(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】マルチダイマスクの欠陥検出
(51)【国際特許分類】
G03F 1/84 20120101AFI20241003BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G03F1/84
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569856
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 US2022044305
(87)【国際公開番号】W WO2023055634
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グ ウェンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ペイ-チュン
(72)【発明者】
【氏名】スーザ ウェストン
【テーマコード(参考)】
2H195
4M106
【Fターム(参考)】
2H195BA07
2H195BA10
2H195BD04
2H195BD13
2H195BD14
2H195BD16
2H195BD28
4M106AA09
4M106BA03
4M106BA07
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB07
4M106DB12
4M106DB13
4M106DB16
4M106DB19
4M106DH25
4M106DH34
4M106DJ18
4M106DJ27
4M106DJ28
(57)【要約】
マスク上の欠陥を検出するための方法およびシステムが提供される。1つの方法は、シミュレーションによってマルチダイマスクのためのデータベース参照画像を生成することと、データベース参照画像を複数のダイのうちの第1のダイのための撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによってマスク上の第1の欠陥を検出することとを含む。本方法はまた、データベース参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、第1の複数のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第1のダイのためのダイ参照画像を生成するステップを含む。加えて、この方法は、ダイ参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第2の欠陥を検出することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク上の欠陥を検出するように構成されたシステムであって、
複数のダイが形成された前記マスクの画像を生成するように構成された撮像サブシステムと、
コンピュータサブシステムであって、
前記マスクの設計から前記マスクの物理的バージョンをシミュレートし、シミュレートされた前記マスクの物理的バージョンから前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、前記マスクのデータベース参照画像を生成し、
前記データベース参照画像を、前記複数のダイのうちの第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第1の欠陥を検出し、
前記データベース参照画像を生成することによって学習された前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、前記複数のダイのうちの前記第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の前記撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、前記複数のダイのうちの前記第1のダイのためのダイ参照画像を生成し、
前記ダイ参照画像を、前記複数のダイのうちの前記第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第2の欠陥を検出する、
ように構成されたコンピュータサブシステムと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記マスクは、光の1つ以上の極紫外線波長で使用するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像サブシステムはさらに、193nmの波長を有する光で前記マスクを照射することによって、前記マスクの画像を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記撮像サブシステムはさらに、193nm~257nmの範囲の1つ以上の波長を有する光で前記マスクを照射することによって、前記マスクの画像を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像サブシステムはさらに、13.5nmの波長を有する光で前記マスクを照射することによって、前記マスクの画像を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記撮像サブシステムは、前記マスクを電子で照明することによって前記マスクの画像を生成するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記撮像サブシステムは、前記マスクをイオンで照明することによって前記マスクの画像を生成するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記マスクの物理的バージョンをシミュレートすることは、近接場モデリングを含み、前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることは、部分コヒーレント照明モデリングを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることは、前記撮像サブシステムの焦点誤差および収差誤差について前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートするために使用されるモデルにおいて前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを較正することを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記データベース参照画像を生成することによって学習された前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータは、前記撮像サブシステムの焦点誤差および収差誤差を表す基底画像を含み、前記ダイ参照画像を生成するステップは、前記複数のダイのうちの前記第1のダイ以外の前記複数のダイのうちの1つまたは複数の前記撮像サブシステムによって生成された画像と前記基底画像との線形結合として前記ダイ参照画像を合成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータサブシステムは、
前記マスク上の前記複数のダイのうちの前記第1のダイの画像の検査領域内の前記マスクの1つまたは複数の特徴の特性を決定し、
決定された前記特性に基づいて、前記検査領域内の前記第2の欠陥を検出するための前記データベース参照画像または前記ダイ参照画像を選択する、
ようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータサブシステムは、前記マスク上の前記第1および第2の欠陥に最も近い1つまたは複数のパターンに関する情報を取得し、前記マスク上の前記第1および第2の欠陥にそれぞれ最も近い1つまたは複数のパターンに関する情報に基づいて前記第1および第2の欠陥を分類するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータサブシステムは、前記第1および第2の欠陥の分類カテゴリを決定し、決定された前記分類カテゴリに基づいてスコアを前記第1および第2の欠陥に割り当てるようにさらに構成され、前記スコアは、前記マスクを用いて実行されるリソグラフィプロセスに対する前記第1および第2の欠陥の重大度を示すことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータサブシステムは、前記第1および第2の欠陥についての情報を含む前記マスクについての検査結果を生成するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のダイのうちの2つ以上における光学近接効果補正特徴の特性は、前記マスクを用いて行われるリソグラフィプロセスにおけるフレア補正のために異なるように設計され、前記データベース参照画像を生成することは、前記複数のダイのうちの2つ以上の設計をそれぞれ使用して、前記マスク上の前記複数のダイのうちの2つ以上の異なるデータベース参照画像を生成することを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のダイのうちの2つ以上における光近接効果補正特徴の特性は、前記マスクを用いて行われるリソグラフィプロセスにおけるフレア補正のために異なるように設計され、前記コンピュータサブシステムは、前記複数のダイのうちの2つ以上における前記光学近接効果補正特徴の位置に基づいて、前記複数のダイのうちの2つ以上において前記第2の欠陥が検出される感度を決定するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンピュータサブシステムはさらに、前記データベース参照画像を生成することによって学習された前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、前記複数のダイのうちの前記第2のダイ以外の前記複数のダイのうちの1つ以上の前記撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、前記複数のダイのうちの前記第2のダイのための追加のダイ参照画像を生成するように構成され、前記マスク上の前記第2の欠陥を検出することは、前記追加のダイ参照画像を、m個のダイのうちの前記第2のダイについて前記撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の欠陥は、系統的マスクライタエラーを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記撮像サブシステムによって生成され、前記第1の欠陥を検出し、前記ダイ参照画像を生成し、前記第2の欠陥を検出するために使用される前記マスクの画像は、前記複数のダイのダイ等価領域の画像のみから選択され、前記ダイ等価領域は、複数のダイよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記ダイ等価領域は、前記撮像サブシステムによって前記マスク上で走査されるスワスの幅に等しい一次元のサイズを有することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数のダイは、前記マスク上に二次元アレイで形成されたダイを含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実装方法は、
前記マスクの設計から前記マスクの物理的バージョンをシミュレートし、シミュレートされた前記マスクの物理的バージョンから撮像サブシステムによって生成された前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、複数のダイが形成された前記マスクのためのデータベース参照画像を生成するステップと、
前記データベース参照画像を、前記複数のダイのうちの第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第1の欠陥を検出するステップと、
前記データベース参照画像を生成することによって学習された前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、前記複数のダイのうちの前記第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の前記撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、前記複数のダイのうちの前記第1のダイのためのダイ参照画像を生成するステップと、
前記ダイ参照画像を、前記複数のダイのうちの前記第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第2の欠陥を検出するステップと、
を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項23】
マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法であって、
