(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-08
(54)【発明の名称】3D NANDのためのゲルマニウムおよびシリコンスタック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241001BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20241001BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241001BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20241001BHJP
C23C 16/40 20060101ALI20241001BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20241001BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20241001BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H10B41/27
H01L29/78 371
H01L21/316 X
C23C16/40
C23C16/42
H10B43/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517574
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022043701
(87)【国際公開番号】W WO2023043950
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ, シウン
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, サスミット シンハー
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4K030AA02
4K030AA03
4K030AA04
4K030AA05
4K030AA11
4K030BA09
4K030BA42
4K030BA44
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4K030CA02
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4K030JA09
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4K030JA16
5F045AA08
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5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BH02
5F101BH12
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
例示的な半導体処理方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することを含んでもよい。基板は、半導体処理チャンバの処理領域内に配設されてもよい。方法は、ケイ素含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することと、第1の材料の層を基板上に形成することとを含んでもよい。第1の材料の層は酸化ケイ素を含んでもよい。方法は、ゲルマニウム含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することと、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することとを含んでもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約500W以上のプラズマ出力で実施されてもよい。方法は、第2の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第2の材料の層は酸化ゲルマニウムを含んでもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素含有前駆体を、基板が中に配設された、半導体処理チャンバの処理領域に提供することと、
前記ケイ素含有前駆体のプラズマを前記処理領域内で形成することと、
酸化ケイ素を含む第1の材料の層を前記基板上に形成することと、
ゲルマニウム含有前駆体を前記半導体処理チャンバの前記処理領域に提供することと、
前記ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを前記処理領域内で形成することであって、前記ゲルマニウム含有前駆体の前記プラズマを形成することが約500W以上のプラズマ出力で実施される、プラズマを形成することと、
酸化ゲルマニウムを含む第2の材料の層を前記基板上に形成することと
を含む、半導体処理方法。
【請求項2】
前記半導体処理チャンバ内の温度が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約550℃以下で維持される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項3】
前記半導体処理チャンバ内の圧力が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約6Torr以下で維持される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項4】
前記ケイ素含有前駆体の前記プラズマを形成することが、約500W以下のプラズマ出力で実施される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項5】
前記ゲルマニウム含有前駆体の前記プラズマを形成することが、約900W以上のプラズマ出力で実施される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項6】
前記第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比が約1:2以下である、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項7】
各材料の層が約10nmと約30nmとの間の厚さを有する、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項8】
前記第1の材料の層および前記第2の材料の層の交互のセットを前記基板上に形成すること
をさらに含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項9】
前記第1の材料の層および前記第2の材料の層の交互のセットを形成することに続いて、前記基板をアニーリングすること
をさらに含む、請求項8に記載の半導体処理方法。
【請求項10】
半導体処理チャンバの処理領域内で、酸化ケイ素を含む第1の材料の層を基板上に形成することと、
