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特表2024-538130反射型ディスプレイデバイスおよび構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】反射型ディスプレイデバイスおよび構成要素
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G09F9/30 379
G09F9/30 349D
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522508
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022046194
(87)【国際公開番号】W WO2023064222
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,448
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/577,652
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/751,240
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ノードセル ロバート アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】チャダ アーヴィンダー エム
【テーマコード(参考)】
5C094
【Fターム(参考)】
5C094AA07
5C094AA22
5C094BA51
5C094ED03
5C094ED11
5C094ED20
5C094JA11
5C094JA20
(57)【要約】
例示的な反射型ディスプレイ構成要素が説明される。これらの反射型ディスプレイ構成要素は、各々が、ある色の光を放出するように構成された複数のナノ粒子を含む、第1および第2の量子ドット井戸を有するマイクロ井戸層を含むことができる。マイクロ井戸層は、第3の井戸をさらに有する。反射型ディスプレイ構成要素は、マイクロ井戸層の上に位置づけられたエレクトロウェッティング層をさらに含み、エレクトロウェッティング層は、マイクロ井戸層内の第1および第2の量子ドット井戸ならびに第3の井戸から放出される光の強度を独立して調節するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型ディスプレイ構成要素であって、
第1および第2の量子ドット井戸を含むマイクロ井戸層であり、各量子ドット井戸が、
前記量子ドット井戸の内壁をライニングする反射層、および
ある色の光を放出するように構成された複数のナノ粒子
を含み、
前記マイクロ井戸層が、前記反射層を含む第3の井戸をさらに含む、マイクロ井戸層と、
前記マイクロ井戸層の上に位置づけられたエレクトロウェッティング層であり、前記エレクトロウェッティング層が、前記マイクロ井戸層内の前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸から放出される光の強度を独立して調節するように動作可能である、エレクトロウェッティング層と、
前記エレクトロウェッティング層の上または下に位置づけられた導光体層であり、前記導光体層が、前記反射型ディスプレイ構成要素に投射された光を前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸に分散させるように動作可能である、導光体層と
を含む、反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項2】
前記第1の量子ドット井戸内の前記複数のナノ粒子が、赤色光を放出するように動作可能であり、前記第2の量子ドット井戸内の前記複数のナノ粒子が、緑色光を放出するように動作可能である、請求項1に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項3】
前記反射型ディスプレイ構成要素が、青色光を前記第3の井戸に出入りさせるように動作可能である、前記第3の井戸の上に位置づけられた青色カラーフィルタをさらに含む、請求項1に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項4】
前記反射型ディスプレイ構成要素が、緑色光を前記第2の量子ドット井戸に出入りさせるように動作可能である、前記第2の量子ドット井戸の上に位置づけられた緑色カラーフィルタをさらに含み、前記緑色カラーフィルタが、前記緑色光よりも長い波長を有する光を吸収するように動作可能である、請求項3に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項5】
前記エレクトロウェッティング層が、前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸の上に位置合せされた第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画を含み、前記第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画が、各々、エレクトロウェッティング基板表面に接触する不透明液体を含み、前記エレクトロウェッティング基板表面上の前記不透明液体の表面被覆率が、前記エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に応じて調節可能である、請求項1に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項6】
前記第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画が、前記第1および第2の量子ドット井戸ならび前記第3の井戸から放出される、前記エレクトロウェッティング層を通る光の透過率を10%未満または約10%に調節するように独立して動作可能である、請求項5に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項7】
前記第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画がまた、前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸から放出される、前記エレクトロウェッティング層を通る光の前記透過率を60%超または約60%に調節するように独立して動作可能である、請求項6に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項8】
各々が、ある色の光を放出するように構成された複数のナノ粒子を含む、第1および第2の量子ドット井戸を含むマイクロ井戸層であり、前記マイクロ井戸層が、第3の井戸をさらに含む、マイクロ井戸層と、
前記マイクロ井戸層の上に位置づけられた不透明液体層であり、前記不透明液体層が、前記マイクロ井戸層内の前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸から放出される光の強度を独立して調節するように動作可能である、不透明液体層と
を含む反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項9】
前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸が、前記井戸の各々の内壁をライニングする反射層を含む、請求項8に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項10】
前記反射型ディスプレイ構成要素が、前記不透明液体層の上または下に位置づけられた導光体層をさらに含み、前記導光体層が、前記反射型ディスプレイ構成要素に投射された光を前記第1および第2の量子ドット井戸ならびに前記第3の井戸に分散させるように動作可能である、請求項8に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項11】
前記第1の量子ドット井戸内の前記複数のナノ粒子が、赤色光を放出するように動作可能であり、前記第2の量子ドット井戸内の前記複数のナノ粒子が、緑色光を放出するように動作可能である、請求項8に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項12】
前記第3の井戸が、青色光を放出するように動作可能な複数のナノ粒子を含む、請求項8に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項13】
前記反射型ディスプレイ構成要素が、青色光を前記第3の井戸に出入りさせるように動作可能である、前記第3の井戸の上に位置づけられた青色カラーフィルタをさらに含む、請求項8に記載の反射型ディスプレイ構成要素。
