(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】クロス電界効果型トランジスタ(XFET)アーキテクチャプロセス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L21/82 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519365
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022076562
(87)【国際公開番号】W WO2023056182
(87)【国際公開日】2023-04-06
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ティー. シュルツ
【テーマコード(参考)】
5F064
【Fターム(参考)】
5F064AA04
5F064AA13
5F064CC09
5F064CC12
(57)【要約】
スタンダードセルのレイアウトを生成するためのシステム及び方法が説明される。様々な実施形態では、スタンダードセルは、垂直にスタックされたゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタを含み、それらの間で直交方向に配向された導電チャネルを有するクロス電界効果トランジスタ(FET)を使用する。上部GAAトランジスタの電流フローの方向は、下部GAAトランジスタの電流フローの方向に直交する。垂直にスタックされたトランジスタのチャネルは、反対のドーピング極性を使用する。直交配向は、上部及び下部GAAトランジスタの両方が、それらの配向に基づいて、それらのそれぞれのキャリアの最大移動度を有することを可能にする。クロスFETは、上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の接続のために、単一の金属層及び単一のビア層を利用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
第1の方向に配向された第1のチャネルを備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに隣接する酸化物層と、
前記酸化物層に隣接する第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタは、前記第1の方向に直交する方向に配向された第2のチャネルを備える、第2のトランジスタと、を備え、
電位が前記集積回路のセルの入力ノードに印加されることに応じて、電流が、前記入力ノードから前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうち一方を介して前記セルの出力ノードに伝達される、
集積回路。
【請求項2】
チャネルは、ナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項1の集積回路。
【請求項3】
前記第1のトランジスタは、第3のチャネルを備える、
請求項2の集積回路。
【請求項4】
前記第2のチャネルは、前記酸化物層と接合されるウェハ上に形成されている、
請求項1の集積回路。
【請求項5】
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に単一のビア層を備える、
請求項1の集積回路。
【請求項6】
第1の端部において第1の金属ゲートに直接接続されており、第2の端部において第2の金属ゲートに直接接続された垂直ゲートコンタクトを備える、
請求項5の集積回路。
【請求項7】
前記第1のチャネルの第1のドーピング極性は、前記第2のチャネルの第2のドーピング極性の反対極性である、
請求項5の集積回路。
【請求項8】
方法であって、
集積回路内に第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを配置することと、
前記第1のトランジスタを、第1の方向に配向された第1のチャネルを有するように形成することと、
前記第1のトランジスタに隣接して酸化物層を形成することと、
前記酸化物層に隣接して前記第2のトランジスタを形成することであって、前記第2のトランジスタは、前記第1の方向に直交する方向に配向された第2のチャネルを備える、ことと、
電源電圧が前記集積回路のセルの入力ノードに印加されることに応じて、電流を、前記入力ノードから前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうち一方を介して前記セルの出力ノードに伝達することと、を含む、
方法。
【請求項9】
チャネルは、ナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項8の方法。
【請求項10】
前記第1のトランジスタ内に、前記第1のチャネルに加えて第3のチャネルを形成することを含む、
請求項8の方法。
【請求項11】
前記酸化物層と接合されるウェハ上に前記第2のチャネルを形成することを含む、
請求項8の方法。
【請求項12】
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に単一のビア層を配置することを含む、
請求項8の方法。
【請求項13】
第1の端部において前記第1の金属ゲートに直接接続されており、第2の端部において前記第2の金属ゲートに直接接続された垂直ゲートコンタクトを配置することを含む、
請求項12の方法。
【請求項14】
前記第1のチャネルを、前記第2のチャネルの第2のドーピング極性の反対極性である第1のドーピング極性を有するように形成することを含む、
請求項12の方法。
【請求項15】
コンピューティングシステムであって、
1つ以上のタスクの命令と、前記1つ以上のタスクによって処理されるソースデータと、を記憶するように構成されたメモリと、
前記ソースデータを使用して前記命令を実行するように構成された集積回路と、を備え、
前記集積回路は、
第1の方向に配向された第1のチャネルを備える第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタに隣接する酸化物層と、
