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特表2024-538296オーバモールドコネクタおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】オーバモールドコネクタおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 41/02 20060101AFI20241010BHJP
   F16L 33/20 20060101ALI20241010BHJP
   F16L 47/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16L41/02
F16L33/20
F16L47/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525580
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022048200
(87)【国際公開番号】W WO2023076581
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/274,357
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュローダー, デーヴィッド
【テーマコード(参考)】
3H017
3H019
【Fターム(参考)】
3H017DA00
3H019AA04
3H019BA14
3H019BA24
3H019BA44
3H019FA07
3H019FA14
3H019GA01
(57)【要約】
第1の開口端部および第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管と、複数のコネクタとを含む、流体接続組立体。コネクタのそれぞれは、少なくとも2つのコネクタ部分を含み、この場合、少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれは、コネクタの中心から延在し、かつ、コネクタの中心に接続される第1の端部、および複数の管のうちの1つの第2の開口端部に接続される第2の端部を有する。コネクタ部分は、管およびコネクタの中心と連続的に形成され、また、コネクタ部分は、互いに流体的に接続される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口端部および前記第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管と、
複数のコネクタであって、前記コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を備え、前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、前記コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記複数の管のうちの1つの前記第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、前記コネクタ部分が、前記管および前記コネクタの前記中心と連続的に形成され、前記コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタと、
を備える、流体接続組立体であって、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされ、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい、流体接続組立体。
【請求項2】
前記コネクタ部分が、それぞれの前記コネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を備える、請求項1に記載の流体接続組立体。
【請求項3】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられた複数のリブセクションを備え、前記コネクタの前記中心のより近くに設けられるリブセクションが、前記コネクタ部分の前記第2の端部に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する、請求項2に記載の流体接続組立体。
【請求項4】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクションを備え、前記コネクタの前記中心のより近くに設けられる前記螺旋状リブセクションの第1の端部が、前記コネクタ部分の前記第2の端部に設けられる前記螺旋状リブセクションの第2の端部よりも大きな外径を有して前記コネクタ部分の前記第1の端部に設けられる、請求項2に記載の流体接続組立体。
【請求項5】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の前記外側表面から取り除かれたセグメント化されたコア部分を備える、請求項2に記載の流体接続組立体。
【請求項6】
前記コネクタが、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の流体接続組立体。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマーが、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはシリコンである、請求項6に記載の流体接続組立体。
【請求項8】
前記コネクタが、レジューサとして、4アーム交差モールド、6アーム星モールド、Tモールド、yモールド、エルボモールド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される設計を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体接続組立体。
【請求項9】
前記複数の管のうちの1つの前記第1の端部開口端部が、袋組立体に流体的に接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の流体接続組立体。
【請求項10】
少なくとも2つのコネクタ部分であって、それぞれが、コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記コネクタの前記中心から横方向に延在する第2の端部を有し、前記コネクタの前記中心と連続的に形成され、また、互いに流体的に接続される、少なくとも2つのコネクタ部分
を備える、コネクタであって、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされ、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい、コネクタ。
【請求項11】
前記コネクタ部分が、それぞれの前記コネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を備える、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられた複数のリブセクションを備え、前記コネクタの前記中心のより近くに設けられるリブセクションが、前記コネクタ部分の前記第2の端部に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクションを備え、前記コネクタの前記中心のより近くに設けられる前記螺旋状リブセクションの第1の端部が、前記コネクタ部分の前記第2の端部に設けられる前記螺旋状リブセクションの第2の端部よりも大きな外径を有して前記コネクタ部分の前記第1の端部に設けられる、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記歪み緩和部分が、前記コネクタ部分の前記外側表面から取り除かれたブロックコア部分を備える、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項15】
