幅して第2の増幅矩形波信号を出力し、第2の増幅矩形波信号をNOTゲートに提供する。NOTゲートは、第2の増幅矩形波信号を反転して反転信号1268を出力するが、これもまた矩形波信号である。
【0246】
信号1266および1268はFET回路1258のゲートに提供される。FET回路1258の第1のトランジスタは第1の増幅矩形波信号1266に従ってオンおよびオフになり、FET回路1258の第2のトランジスタは反転信号1268に従ってオンおよびオフになって、FET回路1258の出力において増幅矩形波信号1272を出力する。
【0247】
整形制御信号1220を受信すると、DC電圧源1262は電圧信号1270をFET回路1258に提供する。電圧信号1270は、整形制御信号1220によって示された1つまたは複数の遷移時間に従ってパルス出力される電圧レベルを有する。さらに、電圧信号1270は、整形制御信号1220によって示された1つまたは複数のパラメータレベルに基づいて生成される1つまたは複数の電圧レベルを有する。増幅矩形波信号1272のパラメータは、電圧信号1270によって示された1つまたは複数の遷移時間においてパルス出力され、電圧信号1270によって同様に示された1つまたは複数のパラメータレベルを有する。リアクタンス回路は増幅矩形波信号1272を受信し、増幅矩形波信号1272から高調波を除去して、基本周波数(例えば高周波数または低周波数など)を有するRF信号1222を出力する。
【0248】
なお、RF信号1222が連続波信号の場合、レシピ信号1224は単一のパラメータレベルを含み、遷移時間を含まない。レシピ信号1224を受信すると、コントローラ1252は整形制御信号1220を生成して、単一のパラメータレベルを示すとともに遷移時間がないことを示す。整形制御信号1220の受信に応答して、DC電圧源1262は、単一の電圧レベルを有する電圧信号1270を生成する。単一の電圧レベルと信号1266および1268を受信すると、FET回路1258は単一の電圧レベルに基づく単一パラメータレベルを有する増幅矩形波形1262を出力する。
【0249】
プロセッサ1206がオフコマンド信号をコントローラ1252に転送ケーブル1226を介して送信するとき、コントローラ1252はオフ制御信号を信号発生器1254に送信する。例えば、プロセッサ1206はオフコマンド信号をコントローラ1252に所定時間後に送信する。オフ制御信号を受信すると、信号発生器1254は矩形波信号1264の生成を停止し、MPS1202はRF信号1222を生成しない。
【0250】
図12Bは、RF発生器1280の詳細を例示するための、システム1280の一実施形態の図である。システム1280は、ホストコンピュータ1204とRF発生器1282を含む。RF発生器1282は、LF源RFG402、HF源RFG404、LFバイアスRFG302、およびHFバイアスRF304(
図3Aおよび
図4)のいずれかの例である。
【0251】
RF発生器1282は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)1284、パラメータコントローラPRS1、パラメータコントローラPRS2、周波数コントローラFC、ドライバDRVR、および電源PSを含む。本明細書で使用されるドライバの例としては、1つまたは複数のトランジスタが挙げられる。電源PSの一例は、正弦波RF信号を生成する発振器である。
【0252】
プロセッサ1206はDSP1284に転送ケーブル1290を介して結合されている。DSP1284は、パラメータコントローラPRS1およびPRS2と、周波数コントローラFCとに結合されている。周波数コントローラFCとパラメータコントローラPRS1およびPRS2はドライバDRVRに結合され、ドライバDRVRは電源PSに結合されている。DSP1284はドライバDRVRに結合されている。
【0253】
プロセッサ1206はレシピ信号1286を生成し、レシピ信号1286をDSP1284に転送ケーブル1290を介して提供する。一例として、レシピ信号1286は、RF発生器1282によって生成されるRF信号1288の第1のパラメータレベルと、RF信号1288の第2のパラメータレベルと、RF信号1288の周波数とを含む。RF信号1288は、RF信号330、332、420、および422(
図3Aおよび
図4)のいずれかの例である。また、この例では、第1のパラメータレベルはRF信号1288の状態S1を表し、第2のパラメータレベルはRF信号1288の状態S2を表し、レシピ信号1286は、クロック信号1102(
図11A)の各クロックサイクルの間の、第2のパラメータレベルから第1のパラメータレベルへの遷移の第1の遷移時間と、第1のパラメータレベルから第2のパラメータレベルへの遷移の第2の遷移時間とを含む。
【0254】
DSP1284はレシピ信号1286をプロセッサ1206から受信し、レシピ信号1286から第1および第2のパラメータレベルを特定する。また、DSP1284は第1および第2の遷移時間をレシピ信号1286から特定する。DSP1284は、第1のパラメータレベルおよび第1の遷移時間をパラメータコントローラPRS1に提供し、第2のパラメータレベルおよび第2の遷移時間をパラメータコントローラPRS2に提供する。パラメータコントローラPRS1は、第1のパラメータレベルおよび第1の遷移時間をパラメータコントローラPRS1のメモリデバイス内に格納し、パラメータコントローラPRS2は、第2のパラメータレベルおよび第2の遷移時間をパラメータコントローラPRS2のメモリデバイス内に格納する。また、DSP1284は周波数を周波数コントローラFCに提供する。周波数コントローラFCは、周波数を周波数コントローラFCのメモリデバイス内に格納する。
