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特表2024-5377763色3D DRAMスタックおよび製作する方法
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  • 特表-3色3D  DRAMスタックおよび製作する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-16
(54)【発明の名称】3色3D DRAMスタックおよび製作する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20241008BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241008BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20241008BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/302 301
H10B12/00 671Z
H10B12/00 671
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519291
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 US2022044990
(87)【国際公開番号】W WO2023055771
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】17/487,596
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】クマール アーヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】パカラ マヘンドラ
(72)【発明者】
【氏名】イェ エリー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】トール ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キルシェンハイター トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ワン アンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジーフイ
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F083
【Fターム(参考)】
5F004AA03
5F004BD03
5F004DA17
5F004DA20
5F004DB01
5F004DB19
5F045AA03
5F045AB01
5F045AB02
5F045AC19
5F045AD09
5F045AD10
5F045AD11
5F045AD12
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF08
5F045AF09
5F045AF10
5F045BB11
5F045DA52
5F045DA69
5F045HA03
5F083AD01
5F083GA10
5F083GA30
5F083JA32
5F083JA51
(57)【要約】
3D DRAMデバイスにおけるウエハの反りを低減する方法が、3色プロセスを使用して説明される。複数の膜スタックが基板表面上に形成され、膜スタックの各々が、異なるドーパント量および/またはSi:Ge比を有する2つのドープされたSiGe層と、ドープされたシリコン層とを含む。3D DRAMデバイスも説明される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D DRAMデバイスにおけるウエハの反りを低減する方法であって、前記方法が、
基板表面に複数の膜スタックを形成することであり、前記膜スタックの各々が、
実験式Si1-xGexを有する第1のドープされたSiGe層であり、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある、第1のドープされたSiGe層と、
前記第1のドープされたSiGe層上の第2のドープされたSiGe層であり、前記第2のドープされたSiGe層が実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは>0~0.5の範囲にある、第2のドープされたSiGe層と、
前記第2のドープされたSiGe層上のドープされたシリコン層と
を含み、
前記第1のドープされたSiGe層および前記第2のドープされたSiGe層が、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する、形成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のドープされたSiGe層が、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーパントがIII-V族元素である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ドーパントが、炭素またはホウ素のうちの1つまたは複数である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のドープされたSiGe層が、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ドーパントがIII-V族元素である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ドーパントが、炭素またはホウ素のうちの1つまたは複数である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ドープされたシリコン層が、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層の各々が、エピタキシャル成長される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層の各々が、独立して、500℃~800℃の範囲の温度で成長される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のドープされたSiGe層の応力が、前記第1のドープされたSiGe層の応力よりも張力が大きく、前記第1のドープされたSiGe層の前記応力が、前記ドープされたシリコン層の応力よりも張力が大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
100個の膜スタックが存在する場合、前記ウエハが、150μm未満の量だけ反る、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層の各々が、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、他の層に対して200:1を超えるエッチング選択性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
