(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-09
(54)【発明の名称】1以上の圧力安定化チャンバを有するクラスタツール、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20241002BHJP
C23C 16/54 20060101ALI20241002BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/54
H01L21/306 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504173
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022037676
(87)【国際公開番号】W WO2023033947
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョプラ, ソーラブ
(72)【発明者】
【氏名】サリーナス, マーティン ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】イシイ, マサト
(72)【発明者】
【氏名】タン, ション-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン, シュリヴィディヤ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F043
5F045
【Fターム(参考)】
4K030BA29
4K030DA03
4K030EA03
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4K030HA04
4K030KA23
5F043BB27
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5F045HA03
5F045HA04
5F045HA06
(57)【要約】
一態様では、プロセスチャンバ内で第1の圧力においてプロセス工程が行われ、エピタキシャル堆積チャンバ内で大気圧においてエピタキシャル堆積工程が行われる。大気圧は、第1の圧力よりも大きい。プロセスチャンバは、第1の圧力(減圧)で動作する第1のメインフレームに取り付けられ、エピタキシャル堆積チャンバは、大気圧で動作する第2のメインフレームに取り付けられている。一態様では、プロセスチャンバが洗浄チャンバ(予洗浄チャンバなど)であり、プロセス工程が洗浄工程である。一態様では、プロセスチャンバが、大気圧エピタキシャル堆積チャンバであり、プロセス工程が、大気圧エピタキシャル堆積工程である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理するのに適したクラスタツールであって、
第1のメインフレーム、
前記第1のメインフレームに取り付けられた1以上のプロセスチャンバであって、700Torr未満の第1の圧力でプロセス工程を行うように構成された1以上のプロセスチャンバ、
前記第1のメインフレームに結合された第2のメインフレーム、及び
前記第2のメインフレームに結合された1以上のエピタキシャル堆積チャンバであって、700Torrから800Torrの範囲内の大気圧でエピタキシャル堆積工程を行うように構成された1以上のエピタキシャル堆積チャンバを備える、クラスタツール。
【請求項2】
前記1以上のプロセスチャンバは1以上の洗浄チャンバを含み、前記プロセス工程は洗浄工程である、請求項1に記載のクラスタツール。
【請求項3】
前記1以上のプロセスチャンバは、1以上の減圧エピタキシャル堆積チャンバを含み、前記プロセス工程は、減圧エピタキシャル堆積工程である、請求項1に記載のクラスタツール。
【請求項4】
前記1以上のプロセスチャンバと前記1以上のエピタキシャル堆積チャンバとの間に結合された第1の圧力安定化チャンバ、及び
前記1以上のプロセスチャンバと前記1以上のエピタキシャル堆積チャンバとの間に結合された第2の圧力安定化チャンバを更に備える、請求項1に記載のクラスタツール。
【請求項5】
前記第1のメインフレームと前記第2のメインフレームとの間に結合された少なくとも1つの圧力安定化チャンバを更に備え、前記第1のメインフレームは前記第1の圧力で動作し、前記第2のメインフレームは前記大気圧で動作する、請求項1に記載のクラスタツール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの圧力安定化チャンバは、
内部空間、
第1の移送チャンバに接続する第1のドア、
第2の移送チャンバに接続する第2のドア、
前記内部空間内に配置された基板支持体、
前記内部空間に圧力安定化ガスを供給するために、前記内部空間に流体接続された第1のガス源、及び
前記内部空間から前記圧力安定化ガスを排気するために、前記内部空間に流体接続された排気ポンプを備える、請求項5に記載のクラスタツール。
【請求項7】
ファクトリインターフェース、及び
前記ファクトリインターフェースと前記第1のメインフレームとの間に配置された1以上のロードロックチャンバを更に備える、請求項5に記載のクラスタツール。
【請求項8】
基板を処理する方法であって、
ファクトリインターフェース内に前記基板を配置すること、
前記ファクトリインターフェースから洗浄チャンバの第1の処理空間に前記基板を移送すること、
前記基板から自然酸化物を除去するために、前記第1の処理空間を700Torr未満の第1の圧力に維持しながら、前記洗浄チャンバ内で前記基板に対して洗浄工程を行うこと、
圧力安定化チャンバの圧力を前記第1の圧力に維持すること、
前記洗浄チャンバから前記圧力安定化チャンバの第1のドアを通して前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送すること、
前記第1のドアを閉じること、
前記圧力安定化チャンバの前記圧力を700Torrから800Torrの範囲内の大気圧まで上昇させること、
前記圧力安定化チャンバの第2のドアを開くこと、
前記圧力安定化チャンバからエピタキシャル堆積チャンバの第2の処理空間に前記基板を移送すること、及び
前記第2の処理空間を前記大気圧に維持しながら、前記基板に対してエピタキシャル堆積工程を行うことを含む、方法。
【請求項9】
前記第1の圧力は、30Torrから80Torrの範囲内である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エピタキシャル堆積工程は、前記第2の処理空間を摂氏400度から摂氏1200度の範囲内の温度に維持しながら、前記基板に対して行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記洗浄チャンバから前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送することは、
第1の移送チャンバの圧力を前記第1の圧力に維持しながら、前記第1の移送チャンバを介して前記基板を移送すること、及び
前記圧力安定化チャンバの中に前記基板を移動させる間に、前記圧力安定化チャンバの前記第2のドアを閉じた状態に維持することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記圧力安定化チャンバの閉じられた前記第2のドアは、前記圧力安定化チャンバを第2の移送チャンバから分離し、