熱可塑性エラストマーを含む、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項16】
熱可塑性エチレン酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
流体接続組立体を製造するための方法であって、
第1の開口端部および前記第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管を形成することと、
複数のコネクタを形成することであって、前記コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を有するように形成され、前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、前記コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記複数の管のうちの1つの前記第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、前記コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタを形成することと、
前記コネクタ部分が前記コネクタの前記中心および前記管と流体的に接続されるように、前記2つのコネクタ部分のうちの少なくとも1つと前記複数の管のうちの1つの前記第2の開口端部とをオーバモールドすることと、
を含み、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされるように形成され、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい、方法。
【請求項18】
オーバモールドするステップが、単一のステップにおいて起こる、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年11月1日に出願された米国仮特許出願第63/274,357号の優先権を主張するものである。優先権書類は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、化学的プロセスおよび/または生物学的プロセスなどからの流体を複数の異なる配管、継手、および貯蔵容器を通じて移送するための流体連結組立体を対象とする。
【背景技術】
【0003】
化学的プロセスおよび/または生物学的プロセスは、医薬品流体または生物学的流体を収容する袋、バイオプロセス袋、などの貯蔵容器内に貯蔵されるプロセス材料を利用するかまたは作製し得る。配管または他のタイプの継手およびコネクタが、プロセス材料および/または反応物を貯蔵容器内に供給するために利用され得る。プロセス材料は、貯蔵容器内で凍結されるかまたは他の方法で低温に保たれることを必要とする場合がある。次いで、配管または他のタイプの継手およびコネクタは、貯蔵容器からプロセス材料を取り出しかつ/または移送するために利用され得る。
【発明の概要】
【0004】
流体接続組立体のいくつかの実施形態は、複数の管および複数のコネクタを含み、コネクタのそれぞれは、少なくとも2つのコネクタ部分を含む。コネクタ部分は、コネクタの中心から延在し、かつ、コネクタの中心に接続される第1の端部、および管に接続される第2の端部を有する。コネクタ部分は、互いに流体的に接続されるように、管およびコネクタの中心と連続的に形成される。コネクタ部分のそれぞれは、円錐形にテーパ付けされ、コネクタの中心における第1の端部の外径は、コネクタ部分が可撓性であるように、コネクタ部分の第2の端部の外径よりも大きい。いくつかの実施形態では、コネクタ部分は、コネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を含む。いくつかの実施形態では、歪み緩和部分は、コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられた複数のリブセクションを含み、コネクタの中心のより近くに設けられるリブセクションは、コネクタ部分の第2の端部に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する。他の実施形態では、歪み緩和部分は、コネクタ部分の長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクションを含み、コネクタの中心のより近くに設けられる螺旋状リブセクションの第1の端部が、コネクタ部分の第2の端部に設けられる螺旋状リブセクションの第2の端部よりも大きな外径を有してコネクタ部分の第1の端部に設けられる。さらに他の実施形態では、歪み緩和部分は、コネクタ部分の外側表面から取り除かれたセグメント化されたコア部分を含む。そのような構造はコネクタおよびコネクタ部分が可撓性であることを可能にすることが、認識される。
【0005】
他の実施形態は、管と連続的に形成されたコネクタ部分を有するコネクタを含む流体接続組立体を製造する方法を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ部分および管の連続的な形成は、コネクタ部分がコネクタの中心および管と流体的に接続されるようにコネクタ部分と管とをオーバモールドすることによって行われる。
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および説明において、また特許請求の範囲から、明らかにされる。
【0007】
本開示の一部分を形成する添付の図面を参照するが、これらの図面は、本明細書において説明されるシステムおよび方法を実践することができる実施形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による流体接続組立体の概略図である。
図2A図1における流体接続組立体のコネクタの正面図である。
図2B図1における流体接続組立体のコネクタの断面図である。
図2C図1における流体接続組立体のコネクタの斜視図である。
図2D図1における流体接続組立体のコネクタの斜視図である。
図3A-3B】コネクタの歪み緩和部分の別の実施形態の正面図および断面図である。
図4A-4B】コネクタの歪み緩和部分の別の実施形態の正面図および断面図である。
図4C-4D】コネクタの歪み緩和部分の別の実施形態の正面図および断面図である。
図4E-4F】コネクタの歪み緩和部分の別の実施形態の正面図および断面図である。
図4G-4H】コネクタの歪み緩和部分の別の実施形態の正面図および断面図である。
図5A-5B】コネクタの形状の別の実施形態の正面図および断面図である。
図5C-5D】コネクタの形状の別の実施形態の正面図および断面図である。
図5E】コネクタの形状の別の実施形態の正面図である。
図5F】少なくとも1つの実施形態の脊椎状組立体(spine assembly)およびコネクタの斜視図である。
図6】コネクタを有する流体接続組立体を製造する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
同様の番号は、同様の特徴を表す。
