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特表2024-536968ダイシールドによる電気めっき共平面性の向上
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ダイシールドによる電気めっき共平面性の向上
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/00 20060101AFI20241003BHJP
   C25D 17/06 20060101ALI20241003BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20241003BHJP
   C25D 21/10 20060101ALI20241003BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C25D17/00 K
C25D17/06 C
H05K3/18 N
C25D21/10 301
C25D7/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503908
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022043041
(87)【国際公開番号】W WO2023043666
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】17/478,252
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】シャルボノ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マクヒュー ポール アール
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン グレゴリー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クロック ジョン エル
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン ノーラン エル
【テーマコード(参考)】
4K024
5E343
【Fターム(参考)】
4K024BB12
4K024CB02
4K024CB08
4K024CB12
4K024CB26
4K024FA16
4K024GA02
5E343AA22
5E343BB24
5E343DD43
5E343FF16
5E343GG20
(57)【要約】
例示的な電気めっきシステムは、容器を含むことができる。本システムは、容器内に配置されたパドルを含むことができる。パドルは、第1の表面および第2の表面によって特徴付けられてもよい。パドルの第1の表面は、第1の表面から上向きに延在する複数のリブを含むことができる。複数のリブは、第1の表面の周りに略平行に配置されてもよい。パドルは、パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定することができる。複数の開孔のそれぞれは、約5mm未満の直径を有することができる。パドルは、約15%未満の開口領域を有することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内に配置されたパドルと
を備える、電気めっきシステムであって、
前記パドルが第1の表面および第2の表面によって特徴付けられ、前記パドルの前記第1の表面が前記第1の表面から上向きに延在する複数のリブを備え、
前記複数のリブが前記第1の表面の周りに略平行に配置され、
前記パドルが前記パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定し、
前記複数の開孔のそれぞれが約10mm未満の直径を有し、
前記パドルが約30%未満の開口領域を有する、
電気めっきシステム。
【請求項2】
前記複数の開孔のそれぞれが前記第2の表面から前記複数のリブのそれぞれの1つの頂面を貫いて延在する、
請求項1に記載の電気めっきシステム。
【請求項3】
前記パドルが前記複数のリブのそれぞれの間を横方向に延在する複数の垂直仕切りを備える、
請求項1に記載の電気めっきシステム。
【請求項4】
前記複数の開孔のそれぞれが前記第2の表面から前記複数の垂直仕切りのうちのそれぞれの垂直仕切りの頂面を貫いて延在する、
請求項3に記載の電気めっきシステム。
【請求項5】
前記パドルが前記複数のリブのうちの少なくとも一部の間に、いくつかのスロット、開口部、またはスロットおよび開口部の両方を画定する、
請求項1に記載の電気めっきシステム。
【請求項6】
前記容器内でウエハを位置決めするために移動可能なウエハホルダであって、前記パドルと前記ウエハホルダの面との間の距離が約10mm未満である、ウエハホルダ
をさらに備える、請求項1に記載の電気めっきシステム。
【請求項7】
前記複数の開孔のそれぞれの位置が前記電気めっきシステムで使用されるダイパターンの密な領域に一致する、
請求項1に記載の電気めっきシステム。
【請求項8】
容器内の液体電解質と接触するように基板を位置決めすることであって、
前記容器が前記基板と1つまたは複数のアノードとの間に配置されたダイシールドを備え、
前記ダイシールドが少なくとも1つのシールド領域の間に複数の開口領域を画定し、
前記複数の開口領域が前記基板の密な領域に一致し、
前記少なくとも1つのシールド領域が前記基板の疎な領域に一致する、
位置決めすることと、
前記液体を通してイオン電流を伝導させることと
を含む、基板を電気めっきする方法。
【請求項9】
前記基板のダイパターンを識別することであって、前記ダイパターンが複数の密な領域および複数の疎な領域を含む、識別することと、
前記識別されたダイパターンに基づいて前記ダイシールドを製造することと
をさらに含む、請求項8に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項10】
前記ダイシールドを製造することが、前記ダイシールドを3D印刷すること、前記ダイシールドを成形すること、および前記ダイシールドを機械加工することからなる群から選択される少なくとも1つのプロセスを含む、
請求項9に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項11】
前記イオン電流が前記電解質を通して伝導されている間に、前記基板を回転させること
をさらに含む、請求項8に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項12】
前記ダイシールドに対する前記基板の位置合わせを調整することと、
前記容器内で前記基板を脱めっきすることと
をさらに含む、請求項8に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのシールド領域が複数のシールド領域を含み、
前記複数の開口領域および前記複数のシールド領域が前記ダイシールドの周りに繰り返しパターンで配置されている、
請求項8に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項14】
前記ダイシールドが前記容器の堰シールドに組み込まれている、
請求項8に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項15】
基板を容器内の液体電解質と接触させることと、
前記液体電解質を通してイオン電流を伝導させることと、
前記基板の下の前記液体電解質内で、前記基板の一部を選択的にシールドするパドルを水平移動で移動させることであって、
前記パドルが第1の表面および第2の表面によって特徴付けられ、前記パドルの前記第1の表面が前記第1の表面から上向きに延在する複数のリブを備え、
前記複数のリブが前記第1の表面の周りに略平行に配置され、
前記パドルが前記パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定し、
前記複数の開孔のそれぞれが約5mm未満の直径を有し、
前記パドルが約15%未満の開口領域を有する、
移動させることと
を含む、基板を電気めっきする方法。