前記洗浄チャンバから前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送することは、前記第2の移送チャンバの圧力を前記大気圧に維持することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のドアは、前記第2のドアが開かれている間に、閉じた状態に維持される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力安定化チャンバから前記エピタキシャル堆積チャンバの前記第2の処理空間に前記基板を移送することは、前記第2の移送チャンバを介して前記基板を移送することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
基板を処理する方法であって、
ファクトリインターフェース内に前記基板を配置すること、
前記ファクトリインターフェースから第1のエピタキシャル堆積チャンバの第1の処理空間に前記基板を移送すること、
前記第1の処理空間を700Torr未満の第1の圧力に維持しながら、前記第1のエピタキシャル堆積チャンバ内で前記基板に対して第1のエピタキシャル堆積工程を行うこと、
圧力安定化チャンバの圧力を前記第1の圧力に維持すること、
前記第1のエピタキシャル堆積チャンバから前記圧力安定化チャンバの第1のドアを通して前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送すること、
前記第1のドアを閉じること、
前記圧力安定化チャンバの前記圧力を700Torrから800Torrの範囲内の大気圧まで上昇させること、
前記圧力安定化チャンバの第2のドアを開くこと、
前記圧力安定化チャンバから第2のエピタキシャル堆積チャンバの第2の処理空間に前記基板を移送すること、及び
前記第2の処理空間を前記大気圧に維持しながら、前記基板に対して第2のエピタキシャル堆積工程を行うことを含む、方法。
【請求項16】
前記第2のエピタキシャル堆積工程は、前記第2の処理空間を摂氏400度から摂氏1200度の範囲内の温度に維持しながら、前記基板に対して行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のエピタキシャル堆積チャンバから前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送することは、
第1の移送チャンバの圧力を前記第1の圧力に維持しながら、前記第1の移送チャンバを介して前記基板を移送すること、及び
前記圧力安定化チャンバの中に前記基板を移動させる間に、前記圧力安定化チャンバの前記第2のドアを閉じた状態に維持することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記圧力安定化チャンバの閉じられた前記第2のドアは、前記圧力安定化チャンバを第2の移送チャンバから分離し、
前記第1のエピタキシャル堆積チャンバから前記圧力安定化チャンバに前記基板を移送することは、前記第2の移送チャンバの圧力を前記大気圧に維持することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のドアは、前記第2のドアが開かれている間に、閉じた状態に維持される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧力安定化チャンバから前記第2のエピタキシャル堆積チャンバの前記第2の処理空間に前記基板を移送することは、前記第2の移送チャンバを介して前記基板を移送することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、1以上の圧力安定化チャンバを含むクラスタツール、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 基板の処理中に、エピタキシャル工程の成長速度は制限され得る。成長速度を上げようとすると、基板上の汚染物質が増加したり、さもなければ処理された基板によって形成されるデバイスの性能が阻害されたりし得る。
【0003】
[0003] したがって、エピタキシャル成長速度の向上を促進する改良された装置、システム、及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の実施形態は、広くは、1以上の圧力安定化チャンバを有するクラスタツール、システム、及び方法に関する。本開示の一態様では、洗浄チャンバ内で第1の圧力において洗浄工程が行われ、エピタキシャル堆積チャンバ内で大気圧及びある温度においてエピタキシャル堆積工程が行われる。大気圧は、第1の圧力よりも大きい。
【0005】
[0005] 一実施態様では、半導体基板を処理するのに適したクラスタツールが、第1のメインフレーム、第1のメインフレームに取り付けられた1以上のプロセスチャンバ、及び第1のメインフレームに結合された第2のメインフレームを含む。1以上のプロセスチャンバは、700Torr未満の第1の圧力でプロセス工程を行うように構成されている。クラスタツールは、第2のメインフレームに結合された1以上のエピタキシャル堆積チャンバを含む。1以上のエピタキシャル堆積チャンバは、700Torrから800Torrの範囲内の大気圧でエピタキシャル堆積工程を行うように構成されている。
【0006】
[0006] 一実施態様では、基板を処理する方法が、ファクトリインターフェース内に基板を配置すること、及びファクトリインターフェースから洗浄チャンバの第1の処理空間に基板を移送することを含む。該方法は、基板から自然酸化物を除去するために、第1の処理空間を第1の圧力に維持しながら、洗浄チャンバ内で基板に対して洗浄工程を行うことを含む。第1の圧力は、700Torr未満である。該方法は、圧力安定化チャンバの圧力を第1の圧力に維持すること、及び洗浄チャンバから圧力安定化チャンバの第1のドアを通して圧力安定化チャンバに基板を移送することを含む。該方法は、第1のドアを閉じること、及び圧力安定化チャンバの圧力を700Torrから800Torrの範囲内の大気圧まで上昇させることを含む。該方法は、圧力安定化チャンバの第2のドアを開くこと、及び圧力安定化チャンバからエピタキシャル堆積チャンバの第2の処理空間に基板を移送することを含む。該方法は、第2の処理空間を大気圧に維持しながら、基板に対してエピタキシャル堆積工程を行うことを含む。
【0007】
[0007] 一実施態様では、基板を処理する方法が、ファクトリインターフェース内に基板を配置すること、及びファクトリインターフェースから第1のエピタキシャル堆積チャンバの第1の処理空間に基板を移送することを含む。該方法は、第1の処理空間を第1の圧力に維持しながら、第1のエピタキシャル堆積チャンバ内で基板に対して第1のエピタキシャル堆積工程を行うことを含む。第1の圧力は、700Torr未満である。該方法は、圧力安定化チャンバの圧力を第1の圧力に維持すること、及び第1のエピタキシャル堆積チャンバから圧力安定化チャンバの第1のドアを通して圧力安定化チャンバに基板を移送することを含む。該方法は、第1のドアを閉じること、及び圧力安定化チャンバの圧力を700Torrから800Torrの範囲内の大気圧まで上昇させることを含む。該方法は、圧力安定化チャンバの第2のドアを開くこと、及び圧力安定化チャンバから第2のエピタキシャル堆積チャンバの第2の処理空間に基板を移送することを含む。該方法は、第2の処理空間を大気圧に維持しながら、基板に対して第2のエピタキシャル堆積工程を行うことを含む。
