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特表2024-537771エッジ容量結合プラズマチャンバ構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】エッジ容量結合プラズマチャンバ構造
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241008BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241008BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241008BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519254
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-28
(86)【国際出願番号】 US2022045090
(87)【国際公開番号】W WO2023055836
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/250,094
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マラクタノフ・アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・ビング
(72)【発明者】
【氏名】ルケーシー・ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ホランド・ジョン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084FF04
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB23
5F004CA03
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EH12
(57)【要約】
【解決手段】容量結合プラズマ(CCP)チャンバのための外側上部電極が、提供される。外側上部電極は、CCPチャンバの上部電極を囲むように構成される。外側上部電極は、水平セクションと垂直セクションとを含む。垂直セクションは、CCPチャンバの下部電極に面する上部電極の表面に実質的に直角である。垂直セクションは、プロセス空間に面し、プロセス空間を囲む、内面を有する。外側上部電極は、RF源、DC源により電力供給されるか、またはフィルタに結合され得る。外側上部電極は、電力供給されるとき、高電圧RFまたはDCシースにおいて加速される、上部電極および下部電極に対して横方向の、ならびに垂直セクションの内面に対して垂直の、2次電子を生成するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
下部電極と、
上部電極と、
前記上部電極を囲むように配置された外側上部電極であって、前記外側上部電極が、水平セクションと垂直セクションとを含み、前記垂直セクションが、前記下部電極に面するように配置された前記上部電極の表面に実質的に直角である、外側上部電極と、
前記上部電極と、前記下部電極と、の間のプロセス空間を囲むように配置されたシュラウドと、
を備え、
前記垂直セクションが、前記プロセス空間に面し、前記プロセス空間を囲む、内面を有する、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、前記水平セクションが、L字形を形成するように前記垂直セクションと一体である、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記シュラウドが、下部水平セクションと、側部垂直セクションと、上部水平セクションと、を有し、前記下部水平セクションが、複数のスロットを含む、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項4】
請求項3に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記外側上部電極の前記垂直セクションが、前記水平セクションから下方に延び、前記垂直セクションの下端が、前記シュラウドの前記下部水平セクションからギャップによって離間される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項5】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記外側上部電極の前記水平セクションに結合されたコネクタリングであって、前記コネクタリングが、前記水平セクションに電気的に取り付けられ、複数の電力ロッドのための接続を提供し、前記複数の電力ロッドが、RF電源、またはDC電源、または接地のうちの1つに結合される、コネクタリング
をさらに備える、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項6】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記外側上部電極が、RF電源、またはDC電源、または接地のうちの1つに電気的に接続され、前記下部電極が、前記RF電源に接続され、前記上部電極が、接地に接続される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項7】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記垂直セクションが、複数のスロットを含む、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項8】
請求項1に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記外側上部電極の前記水平セクションが、複数のロッドに接続され、前記複数のロッドの各々が、前記外側上部電極への接続接続ノードを提供するために電気的に結合される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項9】
請求項8に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記接続ノードが、フィルタ、DC電力供給、RF電力供給、またはフィルタおよびDC電力供給、または可変インピーダンス回路に結合される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項10】
請求項8に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記接続ノードが、直流(DC)電圧源に結合された並列キャパシタとインダクタとを含むフィルタに接続される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項11】
