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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】レーザアニールパターンの抑制
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241010BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20241010BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20241010BHJP
   G06T 5/77 20240101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
G06T1/00 305A
G06T5/77
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576120
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022046349
(87)【国際公開番号】W WO2023069282
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/504,475
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラウバー ジャン
(72)【発明者】
【氏名】カークウッド ジェイソン
【テーマコード(参考)】
2G051
4M106
5B057
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BA10
2G051BA20
2G051BB03
2G051CB01
2G051EA08
2G051ED04
4M106AA01
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB02
4M106DB08
4M106DB16
4M106DJ19
4M106DJ20
5B057AA03
5B057CA02
5B057CC04
5B057CF10
5B057DC17
5B057DC23
(57)【要約】
レーザアニールされた半導体ウェハの画像内の格子線の位置を判別する。格子線で覆われた領域は、新規グレースケール値で埋められる。新規グレースケール値は、その領域周辺の近隣域の第2グレースケール値に基づいてもよい。近隣域は格子線で覆われた領域の外側にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
光を生成する光源と、
前記光の光路内にレーザアニールされた半導体ウェハを保持するように構成されたステージと、
前記レーザアニールされた半導体ウェハから反射した前記光を受けるように構成された検出器と、
前記検出器と電子通信接続されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記検出器からのデータを使用して前記レーザアニールされた半導体ウェハの画像を生成し、
前記画像内における格子線の位置を判別し、
前記格子線によって覆われた領域を、前記領域付近の近隣域の第2グレースケール値に基づく新規グレースケール値を使用して埋め、
前記近隣域は、前記格子線で覆われた前記領域の外側にある、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサが、
前記格子線で覆われた前記領域の第1グレースケール値と、前記領域付近の前記近隣域の前記第2グレースケール値と、を比較し、
前記新規グレースケール値を求めるように、前記領域内の前記第1グレースケール値を補正率で除算するように、更に構成され、
前記補正率は、前記領域の平均グレーレベルを前記近隣域の平均グレーレベルで除算したものである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記第2グレースケール値は、前記第1グレースケール値から格子線の幅よりも離れた位置から取得されることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、
前記比較する工程、前記除算する工程、および前記埋める工程は、前記画像の前記格子線内のすべての画素に対して繰り返し実行されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記光源と前記検出器は、前記画像が明視野画像であるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記光源と前記検出器は、前記画像が暗視野画像であるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記領域が前記新規グレースケール値によって埋められた後で、前記画像に対し欠陥検査を実行するように、更に構成されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記判別する工程は、Sobelエッジ検出を利用することを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記埋める工程は、ヒストグラム再マッピングを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