【請求項14】
反射型ディスプレイ構成要素を光源からの第1の光にさらすことと、
前記反射型ディスプレイ構成要素のマイクロ井戸層における量子ドット井戸内のナノ粒子を前記第1の光の一部で励起することであり、前記第1の光の前記一部が、前記光源と前記マイクロ井戸層との間に位置づけられた不透明液体層を通過している、励起することと、
画像の一部を表示するために、前記量子ドット井戸内の前記ナノ粒子によって放出される第2の光を、前記反射型ディスプレイ構成要素の外部の場所に反射させることであり、前記第2の光が前記不透明液体層を通過し、前記画像が、2500nit超または約2500nitの輝度によって特徴づけられる、反射させることと
を含む画像表示方法。
【請求項15】
前記第1の光が白色光であり、前記第2の光が赤色光または緑色光である、請求項14に記載の画像表示方法。
【請求項16】
前記不透明液体層が、前記量子ドット井戸の上に位置合せされたエレクトロウェッティング区画を含み、前記エレクトロウェッティング区画が、エレクトロウェッティング基板表面に接触する不透明液体を含み、さらに、前記エレクトロウェッティング基板表面上の前記不透明液体の表面被覆率が、前記エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に応じて調節されるように動作可能である、請求項14に記載の画像表示方法。
【請求項17】
前記エレクトロウェッティング区画が、前記エレクトロウェッティング区画を通過する前記第1の光および前記第2の光の透過率レベルを20ミリ秒未満または約20ミリ秒で変化させるように動作可能である、請求項16に記載の画像表示方法。
【請求項18】
前記エレクトロウェッティング区画が、前記エレクトロウェッティング区画を通過する前記第1の光および前記第2の光の透過率レベルを50%超または約50%変化させるように動作可能である、請求項16に記載の画像表示方法。
【請求項19】
前記反射型ディスプレイ構成要素が、前記第1の光の10%超または約10%を、前記反射型ディスプレイ構成要素によって表示される前記画像に変換する、請求項14に記載の画像表示方法。
【請求項20】
前記方法が、前記量子ドット井戸内の前記ナノ粒子を、導光体層に結合された第2の光源からの第2の光で励起することであり、前記導光体層が、前記不透明液体層の上または下に位置づけられる、励起することをさらに含む、請求項14に記載の画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2022年5月23日に出願された米国非仮特許出願第17/751,240号の継続出願であり、その出願は、2022年1月18日に出願された米国非仮特許出願第17/577,652号の継続出願であり、その出願は、2021年10月15日に出願された米国仮特許出願第63/256,448号の利益および優先権を主張し、それらの出願は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、反射型ディスプレイデバイスおよび構成要素に関する。より具体的には、本技術は、画像を表示するための量子ドットとエレクトロウェッティング技術の組合せを含む反射型ディスプレイデバイスおよび構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイデバイスおよび構成要素は、画像を表示するために使用される。これらの画像は、数ある種類の画像の中で特に、テキスト、ピクチャ、ビデオ、およびステータスインジケータを含む。いくつかの場合には、ディスプレイデバイスは、数ある専用ディスプレイデバイスの中で特に、テレビジョン、モニタ、または電子掲示板のような画像表示専用のスタンドアロンデバイスである。付加的な場合には、ディスプレイデバイスまたは構成要素は、ディスプレイを組み込んだ数あるデバイスの中で特に、電話、コンピュータ、ツール、器具、機器、または車両などの別のデバイスに組み込まれる。
【0004】
ディスプレイデバイスまたは構成要素の性能は、数ある性能特性の中で特に、電力消費、輝度、色出力、およびレンダリング時間を含む多くの特性に基づいて判断することができる。ディスプレイデバイスの性能特性の改善にはしばしばトレードオフがある。例えば、表示画像の輝度の増加はディスプレイデバイスによる電力消費の増加という犠牲を伴うことが多い。さらに、拡大した色域の形態での色出力の改善はディスプレイデバイスの輝度の低下という犠牲を伴うことが多い。したがって、1つまたは複数の他の性能特性を著しく低下させることなく、デバイスまたは構成要素の1つまたは複数の性能特性を向上させるディスプレイデバイスおよび構成要素の改良設計の必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
本技術の実施形態は、マイクロ井戸層を含む反射型ディスプレイ構成要素を含む。マイクロ井戸層は、各々が、量子ドット井戸の内壁をライニングする反射層と、ある色の光を放出するように構成された複数のナノ粒子とを含む第1および第2の量子ドット井戸を含む。マイクロ井戸層は、反射層を含む第3の井戸をさらに含む。反射型ディスプレイ構成要素は、マイクロ井戸層の上に位置づけられたエレクトロウェッティング層をさらに含む。エレクトロウェッティング層は、マイクロ井戸層内の第1および第2の量子ドット井戸ならびに第3の井戸から放出される光の強度を独立して調節するように動作可能である。反射型ディスプレイ構成要素は、エレクトロウェッティング層の上または下に位置づけられる導光体層をさらに含む。導光体層は、反射型ディスプレイ構成要素に投射された光を、第1および第2の量子ドット井戸ならびに第3の井戸に分散させるように動作可能である。
【0006】
追加の実施形態では、第1の量子ドット井戸内の複数のナノ粒子は、赤色光を放出するように動作可能であり、第2の量子ドット井戸内の複数のナノ粒子は、緑色光を放出するように動作可能である。さらなる実施形態では、反射型ディスプレイ構成要素は、青色光を第3の井戸に出入りさせるように動作可能である、第3の井戸の上に位置づけられた青色カラーフィルタをさらに含む。なおもさらなる実施形態では、反射型ディスプレイ構成要素は、緑色光を第2の量子ドット井戸に出入りさせるように動作可能である、第2の量子ドット井戸の上に位置づけられた緑色カラーフィルタをさらに含み、緑色カラーフィルタは、緑色光よりも長い波長を有する光を吸収するように動作可能である。さらに追加の実施形態では、エレクトロウェッティング層は、第1および第2の量子ドット井戸ならびに第3の井戸の上に位置合せされた第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画を含み、第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画が、各々、エレクトロウェッティング基板表面に接触する不透明液体を含み、エレクトロウェッティング基板表面上の不透明液体の表面被覆率は、エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に応じて調節可能である。より多くの実施形態において、第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画はまた、第1および第2の量子ドット井戸ならびに第3の井戸から放出される、エレクトロウェッティング層を通る光の透過率を60%超または約60%に調節するように独立して動作可能である。なおもより多くの実施形態では、エレクトロウェッティング基板の表面上の不透明液体は、エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に20ミリ秒未満または約20ミリ秒で完全に応答する。
【0007】
本技術の実施形態は、量子ドット井戸の内壁をライニングする反射層と、赤色光を放出するように構成されたナノ粒子の第1のセットとを含む少なくとも1つの赤色量子ドット井戸を含むマイクロ井戸層を含む反射型ディスプレイ構成要素をさらに含む。マイクロ井戸層は、井戸の内壁をライニングする反射層と、緑色光を放出するように構成されたナノ粒子の第2のセットとを含む少なくとも1つの緑色量子ドット井戸と、緑色井戸の上部部分に位置づけられた緑色カラーフィルタであり、緑色カラーフィルタが、緑色光を緑色量子ドット井戸に出入りさせるように動作可能であり、緑色カラーフィルタが、緑色光よりも長い波長を有する光を吸収するように動作可能である、緑色カラーフィルタとをさらに含む。マイクロ井戸層は、井戸の内壁をライニングする反射層を含む少なくとも1つの青色井戸と、青色井戸の上部部分に位置づけられ、青色光を青色井戸に出入りさせるように動作可能な青色カラーフィルタとをなおもさらに含む。反射型ディスプレイ構成要素は、マイクロ井戸層の上に位置づけられたエレクトロウェッティング層をさらに含む。エレクトロウェッティング層は、マイクロ井戸層内の赤色および緑色量子ドット井戸の各々と、青色井戸の各々とから放出される光の強度を独立して調節するように動作可能である。