【0010】
本開示は一般に、流体を移送するための流体接続組立体に関する。より具体的には、本開示は、貯蔵容器からの流体の移送、例えば充填および取り出しのための複数の管および複数のコネクタを含む流体接続組立体に関する。化学的プロセスおよび/または生物学的プロセスに関連する流体が以下で論じられるが、そのような論述は本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の実施形態として提供されることが認識される。
【0011】
一部の化学的プロセスおよび/または生物学的プロセスは、医薬品流体または生物学的流体を収容する袋などの貯蔵容器内に貯蔵されるプロセス材料を利用するかまたは作製する。医薬品流体または生物学的流体はまた、貯蔵容器内で凍結されるかまたは他の方法で低温に維持されることを必要とする場合がある。流体は、限定されるものではないが、剪断応力が印加されたときに流れるかまたは変形する物質を含むことが認識される。流体は、例えば液体を含み得る。
【0012】
配管ならびに/または他のタイプの継手およびコネクタを含む流体接続組立体は、医薬品流体もしくは生物学的流体を例えば袋組立体である複数の貯蔵容器内に供給するために、および/または医薬品流体もしくは生物学的流体を例えば袋組立体である複数の貯蔵容器から取り出すために、利用され得る。例えば、医薬品流体または生物学的流体の複数の貯蔵容器への/複数の貯蔵容器からの移送のための脊椎状組立体を形成するために、管と袋組立体とを接続するためのコネクタが使用される。
【0013】
しかし、従来技術のコネクタは、剛体コネクタを配管に接続するためのホースバーブおよび機械式コネクタ、例えば3クランプ接続システムを含む、例えば曲げることができない剛体コネクタを使用することが観察された。そのような従来技術のコネクタは、流体を蓄積しかつ流体中の細胞の汚染および破損をもたらすポケットを形成し得る間隙を配管と剛体コネクタとの間で内部的に作り出すだけでなく、剛体コネクタに接続された配管が曲がったときに、例えば配管のキンクを作り出しかつ/または流路に影響を及ぼす卵形の内部形状を作り出す配管の曲がりに起因して流路の中断が生じることが、観察された。流路の制限を克服するために、典型的にはプロセス圧力が上昇された。そのような圧力の上昇は、袋組立体の過剰充填および充填不足につながる、異なる供給圧力が袋組立体に提供されることをもたらしたばかりでなく、上昇した圧力はまた、医薬品流体または生物学的流体の漏れを生じさせる配管、コネクタ、機械式コネクタ、および/または袋組立体の故障をもたらした。したがって、従来技術のコネクタは、流路における制限を作り出しただけではなく、コネクタはまた、潜在的な故障点、例えば脊椎状組立体における圧力差に起因する流体の漏れをもたらすより高い圧力および機械式コネクタを増大させた。
【0014】
機械式コネクタを使用する従来技術の組立体の剛体コネクタおよび脊椎状組立体は、-190℃以下の極低温度において保管されたときに、超低温度が脊椎状組立体における漏れを生じさせ、それにより、例えば液体窒素もしくは類似のものである低温流体の貯蔵容器内への侵入、または医薬品流体もしくは生物学的流体の漏れが可能にされることもまた、観察された。理論によって束縛されることを望まないが、極低温システムにおける脊椎状組立体の導入時に、異なる厚さを有しかつ異なる熱膨張(および収縮)係数を有する異なる材料で作られ得る脊椎状組立体、配管、および/または剛体コネクタは、特に超極低温度(ultra-cold cryogenic temperature)において、異なる速度で収縮し、かつ/または異なる熱的特性、例えば剛性/可撓性を有することが、理解される。したがって、脊椎状組立体、管、およびコネクタが極低温システムに導入される場合、異なる収縮速度および/または異なる熱的特性に起因して、脊椎状組立体間、例えば管、機械式コネクタ、およびコネクタ間の継手が機能しなくなり、それにより、液体もしくは気体の形態の窒素の貯蔵容器内への侵入、または医薬品流体もしくは生物学的流体の漏れが生じる。
【0015】
図1図2Cを参照すると、従来技術の欠陥を克服する流体接続組立体1の一実施形態が示されている。流体接続組立体1は、脊椎状組立体を一緒に形成する複数の管4および複数のコネクタ6を含み、脊椎状組立体は、医薬品流体または生物学的流体の処理設備10からの/処理設備10への移送のための袋組立体8を接続するために使用される。複数の管は、1/8インチから1インチの間の内径および1/4インチから1 1/4インチの間の外径またはそれらの組み合わせを有する管を含む。袋組立体は、低温流体貯蔵容器、または医薬品流体もしくは生物学的流体の貯蔵のための類似の貯蔵容器であり得る。
【0016】
流体接続組立体1は、医薬品流体または生物学的流体の移送のための加圧システムである。流体接続組立体1は、医薬品流体または生物学的流体を袋組立体に均等に分配するために使用され得る。他の実施形態では、医薬品流体または生物学的流体は、ユーザの要求、例えば異なるサイズの袋組立体に応じた異なる量で、袋組立体に分配され得る。いくつかの実施形態では、流体接続組立体が加圧システムにおいて使用される代わりに、医薬品流体または生物学的流体を袋組立体から移送するために陰圧が使用され得ることが、認識される。
【0017】
図2A図2Dは、複数のコネクタのうちの1つの一実施形態を示す。図2Aに見られるように、コネクタ6は、コネクタ6の中心215から延在する複数のコネクタ部分210を含む。複数のコネクタ部分は、少なくとも2つのコネクタ部分を含むが、3個から10個の間のコネクタ部分を含み得、好ましくは4個のコネクタ部分を含む。コネクタ部分210の第1の端部212がコネクタ6の中心215と連続的に形成され、一方で、第2の端部214が管4の一方の端部と連続的に形成される。管4は、袋組立体8、処理設備10、別のコネクタ6、または医薬品流体もしくは生物学的流体のための他の処理デバイスのうちの少なくとも1つに接続される、管4の他方の端部を有し得る。
【0018】
複数の管4およびコネクタ6は、管およびコネクタが可撓性であるように、種々の熱可塑性ポリマーおよび/または熱硬化性エラストマーから形成され得る。例えば、管4および/またはコネクタ6は、フルオロポリマー、ポリウレタン、加硫物、軟質塩化ビニル(PVC)、熱可塑性エラストマー(TPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、コポリマー/ポリオレフィン、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、もしくはETFE)、もしくはそれらの混合物または液状シリコーンゴム(LSR)などの熱硬化性エラストマーもしくはそれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性ポリマーから形成され得る。したがって、管および/またはコネクタは、例えば-196℃の極低温度においても可撓性であり続ける材料から作られる。管およびコネクタは、同じ材料または異なる材料から作られてよいが、一般に、物質的に適合性のある材料から作られ、例えば、管およびコネクタは、類似のもしくは同じ熱膨張/収縮係数、類似の溶融温度および流動特性、同じ耐化学性もしくは適合性、ならびに/またはUV遮断などの流体接続組立体のための用途によって必要とされる他の特性を有する。管および/またはコネクタはまた、例えば医薬品流体または生物学的流体を浸出させないか実質的に吸収せず、かつ非反応性である、比較的不活性な材料で作られ得る。
【0019】
