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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】無結節ソフトアンカーシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20241003BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524563
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022048644
(87)【国際公開番号】W WO2023081171
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,491
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/317,671
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/317,673
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/342,843
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/357,181
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハウスマン、マーク イー.
(72)【発明者】
【氏名】バルボア、マーク ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホール、ベンジャミン エム.
(72)【発明者】
【氏名】シャー、ジェイ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース、ジョン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】パテル、ネハル エヌ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB00
4C160LL29
4C160LL30
4C160LL37
(57)【要約】
本明細書では、無結節組織修復構造が開示される。構造は、ソフトアンカーボディを含み、このアンカーボディは、近位端と遠位端とこれらの間に延びた長手方向軸線とを有している。構造は、また、アンカーボディに対して固定的に結合された修復縫合糸を含む。構造は、また、移送縫合糸を含み、この移送縫合糸は、アンカーボディを通してかつそれに沿って繰り返し的に織り込まれることで、移送経路を規定している。修復縫合糸と移送縫合糸との少なくとも一方にかかる張力により、アンカーボディが展開され得る。移送縫合糸の第一端部は、アンカーボディを通して修復縫合糸を移送してもよく、これにより、組織修復構造を無結節的にロックし得る修復ループが形成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無結節組織修復構造であって、
軟質材料から形成されたアンカーボディであって、近位端と遠位端と長手方向軸線とを有したアンカーボディと、
第一端部と第二端部とカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディを通してかつ前記アンカーボディに沿って、また、前記修復縫合糸の、前記アンカーボディの前記第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸にかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して引き戻すように構成されており、これにより、修復ループを形成し、前記修復縫合糸の前記第二端部にかかる張力は、前記修復ループを、無結節的にロックするように構成されている、無結節組織修復構造。
【請求項2】
前記展開縫合糸は、前記アンカーボディが前記展開構成とされている際には、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して引き戻すように構成されている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項3】
前記修復縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第一端部により形成された軸線方向にオーバーラップした二つの結び目を介して前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記軸線方向にオーバーラップした二つの結び目は、前記アンカーボディの外部に位置している、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項4】
前記修復縫合糸の前記第二端部と前記展開縫合糸との両方にかかる張力は、前記アンカーボディを前記展開構成へと変化させるように構成されている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項5】
前記アンカーボディは、内部管腔を有したチューブ状編組ボディを規定しており、前記内部管腔は、開口近位端を有しており、前記修復縫合糸および前記展開縫合糸は、両方とも、前記アンカーボディを通して織り込まれているとともに、両方とも、前記内部管腔の前記開口近位端から直接的に延びている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項6】
前記修復縫合糸は、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記アンカーボディの外部に配置されている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項7】
前記テープ長さセグメントは、前記修復縫合糸が修復ループとして形成されている時には前記テープ長さセグメントが前記アンカーボディを通して戻って修復組織の周囲に延びた長さ部分を規定する、請求項6に記載の無結節組織修復構造。
【請求項8】
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して結合するように構成されており、前記接合ループは、前記無結節組織修復構造のすべての動作開口を通して延びた接合長さ部分を有している、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項9】
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディの全体を通して、および前記修復縫合糸の前記カニューレ状長さ部分の全体を通して、延びている、請求項8に記載の無結節組織修復構造。
【請求項10】
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディの全体を通しておよび前記カニューレ状長さ部分の全体を通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、請求項8に記載の無結節組織修復構造。
【請求項11】
前記展開縫合糸は、カニューレ状とされた第一長さセグメントと、前記第一長さセグメントよりも直径が小さな第二長さセグメントと、を含み、前記接合ループは、前記第二長さセグメントを含み、前記接合長さ部分は、同軸的に配置された前記第一長さセグメントと前記第二長さセグメントとの両方を含む、請求項8に記載の無結節組織修復構造。
【請求項12】
無結節組織修復構造であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有して軟質材料から形成されたアンカーボディであって、編組ストランドによって形成されたアンカーボディと、
第一端部と、第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディの第二側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第二側壁に沿って、また、前記修復縫合糸の、前記第一側壁に沿ってかつ前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、前記編組ストランドどうしの間で、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸と前記修復縫合糸の前記第二端部とにかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記アンカーボディが前記展開構成にあるときには、前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して、また、前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分を通しても、引き戻すように構成されており、これにより、無結節ロック構成を規定する、無結節組織修復構造。
【請求項13】
前記修復縫合糸は、前記アンカーボディの外部において前記修復縫合糸に沿った位置のところに、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記無結節ロック構成とされた時には、修復組織の周囲に延びるような、その後、前記アンカーボディを通して戻るような、充分に長い長さ部分を規定している、請求項12に記載の無結節組織修復構造。
【請求項14】
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、静的ループを規定しているとともに、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して延びた接合長さ部分を有している、請求項12に記載の無結節組織修復構造。
【請求項15】
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディを通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、請求項14に記載の無結節組織修復構造。
【請求項16】
無結節組織修復構造を構築するための方法であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有して軟質材料から形成されたアンカーボディであって、チューブ状であるとともに、編組ストランドによって形成されたアンカーボディを用意することと、
編組壁と前記編組壁に沿ったカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸を用意することと、
第一捕捉ツールを、前記修復縫合糸の前記編組壁の、入口開口を規定したところを通して挿入し、その後、前記カニューレ状長さ部分に沿って、再び前記編組壁の、出口開口を規定したところを通して挿入することであって、前記入口開口と前記出口開口は、前記修復縫合糸に沿って軸線方向に離間され、無結節ロック通路の軸線方向長さ部分を規定する、挿入することと、
展開縫合糸を用意するとともに、前記展開縫合糸の第一端部が前記入口開口から延びているようにしてかつ前記展開縫合糸の第二端部が前記出口開口から延びているようにして、前記展開縫合糸を、前記無結節ロック通路を通して引っ張ることと、
第二捕捉ツールを使用して、前記アンカーボディの第一側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第一側壁に沿って、織込経路を形成することと、
前記修復縫合糸の第二端部を引っ張るとともに、前記第二捕捉ツールを使用して、前記展開縫合糸の前記第二端部を前記織込経路に沿って展開することにより、前記展開縫合糸が内部に配置された前記無結節ロック通路を、前記織込経路に沿って配置することであって、前記修復縫合糸の前記第二端部と、前記展開縫合糸の前記第二端部とが、前記アンカーボディの前記近位端から延びる、配置することと、
前記展開縫合糸の前記第一端部が、前記アンカーボディの前記近位端から延びるように、前記展開縫合糸の前記第一端部を、前記アンカーボディを通して配置された別の織込経路に沿って引っ張ることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記修復縫合糸を、前記アンカーボディの前記遠位端に対して、固定的に結合することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第一捕捉ツールを前記修復縫合糸の前記編組壁を通して挿入する前に、前記修復縫合糸の末端内に、軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目を形成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目に対して直接的に隣接して、前記第一捕捉ツールを挿入することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記アンカーボディの最大軸線方向長さに対してほぼ等しい軸線方向長さとされたロック通路を形成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記無結節ロック通路の入口開口が前記アンカーボディの前記遠位端に対して直接的に隣接するまで、前記修復縫合糸の前記第二端部を引っ張るとともに、前記第二捕捉ツールを使用して、前記縫合糸の前記第二端部を、前記織込経路に沿って展開することを、さらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記アンカーボディは、自身に沿って管腔を規定したチューブ状であり、前記管腔は、前記アンカーボディの前記近位端のところで開口しており、第二捕捉ツールを使用して前記アンカーボディの第一側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第一側壁に沿って織込経路を形成することは、最初に、前記第二捕捉ツールの先端を、前記管腔に沿って、第一軸線方向距離の分だけ、前記管腔の開口端部内へと、直接的に延びさせることと、その後、前記アンカーボディの外面に沿って、第二軸線方向距離の分だけ、前記第一側壁の前記編組ストランドどうしの間から前記外面へと、延びさせることと、その後、前記第一側壁の前記編組ストランドどうしの間を通して前記管腔内へと戻すことと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記第一軸線方向距離は、前記アンカーボディの少なくとも2つの編組ストランドを含む長さである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第一軸線方向距離と前記第二軸線方向距離とは、軸線方向長さにおいて同等である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記展開縫合糸の前記第一端部および前記第二端部と、前記修復縫合糸の前記第二端部とを、挿入器具の張力アクチュエータに対して動作可能に結合することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
無結節組織修復構造によって組織を修復するための方法であって、
請求項1に記載の無結節組織修復構造を用意することと、
前記無結節組織修復構造を、標的組織内へと挿入することと、
前記アンカーボディを前記標的組織に対してアンカー止めするために、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記アンカーボディを展開することと、
前記アンカーボディを展開した後に、前記修復縫合糸を修復組織に対して結合することと、
前記修復縫合糸を前記展開縫合糸に対して結合することと、
展開構成とされている際に、前記アンカーボディを通して前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して、および、前記第一側壁に沿ってかつ前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分を通して、引き抜くことと、
前記修復縫合糸に対して張力を印加することにより、前記構造を、無結節的にロックすることと、を含む、方法。
【請求項27】
前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記無結節組織修復構造から前記展開縫合糸を除去する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アンカーボディを展開することは、また、前記展開縫合糸に対して張力を印加するのと同時に、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して張力を印加することも含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記修復縫合糸は、テープ長さセグメントを含み、前記アンカーボディが展開された後に前記修復縫合糸を前記修復組織に対して結合することにより、前記テープ長さセグメントを、前記修復組織に対して係合させ、前記アンカーボディを通して前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記テープ長さセグメントの縫合糸を、前記アンカーボディを通してかつ前記アンカーボディに沿って配置する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
外科デバイスに対する組立のための縫合糸構造であって、
自身に沿ってカニューレを有した第一長さ部分であって、第一直径を有した第一長さ部分と、
前記第一長さ部分から延びた第二長さ部分であって、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の単一の端部のところに、前記第二長さ部分を前記第一長さ部分の前記カニューレ内へとかつ前記カニューレに沿って延ばすことによって形成された静的ループを形成しており、これにより、接合を規定するものとされ、前記接合は、静的ループ側の端部と反対側の端部とを有した動作長さ部分を有する、第二長さ部分と、を含み、
組み立てられた構成では、前記接合は、前記外科デバイスの動作開口を通してかつ前記外科デバイスの前記動作開口に沿ってという状況を含めて、前記外科デバイスを通してかつ前記外科デバイスに沿って、配置されており、前記外科デバイスおよび前記縫合糸構造が修復構成へと変化する際には、前記静的ループを含めた前記縫合糸構造は、前記接合の前記反対側の端部が前記動作開口内へと導入されることなく、前記動作開口を通して並進的に駆動される、縫合糸構造。
【請求項31】
前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分よりも小さな直径の長さ部分を規定している、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項32】
前記第二長さ部分は、編組コアを有している、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項33】
前記外科デバイスは、全縫合糸組織アンカーと修復縫合糸とを含み、前記修復縫合糸は、前記縫合糸構造とは別個に形成されている、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項34】
前記修復縫合糸は、自身に沿って中空通路部分を有しており、前記接合は、前記中空通路部分に沿って延びており、前記中空通路部分は、前記動作開口の少なくとも一つを規定している、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項35】
前記接合は、前記組織アンカーの近位端から前記組織アンカーの遠位端までにわたって、また、前記遠位端から前記近位端までにわたって、前記組織アンカーに沿ってかつ前記組織アンカーを通して、延びている、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項36】
前記外科デバイスは、インプラントのための挿入器具を含み、前記外科デバイスは、前記動作開口の少なくとも一つを規定しているシャフト穴を含む、請求項26に記載の縫合構造。
【請求項37】
前記接合は、前記第一長さ部分の全長に沿って、前記第一長さ部分の前記カニューレの開口端部へと、延びている、請求項26に記載の縫合糸構造。
【請求項38】
組織修復アセンブリであって、
第一長さ部分と第二長さ部分とを有しているとともに編組ボディから形成された縫合糸を含む縫合糸構造であって、前記第一長さ部分は、長手方向に形成された中空通路を規定しており、前記縫合糸構造は、前記編組ボディを通してかつ前記長手方向に形成された中空通路に沿って前記第二長さ部分を挿通させることによって形成されたループを含み、これにより、前記編組ボディに沿った動作長さ部分を有した接合を規定するものとされ、これにより、ループ端部と接合端部とを規定するものとされた、縫合糸構造と、
少なくとも一つの動作開口を有した外科デバイスと、を含み、
前記動作長さ部分は、前記外科デバイスに沿って、かつ前記少なくとも一つの動作開口を通して、挿通されており、前記接合動作長さ部分は、前記少なくとも一つの動作開口を通して前記ループを引き抜く際には前記縫合糸構造が前記少なくとも一つの動作開口から取り外されるように、構成されている、組織修復アセンブリ。
【請求項39】
前記縫合糸の第二長さ部分は、前記第一長さ部分から直接的に延びているとともに、前記編組ボディからなる部分でありかつ前記第一長さ部分よりも断面が小さな部分を規定している、請求項34に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項40】
前記第二長さ部分は、編組コアを含む、請求項35に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項41】
前記外科デバイスは、ソフトアンカーと修復縫合糸とを含み、前記修復縫合糸は、前記縫合糸構造および前記ソフトアンカーとは、別個に形成されている、請求項34に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項42】
前記修復縫合糸は、また、自身に沿って中空通路を有した編組ボディを規定しており、前記中空通路は、前記少なくとも一つの動作開口の、一つの動作開口を規定している、請求項37に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項43】
前記接合は、前記組織アンカーの近位端から前記組織アンカーの遠位端までにわたって、また、前記遠位端から前記近位端までにわたって、前記組織アンカーに沿ってかつ前記組織アンカーを通して、延びている、請求項37に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項44】
前記外科デバイスは、インプラントのための挿入器具を含み、前記外科デバイスは、前記少なくとも一つの動作開口の一つの動作開口を規定しているシャフト穴を含む、請求項34に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項45】
前記ループは、静的ループである、請求項34に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項46】
前記接合は、前記第一長さ部分の全長に沿って延びており、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の前記中空通路に沿って、前記第一長さ部分の前記中空通路の開口端部へと、延びている、請求項36に記載の縫合糸構造。
【請求項47】
組織修復アセンブリであって、
第一長さ部分と第二長さ部分とを有しているとともに編組ボディから形成された縫合糸を含む移送構造であって、前記第一長さ部分は、長手方向中空通路を含み、前記縫合糸構造は、接合ループを含み、前記接合ループは、第二端部を前記編組ボディを通してかつ前記長手方向中空通路に沿って挿通させることによって形成されたものであり、これにより、前記編組ボディに沿った接合動作長さ部分を規定する、移送構造と、
動作可能に結合された修復縫合糸を有したソフトアンカーであって、前記修復縫合糸も、また、長手方向中空通路を有した編組ボディから形成されている、ソフトアンカーと、を含み、
前記組み立てられた構成では、前記接合ループは、前記ソフトアンカーよりも近位に位置しており、前記接合は、前記ソフトアンカーに沿って、また前記修復縫合糸の長手方向中空通路デバイスに沿っても、挿通されている、組織修復アセンブリ。
【請求項48】
前記接合ループを含めた前記移送構造は、前記動作長さ部分の前記接合端部が前記ソフトアンカー内にも前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路内にも引き込まれることなく、前記移送構造を前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路から除去するために、前記ソフトアンカーを通して、および前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路を通して、引っ張られるように構成されている、請求項43に記載の組織修復アセンブリ。
【請求項49】