酸化ゲルマニウムを含む第2の材料の層を前記基板上に形成することであって、前記第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比が約3:2以下である、第2の材料の層を形成することと、
前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成することに続いて、前記基板をアニーリングすることと
を含む、半導体処理方法。
【請求項11】
前記半導体処理チャンバ内の温度が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約550℃以下で維持される、請求項10に記載の半導体処理方法。
【請求項12】
前記半導体処理チャンバ内の圧力が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約6Torr以下で維持される、請求項10に記載の半導体処理方法。
【請求項13】
前記第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の前記原子比が約2:3以下である、請求項10に記載の半導体処理方法。
【請求項14】
前記第2の材料の層を前記基板上に形成する前に、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを前記処理領域内で形成することであって、前記ゲルマニウム含有前駆体の前記プラズマを形成することが約900W以上のプラズマ出力で実施される、プラズマを形成すること
をさらに含む、請求項10に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
前記第1の材料の層および前記第2の材料の層の交互のセットを前記基板上に形成することであって、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層の前記交互のセットが、酸化ケイ素および酸化ゲルマニウムの交互の層を少なくとも50層含む、交互のセットを形成すること
をさらに含む、請求項10に記載の半導体処理方法。
【請求項16】
ケイ素含有前駆体および酸素含有前駆体を、基板が中に配設された、半導体処理チャンバの処理領域に提供することと、
前記ケイ素含有前駆体および前記酸素含有前駆体のプラズマを前記処理領域内で形成することと、
酸化ケイ素を含む第1の材料の層を、前記基板上に形成することと、
ゲルマニウム含有前駆体および酸素含有前駆体を前記半導体処理チャンバの前記処理領域に提供することと、
前記ゲルマニウム含有前駆体および前記酸素含有前駆体のプラズマを前記処理領域内で形成することと、
酸化ゲルマニウムを含む第2の材料の層を前記基板上に形成することであって、前記第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の比が約1:2以下である、第2の材料の層を形成することと
を含む、半導体処理方法。
【請求項17】
前記ケイ素含有前駆体を伴う前記酸素含有前駆体が、前記ゲルマニウム含有前駆体を伴う前記酸素含有前駆体と同様の前駆体である、請求項16に記載の半導体処理方法。
【請求項18】
前記酸素含有前駆体の流量が、前記ケイ素含有前駆体を提供している間に提供される第1の流量から、前記ゲルマニウム含有前駆体を提供している間の第2の流量まで増加される、請求項17に記載の半導体処理方法。
【請求項19】
前記ゲルマニウム含有前駆体の前記プラズマを形成することが、約800W以上のプラズマ出力で実施される、請求項16に記載の半導体処理方法。
【請求項20】
前記半導体処理チャンバ内の温度が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約550℃以下で維持され、
前記半導体処理チャンバ内の圧力が、前記第1の材料の層および前記第2の材料の層を前記基板上に形成している間、約6Torr以下で維持される、
請求項16に記載の半導体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月20日に出願された米国特許出願第63/246,006号の利益を主張し、その開示全体をすべての目的のため参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本技術は、半導体処理および材料に関する。より具体的には、本技術は、層化されたメモリ構造の形成および処理に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、入り組んだパターンの材料層を基板表面上に作製するプロセスによって可能になる。パターン化された材料を基板上に作製するには、材料を形成し露出した材料を除去する制御された方法を要する。垂直または3D NANDなどのスタックメモリは、一連の交互の誘電体材料の層の形成を含むことがあり、それらの層を通る多くのメモリ孔または開孔がエッチングされてもよい。材料の層における材料の性質、ならびにプロセス条件およびエッチングのための材料は、形成される構造の均一性に影響を及ぼすことがある。材料欠陥は、一貫しないパターン化につながることがあり、それがさらに、形成される構造の均一性に影響を及ぼすことがある。
【0004】
したがって、高品質のデバイスおよび構造を作製するのに使用することができる、改善されたシステムおよび方法が必要とされている。これらおよび他の必要性は本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
半導体構造を形成する例示的な方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することを含んでもよい。基板は、半導体処理チャンバの処理領域内に配設されてもよい。方法は、ケイ素含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することと、第1の材料の層を基板上に形成することとを含んでもよい。第1の材料の層は酸化ケイ素を含んでもよい。方法は、ゲルマニウム含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することと、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することとを含んでもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約500W以上のプラズマ出力で実施されてもよい。方法は、第2の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第2の材料の層は酸化ゲルマニウムを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバ内の温度は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約550℃以下で維持されてもよい。半導体処理チャンバ内の圧力は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約6Torr以下で維持されてもよい。ケイ素含有前駆体のプラズマを形成することは、約500W以下のプラズマ出力で実施されてもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約900W以上のプラズマ出力で実施されてもよい。第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比は、約1:2以下であってもよい。各材料の層は、約10nmと約30nmとの間の厚さを有してもよい。方法は、第1の材料の層および第2の材料の層の交互のセットを基板上に形成することを含んでもよい。方法は、第1の材料の層および第2の材料の層の交互のセットを形成することに続いて、基板をアニーリングすることをさらに含んでもよい。
