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特表2024-537365オーミックコンタクトを備えるトランジスタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】オーミックコンタクトを備えるトランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L29/80 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522311
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 US2022047253
(87)【国際公開番号】W WO2023069601
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/508,846
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーテ、カイル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エヴァン
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102FA03
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR07
5F102GR12
5F102HC02
5F102HC07
(57)【要約】
トランジスタは、半導体層と、チャネル領域を含む。トランジスタはさらに、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域を含む。トランジスタは、第1のオーミックコンタクトと前記第1のドープされたコンタクト領域との間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第1のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトをさらに含む。インターフェースは少なくとも1つの凹部を有し、インターフェースの外周を増加させることにより、トランジスタの総接触抵抗を改善させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタであって、
半導体層と、
チャネル領域と、
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域と、
第1のオーミックコンタクトと前記第1のドープされたコンタクト領域との間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第1のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトと
を備える、トランジスタ。
【請求項2】
前記半導体層は、III族窒化物層を含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記第1のオーミックコンタクトの第1抵抗は、前記チャネル領域の第2抵抗よりも小さい、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト及びオーミックドレインコンタクトのうちのいずれかである請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第2のドープされたコンタクト領域と、
第2のオーミックコンタクトと前記第2のドープされたコンタクト領域との間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第2のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトと
をさらに含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトを含み、前記第2のオーミックコンタクトは、(i)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックソースコンタクトである場合にオーミックドレインコンタクトを含み、又は、(ii)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックドレインコンタクトである場合にオーミックソースコンタクトを含む、請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記第1のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する歯の間に空間を有する歯を含む、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する鋸歯形状の間にスペースがある鋸歯形状を含む、請求項8に記載のトランジスタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間である、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間である、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項12】
前記チャネル領域は、5μm以下の幅を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項13】
前記第1のドープされたコンタクト領域は、
前記第1のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、
前記第1のオーミックコンタクトによってカバーされていない前記チャネル領域に隣接する第2の部分と
を含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項14】
前記第2のドープされたコンタクト領域は、
前記第2のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、
前記第2のオーミックコンタクトによってカバーされていない前記チャネル領域に隣接する第2の部分と
を含む、請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項15】
前記第2のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する、請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する歯の間に空間を有する歯を含む、請求項15に記載のトランジスタ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する鋸歯形状の間にスペースがある鋸歯形状を含む、請求項15に記載のトランジスタ。
【請求項18】
前記第2のインターフェースの長さは、前記第2のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部からずれた少なくとも1つの凹部を有する、請求項15に記載のトランジスタ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの凹部の深さはそれぞれ1μmから5μmの間である、請求項15に記載のトランジスタ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間である、請求項15に記載のトランジスタ。
【請求項21】
オーミックソースコンタクト及びオーミックドレインコンタクトを有する高電子移動度トランジスタ(HEMT)であって、
半導体層と、
チャネル領域と、
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域と、
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第2のドープされたコンタクト領域と、
第1のオーミックコンタクトと前記第1のドープされたコンタクト領域との間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第1のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトと、
第2のオーミックコンタクトと前記第2のドープされたコンタクト領域との間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第2のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトと
を備える高電子移動度トランジスタ。
【請求項22】
前記第1のオーミックコンタクトと前記第2のオーミックコンタクトの少なくとも一方の第1抵抗は、前記チャネル領域の第2抵抗よりも小さい、請求項21に記載の高電子移動度トランジスタ。
【請求項23】
前記第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトを含み、前記第2のオーミックコンタクトは、(i)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックソースコンタクトである場合にオーミックドレインコンタクトを含み、又は、(ii)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックドレインコンタクトである場合にオーミックソースコンタクトを含む、請求項21に記載の高電子移動度トランジスタ。