【0008】
[0008] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、複数の実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は他の同等に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 一実施態様による基板を処理するためのシステムの概略上面図である。
【
図2】[0010] 一実施態様による処理チャンバの概略断面図である。
【
図3】[0011] 一実施態様による堆積チャンバの概略断面図である。
【
図4】[0012] 一実施態様による基板を処理する方法の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0013] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号が使用された。一実施形態の要素及び特徴は、追加の記述がなくても、他の複数の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0011】
[0014] 本開示の実施形態は、広くは、1以上の圧力安定化チャンバを含むクラスタツール、システム、及び方法に関する。本開示の一態様では、洗浄チャンバ内で第1の圧力において洗浄工程が行われ、エピタキシャル堆積チャンバ内で大気圧及びある温度においてエピタキシャル堆積工程が行われる。大気圧は、第1の圧力よりも大きく、ある温度は、摂氏400度から1200度の範囲内である。
【0012】
[0015] 本開示は、「結合する(couples、coupling、couple)」、「結合される(coupled)」などの用語が、非限定的に、溶接、締まり嵌め、並びに/又は、ボルト、ねじ接続、ピン、及び/若しくはねじなどを使用する締結を含んでよいことを考慮している。本開示は、「結合する(couples、coupling、couple)」、「結合される(coupled)」などの用語が、非限定的に、一体形成を含んでよいことを考慮している。本開示は、「結合する(couples、coupling、couple)」、「結合される(coupled)」などの用語が、非限定的に、直接結合及び/又は間接結合を含んでよいことを考慮している。本開示は、「結合する(couples、coupling、couple)」、「結合される(coupled)」などの用語が、電気結合及び/又は流体結合などの動作可能な結合を含んでよいことを考慮している。
【0013】
[0016] は、
図1は、一実施態様による基板を処理するためのシステム100の概略上面図である。システム100は、クラスタツール180を含む。クラスタツール180は、ファクトリインターフェース102、1以上のロードロックチャンバ104、106(2つが図示されている)、及びそれぞれの移送ロボット110、118が内部に配置された1以上の移送チャンバ108、116(2つが図示されている)を含む。クラスタツール180は、第1のメインフレーム151に取り付けられた1以上の第1のチャンバ120、122(2つが図示されている)、及び第2のメインフレーム159に取り付けられた1以上のエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130(4つが図示されている)を含む。第2のメインフレーム159は、第1のメインフレーム151に結合されている。システム100は、1以上のエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130に流体接続された1以上のガスボックス173、175(2つが図示されている)を含む。1以上のガスボックス173、175は、1以上のエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130に、1以上のプロセスガス及び/又は1以上のパージガスを供給するように構成されている。
【0014】
[0017] クラスタツール180は、1以上の第1のチャンバ120、122と1以上のエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130との間に結合された1以上の圧力安定化チャンバ112、114(2つが図示されている)を含む。
図1で示されている一実施態様では、各圧力安定化チャンバ112、114が、移送チャンバ108と116との間に結合されている。圧力安定化チャンバ112及び114は、基板がそこを通って第1のメインフレーム151と第2のメインフレーム159との間で移送されるロードロックと見なされ得る。第1のメインフレーム151は、大気圧未満の減圧に維持されている。第2のメインフレーム159は、大気圧に維持されている。本明細書で詳述されるように、システム100内の基板は、クラスタツール180の外部の周囲環境に曝露されることなしに、様々なチャンバ内で処理され、様々なチャンバ間で移送され得る。例えば、基板は、システム100内で基板に対して実行される様々なプロセスの間で、低圧(例えば、300Torr以下などの700Torr以下)又は減圧環境を壊すことなしに、低圧又は減圧環境にある様々なチャンバ内で処理され、低圧又は減圧環境にある様々なチャンバ間で移送され得る。システム100は、基板に対して処理工程を行うための統合クラスタツール180を提供することができる。
【0015】
[0018]
図1で示されている一実施態様では、ファクトリインターフェース102が、基板の移送を容易にするために、ドッキングステーション140及びファクトリインターフェースロボット142を含む。ドッキングステーション140は、1以上の前方開口型統一ポッド(FOUP)149を受容するように構成されている。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、各ファクトリインターフェースロボット142が、ファクトリインターフェース102からロードロックチャンバ104、106へ基板を移送するように構成された、それぞれのファクトリインターフェースロボット142の一端に配置されたブレード148を含む。
【0016】
[0019] ロードロックチャンバ104、106は、ファクトリインターフェース102に接続するそれぞれのドア150、152、及び第1の移送チャンバ108に接続するそれぞれのドア154、156を含む。圧力安定化チャンバ112、114は、各々、第1の移送チャンバ108に接続するそれぞれの第1のドア158、160、及び第2の移送チャンバ116に接続するそれぞれの第2のドア166、168を含む。
【0017】
[0020] 第1の移送チャンバ108は、第1のチャンバ120、122に接続するそれぞれのドア162、164を含む。第2の移送チャンバ116は、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130に接続するそれぞれのドア170、172、174、176を含む。ドア154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176は、例えば、移送ロボット110、118によって基板を通過させるためのスリットバルブを有するスリット開口部を含む。各ドア154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176は、ガスがそれぞれのチャンバ間で通過するのを防止するために、それぞれのチャンバ間に密封を提供するように構成され得る。各ドア154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176は、チャンバ間で基板を移送するために開かれ、さもなければ処理工程中などに閉じられ得る。
