(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】レインボーなし導波路コンバイナ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241010BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20241010BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521346
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 US2022044071
(87)【国際公開番号】W WO2023064068
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】メッサー, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】セル, デービッド
(72)【発明者】
【氏名】バルガヴァ, サマース
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA02
2H199CA12
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA93
2H249AA03
2H249AA13
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA62
(57)【要約】
レインボーなし導波路ディスプレイと、レインボーなし導波路を組み込んだニアアイディスプレイと、レインボーなし導波路を製造する方法とが提供される。ディスプレイは、長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイを含む。導波路ディスプレイは、導波路コンバイナと、出力カプラ格子とを含み、出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レインボーなし導波路ディスプレイを製造する方法であって、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイアセンブリを製造することであって、前記導波路ディスプレイアセンブリが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによって前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが前記外部光源からの前記光の波長である、
導波路ディスプレイアセンブリを製造すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
λ
0が450nmである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
λ
Rが620nmである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
導波路ディスプレイであって、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された前記導波路ディスプレイを含み、前記導波路ディスプレイが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによって前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが前記外部光源からの前記光の波長である、導波路ディスプレイ。
【請求項10】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC)を有する、請求項9に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項11】
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項10に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項12】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定される、請求項11に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項13】
前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長である、請求項12に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項14】
λ
0が450nmである、請求項13に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項15】
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長である、請求項13に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項16】
λ
Rが620nmである、請求項15に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項17】
ニアアイディスプレイであって、
フレームと、
ディスプレイと
を備え、前記ディスプレイが、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイを備え、前記導波路ディスプレイが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによって前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが前記外部光源からの前記光の波長である、ニアアイディスプレイ。
【請求項18】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC)を有する、請求項17に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項19】
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項18に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項20】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定され、前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長であり、