【0255】
プロセッサ1206はトリガ信号を生成して転送ケーブル1290を介してDSP1284に送信する。例えば、プロセッサ1206は、トリガ信号をDSP1284に所定時間後に送信する。例示すると、プロセッサ1206は、トリガ信号をLF源RFG402のDSP1284に、トリガ信号がHF源RFG404のDSP1284に送信されてから所定時間後に送信する。
【0256】
トリガ信号(例えばデジタルパルスなど)をプロセッサ1206から受信すると、DSP1284はトリガ信号をパラメータコントローラPRS1およびPRS2と周波数コントローラFCとに送信する。トリガ信号を受信すると、パラメータコントローラPRS1は状態S1の第1のパラメータレベルに基づいて第1の遷移時間において制御信号を生成し、制御信号をドライバDRVRに送信する。また、トリガ信号を受信すると、周波数コントローラFCは制御信号を生成し、制御信号をドライバDRVRに送信する。パラメータコントローラPRS1および周波数コントローラFCからの制御信号の受信に応答して、ドライバは状態S1の駆動信号を生成し、駆動信号を電源PSに送信する。電源PSは、状態S1の駆動信号の受信に応答して、第1の遷移時間においてRF信号1288の第1のパラメータレベルを生成する。
【0257】
さらに、トリガ信号を受信すると、パラメータコントローラPRS2は状態S2の第2のパラメータレベルに基づいて第2の遷移時間において制御信号を生成し、制御信号をドライバDRVRに送信する。パラメータコントローラPRS2および周波数コントローラFCからの制御信号の受信に応答して、ドライバは状態S2の駆動信号を生成し、駆動信号を電源PSに送信する。電源PSは、状態S2の駆動信号の受信に応答して、第2の遷移時間においてRF信号1288の第2のパラメータレベルを生成する。このようにして、RF信号1288のパラメータは、第2のパラメータレベルから第1のパラメータレベルへ第1の遷移時間において遷移し、第1のパラメータレベルから第2のパラメータレベルに第2の遷移時間において遷移する。
【0258】
プロセッサ1206がオフコマンド信号をDSP1284に転送ケーブル1290を介して送信するとき、DSP1284はオフ制御信号をドライバDRVRに送信する。例えば、プロセッサ1206はオフコマンド信号をDSP1284に所定時間後に送信する。オフ制御信号を受信すると、ドライバDRVRは電源PSへの駆動信号の送信を停止する。駆動信号が受信されないとき、電源PSはオフになり、RF信号1288の生成を停止する。
【0259】
一実施形態では、RF発生器1282によって生成されるRF信号が、単一のパラメータレベル(例えば第1のパラメータレベルなど)を含む場合、別のRF発生器が使用される。別のRF発生器がパラメータコントローラPRS2を含まないことを除いて、別のRF発生器はRF発生器1282と同じ構造を有する。プロセッサ1206は別のレシピ信号を生成し、別のレシピ信号をDSP1284に提供する。一例として、別のレシピ信号が第1および第2の遷移時間を含まず、状態S2の第2のパラメータレベルを含まないことを除いて、別のレシピ信号はレシピ信号1286と同様である。DSP1284は別のレシピ信号をプロセッサ1206から受信し、レシピ信号1286から第1のパラメータレベルを特定する。DSP1284は第1のパラメータレベルをパラメータコントローラPRS1に提供する。パラメータコントローラPRS1は、パラメータコントローラPRS1のメモリデバイス内に第1のパラメータレベルを格納する。トリガ信号をプロセッサ1206から受信すると、DSP1284はトリガ信号をパラメータコントローラPRS1および周波数コントローラFCに送信する。トリガ信号を受信すると、パラメータコントローラPRS1は状態S1の第1のパラメータレベルに基づいて制御信号を生成し、制御信号をドライバDRVRに送信する。また、トリガ信号を受信すると、周波数コントローラFCは制御信号を生成し、制御信号をドライバDRVRに送信する。パラメータコントローラPRS1および周波数コントローラFCからの制御信号の受信に応答して、ドライバは状態S1の駆動信号を生成し、駆動信号を電源PSに送信する。電源PSは、状態S1の駆動信号の受信に応答して、RF信号1288の第1のパラメータレベルを生成する。
【0260】
図13は、可変コンデンサ1306の制御を例示するための、システム1300の一実施形態の図である。システム1300は、ホストコンピュータ1204、ドライバ1302、モータ1304、および可変コンデンサ1306を含む。可変コンデンサ1306は、第1のコンデンサ110、第2のコンデンサ112、第3のコンデンサ908(
図9A)、第4のコンデンサ910(
図9B)、第3のコンデンサ954(
図9B)、および第4のコンデンサ956(
図9B)のいずれかの例である。
【0261】
モータ1304の一例は、ステータおよびロータを含む交流モータである。ドライバ1302の例としては、1つまたは複数のトランジスタが挙げられる。プロセッサ1206はドライバ1302に結合されており、ドライバ1302はモータ1304に結合されており、モータ1304はコンデンサ1306に結合されている。プロセッサ1206は、コンデンサ1306の達成するキャパシタンスに基づいて制御信号を生成送信する。制御信号を受信すると、ドライバ1302は駆動信号(例えば電流信号など)を生成し、駆動信号をモータ1304に送信する。モータ1304は、コンデンサ1306の第1のプレートと第2のプレートとの間の重なり量を変化させるように動作して、コンデンサ1306のキャパシタンスを変化させる。
