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特表2024-537310内視鏡の光出力を制御するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】内視鏡の光出力を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20241003BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61B1/06 612
A61B1/045 610
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521889
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 US2022044993
(87)【国際公開番号】W WO2023075974
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/262,988
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シュアンエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA25
4C161CC06
4C161FF02
4C161JJ11
4C161LL01
4C161NN01
4C161QQ09
4C161RR02
4C161RR22
(57)【要約】
内視鏡の光出力を制御する。一例は、内視鏡システムを操作するための方法であり、この方法は、内視鏡コンソールから、内視鏡に対して第一照度レベルで光を供給することと、内視鏡コンソールによって、内視鏡に関連したカメラヘッドから、第一電子画像を受信することと、内視鏡コンソールによって、第一電子画像を、複数の領域へと分割することと、内視鏡コンソールによって、複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成することと、内視鏡コンソールによって、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することであり、その決定を、複数の露光値に基づいて行うことと、内視鏡コンソールによって、内視鏡に対して供給される光を、第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させることと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡システムを操作するための方法であって、
内視鏡コンソールから、内視鏡に対して第一照度レベルで光を供給することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記内視鏡に関連したカメラヘッドから、第一電子画像を受信することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記第一電子画像を、複数の領域へと分割することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することであって、前記決定を、前記複数の露光値に基づいて行う、決定することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記内視鏡に対して供給される前記光を、前記第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記内視鏡に対して供給される前記光を減少させることは、非ゼロとされた前記第二照度レベルへと減少させることを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二照度レベルへと減少させることは、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%へと減少させることを、さらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二照度レベルへと減少させることは、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%へと減少させることを、さらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していると決定することは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していると決定することは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
ディスプレイデバイス上に前記第一電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値を読み取ることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電子ゲイン値は、境界値を含めて3デシベル(dB)~6dBである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していると決定することは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記第一電子画像を受信する前の期間にわたって平均加速度を計算することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記平均加速度が所定の移動しきい値未満である時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していると決定することは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記内視鏡コンソールの人工知能モジュールによって、前記第一電子画像のシーンが前記体腔の外部であることを示すシーンインジケータを作成することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記第一電子画像が前記体腔の外部であることを前記シーンインジケータが示している時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記内視鏡に対して供給される前記光を減少させた後に、
前記内視鏡コンソールによって、前記カメラヘッドから、第二電子画像を受信することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記第二電子画像を、複数の領域へと分割することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記第二電子画像の前記複数の領域における各領域に関して第二露光値を計算することにより、第二の複数の露光値を作成することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の内部に位置していることを決定することであって、前記決定を、前記第二の複数の露光値に基づいて行う、決定することと、
前記内視鏡コンソールによって、前記内視鏡に対して供給される前記光を、前記第二照度レベルよりも大きな第三照度レベルへと、増加させることと、をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
内視鏡コンソールであって、
前記内視鏡コンソールの外面上においてアクセス可能な光ポートであって、光ガイドを介して内視鏡に対して結合するように構成されている、光ポートと、
前記内視鏡コンソールの外面上においてアクセス可能なカメラポートであって、カメラヘッドに対して結合するように構成されているとともに、前記カメラヘッドによって作成された電子画像を受信するように構成されている、カメラポートと、
前記光ポートに対して光学的に結合された光源と、
前記カメラポートに対しておよび前記光源に対して結合されたコンソールコントローラと、を含み、前記コンソールコントローラは、
前記光源に対して命令することにより、前記光ポートに対して、第一照度レベルで光を供給するように構成されており、
前記カメラポートを通して、前記カメラヘッドから、第一電子画像を受信するように構成されており、
前記第一電子画像を、複数の領域へと分割するように、および、前記複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成するように構成されており、
前記内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定するように構成されているとともに、前記決定を、前記複数の露光値に基づいて行うように構成されており、
前記光源に対して命令することにより、前記光ポートに対して供給される前記光を、前記第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させるように構成されている、内視鏡コンソール。
【請求項12】
前記コンソールコントローラが、前記光ポートに対して供給される前記光を減少させる時には、前記コンソールコントローラは、非ゼロとされた前記第二照度レベルへと減少させるように、さらに構成されている、請求項11に記載の内視鏡コンソール。
【請求項13】