【0007】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理方法を包含してもよい。方法は、第1の材料の層を、半導体処理チャンバの処理領域内にある基板上に形成することを含んでもよい。第1の材料の層は酸化ケイ素を含んでもよい。方法は、第2の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第2の材料の層は酸化ゲルマニウムを含んでもよい。第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比は、約3:2以下であってもよい。方法は、第1の層および第2の層を基板上に形成することに続いて、基板をアニーリングすることを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバ内の温度は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約550℃以下で維持されてもよい。半導体処理チャンバ内の圧力は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約6Torr以下で維持されてもよい。第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比は、約2:3以下であってもよい。方法は、第2の材料の層を基板上に形成する前に、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することを含んでもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約900W以上のプラズマ出力で実施されてもよい。方法は、第1の材料の層および第2の材料の層の交互のセットを基板上に形成することを含んでもよい。第1の材料の層および第2の材料の層の交互のセットは、酸化ケイ素および酸化ゲルマニウムの交互の層を少なくとも50層含んでもよい。
【0009】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理方法を包含してもよい。方法は、ケイ素含有前駆体および酸素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することを含んでもよい。基板は、半導体処理チャンバの処理領域内に配設されてもよい。方法は、ケイ素含有前駆体および酸素含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することを含んでもよい。方法は、第1の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第1の材料の層は酸化ケイ素を含んでもよい。方法は、ゲルマニウム含有前駆体および酸素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に提供することを含んでもよい。方法は、ゲルマニウム含有前駆体および酸素含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することを含んでもよい。方法は、第2の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第2の材料の層は酸化ゲルマニウムを含んでもよい。第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の比は、約1:2以下であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、ケイ素含有前駆体を伴う酸素含有前駆体は、ゲルマニウム含有前駆体を伴う酸素含有前駆体と同様の前駆体であってもよい。酸素含有前駆体の流量は、ケイ素含有前駆体を提供している間に提供される第1の流量から、ゲルマニウム含有前駆体を提供している間の第2の流量まで増加されてもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約800W以上のプラズマ出力で実施されてもよい。半導体処理チャンバ内の温度は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約550℃以下で維持されてもよい。半導体処理チャンバ内の圧力は、第1の材料の層および第2の材料の層を基板上に形成している間、約6Torr以下で維持されてもよい。
【0011】
かかる技術は、従来のシステムおよび技法を超える多数の利益を提供することができる。例えば、処理および構造は、エッチング動作の間の欠陥形成に対して保護してもよい。加えて、本技術の実施形態の動作は、スタックを通るメモリ孔の形成を改善してもよい。これらおよび他の実施形態を、それらの利点および特徴の多くとともに、以下の説明および添付図面と併せてさらに詳細に記載する。
【0012】
開示する技術の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバを示す概略断面図である。
【
図2】本技術のいくつかの実施形態による形成方法の選択された動作を示す図である。
【
図3A】
図3A~
図3Bは、本技術のいくつかの実施形態による、材料層が含まれ作製される例示的な概略断面構造を示す図である。
【
図3B】
図3A~
図3Bは、本技術のいくつかの実施形態による、材料層が含まれ作製される例示的な概略断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面のうちいくつかは概略図として含まれる。図面は例示目的のものであって、縮尺通りであると具体的に提示されていない限り、縮尺通りとみなすべきではないことが理解されるべきである。さらに、概略図として、図面は理解を助けるために提供されるものであり、実際の表現と比較してすべての態様または情報を含まないことがあり、例示目的のために余分なまたは誇張した材料を含むことがある。
【0015】
添付図面において、類似の構成要素および/または特徴は同じ参照記号を有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照記号の後に類似の構成要素同士を区別する文字を付すことによって、区別されることがある。明細書において最初の参照記号のみが使用される場合、その説明は、文字にかかわらず同じ最初の参照記号を有する類似の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0016】
3D NAND構造が形成されるセルの数が増大するにつれて、個々の層および他の構造のアスペクト比が、場合によっては劇的に増加する。3D NAND処理の間、プレースホルダ層および誘電体材料のスタックが、電極間誘電体またはインターポリ誘電体層を形成してもよい。これらのプレースホルダ層は、材料を完全に除去し、それを金属と置き換える前に構造を配置するために実施される様々な動作を有してもよい。インターポリ誘電体層は、多くの場合、例えばポリシリコンなど、導電体層の上に重なって形成される。エッチング処理は、プレースホルダ層の材料を、金属と置き換える前に除去するために実施されてもよい。