図2Bは、コネクタ6の断面図を示す。コネクタ部分210は、コネクタ部分210と複数の管4との間に内部流路220が連続的に形成されるように、管と連続的に形成され、それらを接続するのに機械式コネクタは使用されない。コネクタ部分210のそれぞれは、内径を有する内部流路と、外径を有する外側表面とを有する。コネクタ部分210の内部流路は、管4が少なくとも部分的にコネクタ部分210内に配置されることが可能であるように、構成において管4の外側表面と相補的である。したがって、コネクタ6のコネクタ部分210は、コネクタ6の中心215を通じて互いにおよび複数の管4に流体的に接続される。この実施形態ではコネクタ6は管4の内径に等しいかまたは類似の内径を有する内部流路を有するが、コネクタ6は医薬品流体または生物学的流体を移送するための要件に応じて管の内径よりも大きいまたは小さい内径を有する内部流路を有することもできることが、認識される。例えば、一実施形態では、中央のコネクタ6が医薬品流体または生物学的流体を脊椎状組立体に供給するために使用される場合、中央のコネクタ6は、より小さな内径を有するコネクタ6および/または配管4を有する脊椎状組立体の他のコネクタ6に医薬品流体または生物学的流体を分配するために、より大きな内径を持つ内部流路を有し得る。つまり、少なくともコネクタおよび/または管の内径のサイズ決めは、容積依存的であり、例えば、コネクタは、レジューサ、エキスパンダ、またはそれらの組み合わせとして使用されるようにサイズ決めされ得る。
【0020】
管4と連続的に形成されるコネクタ部分210は、様々な態様で遂行され得る。例えば、一実施形態では、コネクタ部分210は、例えばモールディングプロセス(例えば、熱硬化、または射出成形を使用する)、注型(例えば、2部品注型など)、熱成形、などの間に単一の型を使用して、単一のオーバモールディングプロセスにおいて配管4とともにオーバモールドされる。したがって、コネクタ部分210および管4は、直接にまたは連続的に、互いにポリマーで形成される。他の実施形態では、コネクタ部分210および管4は、他のプロセスを使用して、例えば熱接合、インパルス溶接、レーザ溶接、超音波溶接、プラテン溶接、もしくは類似の融合接合/溶融溶接技法を含み得るがこれらに限定されない溶接技法または接合技法を使用して、連続的に形成され得ることが、認識される。つまり、コネクタ部分および管の連続形成は、単体として形成されるコネクタ組立体、例えば管がコネクタ部分から引き抜かれ得ないように接合プロセス、融合プロセス、またはモールディングプロセスを使用することにより非連続的に形成された接続部を中間に含まないかまたはコネクタ部分と管との間にクランプを使用しないコネクタ組立体をもたらすことが、認識される。したがって、コネクタ組立体および管は、極低温凍結中であってもコネクタ部分と管との間に漏出点が存在しないように、十分に高い引抜き力を有する。
【0021】
つまり、理論によって束縛されることを望まないが、コネクタ部分と管とを連続形成すること、またはコネクタ部分と管とのポリマーの連続形成をすることにより、管をコネクタのコネクタ部分に取り付けるためのコネクタまたはクランプが設けられないので、潜在的な漏れ点が排除されることが、意外にも分かった。その際に、少なくとも流体接続組立体は連続的に形成されるので、例えば-190℃以下の温度である極低温凍結プロセス中、流体接続システムは、漏れ点を有することがなく、代わりにプロセス設備から流体接続システムを通して途切れのない流路を有し、その結果、流体接続システムは、構造的完全性を維持し、かつ、極低温流体の侵入、例えば医薬品流体または生物学的流体の汚染を防止することができる。コネクタおよび管が同じまたは類似のポリマー、例えばEVAから形成される場合、コネクタおよび管は、同じまたは類似の熱収縮係数および/もしくは熱的特性および/もしくは材料特性、例えば剛性を有することが、意外にも分かった。したがって、少なくともコネクタおよび管は同じ速度で収縮するので、例えば同じまたは類似の熱的特性を有するので、潜在的な漏れ点が排除され、その結果、システムの構造的完全性が維持され得る。
【0022】
コネクタ6の材料はコネクタに可撓性を提供するが、コネクタ6の可撓性はまた、コネクタ6の構造に基づいて高められ得ることが、認識される。例えば、コネクタ部分210は、円錐形にテーパ付けされ、この場合、コネクタ部分210の第1の端部212の外径は、コネクタ部分210の第2の端部214の外径よりも大きい。したがって、そのような構造を有することにより、コネクタ部分210の可撓性はさらに高められる。
【0023】
図2Cに見られるように、コネクタ6はまた、コネクタ6の可撓性をさらに高めるために、追加的な歪み緩和部分を備え得る。例えば、各コネクタ部分210は、円錐形にテーパ付けされたコネクタ部分210の外側表面に沿って設けられる複数のリブセクション230を含むことができる。複数のリブセクション230は、コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられ、この場合、コネクタ6の中心215に最も近接してまたは最も近くで第1の端部212に設けられるリブセクションは、管4に接続されるコネクタ部分の第2の端部214に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する。図2Cは4つのリブセクションを含むが、リブセクションの数および配置は、コネクタのサイズ/長さ、管のサイズ/長さ、および流体の移送のために使用される場合のコネクタの設計に対する種々の他の要因に応じて変更されてよく、例えば、リブセクションは、互いにさらに離間されるかまたは近接し得ることが、認識される。そのような構造を有することにより、コネクタ6のコネクタ部分210は、さらに関節式に動かされること、例えば移動されることが可能であり、その結果、管が移動されるかまたは調整されるときに、コネクタ部分210は、管4が応力を受けないように関節式に動かされかつ/または曲げられ、それにより、流路における制限部の形成が防止される。つまり、管のキンクおよび/または管の締付けもしくは座屈が生じないので、コネクタと管との間の流動遷移が維持され、例えば、流路に沿った滑らかな流動曲線を維持する。
【0024】
図2Cおよび図2Dは、コネクタ6がまた、取り除かれる部分を中心215の周りに備えるか、またはコネクタ部分210よりも薄い中心215を有し得ることも示す。つまり、図2Dに見られるように、中心215は、中心部分216がコネクタ6の残りの部分よりも薄い肉厚を有するように、コネクタ6の材料が取り除かれた中心部分216を有し、この場合、中心部分は、矩形の形状、例えば立方体の輪郭を有する。中心部分216はまた、円錐形、円筒形、または類似の形状などの他の幾何学的形状を有し得ることが、認識される。より薄い肉厚を有しかつ/または中心部分から材料が取り除かれたコネクタ6の中心部分216を有することにより、コネクタ6の可撓性がさらに高められ、その結果、コネクタ部分210は、管とコネクタ部分との間の流動遷移が制限されないままであるように、例えば管が移動されるときに管のキンクまたは締付けまたは座屈がないように、管の移動とともにさらに関節式に動かされることが可能である。
【0025】