【0262】
図14は、ソレノイドコイル1402を例示するための、プラズマチャンバ1400の一実施形態の図である。プラズマチャンバ1400はソレノイドコイル1402および基板支持体310を含む。ソレノイドコイル1402は誘電体窓314の上方に位置し、誘電体マンドレル1403に巻き付けられている。ソレノイドコイル1402は端1404および反対側の端1406を有する。一例として、RFコイル114ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404はポイント122(
図1、7A、7B、および9A)に結合されている。別の例として、RFコイル114ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404は出力416(
図4)に結合されている。さらに別の例として、RFコイル904ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404は第4のコンデンサ910(
図9A)に結合されている。さらに別の例として、RFコイル904ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404はポイント960(
図9B)に結合されている。別の例として、RFコイル904ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404はフィルタ983(
図9C)に結合されている。さらに別の例として、RFコイル904ではなくソレノイドコイル1402が使用される場合、端1404はフィルタ992(
図9D)に結合されている。
【0263】
RF信号1408がソレノイドコイル1402によって受信されるとき、磁場がソレノイドコイル1402によって生成され、誘電体窓314を通ってプラズマチャンバ1400内に広がる。RF信号1408は、RF信号123(
図1)、426(
図4)、706(
図7A)、756(
図7B)、922(
図9A)、920(
図9A)、966(
図9B)、970(
図9D)、984(
図9E)、および994(
図9F)のいずれかの例である。1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ1400にRF信号1408に加えて供給されるときに、プラズマチャンバ1400内でプラズマが打撃または維持されて、基板Sが処理される。プラズマチャンバ1400内でプラズマが形成されるときに、RF電力が反射RF信号1410の形でプラズマチャンバ1400からソレノイドコイル1402を介してポイント1404に向けて反射される。反射RF信号1410は、反射RF信号115(
図1)、428(
図4)、708(
図7A)、758(
図7B)、924(
図9A)、930(
図9A)、980(
図9B)、974(
図9B)、986(
図9C)、および996(
図9D)のいずれかの例である。
【0264】
一実施形態では、
図9Aを参照すると、RFコイル114ではなくソレノイドコイル1402が使用され、RFコイル904ではなく別のソレノイドコイルが使用される。
【0265】
ある実施形態では、
図9Bを参照すると、RFコイル114の代わりにソレノイドコイル1402が使用され、RFコイル904の代わりに別のソレノイドコイルが使用される。
【0266】
図15は、LFMPS102およびHFMPS102の使用を例示するための、基板支持体310を有するプラズマシステム1500の一実施形態の図である。プラズマシステム1500は、LF源RFG402と、HF源RFG404と、二周波整合器406と、プラズマチャンバ308と、LFMPS102と、HFMPS104と、第1のフィルタ106と、第2のフィルタ108と、第1のコンデンサ110と、第2のコンデンサ112とを含む。プラズマシステム1500においては、ポイント122が下部電極311にRF接続部125(例えばRF伝送線など)を介して結合されている。
【0267】
修正RF信号426がRFコイル312に供給され、合成RF信号が下部電極311に供給され、1つまたは複数のプロセスガスがプラズマチャンバ308に供給されるときに、プラズマチャンバ308内でプラズマが生成または維持される。プラズマが生成または維持されるときに、RF電力がプラズマから下部電極311を介してRF接続部125に向けて反射RF信号115の形で反射する。
【0268】
図16Aは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1600の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、LFMPS102が制御側であり、HFMPS104が被制御側である。例えば、LFMPS102のコントローラは、HFMPS104のコントローラに転送ケーブル1602を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1224(
図12A-1)内で、HFMPS104によって生成されるRF信号116Bの高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、LFMPS102のコントローラがレシピ信号1604を生成し、レシピ信号1604を転送ケーブル1602を介してHFMPS104のコントローラに送信する。レシピ信号1604はレシピ信号1224(