λ
0が450nmであり、
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長であり、
λ
Rが620nmである、
請求項19に記載のニアアイディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は、一般に、ニアアイディスプレイシステムに関し、より詳細には、低減されたレインボーアーティファクト(rainbow artifact)をもつニアアイディスプレイシステム、および上記ニアアイディスプレイシステムを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(VR)は、概して、ユーザがその中で見掛けの物理的存在を有する、コンピュータ生成されたシミュレートされた環境であると考えられる。仮想現実体験が、3Dにおいて生成され、実際の環境を置き換える仮想現実環境を表示するためのレンズとしてニアアイディスプレイパネルを有する、グラスまたは他のウェアラブルディスプレイデバイスなど、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて視聴され得る。
【0003】
しかしながら、拡張現実(AR)は、ユーザが、依然として、周囲環境を視聴するためにグラスまたは他のHMDデバイスのディスプレイレンズを通して見ることができ、また、表示のために生成され、その環境の一部として見える、仮想オブジェクトの画像をも見ることができる、体験を可能にする。ARは、ユーザが体験する環境を強化または拡張する、オーディオおよびハプティック入力、ならびに仮想イメージ、グラフィック、およびビデオなど、任意のタイプの入力を含むことができる。新技術として、拡張現実に対する多くの課題および設計上の制約がある。
【0004】
一般的な回折ニアアイディスプレイシステムは、外部光源回折、たとえば、レインボーアーティファクトという欠点があり、これは、ユーザの視野(FoV)における光のレインボーストリーク(rainbow streak)の出現を生じる。このレインボーアーティファクトは、ARディスプレイシステムにおけるユーザ体験にとって不要な回折である。
【0005】
したがって、当技術分野で必要なものは、低減されたレインボーアーティファクトをもつニアアイディスプレイシステムである。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で説明される実施形態は、一般に、ニアアイディスプレイシステムに関し、より詳細には、低減されたレインボーアーティファクトをもつニアアイディスプレイシステム、および上記ニアアイディスプレイシステムを形成する方法に関する。
【0007】
一態様では、レインボーなし(rainbow-free)導波路ディスプレイを製造する方法が提供される。本方法は、長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイアセンブリを製造することを含む。導波路ディスプレイアセンブリは、導波路コンバイナと、出力カプラ格子とを含む。出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによってユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが外部光源からの光の波長である。
【0008】
別の態様では、導波路ディスプレイが提供される。本導波路ディスプレイは、長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成される。本導波路ディスプレイは、導波路コンバイナと、出力カプラ格子とを含む。出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによってユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが外部光源からの光の波長である。
【0009】
また別の態様では、ニアアイディスプレイが提供される。本ニアアイディスプレイは、フレームと、ディスプレイとを含む。ディスプレイは、長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイを含む。導波路ディスプレイは、導波路コンバイナと、出力カプラ格子とを含み、出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが、以下の1次回折式(I)
を満たすことによってユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有し、λが外部光源からの光の波長である。
【0010】
別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が、プロセッサによって実行されたとき、プロセスに上記の装置および/または方法の動作を実行させる、その上に記憶された命令を有する。
【0011】
本開示の上記で具陳された特徴が詳細に理解され得るように、上記で手短に要約された実施形態のより詳細な説明は、添付の図面にその一部が示されている実施形態を参照することによってなされ得る。しかしながら、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認め得るので、添付の図面は、本開示の一般的な実施形態を示すにすぎず、したがって、その範囲の限定と見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ニアアイディスプレイシステムの斜視図である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図1のニアアイディスプレイシステムの断面図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による、導波路ディスプレイの断面図である。
【
図4A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、格子ベクトルアーキテクチャのK空間図である。
【
図4B】レインボーアーティファクト光の経路を含む、