【0008】
追加の実施形態では、反射型ディスプレイ構成要素は、エレクトロウェッティング層の上または下に位置づけられる第1の導光体層をさらに含み、導光体層は、マイクロ井戸層内の赤色および緑色量子ドット井戸ならびに青色井戸に白色光を分散させるように動作可能である。さらなる実施形態では、反射型ディスプレイ構成要素は、第1の導光体層に接触する第2の導光体層をさらに含み、第2の導光体層は、反射型ディスプレイ構成要素によって表示される画像の色温度を6500K超または約6500Kに上昇させるように動作可能である。なおもさらなる実施形態では、エレクトロウェッティング層は、それぞれ、赤色および緑色量子ドット井戸ならびに青色井戸の上に位置合せされた第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画をさらに含む。第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画は、各々、エレクトロウェッティング基板表面に接触する不透明液体を含み、エレクトロウェッティング基板表面上の不透明液体の表面被覆率は、エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に応じて調節可能である。さらに追加の実施形態では、第1、第2、および第3のエレクトロウェッティング区画の各々は、エレクトロウェッティング区画を通過する光の透過率レベルを50%超または約50%変化させるように動作可能である。より多くの実施形態において、青色井戸は、青色光を放出するように構成されたナノ粒子の第3のセットをさらに含むことができる。
【0009】
本技術の実施形態は、画像表示方法をさらに含む。この方法は、反射型ディスプレイ構成要素を光源からの第1の光にさらすことと、反射型ディスプレイ構成要素のマイクロ井戸層における量子ドット井戸内のナノ粒子を第1の光の一部で励起することであり、第1の光の一部が、光源とマイクロ井戸層との間に位置づけられたエレクトロウェッティング層を通過している、励起することとを含む。この方法は、画像の一部を表示するために、量子ドット井戸内のナノ粒子によって放出された第2の光を、反射型ディスプレイ構成要素の外部の場所に反射させることであり、第2の光が、エレクトロウェッティング層を通過する、反射させることをさらに含む、画像は、2500nit超または約2500nitの輝度によって特徴づけることができる。
【0010】
追加の実施形態では、第1の光は白色光であり、第2の光は赤色光または緑色光である。さらなる実施形態では、エレクトロウェッティング層は、量子ドット井戸の上に位置合せされたエレクトロウェッティング区画を含む。エレクトロウェッティング区画は、エレクトロウェッティング基板表面に接触する不透明液体を含み、エレクトロウェッティング基板表面上の不透明液体の表面被覆率は、エレクトロウェッティング基板表面に印加される電界に応じて調節されるように動作可能である。なおもさらなる実施形態では、エレクトロウェッティング区画は、エレクトロウェッティング区画を通過する第1の光および第2の光の透過率レベルを20ミリ秒未満または約20ミリ秒で変化させるように動作可能である。さらに追加の実施形態では、エレクトロウェッティング区画は、エレクトロウェッティング区画を通過する第1の光および第2の光の透過率レベルを50%超または約50%変化させるように動作可能である。より多くの実施形態において、反射型ディスプレイ構成要素は、第1の光の10%超または約10%を、反射型ディスプレイ構成要素によって表示される画像に変換する。なおもより多くの実施形態では、この方法は、量子ドット井戸内のナノ粒子を、導光体層に結合された第2の光源からの第2の光で励起することであり、導光体層が、エレクトロウェッティング層の上または下に位置づけられる、励起することをさらに含む。
【0011】
本技術の実施形態は、従来の液晶ディスプレイ技術を使用する反射型ディスプレイデバイスよりも高い光変換効率で画像を表示することができる反射型ディスプレイ構成要素およびデバイスを提供する。より高い光変換効率は、同じ強度の反射光からの著しく明るい画像の表示を可能にする。本技術はまた、表示構成要素内のピクセルから透過される光の強度を変化させるための応答時間がより速い反射型ディスプレイ構成要素を提供することができる。より速い応答時間(例えば、5ミリ秒未満または約5ミリ秒)は、従来の液晶ディスプレイ技術を使用する反射型ディスプレイで見られるよりも鮮明なビデオ画像の表示を可能にする。これらおよび他の実施形態は、それらの利点および特徴の多くとともに、以下の説明および添付図と併せてより詳細に説明される。
【0012】
開示される実施形態の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術のいくつかの実施形態による反射型ディスプレイ構成要素の簡略図である。
図2】本技術のいくつかの実施形態による反射型ディスプレイ構成要素の別の実施形態を示す図である。
図3A】本技術の実施形態による様々な開状態および閉状態における反射型デバイス構成要素のエレクトロウェッティング層の実施形態を示す図である。
図3B】本技術の実施形態による様々な開状態および閉状態における反射型デバイス構成要素のエレクトロウェッティング層の実施形態を示す図である。
図3C】本技術の実施形態による様々な開状態および閉状態における反射型デバイス構成要素のエレクトロウェッティング層の実施形態を示す図である。
図4】本技術のいくつかの実施形態による画像を表示する方法における選択された動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図のうちのいくつかは、概略図として含まれる。図は、例示の目的のためのものであり、縮尺通りであると具体的に述べられない限り、縮尺通りであると見なされるべきではないことを理解されたい。加えて、概略図として、図は、理解を助けるために提供され、写実的な表現と比較して、すべての態様または情報を含むわけではなく、例示の目的のために誇張された材料を含むことがある。
【0015】
図において、同様の構成要素および/または特徴は、同じ数字参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、同様の構成要素および/または特徴を区別する文字を参照ラベルの後に続けることによって区別することができる。第1の数字参照ラベルのみが本明細書において使用される場合、説明は、文字の添え字にかかわりなく、同じ第1の数字参照ラベルを有する同様の構成要素および/または特徴の任意のものに適用可能である。
【0016】
反射型ディスプレイは、画像を表示するのに太陽光などの外部光源に依拠する。反射型ディスプレイは、明るい光の中で見たり読んだりすることが容易であり、それは、数ある用途の中で特に、屋外ディスプレイ、電子掲示板、および電子書籍リーダに人気があることを説明するのに役立つ。反射型ディスプレイはまた、画像を作るために使用される光の大部分が外部光源に由来するので低電力消費によって特徴づけられる。多くの表示用途では、反射型ディスプレイは、画像を表示するために光源に電力を供給する同等の透過型ディスプレイよりも数倍エネルギー効率が高い。
【0017】
残念なことに、反射型ディスプレイの有利な特徴に、しばしば、それの欠点が影を落とす。多くの場合、反射型ディスプレイは、画像を集合的に形成するディスプレイの個々のピクセルをオンオフすることを液晶に依拠する。液晶は、外部から印加される電界に応じて結晶の配向を変化させることによって光の通過を制御する。電界が結晶を1つの方向に整列させると、結晶に対して特定の配向を有する偏光は、結晶によって吸収されて、暗いピクセルを作り出す。電界(またはその不在)が結晶を第2の方向(例えば、第1の方向に対して直交する)に整列させると、偏光は液晶を透過して、照明されたピクセルを作り出す。この液晶ディスプレイ技術のより最近の変形は、液晶の一部またはすべてを偏光染料(例えば、二色性染料)と置き換えて、偏光を印加電界における染料の配向に応じて吸収または透過する。
【0018】
さらに、反射型ディスプレイを照らす外部光源は偏光されていないことが多い。この光の大部分は、ディスプレイの液晶(または偏光染料)層を透過することができる適切な偏光を有していないので、表示画像に変換されない。明るい光の中では、これは、ごくわずかの光でさえ、生成された画像を難なく見るのに十分であるので、問題ではない。しかしながら、薄暗い光、またはさらに家庭およびオフィスで見られる典型的な光レベルでは、液晶を使用した反射型ディスプレイに特徴的な低い変換レベルのため、生成された画像があまりにもぼんやりしていて見ることができない。
【0019】
ぼんやりした画像を生成するという従来の反射型ディスプレイが有している問題は、ディスプレイが高いコントラストまたは拡大した色域をもつ画像を生成しようとする場合、さらに悪化する。画像品質のこれらの特徴は、両方とも、画像輝度とトレードオフであり、反射型液晶ディスプレイでは、コントラストが高いほど、または色域が広いほど、画像輝度が低くなる。
