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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】パージポートフィルタ支持体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519068
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022044734
(87)【国際公開番号】W WO2023055692
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,416
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エグム, ショーン ディー.
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA12
5F131GA14
5F131GA53
5F131GA88
5F131GA92
5F131JA04
5F131JA12
5F131JA24
5F131JA35
(57)【要約】
前方開口型統一ポッドは、ハウジングとハウジング内のパージポートとを含む。パージポートは、フィルタ膜とパージフィルタ支持体とを含む。パージフィルタ支持体は、外側リング構造体と支持枠機能とを含む。支持枠は外側リング構造体から延在する。外側リング構造体は、フィルタ膜の支持面を提供する複数の支持体を含む。支持体のうちの1つまたは複数はそれぞれ、上側支持面の厚さから厚さが増加する。パージフィルタ支持体は、外側リング構造体と、1つまたは複数の開口部と、外側リング構造体から延在する支持枠とを含む。支持枠は、フィルタ膜に接触し支持するように構成される支持面を提供する支持体を含む。1つまたは複数の支持体はそれぞれ、上側支持面の第1の厚さから厚さが増加する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側リング構造体と、
前記外側リング構造体から内側に延在する支持枠であって、前方開口型統一ポッドのパージポート内のフィルタ膜に接触し支持するように構成された上側支持面を提供する複数の支持体を含み、前記複数の支持体が、前記上側支持面のそれぞれ第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、
前記支持枠を通って前記複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部と
を備える、パージフィルタ支持体。
【請求項2】
前記1つまたは複数の支持体それぞれに関して、前記厚さが前記上側支持面で、またはそれにほぼ平行に延在する、請求項1に記載のパージフィルタ。
【請求項3】
前記複数の支持体が、
前記外側リング構造体内に配設された内側リング構造体と、
前記外側リング構造体を前記内側リング構造体に接続するリブと
を含む、請求項1または2に記載のパージフィルタ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の開口部が、前記内側リング構造体を通って延在する中央開口部を含む、請求項3に記載のパージフィルタ。
【請求項5】
前記1つまたは複数の支持体のそれぞれが、前記上側支持面にはなく前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のパージフィルタ。
【請求項6】
前記複数の支持体が、前記上側支持面から延在する第1の側壁を有する第1の支持体を含み、前記上側支持面と前記第1の側壁との間の内角が90°超過180°未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載のパージフィルタ。
【請求項7】
前記第1の支持体が前記上側支持面から延在する第2の側壁を含み、前記上側支持面と前記第2の側壁との間の内角が90°超過180°未満であり、
前記第1の支持体の断面において、前記第1の側壁および前記第2の側壁が前記第1の支持体の対向面上に配設されている、
請求項6に記載のパージフィルタ。
【請求項8】
前記外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、
前記上側支持面に垂直な方向での前記上側支持面と前記入口開口部との重なりが20%未満である、
請求項1から7のいずれか一項に記載のパージフィルタ。
【請求項9】
前記外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、
