(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】半導体処理中に基板上に磁場を生成するための装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20241008BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20241008BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20241008BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C14/50 Z
C23C16/458
H01L21/31 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518452
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022036312
(87)【国際公開番号】W WO2023069158
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】バンガロール ウメシュ スハス
(72)【発明者】
【氏名】カラシパラムビル キショール クマール
(72)【発明者】
【氏名】吉留 剛一
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K029BD01
4K029CA05
4K029CA13
4K029DC34
4K029DC39
4K029JA01
4K030FA01
4K030GA02
4K030JA04
4K030JA10
4K030KA34
4K030KA45
4K030KA46
4K030LA12
4K030LA15
5F045AA08
5F045BB02
5F045BB19
5F045EB03
5F045EH09
5F045EH14
5F045EH16
5F045EH20
5F045EM02
(57)【要約】
材料を堆積させるために使用されるプラズマ気相堆積(PVD)チャンバは、基板への堆積中にイオン軌道に影響を与えるための装置を含む。本装置は、基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの環状支持アセンブリと、環状支持アセンブリに取り付けられ、基板の頂面に磁場を放射するように構成された磁場発生器とを含む。磁場発生器は、磁場を生成するために、複数の対称的に離間された離散した永久磁石を含んでもよく、または1つもしくは複数の電磁石を使用してもよい。
【選択図】
図16A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置であって、
プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの支持アセンブリと、
前記少なくとも1つの支持アセンブリに取り付けられ、前記基板の頂面に磁場を放射するように構成され、プラズマ気相堆積プロセス中に前記基板に衝突するイオンの入射角に影響を与えるように構成された磁場発生器と、
を備え、
前記支持アセンブリが、頂部プレートと、複数の開口部を有する中間プレートと、底部プレートとを含み、前記磁場発生器が、前記中間プレートの前記複数の開口部内に配置され、かつ前記頂部プレートおよび前記底部プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含み、
前記複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つの離散した永久磁石が、前記頂部プレートと前記底部プレートとの間に延在する長手方向軸に沿って、前記頂部プレートと前記底部プレートとの間で長手方向に延在し、
前記長手方向軸が、前記頂部プレートと前記底部プレートとの間に延在する垂直軸に対してゼロ以外の角度で角度が付けられている、
装置。
【請求項2】
前記複数の離散した永久磁石のうちの前記少なくとも1つの離散した永久磁石が、前記少なくとも1つの離散した永久磁石の上端が前記少なくとも1つの離散した永久磁石の下端の半径方向内側に配置されるように角度が付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記長手方向軸が前記垂直軸と平行ではない、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の離散した永久磁石が、少なくとも摂氏200度以上の温度で磁場強度を失うことなく動作するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つの離散した永久磁石が、少なくとも30MGOeの最大エネルギー積を有するサマリウムコバルト材料で形成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の離散した永久磁石が、前記少なくとも1つの支持アセンブリにおいて対称的に離間された9つの離散した永久磁石を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記磁場発生器が、前記少なくとも1つの支持アセンブリに取り付けられた少なくとも1つの電磁石をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持アセンブリが円弧状支持アセンブリであり、前記頂部プレートが円弧状プレートであり、前記中間プレートが円弧状プレートであり、前記底部プレートが円弧状プレートである、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の離散した永久磁石が、少なくとも摂氏200度以上の温度で磁場強度を失うことなく動作するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つの離散した永久磁石が、少なくとも30MGOeの最大エネルギー積を有するサマリウムコバルト材料で形成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の離散した永久磁石が、前記少なくとも1つの支持アセンブリにおいて対称的に離間された9つの離散した永久磁石を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記磁場発生器が、前記少なくとも1つの支持アセンブリに取り付けられた少なくとも1つの電磁石をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの支持アセンブリが、環状支持アセンブリとして配置された複数の円弧状支持アセンブリを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの支持アセンブリが環状支持アセンブリであり、前記頂部プレートが環状プレートであり、前記中間プレートが環状プレートであり、前記底部プレートが環状プレートである、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本原理の実施形態は、一般に、半導体製造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造中、半導体構造を形成するために、異なる材料の層をエッチングまたは基板上に堆積させる。一般に、層を均等または均一に堆積させることは、半導体プロセスの細かな制御を可能にするために非常に望ましい。しかしながら、本発明者は、多くの場合、プラズマ気相堆積(PVD)チャンバにおける材料の堆積は、堆積プロセス中の基板によるイオン捕捉が不十分であるため、あまり均一ではないことを観察した。
【0003】
したがって、本発明者は、PVDプロセス中に基板上のイオンを捕捉しやすくし、優れた堆積性能をもたらす装置を提供した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、PVDプロセス中に基板上のイオン捕捉に影響を与える装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの環状支持アセンブリと、基板の頂面に磁場を放射するように構成され、プラズマ気相堆積プロセス中に基板に衝突するイオンの入射角に影響を与えるように構成された、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられた磁場発生器とを備えることができる。