前記接合ループは、前記縫合糸の前記第二長さ部分から全体的に形成されており、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の対応した断面よりも小さな断面を有している、請求項44に記載の組織修復アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「Knotless Soft Anchor System」と題して2021年11月4日付けで出願された米国仮出願シリアル番号第63/275,491号明細書、および、「Knotless Soft Anchor System」と題して2022年6月30日付けで出願された米国仮出願シリアル番号第63/357,181号明細書、の優先権を主張するものである。この出願は、また、「Smooth Transfer Suture Loop」と題して2022年3月8日付けで出願された米国仮出願シリアル番号第63/317,671号明細書、および、「Transfer Suture Loop」と題して2022年5月17日付けで出願された米国仮出願シリアル番号第63/342,843号明細書、の優先権を主張するものである。この出願は、また、「Q-fix Knotless with Tape」と題して2022年3月8日付けで出願された米国仮出願シリアル番号第63/317,673号明細書の優先権を主張するものである。これらすべての仮出願は、以下で完全に複製されているかのようにして、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、無結節ソフトアンカーシステムを含み得る修復システムに関連したシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの整形外科手術では、軟組織などの組織を骨に対して固定する手順において、アンカーデバイスを使用する。そのような手順は、例えば、腱を骨に対して取り付けること、骨を骨に対して取り付けること、腱を腱に対して取り付けること、靭帯または移植片を骨に対して取り付けること、さらに、一次修復の補強、靭帯再建、を含む。一般に、それらの手順は、縫合糸が取り付けられているような、ポリマー製の、金属製の、または生分解性硬質材料製の、アンカーの使用に依存している。縫合糸が組織を通して挿通され、結び目が、アンカーと組織とを互いに固定する。しかしながら、それらアンカーを使用する際には、骨などの組織内に、剛性の硬質材料を配置する必要があることが多い。アンカーが緩んだ場合には、外科医または外科技師は、潜在的に硬質のデバイスが患者の関節内へと侵入することで患者を関節炎の危険に曝してしまうという問題に直面する。したがって、軟質材料のみを使用しているアンカーであれば、手術後に外れてしまった場合でも、関節腔内でまたは体腔内で解剖学的損傷を与える危険性が低いと考えられる。
【0004】
現在入手可能な既存の軟質材料アンカーは、縫合糸または軟質可撓性材料から形成され得るとともに、編組ボディを含み得る。ソフトアンカーは、変形することによって組織に対してアンカー止めされてもよく、場合によっては、単に径方向にまたは横方向に拡張した状態へと弛緩することによって組織に対してアンカー止めされてもよく、結び目を形成することによってこのアンカー止め状態にロックされてもよい。しかしながら、結び目を形成することは、手順を複雑化し得るものであり、より高度な専門知識を必要とし得るものであり、時間を要し得るものであり、および/または、周囲の構造に対するより大きな解剖学的破壊をもたらし得るものである。結び目を追加すると、いわゆる結節スタックが形成される傾向があり、修復部位が嵩張り得るとともに、触知しやすくなり得る。したがって、無結節ロック構造を含むことで、結び目を形成するステップを回避して、本明細書に列挙した問題点に対処するような、ソフトアンカーシステムが要望されている。
【0005】
加えて、すべてのソフトアンカーが、同等に作製されるわけではない。これらのアンカーは、ソフトアンカーの構成に応じて、また、展開機構に応じて、展開の一貫性、必要な骨除去量、および固定強度、を含めた様々な態様で相違し得る。したがって、一貫して展開され得るとともに骨組織の除去量を最小化し得るものであってさらに無結節的に確実にロックされ得るような、固定強度の高いソフトアンカーを含めた、改良された無結節アンカーシステムが要望されている。無結節的なロックにより、ソフトアンカーを展開構成で固定することができる、および/または、修復組織をソフトアンカーに対して無結節的に結合することができる。
【0006】
縫合糸は、組織の修復、外科デバイスの駆動、または捕捉、を含むがこれらに限定されない様々な機能のために、多くの外科手順にわたって使用される。捕捉は、別の縫合糸をもしくは同等の可撓性部材を、または組織/移植片を、標的組織内へと、ならびに/あるいは外科デバイスを通して、引き込んでもよく、外科デバイスは、限定するものではないが、他の縫合糸もしくは同等の可撓性部材、またはインプラント、または外科用ツール、を含む。いくつかの実施形態では、縫合糸の少なくとも一端が、ループ状に形成されてもよい。このループは、捕捉手段を提供してもよい。このループは、縫合糸を外科器具に対して結合するための手段を提供してもよい。このループは、ユーザが縫合糸を保持するための手段を提供してもよい。関連技術の縫合糸ループは、結び目によって、または接合部分によって、形成されてもよい。しかしながら、結び目または接合部分は、両方とも、縫合糸に沿って不連続性または膨出を形成するものであって、断面を局所的に増大させる。外科デバイスが、小型化および薄型化に向けて進化し続けるにつれて、開口部、トンネル、シャフト穴、といった開口などの、外科デバイスを通したあらゆる開口も、また、小型化および薄型化される。そのような小さな開口部およびトンネルを通過し得るようなより小さなサイズの縫合糸が存在するけれども、そのようなより小さな縫合糸は、また、欠点を有している。例えば、そのようなより小さな縫合糸は、負荷によって、より破損しやすいものであり得る。また、そのようなより小さな縫合糸は、修復組織を切断(チーズワイヤリング)しやすい可能性があるとともに、また、取り扱いがより困難であり得る。縫合糸の端部に対してループを追加することにより、欠点がさらに複雑化し得る。関連した膨出/不連続性を伴ったこれら開口を通して、縫合糸ループ(この縫合糸ループの形成によって、本質的に断面がより大きくなる)を引き出すための力は、より大きなものとなり得る。このような大きな力により、追加的なツールが必要となる可能性がある、および/または、外科デバイスを貫通した所望の開口よりも大きな開口が必要となる可能性がある、および/または、ユーザの手に対して不快な力を印加する可能性がある。したがって、このような欠点に対処する縫合糸ループ構造が要望されている。外科デバイスの開口を通してループを引き出す際に必要な力の大幅な増大を回避するように形成された縫合糸ループ構造が、またはそのような力を軽減するように形成された縫合糸ループ構造が、要望されている。加えて、そのようなより小さな縫合糸が、増大した負荷に耐えることが、要望され得る。
【0007】
定義
本明細書で説明するものは、ソフトアンカーを使用した組織修復システムである。本開示の組織修復システムは、高い固定強度を提供するとともに、ソフトアンカーを骨内に固定する。組織修復システムは、好ましくは、修復された構成に無結節的にロックされ、これにより、外科医が結び目を形成する必要性を回避する。組織修復システムは、少なくとも一つの縫合糸を含んでもよい。「縫合糸」という用語は、特に断らない限り、従来的な縫合糸を含んでもよく、従来的な縫合糸は、中空のものであってもよく、また、コアに沿って編組を含んでもよい。「縫合糸」という用語は、限定するものではないが縫合糸テープまたは平坦な縫合糸などの、同等の可撓性部材を含んでもよく、場合によっては、必要に応じて、ケーブル、リボン、またはワイヤであってもよい。
【0008】
「ソフトアンカー」とは、軟質可撓性材料で形成されていて、展開時には、より横方向に拡張した構成へと変化するような、可撓性のおよび/または変形可能なアンカーを意味することが、意図されている。ソフトアンカーの一部を通して動作可能に結合された張力印加部材は、ソフトアンカーを横方向に拡張させるように張力を付与し得る。「ソフトアンカー」という用語は、剛直ないくつかの選択部分を含むことを排除するものではなく、ソフトアンカーボディが、縫合糸または縫合糸テープなどの可撓性軟質材料から実質的に形成されていることのみを、意味している。いくつかの実施形態では、ソフトアンカーは、全体的に編組縫合糸から形成されている。ソフトアンカーは、横方向または径方向に拡張した構成へと変化した展開構成へと変形するものであり、また、長手方向の収縮を含んでもよい。
【0009】
「展開」とは、ソフトアンカーボディ(「アンカーボディ」)の形状を変化させて、アンカーボディが、組織に対して/組織内に、硬化、固定、またはアンカー止め、されることを意味することが、意図されている。展開により、アンカーボディの横方向寸法を増大させることで、アンカーが組織に対して固定されてもよい。例えば、これにより、骨の穴の内部に、ソフトアンカーが固定されてもよい。展開のために、アンカーボディは、アンカーを展開構成へと変化させる。
【0010】
縫合糸構造に関する「ロック」または「ロック構成」とは、縫合糸が少なくとも一方向にスライドし得なくなるように縫合糸をロックすることを意味することが、意図されている。例えば、この少なくとも一方向にスライドさせることにより、所定位置に固定された修復組織が緩む可能性がある。縫合糸は、この縫合糸に対して結合した組織を含めたループを形成してもよく、ループの周囲は、スライドすることが紡糸されて、周囲サイズが増加することが防止される。アンカーボディに関して、ロック構成とは、アンカーボディを展開構成でロックして、アンカーボディが、展開構成から弛緩/移動することを阻止することを意味することが、意図されている。
【0011】
「無結節的なロック」は、または、例えば無結節ロックなどの派生表現は、結び目を作ることなく形成された外科用構造におけるすなわちアンカーシステムにおけるロックを意味することが、意図されている。事前形成された結び目が設けられたシステムは、無結節ロックとして定義され得る。外科用構造の動作時に縫合糸を経由することで結び目を形成するように構成されたシステムも、また、無結節ロックとして定義される。無結節ロックは、また、小さな開口を通して、または縫合糸ロック通路構造を通して、曲がりくねった経路に沿って少なくとも一つの縫合糸を挿通させることによって達成されてもよく、これは、また、例えば、チャイニーズフィンガートラップ、フィンガーシンチ、またはロック接合、とも称され得る。システムを無結節的にロックするために、縫合糸のいくつかは、同じ縫合糸または別の縫合糸のいずれかにおける縫合糸ロック通路を通して延びることで、本明細書で説明するような自己ロック式の調節可能な縫合糸構造を形成してもよい。縫合糸ロック通路は、ロック通路に対して張力を印加することで、内部に配置された縫合糸の周囲を締め付けることにより、選択的に伸長されてもよく、これにより、調節可能な縫合糸構造の一部をロックする。
【0012】
「移送部材」とは、無結節アンカー構造を通して縫合糸などの可撓性部材を移送する構造または縫合糸のことである。移送部材は、縫合糸またはワイヤであってもよい。
【0013】
「展開部材」は、縫合糸(または、本明細書で定義する同等物)であり得る長尺部材であって、通常は、展開部材に対して張力が印加された時に、ソフトアンカーボディを展開する長尺部材を意味することが、意図されている。いくつかの実施形態では、展開部材は、また、他の機能を提供してもよい。
【0014】
「修復縫合糸」とは、標的軟組織を通過する縫合糸(または、本明細書で定義する同等物)であって、標的組織を骨に対して固定するために使用される縫合糸である。
【0015】
「静的ループ」とは、通常の動作負荷条件下では調整不可能な周縁を有したループを意味するものとする。
【0016】
「動作開口」とは、結び目または縫合糸ループの接合端などの不連続性を含めた縫合糸構造を内部を通して引き込むには困難な力をもたらすよう、外科デバイスを通しての、サイズが制限された開口を意味するものとする。「動作開口」は、外科デバイスおよび縫合糸構造の通常動作時に、内部を通して縫合糸構造のループを受領するように設計されてもよい。「動作開口」は、一つまたは複数の外科デバイスの、開口部、トンネル、カニューレ、通路、またはシャフト穴、であってもよい。「動作開口」は、直径であり得るの開口サイズを有している、あるいは、開口が円以外の形状である場合は、同等の幅であり得る開口サイズを有している。この「動作開口」は、開口サイズを最小化することで、一般に、外科的修復のための外科デバイスを、全体的に小さなプロファイルとすることに寄与してもよい。外科デバイスは、様々な開口サイズの開口を含んでもよく、開口のいくつかは、困難な力をもたらすものでなくてもよく、したがって、開口のすべてではないものの、開口のいくつかが、本明細書で定義する「動作開口」であってもよい。
【0017】
「外科デバイス」は、挿入器具などの外科ツールすなわち外科器具、硬質でも軟質でもあり得る組織アンカーなどのインプラント、および/または、縫合糸、縫合糸テープ、ケーブル、ワイヤ、可撓性スプリング、リング、もしくはチューブなどの可撓性部材、の少なくとも一つを含むことが、意図されている。
【0018】
「動作長さ部分」とは、縫合糸ループ接合の軸線方向における全長であって、縫合糸の入口から、ループ端のところで自身を通して、接合端まで、延びているものを意味するものとする。
【発明の概要】
【0019】
本明細書で説明するものは、ソフトアンカーを含む無結節ロック構造を使用した組織修復のための、様々な改良された方法およびデバイスである。これらのおよび他の特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明を読むことにより、また、関連図面を参照することにより、明らかとなるであろう。上記の一般的な説明と、以下の詳細な説明と、の両方が、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載された態様を限定するものではないことは、理解されよう。
【0020】
本明細書で開示するものは、無結節組織修復構造であって、軟質材料から形成されたアンカーボディを含み、アンカーボディは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有している。アンカーボディは、編組ストランドを有して形成されてもよい。構造は、また、修復縫合糸を含み、修復縫合糸は、第一端部と、第二端部と、第一端部と第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有しており、第一端部は、アンカーボディに対して固定的に結合されている。修復縫合糸の第一端部は、その遠位端のところで、アンカーボディの外部部分に対して固定的に結合されてもよい。修復縫合糸は、自身に沿ってカニューレ状長さ部分を有してもよく、カニューレ状長さ部分は、アンカーボディの第一側壁に沿ってかつアンカーボディの第一側壁を通して織り込まれている。修復縫合糸の第二端部は、アンカーボディの近位端から近位向きに延びてもよい。無結節組織修復構造は、また、展開縫合糸を含んでもよく、展開縫合糸は、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って、また、修復縫合糸のカニューレ状長さ部分を通してかつ修復縫合糸のカニューレ状長さ部分に沿っても、繰り返し的に織り込まれている。展開縫合糸は、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って同じ範囲に位置して織り込まれたカニューレ状長さ部分を通して、かつそのようなカニューレ状長さ部分に沿って、織り込まれてもよく、これにより、長手方向縫合糸ロック通路を規定するものとされている。展開縫合糸にかかる張力は、アンカーボディを、長尺構成から展開構成へと変化させるように構成されている。展開縫合糸は、修復縫合糸の第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、修復縫合糸の第二端部を、アンカーボディを通しておよび長手方向ロック通路部分を通して引き戻すように構成されており、これにより、無結節組織修復構造の無結節ロック構成を規定するものとされている。
【0021】
いくつかの実施形態では、無結節ロック構成では、展開縫合糸は、無結節組織修復構造から取り外されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、修復縫合糸は、アンカーボディの外部に配置された半ヒッチ結び目とされ得る軸線方向にオーバーラップした二つの結び目を介して、アンカーボディの遠位端に対して固定的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、張力は、アンカーボディを展開するために、器具駆動手段を介して、修復縫合糸の第二端部と展開縫合糸の端部との両方に対して、同時に印加される。いくつかの実施形態では、アンカーボディは、アンカーボディの近位端のところに、開口を有した内部管腔を含み、修復縫合糸および展開縫合糸は、両方とも、両方がアンカーボディの近位端から近位向きに延びるよう、アンカーボディを通して織り込まれているとともに、内部管腔の開口から延びている。アンカーボディは、例えば開口した近位管腔を有したチューブ状であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、修復縫合糸は、カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、テープ長さセグメントは、修復縫合糸の、アンカーボディの外部に位置したセグメントに沿って、配置されている。修復縫合糸は、また、修復縫合糸の反対側の端部上におけるテープ長さセグメントからカニューレ状長さ部分までにわたって延び得るテーパー形状縫合糸セグメントを含んでもよい。テープ長さセグメントは、無結節ロック構成とされている時にはアンカーボディを通しておよびカニューレ状長さ部分を通して延びるような充分な長さを有してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、展開縫合糸は、展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含んでもよく、接合ループは、組織修復構造のすべての動作開口を通して延びた接合長さ部分を有している。接合長さ部分は、アンカーボディの全体を通して、および縫合糸ロック通路の全体を通して、延びてもよい。接合長さ部分は、アンカーボディの全体を通しておよびカニューレ状長さ部分の全体を通して延び得るとともに、また、展開縫合糸に対して張力を印加することにより展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されてもよい。展開縫合糸は、カニューレ状とされた第一長さセグメントと、第一長さセグメントよりも直径が小さな第二長さセグメントと、を含んでもよく、接合ループのループ部分は、第二長さセグメントを含んでもよく、接合長さ部分は、同軸的に配置された第一長さセグメントと第二長さセグメントとの両方を含んでもよい。
【0024】
無結節組織修復構造に関する別の例示的な実施形態について、開示しており、この構造は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有したソフトアンカーボディであり、編組ストランドによって形成されたソフトアンカーボディを含む。構造は、また、修復縫合糸を含み、この修復縫合糸は、第一端部と、第二端部と、第一端部と第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有しており、第一端部は、アンカーボディの遠位端に対して固定されており、カニューレ状長さ部分は、アンカーボディの第一側壁に沿ってかつアンカーボディの第一側壁を通して織り込まれており、第二端部は、アンカーボディの近位端から近位向きに延びている。構造は、また、展開縫合糸を含み、この展開縫合糸は、アンカーボディの第二側壁を通してかつアンカーボディの第二側壁に沿って、また、修復縫合糸の、第一側壁に沿ってかつ第一側壁を通して織り込まれたカニューレ状長さ部分を通しておよびそのようなカニューレ状長さ部分の内部においても、編組ストランドどうしの間で、繰り返し的に織り込まれている。展開縫合糸と修復縫合糸の第二端部との両方にかかる張力は、アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されている。展開縫合糸は、修復縫合糸が修復組織に対して結合された後には修復縫合糸の第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、修復縫合糸の第二端部を、展開構成とされたアンカーボディを通して、また、第一側壁を通して織り込まれたカニューレ状長さ部分を通しても、引き戻すように構成されており、これにより、無結節ロック構成を規定するものとされている。
【0025】
いくつかの実施形態では、修復縫合糸は、アンカーボディの外部において修復縫合糸に沿った位置のところに、カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含む。テーパー形状縫合糸セグメントが、修復縫合糸の反対側の端部上におけるテープ長さセグメントからカニューレ状長さ部分までにわたって延びてもよい。テープ長さセグメントは、無結節ロック構成とされた時には、修復組織とアンカーボディとカニューレ状長さ部分とを通して延びるような、充分に長い長さ部分を有してもよい。展開縫合糸は、展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含んでもよく、接合ループは、静的ループとされているとともに、内部を通して修復縫合糸の第二端部を動作可能に受領するように構成されている。接合ループは、アンカーが展開されている際にはアンカーボディの全体を通しておよびカニューレ状長さ部分の全体を通して延びた接合長さ部分を規定してもよい。接合長さ部分は、アンカーボディの全体を通しておよびカニューレ状長さ部分の全体を通して延び得るとともに、展開縫合糸に対して張力を印加することにより展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されてもよい。
【0026】
無結節組織修復構造を構築するための例示的な方法について、開示しており、この例示的な方法は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有したソフトアンカーボディであり、チューブ状であるとともに、編組ストランドによって形成されたソフトアンカーボディを用意することを含む。方法は、また、編組壁と編組壁に沿ったカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸を用意することを含む。第一捕捉ツールが、修復縫合糸の編組壁の、入口開口を規定したところを通して挿入されてもよく、その後、カニューレ状長さ部分に沿って、再び編組壁の、出口開口を規定したところを通して挿入されてもよい。入口開口と出口開口とは、修復縫合糸に沿って軸線方向に離間して配置されたものとされ、長手方向縫合糸ロック通路の軸線方向長さ部分を規定するものとされる。その後、移送縫合糸が、用意され得るとともに、移送縫合糸は、移送縫合糸の第一端部が入口開口から延びているようにしてかつ移送縫合糸の第二端部が出口開口から延びているようにして、縫合糸ロック通路を通して展開縫合糸を引っ張られてもよい。その後、織込経路が、第二捕捉ツールを使用して、アンカーボディの第一側壁を通してかつアンカーボディの第一側壁に沿って、形成されてもよい。その後、修復縫合糸の第二端部と、移送縫合糸の第二端部とが、第二捕捉ツールを使用して、アンカーボディを通して、織込経路に沿って、引っ張られてもよく、これにより、移送縫合糸が内部に配置された縫合糸ロック通路が、織込経路に沿って配置される。ここで、修復縫合糸の第二端部と、移送縫合糸の第二端部とは、アンカーボディの近位端から延びてもよい。移送縫合糸の第一端部は、アンカーボディの反対側の側部上においてアンカーボディを通して配置された別の織込経路に沿って引っ張られてもよく、これにより、移送縫合糸の第一端部は、アンカーボディの近位端から延びているものとされる。
【0027】
いくつかの例示的な方法では、方法は、修復縫合糸を、アンカーボディの遠位端に対して、固定的に結合することを含んでもよい。これは、第一捕捉ツールを修復縫合糸の編組壁を通して挿入する前に、修復縫合糸の末端のところに、軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目を形成することを含んでもよい。第一捕捉ツールは、軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目に対して直接的に隣接して、挿入されてもよい。
【0028】
いくつかの例示的な方法では、縫合糸ロック通路は、アンカーボディの最大軸線方向長さに対してほぼ等しい軸線方向長さとされて形成されてもよい。最大軸線方向長さは、アンカーボディが長尺構成または非展開構成とされている際に、アンカーボディの近位端エッジから遠位端エッジまでにわたって延びている。
【0029】