前記上側支持面に垂直な方向での前記上側支持面と前記入口開口部との重なりが10%未満である、
請求項1から8のいずれか一項に記載のパージフィルタ。
【請求項10】
前記上側支持面に垂直な方向での前記支持枠と前記入口開口部との重なりが20%超過である、
請求項8に記載のパージフィルタ。
【請求項11】
前記支持枠が前記複数の支持体によって形成される下面を有し、前記下面が前記複数の支持体上の前記上側支持面とは反対側に配設され、前記下面の面積が前記上側支持面の面積よりも大きい、請求項1から10のいずれか一項に記載のパージフィルタ。
【請求項12】
前記上側支持面の前記面積が前記下面の前記面積の85%以下である、請求項11に記載のパージフィルタ。
【請求項13】
前記上側支持面の前記面積が前記下面の前記面積の45%以下である、請求項11に記載のパージフィルタ。
【請求項14】
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延在するパージポートであって、
フィルタ膜と、
第1のパージフィルタ支持体とを含み、前記第1のパージフィルタ支持体が、
前記フィルタ膜の周縁に接触する外側リング構造体と、
前記外側リング構造体から内側に延在するとともに、上側支持面を提供する複数の支持体を含み、前記複数の支持体が、前記上側支持面に関するそれぞれの第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、
前記支持枠を通って前記複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部とを含む、パージポートとを備え、
前記パージポートを通って流れるパージガスのフローが、前記フィルタ膜を前記支持枠の前記上側支持面に押し付けるように構成されている、
前方開口型統一ポッド。
【請求項15】
前記パージポートが、第2の外側リング構造体と前記第2の外側リング構造体から内側に延在する第2の支持枠とを含む、第2のパージフィルタ支持体を含み、前記第2の支持枠が、前記フィルタ膜に接触し支持する第2の支持面を提供する複数の第2の支持体を含み、
前記フィルタ膜が、前記第1のパージフィルタの前記上側支持面と前記第2のパージフィルタ支持体の前記第2の支持面との間に配設されている、
請求項14に記載の前方開口型統一ポッド。
【請求項16】
前記フィルタ膜の前記周縁が、前記第1のパージフィルタ支持体の前記外側リング構造体と前記第2のパージフィルタ支持体の前記第2の外側リング構造体との間に挟まれている、請求項15に記載の前方開口型統一ポッド。
【請求項17】
前記パージポートが逆止弁を含む、請求項14または15に記載の前方開口型統一ポッド。
【請求項18】
前記外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、
前記パージガスが、前記パージフィルタ支持体を通って第1の方向に流れるように構成され、
前記第1の方向における前記上側支持面と前記入口開口部との重なりが10%未満である、
請求項14から17のいずれか一項に記載の前方開口型統一ポッド。
【請求項19】
前記第1の方向における前記支持枠と前記入口開口部との重なりが20%超過である、
請求項18に記載の前方開口型統一ポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本開示は、2021年9月28日を出願日とする米国仮特許出願第63/249,416号の優先権を主張する。優先権書類を参照により組み込む。
【0002】
本開示は、FOUPのパージポートに関する。より具体的には、本開示は、FOUPのパージポートで使用されるフィルタ支持体に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスはウエハ基板から生産することができる。ウエハ基板、または単にウエハに対して、一連の製造ステップが行われる。例えば、製造ステップとしては、材料層の堆積、ドーピング、エッチング、または基板材料の化学的もしくは物理的反応を挙げることができるが、それらに限定されない。製造前、製造中、または製造後、1つまたは複数の前方開口型統一ポッド(「FOUP」)に格納し搬送することができる。いくつかの製造ステップでは、ウエハはFOUP内部にあるままで処理されてもよい。FOUPは、パージガスをFOUPの内部に供給する1つまたは複数のパージポートを含むことができる。例えば、パージガスは、FOUPが開いている間、FOUPの内部を正圧(例えば、外部環境の圧力を上回る圧力、大気圧を上回る圧力)に保つように供給されてもよい。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、パージフィルタ支持体は、外側リング構造体と、支持枠と、1つまたは複数の開口部とを含む。支持枠は外側リング構造体から内側に延在する。支持枠は上側支持面を提供する複数の支持体を含む。上側支持面は、FOUPのパージポート内のフィルタ膜に接触しそれを支持するように構成される。支持体は、上側支持面の第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する、1つまたは複数の支持体を含む。1つまたは複数の開口部は、支持体の間で支持枠を通って延在する。