【0006】
一部の実施形態では、本装置は、少なくとも1つの環状支持アセンブリが、頂部環状プレートと、複数の開口部を有する中間環状プレートと、底部環状プレートとを含み、磁場発生器が、中間環状プレートの複数の開口部内に配置され、かつ頂部環状プレートおよび底部環状プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含み、複数の離散した永久磁石が、少なくとも摂氏200度以上の温度で磁場強度を失うことなく動作するように構成され、複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つが、サマリウムコバルト材料で形成され、サマリウムコバルト材料が、少なくとも30MGOeの最大エネルギー積を有し、複数の離散した永久磁石が、少なくとも1つの環状支持アセンブリにおいて対称的に離間された18個の離散した永久磁石を含み、複数の離散した永久磁石がそれぞれ、幅約0.7インチ×深さ約0.7インチ×長さ約1.5インチであり、環状支持アセンブリが、アルミニウム材料から形成され、磁場発生器が、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられた少なくとも1つの電磁石を含み、少なくとも1つの電磁石が、最大約7アンペアの電流を有するように構成され、少なくとも1つの電磁石が、可変磁場を提供するように構成され、少なくとも1つの電磁石が、オンおよびオフさせることができる磁場を提供するように構成され、磁場発生器が、別個の内側巻線および別個の外側巻線を含み、別個の内側巻線および別個の外側巻線の各磁場を個々に変化させることができ、磁場発生器が、別個の内側巻線および別個の外側巻線の各磁場の極性を交互にするように構成され、ならびに/または、少なくとも1つの環状支持アセンブリが、第1の環状支持アセンブリおよび第2の環状支持アセンブリを含み、第2の環状支持アセンブリが、第1の環状支持アセンブリの半径方向外側に配置され、第1の環状支持アセンブリの第1の磁場発生器および第2の環状支持アセンブリの第2の磁場発生器が、独立して制御されるように構成されている、ことをさらに含むことができる。
【0007】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、アルミニウム系材料で形成され、基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの環状支持アセンブリを備えることができ、少なくとも1つの環状支持アセンブリが、頂部環状プレートと、複数の開口部を有する中間環状プレートと、底部環状プレートと、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられ、基板の頂面に磁場を放射するように構成された磁場発生器とを含み、磁場発生器が、中間環状プレートの複数の開口部内に配置され、かつ頂部環状プレートおよび底部環状プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含み、複数の離散した永久磁石が、少なくとも摂氏200度の温度で磁場強度を失うことなく動作するように構成されている。
【0008】
一部の実施形態では、本装置は、複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つが、少なくとも30MGOeの最大エネルギー積を有するサマリウムコバルト材料で形成され、および/または複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つが、ガス放出を防止するように個々に構成されている、ことをさらに含んでもよい。
【0009】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、アルミニウム系材料で形成され、基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの環状支持アセンブリと、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられ、基板の頂面に磁場を放射するように構成された磁場発生器と、を備えることができ、磁場発生器が、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられた少なくとも1つの電磁石を含み、少なくとも1つの電磁石が、可変磁場を提供するように構成されている。
【0010】
一部の実施形態では、本装置は、磁場発生器が、互いに水平に隣接する別個の内側巻線および別個の外側巻線を含み、別個の内側巻線および別個の外側巻線の各磁場を個々に変化させることができ、ならびに/または少なくとも1つの環状支持アセンブリが、第1の環状支持アセンブリおよび第2の環状支持アセンブリを含み、第2の環状支持アセンブリが、半径方向外向きに配置されている、ことをさらに含むことができる。
【0011】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの環状支持アセンブリと、基板の頂面に磁場を放射するように構成され、プラズマ気相堆積プロセス中に基板に衝突するイオンの入射角に影響を与えるように構成された、少なくとも1つの環状支持アセンブリに取り付けられた磁場発生器とを含む。少なくとも1つの環状支持アセンブリは、頂部環状プレートと、複数の開口部を有する中間環状プレートと、底部環状プレートとを含む。磁場発生器は、中間環状プレートの複数の開口部内に配置され、かつ頂部環状プレートおよび底部環状プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含む。複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つの離散した永久磁石は、長手方向軸に沿って頂部環状プレートと底部環状プレートとの間で長手方向に延在する。
【0012】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの円弧状支持アセンブリと、基板の頂面に磁場を放射するように構成され、プラズマ気相堆積プロセス中に基板に衝突するイオンの入射角に影響を与えるように構成された、少なくとも1つの円弧状支持アセンブリに取り付けられた磁場発生器とを含む。少なくとも1つの円弧状支持アセンブリは、頂部円弧状プレートと、複数の開口部を有する中間円弧状プレートと、底部円弧状プレートとを含む。磁場発生器は、中間円弧状プレートの複数の開口部内に配置され、かつ頂部円弧状プレートおよび底部円弧状プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含む。
【0013】
一部の実施形態では、基板上へのイオン軌道に影響を与えるための装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルに外部から取り付けられ、その下に配置されるように構成された少なくとも1つの支持アセンブリと、基板の頂面に磁場を放射するように構成され、プラズマ気相堆積プロセス中に基板に衝突するイオンの入射角に影響を与えるように構成された、少なくとも1つの支持アセンブリに取り付けられた磁場発生器とを含む。支持アセンブリは、頂部プレートと、複数の開口部を有する中間プレートと、底部プレートとを含む。磁場発生器は、中間プレートの複数の開口部内に配置され、かつ頂部プレートおよび底部プレートによって所定の位置に保持された複数の離散した永久磁石を含む。複数の離散した永久磁石のうちの少なくとも1つの離散した永久磁石は、頂部プレートと底部プレートとの間に延在する長手方向軸に沿って、頂部プレートと底部プレートとの間で長手方向に延在する。
【0014】
他のさらなる実施形態が以下に開示される。
【0015】