前記マスクの設計からマスクの物理的バージョンをシミュレートし、シミュレートされた前記マスクの物理的バージョンから撮像サブシステムによって生成された前記マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、複数のダイが形成された前記マスクのためのデータベース参照画像を生成するステップと、
前記データベース参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第1の欠陥を検出するステップと、
前記データベース参照画像を生成することによって学習された前記撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、前記複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の前記撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第1のダイのためのダイ参照画像を生成するステップと、
前記ダイ参照画像を、前記複数のダイのうちの前記第1のダイについて前記撮像サブシステムによって生成された前記マスクの画像と比較することによって、前記マスク上の第2の欠陥を検出するステップと、
を含み、前記データベース参照画像を生成するステップと、前記第1の欠陥を検出するステップと、前記ダイ参照画像を生成するステップと、前記第2の欠陥を検出するステップとが、前記撮像サブシステムに結合されたコンピュータサブシステムによって実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してマスク検査の分野に関する。より具体的には、本発明は、マルチダイマスク上の欠陥を検出するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明および実施例は、このセクションに含まれることによって先行技術であるとは認められない。
【0003】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の半導体製造プロセスを使用して半導体ウェハなどの基板を処理することを含む。例えば、リソグラフィは、フォトマスクから半導体ウェハ上に配置されたレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、単一の半導体ウェハ上に配置で製造され、次いで個々の半導体デバイスに分離され得る。
【0004】
193nm液浸リソグラフィの性能がその限界に達するとともに、マルチパターニングリソグラフィプロセスに関連する実質的に高いコストおよび歩留まりの問題により、極紫外線(EUV)リソグラフィは、広範な開発中である。次世代リソグラフィ(NGL)技術の主な候補は、ムーアの法則を拡張し、コンピュータチップをより小さく、より速く、より効率的にすることである。
【0005】
マスク上のリソグラフィ的に重要な欠陥を検出することは、半導体産業における最も重要なプロセス制御ステップの1つである。今日、マスク検査は、マスクレイアウトに応じて、ダイツーデータベース(DB)モードまたはダイツーダイ(DD)モードのいずれかを使用して行うことができる。特に5nm技術ノード以降では、EUV技術が広く適応されている。しかしながら、化学線EUVマスク検査ツールはまだ成熟していないので、EUV欠陥検出のための解像度制限検査ツールを確実に拡張することは困難である。
【0006】
マスク検査のための現在利用可能な方法およびシステムは、いくつかの他の欠点を有する。例えば、DB検査性能は、その参照画像が設計データベースからレンダリングされるので、レンダリング品質によって影響を受ける。マスク上の比較的狭いピッチを有するパターン上のより複雑な光近接効果補正(OPC)設計では、レンダリング誤差はより顕著であり、DB検査の使用可能な感度を制限する。DD検査は、1つのダイと他のダイとの間の光学画像を比較することによって欠陥を検出する。それは、体系的なライタエラーを検出することができず、その性能は、検査ツールのフォトマスク品質および焦点制御によって影響を受ける。マスクパターンが、接触層および金属層などの焦点に実質的に敏感である場合、信頼できる検出結果を有することは非常に困難である。加えて、EUVフォトマスクは、異なるダイ上でOPC変動を引き起こすフレア補正を有し得る。これはまた、DD検査の使用可能な感度を制限し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0096862号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上述の欠点の1つまたは複数を有しないマスク上の欠陥を検出するための方法および/またはシステムを開発することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
様々な実施形態の以下の説明は、添付の特許請求の範囲の主題を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【0010】
一実施形態は、マスク上の欠陥を検出するように構成されたシステムに関する。このシステムは、複数のダイが形成されたマスクの画像を生成するように構成された撮像サブシステムを含む。システムはまた、マスクの設計からマスクの物理的バージョンをシミュレートし、マスクのシミュレートされた物理的バージョンから撮像サブシステムによって生成されたマスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、マスクのデータベース参照画像を生成するように構成されたコンピュータサブシステムを含む。コンピュータサブシステムはまた、データベース参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第1の欠陥を検出するように構成される。加えて、コンピュータサブシステムは、データベース参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第1のダイのためのダイ参照画像を生成するように構成される。コンピュータサブシステムはさらに、ダイ参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第2の欠陥を検出するように構成される。システムはさらに、本明細書に説明されるように構成されてもよい。
【0011】
別の実施形態は、マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法に関する。この方法は、データベース参照画像を生成するステップと、第1の欠陥を検出するステップと、ダイ参照画像を生成するステップと、上述の第2の欠陥を検出するステップとを含み、これらのステップは、上述の撮像サブシステムに結合されたコンピュータサブシステムによって実行される。本方法は、本明細書でさらに説明されるように実施されてもよい。本方法は、本明細書で説明される任意の他の方法の任意の他のステップを含んでもよい。本方法は、本明細書で説明されるシステムのうちのいずれかによって実施されてもよい。
【0012】
別の実施形態は、マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。コンピュータ実装方法は、上述の方法のステップを含む。コンピュータ可読媒体は、本明細書で説明するようにさらに構成され得る。コンピュータ実装方法のステップは、本明細書でさらに説明されるように実行されてもよい。加えて、プログラム命令が実行可能であるコンピュータ実装方法は、本明細書で説明される任意の他の方法の任意の他のステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【
図1】マスク上の欠陥を検出するように構成されたシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
【
図2】マスク上の欠陥を検出するように構成されたシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
【
図3】極端紫外線(EUV)マスクの一部の一例の側面図を示す概略図である。
【
図4】欠陥のないEUVマスクパターンの一例の平面図を示す概略図である。
【
図5】
図4のEUVマスクパターンの一部の平面図を、その中に検出され得る欠陥の様々な例と共に示す概略図である。
【
図6】マスク上の欠陥を検出するために本明細書で説明する実施形態によって実行することができるステップの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図7】マスク上の複数のダイおよびマスク上で走査されたスワスのレイアウトの一例の平面図と、ダイの各々におけるダイ等価領域の一実施形態とを示す概略図である。
【
図8】本明細書で説明するコンピュータ実装方法のうちの1つまたは複数を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体の一実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、種々の修正および代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の実施形態が、例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、本発明を開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に入る全ての修正、均等物、および代替物を網羅することを意図することを理解されたい。
【0015】
本明細書で互換的に使用される「設計」、「設計データ」、および「設計情報」という用語は、概して、ICまたは他の半導体デバイスの物理的設計(レイアウト)と、複雑なシミュレーションまたは単純な幾何学的およびブール演算を通して物理的設計から導出されるデータとを指す。設計は、2010年3月9日にKulkamiらに発行された共同所有の米国特許7,570,796号(2009年8月4日、Zafarら)及び7,676,077号に記載されている任意の他の設計データまたは設計データプロキシを含むことができ、その両方は、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。加えて、設計データは、標準セルライブラリデータ、統合レイアウトデータ、1つまたは複数の層の設計データ、設計データの派生物、および完全または部分的なチップ設計データであり得る。さらに、本明細書で説明される「設計」、「設計データ」、および「設計情報」は、設計プロセスにおいて半導体デバイス設計者によって生成される情報およびデータを指し、したがって、レチクルおよびウェハ等の任意の物理的標本上に設計を印刷する前に、本明細書で説明される実施形態での使用に利用可能である。
【0016】
ここで図面を参照すると、図は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。特に、図の要素のいくつかの縮尺は、要素の特性を強調するために大きく誇張されている。図面は同じ縮尺で描かれていないことにも留意されたい。同様に構成され得る複数の図に示される要素は、同じ参照番号を使用して示されている。本明細書において別段の注記がない限り、説明および図示される要素のいずれも、任意の好適な市販の要素を含み得る。
【0017】
本明細書で説明する実施形態は、概して、マスク上の欠陥を検出するためのシステム及び方法に関する。本明細書でさらに説明されるように、実施形態は、マルチダイレイアウトを伴うフォトマスク(本明細書では「マスク」とも称される)上の欠陥検出のための新規かつ独特の方法で、ダイ対ダイおよびダイ対データベース検査方法のある側面を組み合わせる。加えて、本明細書に記載の実施形態は、有利には、マルチダイレイアウトを有するマスク上のリソグラフィ的に重要な欠陥を確実に検出するために使用することができる。
【0018】
一実施形態は、マスク上の欠陥を検出するように構成されたシステムに関する。このようなシステムの一実施形態を
図1に示す。このシステムは、複数のダイが形成されたマスクの画像を生成するように構成された撮像サブシステムを含む。本明細書で説明する撮像サブシステムは、エネルギーをマスクに向け、マスクからのエネルギーを検出することによって画像を生成することができる。本明細書で説明される撮像サブシステムは、画像を生成するために種々の可能なエネルギータイプを使用してもよい。
【0019】
一実施形態では、マスクは、光の1つまたは複数の極端紫外(EUV)波長で使用するために構成される。このようなマスクは、EUVマスクと呼ぶことができる。言い換えれば、マスクは、1つまたは複数のEUV波長の光を使用してマスクからウェハにパターンを転写するリソグラフィプロセスで使用するように構成することができる(例えば、EUV光をマスクからウェハに反射させる)。このようにして、マスクの化学線波長(すなわち、マスクからウェハにパターンを転写し、それによってウェハ上の1つまたは複数の材料、たとえばフォトレジストに光化学反応を引き起こすために使用される光の波長である)は、光波とは異なり得るか、または本明細書に記載される実施形態によってマスクの撮像に使用されるエネルギーのタイプが異なり得る。本明細書で説明される実施形態は、EUVマスク上の欠陥検出に特に有用であるが、実施形態はまた、光の1つ以上の深紫外(DUV)波長(すなわち、マルチダイ、光学またはDUVマスクである)で使用するために設計されるマスク等の他のタイプのマルチダイマスク上の欠陥検出に有用であってもよい。