【0020】
反射型液晶ディスプレイの別の欠点は、動画を表示するときの液晶の応答時間が遅いことである。多くの場合、20ミリ秒を超える遅い応答時間は、高速で変化する画像に目に見えて分かるぼけを作り出し、画像品質を低下させる。応答時間は、画像内の明るいピクセルと暗いピクセルとの間の画像コントラストを向上させようとすると、さらに遅くなる。コントラストの程度は、液晶がオン状態およびオフ状態にあるときに液晶を通過する光の透過率の変化の大きさに部分的に依存する。この変化の大きさは、スイングと呼ばれ、ほとんどの従来の液晶ディスプレイでは、50%未満である。完全「オフ」配向では、液晶の光透過率は2%未満または約2%であり、一方、完全「オン」配向では、液晶の光透過率は、50%未満または約50%である。液晶層のスイングを増加させるには、通常、周囲の液体媒体内の結晶または偏光染料の密度を増加させることが必要とされる。しかしながら、結晶および染料の密度を増加させると、完全オン状態と完全オフ状態との間の応答時間が遅くなる。したがって、反射型液晶ディスプレイの画像コントラストを増加させると、応答時間がさらに遅くなり、表示される動画の品質がさらに劣化する可能性がある。
【0021】
本技術の実施形態は、液晶および偏光染料をエレクトロウェッティング層に置き換えることによって、反射型液晶ディスプレイのこれらの欠点および他の欠点に対処する。実施形態において、エレクトロウェッティング層は、複数のエレクトロウェッティング区画を含み、その各々は、エレクトロウェッティング基板表面にわたって調節可能な被覆率を有する不透明液体を含む。実施形態において、不透明液体は、完全オフ状態では区画の基板表面の約100%を覆い、それにより、区画を通る光の透過率は、10%未満または約10%、5%未満または約5%、2%未満または約2%、あるいはそれ以下になる。追加の実施形態では、区画の基板表面に印加される静電界は、表面上の不透明液体の被覆率を調節する。さらなる実施形態では、印加される静電界は、区画が完全オン状態にあるときの区画の基板表面の区画上の不透明液体の被覆率を10%未満または約10%に調節することができる。実施形態において、完全オン状態での区画を通る光の透過率は、50%超または約50%、60%超または約60%、70%超または約70%、あるいはそれ以上である。したがって、本技術の実施形態によるエレクトロウェッティング層を使用する反射型ディスプレイの光透過率のスイングは、50%超または約50%、60%超または約60%、70%超または約70%、あるいはそれ以上であり得る。
【0022】
本技術の実施形態は、絶対値で、従来の反射型液晶ディスプレイで観察されるスイングよりも平均10%、20%、またはそれ以上大きい光透過率のスイングによって特徴づけることができる。本技術の追加の実施形態では、反射型ディスプレイのスイングを増加させても、スイッチング応答時間は犠牲にならない。実施形態において、エレクトロウェッティング区画内の不透明液体は、5ミリ秒未満または約5ミリ秒で完全オフ状態から完全オン状態になることができる。本技術の実施形態による反射型ディスプレイでは、高コントラストが高速応答時間と組み合わされる。
【0023】
エレクトロウェッティング層を含む本反射型ディスプレイおよびディスプレイ構成要素の実施形態は、偏光の透過率が非偏光の透過率より有利に働くことはない。これは、本反射型ディスプレイおよびディスプレイ構成要素を量子ドット技術に十分に適したものにする。量子ドットは、偏光によって励起される場合であっても、すべての方向に非偏光を放出する。エレクトロウェッティング層は、狭い偏光方向から外れている量子ドットによって放出される光を遮断せず、それにより、量子ドットにより放出される光のより多くの割合が、エレクトロウェッティング層を透過することができる。対照的に、量子ドットによって放出された非偏光のごく一部が、液晶層を透過する。光の大部分は、結晶の偏光方向に整列される光の狭い帯域から外れるので、液晶によって遮断される。本反射型ディスプレイは、透過する量子ドット光の割合が大きいので、反射型液晶ディスプレイよりも光源光を画像に変換する割合が大きくなり得る。実施形態において、エレクトロウェッティング層を含む本反射型ディスプレイは、10%超または約10%、10%超または約10%、20%超または約20%、30%超または約30%、40%超または約40%、50%超または約50%、あるいはそれ以上の光源光変換効率によって特徴づけることができる。
【0024】
図1は、本技術のいくつかの実施形態による反射型ディスプレイデバイス構成要素100の一部を簡略図として示す。実施形態において、デバイス構成要素100は、基板支持層102を含むことができ、基板支持層102は、基板支持層上に位置づけられる追加のデバイス層を支持する。追加の実施形態では、基板支持層102は、平面層であってもよく、または湾曲層であってもよい。さらなる実施形態では、基板支持層102は、数ある材料の中で特に、半導体、有機ポリマー、無機セラミック、または金属から製作される剛性層とすることができる。
【0025】
追加の実施形態では、反射層110を基板支持層102上に位置づけることができる。さらなる実施形態では、反射層は、複数の量子ドット井戸と、発光ナノ結晶などの量子ドット材料を含まない井戸との両方を含むマイクロ井戸層とすることができる。なおもさらなる実施形態では、井戸の各々は、量子ドット材料で満たされているか否かにかかわらず、井戸の内部表面に形成された反射ライナを含むことができる。より多くの実施形態において、井戸の一部は、井戸の少なくとも一部を充填する量子ドット材料をさらに含む量子ドット井戸である。なおもより多くの実施形態では、井戸のすべてが、量子ドット材料を含む量子ドット井戸である。実施形態において、反射ライナは、数ある金属の中で特に、アルミニウム、銀、およびスズなどの1つまたは複数の反射金属から製作することができる。追加の実施形態では、反射ライナは、数ある誘電体材料の中で特に、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ストロンチウム、酸化チタンなどの誘電体材料から製作することができる。なおもさらなる実施形態では、反射ライナ層は、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の交互スタックで製作することができる。より多くの実施形態において、反射ライナ層は、ブラッグリフレクタまたはスペクトラロンとして特徴づけることができる。さらに追加の実施形態では、反射ライナは、5μm未満または約5μm、4μm未満または約4μm、3μm未満または約3μm、2μm未満または約2μm、1μm未満または約1μm、0.75μm未満または約0.75μm、0.5μm未満または約0.5μm、0.25μm未満または約0.25μm、あるいはそれ以下の厚さによって特徴づけることができる。
【0026】
さらなる実施形態では、量子ドット井戸であるマイクロ井戸層内の井戸は、より大きいエネルギー波長の光を吸収して励起状態を形成し、それが基底状態に戻る間に第2のより小さいエネルギー波長の光を放出するように動作可能であるナノ粒子などの量子ドット材料を含むことができる。実施形態において、可視スペクトルの色の発光によって特徴づけられる複数のナノ粒子は、マイクロ井戸層内の量子ドット井戸に保持され得る。追加の実施形態では、赤色発光によって特徴づけられる第1の複数のナノ粒子は、量子ドット井戸の第1のセットに保持され得、緑色発光によって特徴づけられる第2の複数のナノ粒子は、量子ドット井戸の第2のセットに保持され得る。なおもさらなる実施形態では、マイクロ井戸層は、オプションとして、量子ドット井戸の第3のセットに保持され得る、青色発光によって特徴づけられる第3の複数のナノ粒子を含むことができる。他の実施形態では、マイクロ井戸層は、青色発光によって特徴づけられる第3の複数のナノ粒子を含む量子ドット井戸の第3のセットがない場合がある。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかでは、マイクロ井戸層は、量子ドット材料がない井戸の第3のセットを含む。これらの実施形態では、井戸の第3のセットは、青色光を井戸に出入りさせるように動作可能な青色カラーフィルタを含むことができる。
【0027】
実施形態において、反射型ディスプレイデバイス構成要素100の外部の光源からの光は、量子ドット井戸内のナノ粒子によって吸収され得、励起されたナノ粒子は、量子ドット井戸に応じて、赤色または緑色(実施形態によっては青色)の光を放出する。ナノ粒子によって放出される光の一部は、量子ドット井戸を直接出る方向のものである。放出される光の別の一部は、井戸の内面上の反射ライナ層によって量子ドット井戸から反射される。
【0028】