前記コンソールコントローラが、前記第二照度レベルへと減少させる時には、前記コンソールコントローラは、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%へと減少させることと、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%へと減少させることと、を含む群から選択される少なくとも一方を行うように、さらに構成されている、請求項12に記載の内視鏡コンソール。
【請求項14】
前記コンソールコントローラが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記コンソールコントローラは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載の内視鏡コンソール。
【請求項15】
前記コンソールコントローラが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記コンソールコントローラは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
ディスプレイデバイス上に前記第一電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値を読み取ることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項11~14のいずれか一項に記載の内視鏡コンソール。
【請求項16】
前記ゲイン電子値は、境界値を含めて3デシベル(dB)~6dBである、請求項15に記載の内視鏡コンソール。
【請求項17】
前記コンソールコントローラが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記コンソールコントローラは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記カメラヘッドの加速度計から、複数の加速度値を受信することと、
前記第一電子画像を受信する前の期間にわたって平均加速度を計算することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記平均加速度が所定の移動しきい値未満である時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項11~16のいずれか一項に記載の内視鏡コンソール。
【請求項18】
前記コンソールコントローラが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記コンソールコントローラは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記第一電子画像のシーンが前記体腔の外部であることを示すシーンインジケータを作成することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記第一電子画像が前記体腔の外部であることを前記シーンインジケータが示している時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項11~17のいずれか一項に記載の内視鏡コンソール。
【請求項19】
前記コンソールコントローラは、前記内視鏡に対して供給される前記光を減少させた後に、
前記カメラヘッドから、第二電子画像を受信することと、
前記第二電子画像を、複数の領域へと分割することと、
前記第二電子画像の前記複数の領域における各領域に関して第二露光値を計算することにより、第二の複数の露光値を作成することと、
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の内部に位置していることを決定することであって、前記決定を、前記第二の複数の露光値に基づいて行う、決定することと、
前記光ポートに対して供給される前記光を、前記第二照度レベルよりも大きな第三照度レベルへと、増加させることと、を行うように、さらに構成されている、請求項11~18のいずれか一項に記載の内視鏡コンソール。
【請求項20】
内視鏡システムであって、
ディスプレイデバイスと、
光コネクタとカメラヘッドコネクタとを含む内視鏡と、
前記カメラヘッドコネクタに対して結合されたカメラヘッドであって、電子画像を作成するように構成される、カメラヘッドと、
内視鏡コンソールであって、前記内視鏡の前記光コネクタに対して結合された光ポートと、前記カメラヘッドに対して電気的に結合されたカメラポートと、前記内視鏡コンソールの内部に位置した光源と、を規定している内視鏡コンソールと、を含み、前記内視鏡コンソールは、
前記光源に対して命令することにより、前記光コネクタに対して、第一照度レベルで光を供給するように構成されており、
前記カメラヘッドから、第一電子画像を受信するように構成されており、
前記第一電子画像を、複数の領域へと分割するように、および、前記複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成するように構成されており、
前記内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定するように構成されているとともに、前記決定を、前記複数の露光値に基づいて行うように構成されており、
前記光源に対して命令することにより、前記光ポートに対して供給される前記光を、前記第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させるように構成されている、内視鏡システム。
【請求項21】
前記内視鏡コンソールが、前記光源からの前記光を減少させる時には、前記コンソールコントローラは、非ゼロとされた前記第二照度レベルへと減少させるように、さらに構成されている、請求項20に記載の内視鏡システム。
【請求項22】
前記内視鏡コンソールが、前記第二照度レベルへと減少させる時には、前記コンソールコントローラは、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%へと減少させることと、前記内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%へと減少させることと、を含む群から選択される少なくとも一方を行うように、さらに構成されている、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項23】
前記内視鏡コンソールが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記内視鏡コンソールは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項20~22のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項24】
前記内視鏡コンソールが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記内視鏡コンソールは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
ディスプレイデバイス上に前記第一電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値を読み取ることと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項20~23のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項25】
前記電子ゲイン値は、境界値を含めて3デシベル(dB)~6dBである、請求項24に記載の内視鏡システム。
【請求項26】
前記内視鏡コンソールが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記内視鏡コンソールは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記カメラヘッドの加速度計から、複数の加速度値を受信することと、
前記第一電子画像を受信する前の期間にわたって平均加速度を計算することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記平均加速度が所定の移動しきい値未満である時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項20~25のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項27】
前記内視鏡コンソールが、前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを決定する時には、前記内視鏡コンソールは、
前記複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、
前記第一電子画像のシーンが前記体腔の外部であることを示すシーンインジケータを作成することと、
前記数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ前記第一電子画像が前記体腔の外部であることを前記シーンインジケータが示している時には前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されている、請求項20~26のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項28】
前記内視鏡コンソールは、前記内視鏡に対して供給される前記光を減少させた後に、