上記で簡単に要約され、以下でより詳細に説明される本原理の実施形態は、添付の図面に示される原理の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付の図面は、本原理の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本原理が他の等しく効果的な実施形態を受け入れることができるため、範囲を限定していると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本原理の一部の実施形態によるプロセスチャンバの断面図である。
【
図2】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図3】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図4】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリの斜視図である。
【
図5】本原理の一部の実施形態による永久磁石を有する環状支持アセンブリの一部分の斜視図である。
【
図6】本原理の一部の実施形態による永久磁石を有する環状支持アセンブリの断面図である。
【
図7】本原理の一部の実施形態による永久磁石の斜視図である。
【
図8】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する電磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図9】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する電磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図10】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する複数の電磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図11】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する複数の電磁石を有する環状支持アセンブリを有する基板支持ペデスタルの断面図である。
【
図12】本原理の一部の実施形態による磁場発生器を形成する複数の電磁石の上面図である。
【
図13】本原理の一部の実施形態による、冷却管を有する磁場発生器を形成する複数の電磁石の一部分の斜視図である。
【
図14】本原理の一部の実施形態による基板の断面図および上面図である。
【
図15】本原理の一部の実施形態による、イオン軌道に対する磁場の影響のグラフである。
【
図16A】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリの平面図である。
【
図16B】本原理の一部の実施形態による、
図16Aに示す環状支持アセンブリの側面図である。
【
図16C】本原理の一部の実施形態による、
図16Bの環状支持アセンブリの切断線16C-16Cに沿った断面図である。
【
図17】本原理の一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する複数の円弧状支持アセンブリの平面図である。
【
図18】本原理の一部の実施形態による、磁場強度に対する半径方向距離の影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。図面は縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなく他の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0018】
ウエハ面でのイオン捕獲は、磁場の強度と配向によって変化する。本原理の装置は、基板支持ペデスタルの下に配置された磁場発生器で構成されたハードウェアを提供し、この磁場発生器によりウエハ面において垂直方向の磁力線をより強くすることができる。一部の半導体チャンバ設計では、磁場の強度および配向は、プロセスチャンバの外部のウエハ面の上方に配置された磁石によって制御される。磁石はウエハ面の上方にあるため、磁石は、特にウエハのエッジでの垂直B場配向を確保することに限界があり、その結果、ウエハのエッジ領域においてイオン損失が生じる。本原理の装置は、ウエハレベルでの垂直B場配向の欠如に対処し、イオン損失の低減に役立つ、ウエハ面全体にわたって垂直磁力線を均一かつ強くすることができる効率的な方法を提供する。B場配向を操作することで、再スパッタリング中に、基板上の特徴に対する底部および側壁のカバレッジが向上する可能性がある。
【0019】
一部の実施形態では、本原理の装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルの下で、ウエハのエッジ領域のより近くに配置された複数の離散した永久磁石を追加して使用し、ウエハ表面での強い垂直磁場を達成する。一部の実施形態では、本原理の装置は、プロセスチャンバの真空空間内の基板支持ペデスタルの下で、ウエハのエッジ領域のより近くに配置された1つまたは複数の電磁石を追加して使用し、ウエハ表面における強い垂直磁場を達成する。一部の実施形態では、本装置は、既存のチャンバ設定に高度の費用対効果を提供し、イオンフラックスの増加によるプラズマ気相堆積(PVD)膜特性を向上させることができる。本原理の装置はまた、装置および磁場発生器のパラメータのカスタマイズにより、イオン捕捉の改善を通して、(ステップカバレッジを調整し、堆積速度を調整することによって)PVD膜特性を改善するための調整ノブを提供するという利点を有する。離散した永久磁石を使用する一部の実施形態では、本装置は、本装置が、電気的または電力的な統合を必要とせず、本装置を動作させるためにチャンバソフトウェアの変更を必要としないという点で、さらなる経済的利点を有する。本装置はまた、膜堆積品質をさらに向上させるために、本装置と共に使用されるプロセスチャンバの外部にある他の電磁石の調整可能性を高めることができる。
【0020】
図1の
図100には、本原理の装置を組み込むことができるプロセスチャンバ102が示されている。プロセスチャンバ102は、処理中に基板106を支持する表面を提供する基板支持ペデスタル104を有する。プロセスチャンバ102は、基板106が処理される処理容積108と、真空ポンプ112および処理容積108と流体接触する非処理容積110とを含む。真空ポンプ112により、処理容積108を真空引きして、処理中に真空で動作させることができる。基板支持ペデスタル104は、処理中に基板106にバイアスをかけるためのRF電源114に接続された電極116を含むことができる。プロセスチャンバ102はまた、プラズマDC電源120に電気的に接続された上部電極118を含むことができる。プロセスチャンバ102はまた、コントローラ138を含むことができる。コントローラ138は、直接制御を使用して、あるいはプロセスチャンバ102に関連付けられたコンピュータ(またはコントローラ)を制御することによって、プロセスチャンバ102の動作を制御する。
【0021】
動作において、コントローラ138は、プロセスチャンバ102の性能を最適化するために、磁場の制御、データ収集、それぞれの装置およびシステムからのフィードバックを可能にする。コントローラ138は、一般に、中央処理装置(CPU)140、メモリ142、およびサポート回路144を含む。CPU140は、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。サポート回路144は、従来通り、CPU140に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを備えることができる。本原理の装置を使用するイオン軌道調整方法などのソフトウェアルーチンは、メモリ142に記憶されており、CPU140によって実行されると、CPU140を特定目的のコンピュータ(コントローラ138)に変換することができる。ソフトウェアルーチンはまた、プロセスチャンバ102から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)によって記憶および/または実行されてもよい。
