(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】高アスペクト比プラズマエッチングにおける金属含有表面の修正
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L21/302 105B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526500
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022079143
(87)【国際公開番号】W WO2023081703
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ヒー
(72)【発明者】
【氏名】リー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】レイ・ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】マッキー・ニール・マカラエグ
(72)【発明者】
【氏名】ヘオ・ドンホ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BA03
5F004BB13
5F004BB18
5F004BD03
5F004CA03
5F004CA06
5F004CA08
5F004DA01
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5F004DA23
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB10
5F004DB19
5F004EA30
(57)【要約】
本明細書では、混合材料積層体を有する基板内に、高アスペクト比フィーチャをエッチングするための方法および装置がもたらされる。方法は、フルオロカーボンガスを用いたエッチングの間、基板を金属含有添加ガスに露出しながら、低プラズマ電力、高チャンバ圧力、および/または低温を用いることが関わる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
混合材料積層体を有する基板を用意することと、
前記混合材料積層体を1つまたは複数のエッチングガスに露出し、前記混合材料積層体内にフィーチャを部分的にエッチングして、部分的にエッチングされた混合材料積層体を形成するように、第1のプラズマ電力で第1のプラズマを点火することと、
前記部分的にエッチングされた混合材料積層体を、金属含有添加ガスを第2のプラズマ電力で点火することから生成した第2のプラズマに露出することであって、前記第2のプラズマ電力は、前記第1のプラズマ電力未満である、前記混合材料積層体の第2のプラズマへの露出と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記金属含有添加ガスは、ハロゲンである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記金属含有添加ガスは、タングステン、スズ、モリブデン、およびチタンからなる群から選択された金属を備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第2のプラズマ電力は、前記第1のプラズマ電力の約1%~約10%未満である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記部分的にエッチングされた混合材料積層体を、前記第2のプラズマに露出することは、前記混合材料積層体を、前記1つまたは複数のエッチングガスに前記露出する間に用いられる、第2のチャンバ圧力より高い、第1のチャンバ圧力で行われる、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記部分的にエッチングされた混合材料積層体を、前記第2のプラズマに前記露出することは、前記混合材料積層体を、前記1つまたは複数のエッチングガスに前記露出する間に用いられる、第2の基板温度未満の、第1の基板温度を用いて行われる、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記部分的にエッチングされた混合材料積層体を、前記第2のプラズマに前記露出することは、約20秒未満の持続時間の間に行われる、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記1つまたは複数のエッチングガスは、フッ素および炭素原子を備えた、少なくとも1つのガスを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記金属含有添加ガスは、不活性ガス内で希釈される、方法。
【請求項10】
基板を処理するための装置であって、
1つまたは複数のプロセスチャンバであって、各プロセスチャンバは、チャックを備える、1つまたは複数のプロセスチャンバと、
プラズマ発生器と、
1つまたは複数のエッチングガスを含むための、第1のガス源と、
金属含有添加ガスを含むための、第2のガス源と、
前記プロセスチャンバへの1つまたは複数のガス入口と、前記第1のガス源および前記第2のガス源から、前記1つまたは複数のプロセスチャンバに、ガスを送出するための関連付けられたフロー制御ハードウェアと、
少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラであって、
前記少なくとも1つのプロセッサおよび前記メモリは、互いに通信可能に接続され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記フロー制御ハードウェアに、少なくとも動作可能に接続され、
前記メモリは、
基板が、前記1つまたは複数のプロセスチャンバの第1のものにもたらされるようにすることと、
第1のプラズマが、1つまたは複数のエッチングガスを用いて、第1のプラズマ電力で発生されるようにすることと、
第2のプラズマが、金属含有添加ガスを用いて、第2のプラズマ電力で発生されるようにすることと、
を行うように、前記フロー制御ハードウェアを少なくとも制御するべく、前記少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、
前記第2のプラズマ電力は、前記第1のプラズマ電力未満である、
コントローラと、を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
PCT願書様式は、本出願の一部として、本明細書と同時に出願される。同時に出願されたPCT出願様式で識別されるように、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、その全体においておよびすべての目的に対して、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体製作プロセスは、2つ以上の材料または組成を含む露出された表面を有する構造体を含む、ある特定の構造体をエッチングすることが関わる。加えて、エッチングは、いくつかの構造体に対して小さなフィーチャサイズを形成するために行われることができ、後続のプロセスにおいて、そのサイズおよびいくつかの場合にはそれらの形状を維持するためのフィーチャの信頼性が、所望の構造体を形成するために用いられ得る。