【0005】
一実施形態では、FOUPは、ハウジングと、ハウジングを通って延在するパージポートとを含む。パージポートは、フィルタ膜とパージフィルタ支持体とを含む。パージフィルタ支持体は、外側リング構造体と、支持枠と、支持枠を通って延在する1つまたは複数の開口部とを含む。外側リング構造体はフィルタ膜の周縁に接触する。支持枠は、外側リング構造体から内側に延在し、複数の支持体を含む。支持体は上側支持面を提供する。支持体のうち1つまたは複数はそれぞれ、上側支持面の第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する。パージポートを通るパージガスの流れが、フィルタ膜を上側支持面に押し付ける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】前方開口型統一ポッド(FOUP)の一実施形態を示す下面斜視図である。
図2】一実施形態による、図1のII-IIに沿ってFOUPを示す部分断面図である。
図3】一実施形態による、図2のFOUPのパージフィルタを示す断面図である。
図4】FOUPにおけるパージフィルタのフィルタ支持体の一実施形態を示す上面斜視図である。
図5】一実施形態による、図4のV-Vに沿ってフィルタ支持体を示す断面図である。
図6】FOUPにおけるパージフィルタのフィルタ支持体の別の実施形態を示す上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
同様の番号は同様の特徴を表す。
【0008】
本開示は、FOUPのパージポートに関する。より具体的には、本開示は、FOUPのパージポートで使用されるフィルタ支持体に関する。
【0009】
図1は、前方開口型統一ポッド(「FOUP」)の一実施形態の下面斜視図である。FOUP 1はハウジング2を含む。ハウジング1は、前方開口部3と前方ドア4とを含む。ドア4は前方開口部3を覆い、ドア4を動かす(例えば、開く、取り外す)ことによってFOUP 1にアクセスすることができる。ハウジング2は、パージポート10を有する底部6を含む。パージポート10はハウジング2を通って延在する。FOUP 1は、1つまたは複数のパージポート10を含むことができる。例えば、図1のFOUP 1は2つのパージポート10を含む。一実施形態では、FOUP 1は、異なる数のパージポート10(例えば、1つ、3つなど)を含んでもよい。
【0010】
図2は、一実施形態による、図1のII-IIに沿ったFOUP 1の部分断面を示している。図2は、FOUP 1のパージポート10を示す。パージポート10はFOUP 1の底部6に配置される。パージポート10は、ハウジング2の底部6にある開口部14に配設される。パージポート10は、開口部14を塞ぐようにして開口部14に配設される(例えば、流体は、パージポート10を通過することによってしか開口部14を通過することができない)。パージポート10は、FOUP 1のハウジング2を通って、FOUP 1の内部空間12まで延在する。
【0011】
FOUP 1は、その内部空間12内で1つまたは複数の半導体基板(図示なし)を支えるように構成される。一実施形態では、FOUPは複数の半導体基板を支えるように構成される。パージポート10は、パージガスをFOUP 1の内部12へと供給するためのものである。例えば、パージポート10を通して供給されるパージガスとしては、全体的に不活性のガス(例えば、窒素)、濾過空気(例えば、クリーンドライエア)などを挙げることができるが、それらに限定されない。図2は、パージポート10を通るパージガスのおおよそのフロー方向を示す、点線の矢印を含む。
【0012】