請求項8に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記接続ノードが、直列可変キャパシタと直列インダクタとを含むフィルタに接続される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項12】
請求項8に記載の容量結合プラズマ(CCP)チャンバであって、
前記接続ノードが、スレーブRF源に結合され、前記下部電極が、マスタRF源に結合され、前記マスタRF源および前記スレーブRF源が、周波数ロックおよび位相制御される、容量結合プラズマ(CCP)チャンバ。
【請求項13】
容量結合プラズマ(CCP)チャンバのための外側上部電極であって、
前記外側上部電極が、前記CCPチャンバの上部電極を囲むように構成され、前記外側上部電極が、水平セクションと垂直セクションとを含み、前記垂直セクションが、前記CCPチャンバの下部電極に面する前記上部電極の表面に実質的に直角であり、を備え、
前記垂直セクションが、プロセス空間に面し、前記プロセス空間を囲む、内面を有する、
外側上部電極。
【請求項14】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記水平セクションが、L字形を形成するように前記垂直セクションと一体である、外側上部電極。
【請求項15】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記垂直セクションが、前記水平セクションから下方に延び、前記垂直セクションの下端が、下面からギャップによって離間される、外側上部電極。
【請求項16】
請求項15に記載の外側上部電極であって、
Cシュラウドが、前記CCPチャンバの、前記上部電極と、前記下部電極と、の間のプロセス空間を囲むように構成され、前記下面が、前記Cシュラウドの下部水平セクションの一部であり、前記Cシュラウドの前記下部水平セクションが、複数のスロットを含む、外側上部電極。
【請求項17】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記外側上部電極の前記水平セクションに結合されたコネクタリングであって、前記コネクタリングが、前記外側上部電極に電気的に取り付けられ、複数の電力ロッドのための接続を提供し、前記複数の電力ロッドが、RF電源、またはDC電源、または接地のうちの1つに接続する接続ノードに電気的に結合される、コネクタリング
をさらに備える、外側上部電極。
【請求項18】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記垂直セクションが、複数のスロットを含む、外側上部電極。
【請求項19】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記外側上部電極の前記水平セクションが、複数のロッドに接続され、前記複数のロッドの各々が、前記外側上部電極への接続ノードを提供するために電気的に結合され、
前記接続ノードが、フィルタ、DC電力供給、RF電力供給、またはフィルタおよびDC電力供給、または可変インピーダンス回路に結合される、あるいは、
前記接続ノードが、直流(DC)電圧源に結合された並列キャパシタとインダクタとを含むフィルタに接続される、あるいは、
前記接続ノードが、直列可変キャパシタと直列インダクタとを含むフィルタに接続される、
外側上部電極。
【請求項20】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記外側上部電極が、複数の電力ロッドに接続され、前記複数の電力ロッドが、スレーブRF源に結合された接続ノードに電気的に結合され、前記下部電極が、マスタRF源に結合され、前記マスタRF源および前記スレーブRF源が、周波数ロックおよび位相制御される、外側上部電極。
【請求項21】
請求項13に記載の外側上部電極であって、
前記外側上部電極が、複数の電力ロッドに接続され、前記複数の電力ロッドが、スレーブRF源に結合された接続ノードに電気的に結合され、前記下部電極が、マスタRF源に結合され、前記スレーブRF源の第2の周波数が、前記マスタRF源の第1の周波数の高調波であり、前記第2の周波数の第2の位相が、前記第1の周波数の第1の位相に位相ロックされる、外側上部電極。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイス作製に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマエッチングプロセスは、しばしば、半導体ウエハ上の半導体デバイスの製造において使用される。プラズマエッチングプロセスでは、製造中の半導体デバイスを含む半導体ウエハが、プラズマ処理ボリューム内で生成されたプラズマに曝される。プラズマは、半導体ウエハから(1つまたは複数の)材料を除去するように、および/または、半導体ウエハから後で材料を除去することを可能にするために(1つまたは複数の)その材料を改質するように、半導体ウエハ上の(1つまたは複数の)材料と相互作用する。プラズマは、特定の反応ガスを使用して生成され得、それによりプラズマの構成成分は、除去/改質されるべきでないウエハ上の他の材料と顕著に相互作用することなく、半導体ウエハから除去/改質されるべき(1つまたは複数の)材料と相互作用する。プラズマは、特定の反応ガスに電圧を加えるための無線周波数信号を使用することによって生成される。これらの無線周波数信号は、半導体ウエハがプラズマ処理ボリュームに曝された状態で、反応ガスを含んでいるプラズマ処理ボリュームを通して伝送される。
【0003】
プラズマ処理ボリュームを通る無線周波数信号の伝送路は、プラズマがプラズマ処理ボリューム内でどのように生成されるかに影響を及ぼすことがある。たとえば、反応ガスは、より大量の無線周波数信号電力が伝送されるプラズマ処理ボリュームの領域ではより大きく電圧が加えられ得ることにより、プラズマ処理ボリューム全体でのプラズマ特性に空間的非一様性を引き起こす。プラズマ特性における空間的非一様性は、他のプラズマ特性のうちでもとりわけ、イオン密度、イオンエネルギー、および/または反応性構成成分密度における空間的非一様性として現れることがある。プラズマ特性における空間的非一様性は、対応して、半導体ウエハ上のプラズマ処理結果における空間的非一様性を引き起こす。
【0004】
電力がチャンバに送出されるやり方の追加の制御を可能にし、空間的非一様性を低減するのを支援する、構造およびシステムが必要である。本開示が行われるのは、この文脈においてである。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される実施形態は、ウエハ表面に平行な2次電子の横方向電子ビームによる追加のプラズマ生成を伴う、容量結合プラズマ源の新しい構成を提供する。電子ビームは、L字形電極の垂直セクションの内側周辺領域における高電圧RFまたはDCプラズマシースにおいて生成される。L字形電極は、下部電極に供給される電力から独立して電力供給される外側上部電極である。外側上部電極のL字形が設置されるとき、L字形は、垂直セクションが、Cシュラウドの下部部分に向かう方向に下方にさがることを可能にするために、さかさまである。一実施形態では、外側上部電極は、ウエハの上のプラズマ性質を制御するための独立したノブとして電力供給および使用され得る。一般に、容量結合プラズマ(CCP)チャンバが、プラズマパラメータの限られた独立した制御を伴う、2つの平行で平坦な電極間で生成されるプラズマを生成する。たとえば、RF電力における小さい変化が、プラズマを通してRF電流における変化と、RFシース電圧の変化と、につながり、これは、ウエハへのイオンフラックスと、イオンエネルギーと、の変化を生じる。現在のCCPチャンバに関する別の問題は、プラズマ周辺におけるプラズマ損失が、概して、容易に制御され得ず、一般に、Cシュラウド壁など、物理的障害によって、設定され得ないことである。また、より少ない制御は、ウエハのエッジにおけるプラズマ種の損失につながる。