【0003】
ここに述べられる背景の説明は、本開示の関連において全体的に述べるためのものである。本明細書で名前が挙げられる発明者らの活動は、この「背景技術」の項で述べられる範囲において、および出願の時点において、そうでなければ従来技術として分類され得ない本説明の態様は、明示的にも暗黙的にも、本開示に対して従来技術として認められるものではない。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様は、基板を処理する方法が関わり、方法は、混合材料積層体を有する基板を用意することと、混合材料積層体を1つまたは複数のエッチングガスに露出し、混合材料積層体内にフィーチャを部分的にエッチングして、部分的にエッチングされた混合材料積層体を形成するように、第1のプラズマ電力で第1のプラズマを点火することと、部分的にエッチングされた混合材料積層体を、金属含有添加ガスを第2のプラズマ電力で点火することから生成した第2のプラズマに露出することであって、第2のプラズマ電力は、第1のプラズマ電力未満である、混合材料積層体の第2のプラズマへの露出と、を含む。
【0005】
様々な実施形態では、金属含有添加ガスは、ハロゲンを含む。
【0006】
様々な実施形態では、金属含有添加ガスは、タングステン、スズ、モリブデン、およびチタンのうちの任意のものなどの金属を含む。
【0007】
様々な実施形態では、第2のプラズマ電力は、第1のプラズマ電力の約1%~約10%未満である。
【0008】
様々な実施形態では、部分的にエッチングされた混合材料積層体を、第2のプラズマに露出することは、混合材料積層体を、1つまたは複数のエッチングガスに露出する間に用いられる、第2のチャンバ圧力より高い、第1のチャンバ圧力で行われる。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ圧力は、第2のチャンバ圧力より、約1.5倍~約4倍大きい。
【0009】
様々な実施形態では、部分的にエッチングされた混合材料積層体を、第2のプラズマに露出することは、混合材料積層体を、1つまたは複数のエッチングガスに露出する間に用いられる、第2の基板温度未満の、第1の基板温度を用いて行われる。いくつかの実施形態では、第1の基板温度は、約20℃~約60℃である。
【0010】
様々な実施形態では、部分的にエッチングされた混合材料積層体を、第2のプラズマに露出することは、約20秒未満の持続時間の間に行われる。
【0011】
様々な実施形態では、1つまたは複数のエッチングガスは、フッ素および炭素原子を含んだ、少なくとも1つのガスを含む。
【0012】
様々な実施形態では、金属含有添加ガスは、不活性ガス内で希釈される。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスと、不活性ガスとは、約1:40~約1:100の、金属含有添加ガスの流量と、不活性ガスの流量との比を用いて、並行して流される。いくつかの実施形態では、不活性ガスはアルゴンまたはクリプトンである。
【0013】
上記の実施形態の任意のものにおいて、混合材料積層体は、2つ以上の層を含み、各層は、酸化物、窒化物、炭化物、およびポリシリコンからなる群から選択された組成を有する。
【0014】
上記の実施形態の任意のものにおいて、混合材料積層体は、ONON積層体と、酸化物と、を含む。
【0015】
上記の実施形態の任意のものにおいて、フィーチャの側壁は、酸化物、窒化物、炭化物、およびポリシリコンのうちの任意の1つまたは複数を含んだ、2つ以上の材料を含む。
【0016】
上記の実施形態の任意のものにおいて、混合材料積層体を、1つまたは複数のエッチングガスに露出することは、混合材料積層体を、フルオロカーボンガスと、水素含有フルオロカーボンガスとの連続して交互するパルスの1つまたは複数のサイクルに露出することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、部分的にエッチングされた混合材料積層体を、第2のプラズマに露出することは、連続して交互するパルスのnサイクルごとに行われ、nは1以上の整数である。
【0018】
別の態様は、基板を処理するための装置が関わり、装置は、各プロセスチャンバは、チャックを備える、1つまたは複数のプロセスチャンバと、プラズマ発生器と、1つまたは複数のエッチングガスを含むための、第1のガス源と、金属含有添加ガスを含むための、第2のガス源と、プロセスチャンバへの1つまたは複数のガス入口と、第1のガス源および第2のガス源から、1つまたは複数のプロセスチャンバに、ガスを送出するための関連付けられたフロー制御ハードウェアと、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを有するコントローラと、を備え、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリは、互いに通信可能に接続され、少なくとも1つのプロセッサは、フロー制御ハードウェアに、少なくとも動作可能に接続され、メモリは、基板が、1つまたは複数のプロセスチャンバの第1のものにもたらされるようにすることと、第1のプラズマが、1つまたは複数のエッチングガスを用いて、第1のプラズマ電力で発生されるようにすることと、第2のプラズマが、金属含有添加ガスを用いて、第2のプラズマ電力で発生されるようにすることと、を行うように、フロー制御ハードウェアを少なくとも制御するべく、少なくとも1つのプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、第2のプラズマ電力は、第1のプラズマ電力未満である。例えば、いくつかの実施形態では、第2のプラズマ電力は、第1のプラズマ電力の約1%~約10%未満である。
【0019】
様々な実施形態では、メモリは、1つまたは複数のプロセスチャンバのうちの第2のものにおいて第2のプラズマが発生されるようにする前に、基板を1つまたは複数のプロセスチャンバのうちの第2のものが往復されるようにするための、コンピュータ実行可能命令をさらに記憶する。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセスチャンバのうちの第2のものの、第1のチャンバ圧力は、1つまたは複数のプロセスチャンバのうちの第1のものの、第2のチャンバ圧力より大きい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のチャンバ圧力は、第2のチャンバ圧力より、約1.5~約4倍大きい。
【0021】
いくつかの実施形態では、基板を保持するチャックは、第1のプラズマが発生されるようにするのと、第2のプラズマが発生されるようにするのとの間に、冷却される。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、約20℃~約60℃の温度まで冷却される。
【0022】
いくつかの実施形態では、メモリは、希釈ガスが、金属含有添加ガスと並行して流されるようにするためのコンピュータ実行可能命令をさらに記憶する。例えば、いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスの流量と、希釈ガスの流量との比は、約1:40~約1:100である。
【0023】