【0018】
[0021] ロードロックチャンバ104、106、移送チャンバ108、116、圧力安定化チャンバ112、114、第1のチャンバ120、122、及びエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130は、ガス及び圧力制御システム181に流体結合されてよい。ガス及び圧力制御システム181は、1以上のガスポンプ(例えば、ターボポンプ、クライオポンプ、粗引きポンプ、減圧ポンプなど)、ガス源、様々なバルブ、及び様々なチャンバに流体結合された導管を含み得る。例えば、各ロードロックチャンバ104、106は、ガス及び圧力制御システム181のガス源及び/又は排気ポンプに結合されてよい。
【0019】
[0022]
図1で示されているように、幾つかの実施形態では、ガス及び圧力制御システム181が、第1の圧力安定化チャンバ112の内部空間に流体接続された第1のガス源182、及び第2の圧力安定化チャンバ114の内部空間に流体接続された第2のガス源183を含む。ガス及び圧力制御システム181は、第1の圧力安定化チャンバ112の内部空間に流体接続された第1の排気ポンプ184、及び第2の圧力安定化チャンバ114の内部空間に流体接続された第2の排気ポンプ185を含む。ガス源182、183は、圧力安定化チャンバ112、114に圧力安定化ガスを供給し、排気ポンプ184、185は、圧力安定化チャンバ112、114から圧力安定化ガスを排気する。圧力安定化ガスは、不活性ガスである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、圧力安定化ガスが窒素(N
2)である。圧力安定化チャンバ112、114の内部圧力は、ガス源182、183からの圧力安定化ガスの供給を増加させることによって、及び/又は、排気ポンプ184、185を使用して排気速度を低減させることによって高められ得る。圧力安定化チャンバ112、114の内部圧力は、ガス源182、183からの圧力安定化ガスの供給を低減させることによって、及び/又は、排気ポンプ184、185を使用して排気速度を増加させることによって下げられ得る。
【0020】
[0023] 本開示は、チャンバ間で基板を移送するために、第1の移送チャンバ108及び第2の移送チャンバ116に圧力安定化ガスが供給され、第1の移送チャンバ108及び第2の移送チャンバ116から圧力安定化ガスが排気され得ることを考慮している。本開示は、チャンバ間で基板を移送するために、第1のチャンバ120、122及び/又はエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130に圧力安定化ガスが供給され、第1のチャンバ120、122及び/又はエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130から圧力安定化ガスが排気され得ることを考慮している。
【0021】
[0024] 工程中に、ファクトリインターフェースロボット142は、FOUP149からドア150又は152を通してロードロックチャンバ104又は106に基板を移送する。次いで、ガス及び圧力制御システム181は、ロードロックチャンバ104又は106をポンプダウンする。一実施例では、ガス及び圧力制御システム181が、ロードロックチャンバ104又は106内の圧力を下げる。ガス及び圧力制御システム181は、移送チャンバ108を第1の圧力に維持する。幾つかの実施形態では、第1の圧力が、ファクトリインターフェース102の周囲環境の圧力未満である。幾つかの実施形態では、ガス及び圧力制御システム181が、圧力安定化チャンバ112、114を第1の圧力に維持する。したがって、ロードロックチャンバ104又は106のポンプダウンは、例えば、ファクトリインターフェース102の周囲環境と第1の移送チャンバ108の第1の圧力との間で、基板を通過させることを容易にする。
【0022】
[0025] ポンプダウンされたロードロックチャンバ104又は106内に基板がある状態で、移送ロボット110は、ロードロックチャンバ104又は106からドア154又は156を通して第1の移送チャンバ108の中に基板を移送する。次いで、移送ロボット110は、処理のためにそれぞれのドア162、164を通して第1のチャンバ120、122のいずれかに、及び更なる移送を待つように保持するためにそれぞれのドア158、160を通して圧力安定化チャンバ112、114のいずれかに基板を移送し、並びに/又は、第1のチャンバ120、122及び圧力安定化チャンバ112、114のいずれかの間で基板を移送することができる。移送ロボット110を使用して、基板は、それぞれの第1のドア158又は160が開かれている間に、それぞれの圧力安定化チャンバ112又は114内に配置されたそれぞれの基板支持体143又は144(ペデスタルなど)に移送される。基板は、基板支持体143又は144上に支持され、移送ロボット110は、第1の移送チャンバ108の中に後退する。それぞれの第1のドア158又は160は閉じられる。
【0023】
[0026] 移送ロボット118は、第2のドア166又は168を通して圧力安定化チャンバ112又は114内の基板支持体143又は144から基板にアクセスすることができ、エピタキシャル堆積のためにそれぞれのドア170、172、174、176を通してエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のいずれかに基板を移送し、及び/又は、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のいずれかの間で基板を移送することができる。移送ロボット118はまた、更なる移送を待つように保持するためにそれぞれのドア166、168を通して圧力安定化チャンバ112、114に基板を移送し、及び/又は、圧力安定化チャンバ112、114の間で基板を移送することができる。
【0024】
[0027] 第1のチャンバ120、122は、内部に配置された基板に対して処理工程を行うように構成され、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130は、内部に配置された基板に対してエピタキシャル堆積工程を行うように構成されている。第1のチャンバ120、122の処理工程は、第1の圧力で行われ、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のエピタキシャル堆積工程は、大気圧で行われる。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、処理工程が、基板から自然酸化物を除去するように構成された洗浄工程である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1のチャンバ120、122の処理工程が、基板上に第1のエピタキシャル層を堆積させるための第1のエピタキシャル堆積工程であり、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のエピタキシャル堆積工程が、基板上に第2のエピタキシャル層を堆積させるための第2のエピタキシャル堆積工程である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のエピタキシャル堆積工程が、(1以上の)基板に対する第1のチャンバ120、122の処理工程を行った後で、(1以上の)基板に対して行われる。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1のチャンバ120、122の処理工程が、(1以上の)基板に対するエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のエピタキシャル堆積工程を行った後で、(1以上の)基板に対して行われる。