【0006】
一実施形態では、本明細書で開示される構造は、電子の横方向ビームを制御することによって電力効率/密度および化学制御/一様性を増加させるように設計される。本構造は、エッジCCP構成を形成するために、L字形電極にエッジ電力を提供する。電子の横方向ビームは、L字形電極の垂直セクションにおいて形成されたプラズマシースの間で生成される。L字形電極は、直流(DC)電源、およびRF電源、フィルタ回路、あるいはフィルタ回路およびDC電源またはRF電源の組合せのうちの1つに結合される。一実施形態では、RF電力供給される下部電極と、接地された上部電極と、の間で生成されるプラズマシースに加えて、電子の横方向ビームを作り出すために形成されるプラズマシースがある。いくつかの構成では、上部電極はまた、RF源および/またはフィルタ回路に接続され得る。
【0007】
一実施形態では、2次電子が、L字形電極の垂直壁における高電圧400kHzまたはDCシースにおいて加速され、プラズマにわたって進み、RF放電の効率を増加させることになる。さらに別の実施形態では、電力がL字形電極に提供されて、(すなわち、下部または上部電極に電力を供給することなしに)たとえば、主RF電力としてエッジ電力と、横方向電子ビームと、を提供する。この構成は、デュアルまたはトリプル周波数容量結合プラズマ(capacitively coupled plasma)(CCP)が、主に、高周波RFシースの振動からの確率的加熱と、高電圧低周波シースによって作り出された2次電子によるイオン化と、によって生成されるので、低イオンエネルギープラズマを作成するために使用され得る。さらに別の実施形態では、2次電子が、CCPプラズマ電極、すなわち、平行なプレートに直角な方向に進む。さらなる利点として、L字形電極を使用する構成が、横方向2次電子の、独立した源の制御を与え、これは、ウエハの上のプラズマを向上させ、制御のための独立したノブを提供することになる。いくつかの構成では、本明細書で開示される実施形態はまた、エッジ電力のみを使用する(すなわち、L字形電極のみに電力を提供する)ことによって低イオンエネルギープラズマ用途のために使用され得、これは、原子層堆積(ALD)および/または原子層エッチング(ALE)における追加された用途を有する。
【0008】
例示的な一実施形態では、下部電極と、上部電極と、を含む容量結合プラズマ(CCP)チャンバが開示される。CCPチャンバは、上部電極と、下部電極と、の間のプロセス空間を囲むように配置されたシュラウドを含む。上部電極を囲むように配置された外側上部電極が、さらに含まれる。外側上部電極は、水平セクションと垂直セクションとを含む。垂直セクションは、下部電極に面する上部電極の表面に実質的に直角である。垂直セクションは、プロセス空間に面し、プロセス空間を囲む、内面を有する。
【0009】
別の例示的な実施形態では、容量結合プラズマ(CCP)チャンバのための外側上部電極が、提供される。外側上部電極は、CCPチャンバの上部電極を囲むように構成される。外側上部電極は、水平セクションと垂直セクションとを含む。垂直セクションは、CCPチャンバの下部電極に面する上部電極の表面に実質的に直角である。垂直セクションは、プロセス空間に面し、プロセス空間を囲む、内面を有する。
【0010】
一構成では、外側上部電極、すなわち、L字形電極は、ポリシリコンから作られた消耗部分である。システムが使用されるにつれて、外側上部電極は、消耗され得、ある時点において、新しいL字形電極と交換される必要があることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による、上部電極を囲む上部外側電極を含むプラズマ処理システムを示す図である。
【0012】
図2A】一実施形態による、外側上部電極のより詳細な図である。
図2B】一実施形態による、外側上部電極のより詳細な図である。
図2C】一実施形態による、外側上部電極のより詳細な図である。
【0013】
図2D-1】一実施形態による、コネクタリングと、外側上部電極120と、の間の接続のより近接した図である。
図2D-2】一実施形態による、コネクタリングと、外側上部電極120と、の間の接続のより近接した図である。
【0014】
図2E-1】一実施形態による、コネクタリングと、外側上部電極と、電力ロッドへの接続と、の平面図である。
図2E-2】一実施形態による、コネクタリングと、外側上部電極と、電力ロッドへの接続と、の平面図である。
【0015】
図3】一実施形態による、垂直セクションをもつ外側上部電極を有する、半導体処理チャンバの例示的な構成を示す図である。
【0016】
図4】一実施形態による、直流(DC)電力を外側上部電極に提供するために、DC電圧源が接続ノードに結合された、実施形態を示す図である。
【0017】
図5】一実施形態による、フィルタ回路が接続ノードに接続され、電源が接続ノードに接続されない、実施形態を示す図である。
【0018】
図6A】一実施形態による、電力ロッドを介して外側上部電極にRF電力を提供するために、接続ノードがRF源および整合に結合された、実施形態を示す図である。
【0019】
図6B】一実施形態による、RF源が、周波数ロックおよび位相制御される、実施形態を示す図である。
【0020】
図7】一実施形態による、接続ノードが可変インピーダンス回路に接続された、実施形態を示す図である。
【0021】
図8】いくつかの実施形態による、制御システムの例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、本開示の実施形態の理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細の一部または全部なしに本開示の実施形態が実践され得ることは、当業者に明らかであろう。他の事例では、よく知られているプロセス動作は、本開示を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。
【0023】