【請求項16】
前記イオン電流が前記電解質を通して伝導されている間に、前記基板を回転させること
をさらに含む、請求項15に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項17】
前記パドルに対する前記基板の位置合わせを調整することと、
前記容器内で前記基板を脱めっきすることと
をさらに含む、請求項15に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項18】
前記基板のダイパターンを識別することであって、前記ダイパターンが複数の密な領域および複数の疎な領域を含む、識別することと、
前記パドルを製造することであって、前記複数の開孔のそれぞれが前記密な領域のうちの1つと略位置合わせされる、製造することと
をさらに含む、請求項15に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項19】
前記複数の開孔のそれぞれが前記第2の表面から前記複数のリブのそれぞれの1つの頂面を貫いて延在する、
請求項15に記載の基板を電気めっきする方法。
【請求項20】
前記パドルが前記複数のリブのそれぞれの間を横方向に延在する複数の垂直仕切りを備え、
前記複数の開孔のそれぞれが前記第2の表面から前記複数の垂直仕切りのうちのそれぞれの垂直仕切りの頂面を貫いて延在する、
請求項15に記載の基板を電気めっきする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月17日に出願された「ELECTROPLATING CO-PLANARITY IMPROVEMENT BY DIE SHIELDING」という名称の米国特許出願第17/478,252号の利益および優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、半導体製造のための方法、構成要素、および装置に関する。より詳細には、本技術は、電気めっき構成要素および他の半導体処理機器に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスなどのマイクロ電子デバイスは、ウエハまたはワークピースの上および/または中に製造される。典型的なウエハめっきプロセスは、気相堆積を介してウエハの表面に金属シード層を堆積させることを含む。フォトレジストを堆積させ、シード層を露出させるようにパターニングすることができる。その後、ウエハは電気めっき処理装置の容器に移され、そこで電解質を通してウエハに電流が伝導され、シード層上に金属または他の導電性材料のブランケット層もしくはパターン層が施される。導電性材料の例としては、パーマロイ、金、銀、銅、コバルト、スズ、ニッケル、およびこれらの金属の合金が挙げられる。その後の処理ステップで、ウエハに構成要素、コンタクト、および/または導電線が形成される。パターンばらつきに起因する電界の不規則性、物質移動速度、ならびに他のプロセスおよび構成要素のパラメータなどの、電気めっきプロセスの多くの態様がプロセスの均一性に影響を及ぼすことがある。基板全体にわたるわずかな差異(discrepancy)であっても、下方工程の仕上げプロセスに影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、高品質のデバイスおよび構造を製造するために使用することができる改善されたシステムおよび方法が必要とされている。これらおよび他の必要性は、本技術によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な電気めっきシステムは、容器を含むことができる。本システムは、容器内に配置されたパドルを含むことができる。パドルは、第1の表面および第2の表面によって特徴付けられてもよい。パドルの第1の表面は、第1の表面から上向きに延在する複数のリブを含むことができる。複数のリブは、第1の表面の周りに略平行に配置されてもよい。パドルは、パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定することができる。複数の開孔のそれぞれは、約10mm未満の直径を有することができる。パドルは、約30%未満の開口領域を有することができる。
【0006】
一部の実施形態では、複数の開孔のそれぞれは、第2の表面から複数のリブのうちのそれぞれのリブの頂面を貫いて延在することができる。パドルは、複数のリブのそれぞれの間を横方向に延在する複数の垂直仕切りを含むことができる。複数の開孔のそれぞれは、第2の表面から複数の垂直仕切りのうちのそれぞれの垂直仕切りの頂面を貫いて延在することができる。パドルは、複数のリブのうちの少なくとも一部の間に、いくつかのスロット、開口部、またはスロットおよび開口部の両方を画定することができる。システムは、容器内にウエハを配置するために移動可能なウエハホルダを含むことができる。パドルとウエハホルダの面との間の距離は、約10mm未満であってもよい。複数の開孔のそれぞれの位置は、電気めっきシステムで使用されるダイパターンの密な領域に一致することができる。
【0007】
本技術の一部の実施形態は、基板を電気めっきする方法を包含することができる。本方法は、容器内の液体電解質と接触するように基板を位置決めすることを含むことができる。容器は、基板と1つまたは複数のアノードとの間に配置されたダイシールドを含むことができる。ダイシールドは、少なくとも1つのシールド領域の間に複数の開口領域を画定することができる。複数の開口領域は、基板の密な領域に一致することができる。少なくとも1つのシールド領域は、基板の疎な領域に一致することができる。本方法は、液体を通してイオン電流を伝導させることを含むことができる。
【0008】
一部の実施形態では、本方法は、基板のダイパターンを識別することを含むことができる。ダイパターンは、複数の密な領域および複数の疎な領域を含むことができる。本方法は、識別されたダイパターンに基づいてダイシールドを製造することを含むことができる。ダイシールドを製造することは、ダイシールドを3D印刷すること、ダイシールドを成形すること、およびダイシールドを機械加工することからなる群から選択される少なくとも1つのプロセスを含むことができる。本方法は、電解質を通してイオン電流が伝導されている間、基板を回転させることを含むことができる。本方法は、パドルに対する基板の位置合わせを調整することを含むことができる。本方法は、容器内の基板を脱めっきすることを含むことができる。少なくとも1つのシールド領域は、複数のシールド領域を含むことができる。複数の開口領域および複数のシールド領域は、ダイシールドの周りに繰り返しパターンで配置されてもよい。ダイシールドは、容器の堰シールドに組み込まれてもよい。
【0009】
本技術の一部の実施形態は、基板を電気めっきする方法を包含することができる。本方法は、基板を容器内の液体電解質と接触させることを含むことができる。本方法は、液体電解質を通してイオン電流を伝導させることを含むことができる。本方法は、基板の下方の液体電解質内で、基板の一部を選択的にシールドするパドルを水平移動で移動させることを含むことができる。パドルは、第1の表面および第2の表面によって特徴付けられてもよい。パドルの第1の表面は、第1の表面から上向きに延在する複数のリブを含むことができる。複数のリブは、第1の表面の周りに略平行に配置されてもよい。パドルは、パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定することができる。複数の開孔のそれぞれは、約10mm未満の直径を有することができる。パドルは、約30%未満の開口領域を有することができる。
【0010】
一部の実施形態では、本方法は、電解質を通してイオン電流が伝導されている間、基板を回転させることを含むことができる。本方法は、パドルに対する基板の位置合わせを調整することを含むことができる。本方法は、容器内の基板を脱めっきすることを含むことができる。本方法は、基板のダイパターンを識別することを含むことができる。ダイパターンは、複数の密な領域および複数の疎な領域を含むことができる。本方法は、パドルを製造することを含むことができる。複数の開孔のそれぞれは、密な領域の1つと略位置合わせされてもよい。複数の開孔のそれぞれは、第2の表面から複数のリブのうちのそれぞれのリブの頂面を貫いて延在することができる。パドルは、複数のリブのそれぞれの間を横方向に延在する複数の垂直仕切りを含むことができる。複数の開孔のそれぞれは、第2の表面から複数の垂直仕切りのうちのそれぞれの垂直仕切りの頂面を貫いて延在することができる。