【0017】
例えば窒化ケイ素など、プレースホルダ層の材料を除去するため、湿式エッチングが使用されてもよい。湿式エッチングは、プレースホルダ層および誘電体材料のスタックを有する構造を、例えばリン酸などのエッチング液に浸漬することを伴ってもよい。エッチング液は、金属を堆積させて除去されたプレースホルダ材料と置き換え得るように、誘電体材料を実質的に除去することなく、プレースホルダ層を除去することを意図してもよい。
【0018】
従来の技術は、2つの層タイプ同士の材料の差、ならびにエッチング処理および材料による、エッチング除去処理中の均一性および制御に苦労することがある。例えば、従来の技術は、エッチング処理の間、プレースホルダ層を均一に除去できないことがある。本技術は、他の場合に起こり得る1つもしくは複数の課題を適応させるかまたは制限することができる、プレースホルダ層および誘電体材料のスタックを有する構造を形成しながら、プレースホルダ層に使用される材料を調節することによって、これらの問題を克服する。例えば、本技術は、従来の窒化ケイ素プレースホルダ層の代わりに酸化ゲルマニウムプレースホルダ層を採用してもよい。酸化ゲルマニウム材料を利用することによって、本技術は、エッチング処理を、従来の湿式処理よりもより選択的であり得るドライエッチング処理によって実施するのを可能にすることができる。加えて、本技術は、ゲルマニウム膜に伴う従来の問題を克服することができる。従来的に形成された酸化ゲルマニウムは感温性であってもよく、下流の処理はアニーリングを含んでもよく、それによってゲルマニウムをシリコン材料内へと拡散させることができ、状況によっては、別個の層を完全に溶解させ、層状構造を破壊することがある。本発明の構造は、酸化ゲルマニウムを形成して感温性を改善することができ、後続の処理の間、層を離散的に維持できることが担保される。残りの開示では、本開示の技術を利用する特定の材料および半導体構造を規定通りに特定するが、システム、方法、および材料は、本技術の態様から利益を得ることができる、多くの他の構造に等しく適用可能であることが容易に理解されるであろう。したがって、技術は、3D NAND処理または材料のみで使用することに限定されるものとみなされるべきではない。さらに、本技術の基礎を提供する例示的なチャンバが記載されるが、本技術は、記載される動作を可能にすることができる、実質的にいかなる半導体処理チャンバにも適用できることが理解されるべきである。
【0019】
図1は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理チャンバシステム100の断面図を示している。半導体処理チャンバ100は、本技術のいくつかの実施形態による膜層を形成するのに利用されてもよいが、方法は同様に、膜形成が中で行われてもよい任意のチャンバで同様に実施されてもよいことが理解されるべきである。半導体処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、チャンバ本体102内部に配設された基板支持体104と、チャンバ本体102と結合され、基板支持体104を処理容積120内に封入する蓋アセンブリ106とを含んでもよい。基板103は、スリットバルブまたはドアを使用して処理のために従来的に封止されてもよい開口部126を通して、処理容積120に提供されてもよい。基板103は、処理の間、基板支持体の表面105上に載置されてもよい。基板支持体104は、基板支持体104の軸144が位置してもよい軸147に沿って、矢印145によって示されるように回転可能であってもよい。あるいは、基板支持体104は、成膜プロセスの間、必要に応じて持ち上げられて回転してもよい。
【0020】
プラズマプロファイル変換器111は、基板支持体104上に配設された基板103にわたるプラズマ分布を制御するため、半導体処理チャンバ100内に配設されてもよい。プラズマプロファイル変換器111は、チャンバ本体102に隣接して配設されてもよく、チャンバ本体102を蓋アセンブリ106の他の構成要素から分離してもよい、第1の電極108を含んでもよい。第1の電極108は、蓋アセンブリ106の一部であってもよく、または別個の側壁電極であってもよい。第1の電極108は、環状またはリング状部材であってもよく、リング電極であってもよい。第1の電極108は、処理容積120を取り囲む半導体処理チャンバ100の円周を囲む連続ループであってもよく、または所望に応じて選択された場所において不連続であってもよい。第1の電極108はまた、有孔リングもしくはメッシュ電極などの有孔電極であってもよく、または例えば補助ガス分配器などのプレート電極であってもよい。
【0021】
1つまたは複数のアイソレータ110a、110bは、セラミックまたは酸化金属、例えば酸化アルミニウムおよび/もしくは窒化アルミニウムなどの誘電材料であってもよく、第1の電極108に接触し、第1の電極108をガス分配器112から、またチャンバ本体102から、電気的および熱的に分離してもよい。ガス分配器112は、プロセス前駆体を処理容積120内へと分配するためのアパーチャ118を画定してもよい。ガス分配器112は、RFジェネレータ、RF電源、DC電源、パルスDC電源、パルスRF電源、または処理チャンバと結合されてもよい他の任意の電源など、第1の電力源142と結合されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電力源142はRF電源であってもよい。
【0022】
ガス分配器112は、導電性ガス分配器または非導電性ガス分配器であってもよい。ガス分配器112はまた、導電性および非導電性構成要素で形成されてもよい。例えば、ガス分配器112の本体は導電性であってもよく、ガス分配器112の面板は非導電性であってもよい。ガス分配器112は、
図1に示されるような第1の電力源142などによって電力供給されてもよく、またはガス分配器112は、いくつかの実施形態では接地と結合されてもよい。
【0023】
第1の電極108は、半導体処理チャンバ100の接地経路を制御してもよい、第1の同調回路128と結合されてもよい。第1の同調回路128は、第1の電子センサ130および第1の電子コントローラ134を含んでもよい。第1の電子コントローラ134は、可変コンデンサもしくは他の回路素子であってもよく、またはそれを含んでもよい。第1の同調回路128は、1つもしくは複数のインダクタ132であってもよく、またはそれを含んでもよい。第1の同調回路128は、処理中に処理容積120内に存在するプラズマ条件下で可変のまたは制御可能なインピーダンスを可能にする、任意の回路であってもよい。図示されるようないくつかの実施形態では、第1の同調回路128は、接地と第1の電子センサ130との間に並列で結合される第1の回路脚および第2の回路脚を含んでもよい。第1の回路脚は第1のインダクタ132Aを含んでもよい。第2の回路脚は、第1の電子コントローラ134と直列で結合される第2のインダクタ132Bを含んでもよい。第2のインダクタ132Bは、第1の電子コントローラ134と、第1および第2の回路脚の両方を第1の電子センサ130に接続するノードとの間に配設されてもよい。第1の電子センサ130は、電圧または電流センサであってもよく、処理容積120内部のプラズマ条件の閉ループ制御をある程度負担してもよい、第1の電子コントローラ134と結合されてもよい。