概して、本開示は、垂直セクションを含む追加の外側上部電極を提供する。垂直セクションは、環状であり、CCPチャンバの上部電極と、下部電極と、の間のプロセス領域を部分的に囲むように構成される。一実施形態では、垂直セクションは、L字形環状構造を形成するために、水平セクションに一体に結合される。外側上部電極の垂直セクションは、RF源またはDC源により電力供給され、および/あるいはフィルタに結合され得る。動作中、外側上部電極は、L字形構造の垂直セクションの内面に沿ってプラズマシースを作り出す追加の容量結合プラズマ(CCP)源を表すために、電力供給され得る。プラズマシースによって生成されたプラズマは、ウエハ表面に平行な2次電子の横方向電子ビームを提供する。
【0024】
特定の一例では、電子ビームは、L字形電極の垂直セクションの内側周辺領域における高電圧RFまたはDCプラズマシースにおいて生成される。L字形電極は、下部電極に供給される電力から独立して電力供給される外側上部電極である。一実施形態では、外側上部電極は、ウエハの上のプラズマ性質を制御するための独立したノブとして電力供給および使用され得る。
【0025】
L字形電極の開示される構成のいくつかの例示的な利益は、密度を増加させ、エッチレートを改善する能力、ウエハのエッジまで及ぶ一様性の増加、ウエハのエッジまで及ぶ効率の増加、化学反応を制御するための電子の増加、ならびに、ALDおよびALE用途において使用するための低イオンエネルギーをもつプラズマを作り出すためにL字形電極のみに電力供給することである。この概観を念頭に置いて、以下の図は、チャンバプロセスボリューム中のL字形電極を含むシステムを構築するために実装され得る例示的な構造を示す。
【0026】
図1は、上部電極104を囲む上部外側電極120を含むプラズマ処理システム100を示す。外側上部電極120は、一実施形態では、ポリシリコン材料から作られる。上部電極104は、下部電極102の反対側に配設される。Cシュラウドとしても知られる、C形状を有するシュラウド106が、プラズマ180が生成される処理ボリュームを囲む。Cシュラウド106は、一実施形態では、ポリシリコン材料から作られる。シュラウド106は、処理ボリュームが、上部電極104と、下部電極102と、の間から外側に拡大することを可能にする形状を提供する。シュラウド106はまた、処理ボリュームを排出するために使用可能である複数のスロット106aを含む。スロット106aは、スロット106aの下でのプラズマ点火を防ぐために、通常、5mmよりも小さいか、または3mmよりも小さい。スロット106aは、任意の数の形状、たとえば、細長いスロット、短いスロット、円形穴、穴などを有し得る。例示的な一実施形態では、スロット106aのスロット寸法は、幅が約2mm、および深さ(すなわち、Cシュラウド壁の厚さ)約7.4mmである。
【0027】
この構成では、エッジリング103が、ウエハ(W)が処理のために置かれる、下部電極102上の表面を囲むように配設される。絶縁体リング、下部電極102中の冷却チャネル、リフトピン、チャッキング電極など、他の構造的構成が、下部電極102を画定するために提供され得ることを理解されたい。プラズマ処理システム100は、動作中にガスを排気するための、1つまたは複数の真空ポート150をも含む。
【0028】
一構成では、下部電極102は、整合130を介して、無線周波数(RF)電源140に接続される。RF電源140は、13.56MHz、60MHz、27MHz、2MHz、400kHzなどの周波数において動作し得る。いくつかの実施形態では、RF電源140は、異なる周波数において同時に動作し得る複数のRF電源のうちの1つであり得る。一実施形態では、上部電極104は、接地173に接続され得る。
【0029】
他の構成では、上部電極は、上記で識別された周波数のうちの1つまたは複数において動作する1つまたは複数のRF電源に接続され得る。詳細には、いくつかの構成では、下部電極102は、上部電極104の代わりに接地され、上部電極104は、RF生成器140など、RF電源に接続される。
【0030】
これらの例において識別された周波数は、近似と見なされるべきであり、特定のウエハの処理中に適用されているプロセスレシピに応じて変動し得る。プラズマ処理システム100はまた、プロセスガス108に接続されることが示されており、プロセスガス108は、上部電極104と、下部電極102と、の間のプロセス空間にチャネリングされる。
【0031】
一実施形態によれば、上部外側電極120は、RF源または直流(DC)源172に電気的に接続される。上部外側電極120は、処理領域中のプラズマに影響を及ぼすために必要とされる制御のタイプに応じて、フィルタおよびまたは接地にも接続され得る。一実施形態では、上部外側電極120は、2つのセクション、すなわち、垂直セクション120aおよび水平セクション120bによって画定される。垂直セクション120aおよび水平セクション120bは、L字形を形成するように外側コーナーにおいて接合され、垂直セクション120bは、水平セクション120bから離れて下方に、およびシュラウド106の水平セクションのほうへ、延びる。一実施形態では、外側上部電極120のL字形構造は、プロセスボリューム内に含まれており、上部電極104と、下部電極102と、の間の主プロセスボリュームを、Cシュラウド106によって画定される外側環状領域から分離する。一実施形態では、Cシュラウド106の外側環状領域は、垂直セクション102aと、Cシュラウド106の外壁の内面と、Cシュラウド106の上部壁の内側面と、Cシュラウド106の複数のスロット106aと、の間にある。
【0032】
示されているように、ギャップ165が、複数のスロット106aの近くのシュラウド106の内面と、垂直セクション120aの下端120dと、の間に画定される。この構成では、垂直セクション120aは、下部電極102の表面および上部電極104の表面に実質的に直角である内向面120cを提供することになる。したがって、外側上部電極120の内向面120cは、電子の横方向ビームが、外側上部電極120(たとえば、L字形電極)の垂直セクション120a中に形成されたプラズマシースの間で生成されることを可能にする、プラズマシースの形成を提供することになる。
【0033】
一構成では、外側上部電極120は、複数の電力ロッド114を介して、RF源またはDC源172に電気的に結合される。複数の電力ロッド114は、互いに電気的に接続され、したがって、接続ノード174を介して、RF源またはDC源172に接続されることが可能である。電極絶縁体160が、電力ロッド114を囲むことが示されており、コネクタリング116が、外側上部電極120に電気的に結合されることが示されている。また、絶縁体105が、上部電極領域中の他の部分から上部電極104を絶縁するために提供される。
【0034】
図2Aは、外側上部電極120のより詳細な図を示す。示されているように、外側上部電極120は、垂直セクション120aと、水平セクション120bと、内向面120cと、下端120dと、を含む。コネクタリング116は、水平セクション120aに、電気的に接続および留められ、電極絶縁体160は、コネクタリング116と、水平セクション120aの一部と、を囲む。コネクタリング116は、電力ロッド114の各々に接続される。絶縁体105は、電極絶縁体160および他のチャンバの部分の領域から上部電極104の部分を絶縁する。
【0035】