【請求項24】
前記第1のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有し、前記第2のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する、請求項21に記載の高電子移動度トランジスタ。
【請求項25】
前記第1のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部は、前記第2のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部からずれている、請求項24に記載の高電子移動度トランジスタ。
【請求項26】
前記第1のインターフェースの長さ及び前記第2のインターフェースの長さのうちの少なくとも一方の少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間であり、前記第1のインターフェースの長さ及び前記第2のインターフェースの長さのうちの少なくとも一方の少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間である、請求項24に記載の高電子移動度トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月22日に出願された米国特許出願第17/508,846号の優先権を主張するものであり、この米国特許出願の開示の全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、トランジスタ構造、特に高電子移動度トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)等のナローバンドギャップ半導体材料は、低電力用途、及びSiの場合には、低周波数途用の半導体素子に広く使用されている。ただし、これらの半導体材料は、バンドギャップが比較的小さく(室温において、Siで1.12eV、GaAsで1.42eV)、絶縁破壊電圧が比較的小さいため、高電力及び/又は高周波数の用途にはあまり適していない場合がある。
【0004】
高出力、高温、及び/又は高周波の用途及びデバイスへの関心から、ワイドバンドギャップ半導体材料、例えば、炭化ケイ素(室温において4H-SiCで3.2eV)及び第III族窒化物(例えば、室温においてGaNで3.36eV)が注目されている。これらの材料は、GaAs及びSiよりも高い電界破壊強度、及び高い電子飽和速度を有することができる。
【0005】
高電力及び/又は高周波数の用途で特に興味深い素子は、変調ドープ電界効果トランジスタ(MODFET:modulation doped field effect transistor)としても知られる、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)である。HEMT素子では、異なるバンドギャップエネルギーの2つの半導体材料のヘテロ接合において2次元電子ガス(2DEG:two-dimensional electron gas)が形成され得、この場合に、小さいバンドギャップの材料は、広いバンドギャップ材料よりも電子親和力が高い。2DEGは、ドープされていない小さいバンドギャップ材料の蓄積層であり、比較的高いシート電子濃度、例えば1013キャリア/cmを超えるシート電子濃度を含むことができる。さらに、より広いバンドギャップ半導体に由来する電子は、2DEGに転移する可能性があり、イオン化された不純物の散乱が減少することにより、比較的高い電子移動度が可能になる。比較的高いキャリア濃度とキャリア移動度との、この組合せは、HEMTに比較的大きな相互コンダクタンスを与えることができ、高周波用途用の金属半導体電界効果トランジスタ(MESFETS:metal-semiconductor field effect transistors)を超える性能上の優位性をもたらすことができる。
【0006】
窒化ガリウム/窒化アルミニウムガリウム(GaN/AlGaN)材料系で製造されたHEMTは、比較的高い絶縁破壊電界、比較的広いバンドギャップ、比較的大きな伝導帯オフセット、及び/又は比較的高い飽和電子ドリフト速度等の材料特性の組合せにより、大量のRF電力を生成することが可能である。2DEG中の電子の大部分は、AlGaN中の分極に起因する可能性がある。
【0007】
図1は、従来の窒化ガリウム系HEMTの構造を示す。この構造は、半絶縁性4H炭化ケイ素(SiC)基板であってもよい基板10を含む。任意のバッファ層、核形成層、及び/又は遷移層(図示せず)を基板10上に設けてもよい。基板10上にはチャネル層20が設けられている。チャネル層20は、GaNなどのIII族窒化物であってもよい。チャネル層20上にはバリア層22が設けられている。バリア層22はチャネル層20のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有し、チャネル層20はバリア層22よりも大きな電子親和力を有してもよい。バリア層22は、AlN、AlInN、AlGaN、又はAlInGaNであってもよく、チャネル層20とバリア層22との間の界面に著しいキャリア濃度を誘導するのに、十分に厚さで、十分に高いAl組成及びドーピングを有する。この誘導されたキャリア濃度は、素子内に導電チャネルを提供する2DEGを形成する。2DEGチャネルの導電率は、バリア層22上に形成されたゲートコンタクト32に電圧を印加することによって、変調され得る。
【0008】
図1は、バリア層22上のキャップ層24も示しており、キャップ層24を貫通する凹部36内にゲートコンタクト32が設けられている。キャップ層24は、素子の上面(外面)をチャネルから物理的に離し、素子の表面効果を低減する可能性がある。キャップ層24は、バリア層22上に形成されたブランケットであってもよく、エピタキシャル成長及び/又は堆積によって形成されてもよい。通常、キャップ層24は、約2nmから約500nmの厚さを有してもよい。
【0009】
図1にさらに示されているように、オーミックソース/ドレインコンタクト30はバリア層22上に設けられ、ゲート凹部はキャップ層24を貫通して設けられ、バリア層22の一部が露出させる。ゲートコンタクト32は凹部内に形成され、バリア層22の露出部分に接触する。ゲートコンタクト32は、図1に示すように「T」ゲートであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のHEMT構造では、オーミック接触抵抗が望ましくない可能性があり、これがトランジスタのオン抵抗の増加に寄与する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
いくつかの実施例によるトランジスタは、半導体層と、チャネル領域と、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域とを含む。トランジスタは、第1のオーミックコンタクトと第1のドープされたコンタクト領域の間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第1のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトをさらに含む。
【0012】
半導体層は、III族窒化物層であってもよい。
【0013】
いくつかの実施例では、第1のオーミックコンタクトの第1抵抗は、チャネル領域の第2抵抗よりも小さい。
【0014】
第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト及びオーミックドレインコンタクトのうちのいずれかであってもよい。
【0015】
いくつかの実施例では、第1のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する。少なくとも1つの凹部は、複数の凹部であってもよい。複数の凹部は、隣接する歯の間に空間を有する歯であってもよい。
【0016】
複数の凹部は、隣接する鋸歯形状の間にスペースがある鋸歯形状であってもよい。
【0017】
チャネル領域は、5μm以下の幅を有する可能性がある。
【0018】
いくつかの実施例では、第1のドープされたコンタクト領域は、第1のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、第1のオーミックコンタクトによってカバーされていないチャネル領域に隣接する第2の部分とを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、トランジスタは、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第2のドープされたコンタクト領域をさらに含む。トランジスタは、第2のオーミックコンタクトと第2のドープされたコンタクト領域の間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第2のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、第2のドープされたコンタクト領域は、第2のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、第2のオーミックコンタクトによってカバーされていないチャネル領域に隣接する第2の部分とを含む。
