(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】湾曲ウエハ用のエンドエフェクタパッド設計
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241003BHJP
B25J 15/06 20060101ALI20241003BHJP
B25J 15/08 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 B
B25J15/06 N
B25J15/08 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520850
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022045712
(87)【国際公開番号】W WO2023059668
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン・メリンダ・ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ブリッチャー・エリック・ブラムウェル
(72)【発明者】
【氏名】ディトモア・チャールズ・エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】マック・ライアン・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン・グレゴリー・アラン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707DS01
3C707ES17
3C707FS01
3C707FT03
3C707FT04
3C707FT11
3C707FT16
3C707NS13
5F131AA02
5F131CA07
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB22
5F131DB25
(57)【要約】
【解決手段】ウエハハンドリングロボットのエンドエフェクタに基板を固定するために使用され得るエンドエフェクタパッドが提供される。エンドエフェクタは、複数のエンドエフェクタパッドを有してよい。各エンドエフェクタパッドは、パッドの周辺リングをわずかに傾かせ、湾曲した基板の底面に対してリングを封止させる薄いダイヤフラムを有してもよい。真空を用いて、各エンドエフェクタパッド上のハードストップに対して基板を引き下げ、基板をより確実に保持してもよい。ハードストップを用いて、エンドエフェクタに対する基板の底面のZ位置を一貫して決めてもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、
長手軸に沿って延びる中心部分と、
前記中心部分の周囲に延び、かつ前記中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、
前記リングと前記中心部分とを接続するダイヤフラムと、
1つまたは複数のハードストップ構造と、を含み、
前記中心部分から最も遠く、前記長手軸に沿って前記ダイヤフラムからオフセットされた前記リングの表面が、前記長手軸に垂直な第1の基準平面を定め、
前記中心部分から最も遠い前記1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記ダイヤフラムと前記第1の基準平面との間にあり、
前記中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びている、エンドエフェクタパッド。
【請求項2】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分と、前記リングと、前記ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項3】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延びている、エンドエフェクタパッド。
【請求項4】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項5】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.005インチから0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項6】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項7】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域ごとに、
前記第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面が、前記長手軸に垂直な第3の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記第3の基準平面と前記第2の基準平面との間にある、エンドエフェクタパッド。
【請求項8】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記各リブ領域の少なくとも一部が、前記長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項9】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが4つのリブ領域を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項10】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングと前記第1の基準平面との交差点が、前記リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項11】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に垂直な方向に、前記中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項12】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分と同じ直径を有するリング状構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項13】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項14】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントを含む、エンドエフェクタパッド。
【請求項15】
請求項14に記載のエンドエフェクタパッドであって、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延び、
前記アーチ壁セグメントがそれぞれ、前記リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項16】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項17】
請求項16に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項18】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項19】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られている、エンドエフェクタパッド。
【請求項20】
請求項19に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックである、エンドエフェクタパッド。
【請求項21】
請求項20に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項22】
請求項20に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項23】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.20インチから1.50インチ(5.08mmから38.1mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項24】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.40インチから0.80インチ(10.16mmから20.32mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項25】
ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットであって、請求項1~15または18~24のいずれか1項に記載の前記エンドエフェクタパッドを少なくとも3つ含む、キット。
【請求項26】
請求項25に記載のキットであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、キット。
【請求項27】
請求項26に記載のキットであって、前記六角形の断面形状を有する前記通路の前記一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
PCT出願願書が、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT出願願書で特定され、本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体をあらゆる目的で本明細書に組み込むものとする。
【0002】
半導体ウエハ処理ツールにおいては、エンドエフェクタを有するウエハハンドリングロボットが、ツール内の異なる位置間(処理ステーション間、フロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)間、アライナ間、ロードロック間等)で基板を移送するために使用され得る。いくつかのタイプのエンドエフェクタでは、基板がウエハハンドリングロボットによって扱われるとき、エンドエフェクタ上に位置するエンドエフェクタパッド上に基板が載る。エンドエフェクタパッドは、真空と摩擦力を用いて基板をウエハハンドリングロボットに固定するために使用され得る。基板がウエハハンドリングロボットに適切に固定されていないと、移送される際に基板が滑る場合がある。基板が滑ることにより、基板の破損、基板の衝突、処理ステーションでの基板のずれ、およびその他のツールエラー等の様々なリスクが生まれ得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実装形態では、基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、長手軸に沿って延びる中心部分と、中心部分の周囲に延び、かつ中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、リングと中心部分とを接続するダイヤフラムと、1つまたは複数のハードストップ構造と、を含むエンドエフェクタパッドが提供されてもよい。中心部分から最も遠く、長手軸に沿ってダイヤフラムからオフセットされたリングの表面が、長手軸に垂直な第1の基準平面を定めてもよく、中心部分から最も遠い1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定めてもよい。第2の基準平面がダイヤフラムと第1の基準平面との間にあってもよく、中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びていてもよい。