前記カメラヘッドから、第二電子画像を受信することと、
前記第二電子画像を、複数の領域へと分割することと、
前記第二電子画像の前記複数の領域における各領域に関して第二露光値を計算することにより、第二の複数の露光値を作成することと、
前記内視鏡の前記遠位端が前記体腔の内部に位置していることを決定することであって、前記決定を、前記第二の複数の露光値に基づいて行う、決定することと、
前記光ポートに対して供給される前記光を、前記第二照度レベルよりも大きな第三照度レベルへと、増加させることと、を行うように、さらに構成されている、請求項20~27のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、「Systems and Methods of Controlling Endoscopic Light Output」と題して2021年10月25日付けで出願された米国仮出願第63/262,988号明細書の優先権を主張するものである。この仮出願は、以下で完全に複製されているかのようにして、参照により本明細書に援用される。
【0002】
内視鏡下手術時には、内視鏡(例えば、腹腔鏡、関節鏡)に対して、光ガイドを介して提供された光源から、光が供給される。手術時に内視鏡が使用されない時には、内視鏡が関節から取り出されてもよい、あるいは、光ガイドが内視鏡から引き抜かれてもよい。いずれの場合も、高輝度光が、内視鏡の遠位先端からまたは光ガイドの端部から、手術室内へと照射され得る。高輝度光は、手術チームの網膜を損傷するなどのように、また、手術用の布およびドレープ材料を焦がす可能性があることで火災の可能性を高めたりするなどのように、熱および過剰照射による危険を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一例は、内視鏡システムを操作するための方法であり、この方法は、内視鏡コンソールから、内視鏡に対して第一照度レベルで光を供給することと、内視鏡コンソールによって、内視鏡に関連したカメラヘッドから、第一電子画像を受信することと、内視鏡コンソールによって、第一電子画像を、複数の領域へと分割することと、内視鏡コンソールによって、複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成することと、内視鏡コンソールによって、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することであり、その決定を、複数の露光値に基づいて行うことと、内視鏡コンソールによって、内視鏡に対して供給される光を、第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させることと、を含む。
【0004】
例示的な方法では、内視鏡に対して供給される光を減少させることは、非ゼロとされた第二照度レベルへと減少させることを、さらに含んでもよい。第二照度レベルへと減少させることは、内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%へと減少させることを、さらに含んでもよい。第二照度レベルへと減少させることは、内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%へと減少させることを、さらに含んでもよい。
【0005】
例示的な方法では、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含んでもよい。
【0006】
例示的な方法では、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、ディスプレイデバイス上に第一電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値を読み取ることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含んでもよい。電子ゲイン値は、境界値を含めて3デシベル(dB)~6dBであってもよい。
【0007】
例示的な方法では、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、第一電子画像を受信する前の期間にわたって平均加速度を計算することと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ平均加速度が所定の移動しきい値未満である時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含んでもよい。
【0008】
例示的な方法では、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していると決定することは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、内視鏡コンソールの人工知能モジュールによって、第一電子画像のシーンが体腔の外部であることを示すシーンインジケータを作成することと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ第一電子画像が体腔の外部であることをシーンインジケータが示している時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、をさらに含んでもよい。
【0009】
例示的な方法は、内視鏡に対して供給される光を減少させた後に、内視鏡コンソールによって、カメラヘッドから、第二電子画像を受信することと、内視鏡コンソールによって、第二電子画像を、複数の領域へと分割することと、内視鏡コンソールによって、第二電子画像の複数の領域における各領域に関して第二露光値を計算することにより、第二の複数の露光値を作成することと、内視鏡コンソールによって、内視鏡の遠位端が体腔の内部に位置していることを決定することであり、決定を、第二の複数の露光値に基づいて行うことと、内視鏡コンソールによって、内視鏡に対して供給される光を、第二照度レベルよりも大きな第三照度レベルへと、増加させることと、をさらに含んでもよい。
【0010】
別の例は、内視鏡コンソールであって、内視鏡コンソールの外面上においてアクセス可能な光ポートであり、光ガイドを介して内視鏡に対して結合するように構成されている光ポートと、内視鏡コンソールの外面上においてアクセス可能なカメラポートであり、カメラヘッドに対して結合するように構成されているとともに、カメラヘッドによって作成された電子画像を受信するように構成されている、カメラポートと、光ポートに対して光学的に結合された光源と、カメラポートに対しておよび光源に対して結合されたコンソールコントローラと、を含む。コンソールコントローラは、光源に対して命令することにより、光ポートに対して、第一照度レベルで光を供給するように構成されてもよく、カメラポートを通して、カメラヘッドから、第一電子画像を受信するように構成されてもよく、第一電子画像を、複数の領域へと分割するように構成されてもよく、さらに、複数の領域における各領域に関して露光値を計算することにより、複数の露光値を作成するように構成されてもよく、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定するように構成され得るとともに、決定を、複数の露光値に基づいて行うように構成されてもよく、光源に対して命令することにより、光ポートに対して供給される光を、第一照度レベルよりも小さな第二照度レベルへと、減少させるように構成されてもよい。
【0011】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラが、光ポートに対して供給される光を減少させる時には、コンソールコントローラは、非ゼロとされた第二照度レベルへと減少させるように、さらに構成されてもよい。コンソールコントローラが、第二照度レベルへと減少させる時には、コンソールコントローラは、内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%へと減少させることと、内視鏡コンソールの合計での利用可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%へと減少させることと、を含む群から選択される少なくとも一方を行うように、さらに構成されてもよい。
【0012】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラが、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定する時には、コンソールコントローラは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されてもよい。
【0013】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラが、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定する時には、コンソールコントローラは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、ディスプレイデバイス上に第一電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値を読み取ることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されてもよい。ゲイン電子値は、境界値を含めて3デシベル(dB)~6dBであってもよい。