修復縫合糸の第二端部と、移送縫合糸の第二端部とを、第二捕捉ツールを使用して、織込経路に沿って引っ張ることにより、ロック通路入口開口を、アンカーボディの遠位端に対して直接的に隣接して配置してもよい。アンカーボディは、自身に沿って管腔を規定したチューブ状であってもよく、管腔は、アンカーボディの近位端のところで開口してもよく、織込経路を、第二捕捉ツールを使用してアンカーボディの第一側壁を通してかつアンカーボディの第一側壁に沿って形成することは、最初に、第二捕捉ツールの先端を、管腔に沿って、第一軸線方向距離の分だけ、管腔の開口端部内へと、直接的に延びさせてもよく、その後、アンカーボディの外面に沿って、第二軸線方向距離の分だけ、第一側壁の編組ストランドどうしの間からアンカーボディの外面へと、延びさせてもよく、その後、第一側壁の編組ストランドどうしの間を通して管腔内へと戻してもよい。第一軸線方向距離は、アンカーボディの少なくとも2つの編組ストランドを含む長さであってもよい。第一軸線方向距離と第二軸線方向距離とは、軸線方向長さにおいて等価であってもよい。方法は、また、移送縫合糸の第一端部および第二端部と、修復縫合糸の第二端部とを、挿入器具の展開アクチュエータに対して動作可能に結合することを含んでもよい。
【0030】
無結節組織修復構造によって組織を修復するための例示的な方法について、また、開示しており、この例示的な方法は、本明細書で開示するような無結節組織修復構造を用意することを含む。無結節組織修復は、軟質材料から形成されたアンカーボディを含んでもよく、アンカーボディは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有している。アンカーボディは、編組ストランドを有して形成されてもよい。構造は、また、修復縫合糸を含み、修復縫合糸は、第一端部と、第二端部と、第一端部と第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有しており、第一端部は、アンカーボディに対して固定的に結合されている。第一端部は、アンカーボディの外部部分に対して固定的に結合されてもよい。修復縫合糸のカニューレ状長さ部分は、アンカーボディの第一側壁に沿ってかつアンカーボディの第一側壁を通して織り込まれてもよい。修復縫合糸の第二端部は、アンカーボディの近位端から近位向きに延びている。構造は、また、展開縫合糸を含み、展開縫合糸は、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って、また、修復縫合糸のカニューレ状長さ部分を通してかつ修復縫合糸のカニューレ状長さ部分に沿って、繰り返し的に織り込まれている。展開縫合糸は、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って織り込まれたカニューレ状長さ部分を通して、かつそのようなカニューレ状長さ部分に沿って、織り込まれてもよく、これにより、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って織り込まれた長手方向縫合糸ロック通路部分を規定するものとされている。展開縫合糸にかかる張力は、アンカーボディを、長尺構成から展開構成へと変化させるように構成されている。展開縫合糸は、修復縫合糸の第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、修復縫合糸の第二端部を、展開済みアンカーボディを通しておよび長手方向ロック通路部分を通して引き戻すように構成されており、これにより、無結節組織修復構造の無結節ロック構成を規定するものとされている。無結節組織修復構造は、標的組織内へと挿入されてもよく、ソフトアンカーボディは、少なくとも展開縫合糸に対して張力を印加することにより、展開される。修復縫合糸は、ソフトアンカーボディが展開された後に、修復組織に対して結合されてもよい。その後、修復縫合糸は、アンカーが展開された後に、展開縫合糸に対して結合される。展開縫合糸は、アンカーが展開構成とされている際には、ソフトアンカーボディを通して引き抜かれてもよく、これにより、修復縫合糸の第二端部が、展開済みアンカーボディを通して、また、第一側壁に沿ってかつ第一側壁を通して織り込まれたカニューレ状長さ部分を通して、引き抜かれる。その後、修復縫合糸に対して張力を印加することにより、構造が無結節的にロックされてもよい。
【0031】
いくつかの例示的な方法では、展開縫合糸を引き抜くことにより、無結節組織修復構造から展開縫合糸が除去されてもよい。ソフトアンカーボディを展開することは、修復縫合糸の第二端部に対して張力を印加することを含んでもよい。修復縫合糸は、テープ長さセグメントと、修復縫合糸の反対側の端部上においてテープ長さセグメントからカニューレ状長さ部分までにわたって延びたテーパー形状縫合糸セグメントと、を含んでもよく、ソフトアンカーボディが展開された後に修復縫合糸を修復組織に対して結合することにより、修復組織をテープ長さセグメントに対して係合させてもよく、ソフトアンカーボディを通して展開縫合糸を引き抜くことにより、テープ長さセグメントの縫合糸を、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って、また、カニューレ状長さ部分を通してかつカニューレ状長さ部分に沿って、配置してもよい。無結節ロック構成では、ロック通路は、テープ長さセグメントを含んでもよい。
【0032】
また、本明細書で開示するものは、外科デバイスに対する組立のための縫合糸構造である。縫合糸構造は、第一直径を有した第一長さ部分を含み、この第一長さ部分は、カニューレを有している。縫合糸構造は、また、第一長さ部分から延びた第二長さ部分を含み、第二長さ部分は、第一長さ部分の単一の端部のところに、第二長さ部分を第一長さ部分のカニューレ内へとかつカニューレに沿って延ばすことによって形成された静的ループを形成しており、これにより、接合を規定するものとされ、接合は、静的ループ側の端部と反対側の端部とを有した動作長さ部分を有している。組み立てられた構成では、接合は、外科デバイスの動作開口を通してかつ外科デバイスの動作開口に沿ってという状況を含めて、外科デバイスを通してかつ外科デバイスに沿って、配置されており、外科デバイスおよび縫合糸構造が修復構成へと変化する際には、静的ループを含めた縫合糸構造は、接合の反対側の端部が動作開口内へと導入されることなく、動作開口を通して並進的に駆動される。
【0033】
いくつかの例示的な実施形態では、第二長さ部分は、第一長さ部分よりも直径が小さい。第二長さ部分は、編組コアを有してもよい。外科デバイスは、全縫合糸ソフトアンカーと修復縫合糸とを含んでもよく、修復縫合糸は、縫合糸ループ構造とは別個に形成されている。修復縫合糸は、中空通路部分を有してもよく、接合は、中空通路部分に沿って延びてもよく、中空通路部分は、動作開口の少なくとも一つを規定してもよい。接合は、アンカーの近位端からアンカーの遠位端までにわたって、また、遠位端から近位端までにわたって、ソフトアンカーに沿ってかつソフトアンカーを通して、延びてもよい。外科デバイスは、ソフトアンカーなどのインプラントのための挿入器具を含んでもよく、外科デバイスは、動作開口の少なくとも一つを規定しているシャフト穴を含む。接合は、第一長さ部分の全長に沿って、第一長さ部分のカニューレの開口端部へと、延びてもよい。
【0034】
例示的な組織修復アセンブリについて開示しており、この組織修復アセンブリは、縫合糸ループ構造を含み、縫合糸ループ構造は、第一長さ部分と第二長さ部分とを有しているとともに編組ストランドによって形成された縫合糸から形成されている。第一長さ部分は、長手方向に形成された中空通路を規定している。縫合糸構造は、編組ボディを通してかつ長手方向に形成された中空通路に沿って第二長さ部分を挿通させることによって形成された接合ループを含み、これにより、編組ボディに沿った動作長さ部分を有した接合を規定するものとされ、これにより、ループ端部と接合端部とを規定するものとされている。組織修復アセンブリは、また、少なくとも一つの動作開口を有した外科デバイスを含む。接合動作長さ部分は、外科デバイスに沿って、かつ少なくとも一つの動作開口を通して、挿通されており、接合動作長さ部分は、少なくとも一つの動作開口を通して接合ループを引き抜く際には、接合端部が少なくとも一つの動作開口内へと導入されることなく、縫合糸構造が外科デバイスから取り外されるように、構成されている。
【0035】
いくつかの例示的な構造では、第二長さ部分は、第一長さ部分から直接的に延びているとともに、編組ボディからなる部分でありかつ第一長さ部分よりも断面が小さな部分を規定している。第二長さ部分は、編組コアを含んでもよい。外科デバイスは、ソフトアンカーと修復縫合糸とを含んでもよく、修復縫合糸は、縫合糸ループ構造とは別個に形成されているとともに、ソフトアンカーに対して動作可能に結合されている。修復縫合糸は、また、自身に沿って中空通路を有した編組ボディを規定してもよく、中空通路は、少なくとも一つの動作開口の、一つの動作開口を規定している。接合は、ソフトアンカーの近位端からソフトアンカーの遠位端までにわたって、また、遠位端から近位端までにわたって、ソフトアンカーに沿ってかつソフトアンカーを通して、連続的に延びてもよい。外科デバイスは、インプラントのための挿入器具を含んでもよく、外科デバイスは、少なくとも一つの動作開口の一つの動作開口を規定しているシャフト穴を含む。ループは、静的ループであってもよい。接合は、第一長さ部分の全長に沿って延びてもよく、第二長さ部分は、第一長さ部分の中空通路に沿って、第一長さ部分の中空通路の開口端部へと、延びている。
【0036】
本明細書では、別の例示的な組織修復アセンブリについて開示しており、この組織修復アセンブリは、移送構造を含み、この移送構造は、編組ボディとして編組ストランドによって形成された縫合糸でありかつ長手方向中空通路を含む第一長さ部分を有した縫合糸を含む。縫合糸構造は、接合ループを含み、接合ループは、縫合糸の第二長さ部分を、編組ストランドどうしの間において長手方向中空通路に沿って挿通させることによって形成されたものであり、これにより、第一長さ部分に沿った接合動作長さ部分を規定するものとされている。アセンブリは、また、動作可能に結合された修復縫合糸を有したソフトアンカーを含み、修復縫合糸も、また、長手方向中空通路を有した編組ボディから形成されている。組み立てられた構成では、接合ループは、ソフトアンカーよりも近位に配置されており、接合は、ソフトアンカーに沿って、また修復縫合糸の長手方向中空通路デバイスに沿っても、挿通されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、接合ループを含めた移送構造は、動作長さ部分の接合端部がソフトアンカー内にも修復縫合糸の長手方向中空通路内にも引き込まれることなく、移送構造を修復縫合糸の長手方向中空通路から除去するために、ソフトアンカーを通して、および修復縫合糸の長手方向中空通路を通して、引っ張られるように構成されている。接合ループは、縫合糸の第二長さ部分から全体的に形成されてもよく、第二長さ部分は、第一長さ部分の対応した断面よりも小さな断面を有している。
【0038】
本明細書で開示するものは、無結節組織修復構造であり、この無結節組織修復構造は、アンカーボディを含み、アンカーボディは、軟質の可撓性材料から形成されているとともに、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を含む。構造は、また、修復縫合糸を含み、この修復縫合糸は、アンカーボディに対して固定的に結合された第一端部と、アンカーボディの近位端から近位向きに延びた第二端部と、を有しており、修復縫合糸の、第一端部と第二端部との間における長さ部分は、アンカーボディに沿ってかつアンカーボディを通して、延びている。移送部材が、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って繰り返し的に織り込まれており、これにより、移送経路を規定するものとされている。移送縫合糸の、第一端部すなわち第一リムと、第二端部すなわち第二リムと、の両方は、アンカーボディの近位端から延びている。移送部材の第一端部は、修復縫合糸の第二端部に対して動作可能に結合され得るループを含んでもよい。修復縫合糸および移送縫合糸の少なくとも一方にかかる張力により、アンカーボディは、展開構成へと展開される。修復縫合糸が移送部材の第一端部に対して結合された状態で、移送部材の第二端部にかかる張力により、移送部材および修復縫合糸が、アンカーボディを通してスライド的に駆動され、これにより、アンカーボディを通したかつアンカーボディに沿った移送経路に沿って、移送部材が修復縫合糸によって置き換えられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、移送部材は、また、修復縫合糸のカニューレを通してかつ修復縫合糸のカニューレに沿って、延びている。移送部材は、アンカーボディの管腔に沿って配置された修復縫合糸の一部におけるカニューレを通してかつそのようなカニューレに沿って、延びてもよい。移送部材は、アンカーボディの外部でカニューレ内へと導入され得るとともに、カニューレの内部に位置しながら、アンカーボディの管腔内へと導入されてもよい。移送部材は、アンカーボディの遠位端のところで、修復縫合糸のカニューレ内へと導入され得るとともに、アンカーボディの近位端のところで、修復縫合糸のカニューレから導出されてもよい。修復縫合糸の第二端部は、アンカーボディの近位端のところで、開口した管腔から延びてもよい。移送部材は、修復縫合糸の第二端部を移送部材のカニューレ内へとかつそのようなカニューレに沿って引き込むことで移送部材の第一端部を修復縫合糸の第二端部に対して結合させるように構成された捕捉ツールを、含んでもよい。
【0040】
修復縫合糸を外科用構造に対して経路付けするための例示的な方法について、また、開示しており、外科用構造は、外科用構造を通して延びた移送部材を含む。方法は、修復縫合糸のリムを、移送部材の第一リムのコア内へとかつ移送部材の第一リムのコアに沿って引っ張ることにより、移送部材の第一リムを修復縫合糸のリムに対して結合させることを含み、これにより、修復縫合糸のリムの末端を含めて修復縫合糸のリムが、移送縫合糸の第一リムの内部に同軸的に配置され、これにより、結合長さ部分を規定するものとされ、ここで、移送縫合糸は、結合長さ部分の第一端部から延びており、修復縫合糸は、結合長さ部分の反対側の端部から延びている。方法は、また、移送縫合糸に対して張力を印加することで、結合長さ部分を締め付けることと、移送部材に対して張力を印加することで、外科用構造を通して、移送部材を引っ張ることにより、続いて結合長さ部分を引っ張ることにより、結合長さ部分の反対側の端部から延びた修復縫合糸を、外科用構造内へと配置することと、を含んでもよい。
【0041】
別の例示的な無結節組織修復構造について開示しており、この無結節組織修復構造は、アンカーボディを含み、アンカーボディは、軟質材料から形成されているとともに、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有している。構造は、また、修復縫合糸を含み、この修復縫合糸は、アンカーボディの遠位端に対して固定的に結合された第一端部と、アンカーボディの近位端から近位向きに延びた第二端部と、を有しており、第一端部と第二端部との間における修復縫合糸の長さ部分は、アンカーボディに沿って延びている。構造は、また、移送部材を含み、この移送部材は、アンカーボディを通してかつアンカーボディに沿って繰り返し的に織り込まれており、これにより、移送経路を規定するものとされ、移送部材の第一端部および第二端部は、アンカーボディの近位端から延びており、移送縫合糸の第一端部は、修復縫合糸の第二端部に対して動作可能に結合するように構成されている。修復縫合糸の第二端部、移送部材の第一端部、および/または移送部材の第二端部、の少なくとも一つにかかる張力は、アンカーボディを、展開構成へと変化させるように構成されている。修復縫合糸が移送部材の第一端部に対して結合された状態で、移送部材の第二端部にかかる張力により、移送部材の第一端部が、移送経路に沿ってアンカーボディを通してスライド的に駆動されるように構成されているとともに、移送縫合糸がアンカーボディから除去されるように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、移送経路は、また、修復縫合糸のカニューレを通してかつ修復縫合糸のカニューレに沿って、延びてもよい。移送部材は、修復縫合糸のカニューレを通してかつ修復縫合糸のカニューレに沿って延びてもよく、カニューレは、アンカーボディの管腔に沿って配置されているとともに、また、アンカーボディのストランドどうしの間で繰り返し的に配置されている。移送部材は、アンカーボディの遠位端のところで、修復縫合糸のカニューレ内へと導入され得るとともに、アンカーボディの近位端のところで、修復縫合糸のカニューレから導出される。修復縫合糸の第二端部は、アンカーボディの近位端のところで、開口した管腔から直接的に延びてもよい。アンカーボディは、封止された遠位端と、環状でヒートシールされていて開口した近位端と、を規定してもよい。
【0043】
縫合糸構造について開示しており、この縫合糸構造は、縫合糸ループを含み、縫合糸ループは、ループを形成することの結果として、あらゆる断面変更のサイズおよび位置を制御するように形成されている。縫合糸構造は、また、縫合糸構造の極限強度を増大させるように構成されてもよい。縫合糸構造は、外科器具、インプラント、または縫合糸(または、これらの同等物)などの外科デバイスに対して動作可能に結合されてもよく、縫合糸構造の少なくとも一つの縫合糸ループは、外科デバイスを貫通した開口を通過するように構成されてもよい。縫合糸ループは、好ましくは、外科デバイスを通して縫合糸ループを並進的に駆動するのに必要な力に関するいかなる増加も制限するように形成されている。外科デバイスは、特に挿入器具であってもよく、開口は、そのシャフト穴であってもよい。外科デバイスは、特に、組織アンカーなどのインプラントであってもよく、開口は、インプラントを貫通した、管腔、カニューレ、穴、またはトンネル、であってもよい。組織アンカーは、全縫合糸組織アンカーであってもよく、一つまたは複数の開口は、全縫合糸組織アンカーの編組どうしの間における入口であってもよい。外科デバイスは、特に、内部を貫通した中空通路を有した別の縫合糸または同等の可撓性部材であってもよく、開口は、中空通路であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本開示は、以下の図面と併せて詳細な説明を参照することにより、より充分に理解されるであろう。
【0045】
図1A図1Aは、本開示による、非展開(長尺)構成における、本開示の無結節ロック式ソフトアンカー構造を示している。
図1B図1Bは、本開示による、縫合糸の経路をより明瞭に示すために簡略化した形態で、図1Aにおける無結節ロック式ソフトアンカー構造を概略的に示している。
図1C図1Cは、図1Aおよび図1Bにおける無結節ロック式ソフトアンカー構造を、展開構成で示している。
図1D図1Dは、本開示の無結節ロック式ソフトアンカー構造を使用した組織修復方法を、概略的に示している。
図1E図1Eは、本開示による、構造が無結節ロック構成とされた状態で、本開示の無結節ロック式ソフトアンカー構造による組織修復方法の更なるステップを概略的に示している。
図2A図2Aは、本開示による、非展開構成において、本開示の別の無結節ロック式ソフトアンカー構造を概略的に示している。
図2B図2Bは、本開示による、本開示の無結節ロック式ソフトアンカー構造を無結節ロック構成へと配置するための方法の一部を概略的に示している。
図2C図2Cは、本開示による、無結節ロック構成とされた、図2Aの無結節ロック式ソフトアンカー構造を概略的に示している。
図3A図3Aは、本開示による、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造を概略的に示している。
図3B図3Bは、本開示による、展開ロック構成とされた、図3Aの無結節ロック式ソフトアンカー構造を概略的に示している。
図4A図4A図4B図4C、および図4Dは、図3Aの無結節ロック構造を構築するための方法を図示している。
図4B】同上。
図4C】同上。
図4D】同上。
図5A図5A図5B図5C図5D、および図5Eは、本開示による、非展開非ロック構成とされた、無結節ロック構造の他の実施形態を概略的に示している。
図5B】同上。
図5C】同上。
図5D】同上。
図5E】同上。
図6A図6Aは、本開示による、骨内へと挿入された、ニードルを使用した無結節構造を図示している。
図6B図6Bおよび図6Cは、本開示による、無結節構造を挿入するための挿入器具に関する様々な図を図示している。
図6C】同上。
図7A図7Aは、縫合糸ループ捕捉部材を図示している。
図7B図7Bは、図7Aにおける縫合糸ループ捕捉部材の断面を図示している。
図8図8は、本開示による、縮小されたプロフィールを有した縫合糸捕捉構造を図示している。
図9A図9A図9B、および図9Cは、本開示による、縫合糸捕捉構造800を使用して縫合糸を捕捉するための方法を図示している。
図9B】同上。
図9C】同上。
図10A図10Aおよび図10Bは、参照の目的のために、従来技術の縫合糸ループ構造を図示している。
図10B】同上。
図11A図11A図11B、および図11Cは、本開示による、移送部材構造の形成方法を図示している。
図11B】同上。
図11C】同上。
図11D図11Dは、本開示による、デバイスに対しての、移送部材構造を図示している。
図12A図12Aは、本開示による、挿入器具の遠位端の内部で例示的な無結節ソフトアンカー構造に対して組み立てられた移送部材構造を図示している。
図12B図12Bは、本開示による、挿入器具の近位端の内部で組み立てられた例示的な無結節ソフトアンカー構造における、移送部材構造および修復縫合糸を図示している。
図13図13は、本開示による、二つのループ状端部を有した移送部材構造を図示している。
図14図14は、本開示による、ハンドル断面を有した移送部材構造を図示している。
図15A図15Aおよび図15Bは、本開示による、環状にシールされた端部を有したアンカーを製造するための方法を図示している。
図15B】同上。
図15C図15Cは、本開示による、直線状にシールされた遠位端と、環状にシールされて開口した近位端と、を有したソフトアンカーを図示している。
図16A図16Aは、本開示による、無結節ソフトアンカー構造のための可変断面修復縫合糸を図示している。
図16B図16Bは、本開示による、無結節ソフトアンカー構造に対して組み立てられた可変断面修復縫合糸を、用意した状態で、図示している。
図16C図16Cは、本開示による、無結節ソフトアンカー構造に対して組み立てられた可変断面修復縫合糸を、修復された構成で、図示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明では、異なる例で示されているかどうかにかかわらず、同様の構成要素には、同じ参照符号が付されている。例を明確にかつ簡潔に例示するため、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、多少概略的に示されている場合がある。一つの例に関して説明および/または例示されている特徴は、一つもしくは複数の他の例において同じ態様でまたは同様の態様で使用されてもよい、ならびに/あるいは、他の例における特徴と組み合わせて、または他の例における特徴に代えて、使用されてもよい。
【0047】
本明細書および特許請求の範囲で使用された際には、本発明を説明して定義する目的で、「約」および「実質的に」という用語は、あらゆる定量的比較、値、測定、または他の表現、に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために使用される。「約」および「実質的に」という用語は、また、本明細書では、問題となっている主題の基本的な機能を変化させることなく、記載された基準から定量的表現が変化し得る程度を表すためにも、使用される。「含む」、「備える」、および/または、それぞれの複数形は、制限のない態様で使用されるものであって、列挙された部材を含むとともに、列挙されていない追加的な部材を含むことができる。「および/または」は、制限のない態様で使用されるものであって、列挙された部材の一つまたは複数と、列挙された部材どうしの組合せと、を含む。「上側」、「下側」、「上向き」、および同種の用語、の使用は、本開示の明確な説明を補助することのみを意図したものであって、本開示の構造、位置決め、および/または動作を、いかなる態様によっても制限することを意図したものではない。
【0048】
第一の例示的な無結節ロック式ソフトアンカー構造100が、および使用方法が、図1A図1B図1C図1D、および図1Eに図示されている。構造100は、ソフトアンカー102を含み、このソフトアンカー102は、スミスアンドネフュー社から販売されているQ-fix(商標)と同種のものであってもよい。ソフトアンカー102は、本出願人が共同所有していてその全体が参照により本明細書に援用される「Tissue Repair Assembly」と題する米国特許第9,962,149号明細書に少なくとも開示されているアンカーと同種のものであってもよい。ソフトアンカー102は、アンカー102を能動的に展開する挿入システムに対して動作可能に結合した状態で用意されてもよく、展開された時には、組織の内部でまたは組織に対して、強い固定強度を有した展開済みアンカーを生成する。「Tissue Repair Assembly」と題する米国特許第9,962,149号明細書に開示されているような能動的な展開では、展開部材に対して大きな張力負荷を印加することでアンカー102を展開しながらも、背面係止部材を提供することでアンカー102を所定位置に保持し、これにより、大きな固定強度を有した展開済みアンカー構成を生成する。