これらおよび他の態様は、以下でさらに図面を参照して述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】様々な材料をそれの側壁上に有する、フィーチャの側面図である。
【
図1B】様々な材料をそれの側壁上に有する、フィーチャの側面図である。
【0025】
【
図1C】異なる形状のフィーチャを有する基板の上面図である。
【0026】
【
図2】ある特定の開示される実施形態に従って行われる方法での工程を示すプロセスフロー図である。
【0027】
【
図3A】一実施形態によるプラズマエッチングのための装置を示す図である。
【
図3B】一実施形態によるプラズマエッチングのための装置を示す図である。
【
図3C】一実施形態によるプラズマエッチングのための装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明において、提示される実施形態の十分な理解をもたらすために、多数の特定の詳細が記載される。開示される実施形態は、これらの特定の詳細のいくつか、またはすべてがなくても実施され得る。他の場合において、開示される実施形態が不必要に不明瞭にならないように、よく知られたプロセス工程は詳しく説明されていない。開示される実施形態は、特定の実施形態に関連して述べられるが、開示される実施形態を限定するものではないことが理解されるであろう。
【0029】
半導体製作プロセスは、多様な構造の製作が関わり得る。いくつかの場合、いくつかの構造体が形成されることができ、それによって、積層体内の材料の複数の交互する層が、基板の上に形成され、材料の層内へ垂直フィーチャをエッチングすることが続く。いくつかの実施形態では、交互する層は、3D-NANDデバイスの製作で用いられるものなど、交互する酸化物および窒化物の層とすることができる。いくつかの実施形態では、いくつかの構造体は、材料の層の深さに応じて組成を変化する、複数の交互する層が関わることができ、交互する層内に形成されるフィーチャの側壁は、交互する材料が変化する点が、全体の積層体内の交互する層の深さに応じて異なるように、第1の2つの交互する材料、および次いで第2の2つの交互する材料を含む。いくつかの実施形態では、いくつかのフィーチャの一部分は、1つの材料を含むことができ、一方、いくつかのフィーチャの一部分は、複数の材料を含み、および別の部分は、交互する複数の材料を含む。加えて、いくつかの構造体は、交互する層の第1のセットを含む側壁を有するフィーチャを含むことができ、交互する層の第2のセットが続き、交互する層の第3またはそれ以上のセットが続き、および交互する層内の材料、または組成がフィーチャの1つの側壁内で変化する点は、同じフィーチャ内の第2の側壁のものとは異なり得る。このようなフィーチャは、「混在したフィーチャ」と呼ばれることができ、すなわちフィーチャは、その側壁内で、複数の交互する材料組成を有する。
【0030】
図1Aは、右の側壁上はすべて酸化物103を有し、およびいくらかの酸化物103を有するが、次いで左側には交互する酸化物103および窒化物105の側壁を有する、ネガティブフィーチャ101を有する積層体の側面図の、例としての横断面を示す。
図1Bは、いくらかの酸化物103、およびいくらかの窒化物105、ならびに炭化物などの第3の材料107を有する、側壁を有する、ネガティブフィーチャ101を有する積層体の側面図の、例としての横断面を示す。1つのフィーチャが示されたが、各フィーチャにおいて、側壁の変型を有する複数のフィーチャが、単一の基板上に存在し得ることが理解されるであろう。このような基板は、少なくとも約8000nmの深さを有するフィーチャなど、特に非常に深いフィーチャで、ウェハと、フィーチャの深さ内との両方にわたって、フィーチャにわたって一貫しておよび均一にエッチングすることが難しくなり得る。
【0031】
フィーチャはまた、基板にわたって異なるサイズまたは形状を有することができ、フィーチャおよび形状のプロファイルを維持することが難しくなり得る。
図1Cに例が示され、これは、異なる直径、形状、およびx:y比を有する、様々なフィーチャ109、111、および113を有する基板の上面図を示す。加えて、このようなフィーチャは、そのアスペクト比、またはその深さ、およびその幅によって測定され得る特定のフィーチャサイズを有し得る。このようなフィーチャはまた、垂直側壁を有する、または上方視点からの円形形状、または上方視点からのトレンチ形状を有するなどの、特定の形状を有し得る。このようなフィーチャをエッチングするための既存の技法は、アンダーカッティング、フィーチャの側壁に沿った不均一なエッチング、エッチングの間および後続の工程でのフィーチャサイズの変型、パターンローディング効果、側壁上の不均一なチッピング、酸化物と、酸化物/窒化物領域との間のチャージング効果、エッチングの間のフィーチャ形状の変型、フィーチャプロファイル歪み、フィーチャ屈曲、その他を含む様々な課題に直面する。加えて、単一のエッチング工程を用いて、異なる材料、異なるフィーチャサイズ、異なるフィーチャ形状、および異なるフィーチャ深さを、一様にエッチングすることは、難易度が高い。
【0032】
本明細書では、パターンローディング効果をそれによって低減するように、フィーチャ形状およびサイズを維持しながら、混在したフィーチャをエッチングするための方法および装置がもたらされる。方法は、低プラズマ電力、低温、および高圧を用いて、エッチングの間、エッチングの後、または両方での、金属含有ガス露出工程を含めることが関わる。様々な実施形態では、金属含有ガスはタングステンを含む。いくつかの実施形態では、金属含有ガスはハロゲンを含む。様々な実施形態では、金属含有ガスは、六フッ化タングステンである。プラズマ電力は、フィーチャの側壁内へのチッピングを防止するために例えば、金属含有ガスを用いて高いプラズマ電力において調節され、ガスは、刺激の強いエッチング液として働き得る。タングステンは、側壁の表面上にタングステン副生成物の形成を引き起こす場合があり、結晶化したタングステン副生成物からの変型または条線を引き起こす。金属含有ガスの導入の間、高プラズマ電力が用いられる場所では、フィーチャ内に窒素または窒化物を含んだ側壁表面は、酸化物表面と比べて、より速やかにエッチングし得る。結果として、プラズマ電力の調節は、フィーチャプロファイルに実質的に影響し得る。低温および高圧は、結晶化した金属副生成物の形成を低減するために用いられ得る。様々な実施形態では、金属含有ガスは、アルゴンまたはクリプトンなどの不活性ガスを用いて希釈される。金属含有ガスは、主エッチングの間に(例えば、主エッチングガスが導入されるときに)追加され、またはエッチング工程の間に、短い周期的露出において挿入される別個のフラッシュ工程として行われ得る。いくつかの実施形態では、フラッシュ工程は、高プラズマにおいて行われる主エッチング工程の間に、時折にのみ行われる。特定の理論にとらわれずに、短い露出、および金属含有ガスの調節されたプロセス条件は、複雑な混合材料積層体内のネガティブフィーチャの形成の間に、側壁のエッチングを一様にする、ある種の表面修正を引き起こすと考えられる。
【0033】
以下の説明は、金属含有添加ガスを用いたある特定の混合材料積層体のエッチングに焦点を当てるが、本開示の態様はまた、1つの材料、またはフィーチャプロファイルを維持するための他の構造を含む、他の材料をエッチングするのに実施され得る。
【0034】