前記酸化物層に隣接する第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタは、前記第1の方向に直交する方向に配向された第2のチャネルを備える、第2のトランジスタと、を備え、
電位が前記集積回路のセルの入力ノードに印加されることに応じて、電流が、前記入力ノードから前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうち一方を介して前記セルの出力ノードに伝達される、
コンピューティングシステム。
【請求項16】
チャネルは、ナノシートを備え、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、垂直ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスである、
請求項15のコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記第1のトランジスタは、第3のチャネルを備える、
請求項15のコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記第2のチャネルは、前記酸化物層と接合されるウェハ上に形成されている、
請求項15のコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記集積回路は、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に単一のビア層を備える、
請求項15のコンピューティングシステム。
【請求項20】
前記集積回路は、第1の端部において第1の金属ゲートに直接接続されており、第2の端部において第2の金属ゲートに直接接続された垂直ゲートコンタクトを備える、
請求項19のコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連技術の説明)
半導体製造プロセスが進歩し、オンダイの幾何学的寸法が低減するにつれて、半導体チップは、より少ないスペースを消費しながら、より多くの機能及び性能を提供する。多くの進歩がなされてきたが、処理及び集積回路設計における現代の技術では、潜在的な利益を制限する設計上の問題が依然として生じる。例えば、容量結合、エレクトロマイグレーション、少なくとも漏れ電流等の短チャネル効果、及び、処理歩留まりが、半導体チップのダイ全体にわたるデバイスの配置及び信号のルーティングに影響を及ぼすいくつかの問題である。これらの問題は、設計の完了を遅らせ、製品化までの時間に影響を及ぼす可能性がある。
【0002】
半導体チップの設計サイクルを短縮するために、手動によるフルカスタム設計は、可能であれば自動化に置き換えられる。場合によっては、スタンダード(標準)セルレイアウトは、手動で生成される。他の場合には、配置配線ツール(place-and-route tool)によって使用される規則は、セル生成を自動化するように調整される。しかしながら、自動化されたプロセスは、場合によっては、性能、電力消費、信号完全性、プロセス歩留まり、内部クロス結合接続を含むローカル及び外部信号ルーティングの両方、ピンアクセス等を対象とする規則の各々を満たさない。したがって、設計者は、複数の特性に対してより良好な結果を達成するように、これらのセルを手動で生成するか、又は、配置配線ツールの規則を書き換える。しかしながら、多くの場合、レイアウトツール及び規則は、比較的最近の非平面デバイスのためにではなく、平面デバイスのために設定される。
【0003】
上記に鑑みて、スタンダードセルのレイアウトを生成するための効率的な方法及びシステムが所望される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】クロス電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)を利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図2】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図3】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図4】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図5】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図6】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図7】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図8】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図9】クロスFETを利用するスタンダードセルのレイアウトを効率的に生成するための方法の一実施形態の一般化された図である。
【
図10】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図11】クロスFETを利用するスタンダードセルレイアウトの上面図の一般化された図である。
【
図12】クロスFETを利用するスタンダードセルを含むプロセッサを有するコンピューティングシステムの一般化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、様々な修正及び代替形態の余地があるが、具体的な実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、図面及びその詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれる全ての修正、均等物及び代替物を包含するものであることを理解されたい。
【0006】