図4Aの格子ベクトルアーキテクチャのK空間図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による、レインボーなしニアアイディスプレイシステムのためのシステム設計パラメータを決定するための方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図5のフローチャートによって示される方法において使用される様々な設計パラメータを示す図である。
【
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図5のフローチャートによって示される方法において使用される様々な設計パラメータを示す図である。
【
図8】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図5のフローチャートによって示される方法において使用される様々な設計パラメータを示す図である。
【
図9】本開示の1つまたは複数の実施形態による、最大視野(°)対基板屈折率を示すプロットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通である同一の要素を指定するために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴が、さらなる具陳なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0014】
以下の開示は、概して、仮想現実および拡張現実のためのディスプレイシステムについて説明する。いくつかの詳細が、本開示の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明に、および
図1~
図9に記載される。仮想現実および拡張現実のためのディスプレイシステムにしばしば関連するよく知られている構造およびシステムについて説明する他の詳細は、様々な実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、以下の開示に記載されない。
【0015】
図に示されている詳細、大きさ、角度および他の特徴の多くは、特定の実施形態を示すにすぎない。したがって、他の実施形態は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の詳細、構成要素、大きさ、角度および特徴を有することができる。さらに、本開示のさらなる実施形態は、以下で説明される詳細のうちのいくつかなしに実践され得る。
【0016】
本明細書で説明される実施形態は、一般に、ニアアイディスプレイシステムに関し、より詳細には、低減されたレインボーアーティファクトをもつニアアイディスプレイシステム、および上記ニアアイディスプレイシステムを形成する方法に関する。ニアアイディスプレイシステムは、外界からの光源が回折してユーザの眼に入る(一般にレインボーアーティファクトと呼ばれる)のを防ぐように設計された回折導波路コンバイナ層を利用する。レインボーアーティファクトが通常動作においてユーザの眼に達することができないことを保証するために、導波路コンバイナおよび光学システム設計に関する一連の関係および制約が提供される。
【0017】
一般的な回折ニアアイディスプレイは、外部光源回折(レインボーアーティファクト)の影響を受け、ユーザの視野内に光のレインボーストリークの出現を生じる。そのような外部光源は、室内光および太陽を含む。このレインボーアーティファクトは、拡張現実ディスプレイシステムにおけるユーザ体験にとって不要な気を散らすものである。
【0018】
現在のニアアイディスプレイ設計は、問題と共存するか、複雑な格子構造で問題を緩和するか、問題を緩和するために外部フィルムを使用するか、または望ましくない光路を遮断するためにバイザーのような機械的特徴を使用するかのいずれかである。対照的に、本開示のいくつかの実施形態では、外部光源からの回折される次数がユーザの眼に達することを可能にしない出力カプラ格子周期を利用することによってレインボーアーティファクトがなくされる。
【0019】
本開示で概説される設計関係および制約を利用することによって、本明細書で説明されるこのディスプレイシステムは、ユーザの視野内で外部光源回折(「レインボー」アーティファクト)の影響を受けない。このアーティファクトを緩和するための他の手法とは異なり、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、導波路コンバイナに入射する、世界中の源からの光をフィルタ処理するために外部デバイスまたは層を使用しない。さらに、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、「レインボー」アーティファクトを生成する光路が導波路コンバイナに当たるのを防ぐために、導波路コンバイナの平面を越えて延びるバイザーのような機械的遮蔽物を使用しない。
【0020】
レインボーアーティファクトの出現は、レインボーアーティファクトを生成する光源のスペクトル、ならびにユーザの眼の瞳孔の位置に依存する。「レインボー」なしの定量的定義を提供するために、450nmの最小波長が源スペクトルのために使用され、ユーザの瞳孔が、導波路コンバイナディスプレイシステムの意図されたアイレリーフにおける設計されたアイボックス平面の公称の眼の位置(中心)に位置することが仮定される。この定義では、場合によっては見えることがある唯一の可能なレインボーアーティファクトは、人間の感受性が極めて低い(仮定における450nmカットオフにより)極めて青/紫色であることになり、出力カップリング格子領域のエッジの近くに小さい角度範囲にわたって位置することになる。
【0021】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ニアアイディスプレイシステム100の斜視図を示す。ニアアイディスプレイシステム100は、ユーザにメディアを提示することができる。ニアアイディスプレイシステム100によって提示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、ビデオ、および/またはオーディオを含むことができる。他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、オーディオは、外部デバイス(たとえば、スピーカーおよび/またはヘッドフォン)を介して提示され得、この外部デバイスは、ニアアイディスプレイシステム100、コンソール、またはその両方からオーディオ情報を受け取り、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータを提示する。ニアアイディスプレイ100は、概して、人工現実ディスプレイとして動作するように構成される。他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、ニアアイディスプレイシステム100は、拡張現実(AR)ディスプレイとして動作することができる。