図2は、ある特定の開示される実施形態によって行われ得る工程を示す、例としてのプロセスフロー図を示す。工程201で、その上に形成された混合材料積層体を有する、基板が用意される。以下で開示される実装形態は、ウェハ、基板、または他の被加工物など、基板への材料の堆積を説明する。被加工物は、様々な形状、サイズ、および材料のものとすることができる。本出願において、「半導体ウェハ」、「ウェハ」、「基板」、「ウェハ基板」、および「部分的に製作された集積回路」という用語は、同義的に用いられる。当業者は、「部分的に製作された集積回路」という用語は、それに対する集積回路製作の多くの段階の間のシリコンウェハを指し得ることを理解するであろう。半導体デバイス産業で用いられるウェハまたは基板は通常、200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。特に明記しない限り、本明細書に記載された処理の詳細(例えば、流量、電力レベルなど)は、直径300mmの基板の処理に対して、および300mmの直径の基板を処理するように構成された処理チャンバに対して該当し、他のサイズの基板またはチャンバに適切なようにスケーリングされ得る。半導体ウェハに加えて、本明細書で開示される実装形態で用いられ得る他の被加工物は、プリント回路基板および同様のものなど、様々な物を含む。プロセスおよび装置は、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽電池パネル、および同様のものの、製作において用いられ得る。基板は、シリコンウェハ、例えば、200mmウェハ、300mmウェハ、または450mmウェハとすることができ、誘電性、導電性、または半導電性の材料などがその上に堆積された、材料の1つまたは複数の層を有するウェハを含む。
【0035】
基板は、その上に形成された混合材料積層体を有する。混合材料積層体は、2つ以上の層を有し、各層は、単一の層内に1つ、2つ、またはより多くの材料を有する。各層は、約100Å~約500Å、または約50nmまでの厚さとすることができる。各層は、異なる厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、混合材料積層体は、酸化物、炭化物、および/または窒化物のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、混合材料積層体は、酸化物材料、窒化物材料、酸化物と窒化物の交互する層、ポリシリコンと酸化物の交互する層、酸化物と窒化物とポリシリコンとの3つの交互する層、および酸窒化シリコンのうちの、1つまたは複数を含む。例えば、混合材料積層体は、ONON(酸化物-窒化物-酸化物-窒化物)積層体、OPOP(ポリシリコン上の酸化シリコン)積層体、またはOMOM積層体(タングステン、コバルト、またはモリブデンなどの金属上の酸化シリコン)を含むことができ、フィーチャは、このような多層基板内に形成されることができ、フィーチャの側壁は、2つ以上の組成を含む。複数の薄層から成る積層体は、二重層(ONなど)から、5000個の複合層({ON}150)までの範囲とすることができる。
【0036】
酸化物は、金属酸化物、半導体酸化物、および誘電体酸化物を含むが、それらに限定されない。酸化物は、ドープされていない酸化物、およびドープされた酸化物を含む。1つの例としての酸化物は、酸化シリコンである。1つの例としての酸化物は、ドープされていない二酸化シリコンである。「酸化シリコン」は、本明細書では、SixOyに対する任意のすべての化学量論的可能性を含む、シリコンおよび酸素原子を含んだ化合物を含むものを指し、xおよびyの整数値、およびxおよびyの非整数値を含む。例えば、「酸化シリコン」は、化学式SiOnを有する化合物を含み、1≦n≦2であり、nは整数または非整数とすることができる。「酸化シリコン」は、SiO1.8など、準化学量論的化合物を含むことができる。「酸化シリコン」は、二酸化シリコン(SiO2)と、一酸化シリコン(SiO)と、を含む。「酸化シリコン」はまた、自然および合成の変型の両方を含み、およびまた中心シリコン原子を取り囲む、酸素原子の4面体配位を含む、任意のおよびすべての結晶および分子構造を含む。「酸化シリコン」はまた、非晶質酸化シリコンおよびケイ酸塩を含む。
【0037】
炭化物は、金属炭化物、半導体炭化物、および誘電体炭化物を含むが、それらに限定されない。炭化物は、ドープされていない炭化物およびドープされた炭化物を含む。1つの例としての炭化物は、炭化珪素である。
【0038】
窒化物は、金属窒化物、半導体窒化物、および誘電体窒化物を含むが、それらに限定されない。窒化物は、ドープされていない窒化物、およびドープされた窒化物を含む。1つの例としての窒化物は、ドープされていない窒化シリコンである。「窒化シリコン」は、本明細書では、SixNyに対する任意のまたはすべての化学量論的可能性を含むものを指し、x=3およびy-4など、xおよびyの整数値、およびxおよびyの非整数値を含む。例えば、「窒化シリコン」は、化学式SiNnを有する化合物を含み、1≦n≦2であり、nは整数または非整数とすることができる。「窒化シリコン」は、SiN1.8など、準化学量論的化合物を含むことができる。「窒化シリコン」はまた、Si3N4、および痕跡および/または格子間水素(SiNH)を有する窒化シリコン、および痕跡量および/または格子間酸素(SiON)を有する窒化シリコンを含む。「窒化シリコン」はまた、自然および合成の変型の両方を含み、およびまた三方晶系アルファ窒化シリコン、六方晶系ベータ窒化シリコン、および立方晶系ガンマ窒化シリコンを含む、任意のおよびすべての格子、結晶、および分子構造を含む。「窒化シリコン」はまた、非晶質窒化シリコンを含み、痕跡量の不純物を有する窒化シリコンを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、混合材料積層体は、酸化シリコンを有するいくつかの領域と、各層が約10Å~約50Åの厚さを有する、交互する酸化シリコンおよび窒化シリコン層を有するいくつかの領域と、を含む。混合材料積層体は、約8000nm~約20000nmの全体の厚さを有し得る。混合材料積層体は、半導体基板の上に形成され得る。混合材料積層体は、その上にエッチングされたフィーチャを有しない場合がある。いくつかの実施形態では、いくつかのフィーチャはその上にエッチングされ得る。いくつかの実施形態では、混合材料積層体は、その上に1つまたは複数のエッチングマスクを有し得る。
【0040】
工程203で、混合材料積層体は、混合材料積層体内にネガティブフィーチャを部分的に形成するために、エッチングガスに露出される。混合材料積層体をエッチングするために用いられる任意のエッチングプロセスが、工程203で用いられ得る。エッチングガスは、フルオロカーボンガスまたはハイドロフルオロカーボンガスなどの、ハロゲン含有ガスを含み得る。酸化シリコンをエッチングするための、例としてのエッチング液は、三フッ化窒素、フルオロホルム(CHF3)、オクタフルオロシクロブタン(C4F8)、テトラフルオロメタン(CF4)、およびそれらの組み合わせを含む。これらの材料を用いたフィーチャ充填のために、炭化珪素、窒化シリコン、シリコン、タングステン、ルテニウム、銅、コバルト、およびモリブデンをエッチングするための例としてのエッチング液は、臭化水素酸(HBr)、フッ化メタン(CH3F)、塩素(Cl2)、四フッ化珪素(SiF4)、テトラフルオロメタン(CF4)、三塩化ホウ素(BCl)、フルオロホルム(CHF3)、およびそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態では、エッチング液は、アルゴンなど、1つまたは複数の不活性ガスと共に流され得る。