以下の説明では、本発明の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細なしに本発明が実施され得ることを認識すべきである。いくつかの例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、構造及び技術が詳細に示されていない。更に、説明の簡略性及び明確性のために、図に示される要素は、必ずしも縮尺どおりに描画されていないことが理解されよう。例えば、いくつかの要素の寸法は、他の要素に対して誇張されている。
【0007】
スタンダードセルのレイアウトを生成するためのシステム及び方法が企図される。様々な実施形態では、1つ以上のスタンダードセルは、クロス電界効果トランジスタ(FET)を含む。本明細書で使用される場合、「クロスFET」は、「XFET」とも称される。更に、本明細書で使用される場合、「トランジスタ」は、「半導体デバイス」又は「デバイス」とも称される。いくつかの実施形態では、クロスFETは、垂直にスタックされたゲートオールアラウンド(gate all around、GAA)トランジスタであり、例えば、上部垂直GAAトランジスタ(又はGAAトランジスタ)は、下部GAAトランジスタの上に垂直に形成され、2つのGAAトランジスタの間に少なくとも絶縁酸化物層(isolating oxide layer)を備える。加えて、上部GAAトランジスタは、下部GAAトランジスタの1つ以上の導電チャネルに直交して配置された1つ以上の導電チャネルを有する。したがって、1つ以上の上部チャネルを通る上部GAAトランジスタの電流フローの方向は、下部GAAトランジスタの1つ以上の下部チャネルの電流フローの方向に直交する。
【0008】
上部GAAトランジスタは、下部GAAトランジスタの1つ以上の下部チャネルのドーピング極性の反対極性である、1つ以上の上部チャネルのドーピング極性を有する。例えば、一実施形態では、上部GAAトランジスタは、1つ以上のp型チャネルを含む一方で、下部GAAトランジスタは、1つ以上のn型チャネルを含む。別の実施形態では、p型及びn型極性は、上部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルとの間で反転される。上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の直交配向では、上部及び下部GAAトランジスタの両方が、それらの配向に基づいて、それらのそれぞれのキャリアの最大移動度を有する。
【0009】
垂直GAAトランジスタとは対照的に、Fin電界効果トランジスタ(Fin FET)は、シリコン基板との物理的接触を有するドープシリコンのFinを有する。垂直GAAデバイスのチャネルは、シリコン基板との物理的な接触を有しない。一般に、Fin FETと比較した場合、GAAトランジスタは、より低い閾値電圧、より速いスイッチング時間、より少ない漏れ電流、及び、短チャネル効果の更なる低減を提供する。いくつかの実施形態では、GAAトランジスタのドープシリコンのチャネルは、ナノワイヤである。他の実施形態では、GAAトランジスタのドープシリコンのチャネルは、ナノシートである。ナノシートは、ドープシリコンのワイヤではなく、ドープシリコンのシートである。言い換えれば、ナノシートは、横方向のナノワイヤよりも幅が広く、厚さが厚い導電性ワイヤである。また、ナノシートは、ナノシートがシリコン基板との物理的接触を有しないように回転され、シリコン基板の垂直上方に横倒しに配置されるフィンとみなされ得る。もっと正確に言えば、金属ゲートが、ナノシートとシリコン基板との間に形成される。しかし、この具現化は、ナノシートを形成するための実際の製造ステップを説明していない。
【0010】
下部GAAトランジスタの上に上部GAAトランジスタを垂直にスタックすることにより、性能を更に増加させ、電力消費を低減し、GAAトランジスタによって消費されるオンダイ面積を低減し、短チャネル効果を更に低減する。相補型FET(complementary FET、CFET)は、下部GAAトランジスタの上に垂直にスタックされた上部GAAトランジスタを含み、絶縁のために、それらの間に少なくとも酸化物層を有する。しかしながら、CFETは、ボトムGAAトランジスタの1つ以上のチャネルと同じ方向に整列されている1つ以上のチャネルを有する上部GAAトランジスタを使用する。しかし、先に説明したように、クロスFETは、上部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと、下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルと、の間に直交配向を有する。相補型FETと比較して、クロスFETは、上部GAAトランジスタ及び下部GAAトランジスタの各々のより良好な移動度を有し、これにより、より高い性能をもたらす。相補型FETは、上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の接続を生成するために、2つの金属層及び3つのビア層を使用する。対照的に、クロスFETは、上部GAAトランジスタと下部GAAトランジスタとの間の接続のために、単一の金属層及び単一のビア層を利用する。クロスFETは、第1のウェハ内に形成された下部GAAトランジスタを有する一方で、上部GAAトランジスタは、従来の半導体製造ステップを使用して第2のウェハ内に形成される。第1のウェハ及び第2のウェハは、ハイブリッドボンドプロセスを介して互いに接続され、これにより、歩留まりを増加させる。
【0011】
様々な実施形態では、集積回路の1つ以上のスタンダードセル内にクロスFETを生成するための半導体デバイス製造プロセスは、下部ウェハのシリコン基板上に下部GAAトランジスタを形成することを含む。下部GAAトランジスタは、シリコン基板の上方に形成された1つ以上のチャネルを含み、チャネルとシリコン基板との間に少なくとも金属ゲートを有する。プロセスは、ハイブリッドボンドを使用して、上部ウェハを下部ウェハに接続する。少なくとも絶縁酸化物層が、上部ウェハと下部ウェハとの間に使用される。プロセスは、上部ウェハ内に上部GAAトランジスタを形成し、上部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルは、下部GAAトランジスタの1つ以上のチャネルに対して直交配向で配置される。更に、プロセスは、単一のゲートコンタクトを、一端が下部GAAトランジスタの金属ゲートに直接接続され、他端が上部GAAトランジスタの金属ゲートに直接接続された状態で配置する。ドレイン領域接続のために、プロセスは、単一のビア層を利用する。電源電圧が、1つ以上のスタンダードセルのうち所定のスタンダードセルの入力ノードに印加されると、電流が、入力ノードから、上部GAAトランジスタ及び下部GAAトランジスタのうち何れかを介して、所定のスタンダードセルの出力ノードに伝達される。