【0011】
このような技術は、従来のシステムおよび技法よりも多くの利益をもたらす可能性がある。例えば、本技術の実施形態は、基板全体にわたって共平面性を向上させることができる。特に、ピラーが密に配置されたウエハの領域とピラーが疎に配置された領域との間の共平面性を向上させることができる。これらおよび他の実施形態は、それらの利点および特徴の多くとともに、以下の説明および添付の図と併せてより詳細に説明される。
【0012】
開示される技術の性質および利点のさらなる理解は、本明細書および図面の残りの部分を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術の一部の実施形態による、例示的な電気めっきシステムの上面斜視図である。
図2】説明のためにヘッドが除去された図1のシステムの上面斜視図である。
図3図1のシステムの断面図である。
図4】本技術の一部の実施形態による、ダイパターンの概略上面図である。
図5】本技術の一部の実施形態による、例示的なダイシールドの概略上面図である。
図6】本技術の一部の実施形態による、例示的なパドルの概略上面図である。
図6A図6のパドルの断面図である。
図7】本技術の一部の実施形態による、例示的なパドルの断面図である。
図8】本技術の一部の実施形態による、基板を電気めっきする例示的な方法の動作を示す図である。
図9】本技術の一部の実施形態による、基板を電気めっきする例示的な方法の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図のうちのいくつかは、概略図として含まれている。図は、例示を目的としたものであり、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであると見なされるべきではないことを理解されたい。加えて、概略図として、図は、理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様または情報を含まないことがあり、例示のために誇張された材料を含むことがある。
【0015】
添付の図面において、同様の構成要素および/または特徴は、同じ参照ラベルを有することがある。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、同様の構成要素を区別する文字を続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、文字にかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれか1つに適用可能である。
【0016】
多くのまたはほとんどの電気めっき用途において、めっきされた金属の膜または層は、ウエハまたはワークピース全体にわたって均一な厚さを有することが重要である。不均一性は、パターンばらつきに起因する電界の不規則性、物質移動速度、および/または他の要因によって引き起こされ得る。例えば、基板にビアまたはピラーの密度が異なる領域がある場合、共平面性の問題が生じる可能性がある。多くの場合、ビアおよび/またはピラーがより疎らに存在する領域は、ビアおよび/またはピラーがより密に存在する領域よりも高いめっき高さを呈する。従来のシステムは、電気めっき操作の化学物質を変更し、堆積および/または物質移動速度を変更し、電解槽の導電率を調整し、ならびに/あるいは複数の化学物質を使用して、基板をめっきし、続いて脱めっきすることによって、このような共平面性の問題を改善しようと試みる場合がある。しかしながら、このような操作は、電気めっき操作にさらなる複雑さ、時間、および/またはコストをもたらす可能性があり、ならびに/あるいは電気めっきプロセスにおいて他の問題を引き起こす可能性がある。
【0017】
本技術は、電気めっき操作中に生成される電界から基板の様々な領域を選択的にシールドする構成要素を組み込むことによって、これらの課題を克服する。例えば、本技術の実施形態は、電界に一致して、電界から疎な領域をシールドする中実のシールド領域と、電界が基板の密な領域まで通過することを可能にする開口領域とを含むダイシールドを利用することができる。このようなダイシールドを使用することで、疎な領域におけるめっき高さ/速度を低減しながら、密な領域におけるめっき高さ/速度を維持することが可能になる場合がある。一部の実施形態は、電界を基板の密な領域まで通過させることができる、密な領域と位置合わせされた開孔を含むパドルを利用することができ、一方、パドルの中実面は、疎な領域を電界からシールドすることができる。一部の実施形態は、同じ化学槽内で基板をめっきし、続いて脱めっきすることによって共平面性を向上させることができる。したがって、本技術は、電気めっき操作中に基板の共平面性を向上させることができる。
【0018】
残りの開示は、開示された技術を利用する特定の電気めっきプロセスを型通りに特定するが、本システムおよび方法は、他のめっきチャンバおよびシステム、ならびに説明されるシステム内で起こり得るようなプロセスに等しく適用可能であることが容易に理解されるであろう。したがって、本技術は、これらの特定のめっきプロセスまたはシステム単独での使用に限定されると見なされるべきではない。本開示は、本技術の実施形態による本システムへのさらなる変形例および調整例を説明する前に、本技術の実施形態による電気めっき構成要素を含み得る、1つの可能なシステムについて説明する。
【0019】
図1図3は、本技術の実施形態による、基板30を電気めっきするための例示的なシステム10を示す。システム10は、ヘッドリフタ16上に支持されたヘッド14と、容器24とを含むことができる。単一のシステム10がスタンドアロンユニットとして使用されてもよい。あるいは、複数のシステム10が筐体内にアレイ状に設けられてもよく、基板またはワークピースは、1つまたは複数のロボットによってプロセッサにロードされ、プロセッサからアンロードされる。ヘッドリフタ16は、基板300をロードおよびアンロードするためにヘッド14を持ち上げおよび/または反転させることができる。ヘッドリフタ16はまた、基板300を処理するために、ヘッド14を降下させて容器24の1つまたは複数の構成要素と係合させることができる。膜40は、容器24を、膜40の下の、1つまたは複数のアノード28および第1の液体電解質を含む下部チャンバ44と、第2の液体電解質を含む上部チャンバ42とに分割するために含まれている場合がある。あるいは、容器24が単一の電解質を保持する単一のチャンバを有することによって、膜40が省略されてもよい。図3の断面図を参照すると、誘電体材料で作られた電界成形要素46を容器24内に設けることができる。電界成形要素46は、膜40を支持することができ、陰極液の流れを分配することができる。容器24内の電界は、アノードシールド45、チャンバシールド47、および/または堰シールド34を介して成形されてもよい。堰シールド34は、容器24内でパドル18とコンタクトリング26のシールとの間に設けられてもよい。シールドは、環状の誘電体要素であってもよく、容器24とともに電界のシールドを提供することができる。
【0020】
コンタクトリング26は、基板30を保持することができるヘッド14上に配置されてもよく、基板30上の金属シード層などの導電層と電気的に接触するための複数のコンタクトフィンガを有することができる。コンタクトリング26は、コンタクトフィンガを電解質からシールするためのシール38を有してもよい。ヘッド14は、処理中に基板30を回転させるためのロータ36を含むことができ、コンタクトリング26はロータ上にある。典型的には、コンタクトリングは、シールおよびバッキング板を含むことができ、コンタクトリングおよびバッキング板は、基板ホルダを形成する。ヘッド14は、基板ホルダを容器内の処理位置に位置決めするように移動可能であってもよく、シード層は容器内の電解質と接触していてもよい。電気制御装置および電力ケーブル(図示せず)は、リフト/回転堰シールド34および内部ヘッド構成要素に連結されてよく、システム10から設備接続部、またはマルチプロセッサ自動化システム内の接続部に至る。段状のドレインリングを有するリンスアセンブリ12が、容器24の上方および/またはその周囲に設けられることがある。