図2Bおよび図2Cは、外側上部電極120の断面図を示し、この断面は、L字形として示されている。したがって、外側上部電極120は、水平セクション120bと、垂直セクション120aと、を含む環状構造である。いくつかの構成では、ねじ接続部(threaded connection)204が、外側上部電極120をコネクタリング116に電気的に取り付けるために、水平セクション120bの上面上に画定される。ねじ接続部204は、断面図中に示されており、一実施形態では、複数のねじ接続部204が、外側上部電極122をコネクタリング116に固定するために提供され得る。一実施形態では、コネクタリング116を外側上部電極120に固定するために、ねじ接続部204への4つの接続が行われる。図2Bの構成は、垂直セクション120aが、図2Cの寸法D2よりも短い寸法D1を有する、一実施形態を示す。図2Bでは、プロセスギャップPG1が、約48mmから58mmの間の範囲にあり得る。図2Cでは、プロセスギャップPG2が、約68mmから78mmの間の範囲にあり得る。プロセスレシピのために必要とされる構成に応じて、垂直セクション120aの長さ寸法D1またはD2は、修正され得る。例として、図2Bでは、D1は約23mmであり得、図2Cでは、D2は約43mmであり得る。これらの構成の各々では、ギャップ165は、約5mmから約20mmの間であり得、他の構成では、ギャップ165は、約10mmから約15mmの間であり得、別の実施形態では、ギャップ165は、約13mmであり得る。ギャップ165は、制御された様式で除去されるべき、プラズマ処理中にプロセス領域中で作り出された、ガスおよび材料のための経路を提供するように設計される。いくつかの実施形態では、ギャップ165の寸法は、Cシュラウド106を通る外への十分なガス流を提供するが、同時に、プラズマシースを作り出し、ウエハに平行に、およびウエハ上で、2次電子の生成を提供するために、垂直セクション120aの内向面120c上の十分な表面エリアを提供する。
【0036】
例として、ガス流は、プラズマ180領域の外周の周りのギャップ165を通って流れ、次いで、Cシュラウド106の複数のスロット106aを通って外へ流れることを可能にされることになる。所望の分離範囲内にあるようにギャップ165を設定することによって、上部電極104と、下部電極102と、外側上部電極120と、の間のプロセス領域中のプラズマ180の処理および生成中に、ガス流を絞り、プラズマ密度に影響を及ぼすことが可能である。
【0037】
一実施形態では、外側上部電極120は、RF源またはDC源172に接続されるように構成され、これは、外側上部電極120の内向面120cの近くのプラズマシースの別個の生成を提供する。上述のように、内向面120cの近くにプラズマシースを生成して、電力効率および/または密度、ならびに、ウエハ上でのエッチングの化学制御および一様性制御、における増加をさらに可能にする横方向電子ビームを生成することが可能である。上述のように、一実施形態では、電力は、(DC源またはRF源を使用して)外側上部電極120に提供され、これは、上部電極104と、下部電極102と、の間で生成されるプラズマシースとは別個のプラズマシースを提供する。
【0038】
一実施形態では、2次電子が、垂直セクション120aの高電圧400kHzまたはDCシース内向面120cにおいて加速され、これは、プラズマ180にわたって進み、RF放電の効率を増加させることになる。
【0039】
別の実施形態では、外側上部電極120は、ALD/ALE用途のためにウエハにおいて低イオンエネルギープラズマを作成するための主RF電力として横方向電子ビームを作り出すために、(DC源またはRF源を使用して)電力供給される。この構成では、上部電極104および下部電極102は、電力供給されず、接地に結合され得ることが想定される。
【0040】
一実施形態では、下端120dにおける、およびその周りの、垂直セクション120aの表面エッジは、わずかに丸みを帯びたまたはとがっていないジオメトリを有する。例として、丸みを帯びたエッジは、約0.5~約2mmの半径範囲を有することになる。別の実施形態では、半径範囲は、約1.0~約1.5mmであることになる。
【0041】
図2D-1は、コネクタリング116と、外側上部電極120と、の間の接続のより近接した図を示す。この例では、支持ブラケット250が、ロッド252に接続される。ロッド252は、スタッド202に結合され、ばね258が、リング254中で圧縮される。この構造は、電極絶縁体160内で、コネクタリング116と、外側上部電極120と、を互いに締め付ける、1つの例示的なやり方を提供する。
【0042】
図2D-2は、コネクタリング116と、電力ロッド114と、の間の接続のより近接した図を示し、これは、コネクタリング116を介して外側上部電極120に電力を提供する。示されているように、コネクタリング116は、複数の電力ロッド114の各々に対応して結合された、複数の突出部116aを含む。ばね259が、突出部116aと、電力ロッド114のねじ端部257と、の間の電気的接触を提供することが示されている。
【0043】
図2E-1は、電力ロッド114に接続するための4つの突出部116aを有するコネクタリング116の平面図を示す。ねじ接続部204に取り付けるためにコネクタリング116を通過するスタッド202も示されている。コネクタリング116は、図2D-1および図2D-2に示されているように、設置されるとき、外側上部電極120上にあるように構成される。
【0044】
図3は、垂直セクション120aをもつ外側上部電極120を有する、半導体処理チャンバの例示的な構成を示す。上記で説明されたように、電力ロッド114が、接続ノード174を通して電力を提供されるとき、2次電子が、垂直セクション120aの内向面120cにおける高電圧400kHzまたはDCシース302において加速される。2次電子は、プラズマ180にわたって進み、RF放電の効率を増加させることになる。この構成では、RF電力も、RF源140および整合130を通して提供され得るが、上部電極104は、接地173に結合される。
【0045】
図4は、直流(DC)電力を外側上部電極120に提供するために、DC電圧源406が接続ノード174に結合された、実施形態を示す。この構成では、インダクタ402およびキャパシタ404によって画定されるフィルタ回路も、DC電圧源406の出力および接続ノード174の入力において提供される。一例では、キャパシタ404は、低周波フィルタキャパシタ(約9.6nF)であり、インダクタ402は、高周波フィルタインダクタ(約2.5uH)である。これらの値は、調整され得、一例として提供されるにすぎない。
【0046】
図5は、フィルタ回路が接続ノード174に接続され、電源が接続ノード174に接続されない、実施形態を示す。この実施形態では、フィルタ回路は、インダクタ504と、可変キャパシタ506と、を含む。また、浮遊容量502が作り出される。この構成では、電力は、下部電極102に接続された整合130を介してRF生成器140によって送出される。上部電極104は、接地173に接続される。インダクタ504は、ストラップの結果であり、キャパシタ506は、約5pFから約125pFの間で設定され得る。この構成、および可変キャパシタ506の調整は、ウエハの表面にわたるエッチレートの一様性プロファイルに追加の調整可能性を提供することが示された。