【0022】
メモリ142は、CPU140によって実行されたときに、半導体プロセスおよび装置の動作を容易にするための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ142内の命令は、堆積を適切に調整するための装置の性能パラメータを含む堆積方法などを実施するプログラムなどのプログラム製品の形態である。プログラムコードは、いくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに準拠することができる。一例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム製品として実施されてもよい。プログラム製品のプログラムは、(本明細書に記載される方法を含む)態様の機能を定義する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、情報が恒久的に記憶される書き込み不可能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意のタイプの固体不揮発性半導体メモリなどのコンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス)、および変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ内のフロッピーディスクまたはハードディスクドライブ、または任意のタイプの固体ランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、イオン軌道調整方法などの機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合、本原理の態様となる。
【0023】
マグネトロンアセンブリ122を使用して、プロセスチャンバ102内で生成されるプラズマ124を制御し、プラズマのイオン化を増大させることもできる。一部のプロセスチャンバでは、任意のコリメータ126がイオンをフィルタリングするために使用されることがあり、コリメータDC電源128に電気的に接続されている。他のプロセスチャンバは、コリメータを使用しない。第1の外部電磁石アセンブリ130は、任意のコリメータ126と共に使用され、イオン軌道に追加的に影響を与えることができる。第2の外部電磁石アセンブリ132を基板支持ペデスタル104のより近くで使用して、イオン軌道にさらに影響を与えることもできる。場合によっては、外部永久磁石アセンブリ134が、第1の外部磁石アセンブリと第2の外部電磁石アセンブリ132との間に配置されてもよい。イオン軌道に影響を与えるために使用される複数のアセンブリにもかかわらず、本発明者は、イオン軌道が基板の頂面に対して垂直(法線)よりも小さいことに起因して、基板の中心から離れた堆積厚さが典型的には基板の中心部分よりも薄くなることを観察した。本発明者は、1つまたは複数の磁場発生器136が、例えば、真空空間内などの基板支持ペデスタル104の下に配置されている場合、
図14の
図1400に示されるように、特に基板106のエッジ領域1402において、膜均一性が向上することを見出した。
【0024】
一部の実施形態では、1つまたは複数の磁場発生器136は、北極上向き構成を提供する(他の構成は、南極上向きを使用してもよい)。磁場1404(B場)は、エッジ領域1402に近い基板106に衝突し、中央領域1408にはあまり衝突しない。複数の離散した永久磁石を使用する一部の実施形態では、1つまたは複数の磁場発生器136の磁場の強度は、様々な磁気特性を有する異なる磁性材料を使用して磁場を増加または減少させること、磁性材料の体積を減少または増加させて磁場の強度をそれぞれ減少または増加させること、および/または永久磁石の数を減少または増加させて磁場の数と配置をそれぞれ減少または増加させることによって調整され得る。膜の均一性が非常に望ましいため、永久磁石を基板支持ペデスタル104の底面の周りに対称的に配置することは、堆積の均一性を高めるのに役立つ。
【0025】
一部の実施形態では、永久磁石は、少なくとも30MGOe(メガ(数百万)ガウスエルステッド)、好ましくは少なくとも32MGOeの最大エネルギー積を有する磁性材料で形成されてもよい。1つまたは複数の磁場発生器136を形成する複数の離散した永久磁石は、永久磁石を所定の位置に保持するために、環状アセンブリにおいて基板106の周囲に対称的に離間されていてもよい。一部の実施形態では、基板支持ペデスタル104の下に18個の矩形の永久磁石を使用することができる。磁性材料の体積は永久磁石の強度に影響を与えるため、一部の実施形態では、永久磁石は、約0.5インチ~約0.75インチと、高さ約1.0インチ~約2.0インチの矩形形状(
図7参照)を有することができる。一部の実施形態では、永久磁石の矩形形状は、約0.7インチ×約0.7インチ×約1.5インチであってもよい。
【0026】
1つまたは複数の電磁石を使用する一部の実施形態では、1つまたは複数の磁場発生器136の磁場の強度は、1つまたは複数の磁場発生器の1つまたは複数の電磁石の1つまたは複数の巻線に異なるレベルの電流を流すことによって調整されてもよい。一部の実施形態では、磁場をさらに制御するために、電流方向を反転されることもでき、および/または基板106の頂面の磁場をさらに制御するために、1つまたは複数の巻線が同一の電流レベルまたは異なる電流レベルで反対方向に電流を流すこともできる。生成された磁場にさらに影響を与えるために、電流の流れをオフおよびオンし、および/またはパルス化することもできる。
【0027】
図15のグラフ1500Aに示すように、基板の半径1502にわたるガウスレベルプロット1504は、(
図2に示す位置において)基板の下に磁場が生成されていない場合の基板上の第1のガウスレベル1506と、基板の下に磁場が生成されている場合の基板上の第2のガウスレベル1508とを示す。基板支持ペデスタルの下方で磁場が生成されると、基板の磁場発生器の位置より上のガウスレベルが約30~約45ガウス以上向上する。ガウスレベルの向上は、支持ペデスタルの下方の磁場発生器と基板の頂面との間の距離を決定する基板支持ペデスタルの厚さによって影響される。上述したように、離散した磁石を使用する一部の実施形態では、磁石の数、磁石材料の強度、および/または磁性材料の総体積は、パラメータを使用して適宜調整することができる。電磁石を使用する一部の実施形態では、電流の量、電流の方向、ならびに/または電磁石の隣接する巻線に対する異なる電流および方向の影響を使用して、基板の頂面に生成される磁場を調整することができる。
図3に示すように、磁場発生器を基板のエッジに向かってさらに外側に移動させる一部の実施形態では、ガウスレベルのピーク1518は、基板のエッジに向かって外側1520に移動する。磁場強度が
図2に示される位置と比較して維持される場合、磁場発生器が基板に近づくため
図3の位置でもピークガウスレベルが増加する。
【0028】
本発明者はまた、
図15のグラフ1500B(x軸1510は、基板の中心からの半径方向距離であり、y軸1512は、基板の頂面に衝突するイオンの法線と比較したデルタ角である)に示されるように、イオンの衝突の角度は、基板のエッジに向かって法線1516からさらに離れることを発見した。本装置を組み込むことによって、磁場発生器の位置の近くでの堆積中のイオンの衝突角度は、より垂直化(normalized)され(1514)、堆積均一性を増加させる。イオンの衝突角度が垂直化されるほど、より多くのイオンが基板の表面で捕捉される。衝突のイオン角度が垂直化されないほど、失われるイオンが多くなり、堆積を減少させる。B場がより強くなり、より垂直化されるにつれて、イオン軌道も、より垂直化され、基板表面でより多くのイオン捕捉されることで堆積厚さが増加することによって、堆積品質が向上する。基板支持ペデスタルの下方にある磁場発生器の位置は、所望の基板位置で最大の効果が得られるように調整することができる。
【0029】