【0021】
いくつかの実施例では、第2のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する。少なくとも1つの凹部は、複数の凹部であってもよい。複数の凹部は、隣接する歯の間に空間を有する歯であってもよい。
【0022】
複数の凹部は、隣接する鋸歯形状の間にスペースがある鋸歯形状であってもよい。
【0023】
少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間であってもよい。
【0024】
少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間であってもよい。
【0025】
第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトであってもよい。第2のオーミックコンタクトは、(i)第1のオーミックコンタクトがオーミックソースコンタクトである場合にはオーミックドレインコンタクトであってもよく、又は、(ii)第1のオーミックコンタクトがオーミックドレインコンタクトである場合にはオーミックソースコンタクトであってもよい。
【0026】
いくつかの実施例では、第2のインターフェースの長さは、第2のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部からずれた少なくとも1つの凹部を有する。
【0027】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間であってもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間であってもよい。
【0029】
いくつかの実施例によるオーミックソースコンタクト及びオーミックドレインコンタクトを有する高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、半導体層と、チャネル領域と、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域と、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第2のドープされたコンタクト領域を含む。HEMTは、第1のオーミックコンタクトと第1のドープされたコンタクト領域の間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第1のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトをさらに含む。HEMTは、第2のオーミックコンタクトと第2のドープされたコンタクト領域の間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第2のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトをさらに含む。
【0030】
第1のオーミックコンタクトと第2のオーミックコンタクトの少なくとも一方の第1抵抗は、チャネル領域の第2抵抗よりも小さくてもよい。
【0031】
第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトであってもよい。第2のオーミックコンタクトは、(i)第1のオーミックコンタクトがオーミックソースコンタクトである場合にはオーミックドレインコンタクトであってもよく、又は、(ii)第1のオーミックコンタクトがオーミックドレインコンタクトである場合にはオーミックソースコンタクトであってもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、第1のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有し、第2のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する。
【0033】
第1のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部は、第2のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部からずれたものであってもよい。
【0034】
第1のインターフェースの長さ及び第2のインターフェースの長さのうちの少なくとも一方の少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間であってよく、第1のインターフェースの長さ及び第2のインターフェースの長さのうちの少なくとも一方の少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来型トランジスタ素子の横断面図である。
図2A】いくつかの実施例による、HEMT素子の概略断面図である。
図2B図2AのGaN HEMT構造200のオーミックコンタクト及びチャネル領域の概略平面図である。
図3A】様々な実施例による、トランジスタの概略断面図である。
図3B】様々な実施例による、トランジスタの概略断面図である。
図4A】様々な実施例による、トランジスタの概略断面図である。
図4B】様々な実施例による、トランジスタの概略断面図である。
図5】様々な実施例による、凹部のないオーミックコンタクトを含む窒化ガリウム(GaN)HEMTと、凹部のあるオーミックコンタクトを含むGaN HEMTを含むテストセットアップの結果を示す。
図6A】実施例によるトランジスタ素子を組み入れたRFトランジスタ増幅器を使用することのできる、多段増幅回路の概略ブロック図である。
図6B】実施例によるトランジスタ素子を組み入れたRFトランジスタ増幅器を使用することのできる、多段増幅回路の概略ブロック図である。
図6C】実施例によるトランジスタ素子を組み入れたRFトランジスタ増幅器を使用することのできる、多段増幅回路の概略ブロック図である。
図7】いくつかの実施例による、HEMTトランジスタを含むMMIC増幅器の概略図である。
図8A】いくつかの実施例による、RFトランジスタ増幅器ダイ用のパッケージ例を示す概略断面図である。
図8B】いくつかの実施例による、RFトランジスタ増幅器ダイ用のパッケージ例を示す概略断面図である。
図8C】いくつかの実施例による、RFトランジスタ増幅器ダイ用のパッケージ例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に本発明概念の実施例を、添付の図面と関連して記述する。本明細書で説明するいくつかの実施例は、第1のオーミックコンタクトと第1のドープされたコンタクト領域との間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第1のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトを含むトランジスタを提供する。いくつかの実施形態において、トランジスタは、第2のオーミックコンタクトと第2のドープされたコンタクト領域との間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い第2のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトをさらに含む。さらなる実施形態では、第2のインターフェースの長さの少なくとも1つの凹部からずれた少なくとも1つの凹部を有する。
【0037】
本明細書においては序数、第1、第2、第3等を使用して様々な要素を記述することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって制限されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、第1の要素は第2の要素と呼ぶこともでき、同様に、第2の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素と呼ぶこともできる。
【0038】
さらに、「下(lower)」又は「底(bottom)」、及び「上(upper)」又は「頂(top)」等の相対的な用語は、図面に示されるように、ある要素と別の要素との関係を記述するために本明細書において使用されることがある。相対的な用語は、図面に描かれた向きに加えて、素子の異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図面の1つにおいて素子が裏返しされた場合、要素の「下」側にあると記述されている特徴は、その要素の「上」側に向けられる。したがって、例示的な用語「下」は、素子の特定の向きに応じて、下向き及び上向きの両方を記述することができる。同様に、図面の1つにおいて素子が裏返しされた場合、他の要素の「下方(below)」又は「下(beneath)」として記述された要素は、それらの他の要素の上方に向けられることになる。したがって、「下方」又は「下」という例示的な用語は、上方及び下方の向きの両方を記述することができる。
【0039】