【0014】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラが、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定する時には、コンソールコントローラは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、カメラヘッドの加速度計から、複数の加速度値を受信することと、第一電子画像を受信する前の期間にわたって平均加速度を計算することと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ平均加速度が所定の移動しきい値未満である時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されてもよい。
【0015】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラが、内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定する時には、コンソールコントローラは、複数の領域の、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数を、カウントすることと、第一電子画像のシーンが体腔の外部であることを示すシーンインジケータを作成することと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ第一電子画像が体腔の外部であることをシーンインジケータが示している時には内視鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを、確認することと、を行うように、さらに構成されてもよい。
【0016】
例示的な内視鏡コンソールでは、コンソールコントローラは、内視鏡に対して供給される光を減少させた後に、カメラヘッドから、第二電子画像を受信することと、第二電子画像を、複数の領域へと分割することと、第二電子画像の複数の領域における各領域に関して第二露光値を計算することにより、第二の複数の露光値を作成することと、内視鏡の遠位端が体腔の内部に位置していることを決定することであり、決定を、第二の複数の露光値に基づいて行うことと、光ポートに対して供給される光を、第二照度レベルよりも大きな第三照度レベルへと、増加させることと、を行うように、さらに構成されてもよい。
【0017】
別の例は、内視鏡システムであって、
【0018】
ディスプレイデバイスと、光コネクタとカメラヘッドコネクタとを含む内視鏡と、カメラヘッドコネクタに対して結合されたカメラヘッドであり、電子画像を作成するように構成されたカメラヘッドと、内視鏡コンソールであり、内視鏡の光コネクタに対して結合された光ポートと、カメラヘッドに対して電気的に結合されたカメラポートと、内視鏡コンソールの内部に位置した光源と、を規定している内視鏡コンソールと、を含む。内視鏡コンソールは、任意の例示した上述のタスクを実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
例示的な実施形態に関する詳細な説明のために、次に、添付図面を参照する。
【0020】
図1図1は、少なくともいくつかの実施形態による内視鏡システムを示している。
【0021】
図2図2は、少なくともいくつかの実施形態による内視鏡コンソールに関するブロック図を示している。
【0022】
図3図3は、少なくともいくつかの実施形態による、関節鏡が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時にカメラヘッドが作成する例示的な画像を示している。
【0023】
図4図4は、少なくともいくつかの実施形態によるフロー図を示している。
【0024】
図5図5は、少なくともいくつかの実施形態によるフロー図を示している。
【0025】
図6図6は、少なくともいくつかの実施形態によるフロー図を示している。
【0026】
図7図7は、少なくともいくつかの実施形態によるフロー図を示している。
【0027】
定義
様々な用語が、特定のシステム構成要素を指すために使用されている。異なる企業は、一つの構成要素を異なる名称で参照する場合があるけれども、この文書は、名称は相違するが機能は相違しない構成要素どうしを区別することを意図していない。以下の議論および特許請求の範囲では、「含む」および「備える」という用語は、制限のない態様で使用されているため、「~を含むが、これらに限定されない」を意味するものとして解釈されるべきである。また、「結合する(couple)」または「結合する(couples)」という用語は、間接的な接続または直接的な接続のいずれかを意味することを意図している。よって、第一デバイスが第二デバイスに対して結合される場合、その接続は、直接的な接続によるものであってもよく、または、他のデバイスや他の接続を介した間接的な接続であってもよい。
【0028】
「コントローラ」とは、単独でもしくは組合せによって、入力を読み取るように構成された、さらに、入力に対応した応答を出力するように構成された、個々の回路部品、特定用途向け集積回路(ASIC)、制御ソフトウェア付きマイクロコントローラ、制御ソフトウェア付きの縮小命令セットコンピューティング(RISC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、制御ソフトウェア付きプロセッサ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、または、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、を意味するものとする。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の議論は、本発明の様々な実施形態を対象としている。これら実施形態における一つまたは複数の実施形態が好ましい場合があるけれども、開示する実施形態は、特許請求の範囲を含めた本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、また、他の態様で使用されるべきではない。加えて、当業者であれば、以下の説明が広範な応用を有していること、また、任意の実施形態に関する議論が、その実施形態に関する例示に過ぎないことが意図されており、特許請求の範囲を含めた本開示の範囲が、その実施形態に限定されることを暗示することを意図するものではないことは、理解されよう。
【0030】
様々な例は、内視鏡光出力を制御するためのシステムおよび方法を対象としている。より詳細には、例は、内視鏡に対して結合された内視鏡コンソールによって、内視鏡が体腔からまたは関節腔から取り出されたことを決定することと、網膜損傷の可能性を低減するために、および/または、手術室内の布やドレープ材料を焦がす可能性を低減するために、光出力を低減することと、を対象としている。なおもより詳細には、いくつかの例では、内視鏡に対して結合されたカメラヘッドが、内視鏡の遠位端を超え位置でのシーンに関する電子画像を提供し、その電子画像は、内視鏡コンソールに対して提供される。例示的なシステムにおける内視鏡コンソールは、電子画像を複数の領域へと分割することにより、さらに、複数の領域のそれぞれに関して露光値を計算することにより、内視鏡が体腔からまたは関節腔から取り出されたかどうかに関する決定を行う。複数の露光値に基づいて、内視鏡コンソールは、内視鏡が体腔からまたは関節腔から取り出されたことを決定することができ、内視鏡コンソールは、内視鏡に対して供給されている光強度を減少させる。いくつかの例では、光強度の減少は、非ゼロの値(例えば、合計での可能な光出力に対して境界値を含めて3%~6%)への減少とされ、このため、内視鏡コンソールは、また、内視鏡が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入されたことを決定することもでき、内視鏡に対して提供される光強度を増加させることもできる。読者を方向付けるため、本明細書では、例示的なシステムについて説明する。
【0031】
図1は、少なくともいくつかの実施形態による内視鏡システムを示している。特に、図1は、内視鏡コンソール102を含む内視鏡システム100を示しており、内視鏡コンソール102は、ディスプレイデバイス104に対して結合されているとともに、関節鏡(以下、「関節鏡106」)として例示的に示されている内視鏡106に対して結合されている。内視鏡コンソール102は、光ポート108とカメラポート110とを規定しており、各ポートは、内視鏡コンソール102の外面上に規定されている。例示的な関節鏡106は、近位端上におけるカメラヘッドコネクタ112と、光ポスト114と、遠位端116と、を規定しており、遠位端116から、光が射出されるとともに、遠位端116を通して、反射光が関節鏡106へと戻って伝搬する。光ガイド118は、光ポート108と光ポスト114との間を光学的に結合している。例示的な場合には、光ガイド118は、内視鏡コンソール102内の光源から光ポート108へと光を運ぶように設計されて構築された一つまたは複数の光ファイバであってもよい。カメラヘッド120は、カメラヘッドコネクタ112に対して機械的にかつ光学的に結合されており、これにより、カメラヘッド120内の光学アレイ(例えば、電荷結合素子(CCD)アレイ)が、関節鏡106の遠位端116を超えた位置での組織および構造に関する画像を取り込むものとされている。例示的なカメラヘッド120は、電気ケーブル122を介してカメラポート110に対して電気的に結合されているけれども、カメラヘッド120と内視鏡コンソール102との間における任意の適切な通信接続が使用されてもよい。よって、内視鏡コンソール102は、個々の電子画像を、またはビデオ画像の形態とされた電子画像ストリームを、受信し得るとともに、それらの画像を、ディスプレイデバイス104上に表示し得る。