方法であって、
プロセッサを使用し、レーザアニールされた半導体ウェハの画像内の格子線の位置を判別する工程と、
前記プロセッサを使用し、前記格子線によって覆われた領域を、前記領域付近の近隣域の第2グレースケール値に基づく新規グレースケール値を使用して埋める工程と、を含み、
前記近隣域は、前記格子線で覆われた前記領域の外側にある、
ことを特徴とする方法
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記プロセッサを使用し、前記格子線で覆われた前記領域の第1グレースケール値と、前記領域付近の前記近隣域の前記第2グレースケール値と、を比較する工程と、
前記新規グレースケール値を求めるように、前記プロセッサを使用し、前記領域の第1グレースケール値を補正率で除算する工程と、を更に含み、
前記補正率は、前記領域の平均グレーレベルを前記近隣域の平均グレーレベルで除算したものである、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記第2グレースケール値は、前記第1グレースケール値から前記格子線の幅よりも離れた位置から取得されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記比較する工程、前記除算する工程、および前記埋める工程は、前記画像の前記格子線内のすべての画素に対して繰り返し実行されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、
前記画像は、明視野画像であることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
前記画像は、暗視野画像であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法であって、
前記埋める工程の後に前記画像に対し欠陥検査を実行する工程を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項10に記載の方法であって、
前記判別する工程は、Sobelエッジ検出を利用することを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項10に記載の方法であって、
前記埋める工程は、ヒストグラム再マッピングを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項10に記載された方法を実行するようにプロセッサに指令するように構成されたプログラムを保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウェハ画像の処理に関連する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造産業の発展により、歩留まり管理、特に測定システムと検査システムへの需要が伸びている。限界寸法は小さくなり続けているが、業界では歩留まりが高く、価値の高い生産を実現する時間を削減する必要がある。歩留まりの問題点を検出してから、それを改善するまでの総合時間を削減することによって、半導体生産業者にとっての投資対効果が最大となる。
【0003】
論理素子や記憶素子のような半導体デバイスの製造には、多くの製造工程によって、半導体デバイスの様々な機能や複数の段階の半導体デバイスを形成するように、半導体ウェハを処理することが通常含まれる。例えば、リソグラフィーは、半導体製造工程の1つであって、パターンをレチクルから半導体ウェハ上のレジストへ転写することを含む。半導体製造工程は、更に例として、これらに限られないが、CMP(化学機械研磨)、エッチング、蒸着、イオン注入を含む。1枚の半導体ウェハ上に形成された複数の配列された半導体デバイスは、個々の半導体デバイスに分離可能である。
【0004】
半導体製造中の様々な工程で検査処理がなされ、ウェハの欠陥を検出し、製造工程の高い歩留まり、つまり高い利益を促進する。検査は、IC(集積回路)のような半導体デバイスの製造において、常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が小さくなるにつれ、より小さな欠陥であってもデバイスを故障させ得るので、検査は、十分な品質の半導体デバイスの製造を成功させるために、より一層重要となった。例えば、半導体デバイスの寸法が小さくなると、非常に小さな欠陥であっても、半導体デバイスでは好ましくない収差を生じる可能性があるので、より小さなサイズの欠陥の検出が必要となる。
【0005】
しかしながら設計基準の縮小によって、半導体製造工程は、各工程の作業能力の限界近くでの作業となる。更に、設計基準の縮小によって、より小さな欠陥がデバイスの電気的パラメータに影響を与え、それによってより感度の高い検査が必要とされることになる。設計基準の縮小に伴い、検査によって検出される潜在的な歩留まり関連の欠陥数が激増し、また検査によって検出される疑似欠陥数も激増する。このため、ウェハで検出される欠陥が増え、すべての欠陥を解消するように工程を修正することは、困難であり費用がかかる。デバイスの電気的パラメータと歩留まりに実際に影響する欠陥を判断することは、そのような欠陥に集中し、他の多くの欠陥を無視する工程制御方法を可能とする。更に、設計基準が小さいと、工程によって引き起こされる不良が、場合によって、規則正しくなる。つまり、工程によって引き起こされる不良は、模様内で多くの場合繰り返される所定の模様パターンで発生する傾向がある。空間的に規則的で、電気的に関連する欠陥を解消することは、歩留まりにも大きく影響する。