本明細書における開示の説明において使用される用語は、特定の実施例を記述することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本開示及び添付の特許請求の範囲の説明において使用される場合には、単数形「an」及び「the」は、文脈が明確に別段の指示がない限り、複数形も含むことが意図される。また、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の項目の任意及び全ての可能な組合せを指し、且つ包含することも理解されたい。「備える(comprise)」及び「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載されたステップ、オペレーション、特徴、要素、及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1つ又は複数の他のステップ、オペレーション、特徴、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0040】
本開示の実施例は、本開示の理想化された実施例の概略図である平面図を参照して本明細書に記述される。そのため、例えば製造技術及び/又は公差の結果としての、図の形状からの変動が予想される。したがって、本開示の実施例は、本明細書に図示される領域の特定の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造から生じる形状の逸脱を含めるべきである。図面に図示される領域は本質的に概略的であり、それらの形状は、素子の領域の実際の形状を図示することを意図するものではなく、特に明記しない限り、開示の範囲を限定することを意図しない。さらに、模式的な理由から、以下の図面において直線、水平、又は垂直に見える線は、多くの場合、傾斜、湾曲、非水平、又は非垂直になる。さらに、要素の厚さは本質的に模式的であることを意味している。
【0041】
別に定義されていない限り、技術用語及び科学用語を含む、本開示の実施例を開示する際に使用される全ての用語は、関連技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有し、本開示の時点で知られている特定の定義に必ずしも限定されない。したがって、これらの用語は、そのような時点の後に作成される同等の用語を含むことができる。さらに、一般的に使用される辞書で定義されているもののような用語は、本明細書及び関連技術の文脈においてそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであると理解される。
【0042】
GaN HEMTなどのトランジスタのオーミックコンタクト抵抗は、トランジスタのオン抵抗(本明細書では「総接触抵抗」とも呼ばれる)の一因となり得る。このようなオン抵抗を低減するためには、トランジスタのオーミックコンタクト抵抗を低減することが望ましい。特定の理論に拘束されることは望まないが、現在、トランジスタの2つのオーミックコンタクトが共にチャネル領域に隣接する直線端部を有する場合、トランジスタの総接触抵抗が悪影響を受ける可能性があると考えられている。いくつかの実施例は、チャネル領域に隣接する凹部を含む端部を有するオーミックコンタクト(又は複数のオーミックコンタクト)を提供する。端部に凹部を含めることにより、凹部のない端部に比べて端部の外周が大きくなり、その結果、総接触抵抗が改善される可能性がある。
【0043】
いくつかの実施例によるGaN HEMT構造200が図2Aに示されている。そこに示されるように、この構造は、その上にチャネル層220が形成される基板210を含む。チャネル層上にはバリア層222が形成される。いくつかの実施例では、バリア層222及び/又はチャネル層220は、GaNなどのIII族窒化物であってもよい。ドープされたコンタクト領域223、225はバリア層222内に形成され、チャネル層220内まで延びるようにしてもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、ドープされたコンタクト領域223、225は、オーミックコンタクト224、226の1つ以上の下のバリア層222又はチャネル層220内にあってもよい。オーミックコンタクト224のオーミック部分の底面及び/又は、オーミックコンタクト226のオーミック部分の底面は、ドープされたコンタクト領域223、225のそれぞれと接触していてもよい。ドープされたコンタクト領域223、225は、例えば、シリコンなどのn型ドーパントをバリア層222の表面に注入することによって形成されるようにしてもよい。ドープされたコンタクト領域223、225をチャネル層220に形成する際は、例えば、シリコンなどのn型ドーパントをチャネル層220の表面に注入するようにしてもよい。いくつかの実施例では、ドープされたコンタクト領域223、225は、バリア層222又はチャネル層220よりも高いドーピング濃度を有するようにドープされてもよい。例えば、バリア層222がn型層であるとき、ドープされたコンタクト領域223、225は、バリア層222よりも高い濃度のn型ドーパント(例えば、N+又はN++)を有するようにドープされてもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、ドープされたコンタクト領域223、225を形成するためのドーパントの注入は、バリア層222又はチャネル層220の形成後であって、オーミックコンタクト224及び/又はオーミックコンタクト226の形成前に実行されてもよい。いくつかの実施例は、注入されたドーパントを含むドープされたコンタクト領域223、225について説明されるが、本開示の実施形態はそれに限定されず、他の技術を介してドープされたコンタクト領域223、225をドーピングすることを含む。他の技術には、再成長又は表面処理が含まれるが、これらに限定されない。例えば、ドープされたコンタクト領域223、225は、n型ドーパント及び有機金属化学気相成長法(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、分子線エピタキシ法(MBE:molecular beam epitaxy)、プラズマ励起化学気相成長法(PECVD:plasma-enhanced chemical vapor deposition)、スパッタリング及び/又は水素化物を使用して、バリア層222又はチャネル層220内における再成長によって形成されてもよい。例えば、バリア層222がn型層である場合、ドープされたコンタクト領域223、225は、バリア層222よりも高い濃度のn型ドーパント(例えば、N+又はN++)を有するようにドープされてもよい。
【0046】
オーミックコンタクト224、226は、窒化ガリウムベースの半導体材料に対するオーミックコンタクトを形成することができる金属を含み得る。適切な金属には、Ti、W、チタンタングステン(TiW)、シリコン(Si)、チタンタングステン窒化物(TiWN)、ケイ化タングステン(WSi)、レニウム(Re)、ニオビウム(Nb)、Ni、金(Au)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、NiSi、ケイ化チタン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、WSiN、Ptなどの耐熱金属が含まれ得る。
【0047】
図2B図2AのGaN HEMT構造200のオーミックコンタクト及びチャネル領域の概略平面図である。図2Bに示されるように、オーミックコンタクト224は、チャネル領域201に隣接するドープされたコンタクト領域223上にある。ドープされたコンタクト領域223は、オーミックコンタクト224によって覆われた223の第1の部分と、オーミックコンタクト224によって覆われていない第2の部分223aの2つの部分を含み得る。オーミックコンタクト224は、オーミックコンタクト224と、ドープされたコンタクト領域223(例えば、オーミックコンタクト224によって覆われていない第2の部分223a)及び/又はチャネル領域201との間に、線IR1-IR1’によって示される長さを有するインターフェース領域を含む。図2Bに示されるように、オーミックコンタクト224のインターフェースの長さ224aは、インターフェース領域IR1-IR1’の長さとほぼ同じである。
【0048】
オーミックコンタクト226は、チャネル領域201に隣接するドープされたコンタクト領域225上にある。ドープされたコンタクト領域225は、オーミックコンタクト226によって覆われた225の第1の部分と、オーミックコンタクト226によって覆われていない第2の部分225aの2つの部分を含み得る。オーミックコンタクト226は、オーミックコンタクト226と、ドープされたコンタクト領域225(例えば、オーミックコンタクト226によって覆われていない第2の部分225a)及び/又はチャネル領域201との間に、線IR2-IR2’によって示される長さを有するインターフェース領域を含む。図2Bに示されるように、オーミックコンタクト226のインターフェースの長さ226aは、インターフェース領域IR2-IR2’の長さとほぼ同じである。
【0049】
特定の理論に拘束されることは望まないが、トランジスタにおいては、インターフェース領域の長さとほぼ同じインターフェースの長さ(例えば、224a、226a)を有するインターフェース領域(例えば、インターフェース領域IR1-IR1’及びIR2-IR2’)の存在により、トランジスタの総接触抵抗が電流集中によって悪影響を受けると考えられる。さらに、チャネル領域の寸法の減少を含め、トランジスタの全体的なサイズが小さくなるにつれて、総接触抵抗は、トランジスタが、例えば、より高い周波数において適切な性能を達成することを妨げる可能性がある。いくつかの実施例は、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含むオーミックコンタクト(又は複数のオーミックコンタクト)を提供する。いくつかの実施例では、インターフェースの長さは少なくとも1つの凹部を有する。少なくとも1つの凹部を有することにより、インターフェースの長さを長くすることができる。インターフェースの長さをインターフェース領域の長さよりも長くすることによって、電流集中が減少し、トランジスタの総接触抵抗が改善され得る。