図2は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリ136Aを有する基板支持ペデスタル104の断面
図200を示す。環状支持アセンブリ136Aは、基板支持ペデスタル104の頂面214に平行な基板支持ペデスタル104の下面212に取り付けられている。環状支持アセンブリ136Aは、ベローズ202を取り囲み、ベローズ202が収縮するにつれてベローズ202の直径218が拡大するときに基板支持ペデスタル104の適切な動作を可能にするために、ベローズ202から距離216だけ離間されている。
図4~
図7に関して以下でさらに説明するように、環状支持アセンブリ136Aは、基板支持ペデスタル104の下に磁場発生器を形成する複数の離散した永久磁石を含む。複数の離散した永久磁石の磁場は、磁場が基板106の上方のイオン軌道に影響を与えることができる前に、基板支持ペデスタル104を通って距離208を進む(例えば、
図14参照)。本発明者は、PVD堆積中に基板支持ペデスタル104を横切り、それでも基板106上のイオン軌道に影響を与えることができる磁場を提供するためには、複数の離散した永久磁石が約30、好ましくは少なくとも32の最小MGOeを有するべきであることを発見した。
【0030】
本発明者は、基板106の中央領域でPVD堆積がより厚くなることを観察しているため、磁場発生器(複数の離散した永久磁石を有する環状支持アセンブリ136A)の配置は、基板106のエッジ領域により近く、基板106の中心から半径方向外側に配置する場合に最も有益である可能性がある。一部の実施形態では、例えば、フープリフト210などのプロセスチャンバ102内の他の装置は、基板支持ペデスタル104とフープリフト210との間のクリアランスの問題に起因して、外側フランジ領域204への磁場発生器の配置を妨げることがある。このような場合、磁場発生器は、基板支持ペデスタル104の下のクリアランスを依然として維持しながら、基板106のエッジ領域付近のイオン軌道に影響を与えるように、半径方向外側に配置されてもよい。
【0031】
本発明者はまた、熱が磁場発生器内の複数の離散した永久磁石の磁場に有害な影響を与えることを観察した。永久磁石の加熱は、磁場発生器が、基板支持ペデスタル104の上方で生成されたプラズマによって加熱される基板支持ペデスタル104に取り付けられているため、伝導によって起こり得る。加熱はまた、プロセスチャンバ102内の基板平面の下方に配向された(例えば、基板106から水分を除去するために使用される)加熱ランプ(図示せず)からの放射によっても起こり得る。一部の実施形態では、熱シールド206が、加熱ランプ(図示せず)からの放射熱の影響を低減するために、環状支持アセンブリ136Aの外周を取り囲むことができる。本発明者は、複数の離散した永久磁石に使用される磁性材料が、PVD堆積中にプロセスチャンバ102内のイオン軌道に効果的に影響を与えるために、少なくとも摂氏約200度以上の温度に対して強い磁場を維持すべきであることを見出した。一部の実施形態では、サマリウムコバルト系材料は摂氏200度を超える動作温度範囲を有すると同時に30MGOeを超える強い磁場を生成するため、磁性材料は、サマリウムコバルト系材料である。
【0032】
図3は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石を有する環状支持アセンブリ136Bを有する基板支持ペデスタル104の断面
図300を示す。基板支持ペデスタル104の下方に他の装置との干渉が存在しないプロセスチャンバ102では、磁場発生器をさらに半径方向外側に、例えば外側フランジ領域204に配置して、基板106のエッジ領域におけるイオン軌道により効果的に影響を与えることができる。磁場発生器を外側フランジ領域204に配置することの別の利点は、本例では、基板表面までの距離304が
図2の位置の距離208よりもはるかに小さいため、磁場が増加し、同様の磁場強度に対してイオン軌道への影響力が増加することである。環状支持アセンブリ136Bは、基板支持ペデスタル104からの熱伝導を低減するために、基板支持ペデスタルの側壁308から距離306だけ離間されている。
【0033】
一部の実施形態では、環状支持アセンブリ136Bは、基板106のエッジ領域における堆積を促進するために、可能な限り半径方向外側に配置されてもよい。
図2に関して上述したように、プロセスチャンバ102が環状支持アセンブリ136Bの近傍に熱放射源を有する場合、環状支持アセンブリ136Bの外周を取り囲む熱シールド302を使用して、環状支持アセンブリ136B内の複数の離散した永久磁石に対する放射熱の影響を低減することができる。(図示されるような)一部の実施形態では、熱シールド302は、放射熱から離散した永久磁石を遮蔽するのをさらに助けるために、プロセスチャンバ102内の環状支持アセンブリ136Bの下方に位置し、かつわずかに下に位置する部分的な下部フランジを含むことができる。当業者であれば理解することができるように、環状支持アセンブリ136Aと環状支持アセンブリ136Bとの組合せが、プロセスチャンバ102の基板支持ペデスタル104上に組み込まれてもよく、これにより、磁場およびイオン軌道のより高度の制御が提供され、基板106上の堆積にさらに影響を与えることができる。
【0034】
図4は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する永久磁石402を有する環状支持アセンブリ400の斜視図を示す。一部の実施形態では、環状支持アセンブリ400の内径404は、基板支持ペデスタル104の適切な動作を可能にするために、基板支持ペデスタル104のベローズ202の外径よりも大きい。一部の実施形態では、環状支持アセンブリ400の内径404は、基板支持ペデスタル104の外側フランジ領域204の側壁308よりも大きい。一部の実施形態では、環状支持アセンブリ400の外径406は、永久磁石402の奥行きに適応するために、内径404よりも約3インチ~約4インチ大きくてもよい。環状支持アセンブリ400の周りに永久磁石402を対称的に分布させて、基板106上に対称的な磁場を生成する。
図4の環状支持アセンブリ400は一実施形態であり、当業者であれば、他の環状支持アセンブリが複数の離散した永久磁石を異なるやり方で保持しても、その環状支持アセンブリが依然として本原理の磁場発生器として動作することを理解するであろう。
【0035】
一部の実施形態では、環状支持アセンブリ400は、平坦であって、複数の離散した永久磁石が載置することができる支持面420を提供する、第1の環状リング412(例えば、底部環状プレート)を有する。支持面420はまた、各個々の永久磁石を所定の位置に保持する凹部(後述する)を有してもよい。第1の環状リング412は、6061アルミニウムなどから形成されてもよい。第2の環状リング410(例えば、中間環状プレート)は平坦であり、複数の永久磁石を配置することができる複数の開口部を有する。第2の環状リング410は、永久磁石にさらなる安定性を与え、永久磁石が環状支持アセンブリ400内で移動するのを防止する。一部の実施形態では、第2の環状リング410は任意である。第3の環状リング408(例えば、頂部環状プレート)は平坦であり、複数の永久磁石の頂部を保持するために使用される。一部の実施形態では、第3の環状リング408は、5052アルミニウム材料で形成されてもよい。一部の実施形態では、側部支持体414は、第3の環状リング408とは別個に形成されてもよく、または第3の環状リング408の一部として形成され、第1の環状リング412、第2の環状リング410、および第3の環状リング408に垂直方向の支持を提供するために下方に曲げられてもよい。第1の環状リング412は、例えば、限定はしないが、側部支持体414の開口部416を貫通して第1の環状リング412の側部および第2の環状リング410の側部に入るねじまたはボルトなどの締め具418を介して側部支持体414によって保持されてもよい。
【0036】