【0047】
図6Aは、電力ロッド114を介して外側上部電極120にRF電力を提供するために、接続ノード174がRF源604および整合602に結合された、実施形態を示す。この実施形態では、RF電源604は、垂直セクションに沿ってプラズマシース302を作り出す高電圧400kHz生成器であり得る。したがって、プラズマシース302は、主プラズマシースからのRF放電の効率を増加させるために横方向において(in the transverse direction)加速される2次電子の生成を提供することになる。主プラズマシースは、下部電極102に接続されたRF源140および整合130を使用して、上部電極104と、下部電極102と、の間で作り出される。
【0048】
図6Bは、RF源604およびRF源140が、周波数ロックおよび位相制御される、実施形態を示す。プラズマ処理システムのコントローラが、RF生成器間の接続を行うことになり、本源604は、スレーブRF生成器として動作し、RF源140は、マスタRF生成器として動作する。いくつかの実施形態では、RF生成器604および140の一方または両方が、使用されているプロセスレシピに応じて、パルシングモードで動作され得る。
【0049】
一実施形態では、源604はスレーブRF源であり、源140はマスタRF源である。マスタRF源は、第1の周波数において動作するように構成され得、スレーブRF源は、第2の周波数において動作するように構成され得る。いくつかの構成では、スレーブRF源の第2の周波数は、第1の周波数と同じであるか、または第1の周波数の高調波であり得る。いくつかの構成では、第1の周波数は、第1の位相を有し得、第2の周波数は、第2の位相を有し得る。一実施形態では、第2の位相は、第2の位相に位相ロックされ得る。概して、いくつかの実施形態では、マスタとスレーブとは、同じ周波数の、位相制御およびロックされ、ならびに電圧または電力制御されたスレーブ生成器を有し得る。
【0050】
図7は、接続ノード174が可変インピーダンス回路702に接続された、実施形態を示す。この実施形態では、外側上部電極120に供給されるインピーダンスを修正することによって、上部電極104と、下部電極102と、の間のプラズマ処理領域中のプラズマ180の形状および密度に影響を及ぼすことが可能である。したがって、可変インピーダンス回路702を調整することによって、プラズマ動作の効率、プロファイルおよび有効性をチューニングするために、追加のノブが、プロセス技術者に提供される。この制御はまた、接続ノード174に接続される、RF電力、DC電力、インダクタおよび/またはキャパシタを使用するフィルタなどを適用することによるものであるかどうかにかかわらず、電力を外側上部電極120に提供する上記の例示的な構成のいずれかを使用して、可能である。
【0051】
図7は、複数のスロット706をもつ垂直セクション120a’を含む、外側上部電極120’の代替実施形態をも示す。垂直セクション102a’は、水平セクション120bに接続する環状セクションであるので、それらのスロットは、垂直セクション120a’の周りに配置される。垂直セクション120a’中に複数のスロット706を提供することによって、ギャップ165’を約1mmから約3mmの間に低減することが可能である。ギャップ165’によって提供されるこの分離は、ギャップ165’が低減されるので、ガス流の大部分が、垂直セクション120a’中に形成された複数のスロット706を通って外にチャネリングされることを実現する。ガス流は、次いで、シュラウド106のスロット106aの外にチャネリングされる。
【0052】
1つの代替構成では、システムを、エッジラジカル制御プラズマ(RCP)システムとして動作させることが可能である。エッジRCP構成では、たとえば、60MHz周波数生成器を使用して、外側上部電極120’に電力を供給することによって、プラズマが生成される。プラズマが生成されるとき、垂直セクション120a’中のスロット706(または穴)は、中性物および電子のフラックスが、ウエハが位置する、上部電極104と、下部電極102と、の間のプロセスエリアに移送されることを可能にする。
【0053】
図8は、いくつかの実施形態による、半導体処理システム100を制御するおよび/または動作させるための制御システム800の例示的な概略図を示す。いくつかの実施形態では、制御システム800は、処理システム100において実施される半導体作製プロセスを制御するためのプロセスコントローラとして構成される。様々な実施形態では、制御システム800は、プロセッサ801と、記憶ハードウェアユニット(HU)803(たとえば、メモリ)と、入力HU805と、出力HU807と、入出力(I/O)インターフェース809と、I/Oインターフェース811と、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)813と、データ通信バス815と、を含む。プロセッサ801と、記憶HU803と、入力HU805と、出力HU807と、I/Oインターフェース809と、I/Oインターフェース811と、NIC813とは、データ通信バス815を介して互いにデータ通信している。入力HU805は、いくつかの外部デバイスからデータ通信を受信するように構成される。入力HU805の例は、データ収集システム、データ収集カードなどを含む。出力HU807は、いくつかの外部デバイスにデータを送信するように構成される。出力HU807の一例は、デバイスコントローラである。NIC813の例は、ネットワークインターフェースカード、ネットワークアダプタなどを含む。I/Oインターフェース809および811の各々は、I/Oインターフェースに結合された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。たとえば、I/Oインターフェース809は、入力HU805から受信される信号をデータ通信バス815と互換性がある形式、振幅、および/または速度に変換するように定義され得る。また、I/Oインターフェース807は、データ通信バス815から受信される信号を出力HU807と互換性がある形式、振幅、および/または速度に変換するように定義され得る。様々な動作が、制御システム800のプロセッサ801によって実施されるものとして本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、様々な動作は、制御システム800の複数のプロセッサによって、および/または制御システム800とデータ通信する複数のコンピューティングシステムの複数のプロセッサによって、実施され得ることを理解されたい。
【0054】