【0021】
パドル18は、基板30に隣接する容器24内の固定された垂直位置に設けられてもよい。一部の実施形態では、パドル18は、スロットおよび/または他の開口部によって離間された複数の平行リブまたはブレードを有する誘電体材料の略円形プレートであってもよい。パドルアクチュエータ32は、容器24内でパドル18を基板30に平行な平面内で水平に移動させて、電解質を撹拌することができる。パドル18およびパドルアクチュエータ32は、容器24に取り付けられたベースプレート20上に支持されてもよい。基板30は、回転していても静止していてもよい。パドル18上のスロットおよび/または他の開口部は、イオン電流がパドル18を通過できるようにすることができる。
【0022】
一部の実施形態では、パドル18自体が電界シールドとして使用される。典型的な動作では、パドル18は、振動(一部の実施形態では、6~10Hzまたは約6~10Hzであってもよい)によって、パドルリブピッチの約1/2~1倍のストロークで移動することができる。二次低周波振動を使用して、リブの反転点をずらし、基板30上に電界または物質移動のシグネチャ(すなわち、静止基板上のストライプ、および回転基板上のリング)のいずれかが刻印されるのを回避することができる。この二次振動は、スタガ運動と呼ばれる。スタガ運動の包絡線は、リブピッチにほぼ等しくてもよい。処理中、パドルアクチュエータ56は、パドル54を動かして、容器24内に収容された陰極液を撹拌する。例えば、パドル18は、振動運動しながら、パドルの移動寸法内で前後に移動することができる。用途によっては、パドル18は、開始/停止、スタガなどの他の動きを使用することができる。
【0023】
図4は、例示的な基板400の概略上面図を示す。基板400は、電気めっき操作を使用して形成され得る、銅ピラーなどのいくつかのビアまたはピラー402を含むことができる。一部の実施形態では、ピラー402は、基板400の異なる領域が異なる密度のピラー402を有するように、基板400の周りに配置されてもよい。例えば、基板400は、高密度のピラー402を含み得る1つもしくは複数の密な領域404、および/または低密度のピラー402を含み得る1つもしくは複数の疎な領域406を含むことができる。一部の実施形態は、中間密度の追加の領域408を含むことができ、任意の数の異なる密度を有する任意の数の領域を所与の基板400上に設けることができることが理解されよう。密度は、基板400の領域内に存在するピラーの数によって特徴付けられてもよく、所与の領域内の隣接するピラー402の中心間のピッチ(もしくは距離)に基づいて、および/または所与の領域内の開口領域(例えば、ビア/ピラー402によって占有される領域のパーセンテージ)に基づいてもよい。各領域は、同じサイズであってもよく、および/または異なるサイズであってもよい。「高い」、「中間」、および「疎な」という用語は、所与の基板400のピラー配置に基づく相対的な用語であると理解される。例えば、隣接するピラー402間のピッチが225μmの領域は、隣接するピラー402間のピッチが375μmの領域も含むある基板にとって密であると考えられてもよく、一方、このような領域は、隣接するピラー402間のピッチが150μmの領域も含む基板にとっては疎であってもよい。電気めっき操作中、基板400の異なる領域は、他の領域よりも堆積高さが高くなることがある。例えば、密な領域404は、中間領域408および/または疎な領域406よりも堆積高さが低くなることがある。
【0024】
一部の実施形態では、追加の構成要素を電気めっきシステムに組み込んで、めっきされた基板の共平面性を向上させることができる。例えば、限定はしないが、システム10などの一部の電気めっきシステムは、ダイシールドを含むことができ、このダイシールドによって、めっき操作中にアノードによって生成される電界から基板の一部を選択的にシールドし、上記の図4に示す疎な領域406などの基板の選択された領域における電着高さを低減する一方で、密な領域404などの他の領域における電着高さを変わらないままにしておくことができる。これにより、基板全体にわたる共平面性を向上させるのに役立つ可能性がある。図5は、本技術の一部の実施形態による例示的なダイシールド500の概略上面図を示す。図5は、堰シールド34などの、システム10の構成要素に関するさらなる詳細を示すことができる。ダイシールド500は、容器24と同様の容器内に配置されてもよい。例えば、ダイシールド500は、基板と容器のアノードとの間に配置されてもよい。一部の実施形態では、ダイシールド500は、図1図3に関連して上述した堰シールド34と同様であってもよい堰シールド502と結合されてもよく、および/または、堰シールド502によって他の方法で支持されてもよい。例えば、ダイシールド500は、堰シールド34に形成された中央開口部にまたがることができ、これにより、ダイシールドを基板に近接して配置することができる。ダイシールド500とパドルの頂部エッジ(パドル18のリブの頂面など)との間の距離は、0.5mm~4mmもしくは約0.5mm~4mm、1mm~3mmもしくは約1mm~3mm、または1.5mm~2mmもしくは約1.5mm~2mmであってもよい。ダイシールド500と基板(基板30など)との間の距離は、1mm~6mmもしくは約1mm~6mm、2mm~5mmもしくは約2mm~5mm、または3mm~4mmもしくは約3mm~4mmとすることができ、距離が短いほど、電界をシールドするための調整精度が高くなる。
【0025】
ダイシールド500は、いくつかのシールド領域504およびいくつかの開口領域506によって特徴付けられ得る。一部の実施形態では、シールド領域504はすべて、開口領域506を通り抜ける支持セグメントによって接続されてもよい。支持セグメントは、支持セグメントのシールド効果を最小限にするために可能な限り薄くすることができ、一方で、撹拌された電解質中に沈められたときに損傷または変形に耐えるようにダイシールド500の十分な剛性を維持するのに役立つように十分に厚いままにしておくことができる。厚さは、ダイシールド500を製造するために使用される材料に依存する場合がある。ダイシールド500が電気めっき操作中の損傷または変形に耐えるのに十分に強いことをさらに確実にするために、ダイシールド500は、0.5mm~5mmもしくは約0.5mm~5mm、1mm~4mmもしくは約1mm~4mm、または2mm~3mmもしくは約2mm~3mmの厚さを有することができる。ダイシールド500は、電気めっき溶液と化学的に適合する任意の材料から形成されてもよい。一部の実施形態では、ダイシールド500は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、および/または熱可塑性もしくは他のポリマなどのポリマから形成されてもよい。
【0026】
ダイシールド500は、特定のダイパターンをめっきする際に使用されるように設計されてもよい。例えば、シールド領域504は、所与のダイパターンの疎な領域と位置合わせされるように、および/またはその他の方法で疎な領域に対応するように配置されてもよく、一方、開口領域506は、所与のダイパターンの密な領域と位置合わせされるように、および/またはその他の方法で密な領域に対応するように配置されてもよい。一部の実施形態では、各シールド領域504は、ダイパターンのそれぞれの疎な領域のサイズおよび/または形状に実質的に一致してもよく(例えば、20%もしくは約20%以内、15%もしくは約15%以内、10%もしくは約10%以内、5%もしくは約5%以内、3%もしくは約3%以内、1%もしくは約1%以内、またはそれ未満の領域を有する)、ならびに/あるいは各開口領域506は、ダイパターンのそれぞれの疎な領域のサイズおよび/または形状に実質的に一致してもよい。他の実施形態では、シールド領域504の寸法は、ダイパターンの対応する疎な領域の寸法より小さくても大きくてもよい。例えば、寸法の差は、少なくとも5%もしくは約5%、少なくとも10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは約25%、またはそれより大きくてもよい。同様に、開口領域506の寸法は、ダイパターンの対応する密な領域の寸法より小さくても大きくてもよい。例えば、寸法の差は、少なくとも5%もしくは約5%、少なくとも10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは約25%、またはそれより大きくてもよい。このような設計は、ダイシールドを通過した後の電界の任意の横方向の広がりを考慮することができる。シールド領域504および/または開口領域506の寸法決めは、予想されるおよび/または試験された堆積高さの差を最もよく考慮して決定されてもよく、場合によっては、ダイパターンの異なる領域間の堆積高さの漸進的な変化を考慮してもよい。