図12A-2)の一例である。レシピ信号1604は、HFMPS104によって出力されるRF信号116Bの高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。HFMPS104は、レシピ信号1604内に示された高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号116Bを生成する。
【0269】
図16Bは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1610の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、HFMPS104が制御側であり、LFMPS102が被制御側である。例えば、HFMPS104のコントローラは、LFMPS102のコントローラに転送ケーブル1612を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1224(
図12A-1)内で、LFMPS104によって生成されるRF信号116Aの低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、HFMPS104のコントローラがレシピ信号1614を生成し、レシピ信号1614を転送ケーブル1612を介してLFMPS102のコントローラに送信する。レシピ信号1614はレシピ信号1224(
図12A-2)の一例である。レシピ信号1614は、LFMPS102によって出力されるRF信号116Aの低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。LFMPS102は、レシピ信号1614内に示された低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号116Aを生成する。
【0270】
図16Cは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1620の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、LF源RFG402が制御側であり、HFMPS104が被制御側である。例えば、LF源RFG402のDSPは、HFMPS104のコントローラに転送ケーブル1622を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1224(
図12A-1)内で、HFMPS104によって生成されるRF信号116Bの高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、LF源RFG402のDSPがレシピ信号1624を生成し、レシピ信号1624を転送ケーブル1622を介してHFMPS104のコントローラに送信する。レシピ信号1624はレシピ信号1224(
図12B)の一例である。レシピ信号1624は、HFMPS104によって出力されるRF信号116Bの高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。HFMPS104は、レシピ信号1624内に示された高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号116Bを生成する。
【0271】
図16Dは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1630の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、HF源RFG404が制御側であり、LFMPS102が被制御側である。例えば、HF源RFG404のDSPは、LFMPS102のコントローラに転送ケーブル1632を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1224(
図12A-1)内で、LFMPS102によって生成されるRF信号116Aの低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、HF源RFG404のDSPがレシピ信号1634を生成し、レシピ信号1634を転送ケーブル1632を介してLFMPS102のコントローラに送信する。レシピ信号1634はレシピ信号1224(
図12A-2)の一例である。レシピ信号1634は、LFMPS102によって出力されるRF信号116Aの低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。LFMPS102は、レシピ信号1634内に示された低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号116Aを生成する。
【0272】
図16Eは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1640の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、LFMPS102が制御側であり、HF源RFG404が被制御側である。例えば、LFMPS102のコントローラは、HF源RFG404のDSPに転送ケーブル1642を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1286(
図12B)内で、HF源RFG404によって生成されるRF信号422の高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、LFMPS102のコントローラがレシピ信号1644を生成し、レシピ信号1644を転送ケーブル1642を介してHF源RFG404のDSPに送信する。レシピ信号1644はレシピ信号1286(