一部の実施形態(図示せず)では、側部支持体414の追加の開口部は、締め具418が第3の環状リング408を支持することを可能にする。図示する例では、第3の環状リング408および側部支持体414は、単一の材料シートから形成されている。アクセス孔422を第1の環状リング412および第2の環状リング410に設けて、締結工具が締め具(図示せず)を1つまたは複数の取付け孔426に挿入して、環状支持アセンブリ400を基板支持ペデスタル104の下面に取り付けることができるようにしてもよい。アクセス孔422は、締め具がアクセス孔422を完全に通過して1つまたは複数の取付け孔に入ることができるように、1つまたは複数の取付け孔426よりも直径が大きい。1つまたは複数の取付け孔426は、環状支持アセンブリ400を基板支持ペデスタル104の下面に保持することができるように、締め具の頭部よりも小さい直径を有する。
【0037】
一部の実施形態では、基板支持ペデスタル104から環状支持アセンブリ400へ、そして永久磁石402への伝導性熱伝達を低減するために、断熱材424を使用することができる。断熱材424は、第3の環状リング408の頂面と基板支持ペデスタル104の底面との間に取り付けられた1つまたは複数の絶縁パッド(図示)を含むことができる。断熱材424は、基板支持ペデスタル104と環状支持アセンブリとの間に熱遮断を提供する。断熱材424はまた、第3の環状リング408の頂面と基板支持ペデスタル104の底面との間に配置された単層の熱絶縁材料(図示せず)であってもよい。一部の実施形態では、断熱材424は、セラミック材料または他の熱障壁材料から形成されてもよい。断熱材424の形状は、円形(図示)、矩形、および/または環状など、様々であってもよい。断熱材424は、永久磁石を含む環状支持アセンブリと共に示されているが、電磁石(後述)を含む環状支持アセンブリと共に使用されてもよい。
【0038】
図5は、一部の実施形態による永久磁石402を有する環状支持アセンブリ400の一部分500の斜視図を示す。一部の実施形態では、締め具418は、開口部416を通って、第1の環状リング412および第2の環状リング410のねじ孔504に突出する、締め付け部分502を有する。締め具418の頭部506は、側部支持体414を第1の環状リング412および第2の環状リング410に保持する。
図6は、一部の実施形態による、永久磁石402を有する環状支持アセンブリ600の断面図を示す。一部の実施形態では、第1の環状リング412の凹部602は、異なる永久磁石寸法に対してある程度の公差を提供するように、大きめに作られていてもよい。同様に、第2の環状リング410内の開口部604も、異なる永久磁石寸法に対してある程度の公差を提供するように、大きめに作られていてもよい。一部の実施形態では、凹部602および/または開口部604は、永久磁石の指定サイズまたは設計サイズと比較して、すべての寸法において約0.010インチだけ大きめに作られていてもよい。大きめに作ることによって、追加の機械加工または高価な高公差材料もしくは部品を必要とすることなく永久磁石の寸法のばらつきを考慮することができる。
【0039】
図7は、一部の実施形態による永久磁石402の斜視
図700を示す。上述したように、磁性材料の体積は永久磁石の強度に影響を与える。一部の実施形態では、永久磁石402は、幅704および奥行き706が約0.5インチ~約0.75インチ、高さ702が約1.0インチ~約2.0インチの矩形形状を有することができる。一部の実施形態では、永久磁石の矩形形状は、幅704が約0.7インチ×奥行き706が約0.7インチ×高さ702が約1.5インチであってもよい。本発明者は、永久磁石402がプロセスチャンバ内で処理に供されたときに、永久磁石402がガスを放出し、チャンババックグラウンド圧力の上昇およびプロセスチャンバ内の不純物の原因となることを観察した。磁性材料は、典型的には、1つまたは複数の材料を一緒に焼結することによって形成され、これにより、材料内に間隙または空間が残り、熱に曝されると、焼結された材料のガス放出が生じる。
【0040】
永久磁石402の磁性材料のガス放出を排除または低減するために、永久磁石402は、永久磁石402を包み込むための任意の封入材料708を有してもよい。任意の封入材料708は、磁石材料によって生成されるあらゆるガスに対して不透過性であり、少なくとも摂氏約200度の温度に耐えることができるべきである。一部の実施形態では、任意の封入材料708は、約0.010インチ厚~約0.100インチ厚の厚さ710を有してもよい。一部の実施形態では、任意の封入材料708は、永久磁石402が配置される構造を形成する非ガス放出性材料であってもよく、および/または永久磁石402の外面上に直接塗布されるコーティング(例えば、非ガス放出性のスプレーまたは塗装コーティングなど)であってもよい。一部の実施形態では、任意の封入材料708は、永久磁石402の外面に(例えば、非ガス放出性接着剤などを介して)巻き付けられた、または塗布された非ガス放出性材料のラッピングであってもよい。一部の実施形態では、任意の封入材料708は、めっきプロセスによって形成された非鉄めっきであってもよい。
【0041】
図16Aおよび
図16Bは、それぞれ、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する複数の離散した永久磁石1602を有する環状支持アセンブリ1600を示す平面図および側面図である。環状支持アセンブリ1600は、以下の説明から明らかになるように、多くの関連する点で支持アセンブリ400と同様に構成される。
【0042】
図16Aおよび
図16Bに示される実施形態では、環状支持アセンブリ1600は、複数の9つの永久磁石1602を支持するが、より多いまたはより少ない永久磁石1602が含まれていてもよい。実施形態では、永久磁石1602の構造は、上述の永久磁石402と同じであってもよい。永久磁石1602は、互いに円周方向に離間されている。
図16Cに示されるように、環状支持アセンブリ1600は、永久磁石1602のうちの1つまたは複数が、垂直軸Bに平行ではない長手方向軸Aに沿って延在するように、永久磁石1602を支持する。
【0043】
一部の実施形態では、環状支持アセンブリ1600の内径1604(
図16B)は、基板支持ペデスタル104の適切な動作を可能にするために、基板支持ペデスタル104のベローズ202の外径よりも大きい。一部の実施形態では、環状支持アセンブリ1600の内径1604は、基板支持ペデスタル104の外側フランジ領域204の側壁308よりも大きい。一部の実施形態では、環状支持アセンブリ1600の外径1606(
図16B)は、永久磁石1602の奥行きに適応するために、内径1604よりも約3インチ~約4インチ大きくてもよい。実施形態では、環状支持アセンブリ1600の周りに永久磁石1602を対称的に分布させて、基板106上に対称的な磁場を生成することができる。
【0044】
図16Aおよび
図16Cを参照すると、一部の実施形態では、環状支持アセンブリ1600は、第1の環状リング1612(底部環状プレートと区別なく呼ばれることもある)を有し、各個々の永久磁石1602を受け入れて所定の位置に保持する凹部1621を有する支持面1620を含む。第1の環状リング1612は、6061アルミニウムなどから形成されてもよい。第2の環状リング1610(中間環状プレートと区別なく呼ばれることもある)は平坦であり、複数の永久磁石1602を配置することができる複数の開口部1611(
図16C)を有する。第2の環状リング1610は、永久磁石1602にさらなる安定性を与え、永久磁石1602が環状支持アセンブリ1600内で移動するのを防止する。一部の実施形態では、第2の環状リング1610は任意である。第3の環状リング1608(頂部環状プレートと区別なく呼ばれることもある)は平坦であり、複数の永久磁石1602の頂部を保持するために使用される。第3の環状リング1608は、各個々の永久磁石1602を受け入れて所定の位置に保持する凹部1613を有する支持面1609を含む。一部の実施形態では、第3の環状リング1608は、5052アルミニウム材料で形成されてもよい。
【0045】
また、
図16Aおよび