【0041】
様々な実施形態では、工程203は、1つまたは複数のエッチングガスを連続して流すことによる連続エッチングプロセスである。様々な実施形態では、工程203は、混合材料積層体を、エッチングガスの時間的に分離されたパルスに露出することによる、循環するエッチングプロセスが関わる。いくつかの実施形態では、工程203でのエッチングは、プラズマを点火することによって行われる。いくつかの実施形態では、プラズマは、無線周波数プラズマを用いて点火される。様々な実施形態では、プラズマは、原位置で発生される。いくつかの実施形態では、プラズマは、基板を収容するプロセスチャンバに送出する前に、遠隔のプラズマチャンバ内で遠隔に発生され得る。様々な実施形態では、プラズマは、単一ステーションチャンバに対して、約10000W~約50000Wの間のプラズマ電力を用いて、エッチングガスを流しながら点火される。
【0042】
様々な実施形態では、工程203は、少なくとも1つのハロゲン含有ガスを用いた、高プラズマ電力エッチングプロセスが関わる。一例では、工程203は、(1)パルスにてフルオロカーボンガスを導入することと、(2)パルスにてハイドロフルオロカーボンガスを導入することとによって行われる、エッチングの少なくとも1つのサイクルが関わり、両方のパルスは、単一ステーションチャンバに対して、少なくとも約30000W以上など、高プラズマ電力を用いて、プラズマを点火しながら行われる。単一ステーションチャンバは、約10個までのチャンバを保持できるプラットフォーム上にあり得る。ハイドロフルオロカーボンガスを導入することは、水素に富んだエッチング工程と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、工程203は、フルオロカーボンガス露出と、水素に富んだフルオロカーボンガス露出とを、交互にすることによって行われる。エッチングガスの流量は、エッチングガス混合物および組成に、チャンバサイズおよび他の要因に、依存する。いくつかの実施形態では、エッチングガスの流量は、20秒の露出に対して、約4sccmである。
【0043】
様々な実施形態では、工程203は、約10ミリトール~約50ミリトールのチャンバ圧力において行われ得る。様々な実施形態では、工程203は、約-20℃~約100℃の基板温度を用いて行われ得る。基板温度は、基板を保持する台座に設定された温度であることが理解されるであろう。
【0044】
工程205で、金属含有添加ガスが、混合材料積層体の露出された表面に金属をもたらすように、制御された穏やかなプロセス条件で導入される。もたらされた金属は、ラインベンディングを防止し、フィーチャ構造の構造的完全性およびプロファイルを維持し、混合材料積層体上の金属副生成物の形成を最小にする。金属含有添加ガスは、タングステン含有ガスとすることができる。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスは、ハロゲン含有ガスである。様々な実施形態では、金属含有添加ガスは、揮発性金属化合物である。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスは、六フッ化タングステン(WF6)である。さらなる非限定的な例は、六フッ化モリブデン(MoF6)、四塩化チタン(TiCl4)、四塩化スズ(SnCl4)、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)、モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(IV)([(C2H5)2N]4Ti)、(C5H5)WH2、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスは、アルゴン、クリプトン、ヘリウム、またはそれらの組み合わせなど、不活性ガス内で希釈される。
【0045】
制御された穏やかなプロセス条件は、低プラズマ電力、高チャンバ圧力、および低温のうちの1つまたは複数を含む。様々な実施形態では、工程205で用いられるプラズマ電力は、工程203で用いられるプラズマ電力未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるプラズマ電力は、工程203で用いられるプラズマ電力の約20%未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるプラズマ電力は、工程203で用いられるプラズマ電力の約10%未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるプラズマ電力は、工程203で用いられるプラズマ電力の約1%~約2%である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるプラズマ電力は、4ステーションのステーションに対して約200Wである。
【0046】
様々な実施形態では、工程205で用いられるチャンバ圧力は、工程203で用いられるチャンバ圧力より高い。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるチャンバ圧力は、工程203で用いられるチャンバ圧力より1.5倍高い。いくつかの実施形態では、工程205で用いられるチャンバ圧力は、工程203で用いられるチャンバ圧力より4倍高い。いくつかの実施形態では、チャンバ圧力は、約20ミリトール~約100ミリトールである。
【0047】
様々な実施形態では、工程205で用いられる基板温度は、工程203で用いられる基板温度未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられる基板温度は、約20℃未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられる基板温度は、約60℃未満である。いくつかの実施形態では、工程205で用いられる基板温度は、約20℃~約100℃である。
【0048】
工程205で、より穏やかな条件下で、どのプロセス条件を用いるかの選択は、エッチングされる材料、および混合材料積層体の構造に依存する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセス条件が調節される。いくつかの実施形態では、2つ以上のプロセス条件が調節される。いくつかの実施形態では、プラズマ電力のみが調節される。いくつかの実施形態では、圧力のみが調節される。いくつかの実施形態では、基板温度のみが調節される。いくつかの実施形態では、プラズマ電力および圧力のみが調節される。いくつかの実施形態では、プラズマ電力および基板温度のみが調節される。いくつかの実施形態では、圧力および基板温度のみが調節される。いくつかの実施形態では、プラズマ電力、圧力、および温度が、すべて調節される。いくつかの実施形態では、他のプロセス条件が調節され、このような条件が単独で、または1つまたは複数の他のプロセス条件と共に調節される。例えば、金属含有添加ガスへの露出の持続時間が調節され得る。金属含有添加ガスを使用する効果を達成するために、工程205では、非常に少量の金属が用いられ得る。別の例では、金属含有添加ガスと共に流される、希釈ガスの量および選択が調節される。例としての希釈ガスは、アルゴンまたはクリプトンを含む。希釈ガスは不活性ガスであり、金属含有添加ガスと並行して流され得る。