【0006】
レーザアニール処理は、ウェハの裏面にくっきりした格子パターンを生成し、レーザで照射され加熱された領域の変色として現れる。格子パターンは、ウェハの他の部分と比べ、より明るくなることもあれば、より暗くなることもある。裏面照射ツールは、露出領域を検査するので、このような格子パターンは誤って欠陥としてラベル付けされ分類されてしまうこともある。このようなエラーを避けるためには、検査アルゴリズムの精度を下げるか、格子パターンを省く。このような技術によって、偽欠陥に困ることがなくなる。
【0007】
欠陥検出アルゴリズムを離調すると、感度が低下するので、損傷のあるチップが、品質管理工程をすり抜けてしまうこともあり得る。格子線を省いてしまうと、レーザアニール格子線上またはその周りの欠陥を見過ごすことになる。図1は、レーザアニーリング処理後のウェハの裏面を示す。規則的な格子線が見える。欠陥は、これらの格子線上またはその周りで発生する可能性もある。そのような欠陥は、格子パターンと重なることもある。これらの欠陥の内のいくつかの輝度は、格子線と同じこともあり、その場合、欠陥を検出するのは困難となる。格子線が省かれると、その後の欠陥検出アルゴリズムで、格子線上または近くの欠陥が見過ごされてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0280470号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このため、改良されたシステムや技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1実施形態では、システムを規定する。システムは、光を生成する光源と、光の光路内にレーザアニールされた半導体ウェハを保持するように構成されたステージと、レーザアニールされた半導体ウェハから反射した光を受けるように構成された検出器と、検出器と電子通信接続されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、検出器からのデータを使用してレーザアニールされた半導体ウェハの画像を生成し、画像内における格子線の位置を判別し、格子線によって覆われた領域を、この領域付近の近隣域の第2グレースケール値に基づく新規グレースケール値を使用して埋める。近隣域は、格子線で覆われた領域の外側にある。
【0011】
プロセッサは、格子線で覆われた領域の第1グレースケール値と、この領域付近の近隣域の第2グレースケール値と、を比較し、新規グレースケール値を求めるため、領域の第1グレースケール値を補正率で除算するように、更に構成されてもよい。補正率は、領域の平均グレーレベルを近隣域の平均グレーレベルで除算したものである。第2グレースケール値は、第1グレースケール値から格子線の幅よりも離れた位置から取得してもよい。比較する工程、除算する工程、および埋める工程は、画像の格子線内のすべての画素に対して繰り返し実行してもよい。
【0012】
光源と検出器は、画像が明視野画像であっても、または暗視野画像であってもよいように構成可能である。
【0013】
プロセッサは、領域が新規グレースケール値によって埋められた後で、画像に対し欠陥検査を実行するように、更に構成してもよい。
【0014】
判別する工程は、Sobelエッジ検出を利用してもよい。
【0015】
埋める工程は、ヒストグラム再マッピングを含んでもよい。
【0016】
第2実施形態では、方法を規定する。プロセッサを使用し、レーザアニールされた半導体ウェハの画像内の格子線の位置を判別する。プロセッサを使用し、格子線によって覆われた領域を、この領域付近の近隣域の第2グレースケール値に基づく新規グレースケール値を使用して埋める。近隣域は、格子線で覆われた領域の外側にある。
【0017】
方法は、更に次の工程を含むことができる。プロセッサを使用し、格子線で覆われた領域の第1グレースケール値と、この領域付近の近隣域の第2グレースケール値と、を比較する工程と、新規グレースケール値を求めるように、プロセッサを使用し、領域の第1グレースケール値を補正率で除算する工程と、である。補正率は、領域の平均グレーレベルを近隣域の平均グレーレベルで除算したものである。第2グレースケール値は、第1グレースケール値から格子線の幅よりも離れた位置から取得できる。比較する工程、除算する工程、および埋める工程は、画像の格子線内のすべての画素に対して繰り返し実行してもよい。
【0018】
画像は、明視野画像であっても、暗視野画像であってもよい。
【0019】
方法は、埋める工程の後に画像に対し欠陥検査を実行する工程を更に含んでもよい。
【0020】
判別する工程は、Sobelエッジ検出を利用してもよい。
【0021】
埋める工程は、ヒストグラム再マッピングを含んでもよい。
【0022】
第2実施形態の方法の実行をプロセッサに指令するように構成されたプログラムを保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の本質と目的をより完全に理解するため、添付の図と合わせて、下記の詳細説明を参考にされたい。