【0032】
図2は、少なくともいくつかの実施形態による内視鏡コンソールに関するブロック図を示している。特に、図2は、内視鏡コンソール102が、光ポート108とカメラポート110とを含むこと、そして、各ポートが、内視鏡コンソール102の外面上で露出していること、を示している。追加的に、例示的な内視鏡コンソール102は、内視鏡コンソール102の外面上で露出したディスプレイポート204を規定しており、このディスプレイポート204は、ディスプレイデバイス104(図1)などのディスプレイデバイスに対して動作可能に結合するように、設計されて構築されている。内部では、例示的な内視鏡コンソール102は、光源200と、コンソールコントローラ202と、を含む。例示的な光源200は、任意の適切な形態をとってもよい。場合によっては、光源200は、開口幅が変化する可動スクリーンアセンブリと組み合わされた白熱電球を含んでもよい。光ポート108に対して供給される光の強度または照度レベルは、白熱電球に対して供給される電圧を制御することにより、または可動スクリーンの位置を制御することにより、またはそれら両方により、制御され得る。なおも更なる他の場合には、光源は、キセノンベースの蛍光灯であってもよく、この場合にも、可能であれば、可動スクリーンアセンブリと組み合わせられる。キセノンベースの蛍光灯を使用した時には、光ポート108に対して供給される光の強度は、蛍光灯内のキセノンガスに対して供給される電気エネルギ(例えば、電圧、電流、もしくは両方)を制御することにより、または可動スクリーンの位置を制御することにより、またはそれら両方により、制御され得る。なおも更なる他の場合には、光源は、レーザー光源であってもよく、この場合にも、可能であれば、可動スクリーンアセンブリと組み合わせられる。レーザー光源を使用した時には、光ポート108に対して供給される光の強度は、レーザー光源に対して供給される電気エネルギ(例えば、電圧、電流、もしくは両方)を制御することにより、または可動スクリーンの位置を制御することにより、またはそれら両方により、制御され得る。なおも更なる他の場合には、光源200は、一連の発光ダイオード(LEDs)であってもよい。LEDsを使用した時には、光ポート108に対して供給される光の強度は、LEDsを流れる平均電流を制御することにより、制御され得る。要約すると、光強度が電子的にまたは機械的に制御され得る任意の適切な光源が、光源200として使用され得る。
【0033】
コンソールコントローラ202は、光源200に対して動作可能に結合されているとともに、カメラポート110に対して通信可能に結合されており、さらに、ディスプレイポート204に対して通信可能に結合されている。コンソールコントローラ202は、多くの適切な形態をとってもよい。一例では、コンソールコントローラ202は、本明細書で説明する様々な方法を実行するように設計されて構築された特定用途向け集積回路(ASIC)であってもよい。他の場合には、コンソールコントローラ202は、様々な入力デバイスおよび出力デバイスと一緒に、制御ソフトウェア付きのマイクロコントローラであってもよく、その場合、制御ソフトウェアは、本明細書で説明する様々な方法を実行するように設計されて構築されている。更なる場合には、コンソールコントローラ202は、本明細書で説明する様々な方法を実行するように設計されて構築された制御ソフトウェアと一緒に、縮小命令セットコンピューティング(RISC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または汎用プロセッサ、などのプロセッサであってもよい。なおもさらに、コンソールコントローラ202は、本明細書で説明する様々な方法を実行するように設計されて構築された、プログラマブルロジックデバイス(PLD)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。なおもさらにまた、コンソールコントローラ202は、任意の上記実装どうしの組合せとして実装されてもよい。次に、本明細書では、関節鏡106が体腔からまたは関節腔から取り出された時点を決定することに関する例示的な説明について、説明する。
【0034】
図3は、関節鏡106(図1)が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時にカメラヘッド120(図1)によって作成される例示的な画像を示している。特に、図3は、カメラヘッド120が矩形の電子画像300を作成し得ることを図示している。電子画像300の解像度は、カメラヘッド120内の光学アレイの画素数に基づいている。一例では、電子画像の解像度は、横方向が約3840ピクセルでありかつ縦方向が約2160ピクセルであり、「3840×2160」と略記される。解像度の呼称は、時に、画像の水平画素数に基づくものであるため、3840の水平画素数を有した電子画像は、約4000の水平画素数を有するということができる、すなわち、ビデオディスプレイ業界の呼称によれば、4K解像度を有するということができる。カメラヘッド120に関して、より低い解像度およびより高い解像度(例えば、7680×4320、すなわち8K)などの、多くの解像度が可能である。カメラヘッド120が矩形の電子画像300を作成するにもかかわらず、ほとんどの場合、内視鏡は、内視鏡の遠位端を超えてすぐの位置での組織に関する円形または長円形の視野を取り込む。よって、例示的な電子画像300は、未露光のまたは露光不足の境界領域304によって境界付けられた画像302を含む。
【0035】
例示的な場合には、電子画像の各画素は、色成分を有している。場合によっては、色成分は、赤、緑、青の三原色の寄与を規定したマルチパート値である。例えば、色成分は、24ビットであってもよく、8ビットが赤専用とされ、8ビットが緑専用とされ、8ビットが青専用とされる。他の色エンコード方式も可能である。画素の輝度とは、人間の目が知覚する際の画素の明るさを指す。カラーでエンコードされた電子画像の場合、輝度は、赤、緑、青の成分値の組合せに基づいて計算された値であってもよい。グレースケールでエンコードされた電子画像の場合、輝度値は、黒から真っ白までのスペクトルに沿ったグレースケールを表す値であってもよい(例えば、8ビットエンコードの場合には、0~255)。
【0036】
電子画像の正確なサイズに関係なく、また、色エンコード方式に関係なく、様々な例によれば、受信した電子画像は、コンソールコントローラ202(図2)によって複数の非オーバーラップ領域へと分割される。例示的な場合には、各領域は、正方形や矩形などの四角形である。しかしながら、他の場合には、領域は、任意の適切な形態をとってもよく、実際、領域は、一様な形状を有する必要はない。なおもさらに、場合によっては、領域どうしがオーバーラップしていないけれども、様々な技法は、特定の部分領域に対して過度の重みを与えることがないようオーバーラップが一様に分散している時などは、オーバーラップ領域でも同様に機能する。
【0037】
いくつかの例示的な場合には、画像302内に完全に存在する領域のみが、以下で説明する更なる決定において使用される。換言すれば、電子画像300の全体が分割されてもよく、境界領域304内に全体的にまたは部分的に存在する任意の領域は、更なる決定から除外されてもよい。他の場合には、電子画像300の全体が分割されてもよく、境界領域304内に完全に存在する領域のみが除外され、この場合には、境界領域304と画像302との境界を跨ぐ領域が、更なる決定において考慮される。なおも更なる他の場合には、画像300内に完全に存在する領域と、境界領域304と画像302の境界を跨ぐ領域と、のみが使用され、境界領域304内に完全に存在する領域は、除外される。
【0038】
任意の適切な数の領域が、分割によって作成されてもよい。場合によっては、20個ほどの領域が使用されてもよい。他の場合には、100個もの領域が使用されてもよい。いくつかの例では、40個~80個の領域が使用され、特定の例では、50個~60個の領域が使用される。場合によっては、電子画像300の全体が分割されてもよいけれども、他の場合には、画像302だけが分割されてもよく、図3は、図を過度に複雑化しないよう、三つの領域306、308、310だけを示している。領域306は、過剰露光領域の一例であり、領域308は、露光不足領域(308)の一例であり、領域310は、適正に露光された領域(310)の一例である。境界領域304内に存在する領域は示されていないけれども、境界領域304内に存在するそのようなすべての領域は、未露光領域であると考えられる、または、著しく露光不足の領域と考えられる。
【0039】
様々な例によれば、関節鏡106(図1)の遠位端が、体腔もしくは関節腔の、内部に位置しているかどうかを、または外部に位置しているかどうかを、決定するために、露光を示す値すなわち露光値が、各領域に関して計算される。各領域に関して露光値を作成することにより、複数の露光値が作成される。各露光値は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、赤、緑、青のフォーマットでエンコードされた電子画像の場合、露光値は、領域内の各画素に関して個々の色成分から計算された輝度値の平均値または平均であってもよい。別の言い方をすれば、領域内の各画素に関して輝度値が計算され、露光値は、輝度値の平均または平均値であってもよい。電子画像が、グレースケール画像である場合には、または、カラーエンコード画像からグレースケール画像へと変換されたものである場合には、露光値は、領域内の各画素に関して、平均または平均グレースケール値であってもよい。