歪み緩和部分は、コネクタ6の可撓性を高めるために他の構造を含み得ることが、認識される。図3Aは、歪み緩和部分を含むコネクタ306の可撓性を高めるための一実施形態を示し、この場合、コネクタ部分310の外側表面は、コネクタ部分の外側表面上に長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクション320を含む。螺旋状リブセクション320は、コネクタ306の中心315のより近くに設けられた第1の端部316を有し、第1の端部316は、コネクタ部分310の第2の端部314に設けられた第2の端部317における螺旋状リブセクション310よりも大きな外径を有する。螺旋状リブセクションの厚さが図3Aに示されているが、螺旋状リブセクションの厚さは、コネクタ部分の可撓性を与えるために異なり得ることが、認識される。さらに、いくつかの実施形態では、図3Aに見られるように、コネクタ306の中心315は、隣接するコネクタ部分310間に設けられたセグメント化されたコア部分330を含むことができ、この場合、中心315の周りの材料は、コネクタ部分310の可撓性をさらに高めるために取り除かれており、例えば、コネクタ部分310は、管4が移動されるときにさらに関節式に動かされ得る。
【0026】
図3Bは、図3Aのコネクタ306の断面図を示す。図3Bに見られるように、一実施形態では、コネクタ306および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分310の内側表面と相補的である。当接表面310Aが、中心315とコネクタ部分310との間でコネクタ306の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面310Aに当接される。コネクタ306および管4の内径はまた、管4が流体移送の要件に応じてより大きなまたはより小さな内径を有し得るようにサイズ決めされ得ることが、認識される。つまり、少なくともコネクタおよび/または管の内径のサイズ決めは、容積依存的であり、例えば、コネクタは、レジューサ、エキスパンダ、またはそれらの組み合わせとして使用されるようにサイズ決めされ得る。
【0027】
図4Aは、コネクタ406の可撓性を高めるために歪み緩和部分を有する別の実施形態を示す。この実施形態では、コネクタ部分410の歪み緩和部分は、コネクタ部分410の外側表面から取り除かれたセグメント化された部分440を含む。つまり、セグメント化された部分は、外側表面が取り除かれたコネクタ部分の残りの部分であり、その結果、セグメント化された部分は、コネクタ部分の公称厚さに等しいか公称厚さと同じ厚さを有するコネクタ部分をもたらす。例えば、セグメント化された部分におけるコネクタ部分の残りの厚さは、公称肉厚の10~60%であってもよく、好ましくは厚さの50%を有してもよく、また、配管の可撓性(デュロメータ)、屈曲中の配管の特性、使用されるOM樹脂、コネクタの幾何形状などのさらなる変数に基づいてもよく、例えば、コネクタ部分410の強度および安定性を維持するために十分な厚さを有し、例えば、20~100psiの間のシステム圧力、好ましくは約30psiのシステム圧力、および/または100~300psiの間の圧力バースト(pressure burst)に耐える厚さを有する。セグメント化された部分440は、コネクタ部分410の可撓性が高められるように、コネクタ部分410の両側に設けられるか、またはコネクタ部分の長さに沿って交互に設けられ得る。図4Aに見られるように、セグメント化された部分440の数は変更可能であり、例えば1個から4個の間であってよく、設計は変更可能であり、例えばコネクタ部分の可撓性を高めるために接続部分の長さに沿って両側の部分が取り除かれるかまたはセクション全体が取り除かれてよく、またそれらの任意の組み合わせであってもよいことが、認識される。
【0028】
図4Bは、図4Aのコネクタ406の断面図を示す。図4Bに見られるように、一実施形態では、コネクタ406および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分410の内側表面と相補的である。当接表面410Aが、中心415とコネクタ部分410との間でコネクタ406の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面410Aに当接される。
【0029】
図4Cは、セグメント化された部分440を含むコネクタ406の代替設計を示す。この実施形態では、セグメント化された部分440は、セグメント化された部分440がコネクタ部分410を貫通して延在するようにコネクタ部分410から取り除かれたコネクタ部分の部分であり、例えば、管の外側表面は、少なくともセグメント化された部分440のうちの1つまたは複数を介してコネクタ部分410から露出される。そのような設計は、可撓性の歪み緩和を提供するだけでなく、コネクタおよび管の連続形成中に管を特定の位置に保持することを可能にすることが、認識される。
【0030】
図4Dは、図4Cのコネクタ406の断面図を示す。図4Dに見られるように、一実施形態では、コネクタ406および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分410の内側表面と相補的である。当接表面410Aが、中心415とコネクタ部分410との間でコネクタ406の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面410Aに当接される。
【0031】
図4Eは、セグメント化された部分440を含むコネクタ406の別の設計を示す。この実施形態では、セグメント化された部分440もまた、セグメント化された部分440がコネクタ部分410を貫通して延在するようにコネクタ部分410から取り除かれたコネクタ部分の部分であり、例えば、管の外側表面は、少なくともセグメント化された部分440のうちの1つまたは複数を介してコネクタ部分410から露出される。この実施形態では、セグメント化された部分440は、コネクタ部分410の長さに沿って平行配置で設けられる。そのような設計は、可撓性の歪み緩和を提供するだけでなく、コネクタおよび管の連続形成中に管を特定の位置に保持することを可能にすることが、認識される。
【0032】
図4Fは、図4Eのコネクタ406の断面図を示す。図4Fに見られるように、一実施形態では、コネクタ406および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分410の内側表面と相補的である。当接表面410Aが、中心415とコネクタ部分410との間でコネクタ406の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面410Aに当接される。
【0033】
図4Gは、セグメント化された部分440を含むコネクタ406の別の設計を示す。この実施形態では、セグメント化された部分440は、コネクタ部分410の長さに沿って平行配置で設けられており、コネクタ部分410の外側表面から取り除かれたコネクタ部分の残りの部分である。つまり、セグメント化された部分410は、外側表面が取り除かれたコネクタ部分の残りの部分であり、その結果、セグメント化された部分は、コネクタ部分の公称厚さに等しいか公称厚さと同じ厚さを有するコネクタ部分をもたらす。例えば、セグメント化された部分におけるコネクタ部分の残りの厚さは、公称肉厚の10~60%であってもよく、好ましくは厚さの50%を有してもよく、また、配管の可撓性(デュロメータ)、屈曲中の配管の特性、使用されるOM樹脂、コネクタの幾何形状などのさらなる変数に基づいてもよく、例えば、コネクタ部分410の強度および安定性を維持するために十分な厚さを有し、例えば、20~100psiの間のシステム圧力、好ましくは約30psiのシステム圧力、および/または100~300psiの間の圧力バーストに耐える厚さを有する。
【0034】
図4Hは、図4Gのコネクタ406の断面図を示す。図4Hに見られるように、一実施形態では、コネクタ406および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分410の内側表面と相補的である。当接表面410Aが、中心415とコネクタ部分410との間でコネクタ406の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面410Aに当接される。