図2に示されるように、パージポート10は、上側保持部材20Aと、下側保持部材20Bと、逆止弁24と、パージフィルタ30とを含む。保持部材20A、20Bは、ハウジング2に接触し(例えば、開口部14の側壁に接触し)、パージポート10を開口部14内で保持する。逆止弁24およびパージフィルタ30は、保持部材20A、20Bによって適所で支えられるように構成される。一実施形態では、パージポート10は単一の保持部材20A、20Bを含んでもよく、または保持部材20A、20Bは単一部品であってもよい。パージガスは、パージポート10を通って流れる際にパージフィルタ30を通過する。パージフィルタ30は、固体粒子をパージガスから濾過するように構成される。パージフィルタ30についてはさらに詳細に後述する。
【0013】
逆止弁24は、パージガスをFOUP 1およびパージポート10に供給するパージノズル(図示なし)と噛合するように構成されたグロメット26を含むことができる。逆止弁24は、大気圧で封止されたままであるように構成される。加圧されたパージガス(例えば、大気圧よりも高い圧力を有する)がパージポート10に供給されると、圧力によって逆止弁24が開いて、パージガスがパージポート10を通ってFOUP 1の内部容積12に流入することができる。一実施形態では、パージガスは最大1000リットル/分(LPM)でパージポート10を通って流れる。一実施形態では、パージガスは30~1000LPMでパージポート10を通って流れる。一実施形態では、パージガスは最大500LPMでパージポート10を通って流れる。一実施形態では、パージガスは最大300LPMでパージポート10を通って流れる。一実施形態では、パージガスは200LPM以上でパージポート10を通って流れる。一実施形態では、パージガスは100LPM以上でパージポート10を通って流れる。
【0014】
図3は、図2のパージフィルタ30の拡大図を示している。パージフィルタ30は、フィルタ膜32と1対のフィルタ支持体34とを含む。フィルタ膜32は、フロー方向Dで1対のフィルタ支持体34の間に挟み込まれる。各フィルタ支持体34は、外側リング構造体36と、外側リング構造体36から内側に延在する支持枠38とを含む。各外側リング構造体36はフィルタ膜32に接触する。フィルタ膜32の周縁33は、フィルタ支持体34の2つの外側リング構造体36の間で支えられる。例えば、フィルタ膜32の周縁33は、図3に示されるように、フィルタ支持体34の2つの外側リング構造体36の間に挟まれる。一実施形態では、フィルタ支持体34の一方(例えば、図2の下側フィルタ支持体34)は、保持部分20Bまたはハウジング2に組み込まれてもよい。「リング構造体」は円形および楕円形状に限定されず、正方形、長方形、三角形など、他のループ形状を含むことが理解されるべきである。
【0015】
支持枠38は複数の支持体40を含む。例えば、支持体40が支持枠38を形成する。各フィルタ支持体34は、フィルタ膜32に接触し支持する上側支持面42を含む。特に、上側支持面42は、パージガスが通るフィルタ膜32の中央部分(例えば、外側リング構造体36の間に挟まれないフィルタ膜32の周縁以外の内側部分)に対して支持を提供するように構成される。パージポート10を通るパージガスのフローは、フィルタ膜32をフィルタ支持体34の上側支持面42に押し付ける。支持枠38はまた、複数の支持体40によって形成される下面43を有する。下面43は、複数の支持体上の上側支持面43Aとは反対側に配設される。
【0016】
図4は、一実施形態によるフィルタ支持体34の上面斜視図である。例えば、図4のフィルタ支持体34は図3の上側フィルタ支持体であり得る。上述したように、フィルタ支持体34は、外側リング構造体36と、外側リング構造体36から径方向内側に延在する支持枠38を形成する複数の支持体40とを含む。支持体40はフィルタ支持体34の上側支持面42を提供する。例えば、各支持体40は上側支持面42の一部分を提供する。各支持体40は、パージフィルタ30内のフィルタ膜32に接触するように構成される。
【0017】
例示の実施形態に示されるように、支持体40は、内側リング構造体44とリブ46とを含むことができる。内側リング構造体44およびリブ46は、図4に示されるように、支持枠38を形成することができる。内側リング構造体44は外側リング構造体36内に配設される。内側リング構造体44は、リブ46によって外側リング構造体36に接続される。各リブ36は、外側リング構造体36から内側リング構造体44まで延在する。外側リング構造体36はまた、フィルタ支持体34の入口開口部64を画定する1つまたは複数の側壁62を含む。フィルタ膜32は入口開口部64を横切って配設される。
【0018】