【0027】
シールド領域504および開口領域506が対称的な繰り返しパターンで配置された状態で示されているが、シールド領域504および/または開口領域506の配置は、特定のダイパターンによって決められてもよく、非繰り返しおよび/または非対称の配置であってもよいことが理解されるであろう。加えて、シールド領域504および/または開口領域506は、ここに示されるように略矩形形状を有してもよく、または他の形状を有してもよい。非矩形形状の使用は、ダイパターンの単一領域内の堆積高さの差を考慮する際に特に有用な場合がある。例えば、矩形の疎な領域および密な領域を有するダイパターンは、矩形領域のエッジおよび/またはコーナの近くでわずかに異なる堆積高さを呈することがある一方で、各領域の中央部分は、かなり一貫した堆積高さを有することがある。シールド領域504および/または開口領域506の形状は、一部の実施形態では、このような不均一性を考慮するように調整されることがある。
【0028】
疎な領域に一致し、疎な領域を電界からシールドする中実シールド領域と、電界を基板の密な領域まで通過させることができる開口領域とを有するダイシールドを利用することによって、実施形態は、疎な領域におけるめっき高さ/速度を低減しながら、密な領域におけるめっき高さ/速度を維持することを可能にし得る。このようなダイプレートは、電気めっき操作中に基板の共平面性を向上させるために使用され得る。
【0029】
先に論じたように、本技術の一部の実施形態は、パドルを利用して、電気めっきシステム内に何らかの電気シールドを提供することができる。このような電界シールドデバイスとしてのパドルの使用は、ダイシールドの使用と併せて、またはそれとは別個に使用されてもよい。図6は、本技術の一部の実施形態による、例示的なパドル600の概略上面図を図示する。図6は、パドル18などのシステム10内の構成要素に関するさらなる詳細を示すことができる。パドル600は、容器24と同様の容器内に配置されてもよい。多くの場合、パドル600と基板との間の距離は、3mm~10mmもしくは約3mm~10mm、4mm~9mmもしくは約4mm~9mm、5mm~8mmもしくは約5mm~8mm、または5.5mm~7mmもしくは約5.5mm~7mmであってもよく、距離が短いほど、より効果的なシールドが得られ、電界シールドの精度および調整性が向上する。パドル600は、第1の表面602と、第1の表面602の反対側の第2の表面(図示せず)とによって特徴付けられてもよい。第1の表面602は、電気めっき容器内の基板に面することができる。第1の表面602は、第1の表面602から上向きに延在するいくつかのリブ604を含むことができる。例えば、リブ604は、互いに平行であってもよく、アレイ状に等間隔で離間されていてもよい。隣接するリブ604間の距離(またはピッチ)は、10mm~20mmもしくは約10mm~20mm、11mm~19mmもしくは約11mm~19mm、12mm~18mmもしくは約12mm~18mm、13mm~17mmもしくは約13mm~17mm、14mm~16mmもしくは約14mm~16mm、または約15mmであってもよい。一部の実施形態では、リブピッチは、所与のダイパターンによって決定されてもよい。例えば、リブ604は、繰り返される密な領域間の距離などの、ダイパターンに関連付けられた特徴的な長さに一致する(または実質的に一致する)ように配置されてもよい。各リブの高さは、5mm~15mmもしくは約5mm~15mm、6mm~14mmもしくは約6mm~14mm、7mm~13mmもしくは約7mm~13mm、8mm~12mmもしくは約8mm~12mm、9mm~11mmもしくは約9mm~11mm、または約10mmであってもよい。一部の実施形態では、リブ604のうちの一部またはすべての端部は、排液を容易にするために、リブ604のすべてが別個の構造から形成されるように開いていてもよい。他の実施形態では、リブ604のうちの一部またはすべての端部は、リブ604のすべてが単一の巻回構造から形成されるように屈曲してもよい。このような実施形態では、端部のうちの一部またはすべては、排液開孔(図示せず)を画定することができる。一部の実施形態では、スロットおよび/または他の開口部(パドル18に関連して記載されたものなど)がパドル600に含まれていてもよく、これにより、パドル600を通る電流の伝導度が増加する可能性がある。パドル600は、円形の略平坦な誘電体材料であってもよく、全体の厚さが7~40mmまたは約7~40mmである。パドル600は、リブ604に平行な中心線に関して略対称であってもよい。一部の実施形態では、パドル600の第2の表面は、平坦であってもよいが、他の実施形態では、第2の表面は、概して、第1の表面602を反映してもよく、いくつかのリブを含むことができる。
【0030】
図6Aに最もよく示されているように、パドル600は、パドル600が電気めっき容器内に配置されたときに各開孔606が略垂直になるように、パドル600の厚さを貫いて延在する複数の開孔606を画定することができる。例えば、各開孔606は、第2の表面(第2の表面の平坦部分であってもよく、または第2の表面から突出するリブの遠位端であってもよい)からリブ604のうちのそれぞれのリブの頂面を貫いて延在してもよい。このような実施形態では、各リブ604は、リブ604の長さに沿って配置されたいくつかの開孔606を含むことができる。一部の実施形態では、各リブ604の厚さは、開孔606の直径を収容するのに十分であってもよい。他の実施形態では、ここに例示されるように、開孔606に近接する各リブ604の領域は、開孔の直径に適応するように厚さを局所的に増加させることができる。局所的な厚さの増加は、リブ604の高さに沿って上方に突出する矩形角柱形状として提供されるように示されているが、他の形状が利用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、側壁がテーパ状の円柱形状および/または他の形状を利用して、局所的な厚さの増加を提供することができる。一部の実施形態では、スロットおよび/または他の開口部(パドル18に関連して記載されたものなど)がパドル600に含まれていてもよく、これにより、パドル600を通る電流の伝導度が増加する可能性がある。
【0031】
多くの場合、開孔606は、円形断面を含むことができるが、様々な実施形態では、他の断面形状が可能である。開孔606のそれぞれは、約10mm未満の直径(または他の幅寸法)を有することができる。例えば、直径は、0.5mm~10mmもしくは約0.5mm~10mm、1mm~9mmもしくは約1mm~9mm、2mm~8mmもしくは約2mm~8mm、3mm~7mmもしくは約3mm~7mm、4mm~6mmもしくは約4mm~6mm、または約5mmであってもよい。一部の実施形態では、各開孔606は、同じ直径を有してもよいが、他の実施形態では、開孔606のうちの一部またはすべては、異なる寸法を有してもよい。開孔606は、規則的および/または不規則な間隔で各リブ604の長さに沿って離間されてもよい。一部の実施形態では、所与のリブ604上の隣接する開孔606間の距離(例えば、開孔ピッチ)は、10mm~20mmもしくは約10mm~20mm、11mm~19mmもしくは約11mm~19mm、12mm~18mmもしくは約12mm~18mm、13mm~17mmもしくは約13mm~17mm、14mm~16mmもしくは約14mm~16mm、または約15mmであってもよい。距離は、隣接する開孔606の中心から測定されてもよい。一部の実施形態では、リブ604の長さに沿った開孔606間の距離は、隣接するリブ604上の開孔606間の距離(すなわち、リブ604のピッチ)と同一であってもよいが、他の実施形態では、これらの距離は、異なっていてもよい。一部の実施形態では、開孔ピッチは、所与のダイパターンによって決定されてもよい。例えば、開孔ピッチは、繰り返される密な領域間の距離などの、ダイパターンに関連付けられた特徴的な長さに一致するように配置されてもよい。開孔606の数、サイズ、および間隔に基づいて、パドル600は、電界が通過し得る総開口領域が、30%未満もしくは約30%、25%未満もしくは約25%、20%未満もしくは約20%、15%未満もしくは約15%、10%未満もしくは約10%、5%未満もしくは約5%、3%未満もしくは約3%、2%未満もしくは約2%、1.5%未満もしくは約1.5%、1%未満もしくは約1%、0.5%未満もしくは約0.5%、またはそれ未満であってもよく、パドルの開口領域のパーセンテージがより低いほど、電界からのシールドがより大きくなる。