【0012】
以下の説明では、
図1~
図8及び
図10~
図11に示されるスタンダードセルレイアウトアーキテクチャは、集積回路内のデバイスにスタンダードセルを提供し、スタンダードセルは、クロスFETを使用する。
図1~
図8及び
図10~
図11は、クロスFETを含む垂直(縦型)ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスを使用するインバータのレイアウトを示す。しかしながら、
図1~
図8及び
図10~
図11に示されるレイアウト技術は、他の複合ゲート及び機能ユニットに使用される様々な他のスタンダードセルに使用され得る。更に、
図1~
図8及び
図10~
図11に示されるレイアウト技術は、クロスFETを生成するように配置されたFin FETデバイスを使用するインバータに使用され得る。一実施形態では、p型Fin FETは、n型Fin FETの上に垂直にスタックされ、p型チャネルとn型チャネルとの間に直交配向を有する。別の実施形態では、n型Fin FETは、p型Fin FETの上に垂直にスタックされ、p型チャネルとn型チャネルとの間に直交配向を有する。更に他の実施形態では、Fin FETは、トライゲートデバイスで置き換えられる。
【0013】
図1を参照すると、クロスFETを使用するスタンダードセルレイアウト100の上面図の一般化されたブロック図が示されている。スタンダードセルレイアウト100は、クロスFETを使用する2入力ブールNANDゲート用である。しかしながら、他の実施形態では、スタンダードセルレイアウト100に使用される特性及び技術は、様々な他のタイプのブールゲート及び複合ゲートに使用される。p型及びn型クロスFETの三次元(three-dimensional、3-D)図がレイアウト100に付随している。示されるように、p型デバイスは、n型デバイス上に垂直にスタックされる。n型デバイスは、n型チャネル104の全周に形成された少なくとも1つのn型ゲート102を含む。同様に、p型ゲート106がp型チャネル108の全周に形成されている。したがって、p型チャネル108は、下部n型デバイスのn型チャネル104の反対極性であるドーピング極性を有する。単一のn型チャネル104及び単一のp型チャネル108が示されているが、他の実施形態では、半導体デバイスは、別の数のチャネルを含む。いくつかの実施形態では、チャネルは、横方向のナノワイヤである。他の実施形態では、チャネルは、ナノシートである。
【0014】
n型チャネル104及びn型ゲート102は、p型チャネル108及びp型ゲート106に対して直交方向に配向される。言い換えれば、n型チャネル104及びn型ゲート102は、p型チャネル108及びp型ゲート106の方向から90度である方向に配向される。したがって、n型チャネル104を通る下部n型デバイスの電流フローの方向は、上部p型デバイスのp型チャネル108の電流フローの方向に直交する。上部p型デバイスと下部n型デバイスとの間の直交配向では、両方のデバイスは、それらの配向に基づいて、それらのそれぞれのキャリアの最大移動度を有する。加えて、上部p型デバイス及び下部n型デバイスの直交配向は、垂直にスタックされたデバイス間の接続が単一のビア層を使用することを可能にする。
【0015】
スタンダードセルレイアウト100において、金属ゼロ層(M0又はMetal0)130は、最上層である。ゲートコンタクトは、次に垂直方向に最も高い層であるが、説明を容易にするために、ゲートコンタクトが示されていない。p型ゲート106は、次に垂直方向に最も高い層であり、p型チャネルを生成するp型ナノシート108がこれに続く。絶縁層が上部p型デバイスと下部n型デバイスとの間にあり、ゲートコンタクトが絶縁層内のデバイス間に形成される。このゲートコンタクトは、スタンダードセルレイアウト100(又はレイアウト100)によって提供される空中上面図(aerial top view)では示されていない。スタンダードセルレイアウトの断面図は後に提供される。垂直にスタックされたデバイス間のゲートコンタクトは、何れの金属層も横断することなく、p型金属ゲート106及びn型金属ゲート102に直接接続される。
【0016】
p型デバイスのビア(又はコンタクト)122は、p型デバイスのドレイン領域をp型デバイスのローカルインターコネクト112に接続する。n型デバイスのビア(又はコンタクト)120は、n型デバイスのドレイン領域をn型デバイスのローカルインターコネクト110に接続する。レイアウト100の垂直にスタックされたデバイスは、より少ないオンダイ面積を消費する。単一のビア層の使用により、回路の抵抗及び静電容量が低減される。Fin FETと比較して、ゲートオールアラウンド(GAA)ナノワイヤ又はナノシートの使用は、より低い閾値電圧、より速いスイッチング時間、より少ない漏れ電流、及び、短チャネル効果の更なる低減をもたらす。漏れ電流以外の短チャネル効果の例は、ラッチアップ効果、ドレイン誘導障壁低下(drain-induced barrier lowering、DIBL)、パンチスルー、性能の温度依存性、衝突電離、並びに、シリコン基板及びソース領域及びドレイン領域に使用されるウェルに対する寄生容量である。
【0017】
レイアウト100におけるクロスFETの直交配向の1つの利点としては、単一のビア層が挙げられる。対照的に、相補型FET(CFET)は、複数の金属層及び複数のビア層を使用して、垂直にスタックされたデバイス間の接続を行う。クロスFETの底部デバイスのソース及びドレイン領域へのアクセスを得ることは、CFETと比較してより容易である。レイアウト100におけるクロスFETの直交配向の別の利点は、垂直にスタックされたデバイスの各デバイスにおけるキャリアの各々の最大移動度の使用である。