【0040】
各領域に関して露光値が計算された後には、例示的な方法は、次に、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることを含んでもよい。内視鏡の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることの確認は、領域数が所定の領域しきい値未満である時に行われてもよい。つまり、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時には、関節鏡106の遠位端は、対象をなす様々な組織から、わずか数センチメートルまたはそれ未満の分だけしか離間していないものであってもよい。これにより、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時には、画像302内の各領域は、所定の露光しきい値を超えた露光値を有する可能性が高い。図3における例示的な電子画像は、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している状態で撮影されたものであり、そのため、画像302は、組織を示しているとともに、露光された多数の領域(例えば、領域310および関連領域)を、さらには過剰露光された領域(領域306および関連領域)を、有している。領域308でさえ、比較的露光不足として表されているけれども、それでも境界領域304内におけるどの領域よりも充分に大きな露光値を有することとなる。対照的に、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から引き抜かれた時には、最も近くに位置している光反射性物体は、関節鏡106の遠位端から何メートルも離れている可能性があり、このため、反射される光は、少なくなる。このため、関節鏡106が体腔からまたは関節腔から引き抜かれた状態で作成された電子画像における大部分の領域は、露光不足である可能性が高い。例えば、関節鏡106の遠位端が、体腔からまたは関節腔から取り出されて、滅菌トレイ上に配置された時には、画像302は、トレイの小さな部分(例えば、緑色の滅菌布のドレープ)を示してもよく、また、電子画像のバランスの焦点が合わなくなって、露光不足となることとなる。
【0041】
ここまでに説明した例では、各領域について一つずつ露光値が計算され、その後、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数がカウントされる。逆のアプローチも、また、想定される。すなわち、他の場合には、カウントは、所定の露光しきい値を超える露光値を有した領域に関して行われてもよく、その後、領域数が所定の領域しきい値未満となった時に、関節鏡106の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることが、確認されてもよい。
【0042】
図2に一時的に戻ると、関節鏡106(図1)の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されたと決定された後には、例示的なシステムによれば、コンソールコントローラ202は、関節鏡106に対して供給される光を減少させる。つまり、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時には、特定の照度レベルの光が、光源200から関節鏡106へと供給される。しかしながら、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出された後には、手術室内の人に網膜損傷を引き起こす可能性を低減するために、また、布およびドレープ材料を焦がす可能性を低減するために、例示的な実施形態によれば、コンソールコントローラ202は、関節鏡106に対して供給される光を、より低い照度レベルへと、減少させる。コンソールコントローラ202は、光源200に対して通信することにより、関節鏡106に対して供給される光を減少させる。通信のタイプは、光源200の具体的な実装に依存する。例えば、光源が、可動スクリーンを有した白熱電球である時には、コンソールコントローラ202は、白熱電球に対して電力を供給している電源の電圧設定値を変更してもよい、あるいは、白熱電球が生成する光をより多く遮断する異なる位置へと可動スクリーンを駆動してもよい、あるいは、それら両方を行ってもよい。光源200が、一連のLEDsである時には、コンソールコントローラ202は、LEDsに対して電力を供給している電流源に対して、新たなより低い電流設定値を通信することにより、内視鏡に対して供給される光を減少させてもよい。
【0043】
いくつかの例では、コンソールコントローラ202は、内視鏡に対して供給される光を、非ゼロレベルへと、減少させる。すなわち、内視鏡コンソール102のコンソールコントローラ202が、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されたと決定した後には、例示的なシステムでは、関節鏡106(図1)に対して供給されるすべての光を停止するのではなく、非ゼロという照度レベルへと、光を減少させる。非ゼロという照度レベルは、手術室内の人に網膜損傷を引き起こす可能性を低減または排除するよう、また焦げの危険性を低減または排除するよう、充分な低さに選択され、かつ、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入されたことを決定するのに光学ベースの技術が使用され得るよう、充分な高さに選択される。様々な例によれば、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されたと決定された時には、コンソールコントローラ202は、関節鏡に対して供給される光を、光源200の合計での可能な光出力に対して境界値を含めて1%~10%であるように、場合によっては、光源200の合計での可能な光出力に対して境界値を含めて3%~5%であるように、減少させる。
【0044】
図4は、少なくともいくつかの実施形態による方法に関するフロー図を示している。図4のフロー図は、マイクロコントローラまたはプロセッサ上で実行されるソフトウェアによって、全体的または部分的に、実装されてもよい。特に、方法は、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に配置されており、内視鏡コンソール102(図1)の光源200(図2)から供給される照度レベルが、体腔内のまたは関節腔内の組織を観察するのに適した比較的高い照度レベルであるという前提で、開始される(ブロック400)。例示的な方法は、次に、電子画像を受信することへと進む(ブロック402)。例えば、カメラヘッド120(図1)は、電子画像を取り込み得るとともに、その電子画像を、内視鏡コンソール102(図2)のコンソールコントローラ202(図2)へと転送してもよい。例示的なフロー図における次のステップは、電子画像を、複数の領域へと分割することである(ブロック404)。例えば、コンソールコントローラ202は、20個~100個の領域を作成するように、場合によっては40個~80個の領域を作成するように、一具体例では50個~60個の領域を作成するように、電子画像の分割をアルゴリズム的に実行してもよい。次に、領域に関して露光値が計算され(ブロック406)、その後、計算が必要な追加的な領域が存在するかどうかの決定が行われる(ブロック408)。その後、例示的な方法は、すべての領域で露光値が計算されるまで、ブロック406とブロック408との間をループする。露光値が計算された後には、例示的なフロー図における次のステップは、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることであり(ブロック410)、その後、カウントされた領域数が所定の領域しきい値を超えているかどうかを確認することである(ブロック412)。すなわち、領域数が所定の領域しきい値を超えている場合には(再びブロック412、「Y」経路)、それは、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されたことを示すものであるため、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を減少させる(ブロック414)。反対に、領域数が所定の領域しきい値未満である場合には(再びブロック412、「N」経路)、それは、関節鏡106の遠位端が未だ体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置していることを示すものであるため、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック402)。
【0045】