【0032】
上述したように、パドル600上の開孔606の配置、数、および/またはサイズは、所与のダイパターンに基づいて設計されてもよい。例えば、各開孔606は、ダイパターンの所与の密な領域の一部と位置合わせされてもよく、疎な領域は、パドル600の中実部分と位置合わせされる。所与の密な領域と位置合わせされた開孔606の数は、密な領域のサイズおよび形状に依存し得る。各密な領域は、少なくとも1つのもしくは約1つの開孔、少なくとも2つのもしくは約2つの開孔、少なくとも3つのもしくは約3つの開孔、少なくとも4つのもしくは約4つの開孔、またはそれ超と位置合わせされてもよい。一部の実施形態では、開孔606のうちの1つまたは複数は、密な領域の長さに沿って中心に配置されてもよい。開孔606は、一部の実施形態では、密な領域の中心からオフセットされていてもよい。例えば、開孔606は、パドル600の撹拌中に、開孔606が密な領域に対して並進して、密な領域全体にわたって実質的に均一な被覆を提供するように位置合わせされてもよい。
【0033】
図7は、本技術の一部の実施形態による、例示的なパドル700の部分断面上面等角図である。図7は、パドル18などのシステム10内の構成要素に関するさらなる詳細を示すことができる。パドル700は、パドル600と同様の特徴を含むことができる。例えば、パドル700は、第1の表面702および第2の表面によって特徴付けられてもよく、第1の表面702および第2の表面の一方または両方は、いくつかのリブ704を含む。パドル700は、隣接するリブ704間を横方向に延在するいくつかの垂直仕切り708を含むことができる。垂直仕切り708はそれぞれ、1.5mm~12mmもしくは約1.5mm~12mm、2mm~11mmもしくは約2mm~11mm、3mm~10mmもしくは約3mm~10mm、4mm~9mmもしくは約4mm~9mm、5mm~8mmもしくは約5mm~8mm、または6mm~7mmもしくは約6mm~7mmの厚さを有することができる。隣接する垂直仕切り708間のピッチは、10mm~20mmもしくは約10mm~20mm、11mm~19mmもしくは約11mm~19mm、12mm~18mmもしくは約12mm~18mm、13mm~17mmもしくは約13mm~17mm、14mm~16mmもしくは約14mm~16mm、または約15mmであってもよい。
【0034】
パドル700は、パドルの厚さを貫いて延在する、いくつかの開孔706を画定することができる。開孔706は、第2の表面から垂直仕切り708のうちのそれぞれの垂直仕切りの頂面を貫いて延在することができる。一部の実施形態では、各開孔706は、垂直仕切り708の幅内で中心に配置されてもよいが、他の実施形態では、開孔706のうちの1つまたは複数は、垂直仕切り708の幅の中間点からオフセットされていてもよい。開孔706のうちの一部またはすべては、リブ704のうちの1つと位置合わせされてもよく、および/または(ここに示されるように)リブ704からオフセットされていてもよい。一部の実施形態では、各垂直仕切り708は、垂直仕切り708の厚さを貫いて延在する少なくとも1つの排液開孔を画定することができる。排液開孔は、隣接する開孔706の間に配置されてもよい。一部の実施形態では、スロットおよび/または他の開口部(パドル18に関連して記載されたものなど)が、パドル700内に含まれてもよく、これは、パドル700を通る電流の伝導度を増加させ得る。
【0035】
多くの場合、開孔706は、円形断面を含むことができるが、様々な実施形態では、他の断面形状が可能である。開孔706のそれぞれは、0.5mm~10mmもしくは約0.5mm~10mm、1mm~9mmもしくは約1mm~9mm、2mm~8mmもしくは約2mm~8mm、3mm~7mmもしくは約3mm~7mm、4mm~6mmもしくは約4mm~6mm、または約5mmの直径(または他の幅寸法)を有することができる。一部の実施形態では、各開孔706は、同じ直径を有してもよく、一方、他の実施形態では、開孔706のうちのいくつかまたはすべては、異なる寸法を有することができる。開孔706は、各垂直仕切り708の長さに沿って規則的および/または不規則な間隔で離間されてもよい。一部の実施形態では、所与の垂直仕切り708上の隣接する開孔706間の距離は、3mm~20mmもしくは約3mm~20mm、4mm~18mmもしくは約4mm~18mm、5mm~16mmもしくは約5mm~16mm、6mm~14mmもしくは約6mm~14mm、7mm~12mmもしくは約7mm~12mm、または8mm~10mmもしくは約8mm~10mmであってもよい。距離は、隣接する開孔706の中心から測定されてもよい。一部の実施形態では、垂直仕切り708の長さに沿った開孔706間の距離は、隣接する垂直仕切り708上の開孔706間の距離(すなわち、垂直仕切り708のピッチ)よりも小さくてもよいが、他の実施形態では、これらの距離は同じであってもよい。一部の実施形態では、開孔ピッチは、所与のダイパターンによって決定されてもよい。例えば、開孔ピッチは、繰り返される密な領域間の距離などの、ダイパターンに関連付けられた特徴的な長さに一致するように配置されてもよい。開孔606の数、サイズ、および間隔に基づいて、パドル600は、電界が通過し得る総開口領域が、30%未満もしくは約30%、25%未満もしくは約25%、20%未満もしくは約20%、15%未満もしくは約15%、10%未満もしくは約10%、5%未満もしくは約5%、3%未満もしくは約3%、2%未満もしくは約2%、1.5%未満もしくは約1.5%、1%未満もしくは約1%、0.5%未満もしくは約0.5%、またはそれ未満であってもよく、パドルの開口領域のパーセンテージがより低いほど、電界からのシールドがより大きくなる。
【0036】
上述したように、パドル700上の開孔706の配置、数、および/またはサイズは、所与のダイパターンに基づいて設計されてもよい。例えば、各開孔706は、ダイパターンの所与の密な領域の一部と位置合わせされてもよいが、疎な領域は、パドル700の中実部分と位置合わせされる。所与の密な領域と位置合わせされた開孔706の数は、密な領域のサイズおよび形状に依存し得る。各密な領域は、少なくとも1つのもしくは約1つの開孔、少なくとも2つのもしくは約2つの開孔、少なくとも3つのもしくは約3つの開孔、少なくとも4つのもしくは約4つの開孔、またはそれ超と位置合わせされてもよい。一部の実施形態では、開孔706のうちの1つまたは複数は、密な領域の長さに沿って中心に配置されてもよい。開孔706は、一部の実施形態では、密な領域の中心からオフセットされていてもよい。例えば、開孔706は、パドル700の撹拌中に、開孔706が密な領域に対して並進して、密な領域全体にわたって実質的に均一な被覆を提供するように位置合わせされてもよい。
【0037】
疎な領域を電界から選択的にシールドするパドルと、電界を基板の密な領域まで通過させることができる開孔とを利用することによって、実施形態は、疎な領域におけるめっき高さ/速度を低減しながら、密な領域におけるめっき高さ/速度を維持することを可能にし得る。加えて、容器内でのパドルの並進は、基板上のめっきの不均一性をさらに改善するのに役立つ可能性がある。したがって、このようなパドルは、電気めっき操作中に基板の共平面性を向上させるために使用され得る。