【0024】
第2の電極122は基板支持体104と結合されてもよい。第2の電極122は、基板支持体104内に埋め込まれるか、または基板支持体104の表面105と結合されてもよい。第2の電極122は、プレート、有孔プレート、メッシュ、ワイヤスクリーン、または導電素子の他の任意の分配配置であってもよい。第2の電極122は、同調電極であってもよく、例えば基板支持体104の軸144内に配設された、導管146、例えば50Ωなどの選択された抵抗を有するケーブルによって、第2の同調回路136と結合されてもよい。第2の同調回路136は、第2の電子センサ138と、第2の可変コンデンサであってもよい第2の電子コントローラ140とを有してもよい。第2の電子センサ138は、電圧または電流センサであってもよく、第2の電子コントローラ140と結合されて、処理容積120内のプラズマ条件に対するさらなる制御を提供してもよい。
【0025】
第3の電極124は、バイアス電極および/または静電チャック電極であってもよく、基板支持体104と結合されてもよい。第3の電極は、インピーダンス整合回路であってもよいフィルタ148を通して、第2の電力源150と結合されてもよい。第2の電力源150は、DC電力、パルスDC電力、RFバイアス電力、パルスRF源もしくはバイアス電力、またはそれらもしくは他の電源の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、第2の電力源150はRFバイアス電力であってもよい。
【0026】
図1の蓋アセンブリ106および基板支持体104は、プラズマ処理または熱処理用の任意の処理チャンバとともに使用されてもよい。動作の際、半導体処理チャンバ100は、処理容積120内のプラズマ条件のリアルタイム制御を負担してもよい。基板103は基板支持体104上に配設されてもよく、処理ガスは、任意の所望のフロー計画にしたがって、入口114を使用して蓋アセンブリ106を通して流されてもよい。ガスは、出口152を通って半導体処理チャンバ100を出てもよい。電力は、ガス分配器112と結合されて、処理容積120内にプラズマを確立してもよい。基板は、いくつかの実施形態では、第3の電極124を使用して電気バイアスを受けてもよい。
【0027】
処理容積120内のプラズマに電流を流すと、電位差をプラズマと第1の電極108との間に確立することができる。電位差は、プラズマと第2の電極122との間に確立することもできる。次に電子コントローラ134、140を使用して、2つの同調回路128および136によって表される接地経路のフロー特性を調節することができる。セットポイントを、第1の同調回路128および第2の同調回路136に伝達して、成膜速度と中心からエッジまでのプラズマ密度の均一性との独立制御をもたらすことができる。電子コントローラが両方とも可変コンデンサである実施形態では、電子センサが可変コンデンサを調節して、成膜速度を最大限にすることと、厚さの不均一性を最小限にすることとを独立して行うことができる。
【0028】
各同調回路128、136は、それぞれの電子コントローラ134、140を使用して調節することができる、可変インピーダンスを有することができる。電子コントローラ134、140が可変コンデンサである場合、可変コンデンサそれぞれの容量範囲、ならびに第1のインダクタ132Aおよび第2のインダクタ132Bのインダクタンスは、インピーダンス範囲をもたらすように選ばれてもよい。この範囲は、プラズマの周波数および電圧特性に応じて決まってもよく、各可変コンデンサの容量範囲の最小値を有してもよい。したがって、第1の電子コントローラ134の容量が最小値または最大値の場合、第1の同調回路128のインピーダンスが高くてもよく、結果として、基板支持体の上で最小限の空中または横方向カバレッジを有するプラズマ形状がもたらされる。第1の電子コントローラ134の容量が第1の同調回路128のインピーダンスを最小限にする値に近付くと、プラズマの空中カバレッジが最大値まで成長して、基板支持体104の作動エリア全体を有効に網羅することができる。第1の電子コントローラ134の容量が最小インピーダンス設定から逸脱するにつれて、プラズマ形状がチャンバ壁から収縮することがあり、基板支持体の空中カバレッジが減退することがある。第2の電子コントローラ140は類似の効果を有することができ、第2の電子コントローラ140の容量を変化させることができるように、基板支持体の上のプラズマの空中カバレッジを増減させることができる。
【0029】
電子センサ130、138は、それぞれの回路128、136を閉ループで同調するのに使用することができる。電流または電圧のセットポイントは、使用されるセンサのタイプに応じて、各センサにインストールされてもよく、センサは、セットポイントからの逸脱を最小限にするように、それぞれの電子コントローラ134、140に対する調節を決定する、制御ソフトウェアを備えてもよい。結果として、処理の間にプラズマ形状が選択され動的に制御されてもよい。上述の考察は、可変コンデンサであってもよい電子コントローラ134、140に基づくが、調節可能なインピーダンスを有する同調回路128および136を提供するのに、調節可能な特性を有する任意の電子構成要素が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0030】
図2は、本技術のいくつかの実施形態による半導体処理の例示的な方法200の動作を示している。方法は、上述の半導体処理チャンバ100、ならびにプラズマ堆積が中で実施されてもよい他の任意のチャンバを含む、様々な処理チャンバ内で実施されてもよい。方法200は、本技術による方法のいくつかの実施形態と具体的に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい、複数の任意の動作を含んでもよい。方法200は、材料の交互の層が上に形成されてもよい、
図3Aに示されるような例示的な構造300を含む、任意の数の半導体構造または基板315上で実施されてもよいことが理解されるべきである。
図3Aと
図3Bは一部のみの概略図を示しており、基板は、図面に示されるような態様を有する任意の数の構造区画、ならびにやはり本技術の動作からの利益を得てもよい代替の構造的態様を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0031】
方法200の第1の動作の前に、基板315は、方法200が実施されてもよい半導体処理チャンバ100の処理領域内に配置される前に、1つまたは複数の手法で処理されてもよい。動作の一部またはすべては、上述したようなチャンバまたはシステムツールで実施されてもよく、あるいは方法200の動作が実施されてもよい半導体処理チャンバを含んでもよい、同じシステムツール上の異なるチャンバで実施されてもよい。
【0032】
基板315は、実施形態では、実質的に平面の表面または不均等な表面を有してもよい。基板は、結晶シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン(IBMが開発したもの)、シリコンゲルマニウム、ドープされたもしくはドープされていないポリシリコン、ドープされたまたはドープされていないシリコンウエハ、パターン化されたまたはパターン化されていないウエハ、絶縁体のシリコン、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、またはサファイアなどの材料であってもよい。基板315は、直径200mmまたは300mmのウエハ、ならびに矩形または方形のパネルなど、様々な寸法を有してもよい。