図1】ウェハの裏面の画像であって、レーザアニールによる格子パターンを示す図である。
図2図1の画像であって、本開示の実施形態を使用して格子パターンが抑制された図である。
図3】本開示に従う実施形態のフローチャートを示す図である。
図4図3に示す方法を使用する前の欠陥マップ画像の例を示す図である。
図5図3に示す方法を使用した後の欠陥状況画像の例を示す図である。
図6】本開示に基づくシステムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の主題を特定の実施形態に関して説明するが、それ以外の実施形態も本開示の範囲内であって、ここで示す効果や特徴事項のすべてを網羅しない実施形態も含む。構成、論理、工程および電子的な様々な変更が、本開示の範囲を逸脱することなく可能である。よって、本開示の範囲は、後述する請求項によってのみ定義される。
【0025】
ここで開示する実施形態は、レーザアニールされた半導体ウェハの変色した領域の輝度変化を補正および抑制する。その後の欠陥検出アルゴリズムでは、格子パターンによる偽欠陥を検出しなくなる。つまり欠陥検出アルゴリズムは、最大の感度を維持可能である。例えば図2は、ここに開示する実施形態を使用して格子パターンを抑制した後の図1の画像である。図2では、格子パターンは見えなくなっている。
【0026】
図3に方法100の実施形態の1つを示し、対応する図を各工程の右側に示す。図3に示す工程のうちの一部またはすべては、プロセッサを使用して実行可能である。単一画像について示されているが、方法100は、1つの半導体ウェハまたは複数の半導体ウェハに亘る複数の画像に対して実行可能である。
【0027】
工程101では、レーザアニールされた半導体ウェハの画像内の格子線105の位置が判別される。画像の例では、格子線105は格子線以外の場所よりも暗い色合い(例えば灰色)となっているが、格子線以外の場所よりも明るい色合いとしてもよい。
【0028】
画像は、明視野画像であっても暗視野画像であってもよい。画像が明視野画像か暗視野画像かによって、格子線を明るくしたり暗くしたりできる。
【0029】
格子線の位置は、ウェハごとに異なる。更に格子線は、ウェハの向きに並んでいない場合もある。つまり格子線は、斜めに現れてもよい。このような相対的な角度を計測して補正することによって、格子の位置をより正確に判別することが可能となる。例えば、格子線の正確な位置は、格子線同士間の規則的な距離を利用することによって判別してもよい。
【0030】
格子線の位置の判別には、他の技術も利用可能である。例えば、Sobelエッジ検出やCannyフィルタを利用して格子線の位置を判別できる。
【0031】
他の例では、フーリエ変換を利用して、格子線の位置を周波数空間において判別してもよい。フーリエ解析では、画像を周波数の観点から分析する。規則的に間隔を空けて配置されたパターンは、周波数スペクトル内で強いピークとして現れる。
【0032】
他の例では、格子線の位置は、格子パターンの規則的な繰り返しを利用して判別可能である。模様内の始点に対する格子線の想定された位置を利用してもよい。ここに上げた以外の技術を使用して格子線の位置を判別してもよい。
【0033】
工程101において格子線の位置を判別した後、格子線105によって覆われる領域は、その領域106付近の近隣域107の第2グレースケール値に基づく新規グレースケールによって埋められる。近隣域107は、格子線105で覆われた領域106の外側の領域である。
【0034】
工程102において、格子線105で覆われた領域106の第1グレースケール値が、領域106付近の近隣域107の第2グレースケール値と比較される。近隣域は、格子線105の片側のみでもよいし、格子線105の両側の平均値でもよい。第2グレースケール値は、格子線から格子線の幅より離れた位置から取るとよい。それによって、第2グレースケール値が第1グレースケール値に近すぎる値となることを防止できる。例えば第2グレースケール値は、第1グレースケール値から64画素以内とする。
【0035】
近隣域107を格子線105から現実的な範囲で近くに選択することによって、近隣域107をより遠くから選択した場合と比べて、補正値のより正確な計測が可能となる。正確な距離は、具体例ごとに異なり、結果が最適となるようにユーザが選択できる。
【0036】
補正量は、工程103で決定される。例えば、領域106内の第1グレースケール値を補正率によって除算する。第1グレースケール値を除算することによって、新規グレースケール値を決定できる。補正率は、領域106内の平均グレーレベルを近隣域107内の平均グレーレベルで除算した値である。
【0037】
平均グレーレベルは、枠内または横線または縦線内のグレーレベルの平均として求めてもよい。領域は、横線または縦線内を補正するのか、他の領域を補正するのかによって異なる。枠または線の寸法は、結果が最適となるようにユーザが選択できる。
【0038】
他の実施形態では、補正量は加法項を使用して決定される。グレーレベルの補正量は、補正率を使用する代わりに、元の値に加算しても元の値から減算してもよい。
【0039】
工程104において、新規グレースケール値によって領域106を埋める。つまり格子線上の画素は、格子状ではない近隣域と同様に見えるように補正される。図2は、図1のそのようなグレーレベル補正後の同一のウェハの画像を示す。格子線は、肉眼ではほぼ見えないようになる。信号対雑音比が上がり、格子線上またはその周りの欠陥も見えるようになる。