【0049】
ソフトアンカー102は、チューブ状の編組ボディ104を規定してもよく、その編組ボディ104は、閉塞されたまたは封止された遠位端112を含んでもよい。チューブ状ボディ104は、編組ストランド110から形成されてもよい。閉塞された遠位端112は、封止されて直線状エッジ113を規定してもよく、この直線状エッジ113は、接着剤またはヒートシールを使用して形成されてもよい。
【0050】
無結節ロック式ソフトアンカー構造100は、図1Aおよび図1Bの両方に図示された長尺構成で準備されてもよく、この長尺構成は、挿入器具内における収容時に、また、骨穴内へのまたは骨穴を通しての挿入時にも、好ましい構成である。第一縫合糸120は、アンカー102に沿って延び得るとともに、アンカー102の壁を通して繰り返し的に織り込まれてもよい。第一縫合糸120は、アンカー102の長手方向軸線106の第一側部に沿って延び得るとともに、直線状の遠位エッジ113の周囲を回り込んでもよく、さらに、軸線106の反対側の側部へと戻ってもよい。第一縫合糸120の二つのリム122a、122bは、アンカー102の近位端116から延びてもよい。第一リム122aは、本明細書で定義するような静的ループであり得る捕捉ループを含んで終端してもよい。第一縫合糸120は、アンカー102に対してスライド可能に結合されてもよい。
【0051】
構造100は、また、第一縫合糸120とは別個に形成された、かつアンカー102に対して固定的に結合された第二縫合糸130を、含んでもよい。第二縫合糸130は、以下でより詳細に説明するように、修復組織をアンカーに対して恒久的に結合する修復縫合糸であり得るため、アンカー102に対して固定的に結合されることで、アンカー102から取り外されないものとされてもよい。第二縫合糸130は、チューブ状ボディ104の管腔105に沿って延びてもよい。第二縫合糸130は、アンカーの近位端116のところで、管腔105の開口端部へと進入してもよい。第二縫合糸130は、遠位端112に対して隣接し得る、アンカー102に沿った位置のところで、固定的に結合されてもよい。第二縫合糸130は、編組ストランド110どうしの間において管腔105の内部から延び得るとともに、アンカー102の外部に結び目132を含んでもよい。結び目132は、第二縫合糸130を、アンカー102に対して固定してもよい。結び目132は、第二縫合糸130の末端134のところに位置してもよい。結び目132を形成する際には、縫合糸130は、いくつかの編組ストランド110の周囲にわたって、また、いくつかの編組ストランド110どうしの間において、ループ状に巻回されてもよく、これにより、チューブ状ボディ壁を通過した複数の経路を形成する。結び目132は、係止結び目であってもよく、この係止結び目は、編組ストランド110どうしの間を通して引き戻されることに抵抗するよう充分に大きな結び目である。
【0052】
いくつかの実施形態では、結び目132は、アンカーの遠位端112を通してかつその遠位端112を超えて延びてもよく、結び目132は、アンカー102の外部に、かつ、アンカー102の全体よりも遠位の位置に、配置されてもよい。他の実施形態では、末端134は、結び目132に加えてもしくは結び目132に代えて、接着剤またはヒートシールを使用して、固定的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、末端134は、遠位端112と同じ範囲に位置し得るとともに、遠位端112のところで、閉塞された封止直線状エッジ113を形成しつつ、固定的に結合されることができる。したがって、縫合糸130の末端134は、直線状エッジ113のシールの内部に、封止されてもよい。第二縫合糸130の近位端136は、アンカーの近位端116から延びてもよい。縫合糸130は、管腔105に沿って延び得るとともに、管腔105の近位開口から導出されてもよい。
【0053】
図1Bは、縫合糸(120、130)の内部経路をより明瞭に理解するための、図1Aに示す構造100に関する簡略化した概略図である。アンカー102は、本出願人が共同所有していてその全体が参照により本明細書に援用される「Tissue Repair Assembly」と題する米国特許第9,962,149号明細書に少なくとも開示されたデバイスと同様の挿入展開デバイスの内部に収容されていて、この第一長尺構成で準備されてもよい。アンカー102が、標的組織内へともしくは標的組織を通して挿入された際には、第一縫合糸または第二縫合糸(120、130)の少なくとも一方に対して印加された張力により、アンカー102は、図1Cに図示しているように、展開状態へと展開されてもよい。したがって、第一縫合糸および/または第二縫合糸(120、130)は、展開部材として機能し得る。いくつかの実施形態では、張力Tは、アンカー102を展開するために、近位向きに延びたすべてのリム(122a、122b、136)に対して印加されてもよい。アンカーの優れた固定強度は、少なくとも部分的には、アンカー102に対して大きな張力負荷(100N~150N、最大で200N)を印加することによって達成されるため、本発明者らは、3つの縫合糸リムにわたってこの高負荷を印加することにより、このような高負荷でも破断しないものとしつつ、縫合糸(120、130)のサイズを小さくし得ることを見出した。三つのリム(122a、122b、136)に対して張力を印加すると、アンカー102が束ねられて、図1Cに図示しているように、アンカーが展開構成102’へと変化するとともに、アンカー102が標的組織の内部に固定される。
【0054】
本出願人らは、展開部材が、アンカー102の周囲へとアンカー102を通して曲がるのに充分な可撓性を有しておりかつ大きな展開負荷を受け得るような、縫合糸、縫合糸テープ、または平坦化縫合糸、を含めた縫合材料によって形成されることが好ましいことを、見出した。可撓性ワイヤは、特にニチノールワイヤは、展開部材の目的を阻害する可能性がある。可撓性ワイヤまたはケーブルは、このような小さなアンカーの周囲へとアンカーを通した際には、容易には曲げることができず、キンクを起こしてしまう。ワイヤは、そのような大きな張力負荷の下では、長尺化する可能性があり、これは、特に、ニチノールワイヤの場合である。可撓性ワイヤは、そのような大きな張力負荷の下では、編組ストランド110を切断する可能性がある。第一縫合糸120は、ポリエステルのサイズ#0の縫合糸であってもよい。第二縫合糸130は、ULTRABRAID#2であってもよい。
【0055】
ここで、図1Dおよび図1Eを参照すると、第二縫合糸130は、また、修復縫合糸としても機能し得るものであって、修復時には、リム端部122aに対して結合される前に、組織150に対して動作可能に結合されてもよい。したがって、第二縫合糸130は、最初は、展開部材として機能してもよく、次に、修復部材として機能してもよい。組織150に対して結合した後に、図1Dに図示しているように、第二縫合糸130は、リム端部122aのところの捕捉ループに挿通されてもよい。第二縫合糸端部136が捕捉された状態で、第一縫合糸端部122bを引っ張ることにより、第一縫合糸120を、展開済みアンカー102’を通してスライドさせ得るとともに、第一縫合糸120を、展開済みアンカー102’から取り外すことができ、これにより、第一縫合糸120が、第二縫合糸端部136/縫合糸130によって置き換えられる。したがって、第一縫合糸120は、展開部材として定義され得るとともに、また、移送部材としても定義され得る。縫合糸端部122bを、矢印「A」の向きに引き抜くことにより、修復縫合糸130を、展開済みアンカー102’内へと、および展開済みアンカー102’に沿って、移送することができ、これにより、修復縫合糸130は、構造100が準備された際に(図1A図1B)第一縫合糸120が規定したものと同じ経路を、辿ることとなる。結果的に得られる構成では、図1Eに図示しているように、第二縫合糸/修復縫合糸130は、一端134のところで固定的に結合されているとともに、修復組織150に対して結合されており、さらに、展開済みアンカー102’の周囲へとかつ展開済みアンカー102’を通して編まれている。この構成は、展開済み無結節ロック構成として定義され得る。第二/修復縫合糸130が、展開されて束になった状態でアンカーを通過する曲がりくねった経路は、第二縫合糸130を所定位置にロックするだけの、かつ、第二縫合糸130がスライドしたり緩んだりすることを防止するだけの、充分な摩擦を提供することができる。アンカー102は、展開されて、展開構成(102’)でロックされる。構造100は、修復組織150に対して結合されていて、移動が阻止されている。
【0056】
第二縫合糸130を第一縫合糸リム122aに対して結合することは、アンカーが挿入されて展開された状態で、患者の体外で行われてもよい。本発明者らは、例えば骨組織の内部にアンカーを埋め込む前に組織を修復することと比較して、最初にアンカー102を展開し、その後、展開済みアンカー102’に対して修復組織を結合する方が、方法をより合理的とすることを、見出した。これにより、修復縫合糸130は、挿入器具上の任意の展開駆動手段に対して予め組み立てられた状態で、準備または用意することが可能とされ、これにより、アンカー展開部材は、両方の縫合糸(120、130)を含んでもよく、そのため、固定強度を改良することができる。この方が、手術の流れに対して、より良好に合わせることができる。修復縫合糸130が、展開部材として採用されることがなく、ソフトアンカー102を展開する前に修復組織150に対して取り付けられた場合には、修復縫合糸を患者の内部で組織に対して取り付けている際に、標的処置部位の近くで、追加的な一対の手または手段によって器具を保持する必要があり得る。これは、好ましいものではない。
【0057】
図2A図2B、および図2Cは、別のソフトアンカー無結節構造200に関する様々な態様を、および使用方法を、図示している。同様の構成要素には、同じ参照符号が付されている。構造200は、ソフトアンカー102を含み、このソフトアンカー102は、スミスアンドネフュー社から販売されているQ-fix(商標)と同様のものであってもよい。この実施形態では、第一縫合糸120は、アンカー管腔105の内部でおよびアンカー管腔105に沿って、第二縫合糸130のカニューレを通して経由されている。図2A図2B、および図2Cは、この内部経路を説明するための、アンカー102の部分的なまたは簡略化した断面図を図示している。図2Aは、挿入器具の遠位端穴の内部に収容され得る長尺形態で用意された構造200を、概略的に示している。第一縫合糸120は、構造100における経路と同様に、アンカー102の長手方向軸線106の第一側部を通して、アンカー102の外面から管腔105へと繰り返し的に織り込まれている。アンカーの遠位端112に向けて、第一縫合糸120は、アンカー壁の編組ストランドを通してアンカー管腔105内へと延びてもよく、アンカー管腔105の、開口した近位端であり得る近位端から導出されるまでは、管腔105の内部に留まってもよい。第一縫合糸120は、アンカーの長手方向軸線106の反対側へと横断するように、延びなくてもよい。他の実施形態では、縫合糸120は、アンカーの遠位エッジ113を超えて延びてもよく、その後、チューブ状壁(図示せず)の反対側の側部から、管腔105へと導出されてもよい。これにより、アンカー102の長手方向軸線の両方の側部における展開さえもが、改良されてもよい。
【0058】
第一縫合糸120は、管腔105に沿って近位向きに延びており、また、同時に、第二縫合糸130のカニューレすなわち通路137の内部にも延びている。したがって、第一縫合糸120は、カニューレ137とアンカー管腔105との両方の内部を、同じ範囲に位置して延びている。第一縫合糸120は、入口開口137aのところでカニューレ137内へと導入されているとともに、開口137bのところで導出されている。開口137a、137bは、予め形成されなくてもよく、内部を通して第一縫合糸120が第二縫合糸130のストランドどうしの間に延びる位置であってもよい。開口137a、137bどうしの間の距離は、ロック通路の軸線方向長さを規定している。第二縫合糸130は、内部に第一縫合糸120を受領するためのカニューレ137を含む。第二縫合糸130は、その全長に沿って、そのコアに沿ったストランドを有することなく形成されてもよく、したがって、カニューレ状縫合糸すなわち中空縫合糸を規定してもよい。第一縫合糸120は、そのコアに沿ったストランドを含んでもよく、それは、第一縫合糸120が、第二縫合糸130を通して進むためのより小さな外径を有しながらも、強度要件(アンカー102を展開するための強度要件)を維持することを可能とするからである。いくつかの実施形態では、第二縫合糸130は、図1Aに示すものと同様に、アンカー102の外部部分上に遠位端134を有し得るとともに、第一縫合糸120は、アンカー102の外部の位置で、第二縫合糸130のカニューレ137内へと導入されてもよい。別の言い方をすれば、カニューレ137内への第一縫合糸120の入口137aは、アンカー102の外部に位置してもよい。
【0059】
第二縫合糸の遠位端は、システム100で説明したものと同様の態様で、アンカー102に対して近位向きに移動しないよう、アンカー102に対して固定的に結合されてもよい。第二縫合糸130は、アンカー102の管腔105に沿ってかつ管腔105の内部で、延びてもよい。第二縫合糸130は、アンカーの近位端116のところで、管腔105の開口した近位端から延びてもよい。第二縫合糸130は、遠位端112に対して隣接し得るチューブ状ボディ104に沿った位置のところで、固定的に結合されてもよい。第二縫合糸130は、アンカー102のストランドどうしの間に延び得るとともに、第二縫合糸130をチューブ状ボディ104に対して結合するための結び目132を含んでもよい。結び目132は、第二縫合糸130の末端134のところに位置してもよい。結び目132は、ストランド110の周囲にわたってまたストランド110どうしの間でループ状に巻回されてもよい、あるいは、編組110どうしの間を通り抜けられないような充分な大きさの結び目であってもよい。結び目132は、遠位端116を通してかつその遠位端116を超えて延びてもよく、結び目は、チューブ状ボディ104の外部に、かつ、チューブ状ボディ104の全体よりも遠位の位置に、配置されてもよい。他の実施形態では、末端134は、接着剤またはヒートシールを使用して、固定的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、末端134は、遠位端112と同じ範囲に位置し得るとともに、遠位端112のところで、閉塞された封止直線状エッジ113を形成しつつ、固定的に結合されることができる。末端134は、封止直線状エッジ113の内部に、封止されることとなる。第二縫合糸130の近位端135は、アンカーの近位端116から延びてもよい。
【0060】
アンカー102は、本出願人が共同所有していてその全体が参照により本明細書に援用される「Tissue Repair Assembly」と題する米国特許第9,962,149号明細書に少なくとも開示されたデバイスと同様の挿入展開デバイスの内部に収容されていて、図2Aに図示しているような長尺とされたこの第一構成で準備されてもよい。アンカー102が、標的組織内へと挿入された際には、第一縫合糸または第二縫合糸(120、130)の少なくとも一方に対して印加された張力により、アンカー102は、図2Bに図示しているように、展開状態へと展開されてもよい。本明細書で説明するように、大きな展開負荷を印加するためには、近位向きに延びた三つのリム(122a、122b、136)のすべてに対して張力を印加することが、好ましいことであり得る。したがって、第一縫合糸および/または第二縫合糸(120、130)は、展開部材として機能し得る。いくつかの実施形態では、アンカー102を展開するために、近位向きに延びたすべてのリム(122a、122b、136)に対して、張力が印加されてもよい。これにより、アンカー102が束となり、アンカー102が標的組織に対してアンカー止めされる。その後、第二縫合糸130は、修復縫合糸として機能し得るとともに、リム端部122aのところで捕捉ループに挿通される前に、組織150に対して動作可能に結合されてもよい。第二縫合糸130は、患者の体外で、リム端部122aのところのループを通過してもよい。その後、第一縫合糸120の端部122bを引っ張ることにより、第一縫合糸120を、展開済みアンカー102’を通してスライドさせ得るとともに、第一縫合糸120を、アンカー102から取り外すことができ、これにより、第一縫合糸120が、第二縫合糸130の一部によって置き換えられる。したがって、第一縫合糸120は、展開部材および移送部材の両方として、定義され得る。縫合糸端部122bを引き抜くことにより、修復縫合糸130を、展開済みアンカー102’内へと、および展開済みアンカー102’に沿って、移送することができ、これにより、修復縫合糸130は、最初に準備された際に(図2A)第一縫合糸130が規定したものと同じ経路を、辿ることとなる。結果的に得られる構成では、図2Cに図示しているように、第二縫合糸130は、一端134のところで固定的に結合されているとともに、修復組織150に対して結合されており、さらに、展開済みアンカー102’の周囲へとかつ展開済みアンカー102’を通して編まれている。第二縫合糸130は、また、カニューレ137に沿ってそれ自体を通して編まれている(接合とも称される)。縫合糸端部136または結果的なループ部分139のいずれかから、第二縫合糸130へと印加される張力(矢印B)の作用により、カニューレ137の直径が低減するとともに、チャイニーズフィンガートラップと同様の態様で、第二縫合糸130が自身の周囲へと締め付けられる。これにより、構造200が、さらにロックされてもよい。図2Cに示す構成は、展開済み無結節ロック構成として定義され得る。第二縫合糸130が、展開されて束になった状態で展開済みアンカー102’を通過するとともに少なくともカニューレ137に沿って自身を通過する曲がりくねった経路は、第二縫合糸130を所定位置にロックするだけの、かつ、第二縫合糸130がスライドしたり緩んだりすることを防止するだけの、充分な摩擦を提供することができる。展開済みアンカー102’は、また、展開構成で無結節的にロックされる。構造200は、また、修復組織150に対して結合されていて、修復組織150は、移動が阻止されている。
【0061】
ロック通路の長さは、システム200を無結節的にロックするのに充分な長さであってもよい。他の実施形態では、第一縫合糸の第二端部122bは、また、修復ループが逆となるようなループを含んでもよい。この代替的な逆ループでは、第二縫合糸は、第二端部122bに対して結合されてもよく、第一端部122aが引き抜かれてもよく、これにより、第二縫合糸130は、展開済みアンカー102’を通して織り込まれる前に、最初に、カニューレ137およびアンカー管腔105を通過することとなる。
【0062】
図3Aは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造300に関する様々な態様を図示している。構造100、200と同様の構成要素には、同じ参照符号が付されている。構造300は、構造200と同様のロック通路を含んでもよい。図3Aは、用意された状態での構造300を図示している。この構成では、アンカー102は、長尺であって、挿入器具のチューブの内部に収容されてもよい。この構成では、第一縫合糸120は、第二縫合糸130のカニューレ137を通して挿通されることで、構造300のその後の動作時に、構造300の縫合糸ロック通路部分337を規定して形成することができる。ロック通路部分337は、アンカー102に沿って延びてもよく、また、アンカー壁の編組ストランド110どうしの間に繰り返し織り込まれてもよく、ここで、編組ストランド110は、図1Aにおいて最も明瞭に見ることができる。修復縫合糸130がアンカー管腔105の内部を延びている(構造200において図示されているように)のではなく、アンカー壁に沿って織り込まれていることにより、構造200と比較して、全体的なアンカー固定強度が改良され得る。アンカー102の両方の側部を通して織り込まれた縫合糸を展開することと併せて、修復縫合糸130がアンカー壁に沿って織り込まれることにより、アンカー102を、(長手方向軸線の)各側部どうしの間において、より均等に展開することができ、これにより、アンカーの固定強度が改良され得る。ロック通路部分337は、アンカー102の側壁の最外面とアンカー管腔105との間に、織り込まれてもよい。通路部分337は、図3Aに示すような長尺構成とされた時には、アンカー102の最も近位のエッジから、アンカー102の最も遠位のエッジへと、延びてもよい。図3Aは、互いを通しての、またアンカー102を通しての、縫合糸120、130の経路を説明するための、構造300の簡略化された概略図を図示している。アンカー102は、チューブ状ボディ104を規定しており、第一縫合糸120は、チューブ状ボディ104の第一側壁の全幅を通して繰り返し的に織り込まれており、ここで、第一側壁は、アンカー102の長手方向軸線106の第一側部に沿って延びている。第一縫合糸130は、アンカー102の外面と管腔105との間にわたって往復して織り込まれているとともに、図示のように、アンカー102に沿って延びる際に、三回にわたって織り込まれている。遠位端112に向けて、第一縫合糸120は、アンカー壁を通してアンカーボディ管腔105内へと延び得るとともに、その後、入口137aのところで、第二縫合糸カニューレ137内へと延びてもよい。
【0063】
第一縫合糸120は、アンカー102に沿って延び得るとともに、長手方向軸線の対向した側壁を通して織り込まれてもよく、同時に、第二縫合糸カニューレ137の内部に配置されてもよい。第一縫合糸120は、入口開口137aのところでカニューレ137内へと導入されているとともに、開口137bのところで導出されている。開口137a、137bは、予め形成されなくてもよく、内部を通して第一縫合糸120が縫合糸130のストランドどうしの間に延びる位置であってもよい。開口137aは、遠位端116のところで、アンカー管腔105の内部に位置してもよい。開口137a、137bどうしの間の軸線方向距離は、ロック通路の長さを規定する。第一縫合糸120は、そのコアに沿った編組を含んでもよく、それは、第一縫合糸120が、第二縫合糸130を通して進むためのより小さな直径を有しながらも、大きな強度を維持することを可能とするからである。いくつかの実施形態では、第一縫合糸120は、アンカー102の外部の位置で、第二縫合糸130のカニューレ137内へと導入されてもよい。別の言い方をすれば、カニューレ137内への第一縫合糸120の入口137aは、アンカー102の外部に位置してもよい。
【0064】
第二縫合糸の遠位端134は、アンカー102に対して近位向きに移動しないよう、アンカー102に対して固定的に結合されてもよい。第二縫合糸130は、アンカーの近位端116のところで、管腔105の開口した近位端を通して延びてもよい。第二縫合糸130は、遠位端112に対して隣接し得る、アンカー102に沿った位置のところで、固定的に結合されてもよい。遠位端112は、封止して閉塞されてもよく、したがって、第二縫合糸130は、アンカー102の編組ストランド110どうしの間に延び得るとともに、第二縫合糸130をアンカー102に対して結合するために、アンカー102の外部に結び目132を含んでもよい。結び目132は、第二縫合糸130の末端134のところに位置してもよい。結び目132は、二つの半ヒッチ結び目によって、あるいは、アシュレイ係止結び目または正方形結び目などの係止結び目によって、形成されてもよい。二つの半ヒッチ結び目が使用される場合には、結び目132全体の軸線方向長さを短くするために、第二半ヒッチが第一半ヒッチ結び目に対して軸線方向にオーバーラップすることが、好ましいことであり得る。結び目132は、好ましくは、第二縫合糸130がアンカー102から外れてしまわないよう、充分な大きさのものである。結び目132は、アンカーの遠位端112よりも遠位の位置に配置されてもよい。他の実施形態では、末端134は、結び目132に代えてもしくは結び目132に補足して、接着剤またはヒートシールを使用して、固定的に結合されてもよい。
【0065】
無結節ロック式ソフトアンカーシステム300は、本出願人が共同所有していてその全体が参照により本明細書に援用される「Tissue Repair Assembly」と題する米国特許第9,962,149号明細書に少なくとも開示されたデバイスと同様の挿入展開デバイスの内部に収容されていて、図3Aに図示しているようなこの第一構成で準備されてもよい。アンカー102が、標的組織内へともしくは標的組織を通して挿入された際には、第一縫合糸または第二縫合糸(120、130)の少なくとも一方に対して印加された張力により、アンカー102は、展開されてもよい。したがって、第一縫合糸および/または第二縫合糸(120、130)は、展開部材として機能し得る。いくつかの実施形態では、アンカー102を展開するために、近位向きに延びたすべてのリム(122a、122b、136)に対して張力が印加されてもよく、これは、本明細書で上述したように、いくつもの利点を提供し得る。
【0066】