【0022】
ニアアイディスプレイシステム100は、フレーム110と、ディスプレイ120とを含むことができる。フレーム110は、1つまたは複数の光学要素に結合され得る。ディスプレイ120は、ユーザがニアアイディスプレイシステム100によって提示されたコンテンツを見るように構成され得る。他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、ディスプレイ120は、1つまたは複数の画像からの光をユーザの眼に向けるための導波路ディスプレイアセンブリを含むことができる。
【0023】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図1のニアアイディスプレイシステム100の断面図を示す。ニアアイディスプレイシステム100は、少なくとも1つの導波路ディスプレイアセンブリ210を含むことができる。導波路ディスプレイアセンブリ210は、アイボックス平面を定義するアイボックス平面220に、次いでユーザの眼230に画像光、たとえばディスプレイ光を向けるように構成される。導波路ディスプレイアセンブリ210は、1つまたは複数の屈折率をもつ1つまたは複数の材料を含むことができる。他の実施形態と組み合わせられ得る一実施形態では、ニアアイディスプレイシステム100は、導波路ディスプレイアセンブリ210とユーザの眼230との間に1つまたは複数の光学要素を含むことができる。
【0024】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、導波路ディスプレイ300の断面図を示す。
図3は、導波路ディスプレイ300中のレインボーアーティファクトを示す。導波路ディスプレイ300は、導波路ディスプレイアセンブリ310を含む。導波路ディスプレイアセンブリ310は、導波路コンバイナ320と、出力カプラ格子330とを含む。導波路ディスプレイ300は、プロジェクタ340をさらに含むことができる。プロジェクタ340からのディスプレイ光は、導波路コンバイナ320に結合され、そして、出力カプラ格子330によって異なる位置で導波路コンバイナ320から部分的に結合されて導波路、導波路ユーザの眼230に達し得る。外部光源350、たとえば、太陽またはランプからの外部光352も、出力カプラ格子330によって回折されて導波路コンバイナ320に入り、次いで、導波路コンバイナ320中を伝搬してユーザの眼230に達することができる。この外部光352は、レインボーアーティファクトの存在につながることがある。
【0025】
図3を参照すると、「レインボー」なしシステムを保証するために従う一般的な原理は、世界からの外部光、たとえば、ユーザの眼230の前で出力カプラ格子330に任意の角度において入射した外部光源350からの外部光352が、出力カプラ格子330から回折してユーザの眼230に入ることを可能にされないことである。このアーティファクトについての限定的な事例は、大きい周期の格子に入射した短波長光である。これは、1次回折式(I)を見ることによって理解され得る。
【0026】
上式で、θoutは出力カプラ格子330によって回折された光354の角度であり、θinは出力カプラ格子330に入射した光352の角度であり、λは光354の波長であり、ΛOCは出力カプラ格子330の周期である。波長λが短くなるか、または格子周期ΛOCが長くなると、θoutはθinにより近くなり、回折された光354は、したがって、ユーザの視野の中心により近くなる。しかしながら、出力カプラ格子330が、すべての入射角θinがユーザの眼230を避ける回折角θoutを生じるように十分に小さい格子周期ΛOCを有するように設計される場合、レインボーアーティファクトはユーザに見えない。
【0027】
さらに、仮想コンテンツの大きい視野(FoV)およびアイボックス平面220を可能にしながら、また、「レインボー」アーティファクトを除去することが望ましい。システムの最大FoVは、基板屈折率(substrate index)によって決定され得る。反対に、導波路コンバイナ320の必要とされる最小基板屈折率は、FoVに関する要件から決定され得る。
【0028】
有効出力カプラ格子周期
【0029】
図4Aは、格子ベクトルアーキテクチャのK空間
図410を示す。
図4Bは、レインボーアーティファクト光の経路を含む、
図4Aの格子ベクトルアーキテクチャのK空間
図420を示す。有効出力カプラ格子周期は、「レインボー」なし導波路コンバイナを設計する際に使用されるパラメータである。有効出力カプラ格子周期は、導波路コンバイナの出力カップリング領域中でレインボーアーティファクトを生成することができるすべての可能な回折次数の最大有効周期として定義される。有効出力カプラ格子周期は、出力カップリング領域中の単一の1次元格子を有する導波路コンバイナ格子アーキテクチャについて容易に定義され、この事例では、Λ
OCEff=Λ
OCである。しかしながら、より複雑な導波路コンバイナ格子アーキテクチャでは、導波路コンバイナの各表面上で異なる配向をもつ2次元格子または2つの1次元格子があり得、これは、レインボーアーティファクトのより複雑な経路を生じることがある。これらの事例では、光が、異なる格子ベクトルによって、外部光源から回折して内部全反射(TIR)に至り、次いで、TIRから、回折することが可能である。これらの2つの回折イベントの和は、元の格子ベクトルのいずれよりも大きさが短いkベクトルであり得る。そのような格子ベクトルアーキテクチャの一例は、
図4Aおよび
図4Bに示されている。K空間
図410は、意図された画像経路である仮想FoVの経路を示す。K空間
図420は、望ましくないレインボー経路である外部光回折の経路を示す。次いで、有効出力カプラ格子周期Λ
OCEffに関してシステム中の他の格子の必要とされる周期性を決定するために、特定の格子アーキテクチャについて識別された最小有効格子ベクトルが使用され得る。
【0030】
「有効」出力カプラ格子周期ΛOCEffの一例は、以下の通りである。2つの異なる物理的格子の組合せから生成されるが、単一の「有効」格子周期に従う出力角度をもつレインボーアーティファクトを作り出すことができる、レインボー経路がある。
【0031】