【0020】
一実施形態では、撮像サブシステムは、193nmの波長を有する光でマスクを照射することによって、マスクの画像を生成するように構成される。別の実施形態では、撮像サブシステムは、193nm~257nmの範囲の1つ以上の波長を有する光でマスクを照射することによって、マスクの画像を生成するように構成される。さらなる実施形態では、撮像サブシステムは、13.5nmの波長(または光の別のEUV波長)を有する光でマスクを照射することによって、マスクの画像を生成するように構成される。さらなる実施形態では、撮像サブシステムは、マスクを電子で照明することによってマスクの画像を生成するように構成される。さらに別の実施形態では、撮像サブシステムは、マスクをイオンで照射することによってマスクの画像を生成するように構成される。
【0021】
図1に示すように、システムは、上述の波長のうちの1つまたは複数を有する光を使用してマスクの画像を生成するように構成された撮像サブシステム100、および/または電子もしくはイオンなどの荷電粒子を使用してマスクの画像を生成するように構成された撮像サブシステム122を含むことができる。したがって、
図1に示されるようなシステムは、
図1に示される撮像サブシステムおよび/または
図2に示される撮像サブシステムのうちの1つ以上を含み得る、1つの撮像サブシステムのみ、または1つ以上の撮像サブシステムを含んでもよい。
【0022】
図1にさらに示すように、撮像サブシステム100は光源102を含む。光源102は、レーザなど、当技術分野で知られている任意の適切な光源を含むことができる。光源102は、光をビームスプリッタ104に向けるように構成され、ビームスプリッタは、光源102からの光を屈折光学素子106に反射するように構成される。屈折光学素子106は、ビームスプリッタ104からの光をマスク108に集束させるように構成される。ビームスプリッタ104は、50/50ビームスプリッタ等の任意の好適なビームスプリッタを含んでもよい。屈折光学要素106は、任意の好適な屈折光学要素を含んでもよく、屈折光学要素106は、単一の屈折光学要素として
図1に示されるが、1つ以上の屈折光学要素および/またはより多くの反射光学要素と置換されてもよい。
【0023】
したがって、光源102、ビームスプリッタ104、および屈折光学素子106は、撮像サブシステムのための照明チャネルを形成することができる。照明チャネルは、1つ以上の偏光構成要素、回折光学要素(DOE)、およびスペクトルフィルタ等の1つ以上のフィルタ等の任意の他の好適な要素(
図1に図示せず)を含んでもよい。
図1に示すように、光源、ビームスプリッタ、および屈折光学素子は、光が垂直または実質的に垂直の入射角でマスクに向けられるように構成される。撮像サブシステムは、任意の好適な様式でマスクにわたって光を走査するように構成されてもよい。
【0024】
照明に起因してマスク108から反射された光は、屈折光学素子106によって収集され、ビームスプリッタ104を通って検出器110に向けられ得る。したがって、屈折光学要素、ビームスプリッタ、および検出器は、撮像サブシステムの検出チャネルを形成し得る。検出器は、電荷結合素子(CCD)または時間遅延積分器(TDI)など、当技術分野で知られている任意の適切な撮像検出器を含み得る。この検出チャネルはまた、1つ以上の偏光構成要素、1つ以上の空間フィルタ、1つ以上のスペクトルフィルタ等の1つ以上の付加的構成要素(
図1に図示せず)を含んでもよい。検出器110は、検出器によって検出された反射光に応答する出力を生成するように構成される。出力は、信号、信号データ、画像、画像データ、および任意の他の好適な出力を含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、撮像サブシステムは、加えて、または代替として、マスクによって透過される光を検出することによって、マスクの画像を生成してもよい。例えば、照明に起因してマスク108によって透過された光は、屈折光学素子112によって収集され、検出器114に向けられ得る。したがって、屈折光学要素112および検出器114は、撮像サブシステムの別の検出チャネルを形成し得る。検出器114は、上述の撮像検出器のいずれかを含んでもよく、さらに、上述のように構成されてもよい。この検出チャネルはまた、上述のもののいずれかを含む、1つ以上の追加の構成要素(
図1に図示せず)を含んでもよい。
【0026】
撮像サブシステムは、任意の好適な様式で複数のモードを有するように構成されてもよい。いくつかの事例では、撮像サブシステムは、連続して(例えば、マスクの走査間の開口数(NA)などの、撮像サブシステムの撮像レンズの1つ以上のパラメータを変更することによる)、複数のモードを有することができる。さらに、撮像サブシステムは、いくつかのモードおよび他のモードで同時にマスクを走査することができる。システムは、任意の適切な方法で任意のマスクの任意の走査に使用される光学モードを制御するように構成することができる。
【0027】
システムは、
図1に示されていないいくつかの他の構成要素を含み得る。例えば、システムは、装填モジュール、位置合わせモジュール、ロボット移送アームなどのハンドラ、および環境制御モジュールを含むことができ、当技術分野で知られている任意のそのような構成要素を含むことができる。
【0028】
図1に示すように、システムは、撮像サブシステム100に結合されたコンピュータサブシステム116を含む。例えば、コンピュータサブシステムは、撮像サブシステム(たとえば、当技術分野で知られている任意の適切な伝送媒体を含み得る、
図1の破線によって示される1つまたは複数の伝送媒体による)の検出器、例えば、検出器110および114に結合されてもよい。コンピュータサブシステムは、撮像サブシステムによって生成されたマスクの出力(例えば、画像)および任意の他の情報をコンピュータサブシステムに送ることができるように、また任意選択で、コンピュータサブシステムが1つまたは複数のステップを実行するための命令を撮像サブシステムに送ることができるように、任意の適切な方法で検出器に結合することができる。
【0029】
このコンピュータサブシステム(ならびに本明細書に記載の他のコンピュータサブシステム)は、本明細書ではコンピュータシステムと呼ぶこともできる。本明細書で説明されるコンピュータサブシステムまたはシステムの各々は、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々の形態を成してもよい。概して、「コンピュータシステム」という用語は、メモリ媒体からの命令を実行する1つまたは複数のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。コンピュータサブシステムまたはシステムはまた、並列プロセッサ等の当技術分野で公知の任意の好適なプロセッサを含んでもよい。加えて、コンピュータサブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するコンピュータプラットフォームを含んでもよい。
【0030】
システムが複数のコンピュータサブシステムを含む場合、本明細書でさらに説明するように、画像、データ、情報、命令などをコンピュータサブシステム間で送信できるように、異なるコンピュータサブシステムを互いに結合することができる。例えば、コンピュータサブシステム116は、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によってコンピュータサブシステム118に(
図1に破線によって示されるように)結合され得る。そのようなコンピュータサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0031】
システムは、追加的または代替的に、マスクの荷電粒子ビーム画像を生成するように構成された荷電粒子ビーム撮像サブシステムを含むことができる。一実施形態では、荷電粒子ビーム撮像サブシステムは、電子ビームサブシステムとして構成される。例えば、
図1に示すように、電子ビームサブシステムは、コンピュータサブシステム134に結合された電子カラム122を含むことができる。
【0032】
電子カラムは、1つまたは複数の要素126によってマスク128に集束される電子を生成するように構成された電子ビーム源124を含む。電子ビーム源は、例えば、カソード源またはエミッタ先端を含んでもよく、1つ以上の要素126は、例えば、銃レンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲート弁、ビーム電流選択アパーチャ、対物レンズ、および走査サブシステムを含んでもよく、その全ては、当技術分野で公知の任意のそのような好適な要素を含んでもよい。
【0033】
マスクから戻された電子(例えば、二次電子)は、1つ以上の要素130によって検出器132に集束されてもよい。1つまたは複数の要素130は、たとえば、要素126に含まれるのと同じ走査サブシステムであり得る走査サブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、電子カラムはさらに、または代替として、マスクによって透過される電子を検出するように構成されてもよい。例えば、撮像サブシステムは、マスクによって透過された電子を検出するようにマスクの下に配置された別の検出器(
図1には図示せず)を含むことができる。このようにして、撮像サブシステムは、マスクから反射された電子および/またはマスクによって透過された電子を検出することによってマスクの画像を生成するように構成することができる。
【0034】
電子カラムは、当技術分野で公知の任意の他の好適な要素を含んでもよい。さらに、電子カラムは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる、2014年4月8日にKojimaらに発行された米国特許8,664,594号(2014年4月4日、Jiangら)、8,692,204号、2014年4月15日にGubbensらに発行された8,698,093号、および2014年5月6日にMacDonaldらに発行された8,716,662号に記載されているようにさらに構成することができる。電子カラムは、
図1では、電子が斜めの入射角でマスクに向けられ、別の斜めの角度でマスクから散乱されるように構成されているものとして示されているが、電子ビームは、任意の適切な角度でマスクに向けられ、マスクから散乱されてもよい。さらに、電子ビームサブシステムは、マスクの画像(例えば、異なる照明角度、集光角度などを有する。)を生成するために複数のモードを使用するように構成することができる。電子ビームサブシステムの複数のモードは、サブシステムの任意の画像生成パラメータにおいて異なり得る。
【0035】
別の実施形態では、荷電粒子ビームサブシステムは、イオンビームサブシステムとして構成される。例えば、
図1に示す電子カラムでは、電子ビーム源は、イオンビーム源などの別の荷電粒子ビーム源と置き換えることができ、イオンビーム源は、当技術分野で知られている任意の適切なイオンビーム源を含むことができる。加えて、荷電粒子ビームサブシステムは、市販の集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)システム、および二次イオン質量分析(SIMS)システムに含まれるもの等の任意の他の好適なイオンビームツール構成を有してもよい。
【0036】
コンピュータサブシステム134は、上述のように検出器132に結合されてもよい。検出器は、マスクの表面から戻ってきた荷電粒子を検出し、それによってマスクの荷電粒子ビーム画像を形成することができる。荷電粒子ビーム画像は、任意の好適な荷電粒子ビーム画像を含んでもよい。コンピュータサブシステム134は、検出器の出力及び/又は荷電粒子ビーム画像を使用して、本明細書に記載の機能のいずれかを実行するように構成することができる。コンピュータサブシステム134は、本明細書で説明される任意の追加のステップを行うように構成されてもよい。コンピュータサブシステム134はまた、本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。
【0037】
荷電粒子ビームサブシステムは、走査電子顕微鏡(SEM)として構成されてもよく、荷電粒子ビーム画像は、「SEM画像」と呼ばれてもよい。しかしながら、荷電粒子ビームサブシステムは、SEM及び他のタイプの電子ビームツール、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を含む荷電粒子ビーム画像を生成するための任意の適切な構成を有することができる。さらに、システムに含まれる荷電粒子ビームサブシステムは、Advantest America,Inc.,カリフォルニア州サンノゼから市販されているMask DR-SEM E5600シリーズおよびMask MVM-SEM(登録商標)E3600シリーズのツールなどの市販の電子ビームツールを含むことができる