【0040】
領域106は、画素ごと、または領域ごとに埋めてもよい。領域106は、工程101で決定された境界線内で埋めることができる。つまり、複数画素、単数画素、または単数の線を含む領域106に対して適応可能である。
【0041】
ウェハの裏側に行なわれた処理によって、グレースケールはウェハ上で大きく異なるので、グレースケールのばらつきは、局部的に測定し、補正可能である。格子線上およびそれ以外のグレースケールの測定は、複数の技術を使用して、1次元(直線的な投影)または2次元での平均グレーレベルを測定することで実現してもよい。
【0042】
例えば、ヒストグラム再マッピングを実行して領域106を埋めてもよい。領域106と近隣域107のグレーレベル分布を比較し、ヒストグラムのエンドポイントを相互に一致させて、分布の補正を求めることもできる。色補正の他の方法を適用してもよい。
【0043】
比較工程102、補正量の決定工程103、埋め込み工程104は、画像の格子線内のすべての画素に対して繰り返してもよい。これは、画素ごと、または格子線内の複数の局部的な範囲を利用して実行してもよい。
【0044】
画像に対する欠陥検査は、方法100が画像の格子線内の一部に対して実行された後に実行してもよいし、すべての画素に対して実行された後に実行してもよい。
【0045】
方法100は、縦または横の格子線への近さに応じて、グレースケール平均値の1次元測定を画素の列または行に沿って行う。格子線がぶつかるまたは交差する領域については、2次元で輝度平均値を測定して補正してもよい。例えば、領域106として枠を使用する。この枠の大きさは、縦と横の線の交差した領域の大きさとしてもよい。この交差部分で使用される枠は、交差点外の格子線105の他の部分にかからないような大きさとしてもよい。
【0046】
図4図5は、欠陥マップの例を示す。図4の欠陥マップは、欠陥と格子線の両方を含む。これは、検査または欠陥分析に影響する可能性がある。格子線は、欠陥を隠してしまうかもしれないし、誤検出となるかもしれない。図5は、方法100を適用した後の同一の領域の欠陥マップを示す。格子線は抑制され、実際の欠陥を特定し、分類することが可能である。図5の欠陥解析は、図4の欠陥解析よりエラーが少なくなる。
【0047】
システム200の実施例の1つを図6に示す。システム200は、光学系サブシステム201を含む。一般的には、光学系サブシステム201は、被検査物202に対し光を照射し(または光を走査し)、被検査物202からの光を検出することによって、被検査物202に関する光学出力を生成するように構成される。実施形態によって、被検査物202は、ウェハを含む。ウェハには、当該技術分野で周知であるいかなるウェハも含まれ、例えばレーザアニールされたウェハでもよい。他の被検査物でもよい。
【0048】
図6に示すシステム200の実施形態では、光学系サブシステム201は、光を被検査物202に照射するように構成される照射サブシステムを含む。照射サブシステムは、少なくとも1つの光源を含む。例えば、図6に示すように、照射サブシステムは、光源203を含む。実施形態によって、照射サブシステムは、被検査物202へ光を1つまたは複数の入射角で照射するように構成され、入射角には、1つまたは複数の斜めの角度や1つまたは複数の垂直の角度を含む。例えば、図6に示すように、光源203からの光は、光学素子204を通り、レンズ205を通り、被検査物202へ斜めの入射角で照射される。斜めの入射角は、適切ないかなる入射角でもよく、例えば被検査物202の特徴によって変えてもよい。
【0049】
光学系サブシステム201は、場合によって入射角を変えて被検査物202に光を照射してもよい。例えば、光学系サブシステム201は、照射サブシステムの1つまたは複数の素子の1つまたは複数の特徴事項を変え、図6に示す入射角とは異なる入射角で被検査物202へ光を照射してもよい。そのような例として、光サブシステム201は、光源203,光学素子204およびレンズ205を動かし、異なる斜めの入射角または垂直な(または垂直に近い)入射角で光を被検査物202へ照射するように構成してもよい。
【0050】
例えば、光学系サブシステム201は、同時に複数の入射角で被検査物202に光を照射するように構成してもよい。例えば照射サブシステムは、複数の照射経路を含み、そのうちの1つは、図6に示すように、光源203、光学素子204およびレンズ205を含み、別の照射経路(図示せず)も同様の構成要素を含み、それらは異なるように構成されても同じように構成されてもよい。または少なくとも1つの光源と、ここで更に示すような他の構成要素を1つまたは複数含んでもよい。そのような光をもう一方の光と同時に被検査物に照射する場合は、被検査物202に異なる入射角で照射する各光の1つまたは複数の特徴事項(例えば、波長や偏光等)を変え、被検査物202への異なる入射角での照射によって生じる光が検出器(1つまたは複数)によって区別できるようにすることも可能である。
【0051】