いくつかの実施形態では、制御システム800は、検知された値に部分的に基づいて様々なウエハ作製システムにおけるデバイスを制御するために採用される。たとえば、制御システム800は、検知された値および他の制御パラメータに基づいて、バルブ817、フィルタヒータ819、ウエハ支持構造ヒータ821、ポンプ823、および他のデバイス825のうちの1つまたは複数を制御し得る。バルブ817は、裏側ガス供給システム、プロセスガス供給システム、および温度制御流体循環システムの制御に関連付けられたバルブを含みことができる。制御システム800は、たとえば、圧力マノメーター827、流量計829、温度センサー831、および/または他のセンサー833、たとえば、電圧センサー、電流センサーなどから、検知された値を受信する。制御システム800はまた、ウエハWに対するプラズマ処理動作の実施中にプラズマ処理システム100内のプロセス条件を制御するために採用され得る。たとえば、制御システム800は、プロセスガス供給システム108から、上部電極104と、下部電極102と、の間のプラズマ処理ボリュームに供給される(1つまたは複数の)プロセスガスのタイプおよび量を制御することができる。また、制御システム800は、無線周波数信号生成器140、無線周波数信号生成器604、インピーダンス整合システム130および602の動作を制御することができる。制御システム800はまた、リフトピンについてのリフティングデバイスの動作およびドアの動作を制御することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、制御システム800は、特定のプロセスのプロセスタイミング、プロセスガス送出システム温度、および圧力差、バルブ位置、プロセスガスの混合、プロセスガス流量、裏側冷却ガス流量、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウエハ支持構造温度(ウエハ温度)、RF電力レベル、RF周波数、RFパルシング、インピーダンス整合システム設定、片持ちアームアセンブリ位置、バイアス電力、ならびに他のパラメータを制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行するように構成される。制御システム800に関連付けられたメモリデバイスに記憶された他のコンピュータプログラムが、いくつかの実施形態において採用され得る。いくつかの実施形態では、制御システム800に関連付けられたユーザインターフェースがある。ユーザインターフェースは、ディスプレイ835(たとえば、装置および/またはプロセス条件のディスプレイスクリーンおよび/またはグラフィカルソフトウェア表示)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイス837と、を含む。
【0056】
制御システム800の動作を指示するためのソフトウェアが、多くの異なるやり方で設計または構成され得る。プロセスシーケンスにおける様々なウエハ作製プロセスを実行するために制御システム800の動作を指示するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語、たとえば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどで書かれ得る。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトが、プログラム中で識別されたタスクを実施するためにプロセッサ801によって実行される。制御システム800は、たとえば、特に、フィルタ圧力差、プロセスガス組成および流量、裏側冷却ガス組成および流量、温度、圧力、RF電力レベルおよびRF周波数などのプラズマ条件、バイアス電圧、冷却ガス/流体圧力、ならびにチャンバ壁温度など、プロセス条件に関係する様々なプロセス制御パラメータを制御するようにプログラムされ得る。ウエハ作製プロセス中に監視され得るセンサーの例は、限定はしないが、質量流制御モジュール、圧力マノメーター827などの圧力センサー、および温度センサー831を含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムが、所望されるプロセス条件を維持するための1つまたは複数のプロセス制御パラメータを制御/調整するために、これらのセンサーからのデータとともに使用され得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、制御システム800は、より広範な作製制御システムの一部である。そのような作製制御システムは、ウエハ処理のための処理ツール、チャンバ、および/またはプラットフォーム、および/または、ウエハペデスタル、ガス流システムなどの特定の処理構成要素を含む、半導体処理設備を含むことができる。これらの作製制御システムは、ウエハの処理前に、処理中に、および処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合され得る。制御システム800は、作製制御システムの様々な構成要素またはサブ部分を制御し得る。制御システム800は、ウエハ処理要件に応じて、処理ガスの送出、裏側冷却ガスの送出、温度設定(たとえば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続されたまたはそれとインターフェースされたツールおよび他の移送ツールおよび/またはロードロックを出入りするウエハ移送を含む、本明細書で開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされ得る。
【0058】
概して、制御システム800は、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、ウエハ処理動作を可能にし、終点測定を可能にするなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶したファームウェア、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/あるいは、プログラム命令(たとえば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラの形式のチップを含み得る。プログラム命令は、システム100内のウエハWに対して特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個別の設定(またはプログラムファイル)の形式で、制御システム800に通信される命令であり得る。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、ウエハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの作製中に1つまたは複数の処理ステップを達成するために、プロセス技術者によって定義されたレシピの一部であり得る。
【0059】