【0050】
いくつかの実施例では、トランジスタの総接触抵抗は、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有するオーミックコンタクトの包含に基づいて、チャネル領域の寸法が減少するにつれて、スケーリングすることができる。
【0051】
いくつかの実施例では、トランジスタは半導体層(例えば、バリア層222又はチャネル層220)を含む。トランジスタは、チャネル領域(例えば、チャネル領域201)と、半導体層内にあり、チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域(例えば、ドープされたコンタクト領域223)とをさらに含む。第1のドープされたコンタクト領域は、第1のオーミックコンタクト(例えば、オーミックコンタクト224)によって覆われた第1の部分と、第1のオーミックコンタクトによって覆われていない第2の部分(例えば、第2の部分223a)とを含むことができる。第1のオーミックコンタクト(例えば、オーミックコンタクト224)は、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域(例えば、図3A図3B図4A、及び図4Bを参照して本明細書で説明される端部)の長さよりも長いインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む。
【0052】
いくつかの実施例では、半導体層はIII族窒化物層を含む。
【0053】
いくつかの実施例では、トランジスタは半導体層内にあり、チャネル領域(例えば、チャネル領域201)に隣接する第2のドープされたコンタクト領域(例えば、ドープされたコンタクト領域225)をさらに含む。第2のドープされたコンタクト領域は、第2のオーミックコンタクト(例えば、オーミックコンタクト226)によって覆われた第1の部分と、第2のオーミックコンタクトによって覆われていない第2の部分(例えば、第2の部分225a)とを含むことができる。第2のオーミックコンタクト(例えば、オーミックコンタクト226)は、第2のオーミックコンタクトと第2のドープされたコンタクト領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域(例えば、図3A図3B図4A、及び図4Bを参照して本明細書で説明される端部)の長さよりも長い第2のインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含む。
【0054】
いくつかの実施例では、オーミックコンタクト224は、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトを含み、オーミックコンタクト226は、(i)コンタクト224がオーミックソースコンタクトである場合にオーミックドレインコンタクトを含み、又は、(ii)コンタクト224がオーミックドレインコンタクトである場合にオーミックソースコンタクトを含む。
【0055】
いくつかの実施例では、第1のインターフェースの長さは少なくとも1つの凹部を有し、及び/又は第2のインターフェースの長さは少なくとも1つの凹部を有する。
【0056】
様々な実施例のトランジスタのオーミックコンタクト(又は複数のオーミックコンタクト)は、多くの異なる形状及びサイズを取り得る。図3A図3B図4A、及び図4Bは、本開示のいくつかの実施例による変形を示す。オーミックコンタクト224、226のインターフェースの長さ及びドープされたコンタクト領域223、225の第2の部分223a、225aの形状/長さ以外の、図3A図3B図4A、及び図4Bのトランジスタの構造の一部は、図2A及び図2Bに示されたものと実質的に同じか又は類似しており、簡潔にするために、その重複する説明は省略される。図3A図3B図4A、及び図4Bのトランジスタ素子は、図2AのGaN HEMT構造200と実質的に同様の断面図を共有することができ、したがって、その重複する図示は省略される。
【0057】
図3A図3B図4A、及び図4Bは、識別及び説明のための構造を表すことを意図しており、構造を物理的なスケールで表すことを意図していない。さらに、図3A図3B図4A、及び図4Bは、図2Bの構造との全体的な比較を可能にするように示されているが、図2Bのスケールは、図3A図3B図4A、及び図4Bのスケールと同一であることを意図していないことが理解されよう。
【0058】
図3A図3B図4A、及び図4Bに示される実施例のトランジスタは、図3Aの線B-B’の方向に約5μm~500μmのサイズを有することができ、トランジスタの構造(例えば、GaN HEMT構造200)のサイズが減少するにつれて、第1のインターフェースの長さ224aと第2のインターフェースの長さ226aとの間の線A-A’の方向におけるチャネル領域201の距離も減少する。いくつかの実施例では、チャネル領域は、約5μm以下の幅を有する。
【0059】
図3Aは、本開示のトランジスタの例示的な実施例を示す。
【0060】
図3Aに示すように、オーミックコンタクト224は、ドープされたコンタクト領域223の第2の部分223aに隣接し、チャネル領域201に隣接する第1のインターフェースの長さ224aを有する。第1のインターフェースの長さは、インターフェース領域IR1-IR1’の長さとほぼ同じである。オーミックコンタクト226は、ドープされたコンタクト領域225の第2部分225aに隣接し、チャネル領域201に隣接する第2のインターフェースの長さ226aを有する。図3Aの例示的な実施例に示されるように、インターフェースの長さ226aは、第2のインターフェースの長さ226a上の凹部の存在により、インターフェース領域IR2-IR2’の長さよりも長い。図3Aに示されるように、いくつかの実施例では、第2のインターフェースの長さ226aの凹部は、隣接する歯の間に空間を有する区分的な歯の形状を有する。凹部の区分的な歯の形状は、深さD1と幅D2を有する。いくつかの実施例では、深さD1は、約1μmから5μmの範囲であり得る。しかしながら、深さD1が大きくなると、総接触抵抗が増加し、トランジスタが、より高い周波数において適切な性能を達成することを妨げる可能性がある。いくつかの実施例では、幅D2は、約1.4μmから3μmの範囲であり得る。特定の理論に拘束されることは望まないが、オーミックコンタクト226の下のドープされたコンタクト領域225のシート抵抗が減少するにつれて、第2のインターフェースの長さ226a上の区分的な凹部の幅D2が増加する可能性があると考えられる。
【0061】
図3Bは、図3Aのトランジスタに類似する本開示の別の例示的な実施例を示す。
【0062】
しかしながら、この実施例では、オーミックコンタクト224及び226の両方のインターフェースの長さ224a、226aは、複数の凹部を有する。図3Bに示されるように、オームコンタクト224は、ドープされたコンタクト領域223の第2の部分223a及びチャネル領域201に隣接する凹部を含む第1のインターフェースの長さ224aを有し、オームコンタクト226は、ドープされたコンタクト領域225の第2の部分225a及びチャネル領域201に隣接する凹部を含む第2のインターフェースの長さ226aを有する。図3Bの例示的な実施例に示されるように、インターフェースの長さ224a、226aは、第1のインターフェースの長さ224a及び第2のインターフェースの長さ226a上の凹部の存在により、それぞれインターフェース領域IR1-IR1’及びIR2-IR2’の長さよりも長い。第1及び第2のインターフェースの長さ224a、226aの凹部は隣接する歯の間に空間を有する区分的な歯の形状を有する。凹部の区分的な歯の形状は、深さD1と幅D2を有する。深さD1及び幅D2は、図3Aのものと同様である。
【0063】
図4Aは、図3Aのトランジスタに類似する本開示の別の例示的な実施例を示す。
【0064】
しかしながら、この実施例では、オーミックコンタクト224は、ドープされたコンタクト領域223の第2の部分223aに隣接し、チャネル領域201に隣接する第1のインターフェースの長さ224aを有する。第1のインターフェースの長さはインターフェース領域IR1-IR1’の長さとほぼ同じである。オーミックコンタクト226は、ドープされたコンタクト領域225の第2の部分225aに隣接し、チャネル領域201に隣接する第2のインターフェースの長さ226aを有する。オーミックコンタクト226は、ドープされたコンタクト領域225の第2部分225aに隣接し、チャネル領域201に隣接する第2のインターフェースの長さ226aを有する。図4Aの例示的な実施例に示されるように、インターフェースの長さ226aは、鋸歯形状有する凹部の存在により、インターフェース領域IR2-IR2’の長さよりも長い。第2のインターフェースの長さ226aの凹部は、隣接する鋸歯形状の間に空間を有する区分的な鋸歯形状を有する。凹部の区分的な鋸歯形状は、深さD1と幅D2を有する。深さD1及び幅D2は、図3Aのものと同様である。
【0065】
図4Bは、図3Bのトランジスタに類似する本開示の別の例示的な実施例を示す。