【0038】
システムに含まれるコンピュータサブシステムはまた、撮像サブシステムのいずれにも結合されないコンピュータサブシステム118などのコンピュータサブシステムを含んでもよい。このようにして、コンピュータサブシステムのうちの1つは、
図1に示される他のコンピュータサブシステムに結合され得るスタンドアロン型コンピュータサブシステムであり得る。例えば、スタンドアロン型コンピュータサブシステムは、本明細書で説明される画像を取得し、本明細書で説明される他のステップを行うように構成されてもよい。1つのそのような例では、コンピュータサブシステム116および134は、それぞれ結合された撮像サブシステムから受信された画像を記憶し、本明細書で説明されるようにさらに構成され得る記憶媒体120に画像を記憶するように構成され得る。スタンドアロン型コンピュータサブシステムは、次いで、記憶媒体から画像を取得し、画像のいずれかまたは全てを使用して、本明細書に説明される1つ以上のステップを実施してもよい。
【0039】
上述のように、本システムは、複数の撮像サブシステムを含んでもよい。
図2に示される撮像サブシステムは、
図1に示される撮像サブシステムのいずれかと組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。
図2に示されるように、撮像サブシステム200は、照明サブシステムおよび収集サブシステムを含む。照明サブシステムは光源202を含む。光源202は、レーザなどのコヒーレント光源であってもよい。光源は、248nm、193nmの波長、及び/又は本明細書に記載の別のDUV又はEUV波長を有する単色光を放出するように構成することができる。代替として、光源は、ある範囲の波長を有する光を放出するように構成されてもよく、スペクトルフィルタ(図示せず)に連結されてもよい。広帯域光源の例は、DUV波長領域の光を生成するHe-Xeアークランプを含むが、これに限定されない。このようにして、光源およびフィルタは、上述のような波長を有する単色光を放出することができる。光源は、連続的に又は様々な時間間隔でパルス状に光を放出するように構成することができる。
【0040】
照明サブシステムはまた、光源に結合されるいくつかの光学構成要素を含んでもよい。例えば、光源202からの光は、まずホモジナイザ204を通過することができる。ホモジナイザ204は、光源からの光のスペックルを低減するように構成され得る。照明サブシステムはまた、開口206を含んでもよい。開口206は、調節可能なNAを有してもよい。例えば、開口は、ユーザから、またはシステム上で実行されているプログラムレシピから受信されたプログラム命令から受信された制御信号に応じて、開口を機械的に変更するように構成され得る、制御機構に連結されてもよい。このようにして、光は、様々な部分コヒーレンス係数oを有し得る。例えば、開口206は、集光レンズ208の瞳を調整するように変更されてもよい。集光レンズの瞳は、システムのNAを制御する。集光レンズの瞳が縮小されるにつれて、照明のコヒーレンスは増加し、それによってδの値は減少する。αの値は、対物レンズのNAに対する集光レンズのNAの比として表すことができる。露光システムは、約0.3~約0.9の範囲のGの値を有することができる。したがって、開口206は、撮像サブシステムが約0.3~約0.9のδの値を有するように変更されてもよい。δの値は、マスク上の特徴に応じて変更することができる。例えば、マスクがライン及びスペースを含む場合、マスクがコンタクトホールを含む場合よりも高いδの値を使用することができる。制御機構はまた、環状または軸外照明を提供するように開口を変更するように構成されてもよい。開口はまた、四重極または双極照明等の他の種類の照明を提供するように構成されてもよい。開口はさらに、光ビームの形状を変更するように構成されてもよい。例えば、アパーチャは、回折光学素子またはアポダイゼーションアパーチャであってもよい。
【0041】
照明サブシステムはまた、いくつかの追加の光学構成要素(図示せず)を含んでもよい。例えば、照明サブシステムはまた、光のビーム直径を変更するように構成された望遠鏡を含んでもよい。さらに、照明サブシステムは、1つまたは複数のリレーレンズ、フィールドレンズなどの追加のレンズ、折り返しミラー、追加のアパーチャ、およびビームスプリッタを含むことができる。
【0042】
照明サブシステムはまた、コンデンサレンズ208を含んでもよい。集光レンズ208は、物体(マスク)平面内の光の直径を、サブシステムの視野にほぼ、またはそれより大きく変化させるように構成され得る。集光レンズを出る光は、ビームスプリッタ209に向けることができ、ビームスプリッタは、集光レンズからの光をマスク210に向け、それによってステージ212上に支持されたマスク210を照明する。ビームスプリッタ209は、当技術分野で公知の任意の好適なビームスプリッタを含んでもよい。ステージは、マスクの外側側縁に接触することによってマスクを支持するように構成される。ステージ212は、マスクの位置合わせを変更できるように、かつ光がマスクを横切って走査できるように、マスクを移動させるように構成することができる。代替として、照明サブシステムは、光がマスクにわたって走査される間、マスクが実質的に静止したままであり得るように、音響光学偏向器または機械的走査アセンブリ等の走査要素(図示せず)を含んでもよい。ステージ212はまた、マスクを焦点を通して移動させ、それによって、撮像サブシステムの焦点設定を変更するように構成されてもよい。ステージはまた、ステージの位置を変更し、それによってマスクの位置を変更して撮像中に撮像サブシステムの焦点設定を維持するように構成されたオートフォーカスデバイス(図示せず)に結合されてもよい。あるいは、オートフォーカスデバイスを対物レンズに結合して、対物レンズの位置を変更し、撮像中に焦点設定を維持することができる。
【0043】
撮像サブシステムはまた、収集サブシステムを形成するように配列される、いくつかの光学構成要素を含んでもよい。例えば、収集サブシステムは対物レンズ214を含む。マスクによって反射された光は、対物レンズ214によって集められる。収集サブシステムはまた、調節可能なNAを有する開口216を含む。開口216のNAはまた、開口を出る光が選択された倍率を有するように選択されてもよい。開口216は、対物レンズ214と、チューブレンズとして構成され得るレンズ218との間に位置付けられる。レンズ218からの光は、ビームスプリッタ220に向けられ得る。ビームスプリッタ220は、光を3つの検出器222,224,および226に指向するように構成されてもよい。収集サブシステムはまた、拡大レンズ等のいくつかの追加の光学構成要素(図示せず)を含んでもよい。拡大レンズは、レンズ218とビームスプリッタ220との間に配置することができる。
【0044】
検出器222,224,および226は、マスクの照明された部分によって反射された光の画像を形成するように構成され得る。このような画像を「空中画像」と呼ぶことがある。検出器は、例えば、CCDまたはTD1カメラを含んでもよい。検出器はまた、ピクセルの1次元または2次元アレイを有してもよい。3つの検出器の各々は、異なる焦点設定を有し得る。このようにして、3つの検出器は、3つの異なる焦点設定で実質的に同時にマスクの画像を形成することができる。例えば、1つの検出器は、実質的に焦点が合っており、他の2つの検出器は、焦点が合っている状態に対して反対方向に焦点が合っていない。加えて、撮像サブシステムは、撮像サブシステムの機械的または物理的制約に応じて、任意の数のそのようなものを含んでもよい。
【0045】
あるいは、撮像サブシステムは、マスクの画像を形成するように構成された1つの検出器のみを含むことができる。検出器は、露光システムの焦点設定にほぼ等しい焦点設定を有することができる。各画像が形成された後に検出器の焦点設定を変更することによって、異なる焦点設定におけるマスクの画像を形成することができる。このような実施形態では、ビームスプリッタ220は、光を複数の検出器に分割する必要はない。
【0046】
撮像サブシステムはまた、マスクによって透過される光の画像を生成するように構成される、いくつかの光学構成要素を含んでもよい。例えば、収集サブシステムは、対物レンズ228を含んでもよい。マスクによって透過された光は、対物レンズ228によって収集され、検出器230に向けられる。これらの構成要素の各々は、上記でさらに説明されるように構成され得る。対物レンズ228および検出器230によって形成される透過光検出チャネルはまた、本明細書で説明される任意の他の光学構成要素を含んでもよい。
図2に示される撮像サブシステムはまた、本明細書でさらに説明されるような複数のモード(例えば、撮像サブシステムの撮像パラメータの少なくとも1つの2つ以上の異なる値を用いる)を用いてマスクの画像を生成するように構成されてもよい。
【0047】
コンピュータサブシステム232は、撮像サブシステム200に結合されてもよい。例えば、コンピュータサブシステムは、検出器、例えば、撮像サブシステム(たとえば、当技術分野で知られている任意の適切な伝送媒体を含み得る、
図2の破線によって示される1つまたは複数の伝送媒体による)の検出器222,224,226,および230に結合されてもよい。コンピュータサブシステムは、任意の適切な方法で検出器に結合することができる。コンピュータサブシステムは、撮像サブシステムによって生成されたマスクに関する画像および任意の他の情報をコンピュータサブシステムに送信することができるように、および任意選択で、コンピュータサブシステムが本明細書で説明する1つまたは複数のステップを実行するための命令を撮像サブシステムに送信することができるように、任意の他の好適な方法で撮像サブシステムに結合され得る。
【0048】
図1および2は、本明細書に記載される実施形態に含まれ得る撮像サブシステムのいくつかの構成を概略的に図示するために本明細書に提供されることに留意されたい。明らかに、本明細書で説明される撮像サブシステムの構成は、市販の撮像システムを設計するときに通常行われるように、システムの性能を最適化するように変更されてもよい。さらに、本明細書に記載のシステムは、KLA Corp.,カリフォルニア州ミルピタスから市販されているマスク検査ツールなどの既存の撮像サブシステム(例えば、本明細書に記載される機能を既存の撮像システムに追加することによって、)を使用して実装することができる。いくつかのそのようなシステムに関して、本明細書で説明される実施形態は、システム(例えば、システムの他の機能に加えて、)の随意の機能性として提供されてもよい。あるいは、本明細書に記載されるシステムは、完全に新しいシステムを提供するために「スクラッチから」設計されてもよい。
【0049】
1つの荷電粒子撮像サブシステムのみが図に示されているが、システムは2つの荷電粒子ビームサブシステム(例えば、一方は検査イメージング用であり、他方は欠陥レビューイメージング用である)を含んでもよい。2つの荷電粒子ビームサブシステムは、サブシステムの一方が検査撮像に特に適し、他方が欠陥レビューまたは計測などの別のプロセスに特に適するように、1つまたは複数のパラメータが異なり得る。例えば、2つのサブシステムは、解像度能力(したがって、検査に使用されるサブシステムは、欠陥レビューまたは計測に使用されるものよりも低い分解能能力を有する)が異なっていてもよい。しかし、システムが1つのみの荷電粒子ビーム撮像サブシステムを含む場合、そのサブシステムは、検査と欠陥レビューの両方、または計測などの別の比較的高分解能のプロセスに使用できるように、可変パラメータを有するように構成することができる。サブシステムの1つまたは複数のパラメータは、サブシステムが両方のタスクに使用できるように、検査と他のプロセスとの間で変更することができる。例えば、
図1に示す荷電粒子ビームサブシステムは、検査ではなく欠陥レビュー又は計測に使用される場合、より高い分解能を有するように構成することができる。言い換えれば、
図1に示される荷電粒子ビームサブシステムの実施形態は、異なる用途に多かれ少なかれ適している異なる撮像能力を有するサブシステムを生成するように当業者に明白となるであろういくつかの様式で調整することができる、荷電粒子ビームサブシステムのためのいくつかの一般的かつ種々の構成を説明する。システムに含まれる光ベースの撮像サブシステムは、上述のものと同様の方法で構成されてもよい。上述のように、撮像サブシステムは、マスクの物理的バージョンにエネルギー(例えば、光、電子、イオン)を方向付け、および/またはマスクの物理的バージョンにわたってエネルギーを走査し、それによって、マスクの物理的バージョンの実際の画像を生成するように構成されてもよい。このように、撮像サブシステムは、「仮想「システムではなく、「実際の」撮像システムとして構成されてもよい。