【0018】
図2を参照すると、スタンダードセルレイアウト200の上面図の一般化されたブロック図が示されている。スタンダードセルレイアウト200は、クロスFETを使用する2入力ブールNANDゲート用である。p型及びn型クロスFETの三次元(3-D)図がレイアウト200に付随している。先に説明したコンタクト(又はビア)、材料及び構造には、同じ符号が付されている。示されるように、n型デバイスは、p型デバイス上に垂直にスタックされる。レイアウト100と同様に、他の実施形態では、レイアウト200のクロスFETは、複数のn型チャネル104及び複数のp型チャネル108を使用する。レイアウト100と同様に、レイアウト200は、n型チャネル104とp型チャネル108との間の直交配向を使用し、単一ビア層を使用して、垂直にスタックされたデバイス間の接続を生成する。
【0019】
以下の説明では、クロスFETを使用するスタンダードセルレイアウトアーキテクチャが
図3~
図8に示されている。クロスFETを使用するスタンダードセルのレイアウトアーキテクチャは、Fin FET、水平GAAデバイス若しくはトライゲートデバイス、又は、相補型FETを含むスタンダードセルに使用されるレイアウトアーキテクチャとは異なる。
図3~
図8は、クロスFETを使用するインバータのレイアウトを示す。しかしながら、
図3~
図8に示されるレイアウト技術は、他の複合ゲート及び機能ユニットに使用される様々な他のスタンダードセルに使用され得る。
【0020】
図3を参照すると、スタンダードセルレイアウト300の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト300(又はレイアウト300)は、クロスFETを使用するインバータのためのものである。レイアウト300に使用された半導体層の断面図もレイアウト300に付随している。レイアウト300の上面図が右側に示され、断面図が左側に示されている。このインバータでは、p型デバイスがn型デバイス上に垂直にスタックされている。しかしながら、他の実施形態では、p型デバイス上に垂直にスタックされたn型デバイスを有することが可能であり、企図される。インバータのデバイスの各々は、ゲート領域内の1つ以上のナノシートを360度の様式で包み込むゲートオールアラウンド(GAA)金属を使用する。下部n型デバイスは、第1のウェハ上に製造される。上部p型デバイスは、別の第2のウェハ上に製造され、次いで、後に説明されるように、第1のウェハに接合される。
【0021】
ここで、レイアウト300では、シリコンオンインシュレータ(silicon on insulator、SOI)酸化物層304が、シリコン基板302上に堆積される。様々な実施形態では、SOI酸化物層304は、二酸化シリコン(SiO2)層である。半導体デバイス製造プロセスは、デバイスの本体をシリコン基板302から絶縁するローカルシリコンオンインシュレータ(SOI)を構築するものである。一実施形態では、形成されたSOI酸化物層304は、比較的厚い。例えば、二酸化シリコン層205の厚さは、ナノワイヤ上に二酸化シリコンを堆積させるための後の処理ステップにおいて形成される薄いゲート二酸化シリコン層の厚さよりも少なくとも1桁大きい。一実施形態では、SOI酸化物層304は、プラズマ励起化学蒸着(plasma-enhanced chemical vapor deposition、PECVD)プロセスによって形成される。SOI酸化物層304が堆積された後、化学機械平坦化(chemical mechanical planarization、CMP)ステップが、不要な二酸化シリコンを除去し、シリコンウェハ上の残りのSOI酸化物層304を研磨するために使用される。CMPステップは、集積回路の更なる層がその上に構築されるほぼ完全に平坦且つ平滑な表面を達成する。これに続いて、SOI酸化物層304が所望の厚さまでエッチングされる。
【0022】
続いて、チャネルのスタックがSOI酸化物層304の上に形成される。一実施形態では、チャネルのスタックは、n型ナノシート306である。いくつかの実施形態では、別のウェハは、シリコン半導体エピタキシャル成長層と交互するシリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層等のような、成長した交互層を有する。交互層を有する別のウェハは、SOI酸化物層304の上部に接合される。接合は、熱圧着接合としても知られている銅ベースのウェハ接合、及び、分子、溶融又は直接ウェハ接合としても知られている酸化物-酸化物接合等のようないくつかのウェハ間接合技術のうち何れかによって実行される。n型ナノシート306は、側壁画像転写(sidewall image transfer、SIT)プロセス、極紫外線(extreme ultraviolet、EUV)リソグラフィ、化学エピタキシによる誘導自己組織化(directed self-assembly、DSA)パターニング、又は、自己整合カスタマイズのうち何れかを使用して、層をn型ナノシート306のサイズにエッチングすることによって、交互層のスタックから生成される。他の実施形態では、交互層は、SOI酸化物層304の上に成長され、その後、n型ナノシート306のサイズまで層をエッチングするために、名前を挙げた何れかのプロセスが続く。
【0023】
交互するシリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層及びシリコン半導体エピタキシャル成長層の所定の導電層が、ゲート領域を形成するために残るように選択される。その後、選択された層以外の全ての半導体層が除去される。ゲート金属材料308が堆積され、ゲート金属308を研磨するためのCMPステップが続く。様々な実施形態では、窒化チタン(TiN)がゲート金属308に使用される。ゲート金属308は、n型ナノシート306の全周に360度の様式で提供される。層間誘電体(interlayer dielectric、ILD)酸化物層310がゲート領域の周りに堆積される。
【0024】