【0049】
金属含有添加ガスの流量は、チャンバサイズ、および他の要因に依存し得る。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガス流量は、工程203の間に用いられるガスの流量の約25%未満である。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスの流量は、約0.5sccm~約5sccmである。金属含有添加ガスと共に流される希釈ガスまたは不活性ガスの流量は、金属含有添加ガスの流量に依存する。金属含有添加ガスの、より低い流量に対しては、希釈ガスまたは不活性ガスは、基板を収容するプロセスチャンバへの、ガスの効果的な送出を可能にするように、より高い流量、または合計流量の組成百分率において流され得る。いくつかの実施形態では、金属含有添加ガスの流量と、不活性ガスの流量との比は、約1:40~約1:100である。
【0050】
いくつかの実施形態では、工程205は、特定の持続時間で行われる。例えば、工程205は、混合材料積層体へのフィーチャのエッチングを完了する前に、工程203で何らかのエッチングが行われた後に、「フラッシュ」工程として行われ得る。「フラッシュ」工程は、約1秒~約30秒、または約10秒~約20秒の持続時間、継続し得る。工程205の持続時間は、エッチングが混合材料積層体内に、より深く行われるのに従って増加され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、工程203および205は、異なるチャンバ内で行われる。いくつかの実施形態では、工程203および205は、同じチャンバ内で行われる。いくつかの実施形態では、工程203および205は、真空を破らずに行われる。例えば、いくつかの実施形態では、工程203および205は、真空を破らずに、マルチステーションチャンバ内の別々のステーション内で行われる。開示される実施形態は、堆積とエッチングとが、同じチャンバ内、または同じツール内で行われ得るので、効率を促進する。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、工程203と工程205との間でパージされる。チャンバをパージすることは、パージガスまたはスイープガスを流すことが関わることができ、これは他の工程で用いられるキャリアガスとすることができ、または異なるガスとすることができる。例としてのパージガスは、アルゴン、窒素、水素、およびヘリウムを含む。様々な実施形態では、パージガスは不活性ガスである。例としての不活性ガスは、アルゴン、窒素、およびヘリウムを含む。いくつかの実施形態では、パージングは、チャンバを排気することが関わり得る。いくつかの実施形態では、パージングは、プロセスチャンバを排気するための、1つまたは複数の排気サブフェーズを含み得る。代替として、いくつかの実施形態では、パージングは省略され得ることが理解されよう。パージングは、約0.1秒~約2秒の間など、任意の適切な持続時間で行われ得る。
【0052】
工程207で、工程203が任意選択で反復される。工程209で、工程205が任意選択で反復される。いくつかの実施形態では、工程205は、工程203の前に行われる。いくつかの実施形態では、工程205は、工程203の後に行われる。いくつかの実施形態では、工程203および205は、多数回行われる。工程203および工程205の反復される工程は、逐次的に行われることができ、または可変的に行われ得る。いくつかの実施形態では、工程205は、工程203の間に周期的に行われる。工程205が、エッチングガスへの循環する露出を伴ういくつかの実施形態では、工程205は、nサイクルごとの後に挿入され、nは1以上の任意の整数である。いくつかの実施形態では、工程205は、時にはnサイクルごとに行われ、または工程203ですべてのサイクルが行われた後に行われ、または混合材料積層体の条件、工程203でのエッチングから形成されるフィーチャ内の側壁の組成、および他の要因に応じて行われる。
【0053】
工程205は、低減されたフィーチャねじれ、低減されたフィーチャ歪み、改善されたまたは維持されたフィーチャ楕円率(ある特定のフィーチャに対して約1のフィーチャ楕円率を維持すること、または到来するフィーチャと、結果としてのフィーチャとの間の、約0のフィーチャ楕円率差分を有することなど)、低減された側壁粗さ、および低減されたまたは除去されたチッピング効果を達成するために行われる。
【0054】
装置
本明細書で述べられる方法は、任意の適切な装置によって行われ得る。様々な実施形態では、適切な装置は、プラズマ処理のために構成された処理チャンバと、本明細書で述べられる方法の任意のものを行うように構成されたコントローラと、を含む。上述のように、本明細書で述べられるエッチングプロセスを行うために用いられ得る例としての装置は、カリフォルニア州フレモントのラムリサーチコーポレーションから入手可能な、反応性イオンエッチング反応器の、FLEX(商標)およびVANTEX(商標)製品群を含む。
【0055】
図3A~3Cは、本明細書で述べられるエッチング工程を行うために用いられ得る、調整可能ギャップ容量結合型閉じ込め無線周波数(RF)プラズマ反応器300の実施形態を図で示す。示されるように、真空チャンバ302は、下部電極306を収容する内部空間を取り囲む、チャンバハウジング304を含む。チャンバ302の上部内で、上部電極308は、下部電極306から垂直に間隔が空けられる。上部および下部電極308、306の平面は、実質的に平行で、電極の間の垂直方向と直交する。上部および下部電極308、306は、垂直軸に対して円形および同軸であることが好ましい。上部電極308の下部表面は、下部電極306の上部表面に対向する。間隔が空けられた対向する電極面は、それらの間に調整可能なギャップ310を画定する。工程の間、下部電極306には、RF電源(整合)320によって、RF電力が供給される。RF電力は、RF供給導管322、RFストラップ324、およびRF電力部材326を通して、下部電極306に供給される。接地シールド336は、より一様なRFフィールドを下部電極306にもたらすように、RF電力部材326を取り囲み得る。その全体を本願に引用して援用する、本願の権利者が所有する米国特許第7,732,728号で述べられているように、ウェハは、ウェハポート382を通して挿入され、処理のために下部電極306上のギャップ310内に支持され、プロセスガスはギャップ310に供給され、RF電力によってプラズマ状態に励起される。上部電極308は、電力供給されまたは接地され得る。
【0056】
プラズマ反応器300に送出される1つまたは複数の化学種が、液体として貯蔵される場合は、修正されたガス送出システム(図示せず)が用いられ得る。例えば、修正されたガス送出システムは、液相化学種を蒸発させるためのハードウェア(例えば、バブラ、蒸発器など)、ならびに適切な配管(例えば、高温ガスラインおよび弁)、および反応物送出を実施するための制御機器(例えば、高温マスフローコントローラおよび/または液体フローコントローラ)を含み得る。
【0057】
図3A~3Cに示される実施形態では、下部電極306は、下部電極支持板316上に支持される。絶縁体リング314は、下部電極306と下部電極との間に置かれる。支持板316は、下部電極306を支持板316から絶縁する。