フィルタ支持体34は、支持体40の間で支持枠38を通って延在する、1つまたは複数の開口部48を含む。例えば、開口部48は、支持体40のうち少なくとも2つの間に延在することによって、支持枠38を通って延在する。開口部48によって、パージガスがフィルタ支持体34を通り抜けることが可能になる。図4に示されるように、開口部48は、内側リング構造体44を通って延在する中央開口部48Aを含むことができる。開口部48はまた、外側リング構造体36と内側リング構造体44との間でフィルタ支持体34を通ってそれぞれ延在する、開口部48Bを含むことができる。
【0019】
図4によって示されるように、上側支持面42に垂直な方向での(例えば、フロー方向Dでの)支持枠38と入口開口部64との重なりは、20%超過である。一実施形態では、支持枠38と入口開口部64との間の上記重なりは、25%超過であってもよい。別の実施形態では、支持枠38と入口開口部64との間の上記重なりは、30%超過であってもよい。
【0020】
図5は、図4のV-Vに沿ったフィルタ支持体34の断面を示している。複数の支持体40は第1の支持体40-1を含む。第1の支持体40-1は、上側支持面42および下面43(例えば、上側支持面42の一部分および下面43の一部分)を含む。下面43は、第1の支持体40-1上の上側支持面42とは反対側に配設される。例えば、下面43および上側支持面42は、パージフロー方向Dで反対側に配設される。支持体の面に関する「上側」および「下側」は、フィルタ支持体34のみに対するものであることが理解されるべきである。したがって、上側支持面42は、パージポート10に用いられる場合、他の相対方向/面と対応しないことがある。例えば、図2のパージフィルタ20における上側フィルタ支持体34では、上側支持面42は下方向に面し(例えば、方向Dで、底部6と同じまたは同様の方向に面し)、下面43は上方向に面する(例えば、方向Dで、ハウジング2の頂部と同じまたは同様の方向に面する)。
【0021】
図4に示されるように、第1の支持体40-1の厚さは様々である。第1の支持体40-1の厚さは、上側支持面42から第1の支持体40-1内へと進むにしたがって(例えば、上側支持面42に垂直な方向Dで進むにしたがって、パージフロー方向Dに沿って上側支持面42から離れる方向に進むにしたがって)変化する。第1の支持体40-1の厚さは、第1の支持体40-1上の上側支持面42に、またはそれにほぼ平行に延在する(例えば、厚さは、第1の支持体40-1上の上側支持面42によって画定される面に沿って測定される)。例えば、第1の支持体40の厚さは、一実施形態では、組み立てられたパージフィルタ10のフィルタ膜32に平行に測定される。
【0022】
第1の支持体40-1は、支持体40-1上の上側支持面42に関して第1の厚さTを有する。第1の厚さTは、上側支持面42における第1の支持体40-1の厚さである。図5に示されるように、第1の支持体40-1の厚さは第1の厚さTから増加する。第1の厚さTは0.5mm以下であることができる。一実施形態では、第1の厚さTは0.25mm以下であってもよい。一実施形態では、第1の厚さTは0.2mm以下であってもよい。一実施形態では、第1の厚さTは0.15mm以下であってもよい。
【0023】
第1の支持体40-1はまた、第1の厚さTよりも厚い第2の厚さを有する。第2の厚さは上側支持面42の厚さではない。図4に示されるように、第2の厚さは、第1の支持体40-1の下面43に関する厚さTであることができる。第2の厚さTは下面43の厚さである。一実施形態では、第2の厚さは、上側支持面42と下面43との間の部分距離における第1の支持体40-1の厚さであってもよい(例えば、厚さT)。第2の厚さは少なくとも1.0mmであることができる。一実施形態では、第2の厚さは少なくとも1.2mmであってもよい。この第2の厚さTは、フィルタ支持体34を射出成形することが可能になる十分な厚さである。例えば、1.2mm未満の最大厚さTを有するフィルタ支持体を適切に射出成形するのに必要な射出圧力が高いと、射出成形型内にある射出ポリマーの早期の硬化をもたらすことが見出されている。特に、この早期の硬化は、最大厚さTが1.0mm未満のときに十分な量で起こる。したがって、フィルタ支持体34は、有利には、ポリマー射出成形可能であるように構造化される。
【0024】
下面43の面積は、第1の支持体40-1上における上側支持面42の面積よりも大きい。支持体40上の上側支持面42は、支持体40上の下面43の面積よりも大きい(例えば、同じ支持体上の下面の面積よりも大きい)。一実施形態では、上側支持面42の面積は、下面43の面積の85%以下(例えば、同じ支持体上の下面の面積の85%以下)である。一実施形態では、上側支持面42の面積は、下面43の面積の65%以下(例えば、同じ支持体上の下面43の面積の65%以下)である。一実施形態では、上側支持面42の面積は、下面43の面積の45%以下(例えば、同じ支持体上の下面の面積の45%以下)である。