その後、第二縫合糸130は、修復縫合糸として機能し得るとともに、リム端部122aのところで捕捉ループに挿通される前に、組織150に対して動作可能に結合されてもよい。第二縫合糸130は、患者の体外で、リム端部122aのところのループ123を通過してもよい。その後、第一縫合糸120の端部122bを引っ張ることにより、第一縫合糸120を、アンカー102を通してスライドさせ得るとともに、第一縫合糸120を、アンカー102から取り外すことができ、これにより、第一縫合糸120が、第二縫合糸130によって置き換えられる。したがって、第一縫合糸120は、展開部材/縫合糸および移送部材/縫合糸として、定義され得る。縫合糸端部122bを引き抜くことにより、修復縫合糸130を、展開済みアンカー102’内へと、および展開済みアンカー102’に沿って、移送することができ、これにより、修復縫合糸130は、最初に準備された時に第一縫合糸130が規定したものと同じ経路を、辿ることとなる。結果的に得られる構成では、図3Bに概略的に図示しているように、第二縫合糸130は、一端134のところで固定的に結合されているとともに、修復組織150に対して結合されており、さらに、展開済みアンカー102’の周囲へとかつ展開済みアンカー102’を通して編まれている。縫合糸端部136または結果的なループ部分139のいずれかから、第二縫合糸130へと印加される張力(矢印B)の作用により、カニューレ137の直径が低減するとともに、チャイニーズフィンガートラップと同様の態様で、第二縫合糸130が自身の周囲へと締め付けられる。これにより、構造300が、さらにロックされてもよい。図3Bに示す構成は、展開済み無結節ロック構成として定義され得る。図3Bは、理解を容易にするために、システム300を、より簡略化して回路のように図示している。第二縫合糸130が、展開済みアンカー102’を通過するとともに少なくともカニューレ137に沿って自身を通過する曲がりくねった経路は、第二縫合糸130を所定位置にロックするだけの、かつ、第二縫合糸130がスライドしたり緩んだりすることを防止するだけの、充分な摩擦を提供する。展開済みアンカー102’は、また、展開構成で無結節的にロックされる。
【0067】
アンカー102を展開することにより、ロック通路337を、アンカー102の内部に全体的に位置した状態から、アンカー102の内部から近位向きに突出した状態へと、移行させてもよく、これにより、出口137bを、アンカー102よりも近位の位置へと離間させてもよい。縫合糸の端部(縫合糸120および/または縫合糸130のいずれか)のいくつかは、アンカーおよび第二縫合糸130の内部へとかつアンカーおよび第二縫合糸130に沿って縫合糸を引っ張るのに必要な力を低減するために、直径がテーパー形状であってもよい(以下でより詳細に説明する)。更なる縫合糸が、アンカー102に対して動作可能に結合されてもよい。例えば、第三縫合糸が、図示した縫合糸から周方向にオフセットされた経路に沿って、アンカー102に対して動作可能に結合されてもよい。別の無結節構造(別の修復縫合糸および移送縫合糸を有している)が、また、周方向にオフセットした位置で、アンカー102を通して通されてもよい。
【0068】
図4A図4B図4C、および図4Dは、無結節ロック式ソフトアンカー構造300を構築するための方法を図示している。最初に、修復縫合糸130が準備されてもよい。準備することは、中空コアを有した部分(カニューレ137)を少なくとも含む縫合糸130を用意することを含む。縫合糸130は、約24インチ(609.6mm)の長さに切り揃えられてもよく、係止結び目132が、第一末端134のところに形成されてもよい。係止結び目132を形成することは、第一半ヒッチを形成することと、その後、第一半ヒッチに対して軸線方向にオーバーラップした第二半ヒッチを形成することと、を含んでもよい。その後、縫合糸130は、アンカー102に対して隣接して並べられ、結び目132が、アンカー102の遠位端112のところに配置され、アンカー102の近位端116に対して位置合わせするマーク411が、縫合糸130上に形成されてもよい。このマークは、通路出口137bに対して関連してもよい。アンカー102は、構築時には、弛緩した形態、可能であればわずかに引き伸ばされた形態、または長尺形態、であってもよい。結び目132とマーク411との間における第二縫合糸130に沿った軸線方向距離は、弛緩構成または長尺構成では、アンカー102の軸線方向長さを近似し得るロック通路直線長さを規定してもよい。縫合糸ロック通路(337)は、それ自体で充分な強度の無結節ロックを形成するのに充分な15mmの直線長さを有してもよい。他の実施形態では、この長さは、アンカー102の軸線方向長さよりも、短いものであってもよい。ロック通路直線長さを、アンカー102の軸線方向の全長よりも短いものとすることにより、より小さい骨に対してまたはより軟質の骨に対して適用する際に、有利なものであり得る。アンカー102が、展開時に軸線方向に短くなる傾向があることを考慮すれば、展開によって、ロック通路が、アンカーの近位端116からわずかに突出することとなり得る。これは、外科医にとっては気になることであり得る。これは、薄い皮質層を有した小さな骨の場合には、突出した通路部分のための充分なスペースが存在しないことがあるため、問題点となり得る。したがって、構築のための代替的な方法は、アンカーボディの軸線方向長さに沿った位置のところに、例えば位置411aのところに、マーク411を配置することを含んでもよい。
【0069】
図4Bを参照すると、ループ状端部405を有した捕捉ツール400が用意されてもよく、捕捉ツール400は、編組ストランドの間において、カニューレ137内へとかつカニューレ137に沿って、修復縫合糸130を通して挿通されてもよい。捕捉ツール400は、縫合糸130の、結び目132に対して直接的に隣接した編組ストランドどうしの間において、カニューレ137から導出されてもよい。捕捉ツール400は、入口137aと出口137bとを規定してもよい。
【0070】
その後、別の縫合糸が、用意されてもよく、この別の縫合糸は、第一縫合糸120であってもよい。第一縫合糸120は、修復縫合糸130よりも、直径(または断面寸法)が小さなものであってもよい。第一縫合糸120は、第二縫合糸/修復縫合糸130の長さに対しておよそ二倍の最大長さで、用意されてもよいまたは切り揃えられてもよい。第一縫合糸120は、用意された時点でループ状端部123を含んでもよい、あるいは、ループ状端部123が、最初に準備されてもよい。ループ状端部123は、修復縫合糸の端部136に対して係合するように、または、修復縫合糸の端部136を捕捉するように、構成されてもよい。その後、捕捉ツール400は、第一縫合糸120に対して動作可能に結合されてもよく、引き抜かれることにより、図4Cに示すように、第一縫合糸120を、カニューレ137を通して組み立てられてもよい。第一縫合糸120は、カニューレ137を通して引っ張られて、カニューレ137を通して挿通されてもよく、これにより、図4Cにも示すように、第一縫合糸の第一端部122aは、出口137aから延びており、第一縫合糸の第二端部122bは、出口137bから延びている。
【0071】
ここで、図4Dを参照すると、アンカー102を通しての経路は、捕捉ツール400と同種のものであり得るニードルツール450を使用して、形成されてもよい。ニードルツール450は、図4Dに示すように、アンカー102の編組ストランド110どうしの間に織り込まれてもよい。ニードルツール450は、ループ状端部455を含んでもよい。ニードルツール450の両端部は、アンカー102の管腔105から、直接的に延びてもよい。いくつかの実施形態では、遠位端116は、閉塞されたヒートシール済み直線状エッジであってもよく、ニードルツール450の挿入時には、閉塞端部を通しての小さな開口が形成されてもよい。展開時におけるアンカー102の一貫した均一な変形性を改良するために、編組110どうしの間における各出入口と、アンカー側壁を通しての各出入口と、の間隔が、互いにほぼ等しいことが好ましい。ニードルツール450は、好ましくは、まず、管腔105を通して延びており、その後、アンカー102の最も近位のまたは最も遠位の端部エッジから少なくとも2つの編組ストランド110のところで、アンカー102の側壁を通過し、これにより、編組がほどける可能性を低減させる。
【0072】
ニードル450のループ状端部455は、縫合糸端部122bと縫合糸端部136とを同時に捕捉することで、二つの縫合糸(130、120)を、アンカー102を通してのニードル経路が規定する経路に沿って、アンカー102を通して、引っ張ってもよい。その後、端部122b、136を使用することにより、結び目132がアンカー102の外面の遠位端112に対して当接するまで、カニューレ137(ロック通路337)を、アンカー102内へとかつアンカー102に沿って、引っ張ってもよい。その後、ニードル450は、アンカー長手方向軸線106の反対側の側部に沿ってこの操作を繰り返してもよく、これにより、縫合糸端部122a(および、ループ123も)だけを、アンカー102に沿ってかつアンカー102を通して、挿通させる。その後、縫合糸は、挿入器具のシャフトを通して挿通させてもよく、この場合、端部(122a、122b、136)は、挿入器具の展開駆動手段に対して動作可能に結合される。アンカー102は、器具シャフトの遠位端の内部に、または器具シャフトの遠位端のところに、配置されてもよい。
【0073】
図5Aは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造500を図示している。構造500は、特記されている場合を除き、構造300と同様である。注目すべきことに、カニューレ137に対する入口137aおよび出口137bは、それぞれアンカー遠位端112およびアンカー近位端116から、離間して配置されてもよい。縫合糸ロック通路537は、本明細書で説明するように、長尺構成において、アンカーの軸線方向長さよりも短いものとされてもよく、これにより、展開時には、ロック通路537は、展開済みアンカー102’から近位向きに突出しにくいものとされる。加えて、入口137aは、アンカーボディ102の外部に位置してもよい。このように、移送縫合糸120は、アンカー102に沿って、第一側壁(図5Aに示すように右側の側壁)に沿ってまたアンカー遠位端112の外面の周囲において、織り込まれてもよく、これにより、移送縫合糸120は、アンカー遠位端112のところでは、アンカー102の外部に留まり、アンカー102内へと戻る前に、カニューレ入口137aから導入される。移送縫合糸120を、アンカー遠位端112の周囲に巻回することにより、展開および固定強度が改良され得る。ロック通路537を、アンカーの最大軸線方向長さよりも短いものとすることにより、アンカー102が展開された後に(これは、アンカー102の軸線方向長さを短くし得る)、ロック通路537の、アンカー近位端114から延びた長さを、減少させ得る。
【0074】
図5Bは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造820を、展開前の形態で図示している。構造520は、特記されている場合を除き、構造300と同様である。構造520は、近位端116上に結び目132を含む。縫合糸ロック通路537は、アンカー102の軸線方向の全長よりも短いものとされ得るとともに、なおも、編組ストランド110どうしの間に織り込まれてもよい。この実施形態では、修復縫合糸130は、近位端のところでロック通路537内へと導入されるとともに、ロック通路537を通して遠位側に延びた後に、アンカー102の周囲においてかつアンカー102に沿って織り込まれる。
【0075】
図5Cは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造840を、展開前の形態で図示している。構造550は、特記されている場合を除き、構造300と同様である。構造540は、アンカー102の断面全体をジグザグに往復する非ロック通路537を含む。これにより、ロック通路537を、適切な無結節的なロックのために充分に長くし得るけれども、この経路であると、アンカー102が展開された後にロック通路537がアンカー近位端116から突出することが制限され得る。
【0076】
図5Dは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造560を、展開前の形態で図示している。構造560は、特記されている場合を除き、構造300と同様である。構造560は、アンカー102の近位端116のところに位置したロック通路537を含む。これにより、ロック通路537を通して修復縫合糸130を挿通するのに必要な力が低減され得る。しかしながら、ロック通路537は、近位端116から突出することとなる。
【0077】
図5Eは、別の無結節ロック式ソフトアンカー構造580を、展開前の形態で図示している。構造580は、管腔105に沿って延びたロック通路537を含み、ロック通路537は、アンカー102の軸線方向最大長さよりも短い。ロック通路537は、アンカー102の遠位端112に向けて配置されてもよく、これにより、ロック通路537を遠位向きに維持するとともに、アンカーの展開後にロック通路537がアンカー近位端116から突出することを制限する。さらに、ロック通路537の位置を維持するために、ロック通路537は、結び目132から直接的に延びており、縫合糸120は、ロック通路537から延び得るとともに、アンカー102の近位部分を通して直接的に織り込まれてもよい。展開時には、縫合糸120のリムと、縫合糸130の近位向きに延びたリムと、に対して、張力が印加される。展開後には、縫合糸120は、本明細書で説明したのと同様の態様で移送縫合糸として機能し、修復縫合糸130を、アンカーを通して引っ張るとともに、長手方向軸線106の第一側部上におけるアンカー壁を通して、かつロック通路537内へと、繰り返し的に織り込み、その後、長手方向軸線の反対側の側部上におけるアンカー壁を通して、再び織り込む。
【0078】
図6Aは、骨内へと挿入された例示的な無結節構造を図示している。この例では、修復縫合糸130は、端部136に対して予め取り付けられたニードル605を含んでもよい。本明細書で開示する任意の無結節構造は、構造100、200、300、500、520、540、560、580を含めて、ニードルが予め取り付けられた少なくとも一つの縫合糸を含んでもよい。構造300は、ニードル605が予め取り付けられた状態で、図6Aに示されている。これにより、外科医は、手順時にニードルを取り付けるステップを行うことなく、修復組織を修復縫合糸130に対して結合することができる。修復縫合糸130は、ニードル605が一般に大き過ぎてシャフト穴内に収まり得ないため、器具シャフト642に沿って、開口したスロットに沿って延びてもよい。ニードル605は、図6Bおよび図6Cに示すように、挿入器具650のハンドルの内部に収容されてもよい。いくつかの実施形態では、修復縫合糸130は、器具展開機構から動作的に自由であってもよく、これにより、アンカー102を展開するためには、展開縫合糸120だけに対して張力が印加される。他の実施形態では、第三縫合糸をアンカー102に対して動作可能に結合することで、展開が強化されてもよく、アンカー102が目標の高負荷にまで展開された後には、第三縫合糸が取り外されてもよい。
【0079】
図6Bに示すように、駆動ノブ626を介したアンカー102の展開においては、駆動ノブ626に対して動作可能に結合された任意の縫合糸に関する複数の端部に対して、同時に張力を印加し得るとともに、また、ハウジングカバー635を取り外してもよい。器具650およびシステムは、2021年5月27日付けで出願された「Tissue Repair System」と題する特許出願第PCT/US21/34590号に開示されているシステムと同様に動作してもよく、この特許出願は、本出願人が共同所有しているものであって、その全体が参照により本明細書に援用される。他の実施形態では、修復縫合糸130は、器具650に沿って経由してもよく、第一位置のところで展開駆動機構に対して動作可能に結合されてもよい。修復縫合糸130は、第一位置から離間して配置された第二位置のところで、ニードル605に対して予め取り付けられてもよい。例えば、第二位置は、修復縫合糸の第二端部136の末端に位置してもよく、第一位置は、アンカー102と第二位置との間において、離間して配置されてもよい。
【0080】
したがって、使用方法は、無結節構造(100、200、300、500、520、540、560、580)を、器具650を使用して標的組織内へと挿入することと、ノブ626を駆動することにより、アンカー102を展開することと、を含んでもよい。ノブ626を駆動することにより、無結節構造(100、200、300、500、520、540、560、580)の少なくとも第一縫合糸120に対して、張力が印加されてもよい。ノブ626を駆動することにより、予め取り付けられたニードルから離間して配置された修復縫合糸130に沿った位置のところで、修復縫合糸130の端部に対して、張力が印加されてもよい。ノブ626を駆動すること(627)により、器具650のハウジングカバー635を取り外すことができまたはロック解除することができ、これにより、予め取り付けられたニードル605を露出させることができる。アンカー102が標的組織の内部で展開された後には、修復縫合糸130および予め取り付けられたニードル605は、器具650から取り外されてもよい。ニードル605を使用することにより、修復縫合糸130が、修復組織150に対して結合されてもよい。第一縫合糸120も、また、器具650から取り外されてもよい。修復縫合糸130が、修復組織150に対して結合された後には、ニードル605は、取り外されてもよく、修復縫合糸の端部136は、第一縫合糸120の第一端部に対して結合される。その後、縫合糸120の第二端部を引っ張ることにより、縫合糸120を展開済みアンカー102’から取り外しながら、縫合糸130を、展開済みアンカー102’を通してスライドさせることができる。これにより、本明細書で開示するように、無結節ロック構成を形成し得るアンカー102’を通しての曲がりくねった経路に沿って、修復縫合糸130を配置することができる。
【0081】
捕捉/移送ループの実施形態
ここで、本明細書では、第一縫合糸120を第二縫合糸130に対して結合するための実施形態について、参照する。図7Aは、第一縫合糸リム122aを第二縫合糸リム136によって捕捉するなどのように、二つの縫合糸を捕捉するための第一構造に関する拡大図を概略的に示している。これは、ループ状捕捉構造と称されてもよい。この構造では、ソフトアンカー102を通して、編組どうしの間において、少なくとも例示的な構造200、300においてそれ自体を通して、縫合糸端部136を引っ張る時には、かなりの引っ張り力が必要とされ得る。第二縫合糸130は、ループ122a上において二重となっており、四(4)つの縫合糸断面を含めた断面(図7B)を形成している。本明細書で開示する無結節ロック構造を通してこれら縫合糸断面のすべてを引き抜くための張力を印加することを考慮すると、図7Bに図示しているように、リンクは、最大で四つの縫合糸断面を含み得る。無結節ロック構造が、一般に、構造の全体的なプロフィールを小型化するためにサイズが最小限とされていることを念頭に置くと、縫合糸の四つの断面を引っ張るには、比較的大きな引っ張り力が必要であることが判明している。縫合糸の四つの断面の大部分は、また、ロック通路(337、537)を変形させたり緩めたりする可能性があり、これにより、ロック通路に沿った強力な無結節ロックの形成を妨げたり損傷したりする可能性がある。
【0082】
本開示による、第一の改良された接続構造または捕捉構造800が、図8に図示されている。接続構造800は、二つの縫合糸端部を同軸的に結合することで、外側縫合糸820と、修復縫合糸130であり得る内側縫合糸と、を規定している。外側縫合糸820は、縫合糸820が、ループ状端部(122a)を有していなくてもよいことと、開口したカニューレ状端部826aを有したカニューレ状部分826を含み得ることと、を除いては、本明細書で開示する縫合糸120と同様に機能してもよい。本明細書で開示するロック通路と同様に、外側縫合糸820に対して印加された張力により、カニューレ826の開口サイズが低減されて、二つの縫合糸(820、130)が互いにロックされ得る。より具体的には、開口したカニューレ状端部826aは、内部に、末端136aを含めて縫合糸端部136を受領して、縫合糸端部136の周囲をロックし得る。よって、図7Aおよび図7Bに示す構造と比較して、この接続構造800は、この場合、縫合糸(130、820)における二つの同軸長さによって達成される。
【0083】
図9Aは、接続構造800を形成することによって修復縫合糸130に対して捕捉的に結合した縫合糸820を有した無結節ロック式ソフトアンカー構造200における、近位端を図示している。方法が、図9A図9B、および図9Cに図示されている。方法および構造800は、本明細書で開示する任意の無結節ロック式ソフトアンカー構造(100、300、…)と一緒に、採用されてもよい。この実施形態では、第一縫合糸820がカニューレ826を有しているとともにループ状端部(122a)を有していないことを除いては、方法は、無結節構造を用意することを含んでもよい。第一縫合糸820は、本明細書で開示する経路と同様の経路に沿ってアンカー102を通して準備されてもよい。第一縫合糸820は、第一縫合糸820に沿って延びた捕捉ツール930を有して準備されてもよい。捕捉ツール930は、開口したカニューレ状端部826aから延びてもよい。捕捉ツール930は、挿入器具(図示せず)に組み付けられてもよい。捕捉ツール930は、無結節構造を通して第二縫合糸(第二/修復縫合糸130など)を捕捉して引っ張るために、接続部分800などの充分な強度の接続部分を規定する長さの分だけ、カニューレ826に沿って延びてもよい。いくつかの実施形態では、捕捉ツール930は、カニューレ826の内外にわたって繰り返し的に織り込まれてもよく、これにより、いくつかの直列接続部分を形成する。
【0084】
アンカー102が展開された後には、縫合糸820および/または第二縫合糸130の少なくとも一端上における張力を介して、第二縫合糸130が組織150に対して結合され(図1D図2B、および図3B)、その後、接続部分800が形成されてもよい(図9B)。第二縫合糸130は、捕捉ツール930のループ状端部930aによって捕捉されてもよい。捕捉ツール930のハンドル端部930bを引っ張ることにより、第二縫合糸130が、開口したカニューレ状端部826aを通して、カニューレ826に沿って、引っ張られてもよい。いくつかの実施形態では、第二縫合糸130は、開口したカニューレ状端部826a内へと直接的に導入されるのではなく、第一縫合糸820の側壁を通して導入され得るけれども、これは、結果的に得られる接続部分800を嵩高くし得るため、あまり好ましくない。捕捉ループ930aは、第二縫合糸130をカニューレ826内へと引っ張る前には、変形可能であってもよい、あるいは、開口サイズを低減させてもよい。捕捉ツール930は、第二縫合糸の末端136aがカニューレ826の内部へと完全に封入されるよう、末端136aを解放してもよい。他の実施形態では、捕捉ステップは、体外で行われてもよいため、末端136aが、第一縫合糸壁(820)の編組どうしの間において、第一縫合糸820の外部へと引っ張られてもよく、これにより、末端136aから捕捉ループ930aが解放され、その後、第二縫合糸130が、わずかに引き抜かれてもよく、これにより、末端136aが、カニューレ826の内部へと戻される。末端136aを、カニューレ826の内部に完全に封入することにより、接続部分800の滑らかな連続した外面が提供され、これにより、アンカー構造(100、200、300)を通して引っ張られる際に、引っ掛かりにくくなる。第一縫合糸端部822bを引っ張ることにより、接続部分800がロックされてもよい。第一縫合糸端部822bを引っ張ることにより、第二縫合糸130が、第一縫合糸820が規定する経路に沿って引っ張られてもよく、これにより、第一縫合糸820が置き換えられて、本明細書で説明するものと同様の無結節ロック構造が形成される。接続部分800が、アンカー構造(100、200、300)を通して、その全体が引っ張られることにより、第二縫合糸130を切断することにより、構造(100、200、300)から接続部分800が取り外されてもよい。図9Cは、アンカー構造300の、接続部分800が取り外される前の時点で展開済みアンカー102’を通して第二縫合糸130を引っ張っている接続部分800を有した回路または経路を表している。この接続部分800は、本明細書で開示する任意の構造を通して、修復縫合糸を捕捉したり引っ張ったりするために使用されてもよい。
【0085】
第一縫合糸と第二縫合糸との間における機械的接続は、ダブルオーバー縫合糸ループと比較して、より小さなプロファイル(断面)を有している。フィンガーフラップ機構は、実質的に縫合糸の二つの断面であり、他方、ダブルオーバー縫合糸ループは、実質的に縫合糸の四つの断面である。縫合糸の断面が低減されることにより、インプラント構造を通して本発明の縫合糸を引っ張ることが、より容易とされる。他の実施形態では、第一縫合糸が第二縫合糸のカニューレ内へとかつそのカニューレに沿って延びるよう、接続部分を逆とすることもできる。
【0086】