追加の実施形態では、ナノ粒子は、ナノ粒子に可視光を放出させる平均粒度によって特徴づけることができる。さらにさらなる実施形態では、ナノ粒子は、50nm未満または約50nm、25nm未満または約25nm、10nm未満または約10nm、9nm未満または約9nm、8nm未満または約8nm、7nm未満または約7nm、6nm未満または約6nm、5nm未満または約5nm、4nm未満または約4nm、3nm未満または約3nm、2nm未満または約2nm、1nm未満または約1nm、あるいはそれ以下の平均粒子サイズによって特徴づけることができる。より多くの実施形態において、励起されたナノ粒子は、数ある色の光の中で特に、赤色光、緑色光、または青色光の放出によって特徴づけることができる。さらなる実施形態では、ナノ粒子は、数ある無機材料の中で特に、硫化鉛、セレン化鉛、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、インジウムヒ素、燐化インジウム、追加の蛍光体、およびシリコンゲルマニウムなどの無機材料から製作することができる。
【0029】
さらなる実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素100は、反射層110の一部の上に形成されたカラーフィルタ120を含むことができる。実施形態において、カラーフィルタ120は、反射層110から放出される異なる色の光の強度の差を補償する。追加の実施形態では、カラーフィルタは、青色光および緑色光を放出する井戸の上に位置合せされる。さらなる実施形態では、赤色光を放出するように動作可能な量子ドット井戸は、カラーフィルタを含まないこともある。なおもさらなる実施形態では、カラーフィルタ120は、青色光を投射する井戸のセットの上に位置合せされた1つまたは複数の青色カラーフィルタを含むことができる。追加の実施形態では、青色カラーフィルタは、青色光よりも長い波長(例えば、450nm超または約450nmの波長)を有する光を吸収するように動作可能であり得る。より多くの実施形態において、カラーフィルタ120は、緑色光を放出する量子ドット井戸のセットの上に位置合せされた1つまたは複数の緑色カラーフィルタを含むことができる。さらにより多くの実施形態では、緑色カラーフィルタは、緑色光よりも長い波長(例えば、530nm超または約530nmの波長)を有する光を吸収するように動作可能であり得る。
【0030】
追加の実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素100は、反射層110の上に置かれたエレクトロウェッティング層130をさらに含むことができる。実施形態において、エレクトロウェッティング層は、反射層110内の量子ドット井戸の各々内のナノ結晶によって吸収され、ナノ結晶から投射される光の強度を独立して調節するように動作可能である。エレクトロウェッティング層はまた、量子ドット材料を含まない井戸を透過し、井戸から反射される光の強度を独立して調節するように動作可能である。追加の実施形態では、透過光へのこれらの調節は、エレクトロウェッティング層130を通して、反射層110内の各井戸におよび各井戸から透過される光の量を独立して調節することによって行うことができる。さらなる実施形態では、これらの独立した調節は、反射層110内の複数の井戸の上にエレクトロウェッティング層130の複数のエレクトロウェッティング区画を位置合せさせることによって行うことができる。より多くの実施形態において、各エレクトロウェッティング区画は、エレクトロウェッティング基板の表面に接触する不透明液体を含む。エレクトロウェッティング区画を透過する光の量は、エレクトロウェッティング基板表面にわたる不透明液体の被覆範囲に依存する。実施形態において、エレクトロウェッティング基板表面上の不透明液体の被覆率は、エレクトロウェッティング基板表面に電界を印加することによって調節することができる。
【0031】
追加の実施形態では、電界がエレクトロウェッティング基板表面に印加されないとき、不透明液体は、表面の100%を覆うことができる。不透明液体による100%の被覆率は、10%未満または約10%、5%未満または約5%、2%未満または約2%、1%未満または約1%、あるいはそれ以下のエレクトロウェッティング層130のエレクトロウェッティング区画を通る透過率レベルを作り出す。なおも追加の実施形態では、強い電界がエレクトロウェッティング基板表面に印加されると、不透明液体は数珠つなぎになり、表面の99%未満または約99%、表面の90%未満または約90%、表面の80%未満または約80%、表面の70%未満または約70%、表面の60%未満または約60%、表面の50%、表面の40%未満または約40%、表面の30%未満または約30%、表面の20%未満または約20%、表面の10%未満または約10%、表面の5%未満または約5%、あるいはそれ以下を覆うことができる。この結果、エレクトロウェッティング層130のエレクトロウェッティング区画を通る光の透過率は、50%超または約50%、60%超または約60%、70%超または約70%、80%超または約80%、90%超または約90%、あるいはそれ以上になる。さらにより多くの実施形態では、エレクトロウェッティング基板表面に印加される調節可能な強度の電界により、不透明液体は、100%の被覆率と、5%未満または約5%の被覆率との間の中間的な範囲で不透明液体が表面を覆う程度まで数珠状になる。さらなる実施形態では、不透明液体によって覆われていないエレクトロウェッティング基板表面の面積の割合は、エレクトロウェッティング層130のそのエレクトロウェッティング区画を通る光の透過率に正比例する。
【0032】
さらなる実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素100は、エレクトロウェッティング層130の上または下に位置づけられる導光体層140をさらに含むことができる。実施形態において、導光体層140は、外部光源から放出された白色光を反射層110の区域にわたってディスプレイデバイス構成要素100上に分散させるように動作可能であり得る。追加の実施形態では、導光体層140は、反射層110から投射された青色光を分散させるように動作可能であり得る。実施形態において、青色導光体層は、ディスプレイデバイス構成要素によって表示される画像の色温度を増加させるように動作可能であり得る。実施形態において、青色導光体は、色温度を、6500K超または約6500K、6600K超または約6600K、6700K超または約6700K、6800K超または約6800K、6900K超または約6900K、7000K超または約7000K、あるいはそれ以上まで増加させることができる。さらにより多くの実施形態では、導光体層140は、異なる波長範囲の光を分散させるように動作可能な2つ以上の導光体層を含むことができる。実施形態において、これらの多層導光体層140は、白色光を分散させるように動作可能な第1の導光体層と、青色光を分散させるように動作可能な第2の導光体層とを含むことができる。第1の導光体層は、電磁スペクトルの可視部分(例えば、約400nm~約700nm)の広い範囲の波長を有する光を分散させるように動作可能であり得る。第2の導光体層は、青色(例えば、約380nm~約500nm)を有する光を分散させるように動作可能であり得る。
【0033】
追加の実施形態では、内部光源(図示せず)が、ディスプレイデバイス構成要素100によって表示される画像を照明するのに役立つように導光体層140に結合されてもよい。実施形態において、内部光源は、白色光の単一構成要素光源を含むことができる。さらなる実施形態では、内部光源は、赤色、緑色、および青色発光ダイオードなどの多構成要素光源を含むことができる。なおもさらなる実施形態では、導光体層140は、広域スペクトル白色光源と狭域スペクトル色光源(例えば、青色光源)の両方からの光を分散させるように動作可能であり得る。さらに追加の実施形態では、導光体層140は、白色光を分散させるように動作可能な少なくとも第1の導光体層と、着色光(例えば、青色光)を分散させるように動作可能な第2の導光体層とを含む多層導光体とすることができる。なおもさらなる実施形態では、独立した内部光源が、多層導光体の各導光体層に結合されてもよい。
【0034】
より多くの実施形態において、反射型ディスプレイデバイス構成要素100は、エレクトロウェッティング層130の上に、そして存在する場合には導光体層140の上に位置づけられたカバー層150を含むことができる。カバー層150は、反射型ディスプレイデバイス構成要素100の下層を環境汚染物質から保護する。実施形態において、カバー層150は、数ある種類の光学的に透明な材料の中で特に、ガラスまたは半透明ポリマーで製作された光学的に透明な層とすることができる。
【0035】