図4を参照すると、スタンダードセルレイアウト400の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト400(又はレイアウト400)は、クロスFETを使用するインバータのための、レイアウト300上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト400に使用された半導体層の断面図もレイアウト400に付随している。レイアウト400の上面図が右側に示され、断面図が左側に示されている。n型ソース及びドレイン領域404が形成される。一実施形態では、n型ソース及びドレイン領域404は、リンでドープされたエピタキシャル成長シリコンである。その後、n型ローカルインターコネクト402が形成される。いくつかの実施形態では、n型ローカルインターコネクト402は、タングステン、コバルト、ルテニウム又はモリブデンを含む。
【0025】
図5を参照すると、スタンダードセルレイアウト500の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト500(又はレイアウト500)は、クロスFETを使用するインバータのための、レイアウト400上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト500で使用された半導体層の断面図もレイアウト500に付随しており、左側に示されている。窒化シリコン層502及び追加のILD酸化物310が初期ILD酸化物310層上に形成される。例えば、窒化シリコン(SiNx)層502がILD酸化物310層上に堆積される。
【0026】
アモルファス水素化窒化シリコン(SiNx)の化学的及び電気的特性は、この材料を集積回路における絶縁層の良好な候補にする。いくつかの実施形態では、窒化シリコン層502は、シラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)からプラズマ励起化学蒸着(PECVD)技術を用いて形成される。他の実施形態では、窒化シリコン層502は、低圧化学蒸着(low-pressure chemical vapor deposition、LPCVD)技術を用いて形成される。窒化物層502及びILD酸化物層310の各々が、エッチングされて、ゲートコンタクト504のためのスペースを生成する。同様に、窒化物層502及びILD酸化物層310が、エッチングされて、ドレインコンタクト506のためのスペースを生成する。ゲートコンタクト504及びドレインコンタクト506は、生成されたスペースに堆積される。
【0027】
図6を参照すると、スタンダードセルレイアウト600の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト600(又はレイアウト600)は、クロスFETを使用するインバータのための、レイアウト500上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト600で使用された半導体層の断面図もレイアウト600に付随しており、左側に示されている。チャネルのスタックが、ILD酸化物層310内のn型ゲートコンタクト504の上方に形成される。一実施形態では、チャネルのスタックは、p型ナノシート602である。いくつかの実施形態では、別のウェハのシリコン基板の上に、シリコン半導体エピタキシャル成長層と交互するシリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層等の交互層が成長される。いくつかの実施形態では、シリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層が、p型ナノシート602を構築するために選択される。他の実施形態では、シリコンエピタキシャル成長層が、p型ナノシート602を構築するために選択される。
【0028】
シリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層が選択される場合、別のウェハ上の残りのシリコンナノシートがエッチングされ、シリコンゲルマニウムクラッド層がシリコンナノシート上にエピタキシャル成長される。代替的に、別のウェハ上のシリコンナノシートが、p型ナノシート602を形成するために、シリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層を残りの層として残して除去される。比較的薄い二酸化シリコン層が、交互層のうち選択された一方の上に成長されて、ゲート領域にp型ナノシート602を提供する。交互層を有する別のウェハは、(
図5の)レイアウト500のILD酸化物層310の上に接合される。他の実施形態では、交互層は、レイアウト500のILD酸化物層310の上に成長され、その後、p型ナノシート602のサイズまで層をエッチングするために、先に名前を挙げた何れかのプロセスが続く。先に名前を挙げたプロセスは、n型ナノシート306を形成することに関連して説明した。
【0029】
図7を参照すると、スタンダードセルレイアウト700の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト700(又はレイアウト700)は、クロスFETを使用するインバータを生成するためにレイアウト600上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト700で使用された半導体層の断面図もレイアウト700に付随しており、左側に示されている。ILD酸化物310層がエッチングされて、p型ナノシート602の周囲全体に配置されるゲートコンタクト702のためのスペースを生成する。同様に、ILD酸化物310層がエッチングされて、ドレインコンタクト704のためのスペースが生成される。ゲートコンタクト504及びドレインコンタクト704が、形成されたスペースに堆積される。
【0030】
図8を参照すると、スタンダードセルレイアウト800の上面図の一般化されたブロック図が示されている。右側のスタンダードセルレイアウト800(又はレイアウト800)は、クロスFETを使用してインバータを生成するためにレイアウト700上で実行されている半導体処理ステップの続きである。レイアウト800で使用された半導体層の断面図もレイアウト800に付随しており、左側に示されている。ここで、金属0(M0又はMetal0)802は、インバータのための更なる接続を生成するために堆積される。