図12B)の一例である。レシピ信号1644は、HF源RFG404によって出力されるRF信号422の高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。HF源RFG404は、レシピ信号1644内に示された高周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号422を生成する。
【0273】
図16Fは、マスタスレーブ構成を例示するための、システム1650の一実施形態の図である。このマスタスレーブ構成では、HFMP104が制御側であり、LF源RFG402が被制御側である。例えば、HFMPS104のコントローラは、LF源RFG402のDSPに転送ケーブル1652を介して結合されている。ホストコンピュータ1204(
図12)がレシピ信号1286(
図12B)内で、LF源RFG402によって生成されるRF信号420の低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を提供するのではなく、HFMPS104のコントローラがレシピ信号1654を生成し、レシピ信号1654を転送ケーブル1652を介してLF源RFG402のDSPに送信する。レシピ信号1654はレシピ信号1286(
図12B)の一例である。レシピ信号1654は、LF源RFG402によって出力されるRF信号420の低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間を含む。LF源RFG402は、レシピ信号1654内に示された低周波数、1つまたは複数のパラメータレベル、およびパラメータレベル間の遷移時間に基づいてRF信号420を生成する。
【0274】
本明細書に記載の実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの、またはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等を含む、様々なコンピュータシステム構成で実施してよい。実施形態はまた、ネットワークを介してリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境においても実施可能である。
【0275】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部であってもよいシステムの一部である。このようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理部品(ウエハ台座、ガスフローシステム等)等の半導体処理機器を含む。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための集積回路の作製のために電子機器と一体化される。この電子機器を、1つまたは複数のシステムの各種部品または副部品を制御し得る「コントローラ」と呼ぶ。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および操作設定、ツールならびにシステムに接続またはインターフェース接続する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出等のいずれかのプロセスを制御するようにプログラムされる。
【0276】
大まかに言えば、様々な実施形態において、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング動作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定義されたチップ、PLD、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝えられる命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行するためのパラメータ、ファクター、変数等を定義する。プログラム命令は、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、面、回路、および/またはウエハの型の製造中に1つまたは複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部である。
【0277】
コントローラは、いくつかの実施形態において、システムに統合されるか、システムに結合されるか、そうでなければシステムにネットワーク接続されるか、それらの組み合わせであるコンピュータの一部である。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部である。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、組立操作の現在の進行を監視し、過去の組立操作の履歴を検証し、複数の組立操作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始できる。
【0278】