【0025】
[0028] 第1のチャンバ120又は122から第1の移送チャンバ108を通して圧力安定化チャンバ112又は114に基板が移送されるときに、圧力安定化チャンバ112又は114及び第1の移送チャンバ108の内部圧力は、ガス及び圧力制御システム181を使用して第1の圧力に維持される。第1のドア158又は160が閉じられ、圧力安定化チャンバ112又は114の内部圧力は、(ガス及び圧力制御システム181を使用して)大気圧まで高められる。第2の移送チャンバ116も、ガス及び圧力制御システム181を使用して大気圧に維持される。第2のドア166、168が開かれ、圧力安定化チャンバ112又は114を大気圧に維持しながら、圧力安定化チャンバ112又は114から第2の移送チャンバ116を通してエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、130のうちの1つに基板が移送される。エピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、又は130から第1のチャンバ120又は122に基板が移送される場合、圧力安定化チャンバ112又は114の内部圧力の操作上の変化は逆転され得る。
【0026】
[0029] 本開示は、チャンバ120、122、124、126、128、130が、エッチングチャンバなどの基板を処理するための他のチャンバであり得ることを考慮している。本開示は、チャンバ120、122、124、126、128、130のいずれかにおける工程が、第1の圧力以下の圧力で実行されてよいことを考慮している。本開示は、チャンバ120、122、124、126、128、130のいずれかにおける工程が、第1の圧力と大気圧との間の圧力で実行されてよいことを考慮している。本開示は、チャンバ120、122、124、126、128、130のいずれかにおける工程が、大気圧以上の圧力で実行されてよいことを考慮している。
【0027】
[0030] システム100は、システム100又はその構成要素を制御するように構成されたコントローラ190を含む。例えば、コントローラ190は、システム100のチャンバ104、106、108、112、114、116、120、122、124、126、128、130の直接制御を使用して、又はチャンバ104、106、108、112、114、116、120、122、124、126、128、130に関連付けられたコントローラを制御することによって、システム100の工程を制御してよい。コントローラ190は、ガス及び圧力制御システム181を制御するように構成されている。工程中に、コントローラ190は、それぞれのチャンバ並びにガス及び圧力制御システム181からのデータ収集とフィードバックとを可能にして、システム100の性能を調整し、制御する。
【0028】
[0031] コントローラ190は、概して、中央処理装置(CPU)192、メモリ194、及びサポート回路196を含む。CPU192は、産業用設定で使用できる任意の形態の汎用プロセッサのうちの1つであってよい。メモリ194又は非一時的なコンピュータ可読媒体は、CPU192によってアクセス可能であり、ローカル若しくはリモートの、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又は任意の他の形態のディジタルストレージなどの、1以上のメモリであってよい。サポート回路196は、CPU192に結合され、キャッシュ、クロック回路、入/出力サブシステム、電源などを備えてよい。
【0029】
[0032] 本明細書で開示される様々な方法(方法400など)及び工程は、概して、CPU192が、例えば、ソフトウェアルーチンとしてメモリ194内(又は特定の処理チャンバのメモリ内)に記憶されたコンピュータ指示命令コードを実行することによって、CPU192の制御の下で実施されてよい。コンピュータ指示命令コードがCPU192によって実行されると、CPU192は、本明細書で説明される様々な方法及び工程に従ってプロセスを行うようにチャンバを制御する。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、メモリ194が、内部に記憶された指示命令を含み、該指示命令は、実行されると、本明細書で説明される方法(方法400など)及び工程を行わせる。
【0030】
[0033] 他の構成にある他の処理システムも考えられる。例えば、より多くの又はより少ない処理チャンバが、移送装置に結合されてよい。
図1で示されている一実施態様では、移送装置が、移送チャンバ108、116及び圧力安定化チャンバ112、114を含む。他の複数の実施態様では、より多くの又はより少ない移送チャンバ(例えば、1つの移送チャンバ)及び/又はより多くの又はより少ない圧力安定化チャンバ(例えば、圧力安定化チャンバなし)が、基板を処理するためのシステム内の移送装置として実装されてよい。
【0031】
[0034]
図2は、一実施態様による処理チャンバ200の概略断面図である。処理チャンバ200は、予洗浄チャンバなどの洗浄チャンバである。処理チャンバ200は、
図1で示されている第1のチャンバ120、122のうちのいずれかとして使用されてよい。処理チャンバ200は、熱又はプラズマベースの酸化プロセス及び/又はプラズマ支援型ドライエッチングプロセスを行うように構成され得る。処理チャンバ200は、チャンバ本体212、リッドアセンブリ214、及び支持アセンブリ216を含む。リッドアセンブリ214は、チャンバ本体212の上端に配置され、支持アセンブリ216は、少なくとも部分的にチャンバ本体212内に配置される。処理チャンバ200からガスを除去するために、減圧システムを使用することができる。減圧システムには、チャンバ本体212内に配置された減圧ポート221に結合された減圧ポンプ218が含まれる。減圧システムは、
図1で示されているガス及び圧力制御システム181の一部であり得る。
【0032】
[0035] リッドアセンブリ214は、その間にプラズマ容積又はプラズマ空洞を生成するように構成された少なくとも2つの積み重ねられた構成要素222、241、242(3つが図示されている)を含む。第1の電極220が、第2の電極222の鉛直方向上方に配置されており、プラズマ容積を画定する。第1の電極220は、高周波(RF)電源などの電源224に接続され、第2の電極222は、接地又はソースリターンに接続され、第1の電極220と第2の電極222との間にキャパシタンスを生成する。リッドアセンブリ214は、ブロッカプレート228及びガス分配プレート230を通して基板表面に洗浄ガスを供給するための1以上のガス注入口226を含む。洗浄ガスは、エッチャント(etchant)、又はイオン化されたフッ素、塩素、若しくはアンモニアなどのイオン化された活性ラジカル、又はオゾンなどの酸化剤であってもよい。更に、処理チャンバ200は、処理チャンバ200内のプロセスを制御するためのコントローラ202を含む。コントローラ202は、