【0031】
図9を参照すると、クロスFETを利用するスタンダードセルのレイアウトを効率的に生成するための方法900の一実施形態が示されている。説明のために、この実施形態におけるステップが順番に示されている。しかしながら、他の実施形態では、いくつかのステップは、図示した順序とは異なる順序で行われ、いくつかのステップは、同時に実行され、いくつかのステップは、他のステップと組み合わされ、いくつかのステップは、存在しない。
【0032】
第1のトランジスタが形成され、第1のチャネルが形成される(ブロック902)。第2のチャネルを有する第2のトランジスタが形成される(ブロック904)。いくつかの実施形態では、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの各々は、垂直(縦型)ゲートオールアラウンド(GAA)デバイスとして形成される。第2のトランジスタは、第1のチャネルと第2のチャネルとの間に直交配向で、第1のトランジスタの上に垂直にスタックされるように配置される(ブロック906)。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのソース/ドレイン領域が、単一のビア層及び単一の金属層を使用して接続される(ブロック908)。
【0033】
電位がスタンダードセルの入力ノードに印加されない場合(条件ブロック910:「いいえ」)、スタンダードセルは、電源投入を待つ(ブロック912)。しかしながら、電位がスタンダードセルの入力ノードに印加される場合(条件ブロック910:「はい」)、スタンダードセルの回路は、クロス電界効果トランジスタを使用して、電流を、入力ノードから2つのトランジスタのうち何れかを介してスタンダードセルの出力ノードに伝達する(ブロック914)。
【0034】
図10を参照すると、スタンダードセルレイアウト1000の上面図の一般化されたブロック図が示されている。スタンダードセルレイアウト1000(又はレイアウト1000)は、クロスFETを使用してインバータを生成するために(
図5の)レイアウト500上で実行されている半導体処理ステップの続きである。ここで、別のウェハは、シリコン半導体エピタキシャル成長層1004と交互するシリコンゲルマニウム半導体エピタキシャル成長層1002等のような、成長した交互層を有する。交互層1002及び1004を有する別のウェハが、(
図5の)レイアウト500のILD酸化物層310及びゲートコンタクト504の上に接合される。
図11を参照すると、スタンダードセルレイアウト1100の上面図の一般化されたブロック図が示されている。スタンダードセルレイアウト1100(又はレイアウト1100)は、クロスFETを使用してインバータを生成するために(
図10の)レイアウト1000上で実行されている半導体処理ステップの続きである。交互層1002及び1004を有するウェハが、レイアウト500のILD酸化物層310及びゲートコンタクト504の上に接合される。先に説明したように、接合は、熱圧着接合としても知られている銅ベースのウェハ接合、及び、分子、溶融又は直接ウェハ接合としても知られている酸化物-酸化物接合等のいくつかのウェハ間接合技術のうち何れかによって実行される。
【0035】
図12を参照すると、コンピューティングシステム1200の一実施形態が示されている。コンピューティングシステム1200は、プロセッサ1210及びメモリ1230を含む。メモリコントローラ、バス又は通信ファブリック、1つ以上の位相ロックループ(phased locked loop、PLL)及び他のクロック生成回路、電力管理ユニット等のインターフェースは、説明を容易にするために示されていない。他の実施形態では、コンピューティングシステム1200は、プロセッサ1210と同じタイプ又は異なるタイプの他のプロセッサ、1つ以上の周辺デバイス、ネットワークインターフェース、1つ以上の他のメモリデバイス等のうち1つ以上を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1200の機能は、システムオンチップ(system on chip、SoC)上に組み込まれている。他の実施形態では、コンピューティングシステム1200の機能は、マザーボードに挿入された周辺カード上に組み込まれている。コンピューティングシステム1200は、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、スマートウォッチ、ゲームコンソール、パーソナルアシスタントデバイス等の様々なコンピューティングデバイスのうち何れかにおいて使用される。
【0036】
プロセッサ1210は、回路等のハードウェアを含む。例えば、プロセッサ1210は、クロスFET1222を利用する少なくとも1つの集積回路1220を含む。例えば、1つ以上のスタンダードセルが集積回路1220内にインスタンス化される。これらのスタンダードセルは、クロスFET1222を含む。クロスFET1222は、(
図1~
図2の)レイアウト100,200及び(
図8の)レイアウト800の2入力ブールNANDゲートで使用されるクロスFETの代表的なものである。
【0037】
様々な実施形態では、プロセッサ1210は、1つ以上の処理ユニットを含む。いくつかの実施形態では、処理ユニットの各々は、汎用データ処理が可能な1つ以上のプロセッサコアと、関連付けされたキャッシュメモリサブシステムと、を含む。そのような実施形態では、プロセッサ1210は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)である。別の実施形態では、処理コアは計算ユニットであり、計算ユニットの各々は、複数の並列実行レーン及び関連付けされたデータストレージバッファを有する高度並列データマイクロアーキテクチャを有する。そのような実施形態では、プロセッサ1210は、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)等である。