2つまたはそれ以上の出力カプラ格子ベクトルが存在する場合、格子ベクトルの組合せ(和)を探すべきであり、これは、ΛOCeffを見つけるために、より小さい大きさの格子ベクトルを潜在的に作り出す。
【0032】
たとえば、2つの1D出力カプラ格子について、
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
上式で、
は第1の1D出力カプラの周期性ベクトルであり、
は第2の1D出力カプラの周期性ベクトルであり、
は第1の1D出力カプラの格子ベクトルであり、
は第2の1D出力カプラの格子ベクトルであり、
は出力カプラ組合せの有効格子ベクトルであり、
は有効出力カプラ周期性ベクトルであり、λはこの計算において相殺することになる光の波長である。
【0039】
このタイプの複数出力カプラ格子構成の一例が、
図4Aおよび
図4Bによって説明される。
【0040】
「レインボー」なしシステムにおいて利用される導波路コンバイナ層の数について、様々なオプションが存在する。単一導波路層では、3つの表示チャネル(赤色、緑色、青色)が同じ層中を伝搬し、同じ格子構造から回折して、ユーザの眼に仮想画像を送る。3導波路層システムでは、各導波路層は、単一の表示色チャネルのみをサポートするように設計され得る。一般に、3導波路層システムは、専用赤色層が、より短い青色波長(430~470nm)を含むことをも必要とする代わりに、赤色波長(600~650nm)のみをサポートするように設計されるので、単一導波路層システムよりも大きい有効出力カプラ格子周期ΛOCEffを利用する。
【0041】
最大許容有効出力カプラ格子周期ΛOCEffのための要件がシステム中の層のすべてについて保持されるという条件で、多層導波路コンバイナの「レインボー」なし実施形態がなされ得る。複数の導波路層を使用することの利点は、格子周期が「レインボー」なし制約によって制限されるにもかかわらず、格子構造がサポートするように設計された意図された表示色チャネルのために格子構造が最適化され得ることであり、これは、単層実施形態よりも改善された色均一性、輝度均一性、および効率を生じることができる。
【0042】
導波路コンバイナ層の数
【0043】
「レインボー」なしシステムにおいて利用される導波路コンバイナ層の数について、様々なオプションが存在する。単一導波路層では、3つの表示チャネル(赤色、緑色、青色)が同じ層中を伝搬し、同じ格子構造から回折して、ユーザの眼に仮想画像を送る。3導波路層システムでは、各導波路層は、単一の表示色チャネルのみをサポートするように設計され得る。一般に、3導波路層システムは、専用赤色層が、より短い青色波長(430~470nm)を含むことをも必要とする代わりに、赤色波長(600~650nm)のみをサポートするように設計されるので、単一導波路層システムよりも大きい有効出力カプラ格子周期ΛOCEffを利用する。
【0044】
最大許容有効出力カプラ格子周期ΛOCEffのための要件がシステム中の層のすべてについて保持されるという条件で、多層導波路コンバイナの「レインボー」なし実施形態がなされ得る。複数の導波路層を使用することの1つの利点は、格子周期が「レインボー」なし制約によって制限されるにもかかわらず、格子構造がサポートするように設計された意図された表示色チャネルのために格子構造が最適化され得ることであり、これは、単層実施形態よりも改善された色均一性、輝度均一性、および効率を生じることができる。
【0045】
図5は、レインボーなし導波路アセンブリおよび/またはニアアイディスプレイシステムのためのシステム設計パラメータを決定するための方法500のフローチャートを示す。方法500は、
図6~
図8とともに説明される。
図6は、
図5のフローチャートによって示される方法500において使用される様々な設計パラメータ600を示す。
図7は、
図5のフローチャートによって示される方法において使用される様々な設計パラメータを示す。
図8は、
図5のフローチャートによって示される方法において使用される様々な設計パラメータを示す。
【0046】
方法500の工程510において、ターゲットFoVが決定される。方法500の工程520において、アイボックス寸法が決定される。方法500の工程530において、導波路傾斜が決定される。ターゲットFoVと、アイボックス寸法と、導波路傾斜とは、工程540において出力カプラ格子寸法を計算し、工程550において出力カプラ格子から眼への最大角度を計算し、工程560においてレインボー効果を回避するために必要とされる出力カプラ格子の最小格子ベクトル(最大周期)を計算し、工程570においてターゲットFoVをサポートするために必要とされる最小基板率を計算するための入力として使用される。
【0047】
図6は、
図5のフローチャートによって示される方法500において使用される様々な設計パラメータ600を示す。視野範囲θ
FoVは、量θ
0だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸と考えられる。さらに、アイボックス平面220に対する導波路コンバイナ320の傾斜(θ
tilt)610は、有効出力カプラ格子ベクトルの軸に沿うと仮定される。L
Eyebox620は、アイボックス平面220の長さであり、z
eye630は、アイボックス平面220から導波路コンバイナ320までのアイレリーフ距離である。
【0048】
図7は、工程540において出力カプラ格子の寸法を計算するために方法500において使用される様々な設計パラメータ700を示す。出力カプラ格子の長さは、工程510において提供されたターゲットFoVと、工程520において提供されたアイボックス寸法と、工程530において提供された導波路傾斜とを使用して決定される。最初に、アイボックスおよびターゲットFoVをサポートするための出力カプラのサイズが、式(II)および式(III)を使用して
図7に示されているように計算される。
【0049】
式(II)では、
は、出力カプラ格子領域の上半分の長さである。
【0050】
式(III)では、
は、出力カプラ格子領域の下半分の長さである。
【0051】
図8は、工程550において出力カプラから眼への最大角度
810および
820を計算するために方法500において使用される様々な設計パラメータ800を示す。工程550において、出力カプラ格子の境界からユーザの眼への最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)を使用して計算される。
【0052】
一般的なシステム設計では、
は、概して、限定的な事例である。
【0053】