別の例では、照射サブシステムは、1つのみの光源(例えば、図6の光源203)を含み、この光源からの光を照射サブシステムの1つまたは複数の光学素子(図示せず)によって、(例えば波長、偏光等に基づき)異なる光路へ分光してもよい。その後で、異なる各光路の光を被検査物202に照射してもよい。複数の照射経路を同時にまたは異なるタイミング(例えば、異なる照射経路から被検査物を連続的に照射するように使用された場合)で、被検査物202に光を照射するように構成してもよい。他の例では、同一の照射経路から、異なるタイミングで特徴事項を異ならせて、被検査物202に光を照射するように構成してもよい。例えば、場合によっては、光学素子204をスペクトルフィルタとして構成し、スペクトルフィルタの作用を様々に異ならせることが可能であるので(例えばスペクトルフィルタを交換することによって)、被検査物202に異なるタイミングで異なる波長の光を照射できる。照射サブシステムは、異なるまたは同一の特徴を有する光を、連続的または同時に、異なるまたは同一の入射角で被検査物202に照射するために、当該技術分野で周知である他の適した構成を有してもよい。
【0052】
実施形態によっては、光源203は、広帯域プラズマ(BBP:Broadband Plasma)光源を含んでもよい。それによって、光源203によって生成され、被検査物202に照射される光は、広帯域光を含むことが可能となる。しかしながら光源は、例えばレーザ等の他の適した光源を含んでもよい。レーザは、当該技術分野で周知である適切ないかなるレーザも含み、当該技術分野において周知である、適切ないかなる1つまたは複数の波長で光を生成するように構成してもよい。更にレーザは、単色または単色に近い光を生成するように構成してもよい。この場合レーザは、狭帯域のレーザでもよい。光源203は、複数の離散波長または離散帯域の光を生成する多色光源を含んでもよい。
【0053】
レンズ205によって、光学素子204からの光の焦点を被検査物202に合わせることができる。図6ではレンズ205は、単一の屈折光学素子として示すが、実際にはレンズ205は、組み合わせることによって光学素子からの光の焦点を被検査物に合わせる複数の屈折光学素子または複数の反射光学素子、またはその両方を含んでもよいことを理解されたい。図6に示し、ここで説明する照射サブシステムは、他の適した光学素子(図示せず)を含んでもよい。そのような光学素子には、偏光素子、スペクトルフィルタ、空間フィルタ、反射光学素子、アポダイザ、ビームスプリッタ(例えばビームスプリッタ213)、アパーチャ、当該技術分野で周知であるこのような適切ないかなる光学素子を含むその他、を1つまたは複数含んでもよいが、それらに限定されるものではない。更に、光学系サブシステム201は、光学出力の生成に使用される照射の種類に応じて、照射サブシステムの素子を1つまたは複数変更できるように構成してもよい。
【0054】
光学系サブシステム201は、光を被検査物202上に走査させるように構成された走査サブシステムも含んでもよい。例えば、光学系サブシステム201は、被検査物202を光学出力生成中にその上に置くステージ206を含んでもよい。走査サブシステムは、適切ないかなる機械部またはロボット部またはその両方(ステージ206を含む)を含んでもよく、それらを被検査物202を移動させ、光が被検査物202上に走査されるように構成してもよい。追加としてまたはその代替えとして、光学系サブシステム201は、光学系サブシステム201の1つまたは複数の光学素子が被検査物202上への光の走査を実行するように構成してもよい。光は、つづら折り状の経路やらせん状の経路のような、適切ないかなる形式で被検査物202上を走査してもよい。
【0055】
光学系サブシステム201は、1つまたは複数の検出経路を含む。少なくとも1つの検出経路は、サブシステムによって被検査物202を照射することによる被検査物202からの光を検出し、検出された光に応じた出力を生成するように構成された検出器を含む。例えば、図6に示す光学系サブシステム201は、2つの検出経路を含み、一方は、集光器207、素子208および検出器209によって構成され、もう一方は、集光器210、素子211および検出器212によって構成される。図6に示すように、2つの検出経路は、異なる集光角度によって、光を集め検出するように構成される。場合によって、両方の検出経路は、散乱光を検出するように構成される。両検出経路は、被検査物202から異なる角度で散乱する光を検出するように構成される。ただし、1つまたは複数の検出経路は、被検査物202からの他の種類の光(例えば反射光)を検出するように構成されてもよい。
【0056】
更に図6に示すように、両方の検出経路は紙面の平面内に位置し、照射サブシステムも紙面の平面内に位置している。つまりこの実施形態では、両検出経路は入射面内に位置する(例えば、その中央)。しかしながら、1つまたは複数の検出経路は、入射面の外に配置してもよい。例えば、集光器210、素子211,検出器212によって構成される検出経路は、入射面から外れた散乱光を集光し検出してもよい。そのような検出経路を共通して「側部」経路と呼ぶ。そのような側部経路は、入射面に対し実質的に垂直な面の中央に配置してもよい。
【0057】
図6は、2つの検出経路を含む光学系サブシステム201を示すが、光学系サブシステム201は、それ以外の数の検出経路(例えば検出経路を1つのみ、または2つ以上)含んでもよい。例えば、集光器210、素子211、検出器212によって構成される検出器は、片方の側部経路を上記のような構成とし、光学系サブシステム201は、検出経路(図示せず)をもう1つの側部経路として更に含み、入射面の反対側に配置してもよい。このように光学系サブシステム201は、集光器207、素子208および検出器209を含む検出経路を備えてもよく、この検出経路を入射面の中央に配置し、被検査物202の表面に対して垂直またはほぼ垂直である散乱角における光を集光し検出してもよい。この検出経路は、共通して「上部」経路と呼び、光学系サブシステム201は、更に2つ以上の上記の側部経路を備えてもよい。つまり光学系サブシステム201は、少なくとも3つの経路(上部経路を1つと側部経路を2つ)を備えてもよく、少なくとも3つの経路は、集光器をそれぞれ含み、各集光器は他の集光器とは異なる散乱角の光を集光する。