【0038】
図8は、本技術の一部の実施形態による、基板を電気めっきする例示的な方法800の動作を示す。本方法は、上述した任意のダイシールドおよび/またはパドルなどの、本技術の実施形態によるダイシールド(ダイシールド500など)および/またはパドル(パドル600および700など)を含むことができる、上述したシステム10を含む様々な電気めっきシステムで実施されてもよい。方法800は、本技術による方法の一部の実施形態と具体的に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい、いくつかの任意の操作を含んでもよい。
【0039】
方法800は、半導体基板などの基板を電気めっきするための操作を含むことができる処理方法を含むことができる。方法は、方法800の開始前に任意の操作を含むことができる。例えば、場合によっては、電気めっき操作の一部は、ダイシールドなしで(同じおよび/または異なる容器内で)実施されてもよく、操作は、ダイシールドを有する容器内で完了される。本方法は、追加の操作を含んでもよい。例えば、方法800は、図示されたものとは異なる順序で行われる操作を含んでもよい。方法800は、操作805において、容器内の液体電解質と接触するように基板を位置決めすることを含むことができる。例えば、基板をヘッド内に配置し、電解質中に降下させることができる。容器は、基板と電気めっきシステムの1つまたは複数のアノードとの間に配置することができるダイシールド(ダイシールド500など)を含むことができる。ダイシールドは、特定のダイパターン用に設計されてもよい。例えば、ダイシールドは、いくつかの開口領域および1つまたは複数のシールド領域を画定することができ、開口領域は、ダイパターンの密な領域と位置合わせされ、および/またはその他の方法で一致し、シールド領域は、ダイシールドの疎な領域と位置合わせされ、および/またはその他の方法で一致する。
【0040】
一部の実施形態では、方法800は、所与のダイパターン(例えば、ビアおよび/またはピラーの配置)を有する基板を電気めっきする際に使用するためのダイシールドを製造および/または選択することを含むことができる。例えば、ダイパターンが提供され、ダイパターンの特徴を識別するために分析されてもよい。例えば、ダイパターンのサイズ、形状、位置、密度、および/または他の特性が識別されてもよい。ダイパターン情報に基づいて、ダイシールド設計を生成することができる。例えば、ダイパターンのサイズ、形状、位置、密度、および/または他の特性に基づいて、電気めっき堆積高さプロファイルをモデル化することができる。モデル化された高さプロファイルに基づいて、追加のコンピュータモデリングを使用して、ダイシールド設計用のいくつかのシールド領域および開口領域のサイズ、形状、および位置を決定し、基板全体にわたって予測堆積高さを均一にすることができる。一旦設計されると、ダイシールドが製造され得る。例えば、ダイシールドは、3D印刷、成形、機械加工、および/またはその他の方法で製造されてもよい。一部の実施形態では、モデリングは、単一の設計操作で効果的なダイシールド設計を生成するのに十分なデータを有することができる。他の実施形態では、製造されたダイシールドは、ダイシールド設計が基板全体にわたる共平面性を改善するのにどれほど効果的であるかを判断するために、いくつかのテスト電気めっき操作において使用されることがある。ダイシールドの設計、製造、試験、および改良を含むいくつかの反復ステップが、電気めっき操作で使用される最終ダイシールドを設計するために行われることがある。
【0041】
操作810において、イオン電流が電解質の液体を通して伝導され得る。電気めっきシステムのパドルは、イオン電流が伝導されている間に液体を撹拌するために容器内で水平に並進させることができる。パドルは、パドル600もしくは700と同様であってもよく、または当技術分野で知られている任意の他のパドルであってもよい。一部の実施形態では、方法800は、イオン電流が電解質を通して伝導されている間に基板を回転させることを含むことができる。基板は、時計回りおよび/または反時計回りに、45度、90度、120度、150度、180度などの任意の量だけ回転させることができる。このような回転を使用して、開口領域およびシールド領域を基板の異なる部分と位置合わせすることができ、これにより、デューティサイクル中の基板の回転を、基板全体にわたる共平面性を向上させるための調整ノブとして利用することが可能になる場合がある。
【0042】
一部の実施形態では、基板は、容器内の同じ化学物質内で脱めっきされてもよい。例えば、電流の波形をデューティサイクルの一部の後に反転させて、基板の高い領域(疎な領域など)を脱めっきすることができる。一部の実施形態では、これは、基板をダイシールドに対して同じ配向にして行われてもよい。他の実施形態では、脱めっきプロセスは、脱めっき電流が印加される前および/またはその間に、ダイシールドに対する基板の配向を調整することを含むことができる。例えば、基板は、デューティサイクルの所定の部分(例えば、デューティサイクルの50%~99%もしくは約50%~99%、デューティサイクルの60%~90%もしくは約60%~90%、またはデューティサイクルの70%~80%もしくは約70%~80%)の間、ダイシールドに対して第1の配向にあってもよい(例えば、シールド領域が疎な領域と位置合わせされている)。この配向は、第2の配向に調整されてもよく(シールド領域が密な領域と位置合わせされるなど)、デューティサイクルの残りを完了させることができる。これにより、疎な領域を脱めっきして、基板のこのような領域における堆積高さを低下させることが可能であってもよく、これは、基板全体にわたる共平面性を向上させることに役立つ可能性がある。一部の実施形態では、めっき電流波形および/または脱めっき電流波形は、それぞれのプロセス中のパドルの並進および/または基板の任意の角運動(例えば、回転)と同期していてもよい。めっき電流密度は、脱めっき電流密度と同じであってもよく、および/または異なっていてもよい。例えば、一部の実施形態では、脱めっき電流密度は、めっき電流密度より高くても低くてもよい。
【0043】
疎な領域に一致し、疎な領域を電界からシールドする中実シールド領域と、電界を基板の密な領域まで通過させることができる開口領域とを有するダイシールドを利用することによって、実施形態により、疎な領域におけるめっき高さ/速度を低減しながら、密な領域におけるめっき高さ/速度を維持することが可能になる場合がある。このようなダイプレートは、電気めっき操作中に基板の共平面性を向上させるために使用され得る。
【0044】
図9は、本技術の一部の実施形態による、基板を電気めっきする例示的な方法900の操作を示す。本方法は、上述した任意のダイシールドおよび/またはパドルなどの、本技術の実施形態によるダイシールド(ダイシールド500など)および/またはパドル(パドル600および700など)を含むことができる、上述したシステム10を含む様々な電気めっきシステムで実施されてもよい。方法900は、本技術による方法の一部の実施形態と具体的に関連付けられてもよく、または関連付けられなくてもよい、いくつかの任意の操作を含んでもよい。方法800および900の様々な操作は、組み合わせて実行されてもよい。
【0045】
方法900は、半導体基板などの基板を電気めっきするための操作を含むことができる処理方法を含むことができる。方法は、方法900の開始前に任意の操作を含むことができ、または方法は、追加の操作を含むことができる。例えば、方法900は、図示されたものとは異なる順序で行われる操作を含んでもよい。方法900は、操作905において、容器内の液体電解質と接触するように基板を位置決めすることを含むことができる。例えば、基板をヘッド内に配置し、電解質中に降下させることができる。操作910において、イオン電流が電解質の液体を通して伝導され得る。電気めっきシステムのパドル(パドル600または700など)は、操作915において、イオン電流が伝導されている間に液体を撹拌するために容器内で水平に並進させることができる。パドルは、電気めっきプロセス中に基板の一部を電界から選択的にシールドすることができる。パドルは、第1の表面および第2の表面によって特徴付けられてもよく、第1の表面および/または第2の表面は、第1の表面から上向きに延在する複数のリブを含む。リブは、第1の表面の周囲に略平行に配列されてもよい。パドルは、パドルの厚さを貫く複数の開孔を画定することができる。複数の開孔のそれぞれは、約5mm未満の直径を有してもよく、パドルは約15%未満の開口領域を有してもよい。一部の実施形態では、開孔は、パドル600に示されるように、リブの高さに沿って延在してもよいが、他の実施形態では、開孔は、パドル700に示されるように、リブ間を横方向に延在する垂直仕切りを貫いて延在してもよい。