【0025】
第1の支持体40-1は、第1の側壁52と第2の側壁54とを含む。第1の側壁52および第2の側壁54は、第1の支持体40-1上で互いの反対側に配設される(例えば、第1の支持体40-1の対向面上に配設される)。例えば、図5に示される第1の支持体40-1の断面では、側壁52、54は第1の支持体40-1の対向面上にある。側壁52、54はそれぞれ、上側支持面42から延在する側壁である。例えば、各側壁52、54は、上側支持面42と下面43との間に延在する側壁である。一実施形態では、上側支持面42と第1の側壁52との間の内角αは、90°超過であって180°未満である。一実施形態では、上側支持面42と第2の側壁54との間の内角αは、90°超過であって180°未満である。例えば、90°の内角は、それぞれの側壁が上側支持面に垂直に延在するであろう90度の角に対応する。
【0026】
1つまたは複数の他の支持体40は、第1の支持体40-1に関して上述したのと同様の特徴を有し得ることが認識されるべきである。一実施形態では、1つまたは複数の支持体40は、第1の支持体40-1に関して上述したように、増加する厚さを有する。例えば、フィルタ支持体34は、一実施形態では、第1の支持体40-1に関して記載したように増加する厚さを有する、複数の支持体40を有してもよい。かかる実施形態では、上側支持用面42の第1の厚さは、異なる支持体40同士で異なってもよい。一実施形態では、フィルタ支持体34における支持体40の少なくとも50%は、第1の支持体40-1に関して上述したような特徴をそれぞれ有することができる。
【0027】
1つまたは複数の支持体40それぞれの厚さは、上側支持面42に垂直な方向(例えば、フロー方向D)での上側支持面42と入口開口部64との重なりが20%未満であるように増加する。一実施形態では、上側支持面42に垂直な方向での上側支持面42と入口開口部64との重なりは15%未満である。一実施形態では、上側支持面42に垂直な方向での上側支持面42と入口開口部64との重なりは10%未満である。
【0028】
フィルタ支持体10は、有利には、上側支持面42が、入口開口部64の上に配設されたフィルタ膜32の内側部分(例えば、外側リング構造体36によって挟まれないフィルタ膜の部分)に対して支持を提供し、それに対応して、最小量のフィルタ膜32(例えば、20%未満、15%未満、10%未満)のみを塞ぐのを可能にすることができる。支持体40の厚さ(例えば、より厚い第2の厚さを有する)はまた、有利には、フィルタ支持体34を射出成形するのを可能にすることができる。
【0029】
パージガスがパージポート10を通って流れるとき、パージガスがフィルタ膜32を通って流れる際に背圧が生じる。フィルタ膜32を通るパージガスの流量の増加によっても、背圧の量が増加する。背圧は、パージポート10およびFOUP 1に上向きの力を加える。背圧が十分に高くなった場合、各パージポート10にパージガスをそれぞれ供給するパージノズル(図示なし)から、FOUP 10を持ち上げることができる。フィルタ支持体34は、有利には、フィルタ膜32が塞ぐ量を最小限になることで背圧を小さくし、結果として背圧を小さくする。フィルタ支持体34は、より多いパージガス流量で使用される場合、有利には、パージポート10の背圧を小さくするのを達成することができる。例えば、これにより、FOUP 10をパージノズルから持ち上げることができる、より大きい背圧に達することなく、より多いパージガス流量をFOUP 10が利用することが可能になる。
【0030】
図6は、フィルタ支持体134の別の実施形態の上面図である。フィルタ支持体134は、図2のフィルタ支持体34と同様の方式で、FOUP 1のパージポート10で使用されるように構成される。フィルタ支持体134は、外側リング構造体136と、外側リング構造体136から内側に延在する支持枠138とを含む。支持枠138は、複数の支持体140と、支持体140の間で支持枠138を通って延在する開口部148とを含む。フィルタ支持体134は、支持枠138における開口部148および支持体140の配置を除いて、図2図5のフィルタ支持体34に関して上述したのと同様の構成を有することができる。
【0031】