【0058】
上記のように、光学系サブシステム201に含まれる各検出経路は、散乱光を検出するように構成できる。このため図6に示す光学系サブシステム201は、被検査物202に対する暗視野(Dark Field:DF)出力生成用に構成してもよい。しかしながら光学系サブシステム201は、被検査物202に対する明視野(Bright Field:BF)出力生成用に構成された検出経路を更に含んでもよいし、代わりに含んでもよい。言い換えれば、光学系サブシステム201は、被検査物202から鏡面反射された光を検出するように構成された検出経路を少なくとも1つ備えてもよい。従ってここに記す光学系サブシステム201は、DF画像化用のみ、BF画像化用のみ、またはDFとBFの両画像化用に構成できる。図6において各集光器は、1つの屈折光学素子として示されているが、各集光器は、1つまたは複数の屈折光学ダイと、1つまたは複数の反射光学素子の一方または両方を含んでもよい。
【0059】
1つまたは複数の検出経路は、当該技術で周知である適切ないかなる検出器を備えてもよい。例えば検出器は、PMT(光電子増倍管)、CCD(電荷結合素子)、TDI(時間遅延積分)カメラまたはその他の当該技術で周知である適切ないかなる検出器を備えてもよい。検出器は、非撮像検出器または撮像検出器を含んでもよい。このような方法では、検出器が非撮像検出器である場合、各検出器は、輝度などの散乱光の特定の特性を検出するように構成され、撮像面内の位置的相関関係のような特性を検出するようには構成されなくてもよい。つまり光学系サブシステムの各検出経路に含まれる各検出器によって生成される出力は、信号またはデータであって、画像信号や画像データではない。そのような場合、プロセッサ214のようなプロセッサは、検出器の非撮像出力から被検査物202の画像を生成するように構成してもよい。ただしその他の例では、検出器は画像信号または画像データを生成するように構成される撮像検出器として構成される。このように光学系サブシステムは、ここで示す光学画像またはその他の光学系出力を様々な方法で検出するように構成可能である。
【0060】
図6は、ここで示すシステムの実施形態に含まれる、またはここで示すシステムの実施形態によって使用される、光学系出力を生成するように構成できる光学系サブシステム201の構成を一般的に図示するものである。ここに示す光学系サブシステム201の構成は、出力を取得するシステム製品を設計する際に通常行われるように、光学系サブシステム201の性能を最適化するため、変更してもよい。更に、ここに示すシステムは、既存のシステムを使用して構築してもよい(例えば、既存のシステムにここで示す機能を追加してもよい)。そのようなシステムのうちのいくつかには、ここに示す方法をシステムの機能のオプション(システムの他の機能への追加機能)として備えてもよい。もしくは、ここに示すシステムは、完全に新規のシステムとして設計してもよい。
【0061】
プロセッサ214は、出力を受信できる適切ないかなる方法(例えば、有線または無線、またはその両方の伝送媒体を含む、1つまたは複数の伝送媒体を介する方法)によって、システム200の構成要素に接続してもよい。プロセッサ214は、出力を利用して様々な機能を実行するように構成できる。システム200は、プロセッサ214から指令やその他の情報を得ることができる。プロセッサ214または電子データ記憶部215、またはその両方は、オプションとして、更に情報を受信したり指令を送信したりするため、ウェハ検査ツール、ウェハ計測ツールまたはウェハ分析ツール(図示せず)と電子通信接続してもよい。例えば、プロセッサ214または電子データ記憶部215、またはその両方は、走査電子顕微鏡と電子通信接続可能である。
【0062】
ここで示すプロセッサ214,その他のシステム(1つまたは複数)またはその他のサブシステム(1つまたは複数)は、様々なシステムの一部であってもよく、それらは例えば、PCシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器等を含む。サブシステム(1つまたは複数)またはシステム(1つまたは複数)は、並列プロセッサのような、該当技術分野で周知である適したプロセッサを含んでもよい。更に、サブシステム(1つまたは複数)またはシステム(1つまたは複数)は、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを、スタンドアローン型またはネットワーク型ツールとして備えてもよい。
【0063】
プロセッサ214と電子データ記憶部215は、システム200またはその他の機器の内部または一部として外部に備えてもよい。例えば、プロセッサ214と電子データ記憶部215は、スタンドアローン型制御部の一部または中央品質制御部内に設けてもよい。複数のプロセッサ214または複数の電子データ記憶部215を使用してもよい。
【0064】