【0066】
しかしながら、この実施例では、オーミックコンタクト224及び226の両方の第1及び第2のインターフェースの長さ224a、226aは、鋸歯形状を有する複数の凹部を含む。図4Bに示されるように、オームコンタクト224は、ドープされたコンタクト領域223の第2の部分223aに隣接し、チャネル領域201に隣接する凹部を含む第1のインターフェースの長さ224aを有し、オームコンタクト226は、ドープされたコンタクト領域225の第2部分225aに隣接し、チャネル領域201に隣接する凹部を含む第2のインターフェースの長さ226aを有する。図4Bの例示的な実施例に示されるように、インターフェースの長さ224a、226aは、第1のインターフェースの長さ224a及び第2インターフェースの長さ226a上の凹部の存在により、それぞれインターフェース領域IR1-IR1’及びIR2-IR2’の長さよりも長い。第1及び第2のインターフェースの長さ224a、226aの凹部は、隣接する鋸歯形状の間に空間を有する区分的な鋸歯形状を有する。凹部の区分的な鋸歯形状は、深さD1と幅D2を有する。深さD1及び幅D2は、図3Aのものと同様である。
【0067】
図3A図3B図4A、及び4Bは、凹部を含むオーミックコンタクトのインターフェースの長さを示しているが、本開示はそれに限定されない。その代わりに、限定されないが、曲線、蛇行形状、切り欠き、のこぎり形状、鋸歯形状、非直線境界、切り抜き部分(インターフェースの長さを依然として増加する囲み切り抜き部分を含むが、これらに限定されない)、規則的又は不規則な突起、前述のいずれかの組み合わせなどを含む、任意の形状又はパターンがインターフェースの長さに沿って含まれてもよい。さらに、いくつかの実施例では、第1のオーミックコンタクト及び/又は第2のオーミックコンタクトの第1のインターフェースの長さ及び/又は第2のインターフェースの長さ上に複数の凹部を例示するが、本開示はそれに限定されない。その代わりに、任意の量の凹部がインターフェースの長さに沿って含まれてもよい(例えば、インターフェースの長さに沿って1つ以上の凹部)。特定の理論に束縛されることは望まないが、インターフェースの長さに沿った凹部の量が増加するにつれて、総接触抵抗は減少すると考えられる。
【0068】
いくつかの実施例では、図3B及び図4Bの例示的な実施例に示されるように、第1及び第2のオーミックコンタクトが、複数の凹部を含む第1のインターフェースの長さ及び第2のインターフェースの長さをそれぞれ有する場合、第1のインターフェースの長さの複数の凹部は、第2のインターフェースの長さの複数の凹部とずれている。例えば、図3B及び図4Bは、線A-A’を参照してそのようなずれを図示しており、第1のインターフェースの長さ224aの複数の凹部の区分的形状が、第2のインターフェースの長さ226aの複数の凹部の区分的形状に対してオフセットしていることを示している。しかしながら、第1及び第2のインターフェースの長さの凹部がオフセットから離れ、整列する方向に向かう場合、総接触抵抗が増加する可能性がある。
【0069】
様々な実施例は、歯又は鋸歯形状を含む凹部を参照して説明されるが、本開示はそれに限定されず、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域及び/又はチャネル領域との間のインターフェースの長さがインターフェース領域の長さよりも長くなるように、インターフェースの長さを増加させる多くの形状(例えば、丸みを帯びた形状、曲線、スタブ、のこぎり形状、切り欠きなど)を含む。さらに、線IR1-IR1’及び/又は線IR2-IR2’に沿って、線B-B’に沿ったトランジスタの長さと同一の広がりを有するインターフェース領域を例示する図3A図3B図4A、及び図4Bを参照して様々な実施例が説明したが、本開示はそれほど限定されず、線B-B’に沿ったトランジスタの長さよりも短い長さを有するインターフェース領域(又は複数のインターフェース領域)を含む。
【0070】
いくつかの実施例により、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域及び/又はチャネル領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有するインターフェース領域を含むオーミックコンタクトの存在は、トランジスタの総接触抵抗を低減することができる。例えば、図5は、それぞれのインターフェース領域の長さとほぼ同じインターフェースの長さを有する2つのオーミックコンタクトを含む従来のGaN HEMTトランジスタ、及び本明細書に説明されているそれぞれのインターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さのずれた凹部を含む2つのオーミックコンタクトを含むGaN HEMTトランジスタを含むテストセットアップの結果を示す。従来のGaN HEMTトランジスタ及び本開示のいくつかの実施例によるGaN HEMTトランジスタは、それぞれの素子の第1のオーミックコンタクトのインターフェース領域と第2のオーミックコンタクトとの間に約5μmのギャップを有した。
【0071】
図5を参照すると、それぞれのインターフェース領域の長さとほぼ同じインターフェースの長さを有する素子(右上のグラフ)と、それぞれのインターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有する素子(左下のグラフ)に負荷がかかった。特に、素子の過渡動作は電流及び電圧計でテストされた。一方のオーミックコンタクトには定電流が強制的に流れ、もう一方のオーミックコンタクトは接地された。その結果の電圧は、2つのオーミックコンタクト間で測定され、オームの法則に基づいて抵抗を決定するために使用された。その結果、テストされた素子の総接触抵抗がグラフに示される。
【0072】
それぞれのインターフェース領域の長さとほぼ同じインターフェースの長さを有する第1のオーミックコンタクト501及び第2のオーミックコンタクト503を有する素子は、約0.23ohm-mmの正規化された総接触抵抗(Res(ohm))を有した。これは、それぞれのインターフェース領域の長さとほぼ同じ長さのインターフェースの長さの存在によって影響されると考えられる。しかしながら、図5から分かるように、それぞれのインターフェース領域の長さよりも長い長さを有するインターフェースの長さを有する第1及び第2のオーミックコンタクト505、507を有する素子は、約7%低減された正規化された総接触抵抗(Res(ohm))を有していた(約0.4ohm-mmの低減)。第1及び第2のオーミックコンタクト505、507の第1及び第2のインターフェースの長さが増加することにより、総接触抵抗が改善されたと考えられる。
【0073】
再び特定の動作理論に束縛されることを望まないが、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域及び/又はチャネル領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有することによって、チャネル領域の有効幅を縮小させることによって、総接触抵抗を低減する可能性があると考えられる。すなわち、オーミックコンタクトのインターフェースの長さがインターフェース領域の長さよりも長い場合、オーミックコンタクトの下のドープされたコンタクト領域のシート抵抗は、チャネル領域内の抵抗に比べて低減されると考えられる。
【0074】
いくつかの実施例では、オーミックコンタクトとドープされたコンタクト領域及び/又はチャネル領域との間のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長いインターフェースの長さを有するオーミックコンタクトは、チャネル領域の抵抗よりも小さい抵抗を有する。結果として、総接触抵抗が低減される可能性がある。
【0075】
本明細書に記載されるトランジスタ素子は、多種多様な異なる周波数帯域で動作する増幅器において使用することができる。いくつかの実施例では、本明細書に記載されるようなトランジスタ素子を組み込んだRFトランジスタ増幅器は、1GHzを超える周波数で動作するように構成することができる。他の実施例では、RFトランジスタ増幅器は、2.5GHzを超える周波数で動作するように構成することができる。さらに別の実施例では、RFトランジスタ増幅器は、3.1GHzを超える周波数で動作するように構成することができる。さらに追加の実施例では、RFトランジスタ増幅器は、5GHzを超える周波数で動作するように構成することができる。いくつかの実施例では、RFトランジスタ増幅器は、2.5~2.7GHz、3.4~4.2GHz、5.1~5.8GHz、12~18GHz、18~27GHz、27~40GHz若しくは40~75GHzの周波数帯域、又はそのサブ部分のうちの少なくとも1つで動作するように構成することができる。
【0076】
本発明概念の実施例は、HEMT素子に関して上で考察したが、本明細書に記載される発明概念は、MOSFET、DMOSトランジスタ、及び/又は横方向拡散MOS(LDMOS:laterally diffused MOS)トランジスタ等の他のタイプの半導体素子に適用され得ることが理解されよう。
【0077】
本明細書に記載されるトランジスタ素子を組み込んだRFトランジスタ増幅器は、スタンドアロンRFトランジスタ増幅器及び/又は複数のRFトランジスタ増幅器において使用することができる。いくつかの実施例によるRFトランジスタ増幅器が、複数の増幅器を含む用途においてどのように使用され得るかの例を、図6A~6Cを参照して考察する。