図1で示されているコントローラ190の一部であり得る(例えば、一体化されている)か、又は
図1で示されているコントローラ190と通信し得る。
【0033】
[0036] 支持アセンブリ216は、処理中に基板210をその上で支持するための基板支持体232を含んでよい。基板支持体232は、シャフト236によってアクチュエータ234に結合されてよい。シャフト236は、チャンバ本体212の下面内に形成された中央に位置する開口部を通って延在する。アクチュエータ234は、シャフト236の周りからの減圧漏れを防止するベローズ(図示せず)によって、チャンバ本体212にフレキシブルに封着されてよい。アクチュエータ234は、基板支持体232が、プロセス位置と下側の移送位置との間で、チャンバ本体212内で鉛直方向に移動されることを可能にする。移送位置は、チャンバ本体212の側壁内に形成されたスリットバルブの開口部243のわずかに下方である。ポンピングリング244(1以上のポンピングライナを含み得る)が、処理チャンバ200の第1の処理空間211からガスを排気することを促進するために、第1の処理空間211内に配置されている。
【0034】
[0037] 基板支持体232は、その上で処理される基板210を支持するための平坦であるか又は実質的に平坦な表面を有する。基板支持体232は、シャフト236によって基板支持体232に結合されているアクチュエータ234によって、チャンバ本体212内で鉛直方向に移動され得る。工程中に、基板支持体232は、処理されている基板210の温度を制御するために、リッドアセンブリ214に近接した位置まで上昇させてもよい。したがって、基板210は、ガス分配プレート230から発される放射又は対流を介して加熱され得る。
【0035】
[0038] 処理チャンバ200は、基板210から自然酸化物を除去するために、基板210に対して洗浄工程を行うように構成されている。自然酸化物は、SiO2を含み得る。洗浄工程は、処理チャンバ200の第1の処理空間211を第1の圧力及び第1の温度に維持しながら行われる。第1の温度は、摂氏800度以下などの摂氏1000度以下である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の温度が、摂氏15度から摂氏130度の範囲内、例えば摂氏20度から摂氏100度の範囲内である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の温度が、摂氏0度から摂氏50度の範囲内、例えば摂氏20度から摂氏40度の範囲内である。第1の圧力は、600Torr以下などの700Torr以下である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の圧力が、5Torrから600Torrの範囲内、例えば100Torrから500Torrの範囲内、例えば200Torrから400Torrの範囲内である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の圧力が、30Torrから80Torrの範囲内である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の圧力が5Torrである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の圧力が300Torrである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1の圧力が、600Torrである。
【0036】
[0039] 本開示は、第1のチャンバ120、122がエピタキシャル堆積チャンバである場合、説明される第1の圧力が第1のエピタキシャル堆積工程向けに使用されることを考慮している。
【0037】
[0040] 洗浄工程中に、基板210は、生成されるプラズマに曝露され得る。プラズマは、NH3及び/又はNF3のうちの1以上を含む。プラズマはまた、ヘリウム(He)、窒素(N2)、及び/又はアルゴン(Ar)のうちの1以上などの1以上の不活性ガスも含み得る。プラズマは、容量結合プラズマ又は誘導結合プラズマであり得る。プラズマは、遠隔プラズマ源から供給され得る。プラズマは、シャワーヘッドなどのガス分配プレートを通して処理チャンバの中に導入され得る。NH3は、別個のガス注入口を介してチャンバの中に直接注入される。洗浄工程は、基板210を無水HFとNH3との熱的組み合わせに曝露すること、基板210を無水HFに曝露すること、ドライエッチング工程(遠隔プラズマ支援型ドライエッチング工程など)、及び/又はシリコンエッチング工程(例えば、誘導結合プラズマH2/Cl2シリコンエッチング)を含み得る。ドライエッチング工程は、基板210をNF3及びNH3プラズマ副生成物に曝露することを含み得る。
【0038】
[0041] 洗浄工程は、湿式洗浄工程を含み得る。基板210は、湿式洗浄工程を使用して洗浄されてよい。その場合、基板210は、HFラストタイプの洗浄液、オゾン水洗液、フッ化水素酸(HF)及び過酸化水素(H2O2)溶液、並びに/又は他の適切な洗浄液などの、洗浄液に曝露される。洗浄液は加熱されてもよい。
【0039】
[0042]
図3は、一実施態様による堆積チャンバ300の概略断面図である。堆積チャンバ300は、エピタキシャル堆積チャンバである。堆積チャンバ300は、大気圧を使用して、
図1で示されているエピタキシャル堆積チャンバ124、126、128、及び/又は130として使用され得る。堆積チャンバ300は、第1の圧力を使用して、
図1で示されている第1のチャンバ120及び/又は122として使用され得る。堆積チャンバ300は、基板302などの基板上にエピタキシャル膜を成長させるために利用される。堆積チャンバ300は、基板302の上面350にわたり前駆体のクロスフローを生成する。
【0040】
[0043] 堆積チャンバ300は、上側本体356、上側本体356の下方に配置された下側本体348、及び上側本体356と下側本体348との間に配置されたフローモジュール312を含む。上側本体356、フローモジュール312、及び下側本体348は、チャンバ本体を形成する。チャンバ本体内に、基板支持体306、上側ウインドウ308、下側ウインドウ310、複数の上側ランプ341、及び複数の下側ランプ343が配置されている。図示されているように、コントローラ320が、堆積チャンバ300と通信し、本明細書で説明されるような工程及び方法を制御するために使用される。コントローラ320は、
図1で示されているコントローラ190の一部であり得る(例えば、一体化されている)か、又は
図1で示されているコントローラ190と通信し得る。上側ウインドウ308は、
図3で示されているように凸状であり得る(堆積チャンバ300が第1の圧力を用いて使用されるときなど)か、又は、上側ウインドウ308は、平坦又は凹状であり得る(堆積チャンバ300が大気圧を用いて使用されるときなど)。
【0041】