図6に示されるように、支持体140は、外側リング構造体136から中央位置180まで内側に延在する。例えば、中央位置180は外側リング構造体136の中心にあることができる。各支持体140は、外側リング構造体136から中央位置180まで延在するリブである。したがって、フィルタ支持体134は、中央開口部(例えば、中央開口部48A)を有さない。支持体140はそれぞれ、フィルタ支持体34の第1の支持体40-1に関して上述したような特徴を有することができる。例えば、1つまたは複数の支持体140は、フィルタ支持体34の第1の支持体40-1に関して同様に上述したような、増加する厚さを有する。
【0032】
態様
態様1~13はいずれも、態様14~19のいずれかと組み合わせることができる。
【0033】
態様1。 外側リング構造体と、外側リング構造体から内側に延在する支持枠であって、前方開口型統一ポッドのパージポート内のフィルタ膜に接触しそれを支持するように構成された上側支持面を提供する複数の支持体を含み、複数の支持体が、上側支持面の第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、支持枠を通って複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部とを備える、パージフィルタ支持体。
【0034】
態様2。 1つまたは複数の支持体それぞれに関して、厚さが上側支持面で、またはそれにほぼ平行に延在する、態様1に記載のパージフィルタ。
【0035】
態様3。 複数の支持体が、外側リング構造体内に配設された内側リング構造体と、外側リング構造体を内側リング構造体に接続するリブとを含む、態様1および2のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0036】
態様4。 1つまたは複数の開口部が、内側リング構造体を通って延在する中央開口部を含む、態様3に記載のパージフィルタ。
【0037】
態様5。 1つまたは複数の支持体のそれぞれが、上側支持面にはなく第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する、態様1~4のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0038】
態様6。 複数の支持体が、上側支持面から延在する第1の側壁を有する第1の支持体を含み、上側支持面と第1の側壁との間の内角が90°超過180°未満である、態様1~5のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0039】
態様7。 第1の支持体が上側支持面から延在する第2の側壁を含み、上側支持面と第2の側壁との間の内角が90°超過180°未満であり、第1の支持体の断面において、第1の側壁および第2の側壁が第1の支持体の対向面上に配設されている、態様6に記載のパージフィルタ。
【0040】
態様8。 外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、上側支持面に垂直な方向での上側支持面と入口開口部との重なりが20%未満である、態様1~7のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0041】
態様9。 外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、上側支持面に垂直な方向での上側支持面と入口開口部との重なりが10%未満である、態様1~8のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0042】
態様10。 上側支持面に垂直な方向での支持枠と入口開口部との重なりが20%超過である、態様8に記載のパージフィルタ。
【0043】
態様11。 支持枠が複数の支持体によって形成される下面を有し、下面が複数の支持体上の上側支持面とは反対側に配設され、下面の面積が上側支持面の面積よりも大きい、態様1~10のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0044】
態様12。 上側支持面の面積が下面の面積の85%以下である、態様10に記載のパージフィルタ。
【0045】
態様13。 上側支持面の面積が下面の面積の45%以下である、態様11および12のいずれか1つに記載のパージフィルタ。
【0046】
態様14。 ハウジングと、ハウジングを通って延在するパージポートであって、フィルタ膜と第1のパージフィルタ支持体とを含み、第1のパージフィルタ支持体が、フィルタ膜の周縁に接触する外側リング構造体と、外側リング構造体から内側に延在するとともに、上側支持面を提供する複数の支持体を含み、複数の支持体が、上側支持面に関する第1の厚さから厚さが増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、支持枠を通って複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部とを含む、パージポートとを備え、パージポートを通って流れるパージガスのフローが、フィルタ膜を支持枠の上側支持面に押し付けるように構成されている、前方開口型統一ポッド。