リソグラフィによって前記スタックのすべてを通して前記基板表面までチャネルを形成することと、前記第1のドープされたSiGe層または前記第2のドープされたSiGe層のうちの1つまたは複数を、前記チャネルを介して、前記膜スタックのすべてから選択的にエッチングすることとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
3D DRAMデバイスを製作する方法であって、前記方法が、
基板表面に少なくとも100個の膜スタックを形成することであり、前記膜スタックの各々が、
実験式Si1-xGexを有する第1のドープされたSiGe層であり、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある、第1のドープされたSiGe層と、
前記第1のドープされたSiGe層上の第2のドープされたSiGe層であり、前記第2のドープされたSiGe層が実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは、>0~0.5の範囲にあり、前記第1のドープされたSiGe層および前記第2のドープされたSiGe層が、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する、第2のドープされたSiGe層と、
前記第2のドープされたSiGe層上のドープされたシリコン層と
を含む、形成することと
前記膜スタックを通して前記基板までチャネルを形成することと、
前記第1のドープされたSiGe層または前記第2のドープされたSiGe層のうちの1つまたは複数を、前記チャネルを介して、選択的に除去することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層が、独立して、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層の各々が、エピタキシャル成長される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のドープされたSiGe層の応力が、前記第1のドープされたSiGe層の応力よりも張力が大きく、前記第1のドープされたSiGe層の前記応力が、前記ドープされたシリコン層の応力よりも張力が大きい、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
100個の膜スタックが存在する場合、前記ウエハが、150μm未満の量だけ反る、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ウエハの反りを低減した3D DRAMデバイスを製作する方法であって、前記方法が、
基板表面に少なくとも100個の膜スタックを形成することであり、前記膜スタックの各々が、
実験式Si1-xGexを有するエピタキシャル成長された第1のドープされたSiGe層であり、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある、エピタキシャル成長された第1のドープされたSiGe層と、
前記第1のドープされたSiGe層上のエピタキシャル成長された第2のドープされたSiGe層であり、前記第2のドープされたSiGe層が実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは、>0~0.5の範囲にあり、前記第1のドープされたSiGe層および前記第2のドープされたSiGe層が、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する、エピタキシャル成長された第2のドープされたSiGe層と、
前記第2のドープされたSiGe層上のエピタキシャル成長されたドープされたシリコン層と
を含み、
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層が、独立して、0.5~2.5%の範囲の、炭素またはホウ素から選択されたドーパントを含み、
前記第2のドープされたSiGe層の応力が、前記第1のドープされたSiGe層の応力よりも張力が大きく、前記第1のドープされたSiGe層の前記応力が、前記シリコン層の応力よりも張力が大きく、
前記第1のドープされたSiGe層、前記第2のドープされたSiGe層、および前記ドープされたシリコン層の各々が、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、他の層に対して200:1を超えるエッチング選択性を有する、形成することと、
リソグラフィによって前記スタックのすべてを通して前記基板表面までチャネルを形成することと、
前記第1のドープされたSiGe層または前記第2のドープされたSiGe層のうちの1つまたは複数を、前記チャネルを介して、前記膜スタックのすべてから選択的にエッチングすることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、3D DRAMスタックおよび3D DRAMデバイスを形成するための方法に関する。特に、本開示の実施形態は、3色プロセス(3-color process)を使用して3D DRAMデバイスを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造業ではメモリデバイスのビット密度を増加させることに関心がある。3D DRAMデバイスを製造する1つの手法は、エピタキシャルシリコンチャネル層と2つ以上の犠牲エピタキシャル層とを含む多層スタックをエピタキシャル成長させることを含む。後続のプロセスステップは、アクセスゲートおよびキャパシタを形成するために犠牲層に凹部を設けることを必要とする。
【0003】
10nmノードを越えて3D DRAMの密度を拡大するには、シリコンチャネルおよび犠牲層のスタックの数を100超まで増加させる必要があり、それは、400個のエピタキシャル層をもたらすことがある。層数の増加に伴う1つの問題は、スタックが150μmを超えて増加するときのウエハの反りである。シリコンチャネル/犠牲層スタックの格子不整合誘導応力が、このウエハの反りをもたらすと考えられる。一般に、ウエハの150μmを超える反りは、リソグラフィなどの後続のプロセスを正確に実行することを妨げることになる。
【0004】
デバイス形成中に、犠牲層は、シリコンチャネルに対して選択的にエッチングされる。ウエハの反りを低減するように設計された従来設計の層スタックは、エッチング選択比の低下をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の最新のプロセスは、ウエハの反りを打ち消すために、ウエハの裏面に応力緩和膜の追加の堆積を必要とする。これは、上部のスタックがエッチングされるときにまたは熱プロセス中に反りが戻るため、ウエハの反りの問題を部分的に軽減するだけである。加えて、裏面膜の除去は、プロセス複雑性およびコストを増加させる。
【0006】
したがって、ウエハの反りが低減され、および/またはエッチング選択比が改善された3D DRAMデバイスおよび3D DRAMデバイスを形成する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、3D DRAMデバイスにおけるウエハの反りを低減する方法を対象とする。複数の膜スタックが、基板表面上に形成される。膜スタックの各々は、第1のドープされたSiGe層、第2のドープされたSiGe層、およびドープされたシリコン層を含む。第1のドープされたSiGe層は、実験式Si1-xGexを有し、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある。第2のドープされたSiGe層は、第1のドープされたSiGe層上にあり、実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは、>0~0.5の範囲にある。ドープされたシリコン層が、第2のドープされたSiGe層上にある。第1のドープされたSiGe層および第2のドープされたSiGe層は、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する。