図1に示す記憶媒体(記憶媒体120など)およびコンピュータサブシステム118は、「仮想」システムとして構成され得る。「仮想」システムとして構成されたシステムおよび方法は、Duffyらの2015年8月29日に発行された同一譲受人に譲渡された米国特許8,126,255号(2012年2月28日、Bhaskarら)及び9,222,895号に記載されており、その両方とも参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。本明細書に記載される実施形態は、これらの特許に記載されるようにさらに構成され得る。
【0050】
典型的なEUVフォトマスクスタックを
図3に示す。マスク基板(図示せず)は、ルテニウム(Ru)の比較的薄い層でキャップされた40対のモリブデン(Mo)ジルコニウム(Si)多層(ML)薄膜で覆われており、
図3では薄膜300としてまとめて示されている。タンタルボロンナイトライド(TaBN)302とタンタルホウ素オキシド(TaBO)304の2層膜が吸収体となり、選択的にエッチングされてマスクパターンが形成される。
【0051】
図4は、欠陥のないマスクパターン400の一例を示し、色領域は吸収体を示し、非色領域はMLを示す。
図5は、マスクパターン内に存在し得、本明細書でさらに説明されるように検出および分類され得る、異なるタイプの欠陥のいくつかの例を示す。有意な欠陥がなく、局所的なラインエッジラフネス(LER)のみが検出された検査信号または画像に寄与する場合、検出された欠陥は、欠陥例500によって示されるようにLERと呼ばれる。突起または侵入のような欠陥が吸収体に接続される場合、検出された欠陥は、欠陥例502によって示されるようにハード欠陥と呼ばれる。吸収体がピンホールを有し、底部MLがピンホールによって露出している場合、欠陥例504に示すように、検出される欠陥はピンホール欠陥である。粒子の一部または粒子全体がML上に位置する場合、粒子または粒子部分は、ウェハ露光に印刷可能性の影響を有し、欠陥例506によって示されるように、粒子-オン-MLとして分類される。粒子が完全に吸収体上にある場合、粒子は、ウェハ露光に印刷可能性の影響を及ぼさず、異なるビンに進む可能性があり、これは、欠陥例508としての粒子-吸収体である。
【0052】
本明細書に記載される実施形態は、現在使用されているダイ・トゥ・データベース(DB)またはダイ・トゥ・ダイ(DD)検査方法およびシステムの欠点を解決することを目的とした多数の新規かつ有利な構成要素を有する。これらの構成要素の1つは、DB設計およびマルチダイマスクの第1のダイからの対応する画像を取得するDB検出フローである。例えば、
図6に示されるように、マスク600は、その上に形成された複数のダイを有し得る。この例では、マスク600は、第1のダイ602、第2のダイ604、...、Mダイ606とともに示されている。したがって、このマスク例は、少なくとも3つのダイを含むが、本明細書に記載される実施形態は、マスク上の任意の配置でその上に形成される任意の数のダイ(すなわち、2つ以上のダイ)を有するマスクに使用され得る。さらに、マスク上のダイは、マスクを使用してウェハまたは他の試料上にフィーチャを印刷することができる任意のタイプの半導体デバイス用の任意のタイプのダイを含むことができる。DB検出フローは、ステップ608に示されるように、第1のダイからデータベース(DB)および光学(または他の)画像を取得することを含んでもよい。設計は、当技術分野で知られている任意の適切な方法でコンピュータサブシステムによって取得され得る。第1のダイの画像はまた、本明細書で説明される撮像サブシステムのうちの1つを使用して、または撮像サブシステムのうちの1つに結合されるコンピュータサブシステムによって画像が記憶されている記憶媒体から取得されてもよい。
【0053】
コンピュータサブシステムは、マスクの設計からマスクの物理的バージョンをシミュレートし、シミュレートされたマスクの物理的バージョンから撮像サブシステムによって生成されたマスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、マスクのデータベース(DB)参照画像を生成するように構成される。DB検出フローは、DBレンダリングステップ610においてこれらのシミュレーションを実行することができる。このようにして、コンピュータサブシステムは、その上に形成された設計を有する物理的マスクをシミュレートし、次いで、そのマスクが撮像サブシステムによって生成された画像にどのように現れるかによってDB参照画像を生成することができる。
【0054】
一実施形態では、マスクの物理的バージョンをシミュレートすることは、近接場モデリングを含み、マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることは、部分コヒーレント照明モデリングを含む。このようにして、DB参照画像は、マスクパターン情報を捕捉するための近接場モデリングと部分コヒーレント照明モデリングとを組み合わせたDB設計からレンダリングされ得る。これらのモデリングは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる米国特許9,478,019号(Sezginerら、2016年10月25日)に記載されるように実行することができる。本明細書に説明される実施形態はさらに、本特許に説明されるように構成されてもよい。これらのモデル化ステップは、加えて、または代替として、当技術分野で公知の任意の他の好適な様式で行われてもよい。
【0055】
別の実施形態では、マスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることは、撮像サブシステムの焦点誤差および収差誤差についてマスクの物理的バージョンの画像をシミュレートするために使用されるモデルにおいて撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを較正することを含む。例えば、部分コヒーレント照明モデリングは、焦点誤差及び収差誤差を補償するためにシステム固有のパラメータを較正することができる。1つのそのような例では、マスク上の第1のダイ(またはマスク上のダイのうちの1つ)からの画像は、DBレンダリングステップに入力され得る。マスクの設計は、上述のようにシミュレーションに入力されてもよく、マスクが撮像サブシステムによってどのように撮像されるかをシミュレートするシミュレートされた画像が、第1のダイ(またはダイのうちの1つ)について撮像サブシステムによって生成された画像と比較されてもよい。撮像サブシステムのモデルの1つ以上のパラメータは、次いで、シミュレーション画像が、撮像サブシステムによって生成される実際の画像に実質的に合致するまで、変更されてもよく、これは、当技術分野で公知の任意の好適な様式で行われてもよい。このようにして、モデルは、マスク上のダイの画像を生成するために使用される撮像サブシステムの特定のパラメータ(任意の収差およびすべての収差を含む)に対して較正することができる。
【0056】
このステップは、DB検出フローを介してマスク上のシステマティックマスクライタエラーを検出するために使用されるダイ以外のダイの実際の画像を使用して実行されてもよい。加えて、モデル内の撮像サブシステムのパラメータを較正するために、別のマスクの画像が使用されてもよい。そうである場合、較正目的のために、モデルへの入力は、他のマスクの設計およびそのマスクに関する任意の他の関連情報となるであろう。このようにして、モデルは、(欠陥が検出されるマスク以外の)異なるマスクを使用して、撮像サブシステムにおける焦点誤差および収差誤差について較正され得る。モデルの較正パラメータに異なるマスクが使用される場合、較正に使用される他のマスクの実際の画像は、好ましくは、検査されるマスクに使用される撮像サブシステムの同じパラメータを用いて生成される。いくつかのそのような事例では、較正のために使用される他のマスクの画像は、他のマスクが、マスクを検査するために使用されるであろうパラメータを使用して、まだ撮像されていない場合、特に較正のために生成されてもよい。較正のために使用される他のマスクは、利用可能な任意の他のマスクであってもよいが、複数の可能なマスクがこの使用のために利用可能である場合、2つのマスクの唯一の類似性が、それらが同じ波長での使用のために設計されることを意味する場合であっても、検査されるマスクに最も類似する設計を有するマスクを使用することが好ましい場合がある。
【0057】
コンピュータサブシステムはまた、DB参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第1の欠陥を検出するように構成される。例えば、第1のダイのための撮像サブシステムによって生成される画像は、DBに整合され、DB参照画像と比較されてもよい。第1のダイ画像をDBに位置合わせすることは、任意の適切な方法で実行されてもよく、第1のダイ画像をDB参照画像と比較することは、DB基準ダイ画像を第1のダイ画像から減算し、それによって差分画像を生成することを含んでもよい。目立つ任意の差異は、潜在的な欠陥候補としてフラグを立てられる。1つのそのような例では、第1のダイの画像とDB参照画像との間の任意の差が、差の閾値と比較され得る。閾値を上回る値を有する差異は、コンピュータサブシステムによって、欠陥、潜在的欠陥、または欠陥候補として識別されてもよい。閾値を上回る値を有しない差は、欠陥、潜在的欠陥、または欠陥候補として識別されなくてもよい。当然ながら、これは特に有用であり、おそらく、本明細書で説明されるこの欠陥検出ステップおよび他の欠陥検出ステップで使用することができる最も単純な欠陥検出方法であるが、本明細書で説明される実施形態は、本明細書で説明される欠陥検出ステップのいずれかで使用することができる欠陥検出方法に限定されない。
【0058】
マスク上の第1の欠陥を検出するステップは、DB参照画像を第1のダイの画像のみと比較するステップを含むことができる。しかしながら、DB検出は、DB参照画像をダイの全ての画像と比較することを含んでもよい。例えば、DB検出は、本明細書では、複数のダイにおいて繰り返し発生する欠陥を検出するために使用され、したがって、そのような検出のダイ対ダイの性質が非常に高いため、DD検査では検出され得ず、これは、常に、あらゆるダイにおいて反復する欠陥の場合であり、時には、全てのダイよりも少ないダイにおいて反復する欠陥の場合である。したがって、多くのDB検査では、DB参照画像を複数のダイのうちの1つのみと比較することを含むことができ、「第1のダイ」は、最初に走査されるマスク上のダイを含むことができる。しかしながら、「第1のダイ」は、マスク上の任意の他のダイを含んでもよい。言い換えれば、概して、DB検査は、DB参照画像とマスク上の任意の1つのダイについて生成された画像とを使用して実行され得、ユーザまたはコンピュータサブシステムは、その欠陥検出のためのダイのいずれかを選択し得る。
【0059】
一実施形態では、第1の欠陥は、系統的マスクライタエラーを含む。例えば、DB検出フローの目的は、システマティックライタエラーを検出することである。本明細書で使用される「システマティックライタエラー」という用語は、マスクライタ自体に起因してシステマティックに(ダイの各々において、またはダイのうちの2つ以上において、)発生するマスク上のエラーとして定義される。ステップ612に示すように、コンピュータサブシステムは、系統的エラー検出を実行することができる。レンダリングされたマスク画像は、システマティックライタエラーを検出するために使用されるため(必ずしも本明細書で説明される他の欠陥検出ステップのためではない)、レンダリングエラー予算は、より緩く、使用可能な感度を制限しない。したがって、本明細書に記載の実施形態の1つの利点は、システマティックライタエラーを検出する能力を提供することである。
【0060】
現在使用されているマスク検査方法およびシステムを上回る利点を提供する、本明細書に説明される実施形態の別の主要構成要素は、DDおよびDB検出フローの両方の側面を組み合わせる、主要検出フローである。本明細書に説明される実施形態の1つの利点は、マスク検査ツールを使用して、実質的に高い使用可能感度を伴うマルチダイレイアウトマスクのためのDDおよびDB検出フローの側面を組み合わせることである。このように、本明細書に記載の実施形態は、DD検出フローとDB検出フローの両方の態様を組み合わせた一種の新しい検査モードを提供する。
【0061】
コンピュータサブシステムはさらに、DB参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第1のダイのためのダイ参照画像を生成するように構成される。このダイ参照画像は、本明細書では「mダイ参照画像」とも呼ばれる。mダイ参照画像を生成する前に、ダイのすべて(または少なくともいくつか)の画像が取得され、DB設計または何らかの他の共通参照に位置合わせされ得る。例えば、
図6に示すように、全てのダイからの光学(又は他の)画像が取得される(ステップ614)。ダイの全てから画像を取得することは、本明細書でさらに説明されるように行われてもよい。画像をDB設計または他の何らかの共通の基準に位置合わせすることは、当技術分野で知られている任意の適切な方法で実行することができる。
【0062】