【0047】
態様15。 パージポートが、第2の外側リング構造体と第2の外側リング構造体から内側に延在する第2の支持枠とを含む、第2のパージフィルタ支持体を含み、第2の支持枠が、フィルタ膜に接触し支持する第2の支持面を提供する複数の第2の支持体を含み、フィルタ膜が、第1のパージフィルタの上側支持面と第2のパージフィルタ支持体の第2の支持面との間に配設されている、態様14に記載の前方開口型統一ポッド。
【0048】
態様16。 フィルタ膜の周縁が、第1のパージフィルタ支持体の外側リング構造体と第2のパージフィルタ支持体の第2の外側リング構造体との間に挟まれている、態様15に記載の前方開口型統一ポッド。
【0049】
態様17。 パージポートが逆止弁を含む、態様14~16のいずれか1つに記載の前方開口型統一ポッド。
【0050】
態様18。 外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、パージガスが、パージフィルタ支持体を通って第1の方向に流れるように構成され、第1の方向における上側支持面と入口開口部との重なりが10%未満である、態様14~17のいずれか1つに記載の前方開口型統一ポッド。
【0051】
態様19。 第1の方向における支持枠と入口開口部との重なりが20%超過である、態様18に記載の前方開口型統一ポッド。
【0052】
本明細書に開示した実施例は、あらゆる点で例示的であって限定的ではないものとみなされるべきである。本発明の範囲は前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と等価の意味および範囲内にあるすべての変更が包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側リング構造体と、
前記外側リング構造体から内側に延在する支持枠であって、前方開口型統一ポッドのパージポート内のフィルタ膜に接触し支持するように構成された上側支持面を提供する複数の支持体を含み、前記複数の支持体が、前記上側支持面のそれぞれ第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、
前記支持枠を通って前記複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部と
を備える、パージフィルタ支持体。
【請求項2】
前記複数の支持体が、
前記外側リング構造体内に配設された内側リング構造体と、
前記外側リング構造体を前記内側リング構造体に接続するリブと
を含む、請求項1に記載のパージフィルタ支持体
【請求項3】
ハウジングと、
前記ハウジングを通って延在するパージポートであって、
フィルタ膜と、
第1のパージフィルタ支持体とを含み、前記第1のパージフィルタ支持体が、
前記フィルタ膜の周縁に接触する外側リング構造体と、
前記外側リング構造体から内側に延在するとともに、上側支持面を提供する複数の支持体を含み、前記複数の支持体が、前記上側支持面に関するそれぞれの第1の厚さから厚さがそれぞれ増加する1つまたは複数の支持体を含む、支持枠と、
前記支持枠を通って前記複数の支持体の間に延在する1つまたは複数の開口部とを含む、パージポートとを備え、
前記パージポートを通って流れるパージガスのフローが、前記フィルタ膜を前記支持枠の前記上側支持面に押し付けるように構成されている、
前方開口型統一ポッド。
【請求項4】
前記パージポートが、第2の外側リング構造体と前記第2の外側リング構造体から内側に延在する第2の支持枠とを含む、第2のパージフィルタ支持体を含み、前記第2の支持枠が、前記フィルタ膜に接触し支持する第2の支持面を提供する複数の第2の支持体を含み、
前記フィルタ膜が、前記第1のパージフィルタ支持体の前記上側支持面と前記第2のパージフィルタ支持体の前記第2の支持面との間に配設されている、
請求項3に記載の前方開口型統一ポッド。
【請求項5】
前記外側リング構造体が、入口開口部を画定する1つまたは複数の側壁を含み、
前記パージガスが、前記パージフィルタ支持体を通って第1の方向に流れるように構成され、
前記第1の方向における前記上側支持面と前記入口開口部との重なりが10%未満である、
請求項3に記載の前方開口型統一ポッド。
【国際調査報告】