工程560において、「レインボー」アーティファクトを回避するために必要とされる最小格子ベクトル(最大周期)が、回折式(VII)を使用して計算される。回折式(VII)から、有効出力カプラ格子周期は、式(VI)を使用して工程550において計算された最大出力角度に関係付けられ得る。
【0054】
上式で、λ0は、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長である。他の実施形態と組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、λ0=450nmであると仮定される。
【0055】
工程570において、ターゲットFoVをサポートするための、基板、たとえば、導波路コンバイナ320の最小屈折率(n)が、計算される。基板、たとえば、導波路コンバイナ320の屈折率(n)は、ターゲット仮想FoV全体がTIRにおいて伝搬することを可能にするのに十分大きくなるべきである。ここでの限定的な事例は、最長波長による、赤色表示チャネルFoVである。基板の最小屈折率(n)は、式(VIII)を使用して計算される。
【0056】
上式で、nは導波路コンバイナ基板屈折率であり、λRは赤色表示チャネルの波長である(この例では620nmであると仮定される)。
【0057】
例:
【0058】
以下の非限定的な例は、本明細書で説明される実施形態をさらに示すために提供される。しかしながら、例は、すべてを包含するものではなく、本明細書で説明される実施形態の範囲を限定するものではない。
【0059】
上記に示された式を使用して「レインボー」なしシステムを生成することになるいくつかの例示的なシステム設計パラメータが、以下の表Iに示されている。
【0060】
図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、最大視野(°)対基板屈折率を示すプロット900を示す。プロット900は、20mmアイレリーフにおける15mmアイボックスについて、基板屈折率によってサポートされる最大「レインボー」なし仮想FoVを示す。線910は0FoV傾斜、0層傾斜を表し、線920は10FoV傾斜、0層傾斜を表し、線930は0FoV傾斜、10層傾斜を表し、線940は10FoV傾斜、10層傾斜を表す。
【0061】
他の実施形態と組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、視野を最大にし、「レインボー」なしシステムを設計する能力を維持するために、高屈折率基板材料が使用される。これらの高屈折率基板材料の例は、限定はしないが、高屈折率ガラスを含み、ならびに、透明な結晶材料(SiC、LiNbO3、LiTaO3、KTaO3など)は、「レインボー」なし回折導波路コンバイナ拡張現実ディスプレイシステムにおいて利用すべき基板の良好な候補である。
【0062】
実施形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を含むことができる。本開示で概説される設計関係および制約を利用して、本明細書で説明されるディスプレイシステムは、ユーザの視野における外部光源回折(「レインボー」アーティファクト)という欠点がない。このアーティファクトを緩和するための他の手法とは異なり、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、導波路コンバイナに入射した、世界における源からの光をフィルタ処理するために外部デバイスまたは層を使用しない。さらに、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、「レインボー」アーティファクトを生成する光路が導波路コンバイナに当たるのを防ぐために、導波路コンバイナの平面を越えて延びるバイザーのような機械的遮蔽物を使用しない。
【0063】
本明細書で説明される実施形態、および本明細書で説明される機能的工程のすべては、デジタル電子回路において、または、本明細書で開示される構造的手段とその構造的等価物とを含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアにおいて、あるいはそれらの組合せにおいて実装され得る。本明細書で説明される実施形態は、データ処理装置、たとえば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータによる実行のための、あるいはそれらの動作を制御するための、1つまたは複数の非一時的コンピュータプログラム製品、すなわち、機械可読ストレージデバイスに有形に具現される1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実装され得る。
【0064】
本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データに作用することと、出力を生成することとによって機能を実施するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実施され得る。プロセスおよび論理フローは、専用論理回路、たとえば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によっても実施され得、装置は、専用論理回路としても実装され得る。
【0065】
「データ処理装置」という用語は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、あるいは複数のプロセッサまたはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらのうちの1つまたは複数の組合せを構成するコードを含むことができる。コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0066】
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、例として半導体メモリデバイスを含む不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイス、たとえば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスと、磁気ディスク、たとえば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD ROMディスクおよびDVD-ROMディスクとのすべての形態を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足されるか、または専用論理回路に組み込まれ得る。