【0033】
方法200は、本技術による方法のいくつかの実施形態と具体的に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい、例示されるような複数の任意の動作を含んでもよい。例えば、動作の多くは、構造的形成のより広い範囲を提供するために記載されるが、本技術にとって重要ではなく、またはさらに後述するように代替方法によって実施されてもよい。上述したように、方法200は、方法200の動作と併せて説明される、
図3Aに概略的に示される動作を説明してもよい。
【0034】
構造300は、いくつかの実施形態では、3D NANDメモリ形成に使用されてもよい、材料の交互の層のスタックの部分図を示してもよい。材料の交互の層は、プラズマ化学気相堆積、物理的気相堆積、原子層堆積、熱的強化化学気相堆積、または他の任意の形成技法を含む、任意の数の方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ化学気相堆積は、上述の半導体処理チャンバ100などの処理チャンバ内で実施されてもよい。方法200は、酸化ケイ素の形成とそれに続く酸化ゲルマニウムの形成について考察するが、本技術に同様に包含される実施形態では、形成順は逆にされてもよい。加えて、任意の数の材料の層がスタック内で作製されてもよく、または任意のスタックの任意の部分、およびスタックの異なる部分は、本技術の実施形態によるスタックの他の任意の部分のより多数、より少数、または同様の数の層を含んでもよい。
【0035】
方法200は、動作205で、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバ100の処理領域に提供することを含んでもよい。使用されてもよいケイ素含有前駆体は、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、四フッ化ケイ素(SiF4)、四塩化ケイ素(SiCl4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、ならびに酸化ケイ素膜形成に使用されてもよい他の任意のケイ素含有前駆体を含んでもよいがそれらに限定されない。方法200はまた、動作210で、ケイ素含有前駆体のプラズマを処理領域内で形成することを含んでもよい。実施形態では、ケイ素含有前駆体のプラズマは、RF出力を面板に提供して処理領域内でプラズマを発生させることによって形成されてもよいが、プラズマを生成することができる他の任意の処理チャンバが同様に使用されてもよい。ケイ素含有前駆体のプラズマを形成することは、約500W以下のプラズマ出力で実施されてもよく、約475W以下、約450W以下、約425W以下、約400W以下、約375W以下、約350W以下、またはそれ以下のプラズマ出力で実施されてもよく、それによって、作製される膜内でシリコンおよび酸素のより長い鎖を形成するのを容易にしてもよい。
【0036】
ケイ素含有前駆体のプラズマを形成した後、方法200は、動作215で、第1の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第1の材料の層は、酸化ケイ素などのケイ素含有材料を含んでもよい。十分な厚さまで堆積させた後、後続の動作に進む前に、ケイ素含有前駆体のフローは低減または排除されてもよい。
【0037】
方法200は、動作220で、ゲルマニウム含有前駆体を半導体処理チャンバ100の処理領域に提供することを含んでもよい。使用されてもよいゲルマニウム含有前駆体は、ゲルマン(GeH4)、ジゲルマン(Ge2H6)、二フッ化ゲルマニウム(GeF2)、四フッ化ゲルマニウム(GeF4)、二塩化ゲルマニウム(GeCl2)、四臭化ゲルマニウム(GeBr4)、ならびにゲルマニウム含有(酸化ゲルマニウムなど)膜形成に使用されてもよい他の任意のゲルマニウム含有前駆体を含んでもよいがそれらに限定されない。
【0038】
動作205または動作220のいずれかにおいて、酸素含有前駆体はさらに、半導体処理チャンバ100の処理領域に提供されてもよい。使用されてもよい酸素含有前駆体は、O2、N2O、NO2、O3、H2O、ならびにケイ素含有(酸化ケイ素など)膜またはゲルマニウム含有(酸化ゲルマニウムなど)膜形成に使用されてもよい他の任意の酸素含有前駆体を含んでもよいがそれらに限定されない。酸素含有前駆体が動作205および動作220の両方で提供される場合、動作205でケイ素含有前駆体とともに提供される酸素含有前駆体は、動作220でゲルマニウム含有前駆体とともに提供される酸素含有前駆体と同様の前駆体であってもよい。同様の構成成分を含むので、O2およびO3は同様の前駆体であってもよく、N2OおよびNO3は同様の前駆体であってもよい。また、動作205および動作220の間、類似しない酸素含有前駆体が使用されてもよいことが想到される。いくつかの実施形態では、酸素含有前駆体の流量は、動作205でケイ素含有前駆体を提供する間に提供される第1の流量から、動作220でゲルマニウム含有前駆体を提供する間の第2の流量まで増加されてもよい。また、動作205および動作220の間、酸素含有前駆体の流量は実質的に同様であってもよいことが想到される。同様に、窒素含有前駆体も、半導体処理チャンバ100の処理領域に提供されてもよい。動作205または動作220の間に使用される窒素含有前駆体は、N2、N2O、NO2、NH3、N2H2、ならびにケイ素含有(酸化ケイ素を含む)膜またはゲルマニウム含有(酸化ゲルマニウムを含む)膜形成に使用されてもよい、他の任意の窒素含有前駆体を含んでもよい。動作205または動作220のいずれかにおいて、Ar、He、Xe、Kr、窒素、または他の前駆体を含んでもよい、不活性前駆体など、1つまたは複数の追加の前駆体が含まれてもよい。
【0039】
酸素含有前駆体は、酸化ケイ素層および/または酸化ゲルマニウム層の形成の間、ケイ素含有前駆体またはゲルマニウム含有前駆体のどちらかよりも多い流量で流されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、酸素含有前駆体は、ケイ素含有前駆体またはゲルマニウム含有前駆体の流量と比較して、少なくとも10:1の流量で流されてもよく、約20:1以上、約30:1以上、約40:1以上、約50:1以上、約60:1以上、約70:1以上、約80:1以上、約90:1以上、約100:1以上、またはそれ以上であってもよい。同様に、いくつかの実施形態では、酸素含有前駆体の流量は、動作205でケイ素含有前駆体を提供する間に提供される第1の流量から、動作220でゲルマニウム含有前駆体を提供する間の第2の流量まで増加されてもよい。ゲルマニウム膜形成の間に酸素含有前駆体の流量を増加させることによって、より酸素が豊富な膜が形成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、酸素含有前駆体は、ゲルマニウム含有前駆体と比較して、約100:1以上の流量で流されてもよく、約200:1以上、約300:1以上、約400:1以上、約500:1以上、約600:1以上、約700:1以上、約800:1以上、約900:1以上、約1000:1以上、またはそれ以上であってもよい。
【0040】