【0008】
本開示の追加の実施形態は、3D DRAMデバイスを製作する方法を対象とする。少なくとも100個の膜スタックが、基板表面上に形成される。膜スタックの各々は、第1のドープされたSiGe層、第2のドープされたSiGe層、およびドープされたシリコン層を含む。第1のドープされたSiGe層は、実験式Si1-xGexを有し、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある。第2のドープされたSiGe層は、第1のドープされたSiGe層上にあり、実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは、>0~0.5の範囲にある。第1のドープされたSiGe層および第2のドープされたSiGe層は、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する。ドープされたシリコン層が、第2のドープされたSiGe層上にある。チャネルが、膜スタックを通して基板まで形成される。第1のドープされたSiGe層または第2のドープされたSiGe層のうちの1つまたは複数が、チャネルを介して選択的に除去される。
【0009】
本開示のさらなる実施形態は、ウエハの反りを低減した3D DRAMデバイスを製作する方法を対象とする。少なくとも100個の膜スタックが、基板表面上に形成される。膜スタックの各々は、エピタキシャル成長された第1のドープされたSiGe層、エピタキシャル成長された第2のドープされたSiGe層、およびエピタキシャル成長されたドープされたシリコン層を含む。エピタキシャル成長された第1のドープされたSiGe層は、実験式Si1-xGexを有し、ここで、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある。エピタキシャル成長された第2のドープされたSiGe層は、第1のドープされたSiGe層上にあり、実験式Si1-yGeyを有し、ここで、yは、>0~0.5の範囲にある。第1のドープされたSiGe層および第2のドープされたSiGe層は、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する。エピタキシャル成長されたドープされたシリコン層は、第2のドープされたSiGe層上にある。第1のドープされたSiGe層、第2のドープされたSiGe層、およびドープされたシリコン層は、独立して、0.5~2.5%の範囲の、炭素またはホウ素から選択されたドーパントを含む。第2のドープされたSiGe層の応力は、第1のドープされたSiGe層の応力よりも張力が大きく、第1のドープされたSiGe層の応力は、Si層の応力よりも張力が大きい。第1のドープされたSiGe層、第2のドープされたSiGe層、およびドープされたシリコン層の各々は、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、他の層に対して200:1を超えるエッチング選択性を有する。チャネルが、リソグラフィによってスタックのすべてを通して基板表面まで形成される。第1のドープされたSiGe層または第2のドープされたSiGe層のうちの1つまたは複数は、チャネルを介して、膜スタックのすべてから選択的にエッチングされる。
【0010】
本開示の特徴が詳細に理解され得るように、上述で簡潔に要約した本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって行われ得、実施形態の一部が、添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、それゆえに、本開示は他の等しく効果的な実施形態を認めることができるため、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、例として示され、同様の参照指示が同様の要素を示す添付の図面の図に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、3色プロセスによる形成中の3D DRAMデバイスの概略図である。
図2】膜スタックを通るチャネルの形成後の図1の領域IIの拡大図である。
図3】3色プロセスの層のうちの1つを選択的に除去した後の図2の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は以下の説明に記載される構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践または実行することができる。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部分を指す。基板への言及は、さらに、文脈がそうでないと明確に示さない限り、基板の一部分のみを参照することもできることが当業者には理解されるであろう。加えて、基板上に堆積させることへの言及は、ベア基板と、1つまたは複数の膜または特徴が上に堆積または形成された基板との両方を意味することができる。
【0014】
本明細書で使用される「基板」は、膜処理が製造プロセス中に実行される任意の基板または基板上に形成された材料表面を指す。例えば、処理を実行することができる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイアなどの材料と、金属、金属窒化物、合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料とを含む。基板は、限定ではなく、半導体ウエハを含む。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/またはベークするために、前処理プロセスに曝されてもよい。基板自体の表面上に直接膜処理することに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれも、さらに、以下でより詳細に開示するように基板上に形成された下層に実行されてもよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すようにそのような下層を含むように意図される。したがって、例えば、膜/層または部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出表面が、さらなるプロセスのための基板表面になる。
【0015】
1つまたは複数の実施形態によれば、「上に(on)」という用語は、膜または膜の層に関して、膜または層が、表面、例えば基板表面上に直接存在すること、ならびに膜または層と、表面、例えば基板表面との間に1つまたは複数の下層が存在することを含む。したがって、1つまたは複数の実施形態では、「基板表面上の」という語句は、1つまたは複数の下層を含むことが意図される。他の実施形態では、「上に直接(directly on)」という語句は、介在層なしに、表面、例えば基板表面に接触する層または膜を指す。したがって、「基板表面上に直接存在する層(a layer directly on the substrate surface)」という語句は、中間に層がない状態で基板表面に直接接触する層を指す。