【0035】
取り除かれたまたは部分的に取り除かれた、図4A図4Hに示されたセグメント化された部分440は、様々な設計のものであってよく、また、種々の実施形態の範囲から逸脱することなしにコネクタ部分に歪み緩和を提供するために様々な組み合わせで組み合わせられてもよいことが、理解される。
【0036】
コネクタの設計はコネクタ部分の外側表面上の歪み緩和部分に関して論じられてきたが、種々の特徴は少なくとも部分的にコネクタ部分の内側表面を貫通して延在してもよく、例えば肉厚を貫通して延在してもよいこともまた、認識される。したがって、リブ、螺旋状部分、および/またはセグメント部分の少なくとも一部は、リブ、螺旋状部分、および/またはセグメント部分の一部が、モールディングプロセス中の管の位置を維持するために、コネクタ部分に挿入された管と交差することができるように、内側表面内に延在する。
【0037】
上記の実施形態は、4アーム交差設計として設けられた4つのコネクタ部分を有するコネクタを示すが、コネクタは、複数のコネクタ部分の数に応じて種々の実施形態内で異なる設計構成において提供され得ることが、認識される。例えば、コネクタは、4アーム交差モールド設計、6アーム交差モールド設計(または、星モールド設計)、Tモールド設計、yモールド設計、エルボモールド設計、またはそれらの組み合わせの任意の組み合わせとして配置された複数のコネクタ部分を含むことができる。コネクタ設計構成は、充填されることを必要とする袋組立体の数、袋組立体もしくは処理設備のレイアウト、または他の設計検討事項に基づいて選択され得る。例えば、コネクタは、異なるサイズの配管または構成要素を接続することが必要な場合に、レジューサ、エキスパンダ、またはそれらの組み合わせとして構成され得る。
【0038】
例えば、図5Aに見られるように、コネクタ506は、yモールド設計において3つのコネクタ部分510を含む。この実施形態では、コネクタ部分510は、y設計におけるコネクタ506の中心515から延在し、この場合、管4のうちの1つは、医薬品流体または生物学的流体を他の2つのコネクタ部分510に供給するために設けられ得る。コネクタ部分510は、コネクタ部分510の外側表面の長さに沿って平行に設けられた複数のリブセクション530を含み、この場合、コネクタ506の中心515に最も近接してまたは最も近くで第1の端部512に設けられるリブセクションは、管4に接続されるコネクタ部分の第2の端部514に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する。
【0039】
図5Bは、図5Aのコネクタ506の断面図を示す。図5Bに見られるように、一実施形態では、コネクタ506および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分510の内側表面と相補的である。当接表面510Aが、中心515とコネクタ部分510との間でコネクタ506の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面510Aに当接される。
【0040】
図5Cは、6アーム交差モールド設計(または、星モールド設計)として6つのコネクタ部分510が設けられている、コネクタ部分の別の設計を示す。この実施形態では、コネクタ部分510は、6アーム交差設計または星設計においてコネクタ506の中心515から延在し、この場合、管4のうちの1つ(または、複数)は、医薬品流体または生物学的流体を他のコネクタ部分510に供給するために設けられ得る。コネクタ部分510は、コネクタ部分510の外側表面の長さに沿って平行に設けられた複数のリブセクション530を含み、この場合、コネクタ506の中心515に最も接近してまたは最も近くで第1の端部512に設けられるリブセクションは、管4に接続されるコネクタ部分の第2の端部514に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する。
【0041】
図5Dは、図5Cのコネクタ506の断面図を示す。図5Dに見られるように、一実施形態では、コネクタ506および管4は、同じまたは類似の内径を有することができ、この場合、管4の外側表面は、コネクタ部分510の内側表面と相補的である。当接表面510Aが、中心515とコネクタ部分510との間でコネクタ506の内部に設けられてよく、この場合、管4は、コネクタおよび管の連続形成の前の位置合わせを可能にするために、当接表面510Aに当接される。
【0042】
図5Eは、多重ポート設計として5つのコネクタ部分510が設けられている、コネクタ部分の別の設計を示す。この実施形態では、コネクタ部分510は、コネクタ506の中心515から延在し、この場合、供給管に接続されるコネクタ部分は、残りのコネクタ部分510よりも大きな内径を有する。例えば、図5Eにおいて水平に設けられた管4Aおよび4Bは、管4C、4D、4Eを通じて袋組立体に医薬品流体または生物学的流体を供給するために使用され得る。一実施形態では、コネクタ部分510は、管のサイズに類似したサイズを有することができ、例えば、管4Aおよび4Bに接続されるコネクタ部分510は、コネクタ506の残りのコネクタ部分510よりも大きな内径および/または外径を有する。このようにして、コネクタ506は、エキスパンダ、レジューサ、またはそれらの組み合わせとして使用され得る。上記の実施形態と同様に、コネクタ部分510は、コネクタ部分510の外側表面の長さに沿って平行に設けられた複数のリブセクション530を含み、この場合、コネクタ506の中心515に最も近接してまたは最も近くで第1の端部512に設けられるリブセクションは、管4に接続されるコネクタ部分の第2の端部514に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する。したがって、管4Aおよび4Bに接続される接続部分510に設けられるリブセクションは、管4C、4D、4Eに接続される接続部分510上のリブセクションよりも大きな外径を有する。
【0043】
コネクタは、単一の設計構成を含むことができ、または様々な設計構成の組み合わせであってもよく、例えば、コネクタの種々の実施形態の様々な特徴がコネクタの他の設計または同じ設計と組み合わせられ得ることが、認識される。例えば、図5Fに見られるように、脊椎状組立体500は、袋組立体への医薬品流体または生物学的流体の分配のための設計構成の任意の組み合わせを使用するコネクタ506を含むことができ、例えば、モールドは、コネクタを形成するために4つの4アーム交差モールド設計を含むことができる。コネクタ506は、円錐形にテーパ付けされた複数のコネクタ部分510を有し、ここで、コネクタ506の複数の中心515における第1の端部512の外径は、第2の端部514の外径よりも大きい。したがって、コネクタ部分510のそれぞれは、可撓性であり、かつ、例えば袋組立体が移動されるときに関節式に動かされることが可能であり、その結果、管4とコネクタ部分510との間の流動遷移において、例えばキンクまたはピンチといった流れ制限が生じない。コネクタ部分の可撓性はまた、袋組立体(および管)の移動中ならびに/またはシステムのパッケージング中に絡み点(catch point)または引掛かり点(snag point)を減少させ得ることも、認識される。
【0044】