場合によっては、例示的な方法は、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されたことを確認した後に、さらに、関節鏡に対して供給される光を減少させた後に、終了してもよい。しかしながら、なおも更なる場合には、関節鏡106の遠位端が再挿入された時点を決定するために、光学ベースの方法が、逆に使用されてもよい。なおも図4を参照すると、例示的な場合には、方法は、その後、別の電子画像の受信することへと進む(ブロック416)。例示的なフロー図における次のステップは、電子画像を、複数の領域へと分割することである(ブロック418)。次に、領域に関して露光値が計算され(ブロック420)、その後、計算が必要な追加的な領域が存在するかどうかの決定が行われる(ブロック422)。その後、例示的な方法は、すべての露光値が計算されるまで、ブロック420とブロック422との間をループする。露光値が計算された後には、例示的なフロー図における次のステップは、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることであり(ブロック424)、その後、カウントされた領域数が所定の領域しきい値を超えているかどうかを確認することである(ブロック426)。すなわち、領域数が所定の領域しきい値を超えている場合には(再びブロック426、「Y」経路)、それは、関節鏡106の遠位端がなおも体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることを示すものであるため、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック416)。反対に、領域数が所定の領域しきい値未満である場合には(再びブロック426、「N」経路)、それは、関節鏡106の遠位端が再挿入されたことを示すものであるため、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を増加させ(ブロック428)、さらに、方法は、再びブロック402へと戻ることにより、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されることを探し始める。
【0046】
これまでに説明した例では、関節鏡106の遠位端が体腔もしくは関節腔の内部にまたは外部に位置している状態を確認するために、光学ベースの方法が、単独で使用されている。しかしながら、なおも更なる他の場合には、決定は、電子画像を表示することに関連した電子ゲイン値の裏付け、カメラヘッドに関連した加速度計からのデータの裏付け、および/または、画像認識人工知能からのシーンインジケータの裏付け、などの追加的な裏付け決定を含んでもよい。それぞれについて、順に説明する。
【0047】
図2に戻ると、例示的なシステムでは、コンソールコントローラ202は、電子ゲイン制御装置206をさらに含む。特に、例示的なコンソールコントローラ202は、電子画像を受信するとともに、ディスプレイデバイス104上に電子画像を表示する時に適用された電子ゲインを制御する。すなわち、電子ゲイン制御装置206は、電子画像がわずかに露光不足であり得る時には、ゲインを増加させることによって画像内の組織の視認性を向上させようとし、電子ゲイン制御装置206は、また、電子画像がわずかに露光過多であって微細部分が消えてしまい得る時には、ゲインを減少させることによって画像内の組織構造の視認性を向上させようとする。電子ゲイン制御装置206が、カメラヘッドに対して供給される光の量を変更するのではなく、電子ゲイン制御装置206が、表示のためにディスプレイポート204を介してディスプレイデバイス104(図1)に対して送信される前に、電子画像に対して適用されるゲインパラメータ208を変更するだけであることに、留意されたい。
【0048】
様々な例によれば、ゲインパラメータは、関節鏡106の遠位端の状態に関する決定を行う際の裏付けとして使用される。特に、例示的な場合には、関節鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することは、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることと、ディスプレイデバイス104(図1)上に電子画像を表示することに関連したゲインパラメータ値を読み取ることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時には、かつ、電子ゲイン値が所定のゲインしきい値を超えている時には、関節鏡106の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることを確認することと、を含む。つまり、電子ゲイン制御装置206が、ディスプレイデバイス上に表示される電子画像で知覚される照度を増加させる目的で、ゲインパラメータ208を著しく増加させた場合には、それは、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出された可能性が高いことを裏付ける。
【0049】
図5は、少なくともいくつかの実施形態による方法に関するフロー図を示している。図5のフロー図は、マイクロコントローラまたはプロセッサ上で実行されるソフトウェアによって、全体的または部分的に、実装されてもよい。図5における例示的なステップの多くは、図4と重複している。重複したステップには、重複した参照符号が付されており、明細書が不当に長くならないよう、それらのステップについては、再度提示しないこととする。例示的な方法では、領域数が所定の領域しきい値を超えている場合(ブロック412)、次なる例示的なステップは、ゲインパラメータを読み取ることである(ブロック500)。例えば、コンソールコントローラ202(図2)は、電子ゲイン制御装置206(図2)から、ゲインパラメータ208(図2)を読み取る。例示的な方法における次のステップは、ゲインパラメータが所定のゲインしきい値を超えているかどうかを確認することである(ブロック502)。一例では、3デシベル(dB)以上のゲイン値が使用され、具体的な一例では、境界値を含めて3dB~6dBのゲイン値が使用される。イエスの場合には、関節鏡106に対して供給される光を減少させる(ブロック414)。ゲインパラメータが、所定のゲインしきい値未満である場合には(再びブロック502)、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック402)。
【0050】
同様に、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入されたことを光学ベースで決定することを対象とした図5の右側でも、領域数が所定の領域しきい値を超えていない場合(ブロック426)、次なる例示的なステップは、ゲインパラメータを読み取ることである(ブロック504)。その後、例示的な方法は、ゲインパラメータが所定のゲインしきい値を超えているかどうかを確認する(ブロック506)。イエスの場合には、関節鏡106の遠位端は、なおも体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置している可能性が高いため、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック416)。他方、ゲインパラメータが、所定のしきい値未満である場合には(再びブロック506)、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入された可能性が高いため、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を増加させ(ブロック428)、再び、方法は、ブロック402へと戻ることにより、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されることを探し始める。
【0051】
図2に戻ると、例示的なシステムでは、コンソールコントローラ202は、人工知能モジュール210をさらに含む。人工知能モジュール210は、関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時に関節鏡106を通して観察した組織を示す電子画像のデータセットによって訓練された多層ニューラルネットワークなどの、任意の適切な形態をとってもよい。特に、例示的なシステムでは、コンソールコントローラ202は、電子画像を受信するとともに、電子画像を、人工知能モジュール210に対して提供する。人工知能モジュール210は、電子画像のシーンが人工知能モジュール210によって認識されたかどうかを示す出力信号すなわちシーンインジケータ212を提供する。すなわち、人工知能モジュール210が、組織を含有しているものとして電子画像が認識されたことを示している場合には、関節鏡106の遠位端は、体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している可能性が高い。反対に、人工知能モジュール210が、組織を含有していないものとして電子画像が認識されたことを示している場合には、関節鏡106の遠位端は、体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置している可能性が高い。
【0052】
様々な例によれば、シーンインジケータ212は、関節鏡106の遠位端の状態に関して決定を行う時の裏付けとして使用される。特に、例示的な場合には、関節鏡の遠位端が体腔の外部に位置していることを決定することは、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることと、シーンインジケータを読み取ることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつシーンインジケータが主張していない時には、関節鏡106の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることを確認することと、を含む。つまり、シーンインジケータが主張していない(例えば、シーンが認識されない)場合には、それは、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出された可能性が高いことを裏付ける。