第1のダイからの画像について、mダイ参照画像は、残りのダイの画像およびDB検出フローからのシステム固有パラメータのすべて(または少なくともいくつか)を使用してレンダリングされる。ダイのうちの1つのためのmダイ参照画像を生成するとき、マスク上の他のダイの全ての画像を使用することが好ましい場合がある。しかし、あらゆる場合に必要というわけではない。例えば、マスク上に3つより多くのダイがある場合、ダイのうちの1つのためのmダイ参照画像を生成するとき、2つ以上(しかし必ずしも全てではない)の他のダイのための画像が使用され得る。一般に、mダイ参照画像を生成するために使用されるダイ画像が多いほど、mダイ参照画像は欠陥検出(mダイ参照画像生成のためにより多くのダイ画像を使用することは、ダイ間差をより良好に平均化することになり、それによって、より「欠陥のない」ダイ参照画像を生成する)のためにより良好となる。しかしながら、マスク構成/レイアウトおよび実際的な考慮事項に応じて、mダイ参照画像は、ユーザが好むのと同じくらい少数のダイ画像または少数のダイ画像から生成することができる。
【0063】
ステップ616に示すように、ダイ(すべてまたは少なくともいくつか)からのダイ画像をDB(設計情報)に位置合わせすることができる。この整列ステップは、当技術分野で公知の任意の好適な様式で実施され得る。ダイ画像の各々を設計に対して位置合わせすることが好ましい場合があるが、位置合わせは、任意の他の共通の基準に対して実行することができる。ステップ618に示すように、mダイ参照画像生成は、設計または別の共通基準に、したがって互いに位置合わせされたダイ画像のすべてまたは少なくともいくつかを使用して実行することができる。
【0064】
DB参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上のダイの撮像サブシステムによって生成された画像に適用することは、本質的に、DD検査におけるDBレンダリングを利用して、従来のDD検査における焦点補償制限を克服する。例えば、従来のDD検査では、mダイ平均によって軽減され得るパターンラインエッジラフネス(LER)ノイズに加えて、基準ダイと試験ダイとの間の焦点距離が、その性能における主要な寄与因子である。透過光(TL)および反射(RL)の両方を有する光学マスクの場合、物理学に基づく方法は、基準ダイと試験ダイとの間の整合を改善することができる。しかしながら、本明細書に記載のEUVマスク検査プラットフォームのいくつかなどの全反射システムでは、従来のDD検査は、焦点補償における経験的モデルの制限に悩まされている。新しいDDアプローチにおける焦点補償の目的のためのDBレンダリングの利用は、参照ダイおよび試験ダイのための画像間の焦点整合を改善すると同時に、一般的なDBレンダリングノイズを克服することができる。
【0065】
一実施形態では、DB参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つまたは複数のパラメータは、撮像サブシステムの焦点誤差および収差誤差を表す基底画像を含み、ダイ参照画像を生成することは、複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つまたは複数の撮像サブシステムによって生成された画像と基底画像との線形結合としてダイ参照画像を合成することを含む。理論的には、各ダイのmダイ参照画像は、他のダイからの画像とDB検出フローからの焦点及び収差を表す基底画像との線形結合として合成することができる。基底画像は、設計データからのDBレンダリングからのものである。基底画像は、mダイ参照画像内の焦点誤差を克服するために使用することができるように、焦点および収差等のツール特有の情報を含む。線形最適化方程式を解いた後、合成mダイ参照画像において、マスク上の異なるダイ間の誤差が平均化され、焦点関連誤差が補償されることが予想される。したがって、本明細書に記載される実施形態は、伝統的なDD検出におけるツール関連エラーを処理するためにDBモデリング情報を使用することができ、プレートエラーを処理し、モデリングノイズを回避するためにmダイ参照画像を使用することができる。このように、本明細書に記載される実施形態は、レンダリング誤差、フォトマスクの欠陥、およびツール焦点変動を低減することによって、使用可能な感度を最大化することができる。したがって、本明細書に記載の実施形態の1つの利点は、マルチダイ平均およびDB焦点補償を利用して、実質的に高品質のmダイ参照画像を生成することである。
【0066】
コンピュータサブシステムはまた、ダイ参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第2の欠陥を検出するように構成される。例えば、ステップ620に示すように、コンピュータサブシステムは、mダイ参照を使用して欠陥検出を実行することができる。このステップは、あらゆるダイに対して実行されてもよいが、必ずしも必要ではなく、第2の欠陥検出は、マスク上のダイのいずれかまたはすべてに対して実行されてもよい。第2の欠陥の検出は、さもなければ、本明細書でさらに説明されているように実行される。一実施形態では、コンピュータサブシステムは、DB参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つまたは複数のパラメータを、複数のダイのうちの第2のダイ以外の複数のダイのうちの1つまたは複数の撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第2のダイのための追加のダイ参照画像を生成するように構成される。マスク上の第2の欠陥を検出することは、追加のダイ参照画像を、複数のダイのうちの第2のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することを含む。例えば、各ダイからのあらゆる画像について、mダイ参照画像は、それぞれ、残りのダイの画像およびDB検出フローからのシステム固有パラメータの全てを使用してレンダリングされ得る。このようにして、各ダイは、それ自体のmダイ参照画像を有してもよく、DD検出は、各ダイに対して実行されてもよく、それによって、実質的に正確な位置で実際の欠陥を確実に検出する。
【0067】
別の実施形態では、コンピュータサブシステムは、マスク上の複数のダイのうちの第1のダイの画像の検査領域内のマスクの1つまたは複数の特徴の特性を決定し、決定された特性に基づいて、検査領域内の第2の欠陥を検出するためにDB参照画像またはダイ参照画像を選択するように構成される。このようにして、あらゆるダイの画像は、その対応するmダイ参照画像およびDB検出フローからのDBレンダリングされた参照画像と比較され得る。検査領域が、DBレンダリングされた基準画質が概して低い比較的複雑な2Dパターンを主に含む場合、mダイ参照画像が使用される。対照的に、検査領域が、DBレンダリングされた基準画質が概して高い比較的密な繰り返しパターンを主に含む場合、DBレンダリングされた参照画像は、潜在的な欠陥をチェックするための最終基準として使用される。このスマート参照画像選択戦略では、システムは常に、より良好な信号対雑音比(SNR)を有する欠陥を選択し、使用可能な感度は最大化される。したがって、本明細書に記載の実施形態の1つの利点は、より良好なSNRで欠陥を最大限に検出するための参照画像選択戦略を提供することである。
【0068】
いくつかの実施形態では、コンピュータサブシステムは、マスク上の第1および第2の欠陥に最も近い1つまたは複数のパターンについての情報を取得し、マスク上の第1および第2の欠陥にそれぞれ最も近い1つまたは複数のパターンについての情報に基づいて第1および第2の欠陥をそれぞれ分類するように構成される。DB検出フローからの欠陥候補を含む全ての欠陥候補は、周囲のパターン形状に基づいてさらに分類することができる。例えば、
図6のステップ626に示すように、コンピュータサブシステムは、DB検出フローとDD検出フローの両方で検出された欠陥に対して欠陥分類を実行することができる。パターン幾何学形状が、比較的高度な解剖規則に基づいて、実質的に正確に認識されるように、実質的に高い分解能を伴うDB設計が、本ステップにおいて使用されてもよい。
【0069】
コンピュータサブシステムは、検出された欠陥がマスク上のどのパターンに最も近いか、および検出された欠陥がそれらのパターンにどれだけ近いかを、いくつかの異なる方法で決定することができる。例えば、DB及びDD検査フローに使用される画像を設計に位置合わせすることによって、画像内の欠陥位置を設計(例えば、画像座標から設計座標への単純な座標変換による)に対して決定することができる。次に、欠陥の設計座標を使用して、マスク上の設計のパターンに対する検出された欠陥の空間情報を、設計のパターンの設計座標を使用して識別することができる。
【0070】
欠陥に最も近いパターンについての情報を決定することは、検出された欠陥がパターンのどれと重なり合うかを識別することを含むことができ、これは、欠陥が1つ又は複数のパターン内に位置するか、又は1つ又は複数のパターンと少なくとも部分的に重なり合う場合、又はパターンのどれに欠陥がある場合であり得る。欠陥に最も近いパターンの情報を決定することは、パターン(複数可)(検出された欠陥がパターン化されたフィーチャ自体と重複するか否かにかかわらず、又はパターン化されたフィーチャ自体内にあるか否かにかかわらず)に対する検出された欠陥の位置を決定することも含む。例えば、検出された欠陥がパターン化された特徴と(少なくとも部分的に)空間的に一致する場合、欠陥に最も近いパターンについての情報を決定することは、パターン化された特徴の外周または外側境界に対する検出された欠陥の位置を決定することを含み得る。検出された欠陥がパターン化された特徴と空間的に一致しない場合、欠陥に最も近いパターンについての情報を決定することは、欠陥が最も近いパターン化された特徴を識別することと、次いで、欠陥がパターン化された特徴にどれだけ近いかを決定することとを含み得る。欠陥に最も近いパターンについての情報を決定することは、検出された欠陥がパターン化されたフィーチャ(例えば、角、側部、端部などである。)の特定の部分にどれだけ近いか(いくつかの長さ寸法において)を決定することも含む。検出された欠陥と、最も近いパターン化された特徴との間の空間は、単一の値、値の範囲、平均、関数として、または任意の他の好適な様式で表され得る。
【0071】
加えて、ユーザは、検出された欠陥がマスクのパターン化された特徴のサブセットにどれだけ近いかについて特に注意することができる。例えば、欠陥に最も近いパターンについての情報を決定することは、その最も近いパターン化フィーチャに対する検出された欠陥位置が決定されるように、および/または任意の1つのタイプのパターン化フィーチャに対する検出された欠陥位置が決定されるように実行され得る。欠陥に最も近くない可能性のあるパターン化されたフィーチャに対する検出された欠陥の相対的な位置は、本明細書で説明するように他の方法で決定することができる。
【0072】
さらなる実施形態では、コンピュータサブシステムは、第1および第2の欠陥の分類カテゴリを決定し、決定された分類カテゴリに基づいてスコアを第1および第2の欠陥に割り当てるように構成され、スコアは、マスクを用いて実行されるリソグラフィプロセスに対する第1および第2の欠陥の重大度を示す。このように、異なる分類カテゴリを有する欠陥候補は、ユーザがリソグラフィ的に重要な欠陥に焦点を合わせることができるように、それらの重大度を示す異なるスコアを割り当てることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステムは、ユーザが、異なる欠陥タイプの重大度を指定することができるように構成される、ユーザインターフェースを提供することができる。
【0073】
検出された欠陥の分類カテゴリの決定は、任意の適切な方法で実行することができる。例えば、コンピュータサブシステムは、撮像サブシステムによって生成された欠陥の画像(例えば、テスト画像)、検出フローのいずれかまたは両方によって生成された欠陥の差分画像、欠陥を検出するために使用される参照画像、またはそれらの何らかの組み合わせに基づいて、検出された欠陥の1つまたは複数の特性を決定することができる。これらの特性は、例えば、サイズ、形状、配向、場所、任意の近傍パターン化特徴に対する場所、テクスチャ等を含んでもよい。任意の決定された特徴および場合によっては上述の画像のいずれかは、コンピュータサブシステムによって欠陥分類器に入力されてもよい。欠陥分類器は、検出された欠陥の分類カテゴリ(クラス、タイプ、ビンなど)を、それらの決定された特性および/または画像のうちの1つまたは複数に基づいて決定するように構成され得る。欠陥分類器は、当技術分野で知られている任意の適切な欠陥分類方法またはアルゴリズムであり得る。そのような欠陥分類器の一例は、異なるタイプの欠陥を互いに分離する欠陥特徴に異なるカットラインを適用することによって異なるタイプの欠陥が分離される比較的単純な決定木である。好適な欠陥分類器の他の例は、機械学習型欠陥分類器であり、そのいくつかの例は、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる、2019年3月7日にHeらによって公開された米国特許出願公開2018/0107928号(2018年4月19日、Zhangら)および2019/0073568号に記載されている。本明細書に記載される実施形態は、これらの刊行物に記載されるようにさらに構成され得る。