ループ状端部を含む構造に戻ると、図10Aは、アンカー102の編組壁どうしの間などといった代表的な外科デバイス開口1111を挿通して、および/または本明細書で開示するようなカニューレ137を挿通して、準備され得る、従来技術による縫合糸捕捉構造1100を図示している。外科デバイス1110は、代表的な開口のみを含めた代表的な形態または簡略化された形態で示されており、ここでは、理解の簡略化のために、デバイスにおける他の特徴または他の部分は、省略されている。従来技術による縫合糸構造1100は、縫合糸端部をループ状として結び目1106を形成することによって形成された少なくとも一つのループ1105(ループ状端部122aであり得る)を、含んでもよい。結び目106は、当該技術分野において公知のものであり得るとともに、スライドする結び目であってもよく、またスライドしない結び目であってもよく、したがって、対応して、調節可能なループまたは静的なループのいずれかを、提供する。結び目1106は、断面D2で示すように、本質的に、構造の断面を局所的に増大させてしまう。加えて、単一長さの縫合糸が、断面D3を有し得るけれども、開口1111を通しての移送のためにループ1105が折り畳まれる時には、図7Aおよび図7Bに関して本明細書で説明したように、本質的に、断面が二倍になり得る。ここで、ループ1105および結び目1106を含む縫合糸構造1100が、デバイス1110の開口1111を通して引っ張られるとともに、開口1111が、開口サイズD1を有している、という状況について考察する。これは、本明細書で開示する無結節ソフトアンカー構造において、ループ状端部122aを、展開済みアンカー102’を通しておよびカニューレ137に通して引っ張る際に、発生する。開口1111は、縫合糸構造の、単一の断面D3のみへと限定された長さ部分に関しては、ほとんど抵抗なく、容易にスライド的に受領し得るけれども、縫合糸端部1108は、開口1111を通して結び目1106およびループ1105を引っ張るためには、ユーザからの補助的な引っ張り力(F)が必要とされ得る。外科デバイスが、より小さな開口サイズ(D1)を有したより小型のプロファイルを含むように進化するにつれて、この補助的な引っ張り力の許容限度を維持することが、困難となっている。引っ張り力が強すぎると、構造1100を、局所的な組織を、またはデバイス1110を、損傷させてしまう可能性がある。引っ張り力が強すぎると、ユーザの手に不快感を与えてしまう可能性がある。また、グローブが破れ得ることで、現場の消毒に問題が発生する可能性もある。引っ張り力が強すぎると、この力を付与するためのツールが必要となる可能性があり、追加的なコストまたはツールの加工が発生しかねない。
【0087】
図10Bは、準備され得る、別の従来技術による縫合糸捕捉ループ構造1120を図示しており、この場合、縫合糸は、代表的な外科デバイス開口1111を通して挿通されている。この場合にも、図示の外科デバイス1110は、開口のみを含めた代表的な形態または簡略化された形態であり、ここでは、理解の簡略化のために、他の特徴は、省略されている。縫合糸構造1120は、中空通路、カニューレ、管腔、アンカー、または縫合糸、を含み得るとともに、断面D4を有してもよい。縫合糸構造1120は、縫合糸端部1126をループ状とするとともに縫合糸端部1126の一部を中空管腔内へとかつその中空管腔に沿って延ばすことで接合1150を形成することによって形成された少なくとも一つのループ1125を、含んでもよい。接合1150は、本質的に、構造の断面を局所的に拡張させるものであって、断面を、準備された際の断面D4から、断面D5へと、拡張させる。加えて、単一長さの縫合糸は、断面D4を有し得るけれども、開口1111を通過させるためにループ1125を折り畳むことにより、本質的に、この断面は、ループ1105と同様に、二倍となり得る。ループ1125および接合1150を含む縫合糸構造1120が、デバイス1110の開口1111を通して引っ張られるとともに、開口1111が、開口サイズD1を有している、という例示的な状況へと戻る。開口1111は、縫合糸構造の、単一の断面D4のみへと限定された長さ部分に関しては、ほとんど抵抗なく、容易にスライド的に受領し得るけれども、縫合糸端部1128は、開口1111を通して、断面D5およびループ1125を有した接合1150を含む拡張領域を引っ張るためには、ユーザからの補助的な引っ張り力(F)が必要とされ得る。開示した先の従来技術によるデバイスと同様に、このような引っ張り力の増大は、使用時に、上記で列挙したものと同様の問題点を引き起こす可能性がある。
【0088】
接合1150は、結び目1106と比較して、断面においてより滑らかなまたはテーパー形状の移行を規定し得るけれども、本発明者らは、断面におけるこの移行(D4からD5へと)が、なおも、動作開口に関する困難な力をもたらすことを、見出した。この移行は、不連続性または膨出を規定するものであって、いくつかの外科デバイスにおいては、許容できないほどの引っ張り力の増大を要求する可能性がある。より具体的には、本発明者らは、開口1111内へと不連続性部分または膨出部分を初期的に導入する際に、最も大きな引っ張り力が必要とされること、また、開口入口の内部へと入った後には(開口1111が、開口1111に沿って一定の開口サイズを有していると仮定する)、引っ張り力は、大きいものではあり得るけれども、初期的な導入時よりは小さなものであり得ることを、見出した。
【0089】
これらの欠点に対処するために、縫合糸サイズを低減させると、言い換えれば断面(D3、D4)を低減させると、別の問題点が発生する可能性がある。例えば、より小さな断面の場合には、引っ張り時にユーザの手に不快感を与えたり、修復組織を通して引裂を形成したり、または、動作負荷の下で破損を引き起こしたり、する可能性がある。無結節ソフトアンカー構造の動作時には、ソフトアンカーを展開するために、また、骨組織に対する強固な固定を得るために、高負荷が望ましい場合がある。このような高負荷の場合には、より大きな断面の縫合糸が必要とされ得る。
【0090】
構造1100、1120における欠点に対処するような、移送部材構造1200の一実施形態が、その構造を図示することによって、図11A図11B、および図11Cに図示されている。構造1200は、ある長さの縫合糸から開始されてもよく、この縫合糸は、編組ボディを規定しており、この編組ボディは、互いに異なるものとされ得る二つの長さ部分1210、1220を含んでもよい。第一長さ部分1210は、カニューレ状(中空管腔、または長手方向通路)であり得るとともに、実質的に自身に沿って第一断面CS1を規定してもよい。第一長さ部分1210は、8個~32個の編組ストランドとされ得る第一数の編組ストランドによって、形成されてもよい。第二長さ部分1220は、実質的に自身に沿ってより小さな断面(CS2)のものとされ得るとともに、そのコアを通して編組されたストランドを含んでもよく、したがって、自身に沿って長手方向通路を有していなくてもよい。第二長さ部分1220は、8個~32個とされ得る第二数の編組ストランドによって、形成されてもよい。第一長さ部分1210は、第二長さ部分1220よりも多くの数の編組ストランドを有してもよい。いくつかの実施形態では、第一長さ部分1210は、16個のストランドを含んでもよく、第二長さ部分1220は、8個のストランドを含んでもよい。第一断面CS1は、第二断面CS2よりも大きくてもよい。第一長さ部分1210は、サイズ#2の縫合糸と同様であってもよく、他方、第二長さ部分1220は、サイズ2.0の縫合糸と同様であってもよい。第一長さ部分および第二長さ部分(1210、1220)の間における移行部分1230は、テーパー形状とされていて、第一長さ部分1210から直接的に延びた移行部分第一端部1230aと、第二長さ部分1220から直接的に延びた移行部分第二端部1230bと、を有している。第一長さ部分および第二長さ部分は、同じ編組を共有してもよく、これにより、いくつかの編組ストランドは、両方の部分に位置しているとともに、両方の部分にわたって連続的な編組を形成している。
【0091】
図11Bに示すように、ループの構造(ループ状端部122aなど)は、長手方向通路1211に沿って長手方向通路1211の内部に挿通された捕捉部材1240を採用してもよく、捕捉部材1240は、また、移行長さ部分1230に沿って延びてもよい。捕捉部材1240は、動作端部のところにループ1245を有した細い可撓性ニチノールワイヤであってもよい。捕捉部材1240は、第二長さ部分1220に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、第二長さ部分1220の端部1222を、長手方向通路1211内へとかつ長手方向通路1211に沿って引っ張るように構成されている。捕捉部材1240は、一端部に捕捉ループ1245を含んでもよく、捕捉部材の第二端部1246は、長手方向通路1211の開口した通路端部1212から、直接的に延びてもよい。構造における他の手段は、捕捉部材1240によって示す経路に沿って第二長さ部分1220を押し込むことを、含んでもよい。
【0092】
捕捉部材1240は、接合ループ1270(図11C)を形成するために使用され、この場合、接合部分1280は、第一長さ部分1210に沿って延びているとともに、修復縫合糸(130)に対して結合するためのループ1270と、以下では「SL」と称する接合動作長さ部分を有した接合1280と、を規定している。SLは、外科デバイスとその動作開口とが規定する所定長さ部分であって、内部を通して移送部材構造1200が延びている所定長さ部分である。SLは、第一長さ部分1210(図示のもの)の、移行部分1230から第二長さ部分の開口した管腔端部1212までにわたって延びた全長であってもよい。したがって、この例では、第一長さ部分1210は、外科デバイスとその動作開口とが規定する所定長さ部分であって、内部を通して移送部材構造1200が延びている所定長さ部分である。他の例(以下に示す)では、第二長さ部分の端部1222は、第一長さ部分がなす長手方向通路の内部において、端部1212から軸線方向に離間した位置で、終端してもよい。換言すれば、SLは、第一長さ部分の軸線方向長さと比較して、軸線方向により短いものであり得るけれども、それでもなお、本明細書で説明するような所定長さを有している。
【0093】
構造1200は、動作開口(本明細書で定義するもの)を挿通したループを有した移送構造を移送する時に経験し得るような、困難な力の増大を回避するように構成されている。力のこの増大を回避することは、複数の特徴によって達成されるものであり、これらの特徴は、個々に、この大きな移送力を減少または軽減することに向けて、部分的に寄与し得る。例えば、接合1280は、第二長さ部分1220の低減された断面(CS2)が第一長さ部分1210の長手方向通路の内部に同軸的に配置された状態で形成され、これにより、接合1280の拡張または膨出が制限されている。好ましくは、第一長さ部分1210のいかなる部分も、自身に沿って、また長手方向通路1211に沿って、延びることはない。第二に、接合ループ1270は、好ましくは、第一長さ部分1210より直径の小さな第二長さ部分1220のみを含む。これにより、ループ1270が任意の動作開口を通して引っ張られる際に、ループ1270の結果として生じる圧潰断面が、低減される。より具体的には、捕捉部材1240は(ひいては、第二長さ部分1220は)、好ましくは、移行部分1230に対して直接的に隣接した位置1271のところで、編組ストランドどうしの間に延びてもよい。好ましくは、捕捉部材1240は、ひいては第二長さ部分1220は、第一端部1230aと比較して、移行長さ部分1230の第二端部1230bに対してより近い位置1271のところで、編組ストランドどうしの間に延びてもよい。これにより、移行部分1230に沿った断面における膨出が、回避または低減され得る。これにより、対応した第一長さ部分の断面CS1よりも小さな断面CS2である第二長さ部分1220から全体的に形成された接合ループ1270が、形成される。いくつかの実施形態では、SLは、移行部分1230の、実質的な部分をまたは全部を、含んでもよい。いくつかの実施形態では、SLは、移行長さ部分1230のすべてを含み得るとともに、ループ1270が第二長さ部分1220から完全に形成されることが確保されるよう、第二長さ部分1220に沿ってわずかに離間して編組ストランドどうしの間に延びてもよい。
【0094】
さらに、接合動作長さ部分SLは、外科デバイスの動作時に、いかなる接合端1282も、任意の動作開口の任意の入口内へと導入されたり引っ張られたりしないよう、外科デバイスの任意の動作開口を通る経路に対して、充分に長いものであるように構成されている。この例は、図11Dに示されており、ここでは、接合長さ部分は、例示的な外科デバイス1110に対して組み付けられており、外科デバイス1110は、以前の図によれば、開口1111を有している。組み立てられた際には、開口1111は、接合1280の端部1282よりも、構造1200に沿ってループ1270に対して、軸線方向においてより接近している。ループ1270を、開口1111内へと引っ張る力を印加した時には、接合端部1282に関連したような、いかなる膨出もまたいかなる不連続性も、開口1111内へと導入されることがない。接合に関連した縫合糸断面のあらゆる不連続性の導入または進入には、最大負荷が必要とされることが判明しているため、接合長さ部分SLは、距離1290よりもわずかに長いだけでよい。別の言い方をすると、接合1280の少なくとも一部は、好ましくは、外科デバイスに関して本明細書で定義するようなすべての動作開口の内部に配置される。
【0095】
ここで、他方の端部に目を向けると、接合長さ部分SLは、第一長さ部分1210の全体に沿って、全体的に延びてもよい。他の実施形態(以下に示す)では、捕捉端部1246は、移行部分1230から軸線方向に離間して配置された位置と、端部1212から同様に軸線方向に離間して配置された位置と、の両方のところで、編組ストランドどうしの間に延びてもよい。したがって、接合長さ部分SLは、第一長さ部分1210の軸線方向セグメントであってもよい。第二長さ部分1220の端部エッジ1222は、好ましくは、第一長さ部分1210の長手方向通路1211の内部に完全に囲まれたままとされる。
【0096】
いくつかの実施形態では、移送部材構造1200は、動作の通常負荷の下では周縁長さが固定されるという点で、静的ループ1270を形成する。接合1280は、通常の動作負荷の下ではループ1270のサイズ変化に抵抗するよう、そのスライドに対して摩擦的に抵抗するのに充分な長さとされた長さを有してもよい。
【0097】
移送部材構造1200を含み得る例示的なシステムが、図12Aおよび図12Bに示されており、これは、複数の例示的な動作開口を有した組織修復システム1250を示している。組織修復システム1250は、構造300と同様の無結節ロック式ソフトアンカー構造を含み得るけれども、これは、例示的な構造であり、本明細書で開示する任意の構造が、同様の思想を使用した接合ループ移送構造1200からの利益を受け得る。システム1250は、組織アンカー102を標的骨内へと挿入するための挿入器具1255を含んでもよい。組織アンカー102は、カニューレ137を含む修復縫合糸130と、アンカー102を通しておよびカニューレ137を通して延びた展開/移送縫合糸構造1200と、を含んでもよい。
【0098】
挿入器具1255は、少なくとも一つのシャフトを規定してもよく、この少なくとも一つのシャフトは、本明細書で定義するような第一動作開口を規定し得る長尺穴1260を、シャフトに沿って有している。組織アンカー102は、チューブ形状ボディを規定してもよく、このチューブ形状ボディは、本明細書で定義するような第二動作開口を規定し得る管腔105を含んでもよい。この例では、構造1200は、アンカー102の編組壁における編組110どうしの間に繰り返し的に織り込まれてもよく、したがって、編組どうしの間の間隙も、また、システムの動作開口も規定してもよい。さらに、修復縫合糸130は、カニューレ137を有した編組ボディを規定してもよく、移送構造1200は、無結節ロック修復のために、修復縫合糸130のカニューレ内へとかつそのカニューレに沿って延びてもよく、カニューレは、また、潜在的に、動作開口を規定する。
【0099】
ここで、この例で列挙した複数の動作開口について簡単に説明すると、システムの、内部を通して構造1200がスライドし得るすべての開口と、動作開口と、を区別することが重要である。動作時には、システム1250のいくつかの開口(トンネル、穴、開口部)は、内部を通して、ループ1270を含めた縫合糸構造1200をスライド的に受領し得るとともに、その不連続部分もしくは膨出部分に対して最小の抵抗しか示さないようなまたは全く抵抗を示さないようなサイズであってもよい。例えば、穴1254は、本明細書で説明するような開口であってもよく、したがって、本明細書で定義するような動作開口でなくてもよい。さらに、形成された状態での開口は、動作開口を規定し得ないけれども、動作時には、または組み立てられた際には、動作開口となってもよい。例えば、内側穴1260は、また、修復縫合糸130を収容し得るものであって、修復縫合糸130が内部に沿って配置されている際には、動作開口へと穴1260が調整され得るよう、利用可能な開口サイズを減少させる。さらに、開口は、システム1250の動作時に動作開口となるように、変化させ得る。例えば、ソフトアンカー102が第一構成とされている時には、この第一構成は、図3Aに示すような長尺構成であってもよく、編組110どうしの間の間隙は、接合1280によっておよび接合ループ1270によって形成された膨出に対してほとんど抵抗を示さないようあるいは全く抵抗を示さないよう、充分に緩いものとも充分に大きなものともされ得るけれども、アンカーの展開時には、展開済みアンカー102’は、構成を変えて束となってもよく、アンカー編組110は、向きを変えることで、より小さくかつより稠密な開口を規定してもよく、したがって、本明細書で定義するような動作開口となり得る。
【0100】
ここで、図12Aおよび図12Bを参照すると、移送構造1200は、アンカー102(図12A)を通して、穴1260(図12A)に沿って、ハンドル1256(図12B)を通して、延び得るとともに、ハブ1257(図12B)の周囲に巻回されてもよい。図12Bは、内部ネジ山付きシャフト式張力印加機構を有し得る挿入器具1255に関するハンドル端部の断面図である。回転可能なノブ1258が、ハンドル1256の後端部上にまたは近位端上に取り付けられている。ネジ山付きブロック1259が、ハンドル1256に沿って軸線方向に取り付けられてもよく、ネジ山付きブロック1259は、ノブ1258内のキャビティに対して螺着的に結合されている。ノブ1258は、ネジ山付きブロック1259を受領するために、内部メスネジ山を含む。ここに示すように、縫合糸構造1200および修復縫合糸130は、ハブ1257から近位向きに延びているけれども、用意された時点では、修復縫合糸130および構造1200(または、任意の他の展開部材120)は、穴1260に沿って延び得るとともに、ハブ1257の周囲に巻回されてもよい。したがって、ノブ1258を回転させることにより、ブロック1259が後退することで、縫合糸構造1200上へとおよび第二縫合糸130上へと、張力が印加され、これにより、アンカー102が展開することとなる。
【0101】
手順時には、アンカーを展開させた後に、修復縫合糸130は、ハブ1257から取り外され得るとともに、組織150(図3B)に対して結合されてもよく、その後、移送構造1200を使用して、自身に沿って引っ張られてもよい。これは、修復縫合糸130と、ループ1270を含めた構造1200とを、内側穴1260を通して遠位開口1251から引き抜く前に、最初に、アンカー102を、挿入器具1255を使用して標的組織の内部で展開することを、含んでもよい。シャフト穴1260が動作開口を規定する場合には(修復縫合糸が存在する場合も存在しない場合も)、接合端部1222が少なくとも点Bのところに位置しているよう、接合長さ部分(SL)が、接合ループ(点A)からシャフト穴1260に沿って構造1200に沿って、アンカー102に沿って、カニューレ137を通して穴1260へと戻ることを含めてアンカー102を通して、延びるような長さを有していることが、好ましいことであり得る。これにより、接合端部1222が穴1260の入口1260内へと引き込まれることを回避するような接合動作長さ部分SLが規定される。
【0102】
別の例を続けると、修復縫合糸130は、無結節ロック式修復のために、ロック通路を規定する少なくとも一つのカニューレ137を規定してもよい。カニューレ137は、システム1250の動作時にループ1270が導入される端部が規定するような、より具体的には、カニューレ137を通して修復縫合糸130を引っ張る際にループ1270が導入される端部が規定するような、入口137bを含んでもよい。いくつかの例示的なシステムでは、穴1260は、動作開口でなくてもよく、したがって、接合動作長さ部分SLは、カニューレ137に沿って、さらに、少なくとも入口137bを超えて、延びてもよい。この例では、SLは、好ましくは、点A(図12B)から、少なくとも点C(図12A)にまで、延びている。注目すべきことに、この例では、点Dまでの接合長さ部分SLも、また、機能する。
【0103】
いくつかの組織修復システムでは、移送部材構造1200は、組織アンカーの編組ストランド110どうしの間に延びてもよい。例えば、図12Aに示すように、移送部材構造1200は、アンカーの側部に沿って、アンカー102の編組ストランドどうしの間に織り込まれてもよく、編組ストランド110どうしの間の開口は、動作開口を規定してもよい。
【0104】
接合長さ部分がアンカーシステム全体を通して点Bまで延びることには、別の利点が存在し得る。本発明者らは、また、縫合糸に沿って接合を形成することにより、二つの異なる直径(または、同等のもの)が採用された場合に、縫合糸の直径を増大させることなく、縫合糸の極限引っ張り強度を有利に増大させ得ることを、見出した。第二長さ部分1220は、直径(または、同等のもの)がより小さいので、接合は、第一長さ部分1210のODを、著しく拡張することがない。移送部材構造1200が、また、展開部材でもあるシステムの場合には、これは、展開部材に対して、より大きな張力負荷を印加することを可能としてもよく、したがって、展開済みソフトアンカー102’は、より強力な引き抜き力を有し得る。例えば、ソフトアンカー102のアンカー止めは、アンカー102を通してかつアンカー102に沿って挿通された展開部材に対してある程度の張力を印加することに依存している。これらの展開部材は、引き紐のように作用するものであって、背面係止部材1261と組み合わせて、これらの展開部材に対して張力を印加することにより、アンカー102は、拡張した展開状態へと束ねられる。展開部材上への張力が大きければ大きいほど、アンカーが束となった展開状態は、より稠密となり、標的組織の内部におけるより強力なアンカー止め(より大きな引き抜き力)と相関することができる。この張力は、展開部材の極限引っ張り強度によって制限得るものであり、可撓性部材は、アンカーおよびデバイスを通して適合するようなサイズに、制限される。このシステムでは、移送部材構造1200は、また、張力印加部材または展開部材としても機能し得る。本発明者らは、接合が、縫合糸の極限引っ張り強度を増大させ得ること、これにより、張力が印加される全長に沿って接合が延びている場合には、展開部材/移送部材構造1200を破損させることなく、増加した張力が、アンカー102を展開するために印加され得ることを、見出した。したがって、アンカー102は、標的組織の内部で、より強力にアンカー止めされ得る。例示的なシステムでは、張力が、構造に沿った点A、Bのところでまたは点A、Bに隣接して駆動されると仮定すると、縫合糸構造1200が、ハブ1257の周囲に巻回される時には、接合長さ部分SLは、好ましくは、点Aからアンカーを通して点Bまで一切途切れることなく、連続的に延びている。
【0105】
したがって、組織修復の方法は、本明細書で定義するようなすべての動作開口を通して延びた接合動作長さ部分SLを有した接合1280を備えた移送部材構造1200を有しているシステム1250を用意することを、含んでもよい。アンカー102は、骨とされ得る第一組織内へと、挿入されてもよい。構造1200の両端に対して近位向きに張力を印加することにより、アンカー102が、第一組織の内部で展開されてもよい。接合動作長さ部分SLの途切れていない長さ部分に沿って張力を印加することにより、より大きな張力を印加することができ、背面係止部材1261と組み合わせることで、展開済みアンカー102’の引き抜き強度を増加させてもよい。例えば、最大で200Nまでの張力が、印加されてもよい。また、アンカー102を第一組織の内部で展開するために、同時に修復縫合糸130に対して張力が印加されてもよい。その後、ループ1270を器具の穴1260を通して遠位向きに引っ張ることを含めて、修復縫合糸130および構造1200が、アンカー挿入器具から取り外されてもよい。穴1260は、動作開口を規定してもよく、接合長さ部分SLは、用意された時点で、穴1260に沿って配置されてもよい。接合1280は、穴1260に沿って二回にわたって延びてもよく、アンカー102に向けてアンカー102を通して延びており、また、穴1260に沿って近位向きに戻って延びている。
【0106】