つまり、コネクタ6、306、406、506の実施形態の全てが、従来技術のコネクタ設計の欠陥を克服する構造を有して形成される。例えば、コネクタは管と連続的に形成されるコネクタ部分を含むので、管およびコネクタ部分は、管およびコネクタ部分を接続するための機械式コネクタを必要とせず、また、内部流路に沿って配管とコネクタとの間に間隙が作り出されない。したがって、コネクタの構造は、流体を蓄積しかつ細胞の汚染および破損をもたらすポケットの生成を回避し、例えば、内部流路は、十分な引抜き力を維持しながら、滑らかである。さらに、いくつかの実施形態ではコネクタおよび管は連続的に形成されるので、コネクタおよびパイプが同じまたは類似の材料で作られている場合、例えば同じまたは類似の熱的特性を有する場合、流体接続組立体はシステムの構造的完全性を維持しながら極低温プロセスにおいて使用され得ること、例えば漏れおよび/または汚染が防止されることが、意外にも分かった。例えば、コネクタは、-196℃での衝撃試験、-195℃での凍結落下試験(freeze-drop test)に耐えることが可能であり、かつ、凍結融解用途に使用され得る。
【0045】
さらに、コネクタ6、306、406、506は可撓性であり、コネクタ部分は管が移動されるときに関節式に動かされることが可能であるので、例えば袋組立体または処理設備が移動される場合に、管は曲げられず、例えばキンクされずまたは締め付けられず、その結果、管とコネクタ部分との間の流動遷移間の流路における中断は、生み出されない。したがって、流体接続組立体は、一定量の医薬品流体または生物学的流体を袋組立体に移送するために使用可能であり、例えば、流れの中断は生み出されないので、一貫した流れが流体接続組立体にわたって維持され得る。
【0046】
図6を参照すると、流体接続組立体を製造する方法600のための流れ図が示されている。例えば、方法600は、図1図5Fにおける流体接続組立体を製造するために使用され得る。S610から始まり、複数の管が、第1の開口端部と第1の開口端部の反対側の第2の開口端部とを有して形成される。S620において、複数のコネクタが形成され、この場合、コネクタのそれぞれは、複数のコネクタ部分を有するように形成される。コネクタ部分は、コネクタの中心に接続される第1の端部と、第2の開口端部とを有するように形成される。コネクタ部分のそれぞれは、円錐形にテーパ付けされるように形成され、ここで、コネクタの中心における第1の端部の外径は、コネクタ部分が可撓性であるように、コネクタ部分の第2の端部の外径よりも大きい。
【0047】
S630において、複数の管、例えば少なくとも3つの管、およびコネクタのうちの1つが、モールド内に配置される。管は機械的摩擦がコネクタ部分と管とを保持するようにコネクタのコネクタ部分に挿入されることが、認識される。例えば、管の開口端部が、コネクタ部分の内側流路に沿って設けられた内部表面に当接するまで、または、コネクタ部分の長さの少なくとも4分の1、好ましくは2分の1の位置まで挿入されるまで、コネクタ部分の第2の端部に挿入され得る。したがって、管は、コネクタの中心およびコネクタの他のコネクタ部分と流体的に接続される。
【0048】
S640において、コネクタは、モールド内で管とオーバモールドされる。オーバモールディングプロセスは、例えばモールディングプロセス(例えば、熱硬化、または射出成形を使用する)、注型(例えば、2部品注型など)、熱成形、などの間に単一の型を使用して、単一のオーバモールディングプロセスとして起こり得る。例えば、熱硬化性材料が使用される場合、熱硬化性樹脂材料、例えばシリコーンが、触媒または他の樹脂と一緒にモールドピン(mold pin)内に配置される。次いで、モールドピンは、制御温度まで加熱され、例えば制御温度に設定され、または、熱硬化性樹脂材料は、管とオーバモールドされたコネクタを形成するために硬化される。あるいは、コネクタ部分と管とをオーバモールドするために熱可塑性プラスチックがモールドに注入される射出成形法が使用されてもよい。したがって、コネクタならびにコネクタ部分および管は、ポリマーにより互いに直接にまたは連続的に形成される。
【0049】
S650において、プロセスは、モールドピンを残りのコネクタまで移動させてコネクタのコネクタ部分と他の管組立体とを連続的に形成することにより、例えば逐次オーバモールディングにより、流体接続組立体の脊椎状組立体を形成するために、各コネクタおよび管組立体に対して繰り返される。
【0050】
態様
態様1~9のいずれも、態様10~16および/または態様17~18のいずれかと組み合わせることができ、その逆も同様である。
【0051】
態様1.第1の開口端部および第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管と、
複数のコネクタであって、コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を備え、少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、コネクタの中心から延在し、かつ、コネクタの中心に接続される第1の端部、および複数の管のうちの1つの第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、コネクタ部分が、管およびコネクタの中心と連続的に形成され、コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタと、
を備える、流体接続組立体であって、
少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされ、コネクタの中心における第1の端部の外径が、コネクタ部分が可撓性であるように、コネクタ部分の第2の端部の外径よりも大きい、流体接続組立体。
【0052】
態様2.コネクタ部分が、それぞれのコネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を備える、態様1の流体接続組立体。
【0053】
態様3.歪み緩和部分が、コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられた複数のリブセクションを備え、コネクタの中心のより近くに設けられるリブセクションが、コネクタ部分の第2の端部に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する、態様2の流体接続組立体。
【0054】
態様4.歪み緩和部分が、コネクタ部分の長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクションを備え、コネクタの中心のより近くに設けられる螺旋状リブセクションの第1の端部が、コネクタ部分の第2の端部に設けられる螺旋状リブセクションの第2の端部よりも大きな外径を有してコネクタ部分の第1の端部に設けられる、態様2の流体接続組立体。
【0055】
態様5.歪み緩和部分が、コネクタ部分の外側表面から取り除かれたセグメント化されたコア部分を備える、態様2の流体接続組立体。
【0056】
態様6.コネクタが、熱可塑性エラストマーまたは熱硬化性材料を含む、態様2の流体接続組立体。
【0057】
態様7.熱可塑性エラストマーが、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはシリコンである、態様6の流体接続組立体。
【0058】
態様8.コネクタが、レジューサとして、4アーム交差モールド、6アーム星モールド、Tモールド、yモールド、エルボモールド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される設計を有する、態様1~7のいずれか1つの流体接続組立体。
【0059】