方法200の動作225で、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマは処理領域内で形成されてもよい。実施形態では、ゲルマニウム含有前駆体のプラズマは、RF出力を面板に提供して処理領域内でプラズマを発生させることによって形成されてもよいが、プラズマを生成することができる他の任意の処理チャンバが同様に使用されてもよい。ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成することは、約500W以上のプラズマ出力で実施されてもよく、約550W以上、約600W以上、約650W以上、約700W以上、約750W以上、約800W以上、約800W以上、約850W以上、約900W以上、約950W以上、約1000W以上、またはそれ以上のプラズマ出力で実施されてもよい。ゲルマニウム含有のプラズマの形成中におけるプラズマ出力は、酸素ラジカルが豊富な環境を作り出すのに必要なことがある。さらに後述するように、第1の材料の層上に堆積される第2の材料の層において、ゲルマニウムと酸素の原子比は約3:2以下であるのが望ましいことがある。したがって、この原子比を達成するためには、酸素ラジカルが豊富な環境を作り出し、第2の材料の層に十分な酸素を堆積するために、約500W以上のプラズマ出力が必要なことがある。プラズマ出力が500W未満の場合、ゲルマニウム原子は、互いに結合し、ゲルマニウムが豊富な酸化ゲルマニウムの領域を形成し始めることがあり、それによって、ゲルマニウムと酸素の原子比を望ましくなく増加させて、作製される膜の温度感受性を増加させることがある。さらに、約500W以上のプラズマ出力を維持することは、ゲルマニウム原子が酸化し始めるまでゲルマニウム原子を分離する助けとなってもよい。
【0041】
ゲルマニウム含有前駆体のプラズマを形成した後、方法200は、動作230で、第2の材料の層を基板上に形成することを含んでもよい。第2の材料の層は、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム含有材料を含んでもよい。第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比は、約3:2以下であってもよく、約1:1以下、約1:2以下、約2:5以下、約1:3以下、約1:4以下、約1:5以下、またはそれ以下であってもよい。ゲルマニウムと酸素の原子比が約3:2以下である第2の材料の層は、ゲルマニウムと酸素の原子比が3:2超過である材料の層と比較して、増加した熱安定性を有してもよい。ゲルマニウムと酸素の原子比が3:2超過である材料の層は、さらに後述するように、ゲルマニウム原子がアニーリング動作中に隣接層へと拡散することがあるので、望ましい熱安定性を有さないことがある。上述したように、動作220で、ゲルマニウム含有前駆体に加えて酸素含有前駆体が提供されてもよい。この追加の酸素含有前駆体は、酸素濃度の増加に寄与してもよく、したがって、第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比を減少させる。
【0042】
動作205および動作220における堆積は、約550℃以下の基板またはペデスタル温度で実施されてもよい。結果として、いくつかの実施形態では、堆積は、約525℃以下、約500℃以下、約475℃以下、約450℃以下、約425℃以下、約300℃以下、約375℃以下、約350℃以下、約325℃以下、約300℃以下、約275℃以下、約250℃以下、約225℃以下、約200℃以下、またはそれ以下の温度で行われてもよい。加えて、堆積は、約5Torr以下、約4Torr以下、約3Torr以下、約2Torr以下、約1Torr以下、またはそれ以下など約6Torr以下の圧力で行われてもよい。動作205および220は、同じまたは同様のプロセス条件で形成されてもよい。例えば、温度および/または圧力は、第1の材料の層および第2の材料の層の形成両方に対して維持されてもよい。逆に、温度および/または圧力は、第1の材料の層および第2の材料の層の形成の間で修正または調節されてもよい。さらに、温度および/または圧力は、構造300の交互の層における様々な層の形成の間で修正または調節されてもよい。
【0043】
第1の材料の層および第2の材料の層はそれぞれ、実質的に同様の厚さを有してもよい。例えば、第1の材料の層および第2の材料の層の厚さは、互いに約5nm以内の厚さを有してもよく、互いに約4nm以内、互いに約3nm以内、互いに約2nm以内、互いに約1nm以内、またはそれ未満の厚さを有してもよい。実施形態では、第1の材料の層および第2の材料の層は、約12nm以上、約14nm以上、約16nm以上、約18nm以上、約20nm以上、またはそれ以上など、約10nm以上の厚さを有してもよい。さらに、第1の材料の層および第2の材料の層は、約28nm以下、約26nm以下、約24nm以下、約22nm以下、約20nm以下、またはそれ未満など、約30nm以下の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、材料の層はそれぞれ、約10nm~30nmの厚さを有してもよい。
【0044】
方法200は、動作235で動作205から動作230を繰り返して、第1の材料の層および第2の材料の層の交互のセットを形成することを含んでもよい。これらの動作は、層のスタックを構成してもよい層の所定数のペアを形成することができるまで、任意の回数繰り返されてもよい。上述したように、
図3Aは、酸化ケイ素および酸化ゲルマニウムの交互の層のスタック310を有する基板305を含む構造300を示している。図示されるスタック310は、酸化ケイ素材料の少なくとも1つの層317および酸化ゲルマニウム材料の少なくとも1つの層319をそれぞれ含んでもよい、複数の部分315を含んでもよい。各部分はまた、約2ペア以上、約10ペア以上、約50ペア以上、約100ペア以上、またはそれ以上のペアの層を含む、複数ペアの層を含んでもよい。合計で、構造300は、第1の材料の層および第2の材料の層の交互の層を少なくとも10層含んでもよく、少なくとも30層、少なくとも50層、少なくとも100層、少なくとも150層、またはそれ以上含んでもよい。これらの規定された範囲のいずれかに包含される任意の特定の数のペアは、本明細書で具体的に規定されたようなものとして理解されるべきである。3つの部分315a、315b、および315cが例示されているが、本技術のいくつかの実施形態にしたがって、より多数またはより少数の部分が含まれてもよい。
【0045】
動作240で、任意選択のアニールが実施されてもよく、それによって、材料における酸素濃度の増加を伴ってまたは伴わずに、形成された膜の温度を上昇させてもよい。アニールは、約500℃以上まで構造の温度を増加させる処理を含んでもよく、スタックの第1の部分の温度を、約550℃以上、約600℃以上、約650℃以上、約700℃以上、約750℃以上、約800℃以上、約850℃以上、約900℃以上、またはそれ以上に増加させてもよい。動作240は、方法200の間、複数回形成されてもよい。例えば、第1のアニールは、第1の部分315aの形成後、第2の部分315bの形成前に実施されてもよい。第1の部分315aおよび第2の部分315bの形成の間にアニールを実施することによって、任意の後続の処理中における構造の変形を制限するガス放出が行われてもよい。
【0046】