いくつかの実施形態では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含むネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供する。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含み、パラメータおよび/または設定は次にリモートコンピュータからシステムに伝えられる。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理ステップのパラメータ、ファクター、および/または変数を定めたデータの形で命令を受信する。なお、このパラメータ、ファクター、および/または変数は行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであることを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めることなどにより分散される。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、リモート配置(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0279】
限定されないが、様々な実施形態において、本方法が適用される例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの組立および/または製造に関連づけられるかまたは使用される他の任意の半導体処理システムを含む。
【0280】
なお、いくつかの実施形態では、上記の操作は、様々な種類のプラズマチャンバ(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタを含むプラズマチャンバ、トランス結合プラズマチャンバ、容量結合プラズマチャンバ、導体ツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを含むプラズマチャンバ等)に対して適用されることにさらに留意されたい。例えば、1つまたは複数のRF発生器が、ICPリアクタ内のインダクタに結合される。インダクタの形状の例としては、ソレノイド、ドーム状コイル、フラット状コイル等が挙げられる。
【0281】
上述のように、ツールによって実施されるプロセスステップまたは各ステップに応じて、ホストコンピュータは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に移送する材料搬送に使用されるツールの、1つまたは複数と通信する。
【0282】
上記の実施形態を考慮して、実施形態のいくつかは、コンピュータシステムに格納されたデータを含む、コンピュータ実装の様々な操作を採用すると理解すべきである。これらの操作は、物理的に物理量を操作するものである。本明細書に記載した、実施形態の一部を形成する操作はいずれも有用な機械操作である。
【0283】
いくつかの実施形態はまた、これらの操作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、特別用途のコンピュータ用に特別に構成される。特別用途のコンピュータと定義された場合、このコンピュータは、特別用途のために動作可能なまま、特別用途の一部ではない他の処理、プログラム実行、またはルーチンを実施する。
【0284】
いくつかの実施形態では、操作は、コンピュータメモリまたはキャッシュに格納されるか、コンピュータネットワークを介して取得された1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成されたコンピュータによって処理されてもよい。データがコンピュータネットワークを介して取得されるとき、このデータは、コンピュータネットワーク上の他のコンピュータ、例えば、コンピューティングリソースのクラウドによって処理されてもよい。
【0285】
また、1つまたは複数の実施形態では、非一次的なコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作製することも可能である。非一次的なコンピュータ可読媒体は、データを格納するデータ格納ハードウェアユニット(例えばメモリデバイス等)であり、データ格納ハードウェアユニットはその後コンピュータシステムによって読み取られる。非一次的なコンピュータ可読媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスク-ROM(CD-ROM)、書き込み可能なCD(CD-R)、書き換え可能なCD(CD-RW)、磁気テープ、ならびにその他の光学および非光学のデータ格納ハードウェアユニットが挙げられる。いくつかの実施形態では、非一次的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で格納および実行されるように、ネットワーク結合されたコンピュータシステムを介して分散されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0286】
上記の方法操作は特定の順序で説明されたが、様々な実施形態において、操作の合間に他のハウスキーピング操作が行われるか、方法操作がわずかに異なる時間に発生するように調整されるか、様々な間隔で方法操作の発生を可能にするシステムにおいて分散されるか、または上記とは異なる順序で実施されると理解すべきである。
【0287】
なお、ある実施形態においては、本開示に記載された様々な実施形態に記載された範囲から逸脱することなく、上述したいずれかの実施形態からの1つまたは複数の特徴が、同じく上述した他のいずれかの実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせられることにさらに留意されたい。
【0288】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の請求項の範囲内で特定の変更および修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
【国際調査報告】