【0046】
一部の実施形態では、方法900は、イオン電流が電解質を通して伝導されている間に基板を回転させることを含むことができる。基板は、時計回りおよび/または反時計回りに、45度、90度、120度、150度、180度などの任意の量だけ回転させることができる。このような回転を使用して、開孔を基板の異なる部分と位置合わせすることができ、これにより、デューティサイクル中の基板の回転を、基板全体にわたる共平面性を向上させるための調整ノブとして利用することが可能になる場合がある。
【0047】
一部の実施形態では、基板の位置合わせは、パドルに対して調整されてもよい。例えば、基板を容器内で回転および/またはその他の方法で調整して、開孔の位置合わせを変更することができる。基板は、容器内の同じ化学物質内で脱めっきされてもよい。例えば、電流の波形をデューティサイクルの一部の後に反転させて、基板の高い領域(疎な領域など)を脱めっきすることができる。一部の実施形態では、これは、基板をパドルに対して同じ配向にして行われてもよい。他の実施形態では、脱めっきプロセスは、脱めっき電流が印加される前および/またはその間に、パドルに対する基板の配向を調整することを含むことができる。例えば、パドルは、デューティサイクルの所定の部分(例えば、デューティサイクルの50%~99%もしくは約50%~99%、デューティサイクルの60%~90%もしくは約60%~90%、またはデューティサイクルの70%~80%もしくは約70%~80%)にわたって第1の配向(開孔が密な領域と位置合わせされた状態など)にあってもよく、パドルは、基板に対して第1の配向にあってもよい。この配向は、第2の配向(例えば、開孔が疎な領域と位置合わせされた状態など)に調整されてもよく、デューティサイクルの残りは、電流の波形を、基板をめっきするために使用される電流に対して反転させることで完了させることができる。これにより、疎な領域を脱めっきして、基板のこのような領域における堆積高さを低下させることが可能であってもよく、これは、基板全体にわたる共平面性を向上させることに役立つ可能性がある。一部の実施形態では、めっき電流波形および/または脱めっき電流波形は、それぞれのプロセス中のパドルの並進および/または基板の任意の角運動(例えば、回転)と同期していてもよい。めっき電流密度は、脱めっき電流密度と同じであってもよく、および/または異なっていてもよい。例えば、一部の実施形態では、脱めっき電流密度は、めっき電流密度より高くても低くてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、方法900は、所与のダイパターン(例えば、ビアおよび/またはピラーの配置)を有する基板を電気めっきする際に使用するためのパドルを生成および/または選択することを含むことができる。例えば、ダイパターンが提供され、ダイパターンの特徴を識別するために分析されてもよい。例えば、ダイパターンのサイズ、形状、位置、密度、および/または他の特性が識別されてもよい。ダイパターン情報に基づいて、パドル設計を生成することができる。例えば、ダイパターンのサイズ、形状、位置、密度、および/または他の特性に基づいて、電気めっき堆積高さプロファイルをモデル化することができる。モデル化された高さプロファイルに基づいて、追加のコンピュータモデリングを使用して、パドル設計用のいくつかの開孔のサイズ、形状、および位置を決定し、基板全体にわたって予測堆積高さを均一にすることができる。一旦設計されると、パドルが製造され得る。例えば、パドルは、3D印刷、成形、機械加工、および/またはその他の方法で製造されてもよい。一部の実施形態では、モデリングは、単一の設計操作で効果的なパドル設計を生成するのに十分なデータを有することができる。他の実施形態では、製造されたパドルは、パドル設計が基板全体にわたる共平面性を向上させるのにどれほど効果的であるかを判断するために、いくつかのテスト電気めっき操作において使用されることがある。パドルの設計、製造、試験、および改良を含むいくつかの反復ステップが、電気めっき操作で使用される最終パドルを設計するために行われてもよい。
【0049】
疎な領域を電界から選択的にシールドするパドルと、電界を基板の密な領域まで通過させることができる開孔とを利用することによって、実施形態は、疎な領域におけるめっき高さ/速度を低減しながら、密な領域におけるめっき高さ/速度を維持することを可能にし得る。加えて、容器内でのパドルの並進は、基板上のめっきの不均一性をさらに向上させるのに役立つ可能性がある。したがって、このようなパドルは、電気めっき操作中に基板の共平面性を向上させるために使用され得る。
【0050】
前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態についての理解を提供するために多数の詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、特定の実施形態は、これらの詳細の一部がなくても、または追加の詳細があっても実施することができることが明らかであろう。
【0051】
一部の実施形態を開示してきたが、当業者であれば、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正形態、代替構造、および均等物を使用できることが認識されるであろう。加えて、本技術を不必要に曖昧にすることを回避するために、いくつかのよく知られているプロセスおよび要素については記載されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0052】
値の範囲が提供される場合、文脈上明らかにそうでない場合を除き、その範囲の上限と下限との間にある、下限の単位の最小の端数までの、間に挟まれた各値も、具体的に開示されていることが理解される。記載された範囲内の任意の記載値または未記載の間に挟まれた値と、その記載された範囲内の任意の他の記載値または間に挟まれた値との間の、任意のより狭い範囲が包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して範囲内に含まれてもよく、または含まれなくてもよく、より小さい範囲内にいずれかの限界が含まれる、いずれの限界も含まれない、または両方の限界が含まれる各範囲も、記載された範囲内で任意の具体的に除外された限界に従って、本技術の範囲内に包含される。記載された範囲に限界の一方または両方が含まれる場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も含まれる。
【0053】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、「領域(a region)」への言及は、複数のこのような領域を含み、「開孔(the aperture)」への言及は、1つまたは複数の開孔および当業者に知られているその等価物などへの言及を含む、等である。
【0054】
また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、および「含んでいる(including)」という単語は、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される場合、述べられた特徴、整数、構成要素、または動作の存在を指定することが意図されているが、これらは、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、行為、またはグループの存在または追加を排除しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
【国際調査報告】