【0053】
図6は、少なくともいくつかの実施形態による方法に関するフロー図を示している。図6のフロー図は、マイクロコントローラまたはプロセッサ上で実行されるソフトウェアによって、全体的または部分的に、実装されてもよい。図6における例示的なステップの多くは、図4と重複している。重複したステップには、重複した参照符号が付されており、明細書が不当に長くならないよう、それらのステップについては、再度提示しないこととする。例示的な方法では、領域数が所定の領域しきい値を超えている場合(ブロック412)、次なる例示的なステップは、シーンインジケータを読み取ることである(ブロック600)。例えば、コンソールコントローラ202(図2)は、人工知能モジュール210(図2)から、シーンインジケータ212(図2)を読み取る。その後、方法は、シーンインジケータが、電子画像が体腔の外部に位置していることを示しているかどうかを、確認する(ブロック602)。イエスの場合には、関節鏡106に対して供給される光を減少させる(ブロック414)。シーンインジケータが、電子画像のシーンが体腔の内部または関節腔の内部であることを示している場合には、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック402)。
【0054】
同様に、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入されたことを光学ベースで決定することを対象とした図6の右側でも、領域数が所定の領域しきい値を超えていない場合(ブロック426)、次なる例示的なステップは、シーンインジケータを読み取ることである(ブロック604)。その後、方法は、シーンインジケータが、電子画像が体腔の外部であることを示しているかどうかを、確認する(ブロック606)。イエスの場合には、関節鏡106の遠位端は、なおも体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置している可能性が高いため、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック416)。他方、シーンインジケータが、電子画像が体腔の内部または関節腔の内部からのものであることを示している場合には(再びブロック606)、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入された可能性が高いため、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を増加させ(ブロック428)、再び、方法は、ブロック402へと戻ることにより、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されることを探し始める。
【0055】
なおも更なる他の例示的なシステムでは、カメラヘッド120は、カメラヘッド120の動きを示す値を作成するモーションセンサ(例えば、傾斜センサおよび/または加速度計)を含む。関節鏡106の遠位端が体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している時には、ある程度の動きが予想される。すなわち、外科医が、患者の付属器官を動かす可能性があり、その動きが、モーションセンサによって感知される。外科医が患者を物理的に動かさない場合であっても、患者の皮膚を貫通した開口を通して挿入された他の手術デバイス(例えば、機械的切除器具、焼灼器具)の動きが、カメラヘッド120のモーションセンサによって検出され得る患者のわずかな動きを引き起こす。図2を参照すると、例示的なシステムでは、コンソールコントローラ202は、カメラヘッド120から移動値を受信するとともに、移動を示す値を計算し、その結果を移動値214内へと配置する。動きを示す値は、所定の期間(例えば、直近30秒間、直近一分間)にわたっての平均すなわち平均値などの、任意の適切な形態をとってもよい。移動値214が所定の移動しきい値を超えている場合には、関節鏡106の遠位端は、体腔の内部にまたは関節腔の内部に位置している可能性が高い。反対に、移動値214が所定の移動しきい値未満である場合には、関節鏡106の遠位端は、体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置している可能性が高い。
【0056】
様々な例によれば、移動値214は、関節鏡106の遠位端の状態に関して決定を行う時の裏付けとして使用される。特に、例示的な場合には、関節鏡の遠位端が体腔の外部に位置していると決定することは、所定の露光しきい値未満の露光値を有した領域数をカウントすることと、移動値を読み取ることと、領域数が所定の領域しきい値を超えている時にはかつ移動値が所定の移動しきい値未満である時(例えば、関節鏡が器具トレイ上に置かれている時)には、関節鏡106の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることを確認することと、を含む。つまり、移動値が所定のしきい値未満である場合には、それは、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出された可能性が高いことを裏付ける。
【0057】
図7は、少なくともいくつかの実施形態による方法に関するフロー図を示している。図7のフロー図は、マイクロコントローラまたはプロセッサ上で実行されるソフトウェアによって、全体的または部分的に、実装されてもよい。図7における例示的なステップの多くは、図4と重複している。重複したステップには、重複した参照符号が付されており、明細書が不当に長くならないよう、それらのステップについては、再度提示しないこととする。例示的な方法では、領域数が所定の領域しきい値を超えている場合(ブロック412)、次なる例示的なステップは、移動値を読み取ることである(ブロック700)。例えば、コンソールコントローラ202(図2)は、移動値214(図2)を読み取る。例示的な方法における次のステップは、移動値が所定の移動しきい値を超えているかどうかを確認することである(ブロック702)。イエスの場合には、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック402)。他方、移動値が所定の移動しきい値未満である場合には(再びブロック702)、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を減少させる(ブロック414)。
【0058】
同様に、関節鏡106の遠位端が体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入されたことを光学ベースで決定することを対象とした図7の右側でも、領域数が所定の領域しきい値を超えていない場合(ブロック426)、次なる例示的なステップは、移動値を読み取ることである(ブロック704)。その後、例示的な方法は、移動値が所定の移動しきい値を超えているかどうかを確認する(ブロック706)。ノーの場合には、関節鏡106の遠位端は、なおも体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置している可能性が高いため、例示的な方法は、次の電子画像を受信することへと戻る(再びブロック416)。他方、移動値が所定の移動しきい値を超えている場合には(再びブロック706)、関節鏡106の遠位端は、体腔内へとまたは関節腔内へと再挿入された可能性が高いため、例示的な方法は、関節鏡に対して供給される光を増加させ(ブロック428)、再び、方法は、ブロック402へと戻ることにより、関節鏡106の遠位端が体腔からまたは関節腔から取り出されることを探し始める。
【0059】
これまでに説明した様々な例は、特定の形態とされた裏付け情報に基づくものであった。しかしながら、本開示の恩恵を受けつつ例示的なシステムおよび方法を理解した当業者であれば、裏付け情報が異なる形式をとるような同等のシステムを実装することができる。例えば、ゲインパラメータの分析(図5)は、ゲインパラメータが所定のゲインしきい値未満であるかどうかの分析とすることができ、それに対応して、フロー図が変更される。なおもさらに、人工知能モジュール210(図6)の例示的なシーンインジケータは、身体の外部のシーンを認識するように訓練することができ、シーンインジケータ212は、関節鏡106の遠位端が体腔の外部にまたは関節腔の外部に位置していることをシーンが示した時点を、主張してもよく、それに対応して、フロー図が変更される。さらに、移動値の分析(図7)は、移動値が所定のゲインしきい値未満であるかどうかの分析とすることができ、それに対応して、フロー図が変更される。
【0060】
上記の説明は、本発明の原理および様々な実施形態を例示することを意図している。上記の開示が充分に理解されれば、多くの変形および改変が、当業者には明らかとなるであろう。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような変形および改変を包含するものと解釈されることが、意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】