【0074】
検出された欠陥の分類カテゴリを決定することは、さらに、または代替的に、リソグラフィプロセスでウェハがマスクで印刷される場合にウェハ(または他の試料)上の検出された欠陥の印刷可能性を決定することを含む。印刷可能性の決定は、好ましくは、マスクを使用して実行されるウェハ印刷(リソグラフィ)プロセスをシミュレートし、それによって、欠陥がウェハ上に印刷されるパターンにどのように影響を及ぼすかを予測する。例えば、コンピュータサブシステムは、検出された各欠陥がクリティカルであり、ウェハ印刷において比較的大きな誤差を引き起こすか、またはウェハ印刷においてニューサンスおよびほとんど観察できない誤差を引き起こすかどうかを決定することができる。これを手動で実行し、人間の判断を使用する代わりに、EUVリソグラフィプロセスをモデル化する自動化された実質的に正確な方法が、本明細書に記載される実施形態によって提供され、それによって、検出された欠陥画像から始まるマスク吸収体欠陥の印刷可能性の実質的に正確な予測を可能にする。
【0075】
コンピュータサブシステムは、検出された欠陥について生成された1つまたは複数の画像をリソグラフィプロセスのモデルに入力することができ、それによって、欠陥がリソグラフィプロセスにおいてウェハ上に印刷された1つまたは複数のパターンにどのように影響するかを示すシミュレートされたウェハ画像を生成する。印刷可能性を決定することは、ウェハ露光条件シミュレーションによって欠陥印刷の影響を予測する。このシミュレーションは、Kirchoff近似、厳密有限差分時間領域(FDTD)ソルバ、厳密結合波分析(RCWA)、または欠陥印刷可能性シミュレーション(DPS)マスクモデル(その例は、Clifford et al.,Photomask Technology 2010,Proceedings of SPIE Vol. 7823, 78230V,September 24, 2010, 10 pagesによる「極紫外線リソグラフィマスクにおける埋め込み欠陥の新しいモデルを使用する補償方法」に記載されており、これは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる)などのコンパクト近似モデルのいずれかを使用することができるマスクニアフシミュレーション、光学、ならびに当技術分野で知られている任意の適切なそのようなモデルを含むことができるレジスト露光および現像モデルを含むことができる。ウェハプロセスがまだ固定されていないか、またはマスク近接場モデルがうまく決定されていない場合、大まかな推定のためのウェハ露光条件シミュレーションなしに、マスクバイナリレイアウト上で印刷適性を直接チェックすることができる。本明細書に記載される実施形態は、上述の論文に記載されるように構成されてもよい。印刷可能性の決定はまた、Sezginerらに対して2016年9月25日に発行された米国特許9,002,497号(2015年4月7日、Marellaら)及び9,478,019号に記載されるように行われてもよく、これは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。本明細書に記載される実施形態は、これらの特許に記載されるようにさらに構成され得る。
【0076】
別の実施形態では、検出された欠陥の分類カテゴリを決定することは、リソグラフィプロセスにおいてウェハがマスクで印刷される場合、ウェハ上の検出された欠陥の印刷可能性を決定することを含み、印刷可能性を決定することは、検出された欠陥について、および対応する参照画像(DBおよびmダイ参照画像のいずれかまたは両方)について生成された欠陥画像について空間画像をシミュレートすることを含む。そして、シミュレートされた空中像に基づいて、検出された欠陥がリソグラフィプロセスにおいてウェハ上に印刷された1つまたは複数のパターンにどのように影響を及ぼすかを決定する。例えば、マスクモデルを、関連するスキャナ露光条件を有する欠陥のテスト画像及び参照画像の両方に適用して、テスト及び参照(EUV又は他の)空中画像を生成することができる。マスクモデルは、本明細書でさらに説明するように画像に適用することができる。このようにして、コンピュータサブシステムは、スキャナ光学条件を用いて印刷可能性シミュレーションを実行することができる。次いで、空間画像分析器(AIA)を実行して、欠陥が位置する撮像サブシステムの視野(FOV)内のすべてのフィーチャの印刷可能性を計算することができる。例えば、テスト空中画像および基準空中画像をAIAに入力することができ、AIAは、リソグラフィプロセス中にウェハ上に投影された空中画像内のマスクの特徴を欠陥がどのように動かすかを示すシミュレートされた画像を生成することができる。本明細書に記載される実施形態で使用され得るAIAの例は、「Printability and actinic AIMS review of programmed mask blank defects」(Verduijn et al.,SPIE Proceedings Vol.10143,Extreme Ultraviolet(EUV) Lithography VIII,101430K,March 24,2017,13ページ)に記載されており、これは、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる。本明細書に記載される実施形態は、この刊行物に記載されるようにさらに構成され得る。
【0077】
本明細書で説明されている実施形態は、参照により本明細書に完全に規定されているかのように取り込まれる米国特許7,873,204号(Wihlら、2011年1月18日)に記載されているように、マスク上で検出された欠陥のリソグラフィ的重要性を判定するように構成することもできる。本明細書に説明される実施形態はさらに、本特許に説明されるように構成されてもよい。
【0078】
別の実施形態では、複数のダイのうちの2つ以上における光近接効果補正(OPC)特徴の特性は、マスクを用いて実行されるリソグラフィプロセスにおけるフレア補正のために異なるように設計され、DB参照画像を生成することは、複数のダイのうちの2つ以上の設計をそれぞれ用いて、マスク上の複数のダイのうちの2つ以上の異なるDB参照画像を生成することを含む。この追加の主要な新しい構成要素では、フレア補正が異なるダイ上のOPCパターンの顕著な変動を引き起こす場合に、専用であるが任意選択の手順が提供される。理論的には、OPCが複数のダイ上で顕著な差異を有すると、これは典型的なDD可能な検査領域ではない。しかしながら、本明細書に記載される実施形態は、フレア補正に対処する能力を提供する。DB参照画像は、本明細書でさらに説明されるように、マスク上の各ダイについて生成され得る。
【0079】
追加の実施形態では、複数のダイのうちの2つ以上におけるOPC特徴の特性は、マスクを用いて実行されるリソグラフィプロセスにおけるフレア補正のために異なるように設計され、コンピュータサブシステムは、複数のダイのうちの2つ以上におけるOPC特徴の位置に基づいて、複数のダイのうちの2つ以上において第2の欠陥が検出される感度を決定するように構成される。全てのダイからのDBを比較することによって、コンピュータサブシステムは、フレア補正位置を容易に検出することができ、これは、使用可能な感度制御のための特別な欠陥分類カテゴリとして扱うことができる。したがって、実施形態の1つの利点は、フレア補正によって引き起こされるOPC変動に対処する能力を提供することである。
【0080】
EUVリソグラフィにおいて起こり得るパターニング歪みの1つは、設計通りの寸法からのウェハ上のパターンの寸法の変動を引き起こし得るリソグラフィ光学系における散乱光によって引き起こされるフレアである。フレアが現在処理されている1つの方法は、OPC機能におけるフレア補償によるものである。例えば、フレアは、リソグラフィプロセスおよびマスクに関する情報をプロセスおよびマスクのための適切なモデルに入力することによってモデル化され得る。シミュレートされたフレア情報は、次いで、そのフレアを軽減する(低減する、さらには排除する)という希望を伴って、マスク上のOPC特徴の1つ以上の特性を修正するために使用されてもよい。したがって、異なるダイが同じOPC特徴を含む場合、それらはフレアを補償するために異なる方法で修正され得る。例えば、あるダイ内のOPC特徴は、フレアのために修正される必要はなく、別のダイ内の同じOPC特徴は、そのOPC特徴が適用されるパターン化特徴からの光散乱を低減させるように、(例えば、サイズまたは形状において)調節されなければならない場合がある。したがって、そのOPC特徴の画像がDD検出において比較される場合、DD検出は、異なるダイにおけるOPC特徴の画像の差異を検出し、その差異が、異なるダイにおけるOPC特徴の間の意図的で設計された差異によって引き起こされるにもかかわらず、欠陥または潜在的欠陥としてその差異にフラグを立て得る。そのような非欠陥の検出は、明らかに、いくつかの理由で問題があり、そのような検出に対処することは、他の問題(例えば、感度を低下させて、マスク上の他の欠陥を失う原因となり得るそのような非欠陥の検出を回避する場合である)を引き起こし得る。しかしながら、本明細書に説明される実施形態は、いかなるそのような悪影響も伴わずに、異なるダイのための設計におけるそのような差異に効果的に対処することができる。
【0081】
フレア補正フローにおいて、コンピュータサブシステムは、ステップ622に示すように、全てのダイからDB(設計)を取得することができる。言い換えれば、このステップは、ダイごとにDB(設計)を取得することを含み得る。理想的には、すべてのダイのDB設計は同じであり、したがって効率のため1つのダイのみのDBが取得され、すべてのダイに使用することができる。しかしながら、いくつかの事例では、わずかに異なるDB設計が、異なるダイのために必要とされ得、これは、さらに上記で説明されるように、従来のDD検査のためのニューサンス欠陥問題を引き起こし得る。言い換えると、異なるダイに対する設計間のわずかな差異は、マスク上に形成されるダイ間の対応するわずかな差異を引き起こし得る。したがって、設計におけるこれらの差異は、意図的ではあるが、誤って欠陥を除去する可能性がある。
【0082】
次いで、ステップ624に示すように、フレア検出のために、異なるダイの設計を互いに比較することができる。このステップでは、異なるダイの設計(および特にOPCフィーチャの設計)間の差は、リソグラフィプロセスにおけるマスクのフレア問題に対処するために設計において意図的に行われた差を示し得る。したがって、意図的なフレア補正のための設計の違いによるダイの画像間の差は、DD欠陥検出プロセスによって検出されても欠陥ではない可能性がある。したがって、これらの設計差が欠陥として検出されるのを防ぐ1つの方法は、上述のように設計差の位置を特定し、次いで、これらの差が欠陥として検出されないように欠陥検出プロセスを制御すること、または最終的な欠陥レポートからこれらの位置で検出された欠陥を除去することである。例えば、
図6に示すように、フレア検出624の結果は、最終欠陥レポート628に入力されて、設計が異なるダイにおいて意図的に異なる位置で検出された任意の欠陥を除去するか、または1つまたは複数の特性(例えば、サイズ)が所定の限界を下回るそのような位置で検出された任意の欠陥をフィルタ除去することができる。このようにして、コンピュータサブシステムは、識別されたフレア補正位置に基づいてDD検出によって検出された欠陥をフィルタリングすることによって検査の感度を変更することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、コンピュータサブシステムは、第1および第2の欠陥についての情報を含むマスクについての検査結果を生成するように構成される。例えば、
図6に示すように、DB検出フローにおいて系統的エラー検出ステップ612によって検出された欠陥と、DD検出フローにおいて欠陥検出ステップ620によって検出された欠陥との両方を欠陥分類ステップ626に入力することができ、次いで、3つ全てのステップの結果(おそらくフレア検出フローによって修正される)を使用して最終的な欠陥レポート628を生成することができる。このようにして、最終的な欠陥レポートは、DB検出フローによって検出されたシステマティックマスクライタエラーとDD検出によって検出された欠陥の両方についての情報を含むことができる。最終欠陥レポートは、本明細書で説明しているステップ(例えば、欠陥ID、欠陥位置、欠陥分類などである。)のいずれかによって生成された情報のいずれかを含む。最終欠陥レポートは、当技術分野で公知の任意の好適なファイルまたはフォーマットを有してもよく、任意の好適な様式でコンピュータサブシステムによって出力されてもよい。一実施形態では、撮像によって生成され、第1の欠陥の検出、ダイ参照画像の生成、および第2の欠陥の検出に使用されるマスクの画像は、複数のダイのダイ等価領域の画像のみから選択され、ダイ等価領域は複数のダイよりも小さい。そのような一実施形態では、ダイ等価領域は、撮像サブシステムによってマスク上で走査されるスワスの幅に等しい1次元のサイズを有する。別のそのような実施形態では、複数のダイは、マスク上に2次元アレイで形成されたダイを含む。