プロセッサ214は、実際にはハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアのいかなる組み合わせによって構築してもよい。更に、ここで示す機能は、1つの構成要素単体で、または複数の異なる構成要素で分担して実行してもよく、各構成要素は同様にハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアのいかなる組み合わせによって構築してもよい。様々な方法や機能をプロセッサ214が実行するためのプログラムや指令は、電子データ記憶部215内のメモリや他のメモリ等の可読記憶媒体に保存できる。
【0065】
システム200がプロセッサ214を複数備える場合は、複数のサブシステムを相互に接続して、画像、データ、指令等をサブシステム間で送信できるようにしてもよい。例えば、1つのサブシステムを追加のサブシステム(1つまたは複数)に適した伝送媒体で接続でき、伝送媒体は、当該技術で周知である適した有線または無線、またはその両方の伝送メディアを含んでもよい。2つまたはそれ以上のそのようなサブシステムは、共通のコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効率的に接続することも可能である。
【0066】
プロセッサ214は、システム200の出力またはその他の出力を利用して、様々な機能を実行するように構成してもよい。例えばプロセッサ214は、出力を電子データ記憶部215または他の記憶媒体へ送信するように構成してもよい。プロセッサ214は、ここに示す実施形態の内のどの実施形態に従って構成してもよい。プロセッサ214は、システム200の出力または他の供給源からの画像やデータを利用し、他の機能や追加の工程を実行するように構成してもよい。
【0067】
システム200の様々な工程、機能、操作、およびここに示す方法は、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブルロジックデバイス、ASIC、アナログまたはデジタルの調整手段やスイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピュータシステムのうちの1つまたはそれ以上によって実行される。ここに示すような方法を実行するプログラム指令は、運搬用媒体を介して伝送したり、運搬用媒体に保存してもよい。運搬用媒体は、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクまたは光学ディスク、不揮発性メモリ、固体メモリ、磁気テープ等の記憶媒体を含んでもよい。運搬用媒体は、有線、ケーブルまたは無線伝送路等の伝送媒体を含んでもよい。例えば、本開示を通して示す様々な工程は、1つまたは複数のプロセッサ214によって実行してもよい。更に、システム200の各サブシステムは、1つまたは複数のコンピュータシステムまたは論理システムを含んでもよい。従って上記の記載は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例である。
【0068】
例えばプロセッサ214は、システム200と通信可能である。プロセッサ214は、検出器209または検出器212,またはその両方からのデータを利用して、被検査物202(例えば、レーザアニールされた半導体ウェハ)の画像を生成し、画像内における格子線の位置を判別し、格子線で覆われた領域をその領域の周りの近隣域の第2グレースケール値に基づく新規グレースケール値を使用して埋めるように構成される。近隣域は、格子線で覆われた領域の外側にある。これらは、ここで開示した実施形態を利用して実行できる。
【0069】
更なる実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体に関し、制御部で実行可能なプログラム指令を保存する。制御部は、ここで示すように、レーザアニールされた半導体ウェハの格子線上のグレースケール値を調整するコンピュータ実装方法を実行する。特に図6で示すように、電子データ記憶部215または他の記憶媒体は、プロセッサ214で実行可能なプログラム指令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を備えてもよい。コンピュータに実装された方法は、方法100を含む、ここで示す方法のいかなる工程を含んでもよい。
【0070】
プログラム指令は、様々な方法で実行可能である。例えば、プロシージャベースの技術、コンポーネントベースの技術またはオブジェクト指向の技術等、またはこれらの組み合わせを含んでもよく、これら以外でもよい。例えばプログラム指令は、ActiveXコントロール、C++オブジェクト、JavaBeans、MFC(Microsoft Foundation Classes)、ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)、またはその他の適した技術や手法でもよい。
【0071】
システム200を使用した照射は、被検査物202の表面または裏面のどちらに対して行なわれてもよい。
【0072】
本開示は、特定の実施形態について説明しているが、本開示の他の実施形態も本開示の範囲を逸脱することなく実施可能であることを理解されたい。つまり本開示は、添付の請求項とその適切な解釈のみによって制限されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】