【0058】
RFバイアスハウジング330は、下部電極306を、RFバイアスハウジングボウル332上に支持する。ボウル332は、チャンバウォールプレート318の開口を通して、RFバイアスハウジング330のアーム334によって、導管支持板338に接続される。好ましい実施形態では、RFバイアスハウジングボウル332と、RFバイアスハウジングアーム334とは、1つの構成要素として一体化して形成されるが、アーム334と、ボウル332とは、一緒にボルト締めされたまたは結合された、2つの別々の構成要素とすることもできる。
【0059】
RFバイアスハウジングアーム334は、ガス冷却剤、流体冷却液、RFエネルギー、リフトピン制御のためのケーブル、下部電極306の裏側上の空間における真空チャンバ302の外側から、真空チャンバ302の内側への電気的な監視および作動の信号など、RF電力および設備を通すための、1つまたは複数の中空の通路を含む。RF供給導管322は、RFバイアスハウジングアーム334から絶縁され、RFバイアスハウジングアーム334は、RF電源320へのRF電力の戻り経路をもたらす。設備導管340は、設備構成要素のための通路をもたらす。設備構成要素のさらなる詳細は、米国特許第5,948,704号、および第7,732,728号で述べられており、説明を簡単にするためにここでは示されない。ギャップ310は、閉じ込めリングアセンブリまたはシュラウド(図示せず)によって取り囲まれることが好ましく、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれている本願の権利者が所有する、発行された米国特許第7,740,736号に見出され得る。真空チャンバ302の内部は、真空ポータル380を通る、真空ポンプへの接続によって低圧に維持される。
【0060】
導管支持板338は、作動機構342に取り付けられる。作動機構の詳細は、上記によって本明細書に組み込まれている、本願の権利者が所有する米国特許第7,732,728号で述べられている。サーボ機械的モータ、ステッパモータ、または同様のものなど、作動機構342は、例えば、ボールねじ、およびボールねじを回転させるためのモータなど、ねじ歯車346によって、垂直リニアベアリング344に取り付けられる。ギャップ310のサイズを調整するための工程の間、作動機構342は、垂直リニアベアリング344に沿って進行する。
図3Aは、作動機構342がリニアベアリング344上の高い位置にあり、結果として小さなギャップ310aを生じるときの配置を図で示す。
図3Bは、作動機構342がリニアベアリング344上の中央位置にあるときの配置を図で示す。示されるように、下部電極306、RFバイアスハウジング330、導管支持板338、RF電源320はすべて、チャンバハウジング304および上部電極308に対して、より下方に移動されており、結果として中程度のサイズのギャップ310bを生じる。
【0061】
図3Cは、作動機構342がリニアベアリング上の低い位置にあるときの、大きなギャップ310cを図で示す。上部および下部電極308、306は、ギャップ調整の間、同軸のままであり、ギャップを隔てた、上部および下部電極の対向する表面は並行であることが好ましい。
【0062】
この実施形態は、例えば、300mmウェハまたはフラットパネルディスプレイなど、大きな直径の基板にわたって一様なエッチングを維持するために、マルチステップのプロセスレシピ(BARC、HARC、およびSTRIPなど)の間に、CCPチャンバ302内の、下部および上部電極306、308の間のギャップ310が調整されることを可能にする。特に、このチャンバは、下部および上部電極306、308の間に、調整可能なギャップをもたらすために必要な、直線運動を可能にする機械的配置に関係する。
【0063】
図3Aは、導管支持板338への近位端部において、およびチャンバウォールプレート318の段付きフランジ328への遠位端部において、密閉された、横方向に偏向されたベロー350を図で示す。段付きフランジの内径は、RFバイアスハウジングアーム334がそれを通過する、チャンバウォールプレート318内の開口312を画定する。ベロー350の遠位端部は、クランプリング352によってクランプされる。
【0064】
横方向に偏向されたベロー350は、RFバイアスハウジング330、導管支持板338、および作動機構342の、垂直運動を可能にしながら、真空密閉をもたらす。RFバイアスハウジング330、導管支持板338、および作動機構342は、片持ちアセンブリと呼ばれ得る。RF電源320は、片持ちアセンブリと共に移動し、導管支持板338に取り付けられ得ることが好ましい。
図3Bは、片持ちアセンブリが中央位置にあるときの、中立位置でのベロー350を示す。
図3Cは、片持ちアセンブリが低い位置にあるときの、横方向に偏向されたベロー350を示す。
【0065】
ラビリンスシール348は、ベロー350と、プラズマ処理チャンバハウジング304の内部との間に、粒子バリアをもたらす。固定シールド356は、片持ちアセンブリの垂直運動に適応するように、可動シールドプレート358がその中を垂直に移動する、ラビリンス溝360(スロット)をもたらすように、チャンバウォールプレート318でのチャンバハウジング304の内側内部壁に、不動に取り付けられる。可動シールドプレート358の外側部分は、下部電極306のすべての垂直位置においてスロット内に留まる。
【0066】
示される実施形態では、ラビリンスシール348は、ラビリンス溝360を画定するチャンバウォールプレート318内の開口312の周囲に、チャンバウォールプレート318の内面に取り付けられた固定シールド356を含む。可動シールドプレート358は、アーム334がチャンバウォールプレート318内の開口312を通過する、RFバイアスハウジングアーム334に取り付けられそれから放射状に延びる。可動シールドプレート358は、第1のギャップによって固定シールド356から間隔が空けられ、および第2のギャップによってチャンバウォールプレート318の内部表面から間隔が空けられて、片持ちアセンブリが垂直に移動することを可能にしながら、ラビリンス溝360内に延びる。ラビリンスシール348は、ベロー350から砕かれた粒子の移動が、真空チャンバ内部305に入ることを阻止し、およびプロセスガスプラズマからのラジカルが、ベロー350に移動し、そこでラジカルがその後に砕かれる堆積物を形成できるようになるのを阻止する。
【0067】
図3Aは、片持ちアセンブリが高い位置にあるときに、RFバイアスハウジングアーム334の上に、ラビリンス溝360内のより高い位置での、可動シールドプレート358を示す(小さなギャップ310a)。
図3Cは、片持ちアセンブリが低い位置にあるときに、RFバイアスハウジングアーム334の上に、ラビリンス溝360内のより低い位置での、可動シールドプレート358を示す(大きなギャップ310c)。
図3Bは、片持ちアセンブリが中央位置にあるときの、ラビリンス溝360内の中立または中央位置での、可動シールドプレート358を示す(中程度のギャップ310b)。ラビリンスシール348は、RFバイアスハウジングアーム334の周りに対称的に示されるが、他の実施形態では、ラビリンスシール348は、RFバイアスアーム334の周りに非対称とすることができる。
【0068】