その後、器具が取り外された状態で、修復縫合糸の端部130は、修復組織150に対して動作可能に結合されてもよく、その後、接合ループ1270を挿通してもよい。その後、端部136に対して結合されたループ1270は、展開済みアンカー102’を通して、および修復縫合糸130の少なくとも一つのカニューレ137を通して、引っ張られてもよい。展開済みアンカー102’は、動作開口を含んでもよい。用意された状態における接合1280は、用意された状態におけるカニューレ137を通して延びてもよい。接合長さ部分SLは、動作開口を通してループ1270を引っ張る際に、定義するようないかなる動作開口内にも接合1280が導入されないよう、充分に長いものとされる。接合長さ部分SLは、修復縫合糸のカニューレ137を通してループ1270を引っ張る際に、接合1280が、カニューレ137の内部に接合1280が同軸的に配置された第一位置から、カニューレから接合1280が取り外された第二位置へと、駆動されるよう、したがって、自身を通して修復縫合糸130を引っ張る際に、最初に接合が内部に導入されないよう、充分に長いものとされる。いくつかの実施形態では、SLは、好ましくは、用意された時点でそれらの全体が、すべての修復縫合糸のカニューレ137を通して延びている。
【0107】
接合長さ部分SLは、外科デバイスの、外科デバイスの動作時に内部を通して接合1280が貫通している長さ部分の関数である。例えば、肩の骨内に、アンカー102などのアンカーを配置し得る関節鏡デバイスの場合、挿入器具1255は、5インチ~10インチ(127mm~254mm)の長さであってもよく、接合1280は、挿入器具のシャフト穴1260に沿ってアンカー102を通しておよびカニューレ137を通して延びるよう、少なくとも10インチ(254mm)の長さであってもよい。接合1280の長さは、20インチ(508mm)に近いものであってもよく、これは、接合の両端部が挿入器具の近位端のところに位置するよう、シャフト穴に沿って二回にわたって延びる程度に充分に長いものである。
【0108】
図13は、部分1210と同様の第一長さ部分1310を含めた、別の縫合糸構造1300を図示している。縫合糸構造1200は、第二長さ部分1220と同様のものであり得る第二長さ部分1320a、1320bから形成された二つの接合ループ1370a、1370bを含む。要するに、構造1300は、構造1200と同様のものであって、構造の両端部のところに、第二の同様の接合ループを、すなわち鏡像とされた接合ループを、有している。構造1300は、対応した接合動作長さ部分WLa、WLbを有した第一接合1380a、1380bを含む。各動作長さ部分は、互いに同じであってもよい、あるいは、異なる長さ部分であってもよい。例示的なシステム1250に戻ると、ループ1370aは、修復縫合糸130に対して結合するように構成され得るとともに、カニューレ137を通して修復縫合糸130を引っ張るように構成されてもよく、したがって、第一接合動作長さ部分WLaは、組み立てられた時点では、本明細書で定義するようなすべての動作開口におけるすべての入口を通して延びる程度に充分に長いものであってもよい。第一接合動作長さ部分WLaは、構造1200の接合動作長さ部分SLと同様の長さを有してもよい。第二接合動作長さ部分WLbは、シャフト穴1260を通してのみ引っ張られるように構成されてもよく、したがって、第一長さ部分WLaよりも短い長さを有し得るとともに、用意された時点では、穴1260を通して延びる程度に充分に長いものであってもよい。
【0109】
二つのループ1370a、1370bを有していることにより、構造300と同様に、システムの動作時に混乱を引き起こす可能性がある。ループどうしを互いに区別することは、修復縫合糸130がアンカー102を通して標的方向へと確実に引っ張られるためには、重要であり得る。したがって、各ループ1370a、1370bは、異なるマーキングを、または異なる色インジケータを、上面上に有してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、修復縫合糸の端部130に対して結合するように構成されるとともにアンカーを通してまたカニューレ137を通して修復縫合糸の端部130を引っ張るように構成された移送ループ1370aは、修復縫合糸130に沿ったマーキング、インジケータ、および/または色と同じマーキング、インジケータ、および/または色を、有してもよい。いくつかの実施形態では、ループ1370bは、張力印加ハンドルまたは張力印加ツール(図示せず)に対して動作可能に結合されてもよく、これにより、システムを通して構造1200を引っ張ること補助してもよい。張力印加ハンドルは、第二ループ1370bのマーキング、インジケータ、および/または色に対応したマーキング、インジケータ、および/または色を含んでもよい。
【0110】
ここで、図14を参照すると、可撓性部材に沿って張力を印加するのに必要な力を管理するための別のアプローチについて開示している。一般に、このアプローチは、可撓性部材の端部に対して、ハンドル断面部分を規定するある長さの可撓性材料を追加することを、含む。これは、例えば構造1200に代えて、あるいは例えば構造1200に加えて、有利なものであり得る。これは、任意の張力印加部材(動作時に、張力が印加されることが意図された部材)に対して、追加されてもよい。小径の可撓性部材を介して張力を印加しながら、操作者の手にかかる負荷を管理することは、多くの場合、可撓性部材を、外科ツールまたはハンドルの周囲に巻回することにより、行われてもよく、これにより、操作者の手にかかるあらゆる圧力集中が低減される。可撓性部材にかかる張力により、例えば、デバイスが展開されてもよい、あるいは、縫合糸のループ周縁が縮小されてもよい、あるいは、別のデバイスもしくは縫合糸が、デバイスまたはアセンブリを通して移送されてもよい。これには、別の構成要素を、使用したり、滅菌したり、および/または購入したり、することが必要とされる。図14に図示したアプローチは、ハンドル断面1410を有したある長さの可撓性部材を追加することを、含む。この追加的な可撓性部材は、可撓性部材の残部に対して連続したものであり得るとともに、可撓性部材の連続した編組部分であってもよい。
【0111】
図14は、追加的なハンドル断面1410が追加された第一端部のところで、構造1200と同様とされ得る移送部材構造1400を図示している。ハンドル断面は、構造1200の、第一断面1210および第二断面1220よりも大きな第三断面1410であってもよい。第三断面1410の部分は、縫合糸の、縫合糸テープとされた長さ部分であってもよい。本明細書で開示するように、無結節構造を通して移送部材(120、1200)を引き抜くための力は、不快なほどに大きなものであり得る。これらの力は、手によって印加されてもよい。したがって、移送部材(120、1200)は、この操作を取り扱うように構成された、また、デバイスもしくはアセンブリとの相互作用を取り扱うように構成された、動作断面を有してもよい。移送部材(120、1200)は、可変断面を有してもよく、この可変断面は、長さ部分(LT)を有した端部1410でありかつハンドル断面を規定している大型のまたは幅広の断面を有した端部1410を含む。ハンドル断面は、縫合糸テープなどの幅が広い平坦形状であり得るとともに、部材の、動作時にその部分に沿って張力が印加されることが意図されたより人間工学的な部分であるようなサイズおよび形状とされている。ハンドル断面は、4インチ~10インチ(101.6mm~254mm)の範囲の充分な長さ部分(LT)であってもよく、これにより、操作者の手の中に収まり得るもしくは操作者の手の周囲を巻回し得るものとされるとともに、張力印加操作時の不快感を低減することができる。ハンドル断面は、0.25インチ~1インチ(6.35mm~25.4mm)という断面寸法を含んでもよい。縫合糸の可変断面は、その形成後に取り付けられた別個の縫合糸断面ではなく、連続的に編み込まれた縫合糸であってもよい。ハンドル断面は、アンカー102の外部に配置されているとともに、アンカー102から離間して引き出されている。
【0112】
図14に示すように、移送部材構造1400は、第二縫合糸に対して選択的に結合するための捕捉ループ1270内に形成された第一端部と、組織アンカーを通して延びる接合動作長さ部分WLと、第一端部とは反対側の端部のところに位置したハンドル断面部分と、を含んでもよい。ハンドル断面1410を介して移送部材構造1200上に張力を印加することにより、組織アンカーを通して、第二縫合糸を、引っ張ることができる/移送することができる。ハンドル断面1410は、アンカー102の外部に留まり得るとともに、使用後には、アンカーから取り外されてもよい。ハンドル断面1410は、好ましくは、アンカー102の外部に、およびカニューレの外部に、留まる。移送部材(120、1200)と、したがってハンドル断面1410とは、最終的な無結節ロック構成かつ修復構成では、組織修復システムから完全に取り外されてもよい。
【0113】
本明細書で開示するものは、可変断面の可撓性部材であり、この可撓性部材は、アンカーまたはカニューレまたは縫合糸を含み得る外科デバイスの開口を通して修復縫合糸を往復させ得る。可撓性部材は、修復縫合糸に対して選択的に結合するためのループを含む第一端部を含んでもよい。可撓性部材は、第二端部を含んでもよい。可撓性部材は、第一端部と第二端部との間に長さ部分を有してもよく、この長さ部分は、外科デバイスを通して延びるように構成されているとともに、外科デバイスに対して動作可能に結合されるように構成されている。第一端部と、第二端部と、第一端部と第二端部との間における長さ部分とは、すべて、連続した編組として形成されてもよい。第二端部上における張力により、第一端部を、ひいては修復縫合糸を、外科デバイスを通して往復させてもよい。第二端部は、長さ部分の対応した断面よりも大きな断面を規定することで、人間工学的断面またはハンドル断面を規定してもよく、ここで、人間工学的とは、ユーザの手にかかる圧力集中を低減するような断面を有した第二端部の長さ部分として定義される。
【0114】
本明細書で開示するものは、縫合糸構造であり、この縫合糸構造は、第一端部と、第二端部と、第一端部と第二端部との間に延びた縫合糸の動作長さ部分と、を含み、動作長さ部分は、外科デバイスを通して延びるように構成されている。第一端部と、第二端部と、動作長さ部分とは、連続した編組を形成する。第二端部は、動作長さ部分の対応した断面よりも大きな人間工学的断面を規定しており、第二端部は、縫合糸構造上へと張力を印加するためのハンドルとして把持されるように構成されており、人間工学的断面は、ユーザの手にかかるハンドル圧力集中を制限するように構成されている。
【0115】
アンカー開口
いくつかの実施形態では、適度な力で開口を通して可撓性部材を往復させることに関して言えば、動作開口サイズを制御することも、また、有益であり得る。例えば、図3Aを参照すると、一つの動作開口は、内部を通して縫合糸120が延び得る近位管腔105であってもよい。代替的には、構造1200が、そこを通して延びてもよい。編組ボディとされたアンカーボディ102の準備時には、軸線方向長さが、切り揃えられてヒートシールされてもよい。これにより、編組のほつれが抑制され得る。提案するアプローチでは、開口した形状で形成されて封止された動作開口を有したチューブ状ソフトアンカーについて説明する。少なくとも図4Dに示すステップの際には、端部は、内部を通して移送構造(120、1200)および修復縫合糸を引き込むために、ニードルツール450によって少なくとも部分的に再び開かれてもよい。これにより、小さな開口が形成される傾向があり、その結果、内部を通して縫合糸および/または構造(120、130、1200)を往復させるための不必要な補助的負荷が生じ得る。
【0116】
したがって、いくつかの実施形態では、アンカー102の編組ボディは、ヒートシールされることで、閉塞した直線状端部エッジが形成されるのではなく、切り揃えられてヒートシールされることで、開口が形成されてもよい。これは、アンカーボディ102の一方または両方の端部(112、116)のところで、形成されてもよい。これは、好ましくは、少なくとも近位端116のところで、形成されてもよい。
【0117】
方法は、図15Aおよび15Bに示されており、編組ボディ1550を用意することと、編組ボディ1550の中央管腔1505内にゲージピン1510を挿入することと、を含むことができ、編組ボディ1550は、管腔105を有したアンカー102となるように準備されている。ピン1510は、管腔1505を開口状態に維持するように構成されている。したがって、ゲージピン1510は、管腔1505の内部に収まるようなかつ管腔1505を支持するようなサイズとされている。その後、編組ボディ1550の外周面を、コレット1520によって保持することにより、編組ボディ1550のODを拘束する。コレット1520なしでは(ゲージピンのみでは)、ファイバが、制御不能な態様で外向きに広がる可能性があり、挿入器具の穴内に装填する時に問題を引き起こす可能性がある。その後、ヒートナイフ1580が、編組ボディ1550の周囲を移動することにより、ストランド/ファイバ端部をヒートシールするとともに編組ボディを切り揃えることで、アンカー102の開口端部が規定されてもよい。図15Bは、ピン1510がなおも挿入された状態で、開口した環状封止アンカー端部1555を図示している。その後、切り揃えられて封止された端部を有した編組ボディ1550は、裏返されてもよく、プロセスを繰り返すことにより、ボディの反対側の端部が切り揃えられて、アンカー102が形成される。
【0118】
図15Cは、アンカー102と同様とされ得るアンカー1570を図示しており、遠位端は、ヒートシールされて閉塞された端部1575とされることで、直線状の遠位エッジを形成しており、アンカー1570は、近位開口端部1580を有してもよく、近位開口端部1580は、ヒートシールされることで、管腔105(1505)の開口近位端を規定しており、例示的な縫合糸端部120/130が、近位開口端部1580を通して延びている。
【0119】
本明細書で開示するものは、組織を骨に対して固定するための、または組織を組織に対して固定するための、アンカーであって、アンカーは、編組縫合糸110を含めた編組チューブをなすソフトアンカーインプラント102を規定している。ソフトアンカーインプラント102は、動物もしくはヒトの骨または組織の穴内へと挿入するための第一構成と、骨または組織の内部にアンカーを固定するための横方向に拡張した構成とされた第二構成と、を有してもよい。編組チューブは、チューブの閉塞遠位端1575と開口近位端1580とで終端する中央管腔105を規定してもよく、開口近位端は、環状封止エッジ1555を有した動作開口を規定している。環状封止エッジ1555は、内部を通して縫合糸構造をスライドさせるための過剰な移送力を伴うことなく、内部を通過した複数の断面を有した移送用縫合糸構造(120、1200)をスライド的に受領するサイズとされた動作開口を規定してもよい。
【0120】
全縫合糸アンカーに関する製造方法についても、また、開示しており、この方法は、編組された糸またはファイバから形成されたチューブ状ボディを用意することと、ゲージピンを、チューブ状ボディの中央管腔内へと挿入することと、チューブ状ボディに沿った位置でありかつ軸線方向においてゲージピンに対してオーバーラップする位置のところで、チューブ状ボディの外周面を、カラーに対して係合させることと、チューブ状ボディを、カラーの端部に対して隣接した位置で切断することにより、チューブ状ボディの開口自由端を形成することと、を含み、切断は、開口自由端の環状封止エッジを形成するための手段を含み、封止エッジは、ファイバがほつれることに抵抗するように構成されている。
【0121】
異なる断面を有した複数のセグメントを備えた修復縫合糸1600に関する一実施形態が、図16Aに図示されている。各セグメント(1610、1620、1630、1640)は、そのセグメントの機能に応じて形成されてもよい。セグメント1610は、修復縫合糸130におけるカニューレ137と同様に、ロック通路を形成するためのカニューレ1612を有した可撓性部材であってもよい。セグメント1610に対して連続的に編組されたものは、より大きな断面のセグメント1620であってもよく、このセグメント1620は、テープまたはミニテープであってもよい。セグメント1610、1620の間において、ストランドの数は、同じであってもよく、形状だけが相違してもよい。このセグメント1620は、大きなフットプリントで修復組織に対して係合し得るとともに、修復のチーズワイヤリング(失敗)を回避し得る。第三セグメント1630が、テープセグメント1620から延びてもよい。いくつかの実施形態では、セグメント1630は、セグメント1610と同様に、中空管腔を有した可撓性部材であってもよく、修復縫合糸1600の移行部分を規定してもよい。いくつかの実施形態では、第三セグメントは、編組コアを有してもよい。セグメント1640は、修復縫合糸1600の最小セグメントであってもよく、移送構造ループ(122a、1270)によって捕捉されるように構成されている。このように、セグメント1610は、ループ122a、1270から誤って引き抜かれることなく容易に捕捉されるよう充分に長いものとされている。
【0122】
図16Bを参照すると、第一セグメント1610は、アンカー102を通して延びるよう、また、係止結び目1632を形成するよう、充分に長いものとされ得るものであって、3インチ~5インチ(76.2mm~127mm)の長さであってもよい。セグメント1610は、中空コアの周囲において自身に沿って16個~32個の編組ストランドを有した#2縫合糸であってもよい。セグメント1620は、最大で0.25インチ(6.35mm)幅を有したテープであってもよく、標的とする手順のために、標的組織の周囲に延びるよう充分に長いものとされている。セグメント1620は、セグメント1630に対して連続的に編組されたものであってもよく、セグメント1630は、また、自身に沿って16個~32個の編組ストランドを有した#2縫合糸であってもよい。修復構成とされた後には、テープセグメント1620または第三セグメント1630のいずれかは、アンカー102を通しておよびカニューレ137を通して、延びてもよい。更なるテーパー形状セグメントは、修復縫合糸1600の残部と比較して、減少されたストランド数を有してもよく、2.0縫合糸に対して同等の直径を有してもよい。テーパー形状セグメント1640は、無結節ロック構成においてカニューレ137に沿って配置されていないことが好ましく、それは、このように直径が小さくなると、カニューレ137内で効果的な無結節ロックを行うことができないからである。
【0123】
一つの例示的な方法は、半月板根の修復のために無結節ソフトアンカー構造を採用することを含んでもよく、この修復では、すべてが内部に位置し得る。無結節縫合糸アンカー構造100、200、300は、半月板根に関する挿入位置のところで、脛骨内へと移植されてもよい。その後、修復縫合糸130は、半月板組織を通してマットレスステッチとして挿通されてもよい。その後、修復縫合糸130は、移送縫合糸120に対して結合されてもよい。その後、修復縫合糸130は、移送縫合糸120または構造1200を介して、構造100、200、300を通して引っ張られてもよく、これにより、移送縫合糸120または構造1200が、構造100、200、300から除去されてもよい。修復縫合糸130にかかる張力により、半月板(または靭帯)が、骨面に対して引っ張られてもよい。このアプローチは、湾曲したガイドおよびドリルに対して互換性があるため、外部から穴開けしたトンネルおよびボタンを使用した現在のアプローチよりも、移植部位へのアクセスを、より容易なものとする。さらには、構造100、200、300が、柔らかくて、縫合糸から形成されていることのために、トンネルの軌道が脛骨皮質を穿孔した場合でも、剛性アンカーと比較して、合併症が起こる可能性が低い。本明細書で開示する別の例示的な方法は、MPFL再建方法であり、この方法では、構造100、200、300が、移植片を膝蓋骨に対して結合し得る。修復縫合糸130は、移植片組織に対して結合されてもよい。
当業者であれば、本開示が、その精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得ることは、理解されよう。したがって、上記の例は、本明細書で説明する開示を限定するものではなく、あらゆる点において例示的なものと見なされる。よって、本開示の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されており、したがって、特許請求の範囲の意味合いおよび同等範囲の内部に属するすべての変形例は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無結節組織修復構造であって、
軟質材料から形成されたアンカーボディであって、近位端と遠位端と長手方向軸線とを有したアンカーボディと、
第一端部と第二端部とカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディを通してかつ前記アンカーボディに沿って、また、前記修復縫合糸の、前記アンカーボディの前記第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸にかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記展開構成とされている際に、前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して引き戻すように構成されており、これにより、修復ループを形成し、前記修復縫合糸の前記第二端部にかかる張力は、前記修復ループを、無結節的にロックするように構成されている、無結節組織修復構造。
【請求項2】
前記修復縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第一端部により形成された軸線方向にオーバーラップした二つの結び目を介して前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記軸線方向にオーバーラップした二つの結び目は、前記アンカーボディの外部に位置している、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項3】
前記修復縫合糸の前記第二端部と前記展開縫合糸との両方にかかる張力は、前記アンカーボディを前記展開構成へと変化させるように構成されている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項4】
前記アンカーボディは、内部管腔を有したチューブ状編組ボディを規定しており、前記内部管腔は、開口近位端を有しており、前記修復縫合糸および前記展開縫合糸は、両方とも、前記アンカーボディを通して織り込まれているとともに、両方とも、前記内部管腔の前記開口近位端から直接的に延びている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項5】
前記修復縫合糸は、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記アンカーボディの外部に配置されている、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項6】
前記テープ長さセグメントは、前記修復縫合糸が修復ループとして形成されている時には前記テープ長さセグメントが前記アンカーボディを通して戻って修復組織の周囲に延びた長さ部分を規定する、請求項5に記載の無結節組織修復構造。
【請求項7】
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して結合するように構成されており、前記接合ループは、前記アンカーボディの全体を通して、および前記修復縫合糸の前記カニューレ状長さ部分の全体を通してを含む、前記無結節組織修復構造のすべての動作開口を通して延びた接合長さ部分を有している、請求項1に記載の無結節組織修復構造。
【請求項8】
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディの全体を通しておよび前記カニューレ状長さ部分の全体を通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、請求項7に記載の無結節組織修復構造。
【請求項9】
前記展開縫合糸は、カニューレ状とされた第一長さセグメントと、前記第一長さセグメントよりも直径が小さな第二長さセグメントと、を含み、前記接合ループは、前記第二長さセグメントを含み、前記接合長さ部分は、同軸的に配置された前記第一長さセグメントと前記第二長さセグメントとの両方を含む、請求項7に記載の無結節組織修復構造。
【請求項10】
無結節組織修復構造であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有して軟質材料から形成されたアンカーボディであって、編組ストランドによって形成されたアンカーボディと、
第一端部と、第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディの第二側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第二側壁に沿って、また、前記修復縫合糸の、前記第一側壁に沿ってかつ前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、前記編組ストランドどうしの間で、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸と前記修復縫合糸の前記第二端部とにかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記アンカーボディが前記展開構成にあるときには、前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して、また、前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分を通しても、引き戻すように構成されており、これにより、無結節ロック構成を規定する、無結節組織修復構造。