【0004】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、中心部分と、リングと、ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成してもよい。
【0005】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含んでもよく、リブ領域では、ダイヤフラムの厚さが、リブ領域の間にあるダイヤフラムの領域よりも厚く、リブ領域がそれぞれ、中心部分からリングまで延びている。
【0006】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リブ領域の間にあるダイヤフラムの領域が、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有してもよい。
【0007】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リブ領域の間にあるダイヤフラムの領域が、0.005インチから0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有してもよい。
【0008】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リブ領域の間にあるダイヤフラムの領域が、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有してもよい。
【0009】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、各リブ領域が、長手軸に垂直な第3の基準平面を定める、第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面を有してもよい。第2の基準平面が第3の基準平面と第2の基準平面との間にあってもよい。
【0010】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、各リブ領域の少なくとも一部が、長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有してもよい。
【0011】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、ダイヤフラムが4つのリブ領域を有してもよい。
【0012】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リングと第1の基準平面との交差点が、リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成してもよい。
【0013】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、1つまたは複数のハードストップ表面が、長手軸に垂直な方向に、中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有してもよい。
【0014】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、1つまたは複数のハードストップ構造が、中心部分と同じ直径を有するリング状構造であってもよい。
【0015】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造であってもよい。
【0016】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、1つまたは複数のハードストップ構造が、中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントであってもよい。
【0017】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含んでもよく、リブ領域では、ダイヤフラムの厚さが、リブ領域の間にあるダイヤフラムの領域よりも厚い。リブ領域がそれぞれ、中心部分からリングまで延びてもよく、アーチ壁セグメントがそれぞれ、リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされていてもよい。
【0018】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有してもよい。
【0019】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有してもよい。
【0020】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされていてもよい。
【0021】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られていてもよい。
【0022】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックであってもよい。
【0023】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)であってもよい。
【0024】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。
【0025】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リングが0.20インチから1.50インチ(5.08mmから38.1mm)の間の直径を有してもよい。
【0026】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、リングが0.40インチから0.80インチ(10.16mmから20.32mm)の間の直径を有してもよい。
【0027】
いくつかの実装形態では、ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットが提供されてもよい。キットは、上記のようなエンドエフェクタパッドを少なくとも3つ有する。
【0028】
キットのいくつかの実実装形態では、各エンドエフェクタパッドの通路の少なくとも一部が、六角形の断面形状を有してもよい。
【0029】
キットのいくつかの実装形態では、キットがさらに、六角形の断面形状を有する通路の一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1-1】
図1-1は、例示的なエンドエフェクタパッドを有する例示的なエンドエフェクタを示す。
【
図1-2】
図1-2は、例示的なエンドエフェクタパッドを有する例示的なエンドエフェクタを示す。
【0031】
【
図2】
図2は、例示的なエンドエフェクタパッドの上面図である。
【0032】
【
図3】
図3は、別の例示的なエンドエフェクタパッドの斜視図である。
【0033】
【
図4-1】
図4-1は、例示的なエンドエフェクタパッドの断面図である。
【
図4-2】
図4-2は、例示的なエンドエフェクタパッドの断面図である。
【0034】
【
図5】
図5は、別の例示的なエンドエフェクタパッドの上面図である。
【0035】
【
図6】
図6は、3つの例示的なエンドエフェクタパッドと例示的な六角レンチとを有するキットを示す。
【0036】
【
図7】
図7は、例示的なエンドエフェクタの上にある例示的なエンドエフェクタパッドの断面図である。
【0037】
【
図8-1】
図8-1は、真空を引く前のエンドエフェクタの上にある例示的な湾曲した基板を示す。
【
図8-2】
図8-2は、真空を引いた後のエンドエフェクタの上にある例示的な湾曲した基板を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明では、提示された各実施形態を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が記載されている。本明細書に開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全てが欠けていても実践し得る。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス操作を詳細には説明していない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図していないと理解されるであろう。
【0039】
半導体ウエハ処理中に、基板(例えば、半導体ウエハ)が、ウエハハンドリングロボットによって半導体処理ツール内で移送される。ウエハハンドリングロボットは、基板を保持するために使用されるエンドエフェクタを有し得る。いくつかのエンドエフェクタでは、ウエハの下面に接触し、摩擦によってウエハを定位置に保持するエンドエフェクタパッドを使用する。このようなエンドエフェクタパッドによって支持された基板をウエハハンドリングロボットによって移動させるとき、基板が加速され、これにより基板がエンドエフェクタに対して滑る場合がある。ウエハハンドリングロボットから基板が滑ることにより、ウエハの落下、ウエハの衝突、ウエハのずれ、およびその他のツールエラー等のいくつかの問題を引き起こす場合がある。
【0040】
いくつかのエンドエフェクタパッドは、真空力によって増幅される摩擦力を用いて基板をウエハハンドリングロボットに固定してもよい。例えば、エンドエフェクタパッドは、基板の下面に真空をかけるように構成されてもよく、これにより重力のみによって加えられるよりも大きな力で基板をエンドエフェクタパッドに対してクランプさせる圧力差を生じさせて、エンドエフェクタパッドと基板との間に生じる摩擦力を増大させる。このような真空アシスト機能を使用するときに、エンドエフェクタパッドが基板の底面との封止部を形成する。封止部が形成されると、真空ポンプを使用してエンドエフェクタパッドを真空に引いてもよい。
【0041】