図16Cを参照すると、一部の実施形態では、任意のシールド1614が、永久磁石1602の半径方向外側を取り囲んでもよい。シールド1614は、永久磁石1602に熱および/または放射線遮蔽を提供するように構成されてもよい。シールド1614は、中実壁の円筒形部材であってもよい。シールド1614は、ステンレス鋼などの金属から、またはセラミック材料から形成することができる。シールド1614は、第1の環状リング1612、第2の環状リング1610、および第3の環状リング1608とは別個に形成されてもよい。例えば、シールド1614は、別個に形成され、シールド1614が第3の環状リング1608から吊り下げられるように、ねじまたはボルトなどの締め具で第3の環状リング1608の下面(例えば、支持面1609)に接続されてもよい。あるいは、実施形態では、シールド1614は、第1の環状リング1612、第2の環状リング1610、または第3の環状リング1608のうちの1つまたは複数の一部として形成されてもよい。
【0046】
図16Bを参照すると、一部の実施形態では、第3の環状リング1608は、環状支持アセンブリ1600を基板支持ペデスタル104に取り付けるための貫通孔1626を有する。貫通孔1626は、基板支持ペデスタル104の下面の孔に接続するために、ねじまたはボルトなどの締め具の通路を可能にするように構成されている。
【0047】
図16Cを参照すると、実施形態では、凹部1621および1613は、長手方向軸Aが垂直軸Bに対してゼロ以外の角度θで延在するように、それぞれの永久磁石1602を保持するために、L字形の90度のプロファイルを有してもよい。実施形態では、角度θは、凹部1621と1613との間の半径方向オフセット距離1615に依存する。例えば、
図16Cに示されるように、凹部1621の頂点1621aの半径方向位置は、垂直軸B(頂点1621aを通って延在する)と垂直軸C(頂点1613aを通って延在する)との間で測定されるオフセット距離1615だけ、凹部1613の頂点1613aの半径方向位置から半径方向にオフセットされている。したがって、永久磁石1602が開口部1611を通って延在し、凹部1621および1613によって保持されるとき、永久磁石1602の長手方向軸Aは、垂直軸Bに対してゼロ以外の角度θで延在する。実施形態では、角度θは、長手方向軸Aが垂直軸Bと平行ではないように、0(しかし、0と等しくなくてもよい)~180度であってもよい。したがって、例えば、
図16Cに示されるような実施形態では、角度θは、約30度であってもよく、永久磁石1602の上端1602aを永久磁石1602の下端1602bの半径方向内側に配置してもよい。
【0048】
一部の実施形態では、凹部1621および1613のいずれか一方または両方は、永久磁石1602の異なる寸法に対してある程度の公差を提供するように、大きめに作られていてもよい。同様に、第2の環状リング1610の開口部1611も、永久磁石1602の異なる寸法に対してある程度の公差を提供するように、大きめに作られていてもよい。一部の実施形態では、凹部1621、1613、および開口部1611のうちのいずれかは、永久磁石1602の指定サイズまたは設計サイズと比較して、すべての寸法が大きめに作られていてもよい。大きめに作ることによって、追加の機械加工または高価な高公差材料もしくは部品を必要とすることなく永久磁石1602の寸法のばらつきを吸収することができる。
【0049】
実施形態において、角度θは、複数の永久磁石1602の各永久磁石1602に対して同じであっても異なっていてもよい。例えば、実施形態では、角度θは、基板106の頂面に所望の磁場を達成するために、永久磁石1602間で変化させることができる。例えば、実施形態では、一対の凹部1621と1613との間のオフセット距離1615は、環状支持アセンブリ1600の周りで円周方向に変化することができる。また、実施形態において、角度θは、基板106の頂面に所望の磁場を達成するために、複数の永久磁石1602のうちの1つまたは複数の永久磁石1602に対して手動でまたは自動で調整可能であってもよい。このような調整は、処理容積108内の磁場の不均一性を補償するのに有用である場合がある。実施形態では、各永久磁石1602の角度θは、永久磁石1602の配向を調整するように構成された1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)によって調整されてもよい。実施形態では、このようなアクチュエータは、制御システム(図示せず)に通信可能に結合されて、永久磁石1602の配向を手動または自動で制御することができる。実施形態では、このような制御システムは、基板の頂面上の磁場強度の測定値を入力として受信するように構成されてもよく、基板の頂面上の所望の磁場強度を達成するために、このような測定値に応答して永久磁石1602のうちの1つまたは複数の角度θを動的に調整するように構成されてもよい。
【0050】
実施形態では、
図17に示すように、別個の円弧状支持アセンブリ1700を、例えば環状支持アセンブリ1600の円弧状セグメントとして形成することができる。したがって、
図17により詳細に示すように、各円弧状支持アセンブリ1700は、第1の環状リング(底部環状プレート)1612の円弧状セグメントであってもよい底部円弧状プレート1712と、第2の環状リング(中間環状プレート)1610の円弧状セグメントであってもよい中間円弧状プレート1710と、第3の環状リング(頂部環状プレート)1608の円弧状セグメントであってもよい頂部円弧状プレート1708とを有することができる。各円弧状支持アセンブリ1700は、1つまたは複数の離散した永久磁石1702を支持し、これらの永久磁石は、一部の実施形態では、上述の永久磁石1602または402と同じであってもよい。
【0051】
実施形態では、頂部円弧状プレート1708は、基板支持ペデスタル104の下面に形成された嵌合孔に接続するための締め具(例えば、ねじまたはボルト)の通路を可能にする貫通孔1726を有することができる。したがって、各円弧状支持アセンブリ1700は、基板支持ペデスタル104またはベローズ202を分解する必要なしに、基板支持ペデスタル104に独立して接続され、基板支持ペデスタル104から独立して切り離され得る。したがって、円弧状支持アセンブリ1700は、基板支持ペデスタル104への磁場発生器の接続および切断を容易にし、簡略化することができる。
【0052】
図17の実施形態では、2つの円弧状支持アセンブリ1700が環状アセンブリとして配置されて示されているが、他の実施形態では、3つ以上の円弧状支持アセンブリ1700が環状アセンブリを形成するように配置されてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の円弧状支持アセンブリ1700は、完全な円形または環状のアセンブリを形成することなく、基板支持ペデスタル104に接続され、使用されてもよい。このような構成は、処理容積108内の磁場の不均一性を考慮するのに有用な場合がある。さらに、一部の実施形態では、複数の円弧状支持アセンブリ1700の各円弧状支持アセンブリ1700は、同じ円弧長を有してもよい。
図17に示されるものなど、一部の実施形態では、少なくとも2つの支持アセンブリ1700は、等しくない円弧長を有してもよい。
【0053】
一部の実施形態では、少なくとも1つの円弧状支持アセンブリ1700は、永久磁石1702の半径方向外側を取り囲む任意のシールドを含むことができる。例えば、任意のシールドは、上述したシールド1614(
図16Aおよび
図16C)の円弧状セグメントであってもよく、同じ材料で形成されてもよい。
図18のグラフに示すように、基板の半径1802にわたるガウスレベルプロット1804は、(
図2に示す位置において)基板の下に磁場が生成されていない場合の基板上の第1のガウスレベル1806と、基板の下に磁場が生成されている場合の基板上の第2のガウスレベル1808とを示す。第2のガウスレベル1808では、垂直軸と平行に延在する長手方向軸を有する9つの離散した永久磁石によって磁場が生成された。ガウスレベルプロット1804はまた、基板の下方の磁場生成(
図2に示されるような位置における)が垂直軸Bとゼロ以外の角度θ(
図16C)で延在する長手方向軸を有する9つの離散した永久磁石によって生成された場合の基板上の第3のガウスレベル1810を示す。具体的には、テストされたゼロ以外の角度は、約30度である。基板支持ペデスタルの下方の磁場生成により、基板の磁場発生器の位置より上方のガウスレベルが向上する。さらに、永久磁石をゼロ以外の角度θで配向する(