【0038】
いくつかの実施形態では、メモリ1230は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、他のタイプのフラッシュメモリ、ポータブルソリッドステートドライブ、テープドライブ等のうち1つ以上を含む。メモリ1230は、オペレーティングシステム(operating system、OS)1232と、コード1234によって表される1つ以上のアプリケーションと、少なくともソースデータ1236と、を記憶する。また、メモリ1230は、コード1234の特定のアプリケーションを実行する場合にプロセッサ1210によって生成される中間結果データ及び最終結果データを記憶することが可能である。単一のオペレーティングシステム1232並びにコード1234及びソースデータ1236の単一のインスタンスが示されているが、他の実施形態では、別の数のこれらのソフトウェア構成要素がメモリ1230に記憶される。オペレーティングシステム1232は、プロセッサ1210のブートアップを開始する、タスクをハードウェア回路に割り当てる、コンピューティングシステム1200のリソースを管理する、及び、1つ以上の仮想環境をホストするための命令を含む。
【0039】
プロセッサ1210及びメモリ1230の各々は、相互に及びコンピューティングシステム1200に含まれる任意の他のハードウェア構成要素と通信するためのインターフェースユニットを含む。インターフェースユニットは、メモリ要求及びメモリ応答に対処するためのキューと、特定の通信プロトコルに基づいて互いに通信するための制御回路と、を含む。通信プロトコルは、供給電圧レベル、動作供給電圧及び動作クロック周波数を判定する電力性能状態、データレート、1つ以上のバーストモード等の様々なパラメータを判定する。
【0040】
上述した実施形態のうち1つ以上がソフトウェアを含むことに留意されたい。そのような実施形態では、方法及び/又は機構を実施するプログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体上に伝達又は記憶される。プログラム命令を記憶するように構成されている多数のタイプの媒体が利用可能であり、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ、プログラマブルROM(Programmable ROM、PROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、及び、様々な他の形態の揮発性又は不揮発性記憶装置が挙げられる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体は、命令及び/又はデータをコンピュータに提供するために、使用中にコンピュータによってアクセス可能な任意の記憶媒体を含む。例えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体としては、磁気又は光学媒体(例えば、ディスク(固定又は取り外し可能)、テープ、CD-ROM、DVD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、又は、Blu-Ray(登録商標)等の記憶媒体)が挙げられる。記憶媒体としては、RAM(例えば、同期ダイナミックRAM(synchronous dynamic RAM、SDRAM)、ダブルデータレート(double data rate、DDR、DDR2、DDR3等)SDRAM、低電力DDR(low-power DDR、LPDDR2等)SDRAM、ラムバスDRAM(Rambus DRAM、RDRAM)、スタティックRAM(static RAM、SRAM)等)、ROM、フラッシュメモリ等の揮発性又は不揮発性メモリ媒体、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース等の周辺インターフェースを介してアクセス可能な不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等が更に挙げられる。記憶媒体としては、微小電気機械システム(microelectromechanical system、MEMS)、並びに、ネットワーク及び/又はワイヤレスリンク等の通信媒体を介してアクセス可能な記憶媒体が挙げられる。
【0041】
追加的に、様々な実施形態では、プログラム命令は、C等の高レベルプログラミング言語、又は、Verilog(登録商標)、VHDL等の設計言語(design language、HDL)、又は、GDS IIストリームフォーマット(GDSII)等のデータベースフォーマットでのハードウェア機能の動作レベル記述又はレジスタ転送レベル(register-transfer level、RTL)記述を含む。場合によっては、記述は、合成ライブラリからゲートのリストを含むネットリストを生成するために記述を合成する合成ツールによって読み出される。ネットリストは、システムを含むハードウェアの機能も表すゲートのセットを含む。次いで、ネットリストは、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成するために、配置及びルーティングされ得る。次いで、マスクは、システムに対応する半導体回路又は回路を生成するために、様々な半導体製作ステップで使用され得る。代替的に、コンピュータアクセス可能記憶媒体上の命令は、所望に応じて、ネットリスト(合成ライブラリを有する若しくは有しない)又はデータセットである。追加的に、命令は、Cadence(登録商標)、EVE(登録商標)及びMentor Graphics(登録商標)等のベンダからのハードウェアベースのタイプのエミュレータによるエミュレーションのために利用される。
【0042】
上記の実施形態はかなり詳細に説明されているが、上記の開示が十分に理解されると、多数の変形及び修正が当業者には明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形及び修正を包含すると解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】