しかし、特定の半導体プロセスにより、基板が湾曲する(例えば、わずかな曲率が生じる)ことが分かっている。反りの量は基板ごとにばらつきがある可能性があり、新しい半導体製造プロセスほど、基板に見られる反りがより顕著になってきていることが観察されている。例えば、いくつかのプロセスでは、処理された基板に1mm以上の平面度の反りが発生する場合がある。例えば、湾曲した基板を凹側を下にして平坦面に配置すると、平坦面からのウエハの最高点が、基板の公称厚さよりも1mm以上高くなる場合がある。さらに、反りの方向はばらばらである可能性があり、例えば、いくつかの基板は上に凹状の、その他の基板は下に凹状の反りを有するため、向きによって傾斜の方向が逆になる可能性がある(または、いくつかの処理操作の間にウエハがひっくり返され、反りの方向が逆になり得る)。湾曲した基板の傾斜した下面により、以下が引き起こされる可能性がある:i)典型的には平面に均等に接触するように並べられるエフェクタパッドが、エンドエフェクタの移動中にウエハを定位置に保持するように作用する所望の摩擦力を発生させるのに十分な表面積で下面に接触しない、ii)真空アシストされたエンドエフェクタパッドが、かけられた真空により真空クランプ力を生じさせるほどの封止部を形成できない。
【0042】
いくつかの既存のエラストマー製エンドエフェクタパッドは、湾曲したウエハの下面における微量の傾斜に沿うことができるが、吸引カップまたは類似のデバイスでの使用に適した、より柔らかく、より柔軟性のあるエラストマー材料で作られたエンドエフェクタパッドは、基板と材料不適合になることがあり、通常、高温に対する耐性が低く(例えば、本明細書に記載のエンドエフェクタパッドは、250℃以上の温度での使用に適しているが、一方、そのような温度に耐えることができる厳選された数少ないエラストマー材料は、そのような条件下で粘つきまたはべたつきが生じ、ウエハをパッドから取り外すことが困難になる可能性がある)、低い弾性係数により基板の位置決めの精度を低下させる(例えば、それによって支持されるウエハの垂直方向の位置決めのばらつきを大きくする)コンプライアンス要素が場合によっては導入される可能性があり、これにより、ウエハハンドリングシステムにおいて利用可能である必要がある許容誤差およびクリアランスゾーンを考慮すると、問題となる可能性がある。本開示の実施形態は、エラストマー製エンドエフェクタパッドに対する優れた解決策を説明する。いくつかの実施形態によれば、比較的高い引張係数(例えば、0.8GPa以上)および比較的高い曲げ弾性係数(例えば、0.9GPa以上)を有する単一の材料片から、例えば単一の連続構造として作られたエンドエフェクタパッドが開示されている。エンドエフェクタパッドは、湾曲した基板の下面の傾斜に沿うようにわずかに曲がることで湾曲した基板の下面に完全に接触する能力を除いて通常は剛性を有し、エンドエフェクタに対して空間内でウエハを予測可能に位置させ、ウエハに付着または粘着するリスクがなく、高温ウエハと相互作用するときにパッドが受け得る上昇温度に耐えることが可能な剛性構造を提供する。
【0043】
図1-1および
図1-2は、本開示のいくつかの実施形態による、エンドエフェクタ104上のエンドエフェクタパッド102の例の2つの図である。
図1-1は、エンドエフェクタ104上の3つのエンドエフェクタパッド102の上面を、エンドエフェクタ104上の例示的な基板106の輪郭とともに示す。
図1-2は、エンドエフェクタ104の側面を、3つのエンドエフェクタパッド102と基板106とともに示す。
図1-2では、中央のエンドエフェクタパッド102が2つの外側のエンドエフェクタパッド102よりも深いが、同じ深さであってもよい。エンドエフェクタパッドを、本明細書において単に「パッド」と称してもよい。各パッドは、中心部分108と、ダイヤフラム112と、リング110とを有する。
【0044】
エンドエフェクタ104は複数のパッド102を有してもよい。図示の例では、3つのパッド102が存在する。エンドエフェクタパッド102それぞれが、基板106をエンドエフェクタ104に固定するために協働してもよい。各パッド102のリング110は、基板がエンドエフェクタ104上に配置されているときに基板106の底面107に接触する。各パッド102が、底面107の局所領域において自らの摩擦力を発生させてもよい。また、各パッド102が真空源と接続されてもよく、これにより各パッド102を介して基板に真空を引くことができ、パッド102に向けて基板が偏るように作用する圧力差を生じさせることができる。パッド102によって基板に与えられる摩擦力により、パッド102への基板の真空クランプと組み合わせることで、エンドエフェクタに対する基板の滑りを引き起こすおそれのある基板106のあらゆる横方向の負荷(例えば、エンドエフェクタを水平面内で高速で移動させるときに発生し得る慣性負荷など)に抵抗するように作用するクランプ力を提供してもよい。
図2は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なエンドエフェクタパッド202の上面図である。
図4-1および
図4-2は、例示的なエンドエフェクタパッド202の2つの断面図を示す。
図4-1はパッド202全体の断面図であり、
図4-2はパッドの一部の拡大断面図である。エンドエフェクタパッド202は、中心部分208と、リング210と、リング210を中心部分208に接続するダイヤフラム212とを有する。中心部分208は、パッド202をエンドエフェクタ(不図示)に取り付ける。中心部分208に接続されているのはダイヤフラム212である。リング210はパッド202の外側にあり、ダイヤフラム212によって中心部分208に接続される。
【0045】
図2、
図4-1、および
図4-2に示すように、中心部分208は、面216と通路214とを有する。面216は面基準平面217を定める。面基準平面217は、中心部分208の長手方向に沿って(例えば、長手軸に沿って)延びる中心軸222に対して実質的に垂直である。
図4-1に示すように、通路214は、中心部分208および中心部分208の面216を通って中心軸222に沿って延びてもよい。いくつかの実施形態では、通路214は単一の通路である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の通路が存在してもよい。
【0046】
図2は、通路214を上面から示す。図示の実施形態では、通路214が、パッド202をエンドエフェクタ(不図示)に対して設置または撤去するためのレンチまたは他のドライバーツール(例えば、ネジ回し)を使用できる断面形状を有してもよい。この実施形態では、通路214が、六角レンチまたはアレンレンチと連動できるように六角形の断面形状を有する。通路断面プロファイルのサイズと形状は、使用されるツールのサイズと種類に応じて変わってもよい。通路の形状の他の例としては、ヘキサロビュラレンチまたはスタードライブレンチで設置するための六角星形状、プラスドライバーで設置するための十字形状または「+」形状、またはマイナスドライバーで設置するための細長い長方形が挙げられる。
【0047】
中心部分208は、面216から延びるか、または面216を提供する1つまたは複数のハードストップ構造226を有してもよい。ハードストップ構造226は、基板がエンドエフェクタに固定されるときに基板のZ位置を定めるために使用されてもよい。基板がパッド202上に配置されているとき、通常、基板はまずリング210に接触する(以下でさらに説明する)。真空ポンプを使用して、通路214を通じて真空圧力を引いてもよい。真空によって、基板がパッド202に対して引き下げられてもよく、これによりダイヤフラム212を曲げ、リング210(および基板)をエンドエフェクタの上面に向かって下方に移動させる。中心部分208の1つまたは複数のハードストップ構造226は、基板が経験し得る下方移動であって、エンドエフェクタに対する基板の底面の高さを定め得る下方移動の量を制限するように作用する。各ハードストップ構造226がハードストップ表面218を有してもよい。図示の例では、1つまたは複数のハードストップ構造が、環状のハードストップ表面218を有する単一の環状壁によって提供される。ハードストップ表面218は、基板がパッド202に対して引き下げられたときに基板と接触し、基板の垂直移動を制限する表面である。1つまたは複数のハードストップ構造226のハードストップ表面218が、
図4-2に示すように、ハードストップ基準平面219を定める。ハードストップ基準平面219は、本明細書において第2の基準平面とも呼んでよく、中心軸222に実質的に垂直であり、中心軸222に沿って中心部分208の面基準平面217から定められた距離だけ離れている。ハードストップ基準平面219と中心部分208の面基準平面217との間に定められた距離を有することにより、エンドエフェクタパッド202上に配置された基板が常に、エンドエフェクタの上面から離れた既知の距離となる。いくつかの実施形態では、ハードストップ基準平面219が、面基準平面217と同一平面にあってもよい。しかし、いくつかの代替実施形態では、ハードストップ基準平面219が、パッドが基板を支持するために使用されるときに基板に接触するリングの表面によって定められるリング基準平面236(
図4-2に示す)により近くてもよく、リング基準平面を本明細書において第1の基準平面とも呼んでよい。パッドとその上に配置された基板との間の領域に対して真空をかけることが、基板をハードストップ構造226まで、ひいてはエンドエフェクタの上方の反復可能な高さまで下方に引き下げるように作用してもよい。ウエハハンドリングロボットが小さな高さクリアランス(例えば、10mm未満)を有する位置に基板を移送する際、エンドエフェクタの上方の所定の高さで一貫して基板を固定する能力により、そのような高さクリアランス範囲をより多く使用して、ウエハハンドリングシステムの他の態様における潜在的な変動(ウエハの反り、エンドエフェクタの配置精度、組立公差等)に対応することができる。特に、ほとんどの基板ハンドリングシステムは、平面基板を想定したクリアランス包絡線および許容誤差で設計されているため、このようなシステムにおける湾曲した基板の存在は、いくつかのケースでは、湾曲した基板が、反りが原因で平面基板よりも2倍の「厚さ」になる場合があり、特有の課題をもたらす場合がある。例えば、そのような基板の外縁は、反りが原因で上方または下方にいくらか変位する場合があり、一方で基板の中心は反対方向にいくらか変位する場合がある。湾曲したウエハの中心および湾曲した基板の縁における最大または最小高度の差が、基板の平面厚さよりもはるかに厚い基板の「厚さ」を表してもよい(例えば、典型的な半導体ウエハは約0.750mmの厚さであってもよく、湾曲した基板は、基板の平面厚さよりも大きい量だけ湾曲していてもよい)。この付加的な厚さにより、基板ハンドリングシステムに設計されている利用可能なクリアランスを減少させ、それによりシステムに対して利用可能な動作マージンを減少させる場合がある。ハードストップ構造を使用することにより、本開示のいくつかの実施形態におけるエンドエフェクタパッドが、それによって支持される基板に対して存在し得る垂直配置の不確実性の量を低減または最小限に抑えることができ、したがって基板の湾曲により失われる動作マージンの少なくとも一部を潜在的に相殺する。