【0067】
本開示あるいはその例示的な態様または(1つまたは複数の)実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、要素のうちの1つまたは複数があることを意味するものとする。
【0068】
「備える、含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的であり、リストされた要素以外の追加の要素があり得ることを意味するものとする。
【0069】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態がその基本的範囲から逸脱することなく考案され得、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路ディスプレイを製造する方法であって、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイアセンブリを製造することであって、前記導波路ディスプレイアセンブリが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが
、前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有
する、
導波路ディスプレイアセンブリを製造すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記格子周期Λ
OC
が以下の1次回折式(I)
を満たし、λが前記外部光源からの前記光の波長である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC
)を有し、
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
λ
0が450nmである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
λ
Rが620nmである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
導波路ディスプレイであって、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された前記導波路ディスプレイを含み、前記導波路ディスプレイが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが
、前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有
する、導波路ディスプレイ。
【請求項10】
前記格子周期Λ
OC
が以下の1次回折式(I)
を満たし、λが前記外部光源からの前記光の波長である、請求項9に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項11】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC
)を有し、
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項10に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項12】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定される、請求項11に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項13】
前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長である、請求項12に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項14】
λ
0が450nmである、請求項13に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項15】
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長である、請求項13に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項16】
λ
Rが620nmである、請求項15に記載の導波路ディスプレイ。
【請求項17】
ニアアイディスプレイであって、
フレームと、
前記フレームと結合されたディスプレイと
を備え、前記ディスプレイが、
長さ(L
Eyebox)を有するアイボックス平面に、およびユーザの眼に画像光を向けるように構成された導波路ディスプレイを備え、前記導波路ディスプレイが、
導波路コンバイナと、
出力カプラ格子と
を備え、前記出力カプラ格子は、外部光源からの光のすべての入射角θ
inが
、前記ユーザの眼を避ける回折角θ
outを生じるような格子周期Λ
OCを有
する、ニアアイディスプレイ。
【請求項18】
前記格子周期Λ
OC
が以下の1次回折式(I)
を満たし、λが前記外部光源からの前記光の波長である、請求項17に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項19】
前記出力カプラ格子が、前記出力カプラ格子の上半分の長さ(
)と前記出力カプラ格子の下半分の長さ(
)との和である長さ(L
OC
)を有し、
が、以下の式(II)
を使用して決定され、
が、以下の式(III)
を使用して決定され、視野範囲θ
FoVが、ある量(θ
0)だけ傾斜され得る、有効出力カプラ格子ベクトルの方向におけるFoVの軸であり、(θ
tilt)が、前記アイボックス平面によって定義された平面に対する前記導波路コンバイナの傾斜であり、前記導波路コンバイナが、前記アイボックス平面から第1の距離z
eyeに配置される、請求項18に記載のニアアイディスプレイ。
【請求項20】
前記出力カプラ格子の境界から前記ユーザの眼までの最大角度(θ
outmax)が、式(IV)、式(V)、および式(VI)
を使用して決定され、前記出力カプラ格子が、以下の式(VII)
を満たす最大周期を有し、λ
0が、考慮される「レインボー」アーティファクトの最も短い波長であり、
λ
0が450nmであり、
前記導波路コンバイナが、以下の式(VIII)
を満たす最小屈折率(n)を有し、λ
Rが、赤色表示チャネルの波長であり、
λ
Rが620nmである、
請求項19に記載のニアアイディスプレイ。
【国際調査報告】