図16C)ことによって、第2のガウスレベル1808を上回るガウスレベルの増加が得られている。
【0054】
図8は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する電磁石を有する環状支持アセンブリ836Aを有する基板支持ペデスタル104の断面
図800を示す。電磁石の巻線は、ベローズ202の周りの方向に水平に巻かれている。環状支持アセンブリ836Aは、基板支持ペデスタル104の下に配置され、それに外部から取り付けられている。環状支持アセンブリ836Aの電磁石は、基板106の上方に磁場を生成してイオン軌道および堆積特性に影響を与える磁場発生器を基板支持ペデスタル104の下に形成している。
図9は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する電磁石を有する基板支持ペデスタル104の環状支持アセンブリ836Bの断面
図900を示す。電磁石の巻線は、基板支持ペデスタル104の外周の周りの方向に水平に巻かれている。環状支持アセンブリ836Bは、外側フランジ領域204の下に配置され、それに外部から取り付けられている。環状支持アセンブリ836Bは、基板106の上方に磁場を生成してイオン軌道および堆積特性に影響を与える磁場発生器を基板支持ペデスタル104の下に形成している。当業者であれば理解することができるように、環状支持アセンブリ836Aと環状支持アセンブリ836Bとの組合せをプロセスチャンバ102の基板支持ペデスタル104上に組み込んで、基板106上の堆積に影響を与える磁場およびイオン軌道のより高度の制御を提供することができる。
【0055】
図10は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する複数の電磁石836A1、836A2を有する環状支持アセンブリ836Aを有する基板支持ペデスタル104の断面
図1000を示す。複数の電磁石836A1、836A2の巻線は、ベローズ202の周りの方向に水平に巻かれている。複数の電磁石836A1、836A2は、環状支持アセンブリ836を介して基板支持ペデスタル104の下に配置され、それに外部から取り付けられている。環状支持アセンブリ836Aおよび複数の電磁石836A1、836A2は、基板106の上方に磁場を生成してイオン軌道および堆積特性に影響を与える磁場発生器を基板支持ペデスタル104の下に形成している。磁場発生器において複数の電磁石を使用することによって、各電磁石に流れる電流の量だけでなく、各電磁石に流れる電流の方向および電流が流れるか否かを操作することによって、より高度の制御が達成される。
【0056】
図11は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する複数の電磁石836B1、836B2を有する環状支持アセンブリ836Bを有する基板支持ペデスタル104の断面
図1100を示す。複数の電磁石836B1、836B2の巻線は、基板支持ペデスタル104の外周の周りの方向に水平に巻かれている。複数の電磁石836B1、836B2は、環状支持アセンブリ836Bを介して外側フランジ領域204の下に配置され、それに外部から取り付けられている。環状支持アセンブリ836Bおよび複数の電磁石836B1、836B2は、基板106の上方に磁場を生成してイオン軌道および堆積特性に影響を与える磁場発生器を基板支持ペデスタル104の下に形成する。磁場発生器において複数の電磁石を使用することによって、各電磁石に流れる電流の量だけでなく、各電磁石に流れる電流の方向および電流が流れるかどうかを操作することによって、より高度の制御が達成される。当業者であれば理解できるように、環状支持アセンブリ836A内の複数の電磁石836A1、836A2と、環状支持アセンブリ836B内の複数の電磁石836B1、836B2との組合せを、プロセスチャンバ102の基板支持ペデスタル104上に組み込んで、基板106上の堆積に影響を与える磁場およびイオン軌道のさらに高度の制御を提供することができる。
【0057】
図12は、一部の実施形態による、磁場発生器を形成する環状支持アセンブリからの第1の電磁石1208Cおよび第2の電磁石1208Dの上面
図1200を示す。複数の電磁石は、
図10および/または
図11に描写されるように配置されてもよい。第1の電磁石1208Cは、一端が第1の電源1202に接続され、他端が電気接続部1212を介して第1の電源1202に接続された少なくとも1つの巻線を有する。第2の電磁石1208Dは、一端が第2の電源1204に接続され、他端が電気接続部1214を介して第2の電源1204に接続された少なくとも1つの巻線を有する。一部の実施形態では、第1の電源1202および第2の電源1204は、同じおよび/または異なる電流を第1の電磁石1208Cおよび第2の電磁石1208Dに供給するための複数の接続部を有する単一の電源であってもよい。一部の実施形態では、第1の電源1202および第2の電源1204は、プロセスチャンバ102のコントローラ138に接続され、それによって制御されてもよい。コントローラ138は、第1の電源1202および第2の電源1204の電流レベルおよび/または電流方向を個別におよび/または一体的に調整して、プロセス方策に基づいて、または特定のタイプのチャンバの調整などに基づいて生成される磁場を変更することができる。コントローラ138はまた、第1の電磁石1208Cおよび第2の電磁石1208Dに供給される電力を個々にまたは一体的にオンまたはオフにして、生成される磁場をさらに制御することができる。コントローラ138はまた、第1の電磁石1208Cおよび第2の電磁石1208Dに供給される電力を個別にまたは一体的にパルスして、生成される磁場をさらに制御することができる。
【0058】
一部の実施形態では、第1の電磁石1208Cは、第1の電磁石1208Cと第2の電磁石1208Dとの間に空間が形成され、間に少なくとも1つの任意の冷却管1210を挿入することができるように、第2の電磁石1208Dの半径方向外側に配置されてもよい。少なくとも1つの任意の冷却管1210が任意の熱交換器1206に流体接続される。少なくとも1つの任意の冷却管1210は、第1の電磁石1208Cおよび第2の電磁石1208Dの動作温度を維持して、基板106上へのイオン軌道に影響を与えるための最適な磁場生成を提供する。
図13は、一部の実施形態による、冷却管1304を有する磁場発生器を形成する複数の電磁石1302の一部分1300の斜視図を示す。冷却管1304は、複数の電磁石1302の巻線から冷却管1304内を流れる冷却流体への熱伝達を可能にするために、複数の電磁石1302の間に配置される。一部の実施形態では、伝熱材料(図示せず)を使用して、冷却管1304と巻線との間の任意の間隙を充填し、巻線と冷却管1304との間により強い伝熱経路を形成することができる。
【0059】
本原理による実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実施されてもよい。実施形態はまた、1つまたは複数のプロセッサによって読み取られ、実行され得る、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を使用して記憶された命令として実施されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングプラットフォーム、または1つまたは複数のコンピューティングプラットフォーム上で動作する「仮想機械」)によって読み取り可能な形態で情報を記憶または伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切な形態の揮発性または不揮発性メモリを含むことができる。一部の実施形態では、コンピュータ可読媒体は、非一過性コンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0060】
上記は本原理の実施形態を対象としているが、本原理の基本的な範囲から逸脱することなく、本原理の他の実施形態およびさらなる実施形態を考案することができる。
【国際調査報告】