【0048】
図2、
図4-1、および
図4-2に示すように、いくつかの実施形態では、中心部分208が、単一のハードストップ構造226を有してもよい。例えば、ハードストップ構造は、単に中心軸222の周りのリング状のハードストップ構造226であってもよい。別の例では、単一のハードストップ構造226が、中心部分208の頂部領域であってもよく、ハードストップ表面218を中心部分208の面216としてもよい(例えば、中心部分208が、ダイヤフラム212を越えて延びてもよい)。
【0049】
他の実装形態では、
図3に示すように、通路314を取り囲むように円形配列で並べられたアーチ壁セグメントの形である複数のハードストップ構造326を設けてもよい。そのような実装形態では、チャネル346をそのような各ハードストップ構造326間に設けてハードストップ構造326間に流体が流れるようにし、エンドエフェクタパッドの表面領域全体にわたって確実に真空を引くことができるようにしてもよい。基板は、パッドに真空クランプされたときに、ダイヤフラム312の屈曲とリング310の下方変位により、円弧状のハードストップ表面318と接触してもよい。いくつかの実装形態では、通路314の断面形状の角が、そのような位置における応力集中を低減し、設置中にパッドが損傷するリスクを低減し、製造を容易にするために設けられてもよい円形またはアーチ状の切り欠き345を有してもよく、そのようなフィーチャを、本明細書において論じられるいずれの実装形態においても使用してよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、2つ以上のハードストップ構造226が存在してもよい。
図3に示す実施形態では、4つのチャンネル346を有する4つのハードストップ構造326が存在する。いくつかの実装形態では、各ハードストップ構造326の各ハードストップ表面318が、パッドと基板との接触を最小限にするために、リング310の直径に対して薄くなっていてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、ハードストップ表面318の半径方向幅が、中心部分の最大直径の5%未満であってもよい。このような半径方向幅を、上述した他の実装形態において示したハードストップ構造にも使用してよい。
【0051】
図4-1および
図4-2に戻ると、(
図4-2の線219と同一平面である)ハードストップ表面218の(
図4-1および
図4-2の向きに対する)高度は、リング210の(
図4-2の線236と同一平面である)リング接触表面234の高度と、(
図4-2の線217と同一表面である)ダイヤフラム212の上面の高度との間である。これにより、リング210が基板に最初に接触することができ、パッド202が基板とパッドとの間を真空に引くことができる。いくつかの実施形態では、ハードストップ表面218がダイヤフラム212の最も高い表面の上方にある。これにより、ダイヤフラム212と基板とのあらゆる接触が防止され、基板とダイヤフラムとの接触による粒子生成が低減される。
【0052】
ダイヤフラム212の可撓性により、リング210は、中心軸222に垂直な軸を中心に、かつ中心部分208に対して、わずかに旋回することができる。いくつかの実施形態では、ダイヤフラム212は、リブ領域230と、リブ領域230の間のウェブ232とを有してもよい。リブ領域230はウェブ232よりも堅く、大まかに言えば、基板の真空クランプ中に真空に供されたときにリングが半径方向内側に倒れるのを防ぐ半径方向補強材として働く。ウェブ232は、リブ領域230よりも柔軟性があり、ダイヤフラム212に十分に可撓性を持たせることができるため、ダイヤフラム212は、湾曲した基板の下面に沿うようにリングをわずかに傾けるように屈曲できる。
【0053】
ダイヤフラム212は、いくつかの実施形態に従って3つ以上のリブ領域230を有してもよい。
図2に上面視で示すように、パッド202は4つのリブ領域230を有する。通常、リブ領域230は、中心軸222に垂直な表面積が、ウェブ232よりも小さい。例えば、リブ領域230は、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有してもよい。ウェブ232は、材料に応じて、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、ウェブ232は、0.005から0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有してもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、ウェブは、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有してもよい。一方でリブ領域230は、0.008インチから0.015インチ(0.2032mmから0.381mm)の間の厚さを有してもよい。本明細書において数値範囲に言及する際に使用される「間」という用語は、2つの指示値の間の任意の値、またはこれら2つの値のいずれかに等しい任意の値を指すことが理解されるであろう(この範囲は、範囲の端点を除外しない)。中心部分208の中心軸222に沿ってリング接触表面234に通常最も近いリブ領域230の表面が、(
図4-2に示すように)リブ基準平面231を定める。いくつかの実施形態では、ハードストップ基準平面219が、リブ基準平面231とリング接触表面234との間にあってもよい。リブ基準平面231をハードストップ基準平面219よりもリング接触表面234から遠くすることにより、パッド202と基板との間の潜在的な接触面積を、1つまたは複数のハードストップ表面218とリング接触表面234のみを含むように減少させることによって、基板とダイヤフラム212との接触を回避する。エンドエフェクタパッド202の材料は比較的剛性があるため、ダイヤフラムは十分な厚みと堅さを有し、真空負荷がかかったときに曲がって基板と接触するのを回避する。
【0054】
前述したように、リング210は中心部分208の周囲に延び、ダイヤフラム212によって中心部分に接続されている。また、述べたように、リング210はリング接触表面234を有する。リング接触表面234はリング基準平面236を定める。パッド202に外部の力(例えば、基板の重量)が作用していないとき、リング基準平面236は、ハードストップ基準平面219よりも、中心部分208の中心軸222に沿って中心部分208から遠い。リング210は、0.20インチから1.50インチ(0.508mmから38.1mm)の間の直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、リング210の直径は0.4インチから0.8インチ(10.16mmから20.32mm)の間であってよい。この直径のリング210により、増大したクランプ力と、パッドと基板との間の減少した接触面積とのバランスが良くなる。
図2に上面視で示すように、リング接触表面234の半径方向の厚さまたは幅は、リング210の直径に対して薄い。いくつかの実施形態では、リング接触表面234の半径方向の厚さが、リング210の外径の5%未満である。例えば、直径が0.6インチ(15.24mm)のリングでは、リング接触表面234の半径方向の厚さが0.03インチ未満であってもよい。いくつかの実施形態では、半径方向の厚さが0.003から0.010インチ(0.254mm)の間であってもよい。リング接触表面234は、パッド202と基板との間の接触面積を減少または最小化するために、意図的に小さく(例えば、0.015平方インチ(9.6774mm
2)未満に)保たれてもよい。パッド202と基板間の接触が最小化または低減されることにより、真空クランプが解除された後にパッドが基板に不用意に付着するのを防ぐことを助け、パッドと基板との接触によって潜在的に生成され得る粒子の数が減少する。
【0055】
通常、リング基準平面236は中心軸222に垂直であってもよく、例えば、リング接触表面234はエンドエフェクタの表面に平行であってもよい。基板がパッド202上に配置されているときに、基板がリング接触表面234に接触してもよい。湾曲した基板がパッド202上に配置されているとき、基板の曲率/傾斜により、基板はたいてい、(基板の中心軸に対して)リング210の縁の最も外側の部分または最も内側の部分のいずれかに最初に接触する(基板の凸側がパッドに背を向けている場合、基板は最初に、基板中心軸から最も遠いパッドの部分に接触する可能性が高く、一方、基板の凹側がパッドに背を向けている場合、基板は最初に、基板中心軸から最も近いパッドの部分に接触する可能性が高い)。基板の重量がリング210に力を及ぼしてもよく、この力がダイヤフラム212においてトルクを発生させ、ダイヤフラムをその薄さによりわずかに曲げ、リングの残りの部分を傾かせて、基板の底面により近接した位置に接触または移動できるようにする。リング210は、このように重力にアシストされて傾いた後、実際には基板に完全に接触していなくてもよいものの、十分に近くてもよく、パッドと基板との間に存在し得るあらゆるギャップを通じたフローコンダクタンスが十分に低いため、真空アシストがパッドと基板との間の真空を維持することがまだ可能であり、次に、基板がパッドに向かってさらに引かれ、リング接触表面234をウエハに完全に接触させる。真空アシストはこのようにして基板をさらに引き下げて、リング基準平面236が中心部分208のより近くに移動するようにする。いくつかのケースでは、リング基準平面236は、真空アシストが基板にかけられた後、ハードストップ基準平面219と名目上同一平面になってもよい。
【0056】
パッド202は、最高で250℃の温度を超え得る処理チャンバにおいて使用されてもよい。高温(例えば、250℃)に耐えることができ、基板が位置する場所に関する寸法的な確実性を提供する剛性材料等の材料が望ましい。少なくとも0.8GPaの弾性係数(例えば、0.8GPaから1.65GPaの間の係数)を有する材料は、正確かつ予測可能なウエハ配置を可能とするのに十分な剛性を提供し得る一方で、ダイヤフラムとリングが、湾曲した基板の傾斜した下面に沿うようにシフト可能とするのに十分な可撓性も提供する。上記の係数範囲内の剛性材料を使用することにより、パッド202は、エンドエフェクタに対する基板の垂直配置に関して寸法的な確実性を提供するように設計された堅い中心部分208と、真空負荷下でのパッドのパッカリングまたはクランプリングを回避するために半径方向に十分に堅いまま、リング210の可撓性を基板の反りに適応させることができる、薄いウェブ232とを有することができる。さらに、このような材料は、高温プロセスに対してより耐久可能であってもよい。いくつかの実施形態では、剛性材料が硬質プラスチックであってもよい。いくつかの実施形態では、このようなプラスチックが導電性プラスチック(例えば、導電性の静電放電評価済プラスチック)であってもよい。好ましい実施形態では、材料が炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチックであってもよい。別の実施形態では、材料がポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維から作られていてもよい。