[0044] 基板支持体306は、上側ウインドウ308と下側ウインドウ310との間に配置されている。複数の上側ランプ341は、上側ウインドウ308とリッド354との間に配置されている。複数の上側ランプ341は、上側ランプモジュール355の一部分を形成する。リッド354は、堆積チャンバ300内の温度を測定するための、内部に配置された複数のセンサ(図示せず)を含み得る。複数の下側ランプ343は、下側ウインドウ310と床352との間に配置されている。複数の下側ランプ343は、下側ランプモジュール345の一部分を形成する。図示されている一実施形態では、上側ウインドウ308が上側ドームである。幾つかの実施形態では、上側ウインドウ308が、石英などのエネルギー透過性材料で形成されている。図示されている一実施形態では、下側ウインドウ310が下側ドームである。幾つかの実施形態では、下側ウインドウ310が、石英などのエネルギー透過性材料で形成されている。
【0042】
[0045] 第2の処理空間336が、上側ウインドウ308と下側ウインドウ310との間に生成されている。基板支持体306は、第2の処理空間336内に配置されている。基板支持体306は、基板302がその上に配置されて支持される上面を含む。基板支持体306は、シャフト318に取り付けられている。シャフトは、運動アセンブリ321に接続されている。運動アセンブリ321は、第2の処理空間336内のシャフト318及び/又は基板支持体306の動き及び/又は調整を提供する1以上のアクチュエータ及び/又は調整デバイスを含む。
【0043】
[0046] 基板支持体306は、内部に配置されたリフトピン孔307を含んでよい。リフトピン孔307は、堆積チャンバ300を使用してエピタキシャル堆積工程が行われる前又は行われた後のいずれかに、基板支持体306から基板302を持ち上げるためのリフトピン332を収容するようにサイズ決定されている。リフトピン332は、基板支持体306がプロセス位置から移送位置に下げられたときに、リフトピンストップ334上に載置されてよい。
【0044】
[0047] フローモジュール312は、複数のプロセスガス注入口314、複数のパージガス注入口364、及び1以上の排気ガス出口316を含む。複数のプロセスガス注入口314及び複数のパージガス注入口364は、1以上の排気ガス出口316から見てフローモジュール312の反対側に配置されている。1以上のフローガイドが、複数のプロセスガス注入口314及び1以上の排気ガス出口316の下方に配置され得る。フローガイドは、パージガス注入口364の上方に配置され得る。ライナ363が、フローモジュール312の内面に配置され、エピタキシャル堆積工程中に使用される反応性ガスからフローモジュール312を保護する。プロセスガス注入口314及びパージガス注入口364は、第2の処理空間336内に配置された基板302の上面350と平行にガスを流すように配置されている。プロセスガス注入口314は、プロセスガス源351に流体接続されている。パージガス注入口364は、パージガス源362に流体接続されている。
【0045】
[0048] 1以上の排気ガス出口316は、排気ポンプ357に流体接続されている。1以上の排気ガス出口316は、排気システム378に更に接続されるか、又は排気ガスシステム378を含む。排気システム378は、1以上の排気ガス出口316と排気ポンプ357とを流体接続する。本明細書で説明される排気システム378は、1以上の成長モニタを含み、基板302上の層の制御されたエピタキシャル堆積を支援するように構成され得る。幾つかの実施形態では、プロセスガス源351、パージガス源362、排気ポンプ357、及び排気システム378が、
図1で示されているガス及び圧力制御システム181の一部である。
【0046】
[0049] 堆積チャンバ300は、第2の処理空間336内に配置された予熱リング374を含む。エピタキシャル堆積工程中に、1以上のプロセスガスが、プロセスガス源351を使用して供給される。1以上のプロセスガスは、第2の処理空間336及び基板302が、ランプ341、343を使用して加熱されている間に、予熱リング374の上及び基板302の上面350の上を流れて、基板302上に1以上の膜層をエピタキシャル堆積(例えば、成長)させる。エピタキシャル堆積された膜層は、シリコン(Si)、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)、リン化シリコン(SiP)、ヒ化シリコン(SiAs)、及び/又はホウ素がドープされたシリコンゲルマニウム(SiGeB)のうちの1以上を含み得る。
【0047】
[0050] 1以上のプロセスガスは、ジクロロシラン、シラン、ジシラン、ゲルマン、及び/又は塩化水素のうちの1以上を含み得る。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、堆積チャンバ300を使用して行われるエピタキシャル堆積工程が、基板302を第2の温度及び大気圧で水素含有ガスに曝露することを含む。
【0048】
[0051] エピタキシャル堆積工程は、第2の処理空間336を第2の温度に維持しながら行われる。第2の温度は、摂氏400度から摂氏1200度の範囲内にある。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第2の温度が、摂氏400度から摂氏800度の範囲内にある。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第2の温度が摂氏400度未満である。大気圧が使用される一実施態様では、エピタキシャル堆積工程が、第2の処理空間336を大気圧に維持しながら行われる。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、大気圧が、700Torrから800Torrの範囲内、例えば720Torrから790Torrの範囲内、例えば740Torrから780Torrの範囲内、例えば750Torrから770Torrの範囲内にある。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、大気圧が760Torrである。
【0049】
[0052]
図4は、一実施態様による基板を処理する方法400の概略フロー図である。工程403は、ファクトリインターフェース102などのファクトリインターフェース内に基板を配置することを含む。
【0050】
[0053] 工程405は、ファクトリインターフェースから第1のチャンバ120又は122などの第1のチャンバの第1の処理空間に基板を移送することを含む。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1のチャンバが、処理チャンバ200などの洗浄チャンバである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第1のチャンバが、堆積チャンバ300などの第1のエピタキシャル堆積チャンバである。
【0051】
[0054] 工程407は、第1の処理空間を第1の圧力に維持しながら、第1のチャンバ内で基板に対して処理工程を行うことを含む。幾つかの実施形態では、第1の圧力が、例えば760Torr未満、例えば750Torr未満、例えば730Torr未満、例えば700Torr未満などの、大気圧未満である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、処理工程が、基板から自然酸化物を除去するための洗浄工程である。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、処理工程が、第1のエピタキシャル堆積工程である。