実施形態において、反射型ディスプレイデバイス構成要素100の外部の光源(図示せず)からの光160を構成要素に導くことができる。追加の実施形態では、外部光源は、自然光(例えば、太陽光)であってもよく、または1つまたは複数のタイプの白熱光源、蛍光光源、またはLED光源からの光などの製造された光であってもよい。より多くの実施形態において、外部光源は、100lux超または約100lux(薄暗い室内灯)、500lux超または約500lux(オフィス照明)、1000lux超または約1000lux(高輝度照明)、2500lux超または約2500lux、5000lux超または約5000lux、10000lux超または約10000lux(明るい夏の日の屋外の日影)、50000lux超または約50000lux、100000lux超または約100000lux(ピーク太陽照度)、あるいはそれ以上の輝度によって特徴づけることができる。
【0036】
さらなる実施形態では、光160の一部は、数ある層の中で特に、導光体層140、エレクトロウェッティング層130、およびカラーフィルタ層120を含む、反射型デバイス構成要素100の層を通過する。追加の実施形態では、導光体層140に達する光160の一部は、反射層110を含む1つまたは複数の下層の広い区域に達するように再分散され得る。光源から直接および導光体層140から反射層110に達する光160の少なくとも一部は、反射層110におけるマイクロ井戸層の量子ドット井戸内のナノ結晶によって吸収され得る。光160の吸収された部分は、ナノ結晶を励起し、ナノ結晶のサイズなどのナノ結晶の特性に依存する特定の色の光をナノ結晶に放出させることができる。量子ドット井戸内の励起されたナノ結晶からの放出光を含む光162は、反射型ディスプレイデバイス構成要素100から戻されて、表示画像を形成する。実施形態において、ディスプレイデバイス構成要素100から投射される光162は、100nit超または約100nit、250nit超または約250nit、500nit超または約500nit、750nit超または約750nit、1000nit超または約1000nit、2500nit超または約2500nit、あるいはそれ以上の輝度によって特徴づけることができる。
【0037】
さらなる実施形態では、表示画像を形成する光162に変換される光160の量は、5%超または約5%、10%超または約10%、20%超または約20%、30%超または約30%、40%超または約40%、50%超または約50%、あるいはそれ以上であり得る。これは、典型的には10%未満、5%未満、1%未満、またはそれ以下の変換効率を有する反射型液晶ディスプレイの変換効率よりも著しく高い変換効率である。加えて、反射層110は、非偏光を生成および反射することができ、エレクトロウェッティング層130は非偏光を通過させることができるので、反射型デバイス構成要素100から表示画像を生成するために使用される光162は、非偏光であり得る。これは、表示画像を歪ませるまたは暗くすることなしに、観察者と反射型デバイス構成要素100との間の視野角を著しく増加させることができる。
【0038】
図2を参照すると、本技術の実施形態による反射型ディスプレイデバイス構成要素200の一部の追加の実施形態が示される。実施形態において、反射型ディスプレイデバイス構成要素200は、基板支持層202を含み、それは、基板支持層上に位置づけられる追加のデバイス層を支持することができる。さらなる実施形態では、反射層210を基板支持層202上に位置づけることができる。実施形態において、反射層210は、マイクロ井戸層の基板213に形成された複数の井戸を含むマイクロ井戸層を含むことができる。追加の実施形態では、マイクロ井戸層基板213は、可視光に対して不透明な有機材料または無機材料とすることができる。より多くの実施形態において、複数の井戸は、マイクロ井戸層基板213内に陥凹された底面および1つまたは複数の側壁面を含むことができる1つまたは複数の内面により形成され得る。各井戸の内面は、井戸からの光を反射型ディスプレイデバイス構成要素200を通して反射して反射型ディスプレイデバイス構成要素から画像を投射するように動作可能な反射ライナ層211でライニングすることができる。実施形態において、反射ライナ層211は、数ある金属の中で特に、アルミニウム、銀、およびスズなどの1つまたは複数の反射金属から製作することができる。追加の実施形態では、反射ライナは、数ある誘電体材料の中で特に、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ストロンチウム、酸化チタンなどの誘電体材料から製作することができる。なおもさらなる実施形態では、反射ライナ層は、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層の交互スタックで製作することができる。より多くの実施形態において、反射ライナ層は、ブラッグリフレクタまたはスペクトラロンとして特徴づけることができる。追加の実施形態では、反射ライナ層211は、5μm未満または約5μm、4μm未満または約4μm、3μm未満または約3μm、2μm未満または約2μm、1μm未満または約1μm、0.75μm未満または約0.75μm、0.5μm未満または約0.5μm、0.25μm未満または約0.25μm、あるいはそれ以下の厚さによって特徴づけることができる。
【0039】
実施形態において、反射層210内の井戸215a~215cの少なくとも一部は、異なる色の光を放出するように動作可能な複数のナノ結晶で充填され得る量子ドット井戸とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の井戸215aには、量子ドット材料がないことがある。追加の実施形態では、第1の井戸215aは、青色光(例えば、380nm~500nmの波長の範囲の光)を放出するように動作可能な複数の第1のナノ結晶215aで充填され得る。より多くの実施形態において、第2の井戸215bは、緑色光(例えば、530nm~550nmに波長の範囲の光)を放出するように動作可能な複数の第2のナノ結晶で充填された量子ドット井戸とすることができる。なおもより多くの実施形態では、第3の井戸215cは、赤色光(例えば、650nm~720nmに波長の範囲の光)を放出するように動作可能な複数の第3のナノ結晶で充填された量子ドット井戸とすることができる。なおもさらなる実施形態では、第1、第2、および第3の井戸215a~215cは、赤色、緑色、青色(RGB)ピクセルのサブピクセルであってもよい。さらにさらなる実施形態では、第1、第2、および第3の井戸は、反射型ディスプレイデバイス構成要素200の反射層210全体のサブピクセルおよびピクセルを構成するように複数回繰り返されてもよい。
【0040】
追加の実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素200は、反射層210内の井戸の一部の上に形成されたカラーフィルタ220a~220bを含むことができる。実施形態では、カラーフィルタ220aは、第1の井戸215aの上に位置合せされた青色カラーフィルタを含む。青色カラーフィルタ220aは、第1の井戸215aにおよび第1の井戸215aから透過させるように動作可能であり、青色光よりも長い波長を有する光を吸収するように動作可能であり得る。追加の実施形態では、カラーフィルタ220bは、緑色光を放出するように動作可能なナノ結晶で充填された第2の井戸215bの上に位置合せされた緑色カラーフィルタとすることができる。緑色カラーフィルタは、緑色光よりも長い波長を有する光を吸収するように動作可能であり得る。図2に示された実施形態では、赤色光を放出するように動作可能なナノ結晶で充填された第3の井戸215cの上にはカラーフィルタは置かれない。図示の実施形態において、カラーフィルタ220a~220bは、反射層210の井戸215a~215cから投射される赤色光を基準として青色光および緑色光の強度を低下させる。
【0041】
さらなる実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素200は、反射層210の上に、そして存在する場合にはカラーフィルタ220a~220bの上に位置づけられたエレクトロウェッティング層230をさらに含むことができる。実施形態において、エレクトロウェッティング層230は、一群のエレクトロウェッティング液体が支持されるエレクトロウェッティング基板表面を形成するエレクトロウェッティング基板層232を含むことができる。追加の実施形態では、エレクトロウェッティング液体は、不透明液体234と半透明液体236とを含むことができる。さらなる実施形態では、少なくとも不透明液体234は、反射層210内の井戸215a~215cの周縁と位置合せされ得る複数の仕切り235によってエレクトロウェッティング区画に分離され得る。仕切り235は、1つのエレクトロウェッティング区画の不透明液体234が、隣接するエレクトロウェッティング区画に流れ込むのを防止するために十分に高い。
【0042】