【0016】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、有利には、低減したまたは中立の反りを有する膜スタックをもつ3D DRAMデバイスを形成するための3色方法を提供する。このように使用されるとき、3色プロセスは、3つのエッチング選択性材料が使用させることを意味する。いくつかの実施形態は、有利には、エピタキシャルシリコン(Si)およびシリコンゲルマニウム(SiGe)を含み、低減したまたは中立の反りをもつ3D DRAM膜スタックを提供する。いくつかの実施形態は、有利には、炭素(C)またはホウ素(B)ドーピングを使用して反りを低減したエピSi/SiGeスタックを提供する。
【0017】
図1図3を参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態は、3色プロセスを使用して3D DRAMデバイス100におけるウエハの反りを低減するための方法を対象とする。複数の膜スタック120が、基板表面112を有する基板110上に形成される。膜スタック120はまた、3色スタックと呼ばれることもある。図1に示された実施形態は、5つの膜スタック120(膜スタック120a、120bを含む)を示す。当業者は、これが単に代表的なものであり、膜スタック120がより多くてもより少なくてもよいことを認識するであろう。いくつかの実施形態では、50個、100個、150個、または200個を超える膜スタック120が存在する。
【0018】
少なくとも膜スタック120の一部、または膜スタック120の各々は、第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126を含む。当業者は、第1のスタック120aにおける第1のドープされたSiGe層122が、基板表面112上に形成されるか、または基板表面112上に直接形成されることを認識するであろう。後続の膜スタック120bの第1のドープされたSiGe層122は、前の膜スタック120aのドープされたシリコン層126の表面127上に形成されるか、または前の膜スタック120aのドープされたシリコン層126の表面127上に直接形成される。
【0019】
第1のドープされたSiGe層122は、実験式Si1-xGexを有する。いくつかの実施形態では、xは、0超(>0)~0.5の範囲にある。いくつかの実施形態では、xは、0超~0.4の範囲に、または0超~0.3の範囲に、または0超~0.2の範囲にある。いくつかの実施形態では、xは、0.05、0.1、0.15、0.2、または0.25~0.5の範囲にある。
【0020】
第1のドープされたSiGe層122は、0.5原子%~2.5原子%の範囲の濃度をもつドーパントを含む。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5原子%~2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122は、0.5原子%~1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。
【0021】
第2のドープされたSiGe層124は、実験式Si1-yGeyを有する。いくつかの実施形態では、yは、0超~0.5の範囲にある。いくつかの実施形態では、yは、0超~0.4の範囲に、または0超~0.3の範囲に、または0超~0.2の範囲にある。いくつかの実施形態では、xは、0.05、0.1、0.15、0.2、または0.25~0.5の範囲にある。いくつかの実施形態では、第1のドープされた層122からのxおよび第2のドープされた層124のyは、0.1、0.2、0.3、0.4、または0.5以上異なる。いくつかの実施形態では、xはyよりも大きい。いくつかの実施形態では、yはxよりも大きい。
【0022】
第2のドープされたSiGe層124は、0.5原子%~2.5原子%の範囲の濃度をもつドーパントを含む。いくつかの実施形態では、第2のドープされたSiGe層124は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5原子%~2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。いくつかの実施形態では、第2のドープされたSiGe層124は、0.5原子%~1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。
【0023】
ドープされたシリコン層126は、0.5原子%~2.5原子%の範囲の濃度をもつドーパントを含む。いくつかの実施形態では、ドープされたシリコン層126は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5原子%~2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。いくつかの実施形態では、ドープされたシリコン層126は、0.5原子%~1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、または2.5原子%の範囲のドーパント濃度を有する。
【0024】
第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、またはドープされたシリコン層126のいずれかにおけるドーパントは、当業者に知られている任意の適切なドーパントとすることができる。いくつかの実施形態では、ドーパントはIII-V族元素を含む。いくつかの実施形態では、ドーパントは、炭素またはホウ素のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、ドーパントは、炭素またはホウ素のうちの1つまたは複数から本質的になる。このようにして使用される「から本質的になる」という用語は、対象構成要素の組成が記載された材料の95%、98%、99%、または99.5%以上であることを意味する。例えば、炭素および/またはホウ素から本質的になるドーパントは、すべてのドーパント原子のうち、95%以上が炭素またはホウ素であることを意味する。いくつかの実施形態では、ドーパントは、炭素を含むか、または炭素から本質的になる。いくつかの実施形態では、ドーパントは、ホウ素を含むか、またはホウ素から本質的になる。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層および第2のドープされたSiGe層は、独立して、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層、第2のドープされたSiGe層、およびドープされたシリコン層は、独立して、0.5~2.5%の範囲のドーパントを含む。ドーパントは、異なる層において同じであっても異なっていてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122のxおよび第2のドープされたSiGe層124のyは、同じであるか、または互いに0.1以内であり、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124の各々のドーパント濃度は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0原子パーセント以上異なる。
【0027】