【0078】
図6Aを参照すると、RFトランジスタ増幅器1000Aは、電気的に直列に接続された、前置増幅器1010と主増幅器1030とを含む、RFトランジスタ増幅器1000Aが模式的に図示されている。図6Aに示すように、RFトランジスタ増幅器1000Aは、RF入力1001と、前置増幅器1010と、段間インピーダンス整合ネットワーク1020と、主増幅器1030と、RF出力1002とを含む。段間インピーダンス整合ネットワーク1020は、例えば、前置増幅器1010の出力と主増幅器1030の入力との間のインピーダンス整合を改善する回路を形成するために、任意、適切な構成で配設されたインダクタ及び/又はコンデンサを含んでもよい。図6Aには示されていないが、RFトランジスタ増幅器1000Aは、RF入力1001と前置増幅器1010の間に介在する入力整合ネットワーク、及び/又は主増幅器1030とRF出力1002の間に介在する出力整合ネットワークをさらに含んでもよい。実施例によるRFトランジスタ増幅器は、前置増幅器1010及び主増幅器1030のいずれか又は両方を実装するために使用されてもよい。
【0079】
図6Bを参照すると、RF入力1001と、一対の前置増幅器1010-1、1010-2と、一対の段間インピーダンス整合ネットワーク1020-1、1020-2と、一対の主増幅器1030-1、1030-2と、RF出力1002とを含むRFトランジスタ増幅器1000Bが模式的に図示されている。スプリッタ1003及びコンバイナ1004も設けられている。(電気的に直列に接続されている)前置増幅器1010-1と主増幅器1030-1とは、(電気的に直列に接続されている)前置増幅器1010-2と主増幅器1030-2と電気的に並列に配設されている。図9AのRFトランジスタ増幅器1000Aと同様に、RFトランジスタ増幅器1000Bは、RF入力1001と前置増幅器1010-1、1010-2の間に介在する入力整合ネットワーク、及び/又は主増幅器1030-1、1030-2とRF出力1002の間に介在する出力整合ネットワークをさらに含んでもよい。
【0080】
図6Cに示すように、いくつかの実施例によるRFトランジスタ増幅器は、Doherty増幅器を実装するためにも使用することができる。当該技術分野において知られているように、Doherty増幅回路は、第1及び第2(又はそれより上の)の電力結合増幅器を含む。第1の増幅器は、「主」増幅器又は「キャリア」増幅器と呼ばれ、第2の増幅器は、「ピーキング(peaking)」増幅器と呼ばれる。2つの増幅器のバイアスは異なる場合がある。例えば、1つの一般的なDoherty増幅器実装において、主増幅器は、クラスAB又はクラスB増幅器を備えてもよく、一方、ピーキング増幅器は、クラスC増幅器であってもよい。Doherty増幅器は、飽和状態から後退した電力レベルで動作する場合、バランス増幅器よりも効率的に動作することができる。Doherty増幅器に入力されるRF信号は、(例えば、直交カプラを使用して)分割され、2つの増幅器の出力が結合される。主増幅器が最初に(つまり、より低い入力電力レベルで)オンになるように構成されており、そのために、主増幅器のみがより低い電力レベルで動作する。入力電力レベルが飽和に向かって増加すると、ピーキング増幅器がオンになり、入力RF信号が、主増幅器とピーキング増幅器の間で分割される。
【0081】
図6Cに示されるように、DohertyRFトランジスタ増幅器1000Cは、RF入力1001と、入力スプリッタ1003と、主増幅器1040と、ピーキング増幅器1050と、出力コンバイナ1004と、RF出力1002とを含む。DohertyRFトランジスタ増幅器1000Cは、ピーキング増幅器1050の入力における90°変圧器1007と、主増幅器1040の入力における90°変圧器1005とを含み、任意選択で、入力整合ネットワーク及び/又は出力整合ネットワーク(図示せず)を含んでもよい。主増幅器1040及び/又はピーキング増幅器1050は、実施例による上述のRFトランジスタ増幅器のいずれかを使用して実装することができる。
【0082】
実施例によるRFトランジスタ増幅器は、ディスクリート素子として形成されてもよく、又はモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)の一部として形成されてもよい。MMICとは、特定の機能の全ての回路が単一の半導体チップに統合されている、無線周波数及び/又はマイクロ波周波数の信号で動作する集積回路を指す。一例のMMIC素子は、全て共通の基板上に実装される、関連する整合回路、給電ネットワーク等を含む、トランジスタ増幅器である。MMICトランジスタ増幅器は、通常は、並列に接続された複数の単位セルHEMTトランジスタを含む。
【0083】
図7は、本発明の実施例によるMMIC RFトランジスタ増幅器400の平面図である。図7に示したように、MMIC RFトランジスタ増幅器400は、パッケージ410内に含まれた集積回路チップ430を含む。パッケージ410は、集積回路チップ430を包囲し且つ保護する保護ハウジングを含んでよい。パッケージ410は、例えば、セラミック材料から形成されてよい。
【0084】
パッケージ410は、入力リード412及び出力リード418を含む。入力リード412は、例えば、はんだ付けによって入力リードパッド414に取り付けられてよい。1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ420は、入力リードパッド414を集積回路チップ430上の入力ボンド・パッドに電気的に接続してよい。集積回路チップ430は、入力給電ネットワーク438、入力インピーダンス整合ネットワーク450、第1のRFトランジスタ増幅器段460、中間インピーダンス整合ネットワーク440、第2のRFトランジスタ増幅器段462、出力インピーダンス整合段470及び出力給電ネットワーク482を含む。
【0085】
パッケージ410は、さらに、例えば、はんだ付けによって出力リードパッド416に接続された出力リード418を含む。1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ490は、出力リードパッド416を集積回路チップ430上の出力ボンド・パッドに電気的に接続してよい。第1のRFトランジスタ増幅器段460及び/又は第2のRFトランジスタ増幅器段462は、本発明の概念の実施例によるRFトランジスタ増幅器のいずれかを使用して実装されてよい。
【0086】
本発明の概念の実施例によるRFトランジスタ増幅器は、多様な異なる周波数帯において動作するように設計されてよい。幾つかの実施例において、これらのRFトランジスタ増幅器ダイは、0.6~2.7GHz、3.4~4.2GHz、5.1~5.8GHz、12~18GHz、18~27GHz、27~40GHz若しくは40~75GHzの周波数帯又はそれらのサブポーションのうちの少なくとも1つにおいて動作するように構成されてよい。本発明の概念の実施例による技術は、10GHz以上の周波数において動作するRFトランジスタ増幅器のために特に有利であり得る。
【0087】
図8A及び図8Bは、本発明の実施例によるRFトランジスタ増幅器ダイが、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器600A及び600Bをそれぞれ提供するようにパッケージングされ得る複数の実例方法を示す概略的な断面図である。
【0088】
図8Aは、パッケージングされたIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器600Aの概略的な側面図である。図8Aに示したように、パッケージングされたRFトンジスタ増幅器600Aは、オープン・キャビティ・パッケージ610AにおいてパッケージングされたRFトランジスタ増幅器ダイ100を含む。パッケージ610Aは、金属ゲート・リード622A、金属ドレイン・リード624A、金属サブマウント630、側壁640及び蓋642を含む。
【0089】
サブマウント630は、パッケージ600Aの熱管理を支援するように構成された材料を含んでよい。例えば、サブマウント630は、銅及び/又はモリブデンを含んでよい。いくつかの実施例において、サブマウント630は、多数の層から成ってよい及び/又はビア/相互接続を含んでよい。例示的な実施例において、サブマウント630は、そのそれぞれの主面に銅クラッディング層を備えるコア・モリブデン層を含む、多層銅/モリブデン/銅金属フランジであってよい。いくつかの実施例において、サブマウント630は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒート・シンクを含んでよい。側壁640及び/又は蓋642は、いくつかの実施例において絶縁材料から形成されてよい又は絶縁材料を含んでよい。例えば、側壁640及び/又は蓋642は、セラミック材料から形成されてよい又はセラミック材料を含んでよい。
【0090】
いくつかの実施例において、側壁640及び/又は蓋642は、例えば、Al2O3から形成されてよい。蓋642は、エポキシ接着剤を使用して側壁640に接着されてよい。側壁640は、例えば、ブレージングを介してサブマウント630に取り付けられてよい。ゲート・リード622A及びドレイン・リード624Aは、側壁640を貫通して延びるように構成されてよいが、本発明の概念の実施例はそれに限定されない。
【0091】