実施形態において、エレクトロウェッティング基板層232の表面上の不透明液体234の被覆率は、エレクトロウェッティング区画の底部部分を形成する基板層の部分に印加される電界の強度に応じて調節可能であり得る。実施形態において、印加電界が弱いほど、不透明液体234はエレクトロウェッティング基板層232の表面を多く濡らす。さらなる実施形態では、不透明液体234がエレクトロウェッティング基板層232の表面の100%を濡らす場合、エレクトロウェッティング区画を透過する光はほとんどない(例えば、エレクトロウェッティング区画に投射される光の10%未満または約10%、5%未満または約5%、2%未満または約2%、またはそれ以下)。なおもさらなる実施形態では、不透明液体がエレクトロウェッティング基板層232の表面の10%未満または約10%を濡らす場合、エレクトロウェッティング層230に達する光の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、またはそれ以上が、層を通過することができる。
【0043】
より多くの実施形態において、エレクトロウェッティング層230内のエレクトロウェッティング液体は、異なる偏光度の少なくとも2つの液体を含むことができる。実施形態において、不透明液体234は非極性液体とすることができ、一方、半透明液体236は極性液体とすることができる。エレクトロウェッティング液体の極性の差により、エレクトロウェッティング基板層232の表面上の不透明液体234の濡れの程度が助長される。追加の実施形態では、不透明液体234は、数ある非極性液体の中で特に、非極性オイルと可視光を吸収する1つまたは複数の染料とを含むことができる。さらなる実施形態では、半透明液体236は、数ある極性液体の中で特に、水と短鎖アルコールとを含むことができる、さらにより多くの実施形態では、エレクトロウェッティング基板層232の表面は、数ある材料の中で特に、半透明有機ポリマー(例えば、半透明フルオロポリマー)などの半透明非極性材料から製作することができる。なおもより多くの実施形態では、エレクトロウェッティング基板層232の大部分は、材料の中で、インジウムスズ酸化物およびインジウム亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物などの半透明の導電性材料から製作することができる。
【0044】
追加の実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素200は、エレクトロウェッティング層230の上または下に位置づけられる導光体層240をさらに含むことができる。図2に示された例では、導光体層240は、エレクトロウェッティング層230の上に位置づけられる。実施形態において、導光体層240は、反射層210のより広い区域、および反射型ディスプレイデバイス構成要素200によって投射される画像のより広い区域にわたって、青色光を分散させるように動作可能な第1の導光体層を含む。さらなる実施形態では、導光体層240は、外部光源からの白色光を、反射層210を含む構成要素200の層のより広い区域にわたって分散させるように動作可能な第2の導光体層をさらに含む。
【0045】
なおもさらなる実施形態では、反射型ディスプレイデバイス構成要素200は、導光体層240の上に位置づけられたカバー層250を含むことができる。カバー層250は、反射型ディスプレイデバイス構成要素200の下層を環境汚染物質から保護する。実施形態において、カバー層250は、数ある種類の光学的に透明な材料の中で特に、ガラスまたは半透明ポリマーで製作された光学的に透明な層とすることができる。
【0046】
図3A図3Cは、エレクトロウェッティング基板層332の表面を様々な範囲まで覆う不透明液体334を含む単一のエレクトロウェッティング区画300の一実施形態を示す。図3Aは、不透明液体334がエレクトロウェッティング基板層332の表面の区域の100%を覆い、半透明液体336が少しも表面と接触しないことを示す。この状態では、エレクトロウェッティング区画300に達する光は、区画をほとんど透過することができず、区画は、完全オフであるとして特徴づけることができる。図3Bは、エレクトロウェッティング基板層332の区域の約50%を覆う不透明液体334を示す。この状態では、エレクトロウェッティング区画300に達する光の約50%が、区画を透過することができ、区画は、完全オフと完全オンとの間の中間状態にあるとして特徴づけることができる。図3Cは、エレクトロウェッティング基板層332の区域の10%未満を覆う不透明液体334を示す。この状態では、エレクトロウェッティング区画300に達する光の50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、またはそれ以上が、区画を透過することができ、区画は、完全オンであるとして特徴づけることができる。
【0047】
実施形態において、不透明液体334が、エレクトロウェッティング基板層332の表面の100%を覆う完全オフ状態からその面積の10%未満を覆う完全オン状態までの間で調節されるのに要する時間は、20ミリ秒未満または約20ミリ秒、15ミリ秒未満または約15ミリ秒、10ミリ秒未満または約10ミリ秒、5ミリ秒未満または約5ミリ秒、4ミリ秒未満または約4ミリ秒、3ミリ秒未満または約3ミリ秒、2ミリ秒未満または約2ミリ秒、1ミリ秒未満または約1ミリ秒、あるいはそれ以下であり得る。
【0048】
図1図3に示された上述の反射型ディスプレイデバイスおよび構成要素の実施形態は、本方法の実施形態に従って画像を表示するために使用することができる。図4は、本技術のいくつかの実施形態による画像を表示する方法400における例示的な動作を示す。方法400は、記載の動作の前に実行され得る数ある動作の中で特に、デバイスを作動させることと、表示される画像の特性を調節することとを含む、この方法の開始の前の1つまたは複数の動作を含むことができる。この方法は、いくつかのオプションの動作をさらに含むことができ、それは、本技術による方法のいくつかの実施形態と具体的に関連する場合もあり、関連しない場合もある。例えば、動作の多くは、実行されるプロセスのより広い範囲を提供するために説明されているが、この技術にとって不可欠ではなく、または以下でさらに論じられるように代替方法によって実行されてもよい。図は、部分的な概略図のみを示し、システムおよび方法は、様々な特性および態様を有する任意の数の追加の構成要素および動作を含んでもよいことを理解されたい。
【0049】
次に図4を参照すると、方法400は、動作405において、反射型ディスプレイデバイスを光源にさらすことを含むことができる。反射型ディスプレイデバイスは、図1図3に示されたデバイス構成要素など、本技術の一実施形態によるデバイスまたはデバイス構成要素とすることができる。実施形態では、光源は、外部光源とすることができる。さらなる実施形態では、外部光源は、太陽光などの自然光源であってもよく、または数ある製造された光源の中で特に、1つまたは複数の白熱光源、蛍光光源、もしくはLED光源からの光源などの製造された光源であってもよい。なおもさらなる実施形態では、光源は、反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素に統合された内部光源であってもよい。実施形態において、内部光源は、反射型ディスプレイデバイスのエレクトロウェッティング層および反射層の上に位置づけられたLED光源を含むことができる。さらなる実施形態では、内部光源は、内部光源から放出される光を、エレクトロウェッティング層および反射層のより大きい区域にわたって分散させる導光体層に結合されてもよい。
【0050】
内部光源は、反射型ディスプレイデバイスからの投射画像に追加の光を供給することができる。実施形態において、内部光源からの光の一部は、井戸に透過され、井戸は、反射層から投射される着色光を反射および/または放出することができる。さらなる実施形態では、内部光源からの光の一部は、反射層によって直接反射されて、反射型ディスプレイデバイスからの表示画像の一部を形成することができる。対照的に、従来の透過型ディスプレイデバイスは、反射なしに表示画像に直接投射される着色光を生成するために、マイクロ井戸層内の量子ドット材料を励起するのに内部光源を使用する。
【0051】
実施形態において、方法400は、動作410において、導光体層を通して光を分散させることをさらに含むことができる。上記のように、実施形態において、導光体層に供給される光は、外部光源または内部光源から供給され得る。さらなる実施形態では、光は、可視スペクトル(例えば、約400nm~約700nm)にわたって分布する波長を有する白色光とすることができる。導光体層を通して分散される光は、エレクトロウェッティング層と反射層とを含む、反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素の下層にわたって分散され得る。実施形態において、導光体層は、外部光源または内部光源から放出される光を、反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素の下層にわたってより均等に分散させ、その結果、反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素は、画像にわたってより均一な輝度で画像を表示することができる。