記載の様々な層は、当業者に知られている任意の適切な技法によって形成することができる。例えば、膜のうちの1つまたは複数は、エピタキシャル成長、化学気相堆積、原子層堆積、物理的気相堆積、イオン注入、などによって形成することができる。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126の各々は、エピタキシャル成長される。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126の各々は、独立して、500℃~800℃の範囲の温度で成長される。
【0028】
膜スタック120の応力は、ドープされた層によって調節される。いくつかの実施形態では、第2のドープされたSiGe層124の応力は、第1のドープされたSiGe層122の応力よりも張力が大きい。膜スタック120の応力は、ドープされた層によって調節される。いくつかの実施形態では、第2のドープされたSiGe層124の応力は、第1のドープされたSiGe層122の応力よりも張力が大きく、第1のドープされたSiGe層122の応力は、ドープされたシリコン層126の応力よりも張力が大きい。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124の応力は、ドープされたシリコン層126の応力よりも張力が大きい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ウエハの全体的な反りは、100個の膜スタック120の形成後中立である。いくつかの実施形態では、ウエハの全体的な反りは、125個、150個、175個、または200個の膜スタック120の形成後中立である。このように使用される「中立」という用語は、ウエハ表面にわたる反りが150μm、125μm、100μm、75μm、50μm、または25μm以下であることを意味する。いくつかの実施形態は、5μm以上のDRAMスタックを可能にするために1μmトークスタックのウエハの反りを約30μmに低減する制御された方法でエピ膜をドープする方法を提供する。
【0030】
図に示された3色プロセスにおいて、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124は、2つのエッチングを互いに対して選択的にする方法の点で互いに異なる。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124は、異なるドーピングレベルで同様のSi:Ge比を有する。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124は、同様のドーピングレベルで異なるSi:Ge比を有する。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122および第2ドープのSiGe層124は、異なるドーピング量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数を有する。
【0031】
第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126は、互いに相対的にエッチング選択的である。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122およびドープされたシリコン層126は、ハロゲン化物系エッチャント(例えば、1%HF、NF3プラズマ)を使用する場合、200:1を超えるエッチング選択性を有する。ハロゲン化物系エッチャントは、湿式エッチャントまたは気相エッチャントを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化物系エッチャントは、フッ素原子を含む気相エッチャントである。いくつかの実施形態では、第2のドープされたSiGe層124およびドープされたシリコン層126は、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、200:1を超えるエッチング選択性を有する。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122および第2のドープされたSiGe層124は、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、200:1を超えるエッチング選択性を有する。いくつかの実施形態では、第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126の各々は、ハロゲン化物系エッチャントを使用する場合、他の層に対して200:1を超えるエッチング選択性を有する。
【0032】
実施形態および説明図は3色方法を論じているが、当業者は、ドープされたSi層およびドープされたSiGe層は4色以上のシステムを提供するように構成することができることを認識されよう。追加の色(SiGe層)は、第1のドープされたSiGe層122、第2のドープされたSiGe層124、およびドープされたシリコン層126と比較して、異なるドーパント量または異なるSi:Ge比のうちの1つまたは複数によりエッチング選択性である。
【0033】
図2および図3は、図1の3D DRAMデバイス100の領域IIにおける一部分を示す。いくつかの実施形態では、この方法は、リソグラフィによって、膜スタック120のすべてを通して基板表面112(または基板110内のある距離)までチャネル140を形成することをさらに含む。当業者は、リソグラフィを使用してチャネル140を形成する方法を理解しているであろう。チャネル140の形成後、第1のドープされたSiGe層122または第2のドープされたSiGe層124のうちの1つまたは複数が、チャネル140を介して膜スタック120から選択的にエッチングされる。図3は、第1のドープされたSiGe層122が除去され、第2のドープされたSiGe層124およびドープされたシリコン層126が残されていることを示している。当業者は、チャネル140を介して第2のドープされたSiGe層124を除去し、一方、第1のドープされたSiGe層122およびドープされたシリコン層126を残すことができることを理解するであろう。
【0034】
本明細書の全体にわたる「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、材料、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる様々な場所における「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」、または「一実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0035】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されたが、当業者は、説明された実施形態が本開示の原理および用途の単に例示であることを理解するであろう。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本開示の方法および装置に様々な変更および変形を行ってもよいことが当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の変更および変形を含むことができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】