RFトランジスタ増幅器ダイ100は、金属サブマウント630、セラミック側壁640及びセラミック蓋642によって画定された空気充填されたキャビティ612において金属サブマウント630の上面に取り付けられている。RFトランジスタ増幅器ダイ100のゲート端子及びドレイン端子は、構造の上側にあってよいのに対し、ソース端子は、構造の底側にある。
【0092】
ゲート・リード622Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ654によってRFトランジスタ増幅器ダイ100のゲート端子に接続されてよい。同様に、ドレイン・リード624Aは、1つ又は複数のボンド・ワイヤ654によってRFトランジスタ増幅器ダイ100のドレイン端子に接続されてよい。ソース端子は、例えば、伝導性ダイ取付け材料(図示せず)を使用して金属サブマウント630上に取り付けられてよい。金属サブマウント630は、ソース端子126に電気接続を提供してよく、RFトランジスタ増幅器ダイ100に発生した熱を放散させる熱放散構造として機能してもよい。
【0093】
熱は、例えば、ユニットセルトランジスタのチャネル領域において比較的高い電流密度が発生されるRFトランジスタ増幅器ダイ100の上側部分において主に発生される。この熱は、ソースビア146及び素子の半導体層構造を通じてソース端子へ、次いで、金属サブマウント630へ伝達されてよい。
【0094】
図9Bは、別のパッケージングされたIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器600Bの概略的な側面図である。RFトランジスタ増幅器600Bは、異なるパッケージ610Bを含む点でRFトランジスタ増幅器600Aとは異なる。パッケージ610Bは、金属サブマウント630、並びに金属ゲート・リード及びドレイン・リード622B、624Bを含む。RFトランジスタ増幅器600Bは、RFトランジスタ増幅器ダイ100、リード622B、624B及び金属サブマウント630を少なくとも部分的に包囲するプラスチックオーバーモールド660も含む。
【0095】
上記実施例の特徴について多くの変形が可能である。本発明の実施例において使用することのできる特徴を有するトランジスタ構造は、以下の一般に割り当てられた刊行物に開示され、その各々の内容は、その全体が参照により本明細書に完全に組み込まれる:米国特許第6,849,882号明細書、Chavarkarら、「Group-III Nitride Based High Electron Mobility Transistor(HEMT)With Barrier/Spacer Layer」;米国特許第7,230,284号明細書、Parikhら、「Insulating Gate AlGaN/GaN HEMT」;米国特許第7,501,669号明細書、Parikhら、「Wide Bandgap Transistor Devices With Field Plates」;米国特許第7,126,426号明細書、Mishraら、「Cascode Amplifier Structures Including Wide Bandgap Field Effect Transistor With Field Plates」;米国特許第7,550,783号明細書、Wuら、「Wide Bandgap HEMTs With Source Connected Field Plates」;米国特許第7,573,078号明細書、Wuら、「Wide Bandgap Transistors With Multiple Field Plates」;米国特許出願公開第2005/0253167号明細書、Wuら、「Wide Bandgap Field Effect Transistors With Source Connected Field Platesndgap Transistors With Gate-Source FieldPlates」;米国特許出願公開第2008/0128752号明細書、Wu、「GaN Based HEMTs With Buried Field Plates」;米国特許出願公開第2010/0276698号明細書、Mooreら、「Gate Electrodes For Millimeter-Wave Operationand Methods of Fabrication」;米国特許出願公開第2012/0049973号明細書、Smith,Jr.ら、「High Power Gallium Nitride Field Effect Transistor Switches」;米国特許出願公開第2012/0194276号明細書、Fisher、「Low Noise Amplifiers Including Group III Nitride Based High Electron Mobility Transistors」;及び米国特許第9,847,411号明細書、Sriramら、「Recessed field plate transistor structures」。
【0096】
本発明の概念の実施例は、その特定の構成を参照してかなり詳細に説明されているが、他のバージョンも可能である。オーミックコンタクトの端部の凹部も、多くの異なるサイズ及び形状を持つことができる。したがって、本発明の趣旨及び範囲は、上述した特定の実施例に限定されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタであって、
半導体層と、
チャネル領域と、
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第1のドープされたコンタクト領域と、
第1のオーミックコンタクトと前記第1のドープされたコンタクト領域との間の第1のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第1のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第1のオーミックコンタクトと
を備える、トランジスタ。
【請求項2】
前記半導体層は、III族窒化物層を含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記第1のオーミックコンタクトの第1抵抗は、前記チャネル領域の第2抵抗よりも小さい、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト及びオーミックドレインコンタクトのうちのいずれかである請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記半導体層内にあり、前記チャネル領域に隣接する第2のドープされたコンタクト領域と、
第2のオーミックコンタクトと前記第2のドープされたコンタクト領域との間の第2のインターフェースの長さであって、インターフェース領域の長さよりも長い前記第2のインターフェースの長さを有する前記インターフェース領域を含む第2のオーミックコンタクトと
をさらに含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記第1のオーミックコンタクトは、オーミックソースコンタクト又はオーミックドレインコンタクトを含み、前記第2のオーミックコンタクトは、(i)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックソースコンタクトである場合にオーミックドレインコンタクトを含み、又は、(ii)前記第1のオーミックコンタクトがオーミックドレインコンタクトである場合にオーミックソースコンタクトを含む、請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記第1のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する歯の間に空間を有する歯を含む、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの凹部は、複数の凹部を含み、該複数の凹部は、隣接する鋸歯形状の間にスペースがある鋸歯形状を含む、請求項8に記載のトランジスタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの凹部の深さは1μmから5μmの間である、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの凹部の幅は1.4μmから3μmの間である、請求項7に記載のトランジスタ。
【請求項12】
前記チャネル領域は、5μm以下の幅を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項13】
前記第1のドープされたコンタクト領域は、
前記第1のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、
前記第1のオーミックコンタクトによってカバーされていない前記チャネル領域に隣接する第2の部分と
を含む、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項14】
前記第2のドープされたコンタクト領域は、
前記第2のオーミックコンタクトによってカバーされた第1の部分と、
前記第2のオーミックコンタクトによってカバーされていない前記チャネル領域に隣接する第2の部分と
を含む、請求項5に記載のトランジスタ。
【請求項15】
前記第2のインターフェースの長さは、少なくとも1つの凹部を有する、請求項5に記載のトランジスタ。
【国際調査報告】