態様9.複数の管のうちの1つの第1の端部開口端部が、袋組立体に流体的に接続されている、態様1~8の流体接続組立体。
【0060】
態様10.少なくとも2つのコネクタ部分であって、それぞれが、コネクタの中心から延在し、かつ、コネクタの中心に接続される第1の端部、およびコネクタの中心から横方向に延在する第2の端部を有し、コネクタの中心と連続的に形成され、また、互いに流体的に接続される、少なくとも2つのコネクタ部分
を備える、コネクタであって、
少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされ、コネクタの中心における第1の端部の外径が、コネクタ部分が可撓性であるように、コネクタ部分の第2の端部の外径よりも大きい、コネクタ。
【0061】
態様11.コネクタ部分が、それぞれのコネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を備える、態様10のコネクタ。
【0062】
態様12.歪み緩和部分が、コネクタ部分の長さ方向に沿って平行配置で設けられた複数のリブセクションを備え、コネクタの中心のより近くに設けられるリブセクションが、コネクタ部分の第2の端部に設けられるリブセクションよりも大きな外径を有する、態様11のコネクタ。
【0063】
態様13.歪み緩和部分が、コネクタ部分の長さ方向に沿って設けられた螺旋状リブセクションを備え、コネクタの中心のより近くに設けられる螺旋状リブセクションの第1の端部が、コネクタ部分の第2の端部に設けられる螺旋状リブセクションの第2の端部よりも大きな外径を有してコネクタ部分の第1の端部に設けられる、態様11のコネクタ。
【0064】
態様14.歪み緩和部分が、コネクタ部分の外側表面から取り除かれたブロックコア部分を備える、態様11のコネクタ。
【0065】
態様15.熱可塑性エラストマーを含む、態様10~14のいずれか1つのコネクタ。
【0066】
態様16.熱可塑性エチレン酢酸ビニル(EVA)を含む、態様15のコネクタ。
【0067】
態様17.流体接続組立体を製造するための方法であって、
第1の開口端部および第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管を形成することと、
複数のコネクタを形成することであって、コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を有するように形成され、少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、コネクタの中心から延在し、かつ、コネクタの中心に接続される第1の端部、および複数の管のうちの1つの第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタを形成することと、
コネクタ部分がコネクタの中心および管と流体的に接続されるように、2つのコネクタ部分のうちの少なくとも1つと複数の管のうちの1つの第2の開口端部とをオーバモールドすることと、
を含み、
少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、円錐形にテーパ付けされるように形成され、コネクタの中心における第1の端部の外径が、コネクタ部分が可撓性であるように、コネクタ部分の第2の端部の外径よりも大きい、方法。
【0068】
態様18.オーバモールドするステップが、単一のステップにおいて起こる、態様17の方法。
【0069】
本出願において開示される例は、あらゆる点で説明に役立つものとみなされるべきであり、制限的なものとみなされるべきではない。本発明の範囲は、これまでの説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入る全ての変更は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A-3B】
図4A-4B】
図4C-4D】
図4E-4F】
図4G-4H】
図5A-5B】
図5C-5D】
図5E
図5F
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口端部および前記第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管と、
複数のコネクタであって、前記コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を備え、前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、前記コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記複数の管のうちの1つの管の前記第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、前記コネクタ部分が、前記管および前記コネクタの前記中心と連続的に形成され、前記コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタと、
を備える、流体接続組立体であって、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれは、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい円錐テーパ状である、流体接続組立体。
【請求項2】
前記コネクタ部分が、それぞれの前記コネクタ部分の外側表面に沿って設けられた歪み緩和部分を備える、請求項1に記載の流体接続組立体。
【請求項3】
前記複数の管のうちの1つの管の前記第1の開口端部が、袋組立体に流体的に接続されている、請求項に記載の流体接続組立体。
【請求項4】
少なくとも2つのコネクタ部分であって、それぞれが、コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記コネクタの前記中心から横方向に延在する第2の端部を有し、前記コネクタの前記中心と連続的に形成され、また、互いに流体的に接続される、少なくとも2つのコネクタ部分
を備える、コネクタであって、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれは、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい円錐テーパ状である、コネクタ。
【請求項5】
流体接続組立体を製造するための方法であって、
第1の開口端部および前記第1の開口端部の反対側の第2の開口端部を有する複数の管を形成することと、
複数のコネクタを形成することであって、前記コネクタのそれぞれが、少なくとも2つのコネクタ部分を有するように形成され、前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれが、前記コネクタの中心から延在し、かつ、前記コネクタの前記中心に接続される第1の端部、および前記複数の管のうちの1つの前記第2の開口端部に接続される第2の端部を有し、前記コネクタ部分が、互いに流体的に接続される、複数のコネクタを形成することと、
前記コネクタ部分が前記コネクタの前記中心および前記管と流体的に接続されるように、前記2つのコネクタ部分のうちの少なくとも1つと前記複数の管のうちの1つの管の前記第2の開口端部とをオーバモールドすることと、
を含み、
前記少なくとも2つのコネクタ部分のそれぞれは、前記コネクタ部分が可撓性であるように、前記コネクタの前記中心における前記第1の端部の外径が前記コネクタ部分の前記第2の端部の外径よりも大きい円錐テーパ状である、方法。
【国際調査報告】