図3A~3Cに示される装置は、本明細書で述べられる方法を行うように構成されたコントローラを含む。いくつかの実装形態では、コントローラはシステムの一部であり、これは上述の例の一部となり得る。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理のための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理の前、その間、およびその後の、それらの動作を制御するための電子機器と統合され得る。電子機器は「コントローラ」と呼ばれることができ、これは1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御し得る。コントローラは、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置的および動作設定、特定のシステムに接続されたまたはインターフェースされた、ツールおよび他の移送ツールおよび/またはロードロック内への、およびそれらからのウェハ移送を含む、本明細書で開示されるプロセスの任意のものを制御するようにプログラムされ得る。
【0069】
概して言えば、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄作業を可能にする、エンドポイント測定を可能にするなどの、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形でのチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含み得る。プログラム命令は、様々な個別の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに通信される命令とすることができ、半導体ウェハに対してもしくはそのために、またはシステムに対して、特定のプロセスを遂行するための動作パラメータを定義する。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウェハのダイの、製作の間に1つまたは複数の処理ステップを達成するように、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部とすることができる。
【0070】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムに統合された、結合された、他の形でシステムにネットワーク化された、またはそれらの組み合わせのコンピュータの一部とするまたはそれに結合され得る。例えば、コントローラは、「クラウド」、または製造工場ホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部内に存在してよく、これはウェハ処理のリモートアクセスを可能にする。コンピュータは、製作工程の現在の進行を監視する、過去の製作工程の履歴を調べる、複数の製作工程から傾向もしくは性能メトリクスを調べる、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に続く処理ステップを設定する、または新たなプロセスを開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にすることができる。いくつかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通してシステムにプロセスレシピをもたらすことができ、ネットワークはローカルネットワークまたはインターネットを含み得る。リモートコンピュータはユーザインターフェースを含むことができ、ユーザインターフェースはパラメータおよび/または設定の入力もしくはプログラミングを可能にし、次いでそれらはリモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、1つまたは複数の工程の間に行われることになる処理ステップのそれぞれに対するパラメータを指定する、データの形で命令を受信する。パラメータは、行われることになるプロセスのタイプ、およびコントローラがそれとインターフェースするまたはそれを制御するように構成されるツールのタイプに固有とすることができることが理解されるべきである。従って上述されたようにコントローラは、一緒にネットワーク化された1つまたは複数の個別のコントローラを含むこと、および本明細書で述べられるプロセスおよび制御など、共通の目的に向かって働くことなどによって、分散され得る。このような目的のために分散されたコントローラの例は、一緒になってチャンバ上のプロセスを制御する、遠隔に配置された1つまたは複数の集積回路(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなど)と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路であろう。
【0071】
限定せずに、例示のシステムは、プラズマエッチチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相成長法(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相成長法(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの製作および/または生産に関連するもしくはそこで用いられ得る任意の他の半導体処理システムを含み得る。
【0072】
上記のように、ツールによって行われることになる1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近傍のツール、工場全体にわたって位置するツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、または半導体生産工場内のツールの位置および/またはロードポートへまたはそれらからウェハの容器を運ぶ材料輸送において用いられるツールの、1つまたは複数と通信し得る。
【0073】
実験
実験は、金属含有添加ガスを用いずに、エッチングガスを用いて、ONON積層体内に、および酸化物のみの材料内に、高アスペクト比フィーチャをエッチングするように実施された。ONON積層体内の高アスペクト比フィーチャの底部で、エッチングは、いくつかの領域内で積層体の底部で、エッチング停止層に到達しなかったが、結果としてデプスローディング問題を生じた他の領域に到達した。穴のプロファイルは、いくつかの部分的にエッチングされたフィーチャを示した。同様な基板が、エッチングの間に低プラズマ電力および高圧で、六フッ化タングステン添加ガスを用いながら、エッチングガスに露出された。結果としての基板は、改善されたプロファイル形状の維持、低減された酸化物基板上の曲がり、および改善されたデプスローディングを示した。
【0074】
結論
上記の実施形態は、理解の明瞭さの目的で、いくらか詳細に述べられてきたが、添付の「特許請求の範囲」の範囲内で、ある特定の変更および修正が実施され得ることが明らかになるであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実施する、多くの代替のやり方があることが留意されるべきである。従って、本実施形態は、例示的であり制限的ではないと考えられるべきであり、および実施形態は、本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
【国際調査報告】