制御システム800は、いくつかの実装形態では、プラズマ処理システム100に、統合されるか、結合されるか、もしくはさもなければシステム100にネットワーク接続される、コンピュータの一部であるか、またはそのコンピュータに結合されるか、あるいはその組合せであり得る。たとえば、制御システム800は、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができるファブホストコンピュータシステムの全部または一部の「クラウド」中にあり得る。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に後続する処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始するために、作製動作の現在の進行を監視し、過去の作製動作の履歴を検査し、複数の作製動作からトレンドまたはパフォーマンスメトリックを検査するために、システム100へのリモートアクセスを可能にし得る。いくつかの例では、リモートコンピュータ(たとえば、サーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワーク上でシステム100にプロセスレシピを提供することができる。
【0060】
リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み得、パラメータおよび/または設定は、次いで、リモートコンピュータからシステム100に通信される。いくつかの例では、制御システム800は、1つまたは複数の動作中に実施される処理ステップの各々についてパラメータを指定する、データの形式の命令を受信する。パラメータは、プラズマ処理システム100内で実施されるプロセスのタイプに固有であり得ることを理解されたい。したがって、上記で説明されたように、制御システム800は、ともにネットワーク接続され、本明細書で説明されるプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって機能する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによってなどで、分散され得る。そのような目的のための分散されたコントローラの一例が、プラズマ処理システム100に対して実施されるプロセスを制御するように組み合わされた、(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなど)リモートに位置する1つまたは複数の集積回路と通信しているプラズマ処理システム100上の1つまたは複数の集積回路であろう。
【0061】
限定はしないが、制御システム800がインターフェースすることができる例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピン洗浄チャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、面取りエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの作製および/または製造において関連付けられまたは使用され得る任意の他の半導体処理システムを含み得る。上記のように、ツールによって実施されるべき1つまたは複数のプロセスステップに応じて、制御システム800は、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場におけるツールロケーションおよび/またはロードポートとの間でウエハのコンテナを運ぶ材料移送において使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信し得る。
【0062】
本明細書で説明される実施形態はまた、携帯型ハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づくまたはプログラム可能な消費者向け電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成とともに実装され得る。本明細書で説明される実施形態はまた、ネットワークを通じてリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境とともに実装され得る。本明細書で説明される実施形態、特に制御システム800に関連する実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータに関与する様々なコンピュータ実装された動作を採用することができる。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。実施形態の一部を形成する本明細書で説明される動作のいずれも、有用な機械動作である。実施形態はまた、これらの動作を実施するためのハードウェアユニットまたは装置に関する。装置は、特殊目的コンピュータのために特別に構築され得る。特殊目的コンピュータとして定義される場合、コンピュータはまた、その特殊目的のための動作が依然として可能である一方で、その特殊目的の一部ではない他の処理、プログラム実行またはルーチンを実施することができる。いくつかの実施形態では、動作は、コンピュータメモリ、キャッシュに記憶され、またはネットワークを介して取得される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成される汎用コンピュータによって処理され得る。データがネットワークを介して取得されるとき、データは、ネットワーク上の他のコンピュータ、たとえば、コンピューティングリソースのクラウドによって処理され得る。
【0063】
本明細書で説明される様々な実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしてインスタンス化されたプロセス制御命令を通じて実装され得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータ記憶ハードウェアユニットであり、データは、その後、コンピュータシステムによって読み出され得る。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)、磁気テープ、ならびに他の光学的および非光学的なデータ記憶ハードウェアユニットを含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散された方式で記憶および実行されるように、ネットワーク結合コンピュータシステムにわたって分散されるコンピュータ可読有形媒体を含むことができる。
【0064】
上記の開示は、理解の明確さの目的で何からの詳細を含むが、いくつかの変更および修正が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることは明らかであろう。たとえば、本明細書で開示される任意の実施形態からの1つまたは複数の特徴が、本明細書で開示される任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせられ得ることを理解されたい。したがって、本実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書で与えられる詳細に限定されるべきでなく、説明される実施形態の範囲および均等物の範囲内で修正され得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D-1】
図2D-2】
図2E-1】
図2E-2】
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】