【0057】
図5は、エンドエフェクタパッド502の別の例である。エンドエフェクタパッド502は、中心部分508、ダイヤフラム512、およびリング510を有する。中心部分508は、通路514、面516、および複数のハードストップ構造526を有する。この実施形態では、通路514が、プラスドライバーと連動できるように十字型の断面を有している。6つのハードストップ構造526と6つのチャンネル546が存在する。各ハードストップ表面518は、中心部分508の最大半径方向寸法の5%未満である半径方向幅を有する。前述したように、チャンネル546は、基板が6つのハードストップ構造526のそれぞれのハードストップ表面518上に載置されているときに、基板を引くためにダイヤフラム512の全体領域にわたって均一に真空がかけられるようにする流体流路を提供する。ダイヤフラム512はリブ領域530およびウェブ532を有する。図示の実施形態では、ダイヤフラム512が、ウェブ532およびリング510のゆがみまたはクランプリングを低減する助けとなり得る3つのリブ領域530を有する。
【0058】
図6に示すのはキット650である。キット650は3つのエンドエフェクタパッド602を有するが、キットの他の実装形態では3つ以上のエンドエフェクタパッド602を有してもよい。キット650のいくつかの実施形態では、3つのエンドエフェクタパッド602のそれぞれが、六角形の通路614を有してもよい。エンドエフェクタパッド602が六角形の通路614を有するいくつかの実施形態では、キット650が、六角形の通路614にぴったりと嵌まるように構成された六角レンチ648も有して、パッド602をエンドエフェクタに設けられたねじ穴内に設置できるようにしてもよい。
【0059】
前述したように、真空アシスト機能を使用して、各エンドエフェクタパッドと基板との間に閉じ込められた体積部分に真空を引いてもよい。
図7は、例示的なエンドエフェクタ704における例示的なエンドエフェクタパッド202の断面を示す。パッド202は、中心部分208のねじ切りされた外面を介してエンドエフェクタ704の上面705に取り付けられる。ねじ切りされた外面228(
図4-1参照)を使用して、パッド202をエンドエフェクタ704内に固定してもよい。
図7の例では、エンドエフェクタ704の上面705が、ねじ切りされた外面228がねじ込まれるねじ穴を有する隆起ボス746を有する。
図7に示すように、エンドエフェクタ704は、パッド202内の通路214に接続する真空通路744を有してもよい。基板がパッド202上に配置されているときに、真空通路744および通路714を介して基板の下面に真空が引かれてもよい。ポンプ(不図示)は、真空通路744を介して通路214に接続されてもよく、基板がエンドエフェクタパッド202上に配置されているときに真空を引くために使用されてもよい。
【0060】
前述したように、基板がエンドエフェクタ上に配置されているときに、エンドエフェクタパッドを使用して基板をエンドエフェクタ804に固定してもよい。
図8-1および
図8-2に示すのは、3つのエンドエフェクタパッド802(左エンドエフェクタパッド802A、中央エンドエフェクタパッド802B、および右エンドエフェクタパッド802C)によってエンドエフェクタ804に固定されている、湾曲した基板806の例である。
図8-1は、真空がかけられる前、初期に3つのエンドエフェクタパッド802のそれぞれに接触している湾曲した基板806を示す。
図8-2は、真空がかけられた後の基板806およびエンドエフェクタパッド802を示す。
図8-1および
図8-2は縮尺通りに図示されていない。
【0061】
図8-1において、各パッド802のリング810のリング接触表面834が、基板806の底面807に接触する。図示の例では、基板806は、上に凹な反りを有する。基板806の反りにより、左エンドエフェクタパッド802Aおよび右エンドエフェクタパッド802Cのリング接触表面834の一部のみが、初期に基板の底面807と接触する。左エンドエフェクタパッド802Aおよび右エンドエフェクタパッド802Cのそれぞれにおいて、リング接触表面834の内側部分が、初期に基板の底面807と接触している。中央エンドエフェクタパッド802Bのリング接触表面834は、基板806の底面807に完全に接触している。
【0062】
基板の重量が、リング810をエンドエフェクタ804に向けて押し下げてもよい(
図8-1に示すように、パッドが、その最も内側の縁部分に載置している基板の重さにより、わずかに内側に傾いている)。前述したように、基板の力によってダイヤフラムが曲がり、左パッド802Aおよび右パッド802Cのリング接触表面834を基板806の底面807上の局所的な傾斜に沿うように曲げる。いくつかの例では、基板806の重量によりダイヤフラムを十分に曲げ、各リング接触表面834が基板の底面807に封止部を形成できるようにしてもよい。別の例では、上記の力によってダイヤフラムをわずかに曲げ、リング接触表面834のかなりの部分を基板806の底面807に接触させてもよい。この例では、リング接触表面834の残りの部分が、基板806の底面807に近接した位置に移ってもよい。各パッド802の通路を通じて真空がかけられてもよい。リング接触表面834の一部が基板806と完全には接触していないパッド802においては、真空からの流れ抵抗によって圧力差が生じる場合がある。十分に高い圧力差が生じると、真空は基板をパッド802上に引き込むことができ、各パッドのリング接触表面834と基板806の底面807との間に封止部を形成する。
【0063】
図8-2に示すのは、十分な真空がかけられたときにパッド802それぞれと接触している基板806である。真空からの追加の力が、基板806を、各パッド802のリング810からエンドエフェクタ804に向けて、各パッド802上にさらに押し下げる。この追加の力によってダイヤフラムを曲げ、パッド802のリング810がそれぞれの対応する局所領域において基板の傾斜と一致するように傾くようにしてもよい。これにより、リング接触表面834がそれぞれ、基板806の底面807との封止部を形成することができる。
図8-2から分かるように、真空クランプ力をかけることによって、基板の傾斜に合うようにパッドがわずかに傾いている。
【0064】
いくつかの実装形態では、コントローラが、本明細書で論じられたエンドエフェクタパッド802を組み込んだシステムにおいて使用されてもよい。
図8-1および
図8-2は、1つまたは複数のプロセッサ840およびメモリ842を有する例示的なコントローラ838の概略図を示し、プロセッサ840およびメモリ842は、1つまたは複数のパッド802が基板806に対して真空引きできるように真空ポンプ837の動作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。コントローラ838は、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された真空ポンプの制御等のいずれかのプロセスや、本明細書で論じられていない他のプロセスまたはパラメータ(処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および操作設定、チャンバならびに特定のシステムに接続またはインターフェース接続する他の移送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出等)を制御するようにプログラムされていてもよい。
【0065】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング操作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定めるものであってよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハの型の製造の際の1つまたは複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってもよい。
【0066】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムに統合されているか、結合されているか、そうでなければシステムにネットワーク接続されているか、それらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか、コンピュータに結合されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、製造操作の現在の進行を監視し、過去の製造操作の履歴を検証し、複数の製造操作からトレンドまたはパフォーマンスメトリクスを検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始し得る。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワークやインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次にリモートコンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理ステップのパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めることなどにより、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、リモート配置(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0067】
限定するものではないものの、本開示による例示的なエンドエフェクタパッドは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの製造および/または生産に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを有する半導体処理ツールに搭載されるか、またはその一部であってよいウエハハンドリングロボットに使用されてもよい。
【0068】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に移送する材料搬送に使用されるツールの1つまたは複数と通信してもよい。
【0069】