【0084】
上述した実施形態において、検査スワスマップは、ダイ等価領域を順番にスキャンするように設定されてもよい。このようにして、等価スワスは、ダイの各別個の行に対して走査される。例えば、
図7に示すように、ダイ702の3つの行がある:行A、行B、および行Cは、マスク700上に形成される。ダイの各行は、4つのダイを含み、マスク上のダイの行および列は、マスク上のダイの2次元アレイを形成する。
図7には3行4列のダイが示されているが、本明細書に記載のマスクは、行と列の両方に配置された任意の適切な数のダイと、任意の適切な数の行と列のダイとを含んでもよい。複数のスワス、例えば、スワス1からスワスNは、ダイの各行にわたって、行Aから行Cに順番に、またはその逆に走査されてもよい。示されるスワス704は、ダイのこれらの行の各々におけるN番目のスワス(スワスN)である。示されたパッチ706は、各ダイ内に正確に同じパターンを含むダイ等価領域である。
図7に示されるように、パッチ706によって示される各ダイ等価領域は、ダイのそれぞれより小さい。加えて、
図7に示されるように、パッチ706によって示されるダイ等価領域の各々は、スワスNの幅に等しい一次元におけるサイズを有する。
【0085】
ダイ等価領域のこの概念は、本明細書で説明されるあるステップにとって有利であり得、ダイ等価領域は、
図6に示されるダイの代わりに使用され得る。言い換えれば、ダイに関して実行される本明細書に記載されるステップは、ダイ等価領域について同じ様式で実行され得る。このようにして、ダイに対して実行されるものとして本明細書に記載される任意のステップにおいて、ダイ等価領域に対して同じ機能が実行され得る。したがって、本明細書に記載の実施形態の1つの利点は、ダイ等価領域セットアップを使用して、すべての種類のマルチダイレイアウトマスクをカバーすることができることである。加えて、本明細書で説明される実施形態の新しい特徴の1つは、あらゆる種類のマルチダイレイアウトマスクを扱うことができることである。本明細書で説明される実施形態のすべては、実施形態のさらなるステップの結果をコンピュータ可読記憶媒体に記憶することを含み得る。結果は、本明細書で説明される結果のいずれかを含んでもよく、当技術分野で公知の任意の様式で記憶されてもよい。記憶媒体は、本明細書で説明する任意の記憶媒体または当技術分野で知られている任意の他の好適な記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は、記憶媒体内でアクセスされ、本明細書で説明される方法またはシステム実施形態のいずれかによって使用される、ユーザへの表示のためにフォーマットされる、別のソフトウェアモジュール、方法、またはシステムによって使用される等することができる。
【0086】
コンピュータサブシステムは、本明細書に記載の実施形態によって生成された情報のいずれかに基づいて検出された欠陥を配置するように構成することができる。本明細書で使用される「位置決め」という用語は、検出された欠陥をどのように適切に対処するか、例えば、検出された欠陥が修復されるべきか、検出された欠陥が迷惑であり、無視され得るかについての最終的な決定を行うために使用され得る、検出された欠陥についての追加情報を決定するものとして定義される。検出された欠陥を修復する必要はないが、マスクで印刷されたウェハは、マスクで形成されたウェハパターンなどに対する検出された欠陥の影響について監視されるべきである。
【0087】
コンピュータサブシステムは、検出された欠陥に関する情報をマスクレビューツールに送信することができる。例えば、マスクの二次荷電粒子ビーム(eビームまたはイオンビーム)撮像は、マスク上の検出された欠陥のはるかに良好なレビューを可能にする検査よりも高い分解能を提供する。したがって、荷電粒子ビーム画像は、検出された欠陥の検査画像よりも正確に(より高い分解能で)検出された欠陥についての情報を決定するために使用され得、それによって、検出された欠陥に関する(配置)決定をより効果的に行うために使用され得る追加の情報が荷電粒子ビーム画像から決定されることを可能にする。マルチビームおよびマルチカラム電子ビームイメージングにおける最近の進歩はまた、大規模なSEMデータ収集を可能にする。このようにして、検査が完了した後、検査から決定された各検出欠陥位置(または検出欠陥位置の選択されたサブセット)において、マスクレビュー、CD-SEM、または電子ビーム検査ツール(あるいは、イオンビーム画像は、本明細書に記載のイオンビームツールの1つを用いて捕捉することができる)上でテストSEM画像をキャプチャすることができる。各試験荷電粒子ビーム画像は、次いで、本明細書でさらに説明される以下の側面、欠陥等級、および印刷可能性のうちの1つ以上から配置されてもよい。
【0088】
コンピュータサブシステムまたは別のシステムまたは方法は、1つ以上のマスク欠陥を除去または修理し、それによって、そのようなマスク欠陥がウェハ上に印刷されることを防止することを目標とするマスク修理または洗浄プロセスを制御および/または変更するために、本明細書で説明されるステップのうちのいずれかの結果を使用してもよい。1つのそのような例では、マスク上で検出された欠陥に関する情報は、マスク上のどこで修理または洗浄プロセスが実行されるべきかを決定するために、本明細書で説明されているコンピュータサブシステム、別のシステム(たとえば、マスク修理システム)、または別の方法(たとえば、マスク修理方法)によって使用されうる。マスク上で検出された欠陥についての情報はまた、プロセスが実行されるべき面積、プロセスが実行されるべき時間の長さ、プロセスにおいてどの化学物質またはガスが使用されるべきかなどの、そのようなプロセスの1つまたは複数のパラメータを決定するために使用され得る。次いで、変更されたマスクを使用して、リソグラフィプロセスにおいてウェハ上のマスク上にダイを印刷することができる。変更されたマスクはまた、リソグラフィプロセスに導入または再導入された後の別の時点で、本明細書で説明される実施形態を使用して再検査されてもよい。
【0089】
一実施形態では、コンピュータサブシステムは、検出された欠陥のいずれかについて本明細書で説明されている結果のいずれかをマスク修理ツールに送信するように構成され、マスク修理ツールは、マスク上で実行される修理プロセスにおいて検出された欠陥についての結果を使用する。このようにして、マスクを固定する必要があるときに欠陥情報を修理ツールで使用することができる。1つのそのような例では、
図1に示すように、コンピュータサブシステム118(またはシステムの任意の他のコンピュータサブシステム)は、検出された欠陥についての情報をマスク修理ツール140に送るように構成することができ、マスク修理ツールは、システムの一部であってもなくてもよい。マスク修理ツールは、当技術分野で知られている任意の適切な構成を有することができる。さらに、マスク修理ツールは、カール・ツァイスSBE、LLC、ニューヨーク州ソーンウッドから市販されているMeRiT neXTシステムなどの市販のマスク修理ツールであってもよい。マスク修理ツールは、欠陥情報を使用して、検出された欠陥に近接して正しく形成されたフィーチャを変更することなく検出された欠陥を修理することを目的として、修理位置および領域などの修理プロセスの1つまたは複数のパラメータを決定することができる。本明細書で説明される実施形態は、本明細書ですでに説明された利点に加えて、マスク検査のための方法およびシステムに勝るいくつかの利点を有する。例えば、マスク上のリソグラフィ的に重要な欠陥は、歩留まりに壊滅的な影響を及ぼす可能性があり、ウェハ製造業者にとって時間及び費用の損失につながり、極端な場合には、特にEUVマスクにとって収益性の完全な損失につながる。EUVマスク用の化学線フォトマスク検査ツールが成熟する前に、解像度制限検査ツールの使用可能な感度を推進することが重要である。DD検出フローとDB検出フローを組み合わせることにより、ユーザは、使用可能な感度を最大にしてDD検出フローとDB検出フローの両方の利点を利用することができる。ユーザは、マルチダイレイアウトを有するマスク上のリソグラフィ的に重要な欠陥を確実に検出するのにより適している。
【0090】
上記のシステムの各々の実施形態の各々は、1つの単一の実施形態に一緒に組み合わせることができる。
【0091】
別の実施形態は、マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法に関する。この方法は、マスクの設計からマスクの物理的バージョンをシミュレートし、シミュレートされたマスクの物理的バージョンから撮像サブシステムによって生成されたマスクの物理的バージョンの画像をシミュレートすることによって、複数のダイが形成されたマスクのDB参照画像を生成することを含む。本方法はまた、DB参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイについて撮像サブシステムによって生成されたマスクの画像と比較することによって、マスク上の第1の欠陥を検出するステップを含む。加えて、本方法は、DB参照画像を生成することによって学習された撮像サブシステムの1つ以上のパラメータを、複数のダイのうちの第1のダイ以外の複数のダイのうちの1つ以上の撮像サブシステムによって生成された画像に適用することによって、複数のダイのうちの第1のダイのためのダイ参照画像を生成するステップを含む。本方法はさらに、ダイ参照画像を、複数のダイのうちの第1のダイのための撮像サブシステムによって生成されるマスクの画像と比較することによって、マスク上の第2の欠陥を検出するステップを含む。DB参照画像の生成、第1の欠陥の検出、ダイ参照画像の生成、および第2の欠陥の検出は、撮像サブシステムに結合されたコンピュータサブシステムによって実行される。
【0092】
本方法のステップの各々は、本明細書にさらに記載されるように実行され得る。本方法はまた、本明細書に説明される実施形態のうちのいずれかに従って構成され得る、本明細書に説明される撮像サブシステムおよび/またはコンピュータサブシステムまたはシステムによって実施され得る、任意の他のステップを含んでもよい。加えて、上述の方法は、本明細書に記載されるシステムの実施形態のいずれかによって実行され得る。
【0093】
さらなる実施形態は、マスク上の欠陥を検出するためのコンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。そのような一実施形態を
図8に示す。特に、
図8に示すように、非一時的コンピュータ可読媒体800は、コンピュータシステム804上で実行可能なプログラム命令802を含む。コンピュータ実装方法は、本明細書で説明される任意の方法の任意のステップを含んでもよい。
【0094】
本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令802は、コンピュータ可読媒体800上に記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体は、磁気もしくは光ディスク、磁気テープ、または当技術分野で知られている任意の他の好適な非一時的コンピュータ可読媒体などの記憶媒体であり得る。
【0095】
プログラム命令は、とりわけ、プロシージャベースの技法、コンポーネントベースの技法、および/またはオブジェクト指向技法を含む、様々な方法のいずれかで実装され得る。例えば、プログラム命令は、所望に応じて、ActiveX制御、C オブジェクト、JavaBeans、Microsoft Foundation Classes(「MFC」)、SSE(Streaming SIMD Extension)、または他の技術もしくは方法論を使用して実装されてもよい。
【0096】
コンピュータシステム804は、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って構成され得る。
【0097】
本発明のさまざまな態様のさらなる修正および代替実施形態は、この説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。例えば、マスク上の欠陥を検出するための方法およびシステムが提供される。したがって、この説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され、記載される本発明の形態は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。要素および材料は、本明細書に図示および説明されるものと置換されてもよく、部品およびプロセスは、逆にされてもよく、本発明のある特徴は、独立して利用されてもよく、全て、本発明の本説明の利益を得た後に、当業者に明白となるであろう。以下の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される要素に変更が行われ得る。
【国際調査報告】