上述したように、第2の材料の層におけるゲルマニウムと酸素の原子比は、約3:2以下であってもよい。ゲルマニウムと酸素の原子比が、3:2超過などで高すぎる場合、酸化ゲルマニウム層は、アニール動作の間、望ましい安定性を欠くことがある。例えば、ゲルマニウムと酸素の原子比が3:2超過の場合のアニール動作の間、ゲルマニウムは隣接する酸化ケイ素層内で拡散してもよい。例えば、ゲルマニウムと酸素の原子比が3:2超過の場合、酸化ケイ素層および酸化ゲルマニウム層は、アニールの間に完全に溶解し、結合して1つの均質層になることがある。
【0047】
構造300を形成した後、構造は、3D NANDなど、使用の準備のためにさらに処理されてもよい。後続の処理において、また
図3Bに示されるように、複数のメモリ孔または開孔が構造301にエッチングされてもよい。ハードマスクが構造300に適用されてもよく、高アスペクト比のメモリ孔が構造301にエッチングされてもよい。メモリ孔は、構造301の頂部から基板315内へとエッチングされる、トレンチまたはチャネルであってもよい。メモリ孔がエッチングされた後、残っている酸化ゼラニウム材料を除去する前に、さらなる堆積およびエッチング処理が実施されてもよい。
【0048】
酸化ケイ素および窒化ケイ素の交互の層を有する従来の構造では、メモリ孔をエッチングする処理は困難なことがある。実施されるエッチング処理は、2つの材料の間に十分な選択性を有さないことがあり、それによって、窒化ケイ素の不十分な除去、ならびに酸化ケイ素のオーバーエッチをもたらすことがあり、それによってセル構造が損傷することがある。逆に、酸化ゲルマニウムは、酸化ケイ素の選択性が増加したドライエッチング処理によってより容易にエッチングされてもよく、それによって、構造全体を通して酸化ゲルマニウムの除去の増加、ならびに酸化ケイ素の損失の制御の両方であり得る。酸化ゲルマニウムは、メモリ孔の形成を容易にしてもよい、窒化ケイ素に対して低減された硬度によって特徴付けられてもよく、より薄いハードマスクを使用することを可能にし、ならびに窒化ケイ素の従来の処理では酸化ケイ素を損傷することがあり得る、エッチング処理のインターフェース滞留時間を制限することを可能にしてもよい。
【0049】
当業者であれば認識するであろう、メモリ孔のエッチング、およびメモリセル形成に関連する任意の追加の堆積および/またはエッチング処理の後、残りの酸化ゲルマニウム材料が除去されてもよい。除去される酸化ゲルマニウムは、タングステンなどの金属連続材料と置き換えられてもよい。従来構造の窒化ケイ素を除去するエッチングの間、窒化ケイ素の不十分な除去能力が実現されることがある。窒化ケイ素層が使用される場合、本開示のような酸化ゲルマニウム層とは対照的に、リン酸(H3PO4)を使用する湿式エッチングが必須である。窒化ケイ素のこの湿式エッチング除去の間、酸化ケイ素の副産物が形成されることがある。この酸化ケイ素副産物の一部分は、構造における既存の酸化ケイ素層上に堆積することがある。窒化ケイ素除去中における酸化ケイ素のこの故意ではない堆積は、既存の酸化ケイ素層の整合されない形状を作り出すことがあり、これは望ましくないことがある。
【0050】
本開示の実施形態では、酸化ゲルマニウム層が窒化ケイ素層の代わりに使用される場合、湿式エッチングは必須ではないことがある。代わりに、水素含有ガスおよび/またはアルゴン含有ガスを使用して、ドライエッチングが実施されてもよい。かかる実施形態では、プラズマが水素含有ガスから形成されて、酸化ゲルマニウム材料をエッチングしてもよく、例えばアルゴンなど、1つまたは複数のキャリアガスが、プラズマ安定性のために含まれてもよい。水素含有ガスを使用するこのドライエッチングは、酸化ケイ素材料を実質的にエッチングすることなく、酸化ゲルマニウム材料をエッチングしてもよい。さらに、このドライエッチングは、構造を形成するのに使用されるのと同じ半導体処理チャンバ100内で実施されてもよい。水を使用する酸化ゲルマニウムの湿式エッチングが可能であるが、かかる湿式エッチングは、酸化ケイ素層の曲がり、表面張力効果、その他をもたらすことがある。
【0051】
記載したプロセスの1つまたは複数を利用することによって、材料の除去の改善、また、したがってメモリ孔のより均一な形成がもたらされてもよく、それにより、金属含有材料と置き換えられるべき材料のスタック処理および最終的な除去の困難を制限し、ならびにメモリ孔を通してプロファイルの均一性を改善してもよい。結果として、本技術によって製造の改善がもたらされてもよく、それによって従来の技術よりもより均一なスタック構造を作製してもよい。
【0052】
上記の記載では、説明目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、多数の詳細について説明してきた。しかしながら、特定の実施形態はこれらの詳細の一部を含まずに、または追加の詳細を含んで実践されてもよいことが、当業者には明白となるであろう。
【0053】
いくつかの実施形態を開示してきたが、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構成、および等価物が使用されてもよいことが、当業者には認識されるであろう。加えて、本技術を不必要に曖昧にすることを回避するために、多くの良く知られているプロセスおよび要素について記載してこなかった。したがって、上述の記載は技術の範囲を限定するものとみなされるべきではない。加えて、方法または処理は、連続したまたはステップで記載されることがあるが、動作は同時に、または列挙されたのとは異なる順序で実施されてもよいことが理解されるべきである。
【0054】
値の範囲が提供される場合、文脈による別段の明示がない限り、その範囲の上限と下限との間の中間の各値も、下限の単位の最も小さい小数部まで、具体的に開示されているものと理解される。提示された範囲内の任意の提示された値または提示されていない中間値、およびその提示された範囲内の他の任意の提示された値または中間値の間の、いずれのより狭い範囲も包含される。それらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して範囲に含まれてもまたは範囲から除外されてもよく、より小さい範囲に上下限のどちらかが含まれる、どちらも含まれない、または両方が含まれる各範囲も技術に包含され、提示された範囲における任意の具体的に除外される限界の対象となる。提示された範囲が限界の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界のどちらかまたは両方を除外した範囲も含まれる。
【0055】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による別段の明示がない限り、複数形を含む。したがって、例えば、「ケイ素含有前駆体」に対する言及は複数のかかる前駆体を含み、「第1の材料の層」に対する言及は、1つまたは複数の層に対する言及、および当業者には知られているその等価物を含み、その他も同様である。
【0056】
また、「備える」、「備えている」、「含有する」、「含有している」、「含む」、および「含んでいる」という単語は、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用されるとき、提示される特徴、整数、構成要素、または動作が存在することを指定しようとするものであるが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、作用、または群の存在または追加を除外しない。
【国際調査報告】