本明細書で使用される場合、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>について」、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>」等の表現は、単一のアイテム群と複数のアイテム群の両方を包含するものであり、すなわち、「……それぞれについて」という表現は、言及されたアイテムの集団が何であれ、各アイテムに言及するためにプログラミング言語において使用される意味で使用されると理解するべきである。例えば、言及されたアイテムの集団が単一のアイテムであると、「各/それぞれ」はその単一のアイテムのみを指し(「各/それぞれ」の辞書的な定義では、「各/それぞれ」は「2つ以上のものの1つ1つ」を指す用語であると定義されていることが多いにもかかわらず)、そのアイテムが少なくとも2つ存在しなければならないという意味にはならない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体、必ずしも複数のアイテムを包含するものと見なされるべきではない―セットまたはサブセットは、1つの部材のみ、または複数の部材を(文脈において別の示唆がなければ)含有できると理解されるだろう。
【0070】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の請求項の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のシステムおよび装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、
長手軸に沿って延びる中心部分と、
前記中心部分の周囲に延び、かつ前記中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、
前記リングと前記中心部分とを接続するダイヤフラムと、
1つまたは複数のハードストップ構造と、を含み、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、
前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延びており、
前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、
前記中心部分から最も遠く、前記長手軸に沿って前記ダイヤフラムからオフセットされた前記リングの表面が、前記長手軸に垂直な第1の基準平面を定め、
前記中心部分から最も遠い前記1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記ダイヤフラムと前記第1の基準平面との間にあり、
前記中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びている、エンドエフェクタパッド。
【請求項2】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分と、前記リングと、前記ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項3】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項4】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.005インチから0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項5】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項6】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域ごとに、
前記第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面が、前記長手軸に垂直な第3の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記第3の基準平面と前記
第1の基準平面との間にある、エンドエフェクタパッド。
【請求項7】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記各リブ領域の少なくとも一部が、前記長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項8】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが4つのリブ領域を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項9】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングと前記第1の基準平面との交差点が、前記リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項10】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に垂直な方向に、前記中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項11】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分と同じ直径を有するリング状構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項12】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項13】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントを含む、エンドエフェクタパッド。
【請求項14】
請求項13に記載のエンドエフェクタパッドであって、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延び、
前記アーチ壁セグメントがそれぞれ、前記リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項15】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項16】
請求項15に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項17】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項18】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られている、エンドエフェクタパッド。
【請求項19】
請求項18に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックである、エンドエフェクタパッド。
【請求項20】
請求項19に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項21】
請求項19に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項22】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.20インチから1.50インチ(5.08mmから38.1mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項23】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.40インチから0.80インチ(10.16mmから20.32mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項24】
ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットであって、請求項1~14または17~23のいずれか1項に記載の前記エンドエフェクタパッドを少なくとも3つ含む、キット。
【請求項25】
請求項24に記載のキットであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、キット。
【請求項26】
請求項25に記載のキットであって、前記六角形の断面形状を有する前記通路の前記一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含む、キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、各リブ領域が、長手軸に垂直な第3の基準平面を定める、第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面を有してもよい。第2の基準平面が第3の基準平面と第1の基準平面との間にあってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の請求項の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のシステムおよび装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、
長手軸に沿って延びる中心部分と、
前記中心部分の周囲に延び、かつ前記中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、
前記リングと前記中心部分とを接続するダイヤフラムと、
1つまたは複数のハードストップ構造と、を含み、
前記中心部分から最も遠く、前記長手軸に沿って前記ダイヤフラムからオフセットされた前記リングの表面が、前記長手軸に垂直な第1の基準平面を定め、
前記中心部分から最も遠い前記1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記ダイヤフラムと前記第1の基準平面との間にあり、
前記中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びている、エンドエフェクタパッド。
適用例2:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分と、前記リングと、前記ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成する、エンドエフェクタパッド。
適用例3:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延びている、エンドエフェクタパッド。
適用例4:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例5:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.005インチから0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例6:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例7:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域ごとに、