【0052】
実施形態において、方法400は、動作415において、エレクトロウェッティング層を通して光を透過させることをなおもさらに含むことができる。実施形態において、透過光は、動作405において反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素がさらされた光源光の一部であり得る。追加の実施形態では、透過光は、エレクトロウェッティング層の下に位置づけられた反射層から放出される光の一部であり得る。さらなる実施形態では、エレクトロウェッティング層は、表示画像を形成するのに役立つように、層の区域にわたる様々な点で層を透過する光の量を制御することができる。上記のように、エレクトロウェッティング層の各点を通る光の透過率は、エレクトロウェッティング層に供給される光のほぼ0%の透過率から90%超または約90%の透過率までスイングする可能性がある。さらに、上記のように、エレクトロウェッティング層は、各点における光の透過率レベルを完全に透過(例えば、完全オン)から完全に不透明(例えば、完全オフ)まで、20ミリ秒未満または約20ミリ秒、15ミリ秒未満または約15ミリ秒、10ミリ秒未満または約10ミリ秒、5ミリ秒未満または約5ミリ秒、4ミリ秒未満または約4ミリ秒、3ミリ秒未満または約3ミリ秒、2ミリ秒未満または約2ミリ秒、1ミリ秒未満または約1ミリ秒、あるいはそれ以下で、変化させることができる。
【0053】
実施形態において、方法400は、動作420において、量子ドット井戸から光を生成することをその上さらに含むことができる。実施形態において、量子ドット井戸は、井戸の少なくとも一部を充填するナノ結晶が光を吸収し励起状態になることによって光を生成する。励起したナノ結晶は、非励起状態に戻るときに所定の色の光を放出する。実施形態において、ナノ結晶によって放出される着色光は、100nm未満または約100nm、75nm未満または約75nm、50nm未満または約50nm、40nm未満または約40nm、30nm未満または約30nm、20nm未満または約20nm、10nm未満または約10nm、あるいはそれ以下の半値全幅(FWMH)波長範囲によって特徴づけることができる。さらなる実施形態では、ナノ結晶によって放出される着色光は、非偏光であり得る。なおもさらなる実施形態では、ナノ結晶によって放出される光の一部は、量子ドット井戸を含む反射層の上に位置づけられたディスプレイの層上に直接投射され得る。光の追加部分は、量子ドット井戸の反射ライナ層で反射され、その後、量子ドット井戸を含む反射層の上に位置づけられた層上に投射され得る。
【0054】
実施形態において、方法400は、動作425において、量子ドット井戸を含む反射井戸から放出される光をフィルタリングすることをさらに含むことができる。さらなる実施形態では、井戸のサブセットから反射および放出される青色光および緑色光をフィルタリングして、表示画像の青色光および緑色光の強度を赤色光を基準として低下させることができる。これらの実施形態では、青色カラーフィルタの第1のセットは、青色光の波長未満またはほぼ青色光の波長(例えば、500nm未満または約500nm、475nm未満または約475nm、450nm未満または約450nm、425nm未満または約425nm、400nm未満または約400nm、あるいはそれ以下)の光の放出を低減させるために、青色光を反射するように動作可能な井戸のサブセット上に位置づけられ得る。追加の実施形態では、緑色カラーフィルタの第2のセットは、緑色光の波長未満またはほぼ緑色光の波長(例えば、550nm未満または約550nm)の放出を低減させるために、緑色光を放出するように動作可能な量子ドット井戸のサブセット上に位置づけられ得る。
【0055】
実施形態において、方法400は、さらに加えて、動作430において、反射光および生成光から画像を形成することを含むことができる。実施形態において、反射型ディスプレイデバイスまたはデバイス構成要素の光によって形成される画像は、100nit超または約100nit、250nit超または約250nit、500nit超または約500nit、750nit超または約750nit、1000nit超または約1000nit、2500nit超または約2500nit、あるいはそれ以上の輝度によって特徴づけることができる。
【0056】
本技術の実施形態は、従来のLCD技術を使用する反射型ディスプレイと比較して、向上した輝度および応答時間をもつ画像の反射型ディスプレイを可能にする。この実施形態は、エレクトロウェッティング層と、量子ドット技術を組み込んだ反射層とを含む、反射型ディスプレイデバイスおよびデバイス構成要素を含む。これらの層と、導光体層およびカラーフィルタ層を含む追加の層との組合せは、従来のLED技術で見られるよりも広い色域、高いコントラスト比、および鮮明なビデオを有する画像の表示を可能にする。本技術によるディスプレイデバイスおよびデバイス構成要素はまた、発光ダイオード(LED)および他の高エネルギー消費光源のためにかなり多くの電力を必要とする透過型ディスプレイデバイスと比較して、反射型ディスプレイデバイスの低電力消費による利点がある。
【0057】
前の記述では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために非常に多くの詳細が記載された。しかしながら、特定の実施形態はこれらの詳細の一部がなくてもまたは追加の詳細があっても実践され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、記載のウェッティング技法から利益を得ることができる他の基板が、さらに、本技術とともに使用されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態を開示したが、当業者ならば、様々な変形、代替構成、および均等物が、実施形態の趣旨から逸脱することなく使用されてもよいことを認識するであろう。加えて、いくつかのよく知られているプロセスおよび要素は、本技術を不必要に曖昧にすることを避けるために説明されていない。したがって、上述の説明は、技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0059】
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値もまた、文脈が明確にそうでないと指示しない限り、下限の単位の最小の分数まで、具体的に開示されていると理解される。明記された範囲内の任意の明記された値または明記されていない介在値と、その明記された範囲内の任意の他の明記された値または介在値との間の任意のより狭い範囲も包含される。それらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、その範囲に含まれてもよくまたは除外されてもよく、そのより小さい範囲に、限界のいずれかが含まれるか、または限界のどちらも含まれないか、または限界の両方が含まれる場合の各範囲はまた、明記された範囲における任意の具体的に除外される限界を条件として、本技術内に包含される。明記された範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外した範囲も含まれる。多数の値がリストに用意されている場合、それらの値のいずれかを包含するかまたはそれに基づく任意の範囲が、同様に具体的に開示される。
【0060】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないと指示しない限り、複数への参照を含む。したがって、例えば、「ナノ結晶」への言及は、複数のそのようなナノ結晶を含み、「期間」への言及は、当業者に知られている1つまたは複数の期間およびその均等物への言及を含む。
【0061】
さらに、「備える、含む(comprise(s))」、「備えている、含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、および「含んでいる(including)」という単語は、本明細書および後述の特許請求の範囲で使用される場合、明記された特徴、整数、構成要素、または動作の存在を指定するように意図されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、行為、またはグループの存在または追加を排除しない。加えて、「の上に(above)」、「の下に(below)」、「の上に(over)」、「の下に(under)」、「の前方に(in front of)」、「の後方に(behind)」、などの単語は、要素の相対的な位置づけを示しており、要素の絶対的な位置づけを示していない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】