【請求項11】
前記修復縫合糸は、前記アンカーボディの外部において前記修復縫合糸に沿った位置のところに、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記無結節ロック構成とされた時には、修復組織の周囲に延びるような、その後、前記アンカーボディを通して戻るような、充分に長い長さ部分を規定している、請求項10に記載の無結節組織修復構造。
【請求項12】
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、静的ループを規定しているとともに、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して延びた接合長さ部分を有している、請求項10に記載の無結節組織修復構造。
【請求項13】
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディを通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、請求項12に記載の無結節組織修復構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
一つの例示的な方法は、半月板根の修復のために無結節ソフトアンカー構造を採用することを含んでもよく、この修復では、すべてが内部に位置し得る。無結節縫合糸アンカー構造100、200、300は、半月板根に関する挿入位置のところで、脛骨内へと移植されてもよい。その後、修復縫合糸130は、半月板組織を通してマットレスステッチとして挿通されてもよい。その後、修復縫合糸130は、移送縫合糸120に対して結合されてもよい。その後、修復縫合糸130は、移送縫合糸120または構造1200を介して、構造100、200、300を通して引っ張られてもよく、これにより、移送縫合糸120または構造1200が、構造100、200、300から除去されてもよい。修復縫合糸130にかかる張力により、半月板(または靭帯)が、骨面に対して引っ張られてもよい。このアプローチは、湾曲したガイドおよびドリルに対して互換性があるため、外部から穴開けしたトンネルおよびボタンを使用した現在のアプローチよりも、移植部位へのアクセスを、より容易なものとする。さらには、構造100、200、300が、柔らかくて、縫合糸から形成されていることのために、トンネルの軌道が脛骨皮質を穿孔した場合でも、剛性アンカーと比較して、合併症が起こる可能性が低い。本明細書で開示する別の例示的な方法は、MPFL再建方法であり、この方法では、構造100、200、300が、移植片を膝蓋骨に対して結合し得る。修復縫合糸130は、移植片組織に対して結合されてもよい。当業者であれば、本開示が、その精神または本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得ることは、理解されよう。したがって、上記の例は、本明細書で説明する開示を限定するものではなく、あらゆる点において例示的なものと見なされる。よって、本開示の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されており、したがって、特許請求の範囲の意味合いおよび同等範囲の内部に属するすべての変形例は、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
[付記項1]
無結節組織修復構造であって、
軟質材料から形成されたアンカーボディであって、近位端と遠位端と長手方向軸線とを有したアンカーボディと、
第一端部と第二端部とカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディを通してかつ前記アンカーボディに沿って、また、前記修復縫合糸の、前記アンカーボディの前記第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸にかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して引き戻すように構成されており、これにより、修復ループを形成し、前記修復縫合糸の前記第二端部にかかる張力は、前記修復ループを、無結節的にロックするように構成されている、無結節組織修復構造。
[付記項2]
前記展開縫合糸は、前記アンカーボディが前記展開構成とされている際には、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して引き戻すように構成されている、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項3]
前記修復縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第一端部により形成された軸線方向にオーバーラップした二つの結び目を介して前記アンカーボディに対して固定的に結合されており、前記軸線方向にオーバーラップした二つの結び目は、前記アンカーボディの外部に位置している、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項4]
前記修復縫合糸の前記第二端部と前記展開縫合糸との両方にかかる張力は、前記アンカーボディを前記展開構成へと変化させるように構成されている、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項5]
前記アンカーボディは、内部管腔を有したチューブ状編組ボディを規定しており、前記内部管腔は、開口近位端を有しており、前記修復縫合糸および前記展開縫合糸は、両方とも、前記アンカーボディを通して織り込まれているとともに、両方とも、前記内部管腔の前記開口近位端から直接的に延びている、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項6]
前記修復縫合糸は、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記アンカーボディの外部に配置されている、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項7]
前記テープ長さセグメントは、前記修復縫合糸が修復ループとして形成されている時には前記テープ長さセグメントが前記アンカーボディを通して戻って修復組織の周囲に延びた長さ部分を規定する、付記項6に記載の無結節組織修復構造。
[付記項8]
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して結合するように構成されており、前記接合ループは、前記無結節組織修復構造のすべての動作開口を通して延びた接合長さ部分を有している、付記項1に記載の無結節組織修復構造。
[付記項9]
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディの全体を通して、および前記修復縫合糸の前記カニューレ状長さ部分の全体を通して、延びている、付記項8に記載の無結節組織修復構造。
[付記項10]
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディの全体を通しておよび前記カニューレ状長さ部分の全体を通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、付記項8に記載の無結節組織修復構造。
[付記項11]
前記展開縫合糸は、カニューレ状とされた第一長さセグメントと、前記第一長さセグメントよりも直径が小さな第二長さセグメントと、を含み、前記接合ループは、前記第二長さセグメントを含み、前記接合長さ部分は、同軸的に配置された前記第一長さセグメントと前記第二長さセグメントとの両方を含む、付記項8に記載の無結節組織修復構造。
[付記項12]
無結節組織修復構造であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有して軟質材料から形成されたアンカーボディであって、編組ストランドによって形成されたアンカーボディと、
第一端部と、第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間におけるカニューレ状長さ部分と、を有した修復縫合糸であって、前記第一端部は、前記アンカーボディに対して固定されており、前記カニューレ状長さ部分は、前記アンカーボディの第一側壁に沿ってかつ前記アンカーボディの前記第一側壁を通して織り込まれており、前記第二端部は、前記アンカーボディの前記近位端から近位向きに延びている、修復縫合糸と、
前記アンカーボディの第二側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第二側壁に沿って、また、前記修復縫合糸の、前記第一側壁に沿ってかつ前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分の内部においても、前記編組ストランドどうしの間で、繰り返し的に織り込まれている展開縫合糸と、を含み、
前記展開縫合糸と前記修復縫合糸の前記第二端部とにかかる張力は、前記アンカーボディを展開構成へと変化させるように構成されており、
前記アンカーボディが前記展開構成にあるときには、前記展開縫合糸は、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して動作可能に結合するように構成されているとともに、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して、また、前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分を通しても、引き戻すように構成されており、これにより、無結節ロック構成を規定する、無結節組織修復構造。
[付記項13]
前記修復縫合糸は、前記アンカーボディの外部において前記修復縫合糸に沿った位置のところに、前記カニューレ状長さ部分から延びたテープ長さセグメントを含み、前記テープ長さセグメントは、前記無結節ロック構成とされた時には、修復組織の周囲に延びるような、その後、前記アンカーボディを通して戻るような、充分に長い長さ部分を規定している、付記項12に記載の無結節組織修復構造。
[付記項14]
前記展開縫合糸は、前記展開縫合糸の第一端部のところに、接合ループを含み、前記接合ループは、静的ループを規定しているとともに、前記アンカーボディを通しておよび前記カニューレ状長さ部分を通して延びた接合長さ部分を有している、付記項12に記載の無結節組織修復構造。
[付記項15]
前記接合長さ部分は、前記アンカーボディを通して延びているとともに、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記展開部材接合長さ部分の連続して途切れていない長さ部分に対して張力が印加されるよう、前記無結節組織修復構造の張力印加駆動手段に対して動作可能に結合されている、付記項14に記載の無結節組織修復構造。
[付記項16]
無結節組織修復構造を構築するための方法であって、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延びた長手方向軸線と、を有して軟質材料から形成されたアンカーボディであって、チューブ状であるとともに、編組ストランドによって形成されたアンカーボディを用意することと、
編組壁と前記編組壁に沿ったカニューレ状長さ部分とを有した修復縫合糸を用意することと、
第一捕捉ツールを、前記修復縫合糸の前記編組壁の、入口開口を規定したところを通して挿入し、その後、前記カニューレ状長さ部分に沿って、再び前記編組壁の、出口開口を規定したところを通して挿入することであって、前記入口開口と前記出口開口は、前記修復縫合糸に沿って軸線方向に離間され、無結節ロック通路の軸線方向長さ部分を規定する、挿入することと、
展開縫合糸を用意するとともに、前記展開縫合糸の第一端部が前記入口開口から延びているようにしてかつ前記展開縫合糸の第二端部が前記出口開口から延びているようにして、前記展開縫合糸を、前記無結節ロック通路を通して引っ張ることと、
第二捕捉ツールを使用して、前記アンカーボディの第一側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第一側壁に沿って、織込経路を形成することと、
前記修復縫合糸の第二端部を引っ張るとともに、前記第二捕捉ツールを使用して、前記展開縫合糸の前記第二端部を前記織込経路に沿って展開することにより、前記展開縫合糸が内部に配置された前記無結節ロック通路を、前記織込経路に沿って配置することであって、前記修復縫合糸の前記第二端部と、前記展開縫合糸の前記第二端部とが、前記アンカーボディの前記近位端から延びる、配置することと、
前記展開縫合糸の前記第一端部が、前記アンカーボディの前記近位端から延びるように、前記展開縫合糸の前記第一端部を、前記アンカーボディを通して配置された別の織込経路に沿って引っ張ることと、を含む、方法。
[付記項17]
前記修復縫合糸を、前記アンカーボディの前記遠位端に対して、固定的に結合することをさらに含む、付記項16に記載の方法。
[付記項18]
前記第一捕捉ツールを前記修復縫合糸の前記編組壁を通して挿入する前に、前記修復縫合糸の末端内に、軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目を形成することをさらに含む、付記項17に記載の方法。
[付記項19]
前記軸線方向にオーバーラップした半ヒッチ結び目に対して直接的に隣接して、前記第一捕捉ツールを挿入することをさらに含む、付記項17に記載の方法。
[付記項20]
前記アンカーボディの最大軸線方向長さに対してほぼ等しい軸線方向長さとされたロック通路を形成することをさらに含む、付記項16に記載の方法。
[付記項21]
前記無結節ロック通路の入口開口が前記アンカーボディの前記遠位端に対して直接的に隣接するまで、前記修復縫合糸の前記第二端部を引っ張るとともに、前記第二捕捉ツールを使用して、前記縫合糸の前記第二端部を、前記織込経路に沿って展開することを、さらに含む、付記項16に記載の方法。
[付記項22]
前記アンカーボディは、自身に沿って管腔を規定したチューブ状であり、前記管腔は、前記アンカーボディの前記近位端のところで開口しており、第二捕捉ツールを使用して前記アンカーボディの第一側壁を通してかつ前記アンカーボディの前記第一側壁に沿って織込経路を形成することは、最初に、前記第二捕捉ツールの先端を、前記管腔に沿って、第一軸線方向距離の分だけ、前記管腔の開口端部内へと、直接的に延びさせることと、その後、前記アンカーボディの外面に沿って、第二軸線方向距離の分だけ、前記第一側壁の前記編組ストランドどうしの間から前記外面へと、延びさせることと、その後、前記第一側壁の前記編組ストランドどうしの間を通して前記管腔内へと戻すことと、を含む、付記項16に記載の方法。
[付記項23]
前記第一軸線方向距離は、前記アンカーボディの少なくとも2つの編組ストランドを含む長さである、付記項22に記載の方法。
[付記項24]
前記第一軸線方向距離と前記第二軸線方向距離とは、軸線方向長さにおいて同等である、付記項22に記載の方法。
[付記項25]
前記展開縫合糸の前記第一端部および前記第二端部と、前記修復縫合糸の前記第二端部とを、挿入器具の張力アクチュエータに対して動作可能に結合することをさらに含む、付記項16に記載の方法。
[付記項26]
無結節組織修復構造によって組織を修復するための方法であって、
付記項1に記載の無結節組織修復構造を用意することと、
前記無結節組織修復構造を、標的組織内へと挿入することと、
前記アンカーボディを前記標的組織に対してアンカー止めするために、前記展開縫合糸に対して張力を印加することにより前記アンカーボディを展開することと、
前記アンカーボディを展開した後に、前記修復縫合糸を修復組織に対して結合することと、
前記修復縫合糸を前記展開縫合糸に対して結合することと、
展開構成とされている際に、前記アンカーボディを通して前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記修復縫合糸の前記第二端部を、前記アンカーボディを通して、および、前記第一側壁に沿ってかつ前記第一側壁を通して織り込まれた前記カニューレ状長さ部分を通して、引き抜くことと、
前記修復縫合糸に対して張力を印加することにより、前記構造を、無結節的にロックすることと、を含む、方法。
[付記項27]
前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記無結節組織修復構造から前記展開縫合糸を除去する、付記項26に記載の方法。
[付記項28]
前記アンカーボディを展開することは、また、前記展開縫合糸に対して張力を印加するのと同時に、前記修復縫合糸の前記第二端部に対して張力を印加することも含む、付記項26に記載の方法。
[付記項29]
前記修復縫合糸は、テープ長さセグメントを含み、前記アンカーボディが展開された後に前記修復縫合糸を前記修復組織に対して結合することにより、前記テープ長さセグメントを、前記修復組織に対して係合させ、前記アンカーボディを通して前記展開縫合糸を引き抜くことにより、前記テープ長さセグメントの縫合糸を、前記アンカーボディを通してかつ前記アンカーボディに沿って配置する、付記項26に記載の方法。
[付記項30]
外科デバイスに対する組立のための縫合糸構造であって、
自身に沿ってカニューレを有した第一長さ部分であって、第一直径を有した第一長さ部分と、
前記第一長さ部分から延びた第二長さ部分であって、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の単一の端部のところに、前記第二長さ部分を前記第一長さ部分の前記カニューレ内へとかつ前記カニューレに沿って延ばすことによって形成された静的ループを形成しており、これにより、接合を規定するものとされ、前記接合は、静的ループ側の端部と反対側の端部とを有した動作長さ部分を有する、第二長さ部分と、を含み、
組み立てられた構成では、前記接合は、前記外科デバイスの動作開口を通してかつ前記外科デバイスの前記動作開口に沿ってという状況を含めて、前記外科デバイスを通してかつ前記外科デバイスに沿って、配置されており、前記外科デバイスおよび前記縫合糸構造が修復構成へと変化する際には、前記静的ループを含めた前記縫合糸構造は、前記接合の前記反対側の端部が前記動作開口内へと導入されることなく、前記動作開口を通して並進的に駆動される、縫合糸構造。
[付記項31]
前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分よりも小さな直径の長さ部分を規定している、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項32]
前記第二長さ部分は、編組コアを有している、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項33]
前記外科デバイスは、全縫合糸組織アンカーと修復縫合糸とを含み、前記修復縫合糸は、前記縫合糸構造とは別個に形成されている、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項34]
前記修復縫合糸は、自身に沿って中空通路部分を有しており、前記接合は、前記中空通路部分に沿って延びており、前記中空通路部分は、前記動作開口の少なくとも一つを規定している、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項35]
前記接合は、前記組織アンカーの近位端から前記組織アンカーの遠位端までにわたって、また、前記遠位端から前記近位端までにわたって、前記組織アンカーに沿ってかつ前記組織アンカーを通して、延びている、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項36]
前記外科デバイスは、インプラントのための挿入器具を含み、前記外科デバイスは、前記動作開口の少なくとも一つを規定しているシャフト穴を含む、付記項26に記載の縫合構造。
[付記項37]
前記接合は、前記第一長さ部分の全長に沿って、前記第一長さ部分の前記カニューレの開口端部へと、延びている、付記項26に記載の縫合糸構造。
[付記項38]
組織修復アセンブリであって、
第一長さ部分と第二長さ部分とを有しているとともに編組ボディから形成された縫合糸を含む縫合糸構造であって、前記第一長さ部分は、長手方向に形成された中空通路を規定しており、前記縫合糸構造は、前記編組ボディを通してかつ前記長手方向に形成された中空通路に沿って前記第二長さ部分を挿通させることによって形成されたループを含み、これにより、前記編組ボディに沿った動作長さ部分を有した接合を規定するものとされ、これにより、ループ端部と接合端部とを規定するものとされた、縫合糸構造と、
少なくとも一つの動作開口を有した外科デバイスと、を含み、
前記動作長さ部分は、前記外科デバイスに沿って、かつ前記少なくとも一つの動作開口を通して、挿通されており、前記接合動作長さ部分は、前記少なくとも一つの動作開口を通して前記ループを引き抜く際には前記縫合糸構造が前記少なくとも一つの動作開口から取り外されるように、構成されている、組織修復アセンブリ。
[付記項39]
前記縫合糸の第二長さ部分は、前記第一長さ部分から直接的に延びているとともに、前記編組ボディからなる部分でありかつ前記第一長さ部分よりも断面が小さな部分を規定している、付記項34に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項40]
前記第二長さ部分は、編組コアを含む、付記項35に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項41]
前記外科デバイスは、ソフトアンカーと修復縫合糸とを含み、前記修復縫合糸は、前記縫合糸構造および前記ソフトアンカーとは、別個に形成されている、付記項34に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項42]
前記修復縫合糸は、また、自身に沿って中空通路を有した編組ボディを規定しており、前記中空通路は、前記少なくとも一つの動作開口の、一つの動作開口を規定している、付記項37に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項43]
前記接合は、前記組織アンカーの近位端から前記組織アンカーの遠位端までにわたって、また、前記遠位端から前記近位端までにわたって、前記組織アンカーに沿ってかつ前記組織アンカーを通して、延びている、付記項37に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項44]
前記外科デバイスは、インプラントのための挿入器具を含み、前記外科デバイスは、前記少なくとも一つの動作開口の一つの動作開口を規定しているシャフト穴を含む、付記項34に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項45]
前記ループは、静的ループである、付記項34に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項46]
前記接合は、前記第一長さ部分の全長に沿って延びており、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の前記中空通路に沿って、前記第一長さ部分の前記中空通路の開口端部へと、延びている、付記項36に記載の縫合糸構造。
[付記項47]
組織修復アセンブリであって、
第一長さ部分と第二長さ部分とを有しているとともに編組ボディから形成された縫合糸を含む移送構造であって、前記第一長さ部分は、長手方向中空通路を含み、前記縫合糸構造は、接合ループを含み、前記接合ループは、第二端部を前記編組ボディを通してかつ前記長手方向中空通路に沿って挿通させることによって形成されたものであり、これにより、前記編組ボディに沿った接合動作長さ部分を規定する、移送構造と、
動作可能に結合された修復縫合糸を有したソフトアンカーであって、前記修復縫合糸も、また、長手方向中空通路を有した編組ボディから形成されている、ソフトアンカーと、を含み、
前記組み立てられた構成では、前記接合ループは、前記ソフトアンカーよりも近位に位置しており、前記接合は、前記ソフトアンカーに沿って、また前記修復縫合糸の長手方向中空通路デバイスに沿っても、挿通されている、組織修復アセンブリ。
[付記項48]
前記接合ループを含めた前記移送構造は、前記動作長さ部分の前記接合端部が前記ソフトアンカー内にも前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路内にも引き込まれることなく、前記移送構造を前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路から除去するために、前記ソフトアンカーを通して、および前記修復縫合糸の前記長手方向中空通路を通して、引っ張られるように構成されている、付記項43に記載の組織修復アセンブリ。
[付記項49]
前記接合ループは、前記縫合糸の前記第二長さ部分から全体的に形成されており、前記第二長さ部分は、前記第一長さ部分の対応した断面よりも小さな断面を有している、付記項44に記載の組織修復アセンブリ。
【国際調査報告】