前記第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面が、前記長手軸に垂直な第3の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記第3の基準平面と前記第2の基準平面との間にある、エンドエフェクタパッド。
適用例8:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記各リブ領域の少なくとも一部が、前記長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例9:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが4つのリブ領域を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例10:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングと前記第1の基準平面との交差点が、前記リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成する、エンドエフェクタパッド。
適用例11:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に垂直な方向に、前記中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例12:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分と同じ直径を有するリング状構造である、エンドエフェクタパッド。
適用例13:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造である、エンドエフェクタパッド。
適用例14:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントを含む、エンドエフェクタパッド。
適用例15:
適用例14のエンドエフェクタパッドであって、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延び、
前記アーチ壁セグメントがそれぞれ、前記リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされている、エンドエフェクタパッド。
適用例16:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例17:
適用例16のエンドエフェクタパッドであって、前記六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例18:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされている、エンドエフェクタパッド。
適用例19:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られている、エンドエフェクタパッド。
適用例20:
適用例19のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックである、エンドエフェクタパッド。
適用例21:
適用例20のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、エンドエフェクタパッド。
適用例22:
適用例20のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)である、エンドエフェクタパッド。
適用例23:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.20インチから1.50インチ(5.08mmから38.1mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例24:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.40インチから0.80インチ(10.16mmから20.32mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例25:
ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットであって、適用例1~15または18~24のいずれかの前記エンドエフェクタパッドを少なくとも3つ含む、キット。
適用例26:
請求項25のキットであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、キット。
適用例27:
請求項26のキットであって、前記六角形の断面形状を有する前記通路の前記一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含む、キット。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、
長手軸に沿って延びる中心部分と、
前記中心部分の周囲に延び、かつ前記中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、
前記リングと前記中心部分とを接続するダイヤフラムと、
1つまたは複数のハードストップ構造と、を含み、
前記中心部分から最も遠く、前記長手軸に沿って前記ダイヤフラムからオフセットされた前記リングの表面が、前記長手軸に垂直な第1の基準平面を定め、
前記中心部分から最も遠い前記1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記ダイヤフラムと前記第1の基準平面との間にあり、
前記中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びている、エンドエフェクタパッド。
【請求項2】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分と、前記リングと、前記ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項3】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延びている、エンドエフェクタパッド。
【請求項4】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、
0.0762mmから0.127mm(0.003インチから0.005インチ
)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項5】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、
0.127mmから0.1778mm(0.005インチから0.007インチ
)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項6】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、
0.1778mmから0.2286mm(0.007インチから0.009インチ
)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項7】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域ごとに、
前記第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面が、前記長手軸に垂直な第3の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記第3の基準平面と前記
第1の基準平面との間にある、エンドエフェクタパッド。
【請求項8】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記各リブ領域の少なくとも一部が、前記長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、
0.508mmから1.016mm(0.02インチから0.04インチ
)の間の幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項9】
請求項3に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが4つのリブ領域を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項10】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングと前記第1の基準平面との交差点が、前記リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成する、エンドエフェクタパッド。
【請求項11】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に垂直な方向に、前記中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項12】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分
の直径と同じ直径を有するリング状構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項13】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造である、エンドエフェクタパッド。
【請求項14】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントを含む、エンドエフェクタパッド。
【請求項15】
請求項14に記載のエンドエフェクタパッドであって、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延び、
前記アーチ壁セグメントがそれぞれ、前記リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項16】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項17】
請求項16に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項18】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされている、エンドエフェクタパッド。
【請求項19】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られている、エンドエフェクタパッド。
【請求項20】
請求項19に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックである、エンドエフェクタパッド。
【請求項21】