【0052】
[0055] 工程409は、圧力安定化チャンバを第1の圧力に維持することを含む。
【0053】
[0056] 工程411は、第1のチャンバから圧力安定化チャンバの第1のドアを通して圧力安定化チャンバに基板を移送することを含む。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、基板が第1のドアを通して圧力安定化チャンバの中に移送されている間に、圧力安定化チャンバの第2のドアが閉じた位置に維持される。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、工程411が、第1の移送チャンバの圧力を第1の圧力に維持しながら、第1の移送チャンバを介して基板を移送することを含む。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、圧力安定化チャンバの閉じられた第2のドアが、圧力安定化チャンバを第2の移送チャンバから分離する。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、工程411が、第2の移送チャンバの圧力を大気圧に維持することを含む。
【0054】
[0057] 工程413は、圧力安定化チャンバの第1のドアを閉じることを含む。
【0055】
[0058] 工程415は、圧力安定化チャンバの圧力を第1の圧力から大気圧まで上昇させることを含む。該大気圧は、例えば700Torrから800Torrの範囲内、例えば700Torrから800Torr、例えば720Torrから790Torr、例えば740Torrから780Torr、又は例えば750Torrから770Torrである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、大気圧が760Torrである。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、圧力安定化チャンバの圧力が、第2の移送チャンバの圧力と実質的に等しい圧力まで高められる。例えば、圧力安定化チャンバの圧力は、第2の移送チャンバの圧力の20Torr以内、15Torr以内、10Torr以内、又は5Torr以内の圧力まで高められる。
【0056】
[0059] 工程417は、圧力安定化チャンバの第2のドアを開くことを含む。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、第2のドアが開かれている間に第1のドアは閉じた状態に維持される。
【0057】
[0060] 工程419は、圧力安定化チャンバから第2のドアを通してエピタキシャル堆積チャンバの第2の処理空間に基板を移送することを含む。他の複数の実施形態と組み合わされ得る幾つかの実施形態では、基板が第2のドアを通して圧力安定化チャンバから移送されている間に、圧力安定化チャンバの第1のドアが閉じた位置に維持される。圧力安定化チャンバの第2のドアが、圧力安定化チャンバを第2の移送チャンバに連結する幾つかの実施形態では、工程419が、第2の移送チャンバを介して基板を移送することを含む。第1のチャンバがエピタキシャル堆積チャンバである一実施形態では、工程419のエピタキシャル堆積チャンバが、第2のエピタキシャル堆積チャンバである。
【0058】
[0061] 工程421は、第2の処理空間を大気圧及びある温度に維持しながら、基板に対してエピタキシャル堆積工程を行うことを含む。ある温度は、摂氏400度から摂氏1200度の範囲内、例えば摂氏400度から摂氏800度の範囲内である。第1の処理工程がエピタキシャル堆積工程である一実施形態では、工程421のエピタキシャル堆積工程が、第2のエピタキシャル堆積工程である。
【0059】
[0062] 本開示の利点は、同じクラスタツールで、第1の圧力(大気圧未満の圧力)における洗浄工程と共に大気圧及び摂氏400度から摂氏1200度の範囲内の温度におけるエピタキシャル堆積工程を実行すること、単一のクラスタツールが、異なる圧力で動作する2つのメインフレームを有すること、異なる圧力で動作する処理チャンバの間で基板を移送すること、従来のプロセスと比較してエピタキシャル成長速度が高いこと、従来のプロセスと比較して基板の汚染物質及び欠陥が少ないこと、並びに、従来のプロセスと比較して処理遅延、費用、及びプロセスドリフトが減少することを含む。例えば、大気圧及び第2の温度でエピタキシャル堆積工程を行うことにより、従来のプロセスと比較して基板の欠陥を効率的に低減させながら、エピタキシャル成長速度を効率的に向上させることが促進される。
【0060】
[0063] 更に、従来のプロセスと比較して基板の欠陥を低減させながら、エピタキシャル成長速度を効率的に向上させることは、クラスタツール内で、基板をクラスタツールの外部の周囲環境から分離しながら、以下の工程を含むシーケンスを実行することによって容易になる。すなわち、大気圧未満の第1の温度における基板に対する洗浄工程、エピタキシャル堆積チャンバに基板を移動させるための移送工程、及び大気圧における基板に対するエピタキシャル堆積工程である。
【0061】
[0064] 従来のプロセスと比較して基板の欠陥を低減させながら、エピタキシャル成長速度を効率的に向上させることは、クラスタツール内で、基板をクラスタツールの外部の周囲環境から分離しながら、以下の工程を含むシーケンスを実行することによって容易になる。すなわち、大気圧未満の第1の圧力における基板に対する第1のエピタキシャル堆積工程、エピタキシャル堆積チャンバに基板を移動させるための移送工程、及び大気圧における基板に対する第2のエピタキシャル堆積工程である。
【0062】
[0065] 本明細書で開示される1以上の態様は組み合わされてよいと考えられる。一実施例として、システム100、処理チャンバ200、堆積チャンバ300、及び/又は方法400の、1以上の態様、特徴、構成要素、及び/又は特性が、組み合わされてよい。例えば、処理チャンバ200及び/又は堆積チャンバ300に関連して説明される工程のパラメータ(非限定的に、温度及び圧力を含む)は、方法400について説明された工程と組み合わされ得る。更に、本明細書で開示される1以上の態様は、前述された利点の一部又は全部を含んでよいことが考慮されている。
【0063】
[0066] 本開示は、他の工程を超える予想外の結果を実現する。例えば、異なる圧力のチャンバの間で基板を移送することは、処理遅延、費用の増加、プロセスドリフト、及び基板の欠陥を含み得ると考えられていた。しかし、本開示のクラスタツールは、圧力安定化チャンバ112、114によって相互に連結される制御された離散した環境を提供することによって、操作上の柔軟性及び一貫したプロセス結果を容易にする。
【0064】
[0067] 上記は本開示の複数の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態を考案してもよい。本開示はまた、本明細書で説明される実施形態の1以上の態様が、説明されている他の態様のうちの1以上で置換され得ることも考慮している。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】