請求項20に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項22】
請求項20に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)である、エンドエフェクタパッド。
【請求項23】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが
5.08mmから38.1mm(0.20インチから1.50インチ
)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項24】
請求項1に記載のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが
10.16mmから20.32mm(0.40インチから0.80インチ
)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
【請求項25】
ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットであって、請求項1~15または18~24のいずれか1項に記載の前記エンドエフェクタパッドを少なくとも3つ含む、キット。
【請求項26】
請求項25に記載のキットであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、キット。
【請求項27】
請求項26に記載のキットであって、前記六角形の断面形状を有する前記通路の前記一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含む、キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、各リブ領域が、長手軸に垂直な第3の基準平面を定める、第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面を有してもよい。第2の基準平面が第1の基準平面と第2の基準平面との間にあってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
エンドエフェクタパッドのいくつかの実装形態では、1つまたは複数のハードストップ構造が、中心部分の直径と同じ直径を有するリング状構造であってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
図2、
図4-1、および
図4-2に示すように、いくつかの実施形態では、中心部分208が、単一のハードストップ構造226を有してもよい。例えば、ハードストップ構造は、単に中心軸222の周りのリング状のハードストップ構造226であってもよい。別の例では、単一のハードストップ構造226が、中心部分208の頂部領域であってもよく、ハードストップ表面218を中心部分208の面216
の上方に有してもよい(例えば、中心部分208が、ダイヤフラム212を越えて延びてもよい)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の請求項の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のシステムおよび装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板を支持するためのエンドエフェクタパッドであって、
長手軸に沿って延びる中心部分と、
前記中心部分の周囲に延び、かつ前記中心部分から半径方向にオフセットされたリングと、
前記リングと前記中心部分とを接続するダイヤフラムと、
1つまたは複数のハードストップ構造と、を含み、
前記中心部分から最も遠く、前記長手軸に沿って前記ダイヤフラムからオフセットされた前記リングの表面が、前記長手軸に垂直な第1の基準平面を定め、
前記中心部分から最も遠い前記1つまたは複数のハードストップ構造の1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に同様に垂直な第2の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記ダイヤフラムと前記第1の基準平面との間にあり、
前記中心部分を通って1つまたは複数の通路が延びている、エンドエフェクタパッド。
適用例2:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分と、前記リングと、前記ダイヤフラムとが、少なくとも0.8GPaの弾性係数を有する材料から作られた連続構造を形成する、エンドエフェクタパッド。
適用例3:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延びている、エンドエフェクタパッド。
適用例4:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.003インチから0.005インチ(0.0762mmから0.127mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例5:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.005インチから0.007インチ(0.127mmから0.1778mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例6:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域が、0.007インチから0.009インチ(0.1778mmから0.2286mm)の間の厚さを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例7:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記リブ領域ごとに、
前記第1の基準平面に最も近いリブ領域の表面が、前記長手軸に垂直な第3の基準平面を定め、
前記第2の基準平面が前記第3の基準平面と前記第2の基準平面との間にある、エンドエフェクタパッド。
適用例8:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記各リブ領域の少なくとも一部が、前記長手軸に垂直な半径方向軸と交わる方向に、0.02インチから0.04インチ(0.508mmから1.016mm)の間の幅を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例9:
適用例3のエンドエフェクタパッドであって、前記ダイヤフラムが4つのリブ領域を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例10:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングと前記第1の基準平面との交差点が、前記リングの直径と比べて5%未満の半径方向幅を有する接触領域を形成する、エンドエフェクタパッド。
適用例11:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ表面が、前記長手軸に垂直な方向に、前記中心部分の最大寸法の5%未満の半径方向幅を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例12:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分と同じ直径を有するリング状構造である、エンドエフェクタパッド。
適用例13:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、単一のハードストップ表面を提供する単一の構造である、エンドエフェクタパッド。
適用例14:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記1つまたは複数のハードストップ構造が、前記中心部分の中心軸の周りに円形配列で並べられた複数のアーチ壁セグメントを含む、エンドエフェクタパッド。
適用例15:
適用例14のエンドエフェクタパッドであって、
前記ダイヤフラムが少なくとも3つのリブ領域を含み、前記リブ領域では、前記ダイヤフラムの厚さが、前記リブ領域の間にある前記ダイヤフラムの領域よりも厚く、前記リブ領域がそれぞれ、前記中心部分から前記リングまで延び、
前記アーチ壁セグメントがそれぞれ、前記リブ領域のうちの対応する1つのリブ領域の内側端に位置決めされている、エンドエフェクタパッド。
適用例16:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例17:
適用例16のエンドエフェクタパッドであって、前記六角形の断面形状の角がそれぞれアーチ状の切り欠きを有する、エンドエフェクタパッド。
適用例18:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記中心部分の外表面の少なくとも一部がねじ切りされている、エンドエフェクタパッド。
適用例19:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記エンドエフェクタパッドがプラスチックから作られている、エンドエフェクタパッド。
適用例20:
適用例19のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが導電性の静電放電評価済プラスチックである、エンドエフェクタパッド。
適用例21:
適用例20のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックが炭素充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である、エンドエフェクタパッド。
適用例22:
適用例20のエンドエフェクタパッドであって、前記プラスチックがポリベンゾイミダゾール(PBI)である、エンドエフェクタパッド。
適用例23:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.20インチから1.50インチ(5.08mmから38.1mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例24:
適用例1のエンドエフェクタパッドであって、前記リングが0.40インチから0.80インチ(10.16mmから20.32mm)の間の直径を有する、エンドエフェクタパッド。
適用例25:
ウエハハンドリングロボットに使用するためのキットであって、適用例1~15または18~24のいずれか1項の前記エンドエフェクタパッドを少なくとも3つ含む、キット。
適用例26:
適用例25のキットであって、前記通路の少なくとも一部が六角形の断面形状を有する、キット。
適用例27:
適用例26のキットであって、前記六角形の断面形状を有する前記通路の前記一部に嵌まるように構成された六角レンチをさらに含む、キット。
【国際調査報告】